説明

保護具着用検知システム及びID−TAG付き保護具

【課題】本発明の課題は、作業現場で予め決められた保護具を作業者が着用しているかを、現場に入るときに自動的に検知し、保護具着用状態を作業者に報知し、管理端末で集中管理できる保護具着用検知システムとその保護具を提供することである。
【解決手段】本発明による保護具着用検知システムは、前記管理エリアで着用すべき保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を持つ保護具ID−TAGと、作業者を識別するための作業者用認識符号を持つ作業者ID−TAGと、符号を読み取るTAGリーダーと、保護具用認識符号を照合参照情報として格納するための認識符号登録テーブルと、前記保護具の着用を判別する保護具着用判別器と、制御器を有し、保護具は、ID−TAGを付設している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が作業現場で着用が定められた保護具を身につけているかを簡単、且つ確実に検知して、作業者に報知し、又、着用状態を集中管理できる保護具着用検知システムとこれに使用するID−TAG付き保護具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、危険作業に従事する場合に、作業現場に対応して適当な保護具を身に付けることが決められ運用されて来た。例えば、工事現場では、ヘルメットの着用、機械や重量物を扱う現場では、ヘルメット、安全靴の着用、化学処理を行う現場では、マスクや耐薬品手袋の着用、電気作業では、絶縁手袋や絶縁服などの着用が決められている。これらの作業現場では、入り口等に、現場に入るために着用すべき保護具が一覧表にして掲示してあったり、着用したかどうかを確認するチェック表がおいてあって、入場まえに、着用品に対応して、チェック表を記入したり、又着用品の点呼をしたりして確認している。然しながら、このような作業者によるチェックは、面倒であるという点と、ややもすると、本人任せのため、いい加減になったりして、事故にあったときに、実はチェックを疎かにしていたなどの不都合が発覚している。このような背景にあって、作業者の注意に頼ることなく、入場する場合に作業者が何の操作をすることなく自動的簡単に、着用状態を検知するシステムとこれに使うに便利な保護具が必要となった。
【0003】
ところで、従来、ID−TAGの応用が色々の分野でなされている。先ず、市場で商品に付いたID−TAGは、万引き防止に役立っている。レジを通してID−TAGの読み取り処理をしないで、商品を持ち出すと、ゲートで警報が出ることになっている。これは、ID−TAGの読み取り処理により、ID−TAGの無効処理をしていることになる。工場の製造工程では、流れてくる部品にID−TAGを付けて、個数や物品の素性を読み取ったりしている。特許文献からその応用例を見てみると、以下のようなものがある。特許文献1、特許文献2では、予め許可された特定の作業者には、ID−TAGを持たせておき、そのIDを読み取ることで、工具箱の鍵の開錠を許可するものである。更に、工具にIDを付設しておき、工具箱の中に存在すべき工具が確実に存在するかをリーダにより確認するものである。特許文献2では、工具箱の鍵が開錠を許可信号で制御できる開錠機能付きの鍵を有している。以上の応用例において、ID−TAGの特性を巧みに利用しているが、いずれも、ID−TAGの有無や、有効/無効か、読み取りIDが登録されたものにあるかという単一の読み取りIDと登録符号一致判断による単純な応用となっている。上記の保護具着用を検知する場合に、作業者の確実さに頼ることなく、入場する場合に作業者が何の操作をすることなく自動的簡単に着用状態を検知するシステムは、未だ提案されていないが、作業者と作業場所と保護具の3者を関連付けるシステム構成にする必要があり、以下、これを説明する。
【特許文献1】特開2003−25176
【特許文献2】特開2005−207167
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような事情から、解決しようとする課題は、作業現場で予め決められた保護具を作業者が着用しているかを、現場に入るときに自動的に検知し、保護具着用状態を作業者に報知し、管理端末で集中管理できる保護具着用検知システムとその保護具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段として、本発明による保護具着用検知システムは、前記管理エリアで着用すべき保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を持つ保護具ID−TAGと、作業者を識別するための作業者用認識符号を持つ作業者ID−TAGと、符号を読み取るTAGリーダと、保護具用認識符号を照合参照情報として格納するための認識符号登録テーブルと、前記保護具の着用を判別する保護具着用判別器と、制御器を有している。以下、請求項に沿って説明する。
【0006】
請求項1記載の発明は、保護具着用検知システムであって、作業場所又は前記作業場所の出入り口において作業者が着用しているべき保護具に付設され、前記保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAGと、
前記作業場所又は前記作業場所の出入り口を特定するための予め決められた場所用認識符号を持つ場所ID−TAGと、
前記作業者が前記保護具とは分離して携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対と、
前記保護具用認識符号と前記場所用認識符号と前記作業者の名称又は/及び前記作業者の認識符号とどの前記作業者が携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対が読み取りを行ったかを識別するための端末用認識符号のうち少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称を予め記憶登録するための認識符号登録テーブルと、
前記保護具用認識符号と前記場所用認識符号と前記作業者の名称又は/及び前記作業者の認識符号のうち、前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対のTAGリーダが電波又は電磁誘導又は電磁結合によって読み出した少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称と、前記認識符号登録テーブルに予め登録した前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称とを比較して、一致するかどうかで前記保護具の着用状態を含む判定結果を出力する保護具着用判定手段と、
を有し、
前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対の携帯安全管理端末は、入力手段と出力手段と制御手段とを有するものであり、
前記制御手段は、前記TAGリーダ、前記入力手段、前記出力手段、前記保護具着用判定手段の動作を制御し、
前記入力手段は、前記作業者、前記保護具、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の認識符号、前記出力手段の個々の切替え、出力モード切替え、前記制御手段が行う制御モード切替のうち、少なくとも一つを含む入力データを前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対を携帯する前記作業者が入力する装置、画像を取り込むカメラ、人感センサのうち少なくとも一つを含む入力装置であり、
前記出力手段は、前記入力手段での入力内容を表示する表示装置、前記保護具着用判定手段が出力する前記判定結果を表示する表示装置、外部の表示装置への電気出力、前記判定結果を発音する又は警報を出す音声出力装置、前記判定結果で駆動された電気接点、前記作業者又は/及び前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の画像又は/及び文字情報を映す前記表示装置のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする。これにより、保護具の着用が常時チェック可能となる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の保護具着用検知システムにおいて、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口において、前記TAGリーダからの読み取りに基づいて前記保護具の着用状態を含む前期判定結果を前記保護具着用判定手段が判断出力する場合に、前記作業者の数を前記TAGリーダからの読み取りから求めたものと、前記TAGリーダとは異なる人数把握手段から求めたものを比較する人数比較手段を有し、前記人数比較手段は、前記作業者を特定する前記端末用認識符号を有する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対又は/及び作業者ID−TAGを有さないものが、前記作業者を特定する前記端末用認識符号を有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対又は/及び前記作業者ID−TAGを有するものと同時に前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に入ることを防止することを特徴とする。
