説明

光リソグラフィ装置

【課題】 非対称補完型双極子素子を備えた光リソグラフィ装置を提供する。
【解決手段】 集積回路の形成中に光フォトリソグラフィを最適化するための装置、該装置を設計する方法、該装置を用いるツール、及び、該装置の使用法を提供する。本装置は非対称補完型双極子素子を備え、該非対称補完型双極子素子は、第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する、第1の開口部及び第2の開口部と、第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する、第3の開口部及び第4の開口部とを備え、ここで、第1の軸は第2の軸に対して垂直であり、第1の光学密度は第2の光学密度とは異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、集積回路製造分野に関し、より具体的には、集積回路の形成中に光フォトリソグラフィを最適化するための装置、該装置の設計方法、該装置を用いるツール、及び、該装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最先端の集積回路技術は、光フォトリソグラフィをその理論的な解像度限界付近で機能させることを必要とする。これを達成するために多くの方法が提唱されているが、それらは印刷画像の幅に対する長さの比が非常に高くない限り、厳格な画像サイズ制御の目的を達成できず、また、同一の露光フィールドにおいて最小寸法を有する画像と最小寸法よりも著しく大きい寸法を有する画像とが混在するときにはさらに疑わしいものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、当該技術分野には、上述の欠陥及び限界を軽減又は除去する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様は、非対称補完型双極子素子を備える光リソグラフィ装置であって、非対称補完型双極子素子は、第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する、第1の開口部及び第2の開口部と、第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する、第3の開口部及び第4の開口部とを備え、ここで第1の軸は第2の軸に対して垂直であり、第1の光学密度は第2の光学密度とは異なる、光リソグラフィ装置である。
【0005】
本発明の第2の態様は、フォトレジスト層上に光パターンを与える方法であって、非対称補完型双極子素子の開口部を通して、選択された波長の光を通過させるステップを含み、この非対称補完型双極子素子は、第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する、第1の開口部及び第2の開口部と、第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する、第3の開口部及び第4の開口部とを備え、ここで第1の軸は第2の軸に対して垂直であり、第1の光学密度は第2の光学密度とは異なり、さらに、非対称補完型双極子素子を通して光を通過させるステップの後で、パターン形成されたフォトマスクを通して光を通過させるステップと、パターン形成されたフォトマスクを通して光を通過させるステップの後で、フォトレジスト層上に光を投射するステップとを含む、方法である。
【0006】
本発明の第3の態様は、フォトレジスト層上に、第1及び第2の強度を有する光パターンを与えるための装置であって、光源とフォトマスクとの間に位置合わせされた非対称補完型双極子素子を備え、このフォトマスクは非対称補完型双極子素子とフォトレジスト層との間に位置合わせされており、非対称補完型双極子素子は、第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する第1の開口部及び第2の開口部と、第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する第3の開口部及び第4の開口部とを備え、ここで第1の軸は第2の軸に対して垂直であり、第1の光学密度は第2の光学密度とは異なる、装置である。
【0007】
本発明の第4の態様は、非対称補完型双極子素子を設計する方法であって、(a)集積回路製造レベルのフォトマスクの限界設計画像を選択するステップと、(b)初期の非対称補完型双極子設計を選択又は生成するステップ、及び、初期設計の非対称補完型双極子設計を現行の非対称補完型双極子設計として指定するステップであって、現行の非対称補完型双極子設計は第1の強度の光を通過させる少なくとも第1の双極子と、第2の強度の光を通過させる第2の双極子とを有し、光の第1の強度は光の第2の強度とは異なる、ステップと、(c)限界設計画像を記述する第1のパラメータと、現行の非対称補完型双極子設計を記述する第2のパラメータとを用いてフォトレジスト層の露光をシミュレートし、限界設計画像のシミュレート画像を生成するステップと、(d)シミュレート画像を記述する第3のパラメータを評価するステップと、(e)パラメータが許容可能でない場合には、第2のパラメータのうちの1つ又は複数を修正してステップ(c)及び(d)を繰り返し、第3のパラメータが許容可能である場合には現行の非対称補完型双極子設計を選択するステップと、を含む方法である。
【0008】
これより本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら、例証としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を備えた例示的な光フォトリソグラフィ・ツールを示す。
【図2】本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を用いてフォトリソグラフィにより印刷される例示的な設計画像の平面図である。
【図3】本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子の平面図である。
【図4】本発明の実施形態による、図3と同一の非対称補完型双極子素子の平面図である。
