説明

位置決定のための方法及び装置

【課題】効率的な位置決定のための方法及び装置を提供する。
【解決手段】この方法及び装置において、1つ又はそれ以上のアプリケーション201、202は、測位方法選択装置204に測位データを要求する。測位方法選択装置は、アプリケーション及び/又はユーザーによって規定される設定に従い、1つ又はそれ以上の測位方法205−209を使用して、このアプリケーションに測位データを提供する。測位方法選択装置204は、アプリケーション201、202から測位要求を受け取り、このアプリケーションによって要求される測位の質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)を形成し、測位方法によって提供される測位データの質をアプリケーションによって要求される測位の質と比較し、測位要求に応答してアプリケーション201、202に測位データを送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決定のための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な測位方法をポータブル端末装置に組み込むことによって、この端末装置のユーザーがその地理的位置を測定することが可能になっている。位置決定のために衛星を使用することによって、全世界的なGPS(全地球測位システム)ナビゲーション・システムが生み出された。移動通信システム及び移動端末の進歩も、数ヶ所の基地局から送られる信号の移動端末における受信時刻の差の測定に基づく、例えば、E−OTD(拡張時間差観測)システムなど、他のタイプの測位方法を生み出した。
【0003】
位置決定のための方法及び装置の開発においては、これまで、主に、装置に使用される1つのアプリケーションと1つの測位方法との間における相互関係に重点が置かれてきた。その種の装置の一例が、ポータブルGPSナビゲーション装置であり、この装置により、ユーザーは、全地球測位システムを使って自分の位置を測定でき、例えば、緯度及び経度情報を含めた測位情報を装置のディスプレイに表示することができる。様々な地理的条件の下では、異なる測位方法の信頼性は変化するので、そのために生じる装置のユーザーにとっての問題が、単一の端末において、複数の測位方法を使用できるようにすることによって解決されてきた。このようにして、例えば、複数の利用可能な方法の中から使用される方法を選択することによって、ある所定の状況にとって最も適切な測位方法を使用することができる。例えば、GPS測位システムは、特に、自動車で道路を走行中に使用するのに非常に適している。ビル内部など、GPSシステムの信頼性が最善ではない場所では、例えば、E−OTD又はTOA(タイム・トゥ・アライブ)法などのもっと良好に機能する他の測位方法を使用することができる。
【0004】
この種の方法及び装置は、英国特許公報GB2,322,248Aにおいて開示されており、この公報において、端末は、数種の異なる測位システムを使用し当該測位方法が機能しなくなったら自動的に測位方法を変更できる単一の測位アプリケーションを備える。同公報GB2,322,248において、様々な測位方法によって提供される測位データを使用するアプリケーションは、位置決定に関係する情報だけがユーザーに提供される。言い換えると、このアプリケーションは、測位データを限定的にしか使用しない。しかし、将来は、アプリケーションがさらに進化して多様化するにつれて、移動端末装置の様々なアプリケーションが、装置のユーザーへの測位関係の情報の単純な提示だけでなく、より複雑な多様な方法に範囲を広げて測位情報を利用することになる。単一の端末装置が、測位情報を利用する数種のアプリケーション及びサービス並び数種の利用可能な測位方法を含むことになると見られる。例えば、将来の移動端末装置、例えば、第三世代移動通信ネットワークに関連して開発されるものは、現在利用できるものよりずっと多様な測位ベースのアプリケーションを提供するものとなる。この種のアプリケーションとしては、例えば、ユーザーの位置を追跡するためにマップ・ベースのディスプレイを組み込むナビゲーション・システム、又は、ユーザーの現在位置に最寄りの特定タイプのサービス又は小売販売店を捜し出せるように設計されるアプリケーションが考えられる。
【0005】
測位データにアクセスする必要のある移動端末装置のアプリケーションの数が増え、あるアプリケーションがアクセスできる測位方法の数が増えると、効率的な方法でアプリケーションによる測位方法の使用を管理し制御する必要が生じることとなる。アプリケーションによる測位方法の効率的な制御の必要性は、アプリケーションによって実行される測位関係のタスクの複雑さが増すにつれて、さらに大きくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで発明された位置決定のための方法及び装置によって、一体的に端末装置に組み込まれ、接続可能な測位方法、又は、移動通信ネットワークによって提供される測位方法を用いて、例えば、測位方法選択装置(PMSD)の助けを借りて複数のアプリケーションが使用される。本発明によって、1つ又は複数のアプリケーションが、PMSDを通じて、同時に或いは異なる時点で、1つ又はそれ以上の測位方法によって提供される測位データを入手し使用することができる。
【0007】
どの時点でも、PMSDは、様々な条件の下での利用可能な測位方法の動き具合を知らなくとも、ユーザー又はアプリケーションによって規定されるサービスの質(測位の質QoP)を指定する要件に基づいて、自動的に、端末装置のアプリケーションが使用可能な最善の測位方法を決定することができる。本発明に従った測位方法選択装置を使用することにより、各アプリケーションは、各測位方法から別個にではなく、測位方法選択装置から集中的に測位データを要求するので、使用中のアプリケーションが実行すべきタスクの数が減少する。従って、PMSDは、アプリケーションによる様々な測位方法の使用を管理し制御し、提供される測位データができる限りユーザー及び/又はアプリケーションによって指定される質の要件に合致するように、アプリケーションと測位方法の間のインターフェイスとして機能する。
【0008】
本発明に従った方法においては、端末装置の各利用可能なアプリケーションは、測位情報を必要とするとき測位方法選択装置に対して測位要求を送る。PMSDは、そのときどきに利用可能な測位方法の数、及びその時点でのその動作状態(例えば、使用中/非使用中)、並びに支配的条件の下でのその能力を知っている。アプリケーションは、特定の時点でどの測位方法が使用されるか、又は各測位方法がアプリケーションによって要求される測位データをどのように、また、どのフォーマットで提供するかを知る必要がない。
【0009】
特に(ただし、必ずしもではないが)、例えば、GPSロケータのように、ユーザーが端末装置の助けを借りて自分の位置を測定しようとする場合など、端末装置が個人の位置決定のために使用される場合、PMSDは、様々な測位方法の優先順位、即ち、ユーザーが第一希望としてどの測位方法を使用したいかなど、ユーザーの条件を考慮に入れることができる。ただし、その測位方法が使用可能であることが条件となる。さらに、ユーザーは、特定の測位方法の使用を許可又は禁止することによって、特定の時点でユーザーがPMSDに使用させたい測位方法を規定することができる。ユーザーは、使用中のアプリケーションを通じてではなく、ユーザー・インターフェイスを通じて(アプリケーションから独立して)PMSDに直接、測位方法の選択に関する条件を指定することができる。この有利な特徴は、アプリケーションとPMSDの間の情報交換を減少し単純化する。また、測位方法の選択に関してユーザーが設定する条件には、要求される測位データ(例えば、緯度、経度、特定の地点からの距離)の希望の精度を含めることができる。各測位方法は、それぞれ自身の特徴的能力及び特性を持っているので、PMSDは、特定のアプリケーションによって実行されるタスクに応じて、この特定のアプリケーションからの測位要求に関連して使用される特定の測位方法を選択することができる。
【0010】
PMSDのための集中的に行なわれる設定は、全てのアプリケーションに直接的に影響するので、ユーザーは各アプリケーションのための別個に設定を行なう必要はない。例えば、WAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)又はその他のブラウザによって接続が行なわれたサービスが、特定の精度でその位置に関する情報を提供するようブラウザに要求する場合、位置情報は、最終的に、ユーザーによって設定された条件に従って表示される。例えば、ユーザーがその時点で使用のための測位方法を指定しており、この測位方法がアプリケーションによって要求される精度で測位データを提供することができない場合、ブラウザ・アプリケーションはサービスに対して位置情報を送らない。その代わりに、ユーザーは、各特定のアプリケーションがPMSDから受け取ることができる位置情報の提供元の測位方法を予め規定することができる。これは、特に測位方法の使用コストが測位データ要求度数に基づく場合には、有利な特徴である。
【0011】
