説明

偏光性を有する半導体発光素子

【課題】本発明は偏光性を有する半導体発光素子に関する。
【解決手段】半導体発光素子40は、第1導電型半導体層44、活性層46及び第2導電型半導体層48が積層された半導体構造物を含む半導体発光素子において、上記半導体構造物は上記第2導電型半導体層から少なくとも活性層に至るまでの深さを有するように一定方向に沿って配列された複数の溝領域により形成された複数の光ガイド部Gを含み、上記複数の光ガイド部は長さ方向に該当する偏光成分が選択的に放出されるようにその幅より大きい長さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光性を有する半導体発光素子に関するものであって、フォトニック結晶構造と類似な原理を適用した光ガイド構造を採用することにより、特定偏光性分の放出効果を相対的に向上させた半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、LCDとPDPを中心とする平面ディスプレイ技術分野は急速に発展している。ディスプレイが大型化されるにつれ光源部分と光学材料がコストで占める割合が非常に高いだけでなく、光源の消耗電力の側面において多くの問題点が浮き彫りになっている。
【0003】
特に、液晶ディスプレイ(LCD)の場合、均一な光の拡散のため多数の光学シートを使用すべきであるため、バックライトユニット(BLU)の光効率が低下し、コストが上昇する問題がある。このような問題を補完する方法として、LEDを光源として用いて色再現性とLCDの反応速度を補完できる方法が数多く研究されている。
【0004】
図1は、LED光源を採用する通常のバックライト装置を示した分解図である。
【0005】
図1に図示されたバックライト装置は、LED光源2、導光板4、拡散シート5、垂直及び水平プリズムシート6a,6bからなるプリズムシート部6及び偏光板7を含む。
【0006】
このようなバックライト装置に一般に使用されるLED光源2は、図2(a)及び図2(b)に図示された通り、基板11,21上に順次に形成された第1導電型半導体層14,24、活性層16,26及び第2導電型半導体層18,28からなる発光構造物と、上記第1及び第2導電型半導体層と電気的に連結された第1及び第2電極19a,19b,29a,29bとを含む。
【0007】
上記LED光源2から発生した光は、上記導光板4を通じて拡散シート5に向かい、上記拡散シート5により拡散された光を垂直及び水平プリズムシート6a,6b及び偏光板7を通じて液晶表示パネル(未図示)に向かうことになる。
【0008】
ここで、上記拡散シート5は全体面積に均一な輝度を提供する役割をし、上記プリズムシート部6は特定視野角の範囲で輝度を向上させる機能をする。また、上記偏光板7は特定偏光性分を選択的に透過させる役割をする。このように、バックライト装置は、LEDのような点光源を画面全体で明るくて均一な面光源に転換するため、様々な光学シートが求められる。
【0009】
特定光学シートを光源のような従来の手段に代替することは、バックライト装置のコスト低減及び工程改善のためだけでなく、光効率の改善の側面で好ましい。特に、特定偏光性分のみ選択的に放出できる光源を具現することが可能であれば、偏光板を使用しなくてもよいので、それによる費用低減だけでなく偏光性分の選択による光損失問題を改善することができる。このような点から偏光性を有する光源は、バックライト光源として非常に有益に使用されることができる。
【0010】
ところが、一般的にLED光源2は、全方向の偏光性分が存在するため、所望の偏光性分のための偏光板が使用されるべきで、それによるコストの増加と光効率の低下という問題は避けられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の従来の技術問題を解決すべく、本発明の一目的は、特定方向の偏光性分を選択的に放出できる偏光性を有し、さらに偏光性の拡大による有効の光効率を補完するために共振構造を採用することにより、指向性を向上させたLED光源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の技術的課題を実現すべく、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層が積層された半導体構造物を含む半導体発光素子において、上記半導体構造物は上記第2導電型半導体層から少なくとも活性層に至るまでの深さを有するように一定方向に沿って配列された複数の溝領域により形成された複数の光ガイド部を含み、上記複数の光ガイド部はその長さ方向に該当する偏光性分が選択的に放出されるようにその幅より大きい長さを有することを特徴とする半導体発光素子を提供する。
