作業車輌
【課題】雰囲気温度や湿度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和し、作業能率の向上および安全性の向上を図る。
【解決手段】第1に、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて基準発汗量を補正する補正手段とを設ける。第2に、操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて基準発汗量を補正する補正手段とを設ける。
【解決手段】第1に、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて基準発汗量を補正する補正手段とを設ける。第2に、操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて基準発汗量を補正する補正手段とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車輌に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業車輌の操縦においては、不整地での走行が多く、また機体に装備した各種の作業装置を操作しながら走行することとなるために、車体の振動によるストレスや細かな操縦に気を使うことによる神経的なストレスが要因となって、操縦者が早期に疲労する傾向にある。このため、作業継続時間が長くなると、疲労の蓄積によって集中力が低下し、操縦ミスを起しやすくなってしまう。
【0003】
そこで、特許文献1に示すように、操縦者の発汗量から操縦者のストレスを検出し、このストレスに応じてアクセルペダル等の操作反力を大小に自動調節する技術がある。また、特許文献2に示すように、脈拍や血圧等からオペレータのストレスを判定し、音声や香気などを発してこのストレスを緩和しようとする技術がある。このような音声や香気は、操縦者の脳波に影響を与えてα波を多くする音楽や、操縦者を覚醒する作用を有した香料などが利用される。
【特許文献1】特開2005−343317号公報
【特許文献2】特開2000−357022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術においては、作業車輌に搭乗する作業者の発汗量の変化が、作業のストレスに起因するものか、或いは周囲の気温や湿度の変化によるものか、区別することができない。
【0005】
例えばコンバインにおいては、地域や品種によってその収穫時期が異なり、涼しい時期から暑い時期にかけて、気温や湿度の異なる環境下で収穫作業を行なう。このため、操縦者の発汗量は、同一人物であっても環境によって変化し、真に作業に起因したストレスと発汗量との関係は一律にはならない。
【0006】
従って、操縦部に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段を設け、該発汗量検出手段による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段を作動させるように構成しただけでは、雰囲気温度や湿度の影響を受けて発汗量が増してもストレス緩和手段が作動してしまい、真に作業に起因したストレスによる発汗量の変化だけを検出して、ストレス緩和手段を作動させることができない。このため、操縦者のストレスを適切に緩和することができず、作業能率の低下や安全性の低下を防ぐことができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌としたものである。
【0008】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動する。また、雰囲気温度検出手段10によって操縦部5における作業者の雰囲気温度が検出され、この雰囲気温度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気温度の変化の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌としたものである。
【0010】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動する。また、雰囲気湿度検出手段11によって操縦部5における作業者の雰囲気湿度が検出され、この雰囲気湿度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気湿度の変化の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレス緩和手段(7,8)を、ストレス緩和作用のある音声または香気を発生する発生器によって構成したことを特徴とする請求項1または2記載の作業車輌したものである。
【0012】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動し、発生器からストレス緩和作用のある音声または香気が発生する。また、雰囲気温度検出手段10又は雰囲気湿度検出手段11によって操縦部5における作業者の雰囲気温度又は雰囲気湿度が検出され、この雰囲気温度又は雰囲気湿度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気温度または雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によると、雰囲気温度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
また、請求項2記載の発明によると、雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
【0014】
また、請求項3記載の発明によると、ストレス緩和作用のある音声または香気によって、雰囲気温度または雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明における作業車輌の実施の形態を、コンバインを例示して説明する。
図1、図2に示すように、このコンバインは、クローラ式の走行装置1の上側に、脱穀装置2と穀粒貯留装置3とを左右に並べて搭載し、脱穀装置2の前側に刈取装置4を昇降自在に設け、穀粒貯留装置3の前側に操縦部5を設けて構成する。
【0016】
前記走行装置1は、機体前部に設けるミッションケース(図示省略)から駆動される左右のホイルスプロケット1aと、転輪フレーム1bに軸支した多数の転輪1c群とにわたってクローラ1dを巻き掛けて構成する。
【0017】
前記脱穀装置2は、扱胴を回転自在に内装すると共にその外側面側にフィードチェン及び挟扼杆2aを備えた上部の扱室と、揺動選別棚を揺動自在に備えると共に、該揺動選別棚の下側において前側から、唐箕、一番移送螺旋、二番移送螺旋を備えた選別室とから構成する。
【0018】
前記穀粒貯留装置3は、前記一番移送螺旋から一番揚穀筒3aを介して穀粒が貯留される貯留部3bと、該貯留部3bの後側に立設されて旋回及び昇降及び伸縮操作自在に構成した穀粒排出筒3cとから構成する。
