説明

傾斜パージ孔を有するポペット弁及びポペット弁内部の圧力を低下させる方法

【課題】ポペット形式の逆止弁において、作用する流体流れ等の要因により、弁体の開口量が充分に確保できず流路抵抗増加の原因となっていた。
【解決手段】弁体52と、弁の入口58から出口60の区間において流路66を形成するよう弁体52の内部に配置されたポペットガイド56と、ポペットガイド56の内部に配置されたポペットシャッタ54と、流路を遮断するためにポペットシャッタ54をポペットガイド56から流れ入口58の内面に向かって付勢するバイアス部材58とを備えるポペット弁において、ポペットガイド56の内部室72と流路66の低静圧の領域とを少なくとも1つの排出孔70で導通させ、閉鎖圧力を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してコンプレッサに関し、特に、ハイパーコンプレッサ用のパージ孔を有する改良型ポペット弁に関する。
【背景技術】
【0002】
3,000バール以上のガス圧力レベルを生じるハイパーコンプレッサは、これに限定されないが、低密度ポリエチレン即ちLDPEの製造を含めた工業用途に幅広く使用されている。このコンプレッサを効率的に動作させるためには、少なくともその一部を吸い込み自動ポペット弁及び排出自動ポペット弁を用いて制御する。図1は、開放位置にある従来型ポペット弁10を示す。図示のように、従来型のポペット弁10は、ハイパーコンプレッサに流出入するガスの流路を開閉するよう構成されたポペット又はポペットシャッタ12をその内部に有する弁体11と、ポペット12を閉鎖位置に保持するよう構成されたばね14と、ポペット12及びばね14を収容するポペットガイド16とを備える。図示のように、ポペットシャッタ12を押し開くと、流路17(図1に幾つかの矢印で明示する)が、従来型のポペット弁10の入口18から出口20までの区間に形成される。その流路は、ポペットシャッタ12と弁体11との間、及び、ポペットガイド16と弁体11との間の空間に画定される。従来型のポペット弁10のポペットガイド16は更に、ポペットガイド16の軸24に沿って、ポペットガイド16の内部室26を流路17において流れが滞留する領域に接続された排出開口22を備える。ポペット室26内の背圧は、少なくとも部分的に、その従来型のポペット弁10の軸24の周囲の流路27の領域の静圧によって定まる。
【0003】
かかるポペット弁は、LDPEの生産工場で使用されるハイパーコンプレッサの信頼性において重要な役割を果たす。かかる弁の性能は、選択された材料の特性や動作時の高いガス圧力に耐えるのに適した構造、並びに、ポペットシャッタ12の動作効率によって決まる。弁の適切な開閉は、ガス流と弁部品との相互作用によって発生する、弁を開くためにポペットシャッタ12及びポペットガイド16に作用する抵抗力と、ポペットガイド16の後面に作用する流れ背圧によって発生する、従来型の弁10を閉鎖するためにポペットガイド16に作用するガス圧力と、ポペットシャッタ12の質量に対応付けられた慣性力と、弁を閉鎖するためにばね14によって発生するばね力などを含めた、弁に作用する幾つかの動的応力に関する様々な設計上の制約の影響を受ける。
【0004】
設計上の制約として、例えば、ハイパーコンプレッサのピストンの吸い込み行程中にシャッタを完全且つ安定して開放させる必要性が挙げられる。この場合、流れ面積の減少によって圧力損失が増加し、且つ、ガス温度が上昇するので、コンプレッサの効率が損なわれる。更に、シャッタの動きが不安定な場合、主として可動部品と静止部品とが衝突し易くなるので、故障中の保守時間が費やされることになる。設計上の制約の別の例は、逆流を回避するためにピストン運動が逆転する前に戻しばねによってシャッタを閉鎖する必要性に関する。また、早期に閉鎖されたポペットの動きは、ばね力と同じ方向に作用するガス抵抗力によって更に加速するであろう。更に別の例は、衝突面の摩耗部品及び弁構成部品の衝突強度を必要以上に増加させることで弁の重量及びコストが増加する事態を防止するために又は最小限に抑えるために、可動部品と静止部品とが衝突する速度を許容範囲内に抑えなければならないことに関する。最後に、設計制約のまた別の例は、とりわけガス内に潤滑油及びその他の汚染物質が存在し、接触している様々な表面に付着することによって生じる、衝突速度の増加や弁閉鎖の遅れに繋がる付着現象による影響が低くなければならないことに関する。
【0005】
