説明

光デバイス

【課題】端子数を増大させることのできる光デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明は、発光素子または受光素子の光素子を内部に収納する筐体10と、筐体10の底面22から導出された、発光素子または受光素子の光素子に電気的に接続する第1端子12と、筐体10の第1側面24から導出された、発光素子または受光素子の光素子に電気的に接続する第2端子14と、筐体10の底面22に設けられた、第1端子12よりも突出した突起部16と、を備える光デバイスである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
光デバイスは、光信号と電気信号との間で信号変換を行う光素子を備える。光素子は、光デバイスを構成する筐体の内部に収納されており、筐体は外部と電気信号の入出力を行うための目的で、複数の端子を有する。
【0003】
この種の光デバイスにおいては、複数の端子が筐体の側壁に設けられた構造が知られている。また、この光デバイスを、制御回路を実装したプリント基板に接続した構成が知られている(例えば、特許文献1)。光デバイスとプリント基板とは、フレキシブル基板を用いて接続する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−264508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光デバイスの高機能化が進んでおり、その結果、端子の数が増大する傾向にある。しかしながら、端子の微細化には限界があり、光デバイスの側壁から導出できる端子数には限界がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、端子数を増大させることのできる光デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、光素子を内部に収納する筐体と、前記筐体の底面から導出された、前記光素子に電気的に接続する第1端子と、前記筐体の側面から導出された、前記光素子に電気的に接続する第2端子と、前記筐体の底面に設けられた、前記第1端子よりも突出した突起部と、を備えることを特徴とする光デバイスである。本発明によれば、筐体の底面から第1端子を導出することができ、光デバイスから導出できる端子数を増大させることに寄与する。
【0008】
上記構成において、分割溝により第1領域と第2領域とに分割されたフレキシブル基板を更に備え、前記第1領域に設けられた第1配線は前記第1端子に電気的に接続し、前記第2領域に設けられた第2配線は前記第2端子に電気的に接続する構成をとることができる。
【0009】
上記構成において、前記フレキシブル基板の前記第1領域に設けられた貫通孔に前記第1端子が挿入されてなる構成をとることができる。
【0010】
上記構成において、前記フレキシブル基板に設けられた開口部に、前記突起部が配置される構成をとることができる。
【0011】
上記構成において、前記フレキシブル基板の前記第2配線は、前記第2端子の延在方向に水平な方向から前記第2端子に接続する構成をとることができる。
【0012】
上記構成において、前記フレキシブル基板の前記第1領域のうち、前記筐体の底面に位置する部分には、チップ部品が設けられてなり、前記突起部は、前記チップ部品よりも突出している構成をとることができる。
【0013】
前記筐体の内部に収納される前記光素子は、発光素子または受光素子であり、前記第1端子は、前記光素子の電源供給用の端子であり、前記第2端子は、前記光素子に対する電気信号の入力用または出力用の端子である構成をとることができる。
【0014】
上記構成において、前記第2配線は高周波伝送線路である構成をとることができる。
【0015】
上記構成において、前記突起部に接続するとともに、前記第1端子を覆うカバーが設けられてなる構成をとることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、突起部により第1端子がケース等の外部部品と接触することを抑制でき、第1端子の損傷、外部部品との電気的ショート等が生じることを抑制できる。このため、筐体の底面から第1端子を導出することができ、光デバイスから導出できる端子数を増大させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(a)は、実施例1に係る光デバイスを上面側から見た斜視図の例であり、図1(b)は、底面側から見た斜視図の例である。