これにより、許可されない者の同時侵入を防止できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、保護具着用検知システムであって、作業場所又は前記作業場所の出入り口において作業者が着用しているべき保護具に付設され、前記保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAGと、
前記作業者を特定するための予め決められた作業者用認識符号を持つ作業者ID−TAGと、
作業場所又は前記作業場所の出入り口に据付されるTAGリーダ・据付安全管理端末対と、
前記保護具用認識符号と前記作業者用認識符号と前記作業者の名称とどの前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に据付したTAGリーダ・据付安全管理端末対が読み取りを行ったかを識別するための端末用認識符号のうち少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号
又は/及び前記名称を予め記憶登録するための認識符号登録テーブルと、
前記保護具用認識符号と前記作業者用認識符号と前記作業者の名称のうち前記TAGリーダ・据付安全管理端末対のTAGリーダが電波又は電磁誘導又は電磁結合によって読み出した少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称と、前記認識符号登録テーブルに予め登録した前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称とを比較して、一致するかどうかで前記保護具の着用状態を含む判定結果を出力する保護具着用判定手段と、
人数把握手段と、人数比較手段と
を有し、
前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の据付安全管理端末は、入力手段と出力手段と制御手段とを有するものであり、
前記制御手段は、前記TAGリーダ、前記入力手段、前記出力手段、前記保護具着用判定手段の動作を制御し、
前記入力手段は、前記作業者、前記保護具、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の認識符号、前記出力手段の個々の切替え、出力モード切替、前記制御手段が行う制御モード切替の少なくとも一つを含む入力データを前記作業者が入力するための装置、画像を取り込むカメラ、人感センサの少なくとも一つを含む入力装置であり、
前記出力手段は、前記入力手段での入力内容を表示する表示装置、前記保護具着用判定手段が出力する前記判定結果を表示する表示装置、外部の表示装置への電気出力、前記判定結果を発音する又は警報を出す音声出力装置、前記判定結果で駆動された電気接点、前記作業者又は/及び前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の画像又は/及び文字情報を映す前記表示装置のうち少なくとも一つを含む装置であり、
人数比較手段は、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口において、前記TAGリーダからの読み取りに基づいて前記保護具の着用状態を含む前記判定結果を前記保護具着用判定手段が判断出力する場合に、前記作業者の人数を前記TAGリーダからの読み取りから求めたものと、前記TAGリーダとは異なる人数把握手段から求めたものを比較する人数比較手段を有し、
前記人数比較手段は、前記作業者を特定する作業者ID−TAGを有さないものが、前記作業者を特定する前記作業者ID−TAGを有するものと同時に前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に入ることを防止するものであり、
人数把握手段は、前記読み取りから前記作業者の人数を把握する前記TAGリーダとは異なる人数把握装置であることを特徴とする。これにより、保護具の着用が常時チェック可能となり、同時に、許可されない者の同時侵入を防止できる。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記保護具着用検知システムは、ホストコンピュータを有し、前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末の前記制御手段は、前記ホストコンピュータとの間に、
無線通信、インターネット回線、LAN回線のうち少なくとも一つの通信手段を有することを特徴とする。これによりホストコンピュータでの集中監視も可能となる。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の保護具着用検知システムにおいて、前記ホストコンピュータと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末との少なくとも1つは、前記認識符号登録テーブルと前記保護具着用判定手段、前記人数比較手段、作業情報登録手段の少なくとも一つを有するものであって、前記作業情報登録手段は、前記作業者と前記作業者の作業資格と前記作業場所又は前記作業場所の出入り口と前記保護具の少なくとも前記保護具を含む作業情報を予め登録するための装置であることを特徴とする。これにより、前記ホストコンピュータ又は、前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末のいずれかで、前記作業情報の登録、前記の認識符号の登録、保護具着用の判定、人数比較が可能となる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記制御手段は、前記作業者又は/及び、前記作業場所又は/及び、前記作業場所の出入り口の画像を取り込む前記カメラ、前記作業者の接近を検知する前記人感センサの少なくともいずれか一つからのデータ入力を得て、前記TAGリーダの制御、又は/及び、前記表示装置へのデータ提供を行うことを特徴とする。これにより、作業者又は作業場の変化を取らえての応答が出来る。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記作業者ID−TAGを読み取った前記TAGリーダ・据付安全管理端末の前記端末用認識符号又は、前記端末用認識符号を有する前記作業者の携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対が読み取った前記場所ID−TAGの前記場所用認識符号から前記作業者の在所を検知する作業者在所管理も可能としたことを特徴とする。これにより、
所在管理とシステムを共用できて、システムコストを低減できる。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記携帯安全管理端末又は/及び前記据付安全管理端末には、前記入力手段及び出力手段として、各々の前記携帯安全管理端末及び前記据付安全管理端末の間を相互に音声で通信可能な通信手段を有することを特徴とする。これにより、相互間の連絡を可能とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対及び、前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の前記TAGリーダと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を別体として構成し、前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を携帯電話又はPDA(パーソナルディジタルアシスタント)端末としたことを特徴とする。これにより、システム構成のコストを低減できる。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対及び、前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の前記TAGリーダと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を一体として構成したことを特徴とする。これによりコンパクトにシステムが構成できる。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記作業者が、携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対の前記入力手段により、前記作業者の作業及び/又は安全作業の進捗状況を入力することにより進捗管理をも可能としたことを特徴とする。これにより、進捗予定実績管理も可能となり、システムが共用できてコストが低減できる。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項4から請求項11のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて、前記作業者が携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対で、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の前記場所ID−TAGを読み取り、前記場所用認識符号を認識した後、別の前記場所ID−TAGを読み取るまで、前記場所用認識符号を記憶し、前記保護具の着用状態を含む判定に使用することを特徴とする。
