位置測定方法、変位測定方法、変位の監視方法
【課題】被測定点の3次元的な位置を正確に測定することができる測定方法を提供する。
【解決手段】原点Oで交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点O’の位置を、3軸上に夫々測定点X、点Y、点Zを設定し、各測定点X、点Y、点Zと前記被測定点O’を結ぶ線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さを夫々測定し、線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さに基づいて、算出する。
【解決手段】原点Oで交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点O’の位置を、3軸上に夫々測定点X、点Y、点Zを設定し、各測定点X、点Y、点Zと前記被測定点O’を結ぶ線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さを夫々測定し、線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さに基づいて、算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元直交座標系の3軸に夫々設定した3つの測定点と被測定点の距離に基づき被測定点の位置測定方法、変位測定方法、及び変位の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電所の蒸気管は内部の蒸気の熱により熱膨張し、材料の劣化が次第に進行していく。そこで、発電所では、蒸気管の表面上に設定された被測定点の3次元的な変位を測定し、蒸気管の変形を監視することにより、材料劣化の度合いを管理している。
【0003】
このような被測定点の3次元的な変位の測定方法として、蒸気管の表面上の被測定点を原点として互いに直交する3軸を設定し、この3軸上に設けられた測定点に例えば非特許文献1に記載されるようなワイヤ巻込型変位計を配置し、ワイヤ巻込型変位計のワイヤの先端を被測定点に取り付け、各測定点と被測定点との距離を測定する方法が用いられている。
【非特許文献1】東京測器,“DP−D 巻込型変位計500〜2000mm”,[online],[平成17年8月17日検索],インターネット <URL:http://www.tokyosokki.co.jp/product/transducer/displacement/detail/dp-c.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被測定点の位置は3次元的に変位しているため、ワイヤの伸縮量と各軸方向の変位とは必ずしも一致しない。このため、各軸のワイヤの伸縮量をそのまま、被測定点の変位量としたのでは、被測定点の変位を正確に測定することができない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、被測定点の3次元的な位置及び変位を正確に測定することができる測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の足と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の足との距離とを算出し、前記垂線の長さの差と、前記垂線の足の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を徹平面との交点と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を通る平面との交点との間の距離と、を算出し、前記垂線の長さの差と、前記交点の間の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0009】
以上の位置測定方法において、前記各測定点と被測定物の距離を、各測定点に配置されたワイヤ巻込型変位計により測定してもよい。
以上の位置測定方法によれば、被測定点の3次元的な位置を正確に測定することができる。
【0010】
また、本発明は、以上の位置測定方法により移動前及び移動後の被測定点の位置を測定し、前記測定した移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき当該被測定点の変位を算出することを特徴とする変位測定方法を含むものとする。
また、本発明は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系を設定し、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記変位監視対象物の表面に被測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した測定点と被測定点との距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出し、前記算出した座標に基づいて当該被測定点の変位を監視することを特徴とする変位監視対象物の変位の監視方法を含むものとする。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態の位置及び変位の測定方法によれば、被測定点の3次元的な位置又は変位を正確に測定することができる。