説明

光ピックアップ及び光ディスク装置

【課題】レーザダイオードの出射光量制御と高精度なレーザノイズの除去とを両立し得るようにする。
【解決手段】光ディスク装置130は、レーザダイオード62の出射光量制御を行うと共に、光ディスク100の再生時において高次光高域信号VbcHの信号レベルを再生RF信号SRFの信号レベルに揃えるよう、光量制御部140によって可変回折格子66の格子位置制御を行うことにより、出射光量制御を行い光ディスク100へ照射される光ビームL2の光量を一定に保つことができると共に、可変回折格子66から出射される0次光及び高次光の回折効率を適切に変化させ、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを直接減算するだけでレーザノイズ成分を除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ピックアップ及び光ディスク装置に関し、例えばレーザダイオードから出射された光ビームに含まれるレーザノイズ成分を除去する光ディスク装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスク装置においては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)或いはBD(Blu-ray Disc、登録商標)等の規格に準拠した光ディスクに情報を記録し、また当該光ディスクから情報を再生するようになされたものが広く普及している。
【0003】
かかる光ディスク装置においては、例えば光ピックアップに搭載されたレーザダイオードから出射された光ビームを光ディスクに照射することにより情報を記録し、また当該光ディスクより当該光ビームが反射されてなる反射光ビームの光量を検出することにより情報を再生するようになされている。
【0004】
ところでレーザダイオードは、光ビームの出射強度を一定に保つことが望ましいが、その特性上、出射する光ビームに、当該光ビームの出射強度が小刻みに細かく変動してしまうことに起因するレーザノイズ成分を含んでしまうことが知られている。
【0005】
このため光ディスク装置は、特に情報再生時において、レーザノイズ成分の影響により反射光ビームの強度が変動してしまい、再生情報の精度を低減させてしまうという問題があった。
【0006】
そこで光ディスク装置のなかには、レーザダイオードから出射した光ビームの一部を受光して、当該光ビームの変動を表す変動検出信号を生成し、反射光ビームを検出した読取情報信号から当該変動検出信号を差し引くことにより、レーザノイズ成分を低減若しくは除去することが考えられる。
【0007】
この場合、光ディスク装置では、読取情報信号に含まれるレーザノイズ成分と変動検出信号に含まれるレーザノイズ成分とのレベルを揃える必要がある。このため光ディスク装置では、読取情報信号及び変動検出信号の少なくとも一方を増幅回路等により増幅する必要があるため、広帯域可変ゲインアンプが必要になる他、かかる増幅回路等に起因する新たなノイズを発生させてしまう恐れもあった。
【0008】
そこで光ディスク装置は、レーザダイオードから出射した光ビームの一部の光量を光学的に調整した上で変動検出信号を生成することにより、増幅回路等を介さずにレーザノイズ成分を低減若しくは除去し得るようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−124919号公報(第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、レーザダイオードは、一般に出射する光ビームの光量を温度等により変動させやすい特性を有している。このため光ディスク装置では、実際に出射した光ビームの一部を受光して当該光ビームの光量を一定に保つようフィードバック制御する出射光量制御を行うことが考えられる。
【0010】
しかしながら上述した構成の光ディスク装置では、レーザダイオードから出射した光ビームの一部の光量を光学的に調整してしまうため、実際に出射した光ビームの光量を正しく検出することができず、出射光量制御を正しく行い得ないという問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、レーザダイオードの出射光量制御と高精度なレーザノイズの除去とを両立し得る光ピックアップ及び光ディスク装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明の光ピックアップにおいては、レーザ光でなる光ビームを出射する光源と、所定の比率調整信号に基づいた比率で光ビームを1本の主光ビーム及び1本以上の副光ビームに分離する第1分離器と、副光ビームを受光し副光検出信号を生成する副光受光素子と、主光ビームを所定比率で照射光ビーム及び監視光ビームに分離する第2分離器と、監視光ビームを受光し監視光検出信号を生成することにより、所定の制御部に対し当該監視光検出信号を基に照射光ビームの光量を制御させる監視光受光素子と、照射光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、照射光ビームが光ディスクにより反射されてなる反射光ビームを受光して反射光検出信号を生成することにより、所定の制御部に対し、副光検出信号に含まれるレーザノイズレベルと反射光検出信号を基に生成された再生RF信号に含まれるレーザノイズレベルとを揃えるよう比率調整信号を制御させ、再生RF信号から副光検出信号を減算させる反射光受光素子とを設けるようにした。
【0013】
この光ピックアップは、第1分離器によって副光ビームの光量を調整することにより低周波数域における再生RF信号と副光検出信号とのレーザノイズレベルを揃えることができるので、当該再生RF信号から当該副光検出信号を減算させるだけで、光源に起因し再生RF信号に含まれるレーザノイズ成分を低減させることができ、これと並行して、監視光ビームの光量を基に光源から出射する光ビームの光量を正しく制御させることができる。
【0014】
また本発明の光ディスク装置においては、レーザ光でなる光ビームを出射する光源と、所定の比率調整信号に基づいた比率で光ビームを1本の主光ビーム及び1本以上の副光ビームに分離する第1分離器と、副光ビームを受光し副光検出信号を生成する副光受光素子と、主光ビームを所定比率で照射光ビーム及び監視光ビームに分離する第2分離器と、監視光ビームを受光し監視光検出信号を生成する監視光受光素子と、監視光検出信号を基に照射光ビームの光量を制御する照射光制御部と、照射光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、照射光ビームが光ディスクにより反射されてなる反射光ビームを受光して反射光検出信号を生成する反射光受光素子と、副光検出信号に含まれるレーザノイズレベルと反射光検出信号を基に生成された再生RF信号に含まれるレーザノイズレベルとを揃えるよう比率調整信号を制御する副光制御部と、再生RF信号から副光検出信号の高周波数域成分を直接減算する減算処理部とを設けるようにした。
【0015】
この光ディスク装置は、第1分離器によって副光ビームの光量を調整することにより低周波数域における再生RF信号と副光検出信号とのレーザノイズレベルを揃えることができるので、当該再生RF信号から当該副光検出信号を減算するだけで、光源に起因し再生RF信号に含まれるレーザノイズ成分を低減することができ、これと並行して、監視光ビームの光量を基に光源から出射する光ビームの光量を正しく制御することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1分離器によって副光ビームの光量を調整することにより低周波数域における再生RF信号と副光検出信号とのレーザノイズレベルを揃えることができるので、当該再生RF信号から当該副光検出信号を減算させるだけで、光源に起因し再生RF信号に含まれるレーザノイズ成分を低減させることができ、これと並行して、監視光ビームの光量を基に光源から出射する光ビームの光量を正しく制御させることができ、かくしてレーザダイオードの出射光量制御と高精度なレーザノイズの除去とを両立し得る光ピックアップを実現できる。
【0017】
また本発明によれば、第1分離器によって副光ビームの光量を調整することにより低周波数域における再生RF信号と副光検出信号とのレーザノイズレベルを揃えることができるので、当該再生RF信号から当該副光検出信号を減算するだけで、光源に起因し再生RF信号に含まれるレーザノイズ成分を低減することができ、これと並行して、監視光ビームの光量を基に光源から出射する光ビームの光量を正しく制御することができ、かくしてレーザダイオードの出射光量制御と高精度なレーザノイズの除去とを両立し得る光ディスク装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0019】
(1)回折格子の構成
(1−1)基本原理
本発明の具体的な構成について説明する前に、まず本発明の基本原理を説明する。図2(A)に外観図を示すように、可変回折格子10は、それぞれ略平板状でなる2枚の回折格子11及び12が互いにほぼ平行に近接し、且つそれぞれの格子が形成された格子面11A及び12Aを対向させた構成となっている。説明の都合上、以下では格子面11A及び12Aの法線と平行な方向をz方向と定義する。
【0020】
回折格子11及び12は、それぞれ一般的な構成の回折格子1(図1)と同様に構成されている。回折格子11は、透明な樹脂材料又はガラス材料等により構成されており、所定波長(例えば405[nm])の光ビームに対し屈折率n1の屈折率を呈するようになされている。
【0021】
図3(A)に断面図を示すように、回折格子11は、格子面11Aに格子深さd1及び周期cでなる格子g11が形成されている。この格子g11は、格子面11Aの格子配列方向(図2に矢印xで示す)に沿って、突出した山状の部分と陥没した谷状の部分とが交互に現れる、2段階のいわゆるバイナリ型となっている。また格子g11は、山状の部分及び谷状の部分におけるx方向の幅hがいずれも周期cの約1/2となっている。
【0022】
一方、回折格子12は、回折格子11と同様、透明な樹脂材料又はガラス材料等により構成されており、所定波長(例えば405[nm])の光ビームに対し屈折率n2の屈折率を呈するようになされている。
【0023】
因みに、回折格子12における格子g12の周期cは、当該回折格子11から周期cで出射される光が入射される際の入射幅に相当すれば良く、回折格子11および12に平行光が入射されることを前提としていることから、回折格子11の格子g11と同一の周期cとなっている。
【0024】
回折格子12は、格子面11Aと対向する格子面12Aに、格子深さd2でなり格子面11Aと同一の周期cでなるバイナリ型の格子g12が形成されている。この格子g12は、回折格子11における格子面11Aの格子g11と同一の格子配列方向(すなわちx方向)に沿って、山状部分及び谷状部分が交互に現れるようになされている。
【0025】
また回折格子11及び12は、所定波長(例えば405[nm])の光ビームについて屈折率がn0である空気中に設けられており、格子面11Aと回折格子12の格子面12Aとの間隔が所定距離以下となるようにそれぞれ配置されている。
【0026】
可変回折格子10は、図3(A)に示したように、z方向に関して格子g11及び格子g12の山状部分同士の位置を合わせた状態(以下、これを第1状態と呼ぶ)である場合、当該可変回折格子10全体としては、次式に示す位相深さφ1の回折格子として作用することができる。
【0027】
【数1】

【0028】
この場合、平行光でなり可変回折格子10をz方向に沿って通過する光ビームは、図3(B)に示すように、位相深さφ1の回折格子を通過した場合と同様に位相が変化することになる。
【0029】
また、可変回折格子10におけるm次(mは0以上の整数)の回折効率η1(m)は、次式により求めることができる。
【0030】
【数2】

【0031】
ここで可変回折格子10は、回折格子12を固定したまま回折格子11が第1状態からx方向、すなわち格子g11及びg12の格子配列方向へ距離Δxだけ移動されると、例えば図3(A)及び(B)とそれぞれ対応する図4(A)及び(B)に示す中間状態となる。
【0032】
因みに可変回折格子10は、例えばコイルと磁石との組み合わせでなるアクチュエータや圧電素子等を用いることにより、回折格子11を移動させることができる。
【0033】
可変回折格子10は、さらに回折格子11がx方向へ移動され、第1状態からの移動量が幅hになると、図3(A)及び(B)とそれぞれ対応する図5(A)及び(B)に示すように、z方向に関して格子g11及び格子g12の山状部分と谷状部分との位置を互いに対応させた状態(以下、これを第2状態と呼ぶ)となる。
【0034】
このとき可変回折格子10は、全体として、(1)式と対応する次式に示すような位相深さφ2の回折格子として作用することができる。
【0035】
【数3】

【0036】
またこのときの可変回折格子10におけるm次の回折効率η2(m)は、(2)式と対応する次式により求めることができる。
【0037】
【数4】

【0038】
さらに可変回折格子10は、第1状態及び第2状態に加えて、中間状態でも回折格子として作用する。具体的に可変回折格子10は、0次光及び±1次光についてのシミュレーションにより、図6に示すように回折効率を連続的に変化させることがわかった。
【0039】
因みに図6では、回折格子12に対する回折格子11のx方向に関する位置を、格子g11及びg12の周期cに対する位相(以下、これを格子位相と呼ぶ)により表しており、第1状態及び第2状態の格子位相をそれぞれ「0」及び「0.5」としている。また図6では、0次光の特性を特性曲線U10により表し、±1次光の特性を特性曲線U11により表している。
【0040】
この図6において、0次光を表す特性曲線U10は、第1状態から第2状態にかけて回折効率が約35[%]から約90[%]まで連続的に変化している。すなわち可変回折格子10は、例えば0次光について、透過率を約35[%]から約90[%]まで変化させるアッテネータ(減衰器)として作用することができる。
【0041】
同様に可変回折格子10は、±1次光について、透過率を約25[%]から約5[%]まで変化させるアッテネータとして作用することができる。
【0042】
このように可変回折格子10は、格子g11と格子g12との平行が保たれたまま回折格子12に対する回折格子11のx方向に関する相対的な位置が変化されることにより、回折効率を変化させることができる。
【0043】
なお回折格子11及び12は、いずれも一般的な回折格子と同様、格子面11Aの格子g11及び格子面12Aの格子g12がy方向(図2)に関して同一形状となるよう形成されている。このため可変回折格子10は、回折格子12に対する回折格子11のy方向に関する位置により回折効率が変化することはない。
【0044】
(1−2)可変回折格子の構成例
本発明による可変回折格子は、図2〜図5に示した可変回折格子10に限らず、他の構成とすることもできる。以下では、その具体的な構成例を示す。また説明の都合上、上述した可変回折格子10を第1の可変回折格子10と呼ぶ。
【0045】
(1−2−1)第2の可変回折格子の構成
図3(A)と対応する図7(A)に示すように、第2の可変回折格子20は、回折格子11及び12とそれぞれ対応する回折格子21及び22の組み合わせにより構成されている。
【0046】
回折格子21及び22は、それぞれ回折格子11及び12とほぼ同様に構成されているものの、互いの位相深さが一致するよう、すなわち次式の関係を満たすように、屈折率n1及びn2並びに格子深さd1及びd2が定められている。
【0047】
【数5】

【0048】
このため、可変回折格子20をz方向(図2)に沿って通過する光ビームは、第1状態では、図3(B)と対応する図7(B)に示すように、位相深さφ1の回折格子を通過した場合と同様に位相が変化することになる。
