説明

偽造検出システムおよび偽造検出方法

【課題】商品の偽造を確実に検出することのできるシステムを提供する。
【解決手段】固有のランダムなパターンが形成されたラベル1と、ラベル1を撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが格納されたRFID2とが商品40に貼り付けられる。携帯端末10は、カメラ部12で取り込んだデジタル画像データおよびRFIDリーダ13で読み取った第1の固定長符号データをサーバ20へ送信して商品40の偽造の検証を要求し、該要求に応じてサーバ20から供給される検証結果を表示部16に表示する。サーバ20は、携帯端末10からの検証要求に応じて、携帯端末10から受信したデジタル画像データに上記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成し、該第2の固定長符号データが携帯端末10から受信した第1の固定長符号データと一致するか否かを判定し、その結果を携帯端末10に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒、化粧品、ハンドバックなどの商品の偽造を検出するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な商品が偽造され、市場に出回っている。このような偽造品の中には、ユーザ側で正当な商品との区別を判断することが困難なものもある。そこで、商品の偽造を検出することのできるシステムの開発の要求が高まっている。
【0003】
特許文献1には、ラベルの偽造を検出することのできるシステムが記載されている。このシステムでは、ラベルを発行する際に、時刻情報とラベル固有情報を暗号化した暗号化情報がラベルに印刷されるとともに、その暗号化情報が、第三者機関(時刻認証機関)に予め送付される。消費者は、ラベルに印刷された暗号化情報を第三者機関(時刻認証機関)に提示して問い合わせる。第三者機関は、消費者から提示された暗号化情報と予め送付されていた暗号化情報とに基づいてラベルの正当性を判断し、その判断結果を消費者に提供する。
【特許文献1】特開2002−292969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のシステムでは、ラベルに記載された情報の正当性を判断するに留まっており、そのラベルのコピーを別の商品に貼り付けて販売した場合には、その商品が偽造であるか否かを消費者が判断することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、上記問題を解決し、商品の偽造を確実に検出することのできるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の偽造検出システムは、
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルと、
前記ラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部と、
携帯端末と、
前記携帯端末がネットワークを介して接続されるサーバと、を有し、
前記携帯端末は、
表示部と、
前記ラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、
前記情報記録部から前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、
前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データおよび前記リーダで読み取った前記第1の固定長符号データを前記サーバへ送信して前記商品の偽造の検証を要求し、該要求に応じて前記サーバから供給される検証結果を前記表示部に表示する制御部と、を有し、
前記サーバは、前記携帯端末からの検証要求に応じて、該携帯端末から受信した前記デジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成し、該第2の固定長符号データが前記携帯端末から受信した前記第1の固定長符号データと一致するか否かを検証し、該検証結果を前記携帯端末に供給する、ことを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、商品(品物自体または箱)に貼り付けられるラベルには、その商品に固有のランダムなパターンが形成される。このランダムなパターンは、人間でいうところの指紋であり、1つの商品に唯一のパターンである。また、商品には、そのランダムなパターンを含む部分のデジタル画像データにデジタル署名を施した固定長符号データが検証データとして記録された情報記録部(例えばRFID[Radio Frequency Identification])が貼り付けられる。
【0008】