このため、発電所等の蒸気管の膨張など、変位量の測定の精度が要求される場合などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の変位の測定方法の第1実施形態について図面に基づき説明する。図1は、本実施形態の変位測定方法による測定の対象である発電所内の蒸気管10及びワイヤ巻込型変位計11の配置を示す図である。同図に示すように、蒸気管10の表面より延びる治具13に設定された被測定点12を原点として、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸が設定され、各軸上に測定点が設定されている。3軸の各測定点には、梁15から延びるパイプ14により支持されたワイヤ巻込型変位計11が配置されている。このワイヤ巻込型変位計11は、ワイヤ16の繰り出し量に基づき、ワイヤ巻込型変位計11とワイヤ先端との間の距離を測定する機能を有する。3台のワイヤ巻込型変位計11のワイヤ16の先端は被測定点12に接続されており、ワイヤ巻込型変位計11を用いて、被測定点12と3軸の各測定点との距離を測定することができる。
【0013】
本実施形態の変位の測定方法は、3台のワイヤ巻込型変位計11から被測定点12までの距離を測定し、この測定した距離に基づき、被測定点12の各軸方向の原点からの変位量を算出するものである。以下、変位計の設置された三軸上の測定点と被測定点の距離から、測定点の3次元的な変位量を算出する方法について説明する。
【0014】
まず、上記の変位量を算出するために用いられるヘロンの公式について説明する。
ヘロンの公式には、三角形の面積を算出する公式と、三角錐の体積を算出する公式がある。三角形の面積を算出するヘロンの公式は、図2に示すような△XYZがあり、辺XY、辺YZ、辺ZXの長さを夫々a、b、cとした場合に、△XYZの面積Sを以下の式で算出するものである。
【数1】
【0015】
また、三角錐の体積を算出するヘロンの公式は、図3に示すような四面体O−XYZがあり、辺XY、辺YZ、辺ZX、辺OX、辺OY、辺OZの長さを夫々a、b、c、x、y、zとした場合に、四面体O−XYZの体積Vを以下の式で算出するものである。
【数2】
【0016】
図4は、被測定点の位置を算出する方法の第1実施形態を説明するための図である。図4において、点Oは原点、点O’は被測定点、点X、点Y、点Zは測定点を示す。まず、予め原点と測定点の距離、すなわち線分OX,線分OY、線分OZの長さを測定しておく。次に、変位計により被測定点O’から点X、点Y、点Zまでの距離、すなわち線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さを測定する。
ここで、線分OX,線分OY,線分OZは互いに直交するので、四面体O−XYZの体積V1は、以下の式(4)で算出できる。
【数3】
【0017】
図5は、面XYZを底面する四面体O−XYZの斜視図である。点Oより平面XYZにおろした垂線と、平面XYZの交点を点P、△XYZの面積をS1とする。
面積S1は、面積に関するヘロンの公式より以下の式(5)及び(6)により算出できる。
【数4】
これにより、線分OPの長さはS1を用いて以下の式で算出できる。
【数5】
【0018】
また、測定点O’より平面XYZに下した垂線と、平面XYZの交点を点P’とする。四面体O’−XYZの体積をV2とすると、V2は体積に関するヘロンの公式により以下の式により算出できる。
【数6】
このV2を用いて線分O’P’の長さは以下の式により算出できる。
【数7】
【0019】
次に、図6(A)は、△OXP及び△OYPを示す図であり、(B)は△O’XP’及び△O’YP’を示す図である。ここで、三平方の定理を用いれば、線分XP、線分YPの長さは、以下の式により算出することができる。
【数8】
また、これと同様に、線分XP’、線分YP’の長さも以下の式により算出することができる。
【数9】
【0020】
さらに、図7は、底面△XYZと点P、点P’の位置を示した図である。
△PXY及び△P’XYを構成する線分XP、線分YP及び線分XP’、線分YP’の長さは、式(10)〜式(13)により算出することができ、線分XYの長さは、線分OX、線分OYが既知であるため三平方の定理を用いれば算出することができる。このため、△PXYの面積S2及び△P’XYの面積S3はヘロンの公式により算出できる。また、点P及び点P’より線分XYに下した垂線と、線分XYとの交点を夫々点Q及び点Q’とすると、以下の式により、線分PQ、線分P’Q’の長さを算出することができる。
【数10】
【0021】
また、三平方の定理を用いれば、以下の式により線分XQ,線分XQ’の長さを算出することができる。
【数11】
【0022】
また、点P’より線分PQに下ろした垂線と、線分PQとの交点を点Rとすると、線分PR,線分P’Rの長さは以下の式で算出することができる。
【数12】
【0023】
よって、線分PP’の長さは以下の式で算出される。
【数13】
【0024】
図8は、面OPP’O’を示す図である。同図において、点O’より線分OPに下した垂線と、線分OPの交点を点O”とする。ここで、図8に示すように、線分OO”は、垂線O’P’の長さと、垂線OPの長さの差を示す。よって線分OO”の長さは以下の式で算出される。
【数14】
また、線分O’O”の長さと線分PP’の長さは等しい。
【数15】
【0025】
よって、原点Oと被測定点O’とを結ぶ線分OO’の長さは以下の式で算出できる。
【数16】
【0026】