【図5】図5(A)は図4の非対称補完型双極子素子の第1の例示的な構造を示す、線5A−5Aに沿った断面図であり、図5(B)は図4の非対称補完型双極子素子の第1の例示的な構造を示す、線5B−5Bに沿った断面図であり、図5(C)は図5(B)に示す非対称補完型双極子素子の代替的な構造を示す、図4の線5C−5Cに沿った断面図であり、図5(D)は図4の非対称補完型双極子素子の第2の例示的な構造を示す、線5D−5Dに沿った断面図であり、図5(E)は図4の非対称補完型双極子素子の第2の例示的な構造を示す、線5E−5Eに沿った断面図であり、図5(F)は図5(E)に示す非対称補完型双極子素子の代替的な構造を示す、図4の線5F−5Fに沿った断面図である。
【図6】図6(A)は単一の双極子素子を用いた印刷画像のシミュレーションを示し、図6(B)は本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を用いた印刷画像のシミュレーションを示す。
【図7】二重双極子フォトリソグラフィにおいて、本発明の実施形態による図4の非対称補完型双極子素子と共に用いるのに適合した随伴の非対称補完型双極子素子の平面図である。
【図8】本発明の実施形態による二重双極子フォトリソグラフィの方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を設計する方法である。
【図10】汎用コンピュータの概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
半導体産業において、一般に、ウェハは100mmから300mmまでの直径を有する薄い円盤形の基板であり、半導体をベースとする材料を含む。しかし、ウェハは他の形状及び/又はサイズを呈することがある。ウェハの例には、バルク・シリコン基板、及び、シリコン層がシリコン・ベースの支持シリコン基板から絶縁層によって分離されるシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板が含まれる。ウェハは、ドープ及び非ドープ半導体領域、ドープ及び非ドープ・エピタキシャル層、導電体を含む誘電体層、並びに、集積回路製造の特定の段階に応じて半導体材料の内部/上に形成されたトランジスタなどの構造体を含むことがある。
【0011】
フォトリソグラフィ・プロセスは、フォトレジスト層を表面(例えばウェハの)に塗布し、フォトレジスト層をパターン形成されたフォトマスクを通して化学線に露光し、露光されたフォトレジスト層を現像して、パターン形成されたフォトレジスト層を形成するプロセスである。フォトレジスト層がポジのフォトレジスト層を含む場合は、現像剤はフォトレジストの化学線に露光された領域を溶解させ、パターン形成されたフォトマスクがフォトレジスト層への光入射をブロックした(又は放射の強度を著しく減衰させた)領域は溶解させない。フォトレジスト層がネガのフォトレジスト層を含む場合は、現像剤はフォトレジストの化学線に露光された領域を溶解させず、パターン形成されたフォトマスクがフォトレジスト層への光入射をブロックした(又は放射の強度を著しく減衰させた)領域を溶解させる。更なる処理(例えばエッチング又はイオン注入)の後で、パターン形成されたフォトレジストは取り除かれる。
【0012】
一般に、パターン形成されたフォトマスクは化学線に対して実質的に不透明であり、内部に開口部のパターンを有する層を含む。この層は化学線に対して実質的に透明な基板上に形成される。化学線は層の開口部を通過して、開口部内に露出した基板を透過することができる
【0013】
図1は、本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を備えた例示的な光フォトリソグラフィ・ツールを示す。図1においてフォトリソグラフィ・ツール100は、光線(例えば波長193mmのUV光)110を生成する化学線源(例えば、UV光源)105と、非対称補完型双極子(ACD)素子115と、反射体120と、随意的な固定スリット125と、レチクル・スキャン機構130と、縮小レンズ145を含む縮小素子140と、スキャン可能ステッパ・ステージ150と、レチクル・スキャン機構130及びステージ150の移動を調整するための制御ユニット155とを含む。フォトリソグラフィ・ツール100は縮小露光ツールの一例であり、ここでは光線110は縮小素子140から発する縮小光線110AよりN倍幅広く、従って、レチクル135のパターンは印刷されるパターンよりもN倍大きい。例えばN=5である。ACD素子115Aは、新しい型の回折光学素子(DOE)である。
【0014】
集積回路(IC)の製造においては、数百個にも及ぶ個別ICチップの2次元アレイが同時に製造されるが、レチクル(フォトマスクの一種)は僅か数個のICチップに対応するパターンしか含むことができない。従って、各々の露光の後でウェハを移動(即ち、ステップ)させなければならない。また、レチクル上のパターンはフォトリソグラフィ・ツールのレンズの最大使用可能視野に収まるよりも大きい場合があり、従って、レチクル上のパターンの一部分のみが所与の瞬間に投影されるようにレチクルを移動(スキャン)させなければならない。従って、図1においては、ウェハ170(上に形成されたフォトレジスト層を有する)上のICチップ165の領域160が縮小光線110Aに露光される。ICチップ165はスキャンされ(本例においては左から右へ)、次いで、ウェハ170は次のICチップまで進められ、そしてスキャン・プロセスが繰り返されることになる。図1の下部において、「チップの上面」図は特定の瞬間において、ICチップ165の領域175が露光済みであり、領域160が露光中であり、そして領域180がこれから露光される状態を示す。
【0015】
本発明のACD素子115は、図1に示した特定の投影ツール以外に、任意の数の投影フォトリソグラフィ・ツール(例えば、N>1である完全なICチップ投影ステッパ・ツール、及びN=1であるスキャン投影ツール)において用いることができることを理解されたい。さらに、ACD素子115の特定の位置は図1に示した位置から変えることができる。例えば、ACD115は、スリット125に隣接して又はその代わりに、配置することができる。
