説明

信号処理回路および電子内視鏡システム

【課題】アナログ信号の歪や、減衰、レベル変動が生じても、サンプリングパルスの位相を最適に調整し、出力信号の精度を確保することができる信号処理回路を提供する。
【解決手段】サンプリングパルス生成部5は、基準レベル部と、信号電荷に応じた信号レベル部とを有するアナログ信号のサンプリングに用いるサンプリングパルスを生成する。アナログ/デジタル変換部2は、サンプリングパルスに従ってアナログ信号の基準レベル部と信号レベル部とを各々複数回サンプリングし、各サンプリング値を標本化する。評価値演算部3は、アナログ/デジタル変換部2から出力された複数のサンプリング値に基づいて評価値を演算する。パルス位相制御部6は、評価値に基づきサンプリングパルスの位相を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ信号を複数回サンプリングする信号処理を行う信号処理回路に関する。また、本発明は、この信号処理回路を有する電子内視鏡システムにも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像素子を用いた電子カメラとして電子内視鏡などが開発されている。また、撮像素子から出力される画素信号を複数回サンプリングする信号処理を行う技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された信号処理方法では、固体撮像装置の出力信号のうち、各画素の基準レベル部の電圧と、信号電荷に応じたレベルを有する信号レベル部の電圧とを各々複数回サンプリングし、それぞれの電圧の平均値の差として出力信号電圧を生成している。
【0003】
また、特許文献2にも、撮像素子からの画像信号の基準レベル部の電圧と信号レベル部の電圧とをサンプリングする信号処理を行う技術が記載されている。特許文献2に記載された信号処理方法では、サンプルホールドした複数の信号の信号レベルを算出し、信号レベルが最大となるようにサンプリング位相を調整している。
【特許文献1】特開平3−225284号公報
【特許文献2】特開平10−290399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子内視鏡などの電子カメラにおいては高画質化のため、画像信号処理の動作周波数の高速化が進んでいる。このため、撮像素子の出力信号も高速化しており、出力信号の歪や、減衰、レベル変動が生じている。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、サンプリングに用いるサンプリングパルスの位相が固定であるので、固体撮像装置の出力信号の歪や、減衰、レベル変動が生じると、サンプリングパルスの位相によって、出力信号の信号電圧値およびノイズ値が変動してしまう。特に、撮像素子と、その出力信号をサンプリングして信号処理する手段とがケーブル等を介して接続されているような装置では、出力信号の歪や、減衰、レベル変動が大きく、信号の精度を確保することが難しくなる。
【0005】
また、特許文献2に記載された技術では、図4に示すように撮像素子からの画素信号40の基準レベル部と信号電荷に応じたレベルを有する信号レベル部とが傾いている場合に、サンプリングパルス41に従って基準レベル部を複数回サンプリングすると、サンプリング点の位置に応じて信号の傾きが異なるため、サンプリング点の位置に応じて信号レベルやノイズが変動する。図5に示すように、特に信号50の傾きが大きな点ではサンプリングパルスのジッタdtによって信号値の変動dVが大きくなり、この変動分がノイズを増加させてしまう。このため、複数回サンプリングした信号の平均が最大となる場合が精度において最適であるとは限らない。
【0006】
例えば、図4に示す基準レベル部のサンプリングポイントr1,r2のサンプリング電圧をそれぞれVr1,Vr2とし、信号レベル部のサンプリングポイントd1,d2,d3,d4のサンプリング電圧をそれぞれVd1,Vd2,Vd3,Vd4とすると、各電圧は(1)式〜(6)式の通りとなる。ここで、Vr1s,Vr2s,Vd1s,Vd2s,Vd3s,Vd4sは各サンプリングポイントでの信号電圧であり、Vr1n,Vr2n,Vd1n,Vd2n,Vd3n,Vd4nは各サンプリングポイントでのノイズ電圧である。
Vr1=Vr1s+Vr1n ・・・(1)
Vr2=Vr2s+Vr2n ・・・(2)
Vd1=Vd1s+Vd1n ・・・(3)
Vd2=Vd2s+Vd2n ・・・(4)
Vd3=Vd3s+Vd3n ・・・(5)
Vd4=Vd4s+Vd4n ・・・(6)
【0007】
また、各サンプリングポイントでのノイズ電圧は(7)式〜(12)式の通りである。ここで、Vr1ni,Vr2ni,Vd1ni,Vd2ni,Vd3ni,Vd4niは各サンプリングポイントでの固体撮像素子の出力ノイズ電圧であり、Vr1ng,Vr2ng,Vd1ng,Vd2ng,Vd3ng,Vd4ngは各サンプリングポイントでのサンプリングパルスのジッタによるノイズ電圧である。
Vr1n2=Vr1ni2+Vr1ng2 ・・・(7)
Vr2n2=Vr2ni2+Vr2ng2 ・・・(8)
Vd1n2=Vd1ni2+Vd1ng2 ・・・(9)
Vd2n2=Vd2ni2+Vd2ng2 ・・・(10)
Vd3n2=Vd3ni2+Vd3ng2 ・・・(11)
Vd4n2=Vd4ni2+Vd4ng2 ・・・(12)
【0008】
