説明

便座装置

【課題】 漏電時に漏電遮断の適切な実施を担保できるように、漏電遮断機能の確認試験を自動制御する便座装置を提供する。
【解決手段】 便座装置のメイン制御部10は、着座センサ56や人体センサ57の検出結果を利用して、便座装置が使用されている状態にあるか否かを定期的に判定し、便座装置が使用されていない状態であると判定したときには、漏電遮断部であるリレー機構20のリレー接点21をリレー駆動部12により試験的に開閉させ、リレー異常検出部14に異常の有無を検出させる。これにより、必要最低限の漏電遮断機能の確認を不使用時に行うことができるため、漏電遮断部が正常に遮断動作をするか否かが確認済の状態で使用できるので、漏電遮断の適切な実施を担保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房便座や温水洗浄便座等の便座装置に関し、特に、漏電遮断機能と当該漏電遮断機能の異常を確認する機能とを有する便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暖房便座や温水洗浄便座等の便座装置は、衛生製品であるため水を使用する環境に設置されるが、電気製品でもあるために漏電への対策が必要となるため、漏電遮断機能を有している。具体的には、例えば、便座装置に給電するための電源プラグに漏電遮断器が一体化された構成、あるいは、便座装置本体に漏電遮断回路が含まれている構成等が知られている。一般に、漏電遮断器又は漏電遮断回路(以下、便宜上まとめて漏電遮断部と称する。)は、動作時に電気的な接続を確実に遮断するために、リレー機構に代表される機械的な手段を備えている。
【0003】
ところで、前記漏電遮断部は、漏電時における電気的な接続を遮断する動作(以下、遮断動作と称する。)を確実なものとするため、正常な遮断動作ができるか否かを確認する試験を、定期的に行う必要がある。リレー機構における代表的な異常としてはリレー接点の溶着が挙げられる。それゆえ、通常、漏電遮断部を備える便座装置には遮断動作の確認用のテストボタン(試験用スイッチ)が設けられている。便座装置の使用者が前記テストボタンを押下すれば、漏電遮断部内では模擬的な漏電状態が発生するようになっているため、漏電遮断部の遮断動作が正常に行われれば、当該漏電遮断部のリレー機構におけるリレー接点が遮断される。リレー接点の遮断は、ランプ等の表示手段によって使用者に告知されるので、使用者は、漏電遮断部の遮断動作が正常に行われていることを確認することができる。
【0004】
このような漏電遮断部を備える便座装置としては、従来からさまざまな構成のものが提案されている。例えば、特許文献1では、漏電遮断部が作動した状態では感電の可能性のある部位を商用電源から確実に遮断し、安全性が確実に確保される部位のみを継続して通電する構成の衛生洗浄装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−082044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の便座装置では、漏電遮断機能を確認する試験(以下特に断りのない限り、単に「確認試験」と略す。)を使用者に委ねていることになるため、使用者にとっては、確認試験のタイミングが分かりにくい可能性があるとともに、確認試験そのものを失念する可能性がある。
【0007】
そこで、前記確認試験を制御により自動化するとすれば、便座装置の使用期間や使用頻度等の指標に基づいて自動的に確認試験を行うことが想定される。便座装置の使用期間が長くなったり使用回数が多くなったりすれば、もちろん便座装置そのものの機能が徐々に低下する。そして、代表的な漏電遮断部であるリレー機構では、例えば、リレー接点の閉成時に大きな突入電流が生じると溶着の可能性が高まることが知られているため、確かにリレー機構の劣化にも便座装置の使用期間や使用頻度が影響する。
【0008】
ただし、漏電遮断部は、便座装置の使用に伴って必ず遮断動作を行うものではなく、あくまで漏電という非常事態において遮断動作の確実性が保障されるべきものである。つまり、漏電遮断部は、漏電という低頻度の事態の発生時に遮断動作を行うものであり、理想的には、漏電遮断部は、便座装置の使用期間や使用頻度とは独立して機能が保障されるべきものである。それゆえ、前記確認試験は、単純に自動化すればよいものではなく、使用時に漏電が発生しても適切に漏電遮断部の遮断動作が行われることを保障できるように、使用期間や使用頻度等を指標としないで確認試験を行うように制御することが望ましい。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、漏電遮断部を有する便座装置において、漏電という低頻度の事態が発生しても漏電の遮断の適切な実施を担保できるように、漏電遮断部の遮断動作(漏電遮断機能)を確認する確認試験を自動制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討した結果、使用者によって便座装置が使用されている状態にあるか否かを判定し、これを漏電遮断部の遮断動作の確認のトリガーとして、便座装置が使用されていない時に優先して前記確認試験を行うよう制御することにより、使用時においては、遮断動作の確認が完了して正常な遮断動作が担保されているか、あるいは、漏電遮断部に異常が発生している場合にはその旨報知することができることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明に係る便座装置は、便座と、前記便座を加熱する便座ヒータと、少なくとも前記便座ヒータに電力を供給する主給電路を遮断及び閉成するリレー、及び、前記主給電路を通じた漏電の発生に伴い前記主給電路を遮断するように前記リレーを駆動するリレー駆動部、を備えている漏電遮断部と、前記リレーによる前記主給電路の遮断又は閉成が正常に実現されていない状態をリレー異常として検出するリレー異常検出器と、少なくとも前記リレー駆動部を制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記便座が使用されていないときに、前記リレー駆動部により前記主給電路を遮断するように前記リレーを動作させ、かつ、前記リレー異常検出器を通じて前記リレー異常の有無を判定させることにより、前記漏電遮断部の確認試験を行わせるよう構成されている。
【0012】
前記構成によれば、単に自動で漏電遮断部の確認試験を行うのではなく、少なくとも便座が使用されていないときに確認試験を行うように制御器が制御している。そのため、漏電遮断部の遮断動作の信頼性に基づいて、必要最低限の遮断動作の確認を便座装置が使用されていない時に行うことができる。したがって、便座装置を使用する時点では、基本的には漏電遮断部が正常に遮断動作を行うことができるか否かが確認済となっているので、便座装置の使用時には漏電遮断の適切な実施を担保することができる。
【0013】
また、便座装置を使用していない時に漏電遮断部の確認試験が行われることから、万が一漏電遮断部にリレー異常が発生したことが検出された場合であっても、次の使用時には、リレー異常が発生した旨を報知したり、安全性を高めるために便座装置の全体動作を停止させたりすることができる。さらには、次の使用時に、漏電遮断部の使用期限や交換時期等を報知することも可能となる。
【0014】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、前記制御器は、当該便座装置が使用されていない不使用状態にあるときに、前記漏電遮断部の確認試験を行うよう構成されていることが好ましい。
【0015】
