説明

像担持体ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】トナー像が形成される像担持体と、その像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能な像担持体ユニットにおいて、像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したときに像担持体を保護するシャッターが、開位置と閉位置との間を作動するときの空間を小さくする。
【解決手段】像担持体ユニット28を画像形成装置本体内にセットしたとき、像担持体3の上部から退避するシャッター35が、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に引き出すとき、水平方向に移動して、像担持体3の上方を覆うように構成する。シャッター35は並進運動して、その開位置と閉位置の間を作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像が形成される像担持体と、該像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能な像担持体ユニットと、該像担持体ユニットを有するプロセスカートリッジと、該像担持体ユニットないしはプロセスカートリッジを有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記形式の像担持体ユニットを有する画像形成装置は従来より周知であり、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される。この形式の画像形成装置においては、像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき、その像担持体に直に光が当てられると該像担持体が劣化し、また像担持体に手や物が触れると、像担持体表面が汚れたり、ここに傷が付けられるおそれがある。
【0003】
そこで、従来より、像担持体ユニットにシャッターを設け、該像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき、そのシャッターを閉位置にもたらして像担持体を覆い、像担持体ユニットを再び画像形成装置本体内にセットしたとき、シャッターを開位置に移動させて像担持体を開放できるように構成された画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来のこの形式の画像形成装置においては、シャッターを像担持体ユニットの支持体に回動可能に支持し、画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの着脱動作に連動して、シャッターが開位置又は閉位置に回動させるように構成されている。ところが、シャッターを回動開閉させるように構成すると、そのシャッターが支障なく回動できるようにするために、画像形成装置本体内に大きなスペースを確保しなければならないため、画像形成装置本体が大型化する欠点を免れない。
【0004】
【特許文献1】特開2001−337580号公報(第5−6頁、図1−図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した新規な認識に基づきなされたものであり、その目的とするところは、シャッターの作動のために画像形成装置本体内に従来のような大きな空間を確保する必要性をなくした像担持体ユニットと、該像担持体ユニットを有するプロセスカートリッジと、該像担持体ユニットないしはプロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、トナー像が形成される像担持体と、該像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能な像担持体ユニットにおいて、該像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき前記像担持体を覆う閉位置を占め、該像担持体ユニットを画像形成装置本体内の所定の位置にセットしたとき像担持体を開放する開位置を占めるように、像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動可能に、前記支持体に組み付けられたシャッターを具備することを特徴とする像担持体ユニットを提案する(請求項1)。
【0007】
その際、前記シャッターが像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動するように該シャッターを案内する案内部が前記支持体に設けられていると有利である(請求項2)。
【0008】
また、上記請求項1又は2に記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターは、画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの着脱動作に連動して前記閉位置と開位置とにそれぞれ移動するように構成されていると有利である(請求項3)。
【0009】
さらに、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に移動可能に前記支持体に組み付けられたガイド部材を有し、該ガイド部材が、前記支持体に対して相対的に前記出し入れ方向とほぼ平行な方向に移動することにより、前記シャッターがその閉位置又は開位置に移動するように、前記ガイド部材に形成されたガイド穴に前記シャッターに突設されたガイド突部が摺動可能に嵌合していると有利である(請求項4)。
【0010】
また、上記請求項4に記載の像担持体ユニットにおいて、前記ガイド穴は、像担持体ユニットの出し入れ方向に対して傾斜した方向に延びていると有利である(請求項5)。
【0011】
さらに、請求項4又は5に記載の像担持体ユニットにおいて、前記ガイド部材に複数のガイド穴が形成され、その各ガイド穴に前記ガイド突部がそれぞれ摺動可能に嵌合していると有利である(請求項6)。
【0012】
また、上記請求項5又は6に記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターが開位置と閉位置をそれぞれ占めたときに前記ガイド突部が嵌合するガイド穴部分とその近傍のガイド穴部分が、像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行に延びていると有利である(請求項7)。
【0013】
さらに、請求項4乃至7のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して出し入れするとき、前記画像形成装置本体内に位置する相手係止部と協働して、ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させる係止部を該ガイド部材に設け、該係止部と前記相手係止部との協働作用によりガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させると共に、前記支持体と像担持体とシャッターとを前記出し入れ方向に移動させることによって、該シャッターをその閉位置又は開位置に移動させるように構成すると有利である(請求項8)。
【0014】
また、上記請求項8に記載の像担持体ユニットにおいて、前記係止部を、磁力によって、前記相手係止部に対して拘束して前記ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させるように構成すると有利である(請求項9)。
【0015】
さらに、請求項4乃至7のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの押し込み方向とほぼ平行な方向に前記ガイド部材を付勢する付勢部材を設け、像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき、前記付勢部材の作用により、前記ガイド部材を、支持体に対して前記押し込み方向における最も奥側の位置に押圧して前記シャッターを閉位置に保持させ、像担持体ユニットを画像形成装置本体に押し込むとき、該画像形成装置本体側のストッパにより、前記付勢部材の作用に抗して前記ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させて、前記シャッターを開位置に移動させるように構成すると有利である(請求項10)。
【0016】
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、一端側が前記支持体に固定され、他端側が像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動可能に前記支持体に当接した少なくとも1つの線ばねと、該線ばねを摺動可能に保持し、かつ前記支持体に対して、像担持体ユニットの出し入れ方向とほぼ平行な方向に摺動可能に組み付けられたスライダとを有し、前記線ばねは、その一端側と他端側の間の中間部が前記シャッターに固定され、該シャッターに固定された線ばねの中間部は、当該線ばねの前記一端側と他端側よりも、前記シャッターが閉位置へ移動するときの方向に向けて突出しており、前記スライダが前記線ばねに対して相対的に前記出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動して該線ばねを変形させることにより、前記シャッターがその閉位置又は開位置に移動するように、該スライダと、線ばねと、シャッターとの相対位置を設定すると有利である(請求項11)。
【0017】
さらに、請求項11に記載の像担持体ユニットにおいて、前記像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して出し入れするとき、前記スライダは、前記画像形成装置本体内に位置する相手係止部との協働作用により、画像形成装置本体に対して停止するように構成され、該スライダを画像形成装置本体に対して停止させると共に、前記支持体と像担持体とシャッターと線ばねとを前記出し入れ方向に移動させて該線ばねを変形させることにより、前記シャッターをその閉位置又は開位置へ移動させるように構成すると有利である(請求項12)。
【0018】
また、上記請求項12に記載の像担持体ユニットにおいて、前記スライダを、磁力によって、前記相手係止部に対して拘束して該スライダを画像形成装置本体に対して停止させるように構成すると有利である(請求項13)。