【0013】
好ましくは、上記複数の光ガイド部は、選択された偏光性分をより優勢に放出させるため、各々その幅より少なくとも3倍大きい長さを有するように形成されることができる。
【0014】
溝領域の具現のためのエッチング工程(例えば、レーザービーム回折法)を考慮して、上記複数の光ガイド部は一定周期を有するように形成されることができる。
【0015】
本発明の光ガイド部と溝領域は、各々第1及び第2媒質としてフォトニック結晶構造のように作動することができる。このような構造において、上記複数の溝領域に上記半導体構造物の屈折率より低い屈折率を有する適切な物質を充填することにより、所望のフォトニック結晶のような動作が期待できる。
【0016】
本発明の具体的な実施形態では、水平構造または垂直構造の発光素子の何れも適用されることができる。
【0017】
本発明の一実施形態は、上記第1導電型半導体層、上記活性層及び上記第2導電型半導体層が順次に積層された絶縁性基板をさらに含み、上記半導体構造物は上記第1導電型半導体層の一領域が露出されるようにメサエッチングされた構造を有し、上記第1導電型半導体層の上記露出された一領域と上記第2導電型半導体層の一領域に各々形成された第1及び第2電極とをさらに含む水平構造の発光素子であることができる。
【0018】
この場合に、上記複数の溝領域は各々上記第2電極の隣接した位置から上記第1電極に向かって延長され形成されることが好ましい。
【0019】
本発明の他の実施形態は、上記第2導電型半導体層、上記活性層及び上記第1導電型半導体層が順次に積層された導電性基板と、上記第1導電型基板の上面の一領域と上記導電性基板の下面に各々形成された第1及び第2電極を更に含むことができる。
【0020】
この場合に、上記複数の溝領域は、各々上記半導体構造物の一側面から対向する他側面まで開放されるように延長され形成することができる。
【0021】
本発明に採用可能な光ガイド部の配列は2次元的に具現されることができる。これは、上記複数の溝領域を2つ以上の列方向に配列されるように形成することによって具現されることができる。この場合に、第2導電型半導体層の領域に一つの電極を通じて全体活性領域から発光させるため、上記複数の光ガイド部は上記第2導電型半導体層により相互連結されるように形成されることが好ましい。
【0022】
本発明は、好ましく、光指向性を改善するための共振構造をさらに採用することができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、上記半導体構造物は、上記活性層を介して上記活性層から発生する光の半波長の整数倍に該当する間隔で形成された第1及び第2反射層構造からなり、上記第2反射層構造は光放出方向に位置し、上記第2反射層構造は上記第1反射層構造より上記活性層から発生する光の波長に対して低い反射率を有する。
【0024】
好ましくは、上記第1反射層構造は、上記活性層から発生する光の波長に対して80%以上の反射率を有し、上記第2反射層構造は上記活性層から発生する光の波長に対して20〜60%の反射率を有する。
【0025】
本実施形態は、LEDの構造に応じて相異する共振構造を採用することができる。
【0026】
上記第1導電型半導体層、上記活性層及び上記第2導電型半導体層が順次に積層された絶縁性基板をさらに含む水平構造LEDの場合に、上記第2反射層構造は上記第2導電型半導体層の上面に位置し、上記第1反射層は上記第1導電型半導体層の内部に位置することができる。
【0027】
また、上記第2導電型半導体層、上記活性層及び上記第1導電型半導体層が順次に積層された導電性基板をさらに含む垂直構造LEDの場合には、上記第1反射層構造は上記第1導電型半導体層の内部に位置し、上記第2反射層構造は上記導電性基板であるか上記導電性基板と上記第1導電型半導体層との間に位置した金属反射層であることができる。
【0028】
このような実施形態において、第1導電型半導体層の内部に位置する第1反射層構造は相異する屈折率を有する半導体層が複数で交互に積層されて成るDBR構造であることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、半導体発光素子自体で特定偏光性分を提供することができるため、バックライト装置で偏光板を省略することができ、さらに共振構造を採用して光指向性を向上させるので、偏光効果をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照に、本発明の実施形態をより詳しく説明する。
【0031】
図3は、本発明による光ガイド構造を説明するための半導体発光素子構造の斜視図である。ここで、光ガイド構造の発光構造物に係わりより容易に説明するため電極構造の図示は省略した。
