信号出力装置および信号入力装置
【課題】システムの回路構成を単純化する。
【解決手段】アクティブマトリクス回路は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とを有する。垂直走査回路は、入力されたスタートパルスVSTをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して選択パルスを形成する転送回路22と、後尾段から出力された選択パルスを処理して、内部的にスタートパルスVSTを形成し転送回路22の先頭段に入力するスタートパルス発生回路21とを有する。又、外部から供給されるリセットパルスに応答して強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えている。
【解決手段】アクティブマトリクス回路は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とを有する。垂直走査回路は、入力されたスタートパルスVSTをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して選択パルスを形成する転送回路22と、後尾段から出力された選択パルスを処理して、内部的にスタートパルスVSTを形成し転送回路22の先頭段に入力するスタートパルス発生回路21とを有する。又、外部から供給されるリセットパルスに応答して強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクティブマトリクス回路及びその駆動方法と面圧力分布検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス回路は、基本的に行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御する為の制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなる。係る構成を有するアクティブマトリクス回路は、例えば液晶表示装置や面圧力分布検出装置に応用可能である。液晶表示装置などのディスプレイに応用する場合には、水平走査回路は能動素子に接続された画素電極に対する画像信号の出力を行なう。一方、指紋検出器などの面圧力分布検出装置に応用する場合には、能動素子に接続された電極に印加された圧力信号を取り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−68663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した水平走査回路は、シフトレジスタからなる転送回路を含み、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する。又、垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含む。これらの転送回路に供給されるスタートパルスやクロック信号は、従来外部のタイミングジェネレータから供給されていた。しかしながら、これらを外部から供給するとアクティブマトリクス回路を応用したシステム全体の構成が複雑化するという課題がある。又、従来は外部から入力される低電圧のスタートパルスやクロック信号を内部で高電圧に昇圧して転送回路に供給する為の昇圧回路を備えている。しかしながら、この昇圧回路は転送回路の各段に供給されるクロック信号を単一のレベルシフタで昇圧していた為、負荷が過大になる傾向があり、信号遅延や消費電流の増大化などの問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなるアクティブマトリクス回路において、前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0006】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0007】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0008】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0009】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなる面圧力分布検出装置において、前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0010】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0011】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0012】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0013】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなるアクティブマトリクス回路の駆動方法において、前記水平走査手順は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次水平シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送手順を含み、前記垂直走査手順は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次垂直シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する垂直転送手順を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平シフトレジスタ及び垂直シフトレフスタを強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット手順を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0014】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0015】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0016】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該シフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いると共に、前記シフトレジスタの各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ手順を含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、点順次転送回路において、外部より転送開始波形(VST波形)を送る場合と異なり、常に波形を考慮しなくてよい。適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組む必要がない。又、これにより、システム全体の回路数削減が可能である。転送開始時のみ波形を入力すればよい為、内部レベルシフタ回路や外部システムの消費電力を低減化できる。外部からのVST波形は、常にコンスタントに入力する必要はない為、入力からのノイズの影響が少ない。VST波形と駆動波形(VCK波形)の遅延量が考慮され、動作マージンも大きい。駆動モードや制御などの初期設定のみの波形にも同様に使用可能である。内部ドットへのデータの入出力が一定周期で行なわれる場合、特に外部からの信号制御が入らない為、この様なデバイスに使用する
と好適である。
【0018】
また、本発明によれば、点順次転送回路において、外部よりVCK波形を送る場合と異なり、常にVST波形などを考慮しなくてもよい。VCK波形の内部負荷を考えて、適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組むことがなく、システム全体の回路数を減らすことができる。外部からのVCK波形入力を行なう必要がない為、入出力間のノイズの影響がない。VST波形とVCK波形の遅延量を考慮した論理的なポイントをラッチする為、入力波形に対する依存が少なく、動作マージンが大きい。
【0019】
また、本発明によれば、水平転送回路において、外部より転送開始波形(スタート波形)を送る場合と異なり、常に波形を考慮しなくてよい。適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組む必要がない。又、これによりシステム全体の回路数を削減できる。転送開始のみに波形を入力すればよい為、内部レベルシフタ回路や外部システムの消費電力を低減できる。外部からのスタート波形は、常にコンスタントに入力する必要がない為、入力からのノイズの影響が少ない。又、不要時には外部からの信号を遮断することができる。スタート波形と駆動波形の遅延量が考慮され、動作マージンも大きい。駆動モードや制御などの初期設定のみで、DC的に変化が多い繰り返し波形にも、同様に適用できる。基準クロックから波形を合成する方法を用いると、定期的にループする様な波形では、外部からの供給なしでも、内部波形から生成することができる。
【0020】
また、本発明によれば、点順次転送回路において、回路内の初期状態を確定する為、初期設定の為の無効な転送を実施する必要がない。どのタイミング時でも転送状態を初期化することができる。以前の動作状態に依存した転送回路内の電位状態の不確定性をクリアする為常に初期条件を確定し、データの入出力ポイントを決定できる為、転送開始時に異常な動作がない。電圧印加及び転送開始から空回しの転送を行なう必要がなく、タイミング期間などにある程度マージンを持った動作を行なう必要がない。初期化の為の波形を入力直後デバイス内のデータの入出力を直ちに実行でき、情報のやり取りが迅速化される。
【0021】
また、本発明によれば、レベルシフタを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を動作する構成の場合に比べ、バッファの各トランジスタ特性によるデューティ比の変化が小さい。又、整形の為の回路が不要である。バッファ自身での消費電力のロスが小さく、小サイズのバッファで駆動が可能である。転送期間以外のclk波形の供給の為の負荷が小さく、レベルシフタ内の消費電力も小さい。遅延が小さく電圧の振幅値の減衰も小さい。このことから、シフトレジスタ動作にマージンの高い駆動が可能である。一シフトレジスタに一レベルシフタを対応させた構成により、先頭段や最終段に転送とは無関係なダミーのシフトレジスタを加える必要がなくなり、ダミー回路の領域や回路数や消費電力などを節約できる。各シフトレジスタのオン/オフ制御により、タイミング上の重複期間が小さい為、レベルシフタ自身の消費電力を低減できる。
【0022】
また、本発明によれば、レベルシフタを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を動作する構成の場合に比べ、バッファの各トランジスタ特性によるデューティ比の変化が小さい。又、その波形整形の為の回路が不必要である。バッファ自身での消費電力のロスが小さく、小サイズバッファで駆動が可能になる。転送期間以外のclk波形を供給する為の負荷が小さく、レベルシフタ内の消費電力も小さい。先頭段と最終段での伝送時の負荷成分による遅延が小さく、電圧の振幅値の減衰も小さい。このことから、シフトレジスタ動作マージンの高い駆動が可能である。レベルシフタをシフトレジスタ直前に構成し各シフトレジスタの出力で制御する構成に比べ、制御線本数が少なく配線部での領域を小さくできる。レベルシフタをシフトレジスタ直前に構成し、シフトレジスタとレベルシフタを1:1で対応させる場合に比べ、回路構成を広く配置でき、十分な電流供給が可能である。オン/オフ制御により、タイミング上の重複期間が小さい為、レベルシフタ自身の消費電力を低減化できる。
【0023】
また、本発明によれば、アクティブマトリクス回路において、基準クロック(HCK波形)により、各ドットに供給される信号線の制御を行なう為、転送回路内で発生する遅延の影響が少なく、外部信号からの遅延領域内で制御可能である。トータル的に見て非常に少ない遅延量で制御ができる。シフトレジスタ回路のラッチと、信号線の制御が可能となり、内部回路数の低減化と消費電力の低減化及び省スペースな回路構成が可能となる。HST波形及びHCK波形の遅延量が小さい為、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るアクティブマトリクス回路の応用例を示す面圧力分布検出装置を示す模式図である。
【図2】図1に示したアクティブマトリクス回路の具体的な構成を示す断面図である。
【図3】図1に示したアクティブマトリクス回路の全体的な構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第一実施形態を示すブロック図である。
【図5】第一実施形態の動作説明に供する波形図である。
【図6】第一実施形態の具体例を示す回路図である。
【図7】図6に示した回路の更に具体的な構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第二実施形態を示すブロック図である。
【図9】第二実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図10】第二実施形態の具体例を示す回路図である。
【図11】第二実施形態の他の具体例を示す回路図である。
【図12】図11に示した回路の更に具体的な構成例を示す回路図である。
【図13】本発明の第三実施形態を示すブロック図である。
【図14】第三実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図15】第三実施形態の動作説明に供する他のタイミングチャートである。
【図16】第三実施形態の具体例を示す回路図である。
【図17】第三実施形態の他の具体例を示す回路図である。
【図18】第三実施形態の別の具体例を示す回路図である。
【図19】図18に示した回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図20】本発明の第四実施形態を示すブロック図である。
【図21】第四実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図22】第四実施形態の具体例を示す回路図である。
【図23】第四実施形態の別の具体例を示す回路図である。
【図24】本発明の第五実施形態を示すブロック図である。
【図25】第五実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図26】第五実施形態の具体的な構成例を示す回路図である。
【図27】アクティブマトリクス回路の参考例を示すブロック図である。
【図28】本発明の第六実施形態を示すブロック図である。
【図29】第六実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図30】アクティブマトリクス回路の他の参考例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第七実施形態を示すブロック図である。
【図32】第七実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図33】第七実施形態の具体的な回路構成例を示す回路図である。
【図34】本発明にかかるアクティブマトリクス回路に用いる薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るアクティブマトリクス回路の一実施形態である面圧力分布検出装置を模式的に表わしている。この面圧力分布検出装置は指紋センサーとして用いられており、ガラスなどからなる基板201の上に薄膜半導体プロセスにより検出部202を設け、その上に可撓性のフィルム203を載せたものである。フィルム203は厚みが10μm前後のポリエステル又はポリアミドからなり、その下面には蒸着法などにより導電膜が形成されている。この導電膜は接地されている。検出部202は、行列状に配された電極とこれらに接続した薄膜トランジスタを含んでいる。指紋検出に当たっては、図示する様にフィルム203上に検出対象となる指205を載せて軽く押し付けると、指紋の山(隆線)が当たった部位で、フィルム203の下面に形成されている導電膜がその下にある検出部202の各薄膜トランジスタに接続されたセンサ電極と接触し、その結果各電極が導電膜203を介して接地される。この様にして外部から印加される信号電圧をマトリクス状に配された電極及び対応する薄膜トランジスタを介して検出し、指紋を読み取る。尚、本発明に係るアクティブマトリクス回路は、指紋センサーなどの面圧力分布検出装置ばかりでなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置などにも適用可能である。
【0026】