図9は、△OO’Xを示す図である。ここで、点O’より線分OX(すなわちX軸)に下した垂線と線分OXとの交点を点X’とすると、原点Oと測定点Xとを結ぶ線分OXの長さ及び被測定点O’と測定点Xを結ぶ線分の長さO’Xが既知であり、式(18)より被測定点O’と原点Oを結ぶ線分OO’の長さを算出することができるため、ヘロンの公式により△OO’Xの面積S4を算出することができる。△OO’Xの面積S4を用いることにより、線分O’X’の長さ及び図中の角度θxを以下の式で算出することができる。
【数17】
【0027】
よって、測定点が点Oから点O’に移動した場合のX軸方向の変位OX’は、以下の式により算出することができる。
【数18】
また、X軸方向の変位を算出した場合と同様に、Y軸方向の変位及びZ軸方向の変位は以下の式で算出することができる。
【数19】
これにより、被測定点の原点を基準としたX軸、Y軸、Z軸方向の座標を算出することができる。
【0028】
また、上記の説明では、原点Oを基準とした変位量を測定する方法について説明したが、次のようにして被測定点の任意の変位を測定することができる。すなわち、予め変位前の原点を基準とした被測定点の3軸方向の座標を算出しておき、変位後に再び原点を基準とした被測定点の3軸方向の座標を算出し、移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき変位量を算出することができる。
【0029】
<第2実施形態>
以下、被測定点の変位の測定方法の第2実施形態を説明する。なお、被測定点と測定点の距離の測定装置等については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0030】
図10は、被測定点の変位を測定する方法の第2実施形態を説明するための図である。∠XOY、∠YOZ,∠ZOXが垂直であるため、三平方の定理により線分XY、線分YZ、線分ZXの長さを以下の式で算出できる。
【数20】
【0031】
ここで、線分XYに垂直であり、かつ、被測定点O’を通る平面Tを想定する。平面Tは線分XYに垂直であるため、平面OXYに対しても垂直となる。ここで、図11に示すように△O’XYを線分XYを軸として回転させ、平面OXY上に一致させて考える。
【0032】
図12は、△OXYを示す図である。点O’から線分XYに下ろした垂線と、線分XYとの交点を点Aとし、点Aから線分OX、線分OYに下した垂線と線分OX、線分OYとの交点を、夫々点Xa、点Yaとする。また、図中の∠OXY=θax、∠OYX=θay、∠O’XY=θ’ax、∠O’YX=θ’ayとすると、これらは以下の式により算出できる。
【数21】
【0033】
θax、θay、θ’ax、θ’ayを用いて、線分OXa、線分OYaの長さを以下の式により算出する。
【数22】
【0034】
ここで、図13に示すように、点Oを原点として、点X、点Y、点Aの位置をXYZ座標で表すと、X(X、0、0)、Y(0、Y、0)、A(Xa、Ya、0)となる。次に、平面Tは平面OXYに垂直なので、平面Tを表す方程式は以下の式のように表せる。
【数23】
【0035】
ここで、面OXY上において、線分O’Aは線分XYと直交し、線分XYの傾きは−Y/Xなので、線分O’Aの傾きpは以下の式で算出できる。
【数24】
【0036】
また、式(38)中のqは、この平面Tが点Aを通るので、点Aの座標を代入して以下の式により算出できる。
【数25】
【0037】
また、以上説明したように平面Tを表す式を導いたのと同様の方法で、線分ZXと点O’を通る平面Uを表す式を導くことができる。
まず、線分ZXに垂直であり、かつ、被測定点O’を通る平面Uを想定する。平面Uは線分ZXに垂直であるため、平面OZXに対して垂直となる。ここで、図14に示すように△O’ZXを線分ZXを軸として回転させ、平面OZX上に一致させて考える。
【0038】
図15は、平面U上の△OXZを示す図である。点O’から線分ZXに下ろした垂線と、線分ZXとの交点を点Bとし、点Bから線分OZ、線分OXに下した垂線と線分OZ、線分OXとの交点を、夫々点Zb、点Xbとする。図中の∠OXZ=θbx、∠OZX=θbz、∠O’XZ=θ’bx、∠O’ZX=θ’bzとすると、これらの角度は以下の式により算出できる。
【数26】
【0039】
θbx、θbz、θ’bx、θ’bzを用いて、線分OXb、線分OZbの長さを以下の式により算出できる。
【数27】
【0040】
ここで、図16に示すように、点Oを原点として、点X、点Z、点BをXYZ座標系で表すと、X(X、0、0)、Z(0、0、Z)、B(Xb、0、Zb)となる。次に、平面Uは平面OZXに垂直なので、平面Uを表す方程式は以下の式のように表せる。
【数28】
また、平面OZX上において、線分O’Bは線分ZXと直交し、線分ZXの傾きは−Z/Xなので、線分O’Bの傾きrは以下の式で算出される。
【数29】
【0041】
また、式(48)中のsは、この平面Uが点Bを通るので、点Bの座標を代入して以下の式により算出できる。
【数30】
【0042】
次に、再び、図17に示すように3次元的に考える。変位計を示す点X,点Y、点Z及び測定点O’の座標は、夫々X(X、0、0)、Y(0、Y、0)、Z(0、0、Z)、O’(x、y、z)と表される。
ここで、線分O’Xの長さをLxとすると、点O’は点Xを中心とした半径Lxの球の表面上に位置する。この球Vは次式で表される。
【数31】
【0043】
ここで、点O’は、平面T、平面U、及び球面V上に位置するため、点O’の座標は、平面T、平面Uを表す式である式(38)、式(48)、式(52)を連立することで算出できる。式(52)の右辺のy、zに、式(38)及び式(48)の左辺を代入すると以下の式が導かれる。
【数32】
式(53)を整理すると以下の式が導かれる。
