説明

低原子価前周期金属化合物を用いたアルキンとアルケンからのシクロヘキサジエン類の製造方法

【課題】本発明は、通常の有機合成によれば多段階の反応工程を要し製造困難であるシクロヘキサジエン誘導体を、単純有機化合物であるアルキン、アルケンから1段階で且つ高選択的に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンを低原子価前周期金属化合物の存在下で反応させることによる、シクロヘキサジエン誘導体の製造方法に関する。本発明はまた、末端アルケン、内部アルキン、およびアルケンの3成分の環化付加反応による、多置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体の製造方法に関する。本発明は更に、当該製造方法に使用するための低原子価前周期金属化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキンとアルケンからのシクロヘキサジエン類の新規な製造方法に関する。具体的には、末端アルケン、内部アルキン、およびアルケンの3成分の環化付加反応による、多置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体の新規な製造方法に関する。本発明はまた、当該製造方法に使用するための低原子価前周期金属化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年医薬等を指向した高付加価値の精密化学品の合成に関するファインケミカルズに対する関心が益々高まっている。特に、有機金属化合物は高い触媒活性を有することが期待され、これまでに多数の有機金属触媒を用いた有機合成が報告されている。
【0003】
しかしながら、従来の有機金属触媒は多くが白金、イリジウム、ロジウム等をはじめとする貴金属と呼ばれる後周期金属種の触媒が中心であった。そこで最近、希少金属の有効利用などのために代替金属触媒として安価な前周期金属種が注目されている。また、マスフィードストックと呼ばれる単純有機化合物からの高付加価値の化合物を触媒的に変換、製造できる環境調和型物質製造プロセスが求められている。
【0004】
低原子価前周期金属種としては、第4族金属である低原子価チタン(II)、ジルコニウム(II)、ハフニウム(II)、第5族金属である低原子価バナジウム(III)、ニオブ(III)、タンタル(III)、第6族金属である低原子価クロム(IV)、モリブデン(IV)、タングステン(IV)などが挙げられる。これら金属種の化合物は金属上の電子が豊富なため、還元力が強く、有機合成反応上高い反応性が期待できるが、一方で一般に熱的に不安定であり、有機合成反応への利用は低温下のみでの使用に限定されていた。
【0005】
これまでに、熱的に安定な低原子価前周期金属化合物である三塩化ニオブ化合物を用いるケトン等の求電子剤との反応(非特許文献1を参照)、ニッケル触媒による低原子価ニオブ−アルキン化合物と芳香族ハロゲン化合物とのカップリング反応が報告されている(非特許文献2を参照)。
【0006】
また、従来の均一系触媒反応で用いられる、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウムなどに代表される高周期遷移金属錯体触媒を用いたアルケンとアルキンとの反応においては、アルキンが有する高い反応性のために、アルキンのみの環化三量化反応等の副反応を制御することが難しく、芳香族化合物が主生成物であった。このため、アルキンとアルケンからのクロス環化反応によるシクロヘキサジエン誘導体を高選択的に得ることは従来技術では極めて困難であった。
【0007】
さらに、低原子価ニオブ化合物を触媒的に用いた1分子の末端アルキンと2分子のアルケンとの2成分の反応による1,3−シクロヘキサジエンの製造が報告されている(非特許文献3を参照)。しかしながら、かかる反応においては1,3−シクロヘキサジエン生成物上の置換基の位置選択性が低く、また末端アルキンの環化三量化反応によるベンゼン等の芳香族化合物の生成に関する副反応を制御することが困難であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Y. Obora et al., Chem. Commun 901-902 (2005)
【非特許文献2】Y. Obora et al., Organometallics 25, 2097-2100 (2006)
【非特許文献3】Y. Obora et al., Org. Biomol., Chem., 2009, 7, 428
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の有機合成によれば多段階の反応工程を要し製造困難である、多置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体を、低原子価前周期金属化合物を用いて単純有機化合物であるアルキン、アルケンから1段階で且つ高選択的に製造することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が鋭意研究した結果、低原子価前周期金属化合物、好ましくは低原子価第5族金属化合物、特に好ましくは低原子価ニオブ化合物が有するアルケンとの高い反応性を利用することによって、アルキンのみの環化三量化反応などの副反応を制御し、従来法では達成困難であった、末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンとの3成分のクロス[2+2+2]環化付加反応によるクロス環化反応生成物である多置換1,3−シクロヘキサジエン類が高選択的且つ高収率で得られることを見出した。また、熱的に安定な低原子価前周期金属化合物を用いることにより、当該金属化合物の使用を触媒量まで低減させることに成功した。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0011】
[1] 末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンを低原子価前周期金属化合物の存在下で反応させることによる、シクロヘキサジエン誘導体の製造方法。
【0012】
[2] 式:R−C≡CH
(式中、
は、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表される末端アルキン、
式:R−C≡C−R
(式中、RおよびRは、互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立して無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表される内部アルキン、および
式:R−CH=CH
(式中、Rは、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、無置換または置換の末端アルケニル基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表されるアルケンを、低原子価前周期金属化合物の存在下で反応させることにより、式(I):
【化1】

(式中、R、R、RおよびRは前掲のとおりである)