図2は、図1に示した検査部202の具体的な構成例を示す模式的な部分断面図である。図示する様に、アクティブマトリクス回路はガラスなどからなる絶縁基板1を用いて形成されている。絶縁基板1の上には互いに接続した電極2及び薄膜トランジスタ3の組を含む素子領域がマトリクス状に集積配列している。尚、図では理解を容易にする為1個の素子領域のみが示されている。かかる構成を有する薄膜半導体装置を例えば面圧力分布検出回路に用いる場合には、絶縁基板1の上に異方性を有する導電フィルム4が重ねられる。各電極2は素子領域毎に導電フィルム4を介して直上から印加される信号電圧に感応する。各薄膜トランジスタ3は順次オン/オフ制御され、対応する電極2に印加された信号電圧の検出を行なう。電極2を形成した感応部分SRが対応する薄膜トランジスタ3及び信号配線9やゲート配線を形成した非感応部分NSRの上方を被覆するように延設されており、各素子領域内で感応部分SRの表面が最上方位置になる。換言すると、非感応部分NSRに含まれる薄膜トランジスタ3や信号配線9及びゲート配線を電極2が全面的に遮蔽している構造となっている。かかる構成により、導電フィルム4を介して印加される信号電圧を検出する際、信号配線9及びゲート配線から垂直方向に発生する寄生電界の悪影響を防いでいる。つまり、導電フィルム4側から見て絶縁基板1の表面は基本的に電極2のみとなり、検出力が高くなる。
【0027】
引続き図2を参照して本装置の構造を詳細に説明する。薄膜トランジスタ3はトップゲート構造を有し、上から順にゲート電極6、ゲート絶縁膜5及び半導体薄膜7を積層したものである。具体的には、石英ガラス等からなる絶縁基板1の上に多結晶シリコン等からなる半導体薄膜7がアイランド状にパタニングされている。その上にはゲート絶縁膜5を介してゲート電極6がパタニング形成されている。尚、図示しないがこのゲート電極6からゲート配線が延設されている。又、ゲート電極6の両側にはソース領域D及びドレイン領域Sが半導体薄膜7に形成されている。ゲート電極6及び半導体薄膜7は第一層間絶縁膜8により被覆されている。その上には金属膜からなる信号配線9がパタニング形成されており、コンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のソース領域Sに電気接続している。この信号配線9は第二層間絶縁膜10により被覆されている。第二層間絶縁膜10の上には電極2がパタニング形成されている。この電極2は第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8に開口したコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のドレイン領域Dに電気接続している。図から明らかなように、この電極2は非感応部分NSRに含まれる薄膜トランジスタ3、信号配線9及びゲート配線を導電フィルム4から遮蔽するように形成されている。尚、電極2は例えばITO等からなる透明導電膜をパタニングしたものである。面圧力分布検出装置に応用する場合、本薄膜半導体デバイスは必ずしも透明である必要はなく、従って電極2もITO等の透明導電膜で形成する必然性はない。但し、ITOは化学的な安定性及び機械的な強度が実用的に十分なレベルであり、電極材料として優れているので本実施形態ではこれを使っている。但し、本発明はITOに限られるものでなく、例えばアルミニウム等を電極2に用いることは勿論可能である。
【0028】
引続き、図2を参照して本薄膜半導体デバイスの製造方法を簡単に説明する。先ず、耐熱性を有する石英ガラス等からなる絶縁基板1の上に非晶質シリコンをCVD等により成膜する。続いて1000℃以上の処理温度で固相成長を行ない非晶質シリコンを多結晶シリコンに転換する。このようにして高性能化された半導体薄膜7をアイランド状にパタニングする。この上にゲート絶縁膜5を形成する。具体的には、半導体薄膜7を1000℃以上の高温で熱処理し、熱酸化膜を形成してこれをゲート絶縁膜5とする。更に、ゲート絶縁膜5の上に低抵抗化した多結晶シコリン等からなるゲート電極6を形成する。このゲート電極6をマスクとしてイオンインプランテーション等により不純物イオンを高濃度で半導体薄膜7に注入し、ドレイン領域D及びソース領域Sを形成する。続いてPSG等からなる第一層間絶縁膜8をCVD等より堆積する。この第一層間絶縁膜8にエッチング等でコンタクトホールを開口した後、その上に金属アルミニウム等をスパッタリングで堆積する。この金属アルミニウムを所定の形状にパタニングして信号配線9に加工する。この信号配線9はコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のソース領域Sと電気接続する。更に信号配線9を被覆するようにPSG等からなる第二層間絶縁膜10を堆積する。この第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8を貫通してコンタクトホールを開口した後、スパッタリング等によりITOを堆積する。このITOを所定の形状にパタニングして電極2に加工する。電極2は第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8に開口したコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のドレイン領域Dと電気接続する。尚、ゲート電極6のパタニング加工と同時にゲート配線の加工も行なう。
【0029】
図3は、図1及び図2に示したアクティブマトリクス回路の全体構成を示す模式的な回路ブロック図である。図示するように、本回路は行状に配列した複数のゲート配線(選択線)6aと列状に配列した複数の信号配線9とを備えている。両配線6a,9の各交差部には電極2及び薄膜トランジスタ3が形成されている。薄膜トランジスタ3のソース領域は対応する信号配線9に接続され、ドレイン領域は対応する電極2に接続され、ゲート電極は対応するゲート配線6aに接続されている。尚、図示しないが行列配置した電極2の表面は異方性を有する導電フィルムで覆われている。複数のゲート配線6aには内蔵の垂直走査回路20が接続されており、選択パルスφV1,φV2,…,φVMを出力して各ゲート配線6aを垂直走査し、一水平期間毎に1行分の薄膜トランジスタ3をオンして、対応する1行分の電極2を選択する。更に、内蔵の水平走査回路40が各信号配線9に接続している。この水平走査回路40は一水平期間内で各信号配線9を順次走査し、オン状態にあるトランジスタ3を介して電極2から信号電圧を読み取る。この信号電圧は導電フィルムを介して各電極2に印加されたものである。具体的には、各信号配線9はスイッチ103を介して信号ライン104に接続されており、読み取られた信号電圧は逐次外部の検出回路60に供給される。この検出回路60は読み取られた信号電圧を解析して指紋のパタン等を認識する。水平走査回路40は順次サンプリングパルスφH1,φH2,φH3,…,φHNを出力し各スイッチ103を順次開閉駆動して対応する信号配線9から信号電圧をサンプリングする。以上の様に、マトリクス状に配された電極2がセンサーエリア80を構成する。その周辺に垂直走査回路20及び水平走査回路40が配されている。垂直走査回路20は、垂直スタートパルスVSTを、垂直クロック信号VCK1,VCK2に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路(シフトレジスタ)を含んでいる。又、水平走査回路40は、水平スタートパルスHSTを水平クロック信号HCK1,HCK2に応じて順次先頭段から後尾段に転送してサンプリングパルスの元になる制御パルスを出力する水平転送回路(シフトレジスタ)を含んでいる。尚、VCK1とVCK2は互いに逆相関係にある。同様に、HCK1とHCK2も逆相の関係にある。
【0030】
図4は、本発明の第一面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を表わしたものであり、特に垂直走査回路周りのブロック構成を示している。図示する様に、本アクティブマトリクス回路の垂直走査回路は、入力されたスタートパルスVSTをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して選択パルスを形成するV転送回路22と、後尾段から出力された選択パルスを処理して、内部的にスタートパルスを形成しV転送回路22の先頭段に入力するVST発生回路21とを備えている。この他、外部から入力されるリセット信号を昇圧するレベルシフタ30と、開始選択回路23を備えている。この開始選択回路23は、最初の転送動作では、外部から入力されたリセット信号を選択してVST発生回路21に供給する一方、次回からの転送動作を繰り返し行なう時には、V転送回路22の最終段から出力されたタイミング波形(選択パルス)を選択して、VST発生回路21に供給する。
【0031】
図5は、図4に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図示する様に、開始選択回路23を介してV転送回路22に最初のVSTが印加されると、VCK1に応じて順次転送され、選択パルスが出力される。タイミングチャートでは、一段目の選択パルスをgate1で表わし、二段目の選択パルスをgate2で表わしている。転送回路22が最終段の選択パルスである終段gateを出力すると、これが開始選択回路23を介してVST発生回路21に供給され、次のVSTが形成される。この様にして、最初にVSTが供給されると、以下は内部的にVSTを逐次作成して転送動作を持続させている。この様に、初期設定波形(RESET波形)と内部波形からVSTを作るループ回路である為、垂直転送開始波形を逐一入力することなく、転送制御を行なうことができる。任意のタイミングで転送開始を行なうことができ、転送波形の為の内部回路、システム回路などが不要な為、システム全体の低消費電力化及び回路削減が可能になる。最終段転送終了とともに、開始信号を発生可能となり、外部信号に依存することなく常にコンスタントに転送が可能になる。回路内部の信号からVST波形を形成する為、入力波形の昇圧回路などによる回路内の遅延量が少なく、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。
【0032】
図6は、図4に示した回路の具体的な構成例を示す回路図である。本例は、VST発生回路21をRSフリップフロップ(RSFF)で構成し、開始選択回路23を2NANDで構成してある。尚、RSFF21とV転送回路22との間に遅延回路24を挿入してある。本例では、V転送回路22の最終波形にラッチしたタイミングで、VST波形をスタート、転送一段目終了時にストップするRSFFをVST発生回路21に用いている。初段に対する考慮から、RSFFのセット/リセットを制御し、セット波形は、NAND制御する方式を採用している。尚、VST発生回路21としては、図6に示したRSFFに代えて、Dフリップフロップ(DFF)を用い、最終波形をそのまま初段のタイミングにラッチをかける方式であってもよい。
【0033】
図7は、図6に示したRSFF21及び2NAND23の具体的な構成例を示す回路図である。この例は、RSFF21及び2NAND23共にCMOS構成の薄膜トランジスタ(TFT)で構成している。
【0034】
図8は、本発明の第二面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を模式的に表わしている。図示する様に、水平走査回路は、水平スタートパルスHSTを水平クロック信号HCKに応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力するH転送回路41を含んでいる。尚、本例では、外部から入力されるHST及びHCKを、レベルシフタ31及びバッファ32を介してH転送回路41に供給している。一方、垂直走査回路は、垂直スタートパルスVSTを垂直クロック信号VCKに応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路22と、水平転送回路41の後尾段から出力される制御パルスを処理して垂直クロック信号VCKを形成し、垂直転送回路22に供給するVCK発生回路25とを含んでいる。尚、VSTは垂直スタートパルス発生回路24から供給される。このVST発生回路24の具体的な構成例は、先に説明した通りである。
【0035】
図9は、図8に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。まず、水平転送回路側に着目すると、HSTをHCK1及びHCK2で転送し、順次制御パルスを出力する。これらのパルスは、初段信号線スイッチから終段信号線スイッチに順次供給されるものである。この水平転送回路の終段から出力される制御パルスに応じて、VCK1及びVCK2が内部的に作成される。次に、垂直転送回路側に着目すると、VSTが上述したVCK1及びVCK2によって順次転送され、選択パルスが出力される。これらの選択パルスは、初段gate線スイッチ、2段gate線スイッチ・・・終段gate線にそれぞれ供給される。この様に、本実施形態は点順次転送回路において、水平駆動波形の入力から得られるタイミングにより、内部波形から垂直駆動波形(VCK波形)を発生する回路を主題としている。水平転送回路(Hシフトレジスタ)の終了とともに、次段の垂直ライン(Vgate)を動作する様、ループ回路を用いている。水平転送開始波形(HST波形)開始前から、初段のgate線は動作する為、初段は初期設定で動作を行なう構成で、次段以降Hシフトレジスタ終段タイミングを利用したループ回路構成となっている。この為、垂直転送回路(Vシフトレジスタ)に対して外部から転送波形を入力せずに、制御可能な回路構成である。Hシフトレジスタ回路のタイミングで、VCKをラッチし、その波形を駆動波形として各ドットのgate線スイッチを制御することにより、外部信号との遅延が少なく、外部ノイズを受けず、最適ポイントで信号線の制御が可能になる。これにより、デューティ比及びディレイ量が一定した波形供給が可能となり、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。回路内部の信号からVCK波形を発生する為、外部でのシステム回路が不要となり、内部での昇圧回路(レベルシフタ回路)、位相差調整回路などの内部回路が不要になる。これらにより、外部入力波形の削減及び回路の低消費電力化が実現できる。
【0036】
図10は、図8に示した回路の構成例を示すブロック図である。本例では、VCK発生回路25として、H終段波形を入力として、これにラッチをかけるDフリップフロップを用いている。この場合、終段での内部回路遅延と伝送遅延、ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。これは、多少内部回路的に遅延を発生し易く、生成波形自身の遅延量が大きく成り易い。
【0037】
図11は、VCK発生回路25として、H終段波形にラッチしたタイミングでカウンタ動作を行なう例を挙げている。H終段シフトレジスタから出力された波形で、内部初期条件をカウントしていく方法で、各条件の反転動作は、H終段シフトレジスタから出力された波形にラッチしている。この場合、初期条件の確定が行なわれれば、内部遅延量が少なく構成できる。又、出力ポイントにより、波形の調整が可能である。この例も、シフトレジスタの終段波形を用い、それに同期したループ回路を構成し、ループする毎にVCK波形を発生して転送動作を可能にしている。
【0038】
図12は、図11に示したVCK発生回路25の具体的な構成例を表わしている。Hシフトレジスタの終段から出力された制御パルスHOUT1,HOUT2を処理して、内部的にVCK1及びVCK2を出力している。Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS回路構成となっている。
【0039】
図13は、本発明の第三面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示す模式的なブロック図であり、特に水平走査回路周りの構成を表わしている。図示する様に、水平走査回路は、入力されたスタートパルスinをクロック信号clkに応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスgを出力する転送回路jと、後尾段から出力された制御パルスgを処理して内部的にスタートパルスinを形成し、転送回路jの先頭段に入力するスタートパルス発生回路dとを備えている。この他、外部から入力したスタートパルスinを昇圧するレベルシフタbと、起動時外部スタートパルスinを選択して、転送回路jに供給するスタート波形選択回路cを備えている。又、レベルシフタb及びスタート波形選択回路cを制御する為の制御回路eを備えている。転送回路jに対する転送開始波形(スタート波形f)を外部より入力(図中a)すると、内部の昇圧回路b(レベルシフタ)により電圧が昇圧される。尚、昇圧せずに直接スタート波形を入力してもよい。この場合、スタート波形として初めから高い電圧のパルスを作らなければならない為、システム全体として見ると消費電力が高くなる。このスタート波形をシフトレジスタjに入力する。転送終了後、内部でスタート波形を作成する回路側に切り替える為、制御回路eにより、レベルシフタbの動作を停止し、電位確定を行なってDC的な入力設定にする。つまり、初期波形を一度外部から入力した後は、波形を送る必要がなくなる為、High又はLowに電圧を確定しておく。一度転送動作が起動すると、以後内部的にスタートパルスが逐次形成されるループ型の転送回路構成となっている。任意のタイミングで転送開始を行なうことができ、一発目の波形を入力後、その波形を出力する回路は、動作しなくてよく、システム全体の低電力化及び回路削減が可能になる。最終段転送終了とともに、開始信号を発生可能となり、外部信号に依存することなく常にコンスタントに転送が可能になる。又、外部からの信号を遮断することで、低消費電力化が実現できる。
