光ケーブルモジュール、光ケーブルモジュールの製造方法および光ケーブルモジュールを備える電子機器
【課題】光結合効率を劣化させることなく、生産性が高い光ケーブルモジュールとその製造方法、および該光ケーブルモジュールを備える電子機器を提供する。
【解決手段】受発光素子3および電気配線5を搭載した基板7と、電気接続部6と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路2とを備える光ケーブルモジュール1の製造方法において、光信号を発信または受信する受発光面を基板7とは反対側に向けて受発光素子3を基板7に設ける工程と、受発光素子3の受発光面に対するフィルム光導波路2の端面の、該受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、フィルム光導波路2を受発光素子3に対向配置させる工程と、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための高さ補償部材4を、フィルム光導波路2と基板7との間における、受発光素子3の基板7への投影領域外に設ける工程とを含む。
【解決手段】受発光素子3および電気配線5を搭載した基板7と、電気接続部6と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路2とを備える光ケーブルモジュール1の製造方法において、光信号を発信または受信する受発光面を基板7とは反対側に向けて受発光素子3を基板7に設ける工程と、受発光素子3の受発光面に対するフィルム光導波路2の端面の、該受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、フィルム光導波路2を受発光素子3に対向配置させる工程と、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための高さ補償部材4を、フィルム光導波路2と基板7との間における、受発光素子3の基板7への投影領域外に設ける工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光データ伝送用光モジュールに関するものであって、特に柔軟性を有する光ケーブルモジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速で大容量のデータ通信が可能な光通信網が拡大している。今後、この光通信網は民生機器への搭載が予想されている。そして、特に、機器内の基板間をデータ伝送する用途として、現在の電気ケーブルと変わりなく使用することができる電気入出力の光データ伝送ケーブル(光ケーブル)が求められている。この光ケーブルとしては、フレキシブル性を考慮すると、フィルム光導波路を用いることが望ましい。
【0003】
光導波路とは、屈折率の大きいコアと、該コアの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッドとにより形成され、コアに入射した光信号を該コアとクラッドとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。また、フィルム光導波路は、コアおよびクラッドが柔軟な高分子材料からなるため柔軟性を有している。
【0004】
この柔軟性を有するフィルム光導波路を光ケーブルとして用いる場合、光電変換素子(受発光素子)と位置合わせをして光結合する必要がある。受発光素子とは、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換するものである。
【0005】
ところが、フィルム光導波路は柔軟性を有するため、受発光素子とフィルム光導波路との位置合わせは非常に困難である。また、この位置合わせは、光結合効率に影響を与えるため、精密さが要求される。
【0006】
従来、受発光素子とフィルム光導波路との位置合わせは、位置および光軸の一致を要するため、フィルム光導波路に対して合わせて5軸方向の調整が必要である。すなわち、図34に示すように、受発光素子とフィルム光導波路との間の距離Dと、X−Y平面におけるX軸、Y軸、回転方向φと、X−Y平面に直交するZ軸方向との調整が必要である。
【0007】
一般的に、上記位置合わせをするためのフィルム光導波路を製造する方法としては、受発光素子とフィルム光導波路の端面とをそれぞれリジッドな部材で固定し、個別に結合する方法が用いられている。このフィルム光導波路の製造方法の一例が特許文献1に記載されている。
【0008】
図35は、特許文献1に記載されているフレキシブル(フィルム)光導波路基板の製造方法を示す側面図である。この製造方法について以下に具体的に説明する。
【0009】
まず、ベース基板110の両端部に予め接着力改良剤131、132を塗布しておく(図35(a))。次に、ベース基板110上にクラッド121を形成した(図35(b))後、コア122を形成する(図35(c))。そして、ベース基板110の接着力改良剤131、132が付着されている部分以外に対応する部分を除去することによって、端部が固定されたフィルム光導波路基板100を製造することができる。
【0010】
そして、フィルム光導波路基板100を用いることによって、図34(a)(b)に示すように、フィルム光導波路と受発光素子との位置合わせを行うことができる。
【0011】
図34(a)(b)は、上述のフィルム光導波路基板100を備えた光ケーブルモジュール101の概略構成を示す図である。同図に示すように、フィルム光導波路102にリジッドな部材105を取り付けて柔軟性を有するフィルム光導波路102を固定することによって、距離D、X軸、Y軸、回転方向φ、Z軸の調整が可能となり、基板107上の受発光素子103と位置合わせを行うことができる。
【特許文献1】特開平4−281406号公報(1992年10月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、上記従来の構成では、フィルム光導波路の端面を固定するための工数が必要であるため生産性が悪い。また、上述のように、フィルム光導波路と受発光素子とを光結合させるために、5軸方向(距離D、X軸、Y軸、回転方向φ、Z軸)の調整が必要となるため、光ケーブルモジュールの生産性が悪いという問題点がある。
【0013】
ここで、上記位置合わせを容易にするための他の方法として、上記従来技術を発展させた以下の構成が考えられる。
【0014】
図36(a)(b)は、端面が45度の傾斜面に加工されたフィルム光導波路102の先端に、保持部材であるフェルール等の固定接続部材104を設ける構成を示す側面図である。同図の構成によれば、受発光素子103とフィルム光導波路102との間の距離Dを常に一定に保つことができるため、上記従来の方法と比較して、位置合わせが容易となる。
【0015】
ところが、同図の構成では、固定接続部材104と受発光素子103とが接触しないように、距離Dを大きく採る必要がある。そのため、フィルム光導波路102は、受発光素子103から十分な光信号の出力を得ることができず、光結合効率が低下してしまう。
【0016】
また、図37(a)(b)に示す構成によれば、端面が直角に加工されたフィルム光導波路102と位置合わせ行うために、受発光素子103を立てて実装する必要があり、実装工数が増大し、生産性が悪い。
【0017】
さらに、図38(a)(b)に示すように、基板107を挟んでフィルム光導波路102とフリップチップ方式の回路素子111とを別々に形成し、回路部112を集積化する方法が考えられる。
【0018】
ところが、同図の構成では、この集積化した回路部112をモジュール化した場合、光ケーブルモジュール全体の外形が大型化してしまう。また、接続部は5軸方向の位置合わせが必要な光結合となるため、接続を補償するピンやバックルが必要となり、同じく外形が大型化してしまう。さらに、工法的にも基板107において両面実装が必要となり、実装工数が増大するという問題点がある。
【0019】
本発明は、上記種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光結合効率を劣化させることなく、生産性が高い光ケーブルモジュールとその製造方法、および該光ケーブルモジュールを備える電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含むことを特徴としている。
【0021】
フィルム光導波路とは、屈折率の大きいコア部と、該コア部の周囲に設けられる屈折率の小さいクラッド部とにより形成され、コア部に入射した光信号を該コア部とクラッド部との境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。
【0022】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面における、光素子の基板への投影領域外に高さ補償部材が設けられ、該高さ補償部材にフィルム光導波路が設けられる。そして、フィルム光導波路と光素子とは、両者の間の距離を一定に保った状態で光学結合される。
【0023】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間に設けられる高さ補償部材によって、両者の間の距離を常に一定に保つことができるため、両者の間の距離を調整する必要がない。また、フィルム光導波路を固定して基板に接続するための部材が不要となるため、フィルム光導波路と光素子との間の距離を最適に設定することができる。したがって、光結合効率を劣化させることなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0024】
具体的には、光素子の受発光面に平行な面をX−Y平面とすると、光素子とフィルム光導波路の端面とが対向するように、フィルム光導波路をX軸方向及びY軸方向並びに回転方向に調整することによって、光素子とフィルム光導波路とを光結合させることができる。
【0025】
また、上記簡易な位置合わせによって光結合させることができるため、従来のように、フィルム光導波路の端面を予めリジッドな部材で固定する必要がない。そのため、製造工数を低減することができ、光ケーブルモジュールの生産性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含むことを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面において、フィルム光導波路と光素子との間の距離を一定に保った状態で、フィルム光導波路と光素子とが光学結合される。
【0028】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を常に一定に保つことができるため、両者の間の距離を調整する必要がない。したがって、光結合効率を劣化させることなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0029】
具体的には、光素子の受発光面に平行な面をX−Y平面とすると、光素子とフィルム光導波路の端面とが対向するように、フィルム光導波路をX軸方向、Y軸方向および回転方向に調整することによって、光素子とフィルム光導波路とを光結合させることができる。
【0030】
そして、上記簡易な位置合わせによって光結合させることができるため、従来のように、フィルム光導波路の端面を予めリジッドな部材で固定する必要がない。そのため、製造工数を低減することができ、光ケーブルモジュールの生産性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材を上記基板に設ける工程と、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させて上記高さ補償部材に設ける工程とを同時に行うことが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、基板と高さ補償部材とフィルム光導波路との結合が、同時に行われるため、製造工数をさらに低減させることができる。したがって、より生産性が高い光ケーブルモジュールを製造することができる。
【0033】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材と上記基板とが、一体に形成されていることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、高さ補償部材と基板とが一体に形成されているため、光素子とフィルム光導波路との間の距離を一定に保つための部材が不要となる。したがって、光ケーブルモジュールの製造工数をさらに減少させることができると共に、コストを低減させることができる。
【0035】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材と上記フィルム光導波路とが、一体に形成されていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、高さ補償部材とフィルム光導波路とが一体に形成されているため、光素子とフィルム光導波路との間の距離を一定に保つための部材が不要となる。したがって、光ケーブルモジュールの製造工数を減少させることができると共に、コストを低減させることができる。
【0037】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記フィルム光導波路の両端面を斜めに加工する工程と、上記フィルム光導波路の各端部を、上記高さ補償部材または上記基板にそれぞれ同時に設ける工程とを含むことが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、フィルム光導波路の両端面の光学的結合が同時に行われるため、それぞれの端面毎に結合処理する場合と比較して、製造時間を短縮することができる。
【0039】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記フィルム光導波路をハンドリングする工程と、上記受発光素子を動作させることなく、パッシブアライメントによって上記フィルム光導波路の位置を調整する工程と、上記フィルム光導波路を上記高さ補償部材または上記基板に設ける工程とを含むことが好ましい。
【0040】
これにより、光ケーブルモジュールの製造時に、受発光素子を動作させる必要がないため生産性をさらに向上させることができる。
【0041】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法によって製造されることを特徴としている。
【0042】
これにより、光結合効率を劣化させることなく生産性が高い光ケーブルモジュールを提供することができる。
【0043】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記フィルム光導波路の端面における、上記光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように、上記基板における上記光素子が搭載される面、または上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が斜めに形成されていることが好ましい。
【0044】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面、または高さ補償部材におけるフィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、フィルム光導波路の端面における、光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように斜めに形成されている。
【0045】
これにより、フィルム光導波路の端面における、光素子とフィルム光導波路とを光結合させるための全反射条件が緩和されるため、光結合効率を向上させることができる。
【0046】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面、または上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、上記フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されていることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、高さ補償部材または基板のいずれか一方が、フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されている。これにより、フィルム光導波路を搭載する位置が予め設定されることになるため、フィルム光導波路と光素子との位置合わせをさらに容易に行うことができる。
【0048】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線と上記光素子とが封止剤によって固定されていることが好ましい。
【0049】
これにより、電気配線と光素子とを外部から守ることができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができ、信頼性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0050】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線と上記光素子と上記フィルム光導波路とがパッケージ固定されていることが好ましい。
【0051】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を確実に固定することができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができると共に、さらに光結合効率の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0052】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記フィルム光導波路における一方の端面と光学的に結合する発光側の上記光素子と、上記フィルム光導波路における他方の端面と光学的に結合する受光側の上記光素子とが、上記基板にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0053】
これにより、光結合効率が高い光通信用の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0054】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、発光側の上記光素子を駆動する駆動ICと、受光側の上記光素子からの出力信号を増幅する増幅用ICとを有する電子回路を備えていることが好ましい。
【0055】
上記の構成によれば、フィルム光導波路と光素子と電子回路とを密接して実装することができる。これにより、光素子と電子回路との距離を最適に設定することができるため、小型の駆動ICおよびアンプ等の増幅用ICを用いることができる。また、基板のスペースを有効に活用することができるため、光ケーブルモジュールの小型化を図ることができる。さらに、従来生じているような電気信号の減衰を低減することができる。