で表される1,3,4,5−テトラ置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体を製造する、[1]記載の製造方法。
【0013】
[3] Rが、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれ、
およびRが互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立して無置換または置換のアルキル基、および無置換または置換のアリール基からなる群から選ばれ、そして、
が、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換の末端アルケニル基からなる群から選ばれる、
[1]または[2]のいずれか記載の製造方法。
【0014】
[4] Rが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチル、n−ヘキシル、またはフェニルであり、
およびRが互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立してメチル、n−プロピル、n−ブチル、またはフェニルであり、そして
が、フェニル、n−ヘキシル、n−オクチル、または1−オクテニルである、
[1]乃至[3]のいずれか1項記載の製造方法。
【0015】
[5] Rがトリメチルシリルであり、RおよびRが共にn−ブチルであり、そしてRがフェニルである、[1]乃至[4]のいずれか1項記載の製造方法。
【0016】
[6] 低原子価前周期金属化合物が、低原子価第5族金属化合物である、[1]乃至[5]のいずれか1項記載の製造方法。
【0017】
[7] 低原子価前周期金属化合物が、式:MX
(式中、
Mが、バナジウム、ニオブ、またはタンタルであり、
Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、
Lが、ジアミン、ジホスフィン、ジホスファイト、およびジエーテルからなる群から選ばれる二座配位子であり、
nが1である場合には、mは2であり、
nが3である場合には、mは1である)
で表される低原子価第5族金属化合物である、[1]乃至[6]のいずれか1項記載の製造方法。
【0018】
[8] 低原子価前周期金属化合物が、三塩化ニオブ1,2−ジメトキシエタン(NbCl(DME))である、[1]乃至[7]のいずれか1項記載の製造方法。
【0019】
[9] 低原子価前周期金属化合物の使用量が、内部アルキンの配合量基準で触媒量から過剰量である、[1]乃至[8]のいずれか1項記載の製造方法。
【0020】
[10] 低原子価前周期金属化合物の使用量が、内部アルキンの配合量基準で1〜50モル%当量である、[1]乃至[9]のいずれか1項記載の製造方法。
【0021】
[11] 末端アルキンの配合量が、内部アルキンの配合量基準で1〜5モル当量である、[1]乃至[10]のいずれか1項記載の製造方法。
【0022】
[12] アルケンの配合量が、内部アルキンの配合量基準で1〜10モル当量である、[1]乃至[11]のいずれか1項記載の製造方法。
【0023】
[13] 内部アルキン、末端アルキン、アルケンの各々の配合量の比率がモル当量比で1:2:4である、[1]乃至[12]のいずれか1項記載の製造方法。
【0024】
[14] 反応を−70℃から使用する反応溶媒の沸点で行なう、[1]乃至[13]のいずれか1項記載の製造方法。
【0025】
[15] 反応を室温から80℃で行なう、[1]乃至[14]のいずれか1項記載の製造方法。
【0026】
[16] 反応溶媒が、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、またはエーテル類である、[1]乃至[15]のいずれか1項記載の製造方法。
【0027】
[17] 反応溶媒が、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、1,4−ジクロロブタン、トルエン、またはジオキサンである、[1]乃至[16]のいずれか1項記載の製造方法。
【0028】
[18] シクロヘキサジエン誘導体が、式:
【化2】

からなる群から選ばれる、請求項1乃至17のいずれか1項記載の製造方法。
【0029】
[19] 末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンを反応させてシクロヘキサジエン誘導体を製造する方法において使用するための、低原子価前周期金属化合物。
【0030】
[20] 式:MX
(式中、M、X、L、nおよびmは各々、[7]に記載する通りである)
で表される低原子価第5族金属化合物である、[19]記載の低原子価前周期金属化合物。
【0031】
[21] 三塩化ニオブ1,2−ジメトキシエタン(NbCl(DME))である、[19]または[20]のいずれか記載の低原子価前周期金属化合物。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、従来の有機合成反応では多段階を必要とし、製造困難な多置換シクロヘキサジエンを、単純有機化合物であるアルキン、アルケンから極めて効率よく製造することができる。特に、低原子価前周期金属化合物を用いることにより、末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンから触媒的に多置換シクロヘキサジエンを1段階で且つ高選択的に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
(定義)
以下に、本明細書および特許請求の範囲中で使用する用語の定義を示す。特に断らなければ、本明細書中の基または用語について示す最初の定義を、個別にまたは別の基の一部として本明細書中の基または用語に適用する。
【0034】
用語「末端アルキン」とは、アセチレンの一端の炭素上の水素が水素以外の基で置換された炭化水素基を意味する。具体的には、式:
−C≡CH
で表される炭化水素基を意味し、ここで、Rは、有機化学分野において知られるいずれかの基であってよく、例えば以下に定義する、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和へテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる基を含むが、これらに限定されない。Rは、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる基が好ましく、無置換または置換のトリシリル基がより好ましい。具体的には、Rは、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチル、またはn−ヘキシルを含み、トリメチルシリルが好ましい。
【0035】
末端アルキンの具体例としては、n−ブチルアセチレン、t−ブチルアセチレン(3,3−ジメチル1−ブチン)、n−ヘキシルアセチレン、フェニルアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、トリエチルシリルアセチレン、シクロヘキシルアセチレン、n−オクチルアセチレンを挙げられ、好ましくはn−ブチルアセチレン、t−ブチルアセチレン、n−ヘキシルアセチレン、フェニルアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、トリエチルシリルアセチレン、より好ましくはt−ブチルアセチレン、トリメチルシリルアセチレン、トリエチルシリルアセチレンを挙げられる。