【数33】
【0044】
ここで、P、Q、Rを夫々P=1+p2+r2、Q=p×q+r×s−X、R=q2+s2+X2−Lx2とおくと、式(54)は、以下のようにあらわされる。
【数34】
【0045】
式(55)の解は次式で得られる。
【数35】
ここで、変位計の測定結果より算出したx、y、z及び予め算出しておいた線分OXの長さXを式(47)に代入することでLxを求めることができる。また、式(39)、(41)、(49)、(51)で算出したp、q、r、s、Lx、及び線分OXの長さX,を代入することによりP、Q、Rを算出し、このP、Q、Rを式(56)に代入することにより、xの値が得られる。さらに、xの値を式(38)及び式(48)に代入すれば、y、zの値が得られる。
【0046】
以上説明した第1又は第2実施形態の位置及び変位の測定方法によれば、被測定点の3次元的な変位を正確に測定することができる。このため、例えば発電所等における蒸気管の監視において、蒸気管の熱膨張による変位を精度よく検出することができるため、安全性を向上することができる。
【0047】
なお、第1又は第2実施形態では、発電所の蒸気管を測定対象としたが、これに限らず、他の対象物についても正確に3次元的な変位を測定できる。また、本実施形態では、変位計としてワイヤ巻取り式の測定器を用いたが、これに限らず、例えばレーザ式測距計など、被測定点と測定点の距離を精度よく測定できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の変位測定方法による測定の対象である発電所内の蒸気管及び測定装置を示す図である。
【図2】三角形の面積を算出するヘロンの公式を説明するための図である。
【図3】三角錐の体積を算出するヘロンの公式を説明するための図である。
【図4】被測定点の位置を測定する第1の原理を説明するための図である。
【図5】面XYZを底面とした場合の、四面体O−XYZの斜視図である。
【図6】(A)は、△OXP及び△OYPを示す図であり、(B)は△O’XP’及び△O’YP’を示す図である。
【図7】底面△XYZと点P、点P’の位置を示した図である。
【図8】面OPP’O’を示す図である。
【図9】△OO’Xを示す図である。
【図10】被測定点の位置を測定する第2の原理を説明するための図である。
【図11】△O’XYを線分XYを軸として回転させ、平面OXY上に一致させた状態を示す図である。
【図12】平面T上の△OXYを示す図である。
【図13】点Oを原点として、X、Y、AをXYZ座標系で示す図である。
【図14】△O’ZXをZXを軸として回転させ、OZX平面上に一致させた状態を示す図である。
【図15】平面U上の△OXZを示す図である。
【図16】点Oを原点として、点X、点Z、点BをXYZ座標系で示す図である。
【図17】3次元的に点X,点Y、点Z及び被測定点O’を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 蒸気管
11 ワイヤ巻込型変位計
12 被測定点
13 治具
14 パイプ
15 梁
16 ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元直交座標系の3軸に夫々設定した3つの測定点と被測定点の距離に基づき被測定点の位置測定方法、変位測定方法、及び変位の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電所の蒸気管は内部の蒸気の熱により熱膨張し、材料の劣化が次第に進行していく。そこで、発電所では、蒸気管の表面上に設定された被測定点の3次元的な変位を測定し、蒸気管の変形を監視することにより、材料劣化の度合いを管理している。
【0003】
このような被測定点の3次元的な変位の測定方法として、蒸気管の表面上の被測定点を原点として互いに直交する3軸を設定し、この3軸上に設けられた測定点に例えば非特許文献1に記載されるようなワイヤ巻込型変位計を配置し、ワイヤ巻込型変位計のワイヤの先端を被測定点に取り付け、各測定点と被測定点との距離を測定する方法が用いられている。
【非特許文献1】東京測器,“DP−D 巻込型変位計500〜2000mm”,[online],[平成17年8月17日検索],インターネット <URL:http://www.tokyosokki.co.jp/product/transducer/displacement/detail/dp-c.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被測定点の位置は3次元的に変位しているため、ワイヤの伸縮量と各軸方向の変位とは必ずしも一致しない。このため、各軸のワイヤの伸縮量をそのまま、被測定点の変位量としたのでは、被測定点の変位を正確に測定することができない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、被測定点の3次元的な位置及び変位を正確に測定することができる測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の足と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の足との距離とを算出し、前記垂線の長さの差と、前記垂線の足の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の位置測定方法は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を徹平面との交点と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を通る平面との交点との間の距離と、を算出し、前記垂線の長さの差と、前記交点の間の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする。
