光ディスク記録方法及び光ディスク記録装置
【課題】記録層が複数層ある追記型の光ディスクにおいて、各記録層の記録・未記録状態を正確に把握し、記録領域の記録状態による透過率の変化に対応して、次回記録領域に対する記録パワー調整を正しく行うようにする。
【解決手段】記録対象層における、これから記録する未記録な領域(次回記録領域)を再生し、未記録状態の反射光レベルを取得する。予め算出しておいた反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を用い、次回記録領域に対する記録パワー補正率を算出して記録パワーを補正し、次回記録領域を記録する。WalkingOPC適用時には、前記した記録パワー補正率と、WalkingOPCで求めた記録パワー補正率に基づき、次回記録領域に適用する記録パワーを補正して記録する。
【解決手段】記録対象層における、これから記録する未記録な領域(次回記録領域)を再生し、未記録状態の反射光レベルを取得する。予め算出しておいた反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を用い、次回記録領域に対する記録パワー補正率を算出して記録パワーを補正し、次回記録領域を記録する。WalkingOPC適用時には、前記した記録パワー補正率と、WalkingOPCで求めた記録パワー補正率に基づき、次回記録領域に適用する記録パワーを補正して記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録・再生層が複数層ある光ディスクに対する記録のためのレーザパワーの最適化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
追記可能な光ディスクにデータを記録する際、データを記録する層に対する記録用の最適レーザパワーを調整するために、特許文献1に記載の、Optimum Power Control(以下、OPCと呼ぶ。)と呼ばれる試し記録が行われる。OPCは、光ディスクの最内周側又は最外周側にユーザデータを記録するための領域(以下、ユーザデータ領域と呼ぶ。)とは別に設けられたOPC用の領域(以下、OPCエリアと呼ぶ。)で行うのが一般的である。
【0003】
記録層が複数層存在する光ディスクの場合は、光ディスク表面から記録対象とする層までの記録層の状態が、データが記録された状態であるか未記録の状態であるかにより変化するため、光ディスク表面から記録対象層に到達するまでの光の透過率が変わる。これにより、光ディスク表面から入射したレーザ光が、記録対象層に到達するまでの光量が変化するため、記録対象層に向けて出射すべき最適記録パワーが変動する。これに対応し、特許文献2では、OPCエリアを小領域に区切り、領域毎に、各記録層の記録・未記録状態を変化させ、記録・未記録の異なる組み合わせの状態を複数作成しておき、各組み合わせに応じてOPCを行うことで、組み合わせに対応した記録パワーを算出しておく。そして、光ディスクを、上方から見て複数のエリアに分割し、エリア毎の各記録層における記録・未記録の状態がわかる情報をディスクに記録しておく。データ記録時には、対応するエリアの記録・未記録情報を取得し、エリアの状態に合致したOPC算出パワーを適用して記録する。
【0004】
又、記録中においては、記録パワーを常に最適に調整するため、WalkingOPCと言われる記録方法が有り、WalkingOPCでは、データ記録の際に記録パワーを補正しながら記録を行う。方法としては、データ記録の途中で一旦記録を停止し、途中まで記録した部分を再生する。再生時に、現記録パワーにおける記録品質を確認し、記録品質が良好になるよう記録パワーの補正値を算出する。そして、中断した記録を再開する際には、前記記録パワーの補正値を利用し、記録パワーを調整し記録をすることで記録パワーの最適化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−311346号公報
【特許文献2】特開2008−192258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
記録層が複数層ある光ディスクに対して、前記特許文献2を適用し、記録パワーを最適に調整しようとした場合に、次のような問題が生じる。
特許文献2の方式では、予め光ディスクを複数エリアに分割し、各エリアにおける各記録層の記録・未記録状態をディスクに記録しておく方式であり、この情報を利用することで、各記録層の記録・未記録状態をエリア毎に把握できるとのことである。
【0007】
しかし、分割したエリア内において記録・未記録状態が変化する領域がある場合には対応ができない。又、前記事象を避けるために、エリアをできるだけ細かく分割し対応しようとした場合は、情報量が多く複雑になり、情報管理が難しくなる。又、仮に管理ができたとしても、光ディスクのアドレスで管理をした場合には、光ディスク製造の際の各記録層における貼り合わせの具合によって、光ディスクのアドレスと、その半径位置との関係が、各記録層でズレることが想定される。これにより、アドレスと半径位置との関係が一意であるという前提が崩れてしまい、同一半径位置に対応するはずの各記録層のアドレスに記録をしたとしても、光ディスク製造ばらつきによって、その半径位置がズレてしまう。この場合アドレス上では各記録層で記録済みの領域であっても、実際は、記録済みの層と未記録の層とが混在する領域となり、管理が適切になされない。
【0008】
又、特許文献2の方式では、記録・未記録の判定を、記録がされているか否かの2つの状態で判定し、記録パワーの調整をしているため、記録状態に応じて透過率の変化具合が変わった場合に、透過率に応じた最適な記録パワーを選択することが困難である。
【0009】
さらに、記録層が複数層ある光ディスクを対象にWalkingOPCを適用した場合は、以下の事項が懸念される。たとえば、連続した領域を記録している場合に、記録停止前の各記録層の記録・未記録状態と、記録再開時以降の各記録層の記録・未記録状態が異なっていた場合、つまりは透過率が異なっていた場合にも、記録停止前の記録部の記録品質から算出した記録パワー補正値を、記録再開後の記録パワー調整に適用するため、記録再開後の領域に対し、不利な記録パワーに調整されることが懸念される。この場合、記録再開後の記録品質が、記録停止前の記録品質に比べ、逆に悪化する。
【0010】
前述のように従来技術では、各記録層の記録・未記録位置が正確に把握できず、さらには、各記録層の記録・未記録による影響度(透過率の変化具合)を詳細に把握できないため、次に記録を実施しようとする領域に対して、記録パワーを適正に補正することができない。又、WalkingOPC適用時には、記録パワーを誤って補正する場合があることが問題である。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、前記問題を解決する新たな記録方法を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記問題を解決するため本発明は、記録層の数が複数である追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録するための光ディスク記録方法であって、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して、該レーザ光の反射光レベルを取得する反射光レベル取得ステップと、該反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出する第1の記録パワー補正係数算出ステップと、該第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出する記録パワーレベル算出ステップと、該記録パワーレベル算出ステップで算出された前記レーザ光のパワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録する情報記録ステップを有することを特徴としている。
【0013】
また本発明は、記録層の数が複数である追記型の光ディスクに対してレーザ光を照射して情報を再生し記録する光ディスク記録装置であって、
前記レーザ光を発生するレーザ光源を備えた光ピックアップヘッドと、該光ピックアップヘッドが前記光ディスクに照射するレーザ光のパワーを制御するレーザダイオードドライバと、前記光ピックアップヘッドから検出された信号に基づき、前記光ディスクから反射された前記レーザ光の反射光のレベルを検出し、また前記信号の記録品質を判定する信号処理回路と、前記レーザダイオードドライバと前記信号処理回路の動作を制御するシステムコントローラを備え、
前記追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録する場合には、前記システムコントローラは、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、前記信号処理回路から前記レーザ光の反射光レベルを取得し、該反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出し、該第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記録層が複数層ある追記型の光ディスクに対して、記録のためのレーザパワーを最適化でき、記録品質を安定化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における第一の実施形態の概要を説明する図である。
【図2】本発明における第一の実施形態のシーケンス図である。
【図3】記録層が多数層存在する光ディスクの断面図である。
【図4】反射光レベルと最適記録パワーの関係を示す特性図である。
【図5】反射光レベル差分値と記録パワー補正率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。
【図7】本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図である。
【図8】本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図である。
【図9】本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。
【図10】記録パワーと記録品質(β)の関係を示す特性図である。
【図11】本発明における第三の実施形態のシーケンス図である。
【図12】本発明の一実施例における光ディスクドライブ装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、記録層が複数層ある、追記型の光ディスクに対して、これから記録する未記録の領域(以降、次回記録領域と言う。)をまず再生し、未記録状態における反射光レベルを取得し、前記反射光レベルに応じて、記録パワーを補正し、次回記録領域を記録する光ディスク記録装置に関する。また本発明は、記録直前の次回記録領域の状態を実際に再生することで把握し、その上で記録パワーを補正するために、次回記録領域に対応した領域における他の記録層の記録・未記録による影響度(透過率の変化具合)に応じた記録パワー補正を可能とすることに特徴の一つがある。
【0017】
図1を用いて、本発明の第一の実施形態について説明する。
図1は、本発明における第一の実施形態の概要を説明する図である。図1上段は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を模式的に示したものである。一例として、記録層が3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光118は、光ピックアップヘッド(OPU)117からディスク表面116に入射され、記録層へ照射される。記録層はディスク表面116に近い側から、107、106、105とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。又、本例の光ディスクは、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクとする。
【0018】
本例では、ディスク表面116から最も遠い層である105に、記録をすることを想定し、次回記録領域として、101の範囲を記録する場合を想定する。つまりは、102、103、104の連続な領域を次回記録領域とする。
まずは、次回記録領域である記録層105の101の範囲を再生する。ここで言う再生は、データ再生用のレーザパワーのレーザ光を照射することを言う。101の再生時に、反射光がOPU117に戻ってくるので、この反射光レベルをOPU117が取得する。
【0019】
