説明

作業車両の油圧装置

【課題】アウトリガ用油圧シリンダへの過大な負担を与えてしまうことを防止できる作業車両の油圧装置を提供する。
【解決手段】コントローラ101がアウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断すると、操作レバー26が中立位置にあるときには、ソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換えるように構成した。これにより、オペレートチェック弁12bにパイロット管路32からのパイロット圧が作用するので、ロッド室11bからの圧油の流出が許容される。そのため、作業負荷が変動してボトム室11aに圧油が流入してもロッド室11bから圧油が流出し、ロッド室11bに圧油が流入しても流入した圧油がロッド室11bから流出可能となるので、各油室の圧力が次第に上昇するということがなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両をジャッキアップするアウトリガを動作させるための油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両をジャッキアップするアウトリガを動作させるための油圧装置が知られている。この油圧装置では、アウトリガを動作させる油圧シリンダからの圧油が切換弁からリークするとジャッキアップ状態を保持できなくなる恐れがある。そこで、これを回避するために、油圧シリンダへ圧油を供給する油圧回路上に、油圧パイロット式のオペレートチェック弁を設けることが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4159551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献に記載の油圧装置では、ジャッキアップ後にオペレートチェック弁が逆止弁として機能し、油圧シリンダからの圧油のリークを防止する。しかし、作業車両に掛かる作業負荷の変動などによって油圧シリンダのロッド側油室またはボトム側油室のいずれか一方の油室の圧油が圧縮されてシリンダストロークが変化すると、オペレートチェック弁を介して他方の油室に作動油が流入する。そして、変化したシリンダストロークが元に戻る際には、他方の油室に上述したように流入した作動油がオペレートチェック弁で封止されるため、他方(および一方)の油室の圧力が上昇することとなる。このような作業負荷の変動等による作動油の流入が繰り返されると、各油室の圧力が次第に上昇して、油圧シリンダに大きな負担を与える恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による作業車両の油圧装置は、ボトム側油室およびロッド側油室のいずれか一方の油室に圧油を供給することでシリンダロッドを伸長または縮退させることによって車両をジャッキアップするアウトリガ用油圧シリンダと、ボトム側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第1の弁装置と、ロッド側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第2の弁装置と、第1および第2の弁装置に信号を出力する信号出力手段と、アウトリガ用油圧シリンダによって車両がジャッキアップされているか否かを判断するジャッキアップ判断手段と、ジャッキアップ判断手段で車両がジャッキアップされていると判断されると、ロッド側油室の圧油の流出を許可するように第2の弁装置に対して信号を出力するよう信号出力手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の作業車両の油圧装置において、第1の弁装置は、パイロット圧油が供給されるか否かによって、ボトム側油室に供給された圧油の流出を禁止または許可をする第1のオペレートチェック弁であり、第2の弁装置は、パイロット圧油が供給されるか否かによって、ロッド側油室に供給された圧油の流出を禁止または許可をする第2のオペレートチェック弁であり、信号出力手段は、制御手段から出力される制御信号に基づいて、信号としてのパイロット圧油を第1および第2の弁装置に出力するか否かを切り替える電磁切換弁であることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業車両の油圧装置において、アウトリガ用油圧シリンダのシリンダロッドを伸長または縮退させることで車両をジャッキアップするように操作部が操作されたことを検出する操作検出手段と、アウトリガ用油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段または、第1または第2の弁手段と油圧ポンプとの間の油路に設けられてボトム側油室の圧力を検出するボトム圧力検出手段をさらに備え、ジャッキアップ判断手段は、車両をジャッキアップするように操作部が操作されたことを操作検出手段で検出されている間に、油圧ポンプの吐出圧力またはボトム側油室の圧力が所定の閾値以上の圧力であることを吐出圧力検出手段またはボトム圧力検出手段で検出すると、車両がジャッキアップされていると判断し、制御手段は、ジャッキアップ判断手段で車両がジャッキアップされていると判断された後、さらに操作部が操作されていないことが操作検出手段で検出されると、ロッド側油室に供給された圧油の流出を許可するように、第2の弁装置に対して信号を出力するよう信号出力手段を制御することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業車両の油圧装置において、ロッド側油室の圧力を検出するロッド圧力検出手段をさらに備え、制御手段は、ロッド圧力検出手段で検出される圧力が所定の閾値を超えたときに、ロッド側油室に供給された圧油の流出を許可するように、第2の弁装置に対して信号を出力するよう信号出力手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、アウトリガ用油圧シリンダへの過大な負担を与えてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明が適用されるホイール式油圧ショベルの外観を示す図である。