【0032】
図3を参照すると、基板31上に第1導電型半導体層34、活性層36及び第2導電型半導体層38が順次に形成された半導体発光構造30が図示されている。
【0033】
上記第2導電型半導体層38から少なくとも活性層36に至るまでの深さdを有するように複数の溝領域Hが一定方向に沿って並んで形成される。上記溝領域Hの深さdは活性層36を分離できる程度の深さであればよい。このような複数の溝領域Hにより、上記半導体発光構造物30は幅bより大きい長さaを有する複数の光ガイド部Gを備えることができる。好ましく、所望の偏光性分の光が他の偏光性分より優勢に放出されるように光ガイド部Gの長さaは幅bより3倍以上になるように設定することが好ましい。
【0034】
このような複数の光ガイド部Gと溝領域Hは、各々半導体結晶の屈折率と空気の屈折率を有するため、相異する屈折率を有する媒質として理解できる。従って、このような複数の光ガイド部Gと溝領域Hが交差して配列された領域はフォトニック結晶構造と類似に作動して特定偏光性分のみ選択的に放出させることができる。
【0035】
従って、図3に図示された発光構造物では、活性層36から生成された光は全方向の偏光性分を有しても、光ガイド部Gと溝領域Hが交差して配列された幅方向に該当する偏光性分(例えば、TM)は抑制され、光ガイド部Gの長さ方向に該当する偏光性分(例えば、TE)のみ選択的に放出されることができる。勿論、上記溝領域Hが形成される方向、即ち光ガイド部Gの長さ方向をどう決定するのかによって他の偏光性分を得ることができる。
【0036】
このような光ガイド部Gと溝領域Hとからなる繰返しパターンは、レーザービーム回折法または電子ビームリソグラフィのようなエッチング工程で形成されることができる。また、このようなエッチング工程は、下記の式を満たす周期pを有するように具現することができる。
【0037】
【数1】

【0038】
ここで、mは自然数で、λとneqは各々活性層から生成される光の波長と半導体層の有効屈折率を意味する。また、溝領域Hには異なる屈折率を有する絶縁性物質で埋められることができ、フォトニック結晶構造の特性を変えることができる。
【0039】
本発明は、フリップチップ形態の水平構造発光素子のみならず、垂直構造発光素子にも有益に適用することができる。
【0040】
図4及び図5は、各々本発明の具体的な実施形態による水平構造及び垂直構造発光素子を示す。
【0041】
先ず、図4に図示された通り、半導体発光素子40は、基板41上に順次に形成された第1導電型半導体層44、活性層46及び第2導電型半導体層48を含み、上記第1及び第2導電型半導体層44,48に各々接続された第1及び第2電極49a,49bを備える。
【0042】
本実施形態において、上記基板41はサファイア基板のような絶縁性基板であるため、上記半導体構造物は上記第1導電型半導体層44の一領域が露出されるようにメサエッチングされた構造を有する。このような構造において、上記第1及び第2電極49a,49bは、上記第1導電型半導体層44の上記露出された一領域と上記第2導電型半導体層48の一領域に各々形成される。
【0043】
また、複数の溝領域Hにより上記半導体発光構造物は幅bより大きい長さaを有する複数の光ガイド部Gを備える。好ましくは、図3に図示された構造において、第1及び第2電極49a,49bの間の活性層46が断絶されないように複数の溝領域Hは、上記第2電極49bの隣接した位置から上記第1電極49aに向かって延長され形成される。先に説明した通り、複数の光ガイド部Gと溝領域Hが交差して配列された領域は、特定偏光性分が優勢に放出されるフォトニック結晶構造として作用することができる。
【0044】
図5は、本発明の他の実施形態による半導体発光素子の斜視図である。
【0045】
図5を参照すると、基板51上に順次に形成された第2導電型半導体層58、活性層56及び第1導電型半導体層54を含む半導体発光素子50が図示されている。
【0046】
本実施形態において、上記基板51は導電性基板であることができ、第1及び第2電極59a,59bは上記第1導電型半導体層54の上面の一領域と上記導電性基板51の下面に各々形成され、上記第1及び第2導電型半導体54,58に各々電気的に接続されることができる。このような垂直構造発光素子50は、所定の母基板上に第1導電型半導体層54、活性層56及び第2導電型半導体層58を順次に積層した後、積層された半導体結晶を分離させた後に、導電性基板51に接合させたものと理解できる。図5に図示された通り、接合過程において第2導電型半導体層58と導電性基板51との間に光抽出効率を改善するための金属反射層52をさらに提供することができる。
