説明

低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物、製造方法及び使用

本発明は、低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物、製造方法及び使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物、製造方法及び使用に関する。
【0002】
ウレトジオン基含有重付加化合物は知られている。
【0003】
独国特許(DE)第101 470号明細書には、ウレトジオン基含有芳香族ジイソシアナート及び二官能性ヒドロキシル化合物からの反応生成物が記載されている。
【0004】
独国特許(DE)第952 940号明細書、独国特許(DE)第968 566号明細書及び独国特許(DE)第11 53 900号明細書には、ジイソシアナート、ウレトジオン基含有ジイソシアナート及び二官能性ヒドロキシル化合物からの反応生成物が記載されている。
【0005】
独国特許(DE)第20 44 838号明細書においては、ウレトジオン基含有ポリウレタン組成物とポリアミンとのさらなる反応の特許の保護が請求されている。
【0006】
独国特許(DE)第22 21 170号明細書には、NCOを末端基とするウレトジオン基含有ポリウレタン組成物とジアミンとを、ウレトジオン基を維持しながら反応させることが記載されている。
【0007】
独国特許(DE)第24 20 475号明細書には、ウレトジオン基含有ジイソシアナート、ジイソシアナート及び二官能性ヒドロキシル化合物からなる粉体塗料架橋剤の製造方法の記載が含まれている。
【0008】
米国特許(US)第4,496,684号明細書には、ウレトジオン基含有ジイソシアナート及び二官能性ヒドロキシル化合物からの反応生成物が挙げられており、これらはついで引き続き酸無水物で架橋される。
【0009】
ウレトジオン基含有重付加化合物の製造方法は、欧州特許(EP)第269 943号明細書に記載されている。
【0010】
欧州特許(EP)第601 793号明細書には、ウレトジオン基含有ポリイソシアナート、ポリイソシアナート及びポリオールからなる一成分接着剤が記載されている。
【0011】
欧州特許(EP)第640 634号明細書には、付加的にさらにイソシアヌラート基を有するウレトジオン基含有重付加化合物が記載されている。
【0012】
欧州特許(EP)第1 063 251号明細書には、ウレトジオン基含有重付加化合物の製造方法が記載されている。その際に、ウレトジオン基含有ポリイソシアナート及びジイソシアナートは混合される。
【0013】
これら全ての製造方法及び生成物は、より高い温度(>50℃)での溶剤不含の製造の間に、反応を促進するための常用の触媒、例えばジブチルスズジラウラート(DBTL)の使用が、望ましくない副反応(アロファナート)をまねくことが共通している。その際に形成されるアロファナートは、生じたウレトジオン基含有重付加化合物の溶融粘度を高め、同時に有益な反応性ウレトジオンが全滅する。溶融粘度の増大は、例えば粉体塗料硬化剤としての使用において、そのような系の加工性を妨害する。高粘稠な粉体塗料硬化剤は、その他の粉体塗料成分と劣悪に混合されうるものであり、かつ塗料表面上に不十分な流展による障害をまねく。
【0014】
本発明の課題は、明らかにより低い溶融粘度を有するウレトジオン基含有重付加化合物並びにその製造方法を見出すことであった。
【0015】
意外にも、50℃を上回る温度でウレトジオン基含有重付加化合物を溶剤不含で製造する際に、本発明による触媒が明らかにより低い溶融粘度をもたらすことが見出された。明らかに低下されているとは、生じた生成物の溶融粘度が、通常使用されるジブチルスズジラウラートと比較して、それ以外は同じ条件(反応温度及び反応時間)で少なくとも50%だけ低下されていることを意味する。溶融粘度は、ガラス転移温度に依存している。低いTg(40〜50℃)(120℃で粘度30〜300Pas)を有する市場で入手可能な生成物並びに高いTg(70〜80℃)(120℃で粘度3000〜18000Pas)を有する生成物が生じる。これらの生成物の基本粘度は、既に劇的に相違する。それでもやはり、従来の製造方法と比較して、溶融粘度の明らかな低下がいずれにせよ考慮されるべきである。
【0016】
本発明の対象は、50℃を上回る温度で以下のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物である:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい。
【0017】
本発明による低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物は、一般的に、これまで知られている生成物の場合よりも50%低い、その都度120℃で測定される、通常、30Pas(Tg 40℃)〜18000Pas(Tg 80℃)の範囲内の粘度を有する。
【0018】
ウレトジオン基含有ポリイソシアナートA)のための出発物質は、少なくとも2個のNCO基を有する芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナートが適しており、特に:イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアナート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアナート(NBDI)、トリレンジイソシアナート(TDI)、及び/又はメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)並びにまたテトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)が好ましくは使用される。IPDI、HDI及びH12MDIが極めて特に好ましい。
