低電力無線表示タグのシステムと方法
1つまたは複数の例示的な構成において、無線表示タグ(WDT)での使用のための低電力システムは、受信機の起動、RF論理回路の共用、RF中継器、入力信号の絶対値に作用する周波数2倍化電力増幅器を含めた、様々な電力管理技法を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚ラベルに使用する電子在庫システムに関し、より詳細には、かかる棚ラベルと、無線通信向けに適合されたネットワークやシステムを含むホスト・システムとの間で通信するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、小売店舗は典型的には、棚縁に設置された紙のラベル(棚ラベル)に価格情報を表示するが、図1は、典型的な印刷式棚ラベルの1つの例を示している。棚ラベルは、商品陳列棚の縁にあるC形溝にはめ込まれている。典型的には、店舗内のコンピュータ・ベースの印刷システムが、小売チェーン本部などの中央ロケーションから「価格ファイル(Price File)」をダウンロードする。価格ファイル内の情報が棚ラベルに印刷され、それらの新しい棚ラベルが、通常は週に1度、棚のC形溝に手作業で挿入される。典型的な大規模小売店舗は、数千もの棚ラベルを毎週更新しなければならない。
【0003】
ここで、図2、図3、図4を参照すると、棚のラベル付けプロセスを自動化しようとする試みのいくつかの電子棚ラベル(ESL)10が示されている。図2に示されているように、ESL10は、セグメント化された液晶ディスプレイ(LCD)上に基準価格情報を表示する。
【0004】
図2に関して、ESL10は、赤外線(IR)または無線周波数(RF)通信12によって表示情報を受信する。現行のESL10はしばしば、単方向通信技法を使用して、店舗内のコンピュータ・ベースの価格付けシステムから、配備されたESL10へデータを送信する。ESL10の中には、配備されたESL10が店舗内コンピュータ・システム14に情報または要求を送ることができる双方向通信が可能なものもある。店舗内コンピュータ・システム14と配備されたESL10との間の通信は、1つまたは複数のアクセス・ポイント16によって円滑に進められる。アクセス・ポイント16は、店舗の天井に設置されることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、典型的な従来技術の電子棚ラベルにおける電力要件と制限された範囲が重大な欠点となっている。一部には、これらの欠点が、従来技術の表示タグが棚のC形溝をはみ出して延びるという結果をもたらしている。さらに、かかる欠点は、高価な読取り装置をタグに近接して置く必要を生じさせ、そのため、RFIDデバイスの有用性を大幅に制限する高コストのネットワークを生む結果となっている。一部には、これらの欠点は、多くのかかるデバイス内に収容されているトランシーバの電力消費に関連している。典型的な従来技術のシステムでは、電力増幅器がRFIDデバイスのアンテナを駆動しており、アンテナの電力が、デバイスによって消費される全体の電力の大部分を占めていた。かかるデバイスでは、典型的には、入力振幅が送信機内のアクティブ・デバイスのターン・オン電圧未満である場合は、入力波形が出力波形にほとんど影響を与えない。かかる構成では、入力波形における負のピークと、アクティブ・デバイスにおけるターン・オン電圧との間の波形エネルギーが浪費されるだけではなく、望ましくない寄生損失が生じることもある。
【0006】
したがって、電子棚ラベルとそれらに関連するホスト・システムとの間での、過大なサイズを必要としない費用対効果のある低電力通信を実現するRFIDシステムへのニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、RFIDデバイスの低電力動作を最適化する複数の技法とシステムを提供し、それにより、従来技術における制限の多くを克服し、小売店舗の陳列棚上の棚縁にあるC形溝の境界内に収まり、あるいは別法として他のアイテム用の下げ札として使用できる薄型の無線表示タグ(Wireless Display Tag:WDT)に関する費用対効果にすぐれた製造と実装を可能にする。
【0008】
本発明は特に、特定の時間にまたは特定の動作中に必要でないWDTの部分の電源を落とすことを含めて、各WDTの電力消費を管理するための方法と技法を提供する。他の技法としては、WDT電子機器、特に受信機の高電力消費部分を起動(wake up)するのに適した閾値信号レベルを確立することと、短いバーストでの動作や初期の通信プロトコルでのID情報の送信を含む、前記した高電力消費部分の動作の継続時間を最適化することとが挙げられる。
【0009】
また、本発明は、典型的には多大なコストと高い電力消費をもたらす高電力消費デバイスを複数のWDTにまたがって共用することで、電力消費とコストを大幅に減少させることを実現する。
【0010】
さらに、本発明は、WDTの読取りに必要な位置に戦略的に設置される、低電力、低コストの中継器を提供する。かかる中継器は典型的には、WDTデバイスからの弱いアップリンク信号を捕捉し、次いでそれらの信号を昇圧し、直接あるいはアクセス・ポイントなどの中間デバイスを介して、いずれかのホスト・システムに再送信する。
【0011】
さらに、入力波形の絶対値を用いて駆動される電力増幅器が設けられ、それにより、電力の浪費が最小限に抑えられ、弊害のある寄生効果が回避できる。かかる技法における少なくとも一部の実装形態では、電力をさらに低減するために、電力増幅器の周波数を減少させることが、例えば半減することができる。
【0012】