【0019】
前記刈取装置4は、穀稈を分草する分草体4aと、該分草体4aによって分草した穀稈を引起す引起装置4bと、該引起装置4bによって引起した穀稈を刈り取る刈刃4cと、該刈刃4cによって刈り取った穀稈を搬送する株元側及び穂先側の搬送装置と、該搬送装置から穀稈を引き継いで前記フィードチェンへ引き継がせる引継搬送装置4dから構成する。
【0020】
前記操縦部5は、キャビン5aの内部において、エンジンを被覆するエンジンカバーの上部に座席5bを搭載し、該座席5bの前方に配置した前部操作パネルの右側上面に、機体の走行方向を左右に調節すると共に前記刈取装置4を昇降調節することのできる操向レバー5cを立設する。該操向レバー5cの後側を迂回するようにハンドル5dを設け、該ハンドル5d上における操向レバー5cの後側の部位に手首載せ用のパッド5eを取り付ける。また、前記座席5bの側方には、前記ミッションケースへ駆動力を入力する静油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバーと、ミッションケース内の副変速機構を変速切換する副変速レバーと、前記刈取装置の駆動を入り切り操作する刈取クラッチレバーと、前記脱穀装置2の駆動を入り切り操作する脱穀クラッチレバーと、前記穀粒排出筒3cを旋回及び昇降させる操作レバーと、該穀粒排出筒3cを伸縮作動させる伸縮操作スイッチと、前記貯留部3bの底部移送螺旋及び穀粒排出筒3c内の排出螺旋の駆動を入り切り操作する排出クラッチレバーとを設ける。
【0021】
しかして、前記操向レバー5cの把持部及び主変速レバーの把持部に、夫々電極(発汗量検出手段)6を設ける。該電極6は、各把持部の連続面に所定の間隔をおいて陽極と陰極とを配置し、この把持部を把持した際に、操縦者の手のひらが両極に接触するように構成する。
【0022】
また、前記キャビン5aの天井側の位置に、音声発生用のスピーカ(発生器)7を取り付ける。該スピーカ7は、ラジオ・ステレオのスピーカを共用してもよい。
また、前記キャビン5a内において、エアーコンディショナーの内部に香気発生用の超音波加振器(発生器)8を設ける。該超音波加振器8は、容器に蓄えた液状の香料を超音波振動によって微細に砕いて、エアーコンディショナーの噴出し風と共にキャビン5a内に噴霧するものである。この香料としては、所謂アロマテラピーに利用される薬草や花などの香り成分を含んだものを利用する。この香り成分により、神経の鎮静やストレスの軽減を図ることができるものである。
【0023】
そして、図3に示すように、コントローラ(制御手段)9に対して、その入力側に前記電極6を接続する一方、その出力側に前記スピーカ7と超音波加振器8とを接続する。
これにより、操縦者が操向レバー5cの把持部または主変速レバーの把持部を把持すると、電極6が操縦者の手のひらに接触して、この手のひらの汗によって短絡状態となるが、この短絡による通電量(抵抗値)は発汗量によって変化する。即ち、この通電量の変化によって発汗量が検出される。
【0024】
そして、この検出された発汗量が、コントローラ9に設定された基準発汗量を超えた場合に、該コントローラ9から前記スピーカ7及び超音波加振器8に出力がなされ、ストレス緩和手段8が作動する。
【0025】
即ち、前記スピーカ7からは、例えばクラシック音楽のように脳に影響を与えて脳波中のα波を増加させる音楽が流れる。この音楽は、前記コントローラ9に記憶させておく構成とするが、コントローラ9の外部機器としてプレーヤを装備し、音楽CDをセットして構成してもよい。また、操縦者の好みに応じた選曲ができるように構成するとよい。
【0026】
また、前記超音波加振器8への出力によって該超音波加振器8が作動し、容器に蓄えた香料が霧化されてエアーコンディショナーの噴出し風に混入されてキャビン5a内に噴出される。これを操縦者が吸うことにより、操縦者の神経が鎮静されると共にストレスが緩和ないし軽減される。
【0027】
しかして、上記構成を備えた上で、更に、前記キャビン5a内に、外気温度を検出する温度センサ(雰囲気温度検出手段)10と湿度を検出する湿度センサ(雰囲気湿度検出手段)11とを設け、該温度センサ10と湿度センサ11とを前記コントローラ9の入力側に接続する。これにより、図3に示すストレス緩和システムが構成される。
【0028】
これにより、キャビン5a内の外気温度及び湿度を、温度センサ10及び湿度センサ11によって検出して、この検出された外気温度及び湿度に応じて、前記基準発汗量が補正されるように構成する。即ち、図4に、横軸に外気温度をとり、縦軸に発汗量をとったグラフを示すが、外気温度変化に伴う発汗量の変化ラインPOを概念的に表わした場合、摂氏25度から摂氏35度までの範囲において、このラインPO1上での発汗量の増加率に対して、ストレスによる発汗量の増加比率を2倍として修正ラインPO2を設定する。そして、同一の外気温度におけるラインPO1上から得られる発汗量と、修正ラインPO2上から得られる発汗量との差を算出して、この差分だけ前記基準発汗量を補正する。即ち、外気温度が上昇するほど、基準発汗量を大きくする補正を行なうものである。
【0029】
また、図5に、横軸に外気湿度をとり、縦軸に発汗量をとったグラフを示すが、外気湿度変化に伴う発汗量の変化ラインPS1を概念的に表わした場合、湿度50%から湿度100%までの範囲において、このラインPS1上での発汗量の増加率に対して、ストレスによる発汗量の増加比率を2倍として修正ラインPS2を設定する。そして、同一の外気湿度におけるラインPS1上から得られる発汗量と、修正ラインPS2上から得られる発汗量との差を算出して、この差分だけ前記基準発汗量を補正する。即ち、外気湿度が上昇するほど、基準発汗量を大きくする補正を行なうものである。
【0030】
尚、上記図4、図5は、外気温度または外気湿度と発汗量との関係を概念的に表わしたものであるが、実際に発汗量の測定を行なって基礎データを得て決定される。
上記は、操縦者のストレスを発汗量の測定に基づいて検出する構成を示したが、次に、操縦者のストレスを検出する別の手段について説明する。
【0031】
図6に、前記操向レバー5c部の正面図および側面図を示す。該操向レバー5cの左右傾動支点軸12の左右両側に、該操向レバー5cの左右傾動を検出する2つのリミットスイッチ13L,13Rを配置し、操向レバー5cの左右傾動操作によって左右のリミットスイッチ13L,13RのうちのいずれかがONすると、コントローラからの出力によってミッションケース内のサイドクラッチが遮断操作されてこの操作側のホイルスプロケット1aへの駆動力の伝達が断たれ、車体の走行方向がこの側に操向される構成である。尚、14は操向レバー5cの前後傾動支点軸であり、操向レバー5cを前後方向に傾動操作することにより、刈取装置4昇降駆動用のシリンダへ送油されて、該刈取装置4を任意に昇降操作することができる。
【0032】
