説明

光デバイス及び光デバイスの製造方法

【課題】光素子の位置ずれ及び光素子の光導波路の特性変化を抑えることを可能とした光デバイス及び光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の光素子(3)と、第1の光素子と光学的に結合する第2の光素子(20)と、第1の光素子及び第2の光素子が搭載された第1のシリコン基板(10)とを有し、第2の光素子は第2のシリコン基板(21)及び第2のシリコン基板と貼り合わされた導波路基板(30)を含み、第2の光素子は導波路基板が第1のシリコン基板に向かい合う状態で第1のシリコン基板上に搭載されている光デバイス(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路が形成された光素子が基板に接合された光デバイス及び光デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
短波長レーザ光源は、レーザ・プロジェクタや高密度光記憶装置などの分野で、幅広く製品化が進められている。短波長レーザ光源は、光デバイスとしてのレーザ素子が発振する基本波の赤外光を二次高調波に変換する波長変換素子によって、青色または緑色などのレーザ光を出力するものである。ここで用いられる波長変換素子は、LN(ニオブ酸リチウム:LiNbO3)LT(タンタル酸リチウム:LiTaO3)などの結晶材料が使われている。
【0003】
LNからなるベース基板に、MgO添加のLN基板を貼り合わせ、貼り合わせ後にMgO添加のLN基板を研磨する波長変換素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、LNからなるベース基板とMgO添加のLN基板とは、熱膨張係数が略一致しているため、熱膨張係数差に起因する基板剥離や伝送損失の増加が抑制されることが示されている。
【0004】
また、前述の波長変換素子を、レーザ素子とともにシリコン基板上に実装したレーザ光源が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
図12は、特許文献2で開示された短波長レーザ光源の一例を示す図である。図12において、101はシリコン基板、110は半導体レーザ、120はLNからなる波長変換素子である。半導体レーザ110の活性層111から基本波のレーザ光112が出力し、波長変換素子120の光導波路121に入射して、二次高調波である青色レーザ光130が出力される。シリコン基板101が波長変換素子120と接する面の一部には、溝102が形成されている。波長変換素子120の下部、すなわち、光導波路121の近傍には、Ti膜による薄膜ヒータ122が形成されている。特許文献2には、薄膜ヒータ122に通電することで、波長変換素子120の温度を所定の温度に保てることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−183316号公報(13−15頁、図6−7)
【特許文献2】特開平6−338650号公報(5頁、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の波長変換素子を、特許文献2に記載のようにシリコン基板上に実装した場合、波長変換素子の変換波長が変化すると言う問題があった。LNからなるベース基板及びMgO添加のLN基板で構成される波長変換素子と、シリコン基板とでは熱膨張係数が大きく異なる。このため、周囲の温度変化によって波長変換素子とシリコン基板との長さが変化して、波長変換素子にストレスが加わり、波長変換素子の変形、歪み、及び位置ずれ等が発生する。
【0008】
LNを主成分とする波長変換素子は、熱膨張係数が大きいので温度が上昇すると長手方向の長さが伸びる。しかし、シリコン基板は熱膨張係数が小さいので、温度が上昇しても長手方向の長さの伸びは少ない。この結果、温度が上昇すると、レーザ光源には、図12の矢印Bに示すような応力が発生して、波長変換素子120側が膨らむような変形が生じる。また、温度が低下すると、波長変換素子は長手方向の長さが短くなるので、レーザ光源は、図12の矢印B´に示すような反対方向の応力が発生して、波長変換素子120側が縮むような変形が生じる。このような変形によって、波長変換素子120と半導体レーザ110との光学的結合にずれが生じ、波長変換素子の変換波長の変化等が発生する。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するための光デバイス及び光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、光素子の位置ずれ及び光素子の光導波路の特性変化を抑えることを可能とした光デバイス及び光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、光素子の位置ずれ及び光素子の光導波路の特性変化を抑えつつ、シリコン基板上に複数の光素子を集積化することを可能にする光デバイス及び光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
光学デバイスは、第1の光素子と、第1の光素子と光学的に結合する第2の光素子と、第1の光素子及び第2の光素子が搭載された第1のシリコン基板とを有し、第2の光素子は第2のシリコン基板及び第2のシリコン基板と貼り合わされた導波路基板を含み、第2の光素子は導波路基板が第1のシリコン基板に向かい合う状態で第1のシリコン基板上に搭載されていることを特徴とする。