【0016】
図2は、本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を用いてフォトリソグラフィにより印刷される例示的な設計画像の平面図である。図2において、フォトレジスト層に形成されるパターンの一部を構成する設計画像205のアレイ200は、X方向に沿った行及びY方向に沿った列に配列される。X方向とY方向は互いに垂直である。X方向は水平方向の長さ方向を定め、Y方向は垂直方向の幅方向を定める。各々の画像はX方向の長さL±d1及びY方向の幅W±d2を有し、ここでd1はLの前後の仕様限界値であり、d2はWの前後の仕様限界値である。画像205は、X方向の距離Sx及びY方向の距離Syを空けて配置される。従って、画像205のX方向のピッチPxはL+Sxに等しく、画像のY方向のピッチPyはW+Syに等しい。W<L、Py<Px、及びT2<T1の条件が与えられると、画像サイズ制御及びパターン密度に関する限界方向はY方向となる。このことは、本発明の実施形態によるACD素子が画像解像度向上を遂行する第1の(即ち、限界)双極子と、限界方向ではない方向(例えば、限界方向に対して垂直な方向)における画像解像度向上を遂行する第2の(即ち、補完的な)双極子とを含むので重要である。
【0017】
図3及び図4は本発明の実施形態による同じ非対称補完型双極子素子の平面図である。図3において、ACD素子115A(図1のACD素子115を表す)は、不透明層210A又は不透明プレート210B、それを通して光が通過できる4つの開口部215A、215B、215C、及び215D、を含む。第1の開口部215A及び第2の開口部215Bはほぼ弓形形状を有し、X軸(X方向に沿って延びる)に関して鏡像関係にある。第3の開口部220A及び第4の開口部220Bはほぼ弓形形状を有し、Y軸(Y方向に沿って延びる)に関して鏡像関係にある。X軸とY軸の交点によって中心点225が定められる。第1の開口部215A及び第2の開口部215Bは、第1の辺及び第2の辺においてA1度の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては中心点225からの距離Ri1から距離Ro1まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、ここでRo1>Ri1である。第3の開口部220A及び第4の開口部220Bは、第1の辺及び第2の辺においてA2度の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては中心点225からの距離Ri2から距離Ro2まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、ここでRo2>Ri2である。従って、開口部215Aと開口部215Bの面積は本質的に同一であり、開口部220Aと開口部220Bの面積は本質的に同一であり且つ開口部215A及び215Bより小さい。
【0018】
ACD素子115Aは、開口部215A及び215Bが限界双極子を形成し、開口部220A及び220Bが補完双極子を形成するようにして図2のアレイ200を露光するのに用いることを意図したものである。限界双極子の開口部215A及び215Bは主に非限界方向に沿って延び、開口部220A及び220Bは主に、図2に関して上記で定めた限界方向に沿って延びることに留意されたい。開口部220A及び220B(補完双極子)を通過するよりも多くの単位時間当たりの光エネルギー(例えばmJ/秒)が開口部215A及び215B(限界双極子)を通過することが、本発明の重要な特徴である。限界双極子及び補完双極子を通過する光の相対量は、比A1/A2の関数である。開口部215A及び215Bの光学密度(OD)をODCRITとし、開口部220A及び220BのODをODCOMPとすると、限界双極子及び補完双極子を通過する光の相対量は、比ODCRIT/ODCOMPの関数である。ODがゼロの場合は100%透明であって全ての光が通過し、ODが1の場合は100%不透明であって光は全く通過しない。二次的な制御変数は、開口部220A及び220Bの面積に対する開口部215A及び215Bの面積比である。一例において、A1はA2より大きい。一例において、ODCOMPはODCRITより大きい。一例において、A1はA2より大きく、且つODCOMPはODCRITより大きい。一例において、A1は約45°と約120°の間にあり、A2は約20°と約50°の間にある。
図4は、図3に示すX軸及びY軸と寸法表示が除かれ、断面表示が加えられた点を除いて、図3と同様である。
【0019】
図5(A)及び図5(B)は、図4の非対称補完型双極子素子の第1の例示的な構造を示す、それぞれ線5A−5A及び線5B−5Bに沿った断面図である。図5(A)において、ACD素子115Aは、透明な基板230(例えば、ゼロに近いODを有する)の上面227に形成された不透明層210Aを含む。基板230の上面227は、開口部215A及び215Bの底部で露出する。厳密には開口部215A及び215BのODは0であるが、基板230のODが開口部215A及び215Bを通過する光の減衰をもたらすので、ODCRITは基板230のODに等しい。一例において、ODCRITは約0.1未満である。
【0020】
図5(B)においては、不透明層210の領域232が開口部220A及び220Bの底部に残っているので、基板230の上面227は開口部220A及び220Bの底部で露出しない。層210は厚さT0を有し、領域232は厚さT1を有し、ここでT0>T1であり、開口部220AのODは図5(A)の開口部215A及び215BのODより大きい。一例において、層210はクロムを含み、基板230は石英を含む。厳密には開口部220A及び220BのODは0であるが、基板230のOD及び領域232のODの両方が開口部220A及び220Bを通過する光の減衰をもたらすので、ODCOMPは基板230のODと領域232のODを加え合わせたものに等しい。一例において、ODCOMPは約0.2と約0.9の間にある。一例において、ODCOMPは約0.2と約0.9の間にあり、ODCRITは約0.1未満である。
