説明

充電装置、及び充電方法

【課題】車両外部の複数の電源から供給される電力により蓄電池に充電する際の充電電力を、適切に制御する充電装置を提供する。
【解決手段】複数の充電口1は、外部の電源と電気的に接続可能な充電ケーブル310を用いて、車両外部の複数の電源に対してそれぞれ電気的に接続する。電圧可変部5は、複数の充電口1から供給される電力の電圧を可変して蓄電池200に電力を供給する。検出部7は、蓄電池の状態を検出する。制御部8は、蓄電池200の状態に基づいて、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、蓄電池200の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置、及び充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動モーターを駆動源とする車両は、電動モーターを駆動する電力を供給するための蓄電池を備えている。近年、車両外部の家庭用の商用電源のコンセントと車両に備えられたコネクタとをケーブルを用いて接続することにより、家庭用の商用電源から供給される電力によって蓄電池を充電する方法がある。この場合、自宅の駐車場などにおいて手軽に充電することが可能であるが、反面、車両に搭載されている蓄電池の容量に対して家庭用の商用電源では供給できる電力容量が小さいため、充電時間が長くなる。そのため、複数の家庭用の商用電源から車両に電力を供給することにより、充電時間を短縮する方法がある。例えば、複数の商用電源のうち電圧位相の極性が反対である電源について同極性に変換して接続する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−278706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電池は、高電圧により短い時間で充電された場合に劣化しやすく、また、蓄電池の状態(残存容量、温度など)に応じて、適した制限内の電力で充電されることが望ましい。特許文献1に示す充電装置は、異なる電圧位相の極性の電源を複数接続した場合であっても同極性に変換して充電するものであるが、複数の電源から供給される電力に対して充電電力を制御するものではない。そのため、複数の家庭用の商用電源から供給される電力により高電圧で充電される場合、充電時間は短縮されるが蓄電池においては劣化が生じやすくなる場合があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、車両外部の複数の電源から供給される電力により蓄電池に充電する際の充電電力を、適切に制御する充電装置及び充電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車載された蓄電池(例えば、実施形態による蓄電池200)を車両(例えば、実施形態による電気自動車400)外部の複数の電源により充電する充電装置(例えば、実施形態による充電装置100)であって、外部の電源と電気的に接続可能な充電ケーブル(例えば、実施形態による充電ケーブル310)を用いて、前記車両外部の複数の電源に対してそれぞれ電気的に接続可能な複数の充電コネクタ(例えば、実施形態による充電口1)と、複数の前記充電コネクタから供給される電力の電圧を可変して前記蓄電池に電力を供給する電圧可変部(例えば、実施形態による電圧可変部5)と、前記蓄電池の状態を検出する検出部(例えば、実施形態による検出部7)と、前記蓄電池の状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する制御部(例えば、実施形態による制御部8)とを備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記検出部は、前記蓄電池の電圧を検出する電池電圧検出部(例えば、実施形態による電池電圧検出部71)と、前記蓄電池において充放電される電流を検出する電池電流検出部(例えば、実施形態による電池電流検出部72)と、前記蓄電池の温度を検出する電池温度検出部(例えば、実施形態による電池温度検出部73)とを備え、前記制御部は、検出された前記電圧、前記電流、または前記温度に基づいて、前記蓄電池の残容量、及び劣化状態を検出し、前記劣化状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記残容量もしくは前記温度に応じた電圧、または前記入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記制御部は、前記蓄電池の前記劣化状態が所定の劣化状態より劣化が進んだ状態を示すものである場合、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の前記残容量もしくは前記温度に応じた電圧を優先した電圧に制御し、前記劣化状態が前記所定の劣化状態より劣化が少ない状態を示すものである場合、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記入力される充電時間に関する要求に応じた電圧を優先した電圧に制御することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記制御部は、前記蓄電池の前記残容量が、所定の閾値以下であるか否かに基