【0049】
一方、可変回折格子20は、回折格子22を固定したまま回折格子21が第1状態からx方向へ移動されると、図8(A)に示す中間状態を経て図9(A)に示す第2状態になる。ここで(5)式を(3)式に代入すると、位相深さφ2=0となる。
【0050】
すなわち第2状態の可変回折格子20をz方向(図2)に沿って通過する光ビームは、図9(B)に示すように、回折されることなく0次光のみとなり、いわば素通りすることになる。
【0051】
この可変回折格子20の回折効率は、0次光及び±1次光についてのシミュレーションにより、図6と対応する図10に示すような特性を示すことがわかった。因みに図10では、0次光の特性を特性曲線U20により表し、±1次光の特性を特性曲線U21により表している。
【0052】
図10において、0次光を表す特性曲線U20は、第1状態から第2状態にかけて回折効率が約50[%]から約100[%]まで連続的に変化している。すなわち可変回折格子20は、0次光について、透過率を約50[%]から約100[%]まで変化させるアッテネータとして作用することができる。
【0053】
同様に可変回折格子20は、±1次光について、透過率を約20[%]から約0[%]まで変化させるアッテネータとして作用することができる。
【0054】
また可変回折格子20は、(5)式を満たす場合のみでなく、次式の関係を満たす場合にも同様の性質を示すことになる。
【0055】
【数6】

【0056】
このように第2の可変回折格子20は、第1の可変回折格子10と同様、回折格子22に対する回折格子21のx方向に関する位置が変化されることにより、回折効率を変化させることができ、特に第2状態では、回折格子が設けられていない場合と同様に0次光のみを約100[%]の割合で通過させることができる。
【0057】
(1−2−2)第3の可変回折格子の構成
図3(A)と対応する図11(A)に示すように、第3の可変回折格子30は、回折格子11及び12とそれぞれ対応する回折格子31及び32の組み合わせにより構成されている。
【0058】
回折格子31及び32は、それぞれ回折格子11及び12と一部異なり、断面が鋸歯状に形成された、いわゆるブレーズド型の回折格子となっている。
【0059】
回折格子31及び32の格子g31及びg32は、いずれも周期cでなり、格子g31及びg32の斜面同士が互いに対向するようになされている。
【0060】
可変回折格子30は、図11(A)に示した第1状態において、一方の山状部分と他方の谷状部分とが対応するよう位置しており、上述した(5)式を満たすように、屈折率n1及びn2並びに格子深さd1及びd2が定められている。
【0061】
このため可変回折格子30は、第1状態において、可変回折格子20の第2状態(図9)と同様の光学的特性を有することになる。すなわち、平行光でなり第1状態の可変回折格子30をz方向(図2)に沿って通過する光ビームは、図11(B)に示すように回折されることなく0次光のみとなり、素通りすることになる。また第1状態の可変回折格子30は、デューティー比が0[%]の回折格子と見なすこともできる。
【0062】
ここで可変回折格子30は、回折格子32を固定したまま回折格子31が第1状態からx方向へ距離Δxだけ移動されると、例えば図11(A)と対応する図12(A)に示す中間状態となる。
【0063】
この中間状態において、可変回折格子30をz方向に沿って通過する光ビームは、図12(B)に示すように、周期cのうち距離Δxに相当する部分の位相が、次式に示す位相深さφ3となるような回折格子を通過した場合と同様に変化することになる。
【0064】
【数7】

【0065】
このとき可変回折格子30は、デューティー比が(距離Δx/周期c)の回折格子と見なすことができる。
【0066】
可変回折格子30は、さらに回折格子31がx方向へ移動され、第1状態からの移動量が幅hになると、図11(A)と対応する図13(A)示すように、格子g31及び格子g32の山状部分と谷状部分とがx方向に互いに半周期ずつずれた状態(以下、これを第2状態と呼ぶ)となる。
【0067】
この第2状態において、第3の可変回折格子30は、図13(B)に示すように、位相深さφ3でなりデューティー比が50[%]の回折格子と見なすことができる。
【0068】
すなわち第3の可変回折格子30は、図11(B)、図12(B)及び図13(B)に示したように、第1状態から第2状態へ変化されるについて、位相深さφ3の回折格子におけるデューティー比を0[%]から50[%]まで変化させることができる。
【0069】
この可変回折格子30の回折効率は、0次光及び±1次光についてのシミュレーションにより、図6及び図10と対応する図14に示すような特性を示すことがわかった。因みに図14では、0次光の特性を特性曲線U30により表し、±1次光の特性を特性曲線U31により表している。
【0070】
図14において、0次光を表す特性曲線U30は、第1状態から第2状態にかけて透過率が約100[%]から約50[%]まで連続的に変化している。すなわち可変回折格子30は、0次光について、透過率を約100[%]から約50[%]まで変化させるアッテネータとして作用することができる。
【0071】
同様に可変回折格子30は、±1次光について、透過率を約0[%]から約20[%]まで変化させるアッテネータとして作用することができる。
【0072】
このように第3の可変回折格子30は、第1の可変回折格子10と同様、回折格子32に対する回折格子31のx方向に関する位置が変化されることにより、回折効率を変化させることができ、特に第1状態では、回折格子が設けられていない場合と同様に0次光のみをほぼ100[%]の割合で通過させることができる。
【0073】
なお回折格子31及び32の格子g31及びg32は、それぞれ鋸歯型に限らず、階段状の疑似鋸歯型に構成されていても良い。
【0074】
(1−2−3)第4の可変回折格子の構成
図3(A)と対応する図15(A)に示すように、第4の可変回折格子40は、回折格子11及び12とそれぞれ対応する回折格子41及び42の組み合わせにより構成されている。
【0075】
可変回折格子40は、上述した可変回折格子10、20及び30と異なり、発散光でなる光ビームが入射されることを前提としている。
【0076】
このため回折格子41及び42は、基本的にはそれぞれ回折格子11及び12と類似した構成を有しているものの、光ビームの発散に合わせて、それぞれの格子g41及びg42における周期が互いに異なるようになされている。
【0077】
すなわち可変回折格子40は、光ビームの光源Qから格子g41及びg42までの距離をそれぞれ距離f1及びf2とし、格子g41及びg42の周期をそれぞれ周期c1及びc2とすると、次式に示すような関係を有する。
【0078】
【数8】

【0079】
図15(A)に示す第1状態において、回折格子41及び42は、格子g41の山状部分を通過した光ビームが格子g42の山状部分を通過するよう、互いの位置が定められている。
【0080】
このため点Qを点光源として発散する光ビームは、可変回折格子40を通過することにより、図3(B)と対応する図15(B)に示すように、位相深さφ1の回折格子を通過した場合と同様に位相が変化することになる。
【0081】
なお、この可変回折格子40においても、第1の可変回折格子10(図3)の場合と同様、(1)式及び(2)式の関係が成立する。
【0082】
また可変回折格子40は、回折格子41がx方向へ距離h1(すなわち周期c1の1/2の距離)だけ移動されると、図15(A)及び(B)と対応する図16(A)及び(B)に示すように第2状態となる。
【0083】
この第2状態において、可変回折格子40は、第1の可変回折格子10(図5)の場合と同様、(3)式に示した位相深さφ2の回折格子と見なすことができ、(4)式により回折効率η2(m)を算出することができる。
【0084】
また可変回折格子40は、光ビームの光源が第2回折格子側にあり、集光レンズ等により点Qを焦点として集光される光ビームに対しても、同様に回折効率を変化させることができる。
【0085】
このように第4の可変回折格子40は、第1の可変回折格子10と同様、回折格子42に対する回折格子41のx方向に関する位置が変化されることにより、回折効率を変化させることができる。これにより第4の可変回折格子40は、発散光又は収束光でなる光ビームのアッテネータとして作用することもできる。
【0086】
(1−3)動作及び効果
以上の構成において、可変回折格子10は、周期cの格子g11が形成された回折格子11の格子面11Aと、周期cの格子g12が形成された回折格子12の格子面12Aとを対向させることにより、全体として一つの回折格子を構成する。
【0087】
可変回折格子10は、z方向に関して格子g11及び格子g12の山状部分同士の位置を揃えた第1状態(図3)では、z方向から入射する光ビームに対し、(1)式により表される位相深さφ1の回折格子として作用する。
【0088】
一方、可変回折格子10は、回折格子11が回折格子12に対し周期cの半分である幅hだけx方向へ移動され、格子g11及び格子g12の山状部分と谷状部分との位置を互いに対応させた第2状態(図5)では、(3)式により表される位相深さφ2の回折格子として作用する。
【0089】
従って可変回折格子10は、回折格子12に対する回折格子11の位置が移動され第1状態又は第2状態に切り換えられることにより、それぞれ異なる回折効率の回折格子として作用することができる。
【0090】
このとき可変回折格子10は、それぞれ一般的な回折格子と同様の材料構成でなる回折格子11及び12が組み合わされているため、例えば液晶素子に印加する電圧を制御することにより回折効率を変化させる場合と比較して、耐光性を向上させることができる。
【0091】
また可変回折格子10は、例えばアクチュエータや圧電素子等を用いることにより、回折格子11を極めて短い時間で所望の位置へ移動させることができるので、液晶素子の場合と比較して、周囲の温度等に左右されることなく高速に応答することが期待できる。
【0092】
このとき可変回折格子10は、回折格子12に対し回折格子11を最大でも幅hだけ移動させれば良いため、例えば回折格子全体を移動させ光路に挿入するか否かを切り換えるような場合と比較して、回折格子11の移動時間を遙かに短縮することができ、また移動のために要する空間も大幅に削減することができる。
【0093】
さらに可変回折格子10は、第1状態及び第2状態に加え、中間状態(図4)においても回折効率が連続的に変化するため(図6)、アッテネータとして用いられる際に、0次光又は±1次光等の光ビームの光量をきめ細かく調整することができる。
【0094】
さらに可変回折格子20は、屈折率n1及びn2並びに格子深さd1及びd2が(5)式又は(6)式を満たすよう選定及び設計されることにより、第2状態において、光ビームを回折させることなく素通しとすることもできる(図9(B))。
【0095】
また可変回折格子30は、ブレーズド型の回折格子31及び32を組み合わせ、第1状態ないし第2状態に変化することにより、回折格子のデューティー比を変化させることができ(図11(B)、図12(B)及び図13(B))、これにより回折効率を連続的に変化させることができる。
【0096】
さらに可変回折格子40は、回折格子41及び42の格子g41及びg42における周期c1及びc2が、(8)式の関係に基づき光ビームの光源である点Qからの距離f1及びf2と比例するよう設計されていることにより、平行光でなる光ビームに対し可変回折格子10が作用する場合と同様に、発散光又は収束光でなる光ビームに対し回折効率を適切に調整することができる。
【0097】
以上の構成によれば、可変回折格子10は、周期cの格子g11が形成された回折格子11の格子面11Aと周期cの格子g12が形成された回折格子12の格子面12Aとを対向させ、z方向に関して格子g11及び格子g12の山状部分同士の位置を揃えた第1状態では、z方向から入射する光ビームに対し(1)式により表される位相深さφ1の回折格子として作用する一方、回折格子11が回折格子12に対し周期cの半分である幅hだけx方向へ移動され格子g11及び格子g12の山状部分と谷状部分との位置を互いに対応させた第2状態では、(3)式により表される位相深さφ2の回折格子として作用することにより、それぞれ異なる回折効率の回折格子として作用することができる。
【0098】
(2)第1の実施の形態
(2−1)光ディスク装置の構成
図17において、光ディスク装置50は、制御部51を中心に構成されており、BD(Blu-ray Disc、登録商標)方式の光ディスク100に対して情報を記録し、また当該光ディスク100から当該情報を再生し得るようになされている。
【0099】
因みに光ディスク装置50は、様々な種類、すなわち書換型若しくは再生専用型の違い及び記録層の数等が異なる光ディスク100にそれぞれ対応するようになされている。
【0100】
制御部51は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、各種プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とによって構成されており、光ディスク装置50を統括制御するようになされている。
【0101】
すなわち制御部51は、駆動部52を介してスピンドルモータ55を回転駆動させ、ターンテーブル(図示せず)に載置された光ディスク100を所望の速度で回転させる。また制御部51は、駆動部52を介してスレッドモータ56を駆動させることにより、光ピックアップ57を移動軸G1及びG2に沿ってトラッキング方向、すなわち光ディスク100の内周側又は外周側へ向かう方向へ大きく移動させる。
【0102】
光ピックアップ57は、対物レンズ58等の複数の光学部品が取り付けられており、制御部51の制御に基づいて光ディスク100へ光ビームを照射し、このとき当該光ビームが反射されてなる反射光ビームを検出するようになされている。
【0103】
例えば制御部51は、光ディスク100が装填された状態で、当該光ディスク100に記録されている情報を再生する再生命令を外部機器(図示せず)から受け付けた場合、駆動部52を介して、所定の再生制御信号を光ピックアップ57へ供給する。
【0104】
これに応じて光ピックアップ57は、対物レンズ58により光ビームを光ディスク100の記録層へ集光すると共に、駆動部52によるフォーカス制御及びトラッキング制御に基づき、2軸アクチュエータ59によって当該対物レンズ58の位置を調整する。
【0105】
具体的に光ピックアップ57は、内部のレーザダイオード(詳しくは後述する)から光ビームを出射し、対物レンズ58を介して光ディスク100の記録層へ照射する。また光ピックアップ57は、光ビームが当該記録層により反射されてなる反射光ビームを内部のフォトディテクタ(詳しくは後述する)により受光し、そのときの受光量に応じた受光信号を複数生成して信号処理部53へ供給する。
【0106】
これに応じて信号処理部53は、供給された受光信号を用いた所定の演算処理を行うことにより、光ビームの焦点と光ディスク100の信号記録層における所望トラックとの間の、フォーカス方向及びトラッキング方向に関するずれ量を表すフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号をそれぞれ生成し、これらを駆動部52へ供給する。
【0107】
駆動部52は、供給されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を基に、対物レンズ58を駆動するための駆動信号を生成し、これを2軸アクチュエータ59へ供給する。
【0108】
光ピックアップ57は、この駆動信号に基づいて2軸アクチュエータ59を駆動することにより、対物レンズ58のフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、当該対物レンズ58により集光される光ビームの焦点を所望トラックへ追従させるようになされている。
