説明

保護機構付レセプタクル

【課題】レセプタクルが、開閉装置とスイッチにより、電気の供給を遮断した状態でなければ、プラグを抜き差しできないようにし設置スペースの問題を解決すること。
【解決手段】ケーブルの先端に取り付けられるプラグ39Bが差し込まれるレセプタクル33Bと、レセプタクル33Bからのプラグ39Bの抜き差しを妨げる位置とプラグ39Bの抜き差しが可能な位置に位置することが可能な保護ブラケット23と、保護ブラケット23がプラグ39Bの抜き差しを妨げる位置にあることを検出するスイッチと、前記スイッチが、保護ブラケット23がプラグ39Bの抜き差しを妨げる位置にあることを検出したとき、該スイッチの信号により通電状態となる開閉装置43とを有する保護機構付レセプタクル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護機構付レセプタクルに関する。
【背景技術】
【0002】
通電状態でレセプタクル(コンセント)に対して抜き差しする際には感電などの事故が起こり得る。このような感電事故を防止するためには、レセプタクルへの電気の供給を遮断した状態でなければ、プラグを抜き差しできない構造にするとよい。
特許文献1には、感電を防止することを目的としたコンセントおよびカバー付コンセントの技術が開示されている。特許文献2には、盗電を防止するとともに電気自動車および電気機器の両方が利用できる屋外用コンセントの技術が開示されている。特許文献3には、コンセントにプラグが圧着している時にのみ通電するスイッチを組み込んだコンセント等における安全機構の技術が開示されている。
【0003】
通電中にプラグの抜き差しが不可能なレセプタクルとしてプラグの挿入により操作可能となるスイッチ付きレセプタクルが市販されている。図20,図21,図22,図23に前記レセプタクルと前記プラグの概略の構成を示す。
レセプタクル1には回転式スイッチ2と開閉装置5が設けられている。回転式スイッチ2をON/OFFの位置に回転させることで、ロッド4,ギヤ3,ロッド6を介して開閉装置5が機械的に動作し、三相電源を供給するケーブル11から開閉装置5を経由してケーブル12を介して通電部金具13への電気の供給と遮断を切り替える。回転式スイッチ2とギヤ3はロッド4により連結されており、両者は同じ位相で回転する。また、ギヤ3に連結されたロッド6により回転式スイッチ2の回転が開閉装置5に伝わる。
【0004】
プラグ14がレセプタクル1に差し込まれていない場合(図20,図21参照)には、バネ19により押し出される方向の力を受けているスライド部9がギヤ8の内径部の切り欠き18に嵌っているため、ギヤ8は回転できず、ギヤ7、ギヤ3、回転式スイッチ2もOFFの位置から回転できない。すなわち、通電部金具13への通電は遮断される。
プラグ14をレセプタクル1に差し込んだ場合(図22,図23)は、プラグ14の先端の突起部15がスライド部9を押し込み、ギヤ8の切り欠き18からスライド部9が外れるため、ギヤ8の回転が可能となる。
【0005】
このとき、回転式スイッチ2をONの位置に回転させると、開閉装置5が動作し、通電部金具13に電気が供給されると共に、ギヤ8の回転に伴い、ギヤ8上のプラグブロック部10がプラグ14の突起部15を固定する。これによって、プラグ14をレセプタクル1から抜くことができない。通電部金具13に供給された電気はプラグ14の金具16を介してケーブル17に伝わり、ケーブル17を介して図示しない各種機器に電力が供給される。
この状態から回転式スイッチ2をOFFの位置に回転させると、開閉装置5が動作し、通電部金具13への通電が遮断されると共に、ギヤ8の回転に伴い、プラグブロック部10と突起部15との干渉がなくなり、プラグ14を引き抜くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−70912号公報
【特許文献2】特開2011−8947号公報
【特許文献3】特開平9−199234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
背景技術で説明した特許文献1に開示される技術では、開口部から充電部へ到達できるため、水の浸入や金属棒の挿入などによって感電の危険性がある。特許文献2に開示される技術では、コンセントへの電気の供給をスイッチにより行い、プラグの抜き差しを妨げる筐体内に設置しているが、通電状態でプラグの抜き差しが可能であり、問題である。また、特許文献3に開示される技術では、プッシュオンスイッチを故意に押せば、プラグを挿入しなくても通電状態にすることができる問題がある。
