説明

保管容器、および内容物の管理システム

【課題】 薬品や医薬品または危険物等を不正に取り出して使用されること、あるいは薬品や医薬品または危険物等を不正に持ち出したりすることを防ぐことができる薬品や医薬品または危険物等の内容物の保管容器、および、これを使用した薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムを提供する。
【解決手段】 薬品や医薬品または危険物等の保管容器1に、電力受信用アンテナ11と、RFID12と、前記電力受信用アンテナ11で受信した電力で動作、あるいは前記電力と前記RFID12からの制御信号とで動作する施錠開錠機構4を、前記保管容器1に具備させ、なおかつ、薬品や医薬品または危険物等を使用する使用者のID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物のPID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量に関する情報とを関連付け、サーバ20により一元的に管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品や医薬品または危険物等を保管するのに好適な保管容器、および本容器を使用した薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用や農業用の薬品、医薬品、毒物(毒薬)や劇物(劇薬)あるいは自然発火や引火性の高い金属粉末等の危険物については、薬事法あるいは消防法等により、その使用の制限や保管方法が厳密に規定されている。このため、使用する薬品や医薬品または危険物の識別や使用量について厳重に管理し、誤使用や不正使用あるいは不正持ち出し等を防止する必要がある。
【0003】
このような薬品や医薬品または危険物の管理を厳重に行うための一手段として、アンテナおよびICチップからなり、かつ薬剤に関する情報をICチップのメモリ領域内に格納した棒形状のRFID(Radio Frequency Identification)を使用し、これを着脱可能な添付手段を用いて、薬剤が収容された容器の外側面に取り付け、RFIDのアンテナから識別装置へ向けて送信される薬剤に関する情報に基づいて、容器内の薬剤を識別する方法が提案されている。このような技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
また、管理対象物、例えば薬品等が入っている瓶に、重量センサと接続されたRFIDを取り付け、薬品の固有情報、例えば名称や年月日等と、その薬品の重量の変化量に関する情報とを関連付けて管理する方法が提案されている。このような技術は、例えば特許文献2に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−150191号公報
【特許文献2】特開2007−94864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術、例えば特許文献1に開示されている技術では、薬剤容器内部の薬剤情報を識別するためだけの手段としてRFIDを使用したものであり、セキュリティ管理、すなわちRFIDを使用して薬剤等の不正使用防止等を行うことについての言及はなされていない。従来技術において、例えば任意の人物が、薬剤容器に添付してあるRFIDを取り外し、そのまま無断で持ち出した場合、その行方を探るのは難しい。
【0007】
これに対し、例えば特許文献2に開示されている技術では、前述したように、RFIDを取り付けた薬品瓶等の管理対象物と、前記管理対象物の物理量の変化、例えば重量の変化量を検知する重量センサと備えた管理システムを構築し、前記重量センサが検知した変位量に基づき、例えば薬品瓶から取り出された薬品の分量が正当なものであるか、あるいは不正に取り出されたものであるのかを判別できるとしている。
【0008】
しかしながら、管理対象物、例えば蓋を用いて開閉可能な薬品瓶のようなものは、正当な使用者あるいは不正な使用者にかかわらず誰でも容易に開閉することができる。この様な薬品瓶に入った薬品は、例えば任意の使用者が薬品瓶の蓋を開け、あらかじめ用意した等重量のダミー薬品とその中身をすり替えるなどして、持ち出される可能性がある。すなわち、従来の技術においては、薬剤あるいは薬品を収容し保管する容器の蓋の開閉までを考慮にいれたセキュリティ機能は備わっておらず、薬剤あるいは薬品を意図的に不正に取り出し使用する場合等に対して、十分なセキュリティ対策がなされているとは言えなかった。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたもので、本発明の目的は、薬品や医薬品または危険物等の内容物を不正に取り出して使用されること、あるいは薬品や医薬品または危険物等の内容物を不正に持ち出したりすることを防ぐことができる保管容器、および、薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明者等は種々の検討の結果、以下の解決手段を見出した。すなわち、収容部、例えばそのネック部分がねじ切りされたボトルと、蓋部、例えばその内側面がねじ切りされたキャップとが螺合して、前記キャップを回転させて前記ボトルの口を開閉可能にする薬品や医薬品または危険物等の内容物の保管容器に対し、無線による電力、すなわち電波あるいは電磁誘導による電磁波エネルギーを受信する電力受信用アンテナ、例えばボトルの腹部の外周に沿って銅線を巻回して構成されたソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナと、前記電力受信用アンテナによって受信された電力により前記キャップの回転を禁止または許可することを可能にする施錠開錠機構、すなわち前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠状態を維持して前記キャップの回転を禁止し、かつ前記電力を受信したときに開錠状態へ切り替えて前記キャップの回転を許可することが可能である機構、つまり前記ボトルのネック部分と螺合した前記キャップの回転の制止およびその解除を電気的に制御することにより前記ボトルの口の開閉を実行することが可能である機構を具備させることが有効であることを見出した。
【0011】
前記施錠開錠機構は、前記保管容器の収容部、例えばボトルの特定の箇所に設けるのがよいが、保管容器の形状や大きさ、あるいは内容物の形態(例えば粉末状、顆粒状、あるいはタブレット等)に合わせ、必要に応じ、前記施錠開錠機構を蓋部、例えばキャップに設けるようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に前記施錠開錠機構を制御する制御回路を有したRFIDを具備させることが有効である。前記電力受信用アンテナおよび前記施錠開錠機構ならびに前記RFIDは、各々が電気的に接続されている。また、前記RFIDは、少なくとも前記制御回路とメモリを有したICチップ、および無線信号の送受信と前記ICチップを駆動するための無線による電力を受信するRFID用アンテナとを備えたものであり、前記保管容器の収容部、例えばボトル、あるいは前記保管容器の蓋部、例えばキャップのいずれかに取り付けられる。また、前記RFIDは、外部、例えば後述する、ハンディリーダライタからの開錠命令無線信号を、前記RFID用アンテナで受信し、前記施錠開錠機構を電気的に制御することが可能である。
【0013】
また特に、前記RFIDには、前記保管容器および前記保管容器の内容物、すなわち前記保管容器の内部に収容された薬品や医薬品または危険物等の重量に関する情報を、前記RFID内のメモリ領域に記録する機能を備えるようにし、前記保管容器および前記保管容器の内容物の重量に関する情報と、前記RFIDに格納されているPID(Personal ID)情報、すなわち当該内容物を識別するための、その名称、その種類あるいはその使用期限等を含む固有情報とを関連付けるとよい。
【0014】
また、サーバと、前記電力受信用アンテナおよび前記施錠開錠機構ならびに前記RFIDを具備した前記保管容器を用いて、薬品や医薬品または危険物等の内容物に関する情報、およびその使用者に関する情報等を一元的に管理することが可能な薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムが構築可能である。
【0015】