【0036】
用語「内部アルキン」とは、アセチレンの両端の炭素上の水素が各々水素以外の基で置換された炭化水素基を意味する。具体的には、式:
−C≡C−R
で表される炭化水素基を意味し、ここで、RおよびRは互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立して有機化学分野において知られるいずれかの基であってよく、例えば以下に定義する、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる基を含むが、これらに限定されない。RおよびRは互いに同じか(対称アセチレン)または異なってもよい(非対称アセチレン)が、同じであることが好ましく、各々独立して無置換または置換のアルキル基、および無置換または置換のアリール基からなる群から選ばれる基が好ましい。具体的には、RおよびRが互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立してメチル、n−プロピル、n−ブチル、またはフェニルを含み、共にn−ブチルが好ましい。
【0037】
内部アルキンの具体例としては、1,2−ジt−ブチルアセチレン、1,2−ジn−プロピルアセチレン、1−メチル−2−フェニルアセチレン、1−トリメチルシリル−2−フェニルアセチレン、1,2−ジフェニルアセチレン、1,2−ジnエチルアセチレン、1−エチル−2−プロピルアセチレン、1−プロピル−2−ペンチルアセチレン、1,2−ジメチルアセチレン、3−フェニル−1−メチルアセチレンを挙げられ、好ましくは1,2−ジt−ブチルアセチレン、1,2−ジn−プロピルアセチレン、1−メチル−2−フェニルアセチレン、1−トリメチルシリル−2−フェニルアセチレン、1,2−ジフェニルアセチレン、より好ましくは1,2−ジt−ブチルアセチレン、1,2−ジn−プロピルアセチレンを挙げられる。
【0038】
用語「アルケン」とは、炭素数が2〜12個、好ましくは炭素数が2〜8個、より好ましくは炭素数が2〜6個であって、末端に少なくとも1個の二重結合を有する、1、2または3個の二重結合、好ましくは1個の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。具体的には、式:
−CH=CH
で表される炭化水素基を意味し、ここで、Rは、有機化学分野において知られるいずれかの基であってよく、例えば以下に定義する、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、無置換または置換の末端アルケニル基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる基を含むが、これらに限定されない。Rは、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換の末端アルケニル基からなる群から選ばれる基が好ましく、無置換または置換のアリール基がより好ましい。具体的には、Rは、フェニル、n−ヘキシル、n−オクチル、または1−オクテニルを含み、フェニルが好ましい。
【0039】
アルケンの具体例としては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、スチレン、4−F−スチレン、4−クロロ−スチレン、4−メチル−スチレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、6−ヘプテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−ブテン酸メチルを挙げられ、好ましくは1−オクテン、1−デセン、スチレン、4−F−スチレン、1,9−デカジエン、より好ましくはスチレンが挙げられる。
【0040】
用語「シクロヘキサジエン誘導体」とは、置換基を有するシクロヘキサジエンを意味する。このものは、1,3−シクロヘキサジエン誘導体および1,4−シクロヘキサジエン誘導体を含み、1,3−シクロヘキサジエン誘導体が好ましい。具体的には、式:
【化3】

(式中、R、R、RおよびRは前掲のとおりである)
で表される1,3,4,5−テトラ置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体を含む。具体例としては、式:
【化4】

で表される化合物を含む。
【0041】
本願発明の反応は反応基質の電子的性質に影響を受けることなく効率よく進行することから、末端アルキンのR基、内部アルキンのR基およびR基、並びにアルケンのR基としての下記「置換(の)アルキル」、「置換(の)シクロアルキル」、「置換(の)飽和へテロシクロ基」、「置換(の)アリール基」、「置換(の)ヘテロアリール基」、「置換(の)トリシリル基」、および「置換(の)末端アルケニル基」等における置換基は有機化学分野において知られる電子供与性基(例えば、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基)または電子吸引性基(例えば、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基)のいずれであってもよい。例えば、アルキル基(例えば、炭素数が1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基))、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基)、アミノ基(例えば、アミノ基、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、フェノール基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、シアノ基を挙げられる。
【0042】
用語「無置換または置換のアルキル基」とは、適宜1〜3個の置換基を有する、炭素数が1〜12個、好ましくは炭素数が1〜8個、より好ましくは炭素数が1〜6個の直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基などが挙げられる。n−プロピル基、n−ブチル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基を含む。
【0043】
用語「無置換または置換のシクロアルキル基」とは、適宜1〜3個の置換基を有する、炭素数が3〜8個、好ましくは炭素数が5〜7個、より好ましくは炭素数が5または6個の環状炭化水素基を意味し、具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。炭素数が1〜3個の炭素架橋、縮合環(これは、シクロアルキル、飽和へテロシクロ、アリール、ヘテロアリールから選ばれる)、またはスピロ環様式で結合した多環式基(例えば、二環式基)、をも本定義に含む。シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基を含む。
【0044】