【0008】
また、上記プラグの挿入により操作可能となるスイッチ付きレセプタクルは図20〜図23を用いて説明したように、開閉装置とスイッチを有する機構が内蔵されているため、レセプタクルを設置する際には、開閉装置やスイッチの分の大きなスペースが必要となる。そのため、レセプタクルを設置するスペースを確保することが困難な場合がある。例えば、射出成形機においては、1つの機械に温調器(温度調節装置)、コンベヤ、乾燥機、取出機等、多くの周辺機器が設置される。このため、これらの周辺機器用に開閉装置とスイッチを有するレセプタクルを十分な数設置することはスペース上非常に困難となる。
【0009】
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、レセプタクルが、開閉装置とスイッチにより、電気の供給を遮断した状態でなければ、プラグを抜き差しできないようにし、設置スペースの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1に係る発明は、ケーブルの先端に取り付けられるプラグが差し込まれるレセプタクルと、前記レセプタクルからの前記プラグの抜き差しを妨げる位置と、前記プラグの抜き差しが可能な位置に位置することが可能な保護ブラケットと、前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを検出するスイッチと、前記スイッチが、前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを検出したとき、該スイッチの信号により通電状態となる開閉装置と、を有することを特徴とする保護機構付レセプタクルである。
請求項2に係る発明は、前記レセプタクルが複数のレセプタクルであり、前記開閉装置が1つ以上で且つレセプタクルの数量より少ない数量の開閉装置であることを特徴とする請求項1に記載の保護機構付レセプタクルである。
請求項3に係る発明は、前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあるとき、前記ブラケットの位置を固定するロック装置を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクルである。
請求項4に係る発明は、前記保護ブラケットに前記ロック装置の操作部を設け、前記スイッチは該操作部により前記ロック装置をロックした状態であることを検出するスイッチであり、前記ブラケットがロックされた状態であることを前記スイッチが検出したとき、前記開閉装置は前記スイッチの信号により通電状態となることを特徴とする請求項3に記載の保護機構付レセプタクルである。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記スイッチは防水性のスイッチであることを特徴とする請求項1〜4にいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクルである。
請求項6に係る発明は、前記保護ブラケットに連動する連動部材を設け、前記スイッチは運動部材の位置を検出するスイッチであり、前記スイッチを箱の内部に設け、連動部材の状態を前記スイッチで検出することにより、前記ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを前記スイッチで検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクルである。
請求項7に係る発明は、前記保護ブラケットに連動する運動部材を設け、前記ロック装置は該保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあるとき前記連動部材をロックすることにより該保護ブラケットをロックするものであり、前記スイッチは前記ブラケットがロックされた状態であることを検知するスイッチであり、該スイッチを箱の内部に設け、前記保護ブラケットがロックされた状態であることを該スイッチが検出することを特徴とする請求項4に記載の保護機構付レセプタクルである。
