説明

充電コネクタ

【課題】充電ステーションの電気レシーバに挿入し、係合するために適切に保持することを容易にする電気コネクタを提供する。
【解決手段】前側軸に沿って延びた前部42を備えたボディ40と、約45°で下方及び後方へ傾斜した軸へ延びた後部44と、手の小指を受けるために内方に湾曲した底面22を備えた中間部46を有する。使用者の親指がリッジの一部分及び溝に適合するように、ボディの前部は、頂上のリッジ72の対向した両側に形成された1対の溝76を有する。掌用のパッド30は、頂上のリッジの後方に接してあり、ラッチを操作するように使用者の掌で機械的に押し下げられる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電気自動車を充電するために多くの充電ステーションを建設する計画がある。各ステーションで、使用者は、(例えば、前記ステーションに接続されたケーブルの一端部にあるような)電気コネクタを前記電気自動車の電気レシーバに挿入し、この電気レシーバの所定の位置に係合する。電気コネクタは、高電流を流し、且つ数ポンド(約900乃至4000g)の重量を有するので、自然で明確な方法で扱い易いようなコネクタを提供することが、望まれている。
【0002】
この型式の電気コネクタは、親指若しくは人指し指で操作されるトリガによって制御されるラッチを有する。多くの人は、これら電気コネクタの操作の仕方に困惑させられる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一の実施の形態において、電気コネクタは、手で把持し、電気レシーバに挿入し、電気的な接続及び電気レシーバへ機械的にしっかりと係合することを確立する。この電気コネクタは、ボディの前側軸に沿って延びたボディの前部を有するボディと、ケーブルの一端部を保持し、45°下方及び後方へと傾斜して延びたボディの後部と、内方に湾曲した底面を備えたボディの中間部と、を有する。使用者は、この中間部の頂上に親指を置き、他の指を内方に湾曲した底面に伸ばすことで電気コネクタを保持する。このように保持することで、使用者が電気コネクタを把持し、握手するように手前の方に手を動かすことで電気コネクタを挿入することを可能にする。
【0004】
使用者が電気コネクタを把持しているときに、掌用のパッド(palm pad)が、ラッチ(latch)を機械的に操作するように、ボディの頂上に装着されている。この掌用のパッドは、回動可能にボディに装着され、ラッチを形成する前部を有する。使用者が電気コネクタを把持しているときに、ラッチを回動させるように掌用のパッドが、掌によって機械的に押し下げられる。電気コネクタが電気レシーバに挿入された後、使用者がボディの握りを解くと、電気レシーバにボディを以後係合するようにラッチがばねによって自動的に下げられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、電気レシーバに挿入若しくは取り外しされるときの使用者の右手で保持された電気コネクタの斜視図である。
【図2】図2は、図1の電気コネクタの左側面図である。
【図3】図3は、図2の電気コネクタの正面図である。
【図4】図4は、使用者の左手で保持された改良した電気コネクタの左側面図である。
【図5】図5は、図4の電気コネクタの部分的な左側図である。
【図6】図6は、図5の電気コネクタの右側上面の斜視図である
【図7】図7は、図5の電気コネクタの右側面図である。
【図8】図8は、図4の電気コネクタの平面図である。
【図9】図9は、図4の電気コネクタの正面図である。
【図10】図10は、図4の電気コネクタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の新規特徴が、特に添付した請求項に記載されている。以下の添付図面を参照すると、本発明は、容易に判るであろう。
【0007】
図1は、ケーブル12の一端部に位置し、はめ込みコネクタ即ち電気レシーバ14に接続するように設計された電気コネクタ10を示す。ほとんどの場合、電気レシーバ14は、(補助のガスエンジンの有無に係わらず)電気自動車20に取り付けられる。このシステムは、自動車電気セル即ちバッテリを急速に充電するために必要な電流を流すように設計され、且つ電気コネクタは、数ポンド(約900乃至4000g)の重さを有すると思われる。電気コネクタは、この電気コネクタの形状から判り易く、且つ電気コネクタを機械的に係合し、取り外すという方法で、保持され、接続されるように設計されている。即ち、使用者が、頂上の一部分に親指Tを伸ばして、電気コネクタの底面22の一部分に他の指(人差し指I,中指M,薬指R及び小指Zから成る親指でない複数の指)を伸ばして電気コネクタを把持する。さらに、使用者が、電気コネクタを把持しているとき、掌用のパッド30は、ラッチ32を操作するように使用者の掌Pで機械的に押し下げられる。この結果、電気レシーバに挿入及び取り外しの過程で、使用者がラッチに注意を払うことなく、電気コネクタが、保持され、その後に電気レシーバから取り外される。
【0008】