用語「無置換または置換の飽和へテロシクロ基」とは、適宜1〜3個の置換基を有する、少なくとも1つの環内に、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を有する、飽和の環式基を意味する。炭素数が1〜3個の炭素架橋、縮合環(これは、シクロアルキル、飽和へテロシクロ、アリール、ヘテロアリールから選ばれる)またはスピロ環様式、で結合した多環式基(例えば、二環式基)をも本定義に含む。具体例としては、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基等の単環式ヘテロシクロ基;キヌクリジニル基、2−クロマニル基、2−インドリニル基等の二環式ヘテロシクロ;1−アザ[4.5]スピロデカン等のスピロ環などが挙げられる。ピロリジニル基、ピペリジニル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基を含む。
【0045】
用語「無置換または置換のアリール基」とは、適宜1〜5個の置換基を有する芳香族性炭素環式を意味する。縮合環様式で結合した多環式基(例えば、二環式基)をも本定義に含む。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の単環式アリール基;フェナントリジニル基、6−クロマニル基、5−イソインドリル基等の二環式アリール基等が挙げられる。フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基を含む。
【0046】
用語「無置換または置換のヘテロアリール基」とは、適宜1〜5個の置換基を有する、少なくとも1つの環内に、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を有する、芳香族性の環式基を意味する。縮合環様式で結合した多環式基(例えば、二環式基)をも本定義に含む。具体例としては、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサジアゾリル基、2−オキサアゼピニル基、アゼピニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基などの単環式へテロアリール基;および、ベンゾチアゾリル基、ベンゾキサゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、キノリニル基、キノリニル−N−オキシド基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾピラニル基、インドリジニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、インダゾリル基、ピロロピリジル基、フロピリジニル基(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル基、フロ[3,1−b]ピリジニル基、またはフロ[2,3−b]ピリジニル基)、ベンジイソチアゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾジアジニル基、ベンゾチオピラニル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、プリニル基、ピリドピリジル基、キナゾリニル基、チエノフリル基、チエノピリジル基、チエノチエニル基などの二環式ヘテロアリール基等の二環式アリール基等が挙げられる。ピリジル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基を含む。
【0047】
用語「無置換または置換のトリシリル基」とは、式:
Si−
で表される基、またはこの基の1以上の水素原子が、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基等によって置換された基を意味する。具体的な例としては、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t−ブチルジメチルシリル(TBS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基等が挙げられる。トリメチルシリル、トリエチルシリルが好ましい。
【0048】
用語「無置換または置換の末端アルケニル基」とは、適宜1〜3個の置換基を有する、3〜12個の炭素原子および少なくとも1位での二重結合を含む1、2または3個の二重結合、好ましくは3〜8個の炭素原子および1位での1個の二重結合、より好ましくは6〜8個の炭素原子および1位での1個の二重結合を有する、直鎖または分枝の炭化水素基を意味する。具体例としては、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1,3−ジペンテニル基、1−ヘキセニル基、1,3−ジヘキセニル基、1,4−ジヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1,3,5−トリオクテニル基等を挙げられる。1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基が好ましい。置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基)、アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロアリール基(例えば、ピリジル基)、ハロゲン(例えば、フッ素)、ニトロ基、ホルミル基、オキソ基、アシル基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基を含む。
【0049】
用語「低原子価前周期金属化合物」とは、中心金属として低原子価である周期表中の前周期遷移金属元素を含む配位化合物(錯体)を意味する。前周期金属元素としては、第3族元素から第7族元素を含むが、これらに限定されない。ここで、低原子価とは、金属元素の原子価状態が各族の金属元素に固有の最大原子価の価数よりも少ない原子価状態であることを意味し、例えば、第4族元素の場合には最大原子価数の4よりも低い3以下、第5族元素の場合には最大原子価数の5よりも低い4以下、および第6族元素の場合には最大原子価数の6よりも低い5以下を意味する。中心金属元素は、第4族元素(チタン(Ti) (II))、ジルコニウム(Zr) (II))、ハフニウム(Hf) (II))、第5族元素(バナジウム(V) (III)、ニオブ(Nb) (III)、タンタル(Ta) (III))、または第6族元素(クロム(Cr) (IV)、モリブデン(Mo) (IV)、タングステン(W) (IV))が好ましく、三価の第5族元素がより好ましく、ニオブ(III)が特に好ましい。
【0050】