【0019】
さらに、請求項11乃至13のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記支持体に対して係止された線ばねの一端側と、前記シャッターに固定された線ばねの中間部との間の線ばね部分に前記スライダが摺動可能に組み付けられていると有利である(請求項14)。
【0020】
また、上記請求項11乃至14のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記スライダが摺動可能に組み付けられた線ばね部分は、前記シャッターがその開位置へ移動する方向に向けて突出するように湾曲していると有利である(請求項15)。
【0021】
さらに、請求項11乃至15のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記線ばねを保持するスライダの線ばねガイド部が、該スライダの摺動方向に対してほぼ平行に延びていると有利である(請求項16)。
【0022】
また、上記請求項1乃至16のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体に対向するシャッター部分が、像担持体の画像形成領域面に当接しないように、該シャッター部分の位置を規制する規制手段を有していると有利である(請求項17)。
【0023】
さらに、請求項17に記載の像担持体ユニットにおいて、前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面よりも外方に突出した像担持体のフランジにより構成されていると有利である(請求項18)。
【0024】
また、上記請求項17に記載の像担持体ユニットにおいて、前記規制手段が、前記支持体に形成された規制突部により構成されていると有利である(請求項19)。
【0025】
さらに、請求項17に記載の像担持体ユニットにおいて、前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面外の部分に当接するシャッター自体に形成された規制突部により構成されていると有利である(請求項20)。
【0026】
また、上記請求項1乃至20のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、該画像形成領域面にほぼ沿った曲面状に形成されていると有利である(請求項21)。
【0027】
さらに、請求項1乃至20のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、像担持体の軸線に沿った曲折部にて曲折するように形成されていると有利である(請求項22)。
【0028】
また、上記請求項1乃至22のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの先端部と、前記支持体の開口の縁との間に隙間ができることを阻止すべく、該シャッターの先端部が嵌合する受け部を前記支持体に設けると有利である(請求項23)。
【0029】
さらに、請求項1乃至23のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの成形時に該シャッターの縁部に形成されたバリが像担持体表面から離れた側に位置するように該シャッターが配置されていると有利である(請求項24)。
【0030】
また、上記請求項1乃至24に記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体表面に対向するシャッターの先端部が丸みを持った形状に形成されていると有利である(請求項25)。
【0031】
さらに、請求項1乃至25に記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターは、少なくとも像担持体に対向する面が導電性を有していると有利である(請求項26)。
【0032】
また、上記請求項1乃至26のいずれかに記載の像担持体ユニットにおいて、前記シャッターと前記支持体が同材料により構成されていると有利である(請求項27)。
【0033】
さらに、本発明は、前記目的を達成するため、請求項1乃至27のいずれかに記載の像担持体ユニットと、前記像担持体にトナー像を形成するための少なくとも1つのプロセス機器とを具備するプロセスカートリッジを提案する(請求項28)。
【0034】
また、上記請求項28に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記像担持体ユニットが、他のプロセスカートリッジ部分に対して着脱可能であると有利である(請求項29)。
【0035】
さらに、本発明は、前記目的を達成するため、請求項1乃至27のいずれかに記載の像担持体ユニットを具備する画像形成装置を提案する(請求項30)。
【0036】
また、本発明は、前記目的を達成するため、請求項28又は29に記載のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置を提案する(請求項31)。
【0037】
さらに、上記請求項30又は31に記載の画像形成装置において、前記像担持体ユニットが画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたときも前記シャッターが閉位置を占めたままであるとき、これを検知する検知手段を設けると有利である(請求項32)。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、シャッターをその閉位置と開位置とにもたらすべく、該シャッターを作動させるために、画像形成装置本体内に従来のような大きな空間を確保する必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0040】
図1は複写機として構成された画像形成装置の一例を示す概略断面図である。ここに示した画像形成装置は、その最上部に位置する画像読取部1A、その下方に位置する画像形成部1B、さらにその下方に位置する給紙部1Cを有している。画像読取部1Aには、コンタクトガラス5と、その下方に配置された第1走行体12と、第2走行体13と、結像レンズ14と、CCD15とが設けられており、第1走行体12は、光源16と、第1ミラー24とを有し、第2走行体13は第2及び第3ミラー25,26を有している。コンタクトガラス5上に原稿Dを載置した状態で、第1及び第2走行体12,13が矢印E,F方向にそれぞれ移動し、このとき光源16からの光によって原稿Dが照明され、その反射光は第1、第2及び第3ミラー24,25,26にて反射し、結像レンズ14を通してCCD15に至る。このようにしてCCD15に原稿画像が結像され、該画像が画像信号として読み込まれる。読み込まれた画像信号はデジタル化されて画像処理される。
【0041】
一方、画像形成部1Bには、ドラム状の感光体として構成された4つの像担持体3が設けられ、その各像担持体3のまわりに配置されたプロセス機器によって、各像担持体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。ここでは、像担持体3がドラム状の感光体として構成されているが、無端ベルトより成る像担持体を用いることもできる。またこれらの像担持体を識別する必要のあるときは、これらに符号3Y,3M,3C,3BKを付し、必要に応じこれらを第1、第2、第3及び第4の像担持体と称し、これらを特に識別する必要がないときは、その像担持体に符号3を付して示すことにする。
【0042】
本例の画像形成装置においては、図2乃至図5に示すように、各像担持体3のまわりに配置されたプロセス機器が一体的に組み付けられてプロセスユニット6が構成され、しかも各像担持体3と後述する支持体27とによって一体的な像担持体ユニット28がそれぞれ構成され、そのプロセスユニット6と像担持体ユニット28とによってプロセスカートリッジ100が構成されている。これらの点については後に詳しく説明する。
【0043】
図1に示すように、第1乃至第4の像担持体3Y乃至3BKに対向して転写材の一例である中間転写体4が配置され、ここに示した中間転写体4は、複数の支持ローラ12A,12B,12Cに巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される無端ベルトにより構成されている。
【0044】
第1乃至第4の各像担持体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の像担持体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。図2は、この像担持体3Yと、そのまわりに配置されたプロセス機器の拡大図であり、該像担持体3Yは図1及び図2における時計方向に回転駆動される。このとき帯電ローラ7によって像担持体表面が所定の極性に均一に帯電される。帯電ローラ7は、プロセスユニット6のケース22に回転自在に支持され、加圧スプリング38によって像担持体3Yの表面に対して加圧されている。
【0045】
図1に示すように、像担持体3の下方には露光装置8が配置され、この露光装置8からは、前述のように画像処理された信号に基づいて光変調されたレーザビームLが出射し、そのレーザビームLが、図2に示すように帯電ローラ7によって帯電された像担持体3Yの帯電面に照射される。これによって像担持体3Y上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。ここに示した現像装置9は、プロセスユニット6のケース22の一部により構成された現像ケース17と、その現像ケース17に支持されて回転駆動される現像ローラ18及び撹拌スクリュー39を有し、現像ローラ18に担持されて搬送されながら規制ブレード40によって量を規制された乾式現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0046】
無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、像担持体3Yにほぼ対向した位置には、転写ローラにより構成された第1の転写装置10が配置され、その転写装置10の作用によって、像担持体3Y上のイエロートナー像が中間転写体4上に転写される。中間転写体4に転写されず、第1の像担持体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。クリーニング装置は、ケース22の一部と支持体27の一部とによって構成されたクリーニングケース19と、このクリーニングケース19に支持されたクリーニングブラシ20とクリーニングブレード21とを有し、これらのブラシ20とブレード21との協働作用により像担持体3Y上の転写残トナーが除去され、該像担持体3Yの表面が清掃される。