【0021】
図5(C)は図4の線5C−5Cに沿った断面図であり、図5(B)に示す非対称補完型双極子素子の代替的な構造を示す。図5(C)において、開口部220A及び220Bは基板230の上面227まで延びるが、光減衰材料235によって充填(或は、部分的に充填)されている。材料235は0より大きく1より小さいODを有する。一例において、材料235のODは約0.1と約0.9の間にある。一例においては、材料235のODは約0.2と約0.5の間にある。厳密には開口部220A及び220BのODは0であるが、基板230のOD及び材料235のODの両方が開口部220A及び220Bを通過する光の減衰をもたらすので、ODCOMPは基板230のODと材料235のODを加え合わせたものに等しい。一例において、ODCOMPは約0.2と約0.9の間にあり、ODCRITは約0.1未満である。
【0022】
図5(D)及び図5(E)は、それぞれ線5D−5D及び線5E−5Eに沿った断面図であり、図4の非対称補完型双極子素子の第2の例示的な構造を示す。図5(D)において、ACD素子115Aは開口部215A及び215Bを有する不透明プレート210Bを含む。一例において、プレート210Bはアルミニウム、ステンレススチール、又はセラミックを含む。開口部215A及び215BのODは0であるので、ODCRITは0に等しい。
【0023】
図5(E)において、開口部220A及び開口部220Bは光減衰材料235によって充填(或は部分的に充填)される。開口部220A及び開口部220BのODは材料235のODであるので、ODCOMPは材料235のODに等しい。一例において、ODCOMPは約0.2と約0.9との間にある。一例において、ODCOMPは約0.2と約0.9との間にあり、ODCRITは0である。
【0024】
図5(F)は、図4の線5F−5Fに沿った断面図であり、図5(E)に示す非対称補完型双極子素子の代替的な構造を示す。プレート210の下に減光フィルタ235Aが配置される。開口部220A及び開口部220BのODはフィルタ235AのODに等しいので、ODCOMPはフィルタ235AのODに等しい。一例においてODCOMPは約0.2と約0.9の間にある。一例においては、ODCOMPは約0.2と約0.9の間にあり、ODCRITは約0.1未満である。
【0025】
図6(A)は単一の双極子素子を用いた印刷画像のシミュレーションであり、図6(B)は本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を用いた印刷画像のシミュレーションである。シミュレーション・モデルは、実際の製造において予測することができる平均画像寸法及び平均前後の限界値(例えば3シグマ)などの画像パラメータをシミュレートする複雑なコンピュータ・プログラムである。シミュレーション・モデルはまた、フォトマスク画像を製造するときに設計画像に付加されるエッチング・バイアス及び光近接効果補正(OPC)などのフォトマスク補償を考慮に入れることができる。シミュレーション・モデルは、フォトマスク上の画像(例えば寸法、幾何学的形状、及び画像の変動)、フォトレジスト組成及びフォトレジスト・プロセス(例えば露光時間/強度、プロセス温度、現像パラメータなど)によって引き起こされる変動、及び、フォトリソグラフィ・ツールの特性(例えば、解像度及び画像の歪み、並びにDOE効果)についての情報を含むことができ、そしてシミュレート画像を生成することができる。
【0026】
図6(A)において、図4に図示したものと類似であるが開口部215A及び215Bのみを有し、開口部220A及び220Bは有さない単純な双極子素子を用いてシミュレートした印刷画像の平均寸法形状240A、最大寸法形状240B及び最小寸法形状240Cを、設計形状205(図2も見よ)の上に重ね合わせた。図6(B)においては、図4に図示したACD素子115Aを用いてシミュレートした印刷画像の平均寸法形状245A、最大寸法形状245B及び最小寸法形状245Cを、設計形状205(図2も見よ)の上に重ね合わせた。単純な双極素子とACD素子の違い以外は、図6(A)と図6(B)のシミュレーション・モデルは同じである。2つのシミュレーションにおいて、図2を参照すると、Wは約20nmであり、Lは約40nmであり、Sxは約20nmであり、Syは約20nmであった。図6(A)によって表されるシミュレーションについては、図3を参照すると、A1は約90°であり、開口部215A及び215BのODは約0であり、開口部220A及び220Bは存在しなかった。図6(B)によって表されるシミュレーションについては、再び図3を参照すると、A1は約90°であり、A2は約30°であり、開口部215A及び215BのODは約0であり、開口部220A及び220BのODは約0.3であった。図6(A)及び図6(B)を調べると、設計画像205に対して、単一双極子シミュレーションは限界方向(即ちY方向)と補完方向(即ちX方向)の両方において不十分な画像サイズ制御(平均及び平均前後の許容範囲)をもたらし、補完方向においては大きな画像サイズ変動を示したことが明らかである。
【0027】
図7は、二重双極子フォトリソグラフィにおいて、本発明の実施形態による図4の非対称補完型双極子素子と共に用いるための随伴非対称補完型双極子素子の平面図である。本発明の実施形態によるACDは、限界画像寸法方向に対して調整された限界双極子と、補完画像寸法方向(通常、限界方向に対して垂直な方向)に対して調整された補完双極子とを有する。しかし、集積回路設計は、Y方向が限界方向(図2のように)である幾つかの画像と、限界寸法がX方向にある他の画像とを有する可能性がある。従って、単一のフォトレジスト層を正確に露光するには、2つのマスク及び2つのACD素子が必要である。水平のバー画像205(図2を見よ)を有し、Y方向が限界方向である第1のマスク200は、ACD素子115A(図3を見よ)を用いて露光され、垂直のバー画像(図2の素子205を90°回転させ、Y方向が限界方向となる場合)を有する第2のマスクは、図7のACD素子115Bを用いて露光されることになる。ACD素子115A及び115Bの使用法は、図8を参照して以下で説明する。