前記管理システムは、システム全体の管理を担うサーバと、前記保管容器に収容された薬品や医薬品または危険物等を保管するための保管庫と、前記保管庫が設置された保管室の出入り口に設置され、かつ前記保管室への入室または前記保管室からの退室を制限する電気錠付ドアと、前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物、すなわち前記保管容器に収容された内容物を使用する使用者を特定する手段、例えば非接触で情報のやり取りを行うことが可能な非接触ICカードからなるIDカードと、前記電気錠付ドアに併設され、かつ前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物を特定する手段のID情報、例えば前記非接触ICカードに内設されたICチップのメモリ領域に記録されている前記人物の名前や生年月日等の個人を識別するための情報を読み取る手段、例えばIDカードリーダと、前記保管庫に保管されている単数または複数の前記保管容器の各々に取り付けられた前記電力受信用アンテナおよび前記RFIDと、前記保管庫の所定の箇所、例えば前記保管庫の甲板部に設置され、かつ前記RFIDに格納されているPID情報を読み取る手段、すなわち前記RFIDが発信する無線信号を受信するための受信アンテナを備えたRFIDリーダとからなるのがよい。
【0016】
前記IDカードのID情報は、前記IDカードリーダに接続されている前記サーバに送信され、かつ前記RFIDが発信する無線信号、すなわち前記保管容器に収容された薬品や医薬品または危険物等の内容物に関するPID情報は、前記RFIDリーダに接続されている前記サーバに送信されるのが好適である。
【0017】
さらに、前記管理システムは、前述した構成に加えて、前記RFID内のメモリ領域に格納された情報の読み取り、または前記RFID内のメモリ領域への情報の書き込みを、前記RFID毎に個別に行う手段、例えば片手で持って操作が可能なハンディリーダライタと、前記電力受信用アンテナ、および前記RFIDに対して、無線により電力を供給する手段、すなわち電力を、電波で送信して供給、または電磁誘導で供給するための電力送信用アンテナを有した電力供給装置と、前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量を計測する手段、例えば重量計とからなるのがよい。
【0018】
計測された前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量に関する情報は、前記サーバへ送信され、さらに前記サーバを経由して前記ハンディリーダライタに送信され、その後、前記ハンディリーダライタによって、当該RFIDのメモリ領域に書き込まれ記録されるのが好ましい。
【0019】
また特に、前記管理システムで使用される前記保管容器は、前述したような、収容部、例えばそのネック部分がねじ切りされたボトルと、蓋部、例えばその内側面がねじ切りされたキャップとが螺合して、前記キャップを回転させて前記ボトルの口を開閉可能にする薬品や医薬品または危険物等の内容物の保管容器に対し、無線による電力、すなわち電波あるいは電磁誘導による電磁波エネルギーを受信する電力受信用アンテナ、例えばボトルの腹部の外周に沿って銅線を巻回して構成されたソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナと、前記電力受信用アンテナによって受信された電力により前記キャップの回転を禁止または許可することを可能にする施錠開錠機構、すなわち前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠状態を維持して前記キャップの回転を禁止し、かつ前記電力を受信したときに開錠状態に切り替えて前記キャップの回転を許可することが可能である機構、つまり前記ボトルのネック部分と螺合した前記キャップの回転の制止およびその解除を電気的に制御することにより前記ボトルの口の開閉を実行することが可能である機構を具備させたものが好適である。
【0020】
さらに、前記管理システムで使用される前記RFIDのICチップは、前記施錠開錠機構を制御するための制御回路を有したものとし、前記RFIDは、前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に配置し、各々と電気的に接続され、外部、例えば前記ハンディリーダライタからの開錠命令無線信号を受信し、前記施錠開錠機構を電気的に制御することが可能であるのが好ましい。
【0021】
このように、保管容器に収容された内容物、すなわち薬品や医薬品または危険物等を使用する使用者が所持するIDカードのID情報と、保管容器に取り付けられたRFIDの当該薬品や医薬品または危険物等の内容物のPID情報、および当該薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量に関する情報とを関連付けてサーバ上で一元的に管理するのが好ましい。
【0022】
すなわち本発明によれば、収容部と蓋部とからなり、前記蓋部は前記収容部に螺合して前記収容部を開閉する保管容器であって、無線により電力を受信する電力受信用アンテナと、前記電力受信用アンテナと接続され、前記収容部を開閉する施錠開錠機構を具備し、前記施錠開錠機構は、前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠し、前記電力を受信したときに開錠する保管容器が得られる。
【0023】
本発明によれば、前記保管容器の前記収容部に収容される内容物が、薬品、医薬品または危険物である前記保管容器が得られる。
【0024】
本発明によれば、前記施錠開錠機構を前記収容部に設けた前記保管容器が得られる。
【0025】
本発明によれば、前記施錠開錠機構を前記蓋部に設けた前記保管容器が得られる。
【0026】
本発明によれば、前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に接続され、前記施錠開錠機構を制御する制御回路を有するRFIDを具備した前記保管容器が得られる。
【0027】
本発明によれば、前記RFIDは、前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量を、前記RFID内のメモリ領域に記録する機能を有した前記保管容器が得られる。
【0028】
また、本発明によれば、 サーバと、前記保管容器の内部に収容された内容物を保管するための保管庫と、前記保管庫が設置された保管室の出入り口に設置され、かつ前記保管室への入室または前記保管室からの退室を制限する電気錠付ドアと、前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物を特定する手段と、前記電気錠付ドアに併設され、かつ前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物を特定する手段のID情報を読み取る手段と、前記保管庫に保管されている単数または複数の前記保管容器の各々に取り付けられた電力受信用アンテナおよびRFIDと、前記保管庫の所定の箇所に設置され、かつ前記RFIDのPID情報を読み取る手段とを有し、前記ID情報、および前記PID情報を前記サーバへ送信する処理を行うとともに、前記RFID内のメモリ領域に格納された情報の読み取り、または前記RFID内のメモリ領域への情報の書き込みを、前記RFID毎に個別に行う手段と、前記電力受信用アンテナ、および前記RFIDに対して無線により電力を供給する手段と、前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量を計測する手段とを有し、計測された前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量に関する情報を、前記サーバへ送信し、かつ前記RFIDのメモリ領域に記録する処理を行うよう構成した内容物の管理システムが得られる。
【0029】
本発明によれば、前記保管容器の前記収容部に収容される内容物が、薬品、医薬品または危険物である前記内容物の管理システムが得られる。
【0030】
本発明によれば、前記保管容器は、収容部と蓋部とからなり、前記蓋部は前記収容部に螺合して前記収容部を開閉する保管容器であって、無線により電力を受信する前記電力受信用アンテナと、前記電力受信用アンテナと接続され、前記収容部を開閉する施錠開錠機構を具備し、前記施錠開錠機構は、前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠し、前記電力を受信したときに開錠する前記内容物の管理システムが得られる。
【0031】