上述の中心金属元素を含む低原子価前周期金属化合物の配位子としては、有機金属化学または無機化学の分野において知られる配位子を含む。配位子としては、単座配位子、二座配位子、三座以上の多座配位子を含む。例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン)、アミン系配位子(例えば、アンモニア、ビピリジン、フェナントロリン、BINAP、ジエチレントリアミン)、ホスフィン系配位子(例えば、トリフェニルホスフィン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン)、アセテートイオン(例えば、アセチルアセトナートイオン、エチレンジアミンテトラアセテートイオン)、一酸化炭素、エーテル系配位子(例えば、1,2−ジメトキシエタン)、カルボン酸イオン(例えば、グリシナートイオン)、硝酸イオン、シアン化物イオンを挙げられる。最大配位数を超えないという条件で、1個以上のハロゲンおよび1個以上の二座配位子を含むことが好ましい。例えば、金属元素が第5族元素の場合には、以下の用語「低原子価第5族金属化合物」において定義する、一般式で表される化合物が好ましい。
【0051】
用語「低原子価第5族金属化合物」は、式:MX
(式中、
Mが、バナジウム、ニオブ、またはタンタルであり、
Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、
Lが、ジアミン、ジホスフィン、ジホスファイト、およびジエーテルからなる群から選ばれる二座配位子であり、
nが1である場合には、mは2であり、
nが3である場合には、mは1である)
で表される化合物を含む。ここで、Lで表す二座配位子の具体例としては、アミン系配位子(例えば、エチレンジアミン(en)、ビピリジン、フェナントロリン、BINAP)、ホスフィン系配位子(例えば、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ホスファイト系配位子(例えば、1,2−ビス(ジメチルホスファイト)エタン、1,2−ビス(ジエチルホスファイト)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスファイト)エタン、1,3−ビス(ジメチルホスファイト)プロパン、1,4−ビス(ジメチルホスファイト)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスファイト)ブタン、エーテル系配位子(例えば、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジプロピルエタン、1,2−ジイソプロピルエタンを挙げられる。
【0052】
1実施態様において、Mはニオブが好ましい。
【0053】
1実施態様において、Xは塩素原子が好ましい。
【0054】
1実施態様において、Lはアミン系配位子またはエーテル系配位子が好ましく、エーテル系配位子がより好ましく、1,2−ジメトキシエタン(DME)が最も好ましい。
【0055】
1実施態様において、低原子価第5族金属化合物は、三塩化ニオブ1,2−ジメトキシエタン(NbCl(DME))である。
【0056】
本発明の製造方法を以下に詳しく説明する。
(反応式1)
【化5】

(式中、R、R、RおよびRは前掲と同じものを意味する)
【0057】
本発明の製造方法は、上記の反応式1に従って、末端アルキン(1)、内部アルキン(2)、およびアルケン(3)を、低原子価前周期化合物の存在下で反応させることにより、式(I)のシクロヘキサジエン誘導体を製造することができる。
【0058】
低原子価前周期金属化合物は、市販されているか、または当該有機金属化学の分野において知られる方法、或いはこれらに準じた方法により製造することができる。
【0059】
低原子価前周期金属化合物の使用量は、反応基質である末端アルキン(1)、内部アルキン(2)、またはアルケン(3)の配合量基準で、特に内部アルキン(2)の配合量基準で触媒量から過剰量で使用することができる。具体的には、内部アルキンの配合量基準で0.1〜120%モル当量、好ましくは1〜50モル%当量、より好ましくは5〜30モル%当量、特により好ましくは20モル%当量で使用することができる。
【0060】
反応基質である、末端アルキン(1)、内部アルキン(2)、およびアルケン(3)はいずれも市販されているか、または当該有機化学の分野において知られる方法、或いはこれらに準じた方法により製造することができる。
【0061】
末端アルキンの配合量は、内部アルキンの配合量基準で0.1〜10モル当量で使用することができる。好ましくは1〜5モル当量で、より好ましくは2モル当量で使用することができる。
【0062】
アルケンの配合量は、内部アルキンの配合量基準で0.1〜10モル当量で使用することができる。好ましくは1〜5モル当量で、より好ましくは4モル当量で使用することができる。
【0063】
内部アルキン、末端アルキン、およびアルケンの各々の配合量の比率は、モル当量比で1:2:4で使用することが好ましい。
【0064】
本発明の反応は無溶媒または反応溶媒中で行い、反応溶媒中で行なうことが好ましい。反応溶媒は特に限定されず、飽和炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン)、ケトン類(例えば、アセトン)、エステル類(例えば、酢酸エチル)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、アミン類(例えば、ピリジン)、酸類(例えば、ギ酸、酢酸)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール)、または極性非プロトン性溶媒(例えば、N,N-ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF))、水等が挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。飽和炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類が好ましく、ハロゲン化炭化水素がより好ましく、1,2−ジクロロエタンが更に好ましい。
【0065】
本発明の反応は、低温(例えば、−70℃以下)から高温(例えば、100℃以上)で行なうことができ、通常0℃〜使用する反応溶媒の沸点であり、室温〜80℃が好ましく、40℃〜60℃がより好ましい。
【0066】
本発明の反応は、不活性気体の雰囲気下で行なうことが好ましく、具体的には窒素、アルゴン、ヘリウムの雰囲気下で行なう。
【0067】
本発明の反応は、常圧から加圧容器(例えば、市販のステンレス加圧容器)中での加圧条件下で行なうことができ、通常常圧で行なう。
【0068】
また、本発明の反応時間は、使用する溶媒、反応温度などの反応条件に依存して変わり得るが、数時間〜数日間で完結し、通常4時間〜1日間で完結し、8時間〜16時間が好ましい。
【実施例】
【0069】
以下に実施例を挙げて本願発明を更に具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例に限定されるものではない。化合物の確認は、各種分光学的分析の解析により行なった。具体的には、一次元および二次元のプロトンおよび炭素13核磁気共鳴スペクトル(H NMR、13C NMR、DEPT(Distorsionless Enhancement by Polarization Transfer)、HMQC(Heteronuclear Multi Quantum Correlation)、HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Correlation))、質量スペクトル(MS)、赤外線吸収スペクトル(IR)の解析により行った。核磁気共鳴スペクトルには、テトラメチルシランを内部標準として用いた。