【0056】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電子回路は、パラレルシリアル変換ICをさらに有していることが好ましい。
【0057】
これにより、光素子と駆動ICとパラレルシリアル変換ICとを備える電子回路を最適に設計して、パラレルシリアル変換ICの端子を高密度に配置できるため、小型のパラレルシリアル変換型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0058】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線は、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていることが好ましい。
【0059】
これにより、フレキシブルプリント基板(FPC)上に、光素子と電気配線とを直接実装することができるため、接続端子が不要となり光ケーブルモジュールのコストを低減することができる。
【0060】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線は、同軸ケーブルからなっていることが好ましい。
【0061】
これにより、ノイズ耐性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0062】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、電気コネクタであることが好ましい。
【0063】
これにより、既存の電気コネクタを使用することができるため、汎用性に優れ、実装が容易な光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0064】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、上記電気配線の長手方向に対して接続方向が異なる電気コネクタであることが好ましい。
【0065】
これにより、上挿入型(board to board)の電気コネクタを使用することができるため、光ケーブルモジュールの外部機器への接続が容易となる。
【0066】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、熱圧着コネクタであることが好ましい。
【0067】
これにより、熱圧着による方法を用いて、光ケーブルモジュールを外部機器に容易に接続することができる。
【0068】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、筒型のノイズ遮蔽筐体に内蔵されていることが好ましい。
【0069】
これにより、光素子から発生する電磁ノイズを遮蔽することができるため、光ケーブルモジュールの光伝送効率の劣化を防ぐことができる。
【0070】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、単一の光伝送媒体に少なくとも1つ以上のフィルム光導波路が形成されると共に、上記フィルム光導波路の各端面と光学的に結合するように、上記光素子が上記基板にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0071】
これにより、単一の光伝送媒体で、複数のフィルム光導波路を形成しているため、製造コストを低減した光伝送効率の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0072】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記単一の光伝送媒体の両端に、それぞれ上記基板が設けられると共に、それぞれの上記基板に、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とが少なくとも1組以上設けられていることが好ましい。
【0073】
これにより、双方向の光伝送が可能な光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0074】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記各基板上においては、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とは、上記フィルム光導波路の長手方向における互いに異なる位置に設けられていること好ましい。
【0075】
これにより、双方向伝送型の光ケーブルモジュールにおいて、発光側の光素子からの迷光が、受光側の光素子に到達し受光されることを防ぐことができるため、クロストークを軽減することができる。
【0076】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線が、該電気配線とは異なる電気ケーブルと一体化されていることが好ましい。
【0077】
これにより、電気信号および光信号のデータ伝送を行うことができるため、電気ケーブル一体型の小型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0078】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線が上記基板に搭載されていることが好ましい。
【0079】
これにより、幅の小さい電気配線一体型の光ケーブルモジュールが実現できる。
【0080】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線が遮光処理されていることが好ましい。
【0081】
これにより、電気配線において外部からの光を遮断することができるため、フィルム光導波路への外光の侵入を防ぐことができる。したがって、データ伝送のS/N比およびクロストークの劣化を防止することができる。外光の影響を受けにくい光ケーブルモジュールが実現できる。
【0082】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線がノイズ遮蔽処理されていることが好ましい。
【0083】
これにより、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくい光ケーブルモジュールが実現できる。
【0084】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線において、上記電気ケーブル部分の長さが、上記フィルム光導波路を含む電気配線部分の長さよりも短いことが好ましい。
【0085】
これにより、ケーブル全体に引張力が加わった場合でも、フィルム光導波路には負荷がかからないため、引張り耐性の弱い柔軟なフィルム光導波路を用いたフレキシブル性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0086】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線および上記電気ケーブルは、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていると共に、上記光導波路と上記電気配線とが、上記電気ケーブルと対向するように折り返されていることが好ましい。
【0087】
これにより、電気配線を単一部材で構成できるため、生産性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。また、ケーブル幅のスペースを低減することができるため、電気ケーブルと一体化した光ケーブルモジュールの小型化を図ることができる。
【0088】
また、本発明の電子機器は、上記記載の光ケーブルモジュールを備える電子機器において、上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴としている。
【0089】
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光ケーブルモジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
【0090】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、上記光ケーブルモジュールにおける、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることが好ましい。
【0091】
これにより、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とを実装するための基板を筐体部に設ける必要がないため、電子機器をさらに小型化することができる。
【0092】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、ヒンジ部を備える折り畳み式の電子機器において、上記光ケーブルモジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることが好ましい。
【0093】
これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き電子機器内部の機器基板間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光ケーブルモジュールは小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き電子機器にヒンジを組み込みんだ後に実装することができるため生産性の高い電子機器を実現することができる。
【0094】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、上記光ケーブルモジュールは、上記機器基板に実装されたIC上に設けられていることが好ましい。
【0095】
これにより、ノイズの発生が少ない光ケーブルモジュールをIC上に設けられていることができるため、電子機器におけるノイズの影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0096】
本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、以上のように、光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含む方法である。
【0097】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、以上のように、上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含む方法である。
【0098】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記の製造方法によって製造される構成である。
【0099】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を調整することなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0100】
したがって、光結合効率を劣化させることなく生産性が高い光ケーブルモジュールとその製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明の電子機器は、以上のように、上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されている構成である。
【0102】
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光ケーブルモジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0103】
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
【0104】
図1(a)は、本実施形態における光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。
【0105】
光ケーブルモジュール1は、フィルム光導波路2と、受発光素子(光素子)3と、高さ補償部材4と、電気配線5と、電気接続部(電気接続手段)6と、基板7とを備えている。
【0106】
フィルム光導波路2は、屈折率の大きいコア部2aと、該コア部2aの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッド部2bとにより形成され、コア部2aに入射した光信号を該コア部2aとクラッド部2bとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。コア部2aおよびクラッド部2bは、柔軟性を有する高分子材料からなるものであるため、フィルム光導波路2は柔軟性を有している。フィルム光導波路2の両端面は、45度の傾斜面を有し、この傾斜面において光信号を反射する。なお、フィルム光導波路2の端面の角度は45度に限定されるものではなく、入射される光信号をフィルム光導波路2内部へ反射させることができればよく、適宜変更可能である。
【0107】
受発光素子3は、電気信号を光信号に、光信号を電気信号にそれぞれ変換するものである。また、受発光素子3は、面受発光型の素子であり、基板7に搭載される搭載面とは反対側の面から光信号を発信および受信するものである。なお、発光側の光素子および受光側の光素子をそれぞれ発光素子3aおよび受光素子3bとする。
【0108】
高さ補償部材4は、フィルム光導波路2を搭載すると共に、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための保持部材である。なお、高さ補償部材4の高さは、フィルム光導波路2と受発光素子3との光結合効率が最適になるように予め設定されている。
【0109】
電気配線5は、受発光素子3と後述の駆動回路等の電子回路8とを接続して、電気信号の伝達を行うものである。具体的には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)、同軸ケーブル、リードフレーム等が挙げられる。
【0110】
電気接続部6は、電気配線5を介して受発光素子3と電子回路8とを電気的に接続するためのものである。具体的には、例えば、電気コネクタ、熱圧着コネクタ等が挙げられる。
【0111】
基板7は、上述の、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5および電気接続部6を実装するためのものである。
【0112】
ここで、光ケーブルモジュール1の製造方法について、図2および図3を用いて以下に説明する。なお、図2において、フィルム光導波路2の長手方向に平行する軸をY軸、Y軸に直交する軸をX軸、座標平面をX−Y平面、X−Y平面における回転方向をφ、X−Y平面に直交する軸をZ軸とする。
【0113】
まず、治具等により固定された基板7の上面に、予め受発光素子3と電気配線5と電気接続部6とを半田付け等による方法で実装しておく(図3(a))。次に、基板7の上面における高さ補償部材4を搭載する面と、高さ補償部材4におけるフィルム光導波路2を搭載する面とに接着剤を塗布する(図3(b))。なお、接着剤は、各種市販のものを使用することができる。
【0114】
次に、フィルム光導波路2と高さ補償部材4とをエアチャック等を用いてハンドリングし(図3(c))、基板7の上方(Z軸方向)に設置された画像認識装置(図示せず)により、フィルム光導波路2と受発光素子3との位置調整を行う(図2(b))。
【0115】
なお、上記位置調整は、X−Y平面におけるX軸、Y軸および回転方向φのみの調整を行えばよい。すなわち、図2(a)に示す、Z軸方向すなわち受発光素子3からフィルム光導波路2までの距離Dの位置調整は、高さ補償部材4により予め設定されているため不要となる。また、本実施形態におけるフィルム光導波路2の断面形状は矩形であるため、上記位置調整における回転方向位置の調整は、フィルム光導波路2の中心軸周りの回転角度を考慮する必要はないが、該断面形状が円形または楕円形である場合には、該回転角度の調整も含まれる。
【0116】
そして、画像認識装置の映像が、図2(b)に示すように、フィルム光導波路2の傾斜端面と受発光素子3とが一致する位置において、基板7と高さ補償部材4とフィルム光導波路2との接着処理が実行される(図3(d))。
【0117】
これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離Dを最適に保持した状態で、容易に両者を光結合させることができる。また、フィルム光導波路2と高さ補償部材4とを基板7に対して、同時に接着処理することができるため、従来と比較して製造時間の短縮を図ることができる。
【0118】
このように、上記位置調整は、パッシブアライメント法を用いることが好ましい。これにより、受発光素子3を動作させる必要がないため生産性をさらに向上させることができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、基板7と高さ補償部材4とフィルム光導波路2とを接着剤により結合する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、接着シート、熱融着、UV融着等により結合する構成であってもよい。
【0120】
ここで、図4に示すように、高さ補償部材4が基板7と一体に形成されている構成であってもよい。また、図5に示すように、高さ補償部材4がフィルム光導波路2と一体に形成されている構成であってもよい。これにより、高さ補償部材4が不要となるため、製造工数を低減することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0121】
また、図6(a)〜(d)に示すように、フィルム光導波路2の両端面を同時に接着処理して受発光素子3と光結合することによって、光ケーブルモジュール1を製造する構成であってもよい。これにより、製造時間をさらに短縮することができる。なお、この場合、フィルム光導波路2は柔軟性を有するため、その両端部を1つのエアチャックによりハンドリングして、画像認識装置により両端部を同時に調整し接着処理することも可能である。
【0122】
なお、本実施形態では、フィルム光導波路2の端面を45度の傾斜面に加工して、基板7の上方から受発光素子との位置合わせを行う構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルム光導波路2の端面を90度に加工し、基板7に直接接着する構成としてもよい。この場合は、受発光素子3は、フィルム光導波路2の端面方向、すなわちX軸方向に光信号を受発信する構成とすることが好ましい。
【0123】
次に、基板7の他の形態について、図7〜図9を用いて以下に説明する。
【0124】