請求項8に係る発明は、給電対象に電力を供給するケーブルの先端に取り付けられるプラグと、請求項1〜7のいずれか1つの保護機構付レセプタクルの組からなる保護機構付レセプタクル・プラグセットである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、請求項1では、レセプタクルが、開閉装置とスイッチにより、電気の供給を遮断した状態でなければ、プラグを抜き差しできないようにすることで、開閉装置とレセプタクルを別置できるため、設置スペースの問題を解決できる。さらに、請求項2では、レセプタクルの数より少ない数の開閉装置しか使用しないため、その分設置スペースを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態である第1の構造の保護装置および第1の構造の保護ブラケットを備えたレセプタクルを説明する図である。
【図2】図1に示すレセプタクルにプラグを差し込んで固定した状態を説明する図である。
【図3】図2に示すレセプタクルにプラグを差し込んで固定した状態からプラグを可動状態にしたことを説明する図である。
【図4】図1のD−D断面図である。
【図5】図4をH方向に見た図である。
【図6】制御装置を有する保護装置の動作を説明する図である。
【図7】制御装置を有しない保護装置の動作を説明する図である。
【図8】複数の開閉装置を設けた実施形態を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に用いられる第2の構造の保護装置の断面図である。
【図10】図9をI方向に見た図である。
【図11】図9,図10に示される第2の構造の保護装置のカムの動作を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に用いられる第3の構造の保護装置の正面図である。
【図13】図12のJ−J断面図である。
【図14】本発明の実施形態に用いられる第2の構造の保護ブラケットを説明する図である。
【図15】図14のE−E断面図である。
【図16】本発明の実施形態に用いられる第3の構造の保護ブラケットを説明する図である。
【図17】図16をG方向に見た図である。
【図18】本発明の第4の構造の保護ブラケットを説明する図である。
【図19】図18をF方向に見た図である。
【図20】従来技術であるレセプタクルとプラグの組み合わせで、プラグをレセプタクルに挿入する前の状態を説明する図である。
【図21】図20のA−A断面図である。
【図22】図20の挿入前の状態からプラグ挿入後の状態を説明する図である。
【図23】図22のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本発明の実施形態では、プラグの抜き差しを規制する保護ブラケットと、レセプタクルとは独立した開閉装置と、保護ブラケットが抜き差しを妨げる位置にあるときに、開閉装置の制御回路に信号が流れ、開閉装置が閉じるようにするスイッチを設けることにより、設置スペースの問題を解決している。
図1,図2,図3を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態である第1の構造の保護装置および第1の構造の保護ブラケットを備えたレセプタクルを説明する図である。図2は図1に示すレセプタクルにプラグを差し込んで固定した状態を説明する図である。図3は図2に示すレセプタクルにプラグを差し込んで固定した状態からプラグを可動状態にしたことを説明する図である。なお、図2,図3は、図1のC−C断面でレセプタクル33B,プラグ39B方向を見た図である。
【0015】
図1に示されるように、レセプタクル33A,33Bは、その端部がスクリュー(ねじ)34を用いてプレート21に固定されている。レセプタクル33A,33Bとも同様であるので、レセプタクル33Bを例として説明する。レセプタクル33Bには回転軸37B(図2参照)を中心に回転可能なレセプタクルカバー36Bが設けられている。レセプタクル33Bにプラグ39Bが差し込まれていない場合、レセプタクルカバー36Bは、回転軸37Bを中心に回動し、プラグ39Bを挿入するレセプタクル33Bの挿入口を覆い、該挿入口を保護する。なお、符号36A1,36B1は、レセプタクル33A,33Bの型番などを印刷したシールをレセプタクルカバー36A,36Bに貼るためのスペースを表す。
図2に示されるように、レセプタクル33A,33Bは保護機構を備えている。前記保護機構は保護ブラケット23、開閉装置43、開閉装置43をオン・オフするスイッチ26を含んで構成される。保護装置20は、保護ブラケット23、開閉装置43をオン・オフするスイッチを含んで構成される。レセプタクル33A,33Bは、遮断器42,開閉装置43を経由して電源に接続される。開閉装置43を開閉制御する制御回路は図示していない。