PMSDは、また、端末装置を通じて接続され、使用中にされる又は使用から外される測位方法を検出することができる。例えば、端末装置が自動車内で使用される場合、ユーザーは、シリアル・ポート又はその他の同等のポート又はコネクタを通じて端末装置をGPSシステムなどの自動車ナビゲーション・システムに接続することができる。このようにして、端末装置の内部GPSロケータより、おそらく正確で多目的の(例えば、マップ・データ及び道路ネットワークに関するその他の情報を提供する)自動車自身の測位システムを使用することが可能である。その代わりに、端末装置が内部GPS装置を持たない場合には、自動車のシステムを使用することができる。
【0012】
自動車で目的地に到着すると、ユーザーは端末装置を携帯し、外部GPSシステムは、もはやPMSDで使用することはできず、PMSDは利用可能な測位方法から最適の方法又は予めユーザーによって規定された方法、例えば、端末装置の内部GPS装置を探索する。ユーザーが建物内に入ると、端末装置の内部GPS受信機は、必要な衛星信号を受信できない環境(所謂、「圏外」)に入るかも知れない。この場合、その動作が阻止される。このような状況においては、PMSDは、再び利用可能な測位方法の中からE−OTD又はブルートゥース・システム又はWLANサービスなど屋内でよりよく動作する新しいシステムを探索する。言い換えると、PMSDは、自動的に、どの測位装置又は方法が使用可能であるかを登録する。例えば、端末装置のコネクタへの接続に基づき、又は、その他技術上既知の同等の方法で外部測位装置を検出することができる。アプリケーションは、PMSDにその要件を自動的に知らせることもできる。
【0013】
本発明の第1の態様に、従えば、1つ又はそれ以上の測位方法の使用を集中的に管理するために測位方法選択装置(PMSD)が配備されることを特徴とする、1つ又はそれ以上の測位方法を使用する位置決定のための方法が提供される。
【0014】
本発明の第1の態様に従う方法は、
−前記1つ又はそれ以上の測位方法の少なくとも1つの測位特性に関して集中レジスタを保持するステップと、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を含む集中レジスタを保持するステップと、
−1つ又はその以上のアプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるステップと、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択するステップと、
を含み、有利である。
【0015】
本発明の第2の態様に従えば、1つ又はそれ以上の測位方法の使用を集中的に管理するための測位方法選択装置(PMSD)を備えることを特徴とする、1つ又はそれ以上の測位方法を使用する位置決定のための装置が提供される。
【0016】
本発明の第2の態様に従う装置は、
−前記1つ又はそれ以上の測位方法の少なくとも1つの測位特性に関して集中レジスタを保持するための第1の保存手段と、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件に関して集中レジスタを保持するための第2の保存手段と、
−1つ又はそれ以上のアプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるようにするための手段と、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択するための選択手段と、
を備え、有利である。
【0017】
本発明の第3の態様に従えば、1つ又はそれ以上の測位方法の使用を集中的に管理するための測位方法選択装置(PMSD)を実行するコンピュータ・プログラム手段を含むことを特徴とする、1つ又はそれ以上の測位方法を使用する位置決定のためのコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0018】
本発明の第3の態様に従うコンピュータ・プログラム製品は、
−前記1つ又はそれ以上の測位方法の少なくとも1つの測位特性に関して第1の集中レジスタを保持するためのコンピュータ・プログラム手段と、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件に関して第2の集中レジスタを保持するためのコンピュータ・プログラム手段と、
−1つ又はそれ以上のアプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるコンピュータ・プログラム手段と、
−測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択するためのコンピュータ・プログラム手段と、
を備え、有利である。
【0019】
本発明によって、1つ又はそれ以上のアプリケーションが、要求される測位の質を示すパラメータ値(1つ又はそれ以上)に従った測位データをPMSDに要求することができ、PMSDは、1つ又はそれ以上の測位方法を使って要求される質の測位データをアプリケーションに送る。アプリケーション(1つ又はそれ以上)は、要求される測位の質を示すパラメータ値(1つ又はそれ以上)を形成し、これをPMSDに送り、その後、PMSDは、受け取ったパラメータ(1つ又はそれ以上)に基づき測位データを送るために最適の測位方法を選択し、正確なフォーマット、即ち、アプリケーションによって要求されるフォーマットで測位データをアプリケーション(1つ又はそれ以上)に送ることができる。PMSDは、また、最善の測位精度を得るために数種の測位方法から得られるデータを結合することによって、測位データを形成することもできる。
【0020】
アプリケーションは、1つのパラメータ値を形成することができる。この場合には、例えば、精度が1つの基準となりうる。その代わりに、数個のパラメータを形成することができ、その場合には、パラメータ値(1つ又はそれ以上)は、精度に加えて、測位方法の使用が課金の対象となる場合には、コストであり、測位方法が測位データを送る速度であることもありうる。パラメータ値は上記の例に限定されず、他のパラメータを使用することもできることが分かるはずである。
【0021】
ユーザーは、優先順位及びユーザーがある特定の測位方法を使用可能にしたいか使用から外したいかなど、測位方法に関する条件を直接PMSDに指定することができる。測位方法は、通常、商業サービスとして提供され、そいて、ユーザーが負担する使用サービスのコストは、測位データが要求される度数に基づくので、各アプリケーションが個別に測位方法にアクセスするとかなりコスト高になる。従って、複数のアプリケーションは、1つのアプリケーションが既に入手した測位データを、PMSDを通じて使用することができるので、本発明に従った方法及び装置は、測位方法を使用するためのユーザーのコストを削減するという利点を有する。
【0022】
次に、本発明に従ったシステムについて、図面1乃至8を参照しながら、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に従った測位方法の選択のための方法が実現される本発明に従った装置のブロック図を示している。
【図2】図2は、本発明に従った測位方法選択装置を使用する測位方法とアプリケーションの間の相互関係を示している。
【図3】図3は、本発明に従った方法の全般的説明を示している。
【図4】図4は、本発明に従った測位方法選択装置の動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、2つの異なるアプリケーションと本発明に従った測位方法選択装置の間の相互関係を示す情報伝達図である。
【図6】図6は、2つの異なる測位方法が使用中のときの本発明に従った装置の動作を示す情報伝達図である。
【図7】図7は、本発明に従った測位方法選択装置がない場合の測位ベースのサービスとアプリケーションの間の相互関係を示している。
【図8】図8は、本発明の実施態様に従った移動端末装置のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明に従った測位方法選択装置PMSD(100)の実施態様例のブロック図を示している。例として、2つの異なるアプリケーション101及び102、並びに、3つの異なる測位方法が示されている。但し、アプリケーション及び測位方法の数は上記の数に限定されない。アプリケーション101及び102は、PMSDを通じて測位データを要求し、PMSDは、さらに、測位方法103〜105から受け取った情報を使って測位データを形成する。ユーザーは、ユーザー・インターフェイス106〜108を使って測位タスク及び測位方法に関するパラメータを規定することができる。上記のパラメータはレジスタ118に記憶される。
【0025】
アプリケーション101、102は、PMSDに測位データを要求することにより、インターフェイス109を通じてPMSDに接続される。アプリケーション101及び102は、要求される測位データに関するパラメータ、例えば、測位データの精度又はタイプ及びフォーマットなどを規定することができる。
【0026】
測位方法103〜105は、インターフェイス110を通じてPMSDに接続される。インターフェイス110は、例えば、外部測位方法の接続のためのシリアル・ポートなど、並びに、端末装置に組み込まれる測位方法用及び例えば移動通信ネットワークによって提供される測位関係のサービス用のインターフェイスを含むことができる。