ACD素子115Bは、それを通して光が通過することができる4つの開口部215C、215D、220C、及び220Dを有する。開口部215C及び215Dは限界双極子を形成し、開口部220C及び220Dは補完双極子を形成する。ACD素子115Bを図4のACD素子115Aと比べると、主要な違いは限界双極子と補完双極子の位置の90°回転であることが分かる。図4及び図7の例においては、ACD素子115A(図4を見よ)とACD素子115Bは、限界双極子(図4の開口部215A及び215B、並びに図7の開口部215C及び215D)と補完双極子(図4の開口部220A及び220B、並びに図7の開口部220C及び220D)との90°の回転オフセットを除いて、完全に同一である。しかし、ACD素子115BはACD素子115A(図4を見よ)と完全に同一である必要はない。ACD素子115A(図4を見よ)及び115Bは、それぞれの限界方向において用いるように意図したマスクの限界形状及び間隔に対して、他方のACD素子の調整とは無関係に、個別に調整することができる。
【0028】
図8は、本発明の実施形態による二重双極子フォトリソグラフィの方法を示すフローチャートである。ステップ250において、フォトレジスト層を有するウェハを露光ツール内に装着する。ステップ255において、第1の限界方向に画像の限界パターンを有する第1のレチクルを露光ツールの光路内の所定位置に装着し、そして、第1の限界方向に対して配向及び調整された限界双極子を有する第1のACD素子を露光ツールの光路内の所定位置に装着する。ステップ260において、第1のレチクル及び第1のACD素子を用いて、フォトレジスト層の1回目の露光を実施する。ステップ265において、第2の限界方向(第1の限界方向に対して垂直)に画像の限界パターンを有する第2のレチクルを露光ツールの光路内の所定位置に装着し、そして、第2の限界方向に対して配向及び調整された限界双極子を有する第2のACD素子を露光ツールの光路内の所定位置に装着する。ステップ270において、第2のレチクル及び第2のACD素子を用いて、フォトレジスト層の2回目の露光を実施する。ステップ275において、ウェハをフォトリソグラフィ・ツールから取り外し、2回の露光によって形成された潜像を現像する。次いで、更なる処理(例えばエッチング、イオン注入、レジスト除去など)を実施することができる。
【0029】
図9は、本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子を設計する方法を示す。ステップ300において、IC製造レベルの設計の限界設計画像を選択する。パラメータW、L、Sx、及びSy(又はW、L、Px、及びPy)(図2を見よ)をシミュレーション・モデルに入力する。ステップ305において、初期のACD設計を選択又は生成し、パラメータA1、A2、Ri1、Ro1、Ri2、Ro2、ODCRIT及びODCOMP(図3を見よ)をシミュレーション・モデルに入力する。初期の非対称補完型双極子設計を、現行の非対称補完型双極子設計に指定する。ステップ310においてシミュレーション・モデルが実行され、ステップ315において実行結果(例えば、図6(B)を見よ)の評価を実施する。随意的にステップ320において、現行のACD設計をACD設計ファイル325に格納する。ステップ330において、ステップ315において実施された評価に基づき、現行のACD設計が許容可能な画像形成性能をもたらすがどうかを判定する。ステップにおいて画像形成性能が許容可能である場合は、ステップ335において現行の設計に基づいてACD素子が作成され、その他の場合には、方法はステップ340に進む。ステップ340において、現行のACD設計を修正してシミュレーションを再度実行するべきかどうかを判定する。ステップ340において現行のACD設計を修正することが決定された場合には、ステップ345においてパラメータA1、A2、Ri1、Ro1、Ri2、Ro2、ODCRIT及びODCOMPのうちの1つ又は複数を修正し、方法はステップ310に進み、その他の場合には、方法はステップ350に進む。ステップ350において、ACD設計ファイル325の中から最高性能のACD設計が選択され、ステップ335において、選択された設計に基づいてACDが作成される。
【0030】
一般に、本発明の実施形態による非対称補完型双極子素子の設計に関して本明細書において説明した方法は汎用コンピュータによって実施され、上で図9の流れ図で説明した方法は、汎用コンピュータによって使用するための取り外し可能媒体又はハード媒体上に一組の命令としてコード化することができる。
【0031】
図10は、汎用コンピュータの概略的なブロック図である。図10において、コンピュータ・ツール400は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ又は中央演算処理装置(CPU)405を有する。CPU405はツール・バス410を介して、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)415、読み取り専用メモリ(ROM)420、取り外し可能データ及び/又はプログラム記憶デバイス430及び大容量データ及び/又はプログラム記憶デバイス435を接続するための入力/出力(I/O)アダプタ425、キーボード445及びマウス450を接続するためのユーザ・インターフェース・アダプタ440、データ・ポート460を接続するためのポート・アダプタ455、及び、表示デバイス470を接続するためのディスプレイ・アダプタ465に相互接続される。
【0032】
