説明

充填機

【課題】液体と固体との混合物の場合の各容器毎の固体の充填量の差をなくす。
【解決手段】 本件出願の充填機は供給装置と、貯留容器と、加圧装置と、導出装置と、充填装置を備えている。前記貯留容器と加圧装置と導出装置と充填装置は複数個設け、同時に作動できるようにした。貯留容器内の被充填物の量を検知可能なセンサを設け、そのセンサで検知した被充填物の量に応じ、供給装置から貯留容器に被充填物を供給する制御部を設けた。前記導出装置は貯留容器の出口を開閉可能な方向弁と被充填物を一時的に収容する一時収容室を備え、方向弁が貯留容器の出口を開くと貯留容器内の被充填物が一時収容室内に吸引導出され、方向弁が貯留容器の出口を閉じると一時収容室内の被充填物を送り出し可能とした。前記充填装置は送出路とピストンを備え、ピストンにより送出路内の被充填物を確実に押出すことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、固体、ゲル状といった各種形態の食品や化学品といったあらゆる物、特に、めかぶ、もずく、納豆用大豆等の食品を定量ずつ容器に分配、充填可能な充填機に関するものであり、一度に、多数個の容器に定量ずつ分配、充填可能なものである。
【背景技術】
【0002】
食品、化学品等を定量ずつ充填する充填機としては、これまで各種方式のものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
めかぶのように形状が不揃いで変形する被充填物の場合、重量計で計量すれば一定量ずつ容器に充填可能であるが、連続的に自動充填する場合は重量計で計測しながら充填することはできない。その場合は、被充填物の量を計測容器内の体積で計測することになるが、その場合、計測容器内の被充填物の体積が同じであっても、計測容器内への詰め込みかた(詰め込みを強くするか、弱くするか)によって被充填物の量が変わる。このため被充填物を体積で計測しながら、数g〜数十gの少量づつ充填する小売用容器にめかぶを自動的に充填する場合、誤差無く定量づつ均一に充填するのは不可能であり、充填量の誤差が±10%程度になっているのが現状である。この場合、充填量が容器に表示されている規定量よりも少なければ販売店や消費者から苦情が出るし、多い場合は歩留まりが悪くコスト高になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、被充填物が、めかぶのように形状が不揃いで変形する被充填物であっても、体積で計測して容器に数g〜数十gずつ定量充填することができる充填機を提供するものである。
【0005】
本件出願の充填機は、容器に定量ずつ充填する充填機において、めかぶなどの被充填物を供給可能な供給装置と、供給装置から供給される被充填物を数個の容器に充填できるだけの量を一時的に貯留可能な貯留容器と、貯留容器内を一定圧力に加圧保持可能な加圧装置と、加圧装置により一定圧力に加圧保持されている貯留容器から被充填物を所定量ずつ吸引して導出する導出装置と、導出装置で貯留容器から導出された被充填物を容器に充填する充填装置を備えている。前記貯留容器と加圧装置と導出装置と充填装置は複数個設け、それらが同時に作動して一度に複数個の容器に被充填物を充填することができるようにした。前記貯留容器内に貯留された被充填物の量を検知可能なセンサを設け、そのセンサで検知した貯留容器内の被充填物の量に応じて、供給装置から貯留容器に被充填物を供給する制御部を設け、貯留容器内の被充填物が少なくなると供給装置が作動して被充填物が貯留容器内に自動的に補充されるようにした。前記導出装置は貯留容器の出口を開閉可能な方向弁と被充填物を一時的に収容する一時収容室を備え、方向弁が貯留容器の出口を開くと貯留容器内の被充填物が一時収容室内に吸引導出され、方向弁が貯留容器の出口を閉じると一時収容室内の被充填物を送り出し可能とした。前記充填装置は導出装置から送り出された被充填物が容器に送出される送出路と、送出路内の被充填物を容器へ押出すピストンを設けて、ピストンにより送出路内の被充填物を確実に押出すことができるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本件出願の充填機は次のような効果がある。