【0047】
全く同様にして、図1に示した第2乃至第4の像担持体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された中間転写体4上に順次重ねて転写される。このようにして4色のトナー像が重ねた状態で中間転写体4上に形成される。
【0048】
一方、図1に示した給紙部1Cには、例えば転写紙又は樹脂フィルムなどから成る最終転写材としての記録材Pを収容した給紙カセット29と給紙ローラ30とが設けられ、給紙カセット29に積載された最上位の記録材Pが、給紙ローラ30の回転によって矢印B方向に送り出され、一対のレジストローラ31に搬送される。また、中間転写体4を挟んで、支持ローラ12Cに対向して、転写ローラより成る第2の転写装置23が配置されており、レジストローラ31の回転によって所定タイミングで送り出された記録材Pは、第2の転写装置23と中間転写体4との間の転写領域を通過し、このとき第2の転写装置23の作用によって中間転写体4上に形成されたトナー像が記録材P上に転写される。このように転写されたトナー像を担持した記録材Pは、定着装置2を通過し、このときそのトナー像が熱と圧力の作用によって記録材P上に定着され、記録材P上にフルカラー画像が形成される。定着装置2を通過した記録材は、矢印C方向で示すように排紙部6Aに排出される。また、トナー像転写後の中間転写体上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置41によって除去される。
【0049】
図1及び図2に示した例では、各像担持体3上に形成した各トナー像を、中間転写体4より成る転写材に転写し、次いでその中間転写体4上のトナー像を最終転写材である記録材P上に転写するように構成されているが、中間転写体4を省き、各像担持体3上のトナー像を、直接、記録材より成る転写材上に重ねて転写し、その重ねトナー像を定着装置によって定着してフルカラー画像を得るように構成することもできる。
【0050】
図2に示したように像担持体3Yのまわりには帯電ローラ7、現像装置9及びクリーニング装置11の各プロセス機器がそれぞれ配置されているが、前述のように、これらのプロセス機器によって一体的なプロセスユニット6が構成されている。これは、他の像担持体3M,3C,3BKのまわりに設けられたプロセス機器についても同様であり、図示した例では4つのプロセスユニット6が設けられている。また、図示した例では、複数のプロセス機器によってプロセスユニット6が構成されているが、そのプロセス機器の数は適宜選択でき、要は、像担持体にトナー像を形成する少なくとも1つのプロセス機器によってプロセスユニットを構成すればよい。
【0051】
一方、各像担持体3は、図5及び図6にも示すように、支持体27に回転自在に支持され、これらによって像担持体ユニット28が構成されている。ここに示した像担持体ユニット28の支持体27は、支持体本体32と、その支持体本体32に着脱可能に固定されたカバー33とを有し、このカバー33と、該カバー33に対向した支持体本体部分34とによって、後述するシャッター35が収納される収納スペースS(図2)が区画されている。また、支持体本体32の一対の軸受部36にドラム状の像担持体3の長手方向各端部の軸部がそれぞれ回転自在に支持されている。かかる支持体27には開口37が形成され、図2に示したようにこの開口37を通して像担持体3が突出して中間転写体4に当接する。
【0052】
図5には、プロセスユニット6に関して、そのケース22のみを鎖線で簡略化して示してあるが、このプロセスユニット6と、像担持体ユニット28は互いに着脱自在に組み付けられている。例えば、像担持体ユニット28をその像担持体3の軸線方向Gにスライドさせることによって、該像担持体ユニット28をプロセスユニット6から分離することができる。かかるプロセスユニット6と、像担持体ユニット28によってプロセスカートリッジ100が構成されている。
【0053】
図4は、画像形成装置の外観斜視図であり、この図における符号Tは画像形成装置本体1の奥側を示し、符号Uは画像形成装置本体1の手前側を示している。この図に示すように、各像担持体ユニット28と各プロセスユニット6は、図示していないガイドレールによって案内されながら画像形成装置本体1に対して、矢印Xで示した手前方向に引き出し可能に支持されており、この例では、像担持体ユニット28とプロセスユニット6は像担持体3の軸線方向に引き出される。その際、プロセスユニット6と像担持体ユニット28を組み付けたままのプロセスカートリッジ100を手前方向Xに引き出し、又はこれを矢印Yで示した奥方向に押し込んで、画像形成装置本体内の所定の位置にセットすることができる。或いはプロセスユニット6を画像形成装置本体1内に残したまま、像担持体ユニット28だけを手前方向Xに引き出し、或いはこれを奥方向Yに押し込んでセットすることもできる。さらに、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1に残し、プロセスユニット6だけを画像形成装置本体1に対して出し入れすることもできる。このように、像担持体ユニット28とプロセスユニット6をそれぞれ別個に画像形成装置本体1に対して着脱できるので、これらに対する補修や点検、或いはその交換作業などを容易に行うことができる。
【0054】
なお、画像形成装置本体1内にセットされた像担持体ユニット28とプロセスユニット6を画像形成装置本体外に引き出すときは、その引き出しだし動作に先立って、像担持体ユニット28とプロセスユニット6がわずかに下方に下げられて像担持体3と中間転写体4とが離されると共に、プロセスユニット6が像担持体ユニット28に対してわずかに下に下げられる。このため、像担持体ユニット28又はプロセスユニット6或いはこれらの組み付いたプロセスカートリッジ100を手前方向Xに引き出すとき、像担持体3と中間転写体4とが摺擦したり、プロセスユニット6の現像ローラ18、帯電ローラ7、クリーニングブレード21などが像担持体3に摺擦したり、また後述するように作動するシャッター35が中間転写体4に当接することはなく、これらに傷が付けられることを阻止できる。プロセスユニット6と像担持体ユニット28を画像形成装置本体内に挿入してセットするときは、これらが上下方向に互いに離間した状態で挿入され、次いでプロセスユニット6と像担持体ユニット28と中間転写ユニット32とが上下方向に接近し、図2に示したように像担持体3が中間転写体4に当接する。
【0055】
また、以下の説明では、像担持体ユニット28が画像形成装置本体1内にセットされたとき、画像形成装置本体1の奥側Tの部分となる像担持体ユニット28の各部の側を奥側と称し、画像形成装置本体1の手前側Uとなる像担持体ユニット28の各部の側を手前側と称することにする。
【0056】
上述のように、本例の画像形成装置においては、像担持体ユニット28が、像担持体3にトナー像を形成する少なくとも1つのプロセス機器を有するプロセスユニット6に対して着脱自在に組み付けられ、この像担持体ユニット28とプロセスユニット6とによってプロセスカートリッジ100が構成されているが、これらを適宜改変して構成することもできる。例えば、支持体27と、ケース22とを一体に形成し、図2に示した像担持体ユニット27とプロセスユニット6とを分離できない一体のプロセスカートリッジ100として構成することもできる。このように像担持体ユニットとプロセスカートリッジは各種の形態で構成することができるが、いずれの場合も、像担持体ユニットは、トナー像が形成される像担持体と、その像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能に構成される。この例では、像担持体ユニット28は、像担持体3の軸線方向に対してほぼ平行な方向に出し入れされる。また、プロセスカートリッジは、上記像担持体ユニットと、像担持体にトナー像を形成するための少なくとも1つのプロセス機器とを具備し、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着されるものである。その際、本例のプロセスカートリッジの如く、像担持体ユニットが、他のプロセスカートリッジ部分(図の例ではプロセスユニット6)に対して着脱可能であるように、プロセスカートリッジが構成されていると有利である。画像形成装置が、かかる像担持体ユニットないしはプロセスカートリッジを有しているのである。
【0057】
ここで、図2及び図5は像担持体ユニット28とプロセスユニット6を画像形成装置本体内の所定の位置にセットしたときの様子を示し、図3は像担持体ユニット28とプロセスユニット6を画像形成装置本体外に出したときの様子を示しているが、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に引き出したとき、支持体27に形成された開口37が開放されたままであると、像担持体3がその開口37から入射した光に直に曝されるおそれがある。また、開口37を通して、作業者が像担持体3に手を触れたりすると、その像担持体が劣化する。そこで、本例の画像形成装置においては、その像担持体ユニット28に前述のシャッター35が設けられている。このシャッター35は、例えばポリカーボネートなどの樹脂又は金属より成る薄い板材により構成されている。
【0058】
図2及び図5から判るように、像担持体ユニット28が画像形成装置本体1内の所定の位置に装填されているとき、シャッター35は前述の収納スペースSに収容された開位置を占める。このとき像担持体3の上部は開放される。これにより、支障なく像担持体3上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写体4に転写することができる。これに対し、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に出したとき、図3及び図7に示すように、シャッター35は、収納スペースSから矢印H方向に引き出されて、像担持体3の上部を覆う閉位置を占める。これにより、支持体27の開口37を塞ぎ、ここから像担持体3に外部光が直に当たることを防止し、また作業者の手が像担持体に触れることを防止することができ、画像形成装置本体外に引き出した像担持体ユニット28の像担持体3を効果的に保護することができる。像担持体ユニット28に対する補修や点検などの作業を行った後、像担持体ユニット28を再び画像形成装置本体内の所定の位置にセットすると、シャッター35は矢印I方向に移動して収納スペースSに収められ、像担持体3の上部が開放される。