上記の本発明の諸態様の必ずしも全てが各実施形態において実装される必要はなく、したがって、本発明のシステムとWDTにおけるそれぞれの個々の適用向けに、最適化された解決策を提供するために選択される本発明の諸態様を、様々な実装形態が含むことが理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、図3を参照すると、本発明によるシステムが示されている。特に、本発明における数多くの態様が、堅牢な実装形態で例示的に示されているが、本発明のこれらの態様の全てが必ずしもあらゆる実装形態に含まれるわけではないことが、当業者には理解されるであろう。無線表示タグ(WDT)300は、受信機302と送信機304とを備えている。これらは、少なくとも一部の実施形態では、トランシーバとして統合することができる。デジタル論理回路306は、関連出願に記載の通り、WDTの通信を処理し、また、表示部308の駆動を含めたWDTの諸機能の管理も行う。典型的な一構成では、WDTと関連するホスト(図示せず)との間の通信は、無線であり、無線空間310を介して発生する。ホストとの通信は、ゲートウェイあるいは他のアクセス・ポイント312によって受信されてもよい。WDT 300は、図4、5に関して以下で説明するように、受信機302またはデジタル論理回路306の他の部分を起動させる、316で示されるような適切な入力信号に応答する起動回路314も含む。受信機302は典型的には、316で示されるようなデータ・パケットを受信するために起動される。例示的な一構成では、デジタル論理回路の各部分のシャット・ダウンを管理するために、あるいはその他の形でWDT内の電力消費を最適化するために、電力管理論理回路も設けることができる。ソーラー・セル320は、WDT 300用の電源として設けることができるが、このソーラー・セルからの電力は、充電式またはその他のバッテリによって、あるいは有線接続によって補完されてもよい。光源321は、自然光あるいは人工光を含む任意の適当なタイプのものでよい。
【0014】
一代替構成では、WDT 322は、少なくとも一部の構成では同様に統合させることができる受信機302と送信機324とを含み、関連出願に記載の各通信技法を利用することもできる。さらに、送信機324は、図12、13に関して以下で説明するような周波数2倍化増幅器としてもよい。WDT 322は典型的には、デジタル論理回路306を含み、デジタル論理回路306は典型的には、表示部308を駆動する。
【0015】
他の代替構成が、RFコントローラ330で示されており、これは、無線空間310を介するホストとの無線通信を行うためのトランシーバを含み、また、いくつかの実施形態では、ゲートウェイ312を含むこともできる。RFコントローラ330は典型的には、論理回路334と通信するトランシーバまたは無線332を含む。論理回路334は、ホストとRFコントローラ330との間の通信を管理し、また、複数の表示部制御回路336の駆動も行い、各表示部制御回路336は、表示部338をそれぞれに関連付けることができる。RFコントローラ330の動作は、図6〜9に関して以下で説明するように動作する。
【0016】
次に、WDT中継器350を参照すると、かかる中継器は、図10、11に関して以下で説明するように、WDT 300、322、および/または330からの信号を昇圧し再送信するのに使用する。中継器350は典型的には、WDTと、また、ホストまたはゲートウェイ312とも無線で通信する。論述を簡略化するために、同様の参照番号は同様の要素について使用されていることが理解されるであろう。
【0017】
次に、図4を参照すると、パルス式またはバースト・モードの受信機302が、受信機302を起動するのに適した波形と共により詳細に示されている。起動プロセスは、パケット・トレイン402の該当するエッジまたは他の部分に応答して、波形400で示されるようにLNA電力をパルス化するステップを含む。その結果、そのWDTに宛てられたパケットであれ宛てられていないパケットであれ、LNAがパケットを受信している当該期間中にだけ、LNA404が電源の入っている状態になる。受信機は、短いバーストの間だけ電源が投入されていることが理解されるであろう。例えば、典型的なモデムRFIC回路は、数ナノ秒間電源が投入されるが、所望の信号が所在するかどうかを判定するには数ナノ秒で十分である。これにより、回路がオンの状態にある時間を短くすることが可能になり、その結果、時間平均の電力消費が大幅に低減される。受信ビットの時間スパンは、より長く、例えば約数マイクロ秒となる。これにより、受信機のオン・タイムとビット時間の間に約1000倍の差が生まれ、そのため、大幅な電力の節約が可能になる。
【0018】
パケット402は、WDTのIDがパケット内の始めのほうにくるように構成される。したがって、各WDTは、入力パケットがそれ自体に宛てられたものかどうかを速やかに認識し、そのWDTが入力パケットの宛先であるかどうかに応じて、電源の入っている状態と電源の落ちている状態のいずれかに留まることができる。
【0019】
さらに、バッテリに加えて、ソーラー・セルを設けることができ、照明が十分である場合は通常、デジタル回路と表示部の電源にはこれで十分である。ソーラー・セルは、瞬間電力需要の高い回路、例えばRFやアナログ回路に対して、補完電力を供給することもできる。瞬間電力需要は高いが平均電力需要は低い回路の要件を満たすために、容量性または誘導性の記憶素子を有するスイッチング・レギュレータを使用して、WDTに対して電力を供給することができる。
【0020】
次に、図5を参照すると、WDTに深層起動モード(deep-wake-up mode)を備えさせるための回路が示されている。図示の実装形態は、図示の受信機がDC電流を何ら消費しない追加機能を提供する。動作では、アンテナ500で十分に大きい(例えば、2Vppまたは10dBmの)無線信号が受信された後、この信号がダイオード505によって整流される。次いで、この信号は、レジスタ510とコンデンサ515のRC回路によって統合される。FET 520がこの統合された信号を受信すると、その信号が、FETに電源を投入し、次いでデジタル論理回路306にシグナリングする。次いで、論理回路306は、受信機302の電源を投入し、受信機302は、入力信号が実際にそのWDTに宛てられた起動信号であるかどうかを判定する。そうである場合は、WDTが、起動すなわちイネーブルされる。そうでない場合は、WDTはスリープ状態に戻り、次の起動信号を待つ。図5にはFET 520が示されているが、BJT、HBTなどを含めた他の数多くのデバイスも、同じ機能を果たすことが理解されるであろう。
【0021】