108に、記録層105を再生した時に取得した反射光レベルと対象領域との位置関係を示す。領域102、103、104では、記録層106、107の記録・未記録状態が異なるため、OPU117から照射されたレーザ光がディスク表面116から記録層105に到達するまでの透過率が異なり、取得した反射光レベルに違いが生じる。領域102では109、103では110、104では111と後者ほど高い反射光レベルがそれぞれ得られる。
【0020】
図5は、反射光レベル差分値と記録パワー補正率の関係を示す特性図である。予め用意しておいた、図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係に、前記取得した反射光レベルを照らし合わせ、反射光レベルに応じた記録パワー補正率を算出する。反射光レベルの差分値を取るための比較対象の反射光レベルは、基準反射光レベルとして予め取得しておく。反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係の構築方法は後述する。図5の関係を用いると、領域102、103、104では、得られた反射光レベルが異なるので、記録パワー補正率の値は、それぞれ異なる数値となる。
【0021】
前記取得した記録パワー補正率を適用し、記録パワーを補正し、102、103、104に応じた記録パワーを算出し、記録を行う。図1で示すように、領域102では記録パワー113、103では114、104では115と前者ほど高い記録パワーで記録を行う。記録パワー補正率を適用する補正対象の記録パワーは、予め基準の記録パワーとして算出しておく。
【0022】
前述のように、基準の記録パワーに対し、各領域の状態に対応して記録パワーの補正を行い、最適な記録パワーに調整して記録を行う。
続いて、図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係の構築方法について、図3、図4を用いて一例を説明する。
【0023】
図3は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面の模式図である。一例として、記録層が3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、図示しないOPUからディスク表面306に入射し、記録層へ照射される。ディスク表面306に近い層から、303、304、305とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。又、本例の光ディスクは、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクとする。
【0024】
記録層305の領域301、302では、記録層303、304の記録・未記録状態が異なるため、OPUから照射されたレーザ光がディスク表面306から記録層305に到達するまでの透過率が異なり、当該領域を再生した時に取得できる反射光レベルが異なる。この反射光レベルが異なる二つの領域301と302で、最適記録パワー調整(OPC)を行うと、前述したように透過率に違いがあることから、当該領域に照射すべき記録パワーである最適記録パワーの算出値に違いが生じる。
【0025】
図4は、反射光レベルと最適記録パワーの関係を示す特性図であり、領域301、302における、未記録時の領域を再生した時の反射光レベルと、OPC時に算出した最適記録パワーの関係を表したものである。401は、領域301の結果、402は領域302の結果を示している。最も簡単なモデルとしては、401、402を直線近似することで、反射光レベルと最適記録パワーの関係が求まる。さらに、401と402の反射光レベルの差分値403に対する、最適記録パワーの増減分404という見方に関係を置き換えると、図5の反射光レベルの差分値と記録パワー補正率との関係に置き換えることができる。
【0026】
図5の関係の活用例を以下に示す。記録対象層となる記録層において図5の関係を予め構築しておく。記録対象層においてOPCを実施する際に、OPCを実行する領域をあらかじめ再生しておき、基準反射光レベルを取得しておく。これを第一の反射光レベルとする。その後、OPCを実行し基準の記録パワーを算出する。ここで、OPCで算出した基準の記録パワーを、第一の記録パワーとする。次回記録領域を記録する際には、第一の反射光レベルと第一の記録パワーを基準として、記録パワーの補正を実行する。前述したように、次回記録領域に記録する際には、まず次回記録領域を再生し、反射光レベルを取得する。これを第二の反射光レベルとする。前述の第一の反射光レベルと第二の反射光レベルを比較し、反射光レベルの差分値501を算出する。図5の関係を利用することで、反射光レベルの差分値501から、第一の記録パワーに対する記録パワー補正率502を算出することができる。次回記録領域を記録する際には、第一の記録パワーに、記録パワー補正率502を適用し補正した記録パワー(第二の記録パワー)で記録を行う。
【0027】
本例は一例であるため、反射光レベルと記録パワーとを結びつけた関係を予め取得することができればいかなる方法でも良いし、反射光レベルと記録パワーとを結びつけた関係であれば本例と同じである必要はない。又、図5の関係は、予め各記録媒体の記録層毎に情報を収集しておき、光ディスクドライブ内の制御プログラムに登録して保持していても良いし、光ディスクを装填した後に、その都度取り直しても良い。
【0028】
以上が、本発明における第一の実施形態である。本実施例では、次回記録領域を記録する前に次回記録領域を再生したうえで、次回記録領域を記録することが特徴的である。実際に次回記録領域を再生するために、従来課題であった、各記録層の記録・未記録状態を正確に把握することが可能となる。又、反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を元に、反射光レベルに応じて、記録パワー補正率を変化させることができるため、課題となっていた透過率の微妙な変化に応じても、柔軟に記録パワーの補正をすることが可能となる。
第一の実施形態のシーケンス図については図2に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0029】
次に、本発明における第二の実施形態について図7を用いて説明する。第二の実施形態は、前回記録した領域の記録品質を元に、次回記録領域の記録パワーを補正する仕組みであるWalkingOPCと第一の実施形態を組み合わせた例である。
【0030】
図7は、本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図であり、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を示したものである。一例として、記録層が、3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、図示しないOPUからディスク表面709に入射し、記録層へ照射される。ディスク表面709に近い層から、706,707,708とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。本例では、ディスク表面709から最も遠い層である708に、記録をすることを想定し、次回記録領域として、701の範囲を記録する場合を想定する。702は、次回記録領域を記録する前に記録された領域で、領域702を、前回記録領域と呼ぶ。
【0031】
本例では、次回記録領域を記録するための記録パワーを、前述した未記録状態の次回記録領域を再生することによって取得した反射光レベルによって決まる記録パワー補正率と、前回記録領域の記録品質に応じて決定される記録パワー補正率とによって、決定する。反射光レベルによって決まる記録パワー補正率を第一の記録パワー補正率、前回記録領域の記録品質に応じて決定される記録パワー補正率を第二の記録パワー補正率と呼ぶ。
【0032】
次回記録領域を記録する際には、まず前回記録領域702を再生する。ここで前回記録領域702の記録品質を取得する。記録品質は例えば再生信号におけるエラーレートに基づいて定量化される。ここでは一例として、β値を取得する。図10に示すように、記録パワーと記録品質(β)の関係を予め取得しておけば、702再生時に取得したβが、目標とするβに対する乖離具合により、前回記録した記録パワーが最適記録パワーからずれているかどうかがわかる。ずれを解消するため、図10の関係より、第二の記録パワー補正率を算出する。
【0033】
その後次回記録領域701を再生し、前述した方法で、領域703、704、705に応じた第一の記録パワー補正率を算出する。
次回記録領域を記録するための記録パワーは、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率の両方を加味して決定する。
一例としては、記録対象層でOPCを実行し、求まった記録パワーを第一の記録パワーとした場合に、第一の記録パワーに、第一の記録パワー補正率と、第二の記録パワー補正率を乗算し、算出された記録パワーを第二の記録パワーとして、次回記録領域の記録パワーとして適用し記録する。
第二の実施形態のシーケンスについては、図6に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0034】
次に、第二の実施形態をさらに効果的に実施する例について、図8、図9を使って説明する。
図8は、本発明における第二の実施形態を説明する図7とは別の光ディスクの断面図である。図8は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を示したもので、一例として、記録層が、3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、ディスク表面808側から入射され、記録層へ照射される。ディスク表面808に近い層から、805、806、807とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。本例では、ディスク表面808から最も遠い層である807に、記録をすることを想定する。次回記録領域は、最初は801の領域Aであって、その後に802の領域B、803の領域C、804の領域Dの順番で記録することとし、前述のように次回記録領域を記録する記録パワーを決定するためには、第一の記録補正率と第二の記録補正率の両方を利用することとする。但し、最初の記録(領域Aの記録)は、前回記録領域がないため、第二の記録補正率による補正は行わないこととする。又、領域A〜Dは、物理的に連続な領域であることとする。
【0035】
図9は、本発明における第二の実施形態のシーケンス図であり、図8に示す例に対応したものである。
前記条件で、記録することを考えると、図9の901に示すシーケンスを実行することとなる。領域Aを記録する際には、まず未記録状態の領域Aを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。前回記録領域が存在しないため、第一の記録パワー補正率のみを適用し、記録パワーを算出し、領域Aを記録する。次に、領域Bを記録するために、前回記録領域である、領域Aを再生し、第二の記録パワー補正率を算出する。そして、未記録状態の領域Bを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。そして、第一の記録パワー補正率と、第二の記録パワー補正率の両方を適用し、記録パワーを算出し、領域Bを記録する。
【0036】
次に、領域Cを記録する際には、領域Bを記録するための手順を、領域Aの箇所を領域Bに、領域Bの箇所を領域Cに変えて実行する。領域Dも同様となる。シーケンス901では、処理の左にSと記載されている処理の前で、OPUを目標領域の近傍に位置づけるシーク処理が発生する。シーケンス901では、領域Dを記録するまでにシーク処理を8回必要とする。
【0037】
本実施例では、シーケンス901をさらに改善したシーケンス902を適用しても良い。シーケンス902は、記録予定領域が物理的に連続的な領域であり、次回記録領域が順々に推移していくことを利用し、シーク処理回数を低減し、処理に要する時間を低減し効率を向上させたものである。
【0038】
ポイントは、領域が連続的であることを利用し、前回記録領域の再生と、次回記録領域の記録と、次回記録領域の次に記録が予定されている未記録領域の再生との3つの処理を、途切れなく連続的に行うことにある。たとえば、シーケンス902では、まず未記録状態の領域Aを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。前回記録領域が存在しないため、第一の記録パワー補正率のみを適用し、記録パワーを算出し、領域Aを記録する。ここまでは、シーケンス901と一緒であるが、その後に連続した領域である領域Bの再生も連続的に行う。ここで、領域Bを記録するための条件である第一の記録パワー補正率を算出しておく。
【0039】