ROM420は、コンピュータ・ツール400の基本オペレーティング・ツールを収容する。オペレーティング・ツールは、代替的に、RAM415、又は当該技術分野において公知の他の場所に常駐することができる。取り外し可能データ及び/又はプログラム記憶デバイス630の例には、フロッピィ・ドライブ及びテープ・ドライブのような磁気媒体、並びに、CD ROMドライブのような光媒体が含まれる。大容量データ及び/又はプログラム記憶デバイス435の例には、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、及び半導体デバイスが含まれる。コンピュータ可読媒体の例には、半導体メモリ又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、剛体磁気ディスク、及び光ディスクが含まれる。最近の光ディスクの例には、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク読み取り/書き込み(CD−R/W)及びDVDが含まれる。キーボード445及びマウス450に加えて、ユーザ・インターフェース440には、トラックボール、ライティング・タブレット、圧力パッド、マイクロフォン、ライトペン、及び位置検出スクリーン・ディスプレイのような他のユーザ入力デバイスを接続することができる。表示デバイスの例には、陰極線管(CRT)及び液晶ディスプレイ(LCD)が含まれる。
【0033】
当業者であれば、適切なアプリケーション・インターフェースを伴うコンピュータ・プログラムを作成し、ツール又はデータ及び/又はプログラム記憶デバイスに格納して本発明の実施を簡単にすることができる。動作中、本発明に関する情報即ち本発明を実行するために作成されたコンピュータ・プログラムは、適切な取り外し可能データ及び/又はプログラム記憶デバイス430に搭載され、データ・ポート460を通じて供給され、又は、キーボード445を用いてタイプ入力される。
【0034】
このように、本発明の実施形態は、集積回路の形成中に光フォトリソグラフィを最適化するための装置、該装置を設計する方法、該装置を用いるツール、及び、該装置の使用法を提供する。
【0035】
本発明を理解するために本発明の実施形態の説明を上述した。本発明は、本明細書で説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、ここで当業者には明らかになるように、本発明の範囲から逸脱することなく種々の修正、再構成、及び置換が可能であることが理解されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更の全てを本発明の真の趣旨及び範囲内に入るものとして網羅することが意図されている。
【符号の説明】
【0036】
100:フォトリソグラフィ・ツール
105:化学線源
110:光線
110A:縮小光線
115、115A、115B:非対称補完型双極子(ACD)素子
120:反射体
125:固定スリット
130:レチクル・スキャン機構
135:レチクル
140:縮小素子
145:縮小レンズ
150:スキャン可能ステッパ・ステージ(ステージ)
155:制御ユニット
160、175、180、232:領域
165:ICチップ
170:ウェハ
200:アレイ(マスク)
205:設計画像(画像、設計形状)
210、210A:不透明層
210B:不透明プレート
215A、215B、215C、215D、220A、220B、220C、220D:開口部
225:中心点
227:上面
230:透明な基板
235:光減衰材料
235A:減光フィルタ
240A、245A:平均寸法形状
240B、245B:最大寸法形状
240C、245C:最小寸法形状
325:ACD設計ファイル
400:コンピュータ・ツール
405:マイクロプロセッサ又は中央演算処理装置(CPU)
410:ツール・バス
415:ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
420:読み取り専用メモリ(ROM)
425:入力/出力(I/O)アダプタ
430:取り外し可能データ及び/又はプログラム記憶デバイス
435:大容量データ及び/又はプログラム記憶デバイス
440:ユーザ・インターフェース・アダプタ
445:キーボード
450:マウス
455:ポート・アダプタ
460:データ・ポート
465:ディスプレイ・アダプタ
470:表示デバイス
L:長さ
W:幅
T:厚さ
d1、d2:仕様限界値
Sx:X方向の距離
Sy:Y方向の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光リソグラフィ装置であって、
第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する、第1の開口部及び第2の開口部と、
第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する、第3の開口部及び第4の開口部と
を備える非対称補完型双極子素子を備え、
前記第1の軸は前記第2の軸に対して垂直であり、前記第1の光学密度は前記第2の光学密度とは異なる、
装置。
【請求項2】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部はほぼ弓形形状を有し、前記第3の開口部及び前記第4の開口部はほぼ弓形形状を有し、
前記第1の軸と前記第2の軸との交点によって中心点が定められ、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第1の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第1の距離から第2の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きく、
前記第3の開口部及び前記第4の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第2の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第3の距離から第4の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第4の距離は前記第3の距離よりも大きい、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の円弧長は前記第2の円弧長より長い、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の円弧長は45°と120°の間にあり、前記第2の円弧長は20°と50°の間にある、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の面積は前記第2の面積より広い、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の光学密度は0.1未満であり、前記第2の光学密度は0.2と0.9の間にある、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の光学密度は0であり、前記第2の光学密度は0.2と0.9との間にある、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
