説明

光ピックアップおよび光ディスク装置

【課題】
BDとHD DVDの互換が可能な光ピックアップにおいて、BDとHD DVD共にトラッキング誤差信号検出方式としてDPP方式を用いる場合、BDとHD DVDでは互いに光ディスクの案内溝ピッチが異なるので、3ビーム生成用の回折格子を両者で共有した場合、共にスポット間隔を案内溝ピッチの2分の1に合わせる事は困難である。
【解決手段】
BD−R/RE上における3ビームのスポット間隔SをHD DVD−R/RW上における3ビームのスポット間隔Sよりも小さくする。またはBD光学系の横倍率MをHD DVD光学系の横倍率Mよりも大きくする。
またBD−R/REの案内溝ピッチをT、HD DVD−R/RWの案内溝ピッチをTとした場合、数1ならびに数2を満足するように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップおよび光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の関連技術としては、たとえば特開2006−172605号公報がある。本公報には、「対物レンズの発光素子側に、平行光束の位相を切り換え可能な位相切り換え素子と、該位相切り換え素子で選択された位相に応じて平行光束を通過、発散または収束させるホログラム素子とを配設」することが記載されている。
【0003】
また、本発明の関連技術としては、たとえば特開2006−147075号公報がある。本公報には、「前記光学的情報記録媒体が第1厚を持つ場合は、前記第1光源と前記第1対物レンズを使用し、前記光透過層が第2厚を持つ場合は、前記第1光源と前記第2対物レンズを使用」し、「前記光源と対物レンズの組み合わせが切り替え可能になっていることを特徴とする」と記載がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−172605号公報
【特許文献2】特開2006−147075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
年々規模が増え続け大容量化するデジタル情報の再生や記録に対応するため、次世代の高密度光ディスクとして波長405nmの青紫色レーザ、開口数(NA)0.85の高NA対物レンズ、カバーレイヤー厚さ0.1mmのディスク媒体を用いたBD(Blu−ray Disc)規格や、同じく波長405nmの青紫色レーザを用い、NA0.65、カバーレイヤー厚さ0.6mmのディスク媒体を用いたHD DVD(High Definition Digital Versatile Disc)規格などが提案されている。
【0006】
BD規格やHD DVD規格を採用したAV用レコーダやプレーヤ、ならびにPC用光ディスクドライブ等の製品は既にメーカ数社から出荷が始まっており、今後、現行DVD製品に置き換わって益々市場に普及していくものと予測される。
【0007】
ところでBD規格とHD DVD規格を採用した光ディスク装置が共に普及した場合、市場においてはBDとHD DVDの両方に対応可能な光ディスク装置に対する要求が高まることが予想されるが、今のところ1台の装置でBDとHD DVD規格両方に対応した光ディスク装置は製品化されていない。今のところ製品化されているのは、BD/DVD/CDの3種類の光ディスクに対応可能な光ディスク装置や、HD DVD/DVD/CDの3種類の光ディスクに対応可能な光ディスク装置であり、現行DVDやCDを互換する光ディスク装置はあっても、BDとHD DVDを共に互換する光ディスク装置は未だ製品化されていない。
【0008】
BDとHD DVDの互換可能な光ピックアップを考えた場合、両者は同一波長を使用するにも関わらず、カバーガラスの厚さならびに対物レンズNAが大きく異なることが重要な課題となる。特にBDのカバーガラスの厚みは0.1mm、HD DVDでは0.6mmと大きく異なるため、この違いに応じた大きな球面収差が発生する不具合が生じる。
【0009】
このような背景の下、BDとHD DVDの両方に対応した光ピックアップに関する技術としては大きく分けて以下に示す2つの方式がある。第一には、同一の対物レンズでBDとHD DVDに対応する方式であり、第二には、BD用対物レンズとHD DVD用対物レンズの2つの対物レンズを用いる方式である。
【0010】
前者の方式は例えば特許文献1(3頁目
【0011】
段落)に記載されているように、『対物レンズの発光素子側に、平行光束の位相を切り換え可能な位相切り換え素子と、該位相切り換え素子で選択された位相に応じて平行光束を通過、発散または収束させるホログラム素子とを配設』することで球面収差の補正と所望の対物レンズNAを実現している。
【0012】
ここで光ディスク上に集光される光スポット経は波長に比例するため、BDやHD DVDを記録・再生する際の光スポット経はDVDやCDに比べて遥かに小さくなり、光スポットのエネルギー密度は高くなる傾向にある。そのためBDやHD DVDの再生時には情報を消去してしまうのを防ぐ意味で、対物レンズを出射するパワーとしては従来のDVDやCDに比べて小さいパワーを光ディスクに照射せざるを得ない。このような状況下において十分な信号のSN比を確保するため、BDやHD DVD対応の光ピックアップ光学系においては光利用効率を高める目的でビームスプリッタとしてPBSプリズムを用いるのが一般的である。この場合、半導体レーザを出射して光ディスクに向かう光ビームの偏光方向と光ディスクを反射してPBSプリズムに向かう光ビームの偏光方向を互いに直交させるため、(1/4)λ波長板との組合せが必要となる。しかしながら上記第一の方式を採用した特許文献1では対物レンズの直下に偏光ホログラム素子を用いるため、偏光方向の観点から考えると前述した(1/4)λ波長板との相性が悪い。その結果、前述したホログラム素子において不要な回折光が発生し、光利用効率の低下等が課題となる。
【0013】
一方、上記第二の方式のようにBD用対物レンズとHD DVD用対物レンズの2つの対物レンズを用いる場合は、前述したPBSプリズムならびに(1/4)λ波長板との組合せによる構成と相性が良いため、光利用効率の点で有利となる。上記第二の方式は例えば特許文献2(4頁目
【0014】
段落)に記載されており、『前記光学的情報記録媒体が第1厚を持つ場合は、前記第1光源と前記第1対物レンズを使用し、前記光透過層が第2厚を持つ場合は、前記第1光源と前記第2対物レンズを使用』し、『前記光源と対物レンズの組み合わせが切り替え可能になっていることを特徴とする』とある。
【0015】
このように記録または再生する光ディスクに応じて使用する対物レンズを切り替える構成とすることで特許文献1のような偏光ホログラム素子を利用する必要が無く、光利用効率の観点から上第二の方式が有利となる。
【0016】
ところでBDとHD DVDの互換可能な光ピックアップを考えた場合、前述した光利用効率だけでなく、低価格化について考えることも重要である。前述した上記第二の方式を採用する場合、対物レンズは各々専用の対物レンズを用いるにしても、他の光学部品に関しては出来るだけ共有することが望ましい。このような観点から、半導体レーザはもちろんのこと、サーボ信号検出用光ビームの生成に用いる3ビーム生成用回折格子も共有する事は重要である。ところが回折格子を両者で共有することを考えた場合、新たな課題が発生する。というのもBDとHD DVDはカバーガラスの厚さのみでなく、表1に示すように光ディスクの案内溝のピッチが互いに異なるからである。
【0017】
【表1】


