説明

光ビームシフトを追跡する方法及びシステム

【課題】光ビームシフトを追跡する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】光インターコネクトが、複数の光源を有する光送信機と、光源から放射される光ビームを受信するように構成される光検知アレイと、光検知アレイと通信するビーム追跡モジュールとを備える。ビーム追跡モジュールは、光検知アレイからのサンプル読み値の少なくとも一部と、光検知アレイからの基準読み値の複数のシフトした値のうちの少なくとも一部との間で得られる相互相関データからの極値825を外挿することによって、光ビームのうちの少なくとも1つの光ビームの変位を計算するように構成される。関連する方法は、光検知アレイからの、サンプル読み値と、基準読み値の複数のシフトした値のうちの少なくとも一部との間で得られる相互相関データからの極値825を外挿することによって、光ビームの変位を計算することを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長距離にわたって、及び隣接する回路基板間においての双方で、電子デバイス間でデジタルデータを伝送するために、光ビーム又は光信号が頻繁に使用される。
データを搬送するために、光ビームが必要に応じて変調され得る。
位置又は動作検知、距離測定等を含む他の目的を果たすためにも、光信号が用いられる場合がある。
【0002】
したがって、最新の電子機器において、光学技術が重要な役割を果たし、多くの電子デバイスが光学構成要素を利用している。
そのような光学構成要素の例は、発光ダイオード及びレーザのような光源又は発光源、導波路、光ファイバ、レンズ及び他の光学素子、光検出器及び他の光学センサ、感光性半導体等を含む。
【0003】
光学構成要素を利用するシステムは多くの場合に、所望のタスクを成し遂げるために、光のビームのような光エネルギーを正確に操作することに頼る。
これは、回路基板間の高速で低エネルギーのデータ通信のために光を利用するシステムにおいて特に当てはまる。
光信号を操作することは、光ビーム上へのデータを変調する過程と、光ビームを、意図した受信機に方向付ける過程とを含む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光ビームシフトを追跡する方法及びシステムを提供する。
【0005】
添付の図面は、本明細書において記載される原理の種々の実施形態を例示し、本明細書の一部である。
図示される実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本明細書において記述される原理による、1つの例示的な基板間データ通信システムの図である。
【図2】本明細書において記述される原理に一致する、光ビームシフトを追跡する1つの例示的なシステムのブロック図である。
【図3】本明細書において記述される原理に一致する、光ビームシフトを追跡する1つの例示的なシステムのブロック図である。
【図4A】本明細書において記述される原理に一致する、1つの例示的な光検知アレイの図である。
【図4B】本明細書において記述される原理に一致する、1つの例示的な光検知アレイの図である。
【図5A】本明細書において記述される原理に一致する、1つの例示的な光検知アレイの一部の図である。
【図5B】本明細書において記述される原理に一致する、1つの例示的な光検知アレイの一部の図である。
【図6】本明細書において記述される原理に一致する、物理的な位置における列挙される種々の例示的なシフト間の関係、及び対応する例示的な2次元変位の概略図である。
【図7】本明細書において記述される原理に一致する、相互相関値を求めるために用いられる光ビームの種々の例示的な変位の概略図である。
【図8】本明細書において記述される原理に一致する、計算された光ビーム変位に対応する1つの例示的なガウス表面のグラフ表示である。
【図9】本明細書において記述される原理に一致する、光ビームシフトを追跡する1つの例示的な方法を示すフローチャートである。
【図10】本明細書において記述される原理に一致する、光ビームシフトを追跡する1つの例示的な方法を示すフローチャートである。
【図11】本明細書において記述される原理に一致する、光ビームシフトを補償する1つの例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面全体を通して、同一の参照符号は、必ずしも同一ではないが、類似の構成要素を示す。
【0008】
上記で言及されたように、光学ビーム又は光ビームは、データ伝送を含む、種々の目的のために用いることができる。
さらに、回路基板上の大きな空間を占有することなく、帯域幅を広げ、且つ/又は信頼性を高めるために、複数のチャネルを介して光学的に通信することが望ましい場合もある。
さらに、そのようなシステムにおいて光学的なインピーダンス、干渉及び/又は歪みを最小限に抑えることが望ましい場合もある。
しかしながら、光ビームを用いて、別個の回路基板内にある構成要素のような、物理的に離れている電子構成要素間でデータを通信するとき、それらの構成要素間の正確な位置合わせを保持することが必要とされる。
【0009】
別個の回路基板上の光学構成要素間の位置合わせに影響を及ぼす可能性がある1つの要因は、ファンのような機械的な構成要素からの音響雑音である。
この音響雑音、及び結果としてシステム内で生じる振動が、光源及び/又は光受信機に物理的な変位を引き起こす場合があり、それにより光学構成要素間の位置合わせが変化し、結果として、データの光学的な伝送が中断されるか、又は伝送の実効性が低下する場合がある。
【0010】
回路基板構成要素間のデータ伝送を提供することへの1つの従来の光学的な解決策は、プラスチック導波路を用いて、データを保持する光信号を基板の縁部に送信し、その信号を回路基板ラックのバックプレーン内の光導波路内に結合し、その後、その信号を、別の回路基板上の別の導波路内に送信することを含む。