次に、図6、7を参照すると、一緒に収容され(図6)あるいは別々に収容される(図7)複数のWDTの間で、単一のRFコントローラが共用される一構成が示されている。図6の構成は、単一のハウジング内に収容された複数の表示デバイス610A〜Mを駆動するデジタル論理回路に連絡する単一のRFコントローラ605に入力信号を供給するアンテナ60を含む。図7の構成は、単一のRFコントローラ605に電力を供給するアンテナ600を含む。このコントローラとそれに関連する論理回路は、複数の個々の表示部610A〜Mを制御する。図6の構成は、込み合った棚などのための非常に限定された空間内に数多くの表示部を有する利点をもたらし、また、たった1つの受信機しか有さないことに伴う電力とコストの節約をもたらす。図7の構成は、互いに比較的近接している場合でさえ、別々に配列されながらもその全てが単一のRFコントローラによってサービスされる、個々の表示部の利点をもたらす。表示部は、当業者に知られた有線、無線、またはIR技法によって通信することができる。いずれの構成においても、複数の表示部でRFコントローラを共用することは実際、棚エリア・ネットワーク(shelf area network)に大幅なコストと電力の節約をもたらすことが理解されるであろう。
【0022】
次に、図8を参照すると、図6、7の設計の別の特徴がより良く理解される。図8の設計では、アンテナ800はRF受信機805に給電し、RF受信機805はアナログBB 810に給電する。この時点で、デジタル制御回路820A〜nと通信するアナログ・バス815に、アナログ信号が分配される。デジタル制御回路は、表示部825A〜nに入力を供給する。次に、図9を参照すると、同様の設計が示されているが、ここではデジタル・バスが用いられている。論述を簡略化するために、同様の参照番号は、同様の要素について使用されている。図9では、デジタルBB 900が、アナログBB 810からの入力信号を受信し、デジタル・バス905上での分配のために、その信号をデジタル・フォームに変換する。バス905は、表示部コントローラ820A〜nと表示部825A〜nに、適切な信号を供給する。
【0023】
図10は、典型的な販売または他の在庫管理環境に必要とされる高額な読取り装置の数を減少させるために電力が供給されるRF中継器の使用を概略図の形で示している。図10の構成では、複数群のWDT 1000A〜1000nが、管理対象環境全体に分散されている。各群のWDTは、1群のRFID中継器1010A〜1010nの内の関連する1つと無線で通信し、各中継器は、それに関連するWDTの近接場読取り(near-field read)を行うことができる。RFID中継器1010A〜1010nは、アクセス・ポイントや、ホスト・サーバ(不図示)とのLAN接続性を有する他のデバイスなどの中央受信局1020への中継器アップリンクを提供する。受信局1020へのリンクは、有線でよく、あるいは、無線の場合であれば802.11xのような任意の無線プロトコルでよい。WDTが後方散乱モードで動作している場合は、中継器ではなく、1025で示されるアクセス・ポイントから、連続波(「CW」)信号が供給され続けてもよく、したがって、中継器の設計が簡略化され、それらのコストが低減される。さらに、いくつかの実装形態では、中継器は、アクセス・ポイントからWDTに信号を再送信するために、双方向に動作する。かかる一構成は、図11Aに示されており、ここでは、同様の要素が図10と同様の参照番号を有している。RFID中継器1010A〜nは、RFIDタグとは第1のプロトコルを使用して通信することができ、中央受信局またはアクセス・ポイント1020とは別のプロトコルを用いて通信することができることも理解されるであろう。例えば、中継器は、中央局1020とは2.4GHz、5.7GHz、または他の適当なバンドで通信しながら、EPCglobalプロトコルを使用して、800〜900MHzの範囲でWDT 1000Aをリスンすることができる。例えば、中央局1020との通信は、IEEE802.11規格に従うものでもよい。したがって、図11Bに示されるように、中継器1010Aは、複数の送信機/受信機対1150A〜Dを含んでいるのが理解されるであろうが、この図面に示した例では、その4つのそれぞれに無線形式がサポートされた形で示してある。中継器は、送信と受信機能を制御するためのデジタル論理回路1160と共に、中継器内の電力を供給し管理するための電力管理論理回路1170を含んでいるのも理解されるであろう。
【0024】
中継器1010A〜nは、個々の実装形態に応じたいくつかの利点を有する。中継器は、C形溝または他の限られた構成内に収まる必要はなく、したがって、WDTと同じ形状要素の制約がない。このため、中継器は、大型のバッテリまたはその他の従来の電源を使用することが可能になる。さらに、バッテリ電源が使用される場合でも、WDTに必要とされる中継器の数はそれよりも遥かに少ない故に、バッテリは、容易に交換することができる。同様に、中継器は、昇圧される必要のあるRF信号のフロント・エンド弁別、およびバック・エンド信号の昇圧器と再送信しか必要としないので、費用対効果のある形で製造することができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、アクセス・ポイントの内の1つまたは複数のレンジを昇圧し、あるいは配線をWDTの近くに、例えば管理対象環境の棚の下に通すことによりアクセス・ポイントの有効レンジをWDTに近づけることが望ましいこともある。配線は、圧着式接着剤を用いてあるいは他の任意の適当な形式で、可撓性印刷回路基板上に実装することができる。配線は、後方散乱送信を使用して動作するWDTにCW電力を供給するための、長配線アンテナ(long wire antenna)として動作することができる。別法として、ダイポール、パッチなどを含めた多くの標準的なアンテナが、印刷回路基板上で使用されてもよい。印刷回路基板上に印刷された1つまたは複数の伝送線が、アンテナに給電することができ、あるいは単線しか使用されない場合では、アンテナと結合するのにスプリッタを使用することができる。
【0026】
次に、図12、13を参照すると、324で示されるような電力増幅器(図3)がより完全に理解されるであろう。入力波形の絶対値1200が、ノード1205への入力として示されており、ここでは、誘導チョーク1210が、FET 1215のスイッチングを制御する。FET 1215の出力は、整合回路1220に供給され、次いでアンテナ1225に供給される。周波数を半減し、入力波形の絶対値1200を用いて回路を駆動することは、クラスBまたはクラスCの非線形電力増幅器の効率を高め、また、入力波形パルスは、図12に示されるような出力回路によって復元できる。この構成は、非線形動作において浪費される波形の区域がより小さくなり、生み出される寄生損失も少なくなるという利点を有する。最後に、半分の周波数は、1次周波数よりも生成が容易である。