商品の偽造を検出する際は、携帯端末を使用して、所望の商品のラベルに印刷されたランダムなパターンを含む部分の画像を取り込むととともに、その商品に貼り付けられた情報記録部から検証データを読み取る。そして、携帯端末から、その取り込んだ画像のデジタル画像データおよびその取得した検証データをサーバに送信する。サーバでは、携帯端末から受信したデジタル画像データにデジタル署名を施して固定長符号データが生成され、該固定長符号データが携帯端末から受信した検証データと一致するか否かの判定が行われる。
【0009】
ラベルが偽造された場合は、その画像データから生成される固定長符号データが、正当なラベルの画像データから生成した固定長符号データ、すなわち情報記録部から読み取った検証データと異なるため、サーバでの判定は不一致となる。
【0010】
情報記録部の検証データが改ざんされた場合は、その検証データは、正当なラベルの画像データから生成された固定長符号データと異なるため、サーバでの判定は不一致となる。
【0011】
ラベルおよび情報記録部の双方が偽造された場合も、サーバでの判定は不一致となる。
【0012】
なお、正当なラベルをカメラで撮影して、その画像データに基づいてインクジェットプリンタでラベルの印刷を行った場合でも、その印刷したラベル(複製)から取り込んだ画像データから生成される固定長符号データは、正当なラベルの画像データから生成した固定長符号データ(検証データ)と異なる。以下に、その理由を具体的に説明する。
【0013】
例えば、携帯端末のカメラ部の画素数を400万程度とすると、本発明のシステムでは、およそ2μmの精度で、パターンの偽造を検出することが可能である。元のパターンから2μmの精度でパターンを複製することは、市販のインクジェットプリンタ等のプリンタでは困難である。例えば、正当なラベルを画素数が400万程度のカメラで撮影して、その画像データに基づいてインクジェットプリンタでラベル(コピー)の印刷を行った場合は、現在市販されているインクジェットプリンタの解像度では、画像データが圧縮された状態で印刷を行うこととなる。このため、2μmの精度でパターンを複製することは困難である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ラベルおよび情報記録部(例えばRFID)の少なくとも一方が偽造または改ざんされた場合には、そのことが検出されるので、商品の偽造を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態である偽造検出システムの概略構成を示すブロック図である。図1を参照すると、偽造検出システムは、偽造検出対象である商品40に貼られるラベル1およびRFID2と、携帯端末10と、サーバ20とを有する。
【0017】
ラベル1およびRFID2は、製造過程において、製造業者によって商品の貼り付けられるものである。ラベル1は、商品の情報が印刷された部分と、ユニークな情報(画像や傷など)が形成された部分とを有する。
【0018】
ユニークな情報は、ラベルに唯一の情報であり、例えば、ラベル貼り付けの作業者が、ラベルに決められた文字や記号を手書きで書き込むことで実現する。この他、インクジェットプリンタを用いて、ランダムなパターンをラベル毎に印刷することで、ユニークな情報を形成することができる。
【0019】
RFID2は、無線アンテナ、メモリ、ICなどを搭載する既存の無線タグであって、メモリには、商品の正当性を検証するためのデータとして、ラベル1に形成されたユニークな情報が形成された部分を含むデジタル画像データにデジタル署名を施して得られた固定長符号データが格納されている。製造過程において、作業者が、コンピュータ端末(具体的には、後述するラベル製造装置)を用いて、検証用データを作成してRFID2に格納する。
【0020】
デジタル署名は、具体的には、ダイジェスト関数を用いたデジタル署名である。ダイジェスト関数は、任意の長さの入力ビットデータ列(デジタル画像データで、例えばJPEG方式で圧縮した画像データ)を、ある固定長の小さなサイズのデータ列に縮約するための関数である。このデジタル署名により、任意長のデジタル画像データを64ビット〜2048ビット程度の固定長の符号データにすることができる。
【0021】
携帯端末10は、携帯電話機や携帯情報端末などであって、カメラ部12、RFISリーダ13、操作部14、記憶部15、表示部16、通信部17、および操作部14からの入力を受け付けて各部の動作を制御する制御部11からなる。
【0022】
カメラ部12は、複数の撮像素子と、これら撮像素子からのアナログデータをA/D変換するA/D変換部とを有し、デジタル画像データを出力する。ここでは、カメラ部12は、例えば撮像素子の数(画素数)が400万程度のカメラ性能を有し、デジタル画像データとして例えばJPEG方式で圧縮したデータを出力する。RFIDリーダ13は、RFID2との間で無線による通信が可能とされ、RFID2から検証用データを読み出すことが可能である。
【0023】
操作部14は、ボタンやタッチパネルなどにより構成される。記憶部15は、半導体メモリであって、携帯端末10を動作させるために必要なデータやプログラムが格納される。表示部16は、液晶表示デバイスなどにより構成される。通信部17は、ネットワークを介してサーバ20と接続される。ネットワークは、移動通信網や公衆網などを含むものであって、インターネットなどを適用してもよい。
