説明

充電コネクタ

【課題】半嵌合状態を検知することができる充電コネクタを提供する。
【解決手段】充電コネクタ100は、本体部1に対して軸13を中心に揺動自在に支持される第1揺動アーム10と、挿入部2から突出可能な抜け止めフック11と、抜け止めフック11が突出するように付勢する第1付勢部材12とを備える。また、第1揺動アーム10の後端部16に当接して、第1揺動アーム10を第1付勢部材12による付勢方向とは逆方向に揺動させる押当部32を有するスライド棒30を備える。さらに、第1揺動アーム10の揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチ81と、スライド棒30のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチ82とを備える。そして、これら第1スイッチ81及び第2スイッチ82が、当該充電コネクタ100と装置側インレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路の途中に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池を備える装置のインレットに接続し、充電器から装置の蓄電池に充電するための充電コネクタに関する。特に、半嵌合状態を検知することができる充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、蓄電池(バッテリー)を搭載し、その電力でモータを駆動して走行する電動車両(代表的には、電気自動車)の普及が進められており、電気自動車のインフラ整備として充電器の拡充が図られている。また、電気自動車の普及に向け、電気自動車用急速充電器の規格化が進められている(例、日本電動車両規格(JEVS:Japan Electric Vehicle Standard))。
【0003】
充電器の充電コネクタに関する技術が、例えば特許文献1に記載されている。この充電コネクタの使用方法は、充電コネクタの先端部を車両側インレットに差し込み、その後さらに、充電コネクタのレバーを握ることで、車両側インレットへの嵌合を完了する。このとき、充電コネクタを差し込むことで、先端部の外周面からフックが突出し、車両側インレットの内周面に設けられた凹部に係合して、充電コネクタと車両側インレットとが係止される。また、嵌合状態において、所謂ソレノイド(電磁コイルとプランジャとバネとを備える機構部品)の通電駆動により解除レバーをロックすることで、充電中に誤って解除レバーが操作されることを防止する。一方、充電コネクタを車両側インレットから取り外すときは、充電終了により、ソレノイドへの通電が停止され解除レバーのロックが解除される。次いで、解除レバーを操作して、車両側インレットの内周面の凹部に係合するフックを引っ込め、係合を解除した状態で、充電コネクタを車両側インレットから引き抜く(特許文献1(段落0023−0026)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−192802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
充電コネクタには、安全性や操作性に優れることが望まれる。しかし、上記した特許文献1に記載されるような従来の充電コネクタは、次のような課題がある。
【0006】
充電器の充電コネクタを車両側インレットに差し込んで嵌合させるとき、充電コネクタの車両側インレットへの差し込みが不十分(不完全)であると、充電コネクタのフックが車両側インレットの凹部に正常に係合しない。その結果、充電コネクタと車両側インレットとの嵌合が不完全な状態(半嵌合状態)が起こり得る。しかし、充電コネクタと車両側インレットとの機械的接続が不完全な半嵌合状態であっても、充電コネクタと車両側インレットとの間で端子同士の電気的接続が確立されていれば、充電を開始することができる。そのため、使用者が不慣れな場合など、車両側インレットとの機械的接続が確実に行われたかどうかを十分に確認せず、充電コネクタが半嵌合状態のまま充電を開始してしまうことがあり、充電中に充電コネクタが車両側インレットから抜け落ちることがある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、半嵌合状態を検知することができる充電コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の充電コネクタは、蓄電池を備える装置のインレットに接続して充電器から装置の蓄電池に充電するためのものであり、本体部とこの本体部の先端側に設けられる挿入部とを備える。この挿入部は、装置のインレットに差し込まれる。そして、本発明の充電コネクタは、第1揺動アームと、抜け止めフックと、第1付勢部材と、解除部材と、信号線路と、第1スイッチとを備えることを特徴とする。上記第1揺動アームは、本体部側から挿入部側に亘って延設され、本体部に対して支点を基準として揺動自在に支持される。上記抜け止めフックは、第1揺動アームにおける支点より挿入部側の前方部分に設けられ、挿入部から突出可能である。上記第1付勢部材は、抜け止めフックが突出するように第1揺動アームを付勢する。上記解除部材は、第1揺動アームの前方部分とは反対側の後方部分に当接して、第1揺動アームを第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させる押当部を有する。上記信号線路は、当該充電コネクタとインレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる。第1スイッチは、信号線路の途中に設けられ、第1揺動アームの揺動動作に応じて接点が開閉する。
【0009】
本発明の充電コネクタによれば、信号線路の途中に、第1揺動アームの揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチを備えることで、抜け止めフックが挿入部から装置側インレットの凹部に突出せず係合していない半嵌合状態を検知することができる。よって、装置側インレットとの電気的接続が確立されていても、機械的接続が不完全な半嵌合状態の場合は、充電器からの充電を禁止(中止)することができる。
【0010】
例えば、電気自動車用急速充電器では、車両と通信して、蓄電池の充電を行うように設計されており、充電コネクタには通常、給電用の端子の他、信号用の端子及び接地用の端子などを有している。そして、充電コネクタは、車両側インレットと電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路を備える。例えば、信号用端子には、充電コネクタを車両側インレットに差し込んで接続した際に、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認端子として機能するものがある。この端子は、車両側インレットの対応する端子との接触により電気的接続が確立されることで接続確認信号が流れる接続確認信号線路を構成する。また、充電コネクタには、ソレノイドを有する場合、充電器からこのソレノイドに通電するための回路が形成されている。この回路は、ソレノイドに通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路を構成する。本発明において、信号線路は、充電コネクタとインレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる線路であればよく、特に限定されるものではない。
【0011】