そして、図7に示すように、コントローラ15に対して、その入力側に前記左右のリミットスイッチ13L,13Rを接続する一方、その出力側にブザー16とモニター17とを接続して、疲労度検出・報知システムを構成する。前記コントローラ15には、このコンバインを利用する操縦者が疲労していない状態での、通常の刈取作業時における操向レバー5cの操作頻度(単位時間当たり又は単位走行距離当たりのリミットスイッチ13L,13RのON/OFF回数)を常時検出しながら記憶設定しておく。そして、刈取作業中に、この操作頻度が所定の範囲を超えて低下した場合に、操縦者が疲労したと判定して、ブザー15を鳴動させると共に、モニター17に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示して、作業の中断ないし終了を促すように構成する。このように、操向レバー5cの操作回数を常時監視することによって操縦者の疲労を判定することができ、作業走行の安全性を向上させることができるものである。
【0033】
次に、図8に示すように、コンバインの穀粒貯留装置3における貯留部3bの前側上部に超音波センサ18を取り付け、該超音波センサ18によって、この前側の座席5bに着座した操縦者の後頭部または背部との距離を測定できるように構成する。
【0034】
そして、図9に示すように、コントローラ19に対して、その入力側に前記超音波センサ18を接続する一方、その出力側にブザー20とモニター21とを接続して、疲労度検出・報知システムを構成する。前記コントローラ19には、このコンバインを利用する操縦者が疲労していない状態での、通常の刈取作業時における貯留部3bの前面から操縦者の後頭部または背部までの距離を常時検出しながら記憶設定しておく。そして、刈取作業中に、操縦者が眠気を催して姿勢が前側に崩れ、前記超音波センサ18による測定距離が所定の範囲を超えて増加した場合や、この測定距離が増減を繰り返すような場合に、操縦者が疲労したと判定して、ブザー20を鳴動させると共に、モニター21に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示して、作業の中断ないし終了を促すように構成する。このように、操縦者の姿勢を常時監視することによって操縦者の疲労を判定することができ、作業走行の安全性を向上させることができるものである。
【0035】
また、図10に示すように、上述の操向レバー5cの操作頻度や超音波センサ18による操縦者の姿勢検出手段から操縦者の疲労度を検出し、コンバインの車体ピッチング機構を作動させるように構成してもよい。即ち、コントローラ22に対して、その入力側に、疲労度検出手段としての前記リミットスイッチ13L,13Rと超音波センサ18を接続する一方、その出力側に、モニター23とピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uとピッチングシリンダ短縮用ソレノイド24Dとを接続する。該ピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uに出力されると、ピッチングシリンダへ送油されて車体の前部が上昇するように強制的にピッチング作動し、ピッチングシリンダ短縮用ソレノイド24Dに出力されると、ピッチングシリンダから返油されて車体の前部が下降するように強制的にピッチング作動する構成である。これを疲労度検出・警告システムと称する。
【0036】
この構成により、操縦者が疲労したと判定された場合に、モニター23に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示すると共に、ピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uに出力されて車体の前部が上昇するように強制的にピッチング作動する。これにより、操縦者が疲労して反応が鈍くなった状態では、車体の前部を設定高さまで上昇させることによって、該車体前部の刈取装置4の分草体4a等が圃場面に突っ込んで破損するような不具合を少なくすることができる。
【0037】
また、図11に示すように、刈取装置4の駆動を入り切りする刈取クラッチレバー25部に、該刈取クラッチレバー25が入り操作されたことを検出する刈取クラッチ入り検出スイッチ26を設け、穀粒貯留装置3に設ける穀粒排出筒3c部の穀粒排出駆動を入り切り操作する排出クラッチレバー27部に、該排出クラッチレバー27が入り操作されたことを検出する排出クラッチ入り検出スイッチ28を設ける。そして、図12に示すように、コントローラ29に対して、その入力側に前記刈取クラッチ入り検出スイッチ26と排出クラッチ入り検出スイッチ28とを接続する一方、その出力側に、ブザー30とモニター31とを接続する。
【0038】
この構成により、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONした刈取作業開始時点から、該刈取クラッチ入り検出スイッチ26がOFFすると共に排出クラッチ入り検出スイッチ28がONしてからOFFした時点(刈取作業が終了し穀粒排出作業も完了した時点)までの時間を計測し、この一行程の作業サイクルをコントローラ29に記憶していく。そして、この作業サイクルが長くなると、操縦者が疲労して刈取作業の能率が低下したと判定して、ブザー30を鳴動させてこの状態を報知すると共に、モニター31に「作業能率が低下しています。休憩してください。」、「疲労しています。休憩してください。」等のメッセージを表示する。これにより、操縦者は、自分の疲労度を認識することができ、能率の良い刈取作業を行なうことができる。
【0039】
また、上記作業サイクルが長短に変化した場合に、報知及びメッセージを行なうように構成してもよい。操縦者によっては、疲労した場合に、焦燥感から、作業サイクルが短くなる場合があるからである。
【0040】
また、図13に示すように、操縦部5に指紋認証装置32を設置して操縦者個人を特定できるように構成し、操縦者ごとに、前記作業サイクルの変化による報知を個別に行なえるように構成してもよい。即ち、コントローラ33に対して、その入力側に、前記刈取クラッチ入り検出スイッチ26と排出クラッチ入り検出スイッチ28と指紋認証装置32とを接続する一方、その出力側にモニター34を接続して、指紋認証による個別報知システムを構成する。そして、上述のようにして操縦者の疲労が検出された場合に、モニター34に「Aさん、作業開始からX時間が経過しました。休憩してください。」等のメッセージを表示するように構成する。これにより、例えば操縦者A,B,C,Dがこのコンバインを利用する場合、各個人ごとに作業サイクルを記憶することができるため、疲労度の報知を適切に行うことができる。
【0041】