図7(a)(b)は、フィルム光導波路2の端面における光信号の反射条件を緩和するための基板7の構成を示す側面図である。具体的には、図7(a)は、基板7における受発光素子3が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す側面図であり、図7(b)は、基板7におけるフィルム光導波路2が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す側面図である。
【0125】
基板7に傾斜が形成されていない場合には、発光素子3aから垂直に発信される光信号は、フィルム光導波路2における45度の傾斜端面において、入射方向に対して直角に反射する。
【0126】
これに対して、上記の構成によれば、光信号は、発光素子3aからの入射方向に対して鈍角に反射する。これにより、フィルム光導波路2における端面での全反射条件を緩和することができるため、受発光素子3とフィルム光導波路2との光結合効率を向上させることができる。
【0127】
また、図8(a)(b)に示すように、フィルム光導波路2の先端部を支持するために、基板7の上面に、受発光素子3を設けるための凹部7cが形成されている構成としてもよい。これにより、フィルム光導波路2の端面における光信号の伝搬方向と異なる部分を支持することができるため、光結合効率を劣化させることなく、フィルム光導波路2の先端部の撓み量を抑えることができる。したがって、光結合のズレを抑制することができる。
【0128】
なお、同図の構成によれば、基板7における受発光素子3が搭載される面において、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保った状態で、フィルム光導波路2と受発光素子3とが光学結合される。すなわち、高さ補償部材4を用いることなく、上記距離を一定に保つことができる。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を調整する必要がないため、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路2と受発光素子3とを容易に光結合させることができる。
【0129】
また、図9に示すように、基板7におけるフィルム光導波路2の搭載面が、フィルム光導波路2の両側面を狭持するように形成されていてもよい。具体的には、基板7において、フィルム光導波路2を搭載する部分が受発光素子3を搭載する部分よりも高くなるように段差を設け、この部分にフィルム光導波路2の両側面を狭持できるよう、例えば凹部を形成する。
【0130】
これにより、フィルム光導波路2を搭載する位置が予め設定されることになる。すなわち、Y軸方向および回転方向φの調整が不要となる。そのため、フィルム光導波路2と受発光素子3との位置合わせをさらに容易に行うことができる。なお、同図の構成では、フィルム光導波路2の両側面を狭持できるように基板7を形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、高さ補償部材4のフィルム光導波路2を搭載する面を同様に形成してもよい。
【0131】
ここで、図10(a)に示すように、基板7の上面において、受発光素子3と電気配線5とが樹脂製の封止剤7dによって固定されていてもよい。これにより、受発光素子3と電気配線5とを外部から守ることができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができる。また、図10(b)に示すように、基板7の上面において、フィルム光導波路2と高さ補償部材4と受発光素子3と電気配線5とがパッケージ9内に固定されていてもよい。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離Dを確実に固定することができるため、上記効果に加えて、さらに光結合効率の向上を図ることができる。
【0132】
また、図11に示すように、フィルム光導波路2における一方の端面と光結合する発光素子3aと、他方の端面と光結合する受光素子3bとが、基板7a、7bにそれぞれ設けられる構成であってもよい。これにより、光結合効率が高い光通信用の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0133】
ここで、光ケーブルモジュール1の具体的な構成について、図12〜図19を用いて以下に説明する。
【0134】
図12(a)は、発光素子3aを駆動するための駆動IC8aと、受光素子3bからの電気信号出力を増幅するためのアンプ(増幅用IC)8bとを有する電子回路8を備えた光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図12(b)は、その側面図である。
【0135】
同図の光ケーブルモジュール1は、基板7の上面において、受発光素子3と、該受発光素子3と電気配線5を介して接続される電子回路8とを備えており、受発光素子3と光結合するフィルム光導波路2が、上述の方法により接着固定されている構成である。
【0136】
ここで、光ケーブルモジュール1における光伝送の仕組みについて以下に簡単に説明する。
【0137】
駆動IC8aから電気信号を受信した発光素子3aは、この電気信号に対応する光信号を出力する。次に、発光素子3aから出力された光信号は、フィルム光導波路2の一方の端面から入射し、フィルム光導波路2の内部で反射を繰り返しながら伝搬し、フィルム光導波路2の他方の端面から出射して受光素子3bに入力される。そして、受光素子3bに入力された光信号は、電気信号に変換され次段のアンプ8bによって所望の出力に増幅される。
【0138】
従来、図36および図37に示すように、受発光素子103から次段のアンプ108までの距離を大きく採る必要があるため、受発光素子103から出力されてアンプ108に入力される電気信号が減衰し、伝送特性が劣化してしまう。
【0139】
これに対して、上記構成の光ケーブルモジュール1によれば、フィルム光導波路2と受発光素子3と電子回路8とを密接して実装することができる。これにより、受発光素子3と電子回路8との距離を最適に設定することができるため、従来生じているような電気信号の減衰を低減することができる。また、基板7の上面におけるスペースを有効に活用することができるため、光ケーブルモジュール1の小型化を図ることができる。
【0140】
なお、光ケーブルモジュール1において、図13(a)(b)に示すように、電子回路8が、パラレルシリアル変換IC8cをさらに備える構成であってもよい。これにより、発光素子3aおよび受光素子3bと、駆動IC8aと、パラレルシリアル変換IC8cとを備える電子回路8を最適に設計して、パラレルシリアル変換IC8cの端子を高密度に配置できるため、小型のパラレルシリアル変換型の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0141】
また、図14(a)(b)に示すように、電気配線5がフレキシブルプリント基板5a(FPC)であってもよい。これにより、フレキシブルプリント基板5a上に、受発光素子3と電気配線5とを直接実装することができるため、接続端子が不要となり光ケーブルモジュール1のコストを低減することができる。
【0142】
また、図15(a)(b)に示すように、電気配線5が同軸ケーブル5bであってもよい。これにより、ノイズ耐性の高い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0143】
ここで、図16(a)(b)に示すように、電気接続部6が電気コネクタ6aであってもよい。これにより、既存の電気コネクタ6aを使用することができるため、汎用性に優れ、実装が容易な光ケーブルモジュール1を実現することができる。なお、図16(c)は、電気コネクタ6aのイメージ図である。
【0144】
また、電気接続部6は、図17(a)(b)に示すように、電気コネクタ6aの接続方向が、電気配線5の長手方向に対して、異なる方向に接続可能な上挿入型電気コネクタ6bであってもよい。これにより、上挿入型(board to board)の電気コネクタを使用することができるため、光ケーブルモジュール1の外部機器(電子機器)への接続が容易となる。なお、図17(c)は、上挿入型電気コネクタ6bのイメージ図である。
【0145】
さらに、電気接続部6は、図18(a)(b)に示すように、熱圧着コネクタ6cであってもよい。これにより、熱圧着による方法を用いて、光ケーブルモジュール1を外部機器に容易に接続することができる。
【0146】
ここで、図19(a)(b)に示すように、受発光素子3とフィルム光導波路2の端面とが筒型のノイズ遮蔽筐体10の内部に設けられる構成であってもよい。これにより、受発光素子3から発生する電磁ノイズを遮蔽することができるため、光ケーブルモジュール1の光伝送効率の劣化を防ぐことができる。
【0147】
次に、光ケーブルモジュール1が他の電気ケーブル11と一体化された構成の具体例について、図20〜図25を用いて以下に示す。
【0148】
図20(a)は、光ケーブルモジュール1における電気配線5が、他の電気ケーブル11と一体化されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図20(b)は、その側面図であり、図20(c)はそのイメージ図である。これにより、光ケーブルモジュール1は、光ケーブル化するメリットの低い、電源線やGND線や低速のデータ伝送を行う電気ケーブル11と、熱融着、結束、接着剤等の固定方法によって、一体化することができるため、各ケーブルの配線処理を一度に行うことができ、配線工数を低減することができる。また、電気信号および光信号のデータ伝送を行うことができるため、電気ケーブル一体型の小型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0149】
また、図21(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が基板7に搭載される構成であってもよい。これにより、幅の小さい電気配線一体型の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0150】
また、図22(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が遮光処理されていてもよい。これにより、電気配線5において外部からの光を遮断することができるため、フィルム光導波路2への外光の侵入を防ぐことができる。したがって、データ伝送のS/N比およびクロストークの劣化を防止することができる。
【0151】
また、図23(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が遮蔽処理されていてもよい。これにより、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくい光ケーブルモジュール1が実現できる。
【0152】
また、図24(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5において、電気ケーブル11部分の長さが、フィルム光導波路2を含む電気配線5部分の長さよりも短い構成であってもよい。これにより、ケーブル全体に引張力が加わった場合でも、フィルム光導波路2には負荷がかからないため、引張り耐性の弱い柔軟なフィルム光導波路を用いたフレキシブル性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0153】
また、図25(a)(b)に示すように、電気ケーブル11とフィルム光導波路2における電気配線5とがフレキシブルプリント基板5a(FPC)により一体的に形成されると共に、フィルム光導波路2をフレキシブルプリント基板5a上に折り返して、両端部に電気コネクタ6aまたは上挿入型電気コネクタ6bを取り付けた構成としてもよい。
【0154】
これにより、ケーブル幅のスペースを低減することができるため、電気ケーブル11と一体化した光ケーブルモジュール1の小型化を図ることができる。なお、フィルム光導波路2を折り返す位置は、図25(c)(d)に示すように、光化されるフィルム光導波路2の部分と光化されないフレキシブルプリント基板5aとの境界位置であることが好ましい。
【0155】
次に、アレイ化されたフィルム光導波路2を備えた光ケーブルモジュール1の構成の具体例について、図26〜図28を用いて以下に示す。
【0156】
図26(a)は、フィルム光導波路2の両端部に位置するそれぞれの基板7a、7bにおいて、一方の基板7a上に、4本のフィルム光導波路2に対応した4個の発光素子3aが設けられ、他方の基板7b上に、4本のフィルム光導波路2に対応した4個の受光素子3bが設けられている構成を示す平面図であり、図26(b)は、その側面図である。
【0157】
同図の構成によれば、単一の光伝送媒体で、複数のフィルム光導波路2を形成しているため、製造コストを低減した光伝送効率の高い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0158】
なお、図27(a)(b)に示すように、図26の構成において、発光素子3aと受光素子3bとの両方が、フィルム光導波路2の両端部にそれぞれ設けられる構成であってもよい。これにより、双方向の光伝送が可能で、かつコストの低い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0159】
また、図28に示すように、基板7上において、発光素子3aおよび受光素子3bのそれぞれのY軸方向の位置が一致しておらず、基板7の両側にそれぞれ設けられていてもよい。これにより、双方向伝送型の光ケーブルモジュール1において、発光素子3aからの迷光が、受光素子3bに到達し受光されることを防ぐことができるため、クロストークを軽減することができる。
【0160】
次に、上述した光ケーブルモジュール1を備える外部機器(電子機器)12の具体例について、図29〜図33を用いて以下に示す。
【0161】
図29(a)は、光ケーブルモジュール1の両端部を既存の電気コネクタ6aを使用して、外部機器12内の異なる機器基板12a・12aにそれぞれ接続した状態の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図29(b)は、その側面図である。これにより、既存の電気コネクタ6aを使用して容易に外部機器12と接続することができる。そして、外部機器12内の機器基板12a・12a間の光データ伝送を行うことができる。また、携帯電話等に用いられるコネクタと同等程度の低背型光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0162】
図30(a)は、図29の構成において、受発光素子3とフィルム光導波路2の端面とが外部機器12の筐体12b内部に設けられた場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図30(b)は、その側面図である。これにより、受発光素子3とフィルム光導波路2とを搭載する基板7が不要となるため、筐体12b内部に専用のスペースを設ける必要がなく、外部機器12内の機器基板12aの占有面積を低減することができる。
【0163】
なお、図31(a)(b)に示すように、電気配線5が、外部機器12内部の機器基板12aに実装される素子12cの上方に設けられる構成であってもよい。この構成によっても上記と同様に、外部機器12内の機器基板12aの占有面積を低減することができる。
【0164】
また、図32(a)(b)に示すように、ヒンジ付き外部機器12、例えば、折り畳み式携帯電話等の携帯情報端末など、におけるヒンジ部13にフィルム光導波路2が設けられる構成であってもよい。これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き外部機器12内部の機器基板12a・12a間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光ケーブルモジュール1は小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き外部機器12にヒンジ部13を組み込みんだ後に実装することができる。
【0165】
また、図33(a)(b)に示すように、外部機器12内部の機器基板12aに備えられるIC14の上方に、フィルム光導波路2が設けられる構成であってもよい。このように、ノイズの影響を受けやすいIC14、例えば、LSIなどの近傍にフィルム光導波路2を設けることによって、ノイズの影響を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0166】
フレキシブルな光ケーブルによる光伝送が可能となるため、折り畳み式携帯電話等の電子機器内部における基板間のデータ伝送ケーブルとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1(a)は本実施形態における光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図1(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図2】図2(a)は上記光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路と受発光素子との間の距離を示す図であり、図2(b)は該フィルム光導波路と受発光素子との間の位置調整を示す図である。
【図3】上記光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図4】上記光ケーブルモジュールにおいて、高さ補償部材が基板と一体に形成されている構成を示す側面図である。
【図5】上記光ケーブルモジュールにおいて、高さ補償部材がフィルム光導波路と一体に形成されている構成を示す側面図である。
【図6】上記光ケーブルモジュールにおいて、フィルム光導波路の両端面を同時に接着する場合の製造工程を示す側面図である。
【図7】図7(a)は上記光ケーブルモジュールにおいて、基板における受発光素子が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の側面図であり、図7(b)は上記光ケーブルモジュールにおいて、基板におけるフィルム光導波路が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の側面図である。
【図8】図8(a)(b)は、上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面に、受発光素子を設けるための凹部が形成されている構成を示す図である。
【図9】上記光ケーブルモジュールにおいて、基板におけるフィルム光導波路の搭載面が、フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されている構成を示す側面図である。