本発明の充電コネクタを装置側インレットに差し込んで蓄電池を充電する際の動作例を説明する。例えば、第1揺動アームの揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチは、抜け止めフックが突出しない揺動位置では開状態となり、抜け止めフックが突出する揺動位置では閉状態となるように構成されている。そして、挿入部をインレットに差し込む前は、抜け止めフックが第1付勢部材により挿入部から突出しており、第1スイッチが閉状態となるが、充電コネクタとインレットとは電気的に接続されていない。次に、挿入部をインレットに差し込むと、抜け止めフックがインレットの内周面に当接して押し込まれることで、第1スイッチが開状態となる。この状態は、最終的に挿入部がインレットの奥まで完全に差し込まれるまでの間、即ち充電コネクタのインレットへの差し込み中において、維持される。この状態で、充電コネクタとインレットとが電気的に接続されたとしても、第1スイッチが開状態のため、信号線路が開状態となる。次に、挿入部をインレットの奥まで完全に差し込むと、抜け止めフックがインレットの内周面に設けられた凹部に対応する位置に位置して、第1付勢部材により挿入部から突出することで、第1スイッチが閉状態となり、このとき、信号線路も閉状態となる。そのため、信号線路の状態を監視することで、抜け止めフックがインレットの凹部に突出せず係合していない半嵌合状態を検知することができる。よって、充電コネクタが半嵌合状態の場合は、充電器からの充電を禁止(中止)することができ、安全性が高い。換言すれば、装置側インレットとの接続が機械的・電気的に確実に行われている場合のみ充電器からの充電を許可することができる。
【0012】
一方、本発明の充電コネクタを装置側インレットから引き抜くときは、抜け止めフックと装置側インレットの凹部との係合を解除して行う。具体的には、解除部材の押当部を第1揺動アームの後方部分に当接させ、第1揺動アームを揺動させることにより抜け止めフックを引っ込めることで、抜け止めフックと装置側インレットの凹部との係合を解除する。このとき、第1スイッチは開状態となり、信号線路も開状態となる。そして、抜け止めフックと装置側インレットの凹部との係合を解除した状態で、充電コネクタを装置側インレットから引き抜くことで、インレットとの電気的接続が解除される。
【0013】
本発明の充電コネクタの一形態としては、ソレノイドと、押え片とを備える構成が挙げられる。上記ソレノイドは、プランジャを有し、通電時にプランジャを一方向に移動させ、非通電時にプランジャを元の位置に復帰させる。上記押え片は、プランジャに連動して、第1揺動アームの前方部分に設けられた抜け止めフックが突出する側とは反対側の面に当接するように進出する。
【0014】
この構成によれば、ソレノイドのプランジャに連動して、押え片が第1揺動アームの前方部分に当接するように進出する。そして、抜け止めフックが挿入部から突出した状態で、ソレノイドにより押え片が第1揺動アームの前方部分に当接するように進出することで、抜け止めフックが挿入部から引っ込まないように、第1揺動アームの揺動を規制することができる。つまり、抜け止めフックが挿入部から引っ込むことを直接的に防止することができる。そのため、使用者が充電中に誤って解除部材を操作したり、衝撃や振動、或いは抜け止めフックを突出させる第1付勢部材が破損するなどのトラブルが生じても、抜け止めフックが引っ込むことがなく、抜け止めフックと装置側インレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止することができる。よって、例えば充電中に、装置側インレットから充電コネクタが不用意に抜けることがなく、安全性に優れる。
【0015】
本発明の充電コネクタの一形態としては、上記信号線路は、当該充電コネクタと上記インレットとが電気的に接続されることで形成され、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる接続確認信号線路である構成が挙げられる。
【0016】
信号線路としては、接続確認信号線路を利用することができ、この信号線路に第1スイッチを設けることで、第1スイッチが開状態、即ち半嵌合状態のときは、この信号線路が開状態となる。よって、この信号線路の状態を監視することにより、半嵌合状態を検知することができ、この場合、接続確認信号線路が開状態となるので、例えばコネクタの未接続状態として判断することが可能である。この接続確認信号線路は、充電コネクタを装置側インレットに接続して、充電コネクタと装置側インレットとが電気的に接続されることで形成される。
【0017】
本発明の充電コネクタの一形態としては、上記信号線路は、充電器から上記ソレノイドに通電する回路を形成し、上記ソレノイドに通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路である構成が挙げられる。
【0018】
信号線路としては、ソレノイド駆動信号線路を利用することができ、この信号線路に第1スイッチを設けることで、第1スイッチが開状態、即ち半嵌合状態のときは、この信号線路が開状態となる。よって、この信号線路の状態を監視することにより、半嵌合状態を検知することができ、この場合、ソレノイド駆動信号線路が開状態となるので、例えばソレノイド駆動信号線路の断線状態として判断することが可能である。このソレノイド駆動信号線路には、装置側インレットとの電気的接続状態の確認後、コネクタの接続状態(装置側インレットと電気的に接続されている場合)において、例えば充電器の充電開始操作により、ソレノイドに通電する駆動信号が流れる。つまり、ソレノイド駆動信号線路も、充電コネクタと装置側インレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路である。
【0019】
本発明の充電コネクタの一形態としては、上記解除部材がスライド棒であり、第2揺動アームと、突起部と、第2付勢部材とを備える構成が挙げられる。上記第2揺動アームは、本体部側から挿入部側に向かって延設され、本体部に対して支点を基準として揺動自在に支持される。上記突起部は、第2揺動アームにおける支点より挿入部側の前方部分に設けられ、本体部と挿入部との境界から突出可能である。上記第2付勢部材は、突起部が突出するように第2揺動アームを付勢する。上記スライド棒は、第1揺動アームの延設方向に平行し、かつ、第1揺動アームの後方部分よりさらに後方に向かって延設され、その延設方向にスライド移動可能である。また、このスライド棒は、スライド棒を後退させる方向に付勢する第3付勢部材と、第2揺動アームの後方部分に当て止めされ、第3付勢部材による後退を阻止する当止部とを有する。そして、挿入部が上記インレットに差し込まれたとき、上記インレットの内周面に設けられた凹部に抜け止めフックが突出して係止されると共に、上記インレットの周縁に突起部が当接して押し込まれて、当止部と第2揺動アームとの当止状態が解除され、スライド棒が後退限まで後退する。
【0020】
この構成によれば、本体部と挿入部との境界から突出可能な突起部を備えることで、挿入部が装置側インレットの奥まで差し込まれたか否かを確認することができ、以て、装置側インレットへの差し込みを確実に行うことができる。具体的には、挿入部が装置側インレットに差し込まれる前は、スライド棒の当止部が第2揺動アームの後方部分に当て止めされ、第3付勢部材によるスライド棒の後退が阻止されており、スライド棒が第2揺動アーム側、即ち挿入部側にスライドした(押し込まれた)状態で固定される。そして、挿入部が装置側インレットの奥まで差し込まれると、装置側インレットの周縁に突起部が当接して押し込まれ、それにより第2揺動アームが揺動して、当止部と第2揺動アームとの当止状態が解除されるので、スライド棒が後退限まで後退する。ここで、挿入部が装置側インレットの奥まで差し込まれ、装置側インレットへの差し込みが確実に行われると、抜け止めフックが装置側インレットの凹部に突出して係合することから、充電コネクタと装置側インレットとの機械的接続が確実に行われ、充電コネクタの半嵌合が防止される。よって、スライド棒が後退限まで後退したか否かによって、挿入部が装置側インレットの奥まで差し込まれたかどうかを確認することができ、装置側インレットへの差し込みを確実に行うことができる。
【0021】
一方、抜け止めフックと装置側インレットの凹部との係合を解除するときは、スライド棒を第3付勢部材の付勢に抗して前進、即ち挿入部側にスライドさせることで、スライド部材の押当部を第1揺動アームの後方部分に当接させ、第1揺動アームを揺動させることにより抜け止めフックを引っ込める。
【0022】