【図2】アウトリガ10の周辺を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路図である。
【図4】図3に示した油圧回路のうち、車両の左前部のアウトリガシリンダ11FLの周辺を抜き出して示した図である。
【図5】ダイヤル式の前後切換スイッチ51および左右切換スイッチ52を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わる油圧回路図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係わる油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜5を参照して、本発明による作業車両の油圧装置の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態では、本発明による作業車両の油圧装置を作業車両の一例としてのホイール式油圧ショベルに適用した場合について説明する。図1に示すようにホイール式油圧ショベルは、走行体1と、走行体1の上部に旋回可能に搭載された旋回体2とを有する。旋回体2には運転室3とブーム4a、アーム4b、バケット4cからなる作業用フロントアタッチメント4が設けられている。ブーム4aはブームシリンダ4dの駆動により起伏し、アーム4bはアームシリンダ4eの駆動により起伏し、バケット4cはバケットシリンダ4fの駆動によりクラウドまたはダンプする。走行体1には油圧駆動による走行モータ5が設けられ、走行モータ5の回転はプロペラシャフト、アクスルを介して車輪6(タイヤ)に伝達される。
【0009】
走行体1の前後左右のタイヤ6の近傍には、図2に示すように、それぞれアウトリガ10が設けられている。アウトリガ10にはアウトリガシリンダ11が装着され、このシリンダ11の伸縮によりアウトリガ10は回動軸10aを支点に回動する。シリンダ11の伸長によりアウトリガ10は接地して車両を地面から持ち上げ(ジャッキアップ)、シリンダ11の縮退によりアウトリガ10は走行体1に格納されて、車両を地面に降下する(ジャッキダウン)。アウトリガシリンダ11には、後述するように、図2において符号12で示すオペレートチェック弁が接続されている。
【0010】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係わる油圧回路図であり、主にアウトリガシリンダ11の駆動回路を示す。なお、車両の左前部,右前部,左後部,右後部のアウトリガシリンダ11をそれぞれ11FL,11FR,11RL,11RRで示す。図4は、図3に示した油圧回路のうち、車両の左前部のアウトリガシリンダ11FLの周辺を抜き出して示した図である。
【0011】
図3において、旋回体2に設けられた油圧ポンプ(メインポンプ)21からの圧油は方向制御弁22、管路23または24を介し、センタージョイント25を通過して走行体1に導かれ、走行体1からの戻り油は管路24または23を介し、センタージョイント25を通過してタンクに導かれる。
【0012】
方向制御弁22は操作レバー26の操作により切り換えられ、油圧ポンプ21からの圧油を各アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRのボトム室11aに供給し、ロッド室11bの圧油をタンクに排出してシリンダを伸長させる切換位置aと、油圧ポンプ21からの圧油を各アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRのロッド室11bに供給し、ボトム室11aの圧油をタンクに排出してシリンダを縮退させる切換位置bとを有する。操作レバー26は電気レバーであり、操作レバー26を操作すると、その操作方向および操作量に応じた信号がコントローラ101に出力される。これにより、コントローラ101から制御信号(励磁電流)が方向制御弁22のソレノイドに出力されて、方向制御弁22が切り換えられる。旋回体2に設けられたパイロット圧油の油圧源28からのパイロット圧油は、センタージョイント25を通過して走行体1に導かれる。
【0013】
各アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRには、上述したようにオペレートチェック弁12が接続されている。説明の便宜上、各アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRのボトム室11aの入口に設けられたオペレートチェック弁に符号12aを付し、ロッド室11bの入口に設けられたオペレートチェック弁に符号12bを付す。各ボトム室11aはオペレートチェック弁12aを介して互いに連通するとともに、管路23に接続している。各ロッド室11bはオペレートチェック弁12bを介して互いに連通するとともに、管路24に接続している。