【0027】
次に、図13を参照すると、絶対値波形の生成がより良く理解されるであろう。正弦入力波形1300は、一方のゲート1310は正方向信号によって制御され、他方のゲート1315は負方向信号によって制御されるように別々に接続された、1対のFET 1305A〜Bに入力を供給する。FET 1305A〜Bのソースは、電流源IDC 1320に接続されており、電流源IDC 1320は、他端でグラウンドに接続されている。FET 1305A〜Bのソースは、阻止コンデンサ1325の一端にも接続されており、阻止コンデンサ1325は、その他端で絶対値回路の出力ノード1330に接続されている。ノード1330における信号は、図12の入力として示されるものと同じである。残りの回路は、図12と同じであり、したがって同様の参照番号が割り当てられていることが理解できるであろう。
【0028】
以上、本発明の例示的な一実施形態を数多くの代替形態や均等物と共に十分に説明してきたが、本発明から逸脱することのない数多くのさらなる代替形態や均等物も存在することが、当業者には明らかとなるであろう。したがって、上記の記載は例示的なものであり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってしか限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】紙に印刷された従来技術の例示的な棚ラベルの図である。
【図2】RFまたはIR送信によって、中央コンピュータからESLに価格情報がどのように転送され得るかを示す図である。
【図3】本発明の新規な諸態様のいくつかを含む、本発明によるシステムの図である。
【図4】本発明の一態様による、バースト・動作が可能なパルス式受信機の概略図である。
【図5】本発明の別の態様による、十分に大きい信号に応答して受信機の電源を投入するための信号閾値検出器の概略的な設計図である。
【図6】共通のハウジング内に全て収容されている複数の表示タグ間で信号RF部分が共用される、本発明によるWDTのブロック図である。
【図7】有線、IR、または低電力RFを含めた1群の通信技法の内の1つに従って、比較的高電力のRFトランシーバを含むマスタWDTが、近接して設置された他の表示タグと通信する、図6の構成の代替形態の図である。
【図8】内部通信バスがアナログ・バスの形の、図6および7に示される本発明の態様の概略図である。
【図9】内部通信バスがデジタル・バスの形の、図6および7に示される本発明の態様の概略図である。
【図10】WDTからの信号を昇圧し、ホスト・システムに再送信するために中継器が使用される、本発明の一態様を示す図である。
【図11A】本発明による中継器の図である。
【図11B】本発明による中継器の図である。
【図12】本発明の他の態様による、入力波形の絶対値に作用する電力増幅器の概略図である。
【図13】入力波形の絶対値に作用する周波数2倍化電力増幅器の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚ラベルに使用する電子在庫システムに関し、より詳細には、かかる棚ラベルと、無線通信向けに適合されたネットワークやシステムを含むホスト・システムとの間で通信するためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、小売店舗は典型的には、棚縁に設置された紙のラベル(棚ラベル)に価格情報を表示するが、図1は、典型的な印刷式棚ラベルの1つの例を示している。棚ラベルは、商品陳列棚の縁にあるC形溝にはめ込まれている。典型的には、店舗内のコンピュータ・ベースの印刷システムが、小売チェーン本部などの中央ロケーションから「価格ファイル(Price File)」をダウンロードする。価格ファイル内の情報が棚ラベルに印刷され、それらの新しい棚ラベルが、通常は週に1度、棚のC形溝に手作業で挿入される。典型的な大規模小売店舗は、数千もの棚ラベルを毎週更新しなければならない。
【0003】
ここで、図2、図3、図4を参照すると、棚のラベル付けプロセスを自動化しようとする試みのいくつかの電子棚ラベル(ESL)10が示されている。図2に示されているように、ESL10は、セグメント化された液晶ディスプレイ(LCD)上に基準価格情報を表示する。
【0004】
図2に関して、ESL10は、赤外線(IR)または無線周波数(RF)通信12によって表示情報を受信する。現行のESL10はしばしば、単方向通信技法を使用して、店舗内のコンピュータ・ベースの価格付けシステムから、配備されたESL10へデータを送信する。ESL10の中には、配備されたESL10が店舗内コンピュータ・システム14に情報または要求を送ることができる双方向通信が可能なものもある。店舗内コンピュータ・システム14と配備されたESL10との間の通信は、1つまたは複数のアクセス・ポイント16によって円滑に進められる。アクセス・ポイント16は、店舗の天井に設置されることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、典型的な従来技術の電子棚ラベルにおける電力要件と制限された範囲が重大な欠点となっている。一部には、これらの欠点が、従来技術の表示タグが棚のC形溝をはみ出して延びるという結果をもたらしている。さらに、かかる欠点は、高価な読取り装置をタグに近接して置く必要を生じさせ、そのため、RFIDデバイスの有用性を大幅に制限する高コストのネットワークを生む結果となっている。一部には、これらの欠点は、多くのかかるデバイス内に収容されているトランシーバの電力消費に関連している。典型的な従来技術のシステムでは、電力増幅器がRFIDデバイスのアンテナを駆動しており、アンテナの電力が、デバイスによって消費される全体の電力の大部分を占めていた。かかるデバイスでは、典型的には、入力振幅が送信機内のアクティブ・デバイスのターン・オン電圧未満である場合は、入力波形が出力波形にほとんど影響を与えない。かかる構成では、入力波形における負のピークと、アクティブ・デバイスにおけるターン・オン電圧との間の波形エネルギーが浪費されるだけではなく、望ましくない寄生損失が生じることもある。
