作業指示書作成システム
【課題】 生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供する。
【解決手段】 外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ部13及び演算部14を備えた作業指示書作成システムにおいて、入力部12からの入力により更新される外部記憶部11の生産計画の見直しや取付部品の在庫情報を受け付けて、演算部14により着手可能な作業を抽出すると同時に、作業負荷の山積みと後ろ倒しを行い、作業手順を更新し、更新された作業手順に基づき、組立図と作業説明を作成し、ディスプレイ部13に表示する。
【解決手段】 外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ部13及び演算部14を備えた作業指示書作成システムにおいて、入力部12からの入力により更新される外部記憶部11の生産計画の見直しや取付部品の在庫情報を受け付けて、演算部14により着手可能な作業を抽出すると同時に、作業負荷の山積みと後ろ倒しを行い、作業手順を更新し、更新された作業手順に基づき、組立図と作業説明を作成し、ディスプレイ部13に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の製造手順を作業者に指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2000−90163号公報(特許文献1)がある。この公報では、予めメーカが作成した作業指示書に対して、「ユーザが作業現場に合わせた情報を付加することにより、容易にカスタマイズできる作業指示・支援装置を提供する」とある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−90163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造着手前に作業指示書を作成するが、生産計画の見直しや、取付部品の欠品によって、必ずしも作業指示書どおりに作業できるとは限らない。この場合は、作業指示書を用いず作業を行い、製品の品質にバラツキが発生してしまう。また、生産状況の変化に合わせて作業指示書を修正する場合、工数が増加するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成と処理手順を採用する。本願は上記目的を達成する手段を複数含んでいるが、例えば、記憶部と演算部とを備え、作業手順に沿って作業内容を指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムにおいて、前記記憶部は、製品の構成を示す部品表データベース(DB)と、前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画DBと、前記部位の取付履歴を管理する取付履歴DBと、前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品DBと、前記部品間の取付順位を管理する取付順序DBと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫DBと、前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルとを記憶保持し、前記演算部はメモリを備え、前記記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、これらを前記メモリ上に格納し、前記メモリ上に格納された前記情報を用いて、前記部品の取付順序データを生成し、前記部品の取付順序データから前記部品の取付の際に必要な作業内容を生成し、併せて、前記情報に含まれる取付履歴データから取付済みの部品データを取得し、これらと、取付部品の部品データとから関連するCADデータを取得し、組立図を生成し、前記作業内容と前記組立図を合成し作業手順書を生成するものであることを特徴とする作業指示書作成システムとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、最新情報に基づいて作成した部品在庫DBテーブルを用いることにより、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例に係る作業指示書作成システムの概略全体構成図である。
【図2】図1に示した作業指示書作成システムの外部記憶装置の構成図である。
【図3】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される部品データベースの部品表の例である。
【図4】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される関連部品DBのテーブル構成の例である。
【図5】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される取付順序DBのテーブル構成の例である。
【図6】作業指示書の例である。
【図7】図1に示した作業指示書作成システムの演算処理部の構成図である。
【図8】図1に示した作業指示書作成システムの処理フローチャートである。
【図9】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される生産計画DBのテーブル構成の例である。
【図10】取付順序のイメージ図である。
【図11】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される部品在庫DBのテーブル構成の例である。
【図12】取付部品の着手日の後ろ倒しを説明した図である。
【図13】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される取付履歴DBのテーブル構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
第1の実施例について図1〜図13を用いて説明する。図1は本実施例に係る作業指示書作成システムの概略全体構成図である。
【0011】
作業指示書作成システム1は、図1に示すように、外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ13、演算部14で構成する。入力部12は、例えば、キーボード、マウス等の装置で構成され、作業指示書の作成指示を受け付け、作成指示を演算部14に送る。演算部14は、作業指示書の作成対象に関する情報を外部記憶部11から必要に応じ内部メモリに取り込む。演算部14では作業指示書の作成を実施し、ディスプレイ13に作成結果を表示すると同時に、作業指示書ファイルを外部記憶部11に出力する。