【図10】図10(a)は上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面において、受発光素子と電気配線とが樹脂製の封止剤によって固定されている構成を示す側面図であり、図10(b)は上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面において、フィルム光導波路と高さ補償部材と受発光素子と電気配線とがパッケージ固定されている構成を示す側面図である。
【図11】上記光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路の一方の端面と光結合する発光素子と、他方の端面と光結合する受光素子とが、基板にそれぞれ設けられている構成を示す側面図である。
【図12】図12(a)は発光素子を駆動するための駆動ICと受光素子からの電気信号出力を増幅するためのアンプとを有する電子回路を備えた上記光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図12(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図13】図13(a)は図12に示す電子回路がパラレルシリアル変換ICを備えている状態の上記光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図13(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図14】図14(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおける電気配線がフレキシブルプリント基板(FPC)である場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図14(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図15】図15(a)は上記電気配線が同軸ケーブルである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図15(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図16】図16(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおける電気接続部が電気コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図16(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図16(c)は該電気コネクタのイメージ図である。
【図17】図17(a)は上記電気接続部が上挿入型電気コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図17(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図17(c)は該上挿入型電気コネクタのイメージ図である。
【図18】図18(a)は上記電気接続部が熱圧着コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図18(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図19】図19(a)は、図1に示す光ケーブルモジュールにおける、受発光素子とフィルム光導波路の端面とが筒型のノイズ遮蔽筐体の内部に設けられる場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図19(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図20】図20(a)は光ケーブルモジュールにおける電気配線が、他の電気ケーブルと一体化されている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図20(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図20(c)は該光ケーブルモジュールのイメージ図である。
【図21】図21(a)は上記一体化された電気配線が基板に搭載される場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図21(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図22】図22(a)は上記一体化された電気配線が遮光処理されている場合の光ケーブルモジュールの平面図であり、図22(b)は該光ケーブルモジュールの側面図である。
【図23】図23(a)は上記一体化された電気配線が遮蔽処理されている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図23(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図24】図24(a)は上記一体化された電気配線の長さがフィルム光導波路の長さよりも短い状態の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図24(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図25】図25(a)は上記一体化された電気配線がフレキシブルプリント基板(FPC)である場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図25(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図25(c)は光化されるフィルム光導波路の部分と光化されないフレキシブルプリント基板との境界位置を示す平面図であり、図25(d)は該フィルム光導波路を該フレキシブルプリント基板に折り返した状態を示す平面図である。
【図26】図26(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおいて、フィルム光導波路の両端部に設けられるそれぞれの基板に、複数のフィルム光導波路に対応して発光素子および受光素子が複数設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図26(b)は、該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図27】図27(a)は図26に示す光ケーブルモジュールにおいて、発光素子と受光素子との両方がフィルム光導波路の両端部にそれぞれ設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図27(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図28】図27に示す光ケーブルモジュールにおいて、発光素子のY軸方向の位置と受光素子のY軸方向の位置とが一致しておらず、発光素子と受光素子とが基板の両側にそれぞれ設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す斜視図である。
【図29】図29(a)は図1に示す光ケーブルモジュールの両端部を既存の電気コネクタを使用して外部機器内の異なる機器基板にそれぞれ接続した状態の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図29(b)は該機器基板の側面図である。
【図30】図30(a)は図29に示す光ケーブルモジュールにおける、受発光素子とフィルム光導波路の端面とが外部機器の筐体内部に設けられている場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図30(b)は該外部機器の概略構成を示す側面図である。
【図31】図31(a)は図29に示す光ケーブルモジュールにおいて、電気配線が外部機器内部の機器基板に実装される素子の上方に設けられている場合の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図31(b)は該機器基板の概略構成を示す側面図である。
【図32】図32(a)は図1に示す光ケーブルモジュールをヒンジ付き機器に搭載した場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図32(b)は該外部機器の概略構成を示す側面図である。
【図33】図33(a)は外部機器内部の機器基板に備えられるICの上方にフィルム光導波路が設けられている場合の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図33(b)は該機器基板の側面図である。
【図34】図34(a)は従来の光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路の位置調整の状態を示す平面図であり、図34(b)は該状態を示す側面図である。
【図35】従来のフィルム光導波路基板の製造工程を示す斜視図である。
【図36】図36(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図37】図37(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた他の構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図38】図38(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた他の構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【符号の説明】
【0168】
1 光ケーブルモジュール
2 フィルム光導波路
3 受発光素子(光素子)
3a 発光素子(発光型の光素子)
3b 受光素子(受光型の光素子)
4 高さ補償部材
5 電気配線
5a フレキシブルプリント基板(FPC)
5b 同軸ケーブル
6 電気接続部(電気接続手段)
6a 電気コネクタ
6b 上挿入型電気コネクタ
6c 熱圧着コネクタ
7、7a、7b 基板
7c 凹部
7d 封止剤
8 電子回路
8a 駆動IC
8b アンプ(増幅用IC)
8c パラレルシリアル変換IC
9 パッケージ
10 ノイズ遮蔽筐体
11 電気ケーブル
12 外部機器(電子機器)
12a 機器基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、光データ伝送用光モジュールに関するものであって、特に柔軟性を有する光ケーブルモジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速で大容量のデータ通信が可能な光通信網が拡大している。今後、この光通信網は民生機器への搭載が予想されている。そして、特に、機器内の基板間をデータ伝送する用途として、現在の電気ケーブルと変わりなく使用することができる電気入出力の光データ伝送ケーブル(光ケーブル)が求められている。この光ケーブルとしては、フレキシブル性を考慮すると、フィルム光導波路を用いることが望ましい。
【0003】
光導波路とは、屈折率の大きいコアと、該コアの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッドとにより形成され、コアに入射した光信号を該コアとクラッドとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。また、フィルム光導波路は、コアおよびクラッドが柔軟な高分子材料からなるため柔軟性を有している。
【0004】
この柔軟性を有するフィルム光導波路を光ケーブルとして用いる場合、光電変換素子(受発光素子)と位置合わせをして光結合する必要がある。受発光素子とは、電気信号を光信号に変換して発信し、光信号を受信して電気信号に変換するものである。
【0005】
ところが、フィルム光導波路は柔軟性を有するため、受発光素子とフィルム光導波路との位置合わせは非常に困難である。また、この位置合わせは、光結合効率に影響を与えるため、精密さが要求される。
【0006】
従来、受発光素子とフィルム光導波路との位置合わせは、位置および光軸の一致を要するため、フィルム光導波路に対して合わせて5軸方向の調整が必要である。すなわち、図34に示すように、受発光素子とフィルム光導波路との間の距離Dと、X−Y平面におけるX軸、Y軸、回転方向φと、X−Y平面に直交するZ軸方向との調整が必要である。
【0007】
一般的に、上記位置合わせをするためのフィルム光導波路を製造する方法としては、受発光素子とフィルム光導波路の端面とをそれぞれリジッドな部材で固定し、個別に結合する方法が用いられている。このフィルム光導波路の製造方法の一例が特許文献1に記載されている。
【0008】
図35は、特許文献1に記載されているフレキシブル(フィルム)光導波路基板の製造方法を示す側面図である。この製造方法について以下に具体的に説明する。
【0009】
まず、ベース基板110の両端部に予め接着力改良剤131、132を塗布しておく(図35(a))。次に、ベース基板110上にクラッド121を形成した(図35(b))後、コア122を形成する(図35(c))。そして、ベース基板110の接着力改良剤131、132が付着されている部分以外に対応する部分を除去することによって、端部が固定されたフィルム光導波路基板100を製造することができる。
【0010】
そして、フィルム光導波路基板100を用いることによって、図34(a)(b)に示すように、フィルム光導波路と受発光素子との位置合わせを行うことができる。
【0011】
図34(a)(b)は、上述のフィルム光導波路基板100を備えた光ケーブルモジュール101の概略構成を示す図である。同図に示すように、フィルム光導波路102にリジッドな部材105を取り付けて柔軟性を有するフィルム光導波路102を固定することによって、距離D、X軸、Y軸、回転方向φ、Z軸の調整が可能となり、基板107上の受発光素子103と位置合わせを行うことができる。
【特許文献1】特開平4−281406号公報(1992年10月7日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、上記従来の構成では、フィルム光導波路の端面を固定するための工数が必要であるため生産性が悪い。また、上述のように、フィルム光導波路と受発光素子とを光結合させるために、5軸方向(距離D、X軸、Y軸、回転方向φ、Z軸)の調整が必要となるため、光ケーブルモジュールの生産性が悪いという問題点がある。
【0013】
ここで、上記位置合わせを容易にするための他の方法として、上記従来技術を発展させた以下の構成が考えられる。
【0014】
図36(a)(b)は、端面が45度の傾斜面に加工されたフィルム光導波路102の先端に、保持部材であるフェルール等の固定接続部材104を設ける構成を示す側面図である。同図の構成によれば、受発光素子103とフィルム光導波路102との間の距離Dを常に一定に保つことができるため、上記従来の方法と比較して、位置合わせが容易となる。
【0015】
ところが、同図の構成では、固定接続部材104と受発光素子103とが接触しないように、距離Dを大きく採る必要がある。そのため、フィルム光導波路102は、受発光素子103から十分な光信号の出力を得ることができず、光結合効率が低下してしまう。
【0016】
また、図37(a)(b)に示す構成によれば、端面が直角に加工されたフィルム光導波路102と位置合わせ行うために、受発光素子103を立てて実装する必要があり、実装工数が増大し、生産性が悪い。
【0017】
さらに、図38(a)(b)に示すように、基板107を挟んでフィルム光導波路102とフリップチップ方式の回路素子111とを別々に形成し、回路部112を集積化する方法が考えられる。
【0018】
ところが、同図の構成では、この集積化した回路部112をモジュール化した場合、光ケーブルモジュール全体の外形が大型化してしまう。また、接続部は5軸方向の位置合わせが必要な光結合となるため、接続を補償するピンやバックルが必要となり、同じく外形が大型化してしまう。さらに、工法的にも基板107において両面実装が必要となり、実装工数が増大するという問題点がある。
【0019】
本発明は、上記種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光結合効率を劣化させることなく、生産性が高い光ケーブルモジュールとその製造方法、および該光ケーブルモジュールを備える電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含むことを特徴としている。
【0021】
フィルム光導波路とは、屈折率の大きいコア部と、該コア部の周囲に設けられる屈折率の小さいクラッド部とにより形成され、コア部に入射した光信号を該コア部とクラッド部との境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。
【0022】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面における、光素子の基板への投影領域外に高さ補償部材が設けられ、該高さ補償部材にフィルム光導波路が設けられる。そして、フィルム光導波路と光素子とは、両者の間の距離を一定に保った状態で光学結合される。
【0023】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間に設けられる高さ補償部材によって、両者の間の距離を常に一定に保つことができるため、両者の間の距離を調整する必要がない。また、フィルム光導波路を固定して基板に接続するための部材が不要となるため、フィルム光導波路と光素子との間の距離を最適に設定することができる。したがって、光結合効率を劣化させることなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0024】
具体的には、光素子の受発光面に平行な面をX−Y平面とすると、光素子とフィルム光導波路の端面とが対向するように、フィルム光導波路をX軸方向及びY軸方向並びに回転方向に調整することによって、光素子とフィルム光導波路とを光結合させることができる。
【0025】
また、上記簡易な位置合わせによって光結合させることができるため、従来のように、フィルム光導波路の端面を予めリジッドな部材で固定する必要がない。そのため、製造工数を低減することができ、光ケーブルモジュールの生産性を向上させることができる。
【0026】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記の課題を解決するために、面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含むことを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面において、フィルム光導波路と光素子との間の距離を一定に保った状態で、フィルム光導波路と光素子とが光学結合される。