【0027】
制御手段111〜113は、PMSDの様々な機能ブロックの動作及びそれらの間のデータ伝送を制御する。制御手段はコントローラ111を備え、コントローラは、例えば、PMSDの機能を制御するためのマイクロプロセッサ又は同等の手段として実現される。制御手段は、さらに、ランダムアクセス・メモリ112、並びにPMSD機能の制御のために必要なコマンドを記憶する固定メモリ113を備える。
【0028】
アプリケーションnによって要求される測位精度など、測位データの質(位置の品質QoP)を説明するパラメータ(1つ又はそれ以上)は、レジスタ114に記憶される。ここで、nは、使用中のアプリケーションを示しており、1とアプリケーションの最大数との間の整数である。前記のパラメータ(1つ又はそれ以上)は、アプリケーションの動作状態に応じて又は、例えば、アプリケーションが端末装置にインストールされるときに自動的に各アプリケーションから直接受け取ることができる。
【0029】
測位方法xによって提供される測位データの質を説明するパラメータ(1つ又はそれ以上)は、レジスタ115に記憶される。ここで、xは、使用中の測位方法を示しており、1と利用可能な測位方法の数との間の整数である。このパラメータ(1つ又はそれ以上)は、期待値を表し、アプリケーションは、これに従ってPMSDがアプリケーションにデータを提供すると予想することができる。前記のパラメータ(1つ又はそれ以上)は、各測位方法から直接自動的に提供することができ、例えば、一定の間隔で、又は特定の測位方法が使用中になるとき更新される。
【0030】
測位方法xによって提供される測位データの質を表すパラメータのデフォルト値は、レジスタ116に記憶される。PMSDは、一定の間隔で測位方法から測位データの質を表すパラメータを入手するか、又は連続的に状況を監視して、必要なときデフォルト値を更新することができる。デフォルト値は、測位方法がPMSDに測位データを提供するときに従うパラメータ値である。
【0031】
測位方法xがアプリケーションNによって要求される測位データをPMSDに返すとき、測位方法xによって提供される測位データが実際に達成する質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値が、レジスタ117に記憶される。図1に示される実現方法の他に、測位方法選択装置は、コンピュータ・プログラムとして実現することもでき、この場合には装置の機能ブロックはプログラム・コードとして実現される。
【0032】
図2は、本発明に従った測位方法選択装置(PMSD)を使用する場合の測位方法とアプリケーションの間の相互関係を図解している。例として、この場合には、WAPブラウザ201及びナビゲーション・ガイド202の2つの異なるアプリケーションが示されているが、他のアプリケーションを使用することもできる。ユーザーが測位関係のパラメータを規定する際(参照番号210)に使用するユーザー・インターフェイス203と共に、様々な測位方法205〜209も示されている。測位方法としては、例えば、前に説明したGPS及び/又はE−OTDが含まれる。住所、地理座標(例えば、緯度及び経度)など測位データを、ユーザー・インターフェイスを通じて直接入力するか又は、例えば、コンタクト・カード又は名所(POI)データベースなどデータベースに記憶される測位データにアクセスするための選択権をユーザーに提供することもできる。
【0033】
PMSD(204)は、アプリケーション201、202から測位要求を受け取り(参照番号211、212)、測位方法205〜209によって、又は、ユーザー・インターフェイスを通じてユーザーによって提供されるデータから前記測位要求に対する応答を形成する。また、PMSDは、測位要求の測位精度に関する情報並びに当該アプリケーションによって要求される測位データのタイプ及びフォーマットに関する情報を受け取ることができる。PMSDは、特定のアプリケーションが測位データを要求するときに、「オン−オフ」式による測位要求及び特定の測位タスクに関するパラメータを受け取るか、連続的に順次これを受け取ることができる。例えば、当該アプリケーションが、ユーザーが場所から場所に移動する時その位置の最新の推定値をユーザーに示すためのものである場合に、この状況が生じる。
【0034】
また、PMSD204は、支配的条件の下での様々な測位方法205〜209の機能を監視し、測位データを入手するための最適の測位方法を常に使用する(参照番号213〜217)役割も果たす。所定のアプリケーションから測位データの反復的又は連続的要求を受ける場合、PMSDは、最初に測位要求を受け取るときに適切な測位方法を選択し、この一連の要求が終結するまでこの同じアプリケーションからのその後の要求に応じて測位データを提供するために、この方法を使用することができる。本発明の別の実施態様において、PMSDは、一連の要求の各々について最善の測位方法を選択するためにその監視機能を使用する。
【0035】
自動車のGPS受信機など、端末装置外部にある測位方法も利用可能である場合、PMSDは、例えば、この外部測位方法に関する情報を利用可能な全ての測位方法を含むリストに追加することによって、この外部測位方法を使用する可能性を記録できる。このリストは、例えば、ユーザーが規定する優先リストとすることができ、このリストにおいては、新規の測位方法は、例えば、第一希望の測位方法として設定される。従って、移動端末装置から外部測位装置を切断することによって外部測位方法が使用から外されると、PMSDは、例えば、この測位方法に関するデータを利用可能な測位方法のリストから削除することによって、この測位方法を除外する。
【0036】
本発明の実施態様において、PMSDは、さらに、特定のアプリケーションによって要求される測位の質を達成するために、複数の測位方法によって提供される測位データを結合することができる。これは、例えば、複数の測位方法から連続的に測位データを受け取り、希望の測位の質を達成するために適切な方法でデータを結合することによって、行なうことができる。別の実施態様においては、PMSDは、適切な測位方法から入手され、事前に記憶された測位データにアクセスして、これを新たに受け取る測位データと結合することができる。この実施態様においては、タイムスタンプを各測位要求と対応付けて、最近入手された測位結果を結合のために選択できて有利である。記憶された測位データの有効期間が満了したならば、これが削除されるように、測位データの有効期間を規定することもできる。
【0037】
ユーザーは、各アプリケーション205〜209について、別個に規定する代わりに、ユーザー・インターフェイス203を通じてPMSD204に対して直接位置決定に関するパラメータを規定することができる。例えば、ユーザーは、アプリケーション201、202が受け取る測位データの精度、又は、ユーザーが第一希望の測位方法として使用したい測位方法205〜209を規定することができる。使用されるアプリケーションに応じて、当該アプリケーションにその能力がある限り、このアプリケーションから自動的に位置決定に関するパラメータ(1つ又はそれ以上)を提供することができる。このように、アプリケーション201、202のタスクは、単にPMSD204に測位データを要求するだけである。即ち、アプリケーションは、PMSDが利用可能な既存の様々な測位システム205〜209、又は、将来実現されるその他の測位システムの動作に関する情報を要求する必要はない。測位方法の管理が各測位方法ごとに別個に分散的にではなく、ユーザー及び/又は直接PMSDに作用するアプリケーションによって集中的に行なわれる場合、この点に関するアプリケーションの負荷を減らすことができ、ある程度の能力をアプリケーションの他の機能に転用することができる。にもかかわらず、状況によっては、特定のアプリケーションが測位方法を直接選択して使用できるようにすることが有利かも知れない。従って、本発明の1つの実施態様においては、どのアプリケーションもPMSDの動作を無効又は禁止にして、先行技術のシステムで既知の方法と類似した方法で利用可能な測位方法のうち任意のものを使用することができる。
【0038】
図3は、全般的に、本発明に従った方法を図解している。ユーザーは、ユーザー・インターフェイス307を通じて、使用される測位方法を選択する際の基準となる条件を表すパラメータを規定することができる。前記の条件は、例えば、所定の時点でユーザーが特定のアプリケーションによる使用を許容する測位方法及びユーザーが使用したい測位方法の優先順位を含むことができる。ユーザーが提供するパラメータはレジスタ308に記憶され(参照番号310)、このレジスタからPMSDはパラメータを検索することができる(参照番号312)。ユーザーによって規定されるパラメータは、測位精度、測位信頼度、測位データの更新間隔又はある測位方法が起動された後、最初の測位データが提供されるまでに経過することが許容される時間も含むことができる。上記のパラメータに加えて他の種類のパラメータを使用することもできる。
【0039】