【0047】
このような工程において、複数の溝領域Hは母基板(未図示)上に半導体発光構造を形成した後に、導電性基板51に接合する前に形成されることができる。このように、溝領域Hを電極が形成されていない面に提供することにより、溝領域H及び光ガイド部Gの具現領域が図4の構造のように電極位置に制限されず、相対的に十分広い領域に亘って形成されることができる。従って、上記複数の溝領域Hは、各々上記半導体構造物の一側面から対向する他側面まで開放されるように延長され形成されることができ、かかるより長い光ガイド部Gの形成が可能であるため、偏光性をより高めることができる。
【0048】
上述の実施形態では、一方向に沿って並んで配列された1次元的なフォトニック結晶構造を例示したが、複数の溝領域を2つ以上の列を有するように配列することによって2次元的な構造で具現されることもできる。
【0049】
図6は、本発明の半導体発光素子に採用可能な2次元周期のフォトニック結晶構造を示した平面図である。ここで図示された構造は、図4及び図5において半導体発光構造物(例えば、第2導電型半導体層)の一面を示す。
【0050】
図6に図示された通り、各溝領域Hは、幅bより大きい長さaを有する光ガイド部Gが提供されるように形成され、並んで配列された複数の溝領域Hは3つの列で形成される。これによって2次元的なフォトニック結晶構造が具現されることができる。
【0051】
また、上記3個の列で配列された溝領域Hは、相互離隔するように配置されるため、上記複数の光ガイド部Gが上記第2導電型半導体層68により相互連結された配列を有する。このように、残留領域である複数の光ガイド部Gが相互連結されて配置されるため、一領域Eに電極を提供することにより全体活性領域を駆動させることができるという長所を提供する。このようなことは、図4で説明した水平構造の発光素子において2次元フォトニック結晶構造を具現するに非常に役立つ。
【0052】
本発明の他の側面は、偏光性改善による光効率の低下問題を解決するため光指向性の改善方案を同時に提供する。特に、半導体発光素子自体は、一般的に全方向に光が抽出されるため、所望の方向に対する光の効率は非常に低いものと知られている。また、本発明のように、発光素子構造自体に偏光性を与える場合に、特定偏光性分に対する損失問題で光効率が低下することができ、偏光性の面でも他方向に放出される光が多くなると偏光自体の効率が低下することができる。
【0053】
従って、本発明は図7及び図8に図示された通り、指向性を向上させた共振構造をフォトニック結晶構造と結合させることによって、出射光の方向を上面に限定させると同時に、フォトニック結晶による偏光効果を極大化させる方案を提供する。
【0054】
図7は、本発明の好ましい実施形態による指向性が強化された半導体発光素子の断面図である。
【0055】
図7に図示された通り、本実施形態による半導体発光素子70は、基板71上に順次に形成された第1導電型半導体層74、活性層76及び第2導電型半導体層78を含み、上記第1及び第2導電型半導体層74,78に各々接続された第1及び第2電極79a,79bを備える。
【0056】
図7では図示されていないが、図4に図示されたLEDと類似に、複数の溝領域により上記半導体発光構造物は幅より大きい長さを有する複数の光ガイド部が形成されたものと理解できる。
【0057】
本実施形態による半導体発光素子70は、上記活性層76を介して上記活性層76から発生する光の半波長の整数倍に該当する間隔で形成された第1及び第2反射層75,77を含む。光放出方向に位置した第2反射層77は、上記第1反射層75より上記活性層76から発生する光の波長に対して低い反射率を有するため、第1及び第2反射層75,77の間の領域は、活性層76から発生した光に対する共振機構造Rとして定義される。好ましくは、上記第1反射層75は、上記活性層76から発生する光の波長に対して80%以上の反射率を有し、上記第2反射層77は上記活性層76から発生する光の波長に対して20〜60%の反射率を有することができる。
【0058】
本実施形態のように、上記第2反射層77は、上記第2導電型半導体層78の上面に位置する場合には結晶成長工程に係わらず、金属または金属酸化物のような適切な反射材料を使用することができるが、上記第1反射層75のように上記第1導電型半導体層74の内部に位置する場合に、一部の第1導電型半導体層74aを形成した後に、他の一部の第1導電型半導体層74bを形成する前に提供されることができるため、適した結晶性を有することが求められる。
【0059】