【0012】
外部記憶部11は図2に示すように、部品表データベース111(データベースは以下、DBと記す)、生産計画DB 112、取付履歴DB 113、関連部品DB 114、取付順序DB 115、作業指示書ファイル117、部品在庫DB 118、CADデータファイル116で構成する。なお、これらDB等はハードディスクに記録保持されている。
【0013】
部品表DB 111は、図3に示すように、ブロックコード、部位コード、部品コードで構成するツリー構造301を管理する。ここでブロックコード、部位コード、部品コードは、それぞれユニークなコードである。部品表DB 111のテーブル構成はテーブルa 302とテーブルb 303とする。テーブルa 302は、ツリーの親子階層を表しており、テーブルb 303は各コードに対し、人間が見て判断できる名称とCADモデル名称で構成する。
【0014】
生産計画DB 112は、図9に示すように、部位コード毎に取付着手日を管理している。
【0015】
取付履歴DB 113は、図13に示すように、部位コード、部品コード、フラグで構成する。既に取付が完了している場合は、フラグ欄に取付済みを表す「2」が記入されている。また取付が未完の部品については、フラグ欄は「0」になっている。取付予定が存在する場合は「1」とする。
【0016】
関連部品DB 114は、図4に示すように、「部品」「関連部品」「作業コード」のテーブル401と、「作業コード」「作業内容」「作業時間」のテーブル402で構成される。関連部品DBは部品間で締結等の作業内容を管理することを目的とする。
【0017】
取付順序DB 115は、部位の構成部品に対して、作業の優先順位を決めたものである。図5に取付順序DB 115の構成を示す。当該取付順序DB 115は、3つのフィールド、「先」51、「後」52、「連続」53で管理する。順序関係のある部品は、先に取りつける部品を「先」51に、後に取りつける部品は「後」52に部品コードを管理する。「連続」53は連続する場合は「1」を、連続して実施する必要が無ければ「0」とする。
【0018】
作業指示書ファイル117は、作業者に対して作業を説明するものであり、例えば図6に示すように、組立図61、作業内容62で構成する。
部品在庫DB118は、部品別に在庫数、将来の入庫予定数を管理する。この部品在庫DBは入力部からの入力により日々更新される。
CADデータファイル116は当該製品の2次元または3次元形状データを持つ。
【0019】
演算部14は、予め登録されている動作手順などを表した制御プログラムと、それらのプログラムを処理して、外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ13、等の制御を行うプロセッサとメモリで構成される。演算処理部(演算部)14での処理に先立ち、外部記憶部11で管理される情報は、メモリ上に展開される。本メモリでは、演算部14での計算過程、計算結果に関する情報を格納する。プロセッサでは、図7に示すように、部品取付順序生成部701、作業内容取得部702、組立図生成部703、作業指示書生成部704で構成する。
【0020】
部品取付順序生成部701は取付指示の出ている部位の構成部品に対して、取付手順を決定する機能を有する。作業内容取得部702は、部品の取付順序に応じて実施すべき作業内容をメモリより取得する機能を有する。組立図生成部703は、取付済みの部品とこれから取付する部品とから、組立図を生成する機能を有する。取付済み部品は、取付履歴DB 113から取得する。組立図生成部703では、製品全体のCADデータに対して、取付済み部品は「表示」とし、未だ取付していない部品は「非表示」の状態とする。なお、取付対象部品は、ハイライト表示とし、他の部位とは異なる着色を行い、組立図を生成する。作業指示書生成部704は、作業内容と組立図から作業指示書を生成する。
次に本実施例に係る作業指示書作成システムの動作について、図8のフローチャートに従い説明する。
S1:外部情報を取得する。
生産計画DB 112から部位毎の取付着手日を取得し、図1に示す演算部14のメモリに格納する。演算部14に取り込まれた生産計画情報は、図9のように部位コードに対し、作業着手日が対応付けしてある。
入力部12で作業指示書の作成要求を受け付けると、これをトリガとし、外部記憶部11にある部品表、取付順序、取付履歴の各データを取得する。部品表データは部品表DB 111から、取付順序データは取付順序DB 115から、取付履歴データは取付履歴DB 113から、それぞれ取得する。
次に、S2へ進む。
S2:部品の取付順序を仮決定する。
ここでは、取付指示のあった部位に対してそれを構成する部品の取付順序を決定する。図10に取付順序データの構造と、作業順序付け結果を示す。取付順序データを用いて部品の取付優先順位を決定する。
部品の取付順序は、部位の構成部品間での優先順位だけでなく、部位間の優先順位、ブロック間の優先順位も考慮する。つまり部位どうし、またはブロックどうしで取付順序を設定してあってもよい。
次に、S3へ進む。
S3:部品の在庫、入庫予定を取得する。
作業着手のトリガの出る部位に対して構成部品の在庫数、入庫予定を取得する。部品在庫DB 118では、図11に示すように、作業着手日時点の部品ごとの在庫数1101と、今後の入庫数1102を管理する。なお、入庫数の欄に記載の数が、在庫数1101か、今後の入庫数1102かは日付の欄を参照することにより判別することができる。また、この部品在庫DB 118は入力部12からの入力により日々更新されており、最新の情報が用いられる。
次に、S4へ進む。
S4:部品の取付着手可能日を求める。
部品の取付着手可能日は部品在庫と、部品の取付順序とに基づき判断する。もしも取付着手日に部品在庫がない場合は、入庫可能日まで着手日を後ろ倒しする。また、後ろ倒しされた部品より後に着手すべき部品があれば一緒に後ろ倒しする。
【0021】
図12を用いて処理を説明する。
ここで、部品A−1−1から部品A−1−6までが、(1)部品の取付順序の図に示すような取付順序の関係があったとする。矢印が順序を示す。(2)部品入庫遅れに伴い後ろ倒しの実施の図は、部位A−1の取付着手日に対して、構成部品A−1−4のみが、在庫がなく、遅れて入庫があることを示している。この場合、部品A−1−4は部品の入庫がある日まで着手可能日が後ろ倒しとなる。また、部品A−1−6は部品A−1−4よりも後に取付を実施する部品であるため、A−1−4の後ろ倒しと連動し、これも後ろ倒しとなる。この結果、(3)部品の取り付け順序(修正後)の図に示すような取付順序となる。
