説明

光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法

【課題】信号光に重畳される雑音成分を低減することができる光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法を提供する。
【解決手段】光信号雑音抑圧装置1は、光ファイバ90の第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する装置であって、光源部10,光減衰器20,光サーキュレータ30および光アイソレータ40を備える。光源部10から出力され光減衰器20を経た対向光は、光サーキュレータ30を経て、光ファイバ90に導入される。光ファイバ90に導入された対向光は、光アイソレータ40により遮断され、信号光源部に達することはない。対向光は、信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有し、光ファイバ90において信号光の伝搬方向と逆の方向に伝搬する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高パワーの光が光ファイバを伝搬する際に生じる非線形光学効果を利用して信号光の波長変換や波形整形等を高速に処理する技術が提案されている。しかし、このような技術を用いるにあたって信号光の強度が大きすぎると誘導ブリルアン散乱が発生する。誘導ブリルアン散乱は、伝搬光が光ファイバ中の結合に音響的振動を誘起することにより、その伝搬光自身が後方への散乱効果を受ける現象である。散乱光が種となって次の散乱を促す効果もあるので、伝搬光の強度がある閾値を超えると、指数関数的に散乱光が増大する。
【特許文献1】特開平8−54653号公報
【非特許文献1】G. P. Agrawal “Nonlinear FiberOptics”, Academic Press
【非特許文献2】P. O. Hedekvist et al., “Noisecharacteristics of fiber-based optical phase conjugators”, Journal oflightwave technology, vol.17, no.1, Jan, 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、誘導ブリルアン散乱の最初の種となるものは熱的雑音に起因するものであることから、散乱光自体も非常に雑音成分を多く含んだものであり、散乱されずに光ファイバを通過した光についても雑音成分がのってしまう。このことから、誘導ブリルアン散乱によって信号光の品質が低下することになる。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、信号光に重畳される雑音成分を低減することができる光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置は、光ファイバの第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する装置であって、(1) 光ファイバにおける信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有する対向光を出力する光源部と、(2) 光源部から出力された対向光を光ファイバに導入して、該対向光を光ファイバの第2端側から第1端側へ向けて伝搬させる第1結合器と、(3)第1結合器により光ファイバに導入されて光ファイバの第1端から出射された対向光を遮断する遮断部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明では、光源部から出力される対向光は、光ファイバにおける信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有するものであり、第1結合器により光ファイバに導入されて、光ファイバの第2端側から第1端側へ向けて伝搬する。これにより、強制的に誘導ブリルアン散乱が発生して、信号光に重畳される誘導ブリルアン散乱に起因する雑音が抑圧され得る。
【0007】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置は、光源部が広帯域光を出力する広帯域光源であるのが好適である。この場合には、信号光のパワーの高い周波数成分が複数あるいは周波数可変である場合にも、その信号光に重畳される雑音成分が低減され得る。この広帯域光源は、信号光に対するブリルアン散乱光の帯域以上の範囲を有する光源であり、例えば、Cバンドを含む広帯域の光を出力するものであるのが好適であり、或いは、帯域が100GHz以上の広帯域の光を出力するものであるのも好適である。
【0008】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置では、光ファイバの全長が1km以下であるのが好適であり、また、光ファイバの非線形定数が10W−1/km−1以上であるのが好適である。
【0009】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置は、信号光の伝搬経路上であって第1結合器の後段に設けられ、光ファイバにおける対向光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光を遮断する光フィルタを更に備えるのが好適である。この場合には、光ファイバにおける対向光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光は光フィルタにより遮断されるので、この誘導ブリルアン散乱による雑音が信号光に重畳されるのが抑制される。