【図2】図2は、実施例1に係る光デバイスの側面図の例である。
【図3】図3は、筐体を底面側から見た斜視図の例である。
【図4】図4(a)は、筐体の底面図の例であり、図4(b)は、図3のA側から見た筐体の側面図の例であり、図4(c)は、図3のB側から見た筐体の側面図の例である。
【図5】図5は、光素子がLDである場合の、図4(a)のA−A間の断面図の例である。
【図6】図6は、光素子がPDである場合の、図4(a)のA−A間の断面図の例である。
【図7】図7(a)は、フレキシブル基板の上面図の例であり、図7(b)は、フレキシブル基板を上面側から見た斜視図の例である。
【図8】図8は、実施例1の変形例1に係る光デバイスを底面側から見た斜視図の例である。
【図9】図9は、実施例1の変形例2に係る光デバイスを底面側から見た斜視図の例である。
【図10】図10(a)は、実施例2に係る光デバイスの底面図の例であり、図10(b)は、フレキシブル基板の底面図の例である。
【図11】図11(a)は、実施例3に係る光デバイスの底面図の例であり、図11(b)は、フレキシブル基板の底面図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0019】
図1(a)は、実施例1に係る光デバイスを上面側から見た斜視図の例であり、図1(b)は、実施例1に係る光デバイスを底面側から見た斜視図の例である。なお、図1(a)及び(b)において、フレキシブル基板に形成された配線及びコネクタ端子については、簡略化の為に図示を省略している。図2は、実施例1に係る光デバイスの側面図の例である。図1(a)から図2のように、実施例1に係る光デバイスは、発光素子または受光素子である光素子を内部に収納する筐体10と、筐体10の底壁を貫通して設けられ、底面22から導出された第1端子12と、筐体10の底壁に対して起立する側壁を貫通して設けられ、第1側面24から導出された第2端子14と、筐体10の底面22に設けられた突起部16と、第1端子12及び第2端子14と制御回路を実装したプリント基板との電気的な接続に用いるフレキシブル基板18と、光ファイバが挿入されるレセプタクル20と、を主として有する。なお、第1端子12は、フレキシブル基板18によって、第2端子14と同じ、筐体10の第1側面24側へ電気信号が引き出されている。
【0020】
まず、図3から図4(c)を用いて筐体10について詳しく説明する。図3は、筐体10を底面側からみた斜視図の例である。図4(a)は、筐体10の底面図の例であり、図4(b)は、図3のA側から見た筐体10の側面図の例であり、図4(c)は、図3のB側から見た筐体10の側面図の例である。図3から図4(c)のように、筐体10の底面22に、複数の第1端子12が突出している。筐体10の第1側面24に、複数の第2端子14が突出している。第1端子12は、例えば筐体10の内部に収納された光素子の電源供給用の端子である。第2端子14は、例えば光素子で光信号に変換される電気信号の入力用の端子または光素子で光信号から変換された電子信号の出力用の端子である。つまり、第2端子14は、光素子に対する電気信号の入力用または出力用の端子である。
【0021】
筐体10は、例えばコバール等の金属で形成されている。第1端子12及び第2端子14は、例えば金メッキを施したコバール等の金属で形成されている。第1端子12及び第2端子14と筐体10との電気的な接続を回避するために、第1端子12と第2端子14との周りには、例えば封着ガラス等の絶縁体26が設けられている。
【0022】
筐体10の第1側面24の反対側に位置する第2側面28には、レセプタクル20が接続されている。レセプタクル20は、例えばコバール等の金属で形成されている。レセプタクル20には孔部30が設けられていて、孔部30に光ファイバが挿入される。このように、第2端子14とレセプタクル20とは、筐体10の相対する側面である第1側面24と第2側面28とに夫々設けられている。
【0023】
筐体10の底面22には、突起部16が設けられている。突起部16は、第1突起部16aと第2突起部16bとで構成される。第1突起部16aは、レセプタクル20が接続される第2側面28と同一面を形成している。第2突起部16bは、第2側面28の反対側の側面である第1側面24と同一面を形成している。突起部16は、第1端子12よりも突出している。つまり、筐体10の底面22から突起部16上面までの高さX1は、筐体10の底面22から第1端子12上面までの高さX2よりも高い。