【0109】
このとき制御部51は、外部から供給される情報に基づき、レーザダイオードから出射する光ビームの強度を信号処理部53によって変調することにより、所望のトラックに対し当該情報を記録し得るようになされている。
【0110】
また制御部51は、信号処理部53によって検出信号に対し所定の演算処理、復調処理及び復号化処理等を施すことにより、光ディスク100における所望のトラックに記録されている情報を再生し得るようになされている。
【0111】
因みに制御部51は、このとき得られた情報や、光ピックアップ57における反射光ビームの受光結果等を基に、光ディスク100の種類を判別する判別処理を行うようにもなされている。これにより制御部51は、光ディスク100の種類により異なる記録方式や再生方式に正しく対応し得るようになされている。
【0112】
このように光ディスク装置50は、光ディスク100に対し光ビームを用いて情報を記録し、また当該光ビームを用いて光ディスク100から情報を再生するようになされている。
【0113】
(2−2)光ピックアップの構成
図18に示すように、光ピックアップ57は、レーザダイオード、フォトディテクタ及びプリズム等が一体に構成された光集積素子60を中心に構成されている。
【0114】
光集積素子60は、図19に示すように、板状のベース板61の一面にレーザダイオード62が設けられており、信号処理部53(図17)から供給されるレーザ駆動信号DLに基づき、当該レーザダイオード62からBD方式に対応した波長約405[nm]の光ビームL1を出射させる。
【0115】
光ビームL1は、ベース板61の一面に設けられた立上ミラー63により反射され、当該ベース板61に設けられた孔部61Hを通じて反対面側へ進行し、開口部を有する台座部64Aを通過して1/2波長板65へ入射する。
【0116】
因みに光集積素子60は、レーザダイオード62の周囲をベース板61、部材64C、リッド64D及び台座64A等によって密封することにより、当該レーザダイオード62を酸化等による劣化から保護するようになされている。
【0117】
1/2波長板65は、光ビームL1の偏光方向を調整し可変回折格子66へ入射させる。可変回折格子66は、図20(A)及び(B)に示すように、全体が中空の直方体状でなるシャーシ80の内部に可動回折格子81及び固定回折格子82を有している。
【0118】
シャーシ80は、それぞれ板状の底板80A及び天板80Cの間に、四角柱の側面状でなる側板80Bが挟まれたような構成を有している。底板80A及び天板80Cは、それぞれ中央に設けられた貫通孔により光ビームを通過させ得るようになされている。
【0119】
可動回折格子81及び固定回折格子82は、それぞれ可変回折格子40(図15及び図16)における回折格子41及び42と同様に構成されており、発散光でなる光ビームL1の光源(すなわちレーザダイオード62)からの光路長の比率に応じて、格子g81及びg82の周期c1及びc2がそれぞれ定められている。
【0120】
因みに可変回折格子66は、固定回折格子82側(すなわち図の下側)から発散光でなる光ビームL1が入射するため、可変回折格子40の場合と反対に、格子g81の周期c1が格子g82の周期c2よりも大きくなるようになされている。
【0121】
固定回折格子82は、底板80Aに取付固定されている。一方、可動回折格子81は、板ばねや弾性体等により構成された可動支持部83を介して天板80Cに取付固定されている。これにより可動回折格子81は、格子g81が配列されたx方向又はその反対方向(以下−x方向と呼ぶ)へ自在に移動し得るようになされている。
【0122】
さらに可動回折格子81及び固定回折格子82は、互いにほぼ平行となり、且つ格子g81及びg82も互いにほぼ平行となるよう位置調整されている。
【0123】
可動回折格子81の側面81E及び81Fには、それぞれ薄膜コイル84が取り付けられている。また、当該薄膜コイル84とそれぞれ対向する側板80B1及び80B2の内面には、マグネット85がそれぞれ取り付けられている。すなわち可変回折格子66は、薄膜コイル84及びマグネット85の組み合わせにより格子アクチュエータ86を構成している。
【0124】
格子アクチュエータ86は、駆動部52(図17)から当該薄膜コイル84に格子駆動信号DGが供給されると、当該格子駆動信号DGに基づく電磁力を発生させ、当該電磁力とマグネット85の磁力との作用により、当該格子駆動信号DGに応じた距離だけ可動回折格子81をx方向又はその反対方向へ移動させるようになされている。
【0125】
このように可変回折格子66は、駆動部52から供給される格子駆動信号DGに応じ格子アクチュエータ86によって可動回折格子81を移動させることにより、上述した可変回折格子40と同様、0次光及び±1次以上の回折光における回折効率をそれぞれ変化させることができる。
【0126】
実際上、可変回折格子66は、光ビームL1を回折させることにより0次及び±1次以上の高次の回折光(以下、これを高次回折光と呼ぶ)でなる複数の光ビームに分離し、透明な樹脂材料でなるモールド複合素子67(図19)を介して積層プリズム68へ入射させる。
【0127】
積層プリズム68の偏光反射膜68Aは、光ビームL1の偏光方向との関係により、当該光ビームL1を所定の割合で透過することにより光ビームL2とし、これをコリメータレンズ71(図18)へ入射させる。同時に偏光反射膜68Aは、当該光ビームL1の残り部分を反射することにより光ビームL3とし、これを集光レンズ73(図18)へ入射させる。すなわち偏光反射膜68Aは、光ビームL1を光ビームL2及びL3に分配することになる。
【0128】
コリメータレンズ71は、光ビームL2を発散光から平行光に変換し、これを1/4波長板72により直線偏光から円偏光に変換させた上で、対物レンズ58へ入射させる。対物レンズ58は、光ビームL2を集光し光ディスク100の記録層へ照射する。
【0129】
このとき光ビームL2は、光ディスク100の記録層において反射されることにより、円偏光における回転方向が反転された反射光ビームL4となり、対物レンズ58へ入射する。対物レンズ58は、反射光ビームL4を発散光から平行光に変換し、これを1/4波長板72により円偏光から直線偏光に変換させた上で、コリメータレンズ71へ入射させる。
【0130】
因みに反射光ビームL4は、円偏光における回転方向が光ビームL2とは反対方向であるため、1/4波長板72により直線偏光に変換された後の偏光方向が光ビームL2の偏光方向と直交することになる。
【0131】
コリメータレンズ71は、反射光ビームL4を収束光に変換し、これを光集積素子60の積層プリズム68(図19)へ入射させる。積層プリズム68の偏光反射膜68Aは、反射光ビームL4の偏光方向との関係によりその大部分を反射し、ハーフミラー68Bへ入射させる。
【0132】
ハーフミラー68Bは、反射光ビームL4を約20%の割合で反射することにより反射光ビームL5とし、モールド複合素子67に形成されたホログラム67Aによりこれを複数の光ビームに分離させた上で、再生信号検出用フォトディテクタ69へ照射させる。
【0133】
またハーフミラー68Bは、反射光ビームL4を約80%の割合で透過することにより反射光ビームL6とし、これをミラー68Cにより反射させて再生信号検出用フォトディテクタ69へ照射させる。
【0134】
再生信号検出用フォトディテクタ69は、反射光ビームL5及びL6に対応した複数の検出領域を有しており(詳しくは後述する)、各検出領域により反射光ビームL5及びL6の光量を検出し、それぞれの光量に応じた複数の受光信号を生成して、これを信号処理部53(図17)へ供給する。
【0135】
信号処理部53は、複数の受光信号を基に所定の演算処理を行うことにより、上述したフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成するようになされている。
【0136】
一方、発散光でなる光ビームL1が積層プリズム68(図19)の偏光反射膜68Aにより反射されてなる光ビームL3は、集光レンズ73(図18)により発散光から収束光に変換され、APC(Automatic Power Control)用フォトディテクタ74へ入射させる。
【0137】
ここでAPC用フォトディテクタ74は、図21(A)及び(B)に示すように、光ビームL3のうち0次光及び±1次光が照射される位置に合わせて検出領域74A、74B及び74Cがそれぞれ設けられている。
【0138】
さらにAPC用フォトディテクタ74は、光ビームL3の±3次光が照射される位置にそれぞれミラー74Mが設けられており、当該±3次光をそれぞれ反射し検出領域74B及び74Cへ導くようになされている。
【0139】
これによりAPC用フォトディテクタ74は、検出領域74Aにより光ビームL3の0次光を受光すると共に、検出領域74B及び74Cにより光ビームL3の±1次光及び±3次光を高次光として受光し、光電変換によりそれぞれの光量に応じた検出信号SDA、SDB及びSDCを生成して信号処理部53(図17)へ供給する。
【0140】
信号処理部53は、検出信号SDA、SDB及びSDCを基にレーザ駆動信号DLを生成し、これを光ピックアップ57のレーザダイオード62(図19)へ供給することにより、当該レーザダイオード62から出射する光ビームL1の光量を調整するようになされている。
【0141】
このように光ピックアップ57は、駆動部52から供給される格子駆動信号DGに基づき可変回折格子66の可動回折格子81を移動させることにより、光ビームL2及びL3における0次光及び高次回折光それぞれの回折効率を変化させた上で、当該光ビームL2を光ディスク100へ導くと共に当該光ビームL3をAPC用フォトディテクタ74へ導くようになされている。
【0142】
(2−3)レーザダイオード及び可変回折格子による光量の制御
(2−3−1)光量制御回路の構成
ところで光ピックアップ57では、レーザダイオード62(図19)の出射光量がそのまま光ビームL1(図18)の光量となり、当該光ビームL1の光量及び可変回折格子66(図19、図20(A)及び(B))における0次光の回折効率により、光ビームL2及びL3(図18)における0次光の光量が定められることになる。
【0143】
このため光ディスク装置50は、図22に示すように、APC用フォトディテクタ74及び信号処理部53を組み合わせた光量制御部90により、光ビームL1並びに光ビームL2及びL3の光量を統合的に制御するようになされている。
【0144】
すなわちAPC用フォトディテクタ74の検出領域74Aは、光ビームL3の0次光を受光し、その受光量に応じて電流値が変化する検出信号SDAを電流電圧変換回路91の差動アンプ91Aに供給する。
【0145】
上述したように光ビームL3は、積層プリズム68の偏光反射膜68Aにより光ビームL1が固定された割合で反射されたものである。このため検出信号SDAは、光ビームL3の0次光の光量変化を直接表すだけでなく、光ディスク100に照射される光ビームL2の0次光の光量変化を間接的に表すことになる。
【0146】
APC用フォトディテクタ74に組み込まれた電流電圧変換回路91は、検出信号SDAにおける電流の変化を電圧の変化に変換することにより0次光信号Vaを生成し、これを差動アンプ92の負入力端子並びに増幅器96及び97へそれぞれ供給する。
【0147】
差動アンプ92は、制御部51(図17)により、光ビームL3の0次光における目標光量を表す信号(以下これを0次光基準信号Varと呼ぶ)が正入力端子に供給されるようになされている。
【0148】
因みに0次光基準信号Varは、光ディスク装置50が光ディスク100に対し情報を記録する記録時には、比較的大きな値が設定される一方、光ディスク装置50が当該光ディスク100から情報を読み出す再生時には、比較的小さな値が設定されるようになされている。
【0149】
差動アンプ92は、0次光基準信号Varに対する0次光信号Vaの差分を算出し、その算出結果を0次光差分信号Vadとしてレーザダイオード駆動回路93へ供給する。この0次光差分信号は、光ビームL3の0次光を0次光基準信号Varに近づける際の、レーザダイオード62における光ビームL1の光量の調整幅を表すことになる。
【0150】
レーザダイオード駆動回路93は、供給される0次光差分信号Vadを基にレーザ駆動信号DLを生成し、これをレーザダイオード62へ供給する。これによりレーザダイオード62は、光ビームL3の0次光を示す0次光信号Vaを0次光基準信号Varに近づけるような光量でなる光ビームL1を出射する。因みにレーザダイオード駆動回路93は、記録時には、記録すべき情報に応じてレーザ駆動信号DLを変調させるようになされている。
【0151】
かくして光量制御部90は、レーザダイオード62から出射する光ビームL1の光量をフィードバック制御(以下、これを出射光量制御と呼ぶ)するようになされている。
【0152】
一方、APC用フォトディテクタ74の検出領域74B及び74Cは、光ビームL3の±1次光及び±3次光(すなわち高次光)を受光し、それぞれの受光量に応じた検出信号同士を加算した検出信号SDBCを電流電圧変換回路94の差動アンプ94Aに供給する。
【0153】
APC用フォトディテクタ74に組み込まれた電流電圧変換回路94は、検出信号SDBCにおける電流の変化を電圧の変化に変換することにより高次光信号Vbcを生成し、これを差動アンプ95の負入力端子へ供給する。
【0154】
増幅器96は、0次光信号Vaを0.05倍することにより第1比較用信号Va1を生成し、これをスイッチ98へ供給する。同様に増幅器97は、0次光信号Vaを1.5倍することにより第2比較用信号Va2を生成し、これをスイッチ98へ供給する。
【0155】
スイッチ98は、制御部51(図17)の制御に基づき、光ディスク100の再生時には第2比較用信号Va2を選択し、一方光ディスク100の記録時には第1比較用信号Va1を選択して(以下、ここで選択された信号を選択比較用信号Vasと呼ぶ)、当該選択比較用信号Vasを差動アンプ95の正入力端子へ供給する。
【0156】
差動アンプ95は、選択比較用信号Vasに対する高次光信号Vbcの差分を算出し、その算出結果を高次光差分信号Vbcdとして位相補償回路99へ供給する。
【0157】
位相補償回路99は、高次光差分信号Vbcdを基に、発振等を防止し制御を安定させ得る格子制御信号CGを生成し、これを駆動部52へ供給する。駆動部52は、格子制御信号CGを基に格子駆動信号DGを生成し、これを可変回折格子66の格子アクチュエータ86へ供給することにより、可動回折格子81(図20)をx方向又はその反対方向へ移動させ0次光及び高次光の回折効率を変化させる。
【0158】
すなわち光量制御部90は、高次光信号Vbcを選択比較用信号Vasに近づけて追従させるようフィードバック制御(以下、これを格子位置制御と呼ぶ)を行っている。
【0159】
ここで光量制御部90は、光ディスク100の再生時には、0次光信号Vaを1.5倍した第2比較用信号Va2が選択比較用信号Vasとなっているため、0次光信号Vaと高次光信号Vbcとの比率を約1対1.5とするように、可変回折格子66の回折効率を調整することになる。
【0160】
すなわち光量制御部90は、可変回折格子66によって高次光信号Vbcの割合を増加させることにより0次光信号Vaの光量を減少させている。
【0161】
これにより光量制御部90は、光ビームがレーザダイオード62から出射され光ディスク100へ照射されるまでの往路における光学効率(すなわち光ビームL1がレーザダイオード62から出射される際の元出射パワーに対する、光ビームL2が対物レンズ58から出射される際の対物レンズ出射パワーの割合)を減少させることができる。かくして光量制御部90は、元出射パワーを増加させることに伴いレーザノイズを相対的に低減させることができる。
【0162】