前記構成によれば、便座装置が不使用状態であるときに前記確認試験を行うことになるので、便座装置を使用する時点では、基本的には漏電遮断部が正常に遮断動作するか否かが確認済とすることができる。さらに、漏電遮断機能の確認試験を不使用時に行うため、確認試験時に発生する機械音等を使用者が耳にすることもないので、使用者に誤解を招いたり不快感を生じさせたりする事態も回避することができる。
【0016】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、前記便座が設置された便器が使用されているか否かを検出する便器使用検出器をさらに備え、前記制御器は、前記便座使用検出器を通じて、前記便器が使用されていない不使用状態にあることを検出してから、前記漏電遮断部の確認試験を行うよう構成されていることが好ましい。
【0017】
前記構成によれば、便器の使用の有無を検出して不使用状態にあるか否かを判定することになるので、男子小用のように、便座が使用されていなくても便器を使用している状態も使用状態と判断することができる。それゆえ、確認試験を行うべき不使用状態をより適切に判定することができる。
【0018】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、前記便座に着座した使用者の局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータおよび前記使用者の局部を乾燥させる風を加熱する乾燥ヒータを有する洗浄部をさらに備えており、前記主給電路は、さらに前記温水ヒータ及び前記乾燥ヒータに電力を供給する構成であることが好ましい。
【0019】
前記構成によれば、前記便座装置が、衛生洗浄機能を備えているため、当該機能を備える場合であっても、漏電遮断部の確認試験を適切に行うことができる。
【0020】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、前記漏電遮断部の前記確認試験を行う指令を入力するための試験用スイッチをさらに備え、前記制御器は、前記試験用スイッチから前記指令が入力されたときに前記漏電遮断部の前記確認試験を行う構成であることが好ましい。
【0021】
前記構成によれば、自動的な確認試験の実施だけでなく、使用者の判断により、自動的な確認試験とは独立して確認試験が行われることになるので、漏電遮断機能の確認をより一層確実なものとすることができる。
【0022】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、前記制御器の制御に制御異常があるか否かを検出し、当該制御異常を検出したときには前記リレーに前記主給電路を遮断させる制御器異常処理部をさらに備えている構成であることがより好ましい。
【0023】
前記構成によれば、リレー異常だけでなく、リレー駆動の制御そのものの異常(制御異常)についても、漏電遮断機能の異常として検出することができるので、漏電遮断機能が有効であるか否かをより確実に判定することができる。
【0024】
前記便座装置においては、前記構成に加えて、使用者へ情報を報知する報知器をさらに備え、前記制御器は、前記確認試験の結果、前記リレー異常または前記制御異常が検出されたときには、前記報知器に漏電遮断機能が異常であることを報知させるよう構成されていることが好ましく、当該構成においては、さらに、前記制御器は、前記確認試験の結果、前記リレー異常または前記制御異常が検出されたときには、前記便座装置の全体動作を停止させるよう構成されていることがより好ましい。
【0025】
前記構成によれば、報知器を備えることで、使用者は漏電遮断機能の異常を適切に確認することができるだけでなく、漏電遮断機能に異常が生じていれば、制御器により全体動作が停止される構成されていれば、異常が生じている状態で不用意に使用者が便座装置を使用することがなく、使用者にとっての安全性をより一層高めることができる。
【0026】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、漏電遮断機能を有する便座装置において、漏電という低頻度の事態が発生しても漏電遮断の適切な実施を担保できるように、漏電遮断機能の確認試験を自動制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態1に係る便座装置の電気的構成の一例を示す回路図である。
【図2】図1に示す便座装置の外観の一例を示す模式的斜視図である。
【図3】図1に示す便座装置が備えるリレー駆動部及びリレー異常検出部の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】図3に示すリレー駆動部及びリレー異常検出部を用いた場合に行われる、漏電遮断機能の確認試験の制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】(a)及び(b)は、図4に示す制御で用いられるリレー動作判定信号について、リレーが正常に動作する場合と異常が発生した場合とを対比したチャート図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る便座装置の電気的構成の一例を示す回路図である。
【図7】図6に示す便座装置が備えるメイン制御異常処理部の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【図8】図7に示すメイン制御異常処理部を用いた場合に行われる、漏電遮断機能の確認試験の制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0030】
(実施の形態1)
[便座装置の基本構成]
まず本実施の形態に係る便座装置の具体的な構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る便座装置の電気的構成の一例を示す回路図である。図2は、図1に示す便座装置の外観の一例を示す模式的斜視図である。
【0031】
図2に示すように、本実施の形態に係る便座装置50は、本体部51、表示・操作部52、便座部53、便蓋部54、リモートコントローラ55、着座センサ56と、人体センサ57とを備えている。便座装置50の本体部51、便座部53及び便蓋部54は、一体的に組み付けられて便器60の上面に設置される。以下、便座30に着座した使用者から見て前方を前、後方を後ろ、左右側方を左右として説明する。
【0032】
本体部51には、便座・便蓋駆動開閉部を介して便座部53の後部が回動可能に支持されており、便座部53の後部には、同じく便座・便蓋開閉部を介して便蓋部54の後部が回動可能に支持されている。
【0033】
本体部51の筐体は中空の箱状に形成されており、本体部51の右側部には便座装置50に備えられた機能のうち主要な一部を操作するとともに使用者に情報表示するための表示・操作部が設けられ、本体部51の前部には着座センサ56が設けられている。
【0034】
また、本体部51には、何れも図示しないが、便座部53に着座した使用者の局部へ洗浄水を噴出する洗浄ノズル、洗浄ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給機構、及び洗浄ノズルに供給される洗浄水を温める温水ヒータ、使用者の局部等を洗浄後に乾燥する乾燥ヒータ等からなる洗浄器と、表示・操作部52、着座センサ56、リモートコントローラ55、及び人体センサ57からの信号を受けて便座装置50の全体動作を制御する制御部とが内蔵されている。すなわち、本実施の形態に係る便座装置50は、便座の暖房機能に加えて、局部等の洗浄機能を備えた衛生洗浄装置となっている。また、図示しないが、本体部51は、漏電遮断部としてのリレー機構も備えており、このリレー機構は、後述するように、少なくとも便座ヒータ、温水ヒータ及び乾燥ヒータを含む主回路に電力を供給する主給電路に挿入されている。