例えばBDとHD DVD共にトラッキング誤差信号検出方式として差動プッシュプル(DPP)方式を用いる場合、安定なトラッキング誤差信号を検出するためには光ディスク上において3ビームの半径方向スポット間隔を案内溝ピッチの2分の1に合わせる必要がある。ところが表1に示すようにBDとHD DVDでは互いに案内溝ピッチが異なるので、共にスポット間隔を案内溝ピッチの2分の1に合わせる事は不可能である。よって例えば特許文献2において6頁目
【0018】
段落に記載されているように『回折格子機構4では、対象となる光ディスク1に応じて格子の回転、光の進行方向に対しての移動等を行なう。回折格子として印加する電圧によって格子ピッチあるいは格子の角度が変化する液晶素子を用いても構わない。』などの機構が必要となり、回折格子に関わる機構が非常に複雑となってしまう。
【0019】
本発明は上記課題を鑑みなされたものであり、BD用対物レンズとHD DVD用対物レンズの2つの対物レンズを用いた方式において、サーボ信号を検出する光ビーム生成用回折格子を両者で共有しつつも、回折格子に関わる機構を複雑にすることなく、BDとHD DVD共に光ディスク上において3ビームの半径方向スポット間隔を各光ディスクの案内溝ピッチの2分の1に合わせることでDPP方式を用いた安定なトラッキング誤差信号を検出できる光ピックアップ、ならびに該光ピックアップを用いた光ディスク装置を提供する事を課題とする。
【0020】
本発明は、BDならびにHD DVDの両方に対応した光ピックアップ、この光ピックアップを搭載した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的は、その一例として特許請求の範囲に記載の構成により達成できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、BDならびにHD DVDの両方に対応した光ピックアップ、この光ピックアップを搭載した光ディスク装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための実施の形態について、以下説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明における光ピックアップに関する実施例を示したものである。
【0025】
本実施例の光ピックアップは、3ビームを用いたサーボ信号検出方式に従う光ピックアップであり、図1に示すように、波長λの光ビームを出射する半導体レーザ1と、光ビームを回折させてサーボ信号検出用光ビームを生成する回折格子2と、光ビームを光ディスク100a上に集光する対物レンズ7aと、光ビームを光ディスク100b上に集光する対物レンズ7bと、光ディスクを反射した光ビームを検出する光検出器9とを主に備える。
【0026】
半導体レーザ1を出射した波長λの光ビームは3ビーム生成用の回折格子2によって少なくとも3本の光ビームに回折されて偏光方向変換素子3に入射する。偏光方向変換素子3は入射した光ビームの偏光方向を変えることで、出射後のP偏光成分とS偏光成分の割合を制御できる事を特徴とする素子である。またビームスプリッタ4は、例えばPBSプリズムのように透過・反射率に対して偏光選択性を有している。よって例えば偏光方向変換素子3を出射した光ビームの偏光がS偏光の場合はビームスプリッタ4を反射し対物レンズ7aの光路へと導かれ、また偏光方向変換素子3を出射した光ビームの偏光がP偏光の場合はビームスプリッタ4を透過し対物レンズ7bの光路へと導くことが出来る。すなわち偏光方向変換素子3とビームスプリッタ4の組合せによって、光路を切り替えることが出来る。
【0027】
光ディスク100aを再生または記録する場合は偏光方向変換素子3を出射した光ビームがビームスプリッタ4を反射するように、偏光方向変換素子3を用いて偏光方向変換素子3出射後の偏光方向を事前に制御する。ビームスプリッタ4を反射した光ビームはコリメートレンズ6aによって略平行光となり、(1/4)λ波長板10aによって円偏光の状態で対物レンズ7aに入射し、光ディスク100aの情報記録面上に集光される。