アプリケーションn(参照番号301)(ここで、nは、1と利用可能なアプリケーションの数との間の整数である)は、測位方法選択装置(PMSD)303に測位データを要求(参照番号309)する特定の時点で使用中のアプリケーション、例えば、WAPブラウザを指す。アプリケーションによって要求される測位データの質を表すパラメータは、アプリケーション301からPMSD303に送られ(参照番号309)、測位要求に関連して使用するためにレジスタ304に記憶される。これは、例えば、新しいアプリケーションが端末装置にインストールされるとき、又は、アプリケーションが起動されるときに一度行なわれる。また、それは、各測位要求に関連して、又は、測位データの要求される質が変更されるときに行なうこともできる。ユーザーによって規定されレジスタ308に記憶されるパラメータは、使用される測位方法を選択するときにも使用することができる。
【0040】
PMSD303は、利用可能な測位方法並びに測位方法の測位特性に関するデータを要求する(参照番号311)。次に、PMSD303は、測位方法xを使用中にする(参照番号302)。ここで、xは、当該測位方法を示し、1と利用可能な測位方法の合計数との間の整数である。測位方法によって提供される測位データの質を表すパラメータのデフォルト値は、レジスタ306に記憶される。前述の通り、これらのデフォルト値は、測位方法がPMSDに提供することができる測位データの質を表す。デフォルト値は、予め記憶されるか、或いは、測位方法302が支配的条件の下でPMSDにパラメータ(1つ又はそれ以上)の最初の新しい値を提供する(参照番号311)ときに更新される。PMSDは、新しいリアルタイム・パラメータ(1つ又はそれ以上)を受け取り、これをレジスタ305に記憶する(参照番号315)。PMSDは、意思決定アルゴリズムの助けを借りて測位方法を選択する。このアルゴリズムの実施態様の例が、図4に示されている。このアルゴリズムは、測位方法によって達成される測位データの質を表しレジスタ305に記憶されるパラメータ(1つ又はそれ以上)が、ユーザーによって指定される条件に従って、測位要求を行なったアプリケーションによって要求される測位データの質を表すレジスタ304内のパラメータ(1つ又はそれ以上)と最もよく合致する測位方法を選択するように作用する。
【0041】
図4に示される意思決定アルゴリズムについて以下に詳しく説明する。ステップ401において、アプリケーションはPMSDに測位要求を送り、ステップ402において、PMSDは、所定の時点で検討対象となる測位方法を示す変数xの値をゼロに設定し、測位方法の合計数を表す値maxMethodを、その時点でPMSDが利用可能な測位方法の合計数に一致するように設定する。ステップ403において、変数xの値は増加し、方法はステップ404に進む。このステップにおいて、変数xの値は、これが測位方法の合計数maxMethodの合計数以下であるか否かを決定するために調べられる。
【0042】
ステップ404での条件が真であり、xの値が測位方法の合計数maxMethod以下である場合、方法はステップ405に進み、このステップにおいて、ユーザー及び/又はアプリケーションによって規定される優先順位において最高優先順位で未検証の測位方法が調べられる。PMSDは、利用可能な測位方法の数及び各測位方法の動作状態を監視するか、各方法を順番に使用することができ、ある特定の測位方法が特定の時点で利用可能でない場合には、次の測位方法を使用のために選択することができる。
【0043】
次に、ステップ406に進み、ここで、アプリケーションnによって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_APPn_REQが、測位方法xによって提供される測位データの質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)の期待値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_EXP以上であるか否かが調べられる。パラメータの値QoP_APPn_REQ及びQoP_METx_EXPは、単一の値、複数の値又は数個の値の平均でありうる。測位方法xによって提供されるパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)がアプリケーションnによって要求される値以上でない場合、方法はステップ403に戻り、このステップにおいて、次の利用可能な測位方法が調べられ、アプリケーションnによって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)に一致する値(1つ又はそれ以上)をそのデフォルト値として示す測位方法が見つかるまで、ステップ403〜406が繰り返される。
【0044】
ステップ407において、ステップ402〜406において特定された測位方法POS_METHODxは、測位データ及びPOS_METHODxによって提供される測位データが実際に達成した質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_ACTの要求を受ける。ステップ407において、PMSDは、前記の測位方法との接続を確立し、この測位方法によって生成される測位データを受け取る。
【0045】
次のステップ408において、POS_METHODxによって提供される測位データが実際に達成する質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_ACTが、アプリケーションによって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_APPn_REQ以上であるか否かが調べられる。実際に達成されるパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_METx_ACTが要求されるパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_APPn_REQ以上でない場合、方法はステップ403に戻り、ここで、検討対象の測位方法を示す変数が再び増加される。その後、ステップ404〜408において次の測位方法が調べられる。
【0046】
次にステップ404における条件が誤りである(即ち、xがmaxMethod以下でない)場合、全ての測位方法が検証済みであり、そのどれも、その時点でユーザー及び/又はアプリケーションによってPMSDに指定された質に達しない。この場合、方法はステップ411に進み、ここで、実現方法に応じて数種の措置を講じることができる。一番単純な実現方法は、利用可能な測位方法のどれもその時点で充分な質の測位データを提供することができないことを、アプリケーションに、又は、アプリケーションを通じてユーザーに知らせることである。PMSDは、また、最後に検証された測定方法(QoP_METx−1)から得られる結果を、その質のパラメータと一緒に、又は、最良の結果を示した方法から得られる結果及び質のパラメータをアプリケーションに提供することができる。さらに、おそらく質の要件(1つ又はそれ以上)が満たされなかったという警告及びその要件を測位データが満たさなかったQoPパラメータ(1つ又はそれ以上)を含むユーザーに送られる通知を、アプリケーションに提供することができる。
【0047】
第3の実施例においては、ユーザーによって規定された優先順位に従って、第一の測位方法(MET1)から得られる測位データが質のパラメータ(QoP)と一緒にアプリケーションに返され、ユーザーに送られる通知もアプリケーションに返される。この通知は、質の要件(1つ又はそれ以上)が満たされなかったという警告並びにその要件を測位データが満たさなかったQoPパラメータ(1つ又はそれ以上)を含むことができる。
【0048】
ユーザーは、アプリケーションを通じて全ての結果の報告を受けることができ、例えば、測位精度又はその他の基準に基づき、アプリケーションの測位要求を最もよく満たす測位方法の選択などの選択を行なうよう要求することができる。QoPパラメータに関してアプリケーションによって設定される要件に最も近い結果を示す測位方法によって提供されるQoPパラメータと一緒に測位データをアプリケーションに提供することもできる。例えば、使用中のどの測位方法もアプリケーションによって要求される精度を提供しない場合、PMSDは最も正確な測位結果を返すことができる。この場合にも、ユーザーに送られる通知がアプリケーションに返され、この通知は、質の要件(1つ又はそれ以上)が満たされなかったという警告及びその要件を測位データが満たさなかったQoPパラメータ(1つ又はそれ以上)を含むことができる。
【0049】
実際に達成された測位データの質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_METx_ACTが、アプリケーションによって要求されるパラメータ値QoP_APPN_REQ以上である場合、方法はステップ409に進み、ここで、期待値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_EXPは、QoP_METx_ACTで更新され、測位データがアプリケーションに返される。PMSDは、各測位方法の測位データに関するパラメータ(1つ又はそれ以上)の期待値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_EXPを、例えば、一定の間隔で継続的に更新することができる。期待値の更新は、数種のアプリケーションが同じ測位方法を使用する場合に特に有利であり、この場合、他のアプリケーションは、これが要求する測位データを受け取るだけでなく、PMSDによって更新された期待値(1つ又はそれ以上)QoP_METx_EXPに直接アクセスすることもできる。