これにより、場所ID−TAGの設置の数を節約でき、システムコストを低減でき、認識符号の検知範囲が拡大する。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて前記作業者が着用するID−TAG付き保護具であって、前記保護具用認識符号を有する前記保護具ID−TAGを付設したことを特徴とする。これにより、保護具の着用の検知を可能とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項13記載のIDTAG付き保護具において、前記保護具は、前記TAGリーダによる前記保護具RFID−TAGからの前記保護具用認識符号の読み取りの制御又は可/不可を、前記保護具の着用/不着用により決める読み取り許可機能部を有することを特徴とする。これにより、保護具の着用/不着用により、読み取りを制御できる。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のIDTAG付き保護具において、前記保護具ID−TAGと前記読み取り許可機能部を一体形成したことを特徴とする。これにより、コンパクトに構成ができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように構成されているので、本発明による保護具着用検知システム及びID−TAG付き保護具により、作業者は何らの手続きをすることなく、作業場所に接近するだけで作業者個人と保護具の着用状態を検知して、不都合の場合には警告をしてくれ、作業者の保護具着用状態と管理エリアへの存在を集中管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による保護具着用検知システム及びID−TAG付き保護具では、保護具用認識符号を持つ保護具ID−TAGと、場所を特定する場所ID−TAG、又は、作業者を識別するための作業者用認識符号を持つ作業者ID−TAGと、符号を読み取るTAGリーダと、保護具用認識符号を照合参照情報として格納するための認識符号登録テーブルと、前記保護具の着用を判別する保護具着用判定手段と、入力手段、出力手段、通信手段、作業情報登録手段、これらの制御手段とを主たる構成とし、さらに、人数把握手段、ホストコンピュータを有している。図1には、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対を有する場合であり、図2では、作業場所や入り口に設置されるTAGリーダ・据付安全管理端末対を有する場合である。以下、実施例を用い説明する。
【0023】
図1は、本発明による保護具着用検知システムの構成の一実施態様を示すブロック図である。通常、作業者は、作業者ごとに予め決められた認識符号を有する作業者ID−TAGを胸部に付けるなどで携帯している。しかし、この場合、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対を有する場合である。携帯安全管理端末、又は、TAGリーダのいずれかに個々を識別できる認識符号が付与されている場合には、作業者ID−TAGを省略できる。勿論、作業者ID−TAGを使用することは差し支えない。認識符号を読み取る場所を特定するための場所ID−TAGが必要となる。以下詳細に説明する。作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100は、以下の各ID−TAGから認識符号を読み取るTAGリーダ101と、以下の手段を含む携帯安全管理端末100Aを有している。TAGリーダ101は携帯安全管理端末100Aの外側にあってもよいが、図1の例では、内側に内蔵・一体型にした例を示している。携帯安全管理端末100Aは、ホストコンピュータとの間で通信を行うため(好ましくは、他の携帯安全管理端末100A同士との相互の通信も可能な)の通信手段A102と、作業者情報、保護具、場所、応答などやその認識符号、制御モード切替、その他のデータを入力する入力手段103と、入力情報や、判断、指示の情報を表示するLCD等の表示手段104と、スピーカ等の後述する出力手段107と、これらの動作を制御するコンピュータを含む制御手段105を有している。又、個々のTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を区別するために、端末用認識符号106を有すると更に好都合である。端末用認識符号106は、TAGリーダ又は携帯安全管理端末100Aのどちらにあってもよい。ホストコンピュータ110は、例えば、作業の安全を集中監視する監視所にあって、作業者、作業場所、保護具などの作業情報を予め登録する作業情報登録手段111を有し、通信手段B112を通じて、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100の通信手段A102と交信が可能である。但し、作業現場での作業情報登録を携帯安全管理端末100Aの入力手段103を使い行うことを可能にするため、作業情報登録手段111に携帯安全管理端末100Aの入力手段103による入力データを送信するか、作業情報登録手段の機能を携帯安全管理端末100Aにも有することも可能である。TAGリーダ・携帯安全管理端末対100の制御手段105又は、ホストコンピュータ110の少なくとも一方が、認識符号登録テーブル120と保護具着用判定手段121を有し、後述する判断機能を有している。作業者は、これから入る作業現場で着用しているべき保護具を着用するが、この保護具には、予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAG130が付設されている。保護具を複数種類着用する必要がある現場では、保護具ID−TAG130は、保護具ごとに別に設定した複数個の認識符号を有することが必要となる。保護具ID−TAG130は、作業者を区別して管理したい場合は、作業者ごとに別々で有った方がよい。保護具も1個ごとに管理したい場合は、別々の認識符号の方が好都合である。勿論、同じ保護具には、同一認識符号を与えてもよい。作業者が作業現場の入り口の前に近づいた場合や、作業現場に存在している場合には、出入り口又は現場に設置された場所ID−TAG131、及び、保護具ID−TAG130から、例えば電波や電磁誘導(通信パス140)により、作業者が有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100が、各々のID−TAGの有する認識符号を読み取る。読み取り時に作業者が保護具を着用していれば、保護具ID−TAG130の有する認識符号が読み取られ、同時に、場所ID−TAG131の有する認識符号から設置された場所に必要な保護具が割り出せるので、予め設定された関連付けの関係とあっているかを比較することができ、必要な保護具を着用していない場合や、入場が許可されていない者の場合には、警報や指示が出される。保護具ID−TAG130から読み取った認識符号は、制御手段105又は/及び、ホストコンピュータ110内の保護具着用判定手段121において、予め認識符号登録テーブル120に設定された作業者、作業場所、保護具、作業資格などの設定された照合参照用作業情報として登録された登録符号と複数の認識符号間の組み合わせ(登録符号同志の関連付け)を含め比較され、一致しているかどうかを判定され、上記の警報や指示が出されることになる。例えば、作業現場Aでは、作業者が有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100の端末用認識符号106では、入場資格が無い(不許可)とか、入場資格はあるが、保護具ID−TAG130からの認識符号では、一部の保護具が不着用になっているということで、着用指示の警告が出される。又、保護具着用判定手段121の判定により、制御手段105又は、ホストコンピュータ110からは、表示手段104や後述する出力手段107に判定出力が出力される。すなわち、誰が作業現場に現状入っているとか、誰は保護具が不着用で警告を受ける傾向があるなどの管理が出来る。尚、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100側での保護具着用判定を行う場合には、認識符号登録テーブル120のデータ内容のうち、作業者個人や、場所に関連したデータのみ必要なことでよいので、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100内に付設した認識符号登録テーブル120は、少ない記憶容量にすることが出来る。