次に、シーク処理で領域Aに位置づけ、領域Aを再生する。この際に第二の記憶パワー補正率を算出する。これで領域Bを記録するための第二の記録パワーが決定でき、そのまま連続した領域である領域Bを記録する。さらに、そのまま、連続的な領域であるCを再生し、Cを記録するための第一の記録パワー補正率を算出する。このように、領域Aの再生、領域Bの記録、領域Cの再生を連続的に行うことで、シーク処理を低減することができる。本処理を繰り返し行うことで、シーケンス901では、シーク回数が8回必要なのに対し、シーケンス902では、5回に短縮することができる。
シーケンス902は繰り返し行った場合に、大きな効果が期待できる。短い領域でのReadAfterWrite(RAW)を繰り返し行う記録方法をする際に、本実施形態を利用すると良い。
【0040】
次に、本発明における第三の実施形態について説明する。例えば第一の実施形態では、次回記録領域を再生することで、次回記録領域の記録パワーを補正するための記録パワー補正率を算出し、次回記録パワーを補正することを述べてきたが、次回記録領域を再生した際に、記録前の未記録領域に傷や汚れなどがあった場合に、事前にその存在を確認することができる。次回記録領域を再生時に、傷や汚れを確認した場合は、傷や汚れが存在した領域に、記録をしても良好に記録ができない場合が多いので、次回記録領域の代替領域を予め光ディスクに確保しておいた交替エリアに割り付け、傷や汚れがある領域を回避し、次回記録を行う領域を変える交替処理を行う。この際、前記再生した傷や汚れがあった領域は、欠陥領域として扱い、以降前記領域を避けて記録をする。
【0041】
傷や汚れが存在すると、傷や汚れが存在する領域で反射光レベルに変化が生じる。前記変化量は、透過率の変化による反射光の変化量と比較して十分大きい変化として見えるため、反射光レベルの変化量に閾値をもうけておけば、反射光レベル取得時に、反射光レベルの変化量に応じて、透過率による変化か傷や汚れによる変化の区別がつく。前記区別することで、透過率による変化の場合は、次回記録領域を記録するための記録パワー補正率の算出処理を実行し、傷や汚れの場合は、交替処理を実行するよう処理を分けることができる。
第三の実施形態のシーケンスを図11に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0042】
前述までの例では、記録層が3つの光ディスクを示したが、記録層数が2つ以上の記録層のものであれば良く、3つに限るものではない。又、記録対象層が、レーザ光が入射するディスク表面から最も遠い層の場合を示したが、記録対象層が前記ディスク表面から最も近い層である場合除けば、どの記録層でも構わない。又、本例では、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクを例にあげたが、データを記録することで反射率が上昇するLTH(Low To High)ディスクの場合でも、同様に適用可能である。
【0043】
次に、図12を使用し、前述までの本発明内容を、光ディスクドライブ装置の動作で示す。
図12は、本発明の一実施例における光ディスクドライブ装置のブロック図である。本発明に用いる光ディスクドライブは、一般的な光ディスクドライブに特別な構成要素を必要としたものではない。1201は光ディスク、1207は光ディスクを回転させるスピンドルモータ、1204は光ディスクを再生・記録するためのレーザ光を発生させるレーザ光源、レーザ光の焦点を合わせるレンズ、反射光を電気信号に変換するOEICを搭載する光ピックアップヘッド(OPU)、1205は、OPUが光ディスクに照射するレーザ光の強度及び発光タイミングを制御するレーザダイオードドライバ(LDD)、1203は、OPUで検出された信号から、ジッタ、反射光レベルなどの検出、再生信号への変換などを行う信号処理回路、1206は、スピンドルモータの制御やOPUのフォーカス、トラッキング及び位置制御を行うサーボコントローラ、1202は、信号処理回路、LDD、サーボコントローラを制御するCPUを含み、光ディスクドライブ全般を制御するシステムコントローラを示す。
【0044】
まずは、第一の実施形態を例に示す。
図2は、本発明における第一の実施形態のシーケンス図であり、図中でSを付した各ステップを有している。以下、図2と図12に沿って説明を行う。
【0045】
まずは、システムコントローラ1202は、光ディスク1201が装填されたら、サーボコントローラ1206に指示して、スピンドルモータ1207を回転させる。そして、次回記録領域に記録を行う前に、基準となる記録パワーを算出するため、OPCを開始する。光ディスク1201の次回記録位置が存在する記録層のOPCを実行するための領域(PCA)に、システムコントローラ1202がサーボコントローラ1206を制御して、OPU1204を位置させ、フォーカスサーボとトラッキングサーボをかける。(図2のS201)(以下、フォーカスサーボとトラッキングサーボをかけることを、単にサーボをかけるという。)
本領域でOPCを実施するが、本実施例では、OPCを実施する前に、OPCを実施する領域を予め再生し、未記録状態での反射光レベルを取得する。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御して、OPU1204が、再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するよう制御し、当該領域を再生させる。再生時に、OPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介して、反射光の強度を示す反射光レベルとして、システムコントローラ1202に保持される。本反射光レベルを第一の反射光レベルとする(図2のS202)。
【0046】
OPCは、一般的には、システムコントローラ1202がLDD1205に、記録レベルのレーザパワーを段階的に変動させて、光ディスク1201にレーザ光を照射するよう制御し、レーザパワーを段階的に変動させた記録跡を、光ディスク1201のPCA領域に残す。次に、該領域を再生し記録跡の記録品質を取得するため、システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、再び、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を該領域に位置させて前記領域を再生させる。再生時にOPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介し、記録品質の指標値となる、ジッタ、βなどの値に置き換えられ、システムコントローラ1202に入力される。システムコントローラは、OPC記録時のレーザパワーと、それに対応する記録位置で取得した指標値との関係から、次回記録領域で記録する記録パワーの基準値となる第一の記録パワーを算出し、これを保持する(図2のS203)。
【0047】
次に、次回記録領域に記録を行うため、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を次回記録領域に位置させ、サーボをかける。そして次回記録領域の再生を行い、次回記録領域の未記録状態の反射光レベルを取得する。これを第二の反射光レベルとする(図2のS204)。
未記録状態の反射光レベルの取得方法は、前述したOPC実行場所の未記録状態での反射光レベルを取得する動作と同様のため割愛する。
【0048】
第一の反射光レベルと第二の反射光レベル、そして第一の記録パワーが揃うと、システムコントローラ1202は、次回記録領域の記録パワーである第二の記録パワーを決定することができる。まずは、記録パワー補正率の算出を行う。システムコントローラ1202は、予め所持している図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を利用して、記録パワー補正率を算出する。具体的には、第一、第二の反射光レベルの差分値を計算し、反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係に当てはめれば導出できる(図2のS205)。
その後、システムコントローラ1202は、第一の記録パワーに対して導出した記録パワー補正率を適用し、計算することで、第二の記録パワーを算出する(図2のS206)。
第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(図2のS207)。
【0049】
第二の記録パワーが算出できたら、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を次回記録領域に位置させ、サーボをかけ、第二の記録パワーでOPU1204がレーザ光を照射する様、LDD1205を制御し、図示しないホストから送信された記録すべきデータを、LDD1205が発光すべきタイミングデータに変換し、LDD1205に転送することで、記録を行う。
【0050】
本例において、次回記録領域の未記録状態の反射光レベルを取得した際に、次回記録領域内で反射光レベルの段差があった場合でも対応は可能である。たとえば、再生時に反射光レベルの段差が出た光ディスク1201のアドレス情報を逐一システムコントローラ1202が監視し、アドレス情報と反射光レベルの関係を保持しておけば良い。この場合は、反射光レベルの境界毎に、記録パワー補正率を算出して、境界毎の第二の記録パワーを算出しておく。そして、次回記録領域を記録する際に、OPU1204が検出した反射光から信号処理回路1203を介し、記録中のアドレスをシステムコントローラ1202は監視し、前記反射光レベルの境界アドレスに到達したら、その境界以降に対応した第二の記録パワーが照射されるようLDD1205を制御し記録をすれば良い。
【0051】
次に、第二の実施形態に対応する光ディスクドライブ装置の動作を示す。第二の実施形態は、第一の実施形態の動作に、前回記録領域を再生し、第二の記録パワー補正率を算出する動作が加えられる。そのため、本例は、第一の実施形態の記録が一度は行われた状態で、次回記録領域の近傍に既に記録された領域があることが前提となる。以下、第一の実施形態に従って記録を行った後に、その近傍で次回記録領域を記録することを想定し、図6に沿って説明を行う。
【0052】
図6は、本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。以下、図6と図12に沿って説明を行う。
次回記録領域に記録する第二の記録パワーを決定するために、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、前回記録領域にOPU1204を位置させサーボをかける(図6のS601)。
【0053】
システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、前回記録領域を再生する。再生時にOPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介し、記録品質の指標値となる、ジッタ、βなどの値に置き換えられ、システムコントローラ1202に入力される(図6、602)。
記録品質の指標値を受けたシステムコントローラ1202は、たとえば取得した指標値がOPCにて目標としている値とずれているか否かを判断し、ずれていた場合は、ずれ量に応じ記録パワーの補正率を算出する。OPCで算出した第一の記録パワーを基準とした場合は、第一の記録パワーを基準とした補正率となる。これが、第二の記録パワー補正率となり、システムコントローラ1202は、これを保持しておく(図6のS603)。
【0054】
次に、次回記録領域を再生し(図6のS604)、第一の記録パワー補正率を算出するが(図6のS605)、これらは第一の実施形態の光ディスクドライブ動作で示した図2のS204、S205と同じ動作であるので説明を割愛する。これで、システムコントローラ1202には、第一の記録パワー補正率、第二の記録パワー補正率、第一の記録パワーの情報が保持されることとなり、システムコントローラ1202は、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率を第一の記録パワーに適用し計算し、次回記録領域を記録するための第二の記録パワーを算出する(図6のS606)。
第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(図6のS607)。その後、次回記録領域に第二の記録パワーで記録する。
【0055】
付け加えて、前述した第二の実施形態をさらに効果的に実施する例について、光ディスクドライブ動作を述べる。これは先に図9の902で示したシーケンスに対応したものである。前回記録領域と次回記録領域が連続的に続き、次回記録領域を記録した後の次の記録予定領域も次回記録領域から連続的に続いている領域である場合を想定する。先の図8を用い動作を説明する。