導波路製造コスト、及び導波路接合部における光学的な損失に関連付けられる問題に加えて、この解決策は一般的に、構成要素間の自由空間光データ伝送よりも、物理的なデータ経路長が長い。
【0011】
しかしながら、自由空間光データ伝送による解決策は、導波路及び導電体による解決策よりもはるかに優れた利点を提供するものの、一般的に、上記の構成要素アラインメントの問題も呈する。
さらに、複数の光チャネルが実装されるときに、光学構成要素が、著しく広い回路基板面積を占めることがある。
それゆえ、基板空間において占める広さを最小限に抑えながら、ミスアラインメントの問題に対して耐性があり且つマルチチャネル通信を可能にする、回路基板間の構成要素間データ伝送のための自由空間光インターコネクトシステムを提供することがさらに望ましい場合がある。
【0012】
これらの目的及び他の目的を果たすために、本明細書は、光検知アレイを用いて光ビームを空間的に追跡することに関連するシステム及び方法を開示する。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、用語「光エネルギー」は、実質的に10ナノメートル〜500マイクロメートルの波長を有する放射エネルギーを指している。
このように規定される光エネルギーは、限定はしないが、紫外光、可視光及び赤外光を含む。
光エネルギーのビームは、本明細書において、「光ビーム」又は「光学ビーム」と呼ばれる場合もある。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、用語「光源」は、光エネルギーが発生するデバイスを指している。
このように規定される光源の例は、限定はしないが、発光ダイオード、レーザ、白熱電球、及びランプを含む。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、用語「光受信機」は、光エネルギーを検出し、対応する電気信号を出力するように構成されるデバイスを指している。
このように定義される光受信機の例は、限定はしないが、フォトダイオード、フォトトランジスタ及び光センサを含む。
【0016】
本明細書において記述される機能ユニットのうちの多くは、独立して実装できることを特に強調するために、モジュールと呼ばれる。
たとえば、モジュールは、種々のタイプのプロセッサによって実行するためのソフトウエアにおいて実装される場合がある。
実行可能コードから成る特定のモジュールは、たとえば、オブジェクト、手順又は関数として編成される場合があるコンピュータ命令から成る1つ又は複数の物理ブロック又は論理ブロックを有する場合がある。
それにもかかわらず、特定のモジュールの実行可能コードは、物理的に一緒に配置される必要はなく、異なる場所に格納される異種の命令を有してもよく、それらの命令が論理的に結合されるときにモジュールを構成し、そのモジュールの決まった目的を果たす。
たとえば、実行可能コードから成る或るモジュールは単一の命令、又は多数の命令とすることができ、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラム間で、そしていくつかのメモリデバイスにわたって分散されてもよい。
【0017】
以下の説明において、本システム及び本方法を十分に理解してもらうために、説明の目的上、多数の具体的な細部が記載される。
しかしながら、本システム及び本方法がこれらの具体的な細部を用いることなく実施されてもよいことは当業者には明らかであろう。
本明細書において「一実施形態」、「一実施例」又は類似の語を参照することは、該実施形態又は実施例との関連で説明される或る特定の機構、構造又は特徴が、少なくとも、その1つの実施形態に含まれるが、必ずしも他の実施形態に含まれるとは限らないことを意味する。
本明細書内の種々の場所における「一実施形態において」という言い回し、又は類似の言い回しの様々な事例は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0018】
ここで、本明細書において開示される原理を、例示的なシステム及び例示的な方法に関して説明する。
【0019】
例示的なシステム
ここで図1を参照すると、例示的な基板間通信システム100が示される。
例示的なシステム100は第1の回路基板105と第2の回路基板110とを備える。
データで符号化された光ビーム135、140を対応する光検知アレイ120、125に送信するように構成される光送信機115、130を有する光インターコネクトを用いて、第1の回路基板105と第2の回路基板110との間でデータが転送される。
本例における回路基板105、110のそれぞれは、光送信機115、130及び光検知アレイ120、125を有し、2つの回路基板105、110間で双方向に光通信できるようにする。
【0020】
光送信機115、130のそれぞれは複数の光源を含み、それにより、複数の光ビームを対応する光検知アレイ120、125に同時に送信できるようになる。
そのような各光ビームは、データ伝送のための別個のチャネルとすることができる。
さらに、光検知アレイ120、125のそれぞれは複数の光検知素子を含み、それらの光検知素子は、入射する光エネルギーの光学的属性に対応する電気信号を出力するように構成される。
多くの実施形態において、光検知アレイ120、125は、対応する光送信機115、130内の光源の数よりもはるかに多くの数の光検知素子を有する。
これらの実施形態では、光送信機115、130内の個々の光源から送信される光ビームは典型的には、対応する光検知アレイ120、125内の複数の光検知素子によって検出される。
【0021】
いくつかの実施形態では、光送信機115、130内の光源は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)、ダイオードレーザ、又は他の半導体系レーザのようなレーザとすることができる。
光送信機115、130又は光検知アレイ120、125の実施形態によっては、都合に合わせて、光送信機115、130から放射されるか、又は検知アレイ120、125によって受信される光ビーム135、140の光路を生成するか、該光ビームを合焦するか、又は該光ビームの他の操作を実行するレンズを備えてもよい。