サンプリングパルスのジッタは各サンプリングポイントで同等であるので、ジッタによるノイズ電圧は各サンプリングポイントでの信号の傾きに応じた(13)式〜(14)式の関係にある。
Vr1ng<Vr2ng ・・・(13)
Vd3ng<Vd2ng<Vd1ng<Vd4ng ・・・(14)
【0009】
また、各サンプリングポイントでの信号電圧Vr1s,Vr2s,Vd1s,Vd2s,Vd3s,Vd4sは(15)式〜(16)式の関係にある。
Vr2s<Vr1s ・・・(15)
Vd3s<Vd2s<Vd4s<Vd1s ・・・(16)
【0010】
上記のように、各サンプリングポイントでの信号電圧とノイズ電圧の関係には必ずしも相関があるわけではないため、複数回サンプリングした信号の平均が最大となるときのサンプリング位相が精度において最適とは限らない。
【0011】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、アナログ信号の歪や、減衰、レベル変動が生じても、サンプリングパルスの位相を最適に調整し、出力信号の精度を確保することができる信号処理回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、基準レベル部と、信号電荷に応じた信号レベル部とを有するアナログ信号のサンプリングに用いるサンプリングパルスを生成するサンプリングパルス生成部と、前記サンプリングパルスに従って前記アナログ信号の前記基準レベル部と前記信号レベル部とを各々複数回サンプリングし、各サンプリング値を標本化するアナログ/デジタル変換部と、前記アナログ/デジタル変換部から出力された複数のサンプリング値に基づいて評価値を演算する評価値演算部と、前記評価値に基づき前記サンプリングパルスの位相を制御するパルス位相制御部とを有する信号処理回路である。
【0013】
また、本発明の信号処理回路において、前記評価値演算部は、前記アナログ/デジタル変換部からの前記基準レベル部と前記信号レベル部の各々のサンプリング値に基づき、評価値として信号対ノイズ比を演算し、前記パルス位相制御部は、前記信号対ノイズ比が最大となるように前記サンプリングパルスの位相を制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の信号処理回路において、前記アナログ信号は、固体撮像素子が入射光に基づいて出力する画素信号であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の信号処理回路は、入射光に基づかない前記アナログ信号を生成し、当該アナログ信号を前記アナログ/デジタル変換部へ出力する擬似信号生成部をさらに有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の信号処理回路において、前記アナログ信号は、固体撮像素子から出力される自動焦点検出信号であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記アナログ信号を出力する固体撮像素子と、上記の信号処理回路とを有する電子内視鏡システムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のサンプリング値に基づいて演算された評価値に基づいてサンプリングパルスの位相を制御するので、アナログ信号の歪や、減衰、レベル変動が生じても、サンプリングパルスの位相を最適に調整し、出力信号の精度を確保することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本実施形態による信号処理回路の構成を示している。図1に示す信号処理回路は、固体撮像素子1と、アナログ/デジタル変換部2と、評価値演算部3と、擬似画素信号生成部4と、サンプリングパルス生成部5と、パルス位相制御部6と、駆動パルス生成部7と、スイッチ8と、デジタル映像信号処理部9とを備えている。
【0021】
固体撮像素子1は、入射光に応じた電荷を生成する光電変換素子を有する複数の画素を備えており、各画素の電荷量に応じた画像信号を出力する。この画像信号は、基準レベル部と、信号電荷に応じたレベルを有する信号レベル部とを有する。アナログ/デジタル変換部2は、サンプリングパルス生成部5からのサンプリングパルスに従って、固体撮像素子1または擬似画素信号生成部4から出力される信号の基準レベル部と信号レベル部とを各々複数回サンプリングし、各サンプリング値を標本化する。評価値演算部3は、アナログ/デジタル変換部2から出力された信号を処理し、サンプリングされた信号値の評価値を算出する。擬似画素信号生成部4は、基準レベル部と信号レベル部に相当する値を有し、入射光に基づかないアナログ信号を人工的に生成し出力する。
【0022】
サンプリングパルス生成部5は、サンプリングのタイミングを規定するサンプリングパルスを生成し、アナログ/デジタル変換部2に供給する。パルス位相制御部6はサンプリングパルスの位相を制御する。駆動パルス生成部7は固体撮像素子1の駆動クロックを生成し固体撮像素子1に供給する。スイッチ8は、アナログ/デジタル変換部2へ出力する信号を固体撮像素子1の出力信号と擬似画素信号生成部4の出力信号との間で切り替える。デジタル映像信号処理部9は、アナログ/デジタル変換部2によってサンプリングされた基準レベル部の信号レベルの平均値と信号レベル部の信号レベルの平均値との差である信号値からなるデジタル映像信号を処理する。
【0023】