図8に示す領域Aが最初に記録する領域、領域Bが次に記録する領域、領域CがBの次に記録する領域、領域DがCの次に記録する領域であり、A,B,C,Dは物理的に連続な領域である。前提として、既にOPCは実施された後の状態であり、第一の記録パワーは算出されているとする。まず、領域Aを記録する。
【0056】
領域Aの記録は、第一の実施形態のドライブ動作と同様なので割愛する。システムコントローラ1202は、領域Aの記録終了時にLDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Bを再生する。再生時には、領域Bの未記録状態の反射光レベルを取得する。再生終了後、前述した手順で、領域B記録のための第一の記録パワー補正率を算出する。領域B再生後は、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、領域AにOPU1204を位置づけ、サーボをかける。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、領域Aを再生する。ここで、領域B記録のための第二の記録パワー補正率を取得する。
【0057】
システムコントローラ1202は、第二の記録パワー補正率を算出後、OPU1204が領域Bに到達する前に、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率と第一の記録パワーから、領域Bを記録するための第二の記録パワーを算出する。そして、領域Aの再生が終了して、領域Bに入る直前に、LDD1205を制御し、OPU1204が領域Bを記録するための第二の記録パワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Bを記録する。さらに、領域Bの記録終了時点で、システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Cを再生する。
【0058】
再生時には、領域Cの未記録状態の反射光レベルを取得する。再生終了後、前述した手順で、領域C記録のための第一の記録パワー補正率を算出する。領域C再生後は、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、領域BにOPU1204を位置づけ、サーボをかける。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、領域Bを再生し、領域Cを記録するための第二の記録パワー補正率を算出し、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率から領域Cの記録パワーを算出し記録する。記録後はそのまま領域Dを再生し、領域Dの第一の記録パワー補正率を算出する。以下、領域Dの記録は前述と同様の動作となる。
【0059】
ここで、第二の記録パワー補正率を算出するための再生は、前回記録領域の先頭から再生する必要はない。前回記録領域から記録品質の指標値が安定して得られるための十分な領域があれば良いため、途中から再生しても良い。又、第二の記録パワー補正率を算出してから、第一の記録パワー補正率と第一の記録パワーとで、第二の記録パワーを計算する時間が多少なりとも必要であるため、第二の記録パワー補正率は、前回記録領域の最後尾を再生する前には算出しておき、再生から記録に切り替わるまでの時間に第二の記録パワーを計算する時間に割り当てると良い。
【0060】
次に、第三の実施形態に対応する光ディスクドライブ装置の動作を示す。
図11は、本発明における第三の実施形態のシーケンス図である。以下、図11と図12に沿って説明を行う。
【0061】
第三の実施形態は、第一、第二の実施形態にて、第一の記録パワー補正率を算出するための再生時に取得する反射光レベルに応じて、処理を変えるものである。S1102〜S1104までは、第二の実施形態である図6のS602〜S604と同様の動作であるので割愛する。S1104で取得した未記録部の反射光レベルが、システムコントローラ1202が保持している反射光レベルの閾値を下回った場合(S1105のYes)、システムコントローラ1202は、次回記録領域を欠陥領域として扱い、光ディスク1201に予め用意してある交替領域に記録を行うようシーケンスを切りかえる。システムコントローラ1202は、次回記録領域のアドレスを欠陥領域としてシステムコントローラ1202の保持する、欠陥登録リストに登録し、次回記録領域のかわりに割り当てる交替領域を決定する。さらには、S1103で算出した第二の記録パワー補正率を無効にする(S1106)。
【0062】
そして、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、決定した交替領域にOPU1204を位置させ、サーボをかける。その後は、同様に交替先の領域の反射光レベルを取得する(S1104)。S1105での判定がNoとなれば欠陥領域でない次回記録領域が得られたので、第一の記録パワー補正率を算出し(S1107)、第一の記録パワーに適用することで、交替先記録用の第二の記録パワーを算出する(S1108)。第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(S1109)。その後、次回記録領域に第二の記録パワーで記録する。
【0063】
以上の説明は本発明を限定するものではなく、例えばブロック図やシーケンス図には多くの変形例を考えることができる。したがい、開示した実施形態と異なる実施形態であっても本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0064】
101:次回記録領域範囲、102,103,104:次回記録領域の分割した領域、105,106,107:記録層が3層ある光ディスクのそれぞれの記録層、116:光ディスク表面、117:光ピックアップヘッド(OPU)、118:レーザ光、1201:光ディスク、1202:システムコントローラ、1203:信号処理回路、1204:レンズ、1205:レーザダイオードドライバ(LDD)、1206:サーボコントローラ、1207:光ピックアップヘッド(OPU)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録・再生層が複数層ある光ディスクに対する記録のためのレーザパワーの最適化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
追記可能な光ディスクにデータを記録する際、データを記録する層に対する記録用の最適レーザパワーを調整するために、特許文献1に記載の、Optimum Power Control(以下、OPCと呼ぶ。)と呼ばれる試し記録が行われる。OPCは、光ディスクの最内周側又は最外周側にユーザデータを記録するための領域(以下、ユーザデータ領域と呼ぶ。)とは別に設けられたOPC用の領域(以下、OPCエリアと呼ぶ。)で行うのが一般的である。
【0003】
記録層が複数層存在する光ディスクの場合は、光ディスク表面から記録対象とする層までの記録層の状態が、データが記録された状態であるか未記録の状態であるかにより変化するため、光ディスク表面から記録対象層に到達するまでの光の透過率が変わる。これにより、光ディスク表面から入射したレーザ光が、記録対象層に到達するまでの光量が変化するため、記録対象層に向けて出射すべき最適記録パワーが変動する。これに対応し、特許文献2では、OPCエリアを小領域に区切り、領域毎に、各記録層の記録・未記録状態を変化させ、記録・未記録の異なる組み合わせの状態を複数作成しておき、各組み合わせに応じてOPCを行うことで、組み合わせに対応した記録パワーを算出しておく。そして、光ディスクを、上方から見て複数のエリアに分割し、エリア毎の各記録層における記録・未記録の状態がわかる情報をディスクに記録しておく。データ記録時には、対応するエリアの記録・未記録情報を取得し、エリアの状態に合致したOPC算出パワーを適用して記録する。
【0004】
又、記録中においては、記録パワーを常に最適に調整するため、WalkingOPCと言われる記録方法が有り、WalkingOPCでは、データ記録の際に記録パワーを補正しながら記録を行う。方法としては、データ記録の途中で一旦記録を停止し、途中まで記録した部分を再生する。再生時に、現記録パワーにおける記録品質を確認し、記録品質が良好になるよう記録パワーの補正値を算出する。そして、中断した記録を再開する際には、前記記録パワーの補正値を利用し、記録パワーを調整し記録をすることで記録パワーの最適化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−311346号公報
【特許文献2】特開2008−192258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
記録層が複数層ある光ディスクに対して、前記特許文献2を適用し、記録パワーを最適に調整しようとした場合に、次のような問題が生じる。
特許文献2の方式では、予め光ディスクを複数エリアに分割し、各エリアにおける各記録層の記録・未記録状態をディスクに記録しておく方式であり、この情報を利用することで、各記録層の記録・未記録状態をエリア毎に把握できるとのことである。
【0007】
しかし、分割したエリア内において記録・未記録状態が変化する領域がある場合には対応ができない。又、前記事象を避けるために、エリアをできるだけ細かく分割し対応しようとした場合は、情報量が多く複雑になり、情報管理が難しくなる。又、仮に管理ができたとしても、光ディスクのアドレスで管理をした場合には、光ディスク製造の際の各記録層における貼り合わせの具合によって、光ディスクのアドレスと、その半径位置との関係が、各記録層でズレることが想定される。これにより、アドレスと半径位置との関係が一意であるという前提が崩れてしまい、同一半径位置に対応するはずの各記録層のアドレスに記録をしたとしても、光ディスク製造ばらつきによって、その半径位置がズレてしまう。この場合アドレス上では各記録層で記録済みの領域であっても、実際は、記録済みの層と未記録の層とが混在する領域となり、管理が適切になされない。
【0008】
又、特許文献2の方式では、記録・未記録の判定を、記録がされているか否かの2つの状態で判定し、記録パワーの調整をしているため、記録状態に応じて透過率の変化具合が変わった場合に、透過率に応じた最適な記録パワーを選択することが困難である。
【0009】
さらに、記録層が複数層ある光ディスクを対象にWalkingOPCを適用した場合は、以下の事項が懸念される。たとえば、連続した領域を記録している場合に、記録停止前の各記録層の記録・未記録状態と、記録再開時以降の各記録層の記録・未記録状態が異なっていた場合、つまりは透過率が異なっていた場合にも、記録停止前の記録部の記録品質から算出した記録パワー補正値を、記録再開後の記録パワー調整に適用するため、記録再開後の領域に対し、不利な記録パワーに調整されることが懸念される。この場合、記録再開後の記録品質が、記録停止前の記録品質に比べ、逆に悪化する。
【0010】
前述のように従来技術では、各記録層の記録・未記録位置が正確に把握できず、さらには、各記録層の記録・未記録による影響度(透過率の変化具合)を詳細に把握できないため、次に記録を実施しようとする領域に対して、記録パワーを適正に補正することができない。又、WalkingOPC適用時には、記録パワーを誤って補正する場合があることが問題である。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、前記問題を解決する新たな記録方法を考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記問題を解決するため本発明は、記録層の数が複数である追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録するための光ディスク記録方法であって、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して、該レーザ光の反射光レベルを取得する反射光レベル取得ステップと、該反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出する第1の記録パワー補正係数算出ステップと、該第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出する記録パワーレベル算出ステップと、該記録パワーレベル算出ステップで算出された前記レーザ光のパワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録する情報記録ステップを有することを特徴としている。
【0013】
また本発明は、記録層の数が複数である追記型の光ディスクに対してレーザ光を照射して情報を再生し記録する光ディスク記録装置であって、