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記制御部は、前記蓄電池の前記温度が所定の温度範囲であるか否かと、前記入力される充電時間に関する要求とに基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を制御することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載した発明は、前記充電装置は、複数の前記充電コネクタから供給される電力における電圧の周波数及び位相を比較する電圧比較部(例えば、実施形態による電圧比較部3)と、複数の前記充電コネクタと前記電圧可変部との各々の接続を、導通状態または遮断状態に切換える切換部(例えば、実施形態による切換部4)とを備え、前記制御部は、複数の前記充電コネクタから供給される電力における電圧の周波数または位相が異なる場合、複数の前記充電コネクタと前記電圧可変部との各々の接続を遮断状態に制御することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載した発明は、前記電圧可変部は、複数の前記充電コネクタと電気的に接続される複数の1次コイル(例えば、実施形態によるコイルL1a,L1b)と、複数の前記1次コイルに供給される電力に応じて電力を発生する2次コイル(例えば、実施形態によるコイルL2)と、前記2次コイルの発生する電力の電圧を可変するために前記2次コイルの巻数を選択して変更する可変部(例えば、実施形態による可変部6)とを備えることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載した発明は、外部の電源と電気的に接続可能な充電ケーブルを用いて、前記車両外部の複数の電源に対してそれぞれ電気的に接続可能な複数の充電コネクタを備え、車載された蓄電池を前記車両外部の複数の電源により充電する充電装置の充電方法であって、電圧可変部が、複数の前記充電コネクタから供給される電力の電圧を可変して前記蓄電池に電力を供給する手順と、検出部が、前記蓄電池の状態を検出する手順と、制御部が、前記蓄電池の状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する手順とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載した発明によれば、充電装置は、車載された蓄電池の状態に基づいて、蓄電池の状態を優先するか、またはユーザー要求による充電時間を優先するかの何れかを選択して、充電電圧を制御する。これにより、充電装置は、車両外部の複数の電源から供給される電力により蓄電池に充電する際の充電電力を、適切に制御することができる。
【0015】
請求項2に記載した発明によれば、充電装置は、蓄電池の残容量、温度、及び劣化状態を検出し、検出した劣化状態に基づいて、蓄電池の状態(残容量もしくは温度)を優先するか、またはユーザー要求による充電時間を優先するかの何れかを選択して、充電電圧を制御する。これにより、充電装置は、蓄電池に充電する際の充電電力を適切に制御することができる。
【0016】
請求項3に記載した発明によれば、充電装置は、蓄電池の劣化が進んでいる場合は、蓄電池の状態を優先した充電電圧の制御を行い、蓄電池の劣化が少ない場合は、ユーザー要求による充電時間を優先した充電電圧の制御を行うため、蓄電池に充電する際の充電電力を適切に制御することができる。
【0017】
請求項4に記載した発明によれば、充電装置は、蓄電池の充電電圧を制御する際に、蓄電池の状態として残容量に基づいて制御するため、蓄電池に充電する際の充電電力を、蓄電池の状態を考慮して適切に制御することができる。
【0018】
請求項5に記載した発明によれば、充電装置は、蓄電池の充電電圧を制御する際に、蓄電池の状態として温度と、ユーザー要求による充電時間とに基づいて制御するため、蓄電池に充電する際の充電電力を、蓄電池の状態とユーザー要求との両方を考慮して適切に制御することができる。
【0019】
請求項6に記載した発明によれば、充電装置は、車両外部から供給される電力の電圧の周波数、または位相が異なる場合、電圧可変部への電力供給を遮断するため、蓄電池への電力供給を停止するとともに、充電装置における不要な電力消費を防止できる。
【0020】
請求項7に記載した発明によれば、充電装置の電圧可変部は、複雑な回路を必要とせずコストの増加を抑制できる。
【0021】
請求項8に記載した発明によれば、充電装置における充電方法は、車載された蓄電池の状態に基づいて、蓄電池の状態を優先するか、またはユーザー要求による充電時間を優先するかの何れかを選択して、充電電圧を制御する方法であるため、車両外部の複数の電源から供給される電力により蓄電池に充電する際の充電電力を、適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態における電気自動車の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における充電装置の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における充電装置の一例を示す概略回路図である。