ここで、本処理では、各取付作業に関しては、作業負荷は0としている。この段階での取付順序は、作業負荷を考慮していないため暫定的なものとする。図8のS4の次に記載のyyyymmdd=Mは暫定取付着手日、Nは取付順位を示し、暫定着手日としてM、N=1として、S5へ進む。
S5:取付部品に対する作業内容と作業時間を抽出する。
本抽出は次の手順で行なう。
(1)図1の演算部14において、第M日で着手可能な取付部品を取得する。
(2)第M日において取付順位が第N番目の部品に対し、関連部品DB 114を検索し関連部品を全て抽出する。関連部品とは、取付部品にとって何らかの作業が発生する部品のことである。例えば、締結先の部品や、寸法を決定する際の基点となる部品である。
(3)関連部品をキーに取付履歴データ 113を検索し、取付済み部品を抽出する。
(4)選択した部品コードに対して、取付済み部品との間で発生する作業内容と作業時間を取得する。
(5)第N番目の部品は、演算部14のメモリ上で取付済み部品として登録し、S6へ進む。
S6:S5で求めた作業時間を作業負荷とし、着手可能日に負荷山積みする。
作業負荷の山積み(各部品の取付作業時間の積算)は以下の手順で行う。
(1)取付部品に対し、関連部品のうち全ての取付済み部品との間で発生する作業時間を求める。ここで、取付部品と取付済み部品との間で発生する作業時間を図4の関連部品情報から取得し、同日発生する作業時間を山積みする。
(2)山積み処理を行った部品は、取付済み部品として演算部メモリ上に仮登録する。
(3)第M日に取付着手可能な部品の有無の判定
その後、第M日に取付する部品の有無を判定し、もし有れば、S5に戻り、処理を繰り返す。無い場合にはS7へ進む。
S7:取付着手日の後ろ倒しを行う部品を決定する。
ここで、S3の(3)の判定で第M日の取付着手可能な部品が有の場合において、山積みされた作業時間が1日の労働時間(例えば、残業含め10時間)を超過する場合、いずれか部品に関しては、取付着手日の後ろ倒しを行う。この場合、図5の取付順序の連続する部品があれば、それらは切り離して後ろ倒ししないようにする。もしも、A−1−2とA−1−3の間に作業の連続性が要求されている場合は、A−1−5を後ろ倒しする。後ろ倒し処理に伴い再度、作業時間をチェックし、これが1日の作業時間に納まるまで、後ろ倒しの作業を繰り返す。この処理によって、取付順序、取付着手日を確定させる。ここで、部品A−1−5の後ろ倒しによって、作業時間の超過が解消されたとする。この結果、A−1−1、A−1−2、A−1−3、A−1−5、A−1−4、A−1−6の順に取付順が確定したとする。
【0022】
次に第M+1日において、取付着手可能な部品がないか判定を行い、ある場合は、M=M+1とし、S5に処理が移る。
以上の処理を取付着手可能な部品がなくなるまで繰り返す。これにより部品の取付順序P1、P2、P3、・・・が決定する。演算部14において取付済みとした部品についてはS8の処理に移る前に、取付済みの状態を解除する。但し、外部記憶部11の取付履歴DB 113において取付済みとなっている部品は、取付済みの状態のままにしておく。
第M+1日に取付着手可能な部品が無い場合にはS8へ進む。
S8:組立図を作成する。
組立図の作成は以下の手順で行なう。
(1)図1の外部記憶部11のCADデータファイル116一式を演算部14のメモリ上に取り込む。
(2)図1の演算部14で、取付順位がP1番目の部品コードを取得する。
(3)演算部14で、メモリに格納された当該部品コードに対するCADモデル名を取得する。部品コードに対応するCADモデル名は、図3のテーブルbの情報から取得できる。
(4)演算部14で、メモリに格納された取付履歴情報から取付済み部品の部品コードを取得する。
(5)演算部14で、メモリに格納された取付済み部品のCADモデル名を取得する。
(6)取付済み部品を表示し、取付部品のCADデータについて取付済み部品と区別するためにハイライト表示とし、その他の部品は非表示に設定し、取付部品に対する組立図とする。
(7)取付済み部品を、メモリ上の取付履歴データに登録する。
(8)N=N+1とし、取付順位PNの部品があるか判定する。有りの場合は、S8の(2)に戻る。取付部品がなくなるまでS8の(2)からS8の(7)の処理を繰り返し、取付部品の数だけ組立図を作成する。取付部品が無くなった段階で処理を終了し、S9へ進む。
S9:作業指示書の作成
部品の取付順序に従って、取付部品に該当する作業内容と組立図を合成し、作業手順書とする。
以上処理により作業指示書を完成させる。作業指示書はディスプレイ13で表示すると共に、外部記憶部11に作業指示書ファイルとして出力する。
【0023】
なお、本作業指示書作成システムを動作させることにより、外部記憶部11に記憶されるデータベースのうち、生産計画DB 112の作業着手日、取付履歴DB 113のフラグ欄、作業指示書ファイル117が更新される。部品表DB 111、関連部品DB 114、取付順序DB 115等は基本的には変更されることはない。
【0024】
上記作業指示書作成システムを、排気ダクトを含むプラント製造に適用したところ、生産計画の変更や、部品欠品があった場合でも、取付順序を入れ替えると同時に、実作業に合った取付順序で作業指示書を作成できた。また、自動生成により、作業指示書の作成工数を削減できた。
【0025】
以上、本実施例によれば、当初作成の関連部品DBテーブルと取付順序DBテーブル、及び最新の部品在庫DBテーブルを有する記憶部を備えることにより、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することができる。また、作業指示書を自動生成することにより、作業指示書の作成工程数を削減できる。
【0026】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。外部記憶部は、記憶容量の大きさによっては演算部に内蔵することもできる。
【符号の説明】
【0027】
11…外部記憶部、12…入力部、13…ディスプレイ、14…演算部、51…取付順序DBにおける先の取付部品、52…取付順序DBにおける後の取付部品、53…取付順序DBにおける連続取付部品、61…組立図、62…作業内容、111…部品表DB、112…生産計画DB、113…取付履歴DB、114…関連部品DB、115…取付順序DB、116…CADデータファイル、117…作業指示書ファイル、118…部品在庫DB、301…部品表DBのツリー構造、302…部品表DBのテーブルa、303…部品表DBのテーブルb、401…関連部品DBのテーブル、402…関連部品DBのテーブル、701…部品取付順序生成部、702…作業内容取得部、703…組立図生成部、704…作業指示書生成部、1101…在庫数、1102…今後の入庫数。