上記したスライド棒を備える充電コネクタの一形態としては、上記スライド棒が後退限まで後退したことを表示する表示部を備える構成が挙げられる。
【0023】
この構成によれば、表示部を備えることで、スライド棒が後退限まで後退したことを使用者が容易に判別することができ、装置側インレットへの差し込みが確実に行われたか否かを容易に確認することができる。表示部は、スライド棒が後退限まで後退したことを表示するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、文字、図形、記号などで表示したり、色によって表示したりすることが挙げられる。また、ライト(例えばLED)を点灯又は点滅表示してもよい。さらに、このような視覚的表示の他、例えば、音や音声で聴覚的に表示してもよい。
【0024】
上記したスライド棒を備える充電コネクタの一形態としては、上記信号線路の途中に設けられ、上記スライド棒のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチを備える構成が挙げられる。
【0025】
この構成によれば、信号線路の途中に、スライド棒のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチを備えることで、スライド棒がスライド操作されたことを検知することができる。よって、充電中、使用者が充電器の充電中止操作する前に、誤ってスライド棒を操作して充電コネクタを装置側インレットから引き抜こうとしたとき、充電器からの充電を中止することができる。
【0026】
例えば、スライド棒のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチは、第3付勢部材の付勢に抗したスライド位置では開状態となり、スライド棒が後退限まで後退したスライド位置では閉状態となるように構成されている。そして、充電中、即ち挿入部が装置側インレットに差し込まれてスライド棒が後退限まで後退した状態では、第2スイッチが閉状態となり、信号線路も閉状態となっている。このとき、使用者が充電コネクタを装置側インレットから引き抜こうとしてスライド棒を前進させると、第2スイッチが開状態となり、信号線路も開状態となる。そのため、信号線路の状態を監視することで、スライド棒がスライド操作されたことを検知することができる。よって、充電中、使用者が充電コネクタを装置側インレットから引き抜こうとしたとき、充電器からの充電を中止することができる。例えば、電気自動車用急速充電器では、直流高電圧により充電を行うため、通電が終了される前に充電コネクタが引き抜かれると、感電などの虞があり危険である。本発明では、上記した第1スイッチを設けることで安全性を確保することができるが、このような第2スイッチを設けることで、スライド棒のスライド操作(充電コネクタの引き抜き操作)をより早く検知することができ、より安全性を高めることが可能である。
【0027】
上記した第2スイッチを備える充電コネクタの一形態としては、上記信号線路として、接続確認信号線路と、ソレノイド駆動信号線路とを備える。そして、上記第1スイッチと上記第2スイッチとが、接続確認信号線路又はソレノイド駆動信号線路のうち、同じ信号線路に設けられている構成が挙げられる。上記接続確認信号線路は、当該充電コネクタと上記インレットとが電気的に接続されることで形成され、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる。上記ソレノイド駆動信号線路は、充電器から上記ソレノイドに通電する回路を形成し、上記ソレノイドに通電する駆動信号が流れる。
【0028】
この構成は、接続確認信号線路と、ソレノイド駆動信号線路とを備える場合において、第1スイッチと第2スイッチとを同じ信号線路に設けており、いずれか一方のスイッチが開状態のとき、同じ信号線路が開状態となる。
【0029】
上記した第2スイッチを備える充電コネクタの一形態としては、上記信号線路として、上記接続確認信号線路と、上記ソレノイド駆動信号線路とを備える。そして、上記第1スイッチと上記第2スイッチとが、接続確認信号線路又はソレノイド駆動信号線路のうち、異なる信号線路に設けられている構成が挙げられる。
【0030】
この構成は、接続確認信号線路と、ソレノイド駆動信号線路とを備える場合において、第1スイッチと第2スイッチとを異なる信号線路に設けており、いずれか一方のスイッチが開状態のとき、一方の信号線路が開状態となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の充電コネクタは、信号線路の途中に、第1揺動アームの揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチを備えることで、抜け止めフックが挿入部から装置側インレットの凹部に突出せず係合していない半嵌合状態を検知することができる。よって、装置側インレットとの電気的接続が確立されていても、機械的接続が不完全な半嵌合状態の場合は、充電器からの充電を禁止(中止)することができ、安全性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施の形態1に係る車両用充電コネクタを模式的に示す左後方斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る車両用充電コネクタを模式的に示す要部拡大上面図である。
【図3】実施の形態1に係る車両用充電コネクタの内部構造を模式的に示す左側面図である。
【図4】実施の形態1に係る車両用充電コネクタの内部構造を模式的に示す左後方斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る車両用充電コネクタの内部構造を模式的に示す右後方斜視図である。
【図6】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の初期状態を模式的に示す要部拡大左側面図である。
【図7】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の初期状態を模式的に示す要部拡大右側面図である。
【図8】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の半嵌合状態を模式的に示す要部拡大左側面図である。
【図9】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の一状態を模式的に示す要部拡大左側面図である。
【図10】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の一状態を模式的に示す要部拡大右側面図である。
【図11】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構の別の状態を模式的に示す要部拡大左側面図である。
【図12】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける嵌合機構のさらに別の状態を模式的に示す要部拡大左側面図である。
【図13】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおけるスライドスイッチの状態を説明するために模式的に示す要部拡大上面図であり、(A)は初期状態でのスライドスイッチの位置を示し、(B)は後退限まで後退した状態でのスライドスイッチの位置を示す。
【図14】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける差し込み操作時の信号線路の状態を示す模式図であり、(A)は差し込み前、(B)は差し込み途中、(C)は差し込み完了のそれぞれの状態を示す。
【図15】実施の形態1に係る車両用充電コネクタにおける引き抜き操作時の信号線路の状態を示す模式図である。
【図16】充電器からソレノイドに通電するための回路の模式図である。