【0014】
オペレートチェック弁12a,12bは外部からの信号(パイロット圧)によって動作する。オペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートは、アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRにそれぞれ対応して設けた電磁切換弁34〜37を介してパイロットポンプ28の圧油が供給されるパイロット管路32に接続されている。電磁切換弁34〜37は、油圧源28と接続するパイロット管路32とオペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートとを接続する切換位置aと、パイロット管路32とオペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートとを遮断するとともに、オペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートとタンクとを接続する切換位置bとを有し、それぞれそれのソレノイド34a〜37aを励磁または消磁することで切り換え動作する。また、図4に示すように、電磁切換弁34とオペレートチェック弁12aとは、管路41a,41bとにより接続され、電磁切換弁34とオペレートチェック弁12bとは管路41a,41c,41dとにより接続されている。また、管路41cには、電磁切換弁34からオペレートチェック弁12bへの圧油の流れを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁13aを備えている。なお、図示はしないが、他の電磁切換弁35〜37とオペレートチェック弁12a,12bも同様に管路41a〜41dの関係で接続されている。
【0015】
また、オペレートチェック弁12bのパイロットポートは、電磁切換弁38および逆止弁13bを介しパイロット管路32に接続されている。電磁切換弁38は、全てのアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRについての全てのオペレートチェック弁12bのパイロットポートにパイロット圧油を一斉に供給するか否かを切り換える切換弁であり、油圧源28と接続するパイロット管路32とオペレートチェック弁12bのパイロットポートとを接続する切換位置aと、パイロット管路32とオペレートチェック弁12bのパイロットポートとを遮断するとともに、オペレートチェック弁12bのパイロットポートとタンクとを接続する切換位置bとを有し、ソレノイド38aを励磁または消磁することで切り換え動作する。また、図4に示すように、電磁切換弁38とオペレートチェック弁12bとは管路42a,41bにより接続されている。また、管路42aには、電磁切換弁38からオペレートチェック弁12bへの圧油の流れを許容し、その逆の流れを阻止する逆止弁13bを備えている。なお、管路42aは、逆止弁13aの下流側(逆止弁13aとオペレートチェック12bとの間)に接続される。なお、図示はしないが、他のアウトリガシリンダ11FR,11RL,11RRについても、電磁切換弁38とオペレートチェック弁12bとは、同様に管路42a,41dおよび逆止弁13bによって同様に接続されている。
【0016】
電磁切換弁34〜38のソレノイド34a〜38aには、たとえばスリップリングを介し旋回体2側に設けられたコントローラ101から制御信号が出力され、ソレノイド34a〜38aが励磁または消磁される。
【0017】
ソレノイド34a〜37aが励磁されると電磁切換弁34〜37は切換位置aに切り換えられ、オペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートにパイロット管路32からのパイロット圧が作用する。これによりオペレートチェック弁12a,12bの逆止弁としての機能は無効化されてオペレートチェック弁12a,12bは単なる開放弁として機能し、ボトム室11aおよびロッド室11bからの圧油の流出が許容される。なお、逆止弁13bは、オペレートチェック弁12bのパイロットポートに供給されたパイロット圧油が、管路42aおよび電磁切換弁38を介して作動油タンクヘ流出してしまうことを防止する機能を有する。
【0018】
ソレノイド34a〜37aが消磁されると電磁切換弁34〜37は切換位置bに切り換えられ、オペレートチェック弁12a,12bのパイロットポートヘのパイロット圧油の供給が停止する。これによりオペレートチェック弁12a,12bは逆止弁として機能し、ボトム室11aおよびロッド室11bからの圧油の流出が禁止される。
【0019】
ソレノイド38aが励磁されると、電磁切換弁38は切換位置aに切り換えられ、全てのオペレートチェック弁12bのパイロットポートにパイロット管路32からのパイロット圧が作用する。これにより全てのオペレートチェック弁12bの逆止弁としての機能は無効化されてオペレートチェック弁12bは単なる開放弁として機能し、全てのロッド室11bからの圧油の流出が許容される。なお、このときには、逆止弁13aは、オペレートチェック弁12bのパイロットポートに供給されたパイロット圧油が、管路41c,41aおよび電磁切換弁34〜37を介して作動油タンクへ流出してしまうことや、管路41c,41bを介してオペレートチェック弁12aのパイロットポートに流れ込むことを防止する機能を有する。
【0020】