【0040】
図14は、図13に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。起動時には、外部入力のスタートパルスinをクロック信号clkで順次転送して信号線を開閉制御する為の制御パルスを順次出力する。信号線終段に割り当てられた制御パルスが出力されると、これを処理して内部的にスタートパルスinを作成する。これにより、以後外部スタートパルスinを遮断しつつ、内部スタートパルスで転送動作を繰り返し行なう。特に、図14に示した例は、終段から出力された制御パルスをラッチして、スタート波形を作成している。
【0041】
図15は、図13に示した回路の動作の変形例を示すタイミングチャートである。本例では、信号線終段に割り当てられる制御パルスが出力されると、これに応じて所定の選択期間を設定する。この選択期間内にクロック信号clkを選択し、これを処理合成して内部発生のスタートパルスinとしている。
【0042】
図16は、図13に示した回路の具体的な構成例を表わしており、その動作は図14に示したタイミングチャートの通りである。本例は、スタート波形発生回路dとして、DFFを用いている。DFFを用いて、シフトレジスタの最終段から出力された波形を初段のタイミングにclkでラッチをかけ、スタート波形を発生する。この場合、終段での内部回路遅延と伝送遅延、初段ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。
【0043】
図17は、図13に示した回路の具体的な他の構成例を示しており、その動作は図14のタイミングチャートに示した通りである。この例は、スタート波形発生回路dとしてRSFFを用いている。RSFFは、最終波形にラッチしたタイミングでスタート波形を立ち上げ、転送一段目終了時に立ち下げる。シフトレジスタの最終段から出力された波形で、スタート波形をスタートし、一段目終了時の波形からスタート波形をストップするが、この場合も内部回路遅延と伝送遅延、初段ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。
【0044】
図18は、図13に示した回路の更に別の具体的例を示すブロック図であり、その動作は図15のタイミングチャートに示した通りである。本例は、スタート波形発生回路dとして、最終波形にラッチしたタイミングで、基準クロック(CLK波形)から、スタート波形を合成する回路を用いている。即ち、シフトレジスタ最終段から出力された波形で、スタート波形タイミングに応じたclk波形を選択し、一段目終了時タイミングに合うclk波形を選択し、RSFFから合成する回路である。この場合、遅延量は外部からのclk波形自身のディレイだけで済み、clkタイミングの選択が必要になる。この様にして、シフトレジスタの終段波形を用い、シフトレジスタをループさせている。ループする毎にスタート波形が発生する。
【0045】
図19は、図18に示したスタート波形発生回路dの具体的な構成例を示す回路図である。Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構成となっている。
【0046】
図20は、本発明の第四面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示すブロック図である。水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路41を含む。又、垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路22を含む。以上のH転送回路41及びV転送回路22は、センサーエリア80に接続している。特徴事項として、リセット回路33を備えており、外部から供給されるリセットパルスに応答して水平転送回路41及び垂直転送回路22を強制的にリセットし、初期状態に復帰させる。
【0047】
図21は、図20に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。まず、外部からリセット信号RESET1,RESET2が入力されると、垂直転送回路及び水平転送回路が共に一旦初期化される。この後、外部からHSTが供給され、同じく外部から供給されるHCK1,HCK2に応じてHSTを順次水平転送回路で転送し、各信号線に割り当てられた制御パルスを出力する。水平転送回路の終段から制御パルスが出力されると、これに基づいて次回以降のHSTが内部的に作られる。同時に、VCKも内部的に作られる。垂直転送回路も水平転送回路と同様に動作する。まずリセットパルスに応じて強制的に初期化された後、VSTをVCKに応じて転送し、選択パルスを各選択線に順次出力する。
【0048】
以上の様に、リセットパルスを利用して、転送前に転送回路(シフトレジスタ)内のデータを確定する。初期設定波形は外部より入力し、その後回路転送を開始する為の各波形を送る。Hシフトレジスタ及びVシフトレジスタは、初期化信号(リセット信号)を受けると、回路内の電位状態を確定する様に、回路構成が成されている為、High又はLowに確定される。確定された条件に従い、周辺回路(信号線制御スイッチ、レベルシフタなど)も順次確定電圧に設定される為、Hシフトレジスタ及びVシフトレジスタにより制御されるドット(画素)が一段目の一ドット目に初期化される。HSTやHCKなどの転送信号を送れば、初段で且つ一番目のドット信号が出力又は入力され、転送が開始する。全回路が初期化する為、回路内の不確定状態がないことから、レベルシフタの中段から動作を開始したり、重複した信号を入出力することがなくなり、リセット信号の入力直後から転送開始、データ取り込み/書き込みが可能になる。転送途中の状態においてリセット信号を入力すると、シフトレジスタが初期化され、再度初段から動作可能になる為、各回路の初期化構成に用いられる。極めて短時間のデータ入出力が可能になる為、無効な転送などの空回しタイミング入力が不要である。
【0049】
図22は、図20に示したリセット回路33の具体的な構成例を示す回路図である。このリセット回路は実際には転送回路を構成するシフトレジスタの各段に設けられている。図22は、薄膜トランジスタの貫通電流制御による方式である。貫通電流を利用してリセットをかける為、消費電流が大きいが、回路内の初期化が早く、初期化設定しない場合の回路上の負荷が低い為、転送などの回路タイミング上での影響が少なく且つ遅延量の少ない回路構成となっている。尚、回路中、引用符で囲んだHやLは、リセットをかけた場合の電位状態を表わしている。
【0050】
図23は、同じく図20に示したリセット回路33の具体的な構成例を示しており、各シフトレジスタ段に組み込まれている。本例は論理確定型の初期化方式であり、各トランジスタの電位確定の為、抵抗や容量などの負荷チャージ分の電流分で済み、消費電流は小さくて済む。但し、この回路が転送上通過する為に、回路自体の遅延がタイミング上影響する。さほど、回路内部遅延の影響がない場合に有効である。
【0051】
図24は、本発明の第五面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を表わすブロック図である。本例は、外部から入力される低電圧のクロック信号(外部CLK)を高電圧に昇圧して、対応する転送回路の各段(図示の例では、シフトレジスタA及びシフトレジスタBからなる段)に供給する昇圧回路を備えている。この昇圧回路は、転送回路の一段毎(シフトレジスタAとシフトレジスタBの対)に対応して個別にクロック信号CLKの昇圧を行なうレベルシフタcを有する。このレベルシフタcは、転送回路の対応する段eが転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なう様になっている。特に、本レベルシフタcは、転送回路の対応する段eから出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されている。尚、転送回路の各段eから出力された制御パルスは、信号線制御回路dを介して、信号線のオンオフを行なうスイッチに供給される。
【0052】
図25は、図24に示したレベルシフタcの動作説明に供するタイミングチャートである。転送回路(シフトレジスタ)の各段eは、転送開始波形(in波形)が入力されたポイントから転送を行なう。シフトレジスタが動作すると同時に、昇圧回路(レベルシフタ)cの動作が可能な様に、制御スイッチをレベルシフタc内に設ける。具体的には、H_Switch及びL_Switch波形を制御波形として入力し、これを駆使してレベルシフタcの動作を制御する。外部駆動波形(外部clk波形)から、レベルシフタcの作用により、電圧振幅を昇圧させ、転送ラッチ波形であるclkを動作させる。シフトレジスタeは、clk波形に制御され転送を開始する。又、この時に信号線への制御パルスkも出力される。レベルシフタcから出力する内部clkは、入力ゲート線の本数による負荷を考慮したバッファサイズにより、波形が供給され最適なトランジスタサイズで構成する。又、clkは使用直前で昇圧するようにしている。シフトレジスタ動作により転送期間が終了した後は、H_Switch及びL_Switchに各々Low、Highの信号を与える。シフトレジスタ自身が制御パルスを出力した後、レベルシフタcの動作を停止させる為、clk波形は、最終転送信号によりラッチする制御をレベルシフタ内の設定で行ない、レベルシフタの動作停止を実現する。動作停止後は、シフトレジスタの各clk波形の電圧値を確定させ、転送を保持状態に保つ。例えば、clkをHighに保持する。転送終了後は、DC的な動作の為、外部HCKの波形を受け付けない。この様に、転送回路の入力に同期して、clkの電圧の昇圧を開始し、転送終了のタイミングに同期して昇圧回路の電圧状態を確定し、DC的動作にすることで、clkの入力をシフトレジスタに印加せず、過渡的な電流を抑えている。低電圧入力波形のclkは、使用するタイミングまで昇圧せず、回路内部の伝送による波形の減衰及びタイミング遅延の増加を防ぐ。レベルシフタは、シフトレジスタの信号に制御される為、レベルシフタのバッファは、シフトレジスタの最小動作の負荷範囲で構成し、転送時にレベルシフタが隣同士で重複して動作するタイミングをより小さくし、低消費電力化が可能になる。転送直前の昇圧駆動である為、回路サイズが小さく、デューティ比のずれが少なく、且つ遅延量が小さい整形された波形を供給できる。
【0053】
図26は、図24に示したレベルシフタcの具体的な構成例を示す回路図である。本回路は、Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構成である。図では、低電圧で互いに逆相の外部入力cLkをin1及びin2で表わし、昇圧された後の高電圧のcLkをout1/out2で示してある。
【0054】
図27は、レベルシフタ(LVS)の参考例を示すブロック図である。レベルシフタLVSを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を駆動させる構成となっている。バッファのNチャネル及びPチャネル各トランジスタ特性により、デューティ比が変化する。その整形の為に、位相調整回路mが必要になる。又、大きなサイズの最終バッファが常に過渡的な動作を行なう為に、バッファ自身の消費電力が大きい。転送期間以外のタイミング時もシフトレジスタにclk波形を供給する為、負荷が印加され、レベルシフタ内の消費電力が大きい。シフトレジスタの初段と終段では、転送時の負荷成分の為、遅延が大きく、電圧の振幅値の減衰により、シフトレジスタの動作のVthが非常にシビアなマージンの低い転送となる。一つのシフトレジスタに一つのレベルシフタを対応させた構成でないので、転送回路の先頭段や最終段には転送と関係のないダミーのシフトレジスタを加えなければならず、その領域での回路構成並びに消費電力が無駄になる。
【0055】
図28は、本発明の第六面に係るアクティブマトリクス回路の構成例を示すブロック図である。基本的には、図24に示した構成と類似している。異なる点は、昇圧回路が、転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号CLKの昇圧を行なうレベルシフタcを有することである。即ち、先の例がシフトレジスタ一段当たりレベルシフタ一段を設けているのに対し、本例は例えばシフトレジスタ二段に付きレベルシフタ一段を設けている。各レベルシフタcは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なう様に設定されている。
【0056】
図29は、図28に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図28を参照しながら、図29に基づいて本実施例の動作を説明する。転送回路(シフトレジスタe)は、転送開始波形(in波形)が入力されたポイントから転送を行なう。シフトレジスタの動作とともに、レベルシフタcの制御回路としてRSフリップフロップdを用いた場合、set信号(図中l)を受け渡し、H_Switch,L_Switch(図中k,l)波形を制御波形とし、各々High,Lowの信号を与え、レベルシフタの動作をオンさせる。外部駆動波形(外部clk波形)から、レベルシフタ回路の作用により、電圧振幅を昇圧させ、転送ラッチ波形であるclkを動作させる。シフトレジスタは、clkに制御され転送を開始する。又、この時に信号線への制御信号も出力される。レベルシフタから供給するclk入力の負荷を考慮したバッファサイズにより、波形は供給され、最小トランジスタサイズでレベルシフタcを構成する。又、レベルシフタcは対応する転送回路の段の組が動作状態に入る直前で昇圧を開始する。レベルシフタから供給されるclkによってシフトレジスタの該当段が動作を終了した後、RSFFにreset信号(図中n)を受け渡し、H_Switch,L_Switchに、各々Low,Highの信号を与え、レベルシフタの動作を停止させる。この時、シフトレジスタの各clk波形の電圧値を確定して、転送を保持状態に保つ。転送終了後は、DC的な動作の為、外部clkの波形を受け付けない。この様に、転送回路の複数段の組に一つのレベルシフタを対応させることで、1:1に対応させる場合に比べ回路規模を全体として縮小できる。特に、本構成は転送回路中の中段に位置するレベルシフタに適用すると好適である。
【0057】
図30は、レベルシフタの参考例を示す模式的なブロック図である。本例は、レベルシフタLVSをシフトレジスタS/RA,S/B・・・の直前に配置し、ANDを介して各シフトレジスタの出力でレベルシフタLVSを制御する。レベルシフタに接続されているシフトレジスタの段数に比例した出力線が、ANDに配置される為、配線部分での領域が大きくなり、回路領域が制限されてしまう。
【0058】
図31は、本発明の第七面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示すブロック図である。図示する様に、本回路は、外部から入力される低電圧のクロック信号HCK1,HCK2を高電圧に昇圧して転送回路(シフトレジスタA,B)の各段に供給する昇圧回路を備えている。本昇圧回路は、転送回路の一段(シフトレジスタA及びシフトレジスタB)毎に対応して個別にクロック信号HCK1,HCK2の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有している。転送回路の各段(シフトレジスタA,B)は、対応するレベルシフタLVSから供給されたクロック信号HCK1,HCK2に応じて転送動作を行なって制御パルスを出力し、更にこの制御パルスに応じクロック信号HCK1,HCK2をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ102を含んでいる。
【0059】
図32は、図31に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図31を参照しつつ、図32に基づいて本アクティブマトリクス回路の動作を説明する。転送回路(シフトレジスタA,B)の転送駆動波形(HCK波形)を外部より入力し、内部の昇圧回路(レベルシフタ)により、電圧の昇圧をする。昇圧されたHCK波形をシフトレジスタのラッチ波形として使用する。転送時、シフトレジスタの動作タイミングの出力波形を用い、信号線制御スイッチ103の波形を得る為、HCK波形のスイッチ102を閉じる。HCKの入力が信号線スイッチ制御の入力と一致することにより、次の波形の変化点(ラッチ波形)が、そのまま信号線制御スイッチ103に対する入力波形となる。転送終了とともに、HCKの入力と信号線スイッチ制御の入力とを一致させたスイッチ102を閉じ、DC的に確定させる。この時、配線中の確定電圧をシフトレジスタ出力波形の制御にフィードバックする方法を取ると、初期状態が確定しない場合に不安定が生じる為、初期設定波形を再度入力した構成が必要になる。信号線制御スイッチ103は、電圧確定に伴い、オフ状態になり、前状態を保持する。転送時において、各信号線はスイッチ103で制御されるが、このスイッチ103をHCKで制御することにより、転送回路内で発生する遅延量に関係なく、外部信号からの遅延領域内で制御可能の為、非常に少ない遅延量で済む。転送回路(シフトレジスタ回路)が作り出すタイミングでHCKをラッチし、その波形を制御回路の入力波形としてスイッチを制御することにより、外部信号との遅延が少ないポイントで信号線の制御が可能になる。シフトレジスタ回路内のラッチと、信号線の制御スイッチとしての波形の役割をHCKに持たせることができ、回路数の低減化と省スペース化が可能になる。