【0050】
図5は、2つの異なるアプリケーションと本発明に従った測位方法選択装置PMSDの間の相互関係を示す情報伝達図である。例として、2つの異なるアプリケーションAPP1及びAPP2がPMSDを使用するものとして示されている。まず、ステップ501において、アプリケーションAPP1はPMSDとの接続を確立する。次にステップ502において、PMSDはこのアプリケーションによって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQを生成する。QoP_APP1_REQはこのアプリケーションによって要求されるタイプのものであり、有利である。図3から分かる通り、QoP_APP1_REQが、PMSDのレジスタ304に記憶され、パラメータ(1つ又はそれ以上)が生成されたことの確認応答(参照番号515)が、アプリケーションに送られる。
【0051】
ステップ503において、アプリケーションAPP1は、測位要求をPMSDに送り、その後、ステップ504において、PMSDは、アプリケーションによって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQを実現する測位方法を見つけるために、図4に従ってアルゴリズムを実行する。次に、ステップ505において、アプリケーションAPP2もPMSDへの接続を確立し、その後、ステップ506において、PMSDは、アプリケーションAPP2によって要求される測位データの質を表すパラメータ値(1つ又はそれ以上)QoP_APP2_REQを生成する。同時に、PMSDは、パラメータ(1つ又はそれ以上)の生成を示す確認応答をアプリケーションAPP2に送る(参照番号516)。
【0052】
ステップ507において、PMSDは、測位データをアプリケーションAPP1に送る。次のステップ508において、アプリケーションAPP2は、測位要求をPMSDに送る。アプリケーションAPP2によって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_APP2_REQがアプリケーションAPP1のパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQと合致する場合、PMSDは、同じ測位データをアプリケーションAPP2に送ることができる。この場合、PMSDは、別の測位方法を調べる必要はなく、既に生成された測位データをアプリケーションAPP2にも送ることができる。例えば、質の要件が異なる結果、アプリケーションAPP1に送られた測位データをアプリケーションAPP2に送ることができない場合、又は、アプリケーションAPP2について異なるパラメータ(1つ又はそれ以上)が規定されている場合、PMSDは、ステップ504においてと同様に動作する。次に、ステップ511及び513において、アプリケーションAPP1及びアプリケーションAPP2は、PMSDとの間の接続を閉じた後、PMSDは、そのレジスタから前記のアプリケーションについてのパラメータQoP_APP1_REQ(ステップ512)及びQoP_APP2_REQ(ステップ514)を削除し、前記のパラメータが削除されたという確認応答を前記のアプリケーションに提供する(ステップ517及び518)。
【0053】
アプリケーションAPP1及びAPP2によって行なわれる測位要求の順序及び要求にかかる時間は変動しうることが分かるはずである。さらに、別の実施態様において、前記のパラメータは削除されずに保持され、必要な場合、後で使用できる。新しいアプリケーションがインストールされるときに、質の要件をPMSDに提示することができ、この場合、各測位要求に関連して質の要件をPMSDに提示する必要はない。
【0054】
図6は、2つの異なる測位方法が使用中である場合の本発明に従った装置の動作を示す情報伝達図である。例として、PMSD装置は、2つの異なる測位方法POS_MET1、POS_MET2を使用するものとして示されており、この中からユーザーは第一希望の測位方法としてPOS_MET2を選択済みである。ステップ601において、測位方法POS_MET1はPMSDに登録される。登録は、例えば外部GPSシステムがシリアル・ポートを通じて端末装置に接続されるときに又は動作不能であった測位方法が、例えば、地理的条件が改善されたため動作可能になるとき、又は、端末装置に組み込まれている測位方法が起動されるときに、行なわれる。PMSDは、測位方法によって提供される測位データの質を表すパラメータ(1つ又はそれ以上)のデフォルト値(1つ又はそれ以上)QoP_MET1_DEFを生成し(ステップ625)、これをレジスタに記憶し(図3の参照番号306)、同時に利用可能な測位方法の合計数を示す変数maxMethodの値を1つ増加する。ステップ602において、PMSDは、その登録の確認応答を測位方法PoS_MET1に送る。ステップ603において、測位方法PoS_MET2が登録され、その後、PMSDは、パラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_MET2_DEFの値(1つ又はそれ以上)を生成し(ステップ626)、maxMethodの値を1つ増加して、登録の確認応答を送る(ステップ604)。
【0055】
ステップ605において、ユーザーは、優先順位又は測位データの希望精度など、測位方法パラメータの設定を規定する。本明細書において言及されない他の質の基準を使用することもできる。ステップ627において、PMSDは、パラメータ(1つ又はそれ以上)POS_PREFとしてユーザーの設定をレジスタに記憶し(図3の参照番号308)、ユーザーに確認応答を送る(ステップ606)。
【0056】
ステップ607において、ユーザーは、アプリケーションAPP1を起動し、アプリケーションAPP1はPMSDへの接続を確立する(ステップ608)。ステップ628において、PMSDは、アプリケーションAPP1によって要求される測位データの質を示すパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQを生成する。このパラメータは、例えば、アプリケーションAPP1によって自動的に規定される測位精度或いはユーザーによって規定される測位精度である。ステップ609において、PMSDは、接続の確立に応答する確認応答をアプリケーションAPP1に送り、その後、アプリケーションAPP1は、ステップ610において、PMSDに対して測位要求を行なう。
【0057】
ステップ629において、PMSDは、図4に従ってアルゴリズムを実行する。ステップ611において、PMSDは、先ず、ユーザーの第一希望の測位方法として選択済みの測位方法PoS_MET2に測位要求を送る。ステップ612において、測位方法POS_MET2は、測位データ並びに実際に達成されたパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_MET2_ACTをPMSDに送る。ステップ630において、PMSDは、実際に達成されたパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_MET2_ACTを期待値(1つ又はそれ以上)QoP_MET2_EXPとして記憶する。PMSDアルゴリズムが再び実行され、その後、PMSDは、実際に達成されたパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)が、アプリケーション又はユーザーがパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQとして規定した値以上でないことを知らせる。このようにして、次にユーザーによって規定される優先順位の次の測位方法、即ち、POS_MET1が検証される。
【0058】
ステップ613において、PMSDは、測位要求を測位方法POS_MET1に送り、この測位方法は、ステップ614において測位データ及びパラメータ(1つ又はそれ以上)の値(1つ又はそれ以上)QoP_MET1_ACTをPMSDに送る。ステップ631において、PMSDは、実際に達成されたパラメータ(1つ又はそれ以上)の値QoP_MET1_ACTを期待値QoP_MET1_EXPとして記憶し、PMSDアルゴリズムが実行される。これで、期待値(1つ又はそれ以上)QoP_MET1_EXPはアプリケーションAPP1について規定される値(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQ以上であり、ステップ615において、測位データがアプリケーションAPP1に送られる。
【0059】