本発明によれば、前記RFIDは、前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に接続され、前記施錠開錠機構を制御する制御回路を有した前記内容物の管理システムが得られる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、薬品や医薬品または危険物等の内容物の保管容器に、電力受信用アンテナと、RFIDと、前記電力受信用アンテナで受信した電力で動作、あるいは前記電力と前記RFIDからの制御信号とで動作する施錠開錠機構を前記保管容器に具備させ、なおかつ、薬品や医薬品または危険物等の内容物を使用する使用者のID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物のPID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量に関する情報とを関連付けてサーバ上で一元的に管理することにより、薬品や医薬品または危険物等の内容物を不正に取り出して使用されること、あるいは薬品や医薬品または危険物等の内容物を不正に持ち出したりすることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
薬品や医薬品または危険物等の保管容器には様々な形態のものが存在するが、収容部と蓋部とから構成されるボトル形状のものが一般的に使用されている。収容部、すなわちボトルのネック部分には雄ねじ加工あるいは雌ねじ加工が施され、蓋部、すなわちキャップの内側面には、これに適合した雌ねじ加工あるいは雄ねじ加工が施され、ボトルのネック部分とキャップとが螺合してなり、キャップを回転させることによりボトルの口を開け、ボトルの内部に収容されている内容物を取り出すことができる。ただし、ボトル自体は、円筒形状、あるいは角柱形状等、様々な形状のものであってよいが、ボトルのネック部分の端面、すなわちボトルの口の形状、およびこれに適合するキャップの内側の形状は、円形に限定される。
【0034】
以下、本発明では、本発明を実施するための最良の形態として、上述したボトルとキャップからなる保管容器を用いた場合を例示して、図面を参照しながら説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、図1および図5を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図である。図1(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示し、図1(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す。
【0036】
図1(a)および図1(b)に示すように、薬品や医薬品または危険物等の保管容器(以下、保管容器という)1は、ボトル2とキャップ3からなり、ボトル2の内側の側面には施錠開錠機構4が設けられている。施錠開錠機構4は、少なくともロックピン5、磁石6、電磁コイル7、およびばね8で構成され、ロックピン5は、電磁コイル7に通電される電流の有無により、ばね8を伸縮させ、矢印で示す鉛直方向に可動するものである。また、施錠開錠機構4は、ロックピン5が鉛直方向に可動するように、ボトル2の内側の側面に、接着剤、ビス等の接着手段あるいは固定手段により固定されている。
【0037】
キャップ3の側部の肉厚部分の一部には溝部9が形成されている。また、ボトル2の肩部の肉厚部分の一部には貫通孔10が形成されている。貫通孔10は、可動するロックピン5の先端部を通過させることが可能な位置にあり、および可動するロックピン5の先端部を通過させることが可能な形状を有し、溝部9は、貫通孔10を通過したロックピン5の先端部を当接させることが可能な位置にあり、および貫通孔10を通過したロックピン5の先端部を当接させることが可能な形状ならびに溝深さを有する。ただし、溝部9および貫通孔10ならびにロックピン5は、ボトル2の口がキャップ3で緩み無く完全に閉められた状態にあるとき、同一軸線上に位置する。
【0038】
また、ボトル2の外側の側面には、電力受信用アンテナ11が取り付けられている。図5は、電力受信用アンテナが保管容器に取り付けられた状態を示す側面図および底面図である。図5(a)および図5(b)は、ボトルにソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および底面図である。図5(a)および図5(b)に示した電力受信用アンテナ11は、図1に示した電力受信用アンテナ11の一例を示したものである。
【0039】
電力受信用アンテナ11は、絶縁被覆された銅線を、ボトル2の腹部分の外側の側面に沿って複数回巻回し、ボトル2の外側の側面に接着剤等により固定したソレノイドコイルからなる。
【0040】
また、図1において、電力受信用アンテナ11は、施錠開錠機構4の電磁コイル7と電気的に接続される。ただし、この場合、電力受信用アンテナ11は保管容器1の外側にあり、電磁コイル7は保管容器1の内側にあるので、電力受信用アンテナ11および電磁コイル7の各々の端子は、ボトル2の側部あるいはボトル2の底部の肉厚部分を貫通して接続される。
【0041】
また、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)により供給される電力を受信する。電力は、電波の送信による電波方式、あるいは電磁誘導現象を利用した電磁誘導方式のいずれかにより無線で供給され、これをボトル2の外側の側面に取り付けられた電力受信用アンテナ11が受信する。
【0042】
図1(a)において、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していない。このとき、受電していない施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が伸びた状態にあり、ロックピン5は、鉛直方向にあって矢印の示す向き(図1(a)では上向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、ボトル2の肩部の肉厚部分に形成した貫通孔10を通過し、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合された状態、すなわち施錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みても、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されたロックピン5の存在により、キャップ3の回転が制止され、ボトル2の口は開封されず、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことはできない。
【0043】
図1(b)において、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信している。このとき、受電した施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が縮んだ状態にあり、ロックピン5は、鉛直方向にあって矢印の示す向き(図1(b)では下向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9から外れた状態、すなわち開錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みると、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されるロックピン5の不在により、キャップ3の回転が解除され、ボトル2の口を開封し、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことができる。
【0044】
すなわち、保管容器1に収容されている内容物、例えば薬品等を使用する使用者は、これを管理している管理者の許可、すなわち保管容器1に取り付けられた電力受信用アンテナ11に対して、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を送信するための許可を得ない限り、保管容器1を開封することはできない。その結果、保管容器1に収容されている薬品等を取り出すことはできない。
【0045】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、図2および図5を用いて説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図である。図2(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示し、図2(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す。
【0046】