【0006】
したがって、電子棚ラベルとそれらに関連するホスト・システムとの間での、過大なサイズを必要としない費用対効果のある低電力通信を実現するRFIDシステムへのニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、RFIDデバイスの低電力動作を最適化する複数の技法とシステムを提供し、それにより、従来技術における制限の多くを克服し、小売店舗の陳列棚上の棚縁にあるC形溝の境界内に収まり、あるいは別法として他のアイテム用の下げ札として使用できる薄型の無線表示タグ(Wireless Display Tag:WDT)に関する費用対効果にすぐれた製造と実装を可能にする。
【0008】
本発明は特に、特定の時間にまたは特定の動作中に必要でないWDTの部分の電源を落とすことを含めて、各WDTの電力消費を管理するための方法と技法を提供する。他の技法としては、WDT電子機器、特に受信機の高電力消費部分を起動(wake up)するのに適した閾値信号レベルを確立することと、短いバーストでの動作や初期の通信プロトコルでのID情報の送信を含む、前記した高電力消費部分の動作の継続時間を最適化することとが挙げられる。
【0009】
また、本発明は、典型的には多大なコストと高い電力消費をもたらす高電力消費デバイスを複数のWDTにまたがって共用することで、電力消費とコストを大幅に減少させることを実現する。
【0010】
さらに、本発明は、WDTの読取りに必要な位置に戦略的に設置される、低電力、低コストの中継器を提供する。かかる中継器は典型的には、WDTデバイスからの弱いアップリンク信号を捕捉し、次いでそれらの信号を昇圧し、直接あるいはアクセス・ポイントなどの中間デバイスを介して、いずれかのホスト・システムに再送信する。
【0011】
さらに、入力波形の絶対値を用いて駆動される電力増幅器が設けられ、それにより、電力の浪費が最小限に抑えられ、弊害のある寄生効果が回避できる。かかる技法における少なくとも一部の実装形態では、電力をさらに低減するために、電力増幅器の周波数を減少させることが、例えば半減することができる。
【0012】
上記の本発明の諸態様の必ずしも全てが各実施形態において実装される必要はなく、したがって、本発明のシステムとWDTにおけるそれぞれの個々の適用向けに、最適化された解決策を提供するために選択される本発明の諸態様を、様々な実装形態が含むことが理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、図3を参照すると、本発明によるシステムが示されている。特に、本発明における数多くの態様が、堅牢な実装形態で例示的に示されているが、本発明のこれらの態様の全てが必ずしもあらゆる実装形態に含まれるわけではないことが、当業者には理解されるであろう。無線表示タグ(WDT)300は、受信機302と送信機304とを備えている。これらは、少なくとも一部の実施形態では、トランシーバとして統合することができる。デジタル論理回路306は、関連出願に記載の通り、WDTの通信を処理し、また、表示部308の駆動を含めたWDTの諸機能の管理も行う。典型的な一構成では、WDTと関連するホスト(図示せず)との間の通信は、無線であり、無線空間310を介して発生する。ホストとの通信は、ゲートウェイあるいは他のアクセス・ポイント312によって受信されてもよい。WDT 300は、図4、5に関して以下で説明するように、受信機302またはデジタル論理回路306の他の部分を起動させる、316で示されるような適切な入力信号に応答する起動回路314も含む。受信機302は典型的には、316で示されるようなデータ・パケットを受信するために起動される。例示的な一構成では、デジタル論理回路の各部分のシャット・ダウンを管理するために、あるいはその他の形でWDT内の電力消費を最適化するために、電力管理論理回路も設けることができる。ソーラー・セル320は、WDT 300用の電源として設けることができるが、このソーラー・セルからの電力は、充電式またはその他のバッテリによって、あるいは有線接続によって補完されてもよい。光源321は、自然光あるいは人工光を含む任意の適当なタイプのものでよい。
【0014】
一代替構成では、WDT 322は、少なくとも一部の構成では同様に統合させることができる受信機302と送信機324とを含み、関連出願に記載の各通信技法を利用することもできる。さらに、送信機324は、図12、13に関して以下で説明するような周波数2倍化増幅器としてもよい。WDT 322は典型的には、デジタル論理回路306を含み、デジタル論理回路306は典型的には、表示部308を駆動する。
【0015】
他の代替構成が、RFコントローラ330で示されており、これは、無線空間310を介するホストとの無線通信を行うためのトランシーバを含み、また、いくつかの実施形態では、ゲートウェイ312を含むこともできる。RFコントローラ330は典型的には、論理回路334と通信するトランシーバまたは無線332を含む。論理回路334は、ホストとRFコントローラ330との間の通信を管理し、また、複数の表示部制御回路336の駆動も行い、各表示部制御回路336は、表示部338をそれぞれに関連付けることができる。RFコントローラ330の動作は、図6〜9に関して以下で説明するように動作する。
【0016】
次に、WDT中継器350を参照すると、かかる中継器は、図10、11に関して以下で説明するように、WDT 300、322、および/または330からの信号を昇圧し再送信するのに使用する。中継器350は典型的には、WDTと、また、ホストまたはゲートウェイ312とも無線で通信する。論述を簡略化するために、同様の参照番号は同様の要素について使用されていることが理解されるであろう。
【0017】