【0011】
光デバイスは、第1のシリコン基板上に設けられた金属材料からなる接合部を更に有し、第2の光素子は接合部に表面活性化接合技術により接合されることが好ましい。
【0012】
光デバイスでは、接合部は、マイクロバンプ構造を有することが好ましい。
【0013】
光デバイスでは、金属材料はAuであることが好ましい。
【0014】
光デバイスでは、第1の光素子はレーザ素子であり、第2の光素子は波長変換素子であることが好ましい。
【0015】
第1の光素子と、前記第1の光素子と光学的に結合する第2の光素子とが、第1のシリコン基板に搭載された光デバイスの製造方法は、第2のシリコン基板と導波路基板とを貼り合せることによって前記第2の光素子を形成し、第1の光素子を第1のシリコン基板に搭載し、第2の光素子を導波路基板が第1のシリコン基板に向かい合う状態で第1のシリコン基板に搭載することを特徴とする。
【0016】
光デバイスの製造方法は、第1のシリコン基板上に金属材料からなる接合部を形成することを更に有し、第2の光素子を搭載する際に、第2の光素子を接合部に表面活性化接合技術によって接合することが好ましい。
【0017】
光デバイスの製造方法では、接合部は、マイクロバンプ構造であることが好ましい。
【0018】
光デバイスの製造方法では、金属材料はAuであることが好ましい。
【0019】
光デバイスの製造方法では、第1の光素子はレーザ素子であり、第2の光素子は波長変換素子であることが好ましい。
【0020】
光デバイス及び光デバイスの製造方法によれば、第2の光素子に対応する導波路基板が第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とで挟まれた構成を有している。そのような構成により、周囲の温度変化によって、第2の光素子の変形度合いと、第1及び第2のシリコン基板の変形度合いとが異なっても、第2の光素子に対応する導波路部分の変形が抑えられる。したがって、第2の光素子の位置ずれ、第2の光素子の光導波路の特性の変化を抑えることが可能となり、周囲の温度変化の影響を受けにくい高性能で信頼性に優れた光デバイスを提供することが出来る。
【0021】
また、第1のシリコン基板は、Auによるマイクロバンプ構造の接合部を備えており、第1のシリコン基板と第1の光素子及び第2の光素子とは表面活性化接合技術によって接合される。したがって、光デバイス及び光デバイスの製造方法によれば、接合のために加熱する必要がなく、熱膨張係数差の残留応力による部品破壊が発生せず、熱ストレスがなく部品の機能劣化が発生せず、実装時の位置ずれが発生しない。
【0022】
さらに、第1のシリコン基板の表面に、マイクロバンプ構造を有する接合部、及び、配線パターン等を一括して効率的に形成できるので、シリコン基板上に複数の光素子を効率よく集積化した光デバイスを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】光デバイス1の構成を示す概略斜視図である;
【図2】図1に示す光デバイス1の分解斜視図である;
【図3】図1に示す光デバイス1のAA´断面図である。
【図4】図1に示す光デバイス1の製造工程を説明するための図である。
【図5】(a)は櫛歯電極のパターンの一例を示し、(b)は分極後の分極領域の一例を示す図である。
【図6】(a)及び(b)は、周期分極反転処理工程S9において、波長変換素子20の導波路基板30に、分極反転するための電圧印加を行う構成を示した図である。
【図7】溝を形成して完成した波長変換素子20の斜視図である。
【図8】(a)〜(f)は、光デバイス1の接合部形成工程の一例を示す工程図である。
【図9】接合部40又は41の一部を拡大した斜視図である。
【図10】(a)及び(b)は、第1のシリコン基板にレーザ素子と波長変換素子とを搭載する搭載工程を説明するための側面図である。
【図11】他の光デバイス50を示す概略斜視図である。
【図12】特許文献2で開示された短波長レーザ光源の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下図面を参照し、入射光を二次高調波に変換する波長変換素子を搭載した光デバイスを例として、光デバイス及び光デバイスの製造方法について説明する。しかしながら、本発明が、図面又は以下に記載される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
【0025】
図1は、光デバイス1の構成を示す概略斜視図である。
【0026】
光デバイス1は、板状の第1のシリコン基板10、第1のシリコン基板10上に搭載された第1の光素子としてのレーザ素子3、及びレーザ素子3と光学的に結合する第1のシリコン基板10上に搭載された第2の光素子としての波長変換素子20から構成される。波長変換素子20は、第2のシリコン基板21と、所定の層を介して貼り合わされた導波路基板30とを有している。なお、波長変換素子20の詳細な構造は後述する。
【0027】
以下、光デバイス1の動作の概要を説明する。