【0016】
保護ブラケット23は、プラグ39A,39Bのレセプタクル33A,33Bに対する不用意な抜き差しを防止するための部材である。保護ブラケット23は、ベース22にヒンジ24,24を用いて組み付けられる。保護ブラケット23は、ヒンジ24,24の回転軸35,35を回動中心として所定角度範囲で回動可能である。ヒンジ24,24には、市場に出回っている種々のものを用いることができる。なお、ヒンジ24,24の替わりにネジ止めによる固定でもよいが、作業性の観点からすればトルクヒンジが望ましい。トルクヒンジは任意の角度を維持することができるヒンジであり、ヒンジ24,24としてトルクヒンジを用いることにより、保護ブラケット23が振動することを防止できるし、保護ブラケット23のロックし忘れしても保護ブラケット23が不意に動作することを防止できる。なお、レセプタクル33Aとレセプタクル33Bが図示されているが、2つのレセプタクルに限定されず、1つもしくは3つ以上のレセプタクルとしてもよい。他の実施形態も同様である。
【0017】
保護ブラケット23が図2の位置(つまり、レセプタクル33Bへのプラグ39Bの接続方向と平行な姿勢)にある場合、レセプタクルカバー36Bはその外側面が保護ブラケット23と干渉し、紙面上,反時計回り方向に回転できない。したがって、レセプタクル33Bからプラグ39Bを引き抜けないし、レセプタクル33Bにプラグ39Bを挿入することもできない。一方、保護ブラケット23が図3の位置にある場合(つまり、レセプタクル33Bへのプラグの接続方向と平行ではない姿勢)、レセプタクルカバー36Bを回転軸37回りに回転させることもできる。したがって、プラグ39Bを引き抜くことができるし、プラグ39Bを挿入することもできる。
【0018】
レセプタクルカバー36Bは、紙面上で時計回り方向に保護ブラケット23から押され、あるいは、レセプタクルカバー36B自身が紙面上で時計回り方向のトルクが付与される構成であるから、図2に示されるように、ひとたび、プラグ39Bがレセプタクル33Bに挿入されると、レセプタクルカバー36Bに設けられている突起部38Bと、プラグ33Bに設けられている突起部40Bとが干渉し、プラグ39Bを引き抜くことができない。そのため、プラグ39Bを引き抜くには、保護ブラケット23を紙面上で反時計回り方向に手で引っ張るなどにより回動し、レセプタクルカバー36Bの先端部を手で引っ張るなどにより、レセプタクルカバー36Bを、回転軸37回りに紙面上で反時計回り方向に回転させなければならない。
【0019】
次に、保護ブラケット23がプラグ39A,39Bの抜き差しを妨げる位置にあるときに、開閉装置43の制御回路に信号が流れ、開閉装置が閉じるようにするスイッチについて図4,図5を用いて説明する。図4は図1のD−D断面図であり、図5は図4をH方向に見た図である。
ベース22には、スイッチブラケット25を介してスイッチ26が取り付けられている。保護ブラケット23がプラグ39A,39Bの抜き差し(抜き挿し)を妨げる状態にある時(保護ブラケット23が図2に示される姿勢の状態にある時)、スイッチ先端部59が保護ブラケット23の内側面に当接するによって、スイッチ先端部59がスイッチ26の内部方向に押し込まれ、スイッチ26がONする。これによって、ケーブル64,65を通して開閉装置43を制御する制御装置63を含む制御回路に信号が流れ、開閉装置43が閉じる。そうすると、主電源から供給される電気が遮断器42から開閉装置43、ケーブル44A,44Bを経由してレセプタクル33A,33Bへ供給される。なお、図4に示されるように、制御装置63を制御回路に組み込むことにより、保護ブラケット23の状態がプラグ39A,39Bの抜き差しを防止する位置であっても、レセプタクル33A,33Bへの電気を遮断することができる。なお、制御装置63を含む制御回路と含まない制御回路について図6,図7を用いて後述して説明する。
【0020】
図5に示されるように、プラグ39A,39Bの抜き差しを妨げる位置に保護ブラケット23を移動させる場合、クッション28により保護ブラケット23はプラグ39A,39Bの抜き差しを妨げる位置で止まる。スイッチブラケット25にはシリンダ錠受け60が組み付けられており、カム部62がシリンダ錠受け60と係合するまでシリンダ錠30の回転部61を回転させることによって、保護ブラケット23が回転しないように固定される。