(1)貯留容器内を常時一定圧力にして、貯留容器内の被充填物に常時一定の圧力を加えることができるので、被充填物がめかぶのような不定形で変形し易いものであっても、定量ずつ容器に分配、充填することができ、充填量の誤差が殆どない。実験では60g充填して1%程度の誤差しかなかった。
(2)貯留容器と加圧装置と導出装置と充填装置を複数個設けて、それらが同時に作動して一度に複数個の容器に被充填物を充填できるようにしたので、被充填物を多くの容器に分配、充填可能であり、量産に適する。
(3)導出装置が方向弁を備えているので、方向弁の開閉操作により貯留容器内の被充填物を確実に定量ずつ導出して容器に分配、充填することができる。
(4)落下路内の被充填物を押出すピストンを設けたので、ピストンにより送出路内の被充填物を出し切ることができ、容器へ被充填物を定量ずつ分配、充填できる。送出路内に被充填物が残らないので送出路内が汚れず、衛生的である。
(5)貯留容器内の被充填物の量をセンサで検知して、被充填物の残量が減少すると自動的に被充填物が補充されるので、多数個の容器に間欠的に被充填物を充填する場合であっても、被充填物の補充のために作業が中断すること無く連続作業ができるため、作業性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(充填機の実施形態1)
本発明の充填機の実施形態の一例を図1〜図9に基づいて詳細に説明する。これら図の実施形態は被充填物がめかぶの場合であり、容器70が横一例に六個並べて順次送り込まれ、その横一列の六個の個々の容器70に一度に(同時に)にめかぶを定量ずつ充填できるようにした場合の一例である。この充填機ではめかぶを次のようにして容器70に充填するものである。
(1)ホッパー8内のめかぶをホッパー8の出口の送り出し装置(例えばモーノポンプ)9によって供給路10に送り出す。
(2)供給路10に送出されためかぶを個々の分岐路14に分配する。
(3)各分岐路14に設けてある供給装置2の方向弁(ボールバルブ)18を開き、各貯留容器3内を排気して、各分岐路14から貯留容器3内に所定量のめかぶを供給する。
(4)所定量のめかぶが貯留容器3内に供給されたら、方向弁18を閉じてめかぶの供給を停止する。
(5)所定量のめかぶが貯留された貯留容器3内を加圧装置4によって加圧して、貯留容器3内を所定圧力に保持する。
(6)貯留容器3内の圧力を一定に保持したまま導出装置5の入口側を方向弁32で開き(出口側が自動的に閉じる)、その状態で導出装置(エアシリンダ)5のピストンを作動させて貯留容器3内のめかぶを容器一個分だけ吸引して導出装置5の一時収容室34a内に収容する。
(7)導出装置5の方向弁32の出口を開き(入口側が自動的に閉じる)、導出装置5のピストン35を押して一時収容室34内の容器一個分のめかぶを充填装置60の送出路6へ送り出す。
(8)送出路6に送り出されためかぶはその出口48から送出されて容器70に充填される。このとき、前記送出路6内を進入・後退する押出しピストン7の下端部(先端部)を送出路6の出口48よりも外まで押し出して、送出路6内のめかぶを完全に出し切って容器70に充填する。
(9)めかぶを充填した容器70は搬送体によって充填機の先方に送り出して、その後の後工程、例えば包装などをする。同時に、これからめかぶを充填する容器を送出路6の下方に搬送して、次の充填に備えて待機する。
(10)前記1〜8の工程を行って、待機している次の容器70にめかぶを充填し、充填された容器を前記9の工程で先方に送り出し、次の容器70を待機させる。
(11)前記1〜10の繰り返しにより、横一列六個の容器70にめかぶを、順次、自動的に充填する。この工程の繰り返しにより貯留容器3内のめかぶが減ってくると、貯留容器3の外部側方に備えられたセンサ23がめかぶの減少を検知し、供給装置2の方向弁18が開き、各貯留容器3内が排気されて、貯留容器3内に所定量のめかぶを供給する。以後、前記1〜11の繰り返しにより、自動的に間欠的に送り込まれてくる容器に、次から次へとめかぶが充填される。
【0008】
