説明

低ナトリウム、高カルシウムのタンパク質加水分解物調味料及びその製造方法

調味料の製造方法は、触媒の存在下、25℃〜60℃の作動温度温度及びpH4〜8でタンパク質源を加水分解し、加水分解物を形成する工程;又は95℃を超える高温で脱脂タンパク質源について強酸を用いる工程;加水分解工程のpHを維持する工程;加水分解物中の触媒を失活させる工程;炭酸カルシウム又は酸を用いて加水分解物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;活性炭及び/又は炭酸カルシウムの層を通して加水分解物をろ過し、調味料を得る工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味覚特性を損なうことなく、低ナトリウム(<0.12%)及び高カルシウム含有量を含む調味料の製造方法に関する。特に、この調味料は、過敏症及び腎不全患者、又は遺伝的にこのような疾患に感染しやすい患者により用いられるのに適しているタンパク質加水分解物から製造される。
【背景技術】
【0002】
小売りのマーケットにおいて入手可能な醤油のような調味料又は香味料は、高濃度のナトリウム塩(7%を超える)を含む発酵液体醤油の混合物からなる。過敏症及び腎不全患者は、低ナトリウムの食餌が必要なことに気づく場合があり;マーケットで入手可能な調味料又は香味料の消費における制限のため、味覚及び風味を損なう食品をもたらすことになる。味の良い食品の風味を向上させるため、加水分解タンパク質が用いられる場合がある。市販されている加水分解タンパク質は、食品中のナトリウム塩の要求性をある程度減少することができるが、それにもかかわらず、過敏症及び腎不全患者にとっては、ナトリウム含有量は未だに相対的に高い。
【0003】
特許出願WO9425580は、調味料を含む種々の生成物のために用い得る、新規な酵素の組み合わせ、すなわち、フレーバーザイム(Flavourzyme)を用いることによる加水分解物の製造方法を開示している。しかし、この特許出願は、それらから製造された加水分解物から低ナトリウム、高カルシウムの調味料の製造方法における任意の更なる手段を開示していない。米国特許第5866357号において、Clausらは、特定のタイプの酵素を用いてタンパク質源をGlu/Asp部位で特異的に切断し、加水分解物を生成する方法を開示している。同様に、Clausらは、生成された加水分解物から低ナトリウム、高カルシウムの調味料を製造することについての詳細を明白に教示していない。他の米国特許第5985337号は、くん製肉のみからの加水分解物の製造方法を権利主張している。特許WO0128353は、魚類由来のタンパク質分解性組成物誘導体を用いた加水分解物の製造方法を含む。一方、米国特許第5141756号は、加水分解したこうじをもろみに発酵させ、それによって醤油を製造する方法を権利主張している。Thangらは、2段階の酵素性分解を含む、タンパク質源を加水分解することによる調味料の製造方法を出願している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO9425580
【特許文献2】米国特許第5866357号
【特許文献3】米国特許第5985337号
【特許文献4】WO0128353
【特許文献5】米国特許第5141756号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、腎臓及び高血圧の問題を抱えている患者により消費される食品への利用に適している、低ナトリウム、高カルシウムの調味料、特に醤油代替品の製造方法を開示することを目的とする。
【0006】
本発明の他の目的は、調味料の製造において複数段階の酵素分解を用いない、簡単かつ費用効果的な方法に関する。
【0007】
本発明の更に他の目的は、そのナトリウム含有量によってではなく、調味料中に含まれる遊離のアミノ酸のために食品の味をよくすることのできる、低ナトリウム及び高カルシウムの調味料を提供することにあり;その結果、使用者におけるナトリウム摂取量を減少し、使用者における高血圧の危険性を減少する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的の少なくとも1つは全体又は一部において本発明によって達成され、本発明の一実施態様は、25〜60℃の作動温度及びpH4〜8で触媒の存在下にローゼルの種子、動物の皮、羽根及び脱脂大豆粉のようなタンパク質源を、加水分解して加水分解物を形成する工程;加水分解工程のpHを維持する工程;加水分解物中の触媒を失活させる工程;加水分解物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;及び加水分解物を、活性炭及び炭酸カルシウムの層を通してろ過し、調味料を得る工程を含む、植物性タンパク質源から調味料を製造する方法を含む。