図4に示されるように、スイッチ26に配線されたケーブル64,65は、ベース22に固定されたコードロック32を通り、プレート21内の開閉装置43及び制御装置63に配線される。ベース22とプレート21の間はシール材58でシールされており、防水されている。したがって、プレート21に穴57を加工し、スクリュー31で保護装置20をプレート21に取り付けることでプラグ39A,39Bを抜き差しする際には必ずレセプタクル33A,33Bへの通電を遮断することができる。
なお、保護装置20を構成する一つの要素であるスイッチブラケット25に水がかかった場合、スイッチ26が誤動作し、プラグ39A,39Bの抜き差しの際に通電する恐れがある。その場合、スイッチ26を防水性のものにすることで、保護装置20に防水性を付加することができる。
【0021】
ここで、開閉装置43の開閉を制御する制御回路について図7,図6を用いて説明する。図6は制御装置を有する保護装置の動作を説明する図である。図7は制御装置を有しない保護装置の動作を説明する図である。三相交流の主電源は遮断器42、開閉装置43、経由してレセプタクル33Aと33Bに電気的接続されている。遮断器42は主電源のオン・オフを大元で行う装置であり本発明に関係しないので説明を省略する。開閉装置43はスイッチ26を含む制御回路により開閉制御される。
図6に示されるように制御回路に制御装置63を含むものと図7に示されるように制御装置63を含まないようにすることもできる。制御装置63は、図示しない工作機械などを制御する上位の制御装置からアラーム信号を受けると、制御回路に流れる信号をオフとし、レセプタクル33Aおよびレセプタクル33Bへの電気の供給を遮断する。前述したように、保護ブラケット23の状態がプラグ39A,39Bの抜き差しを防止する位置であっても、レセプタクル33A,33Bへの電気を遮断することができ、機器の保安性と安全性が向上する。
図6,図7では複数のレセプタクルに対して1つの開閉装置を設ける構造になっているが、図8に示すように複数の開閉装置を設けてもよい。特に少なくとも1つの開閉装置に複数のレセプタクルが電気的接続される場合、開閉装置が少ない分、設置スペース削減が期待できる。図8では開閉装置43がレセプタクル33Aと33Bに電気的接続されており、開閉装置43Aがレセプタクル33Cと33Dと電気的接続されている。開閉装置43、43Aはスイッチ26を含む制御回路により開閉制御される。
【0022】
次に、スイッチ26の損傷を防止する構成を図9,図10,図11を用いて説明する。図9は本発明の実施形態に用いられる第2の構造の保護装置の断面図である。図10は図9をI方向に見た図である。
図4,図5を用いて説明した保護ブラケット23の固定方法では、保護ブラケット23の内側面がスイッチ先端部59に直接衝突する構造であるため、保護ブラケット23を強く閉めた場合、衝撃がスイッチ26に直接伝わってしまいスイッチ26の損傷につながる恐れがある。
そこで、スイッチ26のオンとオフの切り替えを、シリンダ錠30のカム部62にて駆動する第2の構造の保護装置とする(図9,図10,図11)。この実施形態では、保護ブラケット23の内側面が直接スイッチ先端部59に接触しない。したがって、保護ブラケット23を強く閉めたとしても、スイッチ先端部59が可動範囲を超えて押し込まれることも、直接衝撃が加わることもない。
【0023】
保護ブラケット23を閉じる方向に回転させ、クッション28により保護ブラケット23がプラグ33A,33Bの抜き差しを妨げる位置となった後、シリンダ錠30の回転部61を回転させると、ガイド68に沿ってカム部62はスイッチブラケット66の穴67を通り、スイッチブラケット66とカム部62により保護ブラケット23は固定される。
【0024】
また、それと同時に、カム部62はスイッチ先端部59を押し込み、レセプタクル33A,33Bに電気が供給される。穴67によりカム部62の高さ方向の位置が制限されるため、可能動作範囲を超えてスイッチ先端部59が押し込まれることを防止できる。
保護ブラケット23がプラグの抜き差しを妨げる状態でない場合、シリンダ錠30の回転部61を回転させても、スイッチ先端部59を押し込めないため、レセプタクル33A,33Bに電気は供給されない。スイッチ先端部59は、スイッチブラケット66の穴67により動作範囲が制限されるとともに、保護ブラケット23を閉めた際の衝撃から保護される。
【0025】