前記レーザ光を発生するレーザ光源を備えた光ピックアップヘッドと、該光ピックアップヘッドが前記光ディスクに照射するレーザ光のパワーを制御するレーザダイオードドライバと、前記光ピックアップヘッドから検出された信号に基づき、前記光ディスクから反射された前記レーザ光の反射光のレベルを検出し、また前記信号の記録品質を判定する信号処理回路と、前記レーザダイオードドライバと前記信号処理回路の動作を制御するシステムコントローラを備え、
前記追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録する場合には、前記システムコントローラは、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、前記信号処理回路から前記レーザ光の反射光レベルを取得し、該反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出し、該第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記録層が複数層ある追記型の光ディスクに対して、記録のためのレーザパワーを最適化でき、記録品質を安定化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における第一の実施形態の概要を説明する図である。
【図2】本発明における第一の実施形態のシーケンス図である。
【図3】記録層が多数層存在する光ディスクの断面図である。
【図4】反射光レベルと最適記録パワーの関係を示す特性図である。
【図5】反射光レベル差分値と記録パワー補正率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。
【図7】本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図である。
【図8】本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図である。
【図9】本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。
【図10】記録パワーと記録品質(β)の関係を示す特性図である。
【図11】本発明における第三の実施形態のシーケンス図である。
【図12】本発明の一実施例における光ディスクドライブ装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、記録層が複数層ある、追記型の光ディスクに対して、これから記録する未記録の領域(以降、次回記録領域と言う。)をまず再生し、未記録状態における反射光レベルを取得し、前記反射光レベルに応じて、記録パワーを補正し、次回記録領域を記録する光ディスク記録装置に関する。また本発明は、記録直前の次回記録領域の状態を実際に再生することで把握し、その上で記録パワーを補正するために、次回記録領域に対応した領域における他の記録層の記録・未記録による影響度(透過率の変化具合)に応じた記録パワー補正を可能とすることに特徴の一つがある。
【0017】
図1を用いて、本発明の第一の実施形態について説明する。
図1は、本発明における第一の実施形態の概要を説明する図である。図1上段は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を模式的に示したものである。一例として、記録層が3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光118は、光ピックアップヘッド(OPU)117からディスク表面116に入射され、記録層へ照射される。記録層はディスク表面116に近い側から、107、106、105とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。又、本例の光ディスクは、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクとする。
【0018】
本例では、ディスク表面116から最も遠い層である105に、記録をすることを想定し、次回記録領域として、101の範囲を記録する場合を想定する。つまりは、102、103、104の連続な領域を次回記録領域とする。
まずは、次回記録領域である記録層105の101の範囲を再生する。ここで言う再生は、データ再生用のレーザパワーのレーザ光を照射することを言う。101の再生時に、反射光がOPU117に戻ってくるので、この反射光レベルをOPU117が取得する。
【0019】
108に、記録層105を再生した時に取得した反射光レベルと対象領域との位置関係を示す。領域102、103、104では、記録層106、107の記録・未記録状態が異なるため、OPU117から照射されたレーザ光がディスク表面116から記録層105に到達するまでの透過率が異なり、取得した反射光レベルに違いが生じる。領域102では109、103では110、104では111と後者ほど高い反射光レベルがそれぞれ得られる。
【0020】
図5は、反射光レベル差分値と記録パワー補正率の関係を示す特性図である。予め用意しておいた、図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係に、前記取得した反射光レベルを照らし合わせ、反射光レベルに応じた記録パワー補正率を算出する。反射光レベルの差分値を取るための比較対象の反射光レベルは、基準反射光レベルとして予め取得しておく。反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係の構築方法は後述する。図5の関係を用いると、領域102、103、104では、得られた反射光レベルが異なるので、記録パワー補正率の値は、それぞれ異なる数値となる。
【0021】
前記取得した記録パワー補正率を適用し、記録パワーを補正し、102、103、104に応じた記録パワーを算出し、記録を行う。図1で示すように、領域102では記録パワー113、103では114、104では115と前者ほど高い記録パワーで記録を行う。記録パワー補正率を適用する補正対象の記録パワーは、予め基準の記録パワーとして算出しておく。
【0022】
前述のように、基準の記録パワーに対し、各領域の状態に対応して記録パワーの補正を行い、最適な記録パワーに調整して記録を行う。
続いて、図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係の構築方法について、図3、図4を用いて一例を説明する。
【0023】
図3は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面の模式図である。一例として、記録層が3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、図示しないOPUからディスク表面306に入射し、記録層へ照射される。ディスク表面306に近い層から、303、304、305とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。又、本例の光ディスクは、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクとする。
【0024】
記録層305の領域301、302では、記録層303、304の記録・未記録状態が異なるため、OPUから照射されたレーザ光がディスク表面306から記録層305に到達するまでの透過率が異なり、当該領域を再生した時に取得できる反射光レベルが異なる。この反射光レベルが異なる二つの領域301と302で、最適記録パワー調整(OPC)を行うと、前述したように透過率に違いがあることから、当該領域に照射すべき記録パワーである最適記録パワーの算出値に違いが生じる。
【0025】
図4は、反射光レベルと最適記録パワーの関係を示す特性図であり、領域301、302における、未記録時の領域を再生した時の反射光レベルと、OPC時に算出した最適記録パワーの関係を表したものである。401は、領域301の結果、402は領域302の結果を示している。最も簡単なモデルとしては、401、402を直線近似することで、反射光レベルと最適記録パワーの関係が求まる。さらに、401と402の反射光レベルの差分値403に対する、最適記録パワーの増減分404という見方に関係を置き換えると、図5の反射光レベルの差分値と記録パワー補正率との関係に置き換えることができる。
【0026】
図5の関係の活用例を以下に示す。記録対象層となる記録層において図5の関係を予め構築しておく。記録対象層においてOPCを実施する際に、OPCを実行する領域をあらかじめ再生しておき、基準反射光レベルを取得しておく。これを第一の反射光レベルとする。その後、OPCを実行し基準の記録パワーを算出する。ここで、OPCで算出した基準の記録パワーを、第一の記録パワーとする。次回記録領域を記録する際には、第一の反射光レベルと第一の記録パワーを基準として、記録パワーの補正を実行する。前述したように、次回記録領域に記録する際には、まず次回記録領域を再生し、反射光レベルを取得する。これを第二の反射光レベルとする。前述の第一の反射光レベルと第二の反射光レベルを比較し、反射光レベルの差分値501を算出する。図5の関係を利用することで、反射光レベルの差分値501から、第一の記録パワーに対する記録パワー補正率502を算出することができる。次回記録領域を記録する際には、第一の記録パワーに、記録パワー補正率502を適用し補正した記録パワー(第二の記録パワー)で記録を行う。
【0027】
本例は一例であるため、反射光レベルと記録パワーとを結びつけた関係を予め取得することができればいかなる方法でも良いし、反射光レベルと記録パワーとを結びつけた関係であれば本例と同じである必要はない。又、図5の関係は、予め各記録媒体の記録層毎に情報を収集しておき、光ディスクドライブ内の制御プログラムに登録して保持していても良いし、光ディスクを装填した後に、その都度取り直しても良い。
【0028】
以上が、本発明における第一の実施形態である。本実施例では、次回記録領域を記録する前に次回記録領域を再生したうえで、次回記録領域を記録することが特徴的である。実際に次回記録領域を再生するために、従来課題であった、各記録層の記録・未記録状態を正確に把握することが可能となる。又、反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を元に、反射光レベルに応じて、記録パワー補正率を変化させることができるため、課題となっていた透過率の微妙な変化に応じても、柔軟に記録パワーの補正をすることが可能となる。
第一の実施形態のシーケンス図については図2に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0029】
次に、本発明における第二の実施形態について図7を用いて説明する。第二の実施形態は、前回記録した領域の記録品質を元に、次回記録領域の記録パワーを補正する仕組みであるWalkingOPCと第一の実施形態を組み合わせた例である。
【0030】
図7は、本発明における第二の実施形態を説明する光ディスクの断面図であり、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を示したものである。一例として、記録層が、3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、図示しないOPUからディスク表面709に入射し、記録層へ照射される。ディスク表面709に近い層から、706,707,708とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。本例では、ディスク表面709から最も遠い層である708に、記録をすることを想定し、次回記録領域として、701の範囲を記録する場合を想定する。702は、次回記録領域を記録する前に記録された領域で、領域702を、前回記録領域と呼ぶ。
【0031】
本例では、次回記録領域を記録するための記録パワーを、前述した未記録状態の次回記録領域を再生することによって取得した反射光レベルによって決まる記録パワー補正率と、前回記録領域の記録品質に応じて決定される記録パワー補正率とによって、決定する。反射光レベルによって決まる記録パワー補正率を第一の記録パワー補正率、前回記録領域の記録品質に応じて決定される記録パワー補正率を第二の記録パワー補正率と呼ぶ。
【0032】
次回記録領域を記録する際には、まず前回記録領域702を再生する。ここで前回記録領域702の記録品質を取得する。記録品質は例えば再生信号におけるエラーレートに基づいて定量化される。ここでは一例として、β値を取得する。図10に示すように、記録パワーと記録品質(β)の関係を予め取得しておけば、702再生時に取得したβが、目標とするβに対する乖離具合により、前回記録した記録パワーが最適記録パワーからずれているかどうかがわかる。ずれを解消するため、図10の関係より、第二の記録パワー補正率を算出する。