【0022】
上記のように、光送信機115、130及び光検知アレイ120、125を有する回路基板105、110は、音響雑音、及びその結果として生じる振動によって引き起こされる悪影響を受けやすい場合がある。
多くの場合に、この音響雑音は、回路基板105、110に関連する1つ又は複数のファンによる機械的な動作の結果である場合がある。
音響雑音は、たとえば、図1において矢印によって指示される方向において、回路基板105、110の物理的な変位を引き起こす場合があり、それゆえ、光送信機115、130と光検知アレイ120、125との間の位置合わせ不良を引き起こす場合がある。
【0023】
いくつかの実施形態において、光送信機115、130及び/又は光検知アレイ120、125は、回路基板105、110内にある微小電気機械システム(MEMS)又は他の機械デバイスを用いて、それらの光送信機及び光検知アレイを収容する回路基板105、110に対して動かされる場合がある。
このようにして、回路基板105、110の振動によって引き起こされる、対応する光送信機115、130と光検知アレイ120、125との間の位置合わせ不良及び/又は回転を相殺することができ、それにより、基板位置合わせ不良又は回転から生じる可能性があるデータ損失を防ぐことができる。
他の例においてさらに詳細に説明されるように、回路基板105、110のうちの一方にあるビーム追跡モジュールが、光ビームドリフトを検出し、光学構成要素115、130、120、125の物理的な位置を変更する構成要素にフィードバックを与えることができる。
【0024】
ここで図2を参照すると、光ビームシフトを追跡する例示的なシステム200のブロック図が示される。
そのシステムは、第1の回路基板205及び第2の回路基板225を備える。
上記で説明された例示的なシステム100と同様に、本システム200の回路基板205、225は、双方向で基板間通信をするように設計される。
回路基板205、225のそれぞれは、光送信機(それぞれ210、230)と、対応する光検知アレイ220、235とを有する。
第1の回路基板205の光送信機210は、第2の回路基板225の光検知アレイ235にデータを光学的に送信するように構成される。
同様に、第2の回路基板225の光送信機230は、第1の回路基板205の光検知アレイ220にデータを光学的に送信するように構成される。
【0025】
本例では、第2の回路基板225は光検知アレイ235と通信するビーム追跡モジュール240を備える。
ビーム追跡モジュールは、光検知アレイ235において受信される少なくとも1つの光ビームの変位を追跡する。
光ビーム変位は、音響雑音、振動、熱膨張又は熱収縮、或いは他の機械的影響に起因して生じる場合がある。
【0026】
ビーム追跡モジュール240は、光検知アレイ235から基準読み値を得ることによって、光ビームの変位を計算する。
基準読み値の後に、同じ光検知アレイ235からサンプル読み値が得られ、基準読み値の種々のシフトした値のうちの少なくとも一部及びサンプル読み値のうちの少なくとも一部に関して相互相関関数が実行される。
その後、相互相関データは、基準読み値のシフトした値によって表される起こり得る変位に従ってモデル化され、モデル化されたデータからの計算された極値を外挿することによって、実際の変位計算値が得られる。
その後、その過程が繰り返されるとき、そのサンプル読み値は、次の変位計算のための基準読み値になる場合がある。
この過程は、図4〜図8を参照しながら、さらに詳細に検討されるであろう。
【0027】
光検知アレイからサンプル読み値及び基準読み値が取り込まれるときに、2つの基板205、225間の光通信は、極めて短時間だけ一時的に休止される場合がある。
一般的に、ビーム追跡モジュール240が有効に機能して、振動の周波数(典型的には約1kHz〜10kHzである)よりも速い速度であるが、データ転送速度(典型的には、光データの場合、500MHzよりも大きい)よりも遅く光ビームの変位を計算するときに、回路基板205、225内の音響雑音、振動等からの機械的な変位の有害な影響を相殺及び補償することができる。
【0028】
第2の回路基板225は、ビーム追跡モジュール240と通信する位置コントローラ245も備えており、位置コントローラは、第2の基板の光検知アレイ235を物理的に動かすように構成される。
位置コントローラ245は、ビーム追跡モジュール240からフィードバックを受信し、光検知アレイ235を物理的に動かして、検出される任意の位置合わせ不良(すなわち、変位)を補償する。
位置コントローラ245は、MEMS、電気モータ、ギア、トラック、及び光検知アレイ235を動かして、計算されたドリフトを補償するために必要とされる他のハードウエアを含むことができる。
【0029】
実施形態によって、光送信機230及び光検知アレイ235のいずれか一方が、又はその両方が、位置コントローラによって物理的に動かされる場合がある。
実施形態によっては、第1及び第2の回路基板205、225の両方が、ビーム追跡モジュール240及び位置コントローラ245を備え、システム100の振動及び他の物理的な動きを補償する。
【0030】
ここで図3を参照すると、光ビームシフトを追跡及び補償する別の例示的なシステム300のブロック図が示される。
そのシステム300は、第1の回路基板305及び第2の回路基板325を備える。
上記で説明された例と同様に、本システム300の回路基板305、325は、基板間で双方向の光通信をするように設計される。
回路基板305、325のそれぞれは、光送信機(それぞれ310、330)と、対応する光検知アレイ320、335とを有する。
第1の回路基板305の光送信機310は、第2の回路基板325の光検知アレイ335にデータを光学的に送信するように構成される。
同様に、第2の回路基板325の光送信機330は、第1の回路基板305の光検知アレイ320にデータを光学的に送信するように構成される。
【0031】