図12は本発明の実施形態に用いられる第3の構造の保護装置の正面図であり、図13は図12のJ−J断面図である。図9,図10に示される第2の構造の保護装置では、穴67より物を挿入しスイッチ26を動作させられる可能性が残る。そこでこの実施形態では、スイッチ26へ干渉できない構造を次に示す。保護ブラケット69はロッド70に固定されており、保護ブラケット69とロッド70とは同じ位相で回転する。ロッド70にはカム72が固定されており、ロッド70と同じ位相で回転する。
一方、ブラケット71にはシリンダ錠73が取り付けられており、シリンダ錠の回転部74はシリンダ錠73に取り付けられたカム75と同じ位相で回転する。保護ブラケット69がプラグ39A,39Bの抜き差しを妨げる位置にある場合、カム75はカム72と干渉しないため回転可能となる。シリンダ錠の回転部74を反時計回りに90度回転させるとカム75がスイッチ76を押し込み、レセプタクルに電気が供給される。
【0026】
スイッチ76が動作するカム75の位置では、カム72とカム75が干渉して保護ブラケット69は動かすことができない。シリンダ錠の回転部74を回転させ、元に位置に戻すと、途中、スイッチ76が戻り、レセプタクル33A,33Bへの電気の供給が遮断される。シリンダ錠の回転部をさらに戻すと、カム72とカム75が干渉しなくなり、保護ブラケット69は回転可能となる。
ロッド70を通すブラケット71の穴をシール材82でシールすることで、本保護装置の防水性が得られる。本構造では、カム72とカム75をインターロックしているが、これらを独立させ、カム72でスイッチ76を動作させ監視し、シリンダ錠73とカム75で保護ブラケット69を固定する構造でもよい。
【0027】
請求項3のロック装置に対応するのはこの実施形態ではシリンダ錠30であるが、保護ブラケットを固定できればファスナー、ラッチ錠、コインロック、カムロック、ハンドルロック等でもよい。開閉装置として、コンタクタ、リレー等を用いることもできる。
【0028】
本発明において用いられる保護ブラケットは、図1,図2,図3を用いて説明した保護ブラケット23の構成に限定されない。これから、他の保護ブラケットの態様について説明する。第1の構造の保護ブラケットは、プラグ39A,39Bの保持構造(レセプタクルカバー36A,36B)の動作を制限する構造の保護ブラケット23(図2,図3を参照)であり、第2,第3の構造の保護ブラケットは、プラグ39A,39Bが引き抜けないようプラグ39A,39Bの動作を制限する構造の保護ブラケット46、55(図15,図14,図16,図17を参照)であり、第4の構造の保護ブラケットは、プラグの回転及び保持を妨げる構造の保護ブラケット52(図18,図19を参照)である。
【0029】
図14は本発明の実施形態に用いられる第2の構造の保護ブラケットを説明する図である。図15は図14のE−E断面図である。保護ブラケット46は、プラグ39A,39Bのレセプタクル33A,33Bに対する不用意な抜き差しを防止するための部材である。保護ブラケット46は、略L字形形状をなしており、その一端部は、ヒンジ47,47がスクリュー(ねじ)により固定されている。また、その他端部は、レセプタクル33A,33Bにプラグ39A,39Bを差し込んだときに、プラグ39A,39Bの側面と干渉しないように、2つの半円形の切り抜きが設けられている。
【0030】
保護ブラケット46は、ベース22にヒンジ47,47を用いて組み付けられ、回転軸48,48を回転中心として所定角度範囲で回動可能である。ヒンジ47,47には、市場に出回っている種々のものを用いることができる。ヒンジ47,47の替わりにネジ止めによる固定でもよいが、作業性の観点からすればトルクヒンジを用いることが望ましい。トルクヒンジは任意の角度を維持することができるヒンジであり、ヒンジ47,47としてトルクヒンジを用いる。
図14に示されるように、レセプタクル33Bにプラグ39Bを差し込むと、プラグ39Bの突起部40Bとレセプタクルカバー36Bの突起部38Bとが係合する。レセプタクル33Bにプラグ39Bを差し込んだ後、保護ブラケット46をその回転軸48を中心として紙面上で反時計回りに回動させ、保護ブラケット46によってプラグ39Bが抜けないようにする。ヒンジ47,47としてトルクヒンジを用いることにより、ヒンジ47,47は図14に示される状態で姿勢を維持することができる。
【0031】