【0024】
サーバ20は、偽造判定部22、操作部23、記憶部24、表示部25、通信部26、および操作部23からの入力を受け付けて各部の動作を制御する制御部21からなる。操作部23は、キーボードやマウスなどにより構成される。記憶部24は、半導体メモリやハードディスクより構成されるものであって、サーバ20を動作させるために必要なデータやプログラムが格納される。表示部25は、液晶表示デバイスなどにより構成される。通信部26は、ネットワークを介して携帯端末10と接続される。
【0025】
偽造判定部22は、デジタル署名部22aおよび比較部22bからなる。デジタル署名部22aは、携帯端末10から供給されるデジタル画像データにデジタル署名を施すことで固定長符号データを生成する。このデジタル署名も、上述したダイジェスト関数を用いたデジタル署名であり、ダイジェストを生成するためのハッシュ関数およびダイジェストを暗号化するための暗号鍵(秘密鍵)は、RFIDに格納する検証データで使用したものと同じである。比較部22bは、携帯端末10からの検証要求に応じて、携帯端末10から供給される検証用データがデジタル署名部22aで生成された固定長符号データと一致するか否かを判定し、その比較結果を携帯端末10に供給する。
【0026】
次に、本実施形態の偽造検出システムの動作について説明する。図2に、偽造検出システムの動作を説明するためのシーケンス説明図を示す。以下、図1および図2を参照して、偽造検出処理を説明する。
【0027】
ユーザは、携帯端末10を用いて商品の偽造判定を行う。偽造判定において、ユーザは、まず、操作部14にて偽造検出処理を実行するための入力を行う。制御部11は、操作部14から偽造検出処理を実行する旨の入力を受け付けると、偽造検出用の操作画面情報を記憶部15から読み出して表示部16に表示する(ステップS100)。偽造検出用の操作画面には、カメラ部12を使用してラベル画像を撮影し、その撮影画像データをサーバ20へ送信する画像送信項目と、RFIDリーダ13を使用してRFID2から検証データを取得し、その取得した検証データをサーバ20へ送信する検証データ送信項目とがあり、ユーザは、それら項目を選択して操作部14上で必要な入力操作を行う。
【0028】
ユーザが画像送信項目を選択すると、制御部11は、カメラ部12による撮影を実行するための画面を表示部16に表示する。ユーザは、その撮影画面上で、商品に貼り付けられているラベル1の画像が表示されるように、カメラ部12による画像の取り込みを行う(ステップS101)。ラベル1の画像の取り込みを行った後、ユーザが、画像送信を実行する旨の入力操作を行うと、制御部11が、カメラ部12で取り込んだ画像をサーバ20へ送信する。
【0029】
サーバ20では、携帯端末10からの画像データが通信部26にて受信される(ステップS102)。受信画像データは、制御部21を通じて偽造判定部22のデジタル署名部22aに供給される。
【0030】
画像データの送信後、ユーザが検証データ送信項目を選択すると、制御部11は、RFIDリーダ13を起動して、RFID2から検証データを取得する(ステップS103)。そして、制御部11は、その取得した検証データをサーバ20へ送信する。
【0031】
サーバ20では、携帯端末10からの検証データが通信部26にて受信される(ステップS104)。受信検証データは、制御部21を通じて偽造判定部22の比較部22bに供給される。
【0032】
画像データおよび検証データを受信したサーバ20では、まず、デジタル署名部22aが携帯端末10からの受信画像データにデジタル署名を施して固定長符号データを生成する(ステップS105)。そして、比較部22cが、携帯端末10からの検証用データ(RFID2から取得した検証データ)がデジタル署名部22aで生成された固定長符号データと一致するか否かを判定し(ステップS106)、その結果を携帯端末10に供給する。検証用データが固定長符号データと一致した場合は、本物である旨を示すメッセージが検証結果として携帯端末10へ送信され、検証用データが固定長符号データと一致しない場合は、偽造品である旨を示すメッセージが検証結果として携帯端末10へ送信される。
【0033】
携帯端末10では、サーバ20からの検証結果(メッセージ)が通信部17にて受信される。制御部11は、通信部17で受信した検証結果を表示部16に表示する(ステップS107)。この表示に基づいて、ユーザは、商品が偽造品であるか否かを認識する。
【0034】
次に、製造業者にて使用されるラベル製造装置について説明する。図3に、ラベル製造装置の概略構成を示す。
【0035】
図3を参照すると、ラベル製造装置は、カメラ部32、RFIDリーダ/ライタ33、操作部34、記憶部35、表示部36、通信部37、デジタル署名部38、出力部39、パターン生成部40、乱数発生部41および操作部34からの入力を受け付けて各部の動作を制御する制御部31からなる。