【0028】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を常に一定に保つことができるため、両者の間の距離を調整する必要がない。したがって、光結合効率を劣化させることなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0029】
具体的には、光素子の受発光面に平行な面をX−Y平面とすると、光素子とフィルム光導波路の端面とが対向するように、フィルム光導波路をX軸方向、Y軸方向および回転方向に調整することによって、光素子とフィルム光導波路とを光結合させることができる。
【0030】
そして、上記簡易な位置合わせによって光結合させることができるため、従来のように、フィルム光導波路の端面を予めリジッドな部材で固定する必要がない。そのため、製造工数を低減することができ、光ケーブルモジュールの生産性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材を上記基板に設ける工程と、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させて上記高さ補償部材に設ける工程とを同時に行うことが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、基板と高さ補償部材とフィルム光導波路との結合が、同時に行われるため、製造工数をさらに低減させることができる。したがって、より生産性が高い光ケーブルモジュールを製造することができる。
【0033】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材と上記基板とが、一体に形成されていることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、高さ補償部材と基板とが一体に形成されているため、光素子とフィルム光導波路との間の距離を一定に保つための部材が不要となる。したがって、光ケーブルモジュールの製造工数をさらに減少させることができると共に、コストを低減させることができる。
【0035】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記高さ補償部材と上記フィルム光導波路とが、一体に形成されていることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、高さ補償部材とフィルム光導波路とが一体に形成されているため、光素子とフィルム光導波路との間の距離を一定に保つための部材が不要となる。したがって、光ケーブルモジュールの製造工数を減少させることができると共に、コストを低減させることができる。
【0037】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記フィルム光導波路の両端面を斜めに加工する工程と、上記フィルム光導波路の各端部を、上記高さ補償部材または上記基板にそれぞれ同時に設ける工程とを含むことが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、フィルム光導波路の両端面の光学的結合が同時に行われるため、それぞれの端面毎に結合処理する場合と比較して、製造時間を短縮することができる。
【0039】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法において、上記フィルム光導波路をハンドリングする工程と、上記受発光素子を動作させることなく、パッシブアライメントによって上記フィルム光導波路の位置を調整する工程と、上記フィルム光導波路を上記高さ補償部材または上記基板に設ける工程とを含むことが好ましい。
【0040】
これにより、光ケーブルモジュールの製造時に、受発光素子を動作させる必要がないため生産性をさらに向上させることができる。
【0041】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールの製造方法によって製造されることを特徴としている。
【0042】
これにより、光結合効率を劣化させることなく生産性が高い光ケーブルモジュールを提供することができる。
【0043】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記フィルム光導波路の端面における、上記光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように、上記基板における上記光素子が搭載される面、または上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が斜めに形成されていることが好ましい。
【0044】
上記の構成によれば、基板における光素子が搭載される面、または高さ補償部材におけるフィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、フィルム光導波路の端面における、光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように斜めに形成されている。
【0045】
これにより、フィルム光導波路の端面における、光素子とフィルム光導波路とを光結合させるための全反射条件が緩和されるため、光結合効率を向上させることができる。
【0046】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面、または上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、上記フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されていることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、高さ補償部材または基板のいずれか一方が、フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されている。これにより、フィルム光導波路を搭載する位置が予め設定されることになるため、フィルム光導波路と光素子との位置合わせをさらに容易に行うことができる。
【0048】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線と上記光素子とが封止剤によって固定されていることが好ましい。
【0049】
これにより、電気配線と光素子とを外部から守ることができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができ、信頼性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0050】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線と上記光素子と上記フィルム光導波路とがパッケージ固定されていることが好ましい。
【0051】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を確実に固定することができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができると共に、さらに光結合効率の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0052】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記フィルム光導波路における一方の端面と光学的に結合する発光側の上記光素子と、上記フィルム光導波路における他方の端面と光学的に結合する受光側の上記光素子とが、上記基板にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0053】
これにより、光結合効率が高い光通信用の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0054】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、発光側の上記光素子を駆動する駆動ICと、受光側の上記光素子からの出力信号を増幅する増幅用ICとを有する電子回路を備えていることが好ましい。
【0055】
上記の構成によれば、フィルム光導波路と光素子と電子回路とを密接して実装することができる。これにより、光素子と電子回路との距離を最適に設定することができるため、小型の駆動ICおよびアンプ等の増幅用ICを用いることができる。また、基板のスペースを有効に活用することができるため、光ケーブルモジュールの小型化を図ることができる。さらに、従来生じているような電気信号の減衰を低減することができる。
【0056】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電子回路は、パラレルシリアル変換ICをさらに有していることが好ましい。
【0057】
これにより、光素子と駆動ICとパラレルシリアル変換ICとを備える電子回路を最適に設計して、パラレルシリアル変換ICの端子を高密度に配置できるため、小型のパラレルシリアル変換型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0058】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線は、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていることが好ましい。
【0059】
これにより、フレキシブルプリント基板(FPC)上に、光素子と電気配線とを直接実装することができるため、接続端子が不要となり光ケーブルモジュールのコストを低減することができる。
【0060】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線は、同軸ケーブルからなっていることが好ましい。
【0061】
これにより、ノイズ耐性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0062】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、電気コネクタであることが好ましい。
【0063】
これにより、既存の電気コネクタを使用することができるため、汎用性に優れ、実装が容易な光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0064】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、上記電気配線の長手方向に対して接続方向が異なる電気コネクタであることが好ましい。
【0065】
これにより、上挿入型(board to board)の電気コネクタを使用することができるため、光ケーブルモジュールの外部機器への接続が容易となる。
【0066】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気接続手段は、熱圧着コネクタであることが好ましい。
【0067】
これにより、熱圧着による方法を用いて、光ケーブルモジュールを外部機器に容易に接続することができる。
【0068】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、筒型のノイズ遮蔽筐体に内蔵されていることが好ましい。
【0069】
これにより、光素子から発生する電磁ノイズを遮蔽することができるため、光ケーブルモジュールの光伝送効率の劣化を防ぐことができる。
【0070】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、単一の光伝送媒体に少なくとも1つ以上のフィルム光導波路が形成されると共に、上記フィルム光導波路の各端面と光学的に結合するように、上記光素子が上記基板にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0071】
これにより、単一の光伝送媒体で、複数のフィルム光導波路を形成しているため、製造コストを低減した光伝送効率の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0072】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記単一の光伝送媒体の両端に、それぞれ上記基板が設けられると共に、それぞれの上記基板に、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とが少なくとも1組以上設けられていることが好ましい。
【0073】
これにより、双方向の光伝送が可能な光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0074】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記各基板上においては、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とは、上記フィルム光導波路の長手方向における互いに異なる位置に設けられていること好ましい。
【0075】
これにより、双方向伝送型の光ケーブルモジュールにおいて、発光側の光素子からの迷光が、受光側の光素子に到達し受光されることを防ぐことができるため、クロストークを軽減することができる。
【0076】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線が、該電気配線とは異なる電気ケーブルと一体化されていることが好ましい。
【0077】
これにより、電気信号および光信号のデータ伝送を行うことができるため、電気ケーブル一体型の小型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0078】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線が上記基板に搭載されていることが好ましい。
【0079】
これにより、幅の小さい電気配線一体型の光ケーブルモジュールが実現できる。
【0080】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線が遮光処理されていることが好ましい。
【0081】
これにより、電気配線において外部からの光を遮断することができるため、フィルム光導波路への外光の侵入を防ぐことができる。したがって、データ伝送のS/N比およびクロストークの劣化を防止することができる。外光の影響を受けにくい光ケーブルモジュールが実現できる。
【0082】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線がノイズ遮蔽処理されていることが好ましい。
【0083】
これにより、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくい光ケーブルモジュールが実現できる。
【0084】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記一体化された電気配線において、上記電気ケーブル部分の長さが、上記フィルム光導波路を含む電気配線部分の長さよりも短いことが好ましい。
【0085】
これにより、ケーブル全体に引張力が加わった場合でも、フィルム光導波路には負荷がかからないため、引張り耐性の弱い柔軟なフィルム光導波路を用いたフレキシブル性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0086】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記記載の光ケーブルモジュールにおいて、上記電気配線および上記電気ケーブルは、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていると共に、上記光導波路と上記電気配線とが、上記電気ケーブルと対向するように折り返されていることが好ましい。
【0087】
これにより、電気配線を単一部材で構成できるため、生産性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。また、ケーブル幅のスペースを低減することができるため、電気ケーブルと一体化した光ケーブルモジュールの小型化を図ることができる。
【0088】
また、本発明の電子機器は、上記記載の光ケーブルモジュールを備える電子機器において、上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴としている。
【0089】
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光ケーブルモジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
【0090】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、上記光ケーブルモジュールにおける、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることが好ましい。
【0091】
これにより、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とを実装するための基板を筐体部に設ける必要がないため、電子機器をさらに小型化することができる。
【0092】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、ヒンジ部を備える折り畳み式の電子機器において、上記光ケーブルモジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることが好ましい。
【0093】
これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き電子機器内部の機器基板間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光ケーブルモジュールは小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き電子機器にヒンジを組み込みんだ後に実装することができるため生産性の高い電子機器を実現することができる。
【0094】
また、本発明の電子機器は、上記記載の電子機器において、上記光ケーブルモジュールは、上記機器基板に実装されたIC上に設けられていることが好ましい。
【0095】
これにより、ノイズの発生が少ない光ケーブルモジュールをIC上に設けられていることができるため、電子機器におけるノイズの影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0096】
本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、以上のように、光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含む方法である。