この特定のシステム300では、データで符号化された多数の光ビームが光送信機310、330のそれぞれから放射され、対応する光検知アレイ(それぞれ335、320)において受信及び復調されるように、回路基板305、325間でマルチチャネル光データ転送が行なわれる場合がある。
光検知アレイ320、335のそれぞれは、複数の光検知素子を備える。
光検知アレイ320、335のそれぞれにおける光検知素子のうちのいくつかが、光送信機330、310の特定の素子によって放射される個々の特定の光ビームから受信される光エネルギーを測定するように指定される場合がある。
光検知アレイ320、335内の光検知素子の特定のグループを特定の光ビームに割り当てることによって、異なる光ビーム上に符号化されるデータの別個のチャネルが復調され、それらの意図した宛先に正しく送られることができる。
【0032】
しかしながら、上記のように、回路基板305、325内の振動及び他の機械的な動きによって光ビームがシフトする場合があり、それにより、光ビームが、種々の光ビームに当初に割り当てられたのとは異なる、光検知アレイ320、335内の光検知素子によって検出されるようになる。
この結果として、補償又は補正しない場合、データの損失及び/又はチャネル間のクロストークが生じる場合があり、その結果システム300の性能が劣化する。
【0033】
この問題を克服するために、本例の第1の回路基板及305び第2の回路基板325のそれぞれは、ビーム追跡及び補償モジュール(それぞれ315、340)を備える。
ビーム追跡及び補償モジュール315、340は、それぞれの光検知アレイ320、335と通信し、個々の光アレイのドリフト及び物理的変位の変化を追跡する。
ビームシフトが検出されるのに応じて、特定の光ビーム又は情報チャネルに対する、光検知アレイ320、335内の特定の光検知素子の割当てを変更して、ビームシフトを補償することができる。
いずれの光検知素子が、光ビーム及び関連するデータチャネルのうちのいずれに対応するかを動的に保守及び更新することによって、振動があっても、連続してデータを流すことができる。
【0034】
ビーム追跡及び補償モジュール315、340は、対応する光検知アレイ320、335から基準読み値を得ることによって、光検知素子によって検出される光ビームの変位を動的に計算する。
基準読み値の後に、同じ光検知アレイ320、335からサンプル読み値が得られ、基準読み値の種々のシフトした値のうちの少なくとも一部及びサンプル読み値の少なくとも一部に関して相互相関関数が実行される。
その後、相互相関データは、基準読み値のシフトした値によって表される起こり得る変位に従ってモデル化され、モデル化されたデータからの計算された極値を外挿することによって、実際の変位計算値が得られる。
この過程は、図4〜図8を参照しながら、さらに詳細に検討される。
【0035】
上記で検討されるように、光検知アレイからサンプル読み値及び基準読み値が取り込まれるときに、2つの基板305、325間の光通信は、極めて短時間だけ一時的に休止される場合がある。
一般的に、ビーム追跡及び補償モジュール315、340が有効に機能して、音響周波数(典型的には約1kHz〜10kHzである)よりも速い速度であるが、データ転送速度(典型的には、光データの場合、500MHzよりも大きい)よりも遅く光ビームの変位を計算するときに、回路基板305、325内の振動からの機械的な変位の有害な影響を相殺及び補償することができる。
【0036】
本システム300は、回路基板上の光学構成要素のうちのいずれかの能動的な方向操作又は動きを必要とすることなく、光ビームドリフトの補償が受動的に成し遂げられるという点でも好都合である。
ビーム追跡及びシフト補償に対するこの受動的な手法が必要とするエネルギーは、従来の手法よりもはるかに少ない。
【0037】
ここで図4A及び図4Bを参照すると、1つの例示的な光検知アレイ405が示されており、1つの例示的なパターンが、光送信機(210、図2)からの光ビーム410が光検知アレイ405に如何に突き当たる場合があるかを示す。
光検知アレイ405は複数の光検知素子415を含む。
【0038】
光検知素子415は、素子415上に入射する光エネルギーを検出し、その光エネルギーを指示する電気信号を出力するように構成される。
たとえば、光検知素子415は、検出される光エネルギーの強度を特徴付ける電気信号を出力することができる。
他の実施形態では、光検知素子415は、たとえば、色フィルタを用いて、光エネルギーの特性波長を指示する電気信号を出力する場合がある。
さらに別の実施形態では、光検知素子415は、特性しきい値を超える光エネルギーの存在を指示する簡単なデジタル出力を生成する場合がある。
光ビームの強度、特性波長及び/又はパルス長を変化させることによって、光ビーム410上にデータを符号化することができるため、その後、光検知素子415によって出力される電気信号を用いて、光ビーム410からデータを復号し、そのデータを意図した宛先(複数可)に転送することができる。
【0039】
上記で説明されたように、光検知素子415のうちのいくつかが特定の光ビーム410に関連付けられ、光ビーム410のそれぞれの上に符号化されるデータは、その光ビームに関連付けられる光検知素子415からの電気的な出力を用いて復調される。
しかしながら、振動に起因する光ビームシフトに直面するとき、本明細書において上記で説明されたように、いずれの特定の光検知素子415が個々の光ビーム410に割り当てられるかが調整又は再構成される。
【0040】
図4Aは、或る時点における光検知アレイ405上の光ビーム410の取り得るパターンを示し、図4Bは、たとえば、音響雑音、振動又は他の要因に起因してビーム変位が生じた後の、後の時点における光検知アレイ405上の同じ光ビーム410の取り得るパターンを示す。
図4A及び図4Bに示されるように、それらの光ビームはガウス分布を有することができ、ビームの中央部分におけるピーク強度が、図中において、より暗く陰影を付けることによって指示されている。
最適な機能、データフロー及びデータ完全性を得るために、光ビーム410のそれぞれに関連付けられる光検知素子415は、光ビーム410の計算された変位に従って調整される。