【図17】充電器からソレノイドに通電するための回路のソレノイド駆動信号線路に第1スイッチを設けた場合の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。なお、ここでは、蓄電池を備える装置が電動車両(具体的には、電気自動車)であり、充電コネクタが車両用充電コネクタである場合を例として説明する。また、図中、同一符号は同一部分を示す。
【0034】
(実施の形態1)
図1に示す車両用充電コネクタ(以下、単に「充電コネクタ」と呼ぶ場合がある)100は、図示しない電気自動車のインレット(車両側インレット)に接続して、電気自動車の蓄電池に充電するために利用される。この充電コネクタ100は、図示しない充電器から延びるケーブル200の先端に取り付けられ、二つ割れのアルミ合金製カバー(右カバーと左カバー)で外装されている。充電コネクタ100は、L字状の本体部1と、本体部1の先端に設けられる挿入部2と、本体部1の背面に形成されるハンドル部3とを備え、本体部1の後端からケーブル200が導入されている。本体部1の先端側(挿入部2側)には、外方(上方)に膨出する突出部6が形成されている。挿入部2は、車両側インレットに差し込まれる部分であり、この挿入部2の外周面(上面)に切欠き41が形成されると共に、この切欠き41により抜け止めフック11が外周面(上面)から突出している(図2参照)。この抜け止めフック11は、突出部6に左右方向に設けられた軸挿通部63に挿通された軸13を支点として本体部1に対して揺動自在に支持される第1揺動アーム10(後述)の先端部に設けられている。ハンドル部3は、C字状であり、一端側が本体部1の上面に沿って延長するように形成され、他端側が本体部1の後端に連結されている。このハンドル部3の上面にはスライドスイッチ4の一部が露出するように配置され、ハンドル部3の背面下方にはLEDランプ5が埋め込まれている。
【0035】
充電コネクタ100の内部構造を、図3〜7を用いて説明する。図3、4、6は左カバーを、図5、7は右カバーをそれぞれ取り外した状態であり、いずれの図も充電コネクタ100を車両側インレットに差し込んで嵌合させる前の状態(初期状態)を示している。図3〜5に示すように、本体部1には、ケーブル200が配設されると共に、後述する機械部品や機構部品が格納されている。また、挿入部2には、端子(図示せず)が格納されており、端子は端子ケース70に収納されている。以下、充電コネクタ100における車両側インレットに嵌合させるための嵌合機構、並びに、半嵌合状態を検知するための半嵌合検知機構について説明する。なお、端子は、例えばJEVS G 105-1993などの規格に準拠した端子配列となっており、ここでは説明を省略する。
【0036】
充電コネクタ100は、第1揺動アーム10と、抜け止めフック11と、第1付勢部材12とを備える(図3、4、6参照)。第1揺動アーム10は、本体部1側から挿入部2側に亘って延設され、突出部6に設けられた軸挿通部63(図1参照)に挿通された軸13を支点として本体部1に対して揺動自在に支持される。抜け止めフック11は、第1揺動アーム10における軸13より挿入部2側の前方部分(先端部)に設けられ、挿入部2から突出可能である。第1付勢部材12は、抜け止めフック11が突出するように第1揺動アーム10を付勢する。
【0037】
この例では、第1揺動アーム10は、平板状の部材であり、長手方向の中間部に軸13が挿通される軸孔が形成されており、この軸13を中心に揺動自在に支持されている。軸13は、抜け止めフック11が設けられた第1揺動アーム10の先端部上面より上方に位置している。
【0038】
抜け止めフック11は、第1揺動アーム10の先端部に一体に設けられており、第1揺動アーム10の揺動により、挿入部2に形成された切欠き41(図2参照)から挿入部2の径方向外方(上方)に突出可能である。抜け止めフック11は、第1揺動アーム10における先端部の上面から突出し、第1揺動アーム10の先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている。この抜け止めフック11は、挿入部2が車両側インレットの奥まで差し込まれたとき、車両側インレットの内周面に設けられた凹部に対応する位置に位置する。また、この抜け止めフック11は、後述する第2揺動アーム20に設けられた突起部21よりも挿入部2の前方側に位置する。一方、第1揺動アーム10の前方部分とは軸13を挟んで反対側の後方部分は、一部がL字状に屈曲し、本体部1の径方向内方(下方)に突出する後端部16と、側方に膨出する張出部17とが形成されている(図3、4、6参照)。
【0039】
またこの例では、第1付勢部材12に捻じりバネを利用している(図4参照)。具体的には、捻じりバネ12を軸13に同心状に配置し、捻じりバネ12の一端を第1揺動アーム10に固定し、他端を本体部1に固定する。そして、第1揺動アーム10の先端部に設けられた抜け止めフック11が挿入部2から突出するように、第1揺動アーム10を揺動(回動)させる方向に付勢するように捻じりバネ12を取り付けている。第1揺動アーム10の第1付勢部材12による揺動は、第1揺動アーム10の前方部分が本体部1の内周面に当接するまで許容される。
【0040】
さらにこの例では、第1揺動アーム10の前方部分の中央部に貫通部14が形成されている(図4、5参照)。この例では、第1揺動アーム10における前方部分の中央部に貫通部14が形成され、貫通部14は貫通孔である。貫通部としては貫通孔以外にも、例えば、第1揺動アーム10の前方部分の一部を切欠いた切欠きであってもよい。
【0041】
この例の充電コネクタ100は、第2揺動アーム20と、突起部21と、第2付勢部材22とを備える(図5、7参照)。第2揺動アーム20は、本体部1側から挿入部2側に向かって延設され、本体部1に固定された軸23を支点として本体部1に対して揺動自在に支持される。突起部21は、第2揺動アーム20における軸23より挿入部2側の前方部分(先端部)に設けられ、本体部1と挿入部2との境界から突出可能である。第2付勢部材22は、突起部21が突出するように第2揺動アーム20を付勢する。
【0042】
この例では、第2揺動アーム20は、棒状の部材であり、長手方向の中間部に軸23が挿通される孔が形成されており、この軸23を中心に揺動自在に支持されている。つまり、第1揺動アーム10と第2揺動アーム20とは、異なる軸13,23に支持されている。また、第1揺動アーム10と第2揺動アーム20とは、左右に並列に配置されている。
【0043】
突起部21は、第2揺動アーム20の先端部に一体に設けられており、挿入部2に形成された切欠き42(図2参照)から挿入部2の径方向外方(上方)に突出可能である。突起部21は、第2揺動アーム20における前方部分の先端部の上面から突出し、第2揺動アーム20の先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている。この突起部21は、挿入部2が車両側インレットに奥まで差し込まれたとき、車両側インレットの周縁に当接する位置に位置する。一方、第2揺動アーム20の前方部分とは軸23を挟んで反対側の後方部分は、L字状に屈曲し、後端部が本体部1の径方向内方(下方)に突出している。
【0044】
またこの例では、第2付勢部材22に捻じりバネを利用している(図5参照)。具体的には、捻じりバネ22を軸23に同心状に配置し、捻じりバネ22の一端を第2揺動アーム20に固定し、他端を本体部1に固定する。そして、第2揺動アーム20の先端部に設けられた突起部21が挿入部2から突出するように、第2揺動アーム20を揺動(回動)させる方向に付勢するように捻じりバネ22を取り付けている。第2揺動アーム20の第2付勢部材22による揺動は、第2揺動アーム20の前方部分が本体部1の内周面に当接するまで許容される。
【0045】
また、充電コネクタ100は、第1揺動アーム10を第1付勢部材12による付勢方向とは逆方向に揺動させ、抜け止めフック11と車両側インレットの凹部との係合を解除する解除部材(ここでは、スライド棒30)を備える。スライド棒30は、第1揺動アーム10の延設方向に平行し、かつ、第1揺動アーム10の後方部分よりさらに後方に向かって延設され、その延設方向にスライド移動可能である。そして、このスライド棒30は、第1揺動アーム10の後方部分に当接して、第1揺動アーム10を第1付勢部材12による付勢方向とは逆方向に揺動させる押当部32を有する。
