説明

光ディスク装置および光ディスク装置の制御方法

【課題】多層光ディスクからの反射光を検出する場合に、他層からの反射光である迷光も検出してしまう。
【解決手段】複数の記録層を有する多層光ディスクに対して、光ビームを照射して情報を再生または記録する光ディスク装置であって、多層光ディスクに向けて光ビームを射出する光ビーム射出部と、多層光ディスクで反射した光信号を受光する受光部と、受光部が情報の再生または記録を行う記録層で反射した光信号を受光せず、かつ、情報の再生または記録を行う記録層以外の記録層で反射した迷光を受光するように調整する調整部と、受光部で受光された光信号から、受光部で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外した光信号を求める減算部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置およびその制御方法に関し、特に、複数の記録層を有する多層光ディスクに対して光ビームを照射して反射光を受光する光ディスク装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等の光ディスクに情報を記録する光学ディスク装置では、光ディスクを高速で回転させながらレーザ光を光ディスクの情報記録面に照射し、レーザ光の反射光を検出することによって情報の再生または記録を行う。
【0003】
特許文献1〜3には、レーザ光を複数の光に分割する回折格子を回転させることによって、トラックピッチの異なる光ディスクの情報再生を行う光ディスク装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−182979号公報
【特許文献2】特開平11−96575号公報
【特許文献3】特開平9−237433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の記録層を有する多層光ディスクにレーザ光を照射して、その反射光を検出する場合、レーザ光を照射している記録層からの反射光だけでなく、他の記録層からの反射光(迷光)も検出されてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、多層光ディスクで反射した光信号から迷光を除外した光信号を求める技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数の記録層を有する多層光ディスクに対して、光ビームを照射して情報を再生または記録する光ディスク装置であって、多層光ディスクに向けて光ビームを射出する光ビーム射出部と、多層光ディスクで反射した光信号を受光する受光部と、受光部が情報の再生または記録を行う記録層で反射した光信号を受光せず、かつ、情報の再生または記録を行う記録層以外の記録層で反射した迷光を受光するように調整する調整部と、受光部で受光された光信号から、受光部で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外した光信号を求める減算部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の代表的な実施の形態によれば、多層光ディスクで反射した光信号から迷光を除外した光信号を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における光ディスク装置の光ピックアップの詳細な構成を示す図である。
【図3】受光素子の受光面を示す図である。
【図4】第1の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)は、光ディスクからの反射光を検出する際のメイン受光部およびサブ受光部の正規の位置を示す図であり、図5(b)は、迷光を検出するためのメイン受光部およびサブ受光部の位置を示す図である。
【図6】第2の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態における光ディスク装置の光ピックアップの詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。
【図9】図9(a)は、回折格子の回転前における、メイン受光部およびサブ受光部と、メインビームおよびサブビームとの位置関係を示す図であり、図9(b)は、迷光を検出する位置まで回折格子を回転させた場合における、メイン受光部およびサブ受光部と、メインビームおよびサブビームとの位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、各実施形態について説明する。
【0011】
−第1の実施形態−
図1は、第1の実施形態における光ディスク装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態における光ディスク装置は、ディスクモータ2、光ピックアップ3、スレッドモータ4、スレッドモータ駆動部5、ディスクモータ駆動部6、再生処理回路7、サーボ制御部8、レーザパワー制御部9、レーザドライバ10、マイクロプロセッサ11、および、メモリ12を備える。
【0012】
ディスクモータ2は、ディスクモータ駆動部6によって駆動され、光ディスク1を回転させる。光ディスク1は、複数の記録層を有する多層光ディスクであって、例えば、ブルーレイディスクである。ただし、光ディスク1がブルーレイディスクに限定されることはない。ディスクモータ駆動部6は、マイクロプロセッサ11からの指示によって、ディスクモータ2の回転(回転/停止、回転数)を制御する。
【0013】