【0019】
ウレトジオン基を有するポリイソシアナートは、十分知られており、かつ例えば、米国特許(US)第4,476,054号明細書、米国特許(US)第4,912,210号明細書、米国特許(US)第4,929,724号明細書並びに欧州特許(EP)第417 603号明細書に記載されている。イソシアナートをウレトジオンへ二量化する工業的に関連した方法についての包括的概要は、J. Prakt. Chem. 336 (1994) 185-200により与えられている。一般的に、ウレトジオンへのイソシアナートの変換は、可溶性の二量化触媒、例えばジアルキルアミノピリジン、トリアルキルホスフィン、亜リン酸−トリアミド、トリアゾール誘導体又はイミダゾール類の存在で行われる。反応は − 場合により溶剤中で、しかし好ましくは溶剤の不在で実施される − 所望の転化率に達した際に、触媒毒の添加により停止される。過剰のモノマーイソシアナートは、引き続いて短行程蒸発(Kurzwegverdampfung)により分離される。触媒が十分に揮発性である場合には、反応混合物から、モノマー分離の過程で触媒が取り除かれることができる。触媒毒の添加はこの場合に放棄されることができる。
12MDIの二量化は、国際公開(WO)第04005363号パンフレット及び国際公開(WO)第04005364号パンフレットに最近はじめて記載された。
化合物B)として、ポリウレタン(PUR)化学において通常使用される、少なくとも32の分子量の全てのポリオール(ポリオールは、少なくとも2個のアルコール基を有する全ての化合物である)が適している。
モノマージオールは、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、3−メチルペンタンジオール−1,5、ネオペンチルグリコール、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサンジオール並びにヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステルである。
モノマートリオールは、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−1,2,6、ブタントリオール−1,2,4、トリス(β−ヒドロキシエチル)−イソシアヌラート、ペンタエリトリトール、マンニトール又はソルビトールである。
【0020】
別の官能基を有するポリオールも適している(オリゴマー又はポリマー)。これらは、それ自体として知られたヒドロキシル基含有のポリエステル、ポリカーボナート、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステルアミド、ポリウレタン又はポリアセタールである。これらは、134〜3 500の数平均分子量を有する。
ポリオールは、単独で又は混合物で使用される。
【0021】
触媒C)は、組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又はしかし次の組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物である。
【0022】
触媒として、例えば、ビスマストリス(ネオデカノアート) スズビス(2−エチルヘキサノアート)、スズオキサラート又はテトラブチルスズが考慮に値する。これらの触媒は、場合により、カルボン酸中に溶解されて使用されることができる。例えば、ビスマストリス(ネオデカノアート)は、通例、過剰のネオデカン酸中に溶解され、かつCOSCAT 83 (Erbsloeh)として販売されている。
【0023】
ブチルスズトリス(2−エチルヘキサノアート)、式II、n=1、m=3、及びジブチルスズジラウラート、式II、m=2及びn=2のような触媒は、明らかに適しておらず、かつ特許の保護は請求されていない。
【0024】
化合物D)は、モノマーの単官能性アルコール、モノマーの一官能性又は二官能性のアミン及び/又はブロック剤である。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、異性体のペンタノール類、ヘキサノール類、オクタノール類及びノナノール類、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体のメチルシクロヘキサノール並びにヒドロキシメチルシクロヘキサンが考慮に値する。さらに、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン。NCO基のためのブロック剤として、200℃を下回る温度で、通常、再び開裂可能な全ての化合物、例えばメチルエチルケトオキシム、アセトンオキシム、フェノール、ε−カプロラクタム、1,2,4−トリアゾール、2,5−ジメチルピラゾール、マロン酸ジエチルエステル、アセト酢酸エチルエステル又はジイソプロピルアミンが考慮に値する。
【0025】
ポリイソシアナートE)として、少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナートが適しており、特に:イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアナート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアナート(NBDI)、トリレンジイソシアナート(TDI)、及び/又はメチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)並びにまたテトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)が好ましくは使用される。IPDI、HDI及びH12MDIが極めて特に好ましい。さらに、ポリイソシアナートE)は、さらに別の官能基、例えばイソシアヌラート、ビウレット又はアロファナートを有していてよい。