一方、光量制御部90は、光ディスク100の記録時には、0次光信号Vaを0.05倍した第1比較用信号Va1が選択比較用信号Vasとなっているため、0次光信号Vaと高次光信号Vbcとの比率を約1対0.05とするように、可変回折格子66の回折効率を調整することになる。
【0163】
すなわち光量制御部90は、可変回折格子66によって高次光信号Vbcの割合を極めて減少させることにより0次光信号Vaの光量を増加させることができる。これにより光量制御部90は、往路の光学効率を極力高めることができるので、少ないレーザ駆動電流により対物レンズ出射パワーを記録に適する程度に高めることができる。
【0164】
因みに光量制御部90では、0次光の光量をできるだけ増加させるため、0次光ビームの割合を100%に近づけるべきであるものの、格子位置制御におけるフィードバック制御を高速に行う観点から、増幅器97における倍率を0.05とし0次光ビームの割合(すなわち回折効率)を約95%としている。
【0165】
このように光量制御部90は、0次光信号Vaに対する高次光信号Vbcの比率、すなわち0次光に対する高次光の光量の比率を予め設定した所望の値(1.5や0.05等)に調整することにより、可変回折格子66の回折効率を調整するようになされている。これにより光量制御部90は、当該可変回折格子66をアッテネータとして機能させるときの減衰量を調整することができ、再生時と記録時とで往路の光学効率を大きく変化させることができる。
【0166】
(2−3−2)格子位置制御の開始
ところで光量制御部90は、上述した格子位置制御を開始する際、特定の条件を満たすタイミングで開始することにより、フィードバックループの収束に要する時間を短縮するようになされている。
【0167】
光ディスク装置50は、光ディスク100に対し記録又は再生を開始する際、まず光ディスク100の信号記録層に光ビームL2の焦点を粗く合わせてフィードバック制御を開始し得る状態とするフォーカス引き込み動作を行う。
【0168】
光量制御部90は、このフォーカス引き込み動作を行う際、格子位置制御を開始する前の準備として、制御部51からの制御に基づき駆動部52により図23(A)に示すような波形でなる事前格子駆動信号DG0を生成し、これを可変回折格子66へ供給する。
【0169】
事前格子駆動信号DG0は、その波形が鋸歯状でなり、所定周期で繰り返されるようになされている。また事前格子駆動信号DG0を微分した場合、図23(B)に示すような微分信号ΔDG0が得られる。なお事前格子駆動信号DG0は、鋸歯状に限らず、正弦波状や三角波状であっても良い。
【0170】
可変回折格子66は、事前格子駆動信号DG0に基づき可動回折格子81(図20(A))をx方向又はその反対方向へ周期的に移動させることにより、0次光ビーム及び高次光ビームの回折効率をそれぞれ連続的に変化させる。
【0171】
この結果、高次光信号Vbc(図22)は、事前格子駆動信号DG0と対応して図23(C)に示すように変化する。この図23(C)に選択比較用信号Vasを重ねて表すと、高次光信号Vbcは、時刻t1、t2、t3、t4、t5及びt6で当該選択比較用信号Vasと一致することがわかる。また高次光信号Vbcを微分した場合、図23(D)に示すような微分信号ΔVbcが得られる。
【0172】
ところで光量制御部90は、上述した格子位置制御により、高次光信号Vbcを選択比較用信号Vasに近づけるようフィードバック制御する。従って光量制御部90は、高次光信号Vbcの値と選択比較用信号Vasの値とが一致する時刻t1、t2、t3、t4、t5又はt6(図23(C))又はその前後において当該格子位置制御を開始すれば、直ちにフィードバックループを収束できるようにも考えられる。
【0173】
しかしながら光量制御部90は、信号処理部53において、高次光信号Vbcを差動アンプ95の負入力端子へ供給することにより、最終的に格子駆動信号DGを生成している。すなわち光量制御部90では、仮に高次光信号Vbcが増加すれば、格子駆動信号DGは減少することになる。
【0174】
このため光量制御部90は、格子駆動信号DGが増加傾向にあるときに高次光信号Vbcも増加するようなタイミングで格子位置制御を開始しなければ、フィードバックループを発散させてしまうことになる。
【0175】
すなわち光量制御部90は、高次光信号Vbcの増加又は減少と格子駆動信号DGの増加又は減少とが一致するとき、すなわち事前格子駆動信号の微分値ΔDG0の符号と高次光信号の微分値ΔVbcの符号とが一致するとき、いわば極性が一致するときに格子位置制御を開始すれば、フィードバックループを短時間で収束できると考えられる。
【0176】
そこで光量制御部90は、まず信号処理部53により、事前格子駆動信号の微分値ΔDG0及び高次光信号の微分値ΔVbcを算出し得ると共に、高次光信号Vbcと選択比較用信号Vasとの差分が所定の閾値Vth未満であるか否かを判定する。
【0177】
次に光量制御部90は、高次光信号Vbcの値と選択比較用信号Vasの値との差分が閾値Vth未満であり、且つ事前格子駆動信号の微分値ΔDG0と高次光信号の微分値ΔVbcとの積が正となるとき、すなわち微分値ΔDG0の符号と微分値ΔVbcの符号とが一致する時刻t1、t2、t5若しくはt6又はその付近において当該格子位置制御を開始する。
【0178】
このように光量制御部90は、高次光信号Vbcの値と選択比較用信号Vasの値との差分並びに事前格子駆動信号の微分値ΔDG0の符号及び高次光信号の微分値ΔVbcの符号の関係を基に格子位置制御の開始タイミングを定めることにより、フィードバックループを短時間で安定的に収束し得るようになされている。
【0179】
(2−3−3)回折格子の設計例
次に、可変回折格子66(図20)の可動回折格子81及び固定回折格子82における格子g81及びg82の周期c2について説明する。因みに可変回折格子66は、可変回折格子40(図15及び図16)の場合と同様、格子g81の周期c1と格子g82の周期c2とが相違するものの、ここでは格子g81の周期c1に着目する。
【0180】
光ピックアップ57(図18)は、例えば記録時に、可変回折格子66により分離された高次光ビーム(すなわち±1次以上の回折光ビーム)を対物レンズ58に入射させてしまうと、光ディスク100における本来情報を記録したい所望トラック以外の他の箇所に対し、当該対物レンズ58により当該高次光ビームを集光してしまう。この場合、光ピックアップ57は、当該他の箇所に既に記録されていた情報を意図せずに消去してしまう可能性がある。
【0181】
そこで、光ピックアップ57において、0次光ビームのみを光ディスク100へ照射し高次光ビームを光ディスク100へ照射しないための条件について検討する。
【0182】
まず、図18及び図19との対応部分に同一符号を付した図24に示すように、可変回折格子105が平行光中に配置された光ピックアップ104を想定する。
【0183】
この光ピックアップ104は、レーザダイオード62から出射された発散光でなる光ビームをコリメータレンズ71により平行光に変換し、1/2波長板65を介して可変回折格子105へ入射させる。
【0184】
可変回折格子105は、可変回折格子66における可動回折格子81及び固定回折格子82に代えて、可変回折格子10、20又は30と同様の可動回折格子及び固定回折格子が設けられており、平行光でなる光ビームを回折させ、またその回折効率を変化させ得るようになされている。
【0185】
可変回折格子105は、光ビームを回折することにより0次光及び±1次以上の高次光に分離し、積層プリズム68のうち偏光反射膜68Aを含む部分に対応する偏光ビームスプリッタ106へ入射させる。
【0186】
偏光ビームスプリッタ106の偏光反射膜106Aは、積層プリズム68の偏光反射膜68Aと同様、光ビームを所定の割合で反射し集光レンズ73を介してAPC用フォトディテクタ74へ入射させると共に、当該光ビームの残りを透過して1/4波長板72、対物レンズ58を介して光ディスク100へ照射させる。
【0187】
光ディスク100により反射された光ビーム(すなわち反射光ビーム)は、対物レンズ58、1/4波長板72を介して偏光ビームスプリッタ106へ入射される。偏光ビームスプリッタ106は、反射光ビームの大部分を反射し、集光レンズ107により収束光に変換した後、積層プリズム68のハーフミラー68B及びミラー68Cと対応する積層プリズム108へ入射させる。
【0188】
積層プリズム108は、積層プリズム68と同様、ハーフミラー108Bにより反射光ビームを約20%の割合で反射し、ホログラム109により複数の光ビームに分離させた上で再生信号検出用フォトディテクタ69へ照射させる。また積層プリズム108は、ハーフミラー108Bにより反射光ビームを約80%の割合で透過し、ミラー108Cにより反射させて再生信号検出用フォトディテクタ69へ照射させる。
【0189】
この光ピックアップ104において、可変回折格子105から偏光ビームスプリッタ106の偏光反射膜106Aまでの距離をY1とし、当該偏光反射膜106Aから集光レンズ73までの距離をY2とし、集光レンズ73からAPC用フォトディテクタ74までの距離をY3とし、偏光反射膜106Aから対物レンズ58までの距離をY6とする。
【0190】
光ビームの波長をλ[nm]とすると、対物レンズ58の位置における0次光ビーム及び1次光ビーム間の距離u1は、可変回折格子105における格子の周期c(図3)を用い、次式のように表すことができる。
【0191】
【数9】

【0192】
ここで、光ディスク100がBD方式である場合を想定し、光ビームの波長λ=405[nm]、距離Y1+Y6=200[mm]、対物レンズ58の有効半径rv=0.5[mm]と仮定する。この場合、光ピックアップ104では、(9)式の関係から、格子の周期c=80[μm]であれば高次光ビームが対物レンズ58の有効半径外に到達することになる。
【0193】
実際上、光ピックアップ104は、距離Y1+Y6<200[mm]であり、また対物レンズ58の有効半径rv>0.5[mm]であるため、各回折格子を周期c<80[μm]とする必要がある。
【0194】
また、周期c=1[μm]とした場合、(9)式におけるY6の代わりにY2+Y3を代入し、距離Y1+Y2+Y3=5[mm]としても、APC用フォトディテクタ74の受光面における0次光ビーム及び1次光ビーム間の距離が2[mm]以上となってしまう。この場合APC用フォトディテクタ74は、受光素子の大きさに関する制約から、1個の受光素子により0次光ビーム及び1次光ビームの双方を受光することが困難となってしまう。
【0195】
次に、可変回折格子66が発散光中に配置された光ピックアップ57(図18及び図19)に着目する。この光ピックアップ57において、レーザダイオード62から可変回折格子66までの距離をY0とし、可変回折格子66の可動回折格子81から積層プリズム68の偏光反射膜68Aまでの距離をY1とする。
【0196】
また、当該偏光反射膜68Aから集光レンズ73までの距離をY2とし、集光レンズ73からAPC用フォトディテクタ74までの距離をY3とする。さらに、偏光反射膜68Aからコリメータレンズ71までの距離をY4とし、コリメータレンズ74から対物レンズ58までの距離をY5とする。
【0197】
ここで光ビームL1の波長をλ[nm]とすると、対物レンズ58の位置における、0次光ビーム及び1次光ビーム間の距離u2は、次式のように表すことができる。
【0198】
【数10】

【0199】
ここで、光ディスク100がBD方式である場合を想定し、光ビームL1の波長λ=405[nm]、距離Y0=3[mm]、距離Y1=2.5[mm]、距離Y2=2.5[mm]、距離Y3=5.3[mm]、距離Y4=10[mm]、距離Y5=200[mm]、対物レンズ58の有効半径rv=0.5[mm]と仮定する。
【0200】
この場合、光ピックアップ57では、(10)式の関係から、格子g81の周期c1=15[μm]であれば高次光ビームが対物レンズ58の有効半径外に到達することになる。
【0201】
実際上、光ピックアップ57は、距離Y5<200[mm]であり、また対物レンズ58の有効半径rv>0.5[mm]であるため、可動回折格子81の格子g81を周期c1<15[μm]とする必要がある。
【0202】
また、(10)式のY4をY2に置き換え、Y5をY3に置き換え、周期c1=0.5[μm]とした場合、距離Y3=5[mm]としても、APC用フォトディテクタ74の受光面における0次光ビーム及び1次光ビーム間の距離が2[mm]以上となってしまう。この場合、APC用フォトディテクタ74は、1個の受光素子により0次光ビーム及び1次光ビームの双方を受光することが困難となってしまう。
【0203】
以上の条件をまとめると、可変回折格子における格子の周期c(又は周期c1)は、対物レンズ58に到達する光ビームのうち高次光ビームを有効半径内に入射させず、且つ光ビームの±1次光ビームを1個の受光素子でなるAPC用フォトディテクタ74により受光させるべく、0.5[μm]<c(又はc1)<80[μm]の範囲に設定されていることが望ましい。
【0204】
因みに発散光中に可変回折格子66を配置する光ピックアップ57の場合、格子g82の周期c2については、上述した(8)式により定めれば良い。
【0205】
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、光ディスク装置50は、光ピックアップ57のレーザダイオード62から出射された光ビームL1の光路上に可変回折格子66を設け、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部90によって可動回折格子81の位置を制御することにより、光ビームL1における0次光ビームの回折効率を調整する。
【0206】
従って光ディスク装置50は、可変回折格子66から出射される0次光ビームの減衰量を適切に変化させることができるので、情報の再生又は記録のいずれを行う場合にも、レーザダイオード62から出射する光ビームL1におけるレーザノイズを相対的に低く抑えたまま、光ディスク100に対して適切な光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0207】
このとき可変回折格子66は、光ビームL1が通過する可動回折格子81及び固定回折格子82を一般的な回折格子と同様のガラス材料や樹脂材料等で構成しているため、従来の液晶素子を用いる場合等と比較して、光ビームL1に対する耐光性を高めることができる。
【0208】
また可変回折格子66は、アクチュエータ86により可動回折格子81を最大でも幅h(図3)だけx方向に移動させることにより0次光ビームの回折効率を大きく変化させることができるので、従来の液晶素子を用いる場合と比較して、所望の回折効率を得られるまでに要する時間を極めて短くすることができる。
【0209】
また、特許文献1の図4や図8に示されているように、NDフィルタ等の光学部品を大きく移動させて光路上に位置させるか否かを切り換える構成では、切換時間が長く(例えば0.1秒以上)なってしまっていた。このため、かかる従来の光学部品では、例えば光ディスク100の記録層が単層である場合と多層である場合とにおける光量切換等には適用し得たものの、高速性が要求される記録時と再生時とにおける光量切換には適用が難しく、また駆動用アクチュエータの小型化も困難であった。
【0210】
これに対し可変回折格子66は、アクチュエータ86により可動回折格子81を最大でも僅かに幅h(図3)だけx方向に移動させれば良い、すなわち可動回折格子81の移動距離が短いため、短時間で回折効率を切り換えることができ記録時と再生時とにおける光量切換に適用し得ると共に、光ピックアップ57及び光集積素子60の小型化及び軽量化に寄与することができる。
【0211】
また光量制御部90(図22)は、選択比較用信号Vasを再生時に適した第1比較用信号Va1又は記録時に適した第2比較用信号Va2に切り換えることにより、記録時及び再生時の双方で適切なフィードバック制御を行うことができるので、可変回折格子66における回折効率を確実に所望の値に設定することができる。