弁性能の低下は、高いガス温度、早期摩耗、ポリマーの存在、又は大きな騒音などの様々なファクタに現れ、これは結果的に弁寿命の短縮に繋がる。様々な弁動作状態において圧力損失、抵抗力、圧力分布及び流量係数を正確にシミュレートするために、三次元流体力学(又はCFD)が広く使用されてきた。これらのシミュレーション研究及び実験結果に基づいて、ポペット運動を限界性能係数と相関させ、弁の寿命を予測することができること、及び、従来の弁構造により抵抗力及び圧力では、十分に弁を完全に安定して開くことができないことがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、より効率的に開いて開放状態を維持することができる、ハイパーコンプレッサ用の改良型ポペット弁を開発し、コンプレッサの性能を高めることによって、保守及び停止に必要な時間を減少させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ポペット弁の後部分でガス流を加速させて、弁のパージされた内部室の内部の静圧を降下させることで、弁を閉鎖させる際にポペットシャッタに作用するガス圧力を低減し、ポペットシャッタを開く際に弁に対して必要となる差圧を低減させることによって、弁の開放動作を安定させることができる。
【0008】
上述の及び当該技術分野において既知の課題を解決するべく、本発明の一実施形態において次のようなポペット弁を開示する。このポペット弁は、弁体と、この弁体の内部に配置されており弁の入口から出口の区間において流路を形成するポペットガイドと、このポペットガイドの内部に配置されたポペットシャッタと、流路を遮断するためにポペットシャッタをポペットガイドから流れ入口の内面に向かって付勢するバイアス部材とを備える。このとき、ポペットガイドは更に、ポペットガイドの内部室と流路の低静圧領域とを流体連通させるための少なくとも1つの排出孔を有する。
【0009】
本発明の別の実施形態によるポペット弁は、弁体と、この弁体の内部に配置されており弁の入口から出口の区間において流路を形成するポペットガイドと、このポペットガイドの内部に配置されたポペットシャッタと、ポペットガイドの内部室の内部に配置されたばねと、ポペットガイドの内部室と流路の低静圧領域とを流体連通させるよう傾斜したパージ流路とを備える。
【0010】
本発明のまた別の実施形態において、ポペット弁のポペットシャッタに作用する閉鎖圧力を低減する方法を開示する。この方法は、ポペットガイド及び弁体がその一部分を構成する流路の、弁の入口から出口の間の領域の静圧を低減するように、弁の流路内の流れを加速させるステップと、ポペットガイドの内部室と流路の静圧降下領域とを流体連通させ、それによってポペットの内面に直接働き弁体の内面に向かって作用する流体圧力を低減するステップとを含む。
【0011】
以上、本発明に係る様々な実施形態の特徴を簡単に説明したが、これらの特徴及び本発明の効果が以下の詳細な説明において更に具体的に示されている。勿論、以上に記載した以外の特徴も後述されており、これらも添付の特許請求の範囲に含まれているものとする。
【0012】
本発明に係る実施形態のうち幾つかを例示するにあたり、本発明に含まれる実施形態は、以下に説明し添付図面に示されるこれらの実施形態の構造や構成要素の配置の細部に限定されないことを理解されたい。本発明を実施し利用するための形態は他にも様々存在する。なお、本願に記載の用語及び表現は、説明の便宜上用いられているものであり、本発明の実施形態を限定するものではない。
【0013】
このように、当業者には明らかなように、本発明の実施形態には元来、本発明の企図を実現可能な、本明細書に記載した以外の構造、方法、及び/又はシステムが含まれている。従って、添付の特許請求の範囲は、かかる等価の措置をも包含することに留意されたい。
【0014】
添付の要約書は、特許審査官や一般の人々、特に、特許又は法律に関する用語や表現に不慣れな当該技術分野に従事する科学者、技術者、作業員に対して、本発明の企図をわかり易いように簡潔に説明するためのものである。従って、添付の要約書は、本発明又は本願の教示内容を明示したり、その内容を限定したりするものではない。本発明又は本願の教示内容は、添付の特許請求の範囲に基づいてのみ解釈されるべきである。
【0015】