図2(a)、および図2(b)に示すように、保管容器1は、ボトル2とキャップ3からなり、キャップ3の天板部であって、キャップ3の内側の底面、すなわちボトル2のネック部分の端面と接する面には施錠開錠機構4が設けられている。施錠開錠機構4は、少なくともロックピン5、磁石6、電磁コイル7、およびばね8で構成され、ロックピン5は、電磁コイル7に通電される電流の有無により、ばね8を伸縮させ、矢印で示す水平方向に可動するものである。また、施錠開錠機構4は、ロックピン5が水平方向に可動するように、キャップ3の天板部であって、キャップ3の内側の底面に、接着剤、ビス等の接着手段あるいは固定手段により固定されている。
【0047】
キャップ3の側部の肉厚部分の一部には溝部9が形成されている。また、ボトル2のネック部分の肉厚部分の一部には貫通孔10が形成されている。貫通孔10は、可動するロックピン5の先端部を通過させることが可能な位置にあり、および可動するロックピン5の先端部を通過させることが可能な形状を有し、溝部9は、貫通孔10を通過したロックピン5の先端部を当接させることが可能な位置にあり、および貫通孔10を通過したロックピン5の先端部を当接させることが可能な形状ならびに溝深さを有する。ただし、溝部9および貫通孔10ならびにロックピン5は、ボトル2の口がキャップ3で緩み無く完全に閉められた状態にあるとき、同一軸線上に位置する。
【0048】
また、キャップ3の外側の側面には、電力受信用アンテナ11が取り付けられている。図5は、電力受信用アンテナが保管容器に取り付けられた状態を示す側面図および底面図である。図5(c)および図5(d)は、キャップにソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および上面図である。図5(c)および図5(d)に示した電力受信用アンテナ11は、図2に示した電力受信用アンテナ11の一例を示したものである。
【0049】
電力受信用アンテナ11は、絶縁被覆された銅線を、キャップ3の外側の側面に沿って複数回巻回し、キャップ3の外側の側面に接着剤等により固定したソレノイドコイルからなる。
【0050】
また、図2において、電力受信用アンテナ11は、施錠開錠機構4の電磁コイル7と電気的に接続される。ただし、この場合、電力受信用アンテナ11は保管容器1の外側にあり、電磁コイル7は保管容器1の内側にあるので、電力受信用アンテナ11および電磁コイル7の各々の端子は、キャップ3の天板部あるいはキャップ3の側部の肉厚部分を貫通して接続される。
【0051】
また、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)により供給される電力を受信する。電力は、電波の送信による電波方式、あるいは電磁誘導現象を利用した電磁誘導方式のいずれかにより無線で供給され、これをキャップ3の外側の側面に取り付けられた電力受信用アンテナ11が受信する。
【0052】
図2(a)において、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していない。このとき、受電していない施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が伸びた状態にあり、ロックピン5は、水平方向にあって矢印の示す向き(図2(a)では左向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、ボトル2のネック部分の肉厚部分に形成した貫通孔10を通過し、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合された状態、すなわち施錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みても、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されたロックピン5の存在により、キャップ3の回転が制止され、ボトル2の口は開封されず、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことはできない。
【0053】
図2(b)において、電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信している。このとき、受電した施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が縮んだ状態にあり、ロックピン5は、水平方向にあって矢印の示す向き(図2(b)では右向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9から外れた状態、すなわち開錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みると、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されるロックピン5の不在により、キャップ3の回転が解除され、ボトル2の口を開封し、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことができる。
【0054】
すなわち、保管容器1に収容されている内容物、例えば薬品等を使用する使用者は、これを管理している管理者の許可、すなわち保管容器1に取り付けられた電力受信用アンテナ11に対して、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を送信するための許可を得ない限り、保管容器1を開封することはできない。その結果、保管容器1に収容されている薬品等を取り出すことはできない。
【0055】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第3の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図である。図3(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示し、図3(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す。
【0056】
図3(a)および図3(b)に示すように、保管容器1は、ボトル2とキャップ3からなり、ボトル2の内側の側面には施錠開錠機構4が設けられている。前記施錠開錠機構4は、上述の第1の実施の形態で例示した構成と同様のものである。また、キャップ3の側部の肉厚部分の一部に形成した溝部9、およびボトル2の肩部の肉厚部分の一部に形成した貫通孔10、ならびにボトル2の外側の側面に取り付けられた電力受信用アンテナ11についても上述の第1の実施の形態で例示した構成と同様のものである。
【0057】
ボトル2の外側の任意の面上には、RFID12が取り付けられている。RFID12は、その裏面に接着剤等の接着手段を有したものであり、これを介して接着、固定されている。また、RFID12は、施錠開錠機構4の電磁コイル7と電力受信用アンテナ11の間に配置され、各々と電気的に接続されている。RFID12は、基材上に、少なくとも施錠開錠機構4を制御する制御回路とメモリを有したICチップ(図示せず)、および無線信号の送受信とICチップ(図示せず)を駆動するための無線による電力を受信するRFID用アンテナ(図示せず)とを備えたものからなる。
【0058】
RFID12のICチップ(図示せず)の制御回路は、電力受信用アンテナ11が無線による電力を受信した際、電磁コイル7へ、当該電力を供給するか否かを制御する機能を有する。すなわち、RFID用アンテナ(図示せず)が、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から受信した場合に限り、電力が電磁コイル7へ供給される。
【0059】
図3(a)において、施錠開錠機構4の電磁コイル7は受電していない。仮に、電力受信用アンテナ11が、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していたとしても、RFID用アンテナ(図示せず)は、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から受信していないので、ICチップ(図示せず)の制御回路の判断によって電磁コイル7には電力が供給されない。このとき、受電していない施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が伸びた状態にあり、ロックピン5は、鉛直方向にあって矢印の示す向き(図3(a)では上向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、ボトル2の肩部の肉厚部分に形成した貫通孔10を通過し、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合された状態、すなわち施錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みても、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されたロックピン5の存在により、キャップ3の回転が制止され、ボトル2の口は開封されず、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことはできない。