【0046】
この例では、スライド棒30の先端部に押当部32が設けられており、反対側の後端部にスライドスイッチ4が連結されている。押当部32は、スライド棒30の先端部の上面から突出し、先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている(図3、6、7参照)。押当部32は、スライド棒30(スライドスイッチ4)が挿入部2側(前方)に前進したとき、第1揺動アーム10の後端部16に当接し、第1揺動アーム10の後端部16を押し上げることで、第1揺動アーム10を第1付勢部材12による付勢方向とは逆方向に揺動させることができる。これにより、抜け止めフック11を下降させ、抜け止めフック11を挿入部2から引っ込めることで、抜け止めフック11と車両側インレットの凹部との係合を解除する。
【0047】
またこの例では、スライド棒30を後退させる方向に付勢する第3付勢部材31を備えると共に、スライド棒30は、第2揺動アーム20の後方部分に当て止めされ、第3付勢部材31による後退を阻止する当止部33を有する。
【0048】
当止部33は、スライド棒30の先端部に設けられた押当部32から第2揺動アーム20側に向かって突出する片状に形成されており、先端側に向かって傾斜する上面を有する(図5、7参照)。スライド棒30が前進したとき、当止部33の上面が傾斜しているので、第2揺動アーム20の後端部を押し上げて通過できる。図7に示すように、当止部33が第2揺動アーム20の後端部に当て止めされることで、第3付勢部材31による付勢に抗して、スライド棒30の後退が阻止される。つまり、スライド棒30(スライドスイッチ4)が第2揺動アーム20側、即ち挿入部2側にスライドした(押し込まれた)状態で固定される。そして、挿入部2が車両側インレットの奥まで差し込まれたとき、車両側インレットの周縁に第2揺動アーム20の先端部に設けられた突起部21が当接して押し込まれて、第2揺動アーム20の後端部が上昇するように第2揺動アーム20が揺動する。これにより、当止部33と第2揺動アーム20との当止状態が解除され、スライド棒30が第3付勢部材31による付勢により後退限まで後退する。
【0049】
ここでは、第3付勢部材31に圧縮バネを利用している。具体的には、圧縮バネ31の一端を本体部1に固定された支持板43に固定し、他端をスライドスイッチ4に固定する。そして、スライド棒30(スライドスイッチ4)を後退方向、即ち挿入部2側とは反対側方向に付勢するように圧縮バネ31を取り付けている。
【0050】
また、スライド棒30の後端部の下面には、本体部1の径方向内方(下方)に突出するトリガー部34が形成されている。
【0051】
この例の充電コネクタ100は、ソレノイド50を備える。このソレノイド50は、プランジャ51を有し、通電駆動時に内蔵された電磁コイル(図示せず)によりプランジャ51を一方向に移動させ、非通電時に内蔵されたバネ(図示せず)によりプランジャ51を元の位置に復帰させる。この例では、ソレノイド50が、第1揺動アーム10の後方で、かつ第2揺動アーム20の仮想延長上とはスライド棒30を挟んで反対側であって、スライド棒30に並列に配置されている(図4、5参照)。また、プランジャ51が挿入部2側に向かって第1揺動アーム10の延設方向と平行(ここでは、水平方向)に移動する。初期状態では、非通電となっている。プランジャ51の移動方向側の先端には、連結部52が取り付けられ、その先端部に押え片53(図6参照)が設けられている。連結部52は、プランジャ51の移動方向側に延びる板状片と、この板状片の先端側から上方に突出すると共に、第1揺動アーム10の前方部分の下方に延びる屈曲部とを有する(図4、6参照)。そして、連結部52の屈曲部先端に挿入部2(抜け止めフック11)側に延びる押え片53が設けられている(図6参照)。
【0052】
この押え片53は、ソレノイド50が非通電状態、即ちプランジャ51が元の位置にある状態では、第1揺動アーム10の前方部分に形成された貫通部14に臨む位置に位置し、抜け止めフック11が押し込まれたとき、第1揺動アーム10に形成された貫通部14に遊嵌状態で挿通される。一方、抜け止めフック11が挿入部2から突出した状態(例えば、車両側インレットの凹部に係合した状態)で、ソレノイド50が通電駆動され、プランジャ51が挿入部2側に向かって移動すると、押え片53は、抜け止めフック11側に進出し、第1揺動アーム10の前方部分における抜け止めフック11が突出する側とは反対側の下面に当接する位置に位置する。このとき、押え片53は、第1揺動アーム10に形成された貫通部14から位置ずれする。そして、第1揺動アーム10の前方部分が押え片53に当接することで、抜け止めフック11が挿入部2から引っ込まないように、第1揺動アーム10の揺動が規制される。つまり、抜け止めフック11が挿入部2から突出した状態が維持される。またこの例では、押え片53は、第1揺動アーム10の前方部分の下面に当接する位置に進出し易いように、先端に向かって薄くなるテーパ状になっており、先端角部も丸められている。
【0053】
さらに、充電コネクタ100は、第1揺動アーム10の揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチ81と、スライド棒30のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチ82とを備える。第1スイッチ81は、抜け止めフック11が突出しない第1揺動アーム10の揺動位置では開状態となり、抜け止めフック11が挿入部2から突出する第1揺動アーム10の揺動位置では閉状態となるように構成されている。一方、第2スイッチ82は、スライド棒30が第3付勢部材31の付勢に抗したスライド位置(例えば、挿入部2側にスライドした位置)では開状態となり、スライド棒30が後退限まで後退したスライド位置では閉状態となるように構成されている。
【0054】
この例では、第1スイッチ81にアクチュエータがスプリング短押ボタン形のマイクロスイッチを利用している。具体的には、第1スイッチ81を第1揺動アーム10の張出部17の下方に配置している。そして、抜け止めフック11が挿入部2から突出する第1揺動アーム10の揺動位置では、張出部17が第1スイッチ81のボタンを押し、抜け止めフック11が押し込まれて突出しない第1揺動アーム10の揺動位置では、張出部17が第1スイッチ81のボタンから離れるように、第1スイッチ81を取り付けている。一方、第2スイッチ82にはアクチュエータがヒンジ・ローラ・レバー形のマイクロスイッチを利用している。具体的には、第2スイッチ82をスライド棒30のトリガー部34の下方に配置している。そして、スライド棒30が後退限まで後退したスライド位置では、トリガー部34が第2スイッチ82のレバーを押し、スライド棒30が第3付勢部材31の付勢に抗したスライド位置では、トリガー部34が第2スイッチ82のレバーから離れるように、第2スイッチ82を取り付けている。これら第1スイッチ81及び第2スイッチ82は、後述する信号線路の途中に設けられる。
【0055】
また、充電コネクタ100は、車両側インレットと電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路(図示せず)を備え、信号線路として、充電コネクタ100と車両側インレットとの電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる接続確認信号線路と、ソレノイド50に通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路とを有する。接続確認信号線路は、充電コネクタ100と車両側インレットとが電気的に接続されることで形成され、一方のソレノイド駆動信号線路は、充電器からソレノイド50に通電する回路を形成する。そして、この例では、上記第1スイッチ81及び第2スイッチ82が接続確認信号線路に設けられている。
【0056】