これより、以下に簡単な説明を記載した添付図面に対応する詳細な説明により、本明細書に記載の実施形態を詳述し、本発明による利点を明示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】開放位置にある従来型のポペット弁の断面図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による、開放位置にあるポペット弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による実施形態は、概してコンプレッサに関し、特に、ハイパーコンプレッサ用の、パージ孔を有する改良型ポペット弁に関する。弁の後部分でガス流を加速させることによって、ポペットガイドのパージされた内部室の内部で静圧を降下させることで、弁を閉鎖させるために内部室に作用するガス圧力を低減し、弁を開くために弁に必要となる差圧を低減することによって、弁の開放に関する動的プロセスを安定させることができる。これより、全図面を通して同様の構成要素には同様の参照符号が付与された図面を参照しながら、本発明によるポペット弁の実施形態のうち幾つかを説明する。
【0018】
図2に、本発明の一実施形態によるポペット弁50を示す。同業者には明らかなように、ポペット弁50は、吸い込み弁であっても排出弁であってもよい。図示においては、ポペット弁50は開放位置にある。ポペット弁50は、弁体52と、シャッタ54と、シャッタガイド56と、弁体をシャッタガイドから離れるように付勢し、それによってポペットシャッタ54を弁体52の内面に当接させて着座させるばね58とを有する。ポペット弁50は、入口58及び出口60も有する。ばね58の作用を説明すると、ばね58は、シャッタ54の表面の一部分62が弁体52の内面64に当接するようにシャッタ54を押し付け、それによってガスが入口58から出口60へ、又はその逆方向に流れることを防止する。入口58のガス圧力によってシャッタ54に加えられる力がばね58のバイアス力を上回場合、シャッタ54は開放位置へ移動し、それによってガスが入口58から出口60へ、シャッタ54及び弁体52間と共にシャッタガイド56及び弁体52間に画定される流路66を通って流れる。
【0019】
図2に示すように、シャッタガイド56は、流路66の一部分を形成する2つの後孔68と共に、シャッタガイド56の内部室72と流路66とを流体連通させるための1つ又は複数の排出孔70を有する。更に図2に示すように、排出孔70は、ポペット弁50の中心線74に対して傾斜し、それによってポペット弁50を通るガス流が加速中である流路66の領域をシャッタガイド56の内部室72に接続している。流れは加速流領域を通って加速するので、内部室72の内部での静圧が低下し、これがシャッタ54に作用してシャッタ54を弁体52の内壁64に押し当てることになり得るガス圧力が低減する。加えて、当業者には明らかなように、後孔68の直径を選択することによって、流れ加速領域内の流れ加速量を制御することができる。特に、ポペット弁50の後孔68の直径Drrは、図1に示す従来型弁10の対応孔よりも小さい。これに限定されないが、例えば或る実施形態では、ポペット弁50のDrrが、従来型弁10の排出開口22の直径Ddoの66%である。このため、ポペット弁50及び従来型の弁10が同様な25mmの入口直径Dを有する場合、従来型の弁10のDdo/Dが約0.6であるのに対して、ポペット弁50の場合のDrr/Dは0.36〜0.44の間、好ましくは0.4である。加えて、傾斜排出孔70の傾斜角は、内部室72内にばね58が配置されていることを考慮に入れて、内部室72を後孔68に確実に接続できるように決定される。従って、ここに記載する例示的な実施形態では、傾斜角の値の範囲は10度〜25度、好ましくは19度である。
【0020】
このため、図2のポペット弁50の有利な特徴として、例えば、(1)流路66を通る流れが、排出孔70がシャッタガイド56の内部室72を流路66に接続する領域内で加速するように小径にした後孔68、及び(2)流路66の後孔68をシャッタガイド56の内部室72に接続する1つ又は複数の傾斜排出孔70を含むことが挙げられる。これらの有利な特徴により、静圧は流路66内の低静圧の場所(即ち流れ加速場所)からシャッタガイド56の内部室72へ「移動」する。その結果、背圧が低下して、弁の開放がより安定するようになる。上記のように、弁の後部分でガス流を加速させることにより、弁室の内部の静圧が低下し、それによって弁を閉鎖させるために内部ポペット室に作用するガス圧力が低減されるので、弁を開くために必要となる弁に沿った差圧を低減することができ、その結果、弁を開く動的プロセスが安定する。
【0021】