【0060】
図3(b)において、施錠開錠機構4の電磁コイル7は受電している。すなわち電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していると同時に、RFID用アンテナ(図示せず)は、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から受信しているので、ICチップ(図示せず)の制御回路の判断によって電磁コイル7には電力が供給される。このとき、受電した施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が縮んだ状態にあり、ロックピン5は、鉛直方向にあって矢印の示す向き(図3(b)では下方向)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部分は、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9から外れた状態、すなわち開錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みると、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されるロックピン5の不在により、キャップ3の回転が解除され、ボトル2の口を開封し、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことができる。
【0061】
すなわち、保管容器1に収容されている内容物、例えば薬品等を使用する使用者は、これを管理している管理者の許可、すなわち保管容器1に取り付けられた電力受信用アンテナ11に対して、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を送信するための許可、および保管容器1に取り付けられたRFID12に対して、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から送信するための許可を得ない限り、保管容器1を開封することはできない。その結果、保管容器1に収容されている薬品等を取り出すことはできない。
【0062】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第4の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図である。図4(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示し、図4(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す。
【0063】
図4(a)および図4(b)に示すように、保管容器1は、ボトル2とキャップ3からなり、キャップ3の天板部であって、キャップ3の内側の底面、すなわちボトル2のネック部分の端面と接する面には施錠開錠機構4が設けられている。前記施錠開錠機構4は、上述の第2の実施の形態で例示した構成と同様のものである。また、キャップ3の側部の肉厚部分の一部に形成した溝部9、およびボトル2のネック部分の肉厚部分の一部に形成した貫通孔10、ならびにキャップ3の外側の側面に取り付けられた電力受信用アンテナ11についても上述の第2の実施の形態で例示した構成と同様のものである。
【0064】
キャップ3の外側の任意の面上には、RFID12が取り付けられている。RFID12は、その裏面に接着剤等の接着手段を有したものであり、これを介して接着、固定されている。また、RFID12は、施錠開錠機構4の電磁コイル7と電力受信用アンテナ11の間に配置され、各々と電気的に接続されている。RFID12の構成、およびICチップ(図示せず)の制御回路の機能等は、上述の第3の実施の形態で例示したものと同様である。
【0065】
図4(a)において、施錠開錠機構4の電磁コイル7は受電していない。仮に、電力受信用アンテナ11が、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していたとしても、RFID用アンテナ(図示せず)は、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から受信していないので、ICチップ(図示せず)の制御回路の判断によって電磁コイル7には電力が供給されない。このとき、受電していない施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が伸びた状態にあり、ロックピン5は、水平方向にあって矢印の示す向き(図4(a)では左向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部は、ボトル2のネック部分の肉厚部分に形成した貫通孔10を通過し、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合された状態、すなわち施錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みても、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されたロックピン5の存在により、キャップ3の回転が制止され、ボトル2の口は開封されず、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことはできない。
【0066】
図4(b)において、施錠開錠機構4の電磁コイル7は受電している。すなわち電力受信用アンテナ11は、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を受信していると同時に、RFID用アンテナ(図示せず)は、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から受信しているので、ICチップ(図示せず)の制御回路の判断によって電磁コイル7には電力が供給される。このとき、受電した施錠開錠機構4の電磁コイル7の作用により、ばね8が縮んだ状態にあり、ロックピン5は、鉛直方向にあって矢印の示す向き(図4(b)では右向き)にスライドした状態を維持している。つまりロックピン5の先端部分は、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9から外れた状態、すなわち開錠された状態にある。この場合、キャップ3を回転させて、ボトル2の口を開けようと試みると、キャップ3の側部の肉厚部分に形成した溝部9に嵌合されるロックピン5の不在により、キャップ3の回転が解除され、ボトル2の口を開封し、ボトル2の内部にある内容物を取り出すことができる。
【0067】
すなわち、保管容器1に収容されている内容物、例えば薬品等を使用する使用者は、これを管理している管理者の許可、すなわち保管容器1に取り付けられた電力受信用アンテナ11に対して、外部の電力供給手段(図示せず)から無線による電力を送信するための許可、および保管容器1に取り付けられたRFID12に対して、電磁コイル7への電力供給を許可する命令無線信号を、外部から送信するための許可を得ない限り、保管容器1を開封することはできない。その結果、保管容器1に収容されている薬品等を取り出すことはできない。
【0068】
上述の第1の実施の形態および第3の実施の形態で例示した施錠開錠機構4は、ボトル2の内側の側面に固定されるのが好適であるが、ボトル2の内側の底面に固定されてもよい。また、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態で例示した施錠開錠機構4は、ロックピン5、磁石6、電磁コイル7およびばね8で構成したものとしたが、電力受信用アンテナ11を介して供給される電力で動作する機構を有するものであれば、これに限定されず、例えば圧電効果を有する部材を利用したアクチュエータによる施錠開錠機構や、形状記憶効果を有する部材を利用したアクチュエータによる施錠開錠機構等であってもよい。
【0069】
また、上述の第1の実施の形態および第3の実施の形態で例示した貫通孔10は、ボトル2の肩部に形成するようにしたが、必ずしも肩部に形成する必要はなく、例えばボトル2の形状によっては、ロックピン5を直接ボトル2の口から出す構造としてもよく、この場合、貫通孔10は不要となる。ただし、このときの溝部9は、キャップ3の天板部の肉厚部分に形成される。また、上述の第1の実施の形態ないし第4の実施の形態で例示した溝部9は、キャップ3の締め具合が十分でない場合、すなわち溝部9および貫通孔10ならびにロックピン5が完全な同一軸線上に位置せず、各々が幾らかずれた位置にある場合であっても、ロックピン5が溝部9に確実に嵌合するよう、キャップ3の周方向に沿って、キャップ2の溝部9に遊びの部分を設けるとなおよい。