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の製造手順を作業者に指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2000−90163号公報(特許文献1)がある。この公報では、予めメーカが作成した作業指示書に対して、「ユーザが作業現場に合わせた情報を付加することにより、容易にカスタマイズできる作業指示・支援装置を提供する」とある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−90163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造着手前に作業指示書を作成するが、生産計画の見直しや、取付部品の欠品によって、必ずしも作業指示書どおりに作業できるとは限らない。この場合は、作業指示書を用いず作業を行い、製品の品質にバラツキが発生してしまう。また、生産状況の変化に合わせて作業指示書を修正する場合、工数が増加するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成と処理手順を採用する。本願は上記目的を達成する手段を複数含んでいるが、例えば、記憶部と演算部とを備え、作業手順に沿って作業内容を指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムにおいて、前記記憶部は、製品の構成を示す部品表データベース(DB)と、前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画DBと、前記部位の取付履歴を管理する取付履歴DBと、前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品DBと、前記部品間の取付順位を管理する取付順序DBと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫DBと、前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルとを記憶保持し、前記演算部はメモリを備え、前記記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、これらを前記メモリ上に格納し、前記メモリ上に格納された前記情報を用いて、前記部品の取付順序データを生成し、前記部品の取付順序データから前記部品の取付の際に必要な作業内容を生成し、併せて、前記情報に含まれる取付履歴データから取付済みの部品データを取得し、これらと、取付部品の部品データとから関連するCADデータを取得し、組立図を生成し、前記作業内容と前記組立図を合成し作業手順書を生成するものであることを特徴とする作業指示書作成システムとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、最新情報に基づいて作成した部品在庫DBテーブルを用いることにより、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例に係る作業指示書作成システムの概略全体構成図である。
【図2】図1に示した作業指示書作成システムの外部記憶装置の構成図である。
【図3】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される部品データベースの部品表の例である。
【図4】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される関連部品DBのテーブル構成の例である。
【図5】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される取付順序DBのテーブル構成の例である。
【図6】作業指示書の例である。
【図7】図1に示した作業指示書作成システムの演算処理部の構成図である。
【図8】図1に示した作業指示書作成システムの処理フローチャートである。
【図9】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される生産計画DBのテーブル構成の例である。
【図10】取付順序のイメージ図である。
【図11】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される部品在庫DBのテーブル構成の例である。
【図12】取付部品の着手日の後ろ倒しを説明した図である。
【図13】図2に示した外部記憶装置のハードディスクに記録保持される取付履歴DBのテーブル構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
第1の実施例について図1〜図13を用いて説明する。図1は本実施例に係る作業指示書作成システムの概略全体構成図である。
【0011】
作業指示書作成システム1は、図1に示すように、外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ13、演算部14で構成する。入力部12は、例えば、キーボード、マウス等の装置で構成され、作業指示書の作成指示を受け付け、作成指示を演算部14に送る。演算部14は、作業指示書の作成対象に関する情報を外部記憶部11から必要に応じ内部メモリに取り込む。演算部14では作業指示書の作成を実施し、ディスプレイ13に作成結果を表示すると同時に、作業指示書ファイルを外部記憶部11に出力する。
【0012】
外部記憶部11は図2に示すように、部品表データベース111(データベースは以下、DBと記す)、生産計画DB 112、取付履歴DB 113、関連部品DB 114、取付順序DB 115、作業指示書ファイル117、部品在庫DB 118、CADデータファイル116で構成する。なお、これらDB等はハードディスクに記録保持されている。
【0013】
部品表DB 111は、図3に示すように、ブロックコード、部位コード、部品コードで構成するツリー構造301を管理する。ここでブロックコード、部位コード、部品コードは、それぞれユニークなコードである。部品表DB 111のテーブル構成はテーブルa 302とテーブルb 303とする。テーブルa 302は、ツリーの親子階層を表しており、テーブルb 303は各コードに対し、人間が見て判断できる名称とCADモデル名称で構成する。
【0014】
生産計画DB 112は、図9に示すように、部位コード毎に取付着手日を管理している。
【0015】