前記操作をする本発明の充填機1の構成を以下に説明する。この充填機1では空の容器70は図示されていない容器ストックから一個づつ自動的に取り出されて、コンベア、ローラーコンベア、チェーンコンベア等の任意の搬送体に横一列に六個セットされ、搬送体で間欠的に搬送されてくる。この充填機1は図1〜図3に示すように、一本の供給路10と分岐路14を備えた供給装置2と、個々の分岐路14に接続された貯留容器3、貯留容器3内を加圧して一定圧に保持する加圧装置4、貯留容器3内のめかぶを一容器分ずつ引き出す導出装置5と、導出装置5からめかぶを送り出す送出路6と送出路6内のめかぶを残らず出し切る押出しピストン7とを備えた、個々の容器に充填する充填装置60とが夫々六セット(組)設けられている。六セットのそれら装置は同時に作動して六個の空容器にめかぶを同時に充填できるようにしてある。めかぶが充填された充填済み容器は前記搬送体により搬送されて先方の工程に送り出される。
【0009】
図2に示すホッパー8は下方細りに形成されて、内部に収容されているめかぶが自動的に下方に落下するようにしてある。ホッパー8の容量は用途に合わせて選定する。材質は収容する被充填物に合わせて金属、硬質樹脂等の任意の素材で形成することができ、めかぶ(食品)を充填する本実施例では錆に強く、めかぶが滑り落ち易いステンレス製としてある。ホッパー8の形状は、例えば漏斗状等、任意の形状とすることができる。ホッパー8の出口11にはホッパー8の被充填物(めかぶ)を送り出す送り出し装置9が設けられている。送り出し装置9にはめかぶを送り出し可能であれば任意のものを使用可能であるが、確実に一定量ずつ送り出し可能なモーノポンプが適する。モーノポンプは既存のものでも、改良されたものでもよいが、図2に示すように筒状のステーター12内で螺旋状のローター13を偏心回転させることによって、めかぶを定量ずつ供給路10に送り出すことができるものである。モーノポンプが一度に送り出すめかぶの量は、めかぶの必要量に応じて、随時サーボモータ(図示しない)の回転数を調節する等して、任意の量に設定することができる。
【0010】
ホッパー8には図1、図4に示す供給路(パイプ)10の一端が接続され、供給路(パイプ)10から六本の分岐路(パイプ)14が分岐されている。供給路10はモーノポンプ9から送出されためかぶを通過させることができる太いパイプであり、六本の分岐路14の夫々は貯留容器3に配管されている。供給路10、分岐路14は金属、硬質樹脂といった任意の素材で形成することができるが、この実施形態ではめかぶが通過し易く、錆びにくいステンレス製としてある。
【0011】
図3、図5(a)(b)に示す供給装置2は各分岐路14に取付けられており、貯留容器3へのめかぶの供給を調整可能な装置である。供給装置2は供給路10内のめかぶを受け入れる受入ホッパー15と、めかぶが通るめかぶ通路16が上下に連結されて貫通開口された本体17と、前記めかぶ通路16を開閉する方向弁18を備えている。方向弁18は本体17内に回転可能に内蔵されたボール18aと、ボール18aの回転軸19を回転させてボール18aを図5(a)(b)の矢印方向に回転させるロータリーアクチュエータ20と、本体17のめかぶ通路16を通過しためかぶを貯留容器3に送り出す供給管21を備えている。ボール18aには貫通孔22が開口されており、その貫通孔22を図5(a)に示すように縦向きにしてめかぶ通路16と貫通させるとめかぶ通路16が上下に開口し、ボール18aを90度回転させて貫通孔22を横向きにすると、ボール18aによってめかぶ通路16が塞がれてめかぶ通路16が閉じるようにしてある。
【0012】
前記貯留容器3の外側側方には貯留容器3内に貯留された被充填物(めかぶ)の量を検知可能なセンサ23が設けられ、そのセンサ23には、センサ23で検知された貯留容器3内のめかぶの量に応じて、供給装置2から貯留容器3にめかぶを供給する制御部が連結されている。制御部は前記ロータリーアクチュエータ20の作動を制御するものであり、貯留容器3内の被充填物が少なくなるとロータリーアクチュエータ20を作動させて方向弁18のボール18aを回転させて分岐路14内のめかぶを貯留容器3内に自動的に補充させる。所定量まで補充されるとロータリーアクチュエータ20が逆作動し、方向弁18のボール18aを逆回転させて前記補充を停止させるようにしてある。ロータリーアクチュエータ20は加圧装置4からのエアーで作動させるようにしてある。
【0013】