【0212】
さらに光量制御部90は、格子位置制御を開始する際、事前格子駆動信号DG0に基づき可動回折格子81を周期的に移動させ、高次光信号Vbcの値と選択比較用信号Vasの値との差分が閾値Vth未満となり、且つ事前格子駆動信号の微分値ΔDG0の符号及び高次光信号の微分値ΔVbcの符号が一致したタイミングで当該格子位置制御を開始することにより、フィードバックループを極めて短時間で収束させることができる。
【0213】
以上の構成によれば、光ディスク装置50は、光ピックアップ57内における光ビームL1の光路上に可変回折格子66を設け、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部90により可変回折格子66における可動回折格子81の位置をフィードバック制御することにより、可変回折格子66から出射される0次光ビームの回折効率を適切に変化させることができ、光ビームL1のレーザノイズ成分を相対的に低く抑えたまま、光ディスク100に対し情報の再生又は記録に適した光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0214】
(3)第2の実施の形態
(3−1)光ディスク装置及び光ピックアップの構成
第2の実施の形態において、光ディスク装置110は第1の実施の形態における光ディスク装置50(図17)と比較して、制御部51、駆動部52、信号処理部53及び光ピックアップ57に代えて、制御部111、駆動部112、信号処理部113及び光ピックアップ114が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0215】
光ピックアップ114は、第1の実施の形態における光ピックアップ57(図18)とほぼ同様に構成されているものの、光集積素子60に代わる光集積素子115が設けられている点が異なっている。
【0216】
光集積素子115は、第1の実施の形態における光集積素子60(図19)とほぼ同様に構成されているものの、可変回折格子66に代えて可変回折格子116が設けられている点が異なっている。
【0217】
可変回折格子116は、図20(A)との対応部分に同一符号を付した図25に示すように、可変回折格子66におけるアクチュエータ86(すなわち薄膜コイル84及びマグネット85)に代えて圧電素子117及びばね118が設けられている点が異なっている。
【0218】
圧電素子117は、可変回折格子116のシャーシ80における一方の側板80B3と、可動回折格子81の側面81Jとの間に取り付けられており、駆動部112(図17)から供給される圧電素子駆動信号DPに基づきx方向に関する全長を変化し得るようになされている。
【0219】
ばね118は、可変回折格子116のシャーシ80における他方の側板80B4と可動回折格子81の側面81Kとの間に、自然長からやや押し縮められた状態で取り付けられている。このためばね118は、側板80B4に対し可動回折格子81を−x方向(すなわちx方向の反対方向)へ常時押し付ける。
【0220】
かかる構成により可変回折格子116は、圧電素子駆動信号DPが圧電素子117に印加され当該圧電素子117のx方向に関する全長が変化することに伴い、x方向又は−x方向へ移動するようになされている。
【0221】
(3−2)格子位置制御の開始
この第2の実施の形態において、光ディスク装置110は、可変回折格子66のアクチュエータ86と同様に、光量制御部90と対応する光量制御部120により駆動部112を介して圧電素子駆動信号DPを圧電素子117へ供給することにより格子位置制御を行うようになされている。
【0222】
このとき光量制御部120は、第1の実施の形態の光量制御部90とは異なる手法により格子位置制御を行うようになされている。すなわち光量制御部120は、格子位置制御を開始する前の準備として、第1の実施の形態と同様、制御部111からの制御に基づき、駆動部112により図23(A)と対応する図26(A)に示すような波形でなる事前格子駆動信号DG1を生成し、これを可変回折格子116へ供給する。
【0223】
これに応じて光量制御部120は、第1の実施の形態における光量制御部90と同様の出射光量制御を行い、レーザダイオード駆動回路93から図26(B)に示すようなレーザ駆動信号DLをレーザダイオード62へ供給するとともに、その値を監視する。
【0224】
光量制御部120は、レーザ駆動信号DLの極大値DLmax(図中丸印で示す)及び極小値DLmin(図中三角印で示す)を検出すると共に、当該極大値DLmaxとなるときの事前格子駆動信号DG1max及び当該極小値DLminとなるときの事前格子駆動信号DG1minを制御部111内のRAM等に記憶する。
【0225】
ここで可変回折格子116では、レーザ駆動信号DLが最大となるときには光結合効率が最小となっており、レーザ駆動信号DLが最小となるときには光結合効率が最大となっているものと推定される。
【0226】
そこで光量制御部120は、大きな光量が必要な記録時には、レーザ駆動信号DLが極小値DLminとなるように、すなわち往路における光学効率が最大となるように格子位置制御を行い、また小さな光量で十分な再生時には、レーザ駆動信号DLが極大値DLmaxとなるように格子位置制御を行う。
【0227】
因みに、この第2の実施の形態では、格子位置制御を行うに際し、回折格子駆動信号DGと可動回折格子81の位置とが相互に対応していることが望ましい。このため第2の実施の形態では、図25に示したように、圧電素子117によって可動回折格子81の位置を変化させる可変回折格子116を用いるようになされている。
【0228】
このように第2の実施の形態における光量制御部120は、レーザ駆動信号DLの極大値DLmax及び極小値DLminを利用することにより、格子位置制御を行う。
【0229】
(3−3)動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態による光ディスク装置110は、光ピックアップ114のレーザダイオード62から出射された光ビームL1の光路上に可変回折格子116を設け、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部120によって可動回折格子81の位置を制御することにより、光ビームL1における0次光ビームの回折効率を調整する。
【0230】
従って第2の実施の形態による光ディスク装置110は、第1の実施の形態と同様、可変回折格子116から出射される0次光ビームの減衰量を適切に変化させることができるので、情報の再生又は記録のいずれを行う場合にも、光ディスク100に対して適切な光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0231】
このとき光量制御部120は、格子位置制御を開始する際、事前格子駆動信号DG1に基づき可動回折格子81を周期的に移動させ、記録時にはレーザ駆動信号DLが極小値DLminとなるように当該可動回折格子81を位置決めすることにより、往路の光学効率を高めた状態に保つことができる。
【0232】
さらに光量制御部120は、再生時にはレーザ駆動信号DLが極大値DLmaxとなるように可動回折格子81を位置決めすることにより、往路の光学効率を低い状態に保つことができ、これに伴い再生時のレーザノイズを相対的に低減することができる。
【0233】
また可変回折格子116は、光量制御部120から供給される圧電素子駆動信号DPに基づき圧電素子117を用いて可動回折格子81をx方向又は−x方向へ移動させることにより、当該可動回折格子81の位置と回折格子駆動信号DGとの間にある程度の対応関係を持たせることができる。
【0234】
その他、第2の実施の形態による光ディスク装置110は、第1の実施の形態における光ディスク装置50と同様の作用効果を得ることができる。
【0235】
以上の構成によれば、第2の実施の形態による光ディスク装置110は、第1の実施の形態と同様、光ピックアップ114内における光ビームL1の光路上に可変回折格子116を設け、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部120によって可変回折格子116における可動回折格子81の位置を制御する。これにより光ディスク装置110は、可変回折格子116から出射される0次光ビームの回折効率を適切に変化させることができ、光ディスク100に対し情報の再生又は記録に適した光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0236】
(4)第3の実施の形態
(4−1)光ディスク装置及び光ピックアップの構成
第3の実施の形態において、光ディスク装置130は、第1の実施の形態における光ディスク装置50と比較して制御部51、駆動部52、信号処理部53及び光ピックアップ57に代えて制御部131、駆動部132、信号処理部133及び光ピックアップ134が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0237】
光ピックアップ134は、第1の実施の形態における光ピックアップ57(図18)とほぼ同様に構成されているものの、光集積素子60及びAPC用フォトディテクタ74に代わる光集積素子135及びAPC用フォトディテクタ137が設けられている点が異なっている。
【0238】
APC用フォトディテクタ137は、外観上は第1の実施の形態におけるAPC用フォトディテクタ74(図21)と同様に構成されており、検出領域74Aにより光ビームL3の0次光を受光すると共に、検出領域74B及び74Cにより±1次光ビーム及び±3次光ビームを受光するようになされている。
【0239】
光集積素子135は、第1の実施の形態における光集積素子60とほぼ同様に構成されているものの、再生信号検出用フォトディテクタ69に代えて再生信号検出用フォトディテクタ138が設けられている点が異なっている。
【0240】
(4−2)光量制御部の構成
ところで光ディスク装置130は、図21との対応部分に同一符号を付した図27に示すように、APC用フォトディテクタ137、再生信号検出用フォトディテクタ138及び信号処理部133を組み合わせた光量制御部140により、光ビームL1並びに光ビームL2及びL3の光量を制御するようになされている。
【0241】
APC用フォトディテクタ137の検出領域74Aは、光ビームL3の0次光を受光し、その受光量に応じた検出信号SDAに対し電流電圧変換回路91により電流電圧変換処理を施して0次光信号Vaとし、これを差動アンプ92の負入力端子及び増幅器96へそれぞれ供給する。
【0242】
差動アンプ92は、制御部131から供給される0次光基準信号Varに対する0次光信号Vaの差分を算出し、その算出結果を0次光差分信号としてレーザダイオード駆動回路93へ供給する。
【0243】
レーザダイオード駆動回路93は、供給される0次光差分信号を基にレーザ駆動信号DLを生成し、これをレーザダイオード62へ供給することにより、光ビームL3の0次光を0次光基準信号Varに近づけるような光量でなる光ビームL1を出射する。
【0244】
かくして光量制御部140は、光量制御部90と同様、光ビームL3における0次光の光量を一定に保つよう、すなわち光ディスク100に照射される光ビームL2の0次光の光量を一定に保つよう、レーザダイオード62から出射する光ビームL1の光量をフィードバック制御(出射光量制御)している。
【0245】
ところでレーザダイオード62から出射される光ビームL1には、ノイズ成分(いわゆるレーザノイズ)が含まれている場合があるが、この場合、当該光ビームL1から分離された光ビームL3を基に生成される高次光信号Vbc及び再生RF信号SRFにも同様のレーザノイズ成分が含まれることになる。
【0246】
APC用フォトディテクタ74の検出領域74B及び74Cは、レーザノイズ成分が含まれた光ビームL3の±1次光及び±3次光を受光し、それぞれの受光量に応じた検出信号同士を加算した検出信号SDBCを電流電圧変換回路94の差動アンプ94Aに供給する。
【0247】
電流電圧変換回路94は、検出信号SDBCにおける電流の変化を電圧の変化に変換することにより高次光信号Vbcを生成し、これをローパスフィルタ(LPF、Low Pass Filter)141及びハイパスフィルタ(HPF、High Pass Filter)143へ供給する。
【0248】
ローパスフィルタ141は、高次光信号Vbcから以降の制御に不要な高域成分(すなわちレーザノイズ成分)を除去することにより直流成分等の低域成分でなる高次光低域信号VbcLを生成し、これを差動アンプ95の負入力端子へ供給する。
【0249】
一方、増幅器96は、0次光信号Vaを0.05倍することにより第1比較用信号Va1を生成し、これをスイッチ142へ供給する。
【0250】
フォーカス引き込み時及びフォーカスサーボ、トラッキングサーボの開始当初において、スイッチ142は、制御部131(図16)の制御に基づき第1比較用信号Va1を選択し、このとき選択した第1比較用信号Va1を比較用低域信号Vas2として差動アンプ95の正入力端子へ供給する。
【0251】
差動アンプ95は、第1比較用信号Va1でなる比較用低域信号Vas2と高次光低域信号VbcLとの差分を算出し、これを高次光差分信号Vbcdとして位相補償回路99へ供給する。
【0252】
位相補償回路99は、高次光差分信号Vbcdを基に、発振等を防止し制御を安定させ得る格子制御信号CGを生成し、これを駆動部132へ供給する。駆動部132は、格子制御信号CGを基に格子駆動信号DGを生成し、これを可変回折格子66の格子アクチュエータ86へ供給することにより、可動回折格子81(図20)をx方向又はその反対方向へ移動させ回折効率を変化させる。
【0253】
すなわち光量制御部140は、高次光低域信号VbcLを比較用低域信号Vas2に近づけるよう、可変回折格子66における回折効率のフィードバック制御(格子位置制御)を行っている。
【0254】
フォーカス引き込み時及び光ディスク100の記録時において、光量制御部140は、光量制御部90と同様、0次光信号Vaを0.05倍した第1比較用信号Va1が選択比較用信号Vas2となっているため、0次光信号Vaと高次光低域信号VbcLとの比率を約1対0.05とするように、可変回折格子66の回折効率を調整することになる。
【0255】
すなわち光量制御部140は、可変回折格子66によって高次光の割合を低減することにより0次光の光量比率を高めて大きくしており、これにより光ディスク100に照射される光ビームL2をフォーカス引き込み及び記録に適した光量に調整し得るようになされている。
【0256】
一方、再生信号検出用フォトディテクタ138は、図示しない検出領域により反射光ビームL6の光量を検出し、その光量に応じた受光信号を再生RF信号生成回路144へ供給する。再生RF信号生成回路144は、受光信号を元に再生RF信号SRFを生成し、これをローパスフィルタ145及び差動アンプ146の正入力端子へ供給する。
【0257】
ローパスフィルタ145は、再生RF信号SRFから主にレーザノイズ成分が含まれる高域成分を除去することにより、直流成分等の低域成分でなる再生RF低域信号SRFLを生成し、これをスイッチ142へ供給する。
【0258】
光ディスク100の再生時において、スイッチ142は、制御部131(図16)の制御に基づき再生RF低域信号SRFLを比較用低域信号Vas2として選択し、差動アンプ95の正入力端子へ供給する。
【0259】
かくして光量制御部140は、高次光低域信号VbcLを比較用低域信号Vas2に揃えるよう、可変回折格子66における高次光の回折効率をフィードバック制御(すなわち格子位置制御)する。
【0260】
これにより光量制御部140は、高次光信号Vbcの直流成分レベルを再生RF信号SRFの直流成分レベルに揃えることができる。
【0261】