ソレノイド38aが消磁されると電磁切換弁38は切換位置bに切り換えられ、全てのオペレートチェック弁12bへのパイロット圧油の供給が停止する。これにより全てのオペレートチェック弁12bは逆止弁として機能し、全てのロッド室11bからの圧油の流出が阻止される。
【0021】
図5は、ダイヤル式の前後切換スイッチ51および左右切換スイッチ52を示す図である。前後切換スイッチ51および左右切換スイッチ52は、車体のジャッキアップおよびジャッキダウンを行うアウトリガを選択するためのスイッチである。これらスイッチ51,52は運転室3に設けられる。
【0022】
前後切換スイッチ51をOFF、F、A、Rのいずれかに操作することで、前後のアウトリガシリンダ11FL,11FRおよび11RL,11RRの操作を選択する。すなわち前側のシリンダ11FL,11FRを駆動するときはF、後側のシリンダ11RL,11RRを駆動するときはR、前後両方のシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRを駆動するときはA、シリンダ11FL,11FR,11RL,11RRを駆動しないときはOFFにそれぞれスイッチ51を操作する。
【0023】
左右切換スイッチ52をL、A、Rのいずれかに操作することで、左右のアウトリガシリンダ11FL,11RLおよび11FR,11RRの操作を選択する。すなわち左側のシリンダ11FL,11RLを駆動するときはL、右側のシリンダ11FR,11RRを駆動するときはR、左右両方のシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRを駆動するときはAにそれぞれスイッチ52を操作する。
【0024】
スイッチ51,52からは、上述した操作内容(選択内容)に対応する信号がコントローラ101に出力される。
【0025】
次に、第1の実施の形態に係わる油圧回路の特徴的な動作を説明する。
車体のジャッキアップおよびジャッキダウン(以下、ジャッキアップ/ダウン)を行わないときは前後切換スイッチ51をOFF位置に操作する。このスイッチ操作によりコントローラ101は、操作レバー26の操作の有無にかかわらず、全てのソレノイド34a〜38aを消磁する。したがって、電磁切換弁34〜38はそれぞれ切換位置bに切り換えられる。これによりオペレートチェック弁12a,12bと油圧源28と接続するパイロット管路32との連通が遮断され、オペレートチェック弁12a,12bへパイロット圧油が供給されることなく、オペレートチェック弁12a,12bは逆止弁として機能する。この状態では方向切換弁22の切換により油圧ポンプ21からアウトリガシリンダ11へ圧油が導かれても、ボトム室11aおよびロッド室11bから圧油が流出できないため、シリンダ11は伸縮されず、車体のジャッキアップ/ダウンが禁止される。
【0026】
たとえば車体前側左右両側をジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をF位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をA位置に操作する。このスイッチ操作によりコントローラ101は、操作レバー26が中立位置から方向切換弁22を切換位置aまたは切換位置bに切り換えるように操作されたときにだけソレノイド34a,35aを励磁する。したがって、操作レバー26が中立位置から操作されている間は、電磁切換弁34,35は切換位置aに切り換えられる。これにより、油圧源28からのパイロット圧がパイロット管路32を介してアウトリガシリンダ11FL,11FRのオペレートチェック弁12a,12bにそれぞれ作用し、オペレートチェック弁12a,12bは開放弁として機能する。
【0027】
また、操作レバー26が中立位置から操作されると、コントローラ101は、操作レバー26の操作方向および操作量に応じて方向切換弁22のソレノイドを励磁する。これにより、方向切換弁22が切換位置aまたは切換位置bに切り換えられ、油圧ポンプ21からの圧油がアウトリガシリンダ11FL,11FRのボトム室11aまたはロッド室11bに導かれ、ロッド室11bまたはボトム室11aから圧油が排出される。その結果、前側のアウトリガシリンダ11FL,11FRを同時操作することができ、車体前側がジャッキアップ/ダウンする。
【0028】
なお、この場合には、電磁切換弁36,37は切換位置bに保持され、方向切換弁22の切換により油圧ポンプ21から後側のアウトリガシリンダ11RL,11RRへ圧油が導かれても、オペレートチェック弁12a,12bの働きにより、後側のアウトリガシリンダ11RL,11RRのボトム室11aおよびロッド室11bから圧油が流出できないので、後側のアウトリガシリンダ11RL,11RRは伸縮されない。なお、車体後側左右両側をジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をR位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をA位置に操作することで、電磁切換弁36,37が切換位置aに切り換えられ、以降上記と同様の動作により、アウトリガシリンダ11RL,11RRが同時に駆動される。また、車体前後左側または右側をジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をA位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をLまたはR位置に操作することで、電磁切換弁34,36または35,37が切換位置aに切り換えられ、上記と同様の動作により、アウトリガシリンダ11FL,11RLまたはアウトリガシリンダ11FR,11RRが同時に駆動される。