【0010】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置は、光源部と第1結合器との間の光路上に設けられた光減衰器を更に備えるのが好適である。この場合には、光源部から出力された対向光は、光減衰器によりパワーが調整された後に、第1結合器により光ファイバに導入される。
【0011】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置は、光ファイバにおいて信号光からの誘導ブリルアン散乱によって増幅した対向光を取り出す第2結合器と、第2結合器により取り出された対向光を受光して該対向光のパワーを検出する受光器と、を更に備え、光源部が、受光器により検出されたパワーに基づいて、出力する対向光の強度または波長を制御するのが好適である。この場合には、光ファイバにおいて信号光からの誘導ブリルアン散乱によって増幅した対向光は、第2結合器により取り出され、受光器により受光されてパワーが検出される。そして、光源部において、受光器により検出されたパワーに基づいて、出力する対向光の強度または波長が制御される。
【0012】
本発明に係る光信号雑音抑圧方法は、光ファイバの第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する方法であって、光ファイバにおける信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有する対向光を光ファイバに導入し、該対向光を光ファイバの第2端側から第1端側へ向けて伝搬させて、信号光に重畳される誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法によれば、信号光に重畳される雑音成分を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
【0016】
先ず、本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る光信号雑音抑圧装置1の構成図である。この図に示される光信号雑音抑圧装置1は、光ファイバ90の第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する装置であって、光源部10,光減衰器20,光サーキュレータ(第1結合器)30および光アイソレータ(遮断部)40を備える。
【0017】
光ファイバ90では光アイソレータ40から光サーキュレータ30へ向かって信号光が伝搬する。この信号光の光周波数は、単一であってもよいし、複数であってもよい。光周波数が単一である場合としては、自己位相変調を利用した信号処理があり、光周波数が複数である場合としては、相互位相変調は四光波混合を利用した信号処理がある。なお、光ファイバ90は、全長が1km以下であるのが好ましく、非線形定数が10W-1・km-1以上であるのがこのましい。
【0018】
光源部10は、光ファイバ90における信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有する対向光を出力する。すなわち、信号光の光周波数をfとし、誘導ブリルアン散乱の際のブリルアン周波数シフト量をΔνとすると、光源部10は、光周波数(f−Δν)の対向光を出力する。なお、信号光の光周波数が複数である場合には、最も光強度が高い信号光の光周波数をfとするのが適当である。
【0019】
光減衰器20は、光源部10から出力された対向光を入力し、この対向光に対して所定の損失を与えて所望のパワーとし、その対向光を光サーキュレータ30へ出力する。光サーキュレータ30は、光源部10から出力され光減衰器20を経た対向光を光ファイバ90に導入して、該対向光を光ファイバ90の第2端側から第1端側へ向けて伝搬させる。光アイソレータ40は、光サーキュレータ30により光ファイバ90に導入されて光ファイバ90の第1端から出射された対向光を遮断する。
【0020】
次に、第1実施形態に係る光信号雑音抑圧装置1の動作について説明するとともに、第1実施形態に係る光信号雑音抑圧方法について説明する。光源部10から出力され光減衰器20を経た対向光は、光サーキュレータ30を経て、光ファイバ90に導入される。光ファイバ90に導入された対向光は、光アイソレータ40により遮断され、信号光源部に達することはない。対向光は、信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有し、光ファイバ90において信号光の伝搬方向と逆の方向に伝搬する。
【0021】
これにより、光ファイバ90において誘導ブリルアン散乱が強制的に発生する。誘導ブリルアン散乱が強制的に発生する場合、種となる散乱光の強度が一定であるので、誘導ブリルアン散乱は安定する。その結果、信号光は、散乱による損失が増えるものの、誘導ブリルアン散乱の不安定性による雑音成分が極力抑えられることになる。このように、信号光に重畳される誘導ブリルアン散乱に起因する雑音が抑圧され得る。
【0022】
図2は、誘導ブリルアン散乱を強制的に発生させた場合の信号光入力パワーと信号光出力パワーとの関係を示すグラフである。この図には、対向光の強度が種々の場合について、信号光入力パワーと信号光出力パワーとの関係の計算結果が示されている。ここで想定した光ファイバ90は、非線形性が高いものであり、実効断面積が10μmであり、伝送損失が0.9dB/kmであり、ブリルアンゲインが5×10−11m/Wであり、長さが0.1kmである。計算は、文献「G.P. Agrawal, "Nonlinear Fiber Optics"」に記載されたものに従い、対向光自体の誘導ブリルアン散乱については考慮していない。図2に示されるように、入力光強度が高くなると出力光強度が飽和している。また、この出力光強度の飽和するレベルは対向光の強度に依存している。