ハイパスフィルタ143は、高次光信号Vbcから直流成分等の低域成分を除去することにより、高域成分(すなわちレーザノイズ成分)でなると共に直流成分レベルが再生RF信号SRFと同等に揃えられた高次光高域信号VbcHを生成し、これを差動アンプ146の負入力端子へ供給する。
【0262】
差動アンプ146は、直流成分レベルが調整された高次光信号Vbcの高域成分、すなわちレーザノイズ成分である高次光高域信号VbcHを再生RF信号SRFから差し引くことにより、当該再生RF信号SRFに含まれるレーザノイズ成分を相殺した再生RF差分信号SRFdを生成し、これを信号処理部133の波形等価回路147へ供給する。
【0263】
信号処理部133は、再生RF差分信号SRFdに対し、波形等価回路147により信号波形の整形を行い、A/D(Analog/Digital)変換回路148によりディジタル化し、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)再生信号処理回路149によりPRML演算処理を施すことにより、再生信号を生成する。
【0264】
このように光量制御部140は、可変回折格子66の回折効率を調整して光ビームL2及びL3における0次光ビームと高次光ビームとの光量比率を変化させることにより、光ディスク100に照射される光ビームL2の光量比率を再生時と記録時とで大きく変化させ、当該可変回折格子66をアッテネータとして機能させることができる。
【0265】
特に光量制御部140は、光ビームL2の0次光における強度を抑えるべき再生時において、まず可変回折格子66の回折効率を調整することにより、高次光信号Vbcと再生RF信号SRFとの直流成分レベルを揃える。次に光量制御部140は、再生RF信号SRFからレーザノイズ成分に相当する高次光高域信号VbcHを差し引くことにより、レーザダイオード62から光ビームL1が出射される時点で含まれるノイズ成分を再生RF信号SRFから除去することができる。
【0266】
(4−3)動作及び効果
以上の構成において、第3の実施の形態による光ディスク装置130は、第1の実施の形態と同様、光ピックアップ134のレーザダイオード62から出射された光ビームL1の光路上に可変回折格子66を設けた。そして光ディスク装置130は、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部140によって可動回折格子81の位置を制御することにより、光ビームL1における0次光ビームの回折効率を調整する。
【0267】
光量制御部140は、フォーカス引き込み動作時及び光ディスク100の記録時において、0次光信号Vaと高次光低域信号VbcLとの比率を約1対0.05とするよう可変回折格子66のフィードバック制御を行うことにより、光量制御部90と同様、高次光信号Vbcの割合を低減し0次光信号Vaの光量を高める。
【0268】
これに対し光量制御部140は、光ディスク100の再生時において、高次光低域信号VbcLを再生RF低域信号SRFLと同等のレベルに合わせるよう可変回折格子66のフィードバック制御を行うと共に、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを減算した上で再生信号を生成する。
【0269】
従って第3の実施の形態による光ディスク装置130は、第1の実施の形態と同様、可変回折格子66から出射される0次光ビームの減衰量を適切に変化させることができるので、情報の再生又は記録のいずれを行う場合にも、光ディスク100に対して適切な光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0270】
このとき光量制御部140は、光ビームL3の0次光をAPC用フォトディテクタ74によって受光し出射光量制御を行うことにより、光ディスク100へ照射される光ビームL2の光量を一定に保つことができる。
【0271】
また光量制御部140は、光ディスク100の再生時において、可変回折格子66の格子位置制御を行い再生RF低域信号SRFLと高次光低域信号VbcLとのレベルを揃えた上で、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを直接減算することにより、光ビームL1に含まれるレーザノイズ成分を除去することができるので、再生信号の品質を向上させることができる。
【0272】
すなわち光ディスク装置130は、可変回折格子66により光ビームL1を0次光及び高次光に分離すると共に、光量制御部140により当該0次光及び高次光の光量比率を制御することにより、0次光に基づいた出射光量制御と、高次光に基づいた格子位置制御とを並行して行うことができる。
【0273】
また光量制御部140は、可変回折格子66により再生RF低域信号SRFLと高次光低域信号VbcLとのレベルを揃えることができるため、レーザノイズキャンセラを構成する場合に広帯域可変ゲインアンプ等を用いる必要がなく、またかかる広帯域可変ゲインアンプ等を用いる場合と比較して回路規模を抑えることができ、アンプに起因するノイズの発生を抑えることもできる。
【0274】
さらに光量制御部140は、再生信号検出用フォトディテクタ138に差動アンプ143を組み込むことにより、光ビームL1に含まれるノイズ成分を除去するための電子部品を別途設ける必要がない。因みに光量制御部140は、再生信号検出用フォトディテクタ138に代えてAPC用フォトディテクタ137に差動アンプ143を組み込む構成とした場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
【0275】
その他、第3の実施の形態による光ディスク装置130は、第1の実施の形態における光ディスク装置50と同様の作用効果を得ることができる。
【0276】
以上の構成によれば、第3の実施の形態による光ディスク装置130は、第1の実施の形態と同様の出射光量制御を行うと共に、光ディスク100の再生時において高次光高域信号VbcHのレーザノイズレベルを再生RF信号SRFのレーザノイズレベルに揃えるよう、光量制御部140によって可変回折格子66の格子位置制御を行い0次光と高次光との光量比率を調整する。これにより光ディスク装置130は、出射光量制御を行い光ディスク100へ照射される光ビームL2の光量を一定に保つことができ、これと並行して、可変回折格子66から出射される0次光及び高次光の回折効率を適切に変化させ、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを直接減算するだけでレーザノイズ成分を除去することができる。
【0277】
(5)第4の実施の形態
(5−1)光ディスク装置及び光ピックアップの構成
第4の実施の形態において、光ディスク装置150は、第3の実施の形態における光ディスク装置130と比較し、制御部131、駆動部132、信号処理部133及び光ピックアップ134に代えて制御部151、駆動部152、信号処理部153及び光ピックアップ154が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0278】
図18及び図19との対応部分に同一符号を付した図28に示すように、光ピックアップ154は、第3の実施の形態における光ピックアップ134と比較して、光集積素子60に代えて光集積素子155が設けられている点が異なっている。
【0279】
光集積素子155は、第3の実施の形態における光集積素子115と比較して、可変回折素子66に代わる液晶可変回折素子156が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0280】
液晶可変回折素子156は、図29(A)に断面図を示すように、2枚のガラス基板161及び162の間に液晶分子163が封止された構成を有している。また液晶可変回折素子156は、ガラス基板161及び162の内面にそれぞれ設けられた配向膜164及び165により、液晶分子163を所定方向に配向している。
【0281】
さらにガラス基板161と配向膜164の間、及びガラス基板162と配向膜165との間には、それぞれ透明電極膜166及び167が設けられている。透明電極膜166及び167には、それぞれ矢印x方向に幅hでなる電極部166A及び167Aが周期c毎に互いに対向するように配置されている。
【0282】
因みに透明電極膜166は、電極部166Aに電圧を印加し得る一方、当該電極部166Aが設けられていない箇所に対しては電圧を印加することができない。透明電極膜167も同様である。
【0283】
液晶可変回折素子156は、透明電極膜166及び167に電圧が印加されていない状態において、図29(B)に示すように、当該液晶可変回折素子156をz方向へ通過する光ビームに対し何ら位相差を与えない。
【0284】
これを換言すれば、液晶可変回折素子156は、第2状態における第2の可変回折格子20(図9)及び第2状態における第4の可変回折格子(図16)と同様、光ビームの0次光のみを通過させることになる。
【0285】
一方、液晶可変回折素子156は、透明電極膜166及び167に対して電圧が印加された状態において、電極部166Aと電極部167Aとの間に電界を形成し、図30(A)に示すように液晶分子163の配向方向を変化させる。
【0286】
ここで、液晶可変回折素子156のうち電極部166A及び167Aが設けられている部分をz方向へ通過する光ビームに関し、印加電圧を変化させたときの屈折率及び位相の特性は、それぞれ図31(A)及び(B)に示すように変化する。
【0287】
このため液晶可変回折素子156は、電極部166A及び167Aに対する印加電圧に応じて、電極部166A及び167Aが設けられていない部分(以下、これを位相固定部156Bと呼ぶ)と電極部166A及び167Aが設けられている部分(以下、これを位相変化部156Aと呼ぶ)との位相差を図31(C)に示すように変化させることができる。
【0288】
これにより液晶可変回折素子156は、図30(B)に示すように、当該液晶可変回折素子156をz方向に通過する光ビームの位相を部分的に変化させ、当該光ビームを回折させることができる。すなわち液晶可変回折素子156は、回折格子として作用することができる。
【0289】
さらに液晶可変回折素子156は、図31(C)に示したように、位相変化部156Aを通過した光ビームと位相固定部156Bを通過した光ビームとの位相差である位相深さΦ5(図30(B))を印加電圧に応じて変化させることができる。
【0290】
このように液晶可変回折素子156は、可変回折格子10、20、30及び40並びに66及び116と同様に、z方向に入射される光ビームを回折させると共に、0次光及び高次光の回折効率を連続的に変化させ得るようになされている。
【0291】
このため光ピックアップ154は、液晶可変回折素子156に供給する液晶駆動信号DL1を変化させることにより、第3の実施の形態における光ピックアップ134と同様に、光ビームL1並びに光ビームL2及びL3の光量を変化させることができる。
【0292】
また光ディスク装置150は、第3の実施の形態における光量制御部140とほぼ同様に構成された光量制御部170(図27)により、光ビームL1並びに光ビームL2及びL3の光量を制御するようになされている。
【0293】
光量制御部170は、光量制御部140と比較して、駆動部132及び信号処理部133に代えて駆動部152及び信号処理部153により構成され、当該駆動部152から格子駆動信号DGに代えて液晶駆動信号DL1を液晶可変回折素子156へ供給する点が異なるものの、他は同様に構成されている。
【0294】
このため光量制御部170は、光量制御部140と同様、光ビームL3における0次光の光量を一定に保つよう、すなわち光ディスク100に照射される光ビームL2の0次光の光量を一定に保つよう、レーザダイオード62から出射する光ビームL1の光量をフィードバック制御(出射光量制御)する。
【0295】
これと並行して光量制御部170は、液晶可変回折素子156の回折効率を調整して光ビームL2及びL3における0次光ビームと高次光ビームとの光量比率を変化させることにより、光ディスク100に照射される光ビームL2の光量比率を再生時と記録時とで大きく変化させ、当該液晶可変回折素子156をアッテネータとして機能させることができる。
【0296】
さらに光量制御部170は、光ビームL2の0次光における強度を抑えるべき再生時において、光量制御部140と同様、液晶可変回折素子156の回折効率を調整することにより、高次光信号Vbcと再生RF信号SRFとの直流成分レベルを揃え、当該再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを差し引くことにより、レーザダイオード62から光ビームL1が出射される時点で含まれるノイズ成分を再生RF信号SRFから除去することができる。
【0297】
(5−2)動作及び効果
以上の構成において、第4の実施の形態による光ディスク装置150は、光ピックアップ154のレーザダイオード62から出射された光ビームL1の光路上に可変回折格子66に代わる液晶可変回折素子156を設けた。そして光ディスク装置150は、第3の実施の形態と同様、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部170によって液晶駆動信号DL1を制御し、液晶可変回折素子156における液晶分子163の配向方向を変化させることにより、光ビームL1における0次光ビームの回折効率を調整する。
【0298】
光量制御部170は、光量制御部140と同様、フォーカス引き込み動作時及び光ディスク100の記録時において、0次光信号Vaと高次光低域信号VbcLとの比率を約1対0.05とするよう液晶可変回折素子156のフィードバック制御を行うことにより、光量制御部90と同様、高次光信号Vbcの割合を低減し0次光信号Vaの光量を高める。
【0299】
また光量制御部170は、光ディスク100の再生時において、高次光低域信号VbcLを再生RF低域信号SRFLと同等のレベルに合わせるよう液晶可変回折素子156のフィードバック制御を行うと共に、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを減算した上で再生信号を生成する。
【0300】
従って第4の実施の形態による光ディスク装置150は、第3の実施の形態と同様、液晶可変回折素子156から出射される0次光ビームの減衰量を適切に変化させることができるので、情報の再生又は記録のいずれを行う場合にも、光ディスク100に対して適切な光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0301】
このとき光量制御部170は、光ビームL3の0次光をAPC用フォトディテクタ74により受光し出射光量制御を行うことにより、光ディスク100へ照射される光ビームL2の光量を一定に保つことができる。
【0302】
また光量制御部170は、光ディスク100の再生時において、液晶可変回折素子156における液晶分子163の配向方向を変化させ再生RF低域信号SRFLと高次光低域信号VbcLとのレベルを揃えた上で、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを直接減算することにより、光ビームL1に含まれるレーザノイズ成分を除去することができるので、再生信号の品質を向上させることができる。
【0303】
すなわち光ディスク装置150は、液晶可変回折素子156により光ビームL1を0次光及び高次光に分離すると共に、光量制御部170により当該0次光及び高次光の光量比率を制御することにより、0次光に基づいた出射光量制御と、高次光に基づいた格子位置制御とを並行して行うことができる。
【0304】
その他、第4の実施の形態による光ディスク装置150は、第3の実施の形態における光ディスク装置130と同様の作用効果を得ることができる。
【0305】