【0097】
また、本発明の光ケーブルモジュールの製造方法は、以上のように、上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含む方法である。
【0098】
また、本発明の光ケーブルモジュールは、上記の製造方法によって製造される構成である。
【0099】
これにより、フィルム光導波路と光素子との間の距離を調整することなく、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路と光素子とを容易に光結合させることができる。
【0100】
したがって、光結合効率を劣化させることなく生産性が高い光ケーブルモジュールとその製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明の電子機器は、以上のように、上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されている構成である。
【0102】
これにより、電子機器内の機器基板間の光データ伝送を行うことができる。また、光ケーブルモジュールを実装してデータ伝送することができるため、電子機器の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0103】
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。
【0104】
図1(a)は、本実施形態における光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図1(b)はその側面図である。
【0105】
光ケーブルモジュール1は、フィルム光導波路2と、受発光素子(光素子)3と、高さ補償部材4と、電気配線5と、電気接続部(電気接続手段)6と、基板7とを備えている。
【0106】
フィルム光導波路2は、屈折率の大きいコア部2aと、該コア部2aの周囲に接して設けられる屈折率の小さいクラッド部2bとにより形成され、コア部2aに入射した光信号を該コア部2aとクラッド部2bとの境界で全反射を繰り返しながら伝搬するものである。コア部2aおよびクラッド部2bは、柔軟性を有する高分子材料からなるものであるため、フィルム光導波路2は柔軟性を有している。フィルム光導波路2の両端面は、45度の傾斜面を有し、この傾斜面において光信号を反射する。なお、フィルム光導波路2の端面の角度は45度に限定されるものではなく、入射される光信号をフィルム光導波路2内部へ反射させることができればよく、適宜変更可能である。
【0107】
受発光素子3は、電気信号を光信号に、光信号を電気信号にそれぞれ変換するものである。また、受発光素子3は、面受発光型の素子であり、基板7に搭載される搭載面とは反対側の面から光信号を発信および受信するものである。なお、発光側の光素子および受光側の光素子をそれぞれ発光素子3aおよび受光素子3bとする。
【0108】
高さ補償部材4は、フィルム光導波路2を搭載すると共に、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保つための保持部材である。なお、高さ補償部材4の高さは、フィルム光導波路2と受発光素子3との光結合効率が最適になるように予め設定されている。
【0109】
電気配線5は、受発光素子3と後述の駆動回路等の電子回路8とを接続して、電気信号の伝達を行うものである。具体的には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)、同軸ケーブル、リードフレーム等が挙げられる。
【0110】
電気接続部6は、電気配線5を介して受発光素子3と電子回路8とを電気的に接続するためのものである。具体的には、例えば、電気コネクタ、熱圧着コネクタ等が挙げられる。
【0111】
基板7は、上述の、フィルム光導波路2、受発光素子3、高さ補償部材4、電気配線5および電気接続部6を実装するためのものである。
【0112】
ここで、光ケーブルモジュール1の製造方法について、図2および図3を用いて以下に説明する。なお、図2において、フィルム光導波路2の長手方向に平行する軸をY軸、Y軸に直交する軸をX軸、座標平面をX−Y平面、X−Y平面における回転方向をφ、X−Y平面に直交する軸をZ軸とする。
【0113】
まず、治具等により固定された基板7の上面に、予め受発光素子3と電気配線5と電気接続部6とを半田付け等による方法で実装しておく(図3(a))。次に、基板7の上面における高さ補償部材4を搭載する面と、高さ補償部材4におけるフィルム光導波路2を搭載する面とに接着剤を塗布する(図3(b))。なお、接着剤は、各種市販のものを使用することができる。
【0114】
次に、フィルム光導波路2と高さ補償部材4とをエアチャック等を用いてハンドリングし(図3(c))、基板7の上方(Z軸方向)に設置された画像認識装置(図示せず)により、フィルム光導波路2と受発光素子3との位置調整を行う(図2(b))。
【0115】
なお、上記位置調整は、X−Y平面におけるX軸、Y軸および回転方向φのみの調整を行えばよい。すなわち、図2(a)に示す、Z軸方向すなわち受発光素子3からフィルム光導波路2までの距離Dの位置調整は、高さ補償部材4により予め設定されているため不要となる。また、本実施形態におけるフィルム光導波路2の断面形状は矩形であるため、上記位置調整における回転方向位置の調整は、フィルム光導波路2の中心軸周りの回転角度を考慮する必要はないが、該断面形状が円形または楕円形である場合には、該回転角度の調整も含まれる。
【0116】
そして、画像認識装置の映像が、図2(b)に示すように、フィルム光導波路2の傾斜端面と受発光素子3とが一致する位置において、基板7と高さ補償部材4とフィルム光導波路2との接着処理が実行される(図3(d))。
【0117】
これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離Dを最適に保持した状態で、容易に両者を光結合させることができる。また、フィルム光導波路2と高さ補償部材4とを基板7に対して、同時に接着処理することができるため、従来と比較して製造時間の短縮を図ることができる。
【0118】
このように、上記位置調整は、パッシブアライメント法を用いることが好ましい。これにより、受発光素子3を動作させる必要がないため生産性をさらに向上させることができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、基板7と高さ補償部材4とフィルム光導波路2とを接着剤により結合する構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、接着シート、熱融着、UV融着等により結合する構成であってもよい。
【0120】
ここで、図4に示すように、高さ補償部材4が基板7と一体に形成されている構成であってもよい。また、図5に示すように、高さ補償部材4がフィルム光導波路2と一体に形成されている構成であってもよい。これにより、高さ補償部材4が不要となるため、製造工数を低減することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0121】
また、図6(a)〜(d)に示すように、フィルム光導波路2の両端面を同時に接着処理して受発光素子3と光結合することによって、光ケーブルモジュール1を製造する構成であってもよい。これにより、製造時間をさらに短縮することができる。なお、この場合、フィルム光導波路2は柔軟性を有するため、その両端部を1つのエアチャックによりハンドリングして、画像認識装置により両端部を同時に調整し接着処理することも可能である。
【0122】
なお、本実施形態では、フィルム光導波路2の端面を45度の傾斜面に加工して、基板7の上方から受発光素子との位置合わせを行う構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルム光導波路2の端面を90度に加工し、基板7に直接接着する構成としてもよい。この場合は、受発光素子3は、フィルム光導波路2の端面方向、すなわちX軸方向に光信号を受発信する構成とすることが好ましい。
【0123】
次に、基板7の他の形態について、図7〜図9を用いて以下に説明する。
【0124】
図7(a)(b)は、フィルム光導波路2の端面における光信号の反射条件を緩和するための基板7の構成を示す側面図である。具体的には、図7(a)は、基板7における受発光素子3が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す側面図であり、図7(b)は、基板7におけるフィルム光導波路2が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す側面図である。
【0125】
基板7に傾斜が形成されていない場合には、発光素子3aから垂直に発信される光信号は、フィルム光導波路2における45度の傾斜端面において、入射方向に対して直角に反射する。
【0126】
これに対して、上記の構成によれば、光信号は、発光素子3aからの入射方向に対して鈍角に反射する。これにより、フィルム光導波路2における端面での全反射条件を緩和することができるため、受発光素子3とフィルム光導波路2との光結合効率を向上させることができる。
【0127】
また、図8(a)(b)に示すように、フィルム光導波路2の先端部を支持するために、基板7の上面に、受発光素子3を設けるための凹部7cが形成されている構成としてもよい。これにより、フィルム光導波路2の端面における光信号の伝搬方向と異なる部分を支持することができるため、光結合効率を劣化させることなく、フィルム光導波路2の先端部の撓み量を抑えることができる。したがって、光結合のズレを抑制することができる。
【0128】
なお、同図の構成によれば、基板7における受発光素子3が搭載される面において、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を一定に保った状態で、フィルム光導波路2と受発光素子3とが光学結合される。すなわち、高さ補償部材4を用いることなく、上記距離を一定に保つことができる。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離を調整する必要がないため、簡易な位置合わせによってフィルム光導波路2と受発光素子3とを容易に光結合させることができる。
【0129】
また、図9に示すように、基板7におけるフィルム光導波路2の搭載面が、フィルム光導波路2の両側面を狭持するように形成されていてもよい。具体的には、基板7において、フィルム光導波路2を搭載する部分が受発光素子3を搭載する部分よりも高くなるように段差を設け、この部分にフィルム光導波路2の両側面を狭持できるよう、例えば凹部を形成する。
【0130】
これにより、フィルム光導波路2を搭載する位置が予め設定されることになる。すなわち、Y軸方向および回転方向φの調整が不要となる。そのため、フィルム光導波路2と受発光素子3との位置合わせをさらに容易に行うことができる。なお、同図の構成では、フィルム光導波路2の両側面を狭持できるように基板7を形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、高さ補償部材4のフィルム光導波路2を搭載する面を同様に形成してもよい。
【0131】
ここで、図10(a)に示すように、基板7の上面において、受発光素子3と電気配線5とが樹脂製の封止剤7dによって固定されていてもよい。これにより、受発光素子3と電気配線5とを外部から守ることができるため、電気信号の伝送特性の劣化を防止することができる。また、図10(b)に示すように、基板7の上面において、フィルム光導波路2と高さ補償部材4と受発光素子3と電気配線5とがパッケージ9内に固定されていてもよい。これにより、フィルム光導波路2と受発光素子3との間の距離Dを確実に固定することができるため、上記効果に加えて、さらに光結合効率の向上を図ることができる。
【0132】
また、図11に示すように、フィルム光導波路2における一方の端面と光結合する発光素子3aと、他方の端面と光結合する受光素子3bとが、基板7a、7bにそれぞれ設けられる構成であってもよい。これにより、光結合効率が高い光通信用の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0133】
ここで、光ケーブルモジュール1の具体的な構成について、図12〜図19を用いて以下に説明する。
【0134】
図12(a)は、発光素子3aを駆動するための駆動IC8aと、受光素子3bからの電気信号出力を増幅するためのアンプ(増幅用IC)8bとを有する電子回路8を備えた光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図12(b)は、その側面図である。
【0135】
同図の光ケーブルモジュール1は、基板7の上面において、受発光素子3と、該受発光素子3と電気配線5を介して接続される電子回路8とを備えており、受発光素子3と光結合するフィルム光導波路2が、上述の方法により接着固定されている構成である。
【0136】
ここで、光ケーブルモジュール1における光伝送の仕組みについて以下に簡単に説明する。
【0137】
駆動IC8aから電気信号を受信した発光素子3aは、この電気信号に対応する光信号を出力する。次に、発光素子3aから出力された光信号は、フィルム光導波路2の一方の端面から入射し、フィルム光導波路2の内部で反射を繰り返しながら伝搬し、フィルム光導波路2の他方の端面から出射して受光素子3bに入力される。そして、受光素子3bに入力された光信号は、電気信号に変換され次段のアンプ8bによって所望の出力に増幅される。
【0138】
従来、図36および図37に示すように、受発光素子103から次段のアンプ108までの距離を大きく採る必要があるため、受発光素子103から出力されてアンプ108に入力される電気信号が減衰し、伝送特性が劣化してしまう。
【0139】
これに対して、上記構成の光ケーブルモジュール1によれば、フィルム光導波路2と受発光素子3と電子回路8とを密接して実装することができる。これにより、受発光素子3と電子回路8との距離を最適に設定することができるため、従来生じているような電気信号の減衰を低減することができる。また、基板7の上面におけるスペースを有効に活用することができるため、光ケーブルモジュール1の小型化を図ることができる。
【0140】
なお、光ケーブルモジュール1において、図13(a)(b)に示すように、電子回路8が、パラレルシリアル変換IC8cをさらに備える構成であってもよい。これにより、発光素子3aおよび受光素子3bと、駆動IC8aと、パラレルシリアル変換IC8cとを備える電子回路8を最適に設計して、パラレルシリアル変換IC8cの端子を高密度に配置できるため、小型のパラレルシリアル変換型の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0141】
また、図14(a)(b)に示すように、電気配線5がフレキシブルプリント基板5a(FPC)であってもよい。これにより、フレキシブルプリント基板5a上に、受発光素子3と電気配線5とを直接実装することができるため、接続端子が不要となり光ケーブルモジュール1のコストを低減することができる。
【0142】
また、図15(a)(b)に示すように、電気配線5が同軸ケーブル5bであってもよい。これにより、ノイズ耐性の高い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0143】
ここで、図16(a)(b)に示すように、電気接続部6が電気コネクタ6aであってもよい。これにより、既存の電気コネクタ6aを使用することができるため、汎用性に優れ、実装が容易な光ケーブルモジュール1を実現することができる。なお、図16(c)は、電気コネクタ6aのイメージ図である。
【0144】
また、電気接続部6は、図17(a)(b)に示すように、電気コネクタ6aの接続方向が、電気配線5の長手方向に対して、異なる方向に接続可能な上挿入型電気コネクタ6bであってもよい。これにより、上挿入型(board to board)の電気コネクタを使用することができるため、光ケーブルモジュール1の外部機器(電子機器)への接続が容易となる。なお、図17(c)は、上挿入型電気コネクタ6bのイメージ図である。
【0145】
さらに、電気接続部6は、図18(a)(b)に示すように、熱圧着コネクタ6cであってもよい。これにより、熱圧着による方法を用いて、光ケーブルモジュール1を外部機器に容易に接続することができる。
【0146】
ここで、図19(a)(b)に示すように、受発光素子3とフィルム光導波路2の端面とが筒型のノイズ遮蔽筐体10の内部に設けられる構成であってもよい。これにより、受発光素子3から発生する電磁ノイズを遮蔽することができるため、光ケーブルモジュール1の光伝送効率の劣化を防ぐことができる。
【0147】
次に、光ケーブルモジュール1が他の電気ケーブル11と一体化された構成の具体例について、図20〜図25を用いて以下に示す。
【0148】
図20(a)は、光ケーブルモジュール1における電気配線5が、他の電気ケーブル11と一体化されている場合の光ケーブルモジュール1の概略構成を示す平面図であり、図20(b)は、その側面図であり、図20(c)はそのイメージ図である。これにより、光ケーブルモジュール1は、光ケーブル化するメリットの低い、電源線やGND線や低速のデータ伝送を行う電気ケーブル11と、熱融着、結束、接着剤等の固定方法によって、一体化することができるため、各ケーブルの配線処理を一度に行うことができ、配線工数を低減することができる。また、電気信号および光信号のデータ伝送を行うことができるため、電気ケーブル一体型の小型の光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0149】
また、図21(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が基板7に搭載される構成であってもよい。これにより、幅の小さい電気配線一体型の光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0150】
また、図22(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が遮光処理されていてもよい。これにより、電気配線5において外部からの光を遮断することができるため、フィルム光導波路2への外光の侵入を防ぐことができる。したがって、データ伝送のS/N比およびクロストークの劣化を防止することができる。
【0151】
また、図23(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5が遮蔽処理されていてもよい。これにより、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくい光ケーブルモジュール1が実現できる。
【0152】