【0009】
以上の位置測定方法において、前記各測定点と被測定物の距離を、各測定点に配置されたワイヤ巻込型変位計により測定してもよい。
以上の位置測定方法によれば、被測定点の3次元的な位置を正確に測定することができる。
【0010】
また、本発明は、以上の位置測定方法により移動前及び移動後の被測定点の位置を測定し、前記測定した移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき当該被測定点の変位を算出することを特徴とする変位測定方法を含むものとする。
また、本発明は、原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系を設定し、前記3軸上に夫々測定点を設定し、前記変位監視対象物の表面に被測定点を設定し、前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、前記測定した測定点と被測定点との距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出し、前記算出した座標に基づいて当該被測定点の変位を監視することを特徴とする変位監視対象物の変位の監視方法を含むものとする。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態の位置及び変位の測定方法によれば、被測定点の3次元的な位置又は変位を正確に測定することができる。このため、発電所等の蒸気管の膨張など、変位量の測定の精度が要求される場合などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の変位の測定方法の第1実施形態について図面に基づき説明する。図1は、本実施形態の変位測定方法による測定の対象である発電所内の蒸気管10及びワイヤ巻込型変位計11の配置を示す図である。同図に示すように、蒸気管10の表面より延びる治具13に設定された被測定点12を原点として、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸が設定され、各軸上に測定点が設定されている。3軸の各測定点には、梁15から延びるパイプ14により支持されたワイヤ巻込型変位計11が配置されている。このワイヤ巻込型変位計11は、ワイヤ16の繰り出し量に基づき、ワイヤ巻込型変位計11とワイヤ先端との間の距離を測定する機能を有する。3台のワイヤ巻込型変位計11のワイヤ16の先端は被測定点12に接続されており、ワイヤ巻込型変位計11を用いて、被測定点12と3軸の各測定点との距離を測定することができる。
【0013】
本実施形態の変位の測定方法は、3台のワイヤ巻込型変位計11から被測定点12までの距離を測定し、この測定した距離に基づき、被測定点12の各軸方向の原点からの変位量を算出するものである。以下、変位計の設置された三軸上の測定点と被測定点の距離から、測定点の3次元的な変位量を算出する方法について説明する。
【0014】
まず、上記の変位量を算出するために用いられるヘロンの公式について説明する。
ヘロンの公式には、三角形の面積を算出する公式と、三角錐の体積を算出する公式がある。三角形の面積を算出するヘロンの公式は、図2に示すような△XYZがあり、辺XY、辺YZ、辺ZXの長さを夫々a、b、cとした場合に、△XYZの面積Sを以下の式で算出するものである。
【数1】
【0015】
また、三角錐の体積を算出するヘロンの公式は、図3に示すような四面体O−XYZがあり、辺XY、辺YZ、辺ZX、辺OX、辺OY、辺OZの長さを夫々a、b、c、x、y、zとした場合に、四面体O−XYZの体積Vを以下の式で算出するものである。
【数2】
【0016】
図4は、被測定点の位置を算出する方法の第1実施形態を説明するための図である。図4において、点Oは原点、点O’は被測定点、点X、点Y、点Zは測定点を示す。まず、予め原点と測定点の距離、すなわち線分OX,線分OY、線分OZの長さを測定しておく。次に、変位計により被測定点O’から点X、点Y、点Zまでの距離、すなわち線分O’X、線分O’Y、線分O’Zの長さを測定する。
ここで、線分OX,線分OY,線分OZは互いに直交するので、四面体O−XYZの体積V1は、以下の式(4)で算出できる。
【数3】
【0017】
図5は、面XYZを底面する四面体O−XYZの斜視図である。点Oより平面XYZにおろした垂線と、平面XYZの交点を点P、△XYZの面積をS1とする。
面積S1は、面積に関するヘロンの公式より以下の式(5)及び(6)により算出できる。
【数4】
これにより、線分OPの長さはS1を用いて以下の式で算出できる。
【数5】
【0018】
また、測定点O’より平面XYZに下した垂線と、平面XYZの交点を点P’とする。四面体O’−XYZの体積をV2とすると、V2は体積に関するヘロンの公式により以下の式により算出できる。
【数6】
このV2を用いて線分O’P’の長さは以下の式により算出できる。
【数7】
【0019】
次に、図6(A)は、△OXP及び△OYPを示す図であり、(B)は△O’XP’及び△O’YP’を示す図である。ここで、三平方の定理を用いれば、線分XP、線分YPの長さは、以下の式により算出することができる。
【数8】