【0024】
突起部16は、筐体10と一体で成型されている場合でも、筐体10とは別に成型した後に、半田や溶接等で筐体10に接続する場合でもよい。突起部16が、筐体10と別に成型される場合は、突起部16の材料は筐体10と同じでなくてもよく、例えばプラスチック等の強度を保てる材料であれば絶縁材を用いることができる。しかしながら、後述する放熱性の点を考慮すると、突起部16は熱伝導率の高い材料で形成される場合が好ましく、実施例1では、例えば筐体10と同様にコバール等の金属で形成されている。
【0025】
図5は、図4(a)のA−A間の断面図の例であり、筐体10に収納されている光素子が発光素子、例えばLD(レーザダイオード)である場合の例である。図5のように、筐体10が有するキャビティの内底面32に、金属からなる実装基板40が設けられている。実装基板40には、金属からなるサブ搭載基板38と絶縁体からなる配線基板44とが実装されている。サブ搭載基板38には、LD34が搭載されたLD搭載基板36が設けられている。また、サブ搭載基板38には、LD34を制御する駆動回路42も設けられている。配線基板44には、LD34に入力される電気信号を伝搬するマイクロストリップライン46が形成されている。マイクロストリップライン46とLD34及び駆動回路42とは電気的に接続している。
【0026】
実装基板40及び筐体10の底壁54を貫通して、絶縁体26で覆われた第1端子12が固定され取り付けられている。第1端子12はLD34や駆動回路42に電気的に接続していて、第1端子12を介して、LD34や駆動回路42に電力が供給され、また、駆動回路42に制御信号が伝搬される。筐体10の側壁56を貫通して、絶縁体26で覆われた第2端子14が固定され取り付けられている。第2端子14は、マイクロストリップライン46の延在方向と同じ方向でマイクロストリップライン46に接続している。第2端子14はLD34や駆動回路42に電気的に接続していて、LD34で光信号に変換される電気信号は、第2端子14、マイクロストリップライン46、駆動回路42を介してLD34に入力される。
【0027】
筐体10の上面には、蓋48が設けられていて、筐体10の内部が密閉されている。蓋48は、例えば筐体10と同じ材料であるコバール等の金属で形成されている。レンズホルダ50が、筐体10の側壁に、例えば半田で固定されていて、筐体10の一部を構成している。レセプタクル20は、筐体10の第2側面28(レンズホルダ50の側面)に接続されている。レンズホルダ50は、LD34からのレーザ光がレセプタクル20内に挿入された光ファイバに入射するように、レーザ光を集光するレンズ52を保持している。筐体10の底面22には、第1突起部16aと第2突起部16bとからなる突起部16が設けられていて、LD34及び駆動回路42と突起部16とは、筐体10の底壁54、実装基板40、サブ搭載基板38を介して電気的に接続している。
【0028】
図6は、図4(a)のA−A間の断面図の例であり、筐体10に収納されている光素子が受光素子、例えばPD(フォトダイオード)である場合の例である。図6のように、筐体10が有するキャビティの内底面32に設けられた実装基板40に、サブ搭載基板38と配線基板44とが実装されている。サブ搭載基板38には、PD35が搭載されたPD搭載基板37が設けられている。また、サブ搭載基板38には、PD35で発生した電流を電圧に変換するトランスインピーダンスアンプ43も設けられている。配線基板44には、PD35で光信号から変換された電気信号を伝搬するマイクロストリップライン46が形成されている。マイクロストリップライン46とPD35及びトランスインピーダンスアンプ43とは電気的に接続している。
【0029】
実装基板40及び筐体10の底壁54を貫通する第1端子12は、PD35やトランスインピーダンスアンプ43に電気的に接続していて、第1端子12を介して、PD35やトランスインピーダンスアンプ43に電力が供給され、また、トランスインピーダンスアンプ43に制御信号が伝搬される。筐体10の側壁56を貫通する第2端子14は、PD35やトランスインピーダンスアンプ43に電気的に接続していて、PD35で光信号から変換された電気信号は、トランスインピーダンスアンプ43、マイクロストリップライン46を介して、第2端子14から出力される。また、レンズホルダ50で保持されるレンズ52は、レセプタクル20内に挿入された光ファイバを伝搬してきた光をPD35に集光させる働きをする。その他の構成については、図5の光素子がLD34である場合と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0030】