また、図14に示すように、主変速レバー5fの前後回動支点部にギヤ部5gを形成し、該ギヤ部5gに、変速用電動モータ35の出力軸に取り付けた出力ギヤ36を噛み合わせる。そして、図15に示すように、コントローラ37に対して、その入力側に刈取クラッチ入り検出スイッチ26を接続する一方、その出力側に前記変速用電動モータ35を接続して、自動減速システムを構成してもよい。これにより、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONして刈取作業が開始されてから所定の時間が経過した場合に、コントローラ37から変速用電動モータ35へ減速出力がなされてコンバインの車速が自動的に設定速度まで減速される。これにより、操縦者が疲労してきた状態では車速が自動的に減速されるため、この刈取作業を安全に行なうことができる。また、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONして刈取作業が開始されてから所定の時間が経過した場合に、コントローラ37から変速用電動モータ35へ減速出力がなされてコンバインの車速が自動的に減速されて停車にまで至るように構成してもよい。これにより、操縦者が疲労してきた状態では車速が自動的に減速されて停車するため、安全性を向上させることができる。
【0042】
また、図16に示すように、最初の作業サイクルを測定してこれを標準時間として記憶し、次回以降の作業サイクルが短縮された場合に、この短縮比率をモニターに表示するように構成してもよい。これにより、操縦者が、現時点での作業速度の目安を確認できるため、操縦者自身の疲労度を認識することができる。
【0043】
また、図17に示すように、コントローラ38に対して、その入力側に、脱穀装置2における扱室部の振動を検出する振動センサ39と、主変速レバー5fの操作位置を検出するポテンショメータ40とを接続する一方、その出力側に前記変速用電動モータ35を接続して、自動車速減速システムを構成してもよい。これにより、脱穀装置2に過大な量の穀稈が供給されて扱室内が過負荷状態になり、扱室部から異常振動が発生したことを前記振動センサ39によって検出すると、コントローラ38から変速用電動モータ35へ減速出力がなされて、主変速レバー5fが自動的に減速側へ傾動操作される。このように、扱室から異常振動が発生した場合、操縦者は異常状態を察知してこれがストレスの原因になるのであるが、車速を自動的に減速して扱室への供給穀稈量を減少させることによって、扱室内の過負荷状態を解消できるために、操縦者のストレスを自動的に解消できる。また、操縦者は主変速レバー5fを手動で減速操作する必要がないために、操向レバー5c等の操作に専念することができる。
【0044】
また、上述のように、扱室からの異常振動が検出された場合に、自動扱ぎ深さ制御装置を浅扱ぎ側に制御して扱室内の過負荷を軽減し、扱室内からの異常振動が検出されなくなった時点で、自動扱ぎ深さ制御装置を通常の稈長センサによる制御状態に復帰させるように構成してもよい。尚、前記振動センサ39は、扱室上部の扱胴カバーに取り付ける。これにより、手動による扱ぎ深さ調節が不要となり、操作性が向上する。
【0045】
また、図18に示すように、上記通常の扱ぎ深さ制御は、穂先側センサ41と株元側センサ42との間に穀稈の穂先部が位置する状態をニュートラル状態とし、穂先側センサ41と株元側センサ42との両方が穀稈を検出してONした場合に深扱ぎ状態と判定して浅扱ぎ側へ制御し、穂先側センサ41と株元側センサ42との両方が穀稈を検出せずにOFFした場合に浅扱ぎ状態と判定して深扱ぎ側へ制御する構成である。しかるに、図19に示すように、コントローラ43に対して、その入力側に、前記振動センサ39と穂先側センサ41と株元側センサ42とを接続する一方、その出力側に扱ぎ深さ調節モータ44を接続して、扱室過負荷によるストレスの解消システムを構成してもよい。これにより、振動センサ39によって扱室の異常振動が検出されると、上記通常の扱ぎ深さ制御状態から、ON状態であった株元側センサ42がOFFに切り替わるまで浅扱ぎ側の出力が行なわれる。これによって、扱室への穀稈の穂先の突っ込み量が小さくなり、扱室内の負荷が減少して、扱室の異常振動が小さくなって、操縦者のストレスが軽減される。
【0046】
また、図20に刈取装置4における引起装置4bの構成を示す。該引起装置4bは、引起ケース4b1に対して、その上部に駆動軸4b2に軸装された駆動スプロケット4b3を配置し、その下部に遊動ローラ4b4を軸支し、これら駆動スプロケット4b3と遊動ローラ4b4と図示省略したテンションスプロケットとにわたって、多数のラグ4b5を軸着したチェン4b6を巻き掛けて構成する。そして、前記駆動軸4b2にトルクセンサ45を設け、該トルクセンサ45によって引起し負荷を検出できるように構成する。この引起し負荷は、植立穀稈が起立した姿勢では小さくなり、植立穀稈が倒伏した姿勢では大きくなる。そして、図21に示すように、コントローラ46に対して、その入力側に前記トルクセンサ45を接続する一方、その出力側にモニター47を接続して、引起し負荷によるストレス報知システムを構成する。これにより、トルクセンサ45によって引起し負荷を検出し、モニター47に「穀稈が倒伏しています。車速を減速してください。」等の表示がなされる。これにより、操縦者が無理に刈取作業を行ない、刈取装置4や扱室で穀稈が詰まったり、刈取装置4が破損したりするような不具合を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】コンバインの正面図。
【図2】コンバインの側面図。
【図3】ストレス緩和システムのブロック回路図。
【図4】横軸に外気温度、縦軸に発汗量をとったグラフ。
【図5】横軸に外気湿度、縦軸に発汗量をとったグラフ。
【図6】操向レバー部の正面図および側面図。
【図7】疲労度検出・報知システムのブロック回路図。
【図8】コンバインの側面図。
【図9】疲労度検出・報知システムのブロック回路図。
【図10】疲労度検出・警告システムのブロック回路図。
【図11】コンバインの側面図。
【図12】疲労判定・報知システムのブロック回路図。
【図13】指紋認証による個別報知システムのブロック回路図。
【図14】主変速レバー部の側面図。
【図15】自動減速システムのブロック回路図。
【図16】作業サイクル短縮比率のモニター表示画面。
【図17】自動車速減速システムのブロック回路図。
【図18】穂先側センサおよび株元側センサの正面図。
【図19】扱室過負荷によるストレスの解消システムのブロック回路図。
【図20】引起装置の構成を示す説明用斜視図。
【図21】引起し負荷によるストレス報知システムのブロック回路図。
【符号の説明】
【0048】
5 操縦部
6 発汗量検出手段
7 スピーカ(ストレス緩和手段)
8 超音波加振器(ストレス緩和手段)
9 制御手段
10 温度センサ(雰囲気温度検出手段)
11 湿度センサ(雰囲気湿度検出手段)
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車輌に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業車輌の操縦においては、不整地での走行が多く、また機体に装備した各種の作業装置を操作しながら走行することとなるために、車体の振動によるストレスや細かな操縦に気を使うことによる神経的なストレスが要因となって、操縦者が早期に疲労する傾向にある。このため、作業継続時間が長くなると、疲労の蓄積によって集中力が低下し、操縦ミスを起しやすくなってしまう。