【0041】
光ビーム410のこの計算された変位は、光検知アレイ405から基準読み値を得て、その後、基準読み値と比較するためのサンプル読み値を得ることによって実行される。
本例では、図4Aは、基準読み値の時点において光検知アレイ405によって検出される光ビーム410のパターンを表し、図4Bは、サンプル読み値の時点において光検知アレイ405によって検出される光ビーム410のパターンを表す。
【0042】
基準読み値とサンプル読み値との間で生じるビーム変位(存在する場合)を計算するために、基準読み値及びサンプル読み値の一部が用いられる。
【0043】
図5Aは、基準読み値において個々の光ビーム510に対応する光検知アレイ(405、図4)の一部505によって検出される光の図式的表現を示す。
図5Bは、後続のサンプル読み値において個々の光ビーム510に対応する光検知アレイ(405、図4)の一部515によって検出される光の図式的表現を示す。
【0044】
光ビームを光検知アレイ(235、図2)に向かって放射する光源のそれぞれは、同じ光送信機(210、図2)上に配置されるか、又はその中に組み込まれるため、送信機(210、図2)の光源は同じ空間変位を同時に受けるものと仮定することができる。
言い換えると、光送信機(210、図2)からの1つの光ビーム510において空間変位が検出されるとき、その光送信機(210、図2)内の他の光源も同様の、又は同一の変位を受けているということを合理的に結論付けることができる。
【0045】
ここで図6を参照すると、光ビームの変位は、基準部分505の種々のシフトしたものと後続のサンプル部分515との間の相互相関データを計算することによって、基準読み値及びサンプル読み値の一部(505、515;図5)から求めることができる。
相互相関過程において、基準部分505の検出された位置が、光ビーム510の種々の起こり得る変位を表す種々の方向に系統的にシフトされる。
アレイ601は、これらの起こり得る変位を、番号を付された位置として示しており、位置0は光ビーム510の位置に変化がないことを表し、位置1は左上への変位を表し、位置2は真上への変位を表し、以下も同様である。
これらの位置は、基準位置の仮想的なシフトを表しており、相互相関表面全体を9つの離散的な座標において推定できるようにする。
【0046】
対応するアレイ602は、仮想的な位置のそれぞれによって表される変位を、x及びy座標に関して示す。
後に説明されるように、基準位置及びこれらの仮想的なシフトを用いて、相互相関表面全体の値を1組の離散的な変位において推定し、その後、サンプル光ビームのピーク強度の正味の変位を求める。
その後、これらの比較、たとえば、9つのデータ点のそれぞれの相関の程度がガウス関数に当てはめられ、その関数の極値が、基準位置からのサンプルビームの実際の変位を特定する。
【0047】
この過程が図7に示される。
図7に示されるように、位置0〜8において示される潜在的な変位のそれぞれにおいてサンプル部分515と基準部分505との間の相互相関関数の値を計算し、その後、その9つの値を2次元ガウス関数に当てはめることによって、基準ビームとサンプルビーム又は瞬時ビームとの間の相互相関関数が得られる。
極値の場所は、基準ビームからの瞬時ビームの変位を表す。
図7において、基準位置は、「位置」のそれぞれにおいて例示される基準ビーム(REF)で示される。
サンプルビーム又は変位したビーム(サンプル)の相対的な場所が位置3において具体的に示されるが、その場所は例示される「位置」のそれぞれにおいて同じである。
基準ビームとサンプルビームとの間の相関は位置5において最も近いが、説明される例において、その相関は厳密ではない。
しかしながら、位置0〜8のそれぞれにおける相関の程度をガウス関数に当てはめることによって、その関数の極値が、サンプルビームの変位の正確な定量化を与える。
【0048】
その相互相関関数を用いて、光ビームの変位を測定することができる。
1次元関数f(x)及びg(x)の場合、その相互相関は、適切な時間値(t)にわたって以下のように定義することができる。
【0049】
【数1】

【0050】
相互相関関数のための他の選択、たとえば、サンプルビームと基準ビームとの間の光強度の差の二乗の和を用いることができる。
一般的な2次の関数によって適切にモデル化することができる対応する相関表面において明白な極値が存在する限り、種々の相互相関関数を用いることができる。
いくつかの実施形態では、位置0〜8によって示される潜在的な変位のそれぞれにおいてサンプル部分515と基準部分505との間の相互相関関数をx及びy両方の次元において評価し、2次元相関データを得ることができる。
その後、ガウス関数又は類似の関数を用いて、その2次元相関データをモデル化して、極値を外挿することができる相関表面を得ることができる。
その極値は、光検知アレイの基準読み値が得られたときとサンプル読み値が得られたときとの間に経過した時間内で光ビーム510が変位した位置の計算値に対応する。
【0051】
基準ビームf(r)及びサンプリングビームg(r)の強度の「ビームスポット」の重なりを求めるための相関関数を以下のように定義することができる。
【0052】
【数2】

【0053】
g(r)の場合にも同様の式が成り立つ。
上記のスカラー積、及び関数空間内のベクトルの大きさは以下のように定義される。
【0054】
【数3】

【0055】
実際には、そのスポットにわたる強度の分布がガウス関数
【0056】
【数4】

【0057】
であると仮定してもよい場合には、
【0058】
【数5】

【0059】
も分散2σを有するガウス関数である。
ただし、ri(j)=(xi(j),yi(j)は、そのスポットの平面内の2次元ベクトルである。
その後、ρij(4未知数)のためのガウス近似に対する測定された量ρij(3×3行列の場合に9つの数)のχフィッティングによって、2次元ベクトル
【0060】
【数6】

【0061】
によって測定される位置のシフトがわかる。