次に、図4を参照すると、パルス式またはバースト・モードの受信機302が、受信機302を起動するのに適した波形と共により詳細に示されている。起動プロセスは、パケット・トレイン402の該当するエッジまたは他の部分に応答して、波形400で示されるようにLNA電力をパルス化するステップを含む。その結果、そのWDTに宛てられたパケットであれ宛てられていないパケットであれ、LNAがパケットを受信している当該期間中にだけ、LNA404が電源の入っている状態になる。受信機は、短いバーストの間だけ電源が投入されていることが理解されるであろう。例えば、典型的なモデムRFIC回路は、数ナノ秒間電源が投入されるが、所望の信号が所在するかどうかを判定するには数ナノ秒で十分である。これにより、回路がオンの状態にある時間を短くすることが可能になり、その結果、時間平均の電力消費が大幅に低減される。受信ビットの時間スパンは、より長く、例えば約数マイクロ秒となる。これにより、受信機のオン・タイムとビット時間の間に約1000倍の差が生まれ、そのため、大幅な電力の節約が可能になる。
【0018】
パケット402は、WDTのIDがパケット内の始めのほうにくるように構成される。したがって、各WDTは、入力パケットがそれ自体に宛てられたものかどうかを速やかに認識し、そのWDTが入力パケットの宛先であるかどうかに応じて、電源の入っている状態と電源の落ちている状態のいずれかに留まることができる。
【0019】
さらに、バッテリに加えて、ソーラー・セルを設けることができ、照明が十分である場合は通常、デジタル回路と表示部の電源にはこれで十分である。ソーラー・セルは、瞬間電力需要の高い回路、例えばRFやアナログ回路に対して、補完電力を供給することもできる。瞬間電力需要は高いが平均電力需要は低い回路の要件を満たすために、容量性または誘導性の記憶素子を有するスイッチング・レギュレータを使用して、WDTに対して電力を供給することができる。
【0020】
次に、図5を参照すると、WDTに深層起動モード(deep-wake-up mode)を備えさせるための回路が示されている。図示の実装形態は、図示の受信機がDC電流を何ら消費しない追加機能を提供する。動作では、アンテナ500で十分に大きい(例えば、2Vppまたは10dBmの)無線信号が受信された後、この信号がダイオード505によって整流される。次いで、この信号は、レジスタ510とコンデンサ515のRC回路によって統合される。FET 520がこの統合された信号を受信すると、その信号が、FETに電源を投入し、次いでデジタル論理回路306にシグナリングする。次いで、論理回路306は、受信機302の電源を投入し、受信機302は、入力信号が実際にそのWDTに宛てられた起動信号であるかどうかを判定する。そうである場合は、WDTが、起動すなわちイネーブルされる。そうでない場合は、WDTはスリープ状態に戻り、次の起動信号を待つ。図5にはFET 520が示されているが、BJT、HBTなどを含めた他の数多くのデバイスも、同じ機能を果たすことが理解されるであろう。
【0021】
次に、図6、7を参照すると、一緒に収容され(図6)あるいは別々に収容される(図7)複数のWDTの間で、単一のRFコントローラが共用される一構成が示されている。図6の構成は、単一のハウジング内に収容された複数の表示デバイス610A〜Mを駆動するデジタル論理回路に連絡する単一のRFコントローラ605に入力信号を供給するアンテナ60を含む。図7の構成は、単一のRFコントローラ605に電力を供給するアンテナ600を含む。このコントローラとそれに関連する論理回路は、複数の個々の表示部610A〜Mを制御する。図6の構成は、込み合った棚などのための非常に限定された空間内に数多くの表示部を有する利点をもたらし、また、たった1つの受信機しか有さないことに伴う電力とコストの節約をもたらす。図7の構成は、互いに比較的近接している場合でさえ、別々に配列されながらもその全てが単一のRFコントローラによってサービスされる、個々の表示部の利点をもたらす。表示部は、当業者に知られた有線、無線、またはIR技法によって通信することができる。いずれの構成においても、複数の表示部でRFコントローラを共用することは実際、棚エリア・ネットワーク(shelf area network)に大幅なコストと電力の節約をもたらすことが理解されるであろう。
【0022】
次に、図8を参照すると、図6、7の設計の別の特徴がより良く理解される。図8の設計では、アンテナ800はRF受信機805に給電し、RF受信機805はアナログBB 810に給電する。この時点で、デジタル制御回路820A〜nと通信するアナログ・バス815に、アナログ信号が分配される。デジタル制御回路は、表示部825A〜nに入力を供給する。次に、図9を参照すると、同様の設計が示されているが、ここではデジタル・バスが用いられている。論述を簡略化するために、同様の参照番号は、同様の要素について使用されている。図9では、デジタルBB 900が、アナログBB 810からの入力信号を受信し、デジタル・バス905上での分配のために、その信号をデジタル・フォームに変換する。バス905は、表示部コントローラ820A〜nと表示部825A〜nに、適切な信号を供給する。
【0023】
図10は、典型的な販売または他の在庫管理環境に必要とされる高額な読取り装置の数を減少させるために電力が供給されるRF中継器の使用を概略図の形で示している。図10の構成では、複数群のWDT 1000A〜1000nが、管理対象環境全体に分散されている。各群のWDTは、1群のRFID中継器1010A〜1010nの内の関連する1つと無線で通信し、各中継器は、それに関連するWDTの近接場読取り(near-field read)を行うことができる。RFID中継器1010A〜1010nは、アクセス・ポイントや、ホスト・サーバ(不図示)とのLAN接続性を有する他のデバイスなどの中央受信局1020への中継器アップリンクを提供する。受信局1020へのリンクは、有線でよく、あるいは、無線の場合であれば802.11xのような任意の無線プロトコルでよい。WDTが後方散乱モードで動作している場合は、中継器ではなく、1025で示されるアクセス・ポイントから、連続波(「CW」)信号が供給され続けてもよく、したがって、中継器の設計が簡略化され、それらのコストが低減される。さらに、いくつかの実装形態では、中継器は、アクセス・ポイントからWDTに信号を再送信するために、双方向に動作する。かかる一構成は、図11Aに示されており、ここでは、同様の要素が図10と同様の参照番号を有している。RFID中継器1010A〜nは、RFIDタグとは第1のプロトコルを使用して通信することができ、中央受信局またはアクセス・ポイント1020とは別のプロトコルを用いて通信することができることも理解されるであろう。例えば、中継器は、中央局1020とは2.4GHz、5.7GHz、または他の適当なバンドで通信しながら、EPCglobalプロトコルを使用して、800〜900MHzの範囲でWDT 1000Aをリスンすることができる。例えば、中央局1020との通信は、IEEE802.11規格に従うものでもよい。したがって、図11Bに示されるように、中継器1010Aは、複数の送信機/受信機対1150A〜Dを含んでいるのが理解されるであろうが、この図面に示した例では、その4つのそれぞれに無線形式がサポートされた形で示してある。中継器は、送信と受信機能を制御するためのデジタル論理回路1160と共に、中継器内の電力を供給し管理するための電力管理論理回路1170を含んでいるのも理解されるであろう。