制御手段105は、伝送パス141を介して、TAGリーダ101に読み取りを指示して、読み取り信号を発生させたり、場所ID−TAG131や保護具ID−TAG130から、これらが有する認識符号を含む信号を受信させる。勿論、これらのことは、通信パス140を介して、電波や電磁誘導、電磁結合により行われる。又、制御手段105、又は、ホストコンピュータ110は、保護具着用判定手段121に入力された認識符号と認識符号登録テーブル120の照合参照用作業情報として登録された登録符号の比較判定の実施を制御したり、必要な場合には、外部のセンサにより受信した作業者の接近を検知して、この信号により、TAGリーダ101に読み取り指示を出すなどの制御を行う。作業者が有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100の場合には、作業場所にTAGリーダが敷設される場合と比べて次の大きな違いがある。1つ目の違いは、保護具ID−TAG130とTAGリーダ・携帯安全管理端末対100が両者とも作業者個人に付設されるので、保護具を付けていない場合や、途中で保護具を外した場合には、簡単に検出できることである。作業場所にTAGリーダが敷設される場合には、TAGリーダの付設の規模によっては、読み取りできない場所ができやすく、この場所では、保護具を外しても検知されない。一方、作業者が有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100の場合には、作業者とともにTAGリーダが移動するので、どこでも読み取りが可能である。2つ目の違いは、作業者が有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100の場合には、作業者とともに移動するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100から、音声や画像により指示や命令、判断結果を常時作業者が直接得ることができる。ある固定の場所でしか情報が得られない場合に比べて、情報伝達上の利点が大きい。又、TAGリーダが作業者個人に関連づくので、一旦、作業エリアのいずれかで作業場所の認識符号を読み取ると、次の新たな認識を行うまで、記憶したモードとすることも出来て、敷設する場所ID−TAGの数を少なくすることは出来、システム構成のメリットが大きい。
【0024】
図2は、本発明による保護具着用検知システムの構成の一実施態様を示すブロック図である。作業場所やその出入り口に設置されるTAGリーダ・据付安全管理端末対を有する場合である。TAGリーダ・据付安全管理端末対が有する端末用認識符号は、その据付安全管理端末に固有であると同時に、設置された場所に関連付けられ場所に対応したものとなる。従って、場所ID−TAGは、不要となり、逆に作業者を特定するためには、作業者ID−TAGが必要となる点で、図1と構成に違いができる。以下、説明する。作業場所やその出入り口に設置されるTAGリーダ・据付安全管理端末対200は、以下の各ID−TAGから認識符号を読み取るTAGリーダ201と、以下の手段を含む据付安全管理端末200Aを有している。TAGリーダ201は据付安全管理端末200Aの外側にあってもよいが、図2の例では、内側に内蔵・一体型にした例を示している。据付安全管理端末200Aは、ホストコンピュータ210との間で通信を行うための通信手段A202と、作業者情報、保護具、場所、応答などやその認識符号その他のデータを入力する入力手段203と、入力情報や、判断、指示の情報を表示するLCD等の表示手段204と、スピーカ等の出力手段207と、これらの動作を制御するコンピュータを含む制御手段205を有している。又、個々のTAGリーダ・据付安全管理端末対200を区別するために、端末用認識符号206を有すると更に好都合である。この端末用認識符号206は設置する場所に対応したものとなる。ホストコンピュータ210は、作業の安全を集中監視する監視所にあって、作業者、作業場所、保護具などの作業情報を予め登録する作業情報登録手段211を有し、通信手段B212を通じて、TAGリーダ・据付安全管理端末対200の通信手段A202と交信が可能である。図1での説明と同様に、作業現場での作業情報登録を据付安全管理端末200Aの入力手段203を使い行うことを可能にするため、作業情報登録手段211に据付安全管理端末200Aの入力手段203による入力データを送信するか、作業情報登録手段の機能を据付安全管理端末200Aにも有することも可能である。TAGリーダ・据付安全管理端末対200の制御手段205又は、ホストコンピュータ210の少なくとも一方が、認識符号登録テーブル220と保護具着用判定手段221を有し、後述する判断機能を有している。作業者は、これから入る作業現場で着用しているべき保護具を着用するが、この保護具には、予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAG230が付設されている。保護具を複数種類着用する必要がある現場では、保護具ID−TAG230は、保護具ごとに付設した別の認識符号を有する複数個のものが必要となる。保護具ID−TAG230は、作業者を区別して管理したい場合は、作業者ごとに別々で有った方がよい。保護具も1個ごとに管理したい場合は、別々の認識符号の方が好都合である。勿論、同じ保護具には、同一認識符号を与えてもよい。作業者が作業現場の入り口の前に近づいた場合や、作業現場に存在している場合には、出入り口又は現場に設置されたTAGリーダ・据付安全管理端末対200が、作業者を特定する作業者ID−TAG231及び、保護具ID−TAG230から、例えば電波や電磁誘導、電磁結合(通信パス240)により、各々のID−TAGの有する認識符号を読み取る。読み取り時に作業者が保護具を着用していれば、作業者ID−TAG231と保護具ID−TAG230は、TAGリーダ201の位置からみて、略同じ距離の位置にあると見ることができるので、両者からの読み取り電波の強度は、略同じとなる。例えば、保護具の不着用がある場合には、保護具は検出されるような距離にないため、検出信号強度は弱く、全く認識符号IDが読み取れない。勿論、作業者ID−TAG231と保護具ID−TAG230とTAGリーダ201との距離を検知する手段、例えば、電波や超音波や光パルスの遅れ測定による距離計算によるものなども適用できるが、保護具着用を実施している場合のみ、作業者ID−TAG231と保護具ID−TAG230が、略同じ距離の位置にあるので、TAGリーダ201による両者の読み取り検出が可能となるため、特別の手段の追加は無くとも良い。尚、作業者ID−TAG231と保護具ID−TAG230の読み取りのためのTAGリーダ201を各々用に別々に設置しても構わないことは論を待たない。読み取り時に作業者が保護具を着用していれば、保護具ID−TAG230の有する認識符号が読み取られ、同時に、作業者ID−TAG231の有する認識符号から場所に関連して作業者に必要な保護具が割り出せるので、予め設定された関連付けの関係と合っているかを比較することができ、必要な保護具を着用していない場合や、入場が許可されていない者の場合には、警報や指示が出される。保護具ID−TAG230から読み取った認識符号は、制御手段205又は/及び、ホストコンピュータ210内の保護具着用判定手段221において、予め認識符号登録テーブル220に設定された作業者、作業場所、保護具、作業資格などの設定された照合参照用作業情報として登録された登録符号と複数の認識符号間の組み合わせ(登録符号同志の関連付け)を含め比較され、一致しているかどうかを判定され、上記の警報や指示が出されることになる。例えば、作業現場Aでは、作業者ID−TAG231の有する認識符号では、入場資格が無い(不許可)とか、入場資格はあるが、保護具ID−TAG230からの認識符号では、一部の保護具が不着用になっているということで、着用指示の警告が可能である。又、保護具着用判定手段221の判定により、制御手段205又は、ホストコンピュータ210からは、表示手段204や詳細は後述する出力手段207に判定出力が出力される。すなわち、誰が作業現場に現状入っているとか、誰は保護具が不着用で警告を受ける傾向があるなどの管理が出来る。制御手段205は、通信パス241を介して、TAGリーダ201に読み取りを指示して、読み取り信号を発生させ、作業者ID−TAG231や保護具ID−TAG230から、これらが有する認識符号を含む信号を受信させる。勿論、これらのことは、通信パス240を介して電波、電磁誘導、電磁結合のいずれかを使い行われる。又、制御手段205、又は、ホストコンピュータ210は、保護具着用判定手段221に入力された認識符号と認識符号登録テーブル220の照合参照用作業情報として登録された登録符号の比較判定の実施を制御し、必要な場合には、外部のセンサにより受信した作業者の接近を検知して、この信号により、TAGリーダ201に読み取り指示を出すなどの制御を行う。
【0025】