図3、図4に示す貯留容器3は縦長筒状であって、めかぶを充填する容器数個分(6個分程度)のめかぶを貯留可能なものである。貯留容器3は図1に示すように上端開口部に蓋24が被せられ、下部が下方細りに形成され、下端部に出口25が開口されている。貯留容器3の側面には前記供給装置2の供給管21が連結されて、供給管21からめかぶを供給できるようにしてある。この実施形態では貯留容器3が透明な硬質樹脂で形成されて外部から容器内を目視することができるようにしてあり、また、耐圧性に優れたものとしてある。貯留容器3の素材は硬質樹脂には限られず、耐圧性のある材質であれば任意の材質のものとすることができる。色も透明に限られず、任意の色とすることができる。
【0014】
図2、図3に示す加圧装置4は前記貯留容器3内を加圧及び排気することが可能な装置である。加圧装置4としては例えばエアーポンプ等を使用することができる。図2に示す加圧装置4にはエアチューブ26が連結されており、エアチューブ26は貯留容器3の蓋24に備えられた三方弁27に連結されて、加圧装置4からの加圧空気を貯留容器3に供給して、貯留容器3内を一定圧力に保持できるようにすることができる。貯留容器3内の気圧が高いと貯留容器3内にめかぶを充填しにくくなるため、貯留容器3内にめかぶを補充するときは、貯留容器3内を排気して気圧を一旦低下させる必要がある。三方弁27はこの排気にも使用される。三方弁27の制御は、前記センサの検知に基づいて自動的に行なわれる。
【0015】
図6〜図8に示す導出装置5は前記貯留容器3の下端の出口25に備えられて、貯留容器3から所定量ずつめかぶを吸引して導出する装置である。導出装置5は図6、図7に示すように立方体の金属製の本体28の上方に吸引管29が、下方に排出管30が夫々突出され、側面に貫通孔31が開口されており、貫通孔31内の一端側に金属製の方向弁32が回転自在に内蔵され、貫通孔31の反対側外側に、円筒形であって一端に鍔部40が形成されたシリンダ34が取り付けられている。前記吸引管29は貯留容器3の出口25に連結され、前記排出管30は送出路6の湾曲パイプ46に連結されている。
【0016】
前記方向弁32は円柱状の基材32aに溝状の通路38が形成されている。通路38はその入口38aが基材32aの側面36に開口し、出口38bが基材32aの前面37に開口し、入口38aから出口38bに向けて下り傾斜に形成されている。方向弁32の後部には鍔39が形成され、その後方面に嵌合溝(図示しない)が形成されており、その嵌合溝にロータリーアクチュエータ33が嵌合されて、ロータリーアクチュエータ33が180度往復回転すると、方向弁32が同方向に180度往復回転されて、通路38が上向きの状態から下向きの状態まで切り替わるようにしてある。通路38が上向きになると通路38の入口38aが吸引管29と連通し、出口38bがシリンダ34と連通して、吸引管29内のめかぶが通路38を通過してシリンダ34に導出され、通路38が下向きになると通路38の入口38aが吸引管29と連通し、出口38bがシリンダ34と連通し、方向弁32が180度回転して通路38が下向きになると基材32aの外周面で吸引管29が閉塞されるようにしてある。シリンダ34内には金属製のピストン35が前後に往復移動可能に圧入されており、通路38が上向きのときにピストン35が後退すると、吸引管29内のめかぶが通路38を通過してシリンダ34に導入されて、シリンダ34内の一時収容室34a内に収容され、通路38が下向きのときにピストン35が前進すると、一時収容室34a内のめかぶが排出管30に押出される。
【0017】
前記ピストン35は図7(a)(b)に示すように、シリンダ34内を前後動可能な径の円柱状であり、外周面にパッキン溝41が二本形成され、それにパッキン42が嵌合されている。パッキン42はゴム製、樹脂製といった任意の材質で成型されている。ピストン35にはロッド嵌合溝43が形成されている。図7(b)に示すように、ロッド溝43は嵌合部43aと、それに連通する幅の広い出入り口43bと、細長の導出口43cが形成されており、導出口43cはピストン35の前面35aに開口されている。このピストン35にピストンロッド44を取り付けるには、ピストンロッド44の大径部44aをピストン35の出入り口43bから嵌合部43a内に差し込み、ピストンロッド44のロッド部分44bをピストン35の導出口43aから引出して、ピストンロッド44を前後動させてもピストンロッド44がピストン35の嵌合部43aから抜けないようにしてある。このピストンロッド44を図6に示すエアシリンダ等の駆動機構45によって前後動させると、ピストン35がシリンダ34内で同方向に前後移動するようにしてある。
【0018】