ステップ616において、アプリケーションはPMSDへの接続を終了し、その後、ステップ632において、PMSDは、そのレジスタからパラメータ(1つ又はそれ以上)QoP_APP1_REQを削除し、接続が終了したことを確認することができる(ステップ617)。この時点で、アプリケーションAPP1は、測位データの探索が終了したことをユーザーに知らせ、ユーザーは、希望する場合には、ステップ618においてアプリケーションAPP1を停止することができる。その代わりに、アプリケーションAPP1は、ステップ616において実行を継続することができるが、この時点で、もはや測位データを必要としないことをPMSDに知らせる。その後、アプリケーションAPP1は、PMSDへの接続を終了する。再び測位データを必要とする場合、アプリケーションAPP1は、測位データを受け取るために必要な間、再びPMSDに登録する。
【0060】
図7は、PMSD装置無しに実行される数種のアプリケーション及び数種の測位方法を備えるシステムの別の実現方法を示している。このシステムは、測位方法を使用する2つの異なるアプリケーション、例えば、WAPブラウザ701およびナビゲーション・ガイド702を備える。また、システムは、ユーザーがアプリケーションによって実行される測位タスクに関するパラメータ及び条件を規定する(参照番号109、110)際に使用できるユーザー・インターフェイス703、及び端末装置に組み込まれるGSP受信機705、及び、例えば、シリアル・ポートを通じて端末装置に接続できる、例えば、外部GPS装置706を含む様々な測位方法704〜708も備える。このシステムにおいては、各アプリケーションは、独自に利用可能な各測位方法と通信しなければならず、測位方法から受け取る測位データを処理し、アプリケーションが特定の時点にどの測位方法を使用すべきかを選択しなければならない。さらに、ユーザーが、例えば、各アプリケーションによって要求される測位データの質に関する条件も設定したい場合、アプリケーションごとに別個に設定しなければならない。
【0061】
図8は、本発明の実施態様に従ったモバイル・ステーション800のブロック図を示している。プロセッサ801は、移動端末装置の動作に含まれる様々な機能ブロック、即ち、ランダムアクセス・メモリRAM802、無線周波数RFブロック803、不揮発性又は読み出し専用メモリROM805、並びに、少なくともディスプレイ及びキーボードを有するユーザー・インターフェイスUI806を制御する。図8において、移動端末装置800は、GPS受信機807も含むものとして示されている。モバイル・ステーションの基本機能に対応するプログラム・コードであるプロセッサ801の動作命令は、読み出し専用メモリROM805に記憶され、プロセッサ801が要求するとおりに、例えば、端末装置のユーザー制御の下で実行可能である。プログラム・コードに従って、プロセッサ801はRFブロック803及びアンテナ804を使用して、移動通信ネットワークとの接続を形成して、移動端末装置が、無線経路を通じて移動通信ネットワークに情報を送り移動通信ネットワークから情報を受け取れるようにする。
【0062】
この例において、移動端末装置は、移動通信ネットワークによって提供されるE−OTD測位方法を端末装置が使用できるようにするハードウェア及びプログラム・コードも備える。さらに、本発明に従って実現される測位方法選択装置(PMSD)も備える。PMSD808は、移動端末装置800において実行されるアプリケーション、例えば、ナビゲーション・システム及び/又はウェブ・ブラウザから測位データ要求を受け取る。ROMに記憶されマイクロプロセッサ801によって実行されるプログラム・コードに従って、PMSD808は、GPS受信機807及びE−OTD測位方法の動作状態を監視する。上に説明した方法に従って、PMSD808は、指定される質の要件及び条件を満たす測位データをアプリケーションに提供する。PMSD808は、質の要件及び測位方法選択の条件をアプリケーション及び/又はユーザー・インターフェイスUI806を通じて直接ユーザーから受け取る。PMSD808は、各種の質のパラメータを記憶するレジスタを保存し要求される測位データの質を表すパラメータと実際に達成されたパラメータの間の比較を行なうためのワーキング・メモリとしてRAM802を使用する。また、PMSD808は、例えば、内部GPS受信機807もE−OTD測位方法もアプリケーション及び/又はユーザーの要求を満たすのに充分な質の測位データを提供することができない場合、ユーザー・インターフェイスUIのディスプレイを通じてユーザーに指示を与える。
【0063】
本明細書においては、本発明の実現方法及び実施態様を例として説明した。本発明は、以上に説明される実施態様の詳細に限定されないこと、及び本発明は本発明の特徴から逸脱することなく、他の方式で実現できることが、当業者には明らかであろう。以上に説明される実施態様は、限定的でなく、例示として見なされるべきである。本発明の実現方法及び使用の可能性は、付属のクレームによってのみ限定される。従って、同等の実現方法を含めて、クレームによって規定される本発明を実現するための様々な別の実現方法が、本発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置において、
複数のアプリケーション・プログラムのうち、特定の1つから前記端末装置の測位データの要求を受け取るステップと、
使用する測位方法を選択するための少なくとも1つの条件を、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つから受け取るステップと、
前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つが使用するように、複数の測位方法から少なくとも1つの選択条件を満たす測位データを提供することができる測位方法を選択するステップと、
前記の選択した測位方法によって生成された測位データを受け取るステップと、
前記生成された測位データを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに提供するステップと、
を有し、少なくとも2つの異なる独立したアプリケーションに対する少なくとも2つの測位方法の管理が集中的に行われ、該少なくとも2つの測位方法が独立して実行され動作する方法。
【請求項2】
前記端末装置が、ポータブル端末装置である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つが、前記端末装置において実行される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つが、前記端末装置の外部で実行される請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記端末装置の外部で実行される測位方法との接続を登録するステップを更に有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記端末装置が、移動通信ネットワークの移動端末装置である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって設定される前記測位データに係る品質要件の指示を受け取るステップを更に有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの選択条件は、前記品質要件とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の測位方法のうちどれが、前記複数のアプリケーション・プログラムによって使用可能であるかに関する記録を保持するステップを更に有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の測位方法の動作条件を監視するステップを更に有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
測位方法の選択に関する条件を、前記端末装置のユーザーから受け取るステップを更に有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記端末装置の前記ユーザーから受け取る測位方法の選択のための前記条件が、測位方法の選択に関する優先順位、測位データの所望品質のうち1つである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザーから受け取る測位方法の選択のための前記条件が、前記端末装置のユーザー・インターフェイスを通じて直接入力される請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