強度分布の特徴を与えられると、スポット中心がσよりも大きな距離だけ離される場合であっても、シフトの方向がかなり正確に求められ、それを用いて位置合わせを改善することを確実にすることができ、その手順を繰り返して、わずか数ステップにおいて位置合わせを達成することができる。
【0062】
リアルタイムに追跡中に、上記のような数回の測定ステップから、時刻tにおけるスポットの位置(x,y)、速度(Vx,Vy)及び加速度(Wx,Wy)を推定することができる。
その後、簡単な手順から、瞬間t+dtにおける時刻dtのスポットの位置を予測することができる。
【0063】
【数7】

【0064】
それは位置及び速度の予測であり(挿入記号によって示される)、y成分も同じようにして表される。
測定間の時間dtは、f=1/dtとして、測定の周波数に関連付けられる。
その後、次のステップのために、自己回帰を実施する。
x(t+dt)=αx(t+dt)+(1−α)x(t)
ν(t+dt)=βxx,m(t+dt)+(1−β)ν(t)
ただし、下付き文字「m」は実際に測定される量を示し、0<α、β<1は、軌道の微小変動を小さくするために、換言すれば、先行するp+1回の測定及び追跡事例にわたる予測誤差
【0065】
【数8】

【0066】
を最小にするために最適化される平滑化係数である。
上記の例は、現在位置及び先行位置についての情報のみを含む。
追跡の品質及び速度をさらに改善するために、この例を、さらに多くの先行するデータ点を含む自己回帰に関して容易に一般化できることは明らかである。
【0067】
相互相関データの計算では、基準読み値及びサンプル読み値に関連する信号に関して、著しい信号処理、詳細には「行遅延(row delay)」又は類似の過程が実行される必要がある。
多くの実施形態において、これらの過程は、光検知アレイから信号が得られると、それらの信号をさらにデジタル化する前に、それらの信号に対して直ちに実行される。
これは、最終的に得られる相互相関データの精度を高めることができる。
【0068】
上記のように、基準読み値及びサンプル読み値に対して、より複雑な関数を簡単にすること及び近似することを含む、数多くの相関関数及び相関表面モデルを実行することができることは理解されたい。
たとえば、「差分二乗和(sum of the squared difference)」相関関数のテイラー級数近似は、上記で説明した関数及びモデルと類似の結果をもたらすであろう。
基準読み値及びサンプル読み値から相関データを得るために本システム及び方法において用いることができる可能な過程及び計算に関するさらに完全な説明をRaymond G. Beausoleil, Jr等に対する米国特許第6,195,475号から得ることができ、その特許が教示する全ての内容がそのまま、参照により本明細書に援用される。
【0069】
ここで図8を参照すると、例示的なガウス表面820を有する、図7の例から得られる相互相関データの数学モデル800の図式的表現が示される。
そのガウス表面820は、基準読み値(505、図5)のシフトした部分とサンプル読み値515の一部とを用いて得られる相関データの典型である。
ガウス表面820は、光ビームの潜在的な変位状態(510、図5)における相関データの値を、x軸及びy軸810、815に関してモデル化する。
x−y座標対毎のz軸805上の値が光学的な変位の確率を示しており、それはx−y座標に対応するベクトルである。
光ビームの可能性の高い変位(510、図5)は、ガウス表面820からの極値825、及び極値825の場所を定義するx−y座標を外挿することによって計算することができる。
本例では、極値825に対応するx−y座標は、光ビームの計算された変位(510、図5)のx−y座標である。
【0070】
光ビーム(510、図5)の変位、そして拡張して、光送信機(310、図3)内の全ての光源の変位が計算されると、上記で説明されたように、その変位を補償することができる。
【0071】
さらに、回路基板が受ける多くの振動は周期的であり、且つ或る程度の規則性を示す傾向があるため、アルゴリズムを用いて、ビーム変位の履歴を或る時間にわたって調べ、予測補正方式を開発することができる。
その予測補正方式を用いて、光学構成要素内の振動又は他の動きを予想し、ビームの変位の頻繁な計算を必要とすることなく、光ビームの結果として生じる変位を補償することができる。
【0072】
例示的な方法
ここで図9を参照すると、光ビームを追跡する例示的な方法900が示される。
その方法900は、光検知アレイにおいて光エネルギーのビームを受信すること(ステップ905)を含む。
光検知アレイから、光ビームの基準読み値が得られる(ステップ910)。
基準読み値が得られた(ステップ910)後に、光検知アレイから、光ビームのサンプル読み値が得られる(ステップ915)。
その後、サンプル読み値の少なくとも一部と基準読み値の複数のシフトした値の少なくとも一部との間の相互相関データが得られる(ステップ920)。
その後、相互相関データがモデル化され(ステップ920)、相互相関データから極値が外挿され(ステップ925)、光ビームの変位が計算される。
相互相関データは、たとえば、光ビームの最も可能性の高い変位点を示す単一の極値を有するガウス近似を用いてモデル化することができる(ステップ923)。
変位が求められた後に、サンプル読み値が新たな基準読み値に変換される場合がある。
【0073】
光ビームから光検知アレイにデータが送信される場合もある。
したがって、方法900は、光検知アレイにおいて、ビームの測定値から光ビーム上で搬送されるデータを復調するステップ含む場合もある。
基準読み値及びサンプル読み値は、光ビーム及び光検知アレイに影響を及ぼす振動の周波数よりも速い速度であるが、データが送信されるよりも遅い速度で得られる場合がある。
ほとんどの振動は10kHz未満の周波数において生じ、データは典型的には1GHzよりも速い速度で光学的に転送される場合があるため、本方法900のサンプル読み値及び基準読み値は、一例では、約1MHzの速度で、すなわち1マイクロ秒当たり一度、得られる場合がある。