【0036】
カメラ部32は、携帯端末10のカメラ部12と基本的には同じものである。RFIDリーダ/ライタ33は、RFID2に対してデータの書き込みおよび読み出しを行うことができる。操作部34は、マウスやキーボードなどよりなる。記憶部35は、半導体メモリやハードディスクより構成されるものであって、ラベル製造装置を動作させるために必要なデータやプログラムが格納される。表示部36は、液晶表示デバイスなどにより構成される。通信部37は、インターネットなどのネットワークへの接続が可能である。
【0037】
デジタル署名部38は、サーバ20のデジタル署名部22aと基本的に同じものであって、カメラ部32から供給される画像データにデジタル署名を施して固定長符号データを生成する。制御部31は、このデジタル署名部38で生成された固定長符号データを検証データとして、RFIDリーダ/ライタ33を通じて、RFID2に書き込む。
【0038】
出力部39は、例えばインクジェットプリンタより構成されるものであって、セットされたラベル1に対してランダムなパターンやラベル情報(製品名、ラベル画像、製造元など商品に関する情報)の記録を行うものである。乱数発生部41は、乱数を発生する。パターン生成部40は、乱数発生部41からの乱数に基づいて、ランダムなパターンを発生する。制御部31は、記憶部35からラベル情報を読み出し、その読み出したラベル情報を出力部39に供給する。また、制御部31は、パターン生成部40で生成したランダムなパターンを出力部39に供給させる。
【0039】
次に、上記のラベル製造装置の動作について具体的に説明する。図4に、ラベル製造装置の動作を説明するためのフローチャートを示す。
【0040】
作業者が、出力部39にラベルをセットし、操作部34にて、ラベル情報をラベルに印刷する旨の入力操作を行うと、制御部31は、記憶部35からラベル情報を読み出し、その読み出したラベル情報を出力部39に供給する。出力部39は、セットされたラベルに、供給されたラベル情報を印刷する(ステップS201)。
【0041】
次いで、作業者が、操作部34にてランダムなパターンをラベルに印刷する旨の入力操作を行うと、制御部31は、パターン生成部40で生成したランダムなパターンを出力部39に供給させる。出力部39は、ラベル情報が印刷されたラベルに、供給されたランダムなパターンを印刷する(ステップS202)。
【0042】
ラベル情報およびパターンがラベルに印刷された後、作業者が、そのラベルを、カメラ部32による撮像が可能なポジションにセットし、操作部34にて、画像を取り込むための入力操作を行うと、制御部31は、カメラ部32を起動して画像の取り込み処理を実行する(ステップS203)。次いで、デジタル署名部38が、カメラ部32で取り込まれた画像データにデジタル署名を施すことで固定長符号データを生成する(ステップS204)。制御部31は、このデジタル署名部38で生成された固定長符号データを検証データとして、RFIDリーダ/ライタ33を通じて、予め用意したRFID2に書き込む(ステップS205)。
【0043】
最後に、作業者は、ラベル情報およびランダムなパターンが印刷されたラベル1と、検証用データが書き込まれたRFID2とをセットとして商品の所定の箇所に貼り付ける。
【0044】
なお、ラベルへのランダムなパターンの印刷に代えて、作業者が、ラベル情報が印刷されたラベルに所望の文字または記号を手書きで書き込むようにしてもよい。
【0045】
以上の本実施形態の偽造検出システムによれば、ラベル1が偽造された場合は、その画像データから生成される固定長符号データが、RFID2から読み取った検証データと異なるため、サーバ20での判定が不一致となる。また、RFID2に格納されている検証データが改ざんされた場合は、その検証データは、ラベル1の画像データから生成された固定長符号データと異なるため、サーバ20での判定は不一致となる。ラベル1およびRFID2の双方が偽造された場合も、サーバ20での判定は不一致となる。
【0046】
また、本実施形態の偽造検出システムにおいて、携帯端末10のカメラ部12は400万画素での画像撮影が可能であるので、その撮影画像上では、大よそ2μmの精度で画像の偽造を検出することが可能である。例えば、ラベルのコピーをインクジェットなどの市販のプリンタで複製する場合、プリンタの解像度の関係から、2μmの精度で画像を複製することは困難である。
【0047】
上述した本実施形態の偽造検出システムは、本発明の一例であり、その構成および動作は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。例えば、RFID2に代えてバーコードを用いてもよい。この場合は、検証データに対応するバーコード情報がラベル1に印刷される。携帯端末10では、RFIDリーダに代えてバーコードリーダが用いられる。
【0048】
また、携帯端末10に、サーバ20の偽造判定部を設けて、携帯端末10単体(携帯型の偽造検出装置)で偽造判定を行うようにしてもよい。