【0026】
本発明による重付加化合物への、ウレトジオン基を有するポリイソシアナートA)及び場合によりポリイソシアナートE)の変換は、A)及び場合によりE)の遊離NCO基と、B)及び場合によりD)の活性水素を有する化合物との反応を含む。
【0027】
本発明の対象は、押出機、流通管、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサー中で、強力混合し、かつ温度>50℃での熱供給時に短時間で反応させ、その後に迅速冷却により最終生成物を単離することによって、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物を溶剤不含で連続的に製造する方法でもある:
A)少なくとも2個のNCO基を有する芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい。
【0028】
前記方法の原則は、出発化合物の反応が連続的に、特に、押出機、流通管、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサー中で、強力混合及び熱供給時に短時間の反応によって行われることにある。このことは、前記の装置中の出発物質の滞留時間が、通常、3秒〜15分、好ましくは3秒〜5分、特に好ましくは5〜180秒であることを意味する。反応物は、その際に、熱供給下に、50℃〜325℃、好ましくは50〜250℃、極めて特に好ましくは70〜220℃の温度で短時間で反応される。出発物質及び最終生成物の種類に応じて、滞留時間及び温度のこれらの値は、しかしながらその他の好ましい範囲も取り得る。場合により、連続的な後反応が後接続される。引き続いて迅速冷却により最終生成物が得られる。
【0029】
装置として、押出機、例えば一軸スクリュー押出機又は多軸スクリュー押出機、特に二軸スクリュー押出機、プラネタリーギアー押出機又はリング押出機(Ringextruder)、流通管、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー、又はスタティックミキサーが本発明による方法に特に適しており、かつ好ましくは使用される。
【0030】
出発化合物は、装置に、通例、別個の生成物流中で計量供給される。2つよりも多い生成物流の場合に、これらは、束ねられて供給されることもできる。異なるヒドロキシル基含有出発物質は、1つの生成物流に統合されることができる。この生成物流に、付加的に、触媒及び/又は充填剤、例えば流れ調整剤(Verlaufmittel)、又は安定剤を添加することも可能である。同じように、ポリイソシアナート並びにポリイソシアナートのウレトジオンは、触媒及び/又は充填剤、例えば流れ調整剤又は安定剤と、1つの生成物流に統合されることができる。これらの物質流は、分配されていてもよく、かつ多様な割合で異なる位置で装置に供給されることができる。このようにして、濃度勾配が意図的に調節され、このことは反応の完全性をもたらしうる。順列をなした生成物流の導入位置は、可変かつ時間的にずらして操作されることができる。
【0031】
前反応のため及び/又は反応を完全にするためには、複数の装置が組み合わされることもできる。
【0032】
迅速な反応に後接続された冷却は、押出機又はConterna機の場合のように、多くのハウジングの実施態様の形で、反応部中で一体化されていてよい。さらに、次のものが使用されることができる:後接続されたグラニュレーターを有するか又は有しない、管束、蛇管、チルロール、空気コンベヤー、金属からなる輸送ベルト及び水浴。
【0033】
大量生産は、インテンシブニーダー帯域又は後反応帯域を去る生成物の粘度に応じて、まず最初に、対応する前記の器具類を用いるさらなる冷却により、適した温度にされる。ついで、錠剤化(Pastillierung)又はしかし所望の粒度への粉砕は、ロールクラッシャー、ピンミル(Stiftmuehle)、ハンマーミル、シュップミル(Schuppwalzen)、ストランドグラニュレーター(例えば水浴との組合せで)、その他のグラニュレーター等を用いて行われる。
【0034】
本発明の対象は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び成形材料、ポリウレタン−粉体塗料及びPUR−接着剤における、本発明による低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物の使用でもある。
【0035】
本発明の対象は、熱可塑性ポリウレタン成形材料でもあり、その際に前記成形材料は、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
を含有し、かつ別のポリマー、助剤及び/又は添加剤が含まれていてよい。
【0036】
このためには、本発明によるウレトジオン基含有重付加化合物は、ポリマー、選択的にポリカーボナート、アクリロニトリル−コポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−ポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム−成形材料、エチレン及び/又はプロピレン並びにアクリル酸又はメタクリル酸又はこれらのナトリウム塩又はZn塩からなるコポリマー並びにエチレン及び/又はプロピレン並びにアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルからなるコポリマー、及び助剤及び添加剤、例えばUV安定剤及び酸化防止剤と、混合されることができる。