【0060】
図33は、図32に示した回路のスイッチ102及び103周辺の具体的な構成を表わした回路図である。レベルシフタから出力されたhck1及びhck2は、対応するシフトレジスタから出力されたCNTにより、スイッチ102でゲーティングされた後、トランスミッションゲートで構成されるスイッチ103に印加され、対応する信号線のオンオフを制御する。
【0061】
上述したアクティブマトリクス回路の能動素子(スイッチング素子)として薄膜トランジスタが好適である。特に、薄膜トランジスタの活性層(素子領域)となる半導体薄膜には多結晶シリコンが採用されている。多結晶シリコン薄膜トランジスタは、スイッチング素子に用いられるばかりでなく、回路素子としても利用でき、同一基板上にスイッチング素子と合わせて走査回路や昇圧回路等の周辺駆動回路を内蔵できる。又、多結晶シリコン薄膜トランジスタは微細化が可能なため、アクティブマトリクス構造におけるスイッチング素子の占有面積を縮小でき画素の高精細化が達成できる。ところで、従来多結晶シリコン薄膜トランジスタは製造工程上プロセス最高温度が1000℃程度に達し、耐熱性に優れた石英ガラス等が絶縁基板として用いられていた。製造プロセス上比較的低融点のガラス基板を使用することは困難であった。しかしながら、アクティブマトリクス回路の低コスト化のためには低融点ガラス材料の使用が必要不可欠である。そこで、近年プロセス最高温度が600℃以下になる所謂低温プロセスの開発が進められている。特に、低温プロセスは高精細のアクティブマトリクス装置を製造するとき、コスト面から極めて有利になる。
【0062】
図34は、本発明にかかるアクティブマトリクス回路に用いる薄膜トランジスタの製造方法の一例を示す工程図である。尚、本実施形態では便宜上nチャネル型の薄膜トランジスタの低温製造プロセスを示すが、pチャネル型でも不純物種(ドーパント種)を変えるだけで全く同様である。ここでは、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法を示す。まず(a)に示すように、ガラス等からなる絶縁基板1の上にAl,Ta,Mo,W,Cr,Cu又はこれらの合金を100乃至250nmの厚みで形成し、パタニングしてゲート電極6に加工する。
【0063】
次いで(b)に示すように、ゲート電極6の上にゲート絶縁膜を形成する。本実施形態では、ゲート絶縁膜はゲート窒化膜5a(SiNX )/ゲート酸化膜5b(SiO2 )の二層構造を用いた。ゲート窒化膜5aはSiH4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体として用い、プラズマCVD法(PCVD法)で成膜した。尚、プラズマCVDに代えて常圧CVDあるいは減圧CVDを用いてもよい。本実施形態では、ゲート窒化膜5aを50nmの厚みで堆積した。ゲート窒化膜5aの成膜に連続して、ゲート酸化膜5bを約200nmの厚みで成膜する。更にゲート酸化膜5bの上に連続的に非晶質シリコンからなる半導体薄膜7を約30乃至80nmの厚みで成膜した。二層構造のゲート絶縁膜と非晶質半導体薄膜7は成膜チャンバの真空系を破らず連続成膜した。ここで、プラズマCVD法を用いた場合、膜中の水素を脱離させるために窒素雰囲気中で400℃乃至450℃、1時間乃至2時間程度のアニールを行う。
【0064】
ここで、必要に応じ薄膜トランジスタのVthを制御する目的で、Vthイオンインプランテーションを行う。本例では、B+をドーズ量が1×1012乃至6×1012/cm2程度でイオン注入した。続いて、レーザ光を照射し、非晶質半導体薄膜7を結晶化する。レーザ光としてはエキシマレーザビームを用いることができる。いわゆるレーザアニールは600℃以下のプロセス温度で半導体薄膜を結晶化するための有力な手段である。本実施例では、パルス状に励起され且つ矩形状又は帯状に整形されたレーザ光を非晶質半導体薄膜7に照射して結晶化を行う。この際、前工程で脱水素化処理を行っているので、非晶質半導体薄膜7にレーザ光を照射し急激に加熱しても、含有水素の突沸が生じる恐れはない。尚、場合によっては、レーザ結晶化に代え、固相成長法により半導体薄膜の結晶化を行ってもよい。この場合でも、結晶欠陥が少なく結晶性に優れた多結晶半導体薄膜を得るために、予め脱水素化処理を施すことは重要である。この後、半導体薄膜7を各薄膜トランジスタの素子領域に合わせてパタニングする。
【0065】
(c)に示すように、前工程で結晶化された多結晶半導体薄膜7の上に、例えばプラズマCVD法でSiO2を約100nm乃至300nmの厚みで形成する。本例ではシランガスを分解してSiO2 を形成した。このSiO2 を所定の形状にパタニングしてストッパー膜11に加工する。この場合、裏面露光技術を用いてゲート電極6と整合するようにストッパー膜11をパタニングしている。ストッパー膜11の直下に位置する多結晶半導体薄膜7の部分はチャネル領域Chとして保護される。続いて、ストッパー膜11をマスクとしてイオンインプランテーションにより不純物(例えばP+イオン)を半導体薄膜7に注入し、LDD領域を形成する。この時のドーズ量は、例えば4×1012乃至5×1013/cm2 である。加速電圧は例えば10keVである。更にストッパー膜11及びその両側のLDD領域を被覆するようにフォトレジストをパタニング形成したあと、これをマスクとして不純物(例えばP+イオン)を高濃度で注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成する。不純物注入には、例えばイオンドーピング(イオンシャワー)を用いることができる。これは質量分離をかけることなく電界加速で不純物を注入するものであり、本実施例ではH2 で希釈したPH3 ガスを用い1×1015/cm2 程度のドーズ量で不純物を注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成した。尚、図示しないが、pチャネルの薄膜トランジスタを形成する場合には、nチャネル型薄膜トランジスタの領域をフォトレジストで被覆したあと、不純物をP+イオンからB+イオンに切り換えドーズ量1×1015/cm2 程度でイオンドーピングすればよい。例えばH2 で希釈したB2 H6 ガスを用いる。尚、ここでは質量分離型のイオンインプランテーション装置を用いて不純物を注入してもよい。この後、半導体薄膜7に注入された不純物の活性化工程となる。活性化には、炉アニール、レーザなどのエネルギービームを用いたアニール、RTAを用いたアニールのいずれでもよい。
【0066】
最後に(d)に示すように、SiO2を約200nmの厚みで成膜し、層間絶縁膜12とする。層間絶縁膜12の形成後、SiNX をプラズマCVD法で約200乃至400nm成膜し、パシベーション膜(キャップ膜)13とする。この段階で窒素ガス又はフォーミングガス中又は真空中雰囲気下で350℃程度の加熱処理を1時間行ない、層間絶縁膜12に含まれる水素原子を半導体薄膜7中に拡散させる。このあと、コンタクトホールを開口し、Mo,Al等を200乃至400nmの厚みでスパッタしたあと、所定の形状にパタニングして配線電極9に加工する。更に、アクリル樹脂等からなる平坦化層10を1μm程度の厚みで塗布したあとコンタクトホールを開口する。平坦化層10の上にITOやIXO等からなる透明導電膜をスパッタしたあと、所定の形状にパタニングして電極2に加工する。ITOを用いた場合には、220℃でN2 中30分程度のアニールを行う。
【符号の説明】
【0067】
21…垂直スタートパルス発生回路、22…垂直転送回路、30…レベルシフタ、25…垂直クロック信号発生回路、31…レベルシフタ、41…水平転送回路
【技術分野】
【0001】
本発明はアクティブマトリクス回路及びその駆動方法と面圧力分布検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス回路は、基本的に行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御する為の制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなる。係る構成を有するアクティブマトリクス回路は、例えば液晶表示装置や面圧力分布検出装置に応用可能である。液晶表示装置などのディスプレイに応用する場合には、水平走査回路は能動素子に接続された画素電極に対する画像信号の出力を行なう。一方、指紋検出器などの面圧力分布検出装置に応用する場合には、能動素子に接続された電極に印加された圧力信号を取り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−68663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した水平走査回路は、シフトレジスタからなる転送回路を含み、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する。又、垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含む。これらの転送回路に供給されるスタートパルスやクロック信号は、従来外部のタイミングジェネレータから供給されていた。しかしながら、これらを外部から供給するとアクティブマトリクス回路を応用したシステム全体の構成が複雑化するという課題がある。又、従来は外部から入力される低電圧のスタートパルスやクロック信号を内部で高電圧に昇圧して転送回路に供給する為の昇圧回路を備えている。しかしながら、この昇圧回路は転送回路の各段に供給されるクロック信号を単一のレベルシフタで昇圧していた為、負荷が過大になる傾向があり、信号遅延や消費電流の増大化などの問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなるアクティブマトリクス回路において、前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0006】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0007】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0008】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路である。
【0009】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなる面圧力分布検出装置において、前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0010】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0011】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0012】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含む面圧力分布検出装置において、外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とする面圧力分布検出装置である。
【0013】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなるアクティブマトリクス回路の駆動方法において、前記水平走査手順は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次水平シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送手順を含み、前記垂直走査手順は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次垂直シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する垂直転送手順を含み、外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平シフトレジスタ及び垂直シフトレフスタを強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット手順を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0014】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0015】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【0016】
本発明の他の態様は、行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、前記水平走査手順は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該シフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いると共に、前記シフトレジスタの各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ手順を含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、点順次転送回路において、外部より転送開始波形(VST波形)を送る場合と異なり、常に波形を考慮しなくてよい。適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組む必要がない。又、これにより、システム全体の回路数削減が可能である。転送開始時のみ波形を入力すればよい為、内部レベルシフタ回路や外部システムの消費電力を低減化できる。外部からのVST波形は、常にコンスタントに入力する必要はない為、入力からのノイズの影響が少ない。VST波形と駆動波形(VCK波形)の遅延量が考慮され、動作マージンも大きい。駆動モードや制御などの初期設定のみの波形にも同様に使用可能である。内部ドットへのデータの入出力が一定周期で行なわれる場合、特に外部からの信号制御が入らない為、この様なデバイスに使用する
と好適である。
【0018】
また、本発明によれば、点順次転送回路において、外部よりVCK波形を送る場合と異なり、常にVST波形などを考慮しなくてもよい。VCK波形の内部負荷を考えて、適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組むことがなく、システム全体の回路数を減らすことができる。外部からのVCK波形入力を行なう必要がない為、入出力間のノイズの影響がない。VST波形とVCK波形の遅延量を考慮した論理的なポイントをラッチする為、入力波形に対する依存が少なく、動作マージンが大きい。
【0019】
また、本発明によれば、水平転送回路において、外部より転送開始波形(スタート波形)を送る場合と異なり、常に波形を考慮しなくてよい。適宜な設定の波形を構成する為に、外部の回路を組む必要がない。又、これによりシステム全体の回路数を削減できる。転送開始のみに波形を入力すればよい為、内部レベルシフタ回路や外部システムの消費電力を低減できる。外部からのスタート波形は、常にコンスタントに入力する必要がない為、入力からのノイズの影響が少ない。又、不要時には外部からの信号を遮断することができる。スタート波形と駆動波形の遅延量が考慮され、動作マージンも大きい。駆動モードや制御などの初期設定のみで、DC的に変化が多い繰り返し波形にも、同様に適用できる。基準クロックから波形を合成する方法を用いると、定期的にループする様な波形では、外部からの供給なしでも、内部波形から生成することができる。
【0020】
また、本発明によれば、点順次転送回路において、回路内の初期状態を確定する為、初期設定の為の無効な転送を実施する必要がない。どのタイミング時でも転送状態を初期化することができる。以前の動作状態に依存した転送回路内の電位状態の不確定性をクリアする為常に初期条件を確定し、データの入出力ポイントを決定できる為、転送開始時に異常な動作がない。電圧印加及び転送開始から空回しの転送を行なう必要がなく、タイミング期間などにある程度マージンを持った動作を行なう必要がない。初期化の為の波形を入力直後デバイス内のデータの入出力を直ちに実行でき、情報のやり取りが迅速化される。
【0021】
また、本発明によれば、レベルシフタを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を動作する構成の場合に比べ、バッファの各トランジスタ特性によるデューティ比の変化が小さい。又、整形の為の回路が不要である。バッファ自身での消費電力のロスが小さく、小サイズのバッファで駆動が可能である。転送期間以外のclk波形の供給の為の負荷が小さく、レベルシフタ内の消費電力も小さい。遅延が小さく電圧の振幅値の減衰も小さい。このことから、シフトレジスタ動作にマージンの高い駆動が可能である。一シフトレジスタに一レベルシフタを対応させた構成により、先頭段や最終段に転送とは無関係なダミーのシフトレジスタを加える必要がなくなり、ダミー回路の領域や回路数や消費電力などを節約できる。各シフトレジスタのオン/オフ制御により、タイミング上の重複期間が小さい為、レベルシフタ自身の消費電力を低減できる。
【0022】