【0029】
車体前側の左右一方(例えば左方)のみジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をF位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をL位置に操作する。このスイッチ操作によりコントローラ101は、操作レバー26が中立位置から操作されたときにだけソレノイド34aを励磁する。したがって、操作レバー26が中立位置から操作されている間は、電磁切換弁34のみが切換位置aに切り換えられ、操作レバー26の中立位置からの操作によってアウトリガシリンダ11FLのオペレートチェック弁12a,12bのみにパイロット圧が作用してチェック弁12a,12bを開放し、油圧ポンプ21からの圧油によってアウトリガシリンダ11FLのみが独立して駆動される。なお、車体後側の左右一方(例えば左方)のみジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をR位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をL位置に操作すると、電磁切換弁36のみが切換位置aに切り換えられ、以降上記と同様の動作により、アウトリガシリンダ11RLのみが独立して駆動される。
【0030】
車体全体をジャッキアップ/ダウンするときは、前後切換スイッチ51をA位置に操作するとともに左右切換スイッチ52をA位置に操作する。これにより、コントローラ101は、操作レバー26が中立位置から操作されたときにだけソレノイド34a〜37aを全て励磁し、電磁切換弁34〜37はそれぞれ切換位置aに切り換えられる。操作レバー26が操作されると、アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRのオペレートチェック弁12a,12bにそれぞれパイロット圧が作用してオペレートチェック弁12a,12bを開放し、油圧ポンプ21からの圧油によって全てアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRが同時に駆動して車体全体がジャッキアップ/ダウンされる。
【0031】
−−−アウトリガシリンダ11への過大な負担の防止について−−−
アウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態で掘削作業などを行うと、作業負荷の変動によって、各アウトリガシリンダ11に作用する荷重も変動する。作業負荷が大きく作用すると外力によってシリンダが縮退方向の荷重を受け、アウトリガシリンダ11のボトム室11aの圧油が圧縮されてシリンダが縮退する方向にストロークしようとする。このとき、オペレートチェック弁12bを介してロッド室に作動油が流入する。そして、作業負荷が小さくなったときには、ボトム室11aの圧油の圧力によって変化したシリンダストロークが元に戻ろうとするが、ロッド室11b内に流入した作動油は、オペレートチェック弁12bで封止されるため、ロッド室の油室の圧力が上昇することとなる。
【0032】
このような作業負荷の変動等による作動油の流入が繰り返されると、ロッド室11bの圧力が次第に上昇して、アウトリガシリンダ11に大きな負担を与える恐れがある。通常、アウトリガシリンダ11のピストンの面積は、シリンダロッドの存在によってボトム室側よりもロッド室側の方が狭い。したがって、ボトム室11aよりもロッド室11bの圧力の方が高くなる。そのため、ロッド室側の各部へ過大な負担が掛かり、アウトリガシリンダ11に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0033】
そこで、第1の実施の形態に係わる油圧回路では、コントローラ101がアウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断すると、操作レバー26が操作されていないとき(すなわち操作レバー26が中立位置にあるとき)にだけ、ソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換える。これにより、全てのオペレートチェック弁12bのパイロットポートにパイロット管路32からのパイロット圧が作用して全てのオペレートチェック弁12bを開放させることで、ロッド室11bからの圧油の流出が許容される。したがって、上述したように作業負荷によってシリンダストロークが変化しても、それに応じてロッド室11b内の圧油が適宜流通されるので、ロッド室11bの圧力が次第に上昇するということがない。
【0034】
なお、コントローラ101は、アウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断した場合であっても、操作レバー26が操作されている場合には、ソレノイド38aを消磁して電磁切換弁38を切換位置bに切り換えるようにしている。これは、操作レバー26が操作されている間は、ジャッキアップ/ダウンの最中であり、掘削作業等を行ってはおらず、上述したような作業負荷の変動によってアウトリガシリンダ11へ過大な負担かかる恐れがないため、電磁切換弁38を切換位置aに切り換える必要がないからである。
【0035】