図2は、光ピックアップ3の詳細な構成を示す図である。光ピックアップ3は、レーザ31と、回折格子32と、プリズム33と、レンズ34と、対物レンズ35と、受光素子36と、モータ37とを備える。
【0014】
レーザ31は、情報の記録および再生のために所定の強度のレーザ光を発生する半導体レーザ(発光部)である。レーザ31から発光されたレーザ光は、回折格子32で1つのメインビームおよび2つのサブビームに分割される。分割されたメインビームおよびサブビームは、プリズム33、レンズ34、および、対物レンズ35を介して、光ディスク1の記録面(光ディスク面)に照射される。光ディスク1の記録面で反射したメインビームおよびサブビームは、対物レンズ35、レンズ34、および、プリズム33を介して、受光素子36で受光される。
【0015】
モータ37は、メインビームおよびサブビームが光ディスク1の所望の記録層に合焦するように、レンズ34を光軸方向に駆動する。また、モータ37は、後述するように、受光素子36を回転駆動する。
【0016】
図3は、受光素子36の受光面を示す図である。受光素子36は、光ディスク1の記録面で反射したメインビームを受光するためのメイン受光部361、および、サブビームを受光するためのサブ受光部362,363を有する。メイン受光部361は、大きさが略同一の4つの領域に分割されている。サブ受光部362,363も、大きさが略同一の4つの領域にそれぞれ分割されている。ただし、メイン受光部361およびサブ受光部362,363は、4つの領域に分割されているものに限定されることはなく、2つの領域に分割されていてもよいし、複数の領域に分割されていなくてもよい。メイン受光部361およびサブ受光部362,363で受光された反射光は、電気信号に変換されて出力される。
【0017】
なお、ここでは、光ディスク1への照射前に、回折格子32によってレーザ光を分割する例を示した。しかし、回折格子を、光ディスク1と受光素子36との間に設けて、レーザ光を分割せずに光ディスク1に照射し、反射したレーザ光を回折格子によって分割してから、受光素子36で受光するようにしてもよい。
【0018】
再生処理回路7は、光ピックアップ3から出力される電気信号に基づいて、データ(情報)の再生を行うとともに、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号などを生成する。トラッキングエラー信号は、光ディスク1のトラックに対するレーザ光の位置ずれを示す信号であり、フォーカスエラー信号は、光ディスク1の記録面(記録層)に対するレーザ光の焦点の位置ずれを示す信号である。
【0019】
サーボ制御部8は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボを制御する。すなわち、フォーカスサーボは、モータ37を駆動することによって、レーザ光が光ディスク1の所望の記録層に合焦するようにレンズ34の位置を制御する。トラッキングサーボは、光ピックアップ3が光ディスク1のトラックに追従するように制御する。
【0020】
レーザパワー制御部9は、光ディスク1に予め記録されたレーザ出力、または、OPC(Optimum Power Control)によって決定されたレーザ出力に従って、レーザ光の出力強度を制御する。レーザドライバ10は、レーザ31を駆動するドライバ回路である。レーザドライバ10は、レーザパワー制御部9によって制御される。
【0021】
マイクロプロセッサ11は、光ディスク装置の動作を制御する。例えば、レーザ31から出力されるレーザ光の強度を決めるOPC処理や、記録動作中のレーザ光の出力の制御処理を行う。メモリ12は、マイクロプロセッサ11によって実行されるプログラムおよびプログラムの実行に必要なデータを格納する。
【0022】
図4は、第1の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。光ディスク1が装着されると、光ディスク装置のマイクロプロセッサ11は、ステップS10の処理を開始する。
【0023】
ステップS10では、レーザ31からレーザ光を発生させる。
【0024】
ステップS20では、モータ37を駆動させることによって、受光素子36を、迷光を検出する位置まで回転させる。
【0025】
図5(a)は、光ディスク1からの反射光を検出する際のメイン受光部361およびサブ受光部362,363の正規の位置を示す図である。メイン受光部361は、メインビーム51を受光し、サブ受光部362,363はそれぞれ、サブビーム52,53を受光する。この場合、メイン受光部361およびサブ受光部362,363は、フォーカス対象の記録層以外の記録層からの反射光である迷光(不要光とも呼ぶ)54も検出してしまう。
【0026】
図5(b)は、迷光を検出するためのメイン受光部361およびサブ受光部362,363の位置を示す図である。受光素子36は、メイン受光部361の中心位置を中心として回転可能である。図5(b)に示すように、迷光を検出するための位置とは、サブ受光部362,363がサブビーム52,53をそれぞれ検出できない位置である。ここでは、図5(a)に示す位置を基準として、受光素子36の回転量が最小限であって、かつ、サブ受光部362,363がサブビーム52,53をそれぞれ検出できなくなる位置まで、受光素子36を回転させるものとする。
【0027】
ステップS30では、所望の記録層にレーザ光を合焦させるために、モータ37を駆動させることによって、レンズ34を駆動する。
【0028】
ステップS40では、受光素子36のサブ受光部362,363から出力される信号Ps1を取得する。この信号Ps1は、サブ受光部362,363で受光された迷光に対応した信号である。
【0029】