【0003】
そこで、特許文献1に示すように、操縦者の発汗量から操縦者のストレスを検出し、このストレスに応じてアクセルペダル等の操作反力を大小に自動調節する技術がある。また、特許文献2に示すように、脈拍や血圧等からオペレータのストレスを判定し、音声や香気などを発してこのストレスを緩和しようとする技術がある。このような音声や香気は、操縦者の脳波に影響を与えてα波を多くする音楽や、操縦者を覚醒する作用を有した香料などが利用される。
【特許文献1】特開2005−343317号公報
【特許文献2】特開2000−357022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来技術においては、作業車輌に搭乗する作業者の発汗量の変化が、作業のストレスに起因するものか、或いは周囲の気温や湿度の変化によるものか、区別することができない。
【0005】
例えばコンバインにおいては、地域や品種によってその収穫時期が異なり、涼しい時期から暑い時期にかけて、気温や湿度の異なる環境下で収穫作業を行なう。このため、操縦者の発汗量は、同一人物であっても環境によって変化し、真に作業に起因したストレスと発汗量との関係は一律にはならない。
【0006】
従って、操縦部に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段を設け、該発汗量検出手段による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段を作動させるように構成しただけでは、雰囲気温度や湿度の影響を受けて発汗量が増してもストレス緩和手段が作動してしまい、真に作業に起因したストレスによる発汗量の変化だけを検出して、ストレス緩和手段を作動させることができない。このため、操縦者のストレスを適切に緩和することができず、作業能率の低下や安全性の低下を防ぐことができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌としたものである。
【0008】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動する。また、雰囲気温度検出手段10によって操縦部5における作業者の雰囲気温度が検出され、この雰囲気温度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気温度の変化の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌としたものである。
【0010】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動する。また、雰囲気湿度検出手段11によって操縦部5における作業者の雰囲気湿度が検出され、この雰囲気湿度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気湿度の変化の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記ストレス緩和手段(7,8)を、ストレス緩和作用のある音声または香気を発生する発生器によって構成したことを特徴とする請求項1または2記載の作業車輌したものである。
【0012】
これにより、操縦部5に搭乗した操縦者の発汗量が、発汗量検出手段6によって検出され、この検出結果が基準発汗量を超えた場合に、ストレス緩和手段7,8が作動し、発生器からストレス緩和作用のある音声または香気が発生する。また、雰囲気温度検出手段10又は雰囲気湿度検出手段11によって操縦部5における作業者の雰囲気温度又は雰囲気湿度が検出され、この雰囲気温度又は雰囲気湿度に応じて前記基準発汗量が補正される。これによって、雰囲気温度または雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスが適切に緩和される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によると、雰囲気温度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
また、請求項2記載の発明によると、雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
【0014】
また、請求項3記載の発明によると、ストレス緩和作用のある音声または香気によって、雰囲気温度または雰囲気湿度の影響を受けずに操縦者のストレスを緩和することができ、作業能率の向上および安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明における作業車輌の実施の形態を、コンバインを例示して説明する。
図1、図2に示すように、このコンバインは、クローラ式の走行装置1の上側に、脱穀装置2と穀粒貯留装置3とを左右に並べて搭載し、脱穀装置2の前側に刈取装置4を昇降自在に設け、穀粒貯留装置3の前側に操縦部5を設けて構成する。
【0016】
前記走行装置1は、機体前部に設けるミッションケース(図示省略)から駆動される左右のホイルスプロケット1aと、転輪フレーム1bに軸支した多数の転輪1c群とにわたってクローラ1dを巻き掛けて構成する。
【0017】
前記脱穀装置2は、扱胴を回転自在に内装すると共にその外側面側にフィードチェン及び挟扼杆2aを備えた上部の扱室と、揺動選別棚を揺動自在に備えると共に、該揺動選別棚の下側において前側から、唐箕、一番移送螺旋、二番移送螺旋を備えた選別室とから構成する。
【0018】
前記穀粒貯留装置3は、前記一番移送螺旋から一番揚穀筒3aを介して穀粒が貯留される貯留部3bと、該貯留部3bの後側に立設されて旋回及び昇降及び伸縮操作自在に構成した穀粒排出筒3cとから構成する。
【0019】
前記刈取装置4は、穀稈を分草する分草体4aと、該分草体4aによって分草した穀稈を引起す引起装置4bと、該引起装置4bによって引起した穀稈を刈り取る刈刃4cと、該刈刃4cによって刈り取った穀稈を搬送する株元側及び穂先側の搬送装置と、該搬送装置から穀稈を引き継いで前記フィードチェンへ引き継がせる引継搬送装置4dから構成する。
【0020】
前記操縦部5は、キャビン5aの内部において、エンジンを被覆するエンジンカバーの上部に座席5bを搭載し、該座席5bの前方に配置した前部操作パネルの右側上面に、機体の走行方向を左右に調節すると共に前記刈取装置4を昇降調節することのできる操向レバー5cを立設する。該操向レバー5cの後側を迂回するようにハンドル5dを設け、該ハンドル5d上における操向レバー5cの後側の部位に手首載せ用のパッド5eを取り付ける。また、前記座席5bの側方には、前記ミッションケースへ駆動力を入力する静油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバーと、ミッションケース内の副変速機構を変速切換する副変速レバーと、前記刈取装置の駆動を入り切り操作する刈取クラッチレバーと、前記脱穀装置2の駆動を入り切り操作する脱穀クラッチレバーと、前記穀粒排出筒3cを旋回及び昇降させる操作レバーと、該穀粒排出筒3cを伸縮作動させる伸縮操作スイッチと、前記貯留部3bの底部移送螺旋及び穀粒排出筒3c内の排出螺旋の駆動を入り切り操作する排出クラッチレバーとを設ける。
