説明

光ディスクドライブ装置

【課題】光ディスクを筐体前面のスリットより挿入、排出する光ディスクドライブ装置において、光ディスクの挿入、排出時の傾き搬送によって、光ディスクを装着部材に装着する押圧部材との摺接に伴なう光ディスクの傷付きを防止する。
【解決手段】光ディスク7の光ディスクドライブ装置への挿入、排出時に光ディスク7と摺接する可能性を有する天板3の押圧部材8を円錐台状の傾斜面83と、絞り加工による開口内周面82とを加工による自然な曲率で連続的に一体形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型の光ディスクドライブ装置に係わり、光ディスクドライブ装置の前面開口部から、直接、光ディスクを挿入、排出するスロットイン型の光ディスクドライブ装置における光ディスクの挿入、排出時の光ディスクへの損傷の防止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットイン型の光ディスクドライブ装置における、光ディスクの挿入、排出時に光ディスクの押圧部材と接触することによって生じる光ディスクへの傷つきを防止する方法として、押圧部材の構造に関する技術が、特許文献1に開示されている。
【0003】
さらには、光ディスクを筐体内の装着部材に引き込む際に、傾いて引き込まれた場合でも、光ディスクとの接触を緩和させ、傷つきを防止する技術に関して、特許文献2に開示されている。
【0004】
また、光ディスクをディスク装置に挿入させる場合に、低摩擦シートを貼付した天板に積極的に接触させて挿入する方法により、天板とのクリアランスを低減し、ディスク装置の薄型を図る技術が、特許文献3に開示されている。
【0005】
一方、光ディスクドライブ装置自体の薄型化と小型、軽量化を図るためには、筐体の天板等も含めて機構部品の薄肉化が期待されている。然るに、前述のように、光ディスクの挿入時に光ディスクと天板に設けられた押圧部材への接触を回避するためには、天板自体が、加工による仕上がり形状を精度よく形成したり、外部からの外力等によって変形を起こさないためには、所定の剛性を確保する必要がある。天板の剛性を向上するためにリング状の絞りを行った技術や、光ディスクの挿入をガイドする構成で強度向上を図った技術が、特許文献4に開示されている。
【0006】
また、光ディスクの良好な記録再生特性をえるために光ディスクの回転中の空気の流れをコントロールするために天板に一体加工によって設けられた突部形状について特許文献5に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2005−346894号公報
【特許文献2】特開2005−267806号公報
【特許文献3】特開2005−196908号公報
【特許文献4】特開2006−107589号公報
【特許文献5】特開2004−103178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
光ディスクに信号を記録、再生を行う光ディスクドライブ装置は、従来より、記録媒体の保護を優先してカートリッジに入れられた媒体を扱うものと、取り扱い性を優先して記録媒体を光ディスクドライブ装置に直接装着するものがある。後者は、光ディスクドライブ装置の薄型に好適であることから、多種の製品に搭載されている。中でも、光ディスクドライブ装置に記録媒体を直接装着する方法において、特に、筐体の前面開口部より光ディスクを挿入、排出するスロットイン型の光ディスクドライブ装置は、光ディスクの取り扱い性や、装置の薄型により好適なことから、ノート型のパーソナルコンピュータ等の市場における期待が大きい。すなわち、光ディスクドライブ装置の薄型化は、ノート型パーソナルコンピュータにおける製品性を大きく左右するため、光ディスクドライブ装置の大きさは、ハードディスクドライブ装置並みの大きさ(9.5mm厚さ)が要求されている。
【0009】
このような薄型の光ディスクドライブ装置は、各構成部品を極限まで小さくして構成されているため、各構成部品の剛性等も減少の傾向にある。図6は従来のスロットイン型の光ディスクドライブ装着における光ディスクの挿入時の概略説明図である。図6にみるように、スロットイン型の光ディスクドライブ装置における光ディスクの挿入、排出時において、光ディスクの搬送時の扱い方や、光ディスクの上面に近接して配置される天板の強度不足による変形等の要因が合わさった場合、光ディスクは、光ディスクドライブ装置内への搬送過程において、天板に設けた押圧部材に摺接して、ディスク上面(ディスクの天板側の面、以後は主面と称す。)を傷つけるという問題が生じることがある。