以上の構成によれば、第4の実施の形態による光ディスク装置150は、第3の実施の形態と同様、出射光量制御を行うと共に、光ディスク100の再生時において高次光高域信号VbcHのレーザノイズレベルを再生RF信号SRFのレーザノイズレベルに揃えるよう、光量制御部170によって液晶可変回折素子156における液晶分子163の配向方向を制御する。これにより光ディスク装置150は、出射光量制御を行い光ディスク100へ照射される光ビームL2の光量を一定に保つことができ、これと並行して、液晶可変回折素子156から出射される0次光及び高次光の回折効率を適切に変化させ、再生RF信号SRFから高次光高域信号VbcHを直接減算するだけでレーザノイズ成分を除去することができる。
【0306】
(6)第5の実施の形態
(6−1)光ディスク装置及び光ピックアップの構成
第5の実施の形態において、光ディスク装置180は、第3の実施の形態における光ディスク装置130と比較して、制御部131、駆動部132、信号処理部133及び光ピックアップ134に代えて制御部181、駆動部182、信号処理部183及び光ピックアップ184が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0307】
図18及び図19との対応部分に同一符号を付した図32に示すように、光ピックアップ184は、第3の実施の形態における光ピックアップ134と比較して、光集積素子115及びAPC用フォトディテクタ74に代えて光集積素子185及びLNC(Laser Noise Canceller)用フォトディテクタ187が設けられ、さらにビームスプリッタ188、集光レンズ189及びAPC用フォトディテクタ190が設けられている点が異なっている。
【0308】
光集積素子185は、第3の実施の形態における光集積素子135と比較して、可変回折素子66に代わる液晶素子186が設けられている点が異なっているものの、他は同様に構成されている。
【0309】
液晶素子186は、液晶可変回折素子156(図29)と一部類似した構成を有しており、駆動部182から供給される液晶駆動信号DL2の電圧に応じて液晶分子の配向方向を一様に変化させ、これにより光ビームL1全体の偏光方向を調整し得るようになされている。
【0310】
これにより液晶素子186は、液晶駆動信号DL2に基づいて、光ビームL1が積層プリズム68の偏光反射膜68Aにより透過又は反射される際の光量比率、すなわち光ビームL2とL3との光量比率を変化させるようになされている。
【0311】
このとき光ディスク装置180は、図33に特性曲線を示すように、液晶駆動信号DL2の電圧に応じてLNC用フォトディテクタ187に照射される光ビームL3の光量を調整することができる。
【0312】
ビームスプリッタ188は、反射膜188Aにより光ビームL2を所定の割合(例えば約20%)で反射させて光ビームL22とし、これを集光レンズ189へ入射させる。集光レンズ189は、光ビームL22を集光しAPC用フォトディテクタ190へ照射する。
【0313】
LNC用フォトディテクタ187及びAPC用フォトディテクタ190は、それぞれ光ビームL3及びL22を受光し、それぞれの光量に応じた検出信号を生成するようになされている。
【0314】
またビームスプリッタ188は、反射膜188Aにより光ビームL2の残り部分を透過させて光ビームL21Aとし、これをコリメータレンズ71、1/4波長板72を順次介して対物レンズ58へ入射させる。対物レンズ58は、光ビームL21を光ディスク100の記録層に集光する。
【0315】
このように第5の実施の形態における光ディスク装置180は、液晶素子186によって光ビームL1の偏光方向を調整することにより、光ビームL2及びL3の光量比率を調整すると共に、当該光ビームL2の一部をAPC用フォトディテクタ190に照射させるようになされている。
【0316】
(6−2)光量制御部の構成
ところで光ディスク装置180は、図27との対応部分に同一符号を付した図34に示すように、LNC用フォトディテクタ187、APC用フォトディテクタ190、再生信号検出用フォトディテクタ138及び信号処理部183を組み合わせた光量制御部200により、光ビームL1、光ビームL2及びL3並びに光ビームL21及びL22の光量を制御するようになされている。
【0317】
APC用フォトディテクタ190の検出領域190Aは、光量制御部140(図27)におけるAPC用フォトディテクタ137の検出領域74Aと対応している。すなわち APC用フォトディテクタ190の検出領域190Aは、光ビームL2のうち所定割合でなる光ビームL22を受光し、その受光量に応じた検出信号SDAを生成して、これを電流電圧変換回路91により光量信号Vaに変換させる。
【0318】
光量制御部200は、光量制御部140と同様、光量信号Vaを所定の基準信号Varに近づけるようフィードバック制御する。これにより光量制御部200は、光ビームL22の光量を所定光量に近づけるよう、すなわち光ディスク100に照射される光ビームL21の光量を所定光量に近づけるよう、レーザダイオード62から出射する光ビームL1の出射光量制御を行う。
【0319】
一方、LNC用フォトディテクタ187の検出領域187Aは、光量制御部140(図27)におけるAPC用フォトディテクタ137の検出領域74B及び74Cと対応している。すなわちLNC用フォトディテクタ187の検出領域187Aは、レーザノイズ成分が含まれている光ビームL3(図32)を受光し、その受光量に応じた検出信号SDNを電流電圧変換回路94の差動アンプ94Aに供給する。
【0320】
電流電圧変換回路94は、検出信号SDNにおける電流の変化を電圧の変化に変換することによりLNC用信号Vnを生成し、これをローパスフィルタ141及びハイパスフィルタ143へ供給する。
【0321】
光量制御部200は、光量制御部140における高次光信号Vbcに代えてLNC用信号Vnを利用し、当該光量制御部140と同様の演算処理を行う。駆動部182は、格子駆動信号DG(図27)に代わる液晶駆動信号DL2を生成し、これを液晶素子186へ供給することにより、光ビームL1の偏光方向を調整させ光ビームL2とL3との光量比率を変化させる。
【0322】
すなわち光量制御部200は、LNC用信号Vnの低周波数域成分である低域LNC用信号VnLを第1比較用信号Va1(比較用低域信号Vas2)に近づけるよう、光ビームL1の偏光方向をフィードバック制御する(以下、これを偏光方向制御と呼ぶ)。
【0323】
フォーカス引き込み時及び光ディスク100の記録時において、光量制御部200は、光量制御部140と同様、0次光信号Vaを0.05倍した第1比較用信号Va1が選択比較用信号Vas2となっているため、0次光信号Vaと低域LNC用信号VnLとの比率を約1対0.05とするように光ビームL2とL3との光量比率を調整する。
【0324】
すなわち光量制御部200は、液晶素子186によって光ビームL3の割合を低減することにより光ビームL2光量比率を高めており、これにより光ディスク100に照射される光ビームL21をフォーカス引き込み及び記録に適した光量に調整し得るようになされている。
【0325】
一方、光ディスク100の再生時において、光量制御部200は、光量制御部140と同様、低域LNC用信号VbcLを再生RF低域信号SRFL(比較用低域信号Vas2)に揃えるよう、光ビームL1の偏光方向をフィードバック制御(すなわち偏光方向制御)する。
【0326】
これにより光量制御部200は、光ビームL3の光量を調整しLNC用信号Vnの直流成分レベルを再生RF信号SRFの直流成分レベルに揃えることができる。因みに光ビームL2の光量は、上述した出射光量制御により一定に保たれる。
【0327】
光量制御部200は、直流成分レベルが調整されたLNC用信号Vnの高域成分、すなわちレーザノイズ成分である高域LNC用信号VnHを再生RF信号SRFから差し引くことにより、光量制御部140と同様、当該再生RF信号SRFに含まれるレーザノイズ成分を相殺した再生RF差分信号SRFdを生成する。
【0328】
このように光量制御部200は、出射光量制御を行うと共に、光ビームL1の偏光方向を調整して光ビームL2とL3との光量比率を変化させることにより、光ディスク100に照射される光ビームL21の光量比率を再生時と記録時とで大きく変化させることができる。
【0329】
特に光量制御部200は、光ビームL2の0次光における強度を抑えるべき再生時において、まず液晶素子186によって光ビームL1の偏光方向を調整することにより、LNC用信号Vnと再生RF信号SRFとの直流成分レベルを揃える。次に光量制御部200は、再生RF信号SRFからレーザノイズ成分に相当する高域LNC用信号VnHを差し引くことにより、レーザダイオード62から光ビームL1が出射される時点で含まれるノイズ成分を再生RF信号SRFから除去することができる。
【0330】
(6−3)動作及び効果
以上の構成において、第5の実施の形態による光ディスク装置180は、光ピックアップ184のレーザダイオード62から出射された光ビームL1の光路上に液晶素子186を設け、光ディスク100の再生又は記録のいずれを行うかに応じて、光量制御部200によって光ビームL1の偏光方向を制御することにより、偏光反射膜68Aによって当該光ビームL1から分離される光ビームL2及びL3の光量比率を調整する。
【0331】
光量制御部200は、フォーカス引き込み動作時及び光ディスク100の記録時において、LNC用信号Vnを低減させるよう液晶駆動信号DL2のフィードバック制御を行うことにより、光量制御部140と同様、光ビームL2の光量比率を高める。
【0332】
一方光量制御部200は、光ディスク100の再生時において、低域LNC用信号VnLを再生RF低域信号SRFLと同等のレベルに合わせるよう光ビームL3の光量をフィードバック制御すると共に、再生RF信号SRFからレーザノイズ成分に相当する高域LNC用信号VnHを直接減算した上で再生信号を生成する。
【0333】
従って第5の実施の形態による光ディスク装置180は、光ビームL2とL3との光量比率を適切に変化させることによる出射光量制御を行うことができるので、情報の再生又は記録のいずれを行う場合にも、光ディスク100に対して適切な光量でなる光ビームL2を照射することができる。
【0334】
これと並行して光量制御部200は、光ディスク100の再生時において、液晶素子186により再生RF低域信号SRFLと低域LNC用信号VnLとのレベルを揃えた上で再生RF信号SRFから高域光量信号VnHを直接減算することにより、第3の実施の形態と同様に光ビームL1に含まれるレーザノイズ成分を除去することができるので、再生信号の品質を向上させることができる。
【0335】
このとき光量制御部200は、液晶素子186により光ビームL3の光量を調整し再生RF低域信号SRFLと低域LNC用信号VnLとのレベルを揃えることができるため、再生RF信号SRFに対して広帯域可変ゲインアンプ等を用いる必要がなく、またかかる広帯域可変ゲインアンプ等を用いる場合と比較して回路規模を抑えることもできる。
【0336】
その他、第5の実施の形態による光ディスク装置180は、第3の実施の形態における光ディスク装置130と同様の作用効果を得ることができる。
【0337】
以上の構成によれば、第5の実施の形態による光ディスク装置180は、光量制御部200によって出射光量制御を行うと共に、液晶素子186によって光ビームL1の偏光方向を変化させることにより、偏光反射膜68Aにより光ビームL1が光ビームL2及びL3に分配される際の光量比率を変化させる。これにより光ディスク装置180は、光ディスク100に対し適切な光量でなる光ビームL21を照射することができると共に、再生RF信号SRFから高域LNC用信号VnHを減算するだけでレーザノイズ成分を除去することができる。
【0338】
(7)他の実施の形態
なお第3の実施の形態においては、可変回折格子66により光ビームL1(すなわち光ビームL3)における高次光の光量を調整し、また第4の実施の形態では可変液晶回折素子156により高次光の光量を調整し、さらに第5の実施の形態では液晶素子186及び偏光反射膜68Aの組み合わせにより光ビームL3の光量を調整した上で、光ビームL3(又はその高次光)の受光結果における高域成分を再生RF信号から直接減算してレーザノイズ成分を相殺するようにしたが、本発明はこれに限らず、光量を調整する手段としては種々の光学部品を用いても良い。
【0339】
また上述した第3及び第4の実施の形態においては、光量制御部140及び170によりAPC用フォトディテクタ137に照射される光ビームL3の高次光の光量をフィードバック制御し、第5の実施の形態においては、光量制御部200によりLNC用フォトディテクタ187に照射される光ビームL3の光量をフィードバック制御するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フィードバック制御以外の手法、例えば光ディスク100が書換型又は再生専用型のいずれであるかに応じて回折効率又は透過率を予め定めた値に設定する等により、光ビームL3又はその高次光の光量を調整するようにしても良い。
【0340】
さらに上述した第3の実施の形態においては、再生信号検出用フォトディテクタ138において、高次光信号Vbcの高周波数域成分である高次光高域信号VbcHを再生RF信号SRFから減算することによりレーザノイズ成分を相殺するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば高次光信号Vbcの低周波数域成分が再生RF信号SRFに対し悪影響を及ぼさないことが判明している場合に、当該再生RF信号から高次光信号Vbcを減算することによりレーザノイズ成分を相殺する等しても良い。第4〜第5の実施の形態についても同様である。
【0341】
さらに上述した第3の実施の形態においては、光量制御部140により、再生時に高次光信号Vbcと再生RF信号SRFとの低周波数域成分同士を揃えるよう可変回折格子66の回折効率を調整した上でレーザノイズキャンセルを行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、低周波数域成分を含む再生RF信号から同じく低周波数域成分を含む高次光信号Vbcを減算した時のDC成分がゼロになるように高次光量を制御した上でレーザノイズキャンセルを行うようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0342】
また、例えば高次光信号Vbcと再生RF信号SRFとのノイズ成分を直接比較して両者を揃えるよう可変回折格子66の回折効率を調整した上でレーザノイズキャンセルを行うようにし、或いはレーザノイズキャンセル後の再生RF信号から生成した再生信号におけるエラーレートが最小となるよう可変回折格子66の回折効率を調整する等、種々の手法により可変回折格子66の回折効率を調整しても良い。第4〜第5の実施の形態についても同様である。
【0343】
さらに上述した第3の実施の形態においては、再生信号検出用フォトディテクタ138に差動アンプ146を組み込み、当該再生信号検出用フォトディテクタ138により再生RF差分信号SRFdを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば差動アンプ146をAPC用フォトディテクタ137に組み込み、再生信号SRFを当該APC用フォトディテクタ137へ供給することにより再生RF差分信号SRFdを生成するようにしても良い。第4〜第5の実施の形態についても同様である。さらには、第5の実施の形態において、LNC用フォトディテクタ187に差動アンプ146を組み込むようにしても良い。
【0344】
なお上述した実施の形態においては、可変回折格子10の回折格子11及び12における互いに対向した面に格子g11及びg12を設けるようにした場合について述べたが(図2)、本発明はこれに限らず、格子g11が回折格子11のいずれの面に設けられていても良く、また格子g12が回折格子12のいずれの面に設けられていても良い。
【0345】