図3は、本発明による保護具着用検知システムにおいて、入力手段及び出力手段の外部ユニットを付属した構成の一実施態様を示す図である。図1の本発明の例に外部ユニット300を適用しているが、図2でも同様である。必要に応じてカメラ301を付設することができ、カメラ301により作業者を取り込んで、この出力により制御手段105を駆動して、TAGリーダ101に読み取りの指示を出すことも出来る。又、赤外線等を使った人感センサ302で作業者の接近を捉えることで、この出力でもTAGリーダ101に読み取りの指示を出すことが出来る。TAGリーダ101又は、場所ID−TAG131や保護具ID−TAG130から電波を随時出すことで、常時読み取りを行えば、カメラ301や人感センサ302の読み取りの指示を出す機能部分は必ずしも必要ではない。制御手段105からの出力は、例えば、次の様に使われる。作業エリアに出入りする扉を電気的に開閉するスイッチ等の電気接点303を駆動することが出来る。又、「保護具Aが着用されていません。着用して入場してください。」等の音声による警告又は警報をスピーカ304から出力することが出来る。作業場所に入場した作業者のリストやカメラから取り込んだ作業者の映像を集中監視室の映像モニタ305で監視することが出来る。
【0026】
図1、図2、図3には、人数把握手段150、250と人数比較手段151、251、があるが、人数把握手段150、250は、カメラや、赤外線等の人感センサ、フットスイッチなど出入り又は存在する人員の把握を行う手段であり、その手段により検知された人数と、作業者ID−TAG231又は、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100の有する認識符号から割り出された人数を比較して、同じ場合には、作業者ID−TAG231又は、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を持たない者の出入りや存在が無いことを確認するために好ましい手段である。前者の人数が多い場合は、これらの作業者ID−TAG231又は、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を持たない者が混入しているとして、出入りを禁止したり、警報を出すことができる。この手段を使わない場合には、例えば、作業者ID−TAG231又は、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を持たないような作業とは関係の無いものが入っても区別が難しい。尚、TAGリーダ・据付安全管理端末対200においても、人数把握手段と人数比較手段は、同様の効果があることは、同様である。人数把握手段150、250は、場所に設置され、人数比較手段151、251は、制御手段105、205、又は、ホストコンピュータ110、210内に存在する。尚、端末用認識符号106、206は、TAGリーダ101、201又は、携帯安全管理端末100又は、据付安全管理端末200のいずれに持たせてもよい。
尚、端末用認識符号106、206は、図1では、携帯する作業者に対応し、図2では、設置する場所に対応するものとなるが図1では、作業者ID−TAGによる作業者認識符号を持たせることで省略でき、図2では、場所ID−TAGによる場所認識符号を持たせれば、省略が可能であるが、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100又はTAGリーダ・据付安全管理端末対200の中に端末用認識符号106、206を有する場合の方が、記憶装置の中に数値データとして保有するだけなので、コストがかからない。又、作業者認識符号、場所認識符号、端末用認識符号106、206を冗長性を持って、重複して設けてもなんらかまわないことは勿論である。
【0027】
図4は、保護具着用検知システムの認識符号登録テーブルの一実施態様を示す図である。このテーブルは、例えば、制御手段105、205、又は、ホストコンピュータ110、210のメモリ上に作成されている。管理エリア(作業現場)毎に、着用が義務付けられた保護具が決められている。例えば、P−1の名称の管理エリアでは、一般工事現場なので、保護具認識符号 Aの保護具(例えば、ヘルメット)を着用が決められている。作業現場に入れる許可者もM001、M002の認識符号を持つ二人のみ許可されている。P−2の名称の管理エリアでは、重量物を扱うので、保護具認識符号 Aの保護具に加えて、保護具認識符号 Bの保護具の着用が義務付けられている。現場への入場許可者は、M001、M003、M004の3人となっている。それらと作業者や作業資格の対応も取られている。従って、例えば、M006の作業者が、P−2の名称の管理エリアに入場しようとしても、入場を許可されない。M001の作業者がP−2の名称の管理エリアに入場しようとすると、P−2に対応して、M001、保護具認識符号 A、保護具認識符号 Bの認識符号の組み合わせがチェックされ、一つでも合わないと、合ない部分を指摘した警告を発する。例えば、M004の認識符号を有する作業者がP−2の名称の管理エリアに入り、その奥にある管理エリアP−3の名称の作業エリアに入ろうとすると、更に保護具認識符号 Cの保護具を着用しなければならない。前述した様に、保護具認識符号は、同じ保護具では、同じ認識符号でも良いし、個々の保護具ごとに違った認識符号を与えてもよい。
【0028】
図5は、本発明による保護具着用検知システムの保護具を着用した状態の一実施態様を表す図である。作業者は、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100又は作業者ID−TAG231を着用している。保護具として、ヘルメット、手袋、安全靴の3点をつけている。各々の保護具には、異なる認識符号を持った保護具ID−TAG130、230が付設されている。このような状態であるので、作業者は、作業エリアのゲートを通過するだけで、又は、作業の管理エリアに存在するだけで、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100、又は作業者ID−TAG231及び保護具ID−TAG130、230から、各々の認識符号が自動的に読み取られる。何ら面倒な手続きを必要としないで、管理データが取得されることが出来る。
【0029】
図6は、本発明による保護具着用検知システムが色々の管理エリア(作業現場)で使用される一実施態様を示す図である。集中管理室601には、映像モニタ305、制御手段105、205、認識符号登録テーブル120、220、保護具着用判定手段121,221などを含むホストコンピュータ602があり、又、TAGリーダ101,201から読み取った認識符号を含むデータを無線等の手段により受信し、送信することが出来る送受信の通信手段603があり、これを介して、ホストコンピュータ602にデータを取り込むことになっている。作業エリア604Aは、室内作業所の例である。例えば、図1に対応する作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対を有する場合には、扉605Aの近傍には、図1の場所ID−TAG131と同じ場所ID−TAG610が設置されている。作業者607Aは、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100を携帯していて、場所ID−TAG131又は、610と自ら所持する保護具ID−TAG130からそれぞれの認識符号を読み取り、無線によりデータを送受信ユニット603に送って、ホストコンピュータ602で判定を行っている。又は、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100内で判定を行っている。図2に示す作業場所やその出入り口に設置されるTAGリーダ・据付安全管理端末対を有する場合には、扉605Aの近傍には、TAGリーダ・据付安全管理端末対200に同じTAGリーダ・据付安全管理端末対606Aがあって、作業者607Aの接近により、作業者607Aの有する作業者ID−TAG231及び保護具ID−TAG230を読み取って、この例では、無線によりデータを送受信ユニット603に送っている。コンピュータ602内では、認識符号登録テーブル120,220をもとに、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100、場所ID−TAG131、作業者ID−TAG231及び保護具ID−TAG130、230の組み合わせをチェックし、作業者の許可状態、保護具着用の状態を検知して、その結果を、再度無線によりTAGリーダ・据付安全管理端末対606Aに送信する。TAGリーダ・据付安全管理端末対606A、或いは制御手段経由でスピーカ又は文字や映像の表示手段やパトランプを用いて、保護具不着用などの不備がある場合は作業者に結果を報知する。更に扉を開かないなどの動作を行うことも出来る。又、作業者がTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を有する場合には、ホストコンピュータ602での判定を省略して、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100のみで判定が可能である。すなわち、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100は、スタンドアロンでの使用が可能である。