【図4】本実施形態における充電制御の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】2次側のコイルの巻数を選択するためのマップの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態において、車両として電気自動車を用いて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態における電気自動車400の概略構成図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は平面図(底面視)である。また、図1に示す電気自動車400は、車載された蓄電池200を、車両外部の家庭用の2つの商用電源から供給される電力により充電する充電装置100を備えている。なお、図1は、本実施形態における充電装置100に係わる主な構成のみについて図示している。
【0025】
図1(a)及び(b)に示す電気自動車は、2つの充電口1(充電コネクタ)、電圧比較部3、切換部4、電圧可変部5、制御部8、AC/DCコンバータ9、及び蓄電池200を備えている。電気自動車400の底面に配置されている蓄電池200は、複数のバッテリモジュール201を備えており、電気自動車400を駆動させるために必要な電力容量を蓄電する。
【0026】
電気自動車400の左側面の後方に備えている2つの充電口1は、充電ケーブル310を用いて家庭用の2つの商用電源と電気的に接続可能な充電コネクタである。そして、家庭用の2つの商用電源と2つの充電口1とが接続されることにより、蓄電池200を充電するための電力が供給される。2つの充電口1に供給された各々の電力は、電圧比較部3、及び切換部4を介して電圧可変部5に入力され、電圧可変部5において充電電圧が制御された後、AC/DCコンバータ9を介して蓄電池200に供給される。また、制御部8は、蓄電池200の充電を制御するために充電装置100が備えている各部を制御する。
【0027】
図2は、本発明の実施形態における充電装置100の一例を示す概略ブロック図である。図2を用いて、充電装置100の構成について詳細を説明する。
図2に示す充電装置100は、2つの充電口1、電圧計2、電圧比較部3、切換部4、電圧可変部5、検出部7、制御部8、AC/DCコンバータ9、及び入力部11を備えている。
【0028】
充電ケーブル310は、車両外部の家庭用の電源コンセント300と充電装置100とを接続するケーブルである。充電ケーブル310の一端は、充電プラグ311を介して家庭用の電源コンセント300に接続される。また、充電ケーブル310の他端は、充電装置100の充電口1に接続される。そして、充電装置100における2つの充電口1は、家庭用の2つの電源コンセント300に、2本の充電ケーブル310を用いて各々接続可能な構成となっている。よって、2つの充電口1が2本の充電ケーブル310を用いて家庭用の2つの電源コンセント300に各々接続されることにより、2つの充電口1には、家庭用の2つの商用電源から蓄電池200を充電するための電力が各々供給される。
【0029】
2つの充電口1から供給された電力は、各々電圧計2及び電圧比較部3を介して切換部4に入力される。電圧計2は、家庭用の2つの商用電源から2つの充電口1に供給された電力の電圧を測定して、測定結果を制御部8に出力する。電圧比較部3は、2つの充電口1に供給された電力における電圧を比較することにより、各々の電圧の周波数及び位相を比較する。そして、電圧比較部3は、各々の電圧が同周波数及び同位相であるか否かを検出し、検出結果を制御部8に出力する。ここで、電圧比較部3は、例えば、所定のサンプリング周波数により2つの充電口1に供給された電力の各々の電圧を比較し、比較した2つの電力の電圧差が所定の閾値以下である場合、2つの電力の電圧が同周波数及び同位相であることを検出し、検出結果を制御部8に出力する。また、電圧比較部3は、比較した2つの電力の電圧差が所定の閾値より大きい場合、2つの電力の電圧が異なる極性の周波数または位相であることを検出し、検出結果を制御部8に出力する。
【0030】
切換部4は、制御部8の制御により、2つの充電口1から電圧計2及び電圧比較部3を介して切換部4へ接続される各々の配線と電圧可変部5との接続を、導通状態または遮断状態に切換える。すなわち、切換部4は、制御部8の制御により、2つの充電口1から供給された電力を、各々電圧可変部5に出力するか否かを切換える。そして、充電装置100が2つの充電口1から供給された電力により蓄電池200に電力を供給して充電する場合、切換部4は、制御部8の制御により、2つの充電口1から切換部4へ接続される各々の配線と電圧可変部5との接続を、遮断状態から導通状態に切換える。
【0031】
次に、電圧可変部5は、切換部4から入力される2つの充電口1から供給された電力に基づいて、制御部8の制御により出力電圧を可変し、蓄電池200を充電するための電力をAC/DCコンバータ9に出力する。
電圧可変部5は、例えば変圧器であり、変圧器の出力電圧の接続を可変する可変部6を有する。電圧可変部5は、制御部8により可変部6の接続を切換える制御がされ、出力電圧を可変する。AC/DCコンバータ9は、電圧可変部5から入力された電力を、交流電力から直流電力に変換し、蓄電池200に充電電力として供給する。
【0032】