従って、この場合に、上記第1反射層75は、相異する屈折率を有する2種の半導体結晶膜75a,75bを複数回に交互に形成したDBR構造を採用することが好ましい。例えば、窒化物発光素子の場合には、AlGaInN窒化物半導体でAl成分を調整することにより所望のDBR構造を得ることができる。
【0060】
図8は、本発明の他の実施形態による垂直構造半導体発光素子の斜視図である。
【0061】
図8に図示された通り、本実施形態による半導体発光素子80は、導電性基板81上に順次に形成された第1導電型半導体層84、活性層86及び第2導電型半導体層88を含む。第1及び第2電極89a,89bは、上記第1導電型半導体層84の上面の一領域と上記導電性基板81の下面に各々形成され、上記第1及び第2導電型半導体層84,88に各々電気的に接続されることができる。
【0062】
このような垂直構造発光素子80は、先に説明した通り、複数の溝領域Hは、各々上記半導体構造物の一側面から対向する他側面まで開放されるように延長され形成されることができ、複数の光ガイド部Gを形成する。
【0063】
また、本実施形態による半導体発光素子80は、上記活性層86を介して上記活性層86から発生する光の半波長の整数倍に該当する間隔で形成された第1及び第2反射層82,85を含む。ここで、上記第2反射層85は、上記第1反射層82より低い反射率を有するため、光出射側に提供されることができる。
【0064】
上記第1及び第2反射層82,85の間の領域は、活性層86から発生した光に対する共振機構造Rとして定義される。好ましく、上記第1反射層82は、上記活性層86から発生する光の波長に対して80%以上の反射率を有し、上記第2反射層85は上記活性層86から発生する光の波長に対して20〜60%の反射率を有することができる。
【0065】
本実施形態のように、上記第1反射層82は上記第2導電型半導体層88と導電性基板81との間に配置されることができ、反射金属層として提供される。第1反射層と半波長の整数倍の距離を有するために、上記第2反射層85は上記第1導電型半導体層84の内部に位置することができる。この場合に、相異する屈折率を有する2種の半導体結晶膜85a,85bを複数回に交互に形成したDBR構造を採用することが好ましい。
【0066】
このように、第1及び第2反射構造を通じて共振構造を採用した発光素子では、フォトニック結晶構造が形成された方向、即ち光ガイド部の配列方向に共振構造内に拘束された光が存在することができるが、このようにな問題は光ガイド部の長軸と短軸の長さを調節した2次元フォトニック結晶を形成して上位モードの光発生を抑制することにより解決することができる。
【0067】
このように、本発明は上述の実施形態及び添付の図面によって限られず、添付の請求範囲により限定するものである。請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更を行うことができるということは、当技術分野において通常の知識を有している者には自明である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】従来のバックライト構造を示した分解断面図である。
【図2】従来の半導体発光素子を示した断面図である。
【図3】本発明による光ガイド構造を説明するための半導体発光素子構造の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による半導体発光素子の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態による半導体発光素子の斜視図である。
【図6】本発明の半導体発光素子に採用可能な2次元周期のフォトニック結晶構造を示した平面図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態による指向性が強化された半導体発光素子の断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態による垂直構造半導体発光素子の斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
31、41 基板
34、44 第1導電型半導体層
36、46 活性層
38、48 第2導電型半導体層
G 光ガイド部
H 溝構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層が積層された半導体構造物を含む半導体発光素子において、
前記半導体構造物は、前記第2導電型半導体層から少なくとも活性層に至るまでの深さを有するように一定方向に沿って配列された複数の溝領域により形成された複数の光ガイド部を含み、