【0010】
この押圧部材は、一般的に、ディスクを案内するガイド部材とともに天板にディスク中央に円環状にプレス加工によって光ディスクドライブ装置内部側に突出させ、光ディスクドライブ装置の装着部材に光ディスクを装着するために光ディスクの中央部の保持孔の近傍主面部を押圧するものであり、可能な限り光ディスクの中央部の保持孔に近い径方向位置に設けられている。また、円環状の押圧部材の中央側は、光ディスクの装着部材の昇降のために開口孔として構成されている。
【0011】
この構成において、光ディスクドライブ装置の前面板の開口スリットから光ディスクの挿入は、挿入時に下方向の力を伴なって、傾きをもって挿入される場合がある。その光ディスクの挿入時の傾き状況によって、光ディスクは、(1)、(2)、(3)の挿入過程に代表して示されるように天板の押圧部材の開口孔の端部で光ディスクと当接することになり、天板の押圧部材の開口孔の端部のA部からB,C点を経由したD部に到るまでの間に、挿入における摺接状況によっては、図6に示される例のような主面の領域に傷付きを生じてしまうことがある。((A)(B)(C)(D)で囲まれた点を付した部分)
光ディスクの光ディスクドライブ装着への挿入、排出時における光ディスクへの傷つきを防止するためには、従来からいろいろと検討されている。ただ、上記のような従来技術においては、解決しなければならない技術課題がある。
【0012】
本発明は、ディスクのターンテーブルへの装着のために天板の設けられた押圧部材に対しディスクが摺接した場合でも、ディスクの上面への傷付きを防止することを目的としたディスクドライブ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の光ディスクドライブ装置は、光ディスクが挿入、排出されるスリットを前面に開口した筐体と、前記筐体内部に載置されているディスク装着部材と、前記スリットより挿入、排出される前記光ディスクを前記ディスク装着部材へ搬送するディスク搬送部材と、前記光ディスクを前記ディスク装着部材にチャキング、あるいは前記光ディスクを前記ディスク装着部材から離脱させるために前記ディスク装着部材を昇降させる昇降部材と、前記ディスク装着部材の上昇時において、前記光ディスクの中央部に有する保持孔の近傍を前記ディスク装着部材に押圧する押圧部を設けた天板とを有する光ディスクドライブ装置であって、
前記天板に設けられた押圧部は、前記光ディスクの装着位置において、前記光ディスクを前記ディスク装着部材へ装着する際に、前記光ディスクの前記保持孔の近傍を押圧する円環状の前記ディスク装着部に向けて突出させた頂部と、前記頂部の外周方向への延長上で前記頂部の高さより前記天板の外周方向に順次高さ位置を変位する傾斜面により構成される円錐台部と、前記光ディスクの保持孔の径と略等しい大きさに前記押圧部の頂部の内周方向で絞り加工によって前記天板の基板方向に立ち上げた周面を有する開口孔とで構成され、前記周面と前記傾斜部とで前記頂部をなす角部は、絞り加工によって自然に生じる曲率により構成されたことを特徴とする光ディスクドライブ装置とする。
【0014】
さらには、上記光ディスクドライブ装置において、前記天板に設けられた円錐台部は、前記スリット側に伸びる傾斜面の傾斜の始点位置を、前記スリットから挿入される前記ディスクを前記光ディスクドライブ装置内の前記ディスク搬送部材によって保持する位置よりも前記前面板側とした。
【0015】
さらには、上記光ディスクドライブ装置において、前記天板に設けられた円錐台部は、前記筐体の奥側に伸びる前記傾斜面の傾斜角度を前記光ディスクの前記スリットより挿入する際に傾く傾斜角度より小さくして形成されたこととした。
【0016】
さらには、前記押圧部は、前記光ディスクとの接触時の摺動負荷を低減する樹脂性のコーティング処理が施されたこととした。
【発明の効果】
【0017】
以上のような手段による本発明により、筐体の前面に設けられた開口部から光ディスクを挿入、排出する際に、ディスク面を傷つけることのない薄型の光ディスクドライブ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照にして説明する。
【0019】