第1の実施の形態に係わる油圧回路では、アウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であるか否かを判断するために、油圧ポンプ21の吐出圧力を検出する圧力センサ102をさらに備え、操作レバー26の操作状態と、油圧ポンプ21の吐出圧力とによってコントローラ101が判断するようにした。具体的には、次の2つの条件をともに満たしたときに、コントローラ101は、アウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断する。
(1)全てのアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRが伸長するように操作レバー26が操作されたこと。
(2)全てのアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRの伸長操作に際して、操作レバー26の操作中に油圧ポンプ21の吐出圧が所定の圧力(閾値P1)以上となったこと。
【0036】
ここで、閾値P1には、たとえば、アウトリガシリンダ11のシリンダロッドが伸長して車体を浮かせるために必要な油圧ポンプ21の吐出圧力を設定する。換言すると、閾値P1は、アウトリガシリンダ11のシリンダロッドが伸長されて、アウトリガ10によって車体が浮いている状態での吐出圧力である。
【0037】
また、コントローラ101は、上述のようにアウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断した後、アウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態ではない(ジャッキダウンさせた状態である)と判断すると、操作レバー26の操作の有無にかかわらず、ソレノイド38aを消磁し、電磁切換弁38を切換位置bに切り換える。このようにすることでロッド室11bからの圧油の流出を防止して、上方に引き上げられたアウトリガ10がその自重で下降してしまうことを防止する。
【0038】
第1の実施の形態に係わる油圧回路では、アウトリガ10で車体をジャッキダウンさせた状態であるか否かを、操作レバー26の操作状態と、油圧ポンプ21の吐出圧力とによってコントローラ101が判断する。具体的には、次の(a)の条件を満たしたときに、コントローラ101は、車体をジャッキダウンさせた状態であると判断する。
(a) いずれかのアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRが縮退するように操作レバー26が操作されている間に、油圧ポンプ21の吐出圧が所定の圧力(閾値P2)以上となったこと。
【0039】
ここで、閾値P2は、たとえば、アウトリガシリンダ11のシリンダロッドが最も縮退された状態における油圧ポンプ21の吐出圧力である。
【0040】
上述した第1の実施の形態の作業車両の油圧装置では、次の作用効果を奏する。
(1) コントローラ101がアウトリガ10で車体をジャッキアップさせた状態であると判断すると、操作レバー26が中立位置にあるときには、ソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換えるように構成した。これにより、全てのオペレートチェック弁12bにパイロット管路32からのパイロット圧が作用するので、上述したように、全てのオペレートチェック弁12bが単なる開放弁として機能し、全てのロッド室11bからの圧油の流出が許容される。そのため、上述したように作業負荷が変動してロッド室11bに圧油が流入しても、負荷が作用しなくなったときにはロッド室11bの圧油が流出できるので、上述したようにロッド室の圧力が次第に上昇することがない。したがって、簡単な油圧回路の構成によって、アウトリガシリンダ11への過大な負担を与えてしまうことを防止できる。
【0041】
また、このように構成することにより、たとえば全てのアウトリガシリンダ11のロッド側油室11bとオペレートチェック弁12bとを結ぶ管路にリリーフ弁を設ける場合と比較して、コストを抑制できる。
【0042】
(2) 操作レバー26の操作状態と油圧ポンプ21の吐出圧力の検出値とによってジャッキアップ状態であるか否か、およびジャッキダウン状態であるか否かをコントローラ101で判断するように構成した。これにより、新たにシリンダストロークセンサや近接センサ等を設けることなく、従来の油圧回路が備えているセンサ類によって当該判断を行うことができるので、コストアップを抑制できる。
【0043】
−−−第2の実施の形態−−−
図6を参照して、本発明による作業車両の油圧装置の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、ジャッキアップ状態であるか否か、およびジャッキダウン状態であるか否かの判断に、油圧ポンプ21の吐出圧力ではなく、アウトリガシリンダ11のボトム室11aの圧力を参照する点で、第1の実施の形態と異なる。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係わる油圧回路図であり、主にアウトリガシリンダ11の駆動回路を示す。なお、図3に示した第1の実施の形態に係わる油圧回路図とは、圧力センサ103が追加されている点が異なっている。圧力センサ103は、方向制御弁22とアウトリガシリンダ11のボトム室11aとを接続する管路23の圧力を検出することで、シリンダロッドの伸長操作に係るアウトリガシリンダ11のボトム室11aの圧力を検出するセンサである。
【0045】