【0021】
しかして、前記操向レバー5cの把持部及び主変速レバーの把持部に、夫々電極(発汗量検出手段)6を設ける。該電極6は、各把持部の連続面に所定の間隔をおいて陽極と陰極とを配置し、この把持部を把持した際に、操縦者の手のひらが両極に接触するように構成する。
【0022】
また、前記キャビン5aの天井側の位置に、音声発生用のスピーカ(発生器)7を取り付ける。該スピーカ7は、ラジオ・ステレオのスピーカを共用してもよい。
また、前記キャビン5a内において、エアーコンディショナーの内部に香気発生用の超音波加振器(発生器)8を設ける。該超音波加振器8は、容器に蓄えた液状の香料を超音波振動によって微細に砕いて、エアーコンディショナーの噴出し風と共にキャビン5a内に噴霧するものである。この香料としては、所謂アロマテラピーに利用される薬草や花などの香り成分を含んだものを利用する。この香り成分により、神経の鎮静やストレスの軽減を図ることができるものである。
【0023】
そして、図3に示すように、コントローラ(制御手段)9に対して、その入力側に前記電極6を接続する一方、その出力側に前記スピーカ7と超音波加振器8とを接続する。
これにより、操縦者が操向レバー5cの把持部または主変速レバーの把持部を把持すると、電極6が操縦者の手のひらに接触して、この手のひらの汗によって短絡状態となるが、この短絡による通電量(抵抗値)は発汗量によって変化する。即ち、この通電量の変化によって発汗量が検出される。
【0024】
そして、この検出された発汗量が、コントローラ9に設定された基準発汗量を超えた場合に、該コントローラ9から前記スピーカ7及び超音波加振器8に出力がなされ、ストレス緩和手段8が作動する。
【0025】
即ち、前記スピーカ7からは、例えばクラシック音楽のように脳に影響を与えて脳波中のα波を増加させる音楽が流れる。この音楽は、前記コントローラ9に記憶させておく構成とするが、コントローラ9の外部機器としてプレーヤを装備し、音楽CDをセットして構成してもよい。また、操縦者の好みに応じた選曲ができるように構成するとよい。
【0026】
また、前記超音波加振器8への出力によって該超音波加振器8が作動し、容器に蓄えた香料が霧化されてエアーコンディショナーの噴出し風に混入されてキャビン5a内に噴出される。これを操縦者が吸うことにより、操縦者の神経が鎮静されると共にストレスが緩和ないし軽減される。
【0027】
しかして、上記構成を備えた上で、更に、前記キャビン5a内に、外気温度を検出する温度センサ(雰囲気温度検出手段)10と湿度を検出する湿度センサ(雰囲気湿度検出手段)11とを設け、該温度センサ10と湿度センサ11とを前記コントローラ9の入力側に接続する。これにより、図3に示すストレス緩和システムが構成される。
【0028】
これにより、キャビン5a内の外気温度及び湿度を、温度センサ10及び湿度センサ11によって検出して、この検出された外気温度及び湿度に応じて、前記基準発汗量が補正されるように構成する。即ち、図4に、横軸に外気温度をとり、縦軸に発汗量をとったグラフを示すが、外気温度変化に伴う発汗量の変化ラインPOを概念的に表わした場合、摂氏25度から摂氏35度までの範囲において、このラインPO1上での発汗量の増加率に対して、ストレスによる発汗量の増加比率を2倍として修正ラインPO2を設定する。そして、同一の外気温度におけるラインPO1上から得られる発汗量と、修正ラインPO2上から得られる発汗量との差を算出して、この差分だけ前記基準発汗量を補正する。即ち、外気温度が上昇するほど、基準発汗量を大きくする補正を行なうものである。
【0029】
また、図5に、横軸に外気湿度をとり、縦軸に発汗量をとったグラフを示すが、外気湿度変化に伴う発汗量の変化ラインPS1を概念的に表わした場合、湿度50%から湿度100%までの範囲において、このラインPS1上での発汗量の増加率に対して、ストレスによる発汗量の増加比率を2倍として修正ラインPS2を設定する。そして、同一の外気湿度におけるラインPS1上から得られる発汗量と、修正ラインPS2上から得られる発汗量との差を算出して、この差分だけ前記基準発汗量を補正する。即ち、外気湿度が上昇するほど、基準発汗量を大きくする補正を行なうものである。
【0030】
尚、上記図4、図5は、外気温度または外気湿度と発汗量との関係を概念的に表わしたものであるが、実際に発汗量の測定を行なって基礎データを得て決定される。
上記は、操縦者のストレスを発汗量の測定に基づいて検出する構成を示したが、次に、操縦者のストレスを検出する別の手段について説明する。
【0031】
図6に、前記操向レバー5c部の正面図および側面図を示す。該操向レバー5cの左右傾動支点軸12の左右両側に、該操向レバー5cの左右傾動を検出する2つのリミットスイッチ13L,13Rを配置し、操向レバー5cの左右傾動操作によって左右のリミットスイッチ13L,13RのうちのいずれかがONすると、コントローラからの出力によってミッションケース内のサイドクラッチが遮断操作されてこの操作側のホイルスプロケット1aへの駆動力の伝達が断たれ、車体の走行方向がこの側に操向される構成である。尚、14は操向レバー5cの前後傾動支点軸であり、操向レバー5cを前後方向に傾動操作することにより、刈取装置4昇降駆動用のシリンダへ送油されて、該刈取装置4を任意に昇降操作することができる。
【0032】
そして、図7に示すように、コントローラ15に対して、その入力側に前記左右のリミットスイッチ13L,13Rを接続する一方、その出力側にブザー16とモニター17とを接続して、疲労度検出・報知システムを構成する。前記コントローラ15には、このコンバインを利用する操縦者が疲労していない状態での、通常の刈取作業時における操向レバー5cの操作頻度(単位時間当たり又は単位走行距離当たりのリミットスイッチ13L,13RのON/OFF回数)を常時検出しながら記憶設定しておく。そして、刈取作業中に、この操作頻度が所定の範囲を超えて低下した場合に、操縦者が疲労したと判定して、ブザー15を鳴動させると共に、モニター17に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示して、作業の中断ないし終了を促すように構成する。このように、操向レバー5cの操作回数を常時監視することによって操縦者の疲労を判定することができ、作業走行の安全性を向上させることができるものである。
【0033】
次に、図8に示すように、コンバインの穀粒貯留装置3における貯留部3bの前側上部に超音波センサ18を取り付け、該超音波センサ18によって、この前側の座席5bに着座した操縦者の後頭部または背部との距離を測定できるように構成する。
【0034】