流体運動及び弁運動力学を考慮したCFDシミュレーション結果が、上記のようなポペット弁50の動作を立証している。弁運動力学についての数学的モデルは、2つの微分方程式に基づく。1つ目は、一定の圧力降下に対する開放弁を通過するガス流量に関連するもので、2つ目は、シャッタ質量による慣性力、減衰力、戻しばねからの弾性力、弁を通過するガスの抵抗力及びシャッタ移動の最後に静止部分に当接する際のシャッタの衝撃力の影響を受けたシャッタの運動の法則に関連するものである。壁積分境界処理を伴う2つの方程式の渦粘性乱れモデル(K−ω)を適用して、レイノルズ平均及びノビエストロークスの方程式を解くことによって、流体流量を予測する。
【0022】
ガス力を増加させる本発明による有利な特徴の1つとして、パージ孔の移動が挙げられる。かかる孔は、従来型の弁構造によるガス滞留域よりも滞留域におけるガス速度が高くなるように(つまり、ポペットの裏側に加えられる圧力が高くなるように)、ポペットからガイドの区間の体積部分におけるガスの流出入が構成されており、その結果、当業者には明らかなように、ガス圧力が低減されて、シャッタに作用するガス力の成分がばね反力よりも高くなり、本発明による効果その他が期待できる。
【0023】
本発明のまた別の実施形態において、ポペット弁のポペットシャッタに作用する閉鎖圧力を低減する方法を開示する。かかるポペット弁は、中心軸、流入口及び流出口を有する弁体と、ポペットガイドと、このポペットガイドの内部に配置されたポペットシャッタを付勢して弁体に押し付けてポペット弁を閉鎖するよう構成されたバイアス部材とを含む。かかる方法は、弁の流入口と流出口とを流体連通させるよう配置された、その一部分をポペットガイド及び弁体が構成する流路の領域内の静圧を低減するように、弁の流路内の流れを加速させるステップと、ポペットガイドの内部室と流路の静圧降下領域とを流体連通させ、それによってポペットシャッタの内面に直接働き弁体の内面に向かって作用する流体圧力を低減するステップとを含む。
【0024】
開示の方法において、流路は、ポペットガイドの少なくとも1つの孔を通過し、低静圧の領域は、少なくとも1つの孔が位置する流路の部分内に位置する。加えて、流体連通させるための代替的方法として、ポペットガイドの内部室をポペットガイド内に配置された少なくとも1つの排出孔を介して、流路部分と流体連通させることが含まれる。上述したように、低静圧領域は流れ加速領域であり、少なくとも1つの排出孔は、弁体の中心軸に対して傾斜している。少なくとも1つの排出孔の傾斜角は、10度〜25度の間で変化しても良い。このため、少なくとも1つの排出孔の傾斜について一定の角度範囲が考えられるが、約19度の傾斜角が好ましい。
【0025】
以上、本発明に係る実施形態を添付図面に図示しながら例示し、説明した。当業者には明らかなように、本発明の企図から逸脱することなく、且つ、添付の特許請求の範囲の範囲内で、かかる実施形態に多様な修正、改変、及び省略を加えることができる。従って、本発明の企図は、かかる修正、改変、及び省略を網羅するよう、添付の実施形態に基づいてのみ広義に解釈されるべきである。更に、開示の工程又は方法の順序や方式を様々に改変したり、組み立て直したりしても、本発明の代替的実施形態とみなされる。添付の特許請求の範囲に記載の全ての手段及び機能は、かかる等価の措置並びに構成を本質的に包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸、流入口及び流出口を有する弁体と、
流入口から流出口の区間において流路の第1部分を形成する、前記弁体の内部に配置されたポペットガイドであって、前記流路が前記弁体の内面と該ポペットガイドの外面との間に形成され且つ該ポペットガイドの少なくとも1つの孔を貫通しているポペットガイドと、
前記ポペットガイドの内部に配置されたポペットシャッタであって、該ポペットシャッタの外面から弁体の内面の区間において前記流路の第2部分を形成するポペットシャッタと、
前記ポペットガイドの内部室の内部に配置されたバイアス部材であって、該バイアス部材が流路を遮断するよう前記ポペットシャッタを前記流入口の内面に向かって付勢するよう構成されたバイアス部材とを備えるポペット弁であって、
前記ポペットガイドが更に、該ポペットガイドの内部室と前記流路の低静圧領域とを流体連通させる少なくとも1つの排出孔を有する、ポペット弁。
【請求項2】
前記少なくとも1つの排出孔が、少なくとも1つの孔を介して前記流路に接続される、請求項1に記載のポペット弁。
【請求項3】