検出部7は、蓄電池200の状態を検出するための電池電圧検出部71、電池電流検出部72、及び電池温度検出部73を備えている。電池電圧検出部71は、制御部8の制御により蓄電池200の電圧を検出して、制御部8に出力する。電池電流検出部72は、制御部8の制御により蓄電池200の充電電流または放電電流を検出して、制御部8に出力する。電池温度検出部73は、制御部8の制御により蓄電池200の温度を検出して、制御部8に出力する。
【0033】
入力部11は、ユーザーから充電時間に関する要求等、充電制御に関する要求が入力され、入力された要求情報に基づいた入力信号を制御部8に出力する。例えば、入力部11には、充電時間に関する要求として、短い充電時間(急速充電)、標準の充電時間(通常充電)、または長い充電時間(ゆっくり充電)からユーザーにより選択された充電時間に関する要求が入力される。
【0034】
制御部8は、車両外部の家庭用の2つの商用電源から供給される電力により車載された蓄電池200を充電制御するために、充電装置100が備えている各部を制御する。そして、制御部8は、蓄電池200の状態に基づいて、電圧可変部5がAC/DCコンバータ9を介して蓄電池200に供給する電力の電圧を、蓄電池200の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する。
【0035】
ここで、蓄電池200の状態とは、蓄電池200の残容量(SOC:State ofCharge)、温度、及び劣化状態である。制御部8は、検出部7の備えている電池電圧検出部71、電池電流検出部72、及び電池温度検出部73により検出された蓄電池200の電圧、電流、または温度に基づいて、蓄電池200の残容量及び劣化状態を検出する。例えば、制御部8は、蓄電池200の残容量を、蓄電池200の負荷状態の電圧及び電流に基づいて算出する。そして、制御部8は、算出した残容量を所定の閾値と比較し、残容量が所定の閾値以下であるか否かを検出する。また、制御部8は、検出された電圧−電流特性から内部抵抗を算出し、算出した内部抵抗に基づいて蓄電池200の劣化状態を算出する。そして、制御部8は、劣化状態を所定の指標に数値化した後に所定の閾値と比較し、劣化状態が所定の閾値以下であるか否かを検出する。
【0036】
そして、制御部8は、上記において検出した劣化状態に基づいて、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、蓄電池200の残容量もしくは温度に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する。つまり、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下でない場合(所定の劣化状態より劣化が進んだ状態を示している場合)、制御部8は、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、蓄電池200の残容量もしくは温度に応じた電圧を優先した電圧に制御する。また、劣化状態が所定の閾値以下の場合(所定の劣化状態より劣化が少ない状態を示すものである場合)、制御部8は、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、入力される充電時間に関する要求に応じた電圧を優先した電圧に制御する。
【0037】
例えば、制御部8は、蓄電池200の残容量が所定の閾値以下であるか否か、蓄電池200の温度が所定の温度範囲であるか否か、及び入力された充電時間に関する要求、の各々のパラメータに基づいて電圧可変部5が供給する電力の電圧が設定されている複数の所定のマップを有している。そして、制御部8は、蓄電池200の劣化状態に基づいて、複数の所定のマップから、蓄電池の状態(残容量もしくは温度)に応じた電圧を優先して設定されているマップ、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧を優先して設定されているマップの何れかを選択する。次に、制御部8は、選択したマップから各々のパラメータに基づいて、電圧可変部5が供給する電力の電圧を決定する。この所定のマップについての具体例は、図5を用いて後述する。
【0038】
また、制御部8は、電圧比較部3の検出結果により、2つの充電口1から供給される電力における電圧の周波数または位相が異なる場合、2つの充電口1から切換部4へ接続される各々の配線と電圧可変部5との接続を、遮断状態に制御する。また、制御部8は、2つの充電口1から供給される電力における電圧が同周波数及び同位相の場合、2つの充電口1から切換部4へ接続される各々の配線と電圧可変部5との接続を、導通状態に制御する。つまり、制御部8は、車両外部の2つの電源が同極性の場合、切換部4を導通状態に制御して充電を許可し、異なる極性の場合、切換部4を遮断状態に制御して充電を許可しない制御をする。また、2つの電源が異なる極性の場合であっても1つの電源による充電は可能であるため、制御部8は、ユーザーに1つの電源により充電するか否かを入力部11に入力させて選択させる。
【0039】
次に、図3は、本発明の実施形態における充電装置の一例を示す概略回路図である。図3は、充電装置100の切換部4、及び電圧可変部5の内部の回路とその接続先の回路とを示しており、この図を用いて、家庭用の商用電源から供給された電力が、電圧可変部5において電圧が可変されて出力される構成について説明する。
【0040】