【0070】
実施例中に用いた以下の略号を説明する。
Meはメチル基を、Etはエチル基を、n−Prはn−プロピル基を、n−Buはn−ブチル基を、t−Buはt−ブチル基を、n−Octをn−オクチル基を、Phはフェニル基を、SiMeをトリメチルシリル基を、SiEtをトリエチルシリル基を、DMEは1,2−ジメトキシエタンを意味する。
【実施例1】
【0071】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME)、アルドリッチ社製)(0.2 mmol, 58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いてスチレン(4 mmol, 416 mg)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、トリメチルシリルアセチレン(2 mmol, 196 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率:定量的(単離収率97%)、選択率>99%。
δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.00(s, 9H),0.96-1.10(m, 6H),1.37-1.62(m, 4H),2.24-2.49(m, 8H), 2.50,2.70(d, 2H),3.42(d, H),6.25(s,1H),7.26-7.34(m, 5H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.00(Si(CH3)3),16.79(CH3),16.89(CH3),25,68(CH2),25.71(CH2),33.82(CH2),34.06(CH2),34.71(CH2),34.73(CH2),37.35(CH2),44.57(CH),128.67(CH),130.57(CH),130.67(CH),134.22(C)136.08(C),138.29(C),139.09(CH),146.13(C)
【実施例2】
【0072】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol,58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いてスチレン(4 mmol, 416 mg)、4-オクチン(1 mmol, 110 mg)、トリメチルシリルアセチレン(2 mmol, 196 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率:定量的(単離収率94%)、選択率>99%。
GC-MS
312(13%)[M]+,269(5),239(6),162(6),77(1),73(100),43(6)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.00(s, 9H),0.99-1.02(t, 3H),1.09-1.12(t, 3H),1.46-1.67(m, 4H),1.78-1.85(d,1H),2.23-2.50(m,4H),2.67-2.74(d,2H),3.43(d, 1H),6.25(s, 1H),7.26-7.35(m, 5H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.10(Si(CH3)3),17.08(CH3),17.12(CH3),25.54(CH2),25.65(CH2),36.13(CH2),36.47(CH2),37.73(CH2),44.62(CH),128.68(CH),130.57(CH),130.68(CH),134.25(C),136.13(C),138.25(C),139.05(CH),146.19(C)
【実施例3】
【0073】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol, 58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いてスチレン(4 mmol, 416 mg)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、トリエチルシリルアセチレン(2 mmol, 281 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率95%(単離収率85%)、選択率>99%。
GC-MS
382(2%)[M]+,325(3),226(10),155(2),115(100),57(12)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.85-0.89(t, 9H),0.99-1.64(m, 20H),2.31-2.53(m, 4H),2.68(d, 1H),3.45(d.2H),6.25(s, 1H),7.27-7.36(m, 5H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
2.28(CH2),7.13(CH3),14.03(CH3),14.14(CH3),22.89(CH2),22.96(CH2),31.02(CH2),31.37(CH2),31.98(CH2),32.01(CH2),35.40(CH2),41.68(CH),125.88(CH),127.84(CH),128.06(CH),130.54(C),131.65(C),135.22(C),138.12(CH),143.16(C)
【実施例4】
【0074】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol, 58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いてスチレン(4 mmol, 416 mg)、1-フェニル1-プロピン(1 mmol, 116 mg)、トリメチルシリルアセチレン(2 mmol, 196 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率98%(単離収率91%)、選択率99%。3−メチル−4−フェニル誘導体と3−フェニル−4−メチル誘導体の生成比率は1:1であった。
GC-MS(混合物)
318(25)[M]+,303(4),245(25),241(2),165(5),77(2),73(100)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)(混合物)
0.00(s, 9H,s, 9H),1.74(s, 3H),1.94(s, 3H),2.49-2.58(d, 2H),2.78-2.92(d, 2H),3.44-3.47(m, 1H),3.73-3.76(m, 1H),6.31(s, 1H),6.38(s, 1H),7.16-7.45(m, 10H),

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)(混合物)