また、図24(a)(b)に示すように、上記一体化された電気配線5において、電気ケーブル11部分の長さが、フィルム光導波路2を含む電気配線5部分の長さよりも短い構成であってもよい。これにより、ケーブル全体に引張力が加わった場合でも、フィルム光導波路2には負荷がかからないため、引張り耐性の弱い柔軟なフィルム光導波路を用いたフレキシブル性の高い光ケーブルモジュールを実現することができる。
【0153】
また、図25(a)(b)に示すように、電気ケーブル11とフィルム光導波路2における電気配線5とがフレキシブルプリント基板5a(FPC)により一体的に形成されると共に、フィルム光導波路2をフレキシブルプリント基板5a上に折り返して、両端部に電気コネクタ6aまたは上挿入型電気コネクタ6bを取り付けた構成としてもよい。
【0154】
これにより、ケーブル幅のスペースを低減することができるため、電気ケーブル11と一体化した光ケーブルモジュール1の小型化を図ることができる。なお、フィルム光導波路2を折り返す位置は、図25(c)(d)に示すように、光化されるフィルム光導波路2の部分と光化されないフレキシブルプリント基板5aとの境界位置であることが好ましい。
【0155】
次に、アレイ化されたフィルム光導波路2を備えた光ケーブルモジュール1の構成の具体例について、図26〜図28を用いて以下に示す。
【0156】
図26(a)は、フィルム光導波路2の両端部に位置するそれぞれの基板7a、7bにおいて、一方の基板7a上に、4本のフィルム光導波路2に対応した4個の発光素子3aが設けられ、他方の基板7b上に、4本のフィルム光導波路2に対応した4個の受光素子3bが設けられている構成を示す平面図であり、図26(b)は、その側面図である。
【0157】
同図の構成によれば、単一の光伝送媒体で、複数のフィルム光導波路2を形成しているため、製造コストを低減した光伝送効率の高い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0158】
なお、図27(a)(b)に示すように、図26の構成において、発光素子3aと受光素子3bとの両方が、フィルム光導波路2の両端部にそれぞれ設けられる構成であってもよい。これにより、双方向の光伝送が可能で、かつコストの低い光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0159】
また、図28に示すように、基板7上において、発光素子3aおよび受光素子3bのそれぞれのY軸方向の位置が一致しておらず、基板7の両側にそれぞれ設けられていてもよい。これにより、双方向伝送型の光ケーブルモジュール1において、発光素子3aからの迷光が、受光素子3bに到達し受光されることを防ぐことができるため、クロストークを軽減することができる。
【0160】
次に、上述した光ケーブルモジュール1を備える外部機器(電子機器)12の具体例について、図29〜図33を用いて以下に示す。
【0161】
図29(a)は、光ケーブルモジュール1の両端部を既存の電気コネクタ6aを使用して、外部機器12内の異なる機器基板12a・12aにそれぞれ接続した状態の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図29(b)は、その側面図である。これにより、既存の電気コネクタ6aを使用して容易に外部機器12と接続することができる。そして、外部機器12内の機器基板12a・12a間の光データ伝送を行うことができる。また、携帯電話等に用いられるコネクタと同等程度の低背型光ケーブルモジュール1を実現することができる。
【0162】
図30(a)は、図29の構成において、受発光素子3とフィルム光導波路2の端面とが外部機器12の筐体12b内部に設けられた場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図30(b)は、その側面図である。これにより、受発光素子3とフィルム光導波路2とを搭載する基板7が不要となるため、筐体12b内部に専用のスペースを設ける必要がなく、外部機器12内の機器基板12aの占有面積を低減することができる。
【0163】
なお、図31(a)(b)に示すように、電気配線5が、外部機器12内部の機器基板12aに実装される素子12cの上方に設けられる構成であってもよい。この構成によっても上記と同様に、外部機器12内の機器基板12aの占有面積を低減することができる。
【0164】
また、図32(a)(b)に示すように、ヒンジ付き外部機器12、例えば、折り畳み式携帯電話等の携帯情報端末など、におけるヒンジ部13にフィルム光導波路2が設けられる構成であってもよい。これにより、屈曲部で生じやすいノイズを低減することができるため、ヒンジ付き外部機器12内部の機器基板12a・12a間のデータ伝送を確実に効率良く行うことができる。また、光ケーブルモジュール1は小型で柔軟性を有するため、ヒンジ付き外部機器12にヒンジ部13を組み込みんだ後に実装することができる。
【0165】
また、図33(a)(b)に示すように、外部機器12内部の機器基板12aに備えられるIC14の上方に、フィルム光導波路2が設けられる構成であってもよい。このように、ノイズの影響を受けやすいIC14、例えば、LSIなどの近傍にフィルム光導波路2を設けることによって、ノイズの影響を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0166】
フレキシブルな光ケーブルによる光伝送が可能となるため、折り畳み式携帯電話等の電子機器内部における基板間のデータ伝送ケーブルとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】図1(a)は本実施形態における光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図1(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図2】図2(a)は上記光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路と受発光素子との間の距離を示す図であり、図2(b)は該フィルム光導波路と受発光素子との間の位置調整を示す図である。
【図3】上記光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図4】上記光ケーブルモジュールにおいて、高さ補償部材が基板と一体に形成されている構成を示す側面図である。
【図5】上記光ケーブルモジュールにおいて、高さ補償部材がフィルム光導波路と一体に形成されている構成を示す側面図である。
【図6】上記光ケーブルモジュールにおいて、フィルム光導波路の両端面を同時に接着する場合の製造工程を示す側面図である。
【図7】図7(a)は上記光ケーブルモジュールにおいて、基板における受発光素子が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の側面図であり、図7(b)は上記光ケーブルモジュールにおいて、基板におけるフィルム光導波路が搭載される搭載面が斜めに形成されている場合の側面図である。
【図8】図8(a)(b)は、上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面に、受発光素子を設けるための凹部が形成されている構成を示す図である。
【図9】上記光ケーブルモジュールにおいて、基板におけるフィルム光導波路の搭載面が、フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されている構成を示す側面図である。
【図10】図10(a)は上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面において、受発光素子と電気配線とが樹脂製の封止剤によって固定されている構成を示す側面図であり、図10(b)は上記光ケーブルモジュールにおける基板の上面において、フィルム光導波路と高さ補償部材と受発光素子と電気配線とがパッケージ固定されている構成を示す側面図である。
【図11】上記光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路の一方の端面と光結合する発光素子と、他方の端面と光結合する受光素子とが、基板にそれぞれ設けられている構成を示す側面図である。
【図12】図12(a)は発光素子を駆動するための駆動ICと受光素子からの電気信号出力を増幅するためのアンプとを有する電子回路を備えた上記光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図12(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図13】図13(a)は図12に示す電子回路がパラレルシリアル変換ICを備えている状態の上記光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図13(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図14】図14(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおける電気配線がフレキシブルプリント基板(FPC)である場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図14(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図15】図15(a)は上記電気配線が同軸ケーブルである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図15(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図16】図16(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおける電気接続部が電気コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図16(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図16(c)は該電気コネクタのイメージ図である。
【図17】図17(a)は上記電気接続部が上挿入型電気コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図17(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図17(c)は該上挿入型電気コネクタのイメージ図である。
【図18】図18(a)は上記電気接続部が熱圧着コネクタである場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図18(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図19】図19(a)は、図1に示す光ケーブルモジュールにおける、受発光素子とフィルム光導波路の端面とが筒型のノイズ遮蔽筐体の内部に設けられる場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図19(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図20】図20(a)は光ケーブルモジュールにおける電気配線が、他の電気ケーブルと一体化されている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図20(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図20(c)は該光ケーブルモジュールのイメージ図である。
【図21】図21(a)は上記一体化された電気配線が基板に搭載される場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図21(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図22】図22(a)は上記一体化された電気配線が遮光処理されている場合の光ケーブルモジュールの平面図であり、図22(b)は該光ケーブルモジュールの側面図である。
【図23】図23(a)は上記一体化された電気配線が遮蔽処理されている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図23(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図24】図24(a)は上記一体化された電気配線の長さがフィルム光導波路の長さよりも短い状態の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図24(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図25】図25(a)は上記一体化された電気配線がフレキシブルプリント基板(FPC)である場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図25(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図であり、図25(c)は光化されるフィルム光導波路の部分と光化されないフレキシブルプリント基板との境界位置を示す平面図であり、図25(d)は該フィルム光導波路を該フレキシブルプリント基板に折り返した状態を示す平面図である。
【図26】図26(a)は図1に示す光ケーブルモジュールにおいて、フィルム光導波路の両端部に設けられるそれぞれの基板に、複数のフィルム光導波路に対応して発光素子および受光素子が複数設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図26(b)は、該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図27】図27(a)は図26に示す光ケーブルモジュールにおいて、発光素子と受光素子との両方がフィルム光導波路の両端部にそれぞれ設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す平面図であり、図27(b)は該光ケーブルモジュールの概略構成を示す側面図である。
【図28】図27に示す光ケーブルモジュールにおいて、発光素子のY軸方向の位置と受光素子のY軸方向の位置とが一致しておらず、発光素子と受光素子とが基板の両側にそれぞれ設けられている場合の光ケーブルモジュールの概略構成を示す斜視図である。
【図29】図29(a)は図1に示す光ケーブルモジュールの両端部を既存の電気コネクタを使用して外部機器内の異なる機器基板にそれぞれ接続した状態の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図29(b)は該機器基板の側面図である。
【図30】図30(a)は図29に示す光ケーブルモジュールにおける、受発光素子とフィルム光導波路の端面とが外部機器の筐体内部に設けられている場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図30(b)は該外部機器の概略構成を示す側面図である。
【図31】図31(a)は図29に示す光ケーブルモジュールにおいて、電気配線が外部機器内部の機器基板に実装される素子の上方に設けられている場合の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図31(b)は該機器基板の概略構成を示す側面図である。
【図32】図32(a)は図1に示す光ケーブルモジュールをヒンジ付き機器に搭載した場合の外部機器の概略構成を示す平面図であり、図32(b)は該外部機器の概略構成を示す側面図である。
【図33】図33(a)は外部機器内部の機器基板に備えられるICの上方にフィルム光導波路が設けられている場合の機器基板の概略構成を示す平面図であり、図33(b)は該機器基板の側面図である。
【図34】図34(a)は従来の光ケーブルモジュールにおけるフィルム光導波路の位置調整の状態を示す平面図であり、図34(b)は該状態を示す側面図である。
【図35】従来のフィルム光導波路基板の製造工程を示す斜視図である。
【図36】図36(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図37】図37(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた他の構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【図38】図38(a)(b)は、上記従来の光ケーブルモジュールを発展させた他の構成の光ケーブルモジュールの製造工程を示す側面図である。
【符号の説明】
【0168】
1 光ケーブルモジュール
2 フィルム光導波路
3 受発光素子(光素子)
3a 発光素子(発光型の光素子)
3b 受光素子(受光型の光素子)
4 高さ補償部材
5 電気配線
5a フレキシブルプリント基板(FPC)
5b 同軸ケーブル
6 電気接続部(電気接続手段)
6a 電気コネクタ
6b 上挿入型電気コネクタ
6c 熱圧着コネクタ
7、7a、7b 基板
7c 凹部
7d 封止剤
8 電子回路
8a 駆動IC
8b アンプ(増幅用IC)
8c パラレルシリアル変換IC
9 パッケージ
10 ノイズ遮蔽筐体
11 電気ケーブル
12 外部機器(電子機器)
12a 機器基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、
光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、
上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、
上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含むことを特徴とする光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項2】
面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、
上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、
光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、
上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含むことを特徴とする光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項3】
上記高さ補償部材を上記基板に設ける工程と、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させて上記高さ補償部材に設ける工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項4】