【0059】
シャッター35が上述のように閉位置と開位置との間を作動するとき、該シャッター35は、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ直交する方向H,Iに作動する。シャッター35が回動するのではなく、ほぼ並進運動して、開位置と閉位置に移動するのである。このように、シャッター35は、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1外に出したとき像担持体3を覆う閉位置を占め、該像担持体ユニット28を画像形成装置本体1内の所定の位置にセットしたとき像担持体3を開放する開位置を占めるように、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ直交する方向H,Iに移動可能に、支持体27に組み付けられている。
【0060】
また、図6に示すように、支持体27には、段状に形成された案内部42が設けられ、これらの案内部42によって、シャッター35が、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ直交する方向H,Iに移動するように案内される。図示した例では、シャッター35が作動する方向H,Iは、ドラム状の像担持体3の軸線方向Gに対してほぼ直交する方向でもあり、これによりシャッター35が像担持体3の上部を覆い、又は開放するのに必要なシャッター35の作動ストロークを小さくすることができる。
【0061】
さらに、後に具体的な構成例を示すように、シャッター35は、画像形成装置本体1に対する像担持体ユニット28の着脱動作に連動して、その閉位置と開位置とにそれぞれ移動するように構成されている。
【0062】
上述のように、シャッター35は、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ直交する方向H,Iに、ほぼ並進運動して閉位置又は開位置にもたらされるように構成されているので、従来のようにシャッターを回動させる場合に比べ、シャッター35の作動スペースを小さくすることができる。しかも、像担持体ユニットに近接して他の要素が位置していても、シャッター35がその要素に干渉することなく、開位置と閉位置との間を作動することができる。本例の画像形成装置においては、像担持体ユニット28のすぐ上に中間転写体4が位置しているが、シャッター35は、この中間転写体4に干渉することなく作動することができる。
【0063】
図示した例では、シャッター35が閉位置を占めたとき、該シャッター35は像担持体3の周面上部を覆い、当該シャッター35が開位置を占めたとき、該シャッター35は像担持体3の周面上部を開放するように構成されているが、閉位置を占めたシャッター35が、像担持体3の他の部分、例えば像担持体の周面側部又は周面下部、或いはその周面上部、周面側部、周面下部のうちの複数の部分、さらには像担持体の周面の全体を覆うように構成することも可能である。閉位置を閉めたシャッターが、像担持体の周面の少なくとも一部を覆うように構成することができるのである。
【0064】
以上説明したところは、後述する画像形成装置のより具体的な各構成例に共通する構成である。
【0065】
次に、像担持体ユニット28の着脱動作に連動してシャッター35を閉位置又は開位置に移動させる連動手段の各具体的構成例を説明する。
【0066】
先ず、図5乃至図7に示した具体例においては、図6に明示するように、シャッター35と、支持体27の板状の部分34との間に薄い板材より成るガイド部材43が配置され、このガイド部材43に形成された案内突起44と、後述する係止部48の根元部が、カバー33に形成された各案内孔45にそれぞれ摺動自在に嵌合している。これらの案内孔45は、画像形成装置本体に対する像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yとほぼ平行な方向に延びている。これにより、ガイド部材43は像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ平行な方向に移動可能に支持体27に組み付けられる。ガイド部材43の方に案内孔を形成し、この案内孔に嵌合する案内突起を支持体27の側に形成してもよい。
【0067】
ガイド部材43には、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対して傾斜した方向に延びる2つのガイド穴46が形成され、その各ガイド穴46に、シャッター35に突設されたガイド突部47がそれぞれ摺動自在に嵌合している。各ガイド穴46と、出し入れ方向X,Yとの成す角度αは、0<α<90°である。また、支持体27の部分34には、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ直交する方向に延びる2つのガイド溝75が形成され、その各ガイド溝75に、ガイド穴46を貫通したガイド突部47がそれぞれ摺動自在に嵌合している。
【0068】
図5は像担持体ユニット28が画像形成装置本体内の所定の位置にセットされているときの当該像担持体ユニット28を示しているが、図8はこのときのガイド部材43とシャッター35と像担持体3の位置関係を示す説明図である。同じく図9は像担持体ユニット28を画像形成装置本体内から手前側Uに引き出したときの同要素の配置関係を示している。図5及び図8に示した状態では、案内突起44と係止部48は、各案内孔45の手前側の端部に位置し、各ガイド突部47は各ガイド穴46の奥側の端部に位置している。
【0069】
また、ガイド部材43の手前側の部分には、上述の係止部48が設けられ、この例では、この係止部48に係止溝49(図6)が形成されている。ユーザ又はサービースマンなどの作業者が図5及び図8に示した状態から、像担持体ユニット28を手前方向Xに引き出し始めると、ガイド部材43を含めた像担持体ユニット28の全体がこの方向Xに動き始める。像担持体ユニット28が或る距離を移動すると、ガイド部材43に設けられた係止部48の係止溝49が、画像形成装置本体内に設けられた相手係止部50に係合する。この相手係止部50は、図8に矢印で示した方向に弾性変形可能なアーム状に形成され、係止部48がこの相手係止部50の先端ピン51に当たると、該相手係止部50が弾性変形し、次いでこれが弾性復帰して、その先端ピン51が係止溝49に係合する。これにより、ガイド部材43が画像形成装置本体1に対して止められる。一方、像担持体ユニット28の他の部分は引き続き手前方向Xに引かれるので、停止したガイド部材43は、支持体27とシャッター35に対して相対的に奥方向Yへ移動する。このため、シャッター35に突設されたガイド突部47がガイド穴46に案内されながら、そのガイド穴46中を摺動し、遂にはそのガイド突部47が図7及び図9に示すようにガイド穴46の手前側の部分に至り、案内突起44が案内孔45の奥側の端部に当接する。これにより、ガイド部材43は、支持体27によって手前方向Xに引かれるので、ガイド溝49が相手係止部50の先端ピン51から外れ、ガイド部材43は再び支持体27と共に手前方向Xに移動し、像担持体ユニット28の全体が画像形成装置本体外に引き出される。図7と図9はこのときの像担持体ユニット28の状態を示している。相手係合部50は、画像形成装置本体1に直に設けてもよいし、中間転写体4を支持するフレーム(図示せず)等に設けることもできる。
【0070】
上述のように、ガイド部材43が相対的に支持体27に対して奥方向へ移動して、ガイド突部47が傾斜状態に延びるガイド穴46中を摺動するので、シャッター35は、矢印Hで示すように像担持体3の上方の位置へ向けて移動し、その上部を覆う閉位置に至って停止する。像担持体ユニット28を奥方向Yに押し込むと、上述したところと逆の動作が行われ、シャッター35は矢印I方向に移動して、図5及び図8に示した開位置に至り、像担持体3の上方が開放される。このように、ガイド部材43が、支持体27に対して相対的に像担持体28の出し入れ方向X,Yとほぼ平行な方向に移動することにより、シャッター35がその閉位置又は開位置に移動するように、ガイド部材43に形成されたガイド穴46にシャッター35に突設されたガイド突部47が摺動可能に嵌合している。これによって、像担持体ユニット28の着脱動作に連動して、シャッター35を自動的に開位置と閉位置との間にて作動させることができる。
【0071】
しかも、本例の画像形成装置においては、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1に対して出し入れするとき、画像形成装置本体内に位置する相手係止部50と協働して、ガイド部材43を画像形成装置本体1に対して停止させる係止部48がガイド部材43に設けられ、その係止部48と相手係止部50との協働作用により、ガイド部材43を画像形成装置本体1に対して停止させると共に、支持体27と像担持体3とシャッター35とを出し入れ方向X,Yに移動させることによって、シャッター35をその閉位置又は開位置に移動させるように構成されているので、シャッター35をより確実に閉位置と開位置との間にて作動させることができる。
【0072】
図示した例ではガイド穴46を2つ設けたが、その数は1つであってもよい。但し、ガイド部材43に複数のガイド穴46を形成し、その各ガイド穴46にガイド突部47をそれぞれ摺動可能に嵌合すると、シャッター35をより安定した状態で作動させることができる。
【0073】
また、図8及び図9に示すように、シャッター35が開位置と閉位置をそれぞれ占めたときにガイド突部47が嵌合するガイド穴部分とその近傍のガイド穴部分(これらの部分を図8、図9に符号46Aを付して示す)が、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ平行に延びている。これにより、シャッター35が作動し始めるときに該シャッター35に与えられる摩擦力を低減でき、シャッター35を滑らかに動かし始めることができる。
【0074】
また、上述した例では、係止溝49を有する係止部48と、その係止溝49に係合する先端ピン51を有する相手係止部50とを用いたが、このように係止部48と相手係止部50とを機械的に係合させる代わりに、係止部48と相手係止部50の一方を磁石により構成し、他方を磁性体により構成するか、又はその両者を磁石によって構成し、係止部48を、磁力によって、相手係止部50に対して拘束してガイド部材43を画像形成装置本体1に対して停止させ、前述したところと全く同様にしてシャッター35を開位置と閉位置とに作動させることもできる。