なお、図5の光素子がLD34である場合において、駆動回路42は設けられていない場合でもよい。また、図6の光素子がPD35である場合において、トランスインピーダンスアンプ43は設けられていない場合でもよい。
【0031】
次に、図7(a)及び図7(b)を用いてフレキシブル基板18について詳しく説明する。図7(a)は、フレキシブル基板18の上面図の例であり、図7(b)は、フレキシブル基板18を上面側から見た斜視図の例である。図7(a)及び図7(b)のように、フレキシブル基板18の中央部分に、対向する1組の第1溝部58aと、対向する1組の第1溝部58aを夫々の端部で接続する第2溝部58bと、で構成される分割溝58が形成されている。第1溝部58aは、フレキシブル基板18の長辺と同じ方向に延在する。フレキシブル基板18は、分割溝58により第1領域60と第2領域62とに分割されていて、第1領域60と第2領域62とは互いに反対側に折り曲げられている。第1領域60には第1配線64が設けられ、第2領域62には第2配線66が設けられている。第1配線64と第2配線66とは、フレキシブル基板18に設けられているコネクタ端子68に接続している。コネクタ端子68は、制御回路が形成されたプリント基板との電気的接続に用いられる。第1領域60には、貫通孔70が設けられている。フレキシブル基板18は、例えばポリイミドを含む材料で形成されている。第1配線64及び第2配線66は、例えば金メッキを施した銅等の金属で形成されている。
【0032】
図1(a)から図2に戻り、フレキシブル基板18の第1領域60は、筐体10の底面22に配置され、第1領域60に設けられた貫通孔70に、第1端子12が挿入され、半田付けされている。これにより、第1端子12と第1配線64とは電気的に接続している。フレキシブル基板18の第2領域62は、筐体10の第1側面24に、第2端子14の延在方向に水平な方向から接続され、半田付けされている。つまり、第2配線66は、第2端子14に、第2端子14の延在方向に水平な方向から接続している。これにより、第2端子14と第2配線66とは電気的に接続している。第1領域60と第2領域62とに分割されたことでフレキシブル基板18に設けられた開口部72に、第2突起部16bが配置されている。
【0033】
以上説明してきたように、実施例1によれば、図4(b)等に示したように、光素子を内部に収納する筐体10の底面22に、筐体10の底面22から導出された第1端子12よりも突出した突起部16が設けられている。これにより、第1端子12を突起部16により保護できることから、筐体10の第1側面24から第2端子14を導出するのみならず、底面22から第1端子12を導出することができ、光デバイスから導出される端子数を増大させることができる。また、突起部16により第1端子12がケース等の外部部品と接触することを抑制でき、第1端子12の損傷、外部部品との電気的ショート等が生じることを抑制できる。
【0034】
図2等に示したように、分割溝58により第1領域60と第2領域62とに分割されたフレキシブル基板18が、第1領域60に設けられた第1配線64と第1端子12とが電気的に接続し、第2領域62に設けられた第2配線66と第2端子14とが電気的に接続するように、筐体10に接続している。これにより、1枚のフレキシブル基板18によって、筐体10の底面22から導出された第1端子12と、第1側面24から導出された第2端子14とを、筐体10の側方へと引き出すことができる。よって、1枚のフレキシブル基板18により、第1端子12及び第2端子14と、制御回路が形成されたプリント基板と、の間の電気的接続が実現できる。
【0035】
図7(a)等に示したように、フレキシブル基板18の第1領域60には貫通孔70が設けられていて、図1(b)及び図2に示したように、筐体10の底面22から導出された第1端子12が、貫通孔70に挿入されることで、第1端子12と第1配線64とが電気的に接続している。これにより、第1端子12と第1配線64との電気的接続を確実にできる。
【0036】
図1(b)に示したように、第1領域60と第2領域62とに分割されたことによりフレキシブル基板18に形成された開口部72に、筐体10の底面22に設けられた第2突起部16bが配置されている。これにより、筐体10にフレキシブル基板18を接続する際に、筐体10とフレキシブル基板18との面積を効率的に使用できる。