-2.88(Si(CH3)3),-2.70(Si(CH3)3),19.08(CH3),19.63(CH3),33.96(CH2),34.99(CH2),44.19(CH),44.79(CH),125.88-128.67(6CH),133.46(C),133.59(C),133.98(C),134.78(C),135.75(CH),135.91(C),137.32(CH),141.67(C),142.04(C),142.77(C),143.17(C)
【実施例5】
【0075】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol, 58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いて1,9-デカジエン(4 mmol, 553 mg)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、トリメチルシリルアセチレン(2 mmol, 196 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率93%、選択率>84%。
GC-MS
374(5)[M]+,300(2),2078(17),73(100),57(2),44(17),18(27)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.00(s, 9H),0,79-0.87(m, 9H),1.19-1.47(m, 22H),1.67-2.28(m, 7H),5.95(s,1H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.00(Si(CH3)3),16.44(CH3),16,45(CH3),16.46(CH3),25.02(CH2),25.06(CH2),25.34(CH2),29.99(CH2),30.97(CH2),31.23(CH2),31.66(CH2),31.96(CH2),32.19(CH2),33.06(CH2),33.55(CH2),34.23(CH2),34.32(CH2),34.90(CH2),38.08(CH),131.02(C),135.37(C),138.38(CH),141.54(C)
【実施例6】
【0076】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol,58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いてスチレン(4 mmol, 416 mg)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、3,3-ジメチル1-ブチン(2 mmol, 164 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率89%、選択率>71%。
GC-MS
324(19%)[M]+,267(15),211(30),155(19),79(2),77(2),57(100)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.74(s, 9H),0.87-1.08(m, 6H),1.23-1.40(m, 4H),1.60(m, 4H),2.43-2.51(m, 4H),2.54(d, 2H),3.29(d,1H),5.58(s, 1H),7.08-7.15(m,5H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
14.06(CH3),14.17(CH3),22.92(CH2),23.01(CH2),28.04(CH3),31.02(CH2),31.47(CH2),31.98(CH2),32.14(CH2),33.44(CH2),34.61(C),43.07(CH),119.50(CH),125.87(CH),127.77(CH),128.08(CH),131.55(C),131.80(C),142.09(C),143.36(C)
【実施例7】
【0077】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol,58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いて4-フルオロスチレン(4 mmol,0.46 mL)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、3,3-ジメチル1-ブチン(2 mmol,164 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率52%、選択率>75%。
GC-MS
342(8%)[M]+,285(7),229(7),173(3),57(43),28(100),18(84)

δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.74(s, 9H),0.76-0.90(m, 6H),1.17-1.42(m, 4H),1.52-1.57(m, 4H),2.01-2.22(m, 4H),2.41-2.47(d, 2H),3.24(d, 1H),5.55(s, 1H),6.78-6.99(m, 4H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
14.04(CH3),14.15(CH3),22.91(CH2),22.99(CH2),28.00(CH3),31.03(CH2),31.42(CH2),31.95(CH2),32.13(CH2),33.47(CH2),34.60(C),42.27(CH),114.48(CH),119.50(CH),129.39(CH),131.65(C),132.03(C),138.79(C),142.02(C),161.40(C)
【実施例8】
【0078】

アルゴンバック内で枝つきシュレンクに回転子、三塩化ニオブ錯体(NbCl3(DME))(0.2 mmol, 58 mg)を入れ、その後シュレンクを取り出し、アルゴン雰囲気のもと溶媒として1,2-ジクロロエタン(1 mL)を加えた。続いて1-デセン(4 mmol, 560 mg)、5-デシン(1 mmol, 138 mg)、3,3-ジメチル1-ブチン(2 mmol, 164 mg)を順に加え、アルゴン雰囲気のもと60℃、16時間攪拌を行った。反応終了後、水とジイソプロピルエーテルを加えクエンチを行った。その後、有機層のみを抽出し、エヴァポレイターで溶媒及び未反応の基質を除去し、展開溶媒としてn-ヘキサンを用いシリカゲルカラムで生成物を1H-NMR、13C-NMR、dept、HMQC、HMBC、GC-MSおよびIRで同定を行った。定量はGCを用い、内部基準法で行った。1,3,4,5−生成物の収率83%、選択率>66%。
δH(400 MHz; CDCl3, Me4Si)
0.78-0.86(m, 9H),0.97(s, 9H), 1.18-1.30,1.61-1.66,1.81-2.02(m, 24H),2.09,(d, 1H),2.13,2.24(d,2H),5.43(s,1H)

δC(100 MHz; CDCl3, Me4Si)