切換部4は、切換器4a、及び切換器4bを備えている。電圧可変部5は変圧器(トランス)であり、1次側にコイルL1a及びコイルL1b、2次側にコイルL2を備えている。また、電圧可変部5のコイルL2は、巻数A、巻数B、及び巻数Cの3つのタップ(接続点)を有しており、可変部6により3つのタップ(接続点)のうち1つのタップ(接続点)が選択される。
【0041】
家庭用の電源コンセント300は、充電口1を介して切換部4に接続される。2つの電源コンセント300において、電圧Va及び電圧Vbで示す電源の一端は各々の充電口1を介して切換器4a、及び切換器4bの一端に各々接続され、電源の他端は接地されている。また、電圧Vaで示す電源の一端と切換器4aの一端との接続点、及び電圧Vbで示す電源の一端と切換器4bの一端との接続点には、各々に対応する電圧計2の一端、及び電圧比較部3の第一の入力端子、第二の入力端子が各々接続されている。各々の電圧計2の他端、及び電圧比較部3の第三の入力端子、第四の入力端子は、接地されている。
【0042】
切換器4aの他端は電圧可変部5の1次側のコイルL1aの一端に接続され、コイルL1aの他端は接地されている。つまり、切換器4aが導通状態にある場合、コイルL1aには電圧Vaが供給されている。また、切換器4bの他端は電圧可変部5の1次側のコイルL1bの一端に接続され、コイルL1bの他端は接地されている。つまり、切換器4bが導通状態にある場合、コイルL1bには電圧Vbが供給されている。
【0043】
また、電圧可変部5の2次側のコイルL2の一端は、AC/DCコンバータ9の第一の入力端子に接続されている。また、2次側のコイルL2は、巻数A、巻数B、及び巻数Cのタップ(接続点)を有しており、可変部6により接続されたタップ(接続点)がAC/DCコンバータ9の第二の入力端子に接続されている。
【0044】
上述した図3の構成において、切換器4a及び切換器4bが導通状態にある場合、1次側のコイルL1a及びコイルL1bに電圧Va及び電圧Vbが各々供給され、1次側コイルに供給された電力に応じて発生する電磁誘導により、2次側のコイルL2に電力が生じる。2次側のコイルL2に生じる電力の電圧は、可変部6により接続される巻数A、巻数B、及び巻数Cのタップ(接続点)に応じて可変され、AC/DCコンバータ9に出力される。また、切換器4a及び切換器4bが遮断状態にある場合、1次側のコイルL1a及びコイルL1bに電圧Va及び電圧Vbが供給されないため、2次側のコイルL2には電力が生じない。
【0045】
図3に示す電圧可変部5において、2次側のコイルL2の巻数は、「巻数A<巻数B<巻数C」である。例えば、電圧可変部5は、電圧Va=電圧Vb=100Vの場合、可変部6により巻数Cのタップ(接続点)に接続された際に、200Vの電圧を出力するように巻数が設定されている。そして、巻数Aまたは巻数Bに接続された場合、電圧可変部5は、200Vの電圧から巻数比に応じて降圧された電圧を出力する。よって、この場合の電圧可変部5の出力する電圧は、「巻数Aの電圧<巻数Bの電圧<巻数Cの電圧(=200V)」の関係となる。
【0046】
次に、本実施形態における充電制御の動作について説明する。
図4は、本実施形態における充電制御を示すフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートを用いて、充電装置100の充電制御について説明する。
【0047】
まず、家庭用の2つの商用電源に接続された2本の充電ケーブル310が、2つの充電口1に各々接続されて、電力が供給される(ステップS01)。次に、制御部8は、電圧比較部3に、2つの商用電源が同周波数及び同位相であるか否かを検出させる(ステップS02)。2つの商用電源が同周波数及び同位相である場合(YES)、制御部8は、ステップS03に制御を進める。一方、2つの商用電源が異なる周波数または位相である場合(NO)、制御部8はステップS16に制御を進める。
【0048】
ステップS03において、制御部8は、電圧計2に入力電圧を検出させる。これにより、制御部8は、供給される商用電源の電圧を検出する。次に、制御部8は、検出部7の検出結果に基づいて、蓄電池200の状態(残容量、温度、及び劣化状態)を検出する(ステップS04)。そして、制御部8は、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS05)。蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下の場合(YES)、制御部8は、ステップS06に処理を進める。また、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下でない場合(NO)、制御部8は、ステップS07に制御を進める。
【0049】
ステップS06において、制御部8は、ユーザー要求を優先したパラメータマップを選択して、ステップS08に処理を進める。一方、ステップS07において、制御部8は、蓄電池の状態を優先したパラメータマップを選択して、ステップS08に処理を進める。次に、ステップS08において、制御部8は、入力部11に入力された充電時間(短い充電時間、標準の充電時間、または長い充電時間からユーザーの要求により選択された充電時間)を読み取る。そして、制御部8は、ステップS06またはステップS07において選択したパラメータマップと、ステップS08において読み取りをしたユーザー要求の充電時間とに基づいて、電圧可変部5の2次側のコイルL2の巻数A、巻数B、または巻数Cの選択を決定する(ステップS09)。このステップS06からステップS09において、パラメータマップを選択して、電圧可変部5の2次側のコイルL2の巻数A、巻数B、または巻数Cの選択を決定する制御の具体例については、図5を用いて後述する。