【0028】
光ディスク100aで反射した光ビームは往路と逆の経路をたどって対物レンズ7a、(1/4)λ波長板10a、コリメートレンズ6aを経てビームスプリッタ4を透過する。ビームスプリッタ4を透過した光ビームは検出レンズ8によって非点収差方式によるフォーカス誤差信号を検出できるような非点収差を付加され、光検出器9に集光する構成となっている。
【0029】
同様に光ディスク100bを再生または記録する場合は偏光方向変換素子3を出射した光ビームがビームスプリッタ4を透過するように、偏光方向変換素子3を用いて偏光方向変換素子3出射後の偏光方向を事前に制御する。ビームスプリッタ4を透過した光ビームは反射ミラー5を反射し、コリメートレンズ6bによって略平行光となり、(1/4)λ波長板10bによって円偏光の状態で対物レンズ7bに入射し、光ディスク100bの情報記録面上に集光される。
【0030】
光ディスク100bで反射した光ビームは往路と逆の経路をたどって対物レンズ7b、(1/4)λ波長板10b、コリメートレンズ6b、反射ミラー5を経てビームスプリッタ4を反射する。ビームスプリッタ4を反射した光ビームは検出レンズ8によって非点収差方式によるフォーカス誤差信号を検出できるような非点収差を付加され、光検出器9に集光する構成となっている。
【0031】
本実施例において特徴としているのは、光ディスク100aならび100b上において、回折格子2によって生成される3ビームのスポット間隔が互いに異なり、かつその違いは光ディスクの案内溝ピッチに依存していることである。本特徴について、図2を用いて具体的に説明する。
【0032】
図2は光ディスク100aおよび100b上における3ビームのスポット配置を示した概略図であり、案内溝ピッチは図2(a)に示すTに比べて図2(b)に示すTの方が広い設定としている。前述(表1)したようにBDに比べてHD DVDの案内溝ピッチは広いため、例えば図2(a)はBD−R/RE上のスポット配置を、また図2(b)はHD DVD−R/RW上のスポット配置を示していることに相当する。以下においては、例えば光ディスク100aがBD−R/REを示し、光ディスク100bがHD DVD−R/RWを示すものとして説明を続ける。
【0033】
図2に示すように光ディスク100a上における3スポットの傾きをθ、光ディスク100b上における3スポットの傾きをθとした場合、本実施例では回折格子2を共有しているため、通常、θ=θ=θとなる。
【0034】
このような状況下のもとDPP方式を適用する場合は、光ディスク100aおよび光ディスク100b上において半径方向のスポット間隔WおよびWを各々、案内溝ピッチの2分の1とすれば良いので、
=S・sinθ=T/2
=S・sinθ=T/2 となり、
/S=T/T となる。
【0035】
なおS、Sが各々、案内溝ピッチの2分の1からずれた場合は、ずれ量に応じてDPP信号振幅が低減するため、ずれの許容量はDPP信号振幅の減少量の観点からの検討が必要となる。
【0036】
図3はDPP信号振幅とディスク上サブスポット位置ずれ量ΔWとの関係を示した概略図である。グラフからわかるように、半径方向のスポット間隔が案内溝ピッチの2分の1の場合が最もDPP信号振幅が大きくなり、ずれ量ΔWに応じて信号振幅が減少する。サーボ制御の観点からは、DPP信号振幅は10%程度減少しても十分制御可能であるため、図3から判断して、ずれ量ΔWの許容量を案内溝ピッチの0.1倍とすると、
=S・sinθ=T/2±0.2・T=(0.5±0.1)・T
=S・sinθ=T/2±0.2・T=(0.5±0.1)・T
よってS/Sが満たす範囲は、上記を考慮すると数1となる。
【0037】
【数1】