14.14(CH3),14.19(CH3),22.73(CH2),22.78(CH2),23.04(CH2),27.59(CH2),27.92(CH2),28.54(CH3),28.79(CH2),29.38(CH2),29.66(CH2),29.76(CH2),29.92(CH2),30.88(CH2),31.21(CH2),31.95(CH2),32.01(CH2),32.75(CH2),34.91(CH2),37.04(CH)118,79(CH),128.66(C),134.91(C),142.36(C)
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明により、従来合成困難な多置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体を、低原子価第5族金属化合物触媒を用いることにより、マスフィードストックである単純アルキン、単純アルケンから1段階で且つ高選択的に製造することができ、また生成物である1,3−シクロヘキサジエン誘導体は、Diels-Alder反応、高分子重合反応等における出発物質として有用な化合物であるため、医薬品の合成中間体、および光学ポリマーの材料となる耐熱性ポリマー等としても有用であり、工業的に利用価値が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンを低原子価前周期金属化合物の存在下で反応させることによる、シクロヘキサジエン誘導体の製造方法。
【請求項2】
式:R−C≡CH
(式中、
は、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表される末端アルキン、
式:R−C≡C−R
(式中、RおよびRは、互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立して無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表される内部アルキン、および
式:R−CH=CH
(式中、Rは、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のシクロアルキル基、無置換または置換の飽和ヘテロシクロ基、無置換または置換のアリール基、無置換または置換のヘテロアリール基、無置換または置換の末端アルケニル基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれる)
で表されるアルケンを、低原子価前周期金属化合物の存在下で反応させることにより、式(I):
【化1】

(式中、R、R、RおよびRは前掲のとおりである)
で表される1,3,4,5−テトラ置換1,3−シクロヘキサジエン誘導体を製造する、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
が、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換のトリシリル基からなる群から選ばれ、
およびRが互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立して無置換または置換のアルキル基、および無置換または置換のアリール基からなる群から選ばれ、そして、
が、無置換または置換のアルキル基、無置換または置換のアリール基、および無置換または置換の末端アルケニル基からなる群から選ばれる、
請求項1または2のいずれか記載の製造方法。
【請求項4】
が、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチル、n−ヘキシル、またはフェニルであり、
およびRが互いに同じかまたは異なってもよく、各々独立してメチル、n−プロピル、n−ブチル、またはフェニルであり、そして
が、フェニル、n−ヘキシル、n−オクチル、または1−オクテニルである、
請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項5】
がトリメチルシリルであり、RおよびRが共にn−ブチルであり、そしてRがフェニルである、請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項6】
低原子価前周期金属化合物が、低原子価第5族金属化合物である、請求項1乃至5のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項7】
低原子価前周期金属化合物が、式:MX
(式中、
Mが、バナジウム、ニオブ、またはタンタルであり、
Xが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、
Lが、ジアミン、ジホスフィン、ジホスファイト、およびジエーテルからなる群から選ばれる二座配位子であり、
nが1である場合には、mは2であり、
nが3である場合には、mは1である)
で表される低原子価第5族金属化合物である、請求項1乃至6のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項8】
低原子価前周期金属化合物が、三塩化ニオブ1,2−ジメトキシエタン(NbCl(DME))である、請求項1乃至7のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項9】
低原子価前周期金属化合物の使用量が、内部アルキンの配合量基準で触媒量から過剰量である、請求項1乃至8のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項10】
低原子価前周期金属化合物の使用量が、内部アルキンの配合量基準で1〜50モル%当量である、請求項1乃至9のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項11】
シクロヘキサジエン誘導体が、式:
【化2】

からなる群から選ばれる、請求項1乃至10のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項12】
末端アルキン、内部アルキン、およびアルケンを反応させてシクロヘキサジエン誘導体を製造する方法において使用するための、低原子価前周期金属化合物。
【請求項13】
式:MX
(式中、M、X、L、nおよびmは各々、請求項7に記載する通りである)
で表される低原子価第5族金属化合物である、請求項12記載の低原子価前周期金属化合物。
【請求項14】
三塩化ニオブ1,2−ジメトキシエタン(NbCl(DME))である、請求項12または13のいずれか記載の低原子価前周期金属化合物。

【公開番号】特開2011−241173(P2011−241173A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114257(P2010−114257)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年12月4日 社団法人石油学会関西支部 および社団法人日本エネルギー学会関西支部発行の「社団法人石油学会関西支部第18回研究発表会 社団法人日本エネルギー学会関西支部第54回研究発表会 合同研究発表会 講演要旨集」に発表
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】