次に、充電コネクタ100における車両側インレットへの差し込み操作、及び車両側インレットからの引き抜き操作での嵌合機構の動作について、主に図6〜13を用いて詳しく説明する。また、各操作での半嵌合検知機構の動作(具体的には、上記第1スイッチ81及び第2スイッチ82の動作、並びに、信号線路の状態)についても、図14、15を用いて併せて説明する。
【0057】
まず、挿入部2を差し込む前の初期状態では、抜け止めフック11及び突起部21が第1付勢部材12及び第2付勢部材22による付勢により挿入部2から突出している(図6、7参照)。また、当止部33が第2揺動アーム20の後端部に当て止めされることで、第3付勢部材31による付勢に抗して、スライド棒30の後退が阻止されている。そのため、スライド棒30の後端部に連結されているスライドスイッチ4が挿入部2側にスライドした(押し込まれた)状態で固定される。
【0058】
ここで、スライドスイッチ4が摺動するカバーの上面において、スライドスイッチ4が押し込まれた状態では露出し、かつスライドスイッチ4が後退限まで後退したときは露出しない箇所は、表示部45に利用することができる(図4、5参照)。例えば、この表示部45に周囲と異なる色を塗装することで、色によってスライドスイッチ4が押し込まれた状態、即ち当止部33が第2揺動アーム20の後端部に当て止めされていることにより、スライド棒30の後退が阻止されている状態であることを視覚的に容易に判別することができる(図13(A)参照)。
【0059】
このとき、第1スイッチ81は、第1揺動アーム10の揺動位置が抜け止めフック11が挿入部2から突出する位置であることから、第1揺動アーム10の張出部17によりボタンが押され、閉状態となる。ただし、図14(A)に示すように、充電コネクタ100の端子100tと車両側インレット300の端子300tとが接触しておらず、充電コネクタ100と車両側インレット300とが電気的に接続されていないため、信号線路C(ここでは、接続確認信号線路)は開状態である。また、第2スイッチ82は、スライド棒30が挿入部2側にスライドした状態で固定されていることから、スライド棒30のトリガー部34によりレバーが押されず、開状態となる。
【0060】
〈差し込み操作〉
挿入部2を車両側インレットに差し込むと、まず、抜け止めフック11が車両側インレットの内周面に当接し、第1付勢部材12による付勢に抗して、抜け止めフック11が押し込まれる(図8参照)。抜け止めフック11は傾斜面を有するので、挿入部2から突出していても、車両側インレットに挿入し易い。この状態は、充電コネクタ100の差し込み中の状態であり、抜け止めフック11が車両側インレットの凹部に突出せず係合していない半嵌合状態である。
【0061】
このとき、第1スイッチ81は、抜け止めフック11が押し込まれて第1揺動アームの揺動位置が抜け止めフック11が挿入部2から突出しない位置であることから、第1揺動アーム10の張出部17によりボタンが押されず、開状態となる。この状態で、図14(B)に示すように、充電コネクタ100の端子100tと車両側インレット300の端子300tとが接触し、充電コネクタ100と車両側インレット300とが電気的に接続されたとしても、第1スイッチ81が開状態のため、信号線路Cは開状態となる。つまり、車両側インレット300との電気的接続が確立されていても、機械的接続が不完全な半嵌合状態の場合は、信号線路Cは開状態となる。また、第2スイッチ82は、スライド棒30が挿入部2側にスライドしていることから、スライド棒30のトリガー部34によりレバーが押されず、開状態となる。
【0062】
次いで、挿入部2を車両側インレットの奥まで差し込むと、抜け止めフック11が車両側インレットの内周面に設けられた凹部に対応する位置に位置することになり、第1付勢部材12による付勢により抜け止めフック11が挿入部2から突出する(図9参照)。これにより、充電コネクタ100と車両側インレットとが完全に嵌合して、抜け止めフック11が車両側インレットの凹部に係合することから、充電コネクタ100と車両側インレットとの機械的接続が確実に行われる。さらに、第2揺動アーム20の突起部21が車両側インレットの周縁に当接し、第2付勢部材22による付勢に抗して、突起部21が押し込まれる(図10参照)。突起部21は傾斜面を有するので、挿入部2から突出していても、車両側インレットに本体部1が突き当たるまで挿入し易い。そして、突起部21が押し込まれることで、第2揺動アーム20の後端部が上昇するように第2揺動アーム20が揺動することにより、当止部33と第2揺動アーム20との当止状態が解除され、スライド棒30が第3付勢部材31による付勢により後退限まで後退する(図9、10参照)。以上により、充電コネクタ100の車両側インレットへの差し込み操作が完了する。
【0063】
このとき、第1スイッチ81は、抜け止めフック11が挿入部2から突出することから、第1揺動アーム10の張出部17によりボタンが押され、閉状態となる。また、第2スイッチ82も、スライド棒30が後退限まで後退することから、スライド棒30のトリガー部34によりレバーが押され、閉状態となる。よって、図14(C)に示すように、信号線路Cは閉状態となる。このように、車両側インレット300と機械的・電気的に確実に接続されている場合にのみ、信号線路Cは閉状態となるため、信号線路Cの状態を監視することで、充電コネクタ100の半嵌合状態を検知することができる。
【0064】
ここで、スライドスイッチ4の上面において、スライドスイッチ4が押し込まれた状態では露出せず、かつスライドスイッチ4が後退限まで後退したときは露出する箇所は、表示部46に利用することができる(図4、5参照)。例えば、この表示部46に文字などを表記したり、周囲と異なる色を塗装したりすることで、文字や色によってスライドスイッチ4(スライド棒30)が後退限まで後退したことを視覚的に容易に判別することができる(図13(B)参照)。
【0065】
さらに、抜け止めフック11が車両側インレットの凹部に係合した状態で、ソレノイド50を通電駆動して、第1揺動アーム10の前方部分の下方であって、第1揺動アーム10に形成された貫通部14からずれた位置に、押え片53を進出させる(図11参照)。これにより、第1揺動アーム10の前方部分が押え片53に当接することから、抜け止めフック11が挿入部2から突出した状態で、第1揺動アーム10の揺動が規制される。つまり、抜け止めフック11がロックされた状態となる。そのため、抜け止めフック11が挿入部2から引っ込むことがなく、抜け止めフック11と車両側インレットの凹部との係合が外れることを確実に防止することができる。この例では、ソレノイド50のプランジャ51と押え片53とをつなぐ連結部52の板状片を水平方向に案内するガイド溝54(図4参照)が端子ケース70に設けられており、このガイド溝54に沿って連結部52を移動させることができるので、押え片53を水平方向の正確な位置に進出させ易い。また、押え片53は、先端に向かって薄くなるテーパ状に形成されているので、第1揺動アーム10の前方部分の下面に当接するように進出し易い。
【0066】
ソレノイド50への通電開始は、例えば、充電器から車両への充電を開始するときに行うことが挙げられる。これにより、充電中に使用者が充電コネクタ100を車両側インレットから誤って引き抜いたり、充電コネクタ100が車両側インレットから抜け落ちたりすることを確実に防止することができる。また、ソレノイド50への通電中は、LEDランプ5(図1参照)が点灯する。
【0067】
図16に、充電器からソレノイド50に通電する回路の一例を示す。この回路では、ソレノイド50とLEDランプ5とが並列に接続されており、充電器からソレノイド50に通電する駆動信号が供給されることで、ソレノイド50が駆動すると共に、LEDランプ5が点灯するようになっている。
【0068】
〈引き抜き操作〉
ソレノイド50への通電を停止して、押え片53を元の位置(即ち、第1揺動アーム10に形成された貫通部14の下方)に復帰させる(図10参照)。これにより、抜け止めフック11のロック状態が解除される。ソレノイド50への通電停止は、例えば、充電器から車両への充電を終了するときに行うことが挙げられる。