また、本発明によれば、レベルシフタを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を動作する構成の場合に比べ、バッファの各トランジスタ特性によるデューティ比の変化が小さい。又、その波形整形の為の回路が不必要である。バッファ自身での消費電力のロスが小さく、小サイズバッファで駆動が可能になる。転送期間以外のclk波形を供給する為の負荷が小さく、レベルシフタ内の消費電力も小さい。先頭段と最終段での伝送時の負荷成分による遅延が小さく、電圧の振幅値の減衰も小さい。このことから、シフトレジスタ動作マージンの高い駆動が可能である。レベルシフタをシフトレジスタ直前に構成し各シフトレジスタの出力で制御する構成に比べ、制御線本数が少なく配線部での領域を小さくできる。レベルシフタをシフトレジスタ直前に構成し、シフトレジスタとレベルシフタを1:1で対応させる場合に比べ、回路構成を広く配置でき、十分な電流供給が可能である。オン/オフ制御により、タイミング上の重複期間が小さい為、レベルシフタ自身の消費電力を低減化できる。
【0023】
また、本発明によれば、アクティブマトリクス回路において、基準クロック(HCK波形)により、各ドットに供給される信号線の制御を行なう為、転送回路内で発生する遅延の影響が少なく、外部信号からの遅延領域内で制御可能である。トータル的に見て非常に少ない遅延量で制御ができる。シフトレジスタ回路のラッチと、信号線の制御が可能となり、内部回路数の低減化と消費電力の低減化及び省スペースな回路構成が可能となる。HST波形及びHCK波形の遅延量が小さい為、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るアクティブマトリクス回路の応用例を示す面圧力分布検出装置を示す模式図である。
【図2】図1に示したアクティブマトリクス回路の具体的な構成を示す断面図である。
【図3】図1に示したアクティブマトリクス回路の全体的な構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第一実施形態を示すブロック図である。
【図5】第一実施形態の動作説明に供する波形図である。
【図6】第一実施形態の具体例を示す回路図である。
【図7】図6に示した回路の更に具体的な構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第二実施形態を示すブロック図である。
【図9】第二実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図10】第二実施形態の具体例を示す回路図である。
【図11】第二実施形態の他の具体例を示す回路図である。
【図12】図11に示した回路の更に具体的な構成例を示す回路図である。
【図13】本発明の第三実施形態を示すブロック図である。
【図14】第三実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図15】第三実施形態の動作説明に供する他のタイミングチャートである。
【図16】第三実施形態の具体例を示す回路図である。
【図17】第三実施形態の他の具体例を示す回路図である。
【図18】第三実施形態の別の具体例を示す回路図である。
【図19】図18に示した回路の具体的な構成を示す回路図である。
【図20】本発明の第四実施形態を示すブロック図である。
【図21】第四実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図22】第四実施形態の具体例を示す回路図である。
【図23】第四実施形態の別の具体例を示す回路図である。
【図24】本発明の第五実施形態を示すブロック図である。
【図25】第五実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図26】第五実施形態の具体的な構成例を示す回路図である。
【図27】アクティブマトリクス回路の参考例を示すブロック図である。
【図28】本発明の第六実施形態を示すブロック図である。
【図29】第六実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図30】アクティブマトリクス回路の他の参考例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第七実施形態を示すブロック図である。
【図32】第七実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。
【図33】第七実施形態の具体的な回路構成例を示す回路図である。
【図34】本発明にかかるアクティブマトリクス回路に用いる薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るアクティブマトリクス回路の一実施形態である面圧力分布検出装置を模式的に表わしている。この面圧力分布検出装置は指紋センサーとして用いられており、ガラスなどからなる基板201の上に薄膜半導体プロセスにより検出部202を設け、その上に可撓性のフィルム203を載せたものである。フィルム203は厚みが10μm前後のポリエステル又はポリアミドからなり、その下面には蒸着法などにより導電膜が形成されている。この導電膜は接地されている。検出部202は、行列状に配された電極とこれらに接続した薄膜トランジスタを含んでいる。指紋検出に当たっては、図示する様にフィルム203上に検出対象となる指205を載せて軽く押し付けると、指紋の山(隆線)が当たった部位で、フィルム203の下面に形成されている導電膜がその下にある検出部202の各薄膜トランジスタに接続されたセンサ電極と接触し、その結果各電極が導電膜203を介して接地される。この様にして外部から印加される信号電圧をマトリクス状に配された電極及び対応する薄膜トランジスタを介して検出し、指紋を読み取る。尚、本発明に係るアクティブマトリクス回路は、指紋センサーなどの面圧力分布検出装置ばかりでなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置などにも適用可能である。
【0026】
図2は、図1に示した検査部202の具体的な構成例を示す模式的な部分断面図である。図示する様に、アクティブマトリクス回路はガラスなどからなる絶縁基板1を用いて形成されている。絶縁基板1の上には互いに接続した電極2及び薄膜トランジスタ3の組を含む素子領域がマトリクス状に集積配列している。尚、図では理解を容易にする為1個の素子領域のみが示されている。かかる構成を有する薄膜半導体装置を例えば面圧力分布検出回路に用いる場合には、絶縁基板1の上に異方性を有する導電フィルム4が重ねられる。各電極2は素子領域毎に導電フィルム4を介して直上から印加される信号電圧に感応する。各薄膜トランジスタ3は順次オン/オフ制御され、対応する電極2に印加された信号電圧の検出を行なう。電極2を形成した感応部分SRが対応する薄膜トランジスタ3及び信号配線9やゲート配線を形成した非感応部分NSRの上方を被覆するように延設されており、各素子領域内で感応部分SRの表面が最上方位置になる。換言すると、非感応部分NSRに含まれる薄膜トランジスタ3や信号配線9及びゲート配線を電極2が全面的に遮蔽している構造となっている。かかる構成により、導電フィルム4を介して印加される信号電圧を検出する際、信号配線9及びゲート配線から垂直方向に発生する寄生電界の悪影響を防いでいる。つまり、導電フィルム4側から見て絶縁基板1の表面は基本的に電極2のみとなり、検出力が高くなる。
【0027】
引続き図2を参照して本装置の構造を詳細に説明する。薄膜トランジスタ3はトップゲート構造を有し、上から順にゲート電極6、ゲート絶縁膜5及び半導体薄膜7を積層したものである。具体的には、石英ガラス等からなる絶縁基板1の上に多結晶シリコン等からなる半導体薄膜7がアイランド状にパタニングされている。その上にはゲート絶縁膜5を介してゲート電極6がパタニング形成されている。尚、図示しないがこのゲート電極6からゲート配線が延設されている。又、ゲート電極6の両側にはソース領域D及びドレイン領域Sが半導体薄膜7に形成されている。ゲート電極6及び半導体薄膜7は第一層間絶縁膜8により被覆されている。その上には金属膜からなる信号配線9がパタニング形成されており、コンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のソース領域Sに電気接続している。この信号配線9は第二層間絶縁膜10により被覆されている。第二層間絶縁膜10の上には電極2がパタニング形成されている。この電極2は第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8に開口したコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のドレイン領域Dに電気接続している。図から明らかなように、この電極2は非感応部分NSRに含まれる薄膜トランジスタ3、信号配線9及びゲート配線を導電フィルム4から遮蔽するように形成されている。尚、電極2は例えばITO等からなる透明導電膜をパタニングしたものである。面圧力分布検出装置に応用する場合、本薄膜半導体デバイスは必ずしも透明である必要はなく、従って電極2もITO等の透明導電膜で形成する必然性はない。但し、ITOは化学的な安定性及び機械的な強度が実用的に十分なレベルであり、電極材料として優れているので本実施形態ではこれを使っている。但し、本発明はITOに限られるものでなく、例えばアルミニウム等を電極2に用いることは勿論可能である。
【0028】
引続き、図2を参照して本薄膜半導体デバイスの製造方法を簡単に説明する。先ず、耐熱性を有する石英ガラス等からなる絶縁基板1の上に非晶質シリコンをCVD等により成膜する。続いて1000℃以上の処理温度で固相成長を行ない非晶質シリコンを多結晶シリコンに転換する。このようにして高性能化された半導体薄膜7をアイランド状にパタニングする。この上にゲート絶縁膜5を形成する。具体的には、半導体薄膜7を1000℃以上の高温で熱処理し、熱酸化膜を形成してこれをゲート絶縁膜5とする。更に、ゲート絶縁膜5の上に低抵抗化した多結晶シコリン等からなるゲート電極6を形成する。このゲート電極6をマスクとしてイオンインプランテーション等により不純物イオンを高濃度で半導体薄膜7に注入し、ドレイン領域D及びソース領域Sを形成する。続いてPSG等からなる第一層間絶縁膜8をCVD等より堆積する。この第一層間絶縁膜8にエッチング等でコンタクトホールを開口した後、その上に金属アルミニウム等をスパッタリングで堆積する。この金属アルミニウムを所定の形状にパタニングして信号配線9に加工する。この信号配線9はコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のソース領域Sと電気接続する。更に信号配線9を被覆するようにPSG等からなる第二層間絶縁膜10を堆積する。この第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8を貫通してコンタクトホールを開口した後、スパッタリング等によりITOを堆積する。このITOを所定の形状にパタニングして電極2に加工する。電極2は第二層間絶縁膜10及び第一層間絶縁膜8に開口したコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ3のドレイン領域Dと電気接続する。尚、ゲート電極6のパタニング加工と同時にゲート配線の加工も行なう。
【0029】
図3は、図1及び図2に示したアクティブマトリクス回路の全体構成を示す模式的な回路ブロック図である。図示するように、本回路は行状に配列した複数のゲート配線(選択線)6aと列状に配列した複数の信号配線9とを備えている。両配線6a,9の各交差部には電極2及び薄膜トランジスタ3が形成されている。薄膜トランジスタ3のソース領域は対応する信号配線9に接続され、ドレイン領域は対応する電極2に接続され、ゲート電極は対応するゲート配線6aに接続されている。尚、図示しないが行列配置した電極2の表面は異方性を有する導電フィルムで覆われている。複数のゲート配線6aには内蔵の垂直走査回路20が接続されており、選択パルスφV1,φV2,…,φVMを出力して各ゲート配線6aを垂直走査し、一水平期間毎に1行分の薄膜トランジスタ3をオンして、対応する1行分の電極2を選択する。更に、内蔵の水平走査回路40が各信号配線9に接続している。この水平走査回路40は一水平期間内で各信号配線9を順次走査し、オン状態にあるトランジスタ3を介して電極2から信号電圧を読み取る。この信号電圧は導電フィルムを介して各電極2に印加されたものである。具体的には、各信号配線9はスイッチ103を介して信号ライン104に接続されており、読み取られた信号電圧は逐次外部の検出回路60に供給される。この検出回路60は読み取られた信号電圧を解析して指紋のパタン等を認識する。水平走査回路40は順次サンプリングパルスφH1,φH2,φH3,…,φHNを出力し各スイッチ103を順次開閉駆動して対応する信号配線9から信号電圧をサンプリングする。以上の様に、マトリクス状に配された電極2がセンサーエリア80を構成する。その周辺に垂直走査回路20及び水平走査回路40が配されている。垂直走査回路20は、垂直スタートパルスVSTを、垂直クロック信号VCK1,VCK2に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路(シフトレジスタ)を含んでいる。又、水平走査回路40は、水平スタートパルスHSTを水平クロック信号HCK1,HCK2に応じて順次先頭段から後尾段に転送してサンプリングパルスの元になる制御パルスを出力する水平転送回路(シフトレジスタ)を含んでいる。尚、VCK1とVCK2は互いに逆相関係にある。同様に、HCK1とHCK2も逆相の関係にある。
【0030】
図4は、本発明の第一面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を表わしたものであり、特に垂直走査回路周りのブロック構成を示している。図示する様に、本アクティブマトリクス回路の垂直走査回路は、入力されたスタートパルスVSTをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して選択パルスを形成するV転送回路22と、後尾段から出力された選択パルスを処理して、内部的にスタートパルスを形成しV転送回路22の先頭段に入力するVST発生回路21とを備えている。この他、外部から入力されるリセット信号を昇圧するレベルシフタ30と、開始選択回路23を備えている。この開始選択回路23は、最初の転送動作では、外部から入力されたリセット信号を選択してVST発生回路21に供給する一方、次回からの転送動作を繰り返し行なう時には、V転送回路22の最終段から出力されたタイミング波形(選択パルス)を選択して、VST発生回路21に供給する。
【0031】
図5は、図4に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図示する様に、開始選択回路23を介してV転送回路22に最初のVSTが印加されると、VCK1に応じて順次転送され、選択パルスが出力される。タイミングチャートでは、一段目の選択パルスをgate1で表わし、二段目の選択パルスをgate2で表わしている。転送回路22が最終段の選択パルスである終段gateを出力すると、これが開始選択回路23を介してVST発生回路21に供給され、次のVSTが形成される。この様にして、最初にVSTが供給されると、以下は内部的にVSTを逐次作成して転送動作を持続させている。この様に、初期設定波形(RESET波形)と内部波形からVSTを作るループ回路である為、垂直転送開始波形を逐一入力することなく、転送制御を行なうことができる。任意のタイミングで転送開始を行なうことができ、転送波形の為の内部回路、システム回路などが不要な為、システム全体の低消費電力化及び回路削減が可能になる。最終段転送終了とともに、開始信号を発生可能となり、外部信号に依存することなく常にコンスタントに転送が可能になる。回路内部の信号からVST波形を形成する為、入力波形の昇圧回路などによる回路内の遅延量が少なく、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。
【0032】
図6は、図4に示した回路の具体的な構成例を示す回路図である。本例は、VST発生回路21をRSフリップフロップ(RSFF)で構成し、開始選択回路23を2NANDで構成してある。尚、RSFF21とV転送回路22との間に遅延回路24を挿入してある。本例では、V転送回路22の最終波形にラッチしたタイミングで、VST波形をスタート、転送一段目終了時にストップするRSFFをVST発生回路21に用いている。初段に対する考慮から、RSFFのセット/リセットを制御し、セット波形は、NAND制御する方式を採用している。尚、VST発生回路21としては、図6に示したRSFFに代えて、Dフリップフロップ(DFF)を用い、最終波形をそのまま初段のタイミングにラッチをかける方式であってもよい。
【0033】
図7は、図6に示したRSFF21及び2NAND23の具体的な構成例を示す回路図である。この例は、RSFF21及び2NAND23共にCMOS構成の薄膜トランジスタ(TFT)で構成している。
【0034】