次に、図2を参照しながら、本実施形態による信号処理回路の動作を説明する。まず、サンプリングパルスの位相を調整する第1の期間において、スイッチ8は固体撮像素子1または擬似画素信号生成部4からの出力信号(以下、アナログ信号と記載する)をアナログ/デジタル変換部2へ出力する状態となる。固体撮像素子1から出力される画像信号をアナログ/デジタル変換部2へ出力する場合には、固体撮像素子1に一定光量の光が入射するようにしておくことが望ましい。周囲の環境によっては固体撮像素子1に一定光量の光を入射させるのが困難な場合には、擬似画素信号生成部4からの出力信号をアナログ/デジタル変換部2へ出力するようにスイッチ8の状態を設定するとよい。
【0024】
パルス位相制御部6は、サンプリングパルスの位相を所定量に設定する。サンプリングパルス生成部5は、パルス位相制御部6によって設定された位相を有するサンプリングパルスを生成する。アナログ/デジタル変換部2は、サンプリングパルスに従ってアナログ信号をサンプリングする。例えば、図2に示すように、アナログ/デジタル変換部2は、アナログ信号20の基準レベル部のサンプリングポイントr1,r2でサンプリングを行うと共に、信号レベル部のサンプリングポイントd1,d2,d3,d4でサンプリングを行う。以下では、サンプリングポイントr1,r2,d1,d2,d3,d4でサンプリングされた信号の信号レベルをそれぞれSr1,Sr2,Sd1,Sd2,Sd3,Sd4とする。
【0025】
評価値演算部3は、以下の(17)式に従い、基準レベル部の信号レベルSr1,Sr2の平均値と信号レベル部の信号レベルSd1,Sd2,Sd3,Sd4の平均値を算出し、各平均値の差分を算出することにより、相関2重サンプリング後の1画素についての信号レベルVpixを算出する。
【0026】
【数1】

【0027】
固体撮像素子1が備える各画素から出力される画像信号に対して上記と同様の処理が行われ、例えば1フレーム分の画像信号を構成する各画素についての信号レベルVpixが算出される。さらに、評価値演算部3は各画素の信号レベルVpixの平均値Vpix_aveと標準偏差σを算出し、信号対ノイズ比S/N=Vpix_ave/σを算出する。
【0028】
続いて、パルス位相制御部6はサンプリングパルスの位相を変更する。例えば、サンプリングパルスの1周期Tをn分割し、T/nを位相の変更量とする。そして、位相を変更したサンプリングパルスに従ってサンプリングされたサンプリング値から上記と同様に信号対ノイズ比が算出される。このように、サンプリングパルスの位相をT/nずつ変更しながら、各位相での信号対ノイズ比S/Nが繰り返し算出される。評価値演算部3は、各位相で求めた信号対ノイズ比S/Nが最大となるときのサンプリングパルスの位相をパルス位相制御部6に通知する。パルス位相制御部6は、評価値演算部3から通知された位相となるようにサンプリングパルスの位相を設定する。
【0029】
続いて、映像信号を処理する第2の期間において、スイッチ8は固体撮像素子1からの画像信号をアナログ/デジタル変換部2へ出力する状態となる。アナログ/デジタル変換部2は、サンプリングパルスに従って画像信号の基準レベル部と信号レベル部とを各々複数回サンプリングする。デジタル映像信号処理部9は、アナログ/デジタル変換部2によってサンプリングされた基準レベル部の信号レベルの平均値と信号レベル部の信号レベルの平均値の差である信号値からなるデジタル映像信号を処理する。
【0030】
上述したように、本実施形態によれば、複数のサンプリング値に基づいて演算された評価値に基づいてサンプリングパルスの位相が制御される。特に、評価値として信号対ノイズ比を用いて、信号対ノイズ比が最大となるときの位相にサンプリングパルスの位相を設定することによって、アナログ信号の歪や、減衰、レベル変動が生じても、サンプリングパルスの位相を最適に調整し、出力信号の精度を確保することができる。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の実施形態で説明した信号処理回路を電子内視鏡システムに適用したものである。図3は、本実施形態による電子内視鏡システムの構成を示している。図3に示す電子内視鏡システムは、撮像部201と、制御・信号処理部202と、光源装置203と、ビデオプロセッサ204と、ライトガイド205と、ケーブル206とを有している。
【0032】
撮像部201は、固体撮像素子101と、擬似画素信号生成部104と、駆動パルス生成部107と、スイッチ108とを備えている。固体撮像素子101は、入射光に応じた電荷を生成する光電変換素子を有する複数の画素を備えており、各画素の電荷量に応じた画像信号を出力する。擬似画素信号生成部4は、基準レベル部と信号レベル部に相当する値を有するアナログ信号を人工的に生成し出力する。駆動パルス生成部107は、制御・信号処理部202からケーブル206を介して供給される基準クロックから、リセットパルスφRSおよび水平駆動パルスφHを生成し、固体撮像素子101に供給する。スイッチ108は、制御・信号処理部202へ出力する信号を固体撮像素子101の出力信号と擬似画素信号生成部104の出力信号との間で切り替える。
【0033】