フォトレジスト層上に光パターンを与える方法であって、
非対称補完型双極子素子の開口部を通して、選択された波長の光を通過させるステップを含み、
前記非対称補完型双極子素子は、
第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度を有する、第1の開口部及び第2の開口部と、
第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度を有する、第3の開口部及び第4の開口部と
を備え、
前記第1の軸は前記第2の軸に対して垂直であり、前記第1の光学密度は前記第2の光密度とは異なり、
さらに
前記非対称補完型双極子素子を通して前記光を前記通過させるステップの後で、パターン形成されたフォトマスクを通して前記光を通過させるステップと、
前記パターン形成されたフォトマスクを通して前記光を前記通過させるステップの後で、前記フォトレジスト層上に前記光を投射するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部を通過する前記光は、第1の強度で出て行き、前記第3の素子及び前記第4の素子を通過する前記光は、第2の強度で出て行き、前記第1の強度は前記第2の強度より大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部はほぼ弓形形状を有し、前記第3の開口部及び前記第4の開口部はほぼ弓形形状を有し、
前記第1の軸と前記第2の軸との交点によって中心点が定められ、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第1の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第1の距離から第2の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きく、
前記第3の開口部及び前記第4の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第2の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第3の距離から第4の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第4の距離は前記第3の距離よりも大きい、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の円弧長は前記第2の円弧長より長い、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
付加的な非対称補完型双極子素子の開口部を通して、前記選択された波長の光を通過させるステップをさらに含み、
前記付加的な非対称補完型双極子素子は、
第3の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第3の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第3の光学密度を有する、第5の開口部及び第6の開口部と、
第4の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第4の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第4の光学密度を有する、第7の開口部及び第8の開口部と、
を備え、
前記第3の軸は前記第4の軸に対して垂直であり、前記第3の軸は前記第2の軸と同一の広がりを有し、前記第4の軸は前記第1の軸と同一の広がりを有し、前記第3の光学密度は前記第4の光密度とは異なり、
さらに
前記付加的な非対称補完型双極子素子を通して前記光を前記通過させるステップの後で、付加的なパターン形成されたフォトマスクを通して、前記光を通過させるステップと、
前記付加的なパターン形成されたフォトマスクを通して前記光を前記通過させるステップの後で、前記フォトレジスト層上に前記光を投射するステップと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部はほぼ弓形形状を有し、前記第3の開口部及び前記第4の開口部はほぼ弓形形状を有し、
前記第1の軸と前記第2の軸との交点によって中心点が定められ、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第1の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第1の距離から第2の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第2の距離は前記第1の距離よりも大きく、
前記第3の開口部及び前記第4の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第2の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第3の距離から第4の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第4の距離は前記第3の距離よりも大きく、
前記第5の開口部及び前記第6の開口部はほぼ弓形形状を有し、前記第7の開口部及び前記第8の開口部はほぼ弓形形状を有し、