【0075】
また、上述の如き係止部48と相手係止部50を設ける代わりに、図10及び図11に示すように、付勢部材の一例である圧縮ばね52を設け、その一端をガイド部材43に圧接させ、その他端を支持体27に突設したばね受け53に圧接させ、そのばね52によって画像形成装置本体に対する像担持体ユニット28の押し込み方向Yとほぼ平行な方向にガイド部材43を付勢するように構成することもできる。図11に示すように、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に引き出したとき、圧縮ばね52によって、ガイド部材43を支持体に対して押し込み方向Yの最も奥側の位置に押圧する。これにより、図9に示した場合と全く同様に、シャッター35は像担持体3の上部を覆う閉位置に保持される。
【0076】
また、画像形成装置本体内には、ストッパ54が設けられており、像担持体ユニット28を奥方向Yに移動させると、図10に示すようにガイド部材43がストッパ54に当たって該ガイド部材43が画像形成装置本体1に対して止められる。像担持体ユニット28をさらに奥方向Yに押し込むと、停止したガイド部材43は、シャッター35に対して相対的に手前方向Xに移動するので、シャッター35が開位置へ向けて移動する。図10に示されているように、像担持体ユニット28が画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたとき、図8に示した場合と同様に、シャッター35が開位置を占め、像担持体3の上方が開放される。図10及び図11に示した像担持体ユニット28の他の構成は、先に説明した像担持体ユニットと変わりはない。
【0077】
上述したように、画像形成装置本体1に対する像担持体ユニット28の押し込み方向とほぼ平行な方向にガイド部材43を付勢する付勢部材を設け、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1外に出したとき、付勢部材の作用により、ガイド部材43を、支持体27に対して押し込み方向Yにおける最も奥側の位置に押圧してシャッター35を閉位置に保持させ、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1に押し込むとき、その画像形成装置本体1側のストッパ54により、付勢部材の作用に抗してガイド部材43を画像形成装置本体1に対して停止させて、シャッター35を開位置に移動させるのである。この構成によっても、像担持体ユニット28の着脱に連動して、シャッター35を確実に閉位置と開位置に作動させることができる。ストッパ54も、画像形成装置本体に直に設けてもよいし、中間転写体4を支持するフレームなどに設けてもよい。
【0078】
なお、ポリカーボネートによって厚さ0.4mmのシャッター35とガイド部材43を製作し、これらを上下方向の幅が1.5mmの収納スペースSに収納できるように構成した像担持体ユニット28によって、そのシャッター35を閉位置と開位置に支障なく作動させることのできることが実験によって確認されている。
【0079】
図12及び図13に示した具体例においては、線ばね55が設けられ、その一端側56が、支持体27に形成された係止孔57に係合することにより、該一端側56が支持体27に固定されている。また、支持体27には、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yにほぼ平行に延びるガイド面59が形成され、線ばね55の他端側58は、このガイド面59に摺動自在に当接している。このように、線ばね55の他端側58は、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ平行な方向に摺動可能に支持体27に当接している。また、線ばね55は、その一端側56と他端側58の間の中間部60がシャッター35に、係止、溶接又は接着剤などによって固定されている。このようにシャッター35に固定された線ばね55の中間部60は、その線ばね55の一端側56と他端側58よりも、シャッター35が閉位置へ移動するときの方向、すなわち矢印H方向に向けて突出している。
【0080】
さらに、支持体27には、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yに対してほぼ平行に延びる孔66の縁部61には、スライダ62がそれぞれ摺動可能に嵌合している。このスライダ62は、図14に拡大して示すように、コの字形部63と、これに一体に形成されたカール部64とを有し、コの字形部63が縁部61に摺動可能に嵌合し、カール部64に線ばね55がその軸線方向に摺動可能に嵌合して保持されている。このように、スライダ62は、線ばね55を摺動可能に保持し、かつ該支持体27に対して、像担持体ユニット28の出し入れ方向X,Yとほぼ平行な方向に摺動可能に組み付けられている。
【0081】
図15及び図16は、像担持体ユニット28が画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたときと、その像担持体ユニット28が画像形成装置本体外に引き出されたときとにおける線ばね55、スライダ62、シャッター35及び像担持体3との相対位置関係を示している。これらの図には、線ばね55の前述の突出高さをH1で示してある。
【0082】
また、この例の場合も、画像形成装置本体内に相手係止部50が配置され、この相手係止部50とスライダ62とが互いに係合できるように構成されている。この相手係止部50として、図8及び図9に示した相手係止部と同じく、先端ピン51を有するアームを用い、その先端ピン51と、スライダ62に形成した係止溝(図示せず)とを係合させるように構成することもできるが、図15及び図16に示した例では、スライダ62と相手係止部50の一方が磁石により構成され、他方が磁性体により構成されるか、又はその両者が磁石により構成されている。
【0083】
図15に示すように像担持体ユニット28が画像形成装置本体内にセットされているとき、スライダ62は線ばね55の中間部60の近傍の線ばね部分に係合している。このため、線ばね55は、スライダ62によって外力を加えられて弾性変形し、その突出高さH1は低くなり、この線ばね55に固定されたシャッター35は、像担持体3の上方の位置から退避した開位置を占めている。ここで、像担持体ユニット28を手前方向Xに引き始めると、スライダ62を含めた像担持体ユニット28の全体が手前側Uへ移動する。次いで、スライダ62が相手係止部50に対向する位置まで移動すると、そのスライダ62と相手係止部50とが磁力によって互いに連結し、スライダ62の動きが止められる。引き続き、スライダ62を除く像担持体ユニット28は手前方向Xに移動するので、該スライダ62は、線ばね55の一端側56へ向けて相対的に移動する。スライダ62が線ばね55に対して相対的に奥方向Yへ摺動するのである。このため、図16に示すように、線ばね55が弾性復帰しながら変形し、その突出高さH1が漸次高くなり、シャッター35が像担持体3の上方の位置へ向けて矢印H方向に移動する。次いで、スライダ62が支持体27に対して固定された線ばね55の一端側56の部位に当接すると、そのスライダ62には線ばね55を介して手前方向Xの外力が加えられるので、スライダ62は磁力の作用に抗して相手係合部50から離れ、像担持体ユニット28の全体が画像形成装置本体外に引き出される。図12及び図16はこのときの状態を示している。このとき、シャッター35は像担持体3の上方を覆う閉位置を占めている。
【0084】
像担持体ユニット28を図16に示した状態から画像形成装置本体内に押し込んで、これを奥方向Yへ移動させると、上述したところと逆の動作が行われる。すなわち、スライダ62が磁力によって相手係止部50に連結されて止められる。引き続きそのスライダ62を除く像担持体ユニット28をさらに奥方向Yに押すと、スライダ62が線ばね55に対して相対的に手前方向Xに摺動し、これによって線ばね55は、その突出高さH1が低くなるように弾性変形し、シャッター35が開位置へ向けて矢印I方向に移動し始める。スライダ62が線ばね55の中間部60の近傍の部分に至ると、該スライダ62が図12に示した孔66の手前側端部67に当たるので、該スライダ62が相手係止部50から離れ、そのスライダ62を含めた像担持体ユニット28の全体が図15に示した画像形成装置本体内の所定の位置にセットされる。このとき、シャッター35は開位置を閉め、像担持体3の上方が開放される。
【0085】
上述のように、スライダ62が、線ばね55に対して相対的に出し入れ方向X,Yに対してほぼ平行な方向に摺動して該線ばね55を変形させることにより、シャッター35がその閉位置又は開位置に移動するように、該スライダ62と、線ばね55と、シャッター35との相対位置が設定されている。
【0086】
また図示した例では、像担持体ユニット28を画像形成装置本体1に対して出し入れするとき、スライダ62は、画像形成装置本体内に位置する相手係止部50との協働作用により、画像形成装置本体1に対して停止するように構成され、該スライダ62を画像形成装置本体1に対して停止させると共に、支持体27と像担持体3とシャッター35と線ばね55とを上記出し入れ方向X,Yに移動させて線ばね55を変形させることにより、シャッター35をその閉位置又は開位置へ移動させるように構成され、しかもスライダ62を、磁力によって、前記相手係止部50に対して拘束して該スライダ62を画像形成装置本体1に対して停止させるように構成されているので、簡単な構成により、シャッター35を閉位置と開位置とにもたらすことができる。
【0087】
また、図示した例では、像担持体ユニット28の支持体27に対して係止された線ばね55の一端側56と、シャッター35に固定された線ばね55の中間部60との間の線ばね部分にスライダ62が摺動可能に組み付けられているので、スライダ62が線ばね55に対して相対的に摺動するとき、シャッター35が図15に矢印Jで示した方向に振らつく不具合を防止でき、シャッター35を安定した状態で開位置と閉位置の間で移動させることができる。
【0088】
また、図16に示すようにスライダ62が摺動可能に組み付けられた線ばね部分は、シャッター35がその開位置へ移動する方向Iに向けて突出するように湾曲しているので、スライダ62が線ばね55の中間部60に向けて相対移動するとき、線ばね55が必ず決まった方向に変形し、これによってもシャッター35が矢印J方向に振らつく不具合を防止することができる。