図16は、本発明の実施形態に用いられる第3の構造の保護ブラケットを説明する図である。図17は、図16をG方向から見た図である。第3の構造の保護ブラケット55は、第2の構造の保護ブラケット46と異なり、プラグ50A,Bの上側に配置する形態である。図16,図17に示されるように、プラグ50A,50Bは、図2,図3等に示されるようなレセプタクルカバー36A,36Bが取り付けられていない。このため、第3の構造の保護ブラケット55をプラグ50A,50Bの上側に配置することができる。
保護ブラケット55は、プラグ50A,50Bのレセプタクル49A,49Bに対する不用意な抜き差しを防止するための部材である。保護ブラケット55は、断面が略L字形形状をなしており、その一端部は、ヒンジ53,53がスクリュー(ねじ)により固定されている。また、その他端部は、レセプタクル49A,49Bにプラグ50A,50Bを差し込んだときに、ケーブル51A,51Bの側面と干渉しないように、細長の2つの半円形の切り抜きが設けられている。
【0032】
保護ブラケット55は、ベース22にヒンジ53,53を用いて組み付けられ、回転軸54,54を回転中心として所定角度範囲で回動可能である。ヒンジ53,53には、市場に出回っている種々のものを用いることができる。ヒンジ53,53の替わりにネジ止めによる固定でもよいが、作業性の観点からすればトルクヒンジを用いることが望ましい。トルクヒンジは任意の角度を維持することができるヒンジであり、ヒンジ53,53としてトルクヒンジを用いる。
図17に示されるように、レセプタクル49A,49Bにプラグ50A,50Bを差し込むと、保護ブラケット55をその回転軸54を中心として紙面上で時計回りに回動させ、保護ブラケット55によってプラグ50A,50Bが抜けないようにする。ヒンジ53,53としてトルクヒンジを用いることにより、ヒンジ53,53は図14に示される状態で姿勢を維持することができる。
【0033】
図18は、本発明の第4の構造の保護ブラケットを説明する図である。図19は、図18をF方向から見た図である。第4の構造の保護ブラケット52は、プラグ50A,50Bの回転および動作を妨げる構造の保護ブラケットとする。
保護ブラケット52は、プラグ50A,50Bのレセプタクル49A,49Bに対する不用意な抜き差しを防止するための部材である。保護ブラケット52は、略箱型形状をなしており、上側面端部には、ヒンジ53,53がスクリュー(ねじ)により固定されている。また、プラグ50A,50Bを差し込む面に対向する保護ブラケット52の側面は、レセプタクル49A,49Bにプラグ50A,50Bを差し込んだときに、ケーブル51A,51Bの側面と干渉しないように、細長の2つの半円形の切り抜きが設けられている。
保護ブラケット52は、ベース22にヒンジ53,53を用いて組み付けられ、回転軸54,54を回転中心として所定角度範囲で回動可能である。ヒンジ53,53には、市場に出回っている種々のものを用いることができる。ヒンジ53,53の替わりにネジ止めによる固定でもよいが、作業性の観点からすればトルクヒンジを用いることが望ましい。トルクヒンジは任意の角度を維持することができるヒンジであり、ヒンジ53,53としてトルクヒンジを用いる。
【0034】
図19に示されるように、レセプタクル49A,49Bにプラグ50A,50Bを差し込むと、レセプタクル49Bにプラグ50A,50Bを差し込んだ後、保護ブラケット52をその回転軸54を中心として紙面上で時計回りに回動させ、保護ブラケット52によってプラグ50A,50Bが抜けないようにする。ヒンジ53,53としてトルクヒンジを用いることにより、ヒンジ53,53は図14に示される状態で姿勢を維持することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 レセプタクル
2 回転式スイッチ
3 ギヤ
4 ロッド
5 開閉装置
6 ロッド
7 ギヤ
8 ギヤ
9 スライド部
10 プラグロック部
11 ケーブル
12 ケーブル
13 通電部金具
14 プラグ
15 突起部
16 金具
17 ケーブル
18 切り欠き
19 バネ
20 保護装置
21 プレート
22 ベース
23 保護ブラケット
24 ヒンジ
25 スイッチブラケット
26 スイッチ
27 スクリュー
28 クッション
29 スイッチカバー
30 シリンダ錠
31 スクリュー
32 コードロック
33A,33B,33C,33D レセプタクル
34 スクリュー
35 ヒンジの回転軸
36 レセプタクルカバー
37 回転軸
38 突起部
39A,39B プラグ
40 突起部
41 パッキン
42,42A 遮断器
43,43A 開閉装置