【0035】
着座センサ56は、便座部53に使用者が着座したことを検出するものであり、本体部51の前部に設けられている。本実施の形態において、着座センサ56は反射型の赤外センサで構成されており、着座センサ56は、赤外線を本体部51の前面から便座部53の上方へ向けて投射するとともに便座部53に着座した人体で反射された赤外線を検出して、この検出信号を本体部51の制御部へ送信する。制御部では、着座センサ56から検出信号を受信して、便座部53上に使用者が存在することが検知される。
【0036】
リモートコントローラ55は、トイレットルーム内において便座部53に着座した使用者が操作可能な位置に設置される。このリモートコントローラ55には、便座装置50に備えられた機能を操作するための操作部が設けられている。リモートコントローラ55は、本体部51の制御部と無線通信可能に構成されており、リモートコントローラ55の操作部にて入力された操作信号は本体部51の制御部へ送信され、制御部では受信した操作信号に応じた便座装置50の全体動作の制御を行う。
【0037】
人体センサ57は、トイレットルーム内に使用者が入室したことを検出するものであり、トイレットルームの壁面等に設置される。本実施の形態において、人体センサ57は反射型の赤外センサで構成されており、人体センサ57は、赤外線を所定位置へ向けて投射するとともに人体で反射された赤外線を検出して、この検出信号を本体部51の制御部へ送信する。本体部51の制御部では、人体センサ57から検出信号を受信して、トイレットルーム内に使用者が入室したことが検知される。
【0038】
また、前記本体部51は、図1に示すように、便座装置50の全体動作を制御するメイン制御部(制御器)10を備えている。このメイン制御部10は、後述するように、少なくとも便座が使用されていないときに漏電遮断部が正常に遮断動作(漏電時における電気的な接続を遮断する動作)を行うか否かを確認する試験(確認試験)を行うように構成されている。このメイン制御部10の具体的構成は特に限定されないが、演算器で構成されればよく、例えば、公知のマイクロコンピュータで好適に構成することができる。ここで、本発明において、制御器とは単独の制御器のみならず複数の制御器からなる制御器群をも意味する。従って、メイン制御部10は、必ずしも単独の制御部で構成される必要はなく、複数の制御部が分散配置されてそれらが協働して制御動作する制御部群で構成されていてもよい。
【0039】
本実施の形態に係る便座装置50においては、図1に示すように、少なくともヒータから構成される主回路と、少なくともメイン制御部から構成される制御回路との2系統の電気回路を備えている。便座装置50は、図1に示すように、電源プラグ30を通じて外部交流電源と接続される。電源プラグ30の出力端子には主給電路81と電源回路部11の入力端子とが互いに並列に接続されている。この主給電路81に乾燥ヒータ41b、温水ヒータ41a、及び便座ヒータ42が接続されおり、かつ図示されていないがファン駆動部33、開閉駆動部34、及びノズル駆動部35も主給電路81に接続されている。そして、少なくともこれらの構成要素33〜35、41a、41b、42が主回路を構成している。この構成により、主回路に主給電路81を通じて電源プラグ30からの交流電力が供給される。
【0040】
一方、電源回路部11の出力端子にはメイン制御部10が接続され、さらに図1には図示されていないが表示・操作部52も電源回路部11の出力端子に接続されている。そして、少なくともこれらの構成要素10、52が制御回路を構成している。この構成により、電源プラグ30からの交流電力が電源回路部11において所定電圧の直流電力に変換され、この直流電力が制御回路に供給される。これら主回路及び制御回路は互いに電気的に独立しており、主給電路81は、当該主給電路81を通じて漏電が検出されると漏電遮断部が遮断動作を行うことによって交流電源から遮断されるように構成されている。
【0041】
[漏電遮断部の構成および便座装置の制御系統]
次に、本実施の形態に係る便座装置50が備える漏電遮断部の具体的な構成について、便座装置の制御系統に関連付けて、図1および図2を参照して説明する。
【0042】
本発明では、漏電遮断部の遮断動作の確認を自動的に行うようになっているため、本実施の形態に係る便座装置50は、図1に示すように、漏電遮断部であるリレー機構20、リレー駆動部12、漏電検出部13、及びリレー異常検出部14を少なくとも備えている。つまり、本実施の形態では、リレー機構20、リレー駆動部12、漏電検出部13、及びリレー異常検出部14によって漏電遮断部が構成されている。なお、漏電遮断部としては他の構成要素を含んでもよいし、便座装置50の具体的構成によっては、一部の構成要素が漏電遮断部から省かれてもよい。
【0043】
リレー機構20及びリレー駆動部12は、図1に示すように、温水ヒータ41a、乾燥ヒータ41b、便座ヒータ42等を含む主回路及び当該主回路に電力を供給する主給電路81において漏電が発生した場合に、漏電を遮断する漏電遮断部として便座装置50に設けられている。リレー機構20は、機械的なスイッチング手段であるリレー接点21と、このリレー接点21を駆動するためのコイル22とを備えている。また、コイル22はリレー駆動部12の通電により磁場を発生するように構成されている。すなわち、リレー駆動部12によりコイル22に通電及び通電停止させることでコイル22に磁場が発生及び消滅し、この磁場の発生及び消滅により接触片21aが接触端子21bに対し接触及び離隔することにより、接触片21aと接触端子21bとからなる電気的接点(リレー接点)21を開閉する。本実施の形態における漏電遮断部は、このようにして、主給電路81を導通及び遮断する。
【0044】
前記のように、リレー接点21はコイル22及びリレー駆動部12により磁気的に開閉されるように構成されているが、リレー接点21とコイル22とは電気的に独立しているので、リレー駆動部12及び漏電検出部13等と、リレー接点21及びリレー異常検出部14等とは電気的に独立した状態で連動されていることになる。このリレー機構20の具体的構成は特に限定されないが、公知の継電器を好適に用いることができる。リレー機構20は、主給電路81を構成する一対の電気配線81a、81bの各々のできるだけ電源プラグ30に近い部分に設置される。この場合、各リレー機構20の接触端子21bが主給電路81を構成する各電気配線81a、81bに挿入される。
【0045】
リレー駆動部12は、前記リレー機構20における前記リレー接点21の開閉動作を制御するものであり、メイン制御部10から出力される開閉動作制御信号に基づき、コイル22に対し通電と通電停止とを切り替えることで、リレー接点21を開閉させる。このリレー駆動部12は、さらに漏電検出部13と接続されており、漏電検出部13により漏電が検出された場合にも、リレー接点21を開閉動作させるように構成されている。リレー駆動部12の具体的な構成は特に限定されるものではなくトランジスタ等の公知のスイッチング素子を用いた駆動回路として実現することができる。本実施の形態で採用している回路構成については後述する。
【0046】
漏電検出部13は、メイン制御部10の制御により漏電の有無を検出してリレー駆動部12に出力するものであり、本実施の形態では、検出コイルを巻き回して構成された零相変流器(ZCT)を含んでいる。この構成によれば、漏電状態の生成により主給電路81を構成する一対の電気配線81a、81bに流れる電流に両者間で差が生じ、ZCTに電圧が誘起される。これによって、漏電検出部13は漏電を検出して漏電発生信号を生成し、リレー駆動部12に出力する。リレー駆動部12はこの信号を受けて、コイル22の通電を停止し、リレー接点21を開成する。その結果、主給電回路81が遮断されて、漏電が遮断される。なお、漏電検出部13としてはZCTを用いる構成が好ましく用いられるが、公知の他の構成を用いても良い。