測位方法の選択に関する前記条件を前記複数のアプリケーション・プログラムの全てに適用するステップを有する請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の測位方法から受け取る測位データが、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つから受け取る前記品質要件を満たすか否かを決定するステップを更に有する請求項7乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の測位方法から受け取る測位データが前記ユーザーから受け取る条件を満たすか否かを決定するステップを更に有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の測位方法から測位データを受け取り、結合するステップを更に有する請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって要求されるフォーマットで、前記測位データを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに提供するステップを更に有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1のアプリケーション・プログラムからの測位データの要求に関連して入手される測位データを、前記第1のアプリケーション・プログラム及び第2のアプリケーション・プログラムに提供するステップを更に有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記測位データが前記第2のアプリケーション・プログラムによって設定される品質要件を満たす場合、前記第1のアプリケーション・プログラムからの測位データの要求に関連して入手される前記測位データを前記第2のアプリケーション・プログラムに提供するステップを更に有する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の測位方法から受け取る前記測位データが前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって設定される品質要件を満たさない場合、前記測位データが前記品質要件を満たさないことを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに通知するステップを更に有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の測位方法の少なくとも1つの測位特性を前記端末装置の第1の集中レジスタに保持するステップと、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を前記端末装置の第2の集中レジスタに保持するステップと、
アプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるようにするステップと、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択するステップと、を更に有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の測位方法の前記少なくとも1つの測位特性が、測位品質を示す少なくとも1つのパラメータを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
測位方法を選択するための前記少なくとも1つの指定条件が、測位品質を示す少なくとも1つのパラメータについて要求される少なくとも1つの値を含む請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つのパラメータ値が、測位要求を送るアプリケーション・プログラムによって指定される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記選択は、複数の測位方法の少なくとも1つの測位特性と受け取った測位要求の少なくとも1つの測位条件を比較することによって、少なくとも1つの指定条件に従って実行される請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の集中レジスタが複数の測位方法の測位特性を保持し、前記第2のレジスタが前記複数の測位方法の前記少なくとも1つの測位特性の少なくとも1つの期待値を保持する請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの期待値が、前記複数の測位方法と継続的な接続を維持することによって保持される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの期待値が、少なくとも1つの測位方法からある値を受け取ることによって更新される請求項27に記載の方法。
【請求項30】
測位方法選択装置を備えた端末装置であって、該測位方法選択装置は、
複数のアプリケーション・プログラムのうち、特定の1つから前記端末装置の測位データの要求を受け取るための手段と、
前記測位方法選択装置が、使用する測位方法を選択するための少なくとも1つの条件を、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つから受け取るための手段と、
前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つが使用するように、複数の測位方法から少なくとも1つの選択条件を満たす測位データを提供することができる測位方法を選択する手段と、
前記の選択した測位方法によって生成された測位データを受け取る手段と、
前記生成された測位データを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに提供する手段と、
を備え、少なくとも2つの異なる独立したアプリケーションに対する少なくとも2つの測位方法の管理が集中的に行われ、該少なくとも2つの測位方法が独立して実行され動作する端末装置。
【請求項31】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つを更に備える請求項30に記載の端末装置。
【請求項32】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つが、前記端末装置の外部で実行される請求項30又は31に記載の端末装置。
【請求項33】
前記測位方法選択装置が、前記端末装置の外部で実行される測位方法との接続を登録する請求項32に記載の端末装置。
【請求項34】
前記端末装置が、移動通信ネットワークの移動端末装置である請求項30乃至33のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項35】
前記測位方法選択装置が、前記複数のアプリケーション・プログラムと前記複数の測位方法との間の相互関係を管理する手段を備える請求項30乃至34のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項36】
前記測位方法選択装置が、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって設定される前記測位データに係る品質要件の指示を受け取るための手段を備える請求項35に記載の端末装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの選択条件は、前記品質要件とする請求項36に記載の端末装置。
【請求項38】
前記測位方法選択装置は、前記複数の測定方法のうちどれが前記複数のアプリケーション・プログラムによって使用可能であるかに関する記録を保持する手段を備える請求項30乃至37のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項39】
前記測位方法選択装置が、前記複数の測位方法の動作条件を監視する手段を備える請求項30乃至38のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項40】
前記測位方法選択装置が、測位方法の選択に関する条件を前記端末装置のユーザーから受け取るための手段を備える請求項30乃至39のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項41】
測位方法の選択に関する前記条件が、測位方法の選択に関する優先順位、測位データの所望品質のうち1つを含む請求項40に記載の端末装置。
【請求項42】
ユーザーが測位方法の選択に関する条件を直接前記測位方法選択装置に入力できる手段を有するユーザー・インターフェイスを更に備える請求項40又は41に記載の端末装置。
【請求項43】
前記測位方法選択装置が、測位方法の選択に関する前記条件を前記複数のアプリケーション・プログラムの全てに適用する手段を備える請求項30乃至42のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項44】
前記測位方法選択装置は、前記複数の測位方法から受け取る測位データが前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つから受け取る前記品質要件を満たすか否かを決定する手段を備える請求項36乃至43のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項45】
前記測位方法選択装置は、前記複数の測位方法から受け取る測位データがユーザーから受け取る前記条件を満たすか否かを決定する手段を備える請求項44に記載の端末装置。
【請求項46】
前記測位方法選択装置が、前記複数の測位方法から受け取る測位データを結合する手段を備える請求項44又は45に記載の端末装置。
【請求項47】