上記高さ補償部材と上記基板とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項5】
上記高さ補償部材と上記フィルム光導波路とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項6】
上記フィルム光導波路の両端面を斜めに加工する工程と、
上記フィルム光導波路の各端部を、上記高さ補償部材または上記基板にそれぞれ同時に設ける工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項7】
上記フィルム光導波路をハンドリングする工程と、
上記受発光素子を動作させることなく、パッシブアライメントによって上記フィルム光導波路の位置を調整する工程と、
上記フィルム光導波路を上記高さ補償部材または上記基板に設ける工程とを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法によって製造されることを特徴とする光ケーブルモジュール。
【請求項9】
上記フィルム光導波路の端面における、上記光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように、
上記基板における上記光素子が搭載される面、または上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が斜めに形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項10】
上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面、または上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、上記フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項11】
上記電気配線と上記光素子とが封止剤によって固定されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項12】
上記電気配線と上記光素子と上記フィルム光導波路とがパッケージ固定されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項13】
上記フィルム光導波路における一方の端面と光学的に結合する発光側の上記光素子と、上記フィルム光導波路における他方の端面と光学的に結合する受光側の上記光素子とが、上記基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項14】
発光側の上記光素子を駆動する駆動ICと、受光側の上記光素子からの出力信号を増幅する増幅用ICとを有する電子回路を備えていることを特徴とする請求項13に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項15】
上記電子回路は、パラレルシリアル変換ICをさらに有していることを特徴とする請求項14に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項16】
上記電気配線は、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていることを特徴とする請求項14または15に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項17】
上記電気配線は、同軸ケーブルからなっていることを特徴とする請求項14または15に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項18】
上記電気接続手段は、電気コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項19】
上記電気接続手段は、上記電気配線の長手方向に対して接続方向が異なる電気コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項20】
上記電気接続手段は、熱圧着コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項21】
上記光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、筒型のノイズ遮蔽筐体に内蔵されていることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項22】
単一の光伝送媒体に少なくとも1つ以上の上記フィルム光導波路が形成されると共に、
上記フィルム光導波路の各端面と光学的に結合するように、上記光素子が上記基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項23】
上記単一の光伝送媒体の両端に、それぞれ上記基板が設けられると共に、
それぞれの上記基板に、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とが少なくとも1組以上設けられていることを特徴とする請求項22に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項24】
上記各基板上においては、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とは、上記フィルム光導波路の長手方向における互いに異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項23に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項25】
上記電気配線が、該電気配線とは異なる電気ケーブルと一体化されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項26】
上記一体化された電気配線が上記基板に搭載されていることを特徴とする請求項25に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項27】
上記一体化された電気配線が遮光処理されていることを特徴とする請求項25または26に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項28】
上記一体化された電気配線がノイズ遮蔽処理されていることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項29】
上記一体化された電気配線において、上記電気ケーブル部分の長さが、上記フィルム光導波路を含む電気配線部分の長さよりも短いことを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項30】
上記電気配線および上記電気ケーブルは、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていると共に、
上記光導波路と上記電気配線とが、上記電気ケーブルと対向するように折り返されていることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項31】
請求項8〜30のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールを備える電子機器において、
上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項32】
上記光ケーブルモジュールにおける、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の電子機器。
【請求項33】
ヒンジ部を備える折り畳み式の電子機器において、
上記光ケーブルモジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることを特徴とする請求項31または32に記載の電子機器。
【請求項34】
上記光ケーブルモジュールは、上記機器基板に実装されたIC上に設けられていることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項1】
面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、
光信号を発信または受信する受発光面を上記基板とは反対側に向けて上記光素子を上記基板に設ける工程と、
上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させる工程と、
上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つための高さ補償部材を、上記フィルム光導波路と上記基板との間における、上記光素子の上記基板への投影領域外に設ける工程とを含むことを特徴とする光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項2】
面受発光型の光素子および該光素子に接続される電気配線を搭載した基板と、該電気配線の端部に設けられる電気接続手段と、少なくとも一方の端面が斜めに加工されたフィルム光導波路とを備える光ケーブルモジュールの製造方法において、
上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面に、上記フィルム光導波路と上記光素子との間の距離を一定に保つように上記光素子を設けるための凹部を形成する工程と、
光信号を発信または受信する受発光面を上記凹部の入り口側に向けて上記光素子を上記凹部に配設する工程と、
上記光素子の受発光面に対する上記フィルム光導波路の端面の、上記光素子の受発光面との平行面におけるX方向位置及びY方向位置並びに回転方向位置が合致するように、上記フィルム光導波路を上記基板上に搭載する工程とを含むことを特徴とする光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項3】
上記高さ補償部材を上記基板に設ける工程と、上記フィルム光導波路を上記光素子に対向配置させて上記高さ補償部材に設ける工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項4】
上記高さ補償部材と上記基板とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項5】
上記高さ補償部材と上記フィルム光導波路とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項6】
上記フィルム光導波路の両端面を斜めに加工する工程と、
上記フィルム光導波路の各端部を、上記高さ補償部材または上記基板にそれぞれ同時に設ける工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項7】
上記フィルム光導波路をハンドリングする工程と、
上記受発光素子を動作させることなく、パッシブアライメントによって上記フィルム光導波路の位置を調整する工程と、
上記フィルム光導波路を上記高さ補償部材または上記基板に設ける工程とを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールの製造方法によって製造されることを特徴とする光ケーブルモジュール。
【請求項9】
上記フィルム光導波路の端面における、上記光素子から発信される光信号の入射方向と反射方向との間の角度が鈍角になるように、
上記基板における上記光素子が搭載される面、または上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が斜めに形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項10】
上記高さ補償部材における上記フィルム光導波路が搭載される面、または上記基板における上記フィルム光導波路が搭載される面のいずれか一方が、上記フィルム光導波路の両側面を狭持するように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項11】
上記電気配線と上記光素子とが封止剤によって固定されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項12】
上記電気配線と上記光素子と上記フィルム光導波路とがパッケージ固定されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項13】
上記フィルム光導波路における一方の端面と光学的に結合する発光側の上記光素子と、上記フィルム光導波路における他方の端面と光学的に結合する受光側の上記光素子とが、上記基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項14】
発光側の上記光素子を駆動する駆動ICと、受光側の上記光素子からの出力信号を増幅する増幅用ICとを有する電子回路を備えていることを特徴とする請求項13に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項15】
上記電子回路は、パラレルシリアル変換ICをさらに有していることを特徴とする請求項14に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項16】
上記電気配線は、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていることを特徴とする請求項14または15に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項17】
上記電気配線は、同軸ケーブルからなっていることを特徴とする請求項14または15に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項18】
上記電気接続手段は、電気コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項19】
上記電気接続手段は、上記電気配線の長手方向に対して接続方向が異なる電気コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項20】
上記電気接続手段は、熱圧着コネクタであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項21】
上記光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、筒型のノイズ遮蔽筐体に内蔵されていることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項22】
単一の光伝送媒体に少なくとも1つ以上の上記フィルム光導波路が形成されると共に、
上記フィルム光導波路の各端面と光学的に結合するように、上記光素子が上記基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項23】
上記単一の光伝送媒体の両端に、それぞれ上記基板が設けられると共に、
それぞれの上記基板に、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とが少なくとも1組以上設けられていることを特徴とする請求項22に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項24】
上記各基板上においては、発光側の上記光素子と受光側の上記光素子とは、上記フィルム光導波路の長手方向における互いに異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項23に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項25】
上記電気配線が、該電気配線とは異なる電気ケーブルと一体化されていることを特徴とする請求項8に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項26】
上記一体化された電気配線が上記基板に搭載されていることを特徴とする請求項25に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項27】
上記一体化された電気配線が遮光処理されていることを特徴とする請求項25または26に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項28】
上記一体化された電気配線がノイズ遮蔽処理されていることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項29】
上記一体化された電気配線において、上記電気ケーブル部分の長さが、上記フィルム光導波路を含む電気配線部分の長さよりも短いことを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項30】
上記電気配線および上記電気ケーブルは、フレキシブルプリント基板(FPC)からなっていると共に、
上記光導波路と上記電気配線とが、上記電気ケーブルと対向するように折り返されていることを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュール。
【請求項31】
請求項8〜30のいずれか1項に記載の光ケーブルモジュールを備える電子機器において、
上記フィルム光導波路における両端の電気接続手段が、上記電子機器内部における異なる機器基板にそれぞれ接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項32】
上記光ケーブルモジュールにおける、上記受発光素子と上記フィルム光導波路の端面とが、上記電子機器の筐体部に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の電子機器。
【請求項33】
ヒンジ部を備える折り畳み式の電子機器において、
上記光ケーブルモジュールは、上記ヒンジ部に設けられていることを特徴とする請求項31または32に記載の電子機器。
【請求項34】
上記光ケーブルモジュールは、上記機器基板に実装されたIC上に設けられていることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図16】
【図17】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図16】
【図17】
【図20】
【公開番号】特開2007−148107(P2007−148107A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343858(P2005−343858)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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