【0070】
また、上述の第1の実施の形態ないし第4の実施の形態で例示した電力受信用アンテナ11は、図5で示したソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナ11以外に、例えば図6に示すような電力受信用アンテナ11であってもよい。図6は、電力受信用アンテナが保管容器に取り付けられた状態を示す側面図および底面図である。図6(a)および図6(b)は、ボトルに渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および底面図であり、図6(c)および図6(d)は、キャップに渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および上面図である。前記渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナ11は、例えば基材上に、絶縁被覆された銅線を渦巻状に形成したものからなり、ボトル2の外側の底面あるいはキャップ3の外側の上面に接着剤等により接着して取り付けられる。あるいは、図6(a)および図6(b)で例示した以外に、前記渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナ11をボトル2の外側の側面に取り付けてもよい。また、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態で例示した電力受信用アンテナ11は、ボトル2あるいはキャップ3の外側に取り付けるのが好適であるが、ボトル2あるいはキャップ3の内側に取り付けてもよく、ボトル2あるいはキャップ3の肉厚部分に埋設されてもよい。
【0071】
さらに、上述した最良の実施の形態3で例示した保管容器を用いて、薬品や医薬品または危険物等を使用する使用者のID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物のPID情報と、前記薬品や医薬品または危険物等の内容物の重量に関する情報とを関連付けて一元的に管理することが可能な薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムについて、以下に実施例を示し、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0072】
薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムの実施例について、図7および図8を用いて詳説する。図7は、本発明の薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムの実施例の全体構成を模式的に示す図である。
【0073】
本発明の薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システム(以下、管理システムという)は、サーバ20と、薬品や医薬品または危険物等の保管室(以下、保管室という)13に設置された薬品や医薬品または危険物等の保管庫(以下、保管庫という)14と、保管室13の出入り口に設置された電気錠付ドア17と、保管室13へ入室または保管室13から退室する人物を特定するためのIDカード19、および電気錠付ドア17に併設され、IDカード19の情報を読み取るIDカードリーダ16とを備える。
【0074】
さらに、保管室13に設置された保管庫14の内部には、粉末状の薬品が収容されたボトルとキャップからなる保管容器1が複数個保管されている。保管容器1には、施錠開錠機構(図示せず)と、電力受信用アンテナ11と、RFID12が取り付けられている。施錠開錠機構(図示せず)と、電力受信用アンテナ11と、RFID12の各々は電気的に接続されている。また、保管庫14の内部の甲板部にはRFIDリーダ15が取り付けられている。
【0075】
また、保管室13の室内には、ハンディリーダライタ21と、電力供給装置22と、重量計23が、保管庫14に隣接して設置されている。
【0076】
図8は、本発明の薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムの実施例の運用方法および処理手順の概要を示すフローチャートである。以下、このフローに従って説明する。
【0077】
まず、保管室13の保管庫14に保管されている薬品を使用する目的で、保管室13へ入室を希望する人物は、これを管理している管理者に対して、入室の許可を得るための申請を行う。保管室13へ入室する人物、および前記保管室13へ入室した後、前記保管室13から退室する前記人物(以下「申請者」という)は、申請書に、申請者18の名前、使用する薬品の名称、使用する薬品の分量等の必要事項を記入し、管理者に提出する。管理者はこれを受理し、申請書に記載された申請内容に関する情報を、端末装置(図示せず)を用いてサーバ20に送信し、これをサーバ20にて登録、管理する。
【0078】
また、申請者18は、非接触ICカードからなるIDカード19を所持している。IDカード19には、申請者18のID情報、すなわち申請者18を特定するための名前や生年月日等の固有情報が格納されている。前記ID情報は、サーバ20にあらかじめ登録されており、前記申請内容に関する情報と比較、照合する際に使用される。
【0079】
保管室13へ入室する際、申請者18は、所持しているIDカード19を、保管室13の出入り口に併設されたIDカードリーダ16に近接させる。このときIDカードリーダ16は、当該IDカード19を検知し(ステップS1)、そのID情報を読み取る。読み取られたIDカード19のID情報は、直ちにサーバ20に送信される。サーバ20は、当該申請者18が管理者の許可を得た申請者18であるか否かの照合を行う(ステップS2)。
【0080】
照合の結果、許可されている申請者18であれば、保管室13の出入り口の電気錠付ドア17の電気錠が開錠される。そして電気錠付ドア17が開き(ステップS3)、申請者18は保管室13へ入室できる。許可されていない申請者18であれば、電気錠は開錠されない。よって電気錠付ドア17が開かず(ステップS19)、申請者18は保管室13へ入室できない。
【0081】
保管室13には、保管庫14が設置されており、保管庫14の内部には保管容器1に収容された種々の薬品が複数個置かれている。各々の保管容器1は、ボトルとキャップからなるものであり、ボトルの内側には施錠開錠機構(図示せず)が取り付けられ、ボトルの外側にはソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナ11とRFID12が取り付けられている。
【0082】
また、施錠開錠機構(図示せず)と、電力受信用アンテナ11と、RFID12は、互いが電気的に接続された状態にある。また、サーバ20には、保管庫14に保管されている全薬品に関するPID情報があらかじめ登録されている。
【0083】
各々のRFID12は、保管庫14に隣接して設置された電力供給装置22から無線による電力の供給を受け、自身のPID情報、すなわち各々の保管容器1に収容されている薬品の名称等を記録した固有情報を保管庫14の内部で発信している。
【0084】
また、保管庫14の内部の甲板部には、RFIDリーダ15が設置されている。RFIDリーダ15は、各々のRFID12が発信するPID情報を読み取る機能を有する。前記PID情報は、RFIDリーダ15を介して、サーバ20に常時送信されており、サーバ20は、このRFID12のPID情報を基に、サーバ20に登録されているPID情報と比較、照合して、保管庫14に置かれている薬品が収容された保管容器1のすべてについて、その存在の有無を常時監視し管理している。
【0085】
保管室13へ入室した申請者18は、保管庫14の扉を開けて、所望の薬品が収容されている保管容器1を保管庫14の外へ取り出す(ステップS4)。このとき、RFIDリーダ15は、取り出した保管容器1のボトルに取り付けられているRFID12が自身の読み取り範囲から外れていること、すなわち当該RFID12が発信しているPID情報を受信していないという通知を、サーバ20に送信する。
【0086】
サーバ20は、送信された前記通知を、サーバ20に登録されているPID情報と比較、照合し、保管庫14から取り出された薬品が、あらかじめ管理者によって許可された許可薬品と一致しているかを判断する(ステップS5)。
【0087】