【0024】
中継器1010A〜nは、個々の実装形態に応じたいくつかの利点を有する。中継器は、C形溝または他の限られた構成内に収まる必要はなく、したがって、WDTと同じ形状要素の制約がない。このため、中継器は、大型のバッテリまたはその他の従来の電源を使用することが可能になる。さらに、バッテリ電源が使用される場合でも、WDTに必要とされる中継器の数はそれよりも遥かに少ない故に、バッテリは、容易に交換することができる。同様に、中継器は、昇圧される必要のあるRF信号のフロント・エンド弁別、およびバック・エンド信号の昇圧器と再送信しか必要としないので、費用対効果のある形で製造することができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、アクセス・ポイントの内の1つまたは複数のレンジを昇圧し、あるいは配線をWDTの近くに、例えば管理対象環境の棚の下に通すことによりアクセス・ポイントの有効レンジをWDTに近づけることが望ましいこともある。配線は、圧着式接着剤を用いてあるいは他の任意の適当な形式で、可撓性印刷回路基板上に実装することができる。配線は、後方散乱送信を使用して動作するWDTにCW電力を供給するための、長配線アンテナ(long wire antenna)として動作することができる。別法として、ダイポール、パッチなどを含めた多くの標準的なアンテナが、印刷回路基板上で使用されてもよい。印刷回路基板上に印刷された1つまたは複数の伝送線が、アンテナに給電することができ、あるいは単線しか使用されない場合では、アンテナと結合するのにスプリッタを使用することができる。
【0026】
次に、図12、13を参照すると、324で示されるような電力増幅器(図3)がより完全に理解されるであろう。入力波形の絶対値1200が、ノード1205への入力として示されており、ここでは、誘導チョーク1210が、FET 1215のスイッチングを制御する。FET 1215の出力は、整合回路1220に供給され、次いでアンテナ1225に供給される。周波数を半減し、入力波形の絶対値1200を用いて回路を駆動することは、クラスBまたはクラスCの非線形電力増幅器の効率を高め、また、入力波形パルスは、図12に示されるような出力回路によって復元できる。この構成は、非線形動作において浪費される波形の区域がより小さくなり、生み出される寄生損失も少なくなるという利点を有する。最後に、半分の周波数は、1次周波数よりも生成が容易である。
【0027】
次に、図13を参照すると、絶対値波形の生成がより良く理解されるであろう。正弦入力波形1300は、一方のゲート1310は正方向信号によって制御され、他方のゲート1315は負方向信号によって制御されるように別々に接続された、1対のFET 1305A〜Bに入力を供給する。FET 1305A〜Bのソースは、電流源IDC 1320に接続されており、電流源IDC 1320は、他端でグラウンドに接続されている。FET 1305A〜Bのソースは、阻止コンデンサ1325の一端にも接続されており、阻止コンデンサ1325は、その他端で絶対値回路の出力ノード1330に接続されている。ノード1330における信号は、図12の入力として示されるものと同じである。残りの回路は、図12と同じであり、したがって同様の参照番号が割り当てられていることが理解できるであろう。
【0028】
以上、本発明の例示的な一実施形態を数多くの代替形態や均等物と共に十分に説明してきたが、本発明から逸脱することのない数多くのさらなる代替形態や均等物も存在することが、当業者には明らかとなるであろう。したがって、上記の記載は例示的なものであり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってしか限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】紙に印刷された従来技術の例示的な棚ラベルの図である。
【図2】RFまたはIR送信によって、中央コンピュータからESLに価格情報がどのように転送され得るかを示す図である。
【図3】本発明の新規な諸態様のいくつかを含む、本発明によるシステムの図である。
【図4】本発明の一態様による、バースト・動作が可能なパルス式受信機の概略図である。
【図5】本発明の別の態様による、十分に大きい信号に応答して受信機の電源を投入するための信号閾値検出器の概略的な設計図である。
【図6】共通のハウジング内に全て収容されている複数の表示タグ間で信号RF部分が共用される、本発明によるWDTのブロック図である。
【図7】有線、IR、または低電力RFを含めた1群の通信技法の内の1つに従って、比較的高電力のRFトランシーバを含むマスタWDTが、近接して設置された他の表示タグと通信する、図6の構成の代替形態の図である。
【図8】内部通信バスがアナログ・バスの形の、図6および7に示される本発明の態様の概略図である。
【図9】内部通信バスがデジタル・バスの形の、図6および7に示される本発明の態様の概略図である。
【図10】WDTからの信号を昇圧し、ホスト・システムに再送信するために中継器が使用される、本発明の一態様を示す図である。
【図11A】本発明による中継器の図である。
【図11B】本発明による中継器の図である。
【図12】本発明の他の態様による、入力波形の絶対値に作用する電力増幅器の概略図である。