すなわち可変回折格子10は、例えば図35(A)に示すように格子g12を格子板11と対向しない面に設けるようにし、或いは図35(B)に示すように格子g11を格子板12と対向しない面に設けると共に格子12gを格子板11と対向しない面に設けるようにしても良い。ただし本発明の場合、回折格子の動作原理を勘案すると格子g11及びg12の間隔ができるだけ近接していることが望ましく、かかる観点から格子g11及びg12が互いに対向した状態(図2)が最も良好な特性を呈すると推測される。可変回折格子20、30、40、66及び116についても同様である。
【0346】
また上述した実施の形態においては、第4の可変回折格子において、点光源Qに近い方の回折格子である回折格子41をx方向(図15(A))へ移動させることにより可変格子40全体としての回折効率を変化させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば点光源Qから遠方にある回折格子42をx方向へ移動させることにより、あるいは可変格子41及び42をそれぞれx方向及びその反対方向へそれぞれ移動させることにより、当該回折格子40全体としての回折効率を変化させるようにしても良い。
【0347】
さらに上述した第1〜第3の実施の形態においては、発散光又は収束光中に可変回折格子40と同様に構成された可変回折格子66又は116を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平行光中に可変回折格子10、20又は30と同様に構成された可変回折格子を設けるようにしても良い。
【0348】
さらに上述した可変回折格子10においては、波長405[nm]の光に対し屈折率n0である空気中に回折格子板11及び12を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば屈折率nxの溶媒中に回折格子板11及び12を設けるようにしても良い。この場合、上述した(1)式、(3)式、(5)式、(6)式及び(7)式における屈折率n0を屈折率nxに置き換えれば良い。可変回折格子20、30、40、66及び116についても同様である。
【0349】
さらに上述した第1の実施の形態においては、増幅器96により0次光信号Vaを0.05倍し、増幅器97により0次光信号Vaを1.5倍するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各増幅器において0次光信号Vaを任意の倍率で増幅するようにしても良く、要は0次光信号Vaと高次光信号Vbcとの所望比率に応じて定めれば良い。第2〜第5の実施の形態についても同様である。
【0350】
さらに上述した第1の実施の形態においては、光ディスク装置50がBD方式に対応し、レーザダイオード62から波長約405[nm]の光ビームL1を出射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該光ディスク装置50がCD方式やDVD方式に対応し、レーザダイオード62から各方式に対応した波長の光ビームL1を出射するようにしても良く、また各方式に応じて光ビームL1の波長を切り換えるようにしても良い。第2〜第5の実施の形態についても同様である。
【0351】
さらに上述した第3の実施の形態においては、光源としてのレーザダイオード62と、第1分離器としての可変回折格子66と、副光受光素子及び監視光受光素子としてのAPC用フォトディテクタ137と、第2分離器としての偏光反射膜68Aと、対物レンズとしての対物レンズ58と、反射光受光素子としての再生信号検出用フォトディテクタ138と、照射光制御部、副光制御部及び減算処理部としての光量制御部140とによって光ディスク装置としての光ディスク装置130を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる光源と、第1分離器と、副光受光素子と、第2分離器と、監視光受光素子と、照射光制御部と、対物レンズと、反射光受光素子と、副光制御部と、減算処理部とによって光ディスク装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0352】
本発明は、種々の方式に対応した光ピックアップ及び光ディスク装置でも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0353】
【図1】一般的な回折格子の構成を示す略線的斜視図である。
【図2】第1の可変回折格子の構成(1)を示す略線的斜視図である。
【図3】第1の可変回折格子の構成(2)を示す略線的断面図である。
【図4】第1の可変回折格子の構成(3)を示す略線的断面図である。
【図5】第1の可変回折格子の構成(4)を示す略線的断面図である。
【図6】第1の可変回折格子における格子位置と回折効率との関係を示す略線図である。
【図7】第2の可変回折格子の構成(1)を示す略線的断面図である。
【図8】第2の可変回折格子の構成(2)を示す略線的断面図である。
【図9】第2の可変回折格子の構成(3)を示す略線的断面図である。
【図10】第2の可変回折格子における格子位置と回折効率との関係を示す略線図である。
【図11】第3の可変回折格子の構成(1)を示す略線的断面図である。
【図12】第3の可変回折格子の構成(2)を示す略線的断面図である。
【図13】第3の可変回折格子の構成(3)を示す略線的断面図である。
【図14】第3の可変回折格子における格子位置と回折効率との関係を示す略線図である。
【図15】第4の可変回折格子の構成(1)を示す略線的断面図である。
【図16】第4の可変回折格子の構成(2)を示す略線的断面図である。
【図17】光ディスク装置の全体構成を示す略線図である。
【図18】第1の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図19】第1の実施の形態による光集積素子の構成を示す略線図である。
【図20】第1の実施の形態による可変回折格子の構成を示す略線図である。
【図21】APC用フォトディテクタの構成を示す略線図である。
【図22】第1の実施の形態による光量制御部の構成を示す略線的回路図である。
【図23】第1の実施の形態による可変回折格子の制御開始タイミングを示す略線図である。
【図24】平行光中に可変回折格子を配置した光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図25】第2の実施の形態による可変回折格子の構成を示す略線図である。
【図26】第2の実施の形態による可変回折格子の制御開始タイミングを示す略線図である。
【図27】第3の実施の形態による光量制御部の構成を示す略線的回路図である。
【図28】第4の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図29】液晶可変回折素子の構成(1)を示す略線図である。
【図30】液晶可変回折素子の構成(2)を示す略線図である。
【図31】液晶素子の印加電圧に対する特性変化を示す略線図である。
【図32】第5の実施の形態による光ピックアップの構成を示す略線図である。
【図33】液晶素子の印加電圧に対する検出光量の割合を示す略線図である。
【図34】第5の実施の形態による光量制御部の構成を示す略線的回路図である。
【図35】他の実施の形態による可変回折格子の構成を示す略線的斜視図である。
【符号の説明】
【0354】
1、11、12、21、22、31、32、41、42……回折格子、10、20、30、40、66、116……可変回折格子、50、110、130、150、180……光ディスク装置、51、111、131、151、181……制御部、52、112、132、152、182……駆動部、53、113、133、153、183……信号処理部、57、114、134、154、184……光ピックアップ、58……対物レンズ、62……レーザダイオード、69、138……再生信号検出用フォトディテクタ、74、137、190……APC用フォトディテクタ、74A、74B、74C、156A、187A、190A……検出領域、74M……ミラー面、80……シャーシ、80A……底板、80B……側板、80C……天板、81……可動回折格子、82……固定回折格子、83……可動支持部、84……薄膜コイル、85……マグネット、86……格子アクチュエータ、90、120、140、170、200……光量制御部、91、92、94、95、143……差動アンプ、93……LD駆動回路、99……位相補償回路、117……圧電素子、118……ばね。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光でなる光ビームを出射する光源と、
所定の比率調整信号に基づいた比率で上記光ビームを1本の主光ビーム及び1本以上の副光ビームに分離する第1分離器と、
上記副光ビームを受光し副光検出信号を生成する副光受光素子と、
上記主光ビームを所定比率で照射光ビーム及び監視光ビームに分離する第2分離器と、
上記監視光ビームを受光し監視光検出信号を生成することにより、所定の制御部に対し当該監視光検出信号を基に上記照射光ビームの光量を制御させる監視光受光素子と、
上記照射光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、
上記照射光ビームが上記光ディスクにより反射されてなる反射光ビームを受光して反射光検出信号を生成することにより、所定の制御部に対し、上記副光検出信号に含まれるレーザノイズレベルと上記反射光検出信号を基に生成された再生RF信号に含まれるレーザノイズレベルとを揃えるよう上記比率調整信号を制御させ、上記再生RF信号から上記副光検出信号を減算させる反射光受光素子と
を具えることを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
上記第1分離器は、
所定の第1周期ごとに第1格子が一面に設けられた第1格子板と、
上記第1格子板に対向すると共に近接するよう位置し、上記第1格子板と対向する対向面又はその反対面に、上記第1格子板から上記第1周期幅で出射される光が入射される際の入射幅に相当する第2周期ごとに、上記第1格子を構成する各格子とほぼ平行な第2格子が設けられた第2格子板と、
上記制御信号に基づき上記第1格子板又は上記第2格子板の位置を上記第1格子の格子配列方向に変化させることにより上記光ビームを回折させ上記主光ビームとしての0次光及び上記副光ビームとしての1次以上の高次光に分離する際の光量比率を変化させる位置変化部と
を具える可変回折格子でなることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】
上記第2格子は、
所定の基準点から上記一面までの距離と上記第1周期との比率が、当該基準点から上記第2格子が設けられた面までの距離と上記第2周期との比率と同等である
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項4】
上記第2周期は、
上記第1周期と同等でなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項5】
上記第2格子は、
上記格子の深さと媒質の屈折率との積でなる位相深さが、上記第1格子部の位相深さと同等である
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項6】
上記第1格子及び上記第2格子は、バイナリ型の格子でなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項7】
上記第1格子及び上記第2格子は、
鋸歯型又は階段状の疑似鋸歯型に形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
【請求項8】
上記第1格子は、
上記第1格子板の上記第2格子板と対向する面に設けられ、
上記第2格子は、
上記対向面に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ。
【請求項9】
上記第1分離器は、
ほぼ平行な2枚のガラス基板の間に液晶分子を封じると共に、各ガラス基板の内側面に上記液晶分子を挟むよう矩形板状の電極が所定間隔毎にそれぞれ配置された透明電極膜を具え、上記制御信号を上記電極間に印加し上記液晶分子の配向方向を変化させることにより、上記光ビームを回折させ上記主光ビームとしての0次光及び上記副光ビームとしての1次以上の高次光に分離する際の光量比率を変化させる液晶可変回折素子である
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項10】
上記第1分離器は、
上記制御信号に基づき液晶分子の配向方向を変化させて上記光ビームの偏光方向を変化させる液晶素子と、
入射される光ビームの偏光方向により反射率が異なる偏光反射膜が、上記光ビームを上記変化後の偏光方向に応じた反射率で反射することにより、上記主光ビームと上記副光ビームとに分離する偏光ビームスプリッタと
を具えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項11】
上記副光受光素子は、
上記反射光検出信号から上記副光検出信号を減算する減算処理回路が組み込まれている
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項12】
上記反射光受光素子は、
上記反射光検出信号から上記副光検出信号を減算する減算処理回路が組み込まれている
ことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項13】
レーザ光でなる光ビームを出射する光源と、
所定の比率調整信号に基づいた比率で上記光ビームを1本の主光ビーム及び1本以上の副光ビームに分離する第1分離器と、
上記副光ビームを受光し副光検出信号を生成する副光受光素子と、
上記主光ビームを所定比率で照射光ビーム及び監視光ビームに分離する第2分離器と、
上記監視光ビームを受光し監視光検出信号を生成する監視光受光素子と、
上記監視光検出信号を基に上記照射光ビームの光量を制御する照射光制御部と、
上記照射光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、
上記照射光ビームが上記光ディスクにより反射されてなる反射光ビームを受光して反射光検出信号を生成する反射光受光素子と、
上記副光検出信号に含まれるレーザノイズレベルと上記反射光検出信号を基に生成された再生RF信号に含まれるレーザノイズレベルとを揃えるよう上記比率調整信号を制御する副光制御部と、
上記再生RF信号から上記副光検出信号を減算することにより当該再生RF信号に含まれるレーザノイズ成分を相殺する減算処理部と
を具えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項14】
上記副光制御部は、
上記副光検出信号における低周波数域成分の信号レベルと上記反射光検出信号を基に生成された再生RF信号における低周波数域成分の信号レベルとを揃えるよう上記比率調整信号を制御することにより上記レーザノイズレベルを調整する
ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク装置。
【請求項15】
上記減算処理部は、
上記再生RF信号から上記副光検出信号の高周波数域成分を直接減算することにより上記レーザノイズ成分を相殺する
ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate


【公開番号】特開2009−134844(P2009−134844A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53799(P2008−53799)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】