【0033】
その後次回記録領域701を再生し、前述した方法で、領域703、704、705に応じた第一の記録パワー補正率を算出する。
次回記録領域を記録するための記録パワーは、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率の両方を加味して決定する。
一例としては、記録対象層でOPCを実行し、求まった記録パワーを第一の記録パワーとした場合に、第一の記録パワーに、第一の記録パワー補正率と、第二の記録パワー補正率を乗算し、算出された記録パワーを第二の記録パワーとして、次回記録領域の記録パワーとして適用し記録する。
第二の実施形態のシーケンスについては、図6に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0034】
次に、第二の実施形態をさらに効果的に実施する例について、図8、図9を使って説明する。
図8は、本発明における第二の実施形態を説明する図7とは別の光ディスクの断面図である。図8は、記録層が多数層存在する光ディスクの断面を示したもので、一例として、記録層が、3つ存在するディスクを示しており、光ディスクを再生・記録するためのレーザ光は、ディスク表面808側から入射され、記録層へ照射される。ディスク表面808に近い層から、805、806、807とそれぞれ配置されている。各記録層上に、斜線ハッチングを施した箇所は、既に記録済みである領域を示し、ドットのハッチングがされている領域は、未記録であることを示している。本例では、ディスク表面808から最も遠い層である807に、記録をすることを想定する。次回記録領域は、最初は801の領域Aであって、その後に802の領域B、803の領域C、804の領域Dの順番で記録することとし、前述のように次回記録領域を記録する記録パワーを決定するためには、第一の記録補正率と第二の記録補正率の両方を利用することとする。但し、最初の記録(領域Aの記録)は、前回記録領域がないため、第二の記録補正率による補正は行わないこととする。又、領域A〜Dは、物理的に連続な領域であることとする。
【0035】
図9は、本発明における第二の実施形態のシーケンス図であり、図8に示す例に対応したものである。
前記条件で、記録することを考えると、図9の901に示すシーケンスを実行することとなる。領域Aを記録する際には、まず未記録状態の領域Aを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。前回記録領域が存在しないため、第一の記録パワー補正率のみを適用し、記録パワーを算出し、領域Aを記録する。次に、領域Bを記録するために、前回記録領域である、領域Aを再生し、第二の記録パワー補正率を算出する。そして、未記録状態の領域Bを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。そして、第一の記録パワー補正率と、第二の記録パワー補正率の両方を適用し、記録パワーを算出し、領域Bを記録する。
【0036】
次に、領域Cを記録する際には、領域Bを記録するための手順を、領域Aの箇所を領域Bに、領域Bの箇所を領域Cに変えて実行する。領域Dも同様となる。シーケンス901では、処理の左にSと記載されている処理の前で、OPUを目標領域の近傍に位置づけるシーク処理が発生する。シーケンス901では、領域Dを記録するまでにシーク処理を8回必要とする。
【0037】
本実施例では、シーケンス901をさらに改善したシーケンス902を適用しても良い。シーケンス902は、記録予定領域が物理的に連続的な領域であり、次回記録領域が順々に推移していくことを利用し、シーク処理回数を低減し、処理に要する時間を低減し効率を向上させたものである。
【0038】
ポイントは、領域が連続的であることを利用し、前回記録領域の再生と、次回記録領域の記録と、次回記録領域の次に記録が予定されている未記録領域の再生との3つの処理を、途切れなく連続的に行うことにある。たとえば、シーケンス902では、まず未記録状態の領域Aを再生し、第一の記録パワー補正率を算出する。前回記録領域が存在しないため、第一の記録パワー補正率のみを適用し、記録パワーを算出し、領域Aを記録する。ここまでは、シーケンス901と一緒であるが、その後に連続した領域である領域Bの再生も連続的に行う。ここで、領域Bを記録するための条件である第一の記録パワー補正率を算出しておく。
【0039】
次に、シーク処理で領域Aに位置づけ、領域Aを再生する。この際に第二の記憶パワー補正率を算出する。これで領域Bを記録するための第二の記録パワーが決定でき、そのまま連続した領域である領域Bを記録する。さらに、そのまま、連続的な領域であるCを再生し、Cを記録するための第一の記録パワー補正率を算出する。このように、領域Aの再生、領域Bの記録、領域Cの再生を連続的に行うことで、シーク処理を低減することができる。本処理を繰り返し行うことで、シーケンス901では、シーク回数が8回必要なのに対し、シーケンス902では、5回に短縮することができる。
シーケンス902は繰り返し行った場合に、大きな効果が期待できる。短い領域でのReadAfterWrite(RAW)を繰り返し行う記録方法をする際に、本実施形態を利用すると良い。
【0040】
次に、本発明における第三の実施形態について説明する。例えば第一の実施形態では、次回記録領域を再生することで、次回記録領域の記録パワーを補正するための記録パワー補正率を算出し、次回記録パワーを補正することを述べてきたが、次回記録領域を再生した際に、記録前の未記録領域に傷や汚れなどがあった場合に、事前にその存在を確認することができる。次回記録領域を再生時に、傷や汚れを確認した場合は、傷や汚れが存在した領域に、記録をしても良好に記録ができない場合が多いので、次回記録領域の代替領域を予め光ディスクに確保しておいた交替エリアに割り付け、傷や汚れがある領域を回避し、次回記録を行う領域を変える交替処理を行う。この際、前記再生した傷や汚れがあった領域は、欠陥領域として扱い、以降前記領域を避けて記録をする。
【0041】
傷や汚れが存在すると、傷や汚れが存在する領域で反射光レベルに変化が生じる。前記変化量は、透過率の変化による反射光の変化量と比較して十分大きい変化として見えるため、反射光レベルの変化量に閾値をもうけておけば、反射光レベル取得時に、反射光レベルの変化量に応じて、透過率による変化か傷や汚れによる変化の区別がつく。前記区別することで、透過率による変化の場合は、次回記録領域を記録するための記録パワー補正率の算出処理を実行し、傷や汚れの場合は、交替処理を実行するよう処理を分けることができる。
第三の実施形態のシーケンスを図11に示すが、詳しい説明は後に改めて行う。
【0042】
前述までの例では、記録層が3つの光ディスクを示したが、記録層数が2つ以上の記録層のものであれば良く、3つに限るものではない。又、記録対象層が、レーザ光が入射するディスク表面から最も遠い層の場合を示したが、記録対象層が前記ディスク表面から最も近い層である場合除けば、どの記録層でも構わない。又、本例では、データを記録することで、反射率が低下するタイプのディスクを例にあげたが、データを記録することで反射率が上昇するLTH(Low To High)ディスクの場合でも、同様に適用可能である。
【0043】
次に、図12を使用し、前述までの本発明内容を、光ディスクドライブ装置の動作で示す。
図12は、本発明の一実施例における光ディスクドライブ装置のブロック図である。本発明に用いる光ディスクドライブは、一般的な光ディスクドライブに特別な構成要素を必要としたものではない。1201は光ディスク、1207は光ディスクを回転させるスピンドルモータ、1204は光ディスクを再生・記録するためのレーザ光を発生させるレーザ光源、レーザ光の焦点を合わせるレンズ、反射光を電気信号に変換するOEICを搭載する光ピックアップヘッド(OPU)、1205は、OPUが光ディスクに照射するレーザ光の強度及び発光タイミングを制御するレーザダイオードドライバ(LDD)、1203は、OPUで検出された信号から、ジッタ、反射光レベルなどの検出、再生信号への変換などを行う信号処理回路、1206は、スピンドルモータの制御やOPUのフォーカス、トラッキング及び位置制御を行うサーボコントローラ、1202は、信号処理回路、LDD、サーボコントローラを制御するCPUを含み、光ディスクドライブ全般を制御するシステムコントローラを示す。
【0044】
まずは、第一の実施形態を例に示す。
図2は、本発明における第一の実施形態のシーケンス図であり、図中でSを付した各ステップを有している。以下、図2と図12に沿って説明を行う。
【0045】
まずは、システムコントローラ1202は、光ディスク1201が装填されたら、サーボコントローラ1206に指示して、スピンドルモータ1207を回転させる。そして、次回記録領域に記録を行う前に、基準となる記録パワーを算出するため、OPCを開始する。光ディスク1201の次回記録位置が存在する記録層のOPCを実行するための領域(PCA)に、システムコントローラ1202がサーボコントローラ1206を制御して、OPU1204を位置させ、フォーカスサーボとトラッキングサーボをかける。(図2のS201)(以下、フォーカスサーボとトラッキングサーボをかけることを、単にサーボをかけるという。)
本領域でOPCを実施するが、本実施例では、OPCを実施する前に、OPCを実施する領域を予め再生し、未記録状態での反射光レベルを取得する。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御して、OPU1204が、再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するよう制御し、当該領域を再生させる。再生時に、OPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介して、反射光の強度を示す反射光レベルとして、システムコントローラ1202に保持される。本反射光レベルを第一の反射光レベルとする(図2のS202)。
【0046】
OPCは、一般的には、システムコントローラ1202がLDD1205に、記録レベルのレーザパワーを段階的に変動させて、光ディスク1201にレーザ光を照射するよう制御し、レーザパワーを段階的に変動させた記録跡を、光ディスク1201のPCA領域に残す。次に、該領域を再生し記録跡の記録品質を取得するため、システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、再び、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を該領域に位置させて前記領域を再生させる。再生時にOPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介し、記録品質の指標値となる、ジッタ、βなどの値に置き換えられ、システムコントローラ1202に入力される。システムコントローラは、OPC記録時のレーザパワーと、それに対応する記録位置で取得した指標値との関係から、次回記録領域で記録する記録パワーの基準値となる第一の記録パワーを算出し、これを保持する(図2のS203)。
【0047】
次に、次回記録領域に記録を行うため、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を次回記録領域に位置させ、サーボをかける。そして次回記録領域の再生を行い、次回記録領域の未記録状態の反射光レベルを取得する。これを第二の反射光レベルとする(図2のS204)。
未記録状態の反射光レベルの取得方法は、前述したOPC実行場所の未記録状態での反射光レベルを取得する動作と同様のため割愛する。
【0048】
第一の反射光レベルと第二の反射光レベル、そして第一の記録パワーが揃うと、システムコントローラ1202は、次回記録領域の記録パワーである第二の記録パワーを決定することができる。まずは、記録パワー補正率の算出を行う。システムコントローラ1202は、予め所持している図5に示す反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係を利用して、記録パワー補正率を算出する。具体的には、第一、第二の反射光レベルの差分値を計算し、反射光レベルの差分値と記録パワー補正率の関係に当てはめれば導出できる(図2のS205)。
その後、システムコントローラ1202は、第一の記録パワーに対して導出した記録パワー補正率を適用し、計算することで、第二の記録パワーを算出する(図2のS206)。
第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(図2のS207)。
【0049】