取付履歴DB 113は、図13に示すように、部位コード、部品コード、フラグで構成する。既に取付が完了している場合は、フラグ欄に取付済みを表す「2」が記入されている。また取付が未完の部品については、フラグ欄は「0」になっている。取付予定が存在する場合は「1」とする。
【0016】
関連部品DB 114は、図4に示すように、「部品」「関連部品」「作業コード」のテーブル401と、「作業コード」「作業内容」「作業時間」のテーブル402で構成される。関連部品DBは部品間で締結等の作業内容を管理することを目的とする。
【0017】
取付順序DB 115は、部位の構成部品に対して、作業の優先順位を決めたものである。図5に取付順序DB 115の構成を示す。当該取付順序DB 115は、3つのフィールド、「先」51、「後」52、「連続」53で管理する。順序関係のある部品は、先に取りつける部品を「先」51に、後に取りつける部品は「後」52に部品コードを管理する。「連続」53は連続する場合は「1」を、連続して実施する必要が無ければ「0」とする。
【0018】
作業指示書ファイル117は、作業者に対して作業を説明するものであり、例えば図6に示すように、組立図61、作業内容62で構成する。
部品在庫DB118は、部品別に在庫数、将来の入庫予定数を管理する。この部品在庫DBは入力部からの入力により日々更新される。
CADデータファイル116は当該製品の2次元または3次元形状データを持つ。
【0019】
演算部14は、予め登録されている動作手順などを表した制御プログラムと、それらのプログラムを処理して、外部記憶部11、入力部12、ディスプレイ13、等の制御を行うプロセッサとメモリで構成される。演算処理部(演算部)14での処理に先立ち、外部記憶部11で管理される情報は、メモリ上に展開される。本メモリでは、演算部14での計算過程、計算結果に関する情報を格納する。プロセッサでは、図7に示すように、部品取付順序生成部701、作業内容取得部702、組立図生成部703、作業指示書生成部704で構成する。
【0020】
部品取付順序生成部701は取付指示の出ている部位の構成部品に対して、取付手順を決定する機能を有する。作業内容取得部702は、部品の取付順序に応じて実施すべき作業内容をメモリより取得する機能を有する。組立図生成部703は、取付済みの部品とこれから取付する部品とから、組立図を生成する機能を有する。取付済み部品は、取付履歴DB 113から取得する。組立図生成部703では、製品全体のCADデータに対して、取付済み部品は「表示」とし、未だ取付していない部品は「非表示」の状態とする。なお、取付対象部品は、ハイライト表示とし、他の部位とは異なる着色を行い、組立図を生成する。作業指示書生成部704は、作業内容と組立図から作業指示書を生成する。
次に本実施例に係る作業指示書作成システムの動作について、図8のフローチャートに従い説明する。
S1:外部情報を取得する。
生産計画DB 112から部位毎の取付着手日を取得し、図1に示す演算部14のメモリに格納する。演算部14に取り込まれた生産計画情報は、図9のように部位コードに対し、作業着手日が対応付けしてある。
入力部12で作業指示書の作成要求を受け付けると、これをトリガとし、外部記憶部11にある部品表、取付順序、取付履歴の各データを取得する。部品表データは部品表DB 111から、取付順序データは取付順序DB 115から、取付履歴データは取付履歴DB 113から、それぞれ取得する。
次に、S2へ進む。
S2:部品の取付順序を仮決定する。
ここでは、取付指示のあった部位に対してそれを構成する部品の取付順序を決定する。図10に取付順序データの構造と、作業順序付け結果を示す。取付順序データを用いて部品の取付優先順位を決定する。
部品の取付順序は、部位の構成部品間での優先順位だけでなく、部位間の優先順位、ブロック間の優先順位も考慮する。つまり部位どうし、またはブロックどうしで取付順序を設定してあってもよい。
次に、S3へ進む。
S3:部品の在庫、入庫予定を取得する。
作業着手のトリガの出る部位に対して構成部品の在庫数、入庫予定を取得する。部品在庫DB 118では、図11に示すように、作業着手日時点の部品ごとの在庫数1101と、今後の入庫数1102を管理する。なお、入庫数の欄に記載の数が、在庫数1101か、今後の入庫数1102かは日付の欄を参照することにより判別することができる。また、この部品在庫DB 118は入力部12からの入力により日々更新されており、最新の情報が用いられる。
次に、S4へ進む。
S4:部品の取付着手可能日を求める。
部品の取付着手可能日は部品在庫と、部品の取付順序とに基づき判断する。もしも取付着手日に部品在庫がない場合は、入庫可能日まで着手日を後ろ倒しする。また、後ろ倒しされた部品より後に着手すべき部品があれば一緒に後ろ倒しする。
【0021】
図12を用いて処理を説明する。
ここで、部品A−1−1から部品A−1−6までが、(1)部品の取付順序の図に示すような取付順序の関係があったとする。矢印が順序を示す。(2)部品入庫遅れに伴い後ろ倒しの実施の図は、部位A−1の取付着手日に対して、構成部品A−1−4のみが、在庫がなく、遅れて入庫があることを示している。この場合、部品A−1−4は部品の入庫がある日まで着手可能日が後ろ倒しとなる。また、部品A−1−6は部品A−1−4よりも後に取付を実施する部品であるため、A−1−4の後ろ倒しと連動し、これも後ろ倒しとなる。この結果、(3)部品の取り付け順序(修正後)の図に示すような取付順序となる。
ここで、本処理では、各取付作業に関しては、作業負荷は0としている。この段階での取付順序は、作業負荷を考慮していないため暫定的なものとする。図8のS4の次に記載のyyyymmdd=Mは暫定取付着手日、Nは取付順位を示し、暫定着手日としてM、N=1として、S5へ進む。
S5:取付部品に対する作業内容と作業時間を抽出する。
本抽出は次の手順で行なう。
(1)図1の演算部14において、第M日で着手可能な取付部品を取得する。
(2)第M日において取付順位が第N番目の部品に対し、関連部品DB 114を検索し関連部品を全て抽出する。関連部品とは、取付部品にとって何らかの作業が発生する部品のことである。例えば、締結先の部品や、寸法を決定する際の基点となる部品である。
(3)関連部品をキーに取付履歴データ 113を検索し、取付済み部品を抽出する。
(4)選択した部品コードに対して、取付済み部品との間で発生する作業内容と作業時間を取得する。
(5)第N番目の部品は、演算部14のメモリ上で取付済み部品として登録し、S6へ進む。
S6:S5で求めた作業時間を作業負荷とし、着手可能日に負荷山積みする。
作業負荷の山積み(各部品の取付作業時間の積算)は以下の手順で行う。