【0009】
調味料を製造するために、本発明の他の実施態様は、ローゼルの種子、動物の皮、羽根及び脱脂大豆粉のような脱脂タンパク質源を、温度が少なくとも60℃に達するまで予熱する工程:強酸を用いて、予備加熱した植物性タンパク質源を加水分解して混合物を形成する工程;加水分解が、用いたタンパク質源の少なくとも65%に達するまで、90℃〜125℃まで混合物を加熱する工程;炭酸カルシウムを用いて混合物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;及び混合物を活性炭及び炭酸カルシウムの層を通してろ過し、調味料を得る工程を含む、他の方法を提供する。
【0010】
得られる調味料の味を改良及び修飾するための本発明の他の実施態様に従い、開示された方法は、得られた調味料を濃縮し、又は得られた調味料に、天然から入手できる他の着香料を取り込む工程を更に含む。着香料は、ポリフェノールを豊富に含む抽出物、増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょう等のいずれか1種又は組み合わせであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、種々の源に由来する種々の調味料の官能試験における成績を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、他の特定の形態で具体化され、前述のたった1種の実施態様に限定されないことが理解される。しかし、当業者が容易に思い付くような開示された概念の修飾及び同等物は、添付された請求の範囲に含まれることが意図される。
【0013】
本発明の実施態様の1つは、25〜60℃の作動温度及びpH4〜8で触媒の存在下にローゼルの種子、動物の皮、羽根及び脱脂大豆粉のようなタンパク質源を加水分解して加水分解物を形成する工程;加水分解工程のpHを維持する工程;加水分解物中の触媒を失活させる工程;加水分解物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;及び加水分解物を、活性炭及び炭酸カルシウムの層を通してろ過し、調味料を得る工程を含む、タンパク質源からの調味料の製造方法を含む。
【0014】
加水分解物の食欲をそそる風味は、主に加水分解物中に得られる遊離のアミノ酸及び小ペプチドによるものであることに注意することが重要である。生成した小ペプチドが疎水性アミノ酸の部位で切断されると、このような断片は、加水分解物を食欲をそそる風味に代え、苦味にするであろう。従って、加水分解物の製造の用いるべき正しいタンパク質分解触媒及びタンパク質源の選択、それによる加水分解物中の苦味を有する小ペプチドの生成の回避が重要である。本発明は、好ましくは、加水分解物のタンパク質源として、タンパク質を豊富に含む源、特に、システイン、メチオニン、グルタミン酸、セリン、プロリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、アラニン、グリシン、リジン、スレオニン、チロシン、アルギニン及びバリンを豊富に含むものを選択する。それ故、それらから製造された加水分解物は苦味を呈するペプチド断片をほとんど含まず、そのようにして調味料が得られる。反応中のタンパク質源は、好ましくは最初に水及び触媒と混合し、反応混合物を形成する。好ましい実施態様においては、加水分解に用いられる水に対するタンパク質源の比は使用できる反応条件を有するために2〜10%である。用いられる触媒の量は、加水分解すべきタンパク質源の量と関連して変化させる。好ましくは、タンパク質源を加水分解するために用いられる触媒の量は、全タンパク質源の約0.05〜0.5重量%である。
【0015】
タンパク質を豊富に含む源は、脱脂大豆粉、動物の皮、羽根及び脱脂したローゼルの種子に含まれる。本明細書に記載される動物の皮は、好ましくは牛、ニワトリ、ヤギ等を意味する。一方、本発明は、市販されているフレーバーザイムのような外酵素は、本発明を実施するための触媒として好ましい。それにもかかわらず、本発明は、同様のタンパク質を豊富に含む源を用いる限り、他のタイプのタンパク質分解酵素の使用を限定することを意図しない。
【0016】