【0047】
リレー異常検出部14は、主給電路81に接続されており、リレー接点21の開閉動作に異常があることを検出し、メイン制御部10に出力するようになっている。その具体的な構成は特に限定されないが、主給電路81とは電気的に独立している必要があるため、フォトカプラを用いてリレー開閉動作判定信号を生成する回路構成を好適に用いることができる。本実施の形態で採用している回路構成については後述する。
【0048】
本実施の形態に係る便座装置50は、図1に示すように、温水ヒータ41a、乾燥ヒータ41b、便座ヒータ42、脱臭・乾燥ファン43、便座・便蓋開閉部44、及び洗浄ノズル45等を備えている。温水ヒータ41aは、洗浄ノズル45の洗浄動作時に常温の水を加温して温水とするためのものであり、乾燥ヒータ41bは、使用者の局部等を洗浄後に乾燥するためのものであり、便座ヒータ42は、便座の暖房のために用いられるものである。これら各ヒータは、使用者の身体に接触するかその可能性のあるものであり、暖房動作または加温動作時の電圧値が相対的に高いものであるため、これらヒータを含む主回路は、図1に示すように、リレー機構20によるリレー接点21の開成動作(つまり漏電遮断部の遮断動作)によって漏電発生時には電気的に遮断される(漏電遮断される)ように構成されている。なお、便座装置50の構成によっては、これら以外の構成についても漏電遮断されるようになっていてもよい。前記各ヒータは、メイン制御部10からの出力信号に基づき、温水ヒータ・乾燥ヒータ調節部31、又は便座ヒータ調節部32によって加熱動作及び温度調節がなされる。
【0049】
前記脱臭・乾燥ファン43は、便座装置50の使用時に脱臭したり洗浄後の臀部等を乾燥したりするため送風を行うファンである。便座・便蓋開閉部44は、便座部53及び便蓋部54を自動的に開閉するための開閉機構である。洗浄ノズル55は、使用していない状態では本体部51に収容されているが、使用時には本体部51から突出し、臀部に向かって温水を噴射するようになっている(図2参照)。これらは、メイン制御部10からの出力信号に基づき、脱臭・乾燥ファン駆動部33、便座・便蓋開閉駆動部34、又は洗浄ノズル駆動部35によって駆動する。なお、これらヒータ、ファン、洗浄ノズル等の具体的な構成は特に限定されず、本発明の技術分野で公知の構成を好適に用いることができる。
【0050】
本実施の形態に係る便座装置50は、図1及び図2に示すように、表示・操作部52、着座センサ56及び人体センサ57を備えている。図1に示すように、メイン制御部10により全体動作が制御されるとともに、これらからの出力がメイン制御部10にも入力可能となっている。すなわち、表示・操作部52では、使用者の操作により各種の操作信号がメイン制御部10に出力(入力)され、メイン制御部10では、これら操作信号に基づいて便座装置50の全体制御を行う。着座センサ56は、例えば、便座部53の後方に設置されていて、便座への使用者の着座を検出するようになっている。人体センサ57は、例えば、便所(トイレットルーム)の入口近傍に設置されていて、便所への使用者の入室を検出するようになっている。これらのセンサ56、57の検出信号はメイン制御部10に出力され、便座装置50の使用状態の判断を含む便座装置50の全体制御に利用される。
【0051】
前記表示・操作部52の具体的な構成は特に限定されず、表示部としては、LED等の発光素子を用いたランプ等の公知の表示装置を用いることができ、操作部としては、公知の各種ボタンやスイッチを用いることができる。あるいはタッチパネルタイプの液晶表示部を用いてもよい。着座センサ56及び人体センサ57の構成も特に限定されず、本発明の技術分野や他の技術分野で人体検出技術として知られる公知の構成を好適に用いることができる。ここでは、着座センサ56及び人体センサ57として反射型の赤外線センサが用いられている。なお、本実施の形態では、表示・操作部52には、漏電遮断機能が正常に実行されるか否かについての確認試験を行うためのテストボタン58と節電スイッチ59が設けられているが、これについては後述する。
【0052】
[リレー駆動部およびリレー異常検出部の構成例]
本発明に係る便座装置50は、漏電遮断部の遮断動作の確認試験を自動的に行うようになっているが、この確認試験の自動化は、単なる自動化ではなく、便座装置50を使用する時点では、すでに漏電遮断部が正常に遮断動作を行うか否かが確認済となっており、それゆえ、漏電遮断機能の適切な実行を担保することができるものとなっている。この自動化制御について、リレー駆動部12及びリレー異常検出部14の具体的構成の一例を挙げて、図3を参照して詳細に説明する。図3は、便座装置50が備えるリレー駆動部12及びリレー異常検出部14の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【0053】
まず、本実施の形態に係る便座装置50では、リレー駆動部12及びリレー異常検出部14は、図3に示すように、リレー機構20を含む主給電路81とは電気的に独立した制御回路に含まれている。前述したように、リレー機構20のリレー接点21とコイル22とは、磁気的に連結されているが電気的には独立しており、コイル22はリレー駆動部12を介してメイン制御部10に電気的につながっている。一方、リレー異常検出部14は、フォトカプラ72aを介して主給電路81とつながっているが、電気的には独立している。
【0054】
本実施の形態に係る主給電路81には、図3に示すように、リレー接点21を含むリレー機構20が直列接続されているとともに、一対の電気配線81a、81bにまたがるように、温水ヒータ41a・乾燥ヒータ41b及び便座ヒータ42が並列に接続されている。本実施の形態に係る便座装置50は、暖房便座としての機能と衛生洗浄装置としての機能とを双方具備しているが、便座ヒータ42は暖房便座の構成要素であり、乾燥ヒータ41a及び温水ヒータ41bは臀部等を洗浄するための洗浄器の構成要素であるので、説明の便宜上、図3では、便座ヒータ42に対して、洗浄機能に関わる温水ヒータ41a・乾燥ヒータ41bは単一の回路構成として記載する。また、主給電路81には、リレー機構20を介して交流電源80が接続されている。
【0055】
温水ヒータ41a・41b及び便座ヒータ42には、それぞれトライアック71a及び71bが直列接続されており、各ヒータ41a・41b・42に交流電流が流れるタイミング(通電期間)を制御するようになっている。また、ダイオード71cと抵抗71dとの直列接続回路が、各ヒータ41a・41b・42と並列に接続されているとともに、ダイオード71cにはフォトカプラ72aの発光素子を構成する発光ダイオードが互いに並列に且つ整流方向が互いに逆方向となるように接続されている。これによって、交流電流のうち所定の一方向に通電されたときに、発光ダイオードが発光し、それを受光素子が受光することによって、当該交流電流の半サイクル毎に反転する2値信号が出力される。
【0056】
本実施の形態に係るリレー異常検出部14は、前記ダイオード71c及び抵抗71d、並びにフォトカプラ72aに加えて、フォトカプラ72aの出力側に接続されるトランジスタ72cと、当該トランジスタ72cに接続される抵抗72b及び72dを備えている。本実施の形態ではフォトカプラ72aの受光素子がフォトトランジスタで構成されており、このフォトトランジスタのエミッタが抵抗72bを介してトランジスタ72cのベースに接続されている。また、トランジスタ72cのエミッタはアースされ、コレクタには抵抗72dの一方の端子が接続されている。この抵抗72dの一方の端子とトランジスタ72cのコレクタとの接続点(ノード)72eの電圧(電位)がメイン制御部10に入力されている。また、抵抗72dの他方の端子はフォトカプラ72aのフォトトランジスタのコレクタとともに正電圧電源(VCC)に接続されている。正電圧電源(VCC)は電源回路部11の出力端子で構成されているか、もしくは当該出力端子に接続されている。