図7に示す導出装置5によって貯留容器3からめかぶを容器一個分だけ吸引してシリンダ34の一時収容室34a内に収容し、収容した容器一個分のめかぶを押出すには以下のようにする。
(1)図7のロータリーアクチュエータ33を作動させて、方向弁32の通路38の入口38aを図8(a)に示すように上向きにして吸引管29側(貯留容器3側)へ向ける。
(2)前記1の状態でピストン35を所定距離だけシリンダ34内で後退させる(図8a参照。)。このとき、貯留容器3内のめかぶを容器一個分だけ、通路38内を通過してシリンダ34内の一時収容室34aに引き込む。
(3)ロータリーアクチュエータ33を逆作動させて、方向弁32の通路38の入口38aを図8(b)に示すように下向きにして排出管30側(送出路6側)へ向ける。
(4)前記3の状態でピストン35をシリンダ34内で前進させる(図8b参照。)。このとき、シリンダ34内の一時収容室34aに充填されているめかぶが押出され、排出管30に送り出される。
【0019】
図2に示す充填装置60の送出路6は排出管30に送り出されためかぶを容器70の上方までガイドする管路であって、図9(a)のように湾曲パイプ46とT字型パイプ47とを組み合わせてあり、図3に示すように湾曲パイプ46の一端が導出装置5の排出管30に取付けられ、他端が図3、図9(a)のようにT字型パイプ47の一端(水平部分47a)に横向きに取付けられている。T字型パイプ47の直線部分47bは上下方向に配置され、下端開口部を出口48として、湾曲パイプ46に贈られてきためかぶがその出口48から自動的に容器70内に送出されるようにしてある。送出路6の形状は図示したものに限られず、めかぶを容器に充填可能であれば任意の形状とすることができる。
【0020】
図9(a)(b)に示すように、前期T字型パイプ47には押出しピストン7が挿入されている。押出しピストン7はT字型パイプ47の縦向き直線部分47b内で上下にスライドさせて、T字型パイプ47内のめかぶを出口48から出し切って、T字型パイプ47内にめかぶが残らないようにするためのものである。押出しピストン7は送出路6のT字型パイプ47内を上下に往復スライド可能な棒状であり、その上端部にロッド取付け部49が形成されている。ロッド取付け部49はリング状嵌入部49aと、それに連通する幅の広い出入り口49bと、細長の導入口49cが形成されており、導出口49cは押出しピストン7の外周面7aに開口されている。この押出しピストン7にピストンロッド50を取り付けるには、ピストンロッド50の大径部50aを押出しピストン7の出入り口49bからリング状嵌入部49a内に差し込み、ピストンロッド50のロッド部分50bを押出しピストン7の導入口49cから押し込んで、ピストンロッド50を上下動させてもピストンロッド50が押出しピストン7のロッド取付け部49から抜けないようにして、このピストンロッド50を図9(a)に示すエアシリンダ等の駆動装置51によって昇降させると、押出しピストン7がT字型パイプ47内で同方向に昇降するようにしてある。この場合、押出しピストン7は上昇時にその先端部がめかぶの通過の妨げにならない位置まで引き上げられて保持され、降下時に先端部がT字型パイプ47の出口48から外部まで突出するようにしてある。
【0021】
本発明において、容器を搬送する搬送体は、六本のコンベアを横に並べて、夫々の列に容器70を並べられるようにしたものとか、幅の広い一本のコンベアを六本に仕切って、夫々の列に容器70を並べるようにしたものとすることができる。六本のコンベアを横に並べた場合は、夫々のコンベアを同時に又は別々に動かすことができる。移送体は間欠移動又は連続移動が可能なものであり、移送体に配置された容器70を間欠的に又は連続的に移送することができるようにしてある。
【0022】
本発明の充填機にはそれを構成する種々の機構の動作を制御する制御盤や、めかぶを充填した容器70にフィルムを被せて密封するシール機構等を備えることもできる。これら容器供給機構や制御盤やシール機構等は、従来の充填装置等に用いられていたものや、それらの改良品を用いることができる。
【0023】
(充填機のその他の実施形態)
本発明の充填機では、六個の容器を横一列に並べてあるが、容器は搬送体の搬送方向前後に少しずつずらして配置することもできる。この場合は隣合う容器の間隔を狭くすることができるため充填機を小型化することができる。並べる容器の数も六個に限らず任意数とすることができる。