ここで一般に、スポット間隔Sに対するSの関係は、BD光学系に対するHD DVD光学系の横倍率の関係によって決まるため、結局のところ各々の光学系の横倍率を所望の関係に設定すれば良い。
【0038】
光学系の横倍率の定義に関しては、既に一般的なものであるため詳細な説明は省略するが、本実施例において光ディスク側集光光学系に対する半導体レーザ側集光光学系の横倍率Mの定義は、例えば光ディスク上における3ビームのスポット間隔をSとし、光ディスク上における3ビームのスポットを半導体レーザの発光点上に投影した際の3ビームのスポット間隔をHとした場合、数3で定義されるものである。
【0039】
【数3】

つまり対物レンズ7aによって構成される光ディスク側集光光学系に対する半導体レーザ側集光光学系の横倍率Mは図4に示すようにSならびにHを用いてM=H/Sとなる。また図には示さないが、対物レンズ7bによって構成される光ディスク側集光光学系に対する半導体レーザ側集光光学系の横倍率Mも同様にして算出することが出来る。
【0040】
本実施例においてはBD光学系とHD DVD光学系において半導体レーザ1と回折格子2を共有しているため、光ディスク上における3ビームのスポットを半導体レーザの発光点上に投影した際の3ビームのスポット間隔は両者において同じ値となる。よってスポット間隔Sに対するSの関係は横倍率M、Mを用いて数4に示す関係となる。
【0041】
【数4】