【0037】
図1(a)から図2に示したように、フレキシブル基板18の第2領域62は、第2端子14の延在方向に水平な方向から筐体10に接続している。つまり、第2領域62に設けられた第2配線66は、第2端子14の延在方向に水平な方向から第2端子14に接続している。これにより、第2端子14を、光素子で光信号に変換される高周波電気信号の入力用または光素子で光信号から変換された高周波電気信号の出力用に用いる場合に、第2端子14と第2配線66との不連続性による損失を抑制でき、良好な高周波特性が得られる。したがって、第2端子14は、筐体10に収納される光素子に対する電気信号の入力用または出力用の端子として用いる場合が好ましい。フレキシブル基板18の第2配線66は、マイクロストリップラインやコプレーナ線路等の高周波電気信号を伝送する高周波伝送線路である場合が好ましい。一方、第1端子12は、貫通孔70に挿入されることで第1配線64に電気的に接続しているため、高周波電気信号が伝搬する場合、第1端子12と第1配線64との不連続性による損失が問題になる。したがって、第1端子12は、光素子や電子部品の電源供給用の端子や、電子部品の制御用の端子として用いられる場合が好ましい。
【0038】
図5のように、LD34の光素子及び駆動回路42の電子部品を実装した実装基板40、または、図6のように、PD35の光素子及びトランスインピーダンスアンプ43の電子部品を実装した実装基板40が、筐体10が有するキャビティの内底面32に設けられ、光素子及び電子部品と突起部16とは、筐体10の底壁54及び実装基板40を介して電気的に接続している。光素子や電子部品は熱を発生するため、信頼性等の点から、発生した熱を放熱することが好ましい。特に、光素子がLD34である場合、LD34及び駆動回路42は熱を発生し易く、熱によってLD34の特性が変動することから、発生した熱を放熱することが望まれる。実施例1によれば、ケース等に光デバイスを搭載する際に、突起部16で光デバイスの筐体10を支持することで、光素子や電子部品で発生した熱を、筐体10の底壁54及び突起部16を介してケース等に効率よく放熱できる。例えば、筐体10の底面22から導出された第1端子12がケース等と接触することを抑制するために、筐体10の上面に設けられた蓋48側をケース等に取り付けることが考えられるが、この場合、光素子や電子部品で発生した熱は、筐体10の底壁54、側壁56、及び蓋48を介してケース等に放熱するため、放熱性が悪い。したがって、光素子や電子部品で発生した熱を効率よく放熱させるためには、筐体10の底壁54側をケース等に取り付ける場合が好ましい。
【0039】
図3から図4(b)に示したように、第1突起部16aは、レセプタクル20が接続する筐体10の第2側面28と同一面を形成する場合を例に示したが、同一面を形成しない場合でもよい。しかしながら、レセプタクル20の取り付け面積を十分に確保するために、第1突起部16aは、第2側面28と同一面を形成する場合が好ましく、第2側面28と底面22との間の辺の一端から他端に延在して設けられている場合が好ましい。また、第2突起部16bは、レセプタクル20が接続する第2側面28と反対側の第1側面24と同一面を形成する場合を例に示したが、同一面を形成せずに、第1側面24側に設けられている場合でもよい。また、第2突起部16bは、フレキシブル基板18の第1領域60が筐体10の底面22に配置できるよう、第1側面24の両側に位置する側面の間全体に設けられていない場合が好ましい。
【0040】
図8は、実施例1の変形例1に係る光デバイスを底面側から見た斜視図の例である。なお、図8において、フレキシブル基板18に形成された配線及びコネクタ端子については、簡略化の為に図示を省略している。図8のように、実施例1の変形例1に係る光デバイスは、筐体10の底面22に配置されたフレキシブル基板18の第1領域60に、筐体10に収納された光素子等に電気的に接続するコンデンサ、コイル、抵抗などのチップ部品74が設けられている。突起部16は、チップ部品74よりも突出して設けられている。その他の構成については、実施例1と同じであり、図1(a)及び図1(b)に示しているため、ここでは説明を省略する。
【0041】
このように、実施例1の変形例1によれば、フレキシブル基板18の第1領域60のうち、筐体10の底面22に位置する部分には、光素子等に電気的に接続するチップ部品74が設けられ、突起部16は、チップ部品74よりも突出して設けられている。これにより、チップ部品74を突起部16により保護でき、チップ部品74が外部部品と接触することを抑制できる。