【0037】
本発明による成形材料は、原則的に知られた方法に従って製造されたTPUグラニュールをそれぞれの充填剤と混合し、かつ当業者に知られた方法で、再押出しによりコンパウンディングすることによって製造されることができる。引き続いて、得られた成形材料は、造粒され、(冷時)粉砕により、焼結のできる粉末へ変換されることができ、この粉末は例えば、"パウダースラッシュ法"(例えば独国特許(DE)第39 32 923号明細書又はまた米国特許(US)第6,057,391号明細書参照)による加工に適している。そのような粉末は、好ましくは50〜500μmの粒度を有する。本発明による成形材料は、多種多様な成形体、例えばシート及び/又は焼結シートの製造に適している。本発明によるポリウレタン成形材料から製造されたシート及び/又は焼結シートは、例えば、交通機関(例えば航空機、自動車、船舶及び鉄道)における表面被着としての使用に適している。
【0038】
本発明の対象は、本質的には次のものを含有するポリウレタン粉体塗料組成物でもある:
I.40〜130℃の融点、5質量%未満の遊離NCO含量及び1〜18質量%のウレトジオン含量を有し、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい;
II.場合により、40〜130℃の融点及び20〜200mg KOH/gのOH価を有するヒドロキシル基含有ポリマー;
III.場合により、架橋反応を促進するための触媒;
IV.場合により、酸を捕捉する化合物;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい。
【0039】
ヒドロキシル基含有ポリマーII.の場合に、好ましくは、20〜200(単位mg KOH/g)のOH価を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリラート、ポリウレタン及び/又はポリカーボナートが使用される。特に好ましくは、30〜150のOH価、500〜6 000g/molの平均分子量及び40〜130℃の融点を有するポリエステルが使用される。そのようなポリエステルは、無定形又は(部分)結晶質であってよい。そのような結合剤は、例えば、欧州特許(EP)第669 354号明細書及び欧州特許(EP)第254 152号明細書に記載されている。もちろん、そのようなポリマーの混合物も使用されることができる。
【0040】
ウレトジオン基含有重付加化合物とヒドロキシル基含有ポリマーとの架橋反応を促進するために使用可能な触媒III.は、有機金属化合物、例えばジブチルスズジラウラート(DBTL)、しかしまた第三級アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)及びジアザビシクロノネン(DBN)である。
ウレトジオン基含有重付加化合物とヒドロキシル基含有ポリマーとの架橋反応を促進するための別の触媒III.は、特に、金属アセチルアセトナート、金属水酸化物、金属アルコラート又は対イオンとして水酸化物、フッ化物又はカルボキシラートを有する第四級アンモニウム塩である。これらは、例えば、国際公開(WO)第00/34355号パンフレット、独国特許(DE)第103 20 267号明細書、独国特許(DE)第102 05 608号明細書及び独国特許(DE)第103 20 266号明細書に記載されている。
【0041】
粉体塗料配合物の全量に基づく触媒又は触媒混合物の割合は、0.001〜3質量%である。
【0042】
特に効率のよい触媒の活性は、酸の存在で明らかに低下する。ウレトジオン基含有重付加化合物の従来の反応相手には、ヒドロキシル基含有ポリエステルが含まれる。これらのポリエステルの製造方法に基づいて、これらは、時折、少ない範囲で依然として酸基を有する。ポリエステルの酸基含量は、20mg KOH/g未満であるべきである、それというのも、さもないと触媒はあまりに阻害されるからである。そのような酸基を有しているポリエステルの存在では、前記の触媒を、酸基を基準として過剰量で使用するか、又はしかし酸基を捕捉することのできる反応性化合物を添加することが考えられうる。単官能性並びに多官能性の化合物は、このために使用されることができる。
【0043】
酸を捕捉する反応性化合物IV)は、塗料化学において一般的に知られている。例えば、エポキシ化合物、カルボジイミド、ヒドロキシアルキルアミド又は2−オキサゾリン、しかしまた無機塩、例えば水酸化物、炭酸水素塩又は炭酸塩は、酸基と、高められた温度で反応する。その場合に、例えばトリグリシジルエーテルイソシアヌラート(TGIC)、EPIKOTE 828(ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテル、Schell)、バーサチック(Versatic)酸グリシジルエステル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、POLYPOX R 16(ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、UPPC AG)並びに遊離エポキシ基を有するその他のポリポックスタイプ(Polypoxtypen)、VESTAGON EP HA 320、(ヒドロキシアルキルアミド、Degussa AG)、しかしまたフェニレンビスオキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリン、2−ヒドロキシプロピル−2−オキサゾリン、5−ヒドロキシペンチル−2−オキサゾリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウムが考慮に値する。もちろん、そのような物質の混合物も考慮に値する。これらの反応性化合物は全配合物を基準として、0.1〜10%、好ましくは0.5〜3%の質量割合で、使用されることができる。