許可されている薬品であれば、そのまま保管庫14から取り出すことができる。許可されている薬品でなければ、保管室13の内部に設置されたアラーム(図示せず)を発し(ステップS20)、申請者18に対し警告する。
【0088】
次に、申請者18は、保管庫14から取り出した保管容器1(以下、許可保管容器という)を、保管庫14に隣接して設置されている電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部に置く。
【0089】
電力供給装置22は、許可保管容器1’に取り付けられている電力受信用アンテナ11に対し電波、あるいは電磁誘導、すなわち無線にて電力を供給する。この場合は、電力供給装置22に内設されている電力送信用アンテナ(図示せず)から、許可保管容器1’に取り付けられたソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナ11へ向けて、電磁誘導にて電力を供給する。また、重量計23は、許可保管容器1’およびこれに収容された薬品の重量を計測する。
【0090】
ただし、電力供給装置22および重量計23は、必ずしも一体化された機器である必要はなく、許可保管容器1’に取り付けられた電力受信用アンテナ11に対し無線による電力供給が可能であって、これと同時に、許可保管容器1’およびこれに収容された薬品の重量を計測可能なものであれば、それぞれ別個のものであってもよい。
【0091】
次に、申請者18は、保管庫14に隣接して設置されているハンディリーダライタ21を片手に持ち、これを、電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部に置かれた状態にある許可保管容器1’に取り付けられているRFID12に近接させ、これに格納されているPID情報を読み取る(ステップS6)。
【0092】
ハンディリーダライタ21は、サーバ20に接続されている。読み取ったPID情報はサーバ20へ送信され、サーバ20に登録されているPID情報と比較、照合し、あらかじめ管理者によって許可された許可薬品と一致しているか否かを判断する(ステップS7)。
【0093】
許可されている薬品であれば、サーバ20は許可命令をハンディリーダライタ21に返す。そしてこれを受けたハンディリーダライタ21は、許可保管容器1’のボトルの外側に取り付けられているRFID12に向けて、ボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)の開錠を許可する開錠命令無線信号を送信する(ステップS8)。
【0094】
また同時に、サーバ20は許可命令を電力供給装置22に返す。そしてこれを受けた電力供給装置22は、許可保管容器1’に取り付けられた電力受信用アンテナ11に向けて、電力を送信する(ステップS9)。
【0095】
これにより、許可保管容器1’のボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)は、開錠された状態になる(ステップS10)。その結果、申請者18は、許可保管容器1’のキャップを回転させ、ボトルの口を開封することができ、ボトルに収容されている薬品を取り出すことができる。
【0096】
許可されている薬品でなければ、サーバ20は許可命令をハンディリーダライタ21および電力供給装置22に返さない。よって、ハンディリーダライタ21は、許可保管容器1’のボトルの外側に取り付けられているRFID12に向けて、ボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)の開錠を許可する開錠命令無線信号を送信しない。そして同時に、電力供給装置22は、起動せず、許可保管容器1’に取り付けられた電力受信用アンテナ11に向けて、電力を送信しない(ステップS21)。
【0097】
したがって、許可保管容器1’のボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)は、施錠したままの状態を維持する(ステップS22)。その結果、申請者18は、許可保管容器1’のキャップを回転させ、ボトルの口を開封することができず、ボトルに収容されている薬品を取り出すことができない。
【0098】
次に、申請者18は、許可保管容器1’の開封されたボトルから、申請者18があらかじめ申請してある分量の薬品を取り出す。このとき、薬品が収容された許可保管容器1’は、電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部に置かれたままの状態にある。また、申請者18が薬品を取り出す作業と同時進行で、当該薬品および許可保管容器1’の重量が重量計23によって計測されている(ステップS11)。
【0099】
重量計23は、サーバ20に接続されている。計測された重量に関する情報、すなわち取り出した薬品の分量の重量データは、サーバ20に送信され、サーバ20に登録されているPID情報と比較、照合し、あらかじめ管理者によって許可された許可分量と一致しているか否かを判断する(ステップS12)。
【0100】
許可されている分量であれば、次のプロセスに移行できる。許可されている分量でなければ、保管室13の内部に設置されたアラーム(図示せず)を発し(ステップS23)、申請者18に対し警告する。
【0101】
また、保管庫14に隣接して設置されているハンディリーダライタ21は、計測された重量に関する情報を、サーバ20から呼び出し、これを取得する。
【0102】
次に、申請者18は、ハンディリーダライタ21を片手に持ち、これを、電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部に置かれたままの状態にある許可保管容器1’に取り付けられているRFID12に近接させ、サーバ20から取得した、前記計測された重量に関する情報を、前記RFID12に書き込む(ステップS13)。
【0103】
一方、電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部に置かれたままの状態にある許可保管容器1’は、電力供給装置22からの電力供給を受けたままである。すなわちボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)は、開錠したままの状態を維持している。申請者18は、この状態のまま、許可保管容器1’のボトルの口にキャップをかぶせ、さらに回転が制止される位置までキャップを回転させてボトルの口を完全に封止する。
【0104】
次に、電力供給装置22および重量計23が一体化された台状の機器の上部から、ボトルの口が完全に封止された許可保管容器1’を手で持って取り上げる。このとき、許可保管容器1’は、電力供給装置22からの電力受信可能範囲から外れる位置にあり、許可保管容器1’に取り付けられた電力受信用アンテナ11は、電力の受信ができなくなる。この瞬間、許可保管容器1’のボトルの内側に取り付けられている施錠開錠機構(図示せず)は、開錠の状態から施錠の状態へ切り替わる(ステップS14)。この結果、申請者18は、これ以降、許可保管容器1’のボトルに収容されている薬品を取り出すことはできなくなる。
【0105】
次に、申請者18は、保管庫14の扉を開け、許可保管容器1’を元の位置に戻す(ステップS15)。このとき、保管庫14の内部の甲板部に設置されているRFIDリーダ15は、戻された許可保管容器1’のボトルに取り付けられているRFID12が自身の読み取り範囲内にあること、すなわち当該RFID12が発信しているPID情報を受信しているという通知を、サーバ20に送信する。
【0106】
サーバ20は、送信された前記通知を、サーバ20に登録されているPID情報と比較、照合し、保管庫14へ戻された薬品が、あらかじめ管理者によって許可された許可薬品と一致しているかを確認する。
【0107】
申請者18は、許可保管容器1’から取り出した分量の薬品を別個の容器に移し、保管室13の内部で試験等に使用する。あるいは、申請者18が、保管室13の外部で使用する場合は、保管室13から退室する際に、これを携えて持ち出す。
【0108】
次に、保管室13から退室する際、申請者18は、所持しているIDカード19を、保管室13の出入り口に併設されたIDカードリーダ16に近接させる。このときIDカードリーダ16は、当該IDカード19を検知し(ステップS16)、そのID情報を読み取る。読み取られたIDカード19のID情報は、直ちにサーバ20に送信される。サーバ20は、送信されたID情報を元に、管理者の許可を得た申請者18が、管理者の許可を得た薬品を、管理者の許可を得た分量だけ取り出したか否か、すなわちサーバ20に登録されている申請内容に関する情報と一致しているか否かを確認し、照合を行う(ステップS17)。
【0109】