(1)取付部品に対し、関連部品のうち全ての取付済み部品との間で発生する作業時間を求める。ここで、取付部品と取付済み部品との間で発生する作業時間を図4の関連部品情報から取得し、同日発生する作業時間を山積みする。
(2)山積み処理を行った部品は、取付済み部品として演算部メモリ上に仮登録する。
(3)第M日に取付着手可能な部品の有無の判定
その後、第M日に取付する部品の有無を判定し、もし有れば、S5に戻り、処理を繰り返す。無い場合にはS7へ進む。
S7:取付着手日の後ろ倒しを行う部品を決定する。
ここで、S3の(3)の判定で第M日の取付着手可能な部品が有の場合において、山積みされた作業時間が1日の労働時間(例えば、残業含め10時間)を超過する場合、いずれか部品に関しては、取付着手日の後ろ倒しを行う。この場合、図5の取付順序の連続する部品があれば、それらは切り離して後ろ倒ししないようにする。もしも、A−1−2とA−1−3の間に作業の連続性が要求されている場合は、A−1−5を後ろ倒しする。後ろ倒し処理に伴い再度、作業時間をチェックし、これが1日の作業時間に納まるまで、後ろ倒しの作業を繰り返す。この処理によって、取付順序、取付着手日を確定させる。ここで、部品A−1−5の後ろ倒しによって、作業時間の超過が解消されたとする。この結果、A−1−1、A−1−2、A−1−3、A−1−5、A−1−4、A−1−6の順に取付順が確定したとする。
【0022】
次に第M+1日において、取付着手可能な部品がないか判定を行い、ある場合は、M=M+1とし、S5に処理が移る。
以上の処理を取付着手可能な部品がなくなるまで繰り返す。これにより部品の取付順序P1、P2、P3、・・・が決定する。演算部14において取付済みとした部品についてはS8の処理に移る前に、取付済みの状態を解除する。但し、外部記憶部11の取付履歴DB 113において取付済みとなっている部品は、取付済みの状態のままにしておく。
第M+1日に取付着手可能な部品が無い場合にはS8へ進む。
S8:組立図を作成する。
組立図の作成は以下の手順で行なう。
(1)図1の外部記憶部11のCADデータファイル116一式を演算部14のメモリ上に取り込む。
(2)図1の演算部14で、取付順位がP1番目の部品コードを取得する。
(3)演算部14で、メモリに格納された当該部品コードに対するCADモデル名を取得する。部品コードに対応するCADモデル名は、図3のテーブルbの情報から取得できる。
(4)演算部14で、メモリに格納された取付履歴情報から取付済み部品の部品コードを取得する。
(5)演算部14で、メモリに格納された取付済み部品のCADモデル名を取得する。
(6)取付済み部品を表示し、取付部品のCADデータについて取付済み部品と区別するためにハイライト表示とし、その他の部品は非表示に設定し、取付部品に対する組立図とする。
(7)取付済み部品を、メモリ上の取付履歴データに登録する。
(8)N=N+1とし、取付順位PNの部品があるか判定する。有りの場合は、S8の(2)に戻る。取付部品がなくなるまでS8の(2)からS8の(7)の処理を繰り返し、取付部品の数だけ組立図を作成する。取付部品が無くなった段階で処理を終了し、S9へ進む。
S9:作業指示書の作成
部品の取付順序に従って、取付部品に該当する作業内容と組立図を合成し、作業手順書とする。
以上処理により作業指示書を完成させる。作業指示書はディスプレイ13で表示すると共に、外部記憶部11に作業指示書ファイルとして出力する。
【0023】
なお、本作業指示書作成システムを動作させることにより、外部記憶部11に記憶されるデータベースのうち、生産計画DB 112の作業着手日、取付履歴DB 113のフラグ欄、作業指示書ファイル117が更新される。部品表DB 111、関連部品DB 114、取付順序DB 115等は基本的には変更されることはない。
【0024】
上記作業指示書作成システムを、排気ダクトを含むプラント製造に適用したところ、生産計画の変更や、部品欠品があった場合でも、取付順序を入れ替えると同時に、実作業に合った取付順序で作業指示書を作成できた。また、自動生成により、作業指示書の作成工数を削減できた。
【0025】
以上、本実施例によれば、当初作成の関連部品DBテーブルと取付順序DBテーブル、及び最新の部品在庫DBテーブルを有する記憶部を備えることにより、生産計画の変更や取付部品の欠品、その他の理由により当初の作業手順通りの作業ができない場合に、作業指示書の再作成を容易に行なうことのできる作業指示書作成システムを提供することができる。また、作業指示書を自動生成することにより、作業指示書の作成工程数を削減できる。
【0026】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。外部記憶部は、記憶容量の大きさによっては演算部に内蔵することもできる。
【符号の説明】
【0027】
11…外部記憶部、12…入力部、13…ディスプレイ、14…演算部、51…取付順序DBにおける先の取付部品、52…取付順序DBにおける後の取付部品、53…取付順序DBにおける連続取付部品、61…組立図、62…作業内容、111…部品表DB、112…生産計画DB、113…取付履歴DB、114…関連部品DB、115…取付順序DB、116…CADデータファイル、117…作業指示書ファイル、118…部品在庫DB、301…部品表DBのツリー構造、302…部品表DBのテーブルa、303…部品表DBのテーブルb、401…関連部品DBのテーブル、402…関連部品DBのテーブル、701…部品取付順序生成部、702…作業内容取得部、703…組立図生成部、704…作業指示書生成部、1101…在庫数、1102…今後の入庫数。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と演算部とを備え、作業手順に沿って作業内容を指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムにおいて、
前記記憶部は、製品の構成を示す部品表データベースと、前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画データベースと、前記部位の取付履歴を管理する取付履歴データベースと、前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品データベースと、前記部品間の取付順位を管理する取付順序データベースと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫データベースと、前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルとを記憶保持し、