ビーム追跡読み値が得られる間に、データ転送が周期的に、且つ短時間だけ中止される場合があり、得られた直後に再開される。
【0074】
ここで図10を参照すると、光ビームシフトを補償する例示的な方法1000のフローチャートが示される。
方法1000は、光検知アレイ内の或る特定の光検知素子を、送信機によって放射される複数の光ビームのそれぞれに関連付けるステップ(ステップ1005)を含む。
異なる光ビームは、異なる光データチャネルを搬送する場合があるため、実施形態によっては、光検知アレイによって生成される測定値において各ビームが正確に特定されることが重要である。
これにより、光データを意図した宛先に送ることができるようになる。
【0075】
方法1000は、光ビームを追跡する例示的な方法(900、図9)に関連して上記で説明されたステップのうちのいくつかも含む。
これらのステップは、基準読み値を得ること(1010)、サンプル読み値を得ること(1015)、サンプル読み値と基準読み値のシフトした値との間の相互相関データを得ること(ステップ1020)、相互相関データをモデル化すること(ステップ1025)及びモデル化されたデータからの極値を外挿し、光ビームの変位を計算すること(ステップ1025)を含む。
【0076】
上記のように、相互相関データはガウス関数としてモデル化される場合があり(ステップ1025)、極値は、ガウスモデルから外挿される場合がある(ステップ1025)。
さらに、光ビーム上でデータが送信され、光検知アレイからのビームの読み値を用いて復調される場合がある。
基準読み値及びサンプル読み値は、光ビーム及び光検知アレイに影響を及ぼす振動の周波数よりも速い速度であるが、データが送信されるよりも遅い速度で得られる場合がある。
【0077】
ビームの変位が計算されると(ステップ1025)、その後、ビームの変位が所定のしきい値よりも大きいか否かを判断することができる(判断1030)。
所定のしきい値よりも大きい変位は、補償モジュールに変位情報を与えること(ステップ1035)、並びに光検知アレイ及び/又は光送信機の構成を調整してビームの変位を補償すること(ステップ1040)を開始することができる。
その後、光ビームの新たな位置に対して光ビームの今後の変位が求められるように、ビームの計算された変位を考慮に入れて、新たな基準読み値が生成される(ステップ1045)。
【0078】
いくつかの実施形態では、光検知アレイ及び/又は光送信機の構成を調整してビームの変位を補償するステップ(ステップ1040)は、光検知アレイ及び/又は送信機を物理的に動かして、送信機と光検知アレイとの間の所望の位置合わせを達成することを含む場合がある。
他の実施形態では、そのステップ(ステップ1040)は、アレイ内の光検知素子のうちのいずれが光ビームのそれぞれに関連付けられるかを調整することを含む場合がある。
【0079】
ビームの変位が所定のしきい値以下である場合には(判断1030)、そのサンプル読み値が新たな基準読み値に設定され(ステップ1050)、光検知アレイから新たなサンプル読み値が得られる場合がある(ステップ1015)。
【0080】
方法1000は、新たなサンプル読み値を得るステップ(ステップ1015)、相互相関データを得るステップ(ステップ1020)、相互相関データをモデル化するステップ(ステップ1025)及び極値を外挿してビーム変位を計算するステップ(ステップ1025)を何回か繰り返すことを含む場合がある。
このようにして、複数の変位測定値を得ることができ、傾向を特定することができる。
その後、特定された傾向から、今後の変位の動きを予測することができる。
【0081】
ここで図11を参照すると、光ビームシフトを補償する例示的な方法1100が示される。
方法1100は、複数のビーム変位測定値を取得すること(ステップ1105)、変位測定値から傾向を特定すること(ステップ1110)、光ビームの今後の動きを予測すること(ステップ1115)、及び予測された変位を補償すること(ステップ1120)とを含む。
【0082】
上記で説明されたように、多くのシステムにおいて、振動及び他の機械的な中断は周期的である。
したがって、コンピュータアルゴリズムを用いて、複数の変位測定値における傾向を特定し(ステップ1110)、今後の動きを予測することができる(ステップ1115)。
これが行なわれると、システムは光検知アレイから基準ビーム追跡読み値及びサンプルビーム追跡読み値を取得する必要はなく、予測された今後の動きに基づいて、単に自動ビーム変位補償サイクルを実行することができる。
この補償サイクルは、光送信機と光検知アレイとの間の位置合わせを調整すること、アレイ内のいずれの光検知素子が複数の光ビームのうちのいずれの光ビームに関連付けられるかを調整すること、又はその両方を含む場合がある。
【0083】
記述される原理の実施形態及び実施例を例示し、説明するためだけに、これまでの説明が提示されてきた。
この説明は、網羅的であることも、これらの原理を開示されている正確な形態に限定することも意図していない。
上記の教示に鑑みて、多数の変更及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0084】
100・・・基板間通信システム,
105,110,205,225,305,325・・・回路基板,
115,130,210,230,310,330・・・光送信機,
120,125,220,235,320,335,405・・・光検知アレイ,
135,140,410,510・・・光ビーム,
200,300・・・システム,
240・・・ビーム追跡モジュール,
245・・・位置コントローラ,
315,340・・・ビーム追跡/補償モジュール,
415・・・光検知素子,
601,602・・・アレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光インターコネクト(100、200、300)であって、
複数の光源を有する光送信機(115、130、210、230、310、330)と、