前記測位方法選択装置が、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって要求されるフォーマットで、前記測位データを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに提供する手段を備える請求項46に記載の端末装置。
【請求項48】
前記測位方法選択装置が、第1のアプリケーション・プログラムからの測位データの要求に関連して入手される測位データを、前記第1のアプリケーション・プログラムに提供する手段と、第1のアプリケーション・プログラムからの測位データの要求に関連して入手される測位データを第2のアプリケーション・プログラムに提供する手段とを備える請求項47に記載の端末装置。
【請求項49】
第1のアプリケーション・プログラムからの測位データの要求に関連して入手される測位データを第2のアプリケーション・プログラムに提供する前記手段は、前記測位データが前記第2のアプリケーション・プログラムによって設定される品質要件を満たす場合に、前記測位データを前記第2のアプリケーション・プログラムに提供する手段を備える請求項48に記載の端末装置。
【請求項50】
前記測位方法選択装置は、前記複数の測位方法から受け取る前記測位データが前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、特定の1つによって設定される品質要件を満たさない場合、前記測位データが前記品質要件を満たさないことを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに通知する手段を備える請求項49に記載の端末装置。
【請求項51】
前記複数の測位方法の少なくとも1つの測位特性を前記端末装置の第1の集中レジスタに保持する第1の保持手段と、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を前記端末装置の第2の集中レジスタに保持する第2の保持手段と、
アプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるようにするための手段と、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択する選択手段と、を更に備える請求項32乃至50のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項52】
前記第1の保持手段は、前記複数の測位方法によって提供される測位品質を示す少なくとも1つのパラメータ値をレジスタに保持するように構成される請求項51に記載の端末装置。
【請求項53】
前記第2の保持手段は、測位品質を示す前記少なくとも1つのパラメータについて要求される少なくとも1つの値をレジスタに保持するように構成される請求項51に記載の端末装置。
【請求項54】
前記第2の保持手段は、前記複数の測位方法の優先順位を示す少なくとも1つの指定条件をレジスタに保持するように構成される請求項51に記載の端末装置。
【請求項55】
前記第2の保持手段は、指定される測位方法の使用を可能にするための少なくとも1つの指定条件をレジスタに保持するように構成される請求項51に記載の端末装置。
【請求項56】
使用する測位方法を選択する前記選択手段が、更に比較手段を備える請求項51に記載の端末装置。
【請求項57】
前記比較手段が、前記複数の測位方法によって提供される測位品質を示す少なくとも1つのパラメータ値と受け取った測位要求において要求される測位品質を示す少なくとも1つのパラメータ値を比較するように構成される請求項56に記載の端末装置。
【請求項58】
前記第1の保持手段が、更に前記複数の測位方法の少なくとも1つの測位特性の少なくとも1つの期待値を形成する形成手段を備える請求項51に記載の端末装置。
【請求項59】
前記形成手段が、前記複数の測位方法と継続的に接続していることによって前記少なくとも1つの期待値を生成するように構成される請求項58に記載の端末装置。
【請求項60】
前記形成手段が、前記複数の測位方法のうち、少なくとも1つの測位方法からパラメータ値を受け取ることによって前記少なくとも1つの期待値を更新するように構成される請求項59に記載の端末装置。
【請求項61】
端末装置のプロセッサに、該端末装置が
複数のアプリケーション・プログラムのうち、特定の1つから前記端末装置の測位データの要求を受け取り、
前記測位方法選択装置が、使用する測位方法を選択するための少なくとも1つの条件を、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つから受け取り、
前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つが使用するように、複数の測位方法から少なくとも1つの選択条件を満たす測位データを提供することができる測位方法を選択し、
前記の選択した測位方法によって生成された測位データを受け取り、
前記生成された測位データを前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つに提供する、
ように指令し、少なくとも2つの異なる独立したアプリケーションに対する少なくとも2つの測位方法の管理が集中的に行われ、該少なくとも2つの測位方法が独立して実行され動作するコンピュータ・プログラム。
【請求項62】
前記端末装置が、ポータブル端末装置である請求項61に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項63】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つが、前記端末装置において実行される請求項61に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項64】
前記複数の測位方法のうち少なくとも1つが、前記端末装置の外部で実行される請求項61、62又は63に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項65】
前記端末装置のプロセッサに該端末装置が更に該端末装置の外部で実行される測位方法との接続を登録するように指令する請求項64に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項66】
前記端末装置が、移動通信ネットワークの移動端末装置である請求項61乃至65のいずれか一項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項67】
前記端末装置のプロセッサに該端末装置が更に、前記複数のアプリケーション・プログラムのうち、前記特定の1つによって設定される前記測位データに係る品質要件の指示を受け取るように指令する請求項61乃至66のいずれか一項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項68】
前記少なくとも1つの選択条件は、前記品質要件とする請求項67に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項69】
前記端末装置のプロセッサに該端末装置が更に、前記複数の測位方法のうちどれが、前記複数のアプリケーション・プログラムによって使用可能であるかに関する記録を保持するように指令する請求項61乃至66のいずれか一項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項70】
前記コンピュータ・プログラムは、前記端末装置のプロセッサに該端末装置が更に
前記複数の測位方法の少なくとも1つの測位特性を前記端末装置の第1の集中レジスタに保持し、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を前記端末装置の第2の集中レジスタに保持し、
アプリケーション・プログラムが測位要求を送ることができるようにし、
測位方法を選択するための少なくとも1つの指定条件を満たす測位方法を使用のために選択する、
ように指令する請求項61に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項71】
前記少なくとも1つの選択条件は、測位データが更新される間隔である、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記少なくとも1つの選択条件は、測位データが更新される間隔である、請求項30に記載の端末装置。
【請求項73】
前記少なくとも1つの選択条件は、測位データが更新される間隔である、請求項61に記載のコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−209298(P2011−209298A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138317(P2011−138317)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【分割の表示】特願2002−508101(P2002−508101)の分割
【原出願日】平成13年7月2日(2001.7.2)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】