電気コネクタは、ポリマでモールド成形され、前部42と、後部44と、中間部46と、を備えたボディ40を有する。ラッチ32は、前方の接続部分48に対して平行にボディの前部から突出し、電気レシーバのキャッチ50に係合することが可能である。掌用のパッドは、水平方向Lに延びている軸52を中心として回動可能に取り付けられ、下方向Dにこのラッチ32を付勢するように上向きUに付勢されている。この掌用のパッドの後部は、ボディの上面33の上方側へ約1/4インチ(約0.64センチメートル)に重なってある。使用者がボディの頂上54の一部分に伸ばした親指及び底面22の一部分に伸ばした他の指で電気コネクタを把持しているときには、パッド後部84を押し下げて、その結果、電気レシーバのキャッチ50と係合するようにラッチの準備をしてラッチを機械的に操作するように、使用者の掌が、掌用のパッドに載せられて、パッド後部84を押し下げる。
【0009】
図2に図示されるように、ボディの後部44と電気ケーブル12の前部とは、下方D及び後方Rへと延びている軸62沿って延び、ボディの前部42は、主前側軸(±10°)軸60に沿って延びている。この軸62は、主前側軸60から約45°(45°±15°)の俯角Aへ延びている。(図3に図示されるように)ボディは、各々の軸に沿った、ほぼ等しい(どちらも他方に対して2倍以上ではない)横幅及び鉛直高さを有する。ボディの底面22は、ボディの下方に約数インチ(1/2インチ(約1.27センチメートル)乃至2インチ(約5.08センチメートル)まで)の距離68のところに設定された横軸66を中心に内方に湾曲した大きな湾曲部64を有する。この湾曲部64の前端部80において、前記ボディは、断面C-Cで各々が約2×1/4インチ(好ましくは、1.75インチ(約4.45センチメートル)乃至2.75インチ(約6.98センチメートル))である幅と高さを有する。図3では、親指と人差し指がある上に直径2×1/4インチ(約5.71センチメートル)の仮想の円70を示している。平均的な大きさの手(例えば、親指先と人差し指の先との間に6インチ(約15.24センチメートル)の距離)は、ボディ中間部の周囲でボディ中間部の180°以上を包むことが可能である。
【0010】
図3に図示されるように、ボディの前部42は、軸60に沿って見ると、大きく円形の底部を有し、頂上で直立したリッジ(ridge)72と、このリッジの対向した両側に形成された1対のなだらかな内方の溝即ち奥まった部分74、76と、を有する。後部44は、直径約1.7インチ(約4.32センチメートル)の円形である。ボディの長さの中間面での湾曲と、ボディの後端部から下方及び後方へ延びたケーブルと、を有するような、この形状は、頂上で掌用のパッドと共に電気コネクタを把持し、且つ他の指が前記ボディの底面に伸ばしながら前記1対の溝の1つに親指を置くということを電気コネクタに手を伸ばしている使用者に分かり易くする。前記ように、使用者の握りがしっかり締まるときに、このような電気コネクタの握りが、使用者の掌で掌用のパッドを押し下げることを生じさせる。
【0011】
図4は、図1乃至3と同様に電気コネクタであるが、前記電気コネクタ10より長い後部102を有する本発明の他の実施の形態である電気コネクタ100の左側面を示す。この電気コネクタ100は、後部80に代って、内方に湾曲したボディの湾曲部64の前端部82(図5)で、人差し指I及び親指Tで容易に把持される電気コネクタを可能にしている。掌用のパッド104は、さらに後方へ延びているように比較的長いので、この電気コネクタ100は、図1若しくは図4のようにして容易に把持されることが可能である。使用者の手首に近い部分を挟む可能性を最小にするように、どちらの電気コネクタでも、掌用のパッドの後端部84、106が、符号110でケーブルが外に出るボディの後部から2×1/4インチ(約5.71センチメートル)の範囲にある。手首に近い部分を挟むなんてことは、ありえないことである。掌用のパッド104が押し下げられない場合には、掌用のパッド104の後部が、ボディから約1/4インチ(約0.64センチメートル)上方側に突出している。
【0012】
使用者は、図1若しくは4に図示されるように、電気コネクタを把持し、はめ込みコネクタ即ち電気レシーバ14に向かって電気コネクタを動かし、握りを開放する。電気レシーバに電気コネクタを保持するように、ラッチは、ばねの力によって機械的に操作されている。電気コネクタを取り外すために、使用者は、電気コネクタを把持し、このときにラッチを解除するために掌用のパッドを押し下げ、電気レシーバから電気コネクタを引き抜く。
【0013】
かくして、如何に電気コネクタを把持するべきかを明確にし、且つ電気コネクタを機械的に係合し、はめ込みコネクタから取り外すような本発明は、使用者の手で把持し、はめ込みコネクタに挿入されることが可能である電気コネクタを有する。電気コネクタは、特に自動車のバッテリ充電器として有用であるが、他への応用にも有用である。掌用のパッドは、電気コネクタのボディに装着され、ボディの頂上にあるので、使用者が握手するように電気コネクタを把持しているときに、掌用のパッドが、押し下げられる。ボディは、前部、後部、及び中間部がある。前部は、主前側軸に沿って延びており、後部は、水平から約45°の俯角へ延びている下方及び後方軸に沿って延びている。ボディの中間部は、横軸に対して内方に湾曲した底面を有する。この形状は、頂上のリッジの一部分及びなだらかな溝の底部に向かう一部分へ伸びた親指と、湾曲した底面の一部分に伸びた親指以外の複数の指と、でコネクタを把持することを使用者に容易にする。電気コネクタは、通常、内方に湾曲した底面の前端部若しくは後端部を人差し指で把持される。