604Bと604Cは、野外の場所での作業エリアの例である。ここでは、扉の代わりに出入りのための間口605Bと605Cがあり、作業者607B、607Cがこの間口に近づいたときに、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100が、場所ID−TAG131と自ら所持する保護具ID−TAG130からそれぞれの認識符号を読み取り、無線によりデータを送受信ユニット603に送って、ホストコンピュータ602で判定を行っている。又は、TAGリーダ・据付安全管理端末対606B、606Cにより、作業者ID−TAG231及び保護具ID−TAG230が読み取られる。後の動作は室内作業所と同様である。作業エリア604Cは、作業エリア604Bに比べて、危険度合いが強いエリアである事を想定すると、作業エリア604Cに入る場合には、作業エリア604Bに入る場合の保護具に加えて、他の保護具を着用しなければならない。この保護具着用検知システムでは、保護具の着用を忘れていると、着用すべき保護具を警告で示してくれるので、保護具指定表示代わりの機能も有している。特に作業エリアが広く、TAGリーダ・据付安全管理端末対606Aでは、読み取りをカバーしきれない場合は、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100を作業者が携帯すると、読み取りエリアのカバレージを心配する必要が無い。即ち、先ず、作業エリアの出入り口、又は作業エリアの中で一旦作業エリアをTAGリーダ・携帯安全管理端末対100が感知すると、その状態を記憶していて、その作業エリアを出ない限り、どこでも保護具ID−TAG130がTAGリーダ・携帯安全管理端末対100に予め設定された時間間隔で読み取られ、保護具をうっかり脱いだ場合には、即座に警告が出る。別のエリアに移動して、新たな作業の管理エリアのID−TAGを検出して初めて作業エリアの検知状態の記憶が変わる。
【0030】
尚、集中管理室601での管理以外にも、作業管理者608が携帯する携帯管理端末609でも管理することが出来る。これは、作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対100とは、大きな違いは付けなくともよいが、管理者機能など管理者しか扱えないデータもある。又、これらの携帯安全管理端末同士には、音声で相互通信が可能な通信機能があると、作業安全上の情報伝達に好都合である。TAGリーダ・携帯安全管理端末対100及び、携帯管理端末609は、無線機能により、相互間の音声通信以外に、送受信ユニット603又は、TAGリーダ・据付安全管理端末対606Aと通信ができ、指示情報やデータを受け取っている。携帯安全管理端末は、通常の携帯電話、又は、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)端末を利用してもよい。尚、上述したTAGリーダ・携帯安全管理端末対100又は、TAGリーダ・据付安全管理端末対200は、TAGリーダと携帯安全管理端末又は据付安全管理端末が別体に形成されてもよいが、一体に形成される方が小型にできる。TAGリーダを内蔵した携帯電話又はPDAは、このような要望に答えるものである。しかし、別体に形成される場合には、携帯安全管理端末又は据付安全管理端末を通常の携帯電話、又は、PDAを利用できるので、こちらは構成価格が安価にできる利点がある。
【0031】
又、この保護具着用検知システムは、作業者の所在を管理するシステムと兼用してシステムを構成することが出来、兼用によりシステムコストを低減することができ、運用上も便利である。即ち、このシステムでは、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100が、どこに設置された場所ID−TAG131を読み取ったか、又は、作業者の有する作業者ID−TAG230が存在するので、これがどこに設置されたTAGリーダ・据付安全管理端末対200で読み取られたかにより在所が分かり、所在管理に利用できる。これらの機能とシステムが兼用できるので極めて好都合である。また、同様に、作業者が携帯安全管理端末を持つ場合には、そこから、作業情報を入力させれば、スケジュールに対して作業がどこまで進んだかなどの作業情報が管理端末で分かるので、スケジュール管理も可能であり、この管理端末とも兼用することが出来る。尚、本発明においては、作業者が本人であるかの確認の確度を向上させる目的で、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100又は作業者ID−TAG231から取得した認識符号以外に、本人の音声を取得し、音声認識により確認することや、新たな確認キーを追加で入れさせることが補充手段として可能である。これは、別人が悪意又は、誤って、他人のTAGリーダ・携帯安全管理端末対100又は作業者ID−TAG231と保護具を着けて侵入することを防止することを想定したものである。
【0032】
本発明による保護具着用検知システムに使用する保護具は、ID−TAGが付設された保護具となる。保護具にID−TAGを付設するには、分離しないように埋め込むもの、接着剤で接着するもの、ねじ込み、挟み込むなど機械的な固定手段で付設することも出来る。現在、ID−TAGは、1mmより薄いもの、1〜10mmの径など小型で、30cm〜10m位の通信距離のものなど、多くの利用できる物が市場に出てきている。この応用に利用する場合は、小型で通信距離が1m前後のものが使い易く、容易に市場から入手できる。尚、本明細書の中で記述したID−TAGの用語は、通常、広く普及している意味で使用しているが、TAG内に認識符号(名称などの個々を認識する符号や文字、数字図形などの認識符号)を内蔵でき、電磁結合、電磁誘導、電波のいづれかの送受信機能を有しているもので、TAGリーダは、無線通信によりID−TAGの認識符号を読み取り、ID−TAG又は、その所持者を認識するものである。ID−TAGには、電源をTAGリーダからの電波に依存している近距離用(凡そ1m以下)の受動TAGと言われるものと、電源を内蔵した長距離用(凡そ1m以上10m位まで)の能動TAGがある。
【0033】
図7は、本発明による保護具着用検知システムに使用するID−TAG付き保護具の別の実施態様を示す図である。7−Aは、ヘルメットの例であり、7−Bは、安全等の保護靴の例である。この実施態様では、保護具(ここでは、ヘルメット又は保護靴)700には、保護具ID−TAG130、230が付設されている。更に、TAGリーダ101、201による保護具ID−TAG130、230からの認識符号の読み取りの制御又は可/不可を決める読み取り許可機能部701を有している例である。具体的にこの機能は、以下のような構成と効果を有している。読み取り許可機能部701は、例えば、作業者の人手による電気回線をON/OFFするスイッチ、又は、作業者の保護具700の着用による接触又は着用を感知したことにより電気回線をON/OFFするスイッチ等で構成される。接触又は着用の感知は、例えば、圧力センサや感温センサにより作業者と保護具の接触による人体からの圧力や体温を感じてこれにより、電気回線をONにして、このときのみ保護具ID−TAG130、230の認識符号の読み取りを可能とするものである。或いは、保護具の着用の紐等を堅く締めた状態の時に同様の読み取りを可能とすることもできる。この様にすると、所謂、作業現場での作業者の一時的で意図しない保護具の脱ぎ捨て(「ポカ脱ぎ」と呼ぶことにする)を防止することが出来る。即ち、作業現場内にTAGリーダ・据付安全管理端末対200が設置された場合か、又は、作業者がTAGリーダ・携帯安全管理端末対100を携帯した場合には、保護具着用検知システムの常時監視状態にすれば、「ポカ脱ぎ」をした瞬間に、前者では、作業者ID−TAG231が読み取られるのに対して、保護具ID−TAG230が読み取りが出来ないので、保護具不着用の警告が出ることになる。後者でも、保護具ID−TAG130が読み取りが出来ないので、保護具不着用の警告が出ることになる。前述したように、後者では、TAGリーダ・携帯安全管理端末対100を携帯しているので、作業者がどこに移動しても、読み取りが可能であり、読み取り確度が高い。前者では、TAGリーダ・据付安全管理端末対200を作業管理エリア(作業場所)への出入り口に設置した入場時の検知機能以外に、作業管理エリア内部の適当な位置にも設置すると、作業管理エリア内の常時(リアルタイムの)作業者及び保護具着用を管理することが出来ることになる。ただし、作業管理エリアが広いか、複雑な形状では、TAGリーダ・据付安全管理端末対200が多数必要になるか、カバーし切れないことになる。後者は、その不便さはない。以上の様な機能は、入場時は着用していたのに、例えば機械の保守作業の時に作業者が不注意で保護具を脱ぎ捨てて作業をしたことによる事故等を未然防止できる。一般には、事故が起こらない場合は、このようなことは発覚しないので、作業者はルーズになり、事故が起こると、生命が助かった場合は、「ポカ脱ぎ」をしてしまったことが発覚する。事故者が不幸にして死亡した場合は、「ポカ脱ぎ」の事実も不明な場合も生じてくる。しかしながら、本実施態様による「ポカ脱ぎ」防止機能を施せば、ポカ脱ぎの瞬間に警告が出るので、事故になる前に正常に戻すことが出来る。又、集中管理室のホストコンピュータ602上にこの状態が表示される。少なくともこのような検知体制を取っていることは、従来に増して事故防止に大きな役割を果すことができる。尚、図では、保護具ID−TAG130、230と読み取り許可機能部701を別々に描いているが、作成上は、両者を一体に作成した方が都合が良い。