実施される反応の温度は、反応速度の決定に重要である。当業者は、生物学的触媒の性能は温度変化の影響を受けやすく、異なるタイプの酵素は、好ましい実施可能温度による最適な性能に関して変化を有し、その結果、触媒性能に適する反応温度の変化に関する任意の修飾は、本発明の範囲内に含まれるべきであることを理解するであろう。それにもかかわらず、本発明は、好ましくは25℃〜60℃に維持された反応温度を有する。この好ましい範囲を超えた温度は触媒の変性を起こし、温度がこの範囲より低いと反応が抑制される。同様に、生物学的触媒は反応環境のpHの影響を受けやすい。ある種の触媒が酸性環境下で十分に機能し、他の触媒がアルカリ性又は中性に近い環境で機能することは公知である。好まし実施態様においては、本発明の方法はpH4〜8で実施される。混合物の所望のpHへの調整は、炭酸カルシウム又は酸溶液を混合物に加えることにより簡単に実施することができるが、更に同じ結果を達成するための他の方法はある。更に、蓄積するアミノ酸又は小ペプチドが反応pHに影響し、その結果反応速度を低下させることを考慮し、反応の間中、反応のpHを監視し、好ましい範囲に維持する。収率及び加水分解工程の速度を向上させるために、反応混合物は、好ましくは全ての工程の間中絶えず撹拌し、そのようにして反応は均一に起こり得る。
【0017】
加水分解工程は、好ましくは少なくとも4時間継続し、次いで触媒を失活させることにより停止させる。加水分解反応を延長することは可能であるが、得られる収率は、延長された時間と明確に関連していない。これは、その時までに反応し得る基質が欠如することにより、その結果、反応物の生産性が制限される。当業者は、反応時間が、用いられるタンパク質源及び触媒の量を基準として変えられることを理解している。触媒を失活させるための通常の利用できるアプローチは、主に、熱を加えるか、又は触媒を十分な時間変性pH環境にすることによる触媒の変性に依存する。最も好ましい実施態様に関して、本発明における触媒の失活は、得られた加水分解物を70℃〜100℃の温度で5〜20分間加熱することにより実施される。加水分解物を、より高い温度で、好ましい範囲よりも短い時間加熱することにより触媒を変性させることは可能である。一方、触媒は、加水分解物のpHを変えることにより変性させることができる。触媒の変性pHは、用いられる触媒のタイプにより変更される。次いで、得られた加水分解物を3.5〜4.5のpHに調整し、所望の風味を得る。
【0018】
前記実施態様に加え、本発明は、ローゼルの種子、動物の皮、羽根及び脱脂大豆粉のような脱脂タンパク質源を少なくとも60℃まで予熱する工程;強酸を用いて、予熱したタンパク質源を加水分解して混合物を形成する工程;加水分解物が少なくとも65%に達するまで、90〜125℃まで混合物を加熱する工程;炭酸カルシウムを用いて混合物のpHを3.5〜4.5に調整し、調味料として用いることのできる加水分解物を得る工程を含む、植物性タンパク質からの調味料の他の製造方法を含む。本発明の原理に従い、酸加水分解は、前記方法のようなタンパク質源から食欲をそそる調味料を製造するための他の代替え経路を与える。酸加水分解を支持するために、混合物が90〜125℃の温度に達するような加熱を用いる。酸加水分解工程は、好ましくは、閉鎖系で少なくとも12時間、又は加水分解物が、用いた全タンパク質源の少なくとも65%の程度に達するまで実施する。閉鎖系内では、加水分解工程を補助する陽圧下で実施されるように反応が実施される。
【0019】
酵素加水分解又は酸加水分解のいずれかから加水分解物を得た後、調味料として用いる前に、加水分解物を、好ましくは活性炭及び炭酸カルシウムの層を通してろ過する。ろ過の間、未反応のタンパク質源を加水分解物から除去する。更に、小さい遊離のアミノ酸部分に対して香味料中で貢献しない切断されたポリペプチドも除去される。このようなろ過法の実施は、本発明において、加水分解工程において用いられる反応した又は未反応の、特にpH調整のために用いる、及び酸加水分解において用いる無機化学物質の除去をも可能にする。これらの化学物質は、不快な味を有することが知られており、製造された調味料の質に影響することに気づくであろう。重炭酸カルシウムの層を通過させた加水分解物は、そのカルシウム含有量において非常に改善されているであろう。当該技術分野において、カルシウム含有量が高血圧患者にとって有利であることは公知である。ろ過工程を通過した加水分解物は、消費され、又は調味料として用いられる準備ができている。
【0020】
従来より利用できる加水分解法においては、水酸化ナトリウム及び酸塩化物は、工程及び得られる調味料のpH条件を調整するのみでなく、製造された調味料の味をよくし、その結果製造された調味料のナトリウム含有量を増加させるための手段として用いられる。本発明の最も好ましい実施態様によれば、酵素的加水分解又は酸加水分解のいずれかにおける全てのpH調整又は維持は、クエン酸、及び製造される調味料の利用できるナトリウム含有量を減少することができる重炭酸カルシウムのようなカルボン酸塩を用いることにより達成されるが、これらに限定されない。製造される調味料の味に影響する他の水酸化物の使用は、本発明の発明者らによって見出された
【0021】