図1において、レーザ素子3は第1のシリコン基板10から図示しない手段によって駆動電圧の供給を受けると、基本波である赤外光L1を出射する。波長変換素子20の導光路基板30は、内部の光導波路31(図2参照)に赤外光L1が入射されると、光導波路で高調波に変換して、緑色光又は青色光のレーザ光L2を導波路基板30の反対側の出射口から出射する。導光路基板30から出射されたレーザ光L2は、図示しない光ファイバ等によって外部の光学系に伝達されるが、外部の光学系の説明は省略する。
【0028】
一例としては、レーザ素子3が波長1064nmの赤外光L1を出射し、波長変換素子20が波長1064nmの赤外光L1を波長532nmの緑色のレーザ光L2に変換する。他の例としては、レーザ素子3が波長860nmの赤外光L1を出射し、波長変換素子20が波長860nmの赤外光L1を波長430nmの青色のレーザ光L2に変換する。上記の様に、光デバイス1は、波長532nmの緑色のレーザ光又は波長430nmの青色のレーザ光を出射することができるので、3色レーザ光を光源とする小型カラープロジェクタなどの光源装置として利用することが出来る。
【0029】
図2は、光デバイス1の分解斜視図である。
【0030】
図2において、第1のシリコン基板10は、図示しないが、その内部に回路素子や配線等を有する集積回路を構成することが出来る。また、第1のシリコン基板10の表面には、レーザ素子3と波長変換素子20を搭載するための接合部40及び41を有している。接合部40及び41は、金属材料から成るマイクロバンプ構造を有しているが、詳細な構造は後述する。
【0031】
レーザ素子3は、赤外光などを出射する半導体レーザであり、接合部40を介して第1のシリコン基板10の表面に搭載される。
【0032】
波長変換素子20の第2のシリコン基板21は、導波路基板30と幅及び長さが略等しい長板形状のシリコンによってから構成される基板であり、接着層23(図3参照)を介して、導波路基板30と接合される。
【0033】
導波路基板30は、強誘電体単結晶材料であるLN(ニオブ酸リチウム:LiNbO3)を主成分としてMgOを添加した薄い長板形状であり、略中心の長手方向に沿って光導波路31が形成されている。導光路基板30は、第2のシリコン基板21に接合されて、波長変換素子20となり、波長変換素子20は、前述の接合部41を介して第1のシリコン基板10の表面に搭載される。
【0034】
図2に示す様に、波長変換素子20は、導光路基板30が第1のシリコン基板10に向かい合う状態で第1のシリコン基板10に搭載される。これにより、導光路基板30は、第1のシリコン基板10と第2のシリコン基板21に挟まれた状態となる。
【0035】
図3は、図1に示す光デバイス1のAA´断面図である。
【0036】
波長変換素子20はリッジ型構造を有しており、前述したように第2のシリコン基板21と導波路基板30とが貼り合わされて構成されている。第2のシリコン基板21の図面上の下面側には、透明電極22が形成され、導波路基板30の第2のシリコン基板21に対向する面には、絶縁層32が形成されている。第2のシリコン基板21の透明電極22と導波路基板30の絶縁層32とが、接着層23によって接合されることによって、波長変換素子20は一体化されている。
【0037】
導波路基板30の図面上の下部には、導波路基板30の長手方向に沿って二つの溝33a及び33bが形成され、溝33a及び33bの間の凸部33cに光導波路31が形成されている。この様に、光導波路31は、波長変換素子20の下部の略中心において、長手方向に沿って、第1のシリコン基板10と向き合う面に形成される。導波路基板30は、前述したように、レーザ素子3(図1参照)からの赤外光L1が光導波路31に入射されと、高調波に変換して出射する機能を備えている。
【0038】
導波路基板30の図面上の下面左右の平面部34a及び34bには、Au膜35a及び35bが形成されている。Au膜35a及び35bは、波長変換素子20の下面側に形成される。
【0039】
第1のシリコン基板10の図面上の上面であって、波長変換素子20のAu膜35a及び35bに対向する位置に、接合部41が形成されている。接合部41は、前述したように、マイクロバンプ構造を有し、導電性と熱伝導性に優れた金属材料であるAu(金)から構成されている。
【0040】
第1のシリコン基板10上の接合部41と、波長変換素子20の下面のAu膜35a及び35bを位置合わせして加圧すると、第1のシリコン基板10及び波長変換素子20は表面活性化接合する。このように、波長変換素子20は光導波路31が第1のシリコン基板10に向き合う状態(フェイスダウン)で、すなわち、波長変換素子20は光導波路31が第1のシリコン基板10に近接した状態で、第1のシリコン基板10に搭載される。接合部41は、導電性と熱伝導性に優れたAuから構成されているので、波長変換素子20と第1のシリコン基板10とは、機械的、電気的、及び熱的に確実に結合される。
【0041】
波長変換素子20と第1のシリコン基板10との間には、溝33a及び33bによって空気層36が存在しており、波長変換素子20の下部に位置する光導波路31は、第1のシリコン基板10と接することがない。また、光導波路31の周辺の左右及び下面の三面は、空気層36によって覆われている。この構成により、更に空気層36と光導波路31との屈折率差を利用して、光導波路31に光を閉じこめることが出来る。
【0042】