【0050】
次に、制御部8は、電圧可変部5において、可変部6を制御して2次側のコイルL2の巻数をステップS09で決定した巻数に設定する(ステップS10)。そして、制御部8は、切換部4の2つの切換器4a,4bの接続を導通状態に制御し(ステップS11)、充電を開始する(ステップS12)。
【0051】
充電中において、制御部8は、蓄電池200の状態に基づいて推測される満充電になるまでに必要な残りの充電時間を表示部(図示せず)に表示させる(ステップS14)。そして、制御部8は、蓄電池200の状態に基づいて充電終了か否かを判定する(ステップS14)。充電終了でない場合、制御部8は、ステップS13に制御を戻し、充電を継続する。一方、充電終了の場合、制御部8は、ステップS15に制御を進める。ステップS15において、制御部8は、充電終了の通知を表示部(図示せず)に表示させて処理を終了する。
【0052】
また、ステップS02において、2つの商用電源が異なる周波数または位相である場合(NO)、ステップS16において、制御部8は、1つの商用電源から充電を実行するか否かをユーザーに選択させる。ユーザーの選択により1つの商用電源から充電を実行する場合、制御部8は、ステップS03に処理を進め、上述した充電処理を実行する。一方、ユーザーの選択により1つの商用電源から充電を実行しない場合、制御部8は、ステップS17に処理を進め、充電を実行しない通知を表示部(図示せず)に表示させて処理を終了する。
【0053】
図5は、本実施形態における充電制御において、コイルL2の巻数を選択するためのマップ(パラメータマップ)の一例を示している。図5を用いて、図4のステップS06からステップS09において、マップを選択して電圧可変部5の2次側のコイルL2の巻数A、巻数B、または巻数Cの選択を決定する制御の具体例を説明する。
【0054】
図5に示すマップA、マップB、及びマップCの各マップには、ユーザー要求の充電時間(短い/標準/長い)と蓄電池200の温度(高い/普通/低い)とに基づいて選択される電圧可変部5の2次側のコイルL2の巻数A、巻数B、または巻数Cが、各々対応付けられている。そして、これらの各マップは、制御部8に予め設定されている。ここで、蓄電池200の温度は、所定の温度範囲の場合を「普通」、所定の温度範囲より高い場合を「高い」、及び所定の温度範囲より低い場合を「低い」としている。また、電圧可変部5の2次側のコイルL2の巻数A、巻数B、及び巻数Cの関係は、巻数A<巻数B<巻数Cとしている。
【0055】
マップA及びマップCは、蓄電池200の状態を優先したマップであり、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、蓄電池200の状態に応じた電圧を優先した電圧に設定されるように2次側のコイルL2の巻数が設定されている。また、マップBは、ユーザー要求の充電時間を優先したマップであり、電圧可変部5が供給する電力の電圧を、ユーザーの充電時間に対する要求に応じた電圧を優先した電圧に設定されるように2次側のコイルL2の巻数が設定されている。
【0056】
マップAとマップBとを比較すると、例えば、ユーザー要求により「短い」の充電時間が選択されている場合、マップBにおいては蓄電池200の温度によらず巻数Cが設定されており、短い時間で充電するための高い電圧が電圧可変部5から出力される。一方、マップAにおいては、蓄電池200の温度が「普通」の場合はマップBと同様に巻数Cが設定されているが、温度が「高い」または「低い」の場合はマップBに設定されている巻数Cと比較して小さい巻数Bが設定されており、巻数Cの場合に比べて降圧された電圧が電圧可変部5から出力される。また、ユーザー要求により「標準」の充電時間が選択されている場合においても、マップAには、マップBと比較して小さい巻数が設定されている。このように、マップAには、蓄電池200の状態を優先し、蓄電池200が保護される電圧になるようにコイルL2の巻数が設定されており、蓄電池200の劣化状態が閾値以上の場合に選択される。一方、マップBには、ユーザー要求の充電時間を優先した電圧になるようにコイルL2の巻数の設定がされており、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下の場合に選択される。
【0057】
また、マップA及びマップCは、どちらも蓄電池200の状態を優先したマップであるが、蓄電池200の残容量が所定の閾値以下である場合はマップAが選択され、所定の閾値以下でない場合はマップCが選択される。マップAとマップCとを比較すると、例えば、ユーザー要求により「短い」の充電時間が選択されている場合、マップCには、マップAに設定されている巻数Cまたは巻数Bと比較してそれぞれ小さい巻数Bまたは巻数Aが設定されている。また、ユーザー要求により「標準」の充電時間が選択されている場合においては、マップCには、蓄電池200の温度が「高い」または「低い」の場合はマップAと同様に最小の巻数Aが設定されているが、温度が「普通」の場合はマップAの巻数Bと比較して小さい巻数Aが設定されている。このように、マップCには、蓄電池200の残容量が所定の閾値以下で無い場合、すなわち、蓄電池200が満充電に近づいている場合、マップAの設定よりも更に蓄電池200が保護される電圧になるようにコイルL2の巻数が設定されている。