ステップS50では、モータ37を駆動させることによって、受光素子36を正規の検出位置まで回転させる。正規の検出位置とは、図5(a)に示す位置である。
【0030】
ステップS70では、受光素子36のサブ受光部362,363から出力される信号Ps2を取得するとともに、メイン受光部361から出力される信号Pm2を取得する。
【0031】
ステップS80では、ステップS70で取得した信号Ps2から、ステップS40で取得した信号Ps1を減算することによって、迷光を除外した信号Ps3を算出する。
【0032】
ここで、メイン受光部361で受光されるメインビームの強度は、迷光の強度に対してかなり大きく、その割合は、例えば、15:1である。従って、メイン受光部361で受光される光の中に迷光が含まれていても、特に問題にはならない。
【0033】
一方、サブ受光部362,363で受光されるサブビームに対する迷光の影響は大きく、その強度の割合は、例えば、1:1である。従って、第1の実施形態における光ディスク装置では、サブ受光部362,363で受光される光から、迷光を除外する処理を行っている。
【0034】
ステップS90では、メインビームに対応する信号Pm2、および、サブビームに対応する信号Ps3に基づいて、既知の方法により、トラッキングエラー信号を生成する。
【0035】
ステップS100では、ステップS90で生成したトラッキングエラー信号に基づいて、記録層に設けられた所定の記録トラック上にレーザ光を集光するトラッキング制御を行い、光ディスク1に記録されているデータを再生、または、光ディスク1にデータを記録する動作を開始する。
【0036】
以上、第1の実施形態における光ディスク装置によれば、受光素子36が情報の再生または記録を行う記録層で反射した光信号を受光せず、かつ、情報の再生または記録を行う記録層以外の記録層で反射した迷光を受光するように調整し、受光素子36で受光された光信号から、受光素子36で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外した光信号を求める。これにより、迷光を除外した反射光のみを取り出すことができるので、トラッキング制御などの光ディスク装置の制御を精度良く行うことができる。
【0037】
特に、第1の実施形態における光ディスク装置によれば、サブ受光部362,363で情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が受光されない位置まで、受光素子36を回転駆動させ、サブ受光部362,363で受光されたサブ光信号から、サブ受光部362,363で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外したサブ光信号を求める。これにより、迷光の影響が大きいサブ光信号から、迷光を除去した信号を求めて、光ディスク装置の制御を精度良く行うことができる。
【0038】
また、受光素子36を回転駆動させるモータ37は、レーザ光を所望の記録層に照射させるために、レンズ34を駆動する機能を有している。すなわち、レーザ光のフォーカス位置を調整するための既存のモータを用いて、受光素子36を回転駆動させることができるので、受光素子36を回転駆動させるためのモータを別途設ける必要がない。
【0039】
−第2の実施形態−
第2の実施形態における光ディスク装置では、サブ受光部362,363で受光される光から迷光を除外するだけでなく、メイン受光部361で受光される光からも、迷光を除外する処理を行う。なお、第2の実施形態における光ディスク装置の構成は、図1に示す第1の実施形態における光ディスク装置の構成と同じである。
【0040】
図6は、第2の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理と同じ処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0041】
ステップS80に続くステップS600では、ステップS70で取得した信号Pm2から、迷光成分を減算することによって、迷光を除外した信号Pm3を算出する。図5(a)に示すように、迷光成分54は、大きな円を描くような形で、メイン受光部361およびサブ受光部362,363に入る。この迷光成分の光量は、円54内でほぼ均一であるため、メイン受光部361で受光される迷光の強度を、サブ受光部362,363で受光された迷光の強度と同じと推定する。従って、ステップS600では、ステップS70で取得した信号Pm2から、推定迷光成分に対応する信号Ps1を減算することによって、迷光成分を除外した信号Pm3を算出する。
【0042】
ステップS90Aでは、メインビームに対応する信号Pm3、および、サブビームに対応する信号Ps3に基づいて、既知の方法により、トラッキングエラー信号を生成する。
【0043】
以上、第2の実施形態における光ディスク装置によれば、メイン受光部361で受光されたメイン光信号から、サブ受光部362,363で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外したメイン光信号を求める。これにより、サブ光信号だけでなく、メイン光信号も精度良く求めることができ、トラッキング制御などの光ディスク装置の制御をさらに精度良く行うことができる。
【0044】
−第3の実施形態−
上述した第1および第2の実施形態における光ディスク装置では、サブ受光部362,363がサブビーム52,53をそれぞれ検出できなくなる位置まで、受光素子36を回転させることによって、迷光を検出した。第3の実施形態における光ディスク装置では、レーザ31から発光されたレーザ光をメインビームおよびサブビームに分割する回折格子を回転させることによって、迷光を検出する。