【0042】
図9は、実施例1の変形例2に係る光デバイスを底面側から見た斜視図の例である。なお、図9において、フレキシブル基板18に形成された配線及びコネクタ端子については、簡略化の為に図示を省略している。図9のように、実施例1の変形例2に係る光デバイスは、第1突起部16aから第2突起部16bにかけてパッケージ用カバー76が設けられていて、フレキシブル基板18の第1領域60を覆っている。つまり、第1端子12は、パッケージ用カバー76で覆われている。パッケージ用カバー76は、筐体10に収納された光素子等の放熱性を考慮すると熱伝導率の高い材料で形成される場合が好ましく、例えばコバール等の金属で形成される場合が好ましい。光素子等の放熱性を考慮しなくてよい場合は、パッケージ用カバー76は、プラスチック等の強度を保てる材料であれば絶縁物で形成されている場合でもよい。
【0043】
実施例1の変形例2のように、突起部16に接続するとともに、第1端子12を覆うパッケージ用カバー76が設けられていることで、第1端子12が外部部品と接触することをより抑制できる。また、実施例1の変形例1のようにチップ部品74が設けられている場合は、チップ部品74が外部部品と接触することをより抑制できる。
【実施例2】
【0044】
図10(a)は、実施例2に係る光デバイスの底面図の例であり、図10(b)は、実施例2に係る光デバイスに用いられるフレキシブル基板の底面図の例である。なお、図10(a)及び図10(b)において、フレキシブル基板に形成された配線及びコネクタ端子については、簡略化の為に図示を省略している。図10(a)のように、実施例2に係る光デバイスは、突起部16が、筐体10の第2側面28と同一面を形成する第1突起部16aと、筐体10の第1側面24と同一面を形成し、筐体10の角部に2つに分割して設けられた第2突起部16bと、で構成される。
【0045】
図10(b)のように、フレキシブル基板18には、対向する側面夫々から切り込まれた2つの第3溝部58cと、2つの第3溝部58c夫々から互いに同じ方向に延在して形成された第4溝部58dと、からなる分割溝58が形成されている。第4溝部58dは、フレキシブル基板18の長辺と同じ方向に延在する。フレキシブル基板18は、分割溝58により第1領域60と第2領域62とに分割されていて、第1領域60と第2領域62とは互いに反対側に折り曲げられている。そして、図10(a)のように、第3溝部58cに相当する箇所に、第2突起部16bが配置されている。その他の構成については、実施例1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0046】
このように、実施例2に係る光デバイスによれば、図10(a)のように、突起部16は、筐体10の第2側面28と同一面を形成する第1突起部16aと、第1側面24と同一面を形成し、筐体10の角部に位置する2つの第2突起部16bと、で構成される。このように、第1側面24側に設けられた第2突起部16bを複数とする場合でも、実施例1と同様に、筐体10の底面22から導出された第1端子12が、外部部品と接触することを抑制できる。
【実施例3】
【0047】
図11(a)は、実施例3に係る光デバイスの底面図の例であり、図11(b)は、実施例3に係る光デバイスに用いられるフレキシブル基板の底面図の例である。なお、図11(a)及び図11(b)において、フレキシブル基板に形成された配線及びコネクタ端子については、簡略化の為に図示を省略している。図11(a)のように、実施例3に係る光デバイスは、突起部16が、筐体10の第2側面28と同一面を形成する第1突起部16aと、第2側面28側から第1側面24側に向かって延在する第3突起部16cと、で構成される。つまり、突起部16は、T字型の形状をしている。
【0048】
図11(b)のように、フレキシブル基板18には、中央部分に設けられた対向する1組の第1溝部と対向する1組の第1溝部を夫々の端部で接続する第2溝部とで構成される第5溝部58eと、フレキシブル基板18の長辺と同じ方向に延在して、第2溝部からフレキシブル基板18の側面に達して設けられた第6溝部58fと、からなる分割溝58が形成されている。フレキシブル基板18は、分割溝58により第1領域60と第2領域62とに分割されていて、第1領域60と第2領域62とは互いに反対側に折り曲げられている。そして、図11(a)のように、第6溝部58fに相当する箇所に、第3突起部16cが配置されている。その他の構成については、実施例1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