【0049】
さらに、カメラ部12、32で取り込んだデジタル画像データに電子透かしを施してもよい。
【0050】
さらに、RFIDやバーコードをラベルに重畳して貼るようにして、この重畳して貼り合わせた部分の画像をユニークな画像情報として用いてもよい。RFID2の大きさは数ミリ程度であるので、手で貼り付けることが可能である。手で貼り付けた場合は、その貼り付け方は人様々であり、2μmの精度で、全く同じ貼り付け方を人間の手で行うのは困難である。
【0051】
また、ラベル上に円の局座標が描かれた部分を設け、この部分にランダムなパターンやRFIDを貼るようにしてもよい。
【0052】
ラベル1とRFID2はセットで使用される。これらラベル1およびRFID2は、品物自体に貼り付けてもよいし、複数の品物が収納された箱に貼り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態である偽造検出システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す偽造検出システムの動作を説明するための図である。
【図3】本発明の偽造検出システムに用いるラベルを製造する装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示すラベル製造装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 ラベル
2 RFID
10 携帯端末
11、21 制御部
12 カメラ部
13 RFIDリーダ
14、23 操作部
15、 24 記憶部
16、25 表示部
17、26 通信部
20 サーバ
22 偽造判定部
23a デジタル署名部
23b 比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルと、
前記ラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部と、
携帯端末と、
前記携帯端末がネットワークを介して接続されるサーバと、を有し、
前記携帯端末は、
表示部と、
前記ラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、
前記情報記録部から前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、
前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データおよび前記リーダで読み取った前記第1の固定長符号データを前記サーバへ送信して前記商品の偽造の検証を要求し、該要求に応じて前記サーバから供給される検証結果を前記表示部に表示する制御部と、を有し、
前記サーバは、前記携帯端末からの検証要求に応じて、該携帯端末から受信した前記デジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成し、該第2の固定長符号データが前記携帯端末から受信した前記第1の固定長符号データと一致するか否かを検証し、該検証結果を前記携帯端末に供給する、ことを特徴とする偽造検出システム。
【請求項2】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルと、
前記ラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部と、
携帯端末と、を有し、
前記携帯端末は、
表示部と、
前記ラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、
前記情報記録部から前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、
前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成するデジタル署名部と、
前記デジタル署名部で生成した第2の固定長符号データが前記リーダで読み取った前記第1の固定長符号データと一致するか否かを判定する比較部と、
前記比較部での判定の結果を前記表示部に表示する制御部と、を有することを特徴とする偽造検出システム。
【請求項3】
前記情報記録部が、前記第1の固定長符号データが予め格納されたメモリを備える無線タグである、請求項1または2に記載の偽造検出システム。
【請求項4】
前記商品に固有のランダムなパターンが、前記無線タグを前記ラベルに貼り合わせることで形成されている、請求項3に記載の偽造検出システム。
【請求項5】
前記情報記録部が、前記第1の固定長符号データがバーコード情報として記録されたバーコードである、請求項1または2に記載の偽造検出システム。
【請求項6】
表示部と、
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、
前記ラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部から、前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、