前記演算部はメモリを備え、前記記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、これらを前記メモリ上に格納し、
前記メモリ上に格納された前記情報を用いて、前記部品の取付順序データを生成し、前記部品の取付順序データから前記部品の取付の際に必要な作業内容を生成し、
併せて、前記情報に含まれる取付履歴データから取付済みの部品データを取得し、これらと、取付部品の部品データとから関連するCADデータを取得し、組立図を生成し、
前記作業内容と前記組立図を合成し作業手順書を生成するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項2】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付順位データに従い、取付順序を仮生成し、
仮生成された前記取付順序と、前記情報に含まれる部品在庫データおよび入庫予定データに基づいて、仮生成された前記取付順位の変更を行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項3】
請求項2記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記部品在庫データに基づいて再作成した取付順序に対して、前記情報に含まれる作業時間データを取得し、作業時間の山積みを実施し、取付着手日に対して、決められた時間より作業時間が超過する場合は、作業時間が超過する部品の取付着手日の後ろ倒しを行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項4】
請求項3記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記後ろ倒しを行う部品の取付が、再作成された前記取付順序においてその直前の部品の取付と連続する場合には、前記直前の部品の取付着手日を併せて後ろ倒しするものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項5】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付済みの部品データに加え、これから取付を行う部品データを取得し、この2種類の部品に対して、CADデータを用いて描画するものであることを特徴とする、作業指示書作成システム。
【請求項6】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付順序データに従って、前記作業内容と前記組立図の生成が終わると同時に、前記作業履歴データを更新し、さらに次に取りつける部品に対し、同様の処理を繰り返し行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項7】
外部記憶部と入力部とディスプレイとに接続される演算部を備えた作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は、
部品取付順序生成部と、
前記部品取付順序生成部で生成された部品取付順序を用いて作業内容を取得する作業内容取得部と、
前記部品取付順序生成で生成された部品取付順序を用いて組立図を生成する組立図生成部と、
前記作業内容取得部で取得された作業内容と、前記組立図生成部で生成された組立図とを用いて作業指示書を生成する作業指示書生成部と、
を有することを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項8】
請求項7記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記外部記憶部は、製品を構成する部位を含む部品表データベースと、
前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画データベースと、
前記部位の取付履歴を管理する取付履歴データベースと、
前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品データベースと、
前記部品間の取付順位を管理する取付順序データベースと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫データベースと、
前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルと、
を記憶保持し、
前記演算部はメモリを備え、前記外部記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、前記情報を前記メモリ上に格納するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項9】
請求項8記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記部品取付順序生成部は、取付指示の出ている部位の構成部品に対して、取付順序を決定する機能を有し、
作業内容取得部は、前記情報に含まれ、前記構成部品の前記取付順序に応じて実施すべき作業内容を前記メモリより取得する機能を有し、
前記組立図生成部は、前記構成部品の前記取付順序と、前記情報に含まれる取付済みの部品とこれから取付する部品とから、組立図を生成する機能を有することを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項10】
請求項8記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記入力部は、前記部品在庫データベースの内容更新に用いられるものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項11】
請求項7記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記ディスプレイは、前記組立図の表示を行なう際に、取付対象部品をハイライト表示するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項1】
記憶部と演算部とを備え、作業手順に沿って作業内容を指示する作業指示書を作成する作業指示書作成システムにおいて、
前記記憶部は、製品の構成を示す部品表データベースと、前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画データベースと、前記部位の取付履歴を管理する取付履歴データベースと、前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品データベースと、前記部品間の取付順位を管理する取付順序データベースと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫データベースと、前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルとを記憶保持し、