つまり数1と数4から数2の関係を導くことができる。
【0042】
【数2】

本実施例ではBD光学系とHD DVD光学系の横倍率M、Mが数2の関係を有することを特徴としている。
【0043】
ところで本実施例では図5に示すように、例えば対物レンズ7aおよび対物レンズ7bは同一のレンズホルダ50に取り付けられていることを特徴としている。また対物レンズ7aと対物レンズ7bは再生・記録を行なう光ディスク100に対して、その半径方向に並んで設置されていることを特徴としている。このように対物レンズを配置することによって、光ディスクの内周、外周に光ピックアップが走査した場合においても、対物レンズ中心位置における光ディスクの接線方向を常に同一の方向に保つことが出来る。
【実施例2】
【0044】
本発明の光ピックアップ装置を搭載した光ディスク装置に関する実施例を図6に示す。符号70は例えば図1に示すような構成を有する光ピックアップである。なお光ピックアップ70には光ディスク100の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路72からのアクセス制御信号に応じて位置制御がおこなわれる。
【0045】
レーザ駆動回路77からは所定のレーザ駆動電流が光ピックアップ装置70内の半導体レーザに供給され、再生または記録に応じて所定の光量でレーザ光が出射する。なおレーザ駆動回路77は光ピックアップ70の中に組み込まれていても良い。
【0046】
光ピックアップ70内の光検出器から検出された信号は、サーボ信号生成回路74及び情報信号再生回路75に送られる。サーボ信号生成回路74では、これら検出信号からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号が生成され、これを基にアクチュエータ駆動回路73を経て光ピックアップ70内のアクチュエータを駆動することによって対物レンズの位置制御がおこなわれる。
【0047】
また情報信号再生回路75では前記検出信号から光ディスク100に記録された情報信号が再生される。なお前記サーボ信号生成回路74及び情報信号再生回路75で得られた信号の一部はコントロール回路76に送られる。このコントロール回路76にはレーザ駆動回路77、アクセス制御回路72、アクチュエータ駆動回路73、スピンドルモータ駆動回路71などが接続されており、それぞれ光ピックアップ70内の半導体レーザ発光光量の制御、アクセス方向および位置の制御、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ60の回転制御等が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明における光ピックアップの光学系構成を示した図
【図2】光ディスク上における3ビームのスポット配置を示した図
【図3】DPP信号振幅とディスク上サブスポット位置ずれ量ΔWとの関係を示した概略図
【図4】光学系の横倍率を示す概略図
【図5】対物レンズ7aと7bの配置を示す概略図
【図6】本発明における光ディスク装置を示した図
【符号の説明】
【0049】
1・・・半導体レーザ、2・・・回折格子、3・・・偏光方向変換素子、
4・・・ビームスプリッタ、5・・・反射ミラー、6a,6b・・・コリメートレンズ、
7a,7b・・・対物レンズ、8・・・検出レンズ、9・・・光検出器、
10a,10b・・・(1/4)λ波長板、
20・・・半導体レーザの発光点、21,22・・・31,32の投影点、
30,31,32・・・光ディスク上における3ビームのスポット位置、
50・・・レンズホルダ、60・・・スピンドルモータ、70・・・光ピックアップ、
71・・・スピンドルモータ駆動回路、72・・・アクセス制御回路、
73・・・アクチュエータ駆動回路、74・・・サーボ信号生成回路、
75・・・情報信号再生回路、76・・・コントロール回路、77・・・レーザ駆動回路、
100,100a,100b・・・光ディスク、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザと、
カバーレイヤー厚さ0.1mmの第1の光ディスクに前記半導体レーザ光を集光する第1の対物レンズと、
カバーレイヤー厚さ0.6mmの第2の光ディスクに前記半導体レーザ光を集光する第2の対物レンズと、
前記半導体レーザから出射した光ビームを少なくとも3本の光ビームに回折させる回折格子と、
前記光ビームを前記第1の対物レンズに向かう第1の光ビームと前記第2の対物レンズに向かう第2の光ビームとに分岐するビームスプリッタと、
前記第1の光ディスクを反射した前記第1の光ビームならびに前記第2の光ディスクを反射した前記第2の光ビームを受光する光検出器と、
を備え、
前記回折格子によって生成された前記3本の光ビームが前記第1の光ディスクに集光した際の前記第1の光ディスク上における0次光と1次光のスポット間隔をS、前記第2の光ディスクに集光した際の前記第2の光ディスク上における0次光と1次光のスポット間隔をS、前記第1の光ディスクの案内溝ピッチをT、前記第2の光ディスクの案内溝ピッチをTとした場合、
【数1】

を満たすことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
半導体レーザと、
カバーレイヤー厚さ0.1mmの第1の光ディスクに前記半導体レーザ光を集光する第1の対物レンズと、
カバーレイヤー厚さ0.6mmの第2の光ディスクに前記半導体レーザ光を集光する第2の対物レンズと、
前記半導体レーザから出射した光ビームを少なくとも3本の光ビームに回折させる回折格子と、
前記光ビームを前記第1の対物レンズに向かう第1の光ビームと前記第2の対物レンズに向かう第2の光ビームとに分岐するビームスプリッタと、
前記第1の光ディスクを反射した前記第1の光ビームならびに前記第2の光ディスクを反射した前記第2の光ビームを受光する光検出器と、
を備え、
前記第1の対物レンズによって構成される光ディスク側集光光学系に対する前記半導体レーザ側集光光学系の横倍率をM、前記第2の対物レンズによって構成される光ディスク側集光光学系に対する前記半導体レーザ側集光光学系の横倍率をM2、前記第1の光ディスクの案内溝ピッチをT、前記第2の光ディスクの案内溝ピッチをTとした場合、
【数2】

を満たすことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光ピックアップにおいて、前記ビームスプリッタはPBSプリズムであることを特徴とする光ピックアップ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか記載の光ピックアップにおいて、前記第1の光ディスクまたは前記第2の光ディスクに対するトラッキング誤差信号検出には差動プッシュプル方式を用いることを特徴とする光ピックアップ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか記載の光ピックアップにおいて、前記第1の対物レンズと前記第2の対物レンズは同一のレンズホルダに取り付けられていることを特徴とする光ピックアップ。
【請求項6】
請求項5記載の光ピックアップにおいて、前記第1の対物レンズと前記第2の対物レンズは前記光ディスクの半径方向に並んで設置されていることを特徴とする光ピックアップ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか記載の光ピックアップと、前記光ピックアップ内の前記半導体レーザを駆動するレーザ駆動回路と、前記光ピックアップ内の前記光検出器から検出された信号を用いてフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号を生成するサーボ信号生成回路と、光ディスクに記録された情報信号を再生する情報信号再生回路とを搭載した光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−65920(P2008−65920A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243540(P2006−243540)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】