【0069】
次いで、スライドスイッチ4を挿入部2側(前方)に押し込むことで、スライド棒30を前進させ、押当部32を第1揺動アーム10の後端部16に当接させる(図12参照)。また、押当部32は、第1揺動アーム10の後端部16に当接し、第1揺動アーム10の後端部16を押し上げることで、第1揺動アーム10を第1付勢部材12による付勢方向とは逆方向に揺動させる。このとき、押当部32は傾斜面を有するので、第1揺動アーム10の後端部16を押し上げ易い。そして、抜け止めフック11が下降し、抜け止めフック11が挿入部2から引っ込むことで(図12参照)、抜け止めフック11と車両側インレットの凹部との係合状態が解除される。
【0070】
このとき、第1スイッチ81は、抜け止めフック11が挿入部2から引っ込んで突出しないことから、第1揺動アーム10の張出部17によりボタンが押されず、開状態となる。また、第2スイッチ82も、スライド棒30が挿入部2側にスライドすることで、スライド棒30のトリガー部34によりレバーが押されず、開状態となる。よって、図15に示すように、信号線路Cも開状態となる。
【0071】
そして、この状態で、充電コネクタ100を車両側インレットから引き抜くことで、充電コネクタ100の車両側インレットからの引き抜き操作が完了する。またこのとき、車両側インレットとの電気的接続が解除される。引き抜き操作完了後、スライド棒30は、第3付勢部材31の付勢により、当止部33が第2揺動アーム20の後端部に当て止めされるまで後退して、初期状態の位置に戻る(図6、7参照)。
【0072】
ここで、何らかの不具合により、押え片53が抜け止めフック11側に進出しない異常事態において、充電中に使用者が充電コネクタ100を車両側インレットから引き抜こうとした場合、まずスライド棒30をスライド操作することから、第1スイッチ81より先に第2スイッチ82が開状態となる。そのため、第2スイッチ82を設けることで、スライド棒30がスライド操作されたことを検知して、スライド棒30のスライド操作(充電コネクタ100の引き抜き操作)をより早く検知することができる。よって、充電中、使用者がスライド棒30を操作して充電コネクタ100を車両側インレットから引き抜こうとしたとき、充電器からの充電をより早く中止することができるので、より安全性を高めることが可能である。
【0073】
上記した実施の形態1では、第1スイッチ81を接続確認信号線路に設けた場合を例に説明したが、第1スイッチ81をソレノイド駆動信号線路に設けてもよい。具体的には、図17に示すように、充電器からソレノイド50に通電する回路において、ソレノイド50に通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路の途中に第1スイッチ81を設けることが挙げられる。この場合であっても、信号線路の状態、例えば回路の断線状態を監視することで、充電コネクタ100の半嵌合状態を検知することができる。また、実施の形態1で説明した充電コネクタ100のように、信号線路として、接続確認信号線路と、ソレノイド駆動信号線路とを備える場合、第1スイッチと第2スイッチとを同じ信号線路に設けてもよいし、異なる信号線路に設けてもよい。信号線路としては、充電コネクタと車両側インレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる線路であればよく、接続確認信号線路やソレノイド駆動信号線路に限らず、その他の信号線路を利用してもよい。なお、実施の形態1では、第1スイッチ81と第2スイッチ82とを備える場合を例に説明したが、第1スイッチ81のみであっても安全性を十分確保することができる。第1スイッチ81のみとした場合、部品点数を少なくでき、故障率を下げることができる。
【0074】
以上説明した実施の形態1に係る充電コネクタ100は、次の効果を奏する。
【0075】
信号線路の途中に、第1揺動アーム10の揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチ81を備えることで、抜け止めフック11が挿入部2から車両側インレットの凹部に突出せず係合していない半嵌合状態を検知することができる。よって、車両側インレットとの電気的接続が確立されていても、機械的接続が不完全な半嵌合状態の場合は、充電器からの充電を禁止(中止)することができ、安全性が高い。また、信号線路の途中に、スライド棒30のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチ82を備えることで、スライド棒30がスライド操作されたことを検知することができる。よって、充電中、使用者が充電器の充電中止操作する前に、スライド棒30を操作して充電コネクタ100を車両側インレットから引き抜こうとしたとき、充電器からの充電を中止することができるので、より安全性を高めることが可能である。
【0076】
本体部1と挿入部2との境界から突出可能な突起部21が設けられた第2揺動アーム20を備え、挿入部2が車両側インレットの奥まで差し込まれたとき、スライド棒30(スライドスイッチ4)が後退限まで後退する。そのため、スライド棒30(スライドスイッチ4)が後退限まで後退したか否かによって、挿入部2が車両側インレットの奥まで差し込まれたかどうかを確認することができる。したがって、不慣れな使用者であっても、スライド棒30(スライドスイッチ4)の状態を確認することで、車両側インレットへの差し込みを確実に行うことができ、充電コネクタ100の半嵌合を防止することができる。また、表示部45,46を備えることで、スライド棒30(スライドスイッチ4)が後退限まで後退したことを使用者が容易に判別することができ、車両側インレットへの差し込みが確実に行われたか否かを容易に確認することができる。
【0077】
車両側インレットへの差し込み操作は、充電コネクタ100の挿入部2を車両側インレットに差し込むだけの動作でよく、上記した特許文献1に記載の充電コネクタ(差し込み+レバーを握る)に比較して、直観的に分かり易く操作性に優れる。また、充電コネクタ100の内部構造(嵌合機構)も部品点数が少なくシンプルな構造のため、信頼性が高く、小型化、メンテナンスの容易化、低コスト化を図ることができる。さらに、スライドスイッチ4をハンドル部3の上面に配置したことにより、車両側インレットからの引き抜き操作を片手で行うことが可能である。
【0078】
さらに、ソレノイド50により押え片53を第1揺動アーム10の前方部分の下方に進出させることで、抜け止めフック11が挿入部2から引っ込むことを直接的に防止している。そのため、衝撃や振動、或いは抜け止めフック11を突出させる第1付勢部材12の破損などのトラブルが生じても、抜け止めフック11が引っ込むことがなく、抜け止めフック11と車両側インレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止することができる。これに対し、上記した特許文献1に記載の充電コネクタでは、解除レバーをロックして解除レバーの操作を禁止することで、抜け止めフックと車両側インレットの凹部との係合状態が解除されることを間接的に防止している。そのため、衝撃や振動、或いは抜け止めフックを突出させる付勢部材の破損など、解除レバーの操作に関係なく、抜け止めフックが引っ込むようなトラブルが生じたときは、抜け止めフックと車両側インレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止することができない。
【0079】
また、ソレノイド50を第1揺動アーム10の後方に配置し、プランジャ51が挿入部2側に向かって水平方向に移動することで押え片53を第1揺動アーム10の前方部分の下方に進出させる構成としたことで、ソレノイド50の設置スペースを確保し易い。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、本発明の充電コネクタを車両用充電コネクタに適用し、車両側インレットに接続して車両の蓄電池に充電する場合を例に説明した。この他、例えば、車両以外の船舶や潜水艇、航空機などの移動体に搭載された蓄電装置のインレットや、家庭やビル、工場などに設置された蓄電装置のインレットが上記した車両側インレットと同様の形状、即ち、インレットの内周面に凹部を有するような場合にも、本発明を適用可能である。