前記第5の開口部及び前記第6の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第3の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第5の距離から第6の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第6の距離は前記第5の距離よりも大きく、
前記第7の開口部及び前記第8の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第4の円弧長を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第7の距離から第8の距離まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、前記第8の距離は前記第7の距離よりも大きい、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の円弧長は前記第2の円弧長より長く、前記第3の円弧長は前記第4の円弧長より長い、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
フォトレジスト層上に、第1及び第2の強度を有する光パターンを与えるための装置であって、
光源とフォトマスクの間に位置合わせされた、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の非対称補完型双極子素子を備え、
前記フォトマスクは前記非対称補完型双極子素子と前記フォトレジスト層の間に位置合わせされる、
装置。
【請求項16】
非対称補完型双極子素子を設計する方法であって、
(a)集積回路製造レベルの設計の限界設計画像を選択するステップと、
(b)初期の非対称補完型双極子設計を選択又は生成するステップ、及び、前記初期設計の非対称補完型双極子設計を現行の非対称補完型双極子設計に指定するステップであって、前記現行の非対称補完型双極子設計は第1の強度の光を通過させる少なくとも第1の双極子と、第2の強度の光を通過させる第2の双極子とを有し、前記光の第1の強度は前記光の第2の強度とは異なる、ステップと、
(c)前記限界設計画像を記述する第1のパラメータ、及び前記現行の非対称補完型双極子設計を記述する第2のパラメータを用いてフォトレジスト層の露光をシミュレートして前記限界設計画像のシミュレート画像を生成するステップと、
(d)前記シミュレート画像を記述する第3のパラメータを評価するステップと、
(e)前記パラメータが許容可能ではない場合には前記第2のパラメータのうちの1つ又は複数を修正してステップ(c)及び(d)を繰り返し、前記第3のパラメータが許容可能である場合には前記現行の非対称補完型双極子設計を選択するステップと
を含む方法。
【請求項17】
前記初期の非対称補完型双極子設計及び前記現行の非対称補完型双極子設計は、
第1の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第1の面積及び選択された光の波長に対する本質的に同一の第1の光学密度ODCRITを有する、第1の開口部及び第2の開口部と、
第2の軸に関して等距離且つ鏡像関係にあり、本質的に同一の第2の面積及び前記選択された光の波長に対する本質的に同一の第2の光学密度ODCOMPを有する、第3の開口部及び第4の開口部と、
を備え、
前記第1の軸は前記第2の軸に対して垂直であり、ODCRITとODCOMPは異なる値を有する、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部はほぼ弓形形状を有し、前記第3の開口部及び前記第4の開口部はほぼ弓形形状を有し、
前記第1の軸と前記第2の軸との交点によって中心点が定められ、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第1の円弧長A1を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第1の距離Ri1から第2の距離Ro1まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、Ro1はRi1よりも大きく、
前記第3の開口部及び前記第4の開口部は、第1の辺及び第2の辺において第2の円弧長A2を有する同心円弧によって定められ、第3の辺及び第4の辺においては前記中心点からの第3の距離Ri2から第4の距離Ro2まで延びる半径方向長さを有する非平行線によって定められ、Ro2はRi2よりも大きい、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のパラメータはA1、A2、Ri1、Ro1、Ri2、Ro2、ODCRIT、及びODCOMPのうちの1つ又は複数を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のパラメータは前記設計画像の幅W及び長さL、並びに前記設計画像の隣接画像間のX方向における第1の間隔Sx、並びに前記設計画像の隣接画像間のY方向における第2の間隔Syを含み、
前記第3のパラメータは前記シミュレート画像の平均寸法形状、最大寸法形状、及び最小寸法形状を記述する、
請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の双極子は、第1の方向の第1の軸に関して対称的であり、前記限界設計画像の第2の方向における解像度を向上させ、前記第2の双極子は、第2の方向の第2の軸に関して対称的であり、前記限界設計画像の第1の方向における解像度を向上させ、前記第2の方向は前記第1の方向に対して垂直である、請求項16に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−519386(P2012−519386A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552385(P2011−552385)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051972
【国際公開番号】WO2010/100029
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】