【0044】
粉体塗料製造のためには、粉体塗料技術において常用の助剤及び添加剤、例えば流れ調整剤、例えばポリシリコーン又はアクリラート、光安定剤、例えばステリックヒンダードアミン、又は例えば欧州特許(EP)第669 353号明細書に記載されているようなその他の助剤が0.05〜5質量%の全量で添加されることができる。充填剤及び顔料、例えば二酸化チタンは、全組成物の50質量%までの量で添加されることができる。
【0045】
そのうえ、PUR化学に常用の触媒、例えば有機金属化合物、例えばDBTL、しかしまた第三級アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、DBU及びDBNがさらになお考慮に値する。
【0046】
本発明のさらなる対象は、120〜130℃の温度上限で加熱可能な装置中でのポリウレタン粉体塗料組成物の製造方法である。
【0047】
粉体塗料組成物の製造のための全ての成分の均質化は、適した装置、例えば加熱可能なニーダー中で、しかしながら好ましくは押し出すことにより行われることができ、その際に120〜130℃の温度上限を上回るべきではない。押し出された材料は、室温に冷却後及び適した粉砕後に、噴霧可能な粉末に粉砕される。適した基体上への噴霧可能な粉末の適用は、知られた方法により、例えば静電粉末吹付け、流動焼結、又は静電流動焼結により行われることができる。粉末適用後に、コーティングされた材料片は、硬化のために、120〜220℃の温度に4〜60分間、好ましくは120〜180℃で6〜30分間、加熱される。
【0048】
本発明の対象は、本質的には次のものを含有するポリウレタン接着剤組成物でもある:
I. 5質量%未満の遊離NCO含量及び1〜18質量%のウレトジオン含量を有し、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい;
II.場合により、20〜200mg KOH/gのOH価を有するヒドロキシル基含有ポリマー;
III.場合により、架橋反応を促進するための触媒;
IV.場合により、酸を捕捉する化合物;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい。
【0049】
ヒドロキシル基含有ポリマーII.の場合に、好ましくは、20〜200(単位mg KOH/g)のOH価を有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリラート、ポリウレタン及び/又はポリカーボナートが使用される。特に好ましくは、30〜150のOH価、500〜6 000g/molの平均分子量を有するポリエステルである。そのようなポリエステルは、無定形又は(部分)結晶質であってよい。そのような結合剤は、例えば、欧州特許(EP)第669 354号明細書及び欧州特許(EP)第254 152号明細書に記載されている。もちろん、そのようなポリマーの混合物も使用されることができる。
【0050】
ウレトジオン基含有重付加化合物とヒドロキシル基含有ポリマーとの架橋反応を促進するために使用可能な触媒III.は、有機金属化合物、例えばDBTL、しかしまた第三級アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、DBU及びDBNである。
【0051】
ウレトジオン基含有重付加化合物とヒドロキシル基含有ポリマーとの架橋反応を促進するために使用可能な触媒III.は、特に、金属アセチルアセトナート、金属水酸化物、金属アルコラート又は対イオンとしての水酸化物、フッ化物又はカルボキシラートを有する第四級アンモニウム塩である。これらは、例えば、国際公開(WO)第00/34355号パンフレット、独国特許(DE)第103 20 267号明細書、独国特許(DE)第102 05 608号明細書及び独国特許(DE)第103 20 266号明細書に記載されている。
【0052】
接着剤組成物の全量に基づく触媒又は触媒混合物の割合は、0.001〜3質量%である。
【0053】
特に効率のよい触媒の活性は、酸の存在で明らかに低下する。ウレトジオン基含有重付加化合物の従来の反応相手には、ヒドロキシル基含有ポリエステルが含まれる。これらのポリエステルの製造方法に基づいて、これらは、時折、少ない範囲で依然として酸基を有する。ポリエステルの酸基含量は、20mg KOH/g未満であるべきである、それというのも、さもないと触媒はあまりに阻害されるからである。そのような酸基を有するポリエステルの存在では、前記の触媒を、酸基を基準として過剰量で使用するか、又はしかし酸基を捕捉することのできる反応性化合物を添加することが考えられうる。単官能性並びに多官能性の化合物は、このために使用されることができる。
【0054】