【0089】
さらに、線ばね55を保持するスライダ62の線ばねガイド部、すなわち図14に示したカール部64が、該スライダ62の摺動方向に対してほぼ平行に延びているので、スライダ62が線ばね55の中間部60に向けて相対移動するとき、中間部60を中心とした線ばね55の両側の部分を対称に変形させることができ、これによってもシャッター35が矢印J方向に振らつくことを防止できる。
【0090】
図12乃至図16に示した実施形態例においては、線ばね55とこれに係合したスライダ62が1つずつ設けられているが、その数は複数であってもよい。線ばねは、少なくとも1つ設けられるものである。図17及び図18は、線ばね55のほかに他の線ばね55Aが設けられ、その線ばね55Aに他のスライダ62Aが相対摺動可能に組み付いた例を示している。ここに示した例では、2つのスライダ62,62Aが連結部材65によって互いに一体に連結されている。線ばね55Aとスライダ62Aの挙動は、前述の線ばね55とスライダ62の挙動と実質的に変わりはない。このように複数の線ばねによってシャッター35の動きを規制すると、シャッター35をより一層安定した状態で作動させることができる。図18には、線ばね55Aと、これに関連する部分における線ばね55に対応する部分には、線ばね55とこれに関連する各部に付した符号にAを添えた符号を付してある。
【0091】
ところで、以上説明した各実施形態例の像担持体ユニットにおいて、シャッター35が閉位置を占めたとき、そのシャッター35が像担持体表面に接触すると、その表面に傷が付けられるおそれがある。かかる不具合を防止するために、シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体に対向するシャッター部分が、像担持体の画像形成領域面に当接しないように、該シャッター部分の位置を規制する規制手段を設けることが好ましい。
【0092】
その各具体例を図19乃至図21に示す。これらの図において、符号Kは像担持体3上にトナー像が形成される画像形成領域面を示している。
【0093】
図19に示した例では、ドラム状の像担持体3が、その長手方向各端部に位置するフランジ68を有し、そのフランジ68は画像形成領域面Kよりも像担持体半径方向外方に突出している。シャッター35が閉位置を占めたとき、そのシャッター35を両フランジ68の上に載せ、これによってシャッター35が画像形成領域面Kに接触することを防止する。このように、この例では、上述の規制手段が、像担持体3の画像形成領域面Kよりも外方に突出した像担持体3のフランジ68により構成されているのである。
【0094】
また、図20に示した例では、支持体27の開口37の近傍の部分が上方に突出した規制突部69として形成され、閉位置を占めたシャッター35がこれらの規制突部69上に載り、これによってシャッター35が像担持体3の画像形成領域面Kに接触することが阻止される。このように、この例では、規制手段が、支持体27に形成された規制突部69により構成されている。
【0095】
さらに、図21に示したように、シャッター35自体に規制突部70を突設し、シャッター35が閉位置を占めたとき、その両規制突部70が、像担持体3の画像形成領域面K以外の部分、図の例ではそのフランジ68に当接するように構成されている。このように、この例では、規制手段が、像担持体3の画像形成領域面外の部分に当接するシャッター自体に形成された規制突部70により構成されている。
【0096】
また、図3に示したように、シャッター35がその閉位置を占めたときに像担持体3の画像形成領域面K(図19乃至図21参照)に対向するシャッター部分が、該画像形成領域面にほぼ沿った曲面状に形成されていると、そのシャッター35によって像担持体3をより確実に保護することができる。
【0097】
さらに、図22に示すように、シャッター35がその閉位置を占めたときに像担持体3の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、像担持体3の軸線に沿った曲折部71にて曲折すると、図3に示した如くシャッター35が湾曲している場合と同様に、シャッター35によって像担持体3を確実に保護することができる。図23は、図22に示したシャッター35が開位置を占め、収納スペースSに収められたときの様子を示している。このように、この例のシャッター35も上下の幅が狭い収納スペースSに収めることができる。
【0098】
シャッター35を曲面状に形成する構成と、曲折可能に形成する構成は、前述のいずれの実施形態例の像担持体ユニットにも適用できるが、これらの構成を、図19乃至図21に示した如き規制手段を設けた構成と共に採用することが特に好ましい。
【0099】
また、以上説明した各像担持体ユニットの構成において、図22に示したように、シャッター35がその閉位置を占めたとき、該シャッター35の先端部72と、支持体27の開口37の縁との間に隙間ができることを阻止すべく、該シャッター35の先端部72が嵌合する受け部73を前記支持体27に設けると、像担持体3への光の侵入をより一層確実に防止でき、像担持体3の劣化を効果的に抑制することができる。
【0100】
ところで、シャッター35は射出成形或いはプレス成形などの成形法によって形成することができるが、その成形時に、図24に誇張して示すようにバリ74が形成される。かかるバリ74が像担持体3の表面に接触したとすると、その表面に傷が付けられる。
【0101】
そこで、図24に示すように、シャッター35がその閉位置を占めたとき、該シャッター35の成形時に当該シャッター35の縁部に形成されたバリ74が像担持体3の表面から離れた側に位置するように該シャッター35を配置すると、そのバリ74が像担持体表面に接触することを阻止できる。
【0102】
また、同じく図24に示すように、シャッター35がその閉位置を占めたときに像担持体3の表面に対向するシャッター35の先端部72が丸みを持った形状に形成されていると、像担持体3の表面に傷が付くおそれを一層確実になくすことができる。その際、シャッター35の先端部72を仕上げ加工することにより、ここに丸みを持たせることが好ましい。その仕上げ加工時にバリ74を除去することもできる。
【0103】
また、シャッター35の少なくとも像担持体3に対向する面が導電性を有していると、その導電性部分をアースすることにより、シャッター35が帯電して像担持体がその影響を受けて劣化することを防止できる。例えば、シャッター35の成形品を得た後、その像担持体3と対向する側の面に導電性塗料を塗布してシャッター35を構成し、或いはシャッター35の全体を導電性材料により構成する。
【0104】
さらに、シャッター35と支持体27を同材料により構成すると、像担持体ユニット28をリサイクル処理する際、シャッター35と支持体27を分解することなく、これらを溶融するなどして、再生処理することができ、リサイクルに要する工数を減少させることができる。
【0105】
また、以上説明した像担持体ユニット28を有する画像形成装置において、像担持体ユニット28が画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたときもシャッター35が閉位置を占めたままであるとき、これを検知する例えばホトセンサより成る検知手段(図示せず)を設け、シャッター35が開いていないことが検知されたとき、その事実を画像形成装置本体の表示部に表示するように構成すれば、トラブルを未然に防止することができる。
【0106】
以上説明した実施形態例においては、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に出したとき、1つのシャッター35が像担持体3の上方を覆うように構成されているが、複数のシャッターによって像担持体を覆うように構成することもできる。例えば、図25に示すように、像担持体ユニット28を画像形成装置本体外に出したとき、2つのシャッター35,35が像担持体3の上方を覆い、像担持体ユニット28を画像形成装置本体内にセットしたとき、その両シャッター35,35をそれぞれ矢印I方向に退避させて、像担持体3の上方を開放するように構成することができる。これらのシャッター35,35を作動させるために、前述した各構成を採用することができる。
【0107】
本発明は、複写機に限らず、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの複合機などの画像形成装置及びその画像形成装置に装着される像担持体ユニットないしはプロセスカートリッジにも適用できるものである。また、複数の像担持体ユニットではなく1つの像担持体ユニットだけが画像形成装置本体に装着される画像形成装置にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】像担持体ユニットとプロセスユニットを有するプロセスカートリッジの拡大断面図である。
【図3】シャッターが閉位置を占めたときの像担持体ユニットとプロセスユニットの状態を示す断面図である。
【図4】画像形成装置本体から像担持体ユニットとプロセスユニットを引き出し、又は押し込んだときの様子を示す斜視図である。
【図5】シャッターが開位置を占めた状態での像担持体ユニットの斜視図である。
【図6】像担持体ユニットの分解斜視図である。
【図7】シャッターが閉位置を占めた状態での像担持体ユニットの斜視図である。
【図8】シャッターが開位置を占めた状態でのガイド部材とシャッターと像担持体との相対位置関係を説明する図である。
【図9】シャッターが閉位置を占めた状態での図8と同様な説明図である。
【図10】他の像担持体ユニットの例を示す、図8と同様の説明図である。
【図11】図10に示した像担持体ユニットに関する図9と同様な説明図である。
【図12】像担持体ユニットの他の例を示す斜視図であって、支持体からカバーを外した状態を示す図である。
【図13】図12に示した像担持体ユニットの分解斜視図である。
【図14】スライダの拡大斜視図である。
【図15】図12に示した像担持体ユニットに関する図8と同様な説明図である。
【図16】図12に示した像担持体ユニットに関する図9と同様な説明図である。
【図17】線ばねを2本設けた像担持体ユニットの斜視図である。
【図18】図17に示した像担持体ユニットの分解斜視図である。
【図19】閉位置を占めたシャッターが像担持体のフランジに載っている状態を示す図である。
【図20】閉位置を占めたシャッターが、支持体の規制突部に載っている状態を示す図である。