また、これと同様に、線分XP’、線分YP’の長さも以下の式により算出することができる。
【数9】
【0020】
さらに、図7は、底面△XYZと点P、点P’の位置を示した図である。
△PXY及び△P’XYを構成する線分XP、線分YP及び線分XP’、線分YP’の長さは、式(10)〜式(13)により算出することができ、線分XYの長さは、線分OX、線分OYが既知であるため三平方の定理を用いれば算出することができる。このため、△PXYの面積S2及び△P’XYの面積S3はヘロンの公式により算出できる。また、点P及び点P’より線分XYに下した垂線と、線分XYとの交点を夫々点Q及び点Q’とすると、以下の式により、線分PQ、線分P’Q’の長さを算出することができる。
【数10】
【0021】
また、三平方の定理を用いれば、以下の式により線分XQ,線分XQ’の長さを算出することができる。
【数11】
【0022】
また、点P’より線分PQに下ろした垂線と、線分PQとの交点を点Rとすると、線分PR,線分P’Rの長さは以下の式で算出することができる。
【数12】
【0023】
よって、線分PP’の長さは以下の式で算出される。
【数13】
【0024】
図8は、面OPP’O’を示す図である。同図において、点O’より線分OPに下した垂線と、線分OPの交点を点O”とする。ここで、図8に示すように、線分OO”は、垂線O’P’の長さと、垂線OPの長さの差を示す。よって線分OO”の長さは以下の式で算出される。
【数14】
また、線分O’O”の長さと線分PP’の長さは等しい。
【数15】
【0025】
よって、原点Oと被測定点O’とを結ぶ線分OO’の長さは以下の式で算出できる。
【数16】
【0026】
図9は、△OO’Xを示す図である。ここで、点O’より線分OX(すなわちX軸)に下した垂線と線分OXとの交点を点X’とすると、原点Oと測定点Xとを結ぶ線分OXの長さ及び被測定点O’と測定点Xを結ぶ線分の長さO’Xが既知であり、式(18)より被測定点O’と原点Oを結ぶ線分OO’の長さを算出することができるため、ヘロンの公式により△OO’Xの面積S4を算出することができる。△OO’Xの面積S4を用いることにより、線分O’X’の長さ及び図中の角度θxを以下の式で算出することができる。
【数17】
【0027】
よって、測定点が点Oから点O’に移動した場合のX軸方向の変位OX’は、以下の式により算出することができる。
【数18】
また、X軸方向の変位を算出した場合と同様に、Y軸方向の変位及びZ軸方向の変位は以下の式で算出することができる。
【数19】
これにより、被測定点の原点を基準としたX軸、Y軸、Z軸方向の座標を算出することができる。
【0028】
また、上記の説明では、原点Oを基準とした変位量を測定する方法について説明したが、次のようにして被測定点の任意の変位を測定することができる。すなわち、予め変位前の原点を基準とした被測定点の3軸方向の座標を算出しておき、変位後に再び原点を基準とした被測定点の3軸方向の座標を算出し、移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき変位量を算出することができる。
【0029】
<第2実施形態>
以下、被測定点の変位の測定方法の第2実施形態を説明する。なお、被測定点と測定点の距離の測定装置等については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0030】
図10は、被測定点の変位を測定する方法の第2実施形態を説明するための図である。∠XOY、∠YOZ,∠ZOXが垂直であるため、三平方の定理により線分XY、線分YZ、線分ZXの長さを以下の式で算出できる。
【数20】
【0031】
ここで、線分XYに垂直であり、かつ、被測定点O’を通る平面Tを想定する。平面Tは線分XYに垂直であるため、平面OXYに対しても垂直となる。ここで、図11に示すように△O’XYを線分XYを軸として回転させ、平面OXY上に一致させて考える。
【0032】
図12は、△OXYを示す図である。点O’から線分XYに下ろした垂線と、線分XYとの交点を点Aとし、点Aから線分OX、線分OYに下した垂線と線分OX、線分OYとの交点を、夫々点Xa、点Yaとする。また、図中の∠OXY=θax、∠OYX=θay、∠O’XY=θ’ax、∠O’YX=θ’ayとすると、これらは以下の式により算出できる。
【数21】
【0033】
θax、θay、θ’ax、θ’ayを用いて、線分OXa、線分OYaの長さを以下の式により算出する。
【数22】
【0034】
ここで、図13に示すように、点Oを原点として、点X、点Y、点Aの位置をXYZ座標で表すと、X(X、0、0)、Y(0、Y、0)、A(Xa、Ya、0)となる。次に、平面Tは平面OXYに垂直なので、平面Tを表す方程式は以下の式のように表せる。
【数23】
【0035】
ここで、面OXY上において、線分O’Aは線分XYと直交し、線分XYの傾きは−Y/Xなので、線分O’Aの傾きpは以下の式で算出できる。
【数24】
【0036】
また、式(38)中のqは、この平面Tが点Aを通るので、点Aの座標を代入して以下の式により算出できる。
【数25】
【0037】
また、以上説明したように平面Tを表す式を導いたのと同様の方法で、線分ZXと点O’を通る平面Uを表す式を導くことができる。
まず、線分ZXに垂直であり、かつ、被測定点O’を通る平面Uを想定する。平面Uは線分ZXに垂直であるため、平面OZXに対して垂直となる。ここで、図14に示すように△O’ZXを線分ZXを軸として回転させ、平面OZX上に一致させて考える。
【0038】