前記複数の光ガイド部は長さ方向に該当する偏光性分が選択的に放出されるようにその幅より大きい長さを有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記複数の光ガイド部は、各々その幅より少なくとも3倍大きい長さを有するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記複数の光ガイド部は、一定周期を有するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記溝領域は、前記半導体構造物の屈折率より低い屈折率を有する物質で充填されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記第1導電型半導体層、前記活性層及び前記第2導電型半導体層が順次に積層された絶縁性基板をさらに含み、
前記半導体構造物は、前記第1導電型半導体層の一領域が露出されるようにメサエッチングされた構造を有し、前記第1導電型半導体層の前記露出された一領域と前記第2導電型半導体層の一領域に各々形成された第1及び第2電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記複数の溝領域は、各々前記第2電極の隣接した位置から前記第1電極に向かって延長され形成されたことを特徴とする請求項5に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記第2導電型半導体層、前記活性層及び前記第1導電型半導体層が順次に積層された導電性基板と、前記第1導電型基板の上面の一領域と前記導電性基板の下面に各々形成された第1及び第2電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記複数の溝領域は、各々前記半導体構造物の一側面から対向する他の側面まで開放されるように延長され形成されたことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
前記複数の溝領域は、2個以上の列方向に配列されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項10】
前記複数の光ガイド部は、前記第2導電型半導体層により相互連結されるように形成されたことを特徴とする請求項9に記載の半導体発光素子。
【請求項11】
前記半導体構造物は、前記活性層を介して前記活性層から発生する光の半波長の整数倍に該当する間隔で形成された第1及び第2反射層構造からなり、
前記第2反射層構造は光放出方向に位置し、前記第2反射層構造は前記第1反射層構造より前記活性層から発生する光の波長に対して低い反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項12】
前記第1反射層構造は、前記活性層から発生する光の波長に対して80%以上の反射率を有し、前記第2反射層構造は前記活性層から発生する光の波長に対して20〜60%の反射率を有することを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子。
【請求項13】
前記第1導電型半導体層、前記活性層及び前記第2導電型半導体層が順次に積層された絶縁性基板をさらに含み、
前記第2反射層構造は前記第2導電型半導体層の上面に位置し、前記第1反射層は前記第1導電型半導体層の内部に位置することを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子。
【請求項14】
前記第2導電型半導体層、前記活性層及び前記第1導電型半導体層が順次に積層された導電性基板をさらに含み、
前記第1反射層構造は前記第1導電型半導体層の内部に位置し、前記第2反射層構造は前記導電性基板であるか前記導電性基板と前記第1導電型半導体層との間に位置した金属反射層であることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光素子。
【請求項15】
前記第1反射層構造は、相異する屈折率を有する半導体層が複数で交互に積層されて成るDBR構造であることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−4600(P2012−4600A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217900(P2011−217900)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願2007−156212(P2007−156212)の分割
【原出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】