図8は、本発明の第二面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を模式的に表わしている。図示する様に、水平走査回路は、水平スタートパルスHSTを水平クロック信号HCKに応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力するH転送回路41を含んでいる。尚、本例では、外部から入力されるHST及びHCKを、レベルシフタ31及びバッファ32を介してH転送回路41に供給している。一方、垂直走査回路は、垂直スタートパルスVSTを垂直クロック信号VCKに応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路22と、水平転送回路41の後尾段から出力される制御パルスを処理して垂直クロック信号VCKを形成し、垂直転送回路22に供給するVCK発生回路25とを含んでいる。尚、VSTは垂直スタートパルス発生回路24から供給される。このVST発生回路24の具体的な構成例は、先に説明した通りである。
【0035】
図9は、図8に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。まず、水平転送回路側に着目すると、HSTをHCK1及びHCK2で転送し、順次制御パルスを出力する。これらのパルスは、初段信号線スイッチから終段信号線スイッチに順次供給されるものである。この水平転送回路の終段から出力される制御パルスに応じて、VCK1及びVCK2が内部的に作成される。次に、垂直転送回路側に着目すると、VSTが上述したVCK1及びVCK2によって順次転送され、選択パルスが出力される。これらの選択パルスは、初段gate線スイッチ、2段gate線スイッチ・・・終段gate線にそれぞれ供給される。この様に、本実施形態は点順次転送回路において、水平駆動波形の入力から得られるタイミングにより、内部波形から垂直駆動波形(VCK波形)を発生する回路を主題としている。水平転送回路(Hシフトレジスタ)の終了とともに、次段の垂直ライン(Vgate)を動作する様、ループ回路を用いている。水平転送開始波形(HST波形)開始前から、初段のgate線は動作する為、初段は初期設定で動作を行なう構成で、次段以降Hシフトレジスタ終段タイミングを利用したループ回路構成となっている。この為、垂直転送回路(Vシフトレジスタ)に対して外部から転送波形を入力せずに、制御可能な回路構成である。Hシフトレジスタ回路のタイミングで、VCKをラッチし、その波形を駆動波形として各ドットのgate線スイッチを制御することにより、外部信号との遅延が少なく、外部ノイズを受けず、最適ポイントで信号線の制御が可能になる。これにより、デューティ比及びディレイ量が一定した波形供給が可能となり、動作マージンの大きい回路構成が実現できる。回路内部の信号からVCK波形を発生する為、外部でのシステム回路が不要となり、内部での昇圧回路(レベルシフタ回路)、位相差調整回路などの内部回路が不要になる。これらにより、外部入力波形の削減及び回路の低消費電力化が実現できる。
【0036】
図10は、図8に示した回路の構成例を示すブロック図である。本例では、VCK発生回路25として、H終段波形を入力として、これにラッチをかけるDフリップフロップを用いている。この場合、終段での内部回路遅延と伝送遅延、ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。これは、多少内部回路的に遅延を発生し易く、生成波形自身の遅延量が大きく成り易い。
【0037】
図11は、VCK発生回路25として、H終段波形にラッチしたタイミングでカウンタ動作を行なう例を挙げている。H終段シフトレジスタから出力された波形で、内部初期条件をカウントしていく方法で、各条件の反転動作は、H終段シフトレジスタから出力された波形にラッチしている。この場合、初期条件の確定が行なわれれば、内部遅延量が少なく構成できる。又、出力ポイントにより、波形の調整が可能である。この例も、シフトレジスタの終段波形を用い、それに同期したループ回路を構成し、ループする毎にVCK波形を発生して転送動作を可能にしている。
【0038】
図12は、図11に示したVCK発生回路25の具体的な構成例を表わしている。Hシフトレジスタの終段から出力された制御パルスHOUT1,HOUT2を処理して、内部的にVCK1及びVCK2を出力している。Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS回路構成となっている。
【0039】
図13は、本発明の第三面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示す模式的なブロック図であり、特に水平走査回路周りの構成を表わしている。図示する様に、水平走査回路は、入力されたスタートパルスinをクロック信号clkに応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスgを出力する転送回路jと、後尾段から出力された制御パルスgを処理して内部的にスタートパルスinを形成し、転送回路jの先頭段に入力するスタートパルス発生回路dとを備えている。この他、外部から入力したスタートパルスinを昇圧するレベルシフタbと、起動時外部スタートパルスinを選択して、転送回路jに供給するスタート波形選択回路cを備えている。又、レベルシフタb及びスタート波形選択回路cを制御する為の制御回路eを備えている。転送回路jに対する転送開始波形(スタート波形f)を外部より入力(図中a)すると、内部の昇圧回路b(レベルシフタ)により電圧が昇圧される。尚、昇圧せずに直接スタート波形を入力してもよい。この場合、スタート波形として初めから高い電圧のパルスを作らなければならない為、システム全体として見ると消費電力が高くなる。このスタート波形をシフトレジスタjに入力する。転送終了後、内部でスタート波形を作成する回路側に切り替える為、制御回路eにより、レベルシフタbの動作を停止し、電位確定を行なってDC的な入力設定にする。つまり、初期波形を一度外部から入力した後は、波形を送る必要がなくなる為、High又はLowに電圧を確定しておく。一度転送動作が起動すると、以後内部的にスタートパルスが逐次形成されるループ型の転送回路構成となっている。任意のタイミングで転送開始を行なうことができ、一発目の波形を入力後、その波形を出力する回路は、動作しなくてよく、システム全体の低電力化及び回路削減が可能になる。最終段転送終了とともに、開始信号を発生可能となり、外部信号に依存することなく常にコンスタントに転送が可能になる。又、外部からの信号を遮断することで、低消費電力化が実現できる。
【0040】
図14は、図13に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。起動時には、外部入力のスタートパルスinをクロック信号clkで順次転送して信号線を開閉制御する為の制御パルスを順次出力する。信号線終段に割り当てられた制御パルスが出力されると、これを処理して内部的にスタートパルスinを作成する。これにより、以後外部スタートパルスinを遮断しつつ、内部スタートパルスで転送動作を繰り返し行なう。特に、図14に示した例は、終段から出力された制御パルスをラッチして、スタート波形を作成している。
【0041】
図15は、図13に示した回路の動作の変形例を示すタイミングチャートである。本例では、信号線終段に割り当てられる制御パルスが出力されると、これに応じて所定の選択期間を設定する。この選択期間内にクロック信号clkを選択し、これを処理合成して内部発生のスタートパルスinとしている。
【0042】
図16は、図13に示した回路の具体的な構成例を表わしており、その動作は図14に示したタイミングチャートの通りである。本例は、スタート波形発生回路dとして、DFFを用いている。DFFを用いて、シフトレジスタの最終段から出力された波形を初段のタイミングにclkでラッチをかけ、スタート波形を発生する。この場合、終段での内部回路遅延と伝送遅延、初段ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。
【0043】
図17は、図13に示した回路の具体的な他の構成例を示しており、その動作は図14のタイミングチャートに示した通りである。この例は、スタート波形発生回路dとしてRSFFを用いている。RSFFは、最終波形にラッチしたタイミングでスタート波形を立ち上げ、転送一段目終了時に立ち下げる。シフトレジスタの最終段から出力された波形で、スタート波形をスタートし、一段目終了時の波形からスタート波形をストップするが、この場合も内部回路遅延と伝送遅延、初段ラッチ回路トータルのタイミングを考慮し、終段波形の選択が必要になる。
【0044】
図18は、図13に示した回路の更に別の具体的例を示すブロック図であり、その動作は図15のタイミングチャートに示した通りである。本例は、スタート波形発生回路dとして、最終波形にラッチしたタイミングで、基準クロック(CLK波形)から、スタート波形を合成する回路を用いている。即ち、シフトレジスタ最終段から出力された波形で、スタート波形タイミングに応じたclk波形を選択し、一段目終了時タイミングに合うclk波形を選択し、RSFFから合成する回路である。この場合、遅延量は外部からのclk波形自身のディレイだけで済み、clkタイミングの選択が必要になる。この様にして、シフトレジスタの終段波形を用い、シフトレジスタをループさせている。ループする毎にスタート波形が発生する。
【0045】
図19は、図18に示したスタート波形発生回路dの具体的な構成例を示す回路図である。Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構成となっている。
【0046】
図20は、本発明の第四面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示すブロック図である。水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路41を含む。又、垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路22を含む。以上のH転送回路41及びV転送回路22は、センサーエリア80に接続している。特徴事項として、リセット回路33を備えており、外部から供給されるリセットパルスに応答して水平転送回路41及び垂直転送回路22を強制的にリセットし、初期状態に復帰させる。
【0047】
図21は、図20に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。まず、外部からリセット信号RESET1,RESET2が入力されると、垂直転送回路及び水平転送回路が共に一旦初期化される。この後、外部からHSTが供給され、同じく外部から供給されるHCK1,HCK2に応じてHSTを順次水平転送回路で転送し、各信号線に割り当てられた制御パルスを出力する。水平転送回路の終段から制御パルスが出力されると、これに基づいて次回以降のHSTが内部的に作られる。同時に、VCKも内部的に作られる。垂直転送回路も水平転送回路と同様に動作する。まずリセットパルスに応じて強制的に初期化された後、VSTをVCKに応じて転送し、選択パルスを各選択線に順次出力する。
【0048】
以上の様に、リセットパルスを利用して、転送前に転送回路(シフトレジスタ)内のデータを確定する。初期設定波形は外部より入力し、その後回路転送を開始する為の各波形を送る。Hシフトレジスタ及びVシフトレジスタは、初期化信号(リセット信号)を受けると、回路内の電位状態を確定する様に、回路構成が成されている為、High又はLowに確定される。確定された条件に従い、周辺回路(信号線制御スイッチ、レベルシフタなど)も順次確定電圧に設定される為、Hシフトレジスタ及びVシフトレジスタにより制御されるドット(画素)が一段目の一ドット目に初期化される。HSTやHCKなどの転送信号を送れば、初段で且つ一番目のドット信号が出力又は入力され、転送が開始する。全回路が初期化する為、回路内の不確定状態がないことから、レベルシフタの中段から動作を開始したり、重複した信号を入出力することがなくなり、リセット信号の入力直後から転送開始、データ取り込み/書き込みが可能になる。転送途中の状態においてリセット信号を入力すると、シフトレジスタが初期化され、再度初段から動作可能になる為、各回路の初期化構成に用いられる。極めて短時間のデータ入出力が可能になる為、無効な転送などの空回しタイミング入力が不要である。
【0049】
図22は、図20に示したリセット回路33の具体的な構成例を示す回路図である。このリセット回路は実際には転送回路を構成するシフトレジスタの各段に設けられている。図22は、薄膜トランジスタの貫通電流制御による方式である。貫通電流を利用してリセットをかける為、消費電流が大きいが、回路内の初期化が早く、初期化設定しない場合の回路上の負荷が低い為、転送などの回路タイミング上での影響が少なく且つ遅延量の少ない回路構成となっている。尚、回路中、引用符で囲んだHやLは、リセットをかけた場合の電位状態を表わしている。
【0050】
図23は、同じく図20に示したリセット回路33の具体的な構成例を示しており、各シフトレジスタ段に組み込まれている。本例は論理確定型の初期化方式であり、各トランジスタの電位確定の為、抵抗や容量などの負荷チャージ分の電流分で済み、消費電流は小さくて済む。但し、この回路が転送上通過する為に、回路自体の遅延がタイミング上影響する。さほど、回路内部遅延の影響がない場合に有効である。
【0051】
図24は、本発明の第五面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を表わすブロック図である。本例は、外部から入力される低電圧のクロック信号(外部CLK)を高電圧に昇圧して、対応する転送回路の各段(図示の例では、シフトレジスタA及びシフトレジスタBからなる段)に供給する昇圧回路を備えている。この昇圧回路は、転送回路の一段毎(シフトレジスタAとシフトレジスタBの対)に対応して個別にクロック信号CLKの昇圧を行なうレベルシフタcを有する。このレベルシフタcは、転送回路の対応する段eが転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なう様になっている。特に、本レベルシフタcは、転送回路の対応する段eから出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されている。尚、転送回路の各段eから出力された制御パルスは、信号線制御回路dを介して、信号線のオンオフを行なうスイッチに供給される。
【0052】
図25は、図24に示したレベルシフタcの動作説明に供するタイミングチャートである。転送回路(シフトレジスタ)の各段eは、転送開始波形(in波形)が入力されたポイントから転送を行なう。シフトレジスタが動作すると同時に、昇圧回路(レベルシフタ)cの動作が可能な様に、制御スイッチをレベルシフタc内に設ける。具体的には、H_Switch及びL_Switch波形を制御波形として入力し、これを駆使してレベルシフタcの動作を制御する。外部駆動波形(外部clk波形)から、レベルシフタcの作用により、電圧振幅を昇圧させ、転送ラッチ波形であるclkを動作させる。シフトレジスタeは、clk波形に制御され転送を開始する。又、この時に信号線への制御パルスkも出力される。レベルシフタcから出力する内部clkは、入力ゲート線の本数による負荷を考慮したバッファサイズにより、波形が供給され最適なトランジスタサイズで構成する。又、clkは使用直前で昇圧するようにしている。シフトレジスタ動作により転送期間が終了した後は、H_Switch及びL_Switchに各々Low、Highの信号を与える。シフトレジスタ自身が制御パルスを出力した後、レベルシフタcの動作を停止させる為、clk波形は、最終転送信号によりラッチする制御をレベルシフタ内の設定で行ない、レベルシフタの動作停止を実現する。動作停止後は、シフトレジスタの各clk波形の電圧値を確定させ、転送を保持状態に保つ。例えば、clkをHighに保持する。転送終了後は、DC的な動作の為、外部HCKの波形を受け付けない。この様に、転送回路の入力に同期して、clkの電圧の昇圧を開始し、転送終了のタイミングに同期して昇圧回路の電圧状態を確定し、DC的動作にすることで、clkの入力をシフトレジスタに印加せず、過渡的な電流を抑えている。低電圧入力波形のclkは、使用するタイミングまで昇圧せず、回路内部の伝送による波形の減衰及びタイミング遅延の増加を防ぐ。レベルシフタは、シフトレジスタの信号に制御される為、レベルシフタのバッファは、シフトレジスタの最小動作の負荷範囲で構成し、転送時にレベルシフタが隣同士で重複して動作するタイミングをより小さくし、低消費電力化が可能になる。転送直前の昇圧駆動である為、回路サイズが小さく、デューティ比のずれが少なく、且つ遅延量が小さい整形された波形を供給できる。
【0053】
図26は、図24に示したレベルシフタcの具体的な構成例を示す回路図である。本回路は、Nチャネル薄膜トランジスタとPチャネル薄膜トランジスタを組み合わせたCMOS構成である。図では、低電圧で互いに逆相の外部入力cLkをin1及びin2で表わし、昇圧された後の高電圧のcLkをout1/out2で示してある。
【0054】
図27は、レベルシフタ(LVS)の参考例を示すブロック図である。レベルシフタLVSを回路端部に用いて、バッファを数段配置し、配線の最大負荷量を駆動させる構成となっている。バッファのNチャネル及びPチャネル各トランジスタ特性により、デューティ比が変化する。その整形の為に、位相調整回路mが必要になる。又、大きなサイズの最終バッファが常に過渡的な動作を行なう為に、バッファ自身の消費電力が大きい。転送期間以外のタイミング時もシフトレジスタにclk波形を供給する為、負荷が印加され、レベルシフタ内の消費電力が大きい。シフトレジスタの初段と終段では、転送時の負荷成分の為、遅延が大きく、電圧の振幅値の減衰により、シフトレジスタの動作のVthが非常にシビアなマージンの低い転送となる。一つのシフトレジスタに一つのレベルシフタを対応させた構成でないので、転送回路の先頭段や最終段には転送と関係のないダミーのシフトレジスタを加えなければならず、その領域での回路構成並びに消費電力が無駄になる。