【0058】
そして、上述したマップは、次のように選択され巻数が決定される。
蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下である場合、制御部8は、ユーザー要求を優先したマップBを選択する。また、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下でない場合、制御部8は、蓄電池200の状態を優先したマップAまたはマップCを選択する。マップAまたはマップCについては、制御部8は、蓄電池200の残容量が所定の閾値以下である場合はマップAを選択し、残容量が所定の閾値以下でない場合はマップCを選択する。次に、制御部8は、検出された蓄電池200の温度と入力されたユーザー要求の充電時間に基づいて、選択したマップから巻数を決定する。
例えば、蓄電池200の劣化状態が所定の閾値以下であって、蓄電池200の温度が「普通」であり、且つユーザー要求の充電時間が「短い」の場合、制御部8は、マップBを選択し、選択したマップBから巻数Cを選択して2次側のコイルL2の巻数を巻数Cに決定する。
【0059】
以上のように、本実施形態における充電装置100は、蓄電池200の残容量や温度といった蓄電池200の状態を優先した電圧により蓄電池200を充電するか、またはユーザーの充電時間に対する要求を優先した電圧により蓄電池200を充電するかを、蓄電池200の劣化状態に基づいて制御する。よって、本実施形態の充電装置100によれば、蓄電池200の状態を検出することにより、蓄電池200の劣化が少ない場合、ユーザーによる早く充電したいという要求を優先させた短い時間で充電し、一方、蓄電池200の劣化が進んでいる場合、蓄電池200を保護するために標準もしくは長い時間で充電する制御が可能である。これにより、本実施形態の充電装置100は、車両外部の2つの電源から供給される電力により蓄電池200に充電する際の充電電力を、適切に制御することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0061】
例えば、上記実施形態において、車両外部の2つの電源により蓄電池200を充電する場合について説明したが、これに限られるものではなく、車両外部の複数の電源により蓄電池200を充電する構成としてもよい。この場合、充電装置100は、複数の充電口1(充電コネクタ)を備え、複数の充電口1から供給される電力に対して、各々上述した充電装置100の備える各部の機能において、2つの電源から複数の電源に対応することで、本実施形態における充電制御と同様の制御が可能である。つまり、充電装置100は、複数の充電口1から供給される電力に対して、電圧比較部3が複数の電圧の比較を実行し、切換部4が供給される複数分の電源の接続を各々切換えるための切換器を備え、電圧可変部5が供給される複数分の電源に対応した1次側のコイルを備えることで、同様の制御が可能である。
【0062】
なお、本実施形態における電圧可変部5の有する2次側のコイルL2のタップ(接続点)は、巻数A、巻数B、及び巻数Cの3つのタップ(接続点)としたが、これに限られるものではなく、2つのタップ(接続点)、または4つ以上の複数のタップ(接続点)としてもよい。
【0063】
また、本実施形態における電圧可変部5は、供給される2つの電源の電圧の総和から降圧する変圧器(トランス)を例として説明したが、これに限られるものではなく、昇圧する変圧器、または昇圧及び降圧する変圧器としてもよい。
【0064】
また、本実施形態において、制御部8は、図5において3種類のマップ(パラメータマップ)から選択する制御をする例について示したが、これに限られるものではない。例えば、マップは、各々のパラメータ(蓄電池200の状態やユーザー要求の充電時間)の条件または閾値に対応した更に多くのマップを有しても良いし、供給される電源の数に対応して各々マップを有しても良い。また、図5において、制御部8が有するデータ構成をマップとして模式的に示したが、制御部8が有するデータ構成の態様はこれに限られるものではない。
【0065】
また、本実施形態において、充電装置100を備える車両として電気自動車400を用いて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、電動二輪車や電動カートとしてもよい。
【0066】
また、本実施形態における制御部8は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、上述の制御部8はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、上述の制御部8の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0067】