本発明の好ましい実施態様に従い、調味料の味を向上させるために、製造された加水分解物を更に濃縮することができる。製造された調味料の質の向上において、このような実務は当業者に公知である。製造された調味料に、他の天然に得られる調味料を加え、これによりその味を改善することができる。他の調味料は、ポリフェノールを豊富に含む抽出物、増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょう等の任意の1種又は組み合わせであり得る。用いられる調味料、例えば、ポリフェノールを豊富に含む抽出物は、消費者に有益な効果を与え、血管弛緩性は高血圧の問題を抱える患者にとって有益であることがわかる。
【0022】
本明細書において、前述の実施態様のいずれかから得られた調味料が、0.12重量%未満濃度のナトリウム及び高カルシウム(類似生成物の正常な含有量の2倍)を含むことにより特徴づけられることに言及されることは特許的に重要である。本発明に由来する、食欲をそそる風味を有しながら、このような低ナトリウム、高カルシウム含有量を有する調味料は、高血圧及び腎不全の病状を回避又は軽減するためにナトリウム摂取量を低くすることを意図するものにとって消費されるのに適している。
【0023】
以下の実施例は、本発明を更に説明することを意図し、本明細書に開示される特定の実施態様に限定することを意図しない。
【実施例1】
【0024】
最適な作動温度における公知の量の脱イオン水、及び用いられるプロテアーゼ(例えば、フレーバーザイム、エキソ及びエンドペプチダーゼの混合物)のために最適なタンパク質(例えば、ローゼルの種子、動物の皮、羽根、脱脂大豆粉)基質濃度で反応容器を満たすことにより、最適な加水分解条件を実施した。0.1M炭酸カルシウム及び0.1M HClを用いてスラリーのpHを、プロテアーゼの最適pHに調整した。次いで、公知の量のプロテアーゼを反応器に加えた。反応が進むにつれ、プロトンが放出され、反応器に0.1M CaCOを加えることにより中和した。確実に均一に分布させるためにCaCOを加えた時、混合物を絶えず撹拌した。5時間後、試料を集め、10分間煮沸し、クエン酸又はCaCOを用いてpH3.5〜4.5に調整し、活性炭及びCaCOの層を通して真空ろ過した。
【0025】
血管弛緩性を有するポリフェノールを豊富に含む抽出物、味をよくするための増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょうを加え、100℃で煮沸し、濃縮し、血圧低下特性を有する低ナトリウム、高カルシウムのベジマイト代替え物を形成した。
【実施例2】
【0026】
脱脂タンパク質基質懸濁液(例えば、ローゼルの種子、大豆かす、動物の皮、羽根等)を60℃に予熱し、その中に強酸、例えばHClを加え、閉鎖系内で、加水分解の程度が約90%に達するまで100℃で24時間加熱した。次いで、タンパク質加水分解物を室温まで冷却し、クエン酸又はCaCOを用いてpH3.5〜4.5に調整し、活性炭及びCaCOの層を通して真空ろ過した。
【0027】
血管弛緩性を有するポリフェノールを豊富に含む抽出物、味をよくするための増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょうを加え、100℃で煮沸し、濃縮し、血圧低下特性を有する低ナトリウム、高カルシウムのベジマイト代替え物を形成した。
【実施例3】
【0028】
種々の植物タンパク質源を用い、酸加水分解工程及び酵素的加水分解工程から製造した、種々の得られる加水分解物について官能試験を実施した。官能試験において、4種の異なる処方及び他の市販されている粥の処方を、評価のための20名の訓練されていない判定者による得点法に適用した。結果を、分散分析により分析した。判定者により指定された評点は、非常に嫌いに対する1点から非常に好きに対する9点の範囲の数値が与えられた。加水分解物の官能試験は、(1)風味の記述及び強度:(2)味;(3)容認性に対する1〜9のスケールにおける快楽試験及び(4)粥にした状態で供給された場合の加水分解物の風味強化特性からなる。
【0029】
官能試験の結果は、一般に、肉のような醤油様の香味料を生成したことを示す。試験の結果を下記表に要約する。
【0030】
【表1】

【0031】
#同じ文字を有する平均値は、5%レベルで有意に異ならない(P<0.05)
#A、B、C・・・・・は、各試料に対する官能的特性を比較するためのダンカン群である。
#a、b、c・・・・・官能的特性の各タイプについて試料間で比較するためのダンカン群である。
【0032】
本発明の開示は、添付された請求の範囲、並びに前述の記載を含む。特異性を有する好ましい形態において本発明を開示したが、好ましい形態の本発明の開示は単に具体例の目的でなされ、本発明の範囲から逸脱せずに、一部の構成の詳細及び組み合わせ及び配置における多くの変化の手段をとることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)25℃〜60℃の作動温度及びpH4〜8で触媒の存在下にタンパク質源を加水分解して加水分解物を形成する工程;