【0034】
以上の説明での通信パスとして、無線通信、有線通信、インターネット回線、LANなどの形態を取ることが出来る。制御器や保護具着用判別器、認識符号登録テーブル等の構成も分散配置にしたり、集合したりすることは、応用により自在にしてよいことは勿論である。これらを更に統合するコンピュータシステムがインターネットや企業内LANにより結ばれている形態が取れる。認識符号登録テーブル、保護具着用判定手段、人数比較手段、作業情報登録手段は、制御手段とホストコンピュータのいずれが有してもよい。これらを両方でもっても、分担して持ってもよい。又、制御手段に持つと、ホストコンピュータを持たないで、TAGリーダ・携帯安全管理端末対又は、TAGリーダ・据付安全管理端末対のみでのスタンドアロンの使用が可能である。尚、本出願明細書及び特許請求の範囲でいう作業者は、工事作業現場に出入りを管理されるべき工事作業者、工事作業責任者、その管理者と作業責任者、その管理者から臨時に入場を許可(例えば、工事状況の検分のために許可)された者を指す。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上の様に、本発明による保護具着用検知システムとID−TAG付き保護具を利用すると、作業者にとって何らの手続きを行うことなく、作業エリアの出入り口に近づくだけで、或いは、作業の管理エリアの作業者が存在するだけで、入場しようとしている作業者が誰であるか、作業エリアに決められた保護具を着用しているかを、これらの組み合わせを自動的にチェックして判定し、告知してくれるので、極めて産業上大きな利用性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】作業者が携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対を有する場合での本発明による保護具着用検知システムの構成の一実施態様を示すブロック図である。
【図2】作業場所やその出入り口に設置されるTAGリーダ・据付安全管理端末対を有する場合での本発明による保護具着用検知システムの構成の一実施態様を示すブロック図である。
【図3】本発明による保護具着用検知システムにおいて、入力手段及び出力手段の外部ユニットを付属した構成の一実施態様を示す図である。
【図4】保護具着用検知システムの認識符号登録テーブルの一態様を示す図である。
【図5】本発明による保護具着用検知システムの保護具を着用した状態の一実施態様を表す図である。
【図6】本発明による保護具着用検知システムが色々の管理エリア(作業現場)で使用される一実施態様を示す図である。
【図7】本発明による保護具着用検知システムに使用するID−TAG付き保護具の別の実施態様を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
100 TAGリーダ・携帯安全管理端末対
100A 携帯安全管理端末
101、201 TAGリーダ
102、202 通信手段A
103、203 入力手段
104、204 表示手段
105、205 制御手段
106、206 端末用認識符号
107、207 出力手段
110、210 ホストコンピュータ
111、211 作業情報登録手段
112、212 通信手段B
120、220 認識符号登録テーブル
121、221 保護具着用判定手段
130、230 保護具ID−TAG
131、231 場所ID−TAG
140、240 通信パス
141、241 伝送パス
150、250 人数把握手段
151、251 人数比較手段
200 TAGリーダ・据付安全管理端末対
200A 据付安全管理端末
300 外部ユニット
301 カメラ
302 人感センサ
303 電気接点
304 スピーカ
305 映像モニタ
601 集中管理室
602 ホストコンピュータ
603 送受信ユニット
604A、604B、604C 作業エリア
605A 扉
605B、605C 出入りのための間口
606A、606B、606C TAGリーダ・据付安全管理端末対
607A、607B、607C 作業者
608 管理者
609 携帯管理端末
700 保護具
701 読み取り許可機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業場所又は前記作業場所の出入り口において作業者が着用しているべき保護具に付設され、前記保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAGと、
前記作業場所又は前記作業場所の出入り口を特定するための予め決められた場所用認識符号を持つ場所ID−TAGと、
前記作業者が前記保護具とは分離して携帯するTAGリーダ・携帯安全管理端末対と、
前記保護具用認識符号と前記場所用認識符号と前記作業者の名称又は/及び前記作業者の認識符号とどの前記作業者が携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対が読み取りを行ったかを識別するための端末用認識符号のうち少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称を予め記憶登録するための認識符号登録テーブルと、
前記保護具用認識符号と前記場所用認識符号と前記作業者の名称又は/及び前記作業者の認識符号のうち、前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対のTAGリーダが電波又は電磁誘導又は電磁結合によって読み出した少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称と、前記認識符号登録テーブルに予め登録した前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称とを比較して、一致するかどうかで前記保護具の着用状態を含む判定結果を出力する保護具着用判定手段と、
を有し、
前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対の携帯安全管理端末は、入力手段と出力手段と制御手段とを有するものであり、
前記制御手段は、前記TAGリーダ、前記入力手段、前記出力手段、前記保護具着用判定手段の動作を制御し、
前記入力手段は、前記作業者、前記保護具、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の認識符号、前記出力手段の個々の切替え、出力モード切替え、前記制御手段が行う制御モード切替のうち、少なくとも一つを含む入力データを前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対を携帯する前記作業者が入力する装置、画像を取り込むカメラ、人感センサのうち少なくとも一つを含む入力装置であり、
前記出力手段は、前記入力手段での入力内容を表示する表示装置、前記保護具着用判定手段が出力する前記判定結果を表示する表示装置、外部の表示装置への電気出力、前記判定結果を発音する又は警報を出す音声出力装置、前記判定結果で駆動された電気接点、前記作業者又は/及び前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の画像又は/及び文字情報を映す前記表示装置のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする保護具着用検知システム。
【請求項2】
前記作業場所又は前記作業場所の出入り口において、前記TAGリーダからの読み取りに基づいて前記保護具の着用状態を含む前期判定結果を前記保護具着用判定手段が判断出力する場合に、前記作業者の数を前記TAGリーダからの読み取りから求めたものと、前記TAGリーダとは異なる人数把握手段から求めたものを比較する人数比較手段を有し、前記人数比較手段は、前記作業者を特定する前記端末用認識符号を有する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対又は/及び作業者ID−TAGを有さないものが、前記作業者を特定する前記端末用認識符号を有するTAGリーダ・携帯安全管理端末対又は/及び前記作業者ID−TAGを有するものと同時に前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に入ることを防止することを特徴とする請求項1記載の保護具着用検知システム。
【請求項3】
作業場所又は前記作業場所の出入り口において作業者が着用しているべき保護具に付設され、前記保護具に対応して予め決められた保護具用認識符号を有する保護具ID−TAGと、
前記作業者を特定するための予め決められた作業者用認識符号を持つ作業者ID−TAGと、