前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成するデジタル署名部と、
前記デジタル署名部で生成した前記第2の固定長符号データが前記リーダで読み取った前記第1の固定長符号データと一致するか否かを判定する比較部と、
前記比較部での判定の結果を前記表示部に表示する制御部と、を有することを特徴とする携帯型の偽造検出装置。
【請求項7】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部から、前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、前記ラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、を有する携帯端末と、ネットワークを介して接続されるサーバであって、
前記携帯端末から供給される、前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成するデジタル署名部と、
前記携帯端末から供給される、前記リーダで読み取った前記第1の固定長符号データが、前記デジタル署名部で生成した前記第2の固定長符号データと一致するか否かを判定し、該判定結果を前記携帯端末に供給する比較部と、を有するサーバ。
【請求項8】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部から、前記第1の固定長符号データを読み取る第1のステップと、
前記ラベルをカメラで撮影してデジタル画像データを得る第2のステップと、
前記第2のステップで得られたデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成する第3のステップと、
前記第3のステップで生成した第2の固定長符号データが前記第1のステップで読み取った第1の固定長符号データと一致するか否かを判定する第4のステップと、
前記第4のステップでの判定の結果を表示する第5のステップと、を含む、偽造検出方法。
【請求項9】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部から、前記第1の固定長符号データを読み取る第1の処理と、
前記ラベルをカメラで撮影してデジタル画像データを得る第2の処理と、
前記第2の処理で得られたデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成する第3の処理と、
前記第3の処理で生成した第2の固定長符号データが前記第1の処理で読み取った第1の固定長符号データと一致するか否かを判定する第4の処理と、
前記第4の処理での判定の結果を表示する第5の処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
商品に固有のランダムなパターンが形成されたラベルを撮影したデジタル画像データにデジタル署名を施した第1の固定長符号データが記録され、前記ラベルとセットで使用される情報記録部から、前記第1の固定長符号データを読み取るリーダと、前記ラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、を有する携帯端末と、ネットワークを介して接続されるサーバにおいて用いられるプログラムであって、
前記携帯端末から供給される、前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データに前記デジタル署名を施して第2の固定長符号データを生成する第1の処理と、
前記携帯端末から供給される、前記リーダで読み取った第1の固定長符号データが、前記第1の処理で生成した第2の固定長符号データと一致するか否かを判定する第2の処理と、
前記第2の処理での判定結果を前記携帯端末に供給する第3の処理と、を前記サーバのコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
商品に固有のランダムなパターンを生成するパターン生成部と、
前記パターン生成部で生成したランダムなパターンをラベルに印刷するプリンタ部と、
前記プリンタ部で印刷されたラベルの画像を取り込むためのカメラ部と、
前記カメラ部で取り込んだデジタル画像データにデジタル署名を施して固定長符号データを生成するデジタル署名部と、
前記デジタル署名部で生成された固定長符号データを無線タグに書き込む無線タグ書き込み部と、を有するラベル製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−272283(P2007−272283A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93683(P2006−93683)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】