第二の記録パワーが算出できたら、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、OPU1204を次回記録領域に位置させ、サーボをかけ、第二の記録パワーでOPU1204がレーザ光を照射する様、LDD1205を制御し、図示しないホストから送信された記録すべきデータを、LDD1205が発光すべきタイミングデータに変換し、LDD1205に転送することで、記録を行う。
【0050】
本例において、次回記録領域の未記録状態の反射光レベルを取得した際に、次回記録領域内で反射光レベルの段差があった場合でも対応は可能である。たとえば、再生時に反射光レベルの段差が出た光ディスク1201のアドレス情報を逐一システムコントローラ1202が監視し、アドレス情報と反射光レベルの関係を保持しておけば良い。この場合は、反射光レベルの境界毎に、記録パワー補正率を算出して、境界毎の第二の記録パワーを算出しておく。そして、次回記録領域を記録する際に、OPU1204が検出した反射光から信号処理回路1203を介し、記録中のアドレスをシステムコントローラ1202は監視し、前記反射光レベルの境界アドレスに到達したら、その境界以降に対応した第二の記録パワーが照射されるようLDD1205を制御し記録をすれば良い。
【0051】
次に、第二の実施形態に対応する光ディスクドライブ装置の動作を示す。第二の実施形態は、第一の実施形態の動作に、前回記録領域を再生し、第二の記録パワー補正率を算出する動作が加えられる。そのため、本例は、第一の実施形態の記録が一度は行われた状態で、次回記録領域の近傍に既に記録された領域があることが前提となる。以下、第一の実施形態に従って記録を行った後に、その近傍で次回記録領域を記録することを想定し、図6に沿って説明を行う。
【0052】
図6は、本発明における第二の実施形態のシーケンス図である。以下、図6と図12に沿って説明を行う。
次回記録領域に記録する第二の記録パワーを決定するために、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、前回記録領域にOPU1204を位置させサーボをかける(図6のS601)。
【0053】
システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、前回記録領域を再生する。再生時にOPU1204が検出した反射光は、信号処理回路1203を介し、記録品質の指標値となる、ジッタ、βなどの値に置き換えられ、システムコントローラ1202に入力される(図6、602)。
記録品質の指標値を受けたシステムコントローラ1202は、たとえば取得した指標値がOPCにて目標としている値とずれているか否かを判断し、ずれていた場合は、ずれ量に応じ記録パワーの補正率を算出する。OPCで算出した第一の記録パワーを基準とした場合は、第一の記録パワーを基準とした補正率となる。これが、第二の記録パワー補正率となり、システムコントローラ1202は、これを保持しておく(図6のS603)。
【0054】
次に、次回記録領域を再生し(図6のS604)、第一の記録パワー補正率を算出するが(図6のS605)、これらは第一の実施形態の光ディスクドライブ動作で示した図2のS204、S205と同じ動作であるので説明を割愛する。これで、システムコントローラ1202には、第一の記録パワー補正率、第二の記録パワー補正率、第一の記録パワーの情報が保持されることとなり、システムコントローラ1202は、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率を第一の記録パワーに適用し計算し、次回記録領域を記録するための第二の記録パワーを算出する(図6のS606)。
第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(図6のS607)。その後、次回記録領域に第二の記録パワーで記録する。
【0055】
付け加えて、前述した第二の実施形態をさらに効果的に実施する例について、光ディスクドライブ動作を述べる。これは先に図9の902で示したシーケンスに対応したものである。前回記録領域と次回記録領域が連続的に続き、次回記録領域を記録した後の次の記録予定領域も次回記録領域から連続的に続いている領域である場合を想定する。先の図8を用い動作を説明する。
図8に示す領域Aが最初に記録する領域、領域Bが次に記録する領域、領域CがBの次に記録する領域、領域DがCの次に記録する領域であり、A,B,C,Dは物理的に連続な領域である。前提として、既にOPCは実施された後の状態であり、第一の記録パワーは算出されているとする。まず、領域Aを記録する。
【0056】
領域Aの記録は、第一の実施形態のドライブ動作と同様なので割愛する。システムコントローラ1202は、領域Aの記録終了時にLDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Bを再生する。再生時には、領域Bの未記録状態の反射光レベルを取得する。再生終了後、前述した手順で、領域B記録のための第一の記録パワー補正率を算出する。領域B再生後は、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、領域AにOPU1204を位置づけ、サーボをかける。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、領域Aを再生する。ここで、領域B記録のための第二の記録パワー補正率を取得する。
【0057】
システムコントローラ1202は、第二の記録パワー補正率を算出後、OPU1204が領域Bに到達する前に、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率と第一の記録パワーから、領域Bを記録するための第二の記録パワーを算出する。そして、領域Aの再生が終了して、領域Bに入る直前に、LDD1205を制御し、OPU1204が領域Bを記録するための第二の記録パワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Bを記録する。さらに、領域Bの記録終了時点で、システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、そのまま領域Cを再生する。
【0058】
再生時には、領域Cの未記録状態の反射光レベルを取得する。再生終了後、前述した手順で、領域C記録のための第一の記録パワー補正率を算出する。領域C再生後は、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、領域BにOPU1204を位置づけ、サーボをかける。システムコントローラ1202は、LDD1205を制御し、OPU1204が再生レベルのレーザパワーでレーザ光を照射するようにし、領域Bを再生し、領域Cを記録するための第二の記録パワー補正率を算出し、第一の記録パワー補正率と第二の記録パワー補正率から領域Cの記録パワーを算出し記録する。記録後はそのまま領域Dを再生し、領域Dの第一の記録パワー補正率を算出する。以下、領域Dの記録は前述と同様の動作となる。
【0059】
ここで、第二の記録パワー補正率を算出するための再生は、前回記録領域の先頭から再生する必要はない。前回記録領域から記録品質の指標値が安定して得られるための十分な領域があれば良いため、途中から再生しても良い。又、第二の記録パワー補正率を算出してから、第一の記録パワー補正率と第一の記録パワーとで、第二の記録パワーを計算する時間が多少なりとも必要であるため、第二の記録パワー補正率は、前回記録領域の最後尾を再生する前には算出しておき、再生から記録に切り替わるまでの時間に第二の記録パワーを計算する時間に割り当てると良い。
【0060】
次に、第三の実施形態に対応する光ディスクドライブ装置の動作を示す。
図11は、本発明における第三の実施形態のシーケンス図である。以下、図11と図12に沿って説明を行う。
【0061】
第三の実施形態は、第一、第二の実施形態にて、第一の記録パワー補正率を算出するための再生時に取得する反射光レベルに応じて、処理を変えるものである。S1102〜S1104までは、第二の実施形態である図6のS602〜S604と同様の動作であるので割愛する。S1104で取得した未記録部の反射光レベルが、システムコントローラ1202が保持している反射光レベルの閾値を下回った場合(S1105のYes)、システムコントローラ1202は、次回記録領域を欠陥領域として扱い、光ディスク1201に予め用意してある交替領域に記録を行うようシーケンスを切りかえる。システムコントローラ1202は、次回記録領域のアドレスを欠陥領域としてシステムコントローラ1202の保持する、欠陥登録リストに登録し、次回記録領域のかわりに割り当てる交替領域を決定する。さらには、S1103で算出した第二の記録パワー補正率を無効にする(S1106)。
【0062】
そして、システムコントローラ1202は、サーボコントローラ1206を制御し、決定した交替領域にOPU1204を位置させ、サーボをかける。その後は、同様に交替先の領域の反射光レベルを取得する(S1104)。S1105での判定がNoとなれば欠陥領域でない次回記録領域が得られたので、第一の記録パワー補正率を算出し(S1107)、第一の記録パワーに適用することで、交替先記録用の第二の記録パワーを算出する(S1108)。第二の記録パワーを算出できたことで、次回記録領域の記録パワーの決定処理が終了する(S1109)。その後、次回記録領域に第二の記録パワーで記録する。
【0063】
以上の説明は本発明を限定するものではなく、例えばブロック図やシーケンス図には多くの変形例を考えることができる。したがい、開示した実施形態と異なる実施形態であっても本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0064】
101:次回記録領域範囲、102,103,104:次回記録領域の分割した領域、105,106,107:記録層が3層ある光ディスクのそれぞれの記録層、116:光ディスク表面、117:光ピックアップヘッド(OPU)、118:レーザ光、1201:光ディスク、1202:システムコントローラ、1203:信号処理回路、1204:レンズ、1205:レーザダイオードドライバ(LDD)、1206:サーボコントローラ、1207:光ピックアップヘッド(OPU)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録層の数が複数である追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録するための光ディスク記録方法であって、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して、該レーザ光の反射光レベルを取得する反射光レベル取得ステップと、
該反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出する第1の記録パワー補正係数算出ステップと、
該第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出する記録パワーレベル算出ステップと、
該記録パワーレベル算出ステップで算出された前記レーザ光のパワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録する情報記録ステップ
を有することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、直後に情報を記録する第1の記録領域に情報を記録する際に、
前記第1の記録領域に隣接する既に情報を記録された他の記録領域を再生し、再生された情報信号の記録品質から前記第1の記録領域に情報を記録する際の記録パワーを補正するための第2の記録パワー補正係数を算出する第2の記録パワー補正係数算出ステップ
を有し、前記記録パワーレベル算出ステップは、
前記第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の補正係数と、前記第2の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第2の補正係数の双方を、情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、直後に情報を記録する第1の記録領域と該第1の記録領域に情報を記録した直後に情報を記録する第2の記録領域が隣接する場合には、前記第1の記録領域に前記情報を記録した後、前記第2の記録領域に対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項4】
請求項2に記載の光ディスク記録方法であって、
既に情報を記録した記録領域Aと、直後に情報を記録する記録領域Bと、該記録領域Bに情報を記録した後に情報を記録する記録領域Cが前記順序で隣接している場合には、
前記記録領域Aに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するステップと、