そして、図9に示すように、コントローラ19に対して、その入力側に前記超音波センサ18を接続する一方、その出力側にブザー20とモニター21とを接続して、疲労度検出・報知システムを構成する。前記コントローラ19には、このコンバインを利用する操縦者が疲労していない状態での、通常の刈取作業時における貯留部3bの前面から操縦者の後頭部または背部までの距離を常時検出しながら記憶設定しておく。そして、刈取作業中に、操縦者が眠気を催して姿勢が前側に崩れ、前記超音波センサ18による測定距離が所定の範囲を超えて増加した場合や、この測定距離が増減を繰り返すような場合に、操縦者が疲労したと判定して、ブザー20を鳴動させると共に、モニター21に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示して、作業の中断ないし終了を促すように構成する。このように、操縦者の姿勢を常時監視することによって操縦者の疲労を判定することができ、作業走行の安全性を向上させることができるものである。
【0035】
また、図10に示すように、上述の操向レバー5cの操作頻度や超音波センサ18による操縦者の姿勢検出手段から操縦者の疲労度を検出し、コンバインの車体ピッチング機構を作動させるように構成してもよい。即ち、コントローラ22に対して、その入力側に、疲労度検出手段としての前記リミットスイッチ13L,13Rと超音波センサ18を接続する一方、その出力側に、モニター23とピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uとピッチングシリンダ短縮用ソレノイド24Dとを接続する。該ピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uに出力されると、ピッチングシリンダへ送油されて車体の前部が上昇するように強制的にピッチング作動し、ピッチングシリンダ短縮用ソレノイド24Dに出力されると、ピッチングシリンダから返油されて車体の前部が下降するように強制的にピッチング作動する構成である。これを疲労度検出・警告システムと称する。
【0036】
この構成により、操縦者が疲労したと判定された場合に、モニター23に「疲れています。休憩してください。」、「危険です。停車してください。」等のメッセージを表示すると共に、ピッチングシリンダ伸長用ソレノイド24Uに出力されて車体の前部が上昇するように強制的にピッチング作動する。これにより、操縦者が疲労して反応が鈍くなった状態では、車体の前部を設定高さまで上昇させることによって、該車体前部の刈取装置4の分草体4a等が圃場面に突っ込んで破損するような不具合を少なくすることができる。
【0037】
また、図11に示すように、刈取装置4の駆動を入り切りする刈取クラッチレバー25部に、該刈取クラッチレバー25が入り操作されたことを検出する刈取クラッチ入り検出スイッチ26を設け、穀粒貯留装置3に設ける穀粒排出筒3c部の穀粒排出駆動を入り切り操作する排出クラッチレバー27部に、該排出クラッチレバー27が入り操作されたことを検出する排出クラッチ入り検出スイッチ28を設ける。そして、図12に示すように、コントローラ29に対して、その入力側に前記刈取クラッチ入り検出スイッチ26と排出クラッチ入り検出スイッチ28とを接続する一方、その出力側に、ブザー30とモニター31とを接続する。
【0038】
この構成により、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONした刈取作業開始時点から、該刈取クラッチ入り検出スイッチ26がOFFすると共に排出クラッチ入り検出スイッチ28がONしてからOFFした時点(刈取作業が終了し穀粒排出作業も完了した時点)までの時間を計測し、この一行程の作業サイクルをコントローラ29に記憶していく。そして、この作業サイクルが長くなると、操縦者が疲労して刈取作業の能率が低下したと判定して、ブザー30を鳴動させてこの状態を報知すると共に、モニター31に「作業能率が低下しています。休憩してください。」、「疲労しています。休憩してください。」等のメッセージを表示する。これにより、操縦者は、自分の疲労度を認識することができ、能率の良い刈取作業を行なうことができる。
【0039】
また、上記作業サイクルが長短に変化した場合に、報知及びメッセージを行なうように構成してもよい。操縦者によっては、疲労した場合に、焦燥感から、作業サイクルが短くなる場合があるからである。
【0040】
また、図13に示すように、操縦部5に指紋認証装置32を設置して操縦者個人を特定できるように構成し、操縦者ごとに、前記作業サイクルの変化による報知を個別に行なえるように構成してもよい。即ち、コントローラ33に対して、その入力側に、前記刈取クラッチ入り検出スイッチ26と排出クラッチ入り検出スイッチ28と指紋認証装置32とを接続する一方、その出力側にモニター34を接続して、指紋認証による個別報知システムを構成する。そして、上述のようにして操縦者の疲労が検出された場合に、モニター34に「Aさん、作業開始からX時間が経過しました。休憩してください。」等のメッセージを表示するように構成する。これにより、例えば操縦者A,B,C,Dがこのコンバインを利用する場合、各個人ごとに作業サイクルを記憶することができるため、疲労度の報知を適切に行うことができる。
【0041】
また、図14に示すように、主変速レバー5fの前後回動支点部にギヤ部5gを形成し、該ギヤ部5gに、変速用電動モータ35の出力軸に取り付けた出力ギヤ36を噛み合わせる。そして、図15に示すように、コントローラ37に対して、その入力側に刈取クラッチ入り検出スイッチ26を接続する一方、その出力側に前記変速用電動モータ35を接続して、自動減速システムを構成してもよい。これにより、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONして刈取作業が開始されてから所定の時間が経過した場合に、コントローラ37から変速用電動モータ35へ減速出力がなされてコンバインの車速が自動的に設定速度まで減速される。これにより、操縦者が疲労してきた状態では車速が自動的に減速されるため、この刈取作業を安全に行なうことができる。また、刈取クラッチ入り検出スイッチ26がONして刈取作業が開始されてから所定の時間が経過した場合に、コントローラ37から変速用電動モータ35へ減速出力がなされてコンバインの車速が自動的に減速されて停車にまで至るように構成してもよい。これにより、操縦者が疲労してきた状態では車速が自動的に減速されて停車するため、安全性を向上させることができる。
【0042】
また、図16に示すように、最初の作業サイクルを測定してこれを標準時間として記憶し、次回以降の作業サイクルが短縮された場合に、この短縮比率をモニターに表示するように構成してもよい。これにより、操縦者が、現時点での作業速度の目安を確認できるため、操縦者自身の疲労度を認識することができる。
【0043】