【0055】
図28は、本発明の第六面に係るアクティブマトリクス回路の構成例を示すブロック図である。基本的には、図24に示した構成と類似している。異なる点は、昇圧回路が、転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号CLKの昇圧を行なうレベルシフタcを有することである。即ち、先の例がシフトレジスタ一段当たりレベルシフタ一段を設けているのに対し、本例は例えばシフトレジスタ二段に付きレベルシフタ一段を設けている。各レベルシフタcは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なう様に設定されている。
【0056】
図29は、図28に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図28を参照しながら、図29に基づいて本実施例の動作を説明する。転送回路(シフトレジスタe)は、転送開始波形(in波形)が入力されたポイントから転送を行なう。シフトレジスタの動作とともに、レベルシフタcの制御回路としてRSフリップフロップdを用いた場合、set信号(図中l)を受け渡し、H_Switch,L_Switch(図中k,l)波形を制御波形とし、各々High,Lowの信号を与え、レベルシフタの動作をオンさせる。外部駆動波形(外部clk波形)から、レベルシフタ回路の作用により、電圧振幅を昇圧させ、転送ラッチ波形であるclkを動作させる。シフトレジスタは、clkに制御され転送を開始する。又、この時に信号線への制御信号も出力される。レベルシフタから供給するclk入力の負荷を考慮したバッファサイズにより、波形は供給され、最小トランジスタサイズでレベルシフタcを構成する。又、レベルシフタcは対応する転送回路の段の組が動作状態に入る直前で昇圧を開始する。レベルシフタから供給されるclkによってシフトレジスタの該当段が動作を終了した後、RSFFにreset信号(図中n)を受け渡し、H_Switch,L_Switchに、各々Low,Highの信号を与え、レベルシフタの動作を停止させる。この時、シフトレジスタの各clk波形の電圧値を確定して、転送を保持状態に保つ。転送終了後は、DC的な動作の為、外部clkの波形を受け付けない。この様に、転送回路の複数段の組に一つのレベルシフタを対応させることで、1:1に対応させる場合に比べ回路規模を全体として縮小できる。特に、本構成は転送回路中の中段に位置するレベルシフタに適用すると好適である。
【0057】
図30は、レベルシフタの参考例を示す模式的なブロック図である。本例は、レベルシフタLVSをシフトレジスタS/RA,S/B・・・の直前に配置し、ANDを介して各シフトレジスタの出力でレベルシフタLVSを制御する。レベルシフタに接続されているシフトレジスタの段数に比例した出力線が、ANDに配置される為、配線部分での領域が大きくなり、回路領域が制限されてしまう。
【0058】
図31は、本発明の第七面に係るアクティブマトリクス回路の実施形態を示すブロック図である。図示する様に、本回路は、外部から入力される低電圧のクロック信号HCK1,HCK2を高電圧に昇圧して転送回路(シフトレジスタA,B)の各段に供給する昇圧回路を備えている。本昇圧回路は、転送回路の一段(シフトレジスタA及びシフトレジスタB)毎に対応して個別にクロック信号HCK1,HCK2の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有している。転送回路の各段(シフトレジスタA,B)は、対応するレベルシフタLVSから供給されたクロック信号HCK1,HCK2に応じて転送動作を行なって制御パルスを出力し、更にこの制御パルスに応じクロック信号HCK1,HCK2をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ102を含んでいる。
【0059】
図32は、図31に示した回路の動作説明に供するタイミングチャートである。図31を参照しつつ、図32に基づいて本アクティブマトリクス回路の動作を説明する。転送回路(シフトレジスタA,B)の転送駆動波形(HCK波形)を外部より入力し、内部の昇圧回路(レベルシフタ)により、電圧の昇圧をする。昇圧されたHCK波形をシフトレジスタのラッチ波形として使用する。転送時、シフトレジスタの動作タイミングの出力波形を用い、信号線制御スイッチ103の波形を得る為、HCK波形のスイッチ102を閉じる。HCKの入力が信号線スイッチ制御の入力と一致することにより、次の波形の変化点(ラッチ波形)が、そのまま信号線制御スイッチ103に対する入力波形となる。転送終了とともに、HCKの入力と信号線スイッチ制御の入力とを一致させたスイッチ102を閉じ、DC的に確定させる。この時、配線中の確定電圧をシフトレジスタ出力波形の制御にフィードバックする方法を取ると、初期状態が確定しない場合に不安定が生じる為、初期設定波形を再度入力した構成が必要になる。信号線制御スイッチ103は、電圧確定に伴い、オフ状態になり、前状態を保持する。転送時において、各信号線はスイッチ103で制御されるが、このスイッチ103をHCKで制御することにより、転送回路内で発生する遅延量に関係なく、外部信号からの遅延領域内で制御可能の為、非常に少ない遅延量で済む。転送回路(シフトレジスタ回路)が作り出すタイミングでHCKをラッチし、その波形を制御回路の入力波形としてスイッチを制御することにより、外部信号との遅延が少ないポイントで信号線の制御が可能になる。シフトレジスタ回路内のラッチと、信号線の制御スイッチとしての波形の役割をHCKに持たせることができ、回路数の低減化と省スペース化が可能になる。
【0060】
図33は、図32に示した回路のスイッチ102及び103周辺の具体的な構成を表わした回路図である。レベルシフタから出力されたhck1及びhck2は、対応するシフトレジスタから出力されたCNTにより、スイッチ102でゲーティングされた後、トランスミッションゲートで構成されるスイッチ103に印加され、対応する信号線のオンオフを制御する。
【0061】
上述したアクティブマトリクス回路の能動素子(スイッチング素子)として薄膜トランジスタが好適である。特に、薄膜トランジスタの活性層(素子領域)となる半導体薄膜には多結晶シリコンが採用されている。多結晶シリコン薄膜トランジスタは、スイッチング素子に用いられるばかりでなく、回路素子としても利用でき、同一基板上にスイッチング素子と合わせて走査回路や昇圧回路等の周辺駆動回路を内蔵できる。又、多結晶シリコン薄膜トランジスタは微細化が可能なため、アクティブマトリクス構造におけるスイッチング素子の占有面積を縮小でき画素の高精細化が達成できる。ところで、従来多結晶シリコン薄膜トランジスタは製造工程上プロセス最高温度が1000℃程度に達し、耐熱性に優れた石英ガラス等が絶縁基板として用いられていた。製造プロセス上比較的低融点のガラス基板を使用することは困難であった。しかしながら、アクティブマトリクス回路の低コスト化のためには低融点ガラス材料の使用が必要不可欠である。そこで、近年プロセス最高温度が600℃以下になる所謂低温プロセスの開発が進められている。特に、低温プロセスは高精細のアクティブマトリクス装置を製造するとき、コスト面から極めて有利になる。
【0062】
図34は、本発明にかかるアクティブマトリクス回路に用いる薄膜トランジスタの製造方法の一例を示す工程図である。尚、本実施形態では便宜上nチャネル型の薄膜トランジスタの低温製造プロセスを示すが、pチャネル型でも不純物種(ドーパント種)を変えるだけで全く同様である。ここでは、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタの製造方法を示す。まず(a)に示すように、ガラス等からなる絶縁基板1の上にAl,Ta,Mo,W,Cr,Cu又はこれらの合金を100乃至250nmの厚みで形成し、パタニングしてゲート電極6に加工する。
【0063】
次いで(b)に示すように、ゲート電極6の上にゲート絶縁膜を形成する。本実施形態では、ゲート絶縁膜はゲート窒化膜5a(SiNX )/ゲート酸化膜5b(SiO2 )の二層構造を用いた。ゲート窒化膜5aはSiH4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体として用い、プラズマCVD法(PCVD法)で成膜した。尚、プラズマCVDに代えて常圧CVDあるいは減圧CVDを用いてもよい。本実施形態では、ゲート窒化膜5aを50nmの厚みで堆積した。ゲート窒化膜5aの成膜に連続して、ゲート酸化膜5bを約200nmの厚みで成膜する。更にゲート酸化膜5bの上に連続的に非晶質シリコンからなる半導体薄膜7を約30乃至80nmの厚みで成膜した。二層構造のゲート絶縁膜と非晶質半導体薄膜7は成膜チャンバの真空系を破らず連続成膜した。ここで、プラズマCVD法を用いた場合、膜中の水素を脱離させるために窒素雰囲気中で400℃乃至450℃、1時間乃至2時間程度のアニールを行う。
【0064】
ここで、必要に応じ薄膜トランジスタのVthを制御する目的で、Vthイオンインプランテーションを行う。本例では、B+をドーズ量が1×1012乃至6×1012/cm2程度でイオン注入した。続いて、レーザ光を照射し、非晶質半導体薄膜7を結晶化する。レーザ光としてはエキシマレーザビームを用いることができる。いわゆるレーザアニールは600℃以下のプロセス温度で半導体薄膜を結晶化するための有力な手段である。本実施例では、パルス状に励起され且つ矩形状又は帯状に整形されたレーザ光を非晶質半導体薄膜7に照射して結晶化を行う。この際、前工程で脱水素化処理を行っているので、非晶質半導体薄膜7にレーザ光を照射し急激に加熱しても、含有水素の突沸が生じる恐れはない。尚、場合によっては、レーザ結晶化に代え、固相成長法により半導体薄膜の結晶化を行ってもよい。この場合でも、結晶欠陥が少なく結晶性に優れた多結晶半導体薄膜を得るために、予め脱水素化処理を施すことは重要である。この後、半導体薄膜7を各薄膜トランジスタの素子領域に合わせてパタニングする。
【0065】
(c)に示すように、前工程で結晶化された多結晶半導体薄膜7の上に、例えばプラズマCVD法でSiO2を約100nm乃至300nmの厚みで形成する。本例ではシランガスを分解してSiO2 を形成した。このSiO2 を所定の形状にパタニングしてストッパー膜11に加工する。この場合、裏面露光技術を用いてゲート電極6と整合するようにストッパー膜11をパタニングしている。ストッパー膜11の直下に位置する多結晶半導体薄膜7の部分はチャネル領域Chとして保護される。続いて、ストッパー膜11をマスクとしてイオンインプランテーションにより不純物(例えばP+イオン)を半導体薄膜7に注入し、LDD領域を形成する。この時のドーズ量は、例えば4×1012乃至5×1013/cm2 である。加速電圧は例えば10keVである。更にストッパー膜11及びその両側のLDD領域を被覆するようにフォトレジストをパタニング形成したあと、これをマスクとして不純物(例えばP+イオン)を高濃度で注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成する。不純物注入には、例えばイオンドーピング(イオンシャワー)を用いることができる。これは質量分離をかけることなく電界加速で不純物を注入するものであり、本実施例ではH2 で希釈したPH3 ガスを用い1×1015/cm2 程度のドーズ量で不純物を注入し、ソース領域S及びドレイン領域Dを形成した。尚、図示しないが、pチャネルの薄膜トランジスタを形成する場合には、nチャネル型薄膜トランジスタの領域をフォトレジストで被覆したあと、不純物をP+イオンからB+イオンに切り換えドーズ量1×1015/cm2 程度でイオンドーピングすればよい。例えばH2 で希釈したB2 H6 ガスを用いる。尚、ここでは質量分離型のイオンインプランテーション装置を用いて不純物を注入してもよい。この後、半導体薄膜7に注入された不純物の活性化工程となる。活性化には、炉アニール、レーザなどのエネルギービームを用いたアニール、RTAを用いたアニールのいずれでもよい。
【0066】
最後に(d)に示すように、SiO2を約200nmの厚みで成膜し、層間絶縁膜12とする。層間絶縁膜12の形成後、SiNX をプラズマCVD法で約200乃至400nm成膜し、パシベーション膜(キャップ膜)13とする。この段階で窒素ガス又はフォーミングガス中又は真空中雰囲気下で350℃程度の加熱処理を1時間行ない、層間絶縁膜12に含まれる水素原子を半導体薄膜7中に拡散させる。このあと、コンタクトホールを開口し、Mo,Al等を200乃至400nmの厚みでスパッタしたあと、所定の形状にパタニングして配線電極9に加工する。更に、アクリル樹脂等からなる平坦化層10を1μm程度の厚みで塗布したあとコンタクトホールを開口する。平坦化層10の上にITOやIXO等からなる透明導電膜をスパッタしたあと、所定の形状にパタニングして電極2に加工する。ITOを用いた場合には、220℃でN2 中30分程度のアニールを行う。
【符号の説明】
【0067】
21…垂直スタートパルス発生回路、22…垂直転送回路、30…レベルシフタ、25…垂直クロック信号発生回路、31…レベルシフタ、41…水平転送回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなるアクティブマトリクス回路において、
前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、
前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項2】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項3】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項4】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項3記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項5】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項3記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項6】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項5記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項7】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項8】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項9】
各レベルシフタは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項10】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、
前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項11】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項10記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項12】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなる面圧力分布検出装置において、
前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、
前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項13】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項12記載の面圧力分布検出装置。
【請求項14】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項15】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項14記載の面圧力分布検出装置。
【請求項16】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項14記載の面圧力分布検出装置。
【請求項17】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項16記載の面圧力分布検出装置。
【請求項18】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項19】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項18記載の面圧力分布検出装置。
【請求項20】