【0057】
この構成により、フォトトランジスタが発光素子からの光を受光しないとOFF(遮断)して、トランジスタ72cがOFFし、ノード72eの電圧が正電源電圧(VCC)となり、一方、フォトトランジスタが発光素子からの光を受光するとON(導通)して、トランジスタ72cがONし、ノード72eの電圧が接地電位となる。これにより、フォトカプラ72aのフォトトランジスタから出力される2値信号を反転した2値信号がリレー故障検知信号としてノード72eから出力される。
【0058】
本実施の形態に係るリレー駆動部12は、抵抗73a、トランジスタ73b、抵抗73c、トランジスタ73d、トランジスタ73e、抵抗73f、ダイオード73g、ダイオード73hを備えている。トランジスタ73bのベースには抵抗73a、ダイオード73h、トランジスタ73eを介してメイン制御部10からリレー駆動信号が入力される。また、トランジスタ73bのエミッタはアースされ、コレクタには各リレー機構20のコイル22の一方の端子が接続されている。トランジスタ73bのベースは、さらに抵抗73fよりプルアップされるとともにトランジスタ73dのコレクタが接続されている。トランジスタ73dのエミッタはアースされ、ベースにはダイオード73dの整流方向の下流側が接続されている。ダイオード73dの整流方向の上流側は抵抗73cを介して漏電検出部13が接続されている。トランジスタ73eのベースには、ダイオード73hの整流方向の下流側が接続され、上流側は抵抗73aを介してメイン制御部10に接続されている。トランジスタ73eのエミッタはアースされ、コレクタは抵抗73f、トランジスタ73bのベース、及びトランジスタ73dのコレクタに接続されている。各リレー機構20のコイル22の他方の端子は、主給電路81のリレー接点21が挿入された箇所より電源プラグ30に近い側の部分に接続されている。
【0059】
メイン制御部10から、コイル22に通電してリレー接点21を閉成させる信号(以下、リレーON信号とする。)が出力されると、トランジスタ73eはOFFとなり、トランジスタ73bがONとなるので、リレー接点21は閉成される。これに対して、メイン制御部10から、リレー接点21を開成させるリレーOFF信号が出力されると、トランジスタ73eはONとなり、トランジスタ73bがOFFとなるので、リレー接点21は開成される。
【0060】
また、漏電発生時には漏電検出部13から漏電発生信号が入力される。トランジスタ73dに漏電発生信号が入力されないときは、トランジスタ73dはOFFであるため、トランジスタ73bはONとなり、リレー接点21は閉成される。これに対して、トランジスタ73dに漏電発生信号が入力されると、トランジスタ73dはONするため、トランジスタ73bはOFFとなり、リレー接点21は開成され、漏電遮断が行われる。
【0061】
[漏電遮断機能の確認試験]
次に、本実施の形態における漏電遮断機能の確認試験の代表的な一例について、図3から図5に基づいて説明する。図4は、メイン制御部によって行われる、漏電遮断機能の確認試験の制御の一例を示すフローチャートである。図5(a)及び(b)は、図4に示す制御で用いられるリレー開閉動作判定信号について、リレー接点21が正常に開閉する場合とリレー異常が発生した場合とを対比したチャート図である。
【0062】
本実施の形態では、リレー駆動部12及びリレー異常検出部14を前述した回路構成とすれば、リレー接点21の開成及び閉成の確認試験(すなわち漏電遮断機能の確認試験)を行ったときには、リレー接点21が正常に開成及び閉成しているか否かに加えて、リレー接点21の開成又は閉成に異常が生じている場合には、その異常がどのようなものであるかも判定することができる。
【0063】
なお、以下の説明では、リレー接点21の開成及び閉成をまとめて「リレー接点21の開閉」と称し、リレー機構20におけるリレー接点21を開閉させる動作を「開閉動作」と称し、リレー接点21の開閉が正常でないために、主給電路81の遮断又は閉成が正常に実現されていない状態を「リレー異常」と称する。
【0064】
本実施の形態では、少なくとも便座装置50が使用状態にあるか否かを判定した上で、便座装置50が不使用状態であると判定したときに確認試験を実施するようになっている。ここで、漏電遮断部の遮断動作の信頼性を考慮すれば、確認試験は必要最低限の回数行えばよく、不使用時に確認試験を毎回行う必要はないため、便座装置50に電源が投入されている間、定期的に確認試験の実施を試みればよい。そこで、メイン制御部101は、まず、ステップS101として、前回の使用状態の確認が完了してから所定時間が経過したか否か判定する。所定時間が経過していない場合(ステップS101でNO)には所定時間が経過するまで判定を繰り返し、一連の制御を待機する。
【0065】
所定時間に達している場合あるいは所定時間が既に経過した場合(ステップS101でYES)には、ステップS102として、便座装置50が不使用状態にあるか否かを判定する。本実施の形態では、図1及び図2に示すように、便座装置50が着座センサ56及び人体センサ57を備えているので、これらセンサにより、使用者の着座や使用者の存在が一定期間検出されない場合には、不使用状態と判定する。ここで、省エネルギーのため、便座装置50の使用状態として、必要最低限の電力消費に抑える待機状態を設定できる場合には、待機状態に入ってから一定期間経過した場合を不使用状態と判定してもよい。本発明では、便座部53への着座を検出する着座検出や、便座装置50の設置場所における使用者の存在を検出する使用者検出の結果を、少なくとも使用状態の判定に用いればよく、具体的な判定手法はどのような方法であってもよい。
【0066】
なお、便座装置50の便座ヒータ42の暖房動作が行われていないときや、洗浄ノズル55の洗浄動作が行われていないときを不使用状態と判定することもできるが、本発明の目的が漏電遮断機能のより適切な実行にあることを考慮すれば、使用者の身体の一部であってもそれが便座装置50に触れていない状態を、不使用状態と判定することが好ましい。したがって、本実施の形態では、メイン制御部10は、着座検出や人体検出の少なくともいずれかの検出結果を、便座装置50の使用状態の判定に用いることがより好ましい。メイン制御部10は不使用状態でない(使用状態にある)と判定した場合には不使用状態になるまで待機する(ステップS102でNO)。
【0067】
そして、不使用状態であると判定した場合あるいは不使用状態になると(ステップS102でYES)、ステップS103として、メイン制御部10は、リレー駆動部12に対して、リレー駆動信号として、コイル22に通電してリレー接点21を閉成させるリレーON信号を出力する。
【0068】
ここで、ステップS103において、リレーON信号が出力されると、リレー駆動部12のトランジスタ73bがONする。リレー機構20が正常に閉成動作するのであれば、コイル22が通電することによって、リレー接点21が閉成する。このとき、主給電路81には、交流電源80から所定周期の交流電流が通電することになるが、既述のように、リレー異常検出部14のフォトカプラ72aによってこの交流電流が検出され、ノード72eからリレー開閉動作判定信号としてこの交流電流の周期に対応する(半サイクル毎に反転する)2値信号がメイン制御部10に入力される。その結果、リレー機構20が正常に閉成動作している場合には、図5(a)に示すように、リレーON信号が出力されている間(図中中段)、交流電流(図中上段)の周期に合わせて2値信号が出力され(図中下段左側)、メイン制御部10に出力されることになる。