なお、圧力センサ103は、オペレートチェック弁12aよりも上流側に設けられることが望ましい。1つの圧力センサ103によって、全てのアウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RRのボトム室11aの圧力を検出するためである。また、圧力センサ103をオペレートチェック弁12aよりも上流側に設けることで、第1の実施の形態の説明において述べたような作業負荷の変動等に起因する各油室の圧力上昇の影響を受けなくて済み、過大な圧力による圧力センサ103の破損の恐れを回避できる。
【0046】
さらに、圧力センサ103は、センタージョイント25よりも上流側である旋回体2側に設けられることが望ましい。圧力センサ103を走行体1側に設けた場合には、圧力センサ103とコントローラ101とを結ぶ信号線を接続するためには、スリップリング等を介する必要が生じるからである。
【0047】
なお、第2の実施の形態における、ジャッキアップ状態であるか否か、およびジャッキダウン状態であるか否かの判断に際しては、第1の実施の形態における当該判断に用いた圧力センサ102の検出圧力に代えて、圧力センサ103の検出圧力を用いる点が異なるだけである。他の点については、第1の実施の形態と同様である。そして、第2の実施の形態の作業車両の油圧装置では、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0048】
−−−第3の実施の形態−−−
図7を参照して、本発明による作業車両の油圧装置の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1および第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、ロッド室11bの圧力を直接検出して、ロッド室11bの圧力が所定の圧力を超えるとオペレートチェック弁12bからの圧油の流出を許可する点で、第1および第2の実施の形態と異なる。
【0049】
図7は、本発明の第3の実施の形態に係わる油圧回路図であり、車両の左前部のアウトリガシリンダ11FLの周辺を抜き出して示した図である。なお、図4に示した第1の実施の形態に係わる油圧回路図とは、圧力センサ104が追加されている点が異なっている。圧力センサ104は、オペレートチェック弁12bとアウトリガシリンダ11のロッド室11bとを接続する管路の圧力を検出することで、アウトリガシリンダ11のロッド室11bの圧力を検出するセンサである。圧力センサ104は、各アウトリガシリンダ11FL,11FR,11RL,11RR毎に設けられている。
【0050】
本実施の形態では、コントローラ101は、いずれかの圧力センサ104で検出された圧力が所定の圧力(閾値P3)以上となったとき、全ての圧力センサ104で検出される圧力が所定の圧力(閾値P4)を下回るまでソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換える。これにより、全てのオペレートチェック弁12bにパイロット管路32からのパイロット圧が作用するので、全てのオペレートチェック弁12bが単なる開放弁として機能し、全てのロッド室11bからの圧油の流出が許容される。したがって、第1の実施の形態の説明において述べたように作業負荷が変動してロッド室11bに圧油が流入してロッド室11bの圧力が上昇しても、ロッド室11bから圧油が流出可能となるので、上述したようなロッド油室の圧力上昇に伴う不具合を防止できる。
【0051】
ここで、閾値P3は、たとえば、アウトリガシリンダ11のシリンダロッドを縮退させてアウトリガ10を走行体1に格納している際に、アウトリガ10の自重によってロッド室11bに掛かる圧力よりも高い値であって、アウトリガシリンダ11のロッド室11bが許容する圧力よりも低い値である必要がある。閾値P3は、たとえば、アウトリガシリンダ11のロッド室11bが許容する圧力の90%程度の値に設定してもよい。
【0052】
また、閾値P4は、たとえば、アウトリガシリンダ11のシリンダロッドを縮退させてアウトリガ10を走行体1に格納している際に、アウトリガ10の自重によってロッド室11bに掛かる圧力よりも高い値であって、上記閾値P3よりも低い値である必要がある。
【0053】
−−−変形例−−−
(1) 上述した第3の実施の形態では、いずれかの圧力センサ104で検出された圧力が閾値P3以上となったとき、全ての圧力センサ104で検出される圧力が閾値P4を下回るまでソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換えるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、いずれかの圧力センサ104で検出された圧力が閾値P3以上となったとき、あらかじめ定められた所定時間T1の間だけソレノイド38aを励磁して電磁切換弁38を切換位置aに切り換えるように構成してもよい。ここで、所定時間T1は、ロッド室11bから圧油が流出して、ロッド室11bの圧力が、アウトリガシリンダ11の不具合を防止するのに十分な圧力にまで低下するのに要する時間を少なくとも確保できるような時間であることが望ましく、たとえば、数秒程度に設定される。