図1は、本発明の光ディスクドライブ装置に光ディスクを装着する操作を示す概略斜視図である。光ディスクドライブ装置1は、詳細は図示しないが略扁平箱状の底筐体2と、底筐体2の上部を覆うための天板3と、前面板5とで構成されている。天板3のほぼ中央部において、光ディスクの装着位置に対向して略円形状の開口孔4が形成されている。また、前面板5には、光ディスクを挿入、排出するための略矩形のスリット6が開口している。これらの底筐体2、天板3、前面板5は、図示しないネジ等によって内部に空間を有する箱体に構成される。この箱体の内部には、光ディスク7に信号を記録、再生するための回路部品、及び、光ディスクを装着する装着部材9、光ディスク7を装着して回転駆動する回転駆動部材10などが搭載されている。なお、スリット6より挿入、排出される前記光ディスク7を前記ディスク装着部材へ搬送するディスク搬送部材がある。(図示なし。)
図2、図3は、本発明の第一の実施形態による光ディスクの装着装置に関する構成部分図であり、図2は、光ディスク7の挿入、排出動作時の光ディスク7が装着部材9の対向位置に搬送され、装着装置9に係合される前(係合を解除された後)の状態を示す構成概略図である。図3は、光ディスク7が装着部材9の上昇により装着部材9にチャキングされた状態を示す構成概略図である。
【0020】
図2にみるように、光ディスク7は、図1で説明した光ディスクドライブ装置1の前面板5のスリット6より図示しない操作者の手によって挿入され、所定の位置まで挿入された後に、図示しないディスク搬送部材によって光ディスクドライブ装置1内部に載置した装着部材9に対向する位置まで搬送される。この場合、光ディスク7は、天板3に設けた押圧部材8と接触したり、摺接して搬送されることのないように挿入、排出されることが好ましい。しかし、光ディスク7が何かの都合で挿入、排出時に傾いて移送された場合には、仮に、光ディスク7が天板3に設けられた押圧部材8と接触し、摺接しても、光ディスク7の上面(天板側の面)に傷付きを生じさせることのない構造とすることが必要である。
【0021】
ここで、光ディスク7の光ディスクドライブ装置1への挿入は、図2において示されるように、光ディスクドライブ装置1の薄型化の要求から、光ディスク7を天板3の中心部に形成された押圧部材8の頂部81と光ディスク7の上面との僅かな隙間(t1)、及び装着部材9との光ディスク7の下面との僅かな隙間(t2)を有する空間において行われ、光ディスク7の装着部材9への装着が可能な位置まで搬送される構成とされている。
【0022】
この押圧部材8は、天板3の光ディスク7の中央部の保持孔71の近傍に対向した位置において、天板3を絞り加工によって天板3より僅かに装着部材9側に円環状に突出させたものを基本として構成されている。この押圧部材8は、光ディスク7の装着時に光ディスク7の上面と接触する頂部81と、頂部81の内周側で光ディスク7の中央部の保持孔71に略等しい開口孔4をバーリング加工様に立ち上げて構成した内周面82で形成されている。ここで、頂部81は、絞り加工により自然に形成された曲率として形成されている。また、頂部81から外周方向の延長上では、暫時、突部頂部81の高さより天板3の基準位置である外周部に向けて高さ位置を変える傾斜面83を略円錐台状に形成している。
【0023】
光ディスク7が光ディスクドライブ装置1の装着部材9への契合可能な位置に搬送されたことを検知部材(図示しない)によって検知した後に、図3に見るように、回転駆動部材10と一体構成となった装着部材9を昇降部材(図示しない)によって、矢印(イ)方向に上昇させて、光ディスク7の保持孔71の近傍の平面を天板3の押圧部材8の頂部81に当接させて、光ディスク7を装着部材9のチャキング用の爪91で係止させている。
【0024】
上記の構成の光ディスクドライブ装置1において、光ディスク7の装着時の光ディスク7の状態による本発明の作用を図2、及び図4、図5によって詳細に説明する。
【0025】
光ディスク7が前面板5のスリット6より光ディスクドライブ装置1の装着部材9位置まで平行に挿入され、押圧部材8と接触しないようにすることが好ましいのは言うまでもない。ただ、実際の挿入においては、ある程度の傾きを持って挿入されることが想定され、図2に示されるように、光ディスク7の挿入時の傾き角度は、比較的大きい(a)のような場合と、比較的小さな(b)のような場合を想定する。(a)の場合には、筐体の前面側の傾斜面83(83a)に光ディスク7の外周端部が当接することになる。また、(b)のような場合には、筐体の後方側の傾斜面83(83b)に光ディスク7の外周端部が当接することになる。