空気層36の形成には、溝33a及び33bだけなく、接合部41のマイクロバンプ構造も寄与している。波長変換素子20と第1のシリコン基板10とは、接合部41のマイクロバンプ構造によって接合される。マイクロバンプ構造は所定の厚みを有しているために、波長変換素子20は、第1のシリコン基板10に対してマイクロバンプの厚み分だけ距離を置いて接合されている。従って、所定の厚みを有する接合部41のマイクロバンプ構造は、波長変換素子20と第1のシリコン基板10とを接合すると共に、光導波路31の周囲に空気層36を形成する機能をも備えている。
【0043】
図4は、波長変換素子の製造方法を説明するための工程図である。
【0044】
以下、波長変換素子の製造方法の一例を図4の工程図を用いて説明する。工程S1において、厚さ約0.5mmの強誘電体単結晶基板30´を準備する。強誘電体単結晶基板30´は、MgOをドープしたLNを利用することができるが、他に、MgOをドープしたLT(タンタル酸リチウム)やKTP結晶を用いることもできる。
【0045】
次に、工程S2において、強誘電体単結晶基板30´の表面に絶縁膜32を形成する。絶縁膜32は、SiO2を膜厚が0.5μmとなるように蒸着したものである。しかしながら、SiOの膜厚は、0.1〜1.0μmの範囲が好ましい。
【0046】
工程S3において、厚さ約1mmの第2のシリコン基板21を準備する。第2のシリコン基板21の厚さは、30μm〜1.0mmの範囲が好ましい。また、第1のシリコン基板10の厚さは、625μmである。第1のシリコン基板10の厚さは、100μm〜700μmの範囲が好ましい。
【0047】
次に、工程S4において、第2のシリコン基板21の表面に透明電極22を形成する。透明電極22は、InTiOを膜厚が0.05μmとなるように蒸着したものである。なお、透明電極22は、InTiO、ITO、ZnO、AZO、GZO等を用いて形成することができるが、透明性、導電性に優れたITO及びInTiOが好ましい。また、透明電極22の膜厚は、0.02〜1.0μmの範囲が好ましい。さらに、透明電極22は、蒸着以外にも、イオンプレーティングまたはスパッタ法で成膜することができる。
InTiO膜は、酸化インジウムにTiを添加した膜である。特に、1.2μmより長波長側の近赤外光、例えば1.26μmを波長変換し可視光0.63μmに変換するSHG型の波長変換素子に適用する場合は、ITO膜を用いることも可能であるが、InTiO膜を用いる方がより好ましい。InTiO膜は、ITO膜と同程度の導電性を保ったまま長波長領域で、ITO膜よりさらに高透過率、且つ、低吸収率であるからである。
【0048】
次に、工程S5において、強誘電体単結晶基板30´の絶縁膜32と第2のシリコン基板21の透明電極22とを対向させ、接着層23を介して接着する。接着層23は、ポリイミド系の接着剤であって、膜厚を0.5μmとしたものである。なお、接着層23の膜厚は、0.2〜1.0μmが好ましい。また、接着層23としては、絶縁膜32の表面及び第2のシリコン基板21の透明電極22の表面をプラズマ処理により活性化させた表面活性化結合処理を利用することも可能である。工程S5が、第2の光素子を形成する貼合わせ工程である。なお、工程S4の説明では、第2のシリコン基板21の表面に透明電極22を形成する方法について述べた。しかしながら、透明電極22を形成せずに、第2のシリコン基板21をリンやボロンをヘビードープした低抵抗のシリコン基板を用いて、透明電極22の代わりにシリコン基板そのものを対向印加電極39の基板側電極として用いても良い。
【0049】
次に、工程S6において、第2のシリコン基板21を研磨用基板(図示せず)に接着し、強誘電体単結晶基板30´を研削、研磨して薄板化する。この工程S6によって、当初約0.5mmの厚さであった強誘電体単結晶基板30´の膜厚を、3μmとする。なお、強誘電体単結晶基板30´の膜厚は、2.5μm〜5.0μmが好ましいが、厚さは用途によって適宜決定される。薄板化された強誘電体単結晶基板30´が、導波路基板30として利用される。この様に、導光路基板30は、研削、研磨によって、極めて薄い基板に加工される。第2のシリコン基板21の厚さは、30μm〜1.0mmの範囲が好ましいので、導波路基板30の厚さは、第2のシリコン基板21の厚さの1/6〜1/400の範囲が好ましい。
【0050】
次に、工程S7において、薄板化した強誘電体単結晶基板30´、すなわち、導波路基板30の表面に、後述する分極反転用の櫛歯電極37とするための薄膜37´を形成する。薄膜37´は、導波路基板30の表面に一様にTa(タンタル)を膜厚0.1μmで蒸着したものである。なお、薄膜37´の膜厚は、0.01〜2.0μmが好ましい。
【0051】
次に、工程S8において、形成した薄膜37´の表面にマスク用の膜を形成し、所望の分極反転用の櫛歯電極が形成できるようマスクを形成してエッチングする(櫛歯電極形成工程)。
【0052】
図5は、櫛歯電極形成工程S8によって形成された櫛歯電極37を示す拡大平面図であり、図5(a)は櫛歯電極のパターンの一例を示し、図5(b)は分極後の分極領域の一例を示している。
【0053】
図5(a)において、櫛歯電極37は、櫛歯電極本体部37aと、この櫛歯電極本体部37aにつながる複数の櫛歯電極枝部37bを有している。櫛歯電極枝部37bのそれどれの幅、長さ、及びピッチ等の寸法は、分極反転及び所望の位相整合条件により適宜決定される。
【0054】
図5(b)は、分極によって形成される分極反転領域38を示している。分極反転領域38の幅X1は、櫛歯枝部電極37bの幅より広くなるが、分極反転領域38の幅X1と分極反転領域間幅X2が、図示するように略同一になるように分極反転の条件出しをすると良い。