図15は、平面U上の△OXZを示す図である。点O’から線分ZXに下ろした垂線と、線分ZXとの交点を点Bとし、点Bから線分OZ、線分OXに下した垂線と線分OZ、線分OXとの交点を、夫々点Zb、点Xbとする。図中の∠OXZ=θbx、∠OZX=θbz、∠O’XZ=θ’bx、∠O’ZX=θ’bzとすると、これらの角度は以下の式により算出できる。
【数26】
【0039】
θbx、θbz、θ’bx、θ’bzを用いて、線分OXb、線分OZbの長さを以下の式により算出できる。
【数27】
【0040】
ここで、図16に示すように、点Oを原点として、点X、点Z、点BをXYZ座標系で表すと、X(X、0、0)、Z(0、0、Z)、B(Xb、0、Zb)となる。次に、平面Uは平面OZXに垂直なので、平面Uを表す方程式は以下の式のように表せる。
【数28】
また、平面OZX上において、線分O’Bは線分ZXと直交し、線分ZXの傾きは−Z/Xなので、線分O’Bの傾きrは以下の式で算出される。
【数29】
【0041】
また、式(48)中のsは、この平面Uが点Bを通るので、点Bの座標を代入して以下の式により算出できる。
【数30】
【0042】
次に、再び、図17に示すように3次元的に考える。変位計を示す点X,点Y、点Z及び測定点O’の座標は、夫々X(X、0、0)、Y(0、Y、0)、Z(0、0、Z)、O’(x、y、z)と表される。
ここで、線分O’Xの長さをLxとすると、点O’は点Xを中心とした半径Lxの球の表面上に位置する。この球Vは次式で表される。
【数31】
【0043】
ここで、点O’は、平面T、平面U、及び球面V上に位置するため、点O’の座標は、平面T、平面Uを表す式である式(38)、式(48)、式(52)を連立することで算出できる。式(52)の右辺のy、zに、式(38)及び式(48)の左辺を代入すると以下の式が導かれる。
【数32】
式(53)を整理すると以下の式が導かれる。
【数33】
【0044】
ここで、P、Q、Rを夫々P=1+p2+r2、Q=p×q+r×s−X、R=q2+s2+X2−Lx2とおくと、式(54)は、以下のようにあらわされる。
【数34】
【0045】
式(55)の解は次式で得られる。
【数35】
ここで、変位計の測定結果より算出したx、y、z及び予め算出しておいた線分OXの長さXを式(47)に代入することでLxを求めることができる。また、式(39)、(41)、(49)、(51)で算出したp、q、r、s、Lx、及び線分OXの長さX,を代入することによりP、Q、Rを算出し、このP、Q、Rを式(56)に代入することにより、xの値が得られる。さらに、xの値を式(38)及び式(48)に代入すれば、y、zの値が得られる。
【0046】
以上説明した第1又は第2実施形態の位置及び変位の測定方法によれば、被測定点の3次元的な変位を正確に測定することができる。このため、例えば発電所等における蒸気管の監視において、蒸気管の熱膨張による変位を精度よく検出することができるため、安全性を向上することができる。
【0047】
なお、第1又は第2実施形態では、発電所の蒸気管を測定対象としたが、これに限らず、他の対象物についても正確に3次元的な変位を測定できる。また、本実施形態では、変位計としてワイヤ巻取り式の測定器を用いたが、これに限らず、例えばレーザ式測距計など、被測定点と測定点の距離を精度よく測定できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態の変位測定方法による測定の対象である発電所内の蒸気管及び測定装置を示す図である。
【図2】三角形の面積を算出するヘロンの公式を説明するための図である。
【図3】三角錐の体積を算出するヘロンの公式を説明するための図である。
【図4】被測定点の位置を測定する第1の原理を説明するための図である。
【図5】面XYZを底面とした場合の、四面体O−XYZの斜視図である。
【図6】(A)は、△OXP及び△OYPを示す図であり、(B)は△O’XP’及び△O’YP’を示す図である。
【図7】底面△XYZと点P、点P’の位置を示した図である。
【図8】面OPP’O’を示す図である。
【図9】△OO’Xを示す図である。
【図10】被測定点の位置を測定する第2の原理を説明するための図である。
【図11】△O’XYを線分XYを軸として回転させ、平面OXY上に一致させた状態を示す図である。
【図12】平面T上の△OXYを示す図である。
【図13】点Oを原点として、X、Y、AをXYZ座標系で示す図である。
【図14】△O’ZXをZXを軸として回転させ、OZX平面上に一致させた状態を示す図である。
【図15】平面U上の△OXZを示す図である。
【図16】点Oを原点として、点X、点Z、点BをXYZ座標系で示す図である。
【図17】3次元的に点X,点Y、点Z及び被測定点O’を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10 蒸気管
11 ワイヤ巻込型変位計
12 被測定点
13 治具
14 パイプ
15 梁
16 ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする方法。
【請求項2】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、
前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を徹平面との交点と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を通る平面との交点との間の距離と、を算出し、