【0026】
図4は、光ディスク7の挿入時の傾き角度が比較的大きい(a)のような場合における筐体の前面側の傾斜面83aへの光ディスク7の当接を示す部分拡大図である。図5は、光ディスク7の挿入時の傾き角度が比較的小さい(b)の場合における筐体の後方側の傾斜面83bへの光ディスク7の当接を示す部分拡大図である。図4、及び図5の本発明の押圧部材8の特徴を明確にするため、従来の押圧部材の形状例を図4に対し図7、図5に対し図8に示す。
【0027】
図4に示されるように、光ディスク7の挿入傾きが比較的大きな(a)挿入時の光ディスク7が傾斜角度(β1)をもって挿入されると、光ディスクドライブ装置1の天板3に形成されている押圧部材8の傾斜面83aの傾斜角度(α1)が、光ディスク7の挿入傾斜角度(β1)とは、天板3の水平平面を挟んで逆方向の傾き角度であるため、光ディスク7は、天板3の押圧部材8の前面側傾斜面83aに光ディスク7の外周端を当接することになる。
【0028】
この光ディスク7が押圧部材8に当接した後に、天板3方向に持ち上げられながら水平に挿入された場合には、押圧部材8の頂部81と光ディスク7の主面が摺接することになるが、光ディスク7の挿入を不自然な力関係を付与した形での光ディスク7の挿入であると伴に、頂部81はプレスによる自然に生じる曲率として形成されているために光ディスク7の主面への傷付きは回避できる。すなわち、自然な状態でさらに挿入されると、光ディスク7の外周端が傾斜面83aに当接しながら、挿入力によって光ディスクドライブ装置1の装着部材9側に摺り落ちように案内されて、光ディスク7の傾斜角度(β1)を次第に小さくしていき水平状態に近づけながら挿入される。
【0029】
光ディスク7が比較的小さな(b)挿入時の傾斜角度(β2)をもって挿入されると、図5に示されるように、光ディスク7は天板3の押圧部材8の後方側の傾斜面83bに光ディスク7の外周端を当接する。これは、この押圧部材8の傾斜面83bの傾斜角度(α1)が光ディスク7の挿入傾斜角度(β2)より小さい(α1>β1)ためである。
【0030】
光ディスク7の挿入傾斜角度(β2)が押圧部材8の傾斜面83bの傾斜角度(α1)と同じ角度によって挿入された場合には、光ディスク7の主面全体が、押圧部材8の傾斜面83bと接触することを示すが、挿入の全工程中、その挿入角度を保ちながら挿入されねばならず、実際には、光ディスク7の外周端と傾斜面83bとの摺接か、押圧部材8の頂部81と光ディスク7の主面との摺接になる。よってこの場合には、前者の(a)の場合にように、頂部81はプレスによる自然に生じる曲率として形成されているために光ディスク7の主面への傷付きは回避できる。
【0031】
さらに、筐体の奥側に伸びる前記傾斜面の傾斜角度を光ディスクがスリットより挿入する際に傾く傾斜角度より小さくする場合、つまり、図5のように、光ディスク7の挿入時の傾き角度が比較的小さい(b)の場合における筐体の後方側の傾斜面83bへの光ディスク7の外周部のみが当接する場合は、光ディスク7と押圧部材8との当接がなく、光ディスク7の外周端で当接するように傾斜面とされているため、光ディスク7の主面(天板側の面)を摺接することが無いので、光ディスク7の主面への傷付きを特別な部材を設けることなく確実に防止することが可能である。
【0032】
さらには、この傾斜面83の効果をより明確に発揮するためには、天板は人の手によって光ディスク7をスリット6より挿入する工程において傾斜面を有していることが好ましく、光ディスクドライブ装置1の内部において、光ディスク7を搬送する搬送部材に光ディスク7を受け持たすことを開始する前に、ディスクの外周部が傾斜面に当接するように、前面板5側に傾斜面の始点を設けることがより好ましいものである。
【0033】
さらには、光ディスク7の押圧部材8への当接時に、当接時にの摺接負荷を低減するために押圧部材8の光ディスク当接部を樹脂性のコーティング処理が施されることがより好適である。
【0034】
また、押圧部材8の傾斜面83の一部において、放射状等形状の絞り加工によるリブ状の凹部溝を構成することで、天板3の剛性を向上することがより光ディスク7と押圧部材8との当接の問題を回避することが期待できるものである。この放射状のガイドの形状は特定されるものではないが、できうる限り長く、かつ多い方が好適であるが、加工上の容易さによって最適な形状の設定がなされることが好ましい。
【0035】