【0055】
次に、工程S9において、導波路基板30に形成した櫛歯電極37に、所定の電圧を印加して分極反転を実施する(周期分極反転処理工程)。
【0056】
図6(a)及び図6(b)は、周期分極反転処理工程S9において、波長変換素子20の導波路基板30に、分極反転するための電圧印加を行う構成を示した図である。
【0057】
図6(a)に示す方法では、対向印加電極39と透明電極22に直流電圧電源60(出力電圧250〜600V)のマイナス側が接続され、櫛歯電極37にプラス側が接続されている。さらに、パルス電圧電源61(出力電圧100〜500V)からのパルス電圧が対向印加電極39及び櫛歯電極37に印加されている。なお、対向印加電極39は、前述の工程S7及びS8において、櫛歯電極37と同時に、導波路基板30上に形成されるものとする。また、パルス電圧のパルス幅は、サブミリ秒から数十ミリ秒の範囲で、適宜選択することができる。
【0058】
図6(b)に示す方法では、対向印加電極39に直流電圧電源60(出力電圧250〜600V)のマイナス側が接続され、櫛歯電極37にプラス側が接続されている。さらに、パルス電圧電源61(出力電圧100〜500V)からのパルス電圧が対向印加電極39及び櫛歯電極37に印加されている。透明電極22には電圧は印加されていない。このように、図6(a)または図6(b)の構成で電圧を印加することによって、周期分極反転構造(図5(b)参照)を得ることができる。
【0059】
次に、工程S10において、前述した印加用の櫛歯電極37と対向印加電極39の除去を行う(電極除去工程)。
【0060】
次に、工程S11において、導波路基板30の表面に2本の溝をドライエッチングによりで形成する(リッジ形成工程)。なお、導波路基板30の表面に形成される2本の溝は、レーザ加工によって形成することもできる。
【0061】
図7は、溝を形成して完成した波長変換素子20の斜視図である。
【0062】
図7において、波長変換素子20の導波路基板30側の表面に、長手方向に沿って所定の間隔で、2本の溝33a及び33bが形成される。2本の溝33a及び33bが形成されることによって、溝33a及び33bの間に凸部33cが形成され、この凸部33cの領域が、前述した光導波路31となる。また、導波路基板30と第2のシリコン基板21の間には、前述したように、図面上の上部から見て、絶縁膜32、接着層23、透明電極22が形成されている。図7では、導光路基板30が、第2のシリコン基板21の上側に位置しているが、実際には図3に示すように、波長変換素子20の導波路基板30は第1のシリコン基板10に向かい合って接合される。したがって。図7で示す波長変換素子20は、上下を反転(フェイスダウン)して第1のシリコン基板10に接合されることになる。
【0063】
次に、工程S12において、波長変換素子が複数個取りのチップである場合、外側の櫛歯電極本体部(図示せず)を切断して除去し、レーザ素子3からの赤外光L1(図1参照)が入射する端面と出射する端面を研磨する(端面研磨工程)。
【0064】
次に、工程S13において、波長変換素子が複数個取りのチップである場合、単個の波長変換素子20に分割して波長変換素子20を完成する(単個分割工程)。以上の工程によって、第2のシリコン基板21と薄板化された導波路基板30とを貼り合わせた波長変換素子20を完成することが出来る。なお、波長変換素子を単品で形成する場合、工程S12及び工程S13は不要である。
【0065】
図8は、光デバイス1の接合部形成工程の一例を示す工程図である。なお、図8の各図は、図2で示した第1のシリコン基板10を長手方向に切断した断面図として示されている。
【0066】
図8(a)の工程において、CMOS−LSIの形成工程を経て平坦化された第1のシリコン基板10の表面に、金属材料である金のAu膜13を形成する(Au膜形成工程)。
【0067】
次に、図8(b)の工程において、レーザ素子3を搭載するレーザ素子搭載領域11と波長変換素子20を搭載する波長変換素子搭載領域12に、Au膜13を電極として残すためのレジスト膜14を形成する。すなわち、レーザ素子搭載領域11及び波長変換素子搭載領域12が、接合部40及び41となる。
【0068】
次に、図8(c)の工程において、エッチングをおこない、レジスト膜14で覆われていない領域のAu膜13を除去し、電極を形成する。これにより、レーザ素子搭載領域11及び波長変換素子搭載領域12にAu膜13が電極として形成される。
【0069】
次に、図8(d)の工程において、レジスト膜14を除去した後に、レーザ素子搭載領域11と波長変換素子搭載領域12に形成されたAu膜13の電極の表面に、マイクロバンプ用のレジスト膜15を形成する。このレジスト膜15は、たとえば、平面で見て小さな略円形のドットが多数並んだパターンを有している。
【0070】
次に、図8(e)の工程において、ハーフエッチングをおこない、レジスト膜15のドットパターンの隙間のAu膜13に、所定の深さの溝13aを形成する。
【0071】