【0069】
ところが、リレー機構20の閉成動作にリレー異常が生じた場合には、交流電流の周期に応じた2値信号が生成されない事態となる。すなわち、リレーON信号が出力されてもリレー接点21が閉成されず開成状態のまま維持されると、主給電路81に交流電流が通電されず、2値信号はHレベル又はLレベルのいずれか一方(ここではHレベル)に固定された信号となる(図中下段右側)。このリレー異常を、以下、リレー接点21の「OFF故障」と称する。
【0070】
そこで、メイン制御部10は、ステップS104でリレー異常検出部14からリレー開閉動作判定信号を取得し、ステップS105において、リレー開閉動作判定信号が交流電流の周期に対応しているか否かを判定し、対応していなければ(ステップS105でNO)、前記のとおり、リレー接点21にOFF故障が発生したと判定する(ステップS106)。一方、対応していれば(ステップS105でYES)ステップS107に進む。
【0071】
ステップS107では、メイン制御部10は、リレーON信号に代えてリレーOFF信号を出力する。
【0072】
その後、メイン制御部10はリレー開閉動作判定信号を取得し(ステップS108)、この取得したリレー開閉動作判定信号が交流電流の周期に対応するか否か判定する(ステップS109)。
【0073】
ここで、ステップS107でリレーOFF信号が出力されると、リレー機構20が正常に開成動作するのであれば、リレー接点21は開成されるため、主給電路81には交流電流が通電されず、前述したようにリレー開閉動作判定信号としての2値信号はHレベルに固定された信号となる。一方、リレー接点21が溶着等によって閉成されており、リレーOFF信号が出力されたときにリレー接点が開成されず閉成状態のままで維持されると、図5(b)に示すように、リレーON信号からOFF信号へ切り替っても交流電流の周期に応じた2値信号が出力され続ける。このリレー異常を、以下、リレー接点21の「ON故障」と称する。
【0074】
そこで、メイン制御部10は、リレー開閉動作判定信号が交流電流周期に対応していると判定すると(ステップS109でYES)、ステップS110進み、リレー接点21にON故障が発生したと判定する。一方、リレー開閉動作判定信号が交流電流周期に対応していないと判定すると(ステップS109でNO)、リレー接点21はリレーON信号に応じて閉成しかつリレーOFF信号に応じて開成したことになるので、メイン制御部10は、リレー機構20が正常に開閉動作すると判定する(ステップS111)。その後、メイン制御部10はこの制御を終了する。
【0075】
一方、メイン制御部11は、ステップS106及びステップS110の後、ステップS112に進み、表示・操作部52において、漏電遮断機能が異常である旨を報知する。この報知を行う具体的な手法は特に限定されるものではなく、例えば、前述したようにLEDや液晶表示部等を用いて報知すればよい。具体的には、リレー異常の発生時に点灯するLED等として報知してもよいし、液晶表示部にて、漏電遮断機能に異常がある(リレー異常が発生している)ことを文字情報や画像情報として報知してもよい。さらには、音声情報として警告音や警告メッセージを発するようになっていてもよい。つまり、リレー異常が生じた場合には、メイン制御部10によって、報知器によって漏電遮断機能に異常があることを使用者に報知できるようになっていれば、報知器の構成や報知の手法は公知のどのようなものでも用いることができる。
【0076】
次に、メイン制御部10は、便座装置50を停止する。その後、メイン制御部10は、この制御を終了する。このように、本実施の形態では、漏電遮断機能に異常が生じたという判定を受けて、便座装置50の全体動作を停止する制御を行う。すなわち、確認試験の結果、漏電遮断機能に異常が検出されたときに便座装置50の全体動作を停止させる。それゆえ、使用者にとっての安全性をより一層高めることができる。
【0077】
このように、本実施の形態によれば、定期的かつ便座装置50の不使用時に漏電遮断機能の確認試験を自動的に行うようになっている。そのため、便座装置50を使用する時点では、基本的には漏電遮断部が正常に遮断動作するか否かが確認済とすることができる。さらに、漏電遮断機能の確認試験を不使用時に行うことは、使用者に誤解を招いたり不快感を生じさせたりする事態も回避することができる。前述したとおり、本実施の形態では、漏電遮断部が、電気接点(リレー接点21)を機械的に開閉するリレー機構20を備えているため開閉動作時に機械音が発生する。使用者が便座装置50を使用しているときに漏電遮断機能の確認試験が行われた場合、耳慣れない機械音が発生すると、使用者にとっては便座装置50が故障したものと誤解する可能性がある。しかしながら、不使用時に確認試験が行われることにより、使用者が機械音を耳にする可能性をほぼ無くすことができ、その結果、使用者の誤解や不快感を回避することができる。
【0078】
[変形例等]
なお、本実施の形態では、メイン制御部10は、リレー駆動信号として、先にリレーON信号を出力した上で開閉動作を確認し、その後リレーOFF信号を出力した上で開閉動作を確認しているが、本発明はこのような制御順序に限定されるものではなく、リレー機構20の開閉動作に異常があるか否かを確認できるのであれば、リレー駆動信号の種類や出力順等は適宜設定すればよい。
【0079】
また、本実施の形態では、漏電遮断機能の確認試験をメイン制御部10の制御により自動で行っているが、マニュアルで行うようにする手段を別途設けてもよい。すなわち、図1に示すように、表示・操作部52に、確認試験を強制実施するためのテストボタン(試験用スイッチ)58を設け、使用者の判断により、自動的な確認試験とは独立して確認試験を行えるようにしてもよい。この場合、テストボタン58の操作によって確認試験を行う指令がメイン制御部10に入力されるので、メイン制御部10は、この指令が入力されたときに前記と同様の確認試験を行わせるよう制御すればよい。これによって、漏電遮断機能の確認をより一層確実なものとすることができる。同様に、表示・操作部52に節電スイッチ59を設け、使用者の判断により節電動作を行えるようにしてもよい。
【0080】
さらに、リレー機構20をユニット化して取替え可能としておけば、メイン制御部10により表示・操作部52に対してリレー機構20の使用期限や取替え時期を報知する制御を行うこともできる。例えば、図4に示す制御フローにおいて、リレー機構20の正常な開閉動作が確認された後に、リレー機構20の使用期限を報知したり、あるいは、リレー機構20の交換時期を報知したりする制御を行うことができる。
【0081】
ここで、前述した制御では、確認試験は便座装置が不使用状態にあることを判定して行っているが、どのような状態を不使用状態として判定するかについては、適宜選択することができる。基本的には、少なくとも便座が使用されていないときには不使用状態と判定することができるが、男子小用の場合には、便座が使用されなくても便器は使用されるので、メイン制御部10による不使用状態の判定としては、便座が設置された便器が使用されていないときを不使用状態と判定するよう設定することが好ましい。本実施の形態では、人体センサが57便所の入口近傍に設置されていて、使用者の便所への入室を検出している。従って、人体センサ57が人体を検出していないときに、便器が使用されていないとメイン制御器10が判定するように構成することにより、不使用状態をそのような好ましい態様に設定することができる。また、これ以外に、例えば、前記着座センサ56以外に、便座が設置された便器が使用されているか否かを検出する便器使用検出器を別途備え、この便座使用検出器を通じて便器が使用されていないことが検出されたときに、メイン制御部10が、不使用状態にあると判定して確認試験を行うよう構成してもよい。