前記演算部はメモリを備え、前記記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、これらを前記メモリ上に格納し、
前記メモリ上に格納された前記情報を用いて、前記部品の取付順序データを生成し、前記部品の取付順序データから前記部品の取付の際に必要な作業内容を生成し、
併せて、前記情報に含まれる取付履歴データから取付済みの部品データを取得し、これらと、取付部品の部品データとから関連するCADデータを取得し、組立図を生成し、
前記作業内容と前記組立図を合成し作業手順書を生成するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項2】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付順位データに従い、取付順序を仮生成し、
仮生成された前記取付順序と、前記情報に含まれる部品在庫データおよび入庫予定データに基づいて、仮生成された前記取付順位の変更を行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項3】
請求項2記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記部品在庫データに基づいて再作成した取付順序に対して、前記情報に含まれる作業時間データを取得し、作業時間の山積みを実施し、取付着手日に対して、決められた時間より作業時間が超過する場合は、作業時間が超過する部品の取付着手日の後ろ倒しを行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項4】
請求項3記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記後ろ倒しを行う部品の取付が、再作成された前記取付順序においてその直前の部品の取付と連続する場合には、前記直前の部品の取付着手日を併せて後ろ倒しするものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項5】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付済みの部品データに加え、これから取付を行う部品データを取得し、この2種類の部品に対して、CADデータを用いて描画するものであることを特徴とする、作業指示書作成システム。
【請求項6】
請求項1記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は更に、前記取付順序データに従って、前記作業内容と前記組立図の生成が終わると同時に、前記作業履歴データを更新し、さらに次に取りつける部品に対し、同様の処理を繰り返し行うものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項7】
外部記憶部と入力部とディスプレイとに接続される演算部を備えた作業指示書作成システムにおいて、
前記演算部は、
部品取付順序生成部と、
前記部品取付順序生成部で生成された部品取付順序を用いて作業内容を取得する作業内容取得部と、
前記部品取付順序生成で生成された部品取付順序を用いて組立図を生成する組立図生成部と、
前記作業内容取得部で取得された作業内容と、前記組立図生成部で生成された組立図とを用いて作業指示書を生成する作業指示書生成部と、
を有することを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項8】
請求項7記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記外部記憶部は、製品を構成する部位を含む部品表データベースと、
前記製品の部位に対し取付着手日を管理する生産計画データベースと、
前記部位の取付履歴を管理する取付履歴データベースと、
前記部位を構成する部品に関して部品間の作業関連性と作業内容を示す関連部品データベースと、
前記部品間の取付順位を管理する取付順序データベースと、部品在庫数と部品入庫予定日、予定数を管理する部品在庫データベースと、
前記部品の2次元あるいは3次元モデルデータを管理するCADデータファイルと、
を記憶保持し、
前記演算部はメモリを備え、前記外部記憶部に記憶保持されたそれぞれの前記データベースと前記CADデータファイルより情報を取得し、前記情報を前記メモリ上に格納するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項9】
請求項8記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記部品取付順序生成部は、取付指示の出ている部位の構成部品に対して、取付順序を決定する機能を有し、
作業内容取得部は、前記情報に含まれ、前記構成部品の前記取付順序に応じて実施すべき作業内容を前記メモリより取得する機能を有し、
前記組立図生成部は、前記構成部品の前記取付順序と、前記情報に含まれる取付済みの部品とこれから取付する部品とから、組立図を生成する機能を有することを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項10】
請求項8記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記入力部は、前記部品在庫データベースの内容更新に用いられるものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【請求項11】
請求項7記載の作業指示書作成システムにおいて、
前記ディスプレイは、前記組立図の表示を行なう際に、取付対象部品をハイライト表示するものであることを特徴とする作業指示書作成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−164213(P2012−164213A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25298(P2011−25298)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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