上記のように、天板3の同一材質によって、光ディスク7の挿入、排出において、光ディスク7の傷つき防止を図ることが可能となり、薄型で低コストの光ディスクドライブ装置1を実現可能とすることができる。
【0036】
また、あわせて、シャーシ外装自体によって剛性を高め、かつディスクの挿入を正常な状態で行うための構成もえられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の光ディスクドライブ装置に光ディスクを装着する操作を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の光ディスクの装着装置に関する構成部分図である。光ディスク挿入、排出動作時の状態説明図である。
【図3】本発明の光ディスクの装着装置に関する構成部分図である。光ディスクを装着部材にチャキングした状態説明図である。
【図4】本発明の押圧部材と光ディスクの挿入時の当接状態の拡大説明図である。
【図5】本発明の押圧部材と光ディスクの挿入時の当接状態の拡大説明図である。
【図6】従来の光ディスクドライブ装置の概略構成図である。
【図7】従来の押圧部材と光ディスクの挿入時の当接状態の拡大説明図である。
【図8】従来の押圧部材と光ディスクの挿入時の当接状態の拡大説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1…光ディスクドライブ装置、 2…底筐体、 3…天板、 4…開口孔、 5…前面板、
6…スリット、 7…光ディスク、 8…押圧部材、 81…頂部、 82…内周面、
83…傾斜面、 9…装着部材、 10…駆動部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクが挿入、排出されるスリットを前面に開口した筐体と、
前記筐体内部に載置されているディスク装着部材と、
前記スリットより挿入、排出される前記光ディスクを前記ディスク装着部材へ搬送するディスク搬送部材と、
前記光ディスクを前記ディスク装着部材にチャキング、あるいは前記光ディスクを前記ディスク装着部材から離脱させるために前記ディスク装着部材を昇降させる昇降部材と、前記ディスク装着部材の上昇時において前記光ディスクの中央部に有する保持孔の近傍を前記ディスク装着部材に押圧する押圧部を設けた天板とを有する光ディスクドライブ装置であって、
前記天板に設けられた押圧部は、前記光ディスクの装着位置において、前記光ディスクを前記ディスク装着部材へ装着する際に、前記光ディスクの前記保持孔の近傍を押圧する円環状の前記ディスク装着部に向けて突出させた頂部と、前記頂部の外周方向への延長上で前記頂部の高さより前記天板の外周方向に順次高さ位置を変位する傾斜面により構成される円錐台部と、前記光ディスクの保持孔の径と略等しい大きさに前記押圧部の頂部の内周方向で絞り加工によって前記天板の基板方向に立ち上げた周面を有する開口孔とで構成され、
前記周面と前記傾斜面とで前記頂部をなす角部は、絞り加工によって自然に生じる曲率により構成されたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスクドライブ装置において、
前記天板に設けられた円錐台部は、前記スリット側に伸びる傾斜面の傾斜の始点位置を、前記スリットから挿入される前記ディスクを前記光ディスクドライブ装置内の前記ディスク搬送部材によって保持する位置よりも前記前面板側としたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスクドライブ装置において、
前記天板に設けられた円錐台部は、前記筐体の奥側に伸びる前記傾斜面の傾斜角度を前記光ディスクの前記スリットより挿入する際に傾く傾斜角度より小さくして形成されたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2、及び請求項3に記載の光ディスクドライブ装置において、
前記押圧部は、前記光ディスクとの接触時の摺動負荷を低減する樹脂性のコーティング処理が施されたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−34016(P2008−34016A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205552(P2006−205552)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】