前記垂線の長さの差と、前記交点の間の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、
前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする方法。
【請求項3】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点の距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、
測定点を結ぶ直線の一つに垂直であり、かつ被測定点を通る第1の平面を表す式と、
測定点を結ぶ直線の他の一つに垂直であり、かつ被測定点を通る第2の平面を表す式と、
任意の測定点を中心とし、かつ、当該測定点と被測定点との距離を半径とする球面を表す式とを算出し、
これらの算出した式に基づき、前記第1の平面と、前記第2の平面と、前記球面との交点の位置を算出することにより前記被測定点の座標を算出することを特徴とする位置測定方法。
【請求項4】
前記各測定点と被測定物の距離を、各測定点に配置されたワイヤ巻込型変位計により測定することを特徴とする請求項1から3何れか記載の位置測定方法。
【請求項5】
請求項1から4何れか記載の位置測定方法により移動前及び移動後の被測定点の位置を測定し、
前記測定した移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき当該被測定点の変位を算出することを特徴とする変位測定方法。
【請求項6】
変位監視対象物の変位の監視方法であって、
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系を設定し、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記変位監視対象物の表面に被測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した測定点と被測定点との距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出し、
前記算出した座標に基づいて当該被測定点の変位を監視することを特徴とする方法。
【請求項1】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする方法。
【請求項2】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした被測定点の垂線の長さと、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした原点の垂線の長さとの差と、
前記被測定点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を徹平面との交点と、原点より前記各測定点を通る平面に下ろした垂線と、前記各測定点を通る平面との交点との間の距離と、を算出し、
前記垂線の長さの差と、前記交点の間の距離とに基づいて、前記被測定点と前記原点との直線距離を算出し、
前記算出した被測定点と原点の距離と、前記被測定点と前記測定点との距離と、前記測定点と原点の距離に基づいて前記被測定点の三次元座標を算出することを特徴とする方法。
【請求項3】
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系における被測定点の位置を測定する方法であって、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点の距離を夫々測定し、
前記測定した距離に基づいて、
測定点を結ぶ直線の一つに垂直であり、かつ被測定点を通る第1の平面を表す式と、
測定点を結ぶ直線の他の一つに垂直であり、かつ被測定点を通る第2の平面を表す式と、
任意の測定点を中心とし、かつ、当該測定点と被測定点との距離を半径とする球面を表す式とを算出し、
これらの算出した式に基づき、前記第1の平面と、前記第2の平面と、前記球面との交点の位置を算出することにより前記被測定点の座標を算出することを特徴とする位置測定方法。
【請求項4】
前記各測定点と被測定物の距離を、各測定点に配置されたワイヤ巻込型変位計により測定することを特徴とする請求項1から3何れか記載の位置測定方法。
【請求項5】
請求項1から4何れか記載の位置測定方法により移動前及び移動後の被測定点の位置を測定し、
前記測定した移動前及び移動後の被測定点の位置に基づき当該被測定点の変位を算出することを特徴とする変位測定方法。
【請求項6】
変位監視対象物の変位の監視方法であって、
原点で交わるように設定された互いに直交する3軸で構成される三次元座標系を設定し、
前記3軸上に夫々測定点を設定し、
前記変位監視対象物の表面に被測定点を設定し、
前記各測定点と前記被測定点との距離を夫々測定し、
前記測定した測定点と被測定点との距離に基づいて、前記被測定点の三次元座標を算出し、
前記算出した座標に基づいて当該被測定点の変位を監視することを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−198859(P2007−198859A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16837(P2006−16837)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
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