照合の結果、一致していれば、保管室13の出入り口の電気錠付ドア17の電気錠が開錠される。そして電気錠付ドア17が開き(ステップS18)、申請者18は保管室13から退室できる。
【0110】
また、一致していなければ、電気錠は開錠されない。よって電気錠付ドア17は開かない(ステップS24)。これと同時に、保管室13の内部に設置されたアラーム(図示せず)が発し(ステップS25)、申請者18に対して警告が与えられる。これにより、申請者18は、保管室13から退室できない。また同時に、サーバ20が、このことを管理者へ通報する(ステップS26)。
【0111】
以上、本発明の実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。よって、本発明の特許請求の範囲に記載の技術には、例示した実施例を様々に変形、変更したものも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、薬品や医薬品または危険物等の管理運用に利用される。例えば病院や薬局等の医薬品の調合施設、あるいは試験や実験で使用する危険物を取り扱う研究施設等において利用される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図。図1(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示す図、図1(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図。図2(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示す図、図2(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図。図3(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示す図、図3(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の内部構造を示す概略側断面図。図4(a)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が施錠された状態を示す図、図4(b)は、薬品や医薬品または危険物等の保管容器の施錠開錠機構が開錠された状態を示す図。
【図5】電力受信用アンテナが保管容器に取り付けられた状態を示す側面図および底面図。図5(a)および図5(b)は、ボトルにソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および底面図、図5(c)および図5(d)は、キャップにソレノイドコイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および上面図。
【図6】電力受信用アンテナが保管容器に取り付けられた状態を示す側面図および底面図。図6(a)および図6(b)は、ボトルに渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および底面図、図6(c)および図6(d)は、キャップに渦巻状コイルからなる電力受信用アンテナを取り付けた状態を示す側面図および上面図。
【図7】本発明の薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムの実施例の全体構成を模式的に示す図。
【図8】本発明の薬品や医薬品または危険物等の内容物の管理システムの実施例の運用方法および処理手順の概要を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0114】
1 保管容器
1’ 許可保管容器
2 ボトル
3 キャップ
4 施錠開錠機構
5 ロックピン
6 磁石
7 電磁コイル
8 ばね
9 溝部
10 貫通孔
11 電力受信用アンテナ
12 RFID
13 保管室
14 保管庫
15 RFIDリーダ
16 IDカードリーダ
17 電気錠付ドア
18 申請者
19 IDカード
20 サーバ
21 ハンディリーダライタ
22 電力供給装置
23 重量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と蓋部とからなり、前記蓋部は前記収容部に螺合して前記収容部を開閉する保管容器であって、
無線により電力を受信する電力受信用アンテナと、
前記電力受信用アンテナと接続され、前記収容部を開閉する施錠開錠機構を具備し、
前記施錠開錠機構は、前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠し、前記電力を受信したときに開錠することを特徴とする保管容器。
【請求項2】
前記保管容器の前記収容部に収容される内容物が、薬品、医薬品または危険物であることを特徴とする請求項1に記載の保管容器。
【請求項3】
前記施錠開錠機構を前記収容部に設けたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の保管容器。
【請求項4】
前記施錠開錠機構を前記蓋部に設けたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の保管容器。
【請求項5】
前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に接続され、前記施錠開錠機構を制御する制御回路を有するRFIDを具備したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の保管容器。
【請求項6】
前記RFIDは、前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量を、前記RFID内のメモリ領域に記録する機能を有したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の保管容器。
【請求項7】
サーバと、
前記保管容器の内部に収容された内容物を保管するための保管庫と、
前記保管庫が設置された保管室の出入り口に設置され、かつ前記保管室への入室または前記保管室からの退室を制限する電気錠付ドアと、
前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物を特定する手段と、
前記電気錠付ドアに併設され、かつ前記保管室へ入室または前記保管室から退室する人物を特定する手段のID情報を読み取る手段と、
前記保管庫に保管されている単数または複数の前記保管容器の各々に取り付けられた電力受信用アンテナおよびRFIDと、
前記保管庫の所定の箇所に設置され、かつ前記RFIDのPID情報を読み取る手段とを有し、
前記ID情報、および前記PID情報を前記サーバへ送信する処理を行うとともに、
前記RFID内のメモリ領域に格納された情報の読み取り、または前記RFID内のメモリ領域への情報の書き込みを、前記RFID毎に個別に行う手段と、
前記電力受信用アンテナ、および前記RFIDに対して無線により電力を供給する手段と、
前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量を計測する手段とを有し、
計測された前記保管容器および前記保管容器の内部に収容された内容物の重量に関する情報を、前記サーバへ送信し、かつ前記RFIDのメモリ領域に記録する処理を行うよう構成したことを特徴とする内容物の管理システム。
【請求項8】
前記保管容器の前記収容部に収容される内容物が、薬品、医薬品または危険物であることを特徴とする請求項7に記載の内容物の管理システム。
【請求項9】
前記保管容器は、収容部と蓋部とからなり、前記蓋部は前記収容部に螺合して前記収容部を開閉する保管容器であって、
無線により電力を受信する前記電力受信用アンテナと、
前記電力受信用アンテナと接続され、前記収容部を開閉する施錠開錠機構を具備し、
前記施錠開錠機構は、前記電力受信用アンテナが前記電力を受信しないときに施錠し、前記電力を受信したときに開錠することを特徴とする請求項7ないし8のいずれかに記載の内容物の管理システム。
【請求項10】
前記RFIDは、前記電力受信用アンテナと前記施錠開錠機構との間に接続され、前記施錠開錠機構を制御する制御回路を有したことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の内容物の管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−6388(P2010−6388A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165170(P2008−165170)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】