【0014】
本発明の特有の実施の形態は、本文に記述及び図示され、改良と変化が、この技術に熟練した方々にはすぐに分かると思われ、結果として、請求の範囲がこのような改良と同様な内容を含んでいると解釈されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の手で把持し電気レシーバ(14)へ挿入し、この電気レシーバ(14)に係合されるための電気コネクタであって、
このコネクタは、水平となる主前側軸(60)を有する前部(42)を備えたボディ(40)を有し、且つ前記電気レシーバに主前側軸方向へ挿入されることが可能であり、
このコネクタは、前記電気レシーバに挿入された前記コネクタを維持するように係合されることが可能であるラッチを有し、
前記主前側軸が水平となったときに、下方及び後方への傾斜(A)で傾くボディの前記後部及び後側軸(62)に沿って延びたケーブルの前端部において、このボディは、電気ケーブル(12)の前端部を保持する後部(44)を有し、
前記ボディは、底面(22)を備えた中間部(46)を有し、この底面(22)は、手の親指以外の複数の指を受けることが可能であり、
前記ラッチの機構は、前記ボディの頂上にあり、前記ボディに回動可能に装着された掌用のパッド(30)を有し、
この掌用のパッドは、パッドの後部を有し、使用者の同じ手の掌と、親指以外の複数の指と、で前記電気コネクタを把持している使用者によって容易に押し下げられるように、上方側にばねで付勢されている前記パッドの後部を有する、電気コネクタ。
【請求項2】
ボディの前記前部(42)は、前記主前側軸(60)に対して平行に延びて直立したリッジ(72)を備えた上面を有し、
使用者の親指は、前記リッジの上に達し、1対の溝(74,76)の一方中に位置し得るように、この上面は、前記主前側軸に対して平行に延びた前記リッジの対向した両側に形成された前記1対の溝(74、76)を有し、
ボディの前記中間部は、使用者の人差し指(I)が底面(22)に対して容易に添えることが可能であるような、前記ボディの下方側にある横軸(66)を中心として湾曲した前記底面(22)を有する、請求項1の電気コネクタ。
【請求項3】
ボディの前記底面は、この底面の下方側へ1/2乃至2インチ(約1.27乃至5.08センチメートル)離された横軸(66)を中心として湾曲した湾曲領域を有する、請求項1の電気コネクタ。
【請求項4】
ボディの前記中間部は、直径1.75乃至2.75インチ(約4.45乃至6.98センチメートル)の円(70)上にある円形下部の半円を有する、請求項1の電気コネクタ。
【請求項5】
手で把持し電気レシーバに挿入されるような電気コネクタであって、
前部及び後部(42、44)を有し、
この前部は、主前側軸(60)を有し、
前記後部は、前記主前側軸に対して約45°下方及び後方へ延びている後方軸を有するボディと、
このボディの前記後部の後端からこの後方軸に沿って延びた前端部を有する電気ケーブル(12)と、を具備し、
前記ボディは、前記前部及び後部の間にあるボディの中間部(46)を有し、
この中間部は、片手で電気コネクタを把持するように使用者がボディの前記中間部の周囲で180°以上を親指及び人差し指で包むことが可能である幅及び高さを有する、電気コネクタ。
【請求項6】
前記ボディに装着され、このボディの前記中間部及び後部の頂上(33)にある押し下げることが可能な掌用のパッド(30)と、
前記電気レシーバに係合し、且つ前記掌用のパッドの押し下げによって動作されるように前記掌用のパッドに連結されたラッチ(32)と、
を有する、請求項5の電気コネクタ。
【請求項7】
前記主前側軸に対して夫々平行に延びたリッジ及び溝を有するボディの前記前部は、直立したリッジ(72)と、
前記リッジの対向した両側に形成された溝(74、76)と、を形成している頂上を有する、請求項5の電気コネクタ。
【請求項8】
ボディの前記中間部は、前記主前側軸に対して垂直に、且つ直角に交わる横軸(66)、即ち底面の約1インチ(約2.54センチメートル)下方側にある横軸を中心として湾曲された前記底面(22)を有する、請求項5の電気コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−134123(P2012−134123A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−159560(P2011−159560)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(505194077)アイティーティー マニュファクチャリング エンタープライジーズ エルエルシー (114)
【Fターム(参考)】