【0045】
図7は、第3の実施形態における光ディスク装置の光ピックアップ3Aの詳細な構成を示す図である。図2に示す第1の実施形態における光ディスク装置の光ピックアップ3の構成と同じ構成要素については、同一の符号を付している。
【0046】
モータ37Aは、レーザ光のフォーカス位置を調整するためにレンズ34を駆動するとともに、回折格子32Aを回転駆動する。すなわち、回折格子32Aは、分割されたメインビームが射出される位置を中心として、モータ37Aによって回転可能に構成されている。
【0047】
図8は、第3の実施形態における光ディスク装置によって行われる処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理と同じ処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0048】
ステップS10に続くステップS800では、モータ37Aを駆動させることによって、回折格子32Aを、迷光を検出する位置まで回転させる。
【0049】
図9(a)は、回折格子32Aの回転前における、メイン受光部361およびサブ受光部362,363と、メインビーム51およびサブビーム52,53との位置関係を示す図である。回折格子32Aの回転前は、図9(a)に示すように、メイン受光部361でメインビーム51を受光し、サブ受光部362,363でサブビーム52,53をそれぞれ受光する。
【0050】
図9(b)は、迷光を検出する位置まで回折格子32Aを回転させた場合における、メイン受光部361およびサブ受光部362,363と、メインビーム51およびサブビーム52,53との位置関係を示す図である。回折格子32Aを回転させることによって、サブビーム52,53を受光素子36に照射する位置を変えることができる。図9(b)に示すように、迷光を検出するための位置とは、サブ受光部362,363がサブビーム52,53をそれぞれ検出できない位置である。すなわち、モータ37Aは、サブビーム52,53がサブ受光部362,363に当たらない位置まで回折格子32Aを回転させる。ここでは、サブビーム52,53がサブ受光部362,363に当たらない位置であって、かつ、回折格子32Aの回転量が最小限となる位置まで、回折格子32Aを回転させる。
【0051】
また、ステップS40に続くステップS810では、モータ37Aを駆動させることによって、回折格子32Aを回転前の正規の位置まで回転させる。
【0052】
以上、第3の実施形態における光ディスク装置によれば、サブ受光部362,363で情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が受光されない位置まで、回折格子32Aを回転駆動させ、サブ受光部362,363で受光されたサブ光信号から、サブ受光部362,363で受光された迷光を減算することによって、迷光を除外したサブ光信号を求める。これにより、第1の実施形態と同様に、迷光の影響が大きいサブ光信号から、迷光を除去した信号を求めることができ、光ディスク装置の制御を精度良く行うことができる。
【0053】
なお、第3の実施形態における光ディスク装置でも、第2の実施形態における光ディスク装置と同様に、サブ光信号だけでなく、メイン光信号からも迷光を除外するようにしてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。例えば、上述した実施形態では、迷光を除外した反射光をトラッキング制御に用いる例を挙げたが、トラッキング制御以外の各種制御に用いることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 光ディスク
2 ディスクモータ
3,3A 光ピックアップ
4 スレッドモータ
5 スレッドモータ駆動部
6 ディスクモータ駆動部
7 再生処理回路
8 サーボ制御
9 レーザパワー制御
10 レーザドライバ
11 マイクロプロセッサ
12 メモリ
31 レーザ
32,32A 回折格子
33 プリズム
34 レンズ
35 対物レンズ
36 受光素子
37,37A モータ
361 メイン受光部
362,363 サブ受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録層を有する多層光ディスクに対して、光ビームを照射して情報を再生または記録する光ディスク装置であって、
前記多層光ディスクに向けて前記光ビームを射出する光ビーム射出部と、
前記多層光ディスクで反射した光信号を受光する受光部と、
前記受光部が情報の再生または記録を行う記録層で反射した光信号を受光せず、かつ、前記情報の再生または記録を行う記録層以外の記録層で反射した迷光を受光するように調整する調整部と、
前記受光部によって受光された光信号から、前記受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外した光信号を求める減算部と、
を備えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記光ビーム射出部から射出された光ビームをメインビームとサブビームとに分割する光分割部をさらに備え、
前記受光部は、前記メインビームが前記多層光ディスクで反射したメイン光信号を受光するメイン受光部および前記サブビームが前記多層光ディスクで反射したサブ光信号を受光するサブ受光部を有し、前記メイン受光部を中心として回転可能に構成されており、
前記調整部は、前記情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が前記サブ受光部によって受光されない位置まで、前記受光部を回転駆動させ、