前記記録領域Bに対して情報を記録するステップと、
前記記録領域Cに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するステップ
の三つのステップが前記順序で逐次行われることを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項5】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、前記反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルが所定の閾値に満たない場合には、前記情報記録ステップは、前記光ディスクにおける前記記録領域とは別な交替記録領域に情報を記録することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項6】
記録層の数が複数である追記型の光ディスクに対してレーザ光を照射して情報を再生し記録する光ディスク記録装置であって、
前記レーザ光を発生するレーザ光源を備えた光ピックアップヘッドと、
該光ピックアップヘッドが前記光ディスクに照射するレーザ光のパワーを制御するレーザダイオードドライバと、
前記光ピックアップヘッドから検出された信号に基づき、前記光ディスクから反射された前記レーザ光の反射光のレベルを検出し、また前記信号の記録品質を判定する信号処理回路と、
前記レーザダイオードドライバと前記信号処理回路の動作を制御するシステムコントローラを備え、
前記追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録する場合には、
前記システムコントローラは、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、前記信号処理回路から前記レーザ光の反射光レベルを取得し、
該反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出し、
該第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、
該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、直後に情報を記録する第1の記録領域に情報を記録する際に、
前記システムコントローラは、
前記第1の記録領域に隣接する既に情報を記録された他の記録領域を再生するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、
前記信号処理回路が判定した再生された情報信号の記録品質から、前記第1の記録領域に情報を記録する際の記録パワーを補正するための第2の記録パワー補正係数を算出し、
前記第1の補正係数と前記第2の補正係数の双方を、情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、
該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項8】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、直後に情報を記録する第1の記録領域と該第1の記録領域に情報を記録した直後に情報を記録する第2の記録領域が隣接する場合には、
前記システムコントローラは、
前記第1の記録領域に前記情報を記録した後、前記第2の記録領域に対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項9】
請求項7に記載の光ディスク記録装置であって、既に情報を記録した記録領域Aと、直後に情報を記録する記録領域Bと、該記録領域Bに情報を記録した後に情報を記録する記録領域Cが前記順序で隣接している場合には、
前記システムコントローラは、
前記記録領域Aに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記記録領域Bに対して情報を記録し、前記記録領域Cに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記記録領域Aから記録領域Cに対する動作を前記順序で逐次行うことを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項10】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、前記信号処理回路で検出した反射光レベルが所定の閾値に満たない場合には、前記システムコントローラは、前記光ディスクにおける前記記録領域とは別な交替記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項1】
記録層の数が複数である追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録するための光ディスク記録方法であって、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して、該レーザ光の反射光レベルを取得する反射光レベル取得ステップと、
該反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出する第1の記録パワー補正係数算出ステップと、
該第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出する記録パワーレベル算出ステップと、
該記録パワーレベル算出ステップで算出された前記レーザ光のパワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録する情報記録ステップ
を有することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、直後に情報を記録する第1の記録領域に情報を記録する際に、
前記第1の記録領域に隣接する既に情報を記録された他の記録領域を再生し、再生された情報信号の記録品質から前記第1の記録領域に情報を記録する際の記録パワーを補正するための第2の記録パワー補正係数を算出する第2の記録パワー補正係数算出ステップ
を有し、前記記録パワーレベル算出ステップは、
前記第1の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第1の補正係数と、前記第2の記録パワー補正係数算出ステップで算出された第2の補正係数の双方を、情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、直後に情報を記録する第1の記録領域と該第1の記録領域に情報を記録した直後に情報を記録する第2の記録領域が隣接する場合には、前記第1の記録領域に前記情報を記録した後、前記第2の記録領域に対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射して前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項4】
請求項2に記載の光ディスク記録方法であって、
既に情報を記録した記録領域Aと、直後に情報を記録する記録領域Bと、該記録領域Bに情報を記録した後に情報を記録する記録領域Cが前記順序で隣接している場合には、
前記記録領域Aに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するステップと、
前記記録領域Bに対して情報を記録するステップと、
前記記録領域Cに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するステップ
の三つのステップが前記順序で逐次行われることを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項5】
請求項1に記載の光ディスク記録方法であって、前記反射光レベル取得ステップで取得した反射光レベルが所定の閾値に満たない場合には、前記情報記録ステップは、前記光ディスクにおける前記記録領域とは別な交替記録領域に情報を記録することを特徴とする光ディスク記録方法。
【請求項6】
記録層の数が複数である追記型の光ディスクに対してレーザ光を照射して情報を再生し記録する光ディスク記録装置であって、
前記レーザ光を発生するレーザ光源を備えた光ピックアップヘッドと、
該光ピックアップヘッドが前記光ディスクに照射するレーザ光のパワーを制御するレーザダイオードドライバと、
前記光ピックアップヘッドから検出された信号に基づき、前記光ディスクから反射された前記レーザ光の反射光のレベルを検出し、また前記信号の記録品質を判定する信号処理回路と、
前記レーザダイオードドライバと前記信号処理回路の動作を制御するシステムコントローラを備え、
前記追記型の光ディスクにおける、情報を再生し記録するためのレーザ光が入射する光ディスク表面に対して、最も近接した記録層以外の記録層に対して情報を記録する場合には、
前記システムコントローラは、
直後に情報を記録する記録層の記録領域に対して、情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、前記信号処理回路から前記レーザ光の反射光レベルを取得し、
該反射光レベルに基づき、情報を記録する記録層の前記記録領域に対する情報の記録時における、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出し、
該第1の記録パワー補正係数を情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、
該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、直後に情報を記録する第1の記録領域に情報を記録する際に、
前記システムコントローラは、
前記第1の記録領域に隣接する既に情報を記録された他の記録領域を再生するよう前記レーザダイオードドライバを制御して、
前記信号処理回路が判定した再生された情報信号の記録品質から、前記第1の記録領域に情報を記録する際の記録パワーを補正するための第2の記録パワー補正係数を算出し、
前記第1の補正係数と前記第2の補正係数の双方を、情報の記録時における前記レーザ光の所定のパワーレベル値と演算して、前記記録層の記録領域に対する情報の記録時における前記レーザ光のパワーレベル値を算出し、
該パワーレベル値に基づき、前記光ディスクの記録層の記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項8】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、直後に情報を記録する第1の記録領域と該第1の記録領域に情報を記録した直後に情報を記録する第2の記録領域が隣接する場合には、
前記システムコントローラは、
前記第1の記録領域に前記情報を記録した後、前記第2の記録領域に対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記レーザ光のパワーレベルを補正するための第1の記録パワー補正係数を算出することを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項9】
請求項7に記載の光ディスク記録装置であって、既に情報を記録した記録領域Aと、直後に情報を記録する記録領域Bと、該記録領域Bに情報を記録した後に情報を記録する記録領域Cが前記順序で隣接している場合には、
前記システムコントローラは、
前記記録領域Aに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記記録領域Bに対して情報を記録し、前記記録領域Cに対して情報の再生時におけるパワーレベルのレーザ光を照射するよう前記レーザダイオードドライバを制御し、前記記録領域Aから記録領域Cに対する動作を前記順序で逐次行うことを特徴とする光ディスク記録装置。
【請求項10】
請求項6に記載の光ディスク記録装置であって、前記信号処理回路で検出した反射光レベルが所定の閾値に満たない場合には、前記システムコントローラは、前記光ディスクにおける前記記録領域とは別な交替記録領域に情報を記録するよう前記レーザダイオードドライバを制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−258264(P2011−258264A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130918(P2010−130918)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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