【0082】
なお、本発明が適用可能な便座装置は、電源から電力供給を受けて各種の機能が実行されるものであればよいが、代表的なものとしては、便座を暖房する機能を備える暖房便座装置、あるいは、局部を洗浄する洗浄機能を備える衛生洗浄装置が挙げられる。衛生洗浄装置は、洗浄機能のみを備えていればよいが、暖房便座機能、あるいは、洗浄後の局部を乾燥する乾燥機能等も備えていると好ましい。
【0083】
ここで、衛生洗浄装置が洗浄水を温める構成であれば、貯湯式と瞬間式とに大きく分類することができる。貯湯式の衛生洗浄装置は、温水タンクの中に貯水した洗浄水を温水ヒータにより加熱する方式である。温水タンクの容量に合わせて多量の温水を洗浄水として用いることができる反面、温水タンクで多量の洗浄水を一定温度に維持する消費電力が大きくなる。瞬間式の衛生洗浄装置は、温水タンクを備えず、使用する時点で洗浄水を加熱して温水とする方式である。温水タンクを備えないため、年間の消費電力量は「貯湯式」より小さくできる反面、洗浄水を急激に加熱するときの消費電力が大きくなるため、独立の電源が必要となる場合がある。
【0084】
いずれの型式の衛生洗浄装置であっても漏電遮断機能は重要な構成となるため、本発明は、前記貯湯式または瞬間式に限らず、衛生洗浄装置全般に好適に用いることが可能なものとなっている。
【0085】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、メイン制御部10が、漏電遮断機能の確認試験として、リレー機構20を試験的に開閉動作させ、リレー異常検出部14によりリレー異常の有無を検出させる制御を行ったが、本実施の形態では、さらに、メイン制御部10そのものの制御が適切に行われているか否かを検出する。つまり、本発明においては、前記実施の形態1で説明したように、漏電遮断機能の異常として、リレー異常を検出するよう構成されてもよいが、さらに、メイン制御部10による便座装置50の全体制御(もちろんリレー駆動部12およびリレー機構20の制御も含む)に何らかの異常が生じていれば、漏電遮断機能の異常として検出するよう構成されてもよい。
【0086】
[便座装置の基本構成]
まず、本発明の実施の形態2係る便座装置の基本構成について、図6を参照して具体的に説明する。図6は、本実施の形態に係る便座装置の電気的構成の一例を示す回路図である。
【0087】
本実施の形態に係る便座装置は、基本的な構成要素は前記実施の形態1に係る便座装置と同様であるが、メイン制御部10による制御に異常(説明の便宜上、制御異常と称する。)があるか否かを検出し、制御異常を検出したときにはリレー接点21に主給電路81を遮断させるメイン制御異常処理部(制御器異常処理部)15を備えている点で異なっている。
【0088】
つまり、前記実施の形態1では、メイン制御部10が、漏電遮断機能の確認試験として、リレー機構20を試験的に開閉動作させ、リレー異常検出部14によりリレー異常の有無を検出させる制御を行ったが、本実施の形態では、さらに、メイン制御部10そのものの制御が適切に行われているか否かを検出する。メイン制御異常処理部15により制御異常が検出されれば、前記実施の形態1でリレー異常を報知した構成と同様に、制御異常を報知するとともに、好ましくは便座装置50の全体動作を停止させる制御を行う。
【0089】
メイン制御異常処理部15は、メイン制御部10とリレー機構20のコイル22との間で電気的につながっており、メイン制御部10の制御が正常であるか否かを検出し、もしメイン制御部10の制御に制御異常が生じている場合には、少なくともリレー機構20の開閉動作を停止する処理を行うようになっている。すなわち、メイン制御異常処理部15を備えることにより、便座装置50の制御の要であるメイン制御部10の機能確認を行うことで、少なくとも、リレー機構20がつかさどる漏電遮断機能が制御上の問題で機能できなくなるという事態を回避することができる。なお、図6では図示されていないが、メイン制御異常処理部14及び表示・操作部52は、メイン制御部10とともに電源回路部11の出力端子に接続されている。メイン制御異常処理部15の具体的な構成は特に限定されないが、メイン制御部10から出力される信号が正常であれば、リレー機構20を正常に開閉動作できるようにする回路構成を有していればよい。
【0090】
また、メイン制御異常処理部15は、メイン制御部10に制御異常が生じている場合には、リレー機構20以外の構成についても、その動作を停止する処理を行うようになっていてもよい。例えば、便座装置50全体の制御に問題があると判断されるような場合には、便座装置50の全体動作を停止する処理を行うように構成されていてもよい。
【0091】
[漏電遮断機能の確認試験]
次に、本実施の形態における確認試験の代表的な一例について、図7に示す回路図及び図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0092】
メイン制御異常処理部15は、前述のとおり、メイン制御部10に制御異常が生じているか否かを検出し、異常を検出したときにはリレー接点21に主給電路を遮断させるよう処理するものであり、具体的な構成は特に限定されるものではない。本実施の形態に係るメイン制御異常処理部15は、図7に示すように、コンデンサ及びダイオードを用いた回路構成を有している。
【0093】
具体的には、抵抗74a、コンデンサ74b、ダイオード74c、抵抗74d及びトランジスタ74eが直列に接続されており、コンデンサ74bとダイオード74cとの間にはダイオード74fが分岐している。ダイオード74fは、整流方向の上流側がアースされ、下流側がコンデンサ74b及びダイオード74cの間に接続されている。また、ダイオード74c及び抵抗74dの間にはコンデンサ74gが分岐しており、その一方はアースされている。トランジスタ74eのベースには、抵抗74dを介してダイオード74cの整流方向の下流側が接続されている。また、トランジスタ74eのエミッタはアースされ、コレクタは抵抗74hに接続されるとともに、トランジスタ74iが分岐している。トランジスタ74iのベースがトランジスタ74eのコレクタにつながっており、エミッタはアースされ、コレクタは抵抗74jを介してメイン制御部10につながるとともに、リレー駆動部12につながっている。つまり、トランジスタ74iはメイン制御部10のリレー駆動信号を出力する端子に接続していることになる。なお、リレー駆動部12の回路構成は図3と同様であるので説明を省略する。
【0094】
本実施の形態の制御は、図8に示すように、ステップS121及びステップS122として、図4に示すステップS101及びステップS102と同じく所定時間の経過及び不使用状態か否かの判定が行われる。そして、ステップS123に進み、メイン制御部10が正常な制御を行っていれば、予め設定した一定の周期のパルス信号がメイン制御異常処理部15に出力される。このとき、パルス信号が高レベルでは、抵抗74a、コンデンサ74b及びダイオード74cによってコンデンサ74gに充電電流が流れる。これとともに、抵抗74dを介してトランジスタ74eにも電流が流れるため、このトランジスタ74eがON状態となる。一方、パルス信号が低レベルでは、一度充電されたコンデンサ74bにより抵抗74dを介してトランジスタ74eがON状態となる。すなわち、所定周期のパルス信号がメイン制御部10から出力されていれば、トランジスタ74eは常にON状態となる。なお、このようにトランジスタ74eを常にON状態とするためには、抵抗74aの抵抗値及びトランジスタ74bの容量を基準としてパルス信号の周期を設定しておく必要がある。