【0023】
このように入力光強度に対して出力光強度は1対1で決まるので、誘導ブリルアン散乱の過程によって信号光に雑音が生じることはない。また、対向光はその名のとおり信号光に対して反対方向に伝搬しているので、信号光と対向光との間に生じる誘導ブリルアン散乱以外の非線形光学効果は小さいか又は一定であり、信号光には余計な変調は加わることはない。
【0024】
また、この特性から、光ファイバ90へ入力される信号光が元々雑音成分の多い信号である場合は、対向光を入射させることで高いパワーレベルでの雑音成分を抑圧することになるので、2R(信号の1/0レベルの雑音除去)としての効果が期待できる。この2Rの飽和レベルは対向光強度に依存するので、光減衰器20により対向光の強度を調整することにより、様々な信号形式の2Rに対応することができる。
【0025】
また、この特性から、光信号雑音抑圧装置1は、光サーキュレータ30の後段にある信号光伝搬経路上の光デバイスに対し、光パワーの過剰な入力を抑制する為の光リミッタとしても用いられ得る。誘導ブリルアン散乱自体は、通常の光ファイバでは非常に高速な現象であるが、信号光と対向光との間のパワーの受け渡しによる過渡的な強度変化は、光ファイバ中の伝搬時間の数倍から10倍に及ぶ。このことから、光信号雑音抑圧装置1を光リミッタとして用いる場合は、光ファイバ90のファイバ長が短い(100mで数μsの反応時間に相当)のが望ましい。また、リミッタ機能を強める上で光ファイバ90の実効断面積が小さいのも望ましい。
【0026】
このように、本実施形態では、フィードバック回路を作ることなく、対向光強度のレベルに応じて信号光強度が調整されるので、高速動作が可能である。また、誘導ブリルアン散乱を用いているので、飽和特性が顕著であり、余分な光も集められることから安全性も保証しやすい。
【0027】
(第2実施形態)
【0028】
次に、本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る光信号雑音抑圧装置2の構成図である。図1に示された第1実施形態の構成と比較すると、この図に示される第2実施形態に係る光信号雑音抑圧装置2は、光源部10に替えて光源部10Aを備える点で相違する。なお、この第2実施形態においても、光源部10Aと光サーキュレータ30との間に光減衰器20が設けられてもよい。
【0029】
光源部10Aは、光源11および高非線形性光ファイバ12を含む。この光源部10Aでは、光源11から出力された光は高非線形性光ファイバ12に入力され、その光が高非線形性光ファイバ12を伝搬する間に生じる非線形光学現象により伝搬光が広帯域化され、この広帯域化された光(Supercontinuum光)が対向光として光サーキュレータ30へ出力される。なお、このようにして生成された広帯域光は雑音成分が低い。
【0030】
第2実施形態では、このような広帯域の対向光を、光ファイバ90において信号光伝搬方向と逆の方向に伝搬させることにより、信号光のパワーの高い周波数成分が複数あるいは周波数可変である場合にも、その信号光に重畳される雑音成分を低減することができる。
【0031】
(第3実施形態)
【0032】
次に、本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法の第3実施形態について説明する。図4は、第3実施形態に係る光信号雑音抑圧装置3の構成図である。図1に示された第1実施形態の構成と比較すると、この図に示される第3実施形態に係る光信号雑音抑圧装置3は、光源部10に替えて光源部10Bを備える点で相違する。なお、この第3実施形態においても、光源部10Bと光サーキュレータ30との間に光減衰器20が設けられてもよい。
【0033】
光源部10Bは、光源11,位相変調器13およびトーン信号発生器14を含む。この光源部10Bでは、トーン信号発生器14から出力されたトーン信号は位相変調器13に入力され、光源11から出力された光は位相変調器13に入力される。位相変調器13に入力された光は、位相変調を受けてサブキャリアを含む広帯域の光とされ、この広帯域化された光が対向光として光サーキュレータ30へ出力される。なお、このようにして生成された広帯域光は雑音成分が低い。
【0034】
第3実施形態でも、このような広帯域の対向光を、光ファイバ90において信号光伝搬方向と逆の方向に伝搬させることにより、信号光のパワーの高い周波数成分が複数あるいは周波数可変である場合にも、その信号光に重畳される雑音成分を低減することができる。
【0035】
(第4実施形態)
【0036】
次に、本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法の第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態に係る光信号雑音抑圧装置4の構成図である。図1に示された第1実施形態の構成と比較すると、この図に示される第4実施形態に係る光信号雑音抑圧装置4は、光フィルタ50を更に備える点で相違する。なお、この第4実施形態においても、光源部10と光サーキュレータ30との間に光減衰器20が設けられてもよい。
【0037】
光フィルタ50は、信号光の伝搬経路上であって光サーキュレータ30の後段に設けられており、光ファイバ90における対向光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光を遮断するものである。
【0038】
光源10から出力された光ファイバ90に導入される対向光のパワーが高い場合は、光ファイバ90において対向光による誘導ブリルアン散乱が発生する可能性があり、信号光にその散乱光が混じる可能性がある。そこで、対向光による誘導ブリルアン散乱を光フィルタ90により遮断するのが好ましい。