次に、図8(f)の工程において、レジスト膜15を除去する。これにより、レーザ素子搭載領域11と波長変換素子搭載領域12のAu膜13の表面に、溝13aによるドット状に多数並んだマイクロバンプ42が形成される。なお、各マイクロバンプ42の隙間、すなわち、溝13a(図8(e)参照)の底にはAu膜13が残っており、これによって、各マイクロバンプ42の下部がAu膜13でつながっているので、レーザ素子搭載領域11全体が電極として導通可能な状態である。同様に、波長変換素子搭載領域12の全体も、電極として導通可能な状態である。このようにマイクロバンプ42が多数形成されたレーザ素子搭載領域11と波長変換素子搭載領域12が、接合部40及び41となる。
【0072】
なお、第1のシリコン基板10の表面に、マイクロバンプ42以外の配線パターン等を形成する場合は、まず、図8(b)の工程で形成したレジスト膜14を、形成する配線パターンに合わせてパターン化する。次に、図8(c)の工程で、レジスト膜14をエッチングすることで、配線パターン等を形成することが出来る。以上説明した接合部形成工程によれば、第1のシリコン基板10の表面に、金属材料から成るマイクロバンプ構造を有する接合部、及び、配線パターン等を一括して効率的に製造することが出来る。
【0073】
図9は、接合部40又は41の一部を拡大した斜視図である。
【0074】
接合部40及び41のマイクロバンプの構造を、図9を用いて説明する。マイクロバンプ42はAuから構成される略円柱形状で、一例として直径8μm、高さ2μm程度で形成されている。各マイクロバンプ42の隙間、すなわち、溝13aの底面は、前述したようにAu膜13が存在するので、各マイクロバンプ42は、このAu膜13によって機械的電気的につながっており、一体化した電極として構成されている。なお、マイクロバンプは、In(インジウム)等の他の金属材料を用いて構成することもできる。
【0075】
マイクロバンプ構造の接合部40及び41による部品搭載工程で用いる表面活性化接合技術の概略及び/又は原理を説明する。
【0076】
表面活性化接合技術は、物質表面を覆っている酸化膜、塵(コンタミ)などの不活性層をプラズマ処理などで取り除いて活性化し、表面エネルギーの高い原子同士を接触させることで原子間の凝着力を利用して接合する技術である。しかしながら、フラットな接合面同士での接合では、ある程度の加熱(100〜150℃)をした上であないと、表面活性化接合をすることが難しい場合がある。光デバイス1の製造工程では、接合温度をより低くすべく、接合面の片側、すなわち前述した第1のシリコン基板10の接合部40及び41に塑性変形しやすいAuの材質からなるマイクロバンプ42を形成することにより、常温での接合を可能としている。
【0077】
実在表面(接合部40及び41等)上には、酸化膜、コンタミ等が存在している。このため、プラズマ洗浄又はイオンビームによるスパッタエッチングをおこない、接合部40及び41の表面を活性化させ、接合部40及び41の表面を、結合手を持った原子が露出している活性状態にする。これにより、接合の対象である、レーザ素子3や波長変換素子20の電極を接合部40及び41に接触させるだけで原子間接合させることができる。
【0078】
この表面活性化接合は、無加熱接合であるため、下記の利点を有する。
1.熱膨張係数差の残留応力による部品破壊が発生しない。
2.部品に対する熱ストレスがなく部品の機能劣化が生じない。
3.無加熱および固相接合であるため、実装時の位置ずれが生じない。
4.他部品への熱影響が生じない。
5.原子の直接接合であるため、接合層の経時劣化が生じない。
【0079】
図10(a)及び図10(b)は、第1のシリコン基板にレーザ素子と波長変換素子とを搭載する搭載工程を説明するための側面図である。
【0080】
図10(a)に示す様に、第1のシリコン基板10上には、接合部40及び41が形成され、これらの接合部40及び41には、前述した工程を経てマイクロバンプ42が多数形成されている。接合の前に、第1のシリコン基板10の接合部40及び41と、レーザ素子3及び波長変換素子20の接合面の電極とは、アルゴンプラズマにより洗浄され、それぞれの表面を活性化させる。なお、レーザ素子3の下面の接合面には、電極としてAu膜3aが形成されている。また、波長変換素子20の下面の接合面には、同様にAu膜35a及び35b(図3参照)が形成されている。
【0081】
次に、図10(b)に示す様に、第1のシリコン基板10の接合部40にはレーザ素子3のAu膜3aを向かい合わせて位置させ、接合部41には波長変換素子20下面のAu膜35a及び35bを向かい合わせて位置させる。次に、第1のシリコン基板10の接合部40とレーザ素子3のAu膜3aとを接触させ、接合部41と波長変換素子20下面のAu膜35a及び35bとを接触させて、所定の荷重Kで加圧する。これによって、第1のシリコン基板10の接合部40とレーザ素子3のAu膜3a、及び接合部41と波長変換素子20下面のAu膜35a及び35bが常温状態で接合し、シリコン基板10に対してレーザ素子3及び波長変換素子20の部品実装が完了する。このとき、レーザ素子3と波長変換素子20が確実に光学的結合するように、精密な位置合わせを行うことが重要である。
【0082】
この様に、前述した表面活性化接合技術の多くの利点を備えた光デバイス1を製造することが出来る。以上の工程が、第1の光素子に対応するレーザ素子3を第1のシリコン基板10に搭載する第1の光素子搭載工程と、第2の光素子に対応する波長変換素子20を第1のシリコン基板10に搭載する第2の光素子搭載工程である。
【0083】