(2) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、ボトム側油室およびロッド側油室のいずれか一方の油室に圧油を供給することでシリンダロッドを伸長または縮退させることによって車両をジャッキアップするアウトリガ用油圧シリンダと、ボトム側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第1の弁装置と、ロッド側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第2の弁装置と、第1および第2の弁装置に信号を出力する信号出力手段と、アウトリガ用油圧シリンダによって車両がジャッキアップされているか否かを判断するジャッキアップ判断手段と、ジャッキアップ判断手段で車両がジャッキアップされていると判断されると、ロッド側油室の圧油の流出を許可するように第2の弁装置に対して信号を出力するよう信号出力手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする各種構造の作業車両の油圧装置を含むものである。
【符号の説明】
【0055】
1 走行体 2 旋回体
10 アウトリガ 11 アウトリガシリンダ
12 オペレートチェック弁 21 油圧ポンプ(メインポンプ)
22 方向制御弁 26 操作レバー
34〜38 電磁切換弁 51 前後切換スイッチ
52 左右切換スイッチ 101 コントローラ
102〜104 圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトム側油室およびロッド側油室のいずれか一方の油室に圧油を供給することでシリンダロッドを伸長または縮退させることによって車両をジャッキアップするアウトリガ用油圧シリンダと、
前記ボトム側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第1の弁装置と、
前記ロッド側油室に供給された圧油の流出を外部からの信号によって禁止または許可をする逆止弁を有する第2の弁装置と、
前記第1および第2の弁装置に信号を出力する信号出力手段と、
前記アウトリガ用油圧シリンダによって前記車両がジャッキアップされているか否かを判断するジャッキアップ判断手段と、
前記ジャッキアップ判断手段で前記車両がジャッキアップされていると判断されると、前記ロッド側油室の圧油の流出を許可するように前記第2の弁装置に対して信号を出力するよう前記信号出力手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする作業車両の油圧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両の油圧装置において、
前記第1の弁装置は、パイロット圧油が供給されるか否かによって、前記ボトム側油室に供給された圧油の流出を禁止または許可をする第1のオペレートチェック弁であり、
前記第2の弁装置は、パイロット圧油が供給されるか否かによって、前記ロッド側油室に供給された圧油の流出を禁止または許可をする第2のオペレートチェック弁であり、
前記信号出力手段は、前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記信号としてのパイロット圧油を前記第1および第2の弁装置に出力するか否かを切り替える電磁切換弁であることを特徴とする作業車両の油圧装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の作業車両の油圧装置において、
前記アウトリガ用油圧シリンダの前記シリンダロッドを伸長または縮退させることで前記車両をジャッキアップするように操作部が操作されたことを検出する操作検出手段と、
前記アウトリガ用油圧シリンダに圧油を供給する油圧ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧力検出手段または、前記第1または第2の弁手段と前記油圧ポンプとの間の油路に設けられて前記ボトム側油室の圧力を検出するボトム圧力検出手段をさらに備え、
前記ジャッキアップ判断手段は、前記車両をジャッキアップするように前記操作部が操作されたことを前記操作検出手段で検出されている間に、前記油圧ポンプの吐出圧力または前記ボトム側油室の圧力が所定の閾値以上の圧力であることを前記吐出圧力検出手段または前記ボトム圧力検出手段で検出すると、前記車両がジャッキアップされていると判断し、
前記制御手段は、前記ジャッキアップ判断手段で前記車両がジャッキアップされていると判断された後、さらに前記操作部が操作されていないことが前記操作検出手段で検出されると、前記ロッド側油室に供給された圧油の流出を許可するように、前記第2の弁装置に対して信号を出力するよう前記信号出力手段を制御することを特徴とする作業車両の油圧装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の作業車両の油圧装置において、
前記ロッド側油室の圧力を検出するロッド圧力検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ロッド圧力検出手段で検出される圧力が所定の閾値を超えたときに、前記ロッド側油室に供給された圧油の流出を許可するように、前記第2の弁装置に対して信号を出力するよう前記信号出力手段を制御することを特徴とする作業車両の油圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−159160(P2012−159160A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20371(P2011−20371)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】