前記光源から放射される光ビーム(135、140、410、510)を受信するように構成される光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)と、
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)と通信するビーム追跡モジュール(240、315、340)と
を備え、
前記ビーム追跡モジュール(240、315、340)は、
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)からのサンプル読み値の少なくとも一部と、前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)からの基準読み値の複数のシフトした値のうちの少なくとも一部との間で得られる相互相関データからの極値(825)を外挿することによって、前記光ビーム(135、140、410、510)のうちの少なくとも1つの光ビームの変位を計算するように構成される
光インターコネクト。
【請求項2】
前記光インターコネクト(100、200、300)であって、
前記光送信機(115、130、210、230、310、330)は第1の回路基板(105、205、305)上に収容され、前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)は第2の回路基板(110、225、325)上に収容される
請求項1に記載の光インターコネクト。
【請求項3】
前記光インターコネクト(100、200、300)であって、
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)の特定の光検知素子(415)は、前記光源のそれぞれからそれぞれの光ビーム(135、140、410、510)を受信するように指定され、
特定の光源から光ビーム(135、140、410、510)を受信するように指定される前記光検知素子(415)は、前記ビーム追跡モジュール(240、315、340)によって計算される前記変位に応答して変更される
請求項1に記載の光インターコネクト。
【請求項4】
光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)内の光ビームシフトを空間的に追跡する方法であって、
前記方法は、
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)から前記光ビーム(135、140、410、510)の基準読み値を得ることと、
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)からサンプル読み値を得ることと、
前記サンプル読み値の少なくとも一部と、前記基準読み値の複数のシフトした値のうちの少なくとも一部との間の相互相関データを得ることと、
前記相互相関データからの極値(825)を外挿することによって、前記光ビーム(135、140、410、510)の変位を計算することと
を含む
光検知アレイ内の光ビームシフトを空間的に追跡する方法。
【請求項5】
前記方法は、前記相互相関データのガウスモデルを生成することをさらに含む
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプル読み値から新たな基準読み値を作成することをさらに含む
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)内の前記ビーム(135、140、410、510)の測定値から、前記光ビーム(135、140、410、510)上で搬送されるデータを復調することをさらに含む
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
光ビームドリフトを補償する方法であって、
前記方法は、
光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)内の或る特定の光検知素子(415)を送信機(115、130、210、230、310、330)からのそれぞれの複数の光ビーム(135、140、410、510)のそれぞれと関連付けることと、
前記アレイ(120、125、220、235、320、335、405)からのサンプル読み値の少なくとも一部と、前記アレイ(120、125、220、235、320、335、405)からの基準読み値の少なくとも一部の複数のシフトした値との間の相互相関データを得ることと、
前記相互相関データからの極値(825)を外挿することによって、前記光ビーム(135、140、410、510)の変位を計算することと、
前記光検知素子(415)とそれぞれの光ビーム(135、140、410、510)との間の関係を調整することであって、前記変位を補償する、調整することと
を含む
光ビームドリフトを補償する方法。
【請求項9】
前記光検知アレイ(120、125、220、235、320、335、405)内の前記ビーム(135、140、410、510)の読み値から、前記光ビーム(135、140、410、510)上で搬送されるデータを復調することをさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記相互相関データを得る前記ステップ及び前記変位を計算する前記ステップを複数回繰り返すことであって、複数の変位測定値を取得する、繰り返すことをさらに含む
請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−501927(P2011−501927A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529949(P2010−529949)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/011823
【国際公開番号】WO2009/051759
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】