光デバイス1の温度変化に対する特性改善について説明する。図10(b)に示す様に、光デバイス1の波長変換素子20は、第2のシリコン基板21と導波路基板30が貼り合わされて構成されており、波長変換素子20は、導波路基板30が第1のシリコン10に向かい合う状態で第1のシリコン10に搭載されている。この構造によって、導波路基板30は、第1のシリコン基板10と第2のシリコン基板21とで挟まれた構成を備えている。
【0084】
導波路基板30は、前述したように、MgOを添加したLNから構成されており、光が進行する長手方向の熱膨張係数は、第1のシリコン基板10及び第2のシリコン基板21の熱膨張係数と大きく異なっている。すなわち、MgOを添加したLNから構成される導波路基板30の熱膨張係数は、第1及び第2のシリコン基板10、21の熱膨張係数より大きい。
【0085】
前述したように、導波路基板30は、第1のシリコン基板10と第2のシリコン基板21とで挟まれた構成を有しており、相互の熱膨張係数は異なっている。したがって、周囲の温度が変化すると、導波路基板30の長さの変化は、第1及び第2のシリコン基板10及び21の長さの変化より大きくなってしまう。しかしながら、導波路基板30の厚みは極めて薄い(2.5〜5.0μm)ので、導波路基板30の長さの変化は、第1及び第2のシリコン基板10及び21によって抑えられ、応力B及びB´(図12参照)の発生が抑制されて、波長変換素子20の変形を小さくすることができる。
【0086】
この結果、波長変換素子20に加わるストレスが減少し、変形、歪み等の発生を小さくすることができるので、レーザ素子3と波長変換素子20との位置ずれを防止することが可能となる。同様に、波長変換素子20から出射されるレーザ光を受ける光ファイバ(図示せず)と波長変換素子20との位置ずれをも防止することが可能となる。すなわち、光デバイス1が有している構成によって、部品間の光学的結合のずれの発生、及び、変換波長の変化等の問題を解消することが出来る。
【0087】
発明者は、上述した光デバイス1における波長変換素子20と、比較用の光デバイスにおける波長変換素子とが、周囲温度の変化によって発生する応力によって、どれほど変形するかについて、定常熱解析の簡易シミュレーションを実施した。この結果、光デバイス1における波長変換素子20は、比較用の光デバイスにおける波長変換素子に対して、温度変化による変形量が約1/4に改善されるとの結果を得た。
【0088】
シミュレーションにおける比較用の光デバイスにおける波長変換素子は、図12に示したLNを主成分とする波長変換素子を利用し、シリコン基板にはボンド結合した。また、光デバイス1における波長変換素子20のサイズと、比較用の光デバイスにおける波長変換素子のサイズは同じとした。また、光デバイス1及び比較用の光デバイスにおけるシリコン基板の構成及びサイズは全て同じであって、変形量の計測に際しては、それぞれのシリコン基板の端面を完全に固定した。
【0089】
以上のように、光デバイス1及び光デバイス1の製造方法によれば、導波路基板30が第1のシリコン基板10と第2のシリコン基板21とで挟まれた構成を有するため、周囲温度が変化しても、波長変換素子20の変形が抑えられ、位置ずれや光導波路の特性の変化を抑えることが可能となる。これにより、周囲の温度変化の影響を受けにくい高性能で信頼性に優れた光デバイスを提供することが出来る。
【0090】
図11は、他の光デバイス50を示す概略斜視図である。
【0091】
図11に示す様に、光デバイス50は、1枚のシリコン基板51の表面に、複数のレーザ素子52a〜52c、複数の波長変換素子53a〜53c、及びドライバIC54を実装し搭載している。なお、個々のレーザ素子と波長変換素子の構成は、光デバイス1と同様である。
【0092】
レーザ素子52a〜52cと波長変換素子53a〜53cは、光デバイス1と同様にマイクロバンプ構造の接合部を介してシリコン基板51の表面に搭載されている。ドライバIC54も、マイクロバンプ構造によってシリコン基板51の表面に搭載されているが、他の実装方式によって搭載されても良い。
【0093】
複数のレーザ素子52a〜52cは、GaAs,GaN等の材質からなり、光の3原色R、G、Bに対応して3種類の波長を出射する。複数の波長変換素子53a〜53cは、R、G、Bの系統にそれぞれ配置されて、レーザ素子52a〜52cのそれぞれと光学的に結合し、R、G、Bのレーザ光に変換する。波長変換素子53a〜53cの出射口からは、R、G、Bのレーザ光が出射されるが、これらのレーザ光を受ける光ファイバ等の図示は省略している。なお、Rの系統だけは波長変換素子を配置せず、レーザ素子のR成分の光を直接出射する構成としてもよい。
【0094】
ドライバIC54は、レーザ素子52a〜52cを駆動する機構を含んでいるが、少なくとも、CPUやメモリ等のコア部分を含んでいることが好ましい。なお、シリコン基板51の内部に、CPUやメモリ等のコア部分を含んでも良い。また、シリコン基板51の下面には、放熱用のヒートシンク(不図示)が設けられている。
【0095】
以上のように、光デバイス50は、シリコン基板51上に複数の光素子を効率よく集積化した小型の光デバイスであるので、フルカラー表示の携帯型レーザ・プロジェクタなどに好適である。また、光デバイス50は、基本的な構成が光デバイス1と同様であるので、前述した光デバイス1と同様な効果を合わせ持っている。
【0096】