【図21】閉位置を占めたシャッターの規制突部が像担持体のフランジに載っている様子を示す図である。
【図22】閉位置を占めたシャッターが、その曲折部にて曲折している様子を示す概略図である。
【図23】図22に示したシャッターが開位置を占めたときの概略図である。
【図24】シャッターのバリを説明する図である。
【図25】2つのシャッターによって像担持体の上部を覆ったときの様子を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0109】
1 画像形成装置本体
3 像担持体
3Y,3M,3C,3BK 像担持体
6 プロセスカートリッジ
27 支持体
28 像担持体ユニット
35 シャッター
37 開口
42 案内部
43 ガイド部材
46 ガイド穴
47 ガイド突部
48 係止部
50 相手係止部
54 ストッパ
55,55A 線ばね
56,56A 一端側
58,58A 他端側
60,60A 中間部
62,62A スライダ
68 フランジ
69 規制突部
70 規制突部
71 曲折部
72 先端部
73 受け部
74 バリ
100 プロセスカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される像担持体と、該像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能な像担持体ユニットにおいて、該像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき前記像担持体を覆う閉位置を占め、該像担持体ユニットを画像形成装置本体内の所定の位置にセットしたとき像担持体を開放する開位置を占めるように、像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動可能に、前記支持体に組み付けられたシャッターを具備することを特徴とする像担持体ユニット。
【請求項2】
前記シャッターが像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動するように該シャッターを案内する案内部が前記支持体に設けられている請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項3】
前記シャッターは、画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの着脱動作に連動して前記閉位置と開位置とにそれぞれ移動する請求項1又は2に記載の像担持体ユニット。
【請求項4】
前記像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に移動可能に前記支持体に組み付けられたガイド部材を有し、該ガイド部材が、前記支持体に対して相対的に前記出し入れ方向とほぼ平行な方向に移動することにより、前記シャッターがその閉位置又は開位置に移動するように、前記ガイド部材に形成されたガイド穴に前記シャッターに突設されたガイド突部が摺動可能に嵌合している請求項1乃至3のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項5】
前記ガイド穴は、像担持体ユニットの出し入れ方向に対して傾斜した方向に延びている請求項4に記載の像担持体ユニット。
【請求項6】
前記ガイド部材に複数のガイド穴が形成され、その各ガイド穴に前記ガイド突部がそれぞれ摺動可能に嵌合している請求項4又は5に記載の像担持体ユニット。
【請求項7】
前記シャッターが開位置と閉位置をそれぞれ占めたときに前記ガイド突部が嵌合するガイド穴部分とその近傍のガイド穴部分が、像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行に延びている請求項5又は6に記載の像担持体ユニット。
【請求項8】
前記像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して出し入れするとき、前記画像形成装置本体内に位置する相手係止部と協働して、ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させる係止部を該ガイド部材に設け、該係止部と前記相手係止部との協働作用によりガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させると共に、前記支持体と像担持体とシャッターとを前記出し入れ方向に移動させることによって、該シャッターをその閉位置又は開位置に移動させる請求項4乃至7のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項9】
前記係止部を、磁力によって、前記相手係止部に対して拘束して前記ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させる請求項8に記載の像担持体ユニット。
【請求項10】
画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの押し込み方向とほぼ平行な方向に前記ガイド部材を付勢する付勢部材を設け、像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき、前記付勢部材の作用により、前記ガイド部材を、支持体に対して前記押し込み方向における最も奥側の位置に押圧して前記シャッターを閉位置に保持させ、像担持体ユニットを画像形成装置本体に押し込むとき、該画像形成装置本体側のストッパにより、前記付勢部材の作用に抗して前記ガイド部材を画像形成装置本体に対して停止させて、前記シャッターを開位置に移動させる請求項4乃至7のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項11】
一端側が前記支持体に固定され、他端側が像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動可能に前記支持体に当接した少なくとも1つの線ばねと、該線ばねを摺動可能に保持し、かつ前記支持体に対して、像担持体ユニットの出し入れ方向とほぼ平行な方向に摺動可能に組み付けられたスライダとを有し、前記線ばねは、その一端側と他端側の間の中間部が前記シャッターに固定され、該シャッターに固定された線ばねの中間部は、当該線ばねの前記一端側と他端側よりも、前記シャッターが閉位置へ移動するときの方向に向けて突出しており、前記スライダが前記線ばねに対して相対的に前記出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動して該線ばねを変形させることにより、前記シャッターがその閉位置又は開位置に移動するように、該スライダと、線ばねと、シャッターとの相対位置を設定した請求項1乃至3のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項12】
前記像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して出し入れするとき、前記スライダは、前記画像形成装置本体内に位置する相手係止部との協働作用により、画像形成装置本体に対して停止するように構成され、該スライダを画像形成装置本体に対して停止させると共に、前記支持体と像担持体とシャッターと線ばねとを前記出し入れ方向に移動させて該線ばねを変形させることにより、前記シャッターをその閉位置又は開位置へ移動させるように構成した請求項11に記載の像担持体ユニット。
【請求項13】
前記スライダを、磁力によって、前記相手係止部に対して拘束して該スライダを画像形成装置本体に対して停止させる請求項12に記載の像担持体ユニット。
【請求項14】
前記支持体に対して係止された線ばねの一端側と、前記シャッターに固定された線ばねの中間部との間の線ばね部分に前記スライダが摺動可能に組み付けられている請求項11乃至13のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項15】
前記スライダが摺動可能に組み付けられた線ばね部分は、前記シャッターがその開位置へ移動する方向に向けて突出するように湾曲している請求項11乃至14のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項16】
前記線ばねを保持するスライダの線ばねガイド部が、該スライダの摺動方向に対してほぼ平行に延びている請求項11乃至15のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項17】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体に対向するシャッター部分が、像担持体の画像形成領域面に当接しないように、該シャッター部分の位置を規制する規制手段を有する請求項1乃至16のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項18】
前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面よりも外方に突出した像担持体のフランジにより構成されている請求項17に記載の像担持体ユニット。
【請求項19】
前記規制手段が、前記支持体に形成された規制突部により構成されている請求項17に記載の像担持体ユニット。
【請求項20】
前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面外の部分に当接するシャッター自体に形成された規制突部により構成されている請求項17に記載の像担持体ユニット。
【請求項21】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、該画像形成領域面にほぼ沿った曲面状に形成されている請求項1乃至20のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項22】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、像担持体の軸線に沿った曲折部にて曲折する請求項1乃至20のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項23】
前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの先端部と、前記支持体の開口の縁との間に隙間ができることを阻止すべく、該シャッターの先端部が嵌合する受け部を前記支持体に設けた請求項1乃至22のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項24】