このように、実施例3に係る光デバイスによれば、図11(a)のように、突起部16は、筐体10の第2側面28と同一面を形成する第1突起部16aと、第2側面28から第2側面28と反対側の第1側面24に向かって延在する第3突起部16cと、で構成される。これによっても、実施例1と同様に、筐体10の底面22から導出された第1端子12が、外部部品と接触することを抑制できる。
【0050】
第3突起部16cは、第1側面24にまで達して延在する場合に限らず、第1側面24にまで達していなくても、第1端子12が外部部品との接触から回避できる程度の長さ延在している場合であればよい。
【0051】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 筐体
12 第1端子
14 第2端子
16 突起部
16a 第1突起部
16b 第2突起部
16c 第3突起部
18 フレキシブル基板
20 レセプタクル
22 底面
24 第1側面
26 絶縁体
28 第2側面
30 孔部
32 内底面
34 LD
35 PD
36 LD搭載基板
37 PD搭載基板
38 サブ搭載基板
40 実装基板
42 駆動回路
43 トランスインピーダンスアンプ
44 配線基板
46 マイクロストリップライン
48 蓋
50 レンズホルダ
52 レンズ
54 筐体の底壁
56 筐体の側壁
58 分割溝
60 第1領域
62 第2領域
64 第1配線
66 第2配線
68 コネクタ端子
70 貫通孔
72 開口部
74 チップ部品
76 パッケージ用カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子を内部に収納する筐体と、
前記筐体の底面から導出された、前記光素子に電気的に接続する第1端子と、
前記筐体の側面から導出された、前記光素子に電気的に接続する第2端子と、
前記筐体の底面に設けられた、前記第1端子よりも突出した突起部と、を備えることを特徴とする光デバイス。
【請求項2】
分割溝により第1領域と第2領域とに分割されたフレキシブル基板を更に備え、
前記第1領域に設けられた第1配線は前記第1端子に電気的に接続し、前記第2領域に設けられた第2配線は前記第2端子に電気的に接続することを特徴とする請求項1記載の光デバイス。
【請求項3】
前記フレキシブル基板の前記第1領域に設けられた貫通孔に前記第1端子が挿入されてなることを特徴とする請求項2記載の光デバイス。
【請求項4】
前記フレキシブル基板に設けられた開口部に、前記突起部が配置されることを特徴とする請求項2または3記載の光デバイス。
【請求項5】
前記フレキシブル基板の前記第2配線は、前記第2端子の延在方向に水平な方向から前記第2端子に接続することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項記載の光デバイス。
【請求項6】
前記フレキシブル基板の前記第1領域のうち、前記筐体の底面に位置する部分には、チップ部品が設けられてなり、
前記突起部は、前記チップ部品よりも突出していることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項記載の光デバイス。
【請求項7】
前記筐体の内部に収納される前記光素子は、発光素子または受光素子であり、
前記第1端子は、前記光素子の電源供給用の端子であり、
前記第2端子は、前記光素子に対する電気信号の入力用または出力用の端子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の光デバイス。
【請求項8】
前記第2配線は高周波伝送線路であることを特徴とする請求項7記載の光デバイス。
【請求項9】
前記突起部に接続するとともに、前記第1端子を覆うカバーが設けられてなることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の光デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−84614(P2012−84614A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227831(P2010−227831)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】