44A,44B ケーブル
45A,45B ケーブル接続口
46 保護ブラケット
47 ヒンジ
48 回転軸
49 レセプタクル
50A,50B プラグ
51A,51B ケーブル
52 保護ブラケット
53 ヒンジ
54 回転軸
55 保護ブラケット
56 スクリュー
57 穴
58 シール材
59 スイッチ先端部
60 シリンダ錠受け
61 回転部
62 カム部
63 制御装置
64 ケーブル
65 ケーブル
66 スイッチブラケット
67 穴
68 ガイド
69 保護ブラケット
70 ロッド
71 ブラケット
72 カム
73 シリンダ錠
74 回転部
75 カム
76 スイッチ
77 スイッチブラケット
78 ケーブル
79 穴
80 スクリュー
81 シール材
82 シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの先端に取り付けられるプラグが差し込まれるレセプタクルと、
前記レセプタクルからの前記プラグの抜き差しを妨げる位置と、前記プラグの抜き差しが可能な位置に位置することが可能な保護ブラケットと、
前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを検出するスイッチと、
前記スイッチが、前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを検出したとき、該スイッチの信号により通電状態となる開閉装置と、
を有することを特徴とする保護機構付レセプタクル。
【請求項2】
前記レセプタクルが複数のレセプタクルであり、前記開閉装置が1つ以上で且つレセプタクルの数量より少ない数量の開閉装置であることを特徴とする請求項1に記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項3】
前記保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあるとき、前記ブラケットの位置を固定するロック装置を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項4】
前記保護ブラケットに前記ロック装置の操作部を設け、前記スイッチは該操作部により前記ロック装置をロックした状態であることを検出するスイッチであり、前記ブラケットがロックされた状態であることを前記スイッチが検出したとき、前記開閉装置は前記スイッチの信号により通電状態となることを特徴とする請求項3に記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項5】
前記スイッチは防水性のスイッチであることを特徴とする請求項1〜4にいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項6】
前記保護ブラケットに連動する連動部材を設け、前記スイッチは運動部材の位置を検出するスイッチであり、前記スイッチを箱の内部に設け、連動部材の状態を前記スイッチで検出することにより、前記ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあることを前記スイッチで検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項7】
前記保護ブラケットに連動する運動部材を設け、前記ロック装置は該保護ブラケットが前記プラグの抜き差しを妨げる位置にあるとき前記連動部材をロックすることにより該保護ブラケットをロックするものであり、
前記スイッチは前記ブラケットがロックされた状態であることを検知するスイッチであり、該スイッチを箱の内部に設け、前記保護ブラケットがロックされた状態であることを該スイッチが検出することを特徴とする請求項4に記載の保護機構付レセプタクル。
【請求項8】
給電対象に電力を供給するケーブルの先端に取り付けられるプラグと、
請求項1〜7のいずれか1つの保護装置付きレセプタクルの組からなる保護機構付レセプタクル・プラグセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−37898(P2013−37898A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173111(P2011−173111)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)
【Fターム(参考)】