【0081】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、第1揺動アーム、第2揺動アーム及びスライド棒の形態を適宜変更することが可能である。また、第1スイッチ及び第2スイッチの種類や取り付け位置を適宜変更することも可能である。さらに、第1付勢部材、第2付勢部材及び第3付勢部材としては、捻じりバネや圧縮バネに限らず、例えばゴムなどでもよく、バネの種類を適宜変更することも可能である。バネの種類を変更する場合、目的に応じてバネの配置を適宜変更するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、蓄電池を備える装置のインレットに接続し、充電器から装置の蓄電池に充電するための充電コネクタに利用することができ、例えば、電気自動車用充電器に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 車両用充電コネクタ(充電コネクタ)
200 ケーブル
1 本体部 2 挿入部 3 ハンドル部
4 スライドスイッチ 5 LEDランプ 6 突出部
10 第1揺動アーム
11 抜け止めフック 12 第1付勢部材(捻じりバネ)
13 軸 14 貫通部(貫通孔)
16 後端部 17 張出部
20 第2揺動アーム
21 突起部 22 第2付勢部材(捻じりバネ)
23 軸
30 解除部材(スライド棒)
31 第3付勢部材(圧縮バネ)
32 押当部 33 当止部
34 トリガー部
41,42 切欠き 43 支持板 45,46 表示部
50 ソレノイド
51 プランジャ 52 連結部
53 押え片 54 ガイド溝
63 軸挿通部
70 端子ケース
81 第1スイッチ(マイクロスイッチ(スプリング短押ボタン形))
82 第2スイッチ(マイクロスイッチ(ヒンジ・ローラ・レバー形))
300 車両側インレット
100t,300t 端子 C 信号線路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を備える装置のインレットに接続し、充電器から前記装置の蓄電池に充電するための充電コネクタであって、
本体部と、
前記本体部の先端側に設けられ、前記インレットに差し込まれる挿入部と、
前記本体部側から前記挿入部側に亘って延設され、前記本体部に対して支点を基準として揺動自在に支持される第1揺動アームと、
前記第1揺動アームにおける前記支点より挿入部側の前方部分に設けられ、前記挿入部から突出可能な抜け止めフックと、
前記抜け止めフックが突出するように前記第1揺動アームを付勢する第1付勢部材と、
前記第1揺動アームの前方部分とは反対側の後方部分に当接して、前記第1揺動アームを第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させる押当部を有する解除部材と、
当該充電コネクタと前記インレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路と、
前記信号線路の途中に設けられ、前記第1揺動アームの揺動動作に応じて接点が開閉する第1スイッチと、を備えることを特徴とする充電コネクタ。
【請求項2】
プランジャを有し、通電時にプランジャを一方向に移動させ、非通電時にプランジャを元の位置に復帰させるソレノイドと、
前記プランジャに連動して、前記第1揺動アームの前方部分に設けられた前記抜け止めフックが突出する側とは反対側の面に当接するように進出する押え片と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の充電コネクタ。
【請求項3】
前記信号線路は、当該充電コネクタと前記インレットとが電気的に接続されることで形成され、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる接続確認信号線路であることを特徴とする請求項1又は2に記載の充電コネクタ。
【請求項4】
前記信号線路は、前記充電器から前記ソレノイドに通電する回路を形成し、前記ソレノイドに通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路であることを特徴とする請求項2に記載の充電コネクタ。
【請求項5】
前記解除部材が、前記第1揺動アームの延設方向に平行し、かつ、前記第1揺動アームの後方部分よりさらに後方に向かって延設され、その延設方向にスライド移動可能なスライド棒であり、
前記本体部側から前記挿入部側に向かって延設され、前記本体部に対して支点を基準として揺動自在に支持される第2揺動アームと、
前記第2揺動アームにおける前記支点より挿入部側の前方部分に設けられ、前記本体部と前記挿入部との境界から突出可能な突起部と、
前記突起部が突出するように前記第2揺動アームを付勢する第2付勢部材と、を備え、
前記スライド棒が、
前記スライド棒を後退させる方向に付勢する第3付勢部材と、
前記第2揺動アームの後方部分に当て止めされ、前記第3付勢部材による後退を阻止する当止部と、を有し、
前記挿入部が前記インレットに差し込まれたとき、前記インレットの内周面に設けられた凹部に前記抜け止めフックが突出して係止されると共に、前記インレットの周縁に前記突起部が当接して押し込まれて、前記当止部と前記第2揺動アームとの当止状態が解除され、前記スライド棒が後退限まで後退することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の充電コネクタ。
【請求項6】
前記スライド棒が後退限まで後退したことを表示する表示部を備えることを特徴とする請求項5に記載の充電コネクタ。
【請求項7】
前記信号線路の途中に設けられ、前記スライド棒のスライド動作に応じて接点が開閉する第2スイッチを備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の充電コネクタ。
【請求項8】
前記信号線路として、
当該充電コネクタと前記インレットとが電気的に接続されることで形成され、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる前記接続確認信号線路と、
前記充電器から前記ソレノイドに通電する回路を形成し、前記ソレノイドに通電する駆動信号が流れる前記ソレノイド駆動信号線路と、を備え、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが、前記接続確認信号線路又は前記ソレノイド駆動信号線路のうち、同じ信号線路に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の充電コネクタ。
【請求項9】
前記信号線路として、
当該充電コネクタと前記インレットとが電気的に接続されることで形成され、両者の電気的接続状態を確認するための接続確認信号が流れる前記接続確認信号線路と、
前記充電器から前記ソレノイドに通電する回路を形成し、前記ソレノイドに通電する駆動信号が流れる前記ソレノイド駆動信号線路と、を備え、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが、前記接続確認信号線路又は前記ソレノイド駆動信号線路のうち、異なる信号線路に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の充電コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−20732(P2013−20732A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151229(P2011−151229)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000213884)住電朝日精工株式会社 (24)
【Fターム(参考)】