【図13】入力波形の絶対値に作用する周波数2倍化電力増幅器の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動信号を生成するためのホスト・システムと、
前記起動信号を複数の表示タグに通信する送信手段と
表示タグとを備え、その表示タグが
前記起動信号を検出する起動論理回路と、
前記起動論理回路に応答して、前記起動信号がその表示タグに宛てられたものかどうかを判定するデジタル論理回路と
を備えることを特徴とする無線表示タグのための電力管理システム。
【請求項2】
第1のプロトコルに従って近接場信号を送信する複数の無線表示タグと、
第2のプロトコルに従って通信する中央受信局と、
前記第1のプロトコルに従って信号を受信し、前記第2のプロトコルに従って信号を送信するように適合された、少なくとも1つのRF中継器と
を備えることを特徴とする無線表示タグのための電力管理システム。
【請求項3】
棚陳列におけるC形溝内に収まるように構成された複数の表示部と、
前記表示部用のデータを含むホストからの送信を受信するように適合された単一のRF受信機と、
前記単一のRF受信機に応答して、前記ホストからのデータに従って前記複数の表示部を制御するデジタル論理回路と
を備える棚エリア・ネットワーク。
【請求項4】
前記複数の表示部を包囲するハウジングをさらに備える請求項3に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項5】
それぞれのハウジングが表示部を包囲し、それぞれの表示部が前記デジタル論理回路に応答して前記表示部上にデータを表示する制御論理回路をさらに備える、複数のハウジングをさらに具備する請求項3に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項6】
前記デジタル論理回路が、無線技法によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項7】
前記デジタル論理回路が、光学技法によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項8】
前記デジタル論理回路が、有線接続によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項9】
受信機と、
前記受信機に応答するデジタル論理回路と、
前記デジタル論理回路に応答して、信号を送信する非線形電力増幅器とを具備し、前記電力増幅器が、前記デジタル論理回路からの信号の絶対値を得るための絶対値回路と、前記電力増幅器の出力において入力波形パルスを復元する周波数2倍化回路とを備えることを特徴とする無線表示タグ。
【請求項1】
起動信号を生成するためのホスト・システムと、
前記起動信号を複数の表示タグに通信する送信手段と
表示タグとを備え、その表示タグが
前記起動信号を検出する起動論理回路と、
前記起動論理回路に応答して、前記起動信号がその表示タグに宛てられたものかどうかを判定するデジタル論理回路と
を備えることを特徴とする無線表示タグのための電力管理システム。
【請求項2】
第1のプロトコルに従って近接場信号を送信する複数の無線表示タグと、
第2のプロトコルに従って通信する中央受信局と、
前記第1のプロトコルに従って信号を受信し、前記第2のプロトコルに従って信号を送信するように適合された、少なくとも1つのRF中継器と
を備えることを特徴とする無線表示タグのための電力管理システム。
【請求項3】
棚陳列におけるC形溝内に収まるように構成された複数の表示部と、
前記表示部用のデータを含むホストからの送信を受信するように適合された単一のRF受信機と、
前記単一のRF受信機に応答して、前記ホストからのデータに従って前記複数の表示部を制御するデジタル論理回路と
を備える棚エリア・ネットワーク。
【請求項4】
前記複数の表示部を包囲するハウジングをさらに備える請求項3に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項5】
それぞれのハウジングが表示部を包囲し、それぞれの表示部が前記デジタル論理回路に応答して前記表示部上にデータを表示する制御論理回路をさらに備える、複数のハウジングをさらに具備する請求項3に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項6】
前記デジタル論理回路が、無線技法によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項7】
前記デジタル論理回路が、光学技法によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項8】
前記デジタル論理回路が、有線接続によって各表示部の前記制御論理回路と通信する請求項5に記載の棚エリア・ネットワーク。
【請求項9】
受信機と、
前記受信機に応答するデジタル論理回路と、
前記デジタル論理回路に応答して、信号を送信する非線形電力増幅器とを具備し、前記電力増幅器が、前記デジタル論理回路からの信号の絶対値を得るための絶対値回路と、前記電力増幅器の出力において入力波形パルスを復元する周波数2倍化回路とを備えることを特徴とする無線表示タグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−524934(P2007−524934A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545587(P2006−545587)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/043009
【国際公開番号】WO2005/060700
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506209880)アルティエレ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/043009
【国際公開番号】WO2005/060700
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(506209880)アルティエレ・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]