説明

低温無鉛ハンダ誘導溶融補修方法

【課題】
本発明は、人体に有害なPbを含有せず、しかも接合強度が高い、具体的には7kg/mm以上ある鉛フリーハンダ使用実装製品低温接合用糸ハンダ合金を使用温度250℃以下で強制誘導溶融方法を用いて高温接合実装基板の実装補修手直し配線配置換え部品の取り外し方法を提供する。
【解決手段】 発明は、先の発明品低融点鉛フリー合金を作りそのインゴットを0.1mm以下の糸ハンダに加工しこの糸ハンダを修正基板上の修正箇所に接触させその上から250℃以下の保温されたハンダ御手を当てる事にて糸ハンダが溶融すると同時にその下にある従来の接合鉛フリーはんだ300℃〜350℃でなければ溶融しないハンダを低融点溶融ハンダに強制的に誘導させ接合鉛フリーハンダを溶融させ、高温接合実装基板の実装補修手直し配線配置換え部品の取り外しの対応を部品及び基板を熱劣化させずに行う事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に有害な鉛を含有しない溶融温度200℃以下の無鉛錫(Sn)系ハンダ合金を使用し、特に、電子部品関係の実装製品基板上の部品を強制的低温誘導溶融にて部品の修正及び取り外しを基板、部品を熱劣化させずに実装製品基板を完成品として完成させる方法。
【背景技術】
【0002】
電子部品関係の実装製品基板の実装接合には、錫(Sn)と鉛(Pb)の共晶組成付近の合金が一般に使用されてきたが、その後鉛の人体に対する毒性が問題になり、鉛を含まないSnを主体にした添加物Cu・Agの組成付近の合金が採用されたが作業使用温度が260℃以上で無ければ効果が発揮できないでいるそこで低温ハンダ特開昭62−252693号にはBi(25〜85重量%)−Sn(18〜68重量%)−Zn(0.1〜10重量%)−Sb(0.1〜10重量%)系の使用温度250℃以下のハンダ合金を使用したり、特開平11−77370号にはBi(30〜80重量%)−Sn(18〜88重量%)−Ti(0,1〜5重量%)系の低温基板接合用ハンダなどが提案されているが鉛ハンダ使用実装製品と鉛フリーハンダ使用実装製品とでは補修手直し配線配置換え部品の取り外しの対応には今までに比べ鉛フリーでは350℃以上の加熱を補修部にあた得なければならず補修部品を劣化させ、また接合強度は鉛を含むハンダ合金に比べ劣り7kg/mm以上の特性を出ない。
【特許文献3】特開昭62−252693号公報
【特許文献4】特開平11−77370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、人体に有害なPbを含有せず、しかも接合強度が高い、具体的には7kg/mm以上ある鉛フリーハンダ使用実装製品低温接合用糸ハンダ合金を使用温度250℃以下で強制誘導溶融方法を用いて高温接合実装基板の実装補修手直し配線配置換え部品の取り外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、先の発明品低融点鉛フリー合金を作りそのインゴットを0.1mm以下の糸ハンダに加工しこの糸ハンダを修正基板上の修正箇所に接触させその上から250℃以下の保温されたハンダ御手を当てる事にて糸ハンダが溶融すると同時にその下にある従来の接合鉛フリーはんだ300℃〜350℃でなければ溶融しないハンダを低融点溶融ハンダに強制的に誘導させ接合鉛フリーハンダを溶融させ、高温接合実装基板の実装補修手直し配線配置換え部品の取り外しの対応を部品及び基板を熱劣化させずに行う事が出来た。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、当社開発ハンダ特願2004−358521を使用による糸ハンダを修正基板上にある修正箇所に接触させその上から250℃以下の保温されたハンダ御手を当てる事にて糸ハンダを溶融すると同時にその下にある従来の接合鉛フリーはんだ300℃〜350℃でなければ溶融しない接合済みハンダを低融点溶融ハンダに強制的に誘導させ接合鉛フリーハンダを溶融させたことは、高温接合実装基板の実装補修手直し配線配置換え部品の取り外しの対応を部品及び基板を熱劣化させずに行う事が出来ることであり、尚補修の再凝固の接合強度の劣化も起きない事から製品の不良率低減が図られた、また部品のリサイクル使用が大幅に可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、径0.5mm及び1mmの当社開発糸ハンダを修正基板上にある修正箇所に接触させその上から250℃以下の保温されたハンダ御手を当てる事にて糸ハンダを溶融させると同時にその下にある従来の接合鉛フリーはんだを強制的に誘導溶解させる事にて基板上の部品の取り外し回路の変更が部品及び基板を傷めず出来た。
【実施例】
【0007】
表1に示す実施例1〜6の低温無鉛ハンダ合金及び比較例1〜6の組成のハンダ合金を調製し糸ハンダを径1mmと0.5mm、を製作し、実装基板の部品接合部に実施例糸ハンダを修正基板上にある部品接合修正箇所に接触させその上から各保温温度によるハンダ御手にて糸ハンダを溶融させると同時にその下にある従来の接合鉛フリーはんだを強制的に誘導溶解させる事の有無と基板上の部品及び基板の破壊指数及び部品との接合強度を測定した。結果を表1、において異なるベースハンダ合金組成の影響を示したものである。基板厚さ1.6mmとSnめっきリード抵抗部品をハンダ付けしたハンダ部溶融時の部品熱衝撃破壊指数の測定は、ハンダ御手にて糸ハンダを基板ハンダ部に点ハンダ付け各温度にて約5秒を維持し部品の熱劣化を確認する。基板と部品にハンダ御手にて糸ハンダを基板ハンダ部に点ハンダ付け各温度にて約5秒を維持し再接合させ基板と部品の接合強度の測定は、基板部品に対して45度の方向に引っ張り、剥がれたときの強度(kg/mm)で示す。
【0008】
【表1】

【0009】
表1より、比較例低融点組成ハンダでは径1mm以下の糸ハンダ製作時靭性が無く糸にならず製作出来なく誘導溶融材に成らない、ただ比較例融点が220℃以上であるハンダ組成では、糸ハンダが製作出来るが誘導溶融するには点ハンダ付け温度維持が350℃以上でなければ誘導溶融出来ず、誘導溶融出来ても部品及び基板に熱衝撃破壊を起こさせてしまうことが分かる。
【0010】
表1の結果を見れば、基板と部品にハンダ御手にて糸ハンダを基板ハンダ部に点ハンダ付け各温度にて約5秒を維持し再接合させ基板と部品の接合強度の測定は、基板部品に対して45度の方向に引っ張り、剥がれたときの強度(kg/mm)で示すが基板上溶融が100%出なければ接合強度が出ていない事が分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錫及び/又はビスマスを主体とし鉛を含まない融点120℃〜200℃の範囲の低融点無鉛ハンダ合金を特徴とする径が1mm以内の低温修正用無鉛糸ハンダ合金。
【請求項2】
請求項1に記載の糸ハンダをシャプペン押し出しにて目的部に誘導する方法
【請求項3】
請求項1に記載の糸ハンダを使用し完成実装基板の修正を250℃以下で誘導溶融を行なう方法。
【請求項4】
請求項1に記載の糸ハンダを使用し完成実装基板の部品取外しを250℃以下で誘導溶融を行う方法。

【公開番号】特開2007−258652(P2007−258652A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112667(P2006−112667)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(504034585)有限会社ナプラ (55)
【Fターム(参考)】