作業場所又は前記作業場所の出入り口に据付されるTAGリーダ・据付安全管理端末対と、
前記保護具用認識符号と前記作業者用認識符号と前記作業者の名称とどの前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に据付したTAGリーダ・据付安全管理端末対が読み取りを行ったかを識別するための端末用認識符号のうち少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号
又は/及び前記名称を予め記憶登録するための認識符号登録テーブルと、
前記保護具用認識符号と前記作業者用認識符号と前記作業者の名称のうち前記TAGリーダ・据付安全管理端末対のTAGリーダが電波又は電磁誘導又は電磁結合によって読み出した少なくとも前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称と、前記認識符号登録テーブルに予め登録した前記保護具用認識符号を含む認識符号又は/及び前記名称とを比較して、一致するかどうかで前記保護具の着用状態を含む判定結果を出力する保護具着用判定手段と、
人数把握手段と、人数比較手段と
を有し、
前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の据付安全管理端末は、入力手段と出力手段と制御手段とを有するものであり、
前記制御手段は、前記TAGリーダ、前記入力手段、前記出力手段、前記保護具着用判定手段の動作を制御し、
前記入力手段は、前記作業者、前記保護具、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の認識符号、前記出力手段の個々の切替え、出力モード切替、前記制御手段が行う制御モード切替の少なくとも一つを含む入力データを前記作業者が入力するための装置、画像を取り込むカメラ、人感センサの少なくとも一つを含む入力装置であり、
前記出力手段は、前記入力手段での入力内容を表示する表示装置、前記保護具着用判定手段が出力する前記判定結果を表示する表示装置、外部の表示装置への電気出力、前記判定結果を発音する又は警報を出す音声出力装置、前記判定結果で駆動された電気接点、前記作業者又は/及び前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の画像又は/及び文字情報を映す前記表示装置のうち少なくとも一つを含む装置であり、
人数比較手段は、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口において、前記TAGリーダからの読み取りに基づいて前記保護具の着用状態を含む前記判定結果を前記保護具着用判定手段が判断出力する場合に、前記作業者の人数を前記TAGリーダからの読み取りから求めたものと、前記TAGリーダとは異なる人数把握手段から求めたものを比較する人数比較手段を有し、
前記人数比較手段は、前記作業者を特定する作業者ID−TAGを有さないものが、前記作業者を特定する前記作業者ID−TAGを有するものと同時に前記作業場所又は前記作業場所の出入り口に入ることを防止するものであり、
人数把握手段は、前記読み取りから前記作業者の人数を把握する前記TAGリーダとは異なる人数把握装置であることを特徴とする保護具着用検知システム。
【請求項4】
前記保護具着用検知システムは、ホストコンピュータを有し、前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末の前記制御手段は、前記ホストコンピュータとの間に、無線通信、インターネット回線、LAN回線のうち少なくとも一つの通信手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項5】
前記ホストコンピュータと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末との少なくとも1つは、前記認識符号登録テーブルと前記保護具着用判定手段、前記人数比較手段、作業情報登録手段の少なくとも一つを有するものであって、前記作業情報登録手段は、前記作業者と前記作業者の作業資格と前記作業場所又は前記作業場所の出入り口と前記保護具の少なくとも前記保護具を含む作業情報を予め登録するための装置であることを特徴とする請求項4に記載の保護具着用検知システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記作業者又は/及び、前記作業場所又は/及び、前記作業場所の出入り口の画像を取り込む前記カメラ、前記作業者の接近を検知する前記人感センサの少なくともいずれか一つからのデータ入力を得て、前記TAGリーダの制御、又は/及び、前記表示装置へのデータ提供を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項7】
前記作業者ID−TAGを読み取った前記TAGリーダ・据付安全管理端末の前記端末用認識符号又は、前記端末用認識符号を有する前記作業者の携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対が読み取った前記場所ID−TAGの前記場所用認識符号から前記作業者の在所を検知する作業者在所管理も可能としたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項8】
前記携帯安全管理端末又は/及び前記据付安全管理端末には、前記入力手段及び出力手段として、各々の前記携帯安全管理端末及び前記据付安全管理端末の間を相互に音声で通信可能な通信手段を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項9】
前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対及び、前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の前記TAGリーダと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を別体として構成し、前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を携帯電話又はPDA(パーソナルディジタルアシスタント)端末としたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項10】
前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対及び、前記TAGリーダ・据付安全管理端末対の前記TAGリーダと前記携帯安全管理端末又は前記据付安全管理端末を一体として構成したことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項11】
前記作業者が、携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対の前記入力手段により、前記作業者の作業及び/又は安全作業の進捗状況を入力することにより進捗管理をも可能としたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項12】
前記作業者が携帯する前記TAGリーダ・携帯安全管理端末対で、前記作業場所又は前記作業場所の出入り口の前記場所ID−TAGを読み取り、前記場所用認識符号を認識した後、別の前記場所ID−TAGを読み取るまで、前記場所用認識符号を記憶し、前記保護具の着用状態を含む判定に使用することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4から請求項11のいずれか1つに記載の保護具着用検知システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1つに記載の保護具着用検知システムにおいて前記作業者が着用する保護具であって、前記保護具用認識符号を有する前記保護具ID−TAGを付設したことを特徴とするID−TAG付き保護具。
【請求項14】
前記保護具は、前記TAGリーダによる前記保護具RFID−TAGからの前記保護具用認識符号の読み取りの制御又は可/不可を、前記保護具の着用/不着用により決める読み取り許可機能部を有することを特徴とする請求項13記載のIDTAG付き保護具。
【請求項15】
前記保護具ID−TAGと前記読み取り許可機能部を一体形成したことを特徴とする請求項14記載のIDTAG付き保護具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−146301(P2008−146301A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331978(P2006−331978)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(396020132)株式会社システック (101)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】