また、上述の制御部8の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の制御部8の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0068】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 充電口(充電コネクタ)、2 電圧計、3 電圧比較部、4 切換部、4a,4b 切換器、5 電圧可変部、6 可変部、7 検出部、8 制御部、9 AC/DCコンバータ、11 入力部、71 電池電圧検出部、72 電池電流検出部、73 電池温度検出部、100 充電装置、200 蓄電池、201 バッテリモジュール、300 電源コンセント、310 充電ケーブル、400 電気自動車(車両)、L1a,L1b 1次側のコイル(1次コイル)、L2 2次側のコイル(2次コイル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載された蓄電池を車両外部の複数の電源により充電する充電装置であって、
外部の電源と電気的に接続可能な充電ケーブルを用いて、前記車両外部の複数の電源に対してそれぞれ電気的に接続可能な複数の充電コネクタと、
複数の前記充電コネクタから供給される電力の電圧を可変して前記蓄電池に電力を供給する電圧可変部と、
前記蓄電池の状態を検出する検出部と、
前記蓄電池の状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する制御部と
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記検出部は、
前記蓄電池の電圧を検出する電池電圧検出部と、
前記蓄電池において充放電される電流を検出する電池電流検出部と、
前記蓄電池の温度を検出する電池温度検出部と、
を備え、
前記制御部は、
検出された前記電圧、前記電流、または前記温度に基づいて、前記蓄電池の残容量及び劣化状態を検出し、
前記劣化状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記残容量もしくは前記温度に応じた電圧、または前記入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記蓄電池の前記劣化状態が所定の劣化状態より劣化が進んだ状態を示すものである場合、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の前記残容量もしくは前記温度に応じた電圧を優先した電圧に制御し、
前記劣化状態が前記所定の劣化状態より劣化が少ない状態を示すものである場合、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記入力される充電時間に関する要求に応じた電圧を優先した電圧に制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記蓄電池の前記残容量が、所定の閾値以下であるか否かに基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を制御する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記蓄電池の前記温度が所定の温度範囲であるか否かと、前記入力される充電時間に関する要求とに基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を制御する
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項6】
複数の前記充電コネクタから供給される電力における電圧の周波数及び位相を比較する電圧比較部と、
複数の前記充電コネクタと前記電圧可変部との各々の接続を、導通状態または遮断状態に切換える切換部と、
を備え、
前記制御部は、
複数の前記充電コネクタから供給される電力における電圧の周波数または位相が異なる場合、複数の前記充電コネクタと前記電圧可変部との各々の接続を遮断状態に制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記電圧可変部は、
複数の前記充電コネクタと電気的に接続される複数の1次コイルと、
複数の前記1次コイルに供給される電力に応じて電力を発生する2次コイルと、
前記2次コイルの発生する電力の電圧を可変するために前記2次コイルの巻数を選択して変更する可変部と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の充電装置。
【請求項8】
外部の電源と電気的に接続可能な充電ケーブルを用いて、前記車両外部の複数の電源に対してそれぞれ電気的に接続可能な複数の充電コネクタを備え、車載された蓄電池を前記車両外部の複数の電源により充電する充電装置の充電方法であって、
電圧可変部が、複数の前記充電コネクタから供給される電力の電圧を可変して前記蓄電池に電力を供給する手順と、
検出部が、前記蓄電池の状態を検出する手順と、
制御部が、前記蓄電池の状態に基づいて、前記電圧可変部が供給する電力の電圧を、前記蓄電池の状態に応じた電圧、または入力される充電時間に関する要求に応じた電圧の何れかを優先した電圧に制御する手順と、
を備えることを特徴とする充電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−85467(P2012−85467A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230599(P2010−230599)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】