酸を捕捉する反応性化合物IV)は、化学において一般的に知られている。例えば、エポキシ化合物、カルボジイミド、ヒドロキシアルキルアミド又は2−オキサゾリン、しかしまた無機塩、例えば水酸化物、炭酸水素塩又は炭酸塩は、酸基と、高められた温度で反応する。その場合に、例えば、トリグリシジルエーテルイソシアヌラート(TGIC)、EPIKOTE 828(ビスフェノールAをベースとするジグリシジルエーテル、Schell)、バーサチック酸グリシジルエステル、エチルヘキシルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、POLYPOX R 16(ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、UPPC AG)並びに遊離エポキシ基を有するその他のポリポックスタイプ、VESTAGON EP HA 320、(ヒドロキシアルキルアミド、Degussa AG)、しかしまたフェニレンビスオキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリン、2−ヒドロキシプロピル−2−オキサゾリン、5−ヒドロキシペンチル−2−オキサゾリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウムが考慮に値する。もちろん、そのような物質の混合物も考慮に値する。これらの反応性化合物は、全配合物を基準として、0.1〜10%、好ましくは0.5〜3%の質量割合で、使用されることができる。
【0055】
接着剤製造のためには、接着剤技術において常用の助剤及び添加剤、例えば流れ調整剤、例えばポリシリコーン又はアクリラート、光安定剤、例えばステリックヒンダードアミン、又は例えば欧州特許(EP)第669 353号明細書に記載されているようなその他の助剤が、0.05〜5質量%の全量で添加されることができる。充填剤及び顔料、例えば二酸化チタンは、全組成物の50質量%までの量で添加されることができる。
【0056】
そのうえ、PUR化学に常用の触媒、例えば有機金属化合物、例えばDBTL、しかしまた第三級アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、DBU及びDBNがさらになお考慮に値する。
【0057】
以下に、本発明の対象は例に基づいて説明される。
【実施例】
【0058】
【表1】

【0059】
本発明による方法によるポリウレタン組成物の製造
3つの物質流を用いて操作した:
流れ1は、ヘキサンジオールからなっており、
流れ2は、イソホロンジイソシアナート(IPDI)のウレトジオンからなっていた。
流れ3は、触媒COSCAT 83もしくはDBTLからなっていた。全配合物を基準とした全量は、0.10%もしくは0.15%であった。
流れ1を、融成物として2200g/hの量で、二軸スクリュー押出機(DSE 25)の1番目のハウジング中へ供給した(物質流の温度70℃)。
流れ2を、次のハウジング中へ7630g/hの量で供給した(物質流の温度80℃)。
【0060】
流れ3を、押出機中への導入前に流れ2中へ噴霧した(10もしくは15g/h)。
使用した押出機は、8個のハウジングからなっており、これらは別個に加熱及び冷却されることができた。ハウジング1:20〜90℃、ハウジング2〜8:90℃。
【0061】
全ての温度はセットポイント温度であった。制御を、電気加熱もしくは水冷却により行った。ノズルを同様に電気加熱した。スクリュー回転数は250rpmであった。反応生成物を冷却コンベヤ上で冷却し、かつ粉砕した。
【0062】
【表2】

結果:
【表3】

* 本発明によらない比較例。
【0063】
本発明による重付加化合物は、それらの溶融粘度が、DBTLで触媒されている比較例よりも、明らかに(<50%)より低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物であって、
50℃を上回る温度で以下のもの:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい、
を溶剤不含で反応させることにより得られる、低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項2】
ウレトジオン基含有ポリイソシアナートA)の出発物質として、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアナート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアナート(NBDI)、トリレンジイソシアナート(TDI)、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)及び/又はテトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)が使用される、請求項1記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項3】
IPDI、HDI及び/又はH12MDIが使用される、請求項2記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項4】
ポリオールB)として、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、3−メチルペンタンジオール−1,5、ネオペンチルグリコール、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサンジオール、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール−1,2,6、ブタントリオール−1,2,4−トリス(β−ヒドロキシエチル)−イソシアヌラート、ペンタエリトリトール、マンニトール、ソルビトール、ヒドロキシル基含有のポリエステル、ポリカーボナート、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステルアミド、ポリウレタン及び/又はポリアセタールが、単独で又は混合物で使用される、請求項1から3までのいずれか1項記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項5】