【0024】
本発明の充填機は前記実施形態1に示すめかぶの他にも、例えば、もずく等の液体と固体の混合物、小麦粉、砂糖等の粉体、水や豆乳等の液体、蜂蜜やチョコレート等の粘性の強い液体等、任意の食品の充填に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の充填機は、食品の充填に限らず、他に分野の物品、例えば、灯油、硫酸等の化学品、ゲル状の化学品といったあらゆる分野の各種形態の物品の充填に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の充填機を六機一列に配置して形成した、本発明の充填装置の実施形態の一例を示す斜視説明図。
【図2】図1に示す充填装置の構成を示す構成図。
【図3】図1に示す充填装置を示す側面図。
【図4】図1に示す充填装置中の、供給路と供給装置と貯留容器とを組み合わせた部分を示す正面説明図。
【図5】(a)(b)は、図1に示す充填機中の供給装置を示す断面説明図。(a)は、ボールバルブを開いた様子、(b)は、ボールバルブを閉じた様子を夫々示す。
【図6】図1に示す充填機中の導出装置を示す側面説明図。
【図7】(a)は、図6に示す導出装置を示す分解斜視図。(b)は、ピストン部分の分解斜視図。
【図8】(a)(b)は、図6に示す導出装置の作動中の様子を示す断面説明図。(a)は、被充填物を吸引した様子、(b)は、被充填物を送出した様子を夫々示す。
【図9】(a)は、図1に示す充填機中の送出路及び押出しピストンを示す側面説明図。(b)は、(a)に示す押出しピストンとピストンロッドとの取付けの様子を示す斜視説明図。
【符号の説明】
【0027】
1 充填機
2 供給装置
3 貯留容器
4 加圧装置
5 導出装置
6 送出路
7 押出しピストン
8 ホッパー
9 送り出し装置
10 供給路
18 方向弁
18a ボール
20 ロータリーアクチュエータ
23 センサ
32 方向弁
33 ロータリーアクチュエータ
34 充填シリンダ
35 ピストン
48 出口
70 容器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充填物を供給可能な供給装置と、供給装置から供給される被充填物を貯留可能な貯留容器と、貯留容器内を一定圧力に加圧保持可能な加圧装置と、貯留容器から所定量ずつ被充填物を吸引導出可能な導出装置と、導出装置から送り出された被充填物を容器に充填する充填装置を備えたことを特徴とする充填機。
【請求項2】
請求項1記載の充填機において、貯留容器と、加圧装置と、導出装置と、充填装置が複数設けられ、それらが同時に作動して、一度に複数個の容器に被充填物を充填することを特徴とする充填機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の充填機において、貯留容器内に貯留された被充填物の量を検知可能なセンサと、センサが検知した貯留容器内の被充填物の量に応じて供給装置から被充填物を貯留容器に補充させる制御部を備えたことを特徴とする充填機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の充填機において、導出装置は貯留容器の出口を開閉可能な方向弁と被充填物を一時的に収容する一時収容室を備え、方向弁が貯留容器の出口を開くと貯留容器内の被充填物が一時収容室内に吸引導出され、方向弁が貯留容器の出口を閉じると一時収容室内の被充填物を送り出し可能であることを特徴とする充填機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の充填機において、充填装置は導出装置から送り出された被充填物が容器に送出される送出路と、送出路内の被充填物を容器へ押出すピストンを備えたことを特徴とする充填機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−188276(P2006−188276A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2789(P2005−2789)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(596071682)株式会社ケーヨーマシナリー (2)
【Fターム(参考)】