また、図17に示すように、コントローラ38に対して、その入力側に、脱穀装置2における扱室部の振動を検出する振動センサ39と、主変速レバー5fの操作位置を検出するポテンショメータ40とを接続する一方、その出力側に前記変速用電動モータ35を接続して、自動車速減速システムを構成してもよい。これにより、脱穀装置2に過大な量の穀稈が供給されて扱室内が過負荷状態になり、扱室部から異常振動が発生したことを前記振動センサ39によって検出すると、コントローラ38から変速用電動モータ35へ減速出力がなされて、主変速レバー5fが自動的に減速側へ傾動操作される。このように、扱室から異常振動が発生した場合、操縦者は異常状態を察知してこれがストレスの原因になるのであるが、車速を自動的に減速して扱室への供給穀稈量を減少させることによって、扱室内の過負荷状態を解消できるために、操縦者のストレスを自動的に解消できる。また、操縦者は主変速レバー5fを手動で減速操作する必要がないために、操向レバー5c等の操作に専念することができる。
【0044】
また、上述のように、扱室からの異常振動が検出された場合に、自動扱ぎ深さ制御装置を浅扱ぎ側に制御して扱室内の過負荷を軽減し、扱室内からの異常振動が検出されなくなった時点で、自動扱ぎ深さ制御装置を通常の稈長センサによる制御状態に復帰させるように構成してもよい。尚、前記振動センサ39は、扱室上部の扱胴カバーに取り付ける。これにより、手動による扱ぎ深さ調節が不要となり、操作性が向上する。
【0045】
また、図18に示すように、上記通常の扱ぎ深さ制御は、穂先側センサ41と株元側センサ42との間に穀稈の穂先部が位置する状態をニュートラル状態とし、穂先側センサ41と株元側センサ42との両方が穀稈を検出してONした場合に深扱ぎ状態と判定して浅扱ぎ側へ制御し、穂先側センサ41と株元側センサ42との両方が穀稈を検出せずにOFFした場合に浅扱ぎ状態と判定して深扱ぎ側へ制御する構成である。しかるに、図19に示すように、コントローラ43に対して、その入力側に、前記振動センサ39と穂先側センサ41と株元側センサ42とを接続する一方、その出力側に扱ぎ深さ調節モータ44を接続して、扱室過負荷によるストレスの解消システムを構成してもよい。これにより、振動センサ39によって扱室の異常振動が検出されると、上記通常の扱ぎ深さ制御状態から、ON状態であった株元側センサ42がOFFに切り替わるまで浅扱ぎ側の出力が行なわれる。これによって、扱室への穀稈の穂先の突っ込み量が小さくなり、扱室内の負荷が減少して、扱室の異常振動が小さくなって、操縦者のストレスが軽減される。
【0046】
また、図20に刈取装置4における引起装置4bの構成を示す。該引起装置4bは、引起ケース4b1に対して、その上部に駆動軸4b2に軸装された駆動スプロケット4b3を配置し、その下部に遊動ローラ4b4を軸支し、これら駆動スプロケット4b3と遊動ローラ4b4と図示省略したテンションスプロケットとにわたって、多数のラグ4b5を軸着したチェン4b6を巻き掛けて構成する。そして、前記駆動軸4b2にトルクセンサ45を設け、該トルクセンサ45によって引起し負荷を検出できるように構成する。この引起し負荷は、植立穀稈が起立した姿勢では小さくなり、植立穀稈が倒伏した姿勢では大きくなる。そして、図21に示すように、コントローラ46に対して、その入力側に前記トルクセンサ45を接続する一方、その出力側にモニター47を接続して、引起し負荷によるストレス報知システムを構成する。これにより、トルクセンサ45によって引起し負荷を検出し、モニター47に「穀稈が倒伏しています。車速を減速してください。」等の表示がなされる。これにより、操縦者が無理に刈取作業を行ない、刈取装置4や扱室で穀稈が詰まったり、刈取装置4が破損したりするような不具合を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】コンバインの正面図。
【図2】コンバインの側面図。
【図3】ストレス緩和システムのブロック回路図。
【図4】横軸に外気温度、縦軸に発汗量をとったグラフ。
【図5】横軸に外気湿度、縦軸に発汗量をとったグラフ。
【図6】操向レバー部の正面図および側面図。
【図7】疲労度検出・報知システムのブロック回路図。
【図8】コンバインの側面図。
【図9】疲労度検出・報知システムのブロック回路図。
【図10】疲労度検出・警告システムのブロック回路図。
【図11】コンバインの側面図。
【図12】疲労判定・報知システムのブロック回路図。
【図13】指紋認証による個別報知システムのブロック回路図。
【図14】主変速レバー部の側面図。
【図15】自動減速システムのブロック回路図。
【図16】作業サイクル短縮比率のモニター表示画面。
【図17】自動車速減速システムのブロック回路図。
【図18】穂先側センサおよび株元側センサの正面図。
【図19】扱室過負荷によるストレスの解消システムのブロック回路図。
【図20】引起装置の構成を示す説明用斜視図。
【図21】引起し負荷によるストレス報知システムのブロック回路図。
【符号の説明】
【0048】
5 操縦部
6 発汗量検出手段
7 スピーカ(ストレス緩和手段)
8 超音波加振器(ストレス緩和手段)
9 制御手段
10 温度センサ(雰囲気温度検出手段)
11 湿度センサ(雰囲気湿度検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項3】
前記ストレス緩和手段(7,8)を、ストレス緩和作用のある音声または香気を発生する発生器によって構成したことを特徴とする請求項1または2記載の作業車輌。
【請求項1】
操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段(10)と、該雰囲気温度検出手段(10)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
操縦部(5)に搭乗した操縦者の発汗量を検出する発汗量検出手段(6)と、該発汗量検出手段(6)による検出結果が基準発汗量を超えた場合にストレス緩和手段(7,8)を作動させる制御手段(9)と、前記操縦部(5)における操縦者の雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出手段(11)と、該雰囲気湿度検出手段(11)による検出結果に応じて前記基準発汗量を補正する補正手段とを設けたことを特徴とする作業車輌。
【請求項3】
前記ストレス緩和手段(7,8)を、ストレス緩和作用のある音声または香気を発生する発生器によって構成したことを特徴とする請求項1または2記載の作業車輌。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−54915(P2008−54915A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235330(P2006−235330)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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