触媒C)として、ビスマストリス(ネオデカノアート)、スズビス(2−エチルヘキサノアート)、スズオキサラート及び/又はテトラブチルスズが使用される、請求項1から4までのいずれか1項記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項6】
化合物D)として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、異性体のペンタノール類、ヘキサノール類、オクタノール類及びノナノール類、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノール、ヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルエチルケトオキシム、アセトンオキシム、フェノール、ε−カプロラクタム、1,2,4−トリアゾール、2,5−ジメチルピラゾール、マロン酸ジエチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、ジイソプロピルアミンが、単独で又は混合物で使用される、請求項1から5までのいずれか1項記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項7】
成分E)として、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、2−メチルペンタンジイソシアナート(MPDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI)、ノルボルナンジイソシアナート(NBDI)、トリレンジイソシアナート(TDI)、メチレンジフェニルジイソシアナート(MDI)及び/又はテトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)が、単独で又は混合物で使用される、請求項1から6までのいずれか1項記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項8】
イソシアヌラート、ビウレット及び/又はアロファナートが使用される、請求項7記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物。
【請求項9】
低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物を溶剤不含で連続的に製造する方法であって、押出機、流通管、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサー中で、強力混合し、かつ温度>50℃での熱供給時に短時間で反応させ、その後に迅速冷却により最終生成物を単離することによって、50℃を上回る温度で次のもの:
A)少なくとも2個のNCO基を有する芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい、
を溶剤不含で反応させることにより得られる、低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物を溶剤不含で連続的に製造する方法。
【請求項10】
出発物質の滞留時間が3秒〜15分である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
反応を、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機又は多軸スクリュー押出機、リング押出機又はプラネタリーギアー押出機中で行う、請求項9から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
反応を二軸スクリュー押出機中で行う、請求項11記載の方法。
【請求項13】
反応を、流通管、インテンシブミキサー又はインテンシブニーダー中で行う、請求項9から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
反応をスタティックミキサー中で行う、請求項9から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
反応を、互いに独立して熱制御されることができる複数の同じか又は異なるハウジングを有する押出機、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサー中で行う、請求項9から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
押出機、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサー中の温度が50〜325℃である、請求項9から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
押出機又はインテンシブニーダーを、混合室の適した装備及びスクリュージオメトリーの構成により、一方では強力で迅速な混合及び同時の強力な熱交換での迅速な反応をもたらし、かつ他方ではできるだけ均一な滞留時間で長軸方向の均一な貫流を生じさせる、請求項9から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
出発物質及び/又は触媒及び/又は充填剤を、共通して又は別個の生成物流中で、液体又は固体の形で、押出機、流通管、インテンシブニーダー、インテンシブミキサー又はスタティックミキサーに供給する、請求項9から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