【0039】
(第5実施形態)
【0040】
次に、本発明に係る光信号雑音抑圧装置および光信号雑音抑圧方法の第5実施形態について説明する。図6は、第5実施形態に係る光信号雑音抑圧装置5の構成図である。図1に示された第1実施形態の構成と比較すると、この図に示される第5実施形態に係る光信号雑音抑圧装置5は、光サーキュレータ(第2結合器)60および受光器70を更に備える点で相違し、また、光源部10が受光器70により検出されたパワーに基づいて出力光の強度または波長を制御する点で相違する。なお、この第5実施形態においても、光源部10と光サーキュレータ30との間に光減衰器20が設けられてもよい。
【0041】
光サーキュレータ60は、光ファイバ90において信号光からの誘導ブリルアン散乱によって増幅した対向光を取り出す。受光器70は、光サーキュレータ60により取り出された対向光を受光して該対向光のパワーを検出する。そして、光源部10は、受光器70により検出されたパワーに基づいて、出力する対向光の強度または波長を制御する。
【0042】
第5実施形態では、散乱光を取り出しモニタすることにより、リミッタまたは2Rとして用いる際に、状況を確認して光源部10の強度または波長を最適調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る光信号雑音抑圧装置1の構成図である。
【図2】誘導ブリルアン散乱を強制的に発生させた場合の信号光入力パワーと信号光出力パワーとの関係を示すグラフである。
【図3】第2実施形態に係る光信号雑音抑圧装置2の構成図である。
【図4】第3実施形態に係る光信号雑音抑圧装置3の構成図である。
【図5】第4実施形態に係る光信号雑音抑圧装置4の構成図である。
【図6】第5実施形態に係る光信号雑音抑圧装置5の構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1〜5…光信号雑音抑圧装置、10,10A,10B…光源部、11…光源、12…高非線形性光ファイバ、13…位相変調器、14…トーン信号発生器、20…光減衰器、30…光サーキュレータ、40…光アイソレータ、50…光フィルタ、60…光サーキュレータ、70…受光器、90…光ファイバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する装置であって、
前記光ファイバにおける前記信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有する対向光を出力する光源部と、
前記光源部から出力された対向光を前記信号光に対して対向して前記光ファイバに導入して、前記対向光を前記光ファイバの前記第2端側から前記第1端側へ向けて伝搬させる第1結合器と、
前記第1結合器により前記光ファイバに導入されて前記光ファイバの前記第1端から出射する対向光を遮断する遮断部と
を備えることを特徴とする光信号雑音抑圧装置。
【請求項2】
前記光源部が広帯域光を出力する広帯域光源であることを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項3】
前記光ファイバは、全長が1km以下であることを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項4】
前記光ファイバは、非線形定数が10W−1・km−1以上であることを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項5】
前記信号光の伝搬経路上であって前記第1結合器の後段に設けられ、前記光ファイバにおける前記対向光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光を遮断する光フィルタを備えることを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項6】
前記光源部と前記第1結合器との間の光路上に光減衰器を備えることを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項7】
前記遮断部は、前記光ファイバにおいて信号光からの誘導ブリルアン散乱によって増幅した対向光を取り出す第2結合器と、
前記第2結合器により取り出された対向光を受光して前記対向光のパワーを検出する受光器と
を備え、
前記光源部が、前記受光器により検出されたパワーに基づいて、出力する対向光の強度または波長を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の光信号雑音抑圧装置。
【請求項8】
光ファイバの第1端側から第2端側へ信号光が伝搬する際に発生する誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する方法であって、
前記光ファイバにおける前記信号光の伝搬によって発生する誘導ブリルアン散乱光と同じ光周波数成分を有する対向光を前記信号光に対して対向して前記光ファイバに導入し、前記対向光を前記光ファイバの前記第2端側から前記第1端側へ向けて伝搬させて、前記信号光に重畳される誘導ブリルアン散乱に起因する雑音を抑圧する
ことを特徴とする光信号雑音抑圧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−139784(P2008−139784A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328444(P2006−328444)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】