前記少なくとも1つの排出孔が、前記弁体の中心軸に対して傾斜している、請求項1または2に記載のポペット弁。
【請求項4】
前記少なくとも1つの排出孔の傾斜角が、10度〜25度の間で変化する、請求項3に記載のポペット弁。
【請求項5】
前記傾斜角が約19度である、請求項4に記載のポペット弁。
【請求項6】
前記少なくとも1つの排出孔が、前記ポペットシャッタの内面に直接働き前記弁入口へと向かう圧力を低減するよう前記ポペットガイド内に配置される、請求項1に記載のポペット弁。
【請求項7】
ポペット弁であって、ポペットシャッタ、中心軸、流入口及び流出口を有する弁体と、ポペットガイドと、該ポペット弁を閉鎖するよう前記ポペットガイドの内部に配置された前記ポペットシャッタを付勢して前記弁体に押し付けるよう構成されたバイアス部材とを有するポペット弁の前記ポペットシャッタに作用する閉鎖圧力を低減する方法であって、
流路の領域内の静圧を低減するよう、前記流入口と前記流出口とを流体連通させるように配置された前記弁の流路の流れを加速させるステップであって、前記流路の一部分がポペットガイドから弁体の区間において形成されている加速ステップと、
前記ポペットシャッタの内面に直接働き弁体の内面に向かう前記ポペット弁を閉鎖させる流体圧力を低減するよう、前記ポペットガイドの内部室と前記流路の静圧降下領域とを流体連通させるステップとを含む方法。
【請求項8】
流れを加速させる前記ステップが更に、前記ポペットガイド内の少なくとも1つの孔を通過する流れを加速させるステップを含んでおり、
前記低静圧領域が、前記少なくとも1つの孔が位置する流路の部分に配置される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流体連通させる前記ステップが、前記ポペットガイド内に配置された少なくとも1つの排出孔を介して前記ポペットガイドの内部室と前記流路の静圧降下領域とを流体連通させるステップを含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの排出孔が、前記弁体の中心軸に対して傾斜している、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの排出孔の傾斜角が、10度〜25度の間で変化する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記傾斜角が約19度である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
中心軸、流入口及び流出口を有する弁体と、
前記弁体の内部に配置されており、前記流入口から前記流出口の区間において流路の第1部分を形成するよう構成されたポペットガイドであって、前記流路が前記弁体の内面と該ポペットガイドの外面との間に形成され且つ該ポペットガイドの少なくとも1つの孔を貫通しているポペットガイドと、
前記ポペットガイドの内部に配置されたポペットシャッタであって、該ポペットシャッタの外面から前記弁体の内面の区間において前記流路の第2部分を形成するよう構成されたポペットシャッタと、
前記ポペットガイドの内部室の内部に配置されたばねであって、前記流路を遮断するようポペットシャッタを前記流入口の内面に向かって付勢するように構成されたばねと、
前記少なくとも1つの孔の位置において、前記ポペットガイドの内部室と前記流路の第1部分の低静圧領域とを流体連通させるための、前記弁体の中心軸に対して傾斜したパージ流路とを備えるポペット弁。
【請求項14】
前記流入口の直径と前記少なくとも1つの孔の直径との比が、約0.36〜約0.44の範囲にある、請求項13に記載のポペット弁。
【請求項15】
前記少なくとも1つの排出孔の傾斜角が、約10度〜約25度の間で変化する、請求項13または14に記載のポペット弁。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−64281(P2011−64281A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−216371(P2009−216371)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(500445479)ヌオーヴォ ピニォーネ ホールディング ソシエタ ペル アチオニ (34)
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Holding S.p.A.
【Fターム(参考)】