前述した光デバイス1及び光デバイス50では、第2の光素子の一例である波長変換素子を第1のシリコン基板に接合する接合部として金属材料であるAu(金)からなるマイクロバンプを用いる例を示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、第2の光素子の一例である波長変換素子を第1のシリコン基板に接合する接合部として、例えば接着材による接着層を用いても良い。接着材を用いる構成であっても、第2の光素子の導波路基板が第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とで挟まれた構成を有することにより、周囲温度が変化しても、波長変換素子20の変形が抑えられ、位置ずれや光導波路の特性の変化を抑えることが可能となる。これにより、周囲の温度変化の影響を受けにくい高性能で信頼性に優れた光デバイスを提供することが出来る。
【0097】
なお、光デバイス1及び光デバイス50では、リッジ型構造の波長変換素子を例として示したが、波長変換素子は、リッジ型に限定されるものではなく、たとえば、プロトン交換法による波長変換素子や埋め込み型の波長変換素子を用いることもできる。また、第2の光素子は波長変換素子に限定されず、他の機能を備えた光素子であっても良い。
【0098】
光デバイス1及び光デバイス50は、青色、緑色などの短波長レーザ光源として、レーザ・プロジェクタやレーザ光による照明装置、光ピンセットなどの様々な分野で幅広く利用することが出来る。
【符号の説明】
【0099】
1、50 光デバイス
3、52a〜52c レーザ素子
10、51 第1のシリコン基板
11 レーザ素子搭載領域
12 波長変換素子搭載領域
14、15 レジスト膜
20、53a〜53c 波長変換素子
21 第2のシリコン基板
22 透明電極
23 接着層
30 導波路基板
31 光導波路
32 絶縁膜
13a、33a、33b 溝
33c 凸部
34a、34b 平面部
3a、13、35a、35b Au膜
36 空気層
37 櫛歯電極
37a 櫛歯電極本体部
37b 櫛歯電極枝部
38 分極反転領域
39 対向印加電極
40、41 接合部
42 マイクロバンプ
54 ドライバIC
L1 赤外光
L2 レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光素子と、
前記第1の光素子と光学的に結合する第2の光素子と、
前記第1の光素子及び前記第2の光素子が搭載された第1のシリコン基板とを有し、
前記第2の光素子は、第2のシリコン基板及び前記第2のシリコン基板と貼り合わされた導波路基板を含み、
前記第2の光素子は、前記導波路基板が前記第1のシリコン基板に向かい合う状態で、前記第1のシリコン基板上に搭載されている、
ことを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
前記導波路基板の厚さは、前記第2のシリコン基板の厚さの1/6〜1/400の範囲である、請求項1に記載の光デバイス。
【請求項3】
前記第1のシリコン基板上に設けられた金属材料からなる接合部を更に有し、前記第2の光素子は、前記接合部に表面活性化接合技術により接合される、請求項1又は2に記載の光デバイス。
【請求項4】
前記接合部は、マイクロバンプ構造を有する、請求項3に記載の光デバイス。
【請求項5】
前記金属材料はAuである、請求項3又は4に記載の光デバイス。
【請求項6】
前記第1の光素子はレーザ素子であり、前記第2の光素子は波長変換素子である、請求項1〜5の何れか一項に記載の光デバイス。
【請求項7】
第1の光素子と、前記第1の光素子と光学的に結合する第2の光素子とが、第1のシリコン基板に搭載された光デバイスの製造方法であって、
第2のシリコン基板と導波路基板とを貼り合せることによって前記第2の光素子を形成し、
前記第1の光素子を前記第1のシリコン基板に搭載し、
前記第2の光素子を、前記導波路基板が前記第1のシリコン基板に向かい合う状態で、前記第1のシリコン基板に搭載する、
を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記導波路基板の厚さは、前記第2のシリコン基板の厚さの1/6〜1/400の範囲である、請求項7に記載の光デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記第1のシリコン基板上に金属材料からなる接合部を形成することを更に有し、前記第2の光素子を搭載する際に、前記第2の光素子を前記接合部に表面活性化接合技術によって接合する、請求項7又は8に記載の光デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記接合部は、マイクロバンプ構造を有する、請求項9に記載の光デバイスの製造方法。
【請求項11】
前記金属材料はAuである、請求項9又は10に記載の光デバイスの製造方法。
【請求項12】
前記第1の光素子はレーザ素子であり、前記第2の光素子は波長変換素子である、請求項7〜11の何れか一項に記載の光デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−29826(P2013−29826A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136729(P2012−136729)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】