【0095】
前記のように、トランジスタ74eがON状態であれば、トランジスタ74iには電流が流れないため常にOFF状態となる。トランジスタ74iはメイン制御部10のリレー駆動信号出力用の端子につながっているため、トランジスタ74iがOFFであれば、メイン制御部10からのリレー駆動信号は常にリレー駆動部12に出力される。その結果、トランジスタ73bがON状態となり、リレー機構20のコイル22が通電し、リレー接点21が駆動される。
【0096】
これに対して、メイン制御部10に制御異常が生じた場合には、所定のパルス信号(発振)が停止するため常に低レベルとなり、トランジスタ74eがONしなくなる。そのため、このトランジスタ74eのコレクタに接続されるトランジスタ74iがON状態となり、リレー駆動部12のトランジスタ73bがONしなくなり、その結果、リレー機構20も開閉動作しなくなる。
【0097】
したがって、ステップS124では、メイン制御異常処理部15の回路構成によってパルス信号が所定周期であるか否かが判定される。所定周期であれば(ステップS123でYES)、ステップS125に進み、メイン制御部10は正常に制御を行っていると判定されるが、所定周期でなければ(ステップS123でNO)、ステップS126に進み、メイン制御部10に異常が生じていると判定されるため、ステップS127に進み、リレー機構20の開閉動作がOFFとなる。このように、本実施の形態では、漏電遮断機能の確認試験として、メイン制御異常処理部15によりリレー駆動の制御そのものの異常の有無も検出するようになっている。そのため、漏電遮断機能が有効であるか否かをより確実に判定することができる。
【0098】
そして、メイン制御部10に制御異常が生じていれば、図4に示すステップS112及びステップS113と同じく、漏電遮断機能の異常が報知されるとともに、便座装置50の全体動作を停止する制御が行われる。
【0099】
このように本実施の形態では、リレー機構20が正常に開閉動作することが可能な状態であっても、メイン制御部10による制御に異常が発生してリレー機構20が開閉動作できないような事態を回避することができる。それゆえ、機械的な機構と制御との双方で動作確認を行うことになるので、漏電遮断機能の信頼性をより一層向上することができる。
【0100】
なお、前述した実施の形態1及び2のいずれも、電源ラインの両端にそれぞれリレー機構20を設け、これら各リレー機構20の双方のリレー異常を検出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一方のリレー機構20の動作異常をそれぞれ検出した上で、使用者に報知したり便座装置50の全体動作を停止したりする制御を行うことで、漏電遮断機能をより一層適切に確認することができる。
【0101】
また、前述した実施の形態1及び2のいずれも、例示した便座装置は便座暖房機能と衛生洗浄機能とを備えているため、ヒータとしては、乾燥ヒータ41a、温水ヒータ41b、便座ヒータ42を備えているが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、便座ヒータ42のみを備える暖房便座装置であってもよい。
【0102】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明によれば、便座装置の漏電遮断機能をより適切に確認することができる。したがって、本発明は、暖房便座や温水洗浄便座等の各種便座装置、衛生洗浄装置の分野に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0104】
10 メイン制御部(制御器)
12 リレー駆動部
14 リレー異常検出部(リレー異常検出器)
15 メイン制御異常処理部(制御器異常処理部)
20 リレー機構
21 リレー接点(リレー)
41a 温水ヒータ
41b 乾燥ヒータ
42 便座ヒータ
52 表示・操作部(報知器)
53 便座部(便座)
56 着座センサ(便器使用検出器)
57 人体センサ(便器使用検出器)
58 テストボタン(試験用スイッチ)
81 主給電路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座と、
前記便座を加熱する便座ヒータと、
少なくとも前記便座ヒータに電力を供給する主給電路を遮断及び閉成するリレー、及び、前記主給電路を通じた漏電の発生に伴い前記主給電路を遮断するように前記リレーを駆動するリレー駆動部、を備えている漏電遮断部と、
前記リレーによる前記主給電路の遮断又は閉成が正常に実現されていない状態をリレー異常として検出するリレー異常検出器と、
少なくとも前記リレー駆動部を制御する制御器と、を備え、
前記制御器は、前記便座が使用されていないときに、前記リレー駆動部により前記主給電路を遮断するように前記リレーを動作させ、かつ、前記リレー異常検出器を通じて前記リレー異常の有無を判定させることにより、前記漏電遮断部の確認試験を行わせるよう構成されている、便座装置。
【請求項2】
前記制御器は、当該便座装置が使用されていない不使用状態にあるときに、前記漏電遮断部の確認試験を行うよう構成されている、請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記便座が設置された便器が使用されているか否かを検出する便器使用検出器をさらに備え、
前記制御器は、前記便座使用検出器を通じて、前記便器が使用されていない不使用状態にあることを検出してから、前記漏電遮断部の確認試験を行うよう構成されている、請求項2に記載の便座装置。
【請求項4】
前記便座に着座した使用者の局部を洗浄する洗浄水を加熱する温水ヒータおよび前記使用者の局部を乾燥させる風を加熱する乾燥ヒータを有する洗浄部をさらに備えており、
前記主給電路は、さらに前記温水ヒータ及び前記乾燥ヒータに電力を供給するものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項5】
前記漏電遮断部の前記確認試験を行う指令を入力するための試験用スイッチをさらに備え、
前記制御器は、前記試験用スイッチから前記指令が入力されたときに前記漏電遮断部の前記確認試験を行う、請求項1から4のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】
前記制御器の制御に制御異常があるか否かを検出し、当該制御異常を検出したときには前記リレーに前記主給電路を遮断させる制御器異常処理部をさらに備えている、請求項1から5のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項7】
使用者へ情報を報知する報知器をさらに備え、
前記制御器は、前記確認試験の結果、前記リレー異常または前記制御異常が検出されたときには、前記報知器に漏電遮断機能が異常であることを報知させるよう構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項8】
前記制御器は、前記確認試験の結果、前記リレー異常または前記制御異常が検出されたときには、前記便座装置の全体動作を停止させるよう構成されている、請求項7に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−51792(P2010−51792A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179538(P2009−179538)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】