前記減算部は、前記サブ受光部によって受光されたサブ光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したサブ光信号を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記光ビーム射出部から射出された光ビームをメインビームとサブビームとに分割する光分割部であって、分割されたメインビームが射出される位置を中心として回転可能に構成されている光分割部をさらに備え、
前記受光部は、前記メインビームが前記多層光ディスクで反射したメイン光信号を受光するメイン受光部および前記サブビームが前記多層光ディスクで反射したサブ光信号を受光するサブ受光部を有し、
前記調整部は、前記情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が前記サブ受光部によって受光されない位置まで、前記光分割部を回転駆動させ、
前記減算部は、前記サブ受光部によって受光されたサブ光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したサブ光信号を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記減算部は、前記メイン受光部によって受光されたメイン光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したメイン光信号を求める、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記調整部はモータであって、前記光ビーム射出部から射出される光ビームを所望の記録層に照射させるための光学系の位置を調整するためのモータと同一のモータであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
複数の記録層を有する多層光ディスクに対して光ビームを照射し、前記多層光ディスクで反射した光信号を受光素子で受光することによって、情報を再生または記録する光ディスク装置の制御方法であって、
第1のタイミングで、前記多層光ディスクで反射した光信号を前記受光素子によって受光させ、
前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで、情報の再生または記録を行う記録層で反射した光信号を受光させず、かつ、前記情報の再生または記録を行う記録層以外の記録層で反射した迷光を前記受光素子によって受光させ、
前記受光素子によって受光された光信号から、前記受光素子によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外した光信号を求める、
ことを特徴とする光ディスク装置の制御方法。
【請求項7】
前記光ディスク装置は、前記光ビームをメインビームとサブビームとに分割する光分割部を備えており、前記受光素子は、前記メインビームが前記多層光ディスクで反射したメイン光信号を受光するメイン受光部および前記サブビームが前記多層光ディスクで反射したサブ光信号を受光するサブ受光部を有し、前記メイン受光部を中心として回転可能に構成されており、
前記制御方法は、
前記第2のタイミングで前記迷光を前記受光素子によって受光させるために、前記情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が前記サブ受光部によって受光されない位置まで、前記受光素子を回転駆動させ、
前記サブ受光部によって受光されたサブ光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したサブ光信号を求める、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の制御方法。
【請求項8】
前記光ディスク装置は、前記光ビームをメインビームとサブビームとに分割する光分割部であって、分割されたメインビームが射出される位置を中心として回転可能に構成されている光分割部を備えており、前記受光素子は、前記メインビームが前記多層光ディスクで反射したメイン光信号を受光するメイン受光部および前記サブビームが前記多層光ディスクで反射したサブ光信号を受光するサブ受光部を有し、
前記制御方法は、
前記第2のタイミングで前記迷光を前記受光素子によって受光させるために、前記情報の再生または記録を行う記録層で反射したサブ光信号が前記サブ受光部によって受光されない位置まで、前記光分割部を回転駆動させ、
前記サブ受光部によって受光されたサブ光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したサブ光信号を求める、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の制御方法。
【請求項9】
前記メイン受光部によって受光されたメイン光信号から、前記サブ受光部によって受光された迷光を減算することによって、前記迷光を除外したメイン光信号を求める、
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光ディスク装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−146099(P2011−146099A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6661(P2010−6661)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】