(b)加水分解工程のpHを維持する工程;
(c)加水分解物中の触媒を失活させる工程;
(d)加水分解物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;及び
(e)加水分解物を、活性炭及び/又は炭酸カルシウムの層を通してろ過し、調味料を得る工程を含む調味料の製造方法。
【請求項2】
得られた調味料を濃縮する工程を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ポリフェノールを豊富に含む抽出物、増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょうの任意の1種又は組み合わせを加える工程を更に含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記タンパク質源が、ローゼルの種子及び脱脂大豆粉からなる群から選択される植物性タンパク質である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記タンパク質源が、動物の皮又は羽根である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記触媒がタンパク質分解酵素である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記タンパク質分解酵素がフレバーザイムである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記触媒の失活が、加水分解物に熱を加えることにより実施される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記触媒の失活が、加水分解物のpHを3.0未満に変化させることにより実施される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
クエン酸及び炭酸カルシウムを用いることによりpHを調整し、維持する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
(a)タンパク質源を少なくとも60℃に予熱する工程;
(b)強酸を用いて、加熱した植物性タンパク質源を加水分解して混合物を形成する工程;
(c)加水分解が、用いたタンパク質源の少なくとも65%に達するまで、90℃〜125℃まで混合物を加熱する工程;
(d)混合物のpHを3.5〜4.5に調整する工程;及び
(e)混合物を、活性炭及び炭酸カルシウムの層を通してろ過し、調味料を得る工程を含む調味料の製造方法。
【請求項12】
得られた調味料を濃縮する工程を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
ポリフェノールを豊富に含む抽出物、増粘剤、保存剤、カラメル、タマネギ粉末、生姜粉末、ニンニク粉末、シナモン、香辛料及び黒こしょうの任意の1種又は組み合わせを加える工程を更に含む、請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記タンパク質源が、ローゼルの種子、脱脂大豆粉からなる群から選択される、請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質源が、動物の皮又は羽根である、請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記強酸が塩酸である、請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記pHが、クエン酸又は重炭酸カルシウムを用いることにより調整される、請求項11記載の方法。
【請求項18】
1重量%未満のナトリウム濃度を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法より得られる調味料。

【図1】
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【公表番号】特表2010−514442(P2010−514442A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543968(P2009−543968)
【出願日】平成19年12月24日(2007.12.24)
【国際出願番号】PCT/MY2007/000091
【国際公開番号】WO2008/082286
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509163961)
【Fターム(参考)】