各レベルシフタは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項18記載の面圧力分布検出装置。
【請求項21】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、
前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項22】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項21記載の面圧力分布検出装置。
【請求項23】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなるアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
前記水平走査手順は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次水平シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送手順を含み、
前記垂直走査手順は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次垂直シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する垂直転送手順を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平シフトレジスタ及び垂直シフトレフスタを強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット手順を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項24】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項23記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項25】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項26】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項25記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項27】
各レベルシフタは、該シフトレジスタの対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項25記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項28】
各レベルシフタは、該シフトレジスタの対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項27記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項29】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項30】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項29記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項31】
各レベルシフタは、シフトレジスタの対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項29記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項32】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該シフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いると共に、
前記シフトレジスタの各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ手順を含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項33】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項32記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項1】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなるアクティブマトリクス回路において、
前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、
前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項2】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項3】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項4】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項3記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項5】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項3記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項6】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項5記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項7】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項8】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項9】
各レベルシフタは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項10】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含むアクティブマトリクス回路において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、
前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路。
【請求項11】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項10記載のアクティブマトリクス回路。
【請求項12】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなる面圧力分布検出装置において、
前記水平走査回路は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送回路を含み、
前記垂直走査回路は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する垂直転送回路を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平転送回路及び垂直転送回路を強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット回路を備えていることを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項13】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項12記載の面圧力分布検出装置。
【請求項14】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項15】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項14記載の面圧力分布検出装置。
【請求項16】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項14記載の面圧力分布検出装置。
【請求項17】
各レベルシフタは、転送回路の対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項16記載の面圧力分布検出装置。
【請求項18】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送回路を含み、前記垂直走査回路は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送する第二の転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応する転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを有することを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項19】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項18記載の面圧力分布検出装置。
【請求項20】
各レベルシフタは、転送回路の対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項18記載の面圧力分布検出装置。
【請求項21】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子と、該能動素子に接続され外部から印加される面圧力に応じた信号を受ける電極と、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査回路と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子を介し該信号を取り込む水平走査回路とからなり、
前記水平走査回路は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送回路を含む面圧力分布検出装置において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該転送回路の各段に供給する昇圧回路を備えており、
前記昇圧回路は、該転送回路の一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを有すると共に、
前記転送回路の各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチを含むことを特徴とする面圧力分布検出装置。
【請求項22】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタからなることを特徴とする請求項21記載の面圧力分布検出装置。
【請求項23】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなるアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
前記水平走査手順は、水平スタートパルスを水平クロック信号に応じて順次水平シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する水平転送手順を含み、
前記垂直走査手順は、垂直スタートパルスを垂直クロック信号に応じて順次垂直シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する垂直転送手順を含み、
外部から供給されるリセットパルスに応答して該水平シフトレジスタ及び垂直シフトレフスタを強制的にリセットし、初期状態に復帰させるリセット手順を備えていることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項24】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項23記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項25】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項26】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項25記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項27】
各レベルシフタは、該シフトレジスタの対応する段が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項25記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項28】
各レベルシフタは、該シフトレジスタの対応する段から出力されるパルスにより昇圧動作のオンオフが直接制御されていることを特徴とする請求項27記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項29】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、第一のスタートパルスを第一のクロック信号に応じて順次第一のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する第一の転送手順を含み、前記垂直走査手順は、第二のスタートパルスを第二のクロック信号に応じて順次第二のシフトレジスタの先頭段から後尾段に転送する第二の転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧のクロック信号を高電圧に昇圧して対応するシフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの二段以上を単位とする組に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なうレベルシフタを用いることを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項30】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項29記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項31】
各レベルシフタは、シフトレジスタの対応する二段以上の組が転送動作を行なう時に合わせて昇圧動作を行なうことを特徴とする請求項29記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項32】
行状の選択線と、列状の信号線と、両者の交差部に配された能動素子とを備え、各選択線を順次走査して能動素子を選択する為の選択パルスを出力する垂直走査手順と、各信号線を開閉制御するための制御パルスを出力して選択された能動素子に対する信号の入力又は出力を行なう水平走査手順とからなり、
前記水平走査手順は、スタートパルスをクロック信号に応じて順次シフトレジスタの先頭段から後尾段に転送して制御パルスを出力する転送手順を含むアクティブマトリクス回路の駆動方法において、
外部から入力される低電圧の該クロック信号を高電圧に昇圧して該シフトレジスタの各段に供給する昇圧手順を備えており、
前記昇圧手順は、該シフトレジスタの一段毎に対応して個別にクロック信号の昇圧を行なう複数のレベルシフタを用いると共に、
前記シフトレジスタの各段は、対応するレベルシフタから供給されたクロック信号に応じ転送動作を行なって制御パルスを出力し、
更に該制御パルスに応じ該クロック信号をサンプリングして各信号線を開閉制御するスイッチ手順を含むことを特徴とするアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【請求項33】
前記能動素子は、絶縁性の基板に形成された多結晶シリコンを素子領域とする薄膜トランジスタを用いることを特徴とする請求項32記載のアクティブマトリクス回路の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2010−91561(P2010−91561A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230519(P2009−230519)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【分割の表示】特願2000−210070(P2000−210070)の分割
【原出願日】平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【分割の表示】特願2000−210070(P2000−210070)の分割
【原出願日】平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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