制御・信号処理部202は、アナログ/デジタル変換部102と、評価値演算部103と、サンプリングパルス生成部105と、パルス位相制御部106と、V駆動部110とを備えている。アナログ/デジタル変換部102は、サンプリングパルス生成部105からのサンプリングパルスに従って、固体撮像素子101または擬似画素信号生成部104から出力される信号の基準レベル部と信号レベル部とを各々複数回サンプリングし、各サンプリング値を標本化する。評価値演算部103は、アナログ/デジタル変換部102から出力された信号を処理し、サンプリングされた信号値の評価値を算出する。サンプリングパルス生成部105は、サンプリングパルスをアナログ/デジタル変換部102に供給すると共に、クロックパルスを駆動パルス生成部107およびV駆動部110に供給する。パルス位相制御部106はサンプリングパルスの位相を制御する。V駆動部110は垂直駆動クロックφVを生成し固体撮像素子101に供給する。
【0034】
光源装置203は照明光を発生する。ビデオプロセッサ204は、アナログ/デジタル変換部102によってサンプリングされた基準レベル部の信号レベルの平均値と信号レベル部の信号レベルの平均値との差である信号値からなるデジタル映像信号を処理するデジタル映像信号処理部109を備えている。ライトガイド205は、光源装置203が発生した照明光を撮像部201に導く。ケーブル206は撮像部201と制御・信号処理部202および光源装置203とを接続する。
【0035】
信号処理に係る動作は第1の実施形態と同様である。このように構成された電子内視鏡システムにおいては、ケーブル206で固体撮像素子1からの画像信号の歪や、減衰、レベル変動が生じても、サンプリングパルスの位相を最適に調整し、出力信号の精度を確保することができる。
【0036】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、サンプリングの回数として基準レベル部が2回、信号レベル部が4回となる例を示したが、サンプリングの回数はこれに限定されない。また、固体撮像素子が出力する画像信号を処理する信号処理回路の例を示したが、固体撮像素子が出力する自動焦点検出信号を処理する信号処理回路に対して上記の実施形態を適用しても同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による信号処理回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態による電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【図4】従来のアナログ信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図5】従来技術の課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1,101・・・固体撮像素子、2,102・・・アナログ/デジタル変換部、3,103・・・評価値演算部、4,104・・・擬似画素信号生成部、5,105・・・サンプリングパルス生成部、6,106・・・パルス位相制御部、7,107・・・駆動パルス生成部、8,108・・・スイッチ、9,109・・・デジタル映像信号処理部、110・・・V駆動部、201・・・撮像部、202・・・制御・信号処理部、203・・・光源装置、204・・・ビデオプロセッサ、205・・・ライトガイド、206・・・ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準レベル部と、信号電荷に応じた信号レベル部とを有するアナログ信号のサンプリングに用いるサンプリングパルスを生成するサンプリングパルス生成部と、
前記サンプリングパルスに従って前記アナログ信号の前記基準レベル部と前記信号レベル部とを各々複数回サンプリングし、各サンプリング値を標本化するアナログ/デジタル変換部と、
前記アナログ/デジタル変換部から出力された複数のサンプリング値に基づいて評価値を演算する評価値演算部と、
前記評価値に基づき前記サンプリングパルスの位相を制御するパルス位相制御部と、
を有する信号処理回路。
【請求項2】
前記評価値演算部は、前記アナログ/デジタル変換部からの前記基準レベル部と前記信号レベル部の各々のサンプリング値に基づき、評価値として信号対ノイズ比を演算し、
前記パルス位相制御部は、前記信号対ノイズ比が最大となるように前記サンプリングパルスの位相を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理回路。
【請求項3】
前記アナログ信号は、固体撮像素子が入射光に基づいて出力する画素信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号処理回路。
【請求項4】
入射光に基づかない前記アナログ信号を生成し、当該アナログ信号を前記アナログ/デジタル変換部へ出力する擬似信号生成部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号処理回路。
【請求項5】
前記アナログ信号は、固体撮像素子から出力される自動焦点検出信号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号処理回路。
【請求項6】
前記アナログ信号を出力する固体撮像素子と、
請求項1または請求項2に記載の信号処理回路と、
を有する電子内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−277127(P2009−277127A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129626(P2008−129626)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】