前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの成形時に該シャッターの縁部に形成されたバリが像担持体表面から離れた側に位置するように該シャッターが配置されている請求項1乃至23のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項25】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体表面に対向するシャッターの先端部が丸みを持った形状に形成されている請求項1乃至24に記載の像担持体ユニット。
【請求項26】
前記シャッターは、少なくとも像担持体に対向する面が導電性を有している請求項1乃至25のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項27】
前記シャッターと前記支持体が同材料により構成されている請求項1乃至26のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれかに記載の像担持体ユニットと、前記像担持体にトナー像を形成するための少なくとも1つのプロセス機器とを具備するプロセスカートリッジ。
【請求項29】
前記像担持体ユニットが、他のプロセスカートリッジ部分に対して着脱可能である請求項28に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項30】
請求項1乃至27のいずれかに記載の像担持体ユニットを具備する画像形成装置。
【請求項31】
請求項28又は29に記載のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置。
【請求項32】
前記像担持体ユニットが画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたときも前記シャッターが閉位置を占めたままであるとき、これを検知する検知手段を設けた請求項30又は31に記載の画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される像担持体と、該像担持体を支持する支持体とを有していて、画像形成装置本体に対して出し入れ可能な像担持体ユニットにおいて、該像担持体ユニットを画像形成装置本体外に出したとき前記像担持体を覆う閉位置を占め、該像担持体ユニットを画像形成装置本体内の所定の位置にセットしたとき像担持体を開放する開位置を占めるように、像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動可能に、前記支持体に組み付けられたシャッターと、一端側が前記支持体に固定され、他端側が像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動可能に前記支持体に当接した少なくとも1つの線ばねと、該線ばねを摺動可能に保持し、かつ前記支持体に対して、像担持体ユニットの出し入れ方向とほぼ平行な方向に摺動可能に組み付けられたスライダとを有し、前記線ばねは、その一端側と他端側の間の中間部が前記シャッターに固定され、該シャッターに固定された線ばねの中間部は、当該線ばねの前記一端側と他端側よりも、前記シャッターが閉位置へ移動するときの方向に向けて突出しており、前記スライダが前記線ばねに対して相対的に前記出し入れ方向に対してほぼ平行な方向に摺動して該線ばねを変形させることにより、前記シャッターがその閉位置又は開位置に移動するように、該スライダと、線ばねと、シャッターとの相対位置を設定したことを特徴とする像担持体ユニット。
【請求項2】
前記シャッターが像担持体ユニットの出し入れ方向に対してほぼ直交する方向に移動するように該シャッターを案内する案内部が前記支持体に設けられている請求項1に記載の像担持体ユニット。
【請求項3】
前記シャッターは、画像形成装置本体に対する像担持体ユニットの着脱動作に連動して前記閉位置と開位置とにそれぞれ移動する請求項1又は2に記載の像担持体ユニット。
【請求項4】
前記像担持体ユニットを画像形成装置本体に対して出し入れするとき、前記スライダは、前記画像形成装置本体内に位置する相手係止部との協働作用により、画像形成装置本体に対して停止するように構成され、該スライダを画像形成装置本体に対して停止させると共に、前記支持体と像担持体とシャッターと線ばねとを前記出し入れ方向に移動させて該線ばねを変形させることにより、前記シャッターをその閉位置又は開位置へ移動させるように構成した請求項1乃至3のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項5】
前記スライダを、磁力によって、前記相手係止部に対して拘束して該スライダを画像形成装置本体に対して停止させる請求項4に記載の像担持体ユニット。
【請求項6】
前記支持体に対して係止された線ばねの一端側と、前記シャッターに固定された線ばねの中間部との間の線ばね部分に前記スライダが摺動可能に組み付けられている請求項1乃至5のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項7】
前記スライダが摺動可能に組み付けられた線ばね部分は、前記シャッターがその開位置へ移動する方向に向けて突出するように湾曲している請求項1乃至6のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項8】
前記線ばねを保持するスライダの線ばねガイド部が、該スライダの摺動方向に対してほぼ平行に延びている請求項1乃至7のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項9】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体に対向するシャッター部分が、像担持体の画像形成領域面に当接しないように、該シャッター部分の位置を規制する規制手段を有する請求項1乃至8のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項10】
前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面よりも外方に突出した像担持体のフランジにより構成されている請求項9に記載の像担持体ユニット。
【請求項11】
前記規制手段が、前記支持体に形成された規制突部により構成されている請求項9に記載の像担持体ユニット。
【請求項12】
前記規制手段が、像担持体の画像形成領域面外の部分に当接するシャッター自体に形成された規制突部により構成されている請求項9に記載の像担持体ユニット。
【請求項13】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、該画像形成領域面にほぼ沿った曲面状に形成されている請求項1乃至12のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項14】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体の画像形成領域面に対向するシャッター部分が、像担持体の軸線に沿った曲折部にて曲折する請求項1乃至12のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項15】
前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの先端部と、前記支持体の開口の縁との間に隙間ができることを阻止すべく、該シャッターの先端部が嵌合する受け部を前記支持体に設けた請求項1乃至14のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項16】
前記シャッターがその閉位置を占めたとき、該シャッターの成形時に該シャッターの縁部に形成されたバリが像担持体表面から離れた側に位置するように該シャッターが配置されている請求項1乃至15のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項17】
前記シャッターがその閉位置を占めたときに像担持体表面に対向するシャッターの先端部が丸みを持った形状に形成されている請求項1乃至16のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項18】
前記シャッターは、少なくとも像担持体に対向する面が導電性を有している請求項1乃至17のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項19】
前記シャッターと前記支持体が同材料により構成されている請求項1乃至18のいずれかに記載の像担持体ユニット。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに記載の像担持体ユニットと、前記像担持体にトナー像を形成するための少なくとも1つのプロセス機器とを具備するプロセスカートリッジ。
【請求項21】
前記像担持体ユニットが、他のプロセスカートリッジ部分に対して着脱可能である請求項20に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項22】
請求項1乃至19のいずれかに記載の像担持体ユニットを具備する画像形成装置。
【請求項23】
請求項20又は21に記載のプロセスカートリッジを具備する画像形成装置。
【請求項24】
前記像担持体ユニットが画像形成装置本体内の所定の位置にセットされたときも前記シャッターが閉位置を占めたままであるとき、これを検知する検知手段を設けた請求項22又は23に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−91932(P2006−91932A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368848(P2005−368848)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【分割の表示】特願2003−201357(P2003−201357)の分割
【原出願日】平成15年7月24日(2003.7.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】