充填剤を、出発物質と共に1つの生成物流に統合する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)及び成形材料、ポリウレタン粉体塗料及びPUR−接着剤における、請求項1から8までのいずれか1項記載の低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物の使用。
【請求項21】
熱可塑性ポリウレタン成形材料であって、前記成形材料は、50℃を上回る温度で次のもの:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
を溶剤不含で反応させることにより得られる、低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物を含有し、その場合に、別のポリマー、助剤及び/又は添加剤が含まれていてよい、
熱可塑性ポリウレタン成形材料。
【請求項22】
ポリウレタン粉体塗料組成物であって、本質的には次のもの:
I.40〜130℃の融点、5質量%未満の遊離NCO含量及び1〜18質量%のウレトジオン含量を有し、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい;
II.場合により、40〜130℃の融点及び20〜200mg KOH/gのOH価を有するヒドロキシル基含有ポリマー;
III.場合により、架橋反応を促進するための触媒;
IV.場合により、酸を捕捉する化合物;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい、
を含有する、ポリウレタン粉体塗料組成物。
【請求項23】
ポリウレタン接着剤組成物であって、本質的には次のもの:
I. 5質量%未満の遊離NCO含量及び1〜18質量%のウレトジオン含量を有し、50℃を上回る温度で次のものを溶剤不含で反応させることにより得られる低粘稠なウレトジオン基含有重付加化合物:
A)少なくとも2個のNCO基を有する、芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のウレトジオン基含有ポリイソシアナート少なくとも1つ及び
B)少なくとも2個のOH基を有するモノマーポリオール、オリゴマーポリオール及び/又はポリマーポリオール少なくとも1つ;
C)全質量を基準として、0.001〜3%の濃度の、
組成RnBiXm (I)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するモノカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0〜2;m=1〜3及びn+m=3である]で示される有機ビスマス化合物;
及び/又は
組成RnSnXm (II)
[式中、R=炭素原子1〜10個を有するアルキル基及びX=炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のカルボキシラート基を表し、かつn=0又は4、m=0、2又は4及びn+m=2又は4である]で示される有機スズ化合物
の存在で;
D)及び場合により、別のモノアルコール、モノアミン、ジアミン、及び/又はブロック剤;
E)及び/又は場合により、別の芳香族、脂肪族、(環式)脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアナート;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい;
II.場合により、20〜200mg KOH/gのOH価を有するヒドロキシル基含有ポリマー;
III.場合により、架橋反応を促進するための触媒;
IV.場合により、酸を捕捉する化合物;
その際に別の助剤及び添加剤が含まれていてよい
を含有する、ポリウレタン接着剤組成物。
【請求項24】
成分II.として、20〜200(単位mg KOH/g)のOH価を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリラート、ポリウレタン及び/又はポリカーボナートが使用される、請求項21から23までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項25】
成分III.として、DBTL、しかしまた第三級アミン、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)及びジアザビシクロノネン(DBN)、金属アセチルアセトナート、金属水酸化物、金属アルコラート又は対イオンとして水酸化物、フッ化物又はカルボキシラートを有する第四級アンモニウム塩が使用される、請求項21から24までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
成分IV.として、エポキシ化合物、カルボジイミド、ヒドロキシアルキルアミド又は2−オキサゾリン、無機塩、例えば水酸化物、炭酸水素塩又は炭酸塩が酸基と使用される、請求項21から25までのいずれか1項記載の組成物。

【公表番号】特表2008−534700(P2008−534700A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502358(P2008−502358)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050485
【国際公開番号】WO2006/100144
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】