説明

光分岐を使用する、マイクロ機械加工した干渉計のためのシステム、方法、および装置

【課題】半平面ビームスプリッタを使用して、マイクロ機械加工を施した干渉計が得られる。
【解決手段】ビームスプリッタは、入射ビームIを受容するように光結合しており、入射ビームをそれぞれ異なる媒体内を伝播する2つの干渉ビームL1、L2に分岐するように動作する。こうした媒体の一方に埋め込まれた固定鏡M2は、一方の干渉ビームL2を反射し、この干渉ビームを、上記媒体を通って半平面ビームスプリッタへ戻す。その一方で、アクチュエータによって制御される可動鏡M1は、他方の干渉ビームL1を反射して、この干渉ビームを他方の媒体を通って上記半平面ビームスプリッタへ戻す。検出面D1またはD2は、反射された干渉ビームL3、L4間の干渉によって生成された干渉パターンを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して光学MEMSに関し、特にマイクロ機械加工を施した干渉計に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子機械システム(MEMS)は、マイクロ製造技術による一般的なシリコン基板上への機械部品、センサ、アクチュエータ、電子機器の統合を意味する。例えば、マイクロ電子機器は一般に集積回路(IC)処理を用いて製造され、一方、マイクロ機械構成部品は、シリコンウェーハの各部を選択的にエッチングして除去するか、あるいは新たな構造層を追加して機械および電子機械構成部品を形成する、相性の良いマイクロ機械処理を用いて製造される。MEMS装置は、その低コスト、バッチ処理機能、標準的なマイクロ電子機器との互換性のために、分光法、形状測定、環境センシング、屈折率測定(または材料認識)、さらにこれ以外のいくつかのセンサ用途の使用にとって魅力のある候補である。これに加え、小型のMEMS装置により、MEMS装置を組み込んだ設備、例えばMEMSベースのマイケルソン干渉計をモバイルおよびハンドヘルド型装置に統合できるようになる。
【0003】
さらに、MEMS技術とその様々な作動技法は、光学調整機能や動的センシング用途といったフォトニック装置の新規機能および新規特徴の実現を可能にする。例えば、MEMS作動(静電、磁気、熱)を用いてマイケルソン干渉計の可動鏡を制御することで、干渉計光路長に小さな変位を導入することができ、その結果、干渉ビームどうしの間に位相差が生じる。この位相差を用いて、干渉計ビームのスペクトル応答(例えば、フーリエ変換分光を用いる)や移動鏡の速度(例えば、ドップラー効果を用いる)を測定し、あるいはこの位相差を単純に光学位相遅延要素として使用することができる。
【0004】
MEMSベースのマイケルソン干渉計は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術を用いて実現されてきた。この場合、ビーム分岐を、シリコン(Si)またはガラスの薄い壁を用いて実行する。しかし、現在のMEMSベースのマイケルソン干渉計の性能は、シリコンまたはガラスの壁の厚さに大きく依存する。実際には、パフォーマンスの再現可能性が製造処理パラメータに対して非常に敏感であるため、こうした装置の産業化には多くの問題が伴ってきた。従来の薄いシリコン壁ビームスプリッタを使用する上での別の問題に「ビーム分岐比」のスペクトル感度がある。これは、ビームスプリッタの2つのシリコン/空気界面が寄生ファブリ・ペロー効果に寄与することで、波長に対する電力分岐比が変調されるために起こる。当然ながら、この寄生効果によって、異なる波長での動作が生じてノイズが導入されるため、マイケルソン干渉計の性能が劣化する。従来のビームスプリッタに伴う問題には、これ以外にも、スプリッタの2つの面から2つに分離されたビームの干渉がある。Vidring等による米国特許第4,632,553号において、楔形に構成されたシリコンビームスプリッタが提案されている。この楔形は、分離されたビームの干渉を避けるために角度の異なる2つの分岐面を採用したものである。しかし、この楔形のビームスプリッタはビーム分離の問題は解決できても、製造公差や、「ビーム分岐比」の波長への寄生依存といった同じ問題には依然として直面したままである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ロバスト性と精密性の高いマイクロ機械加工を施した干渉計が必要である。特に、製造処理に対するより高い許容性と、ビーム分岐比のより安定したスペクトル応答とを有する、マイクロ機械加工を施した干渉計が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、波長依存型のロバストな干渉計を製造するように半平面ビームスプリッタを使用する、マイクロ機械加工を施した干渉計を提供する。このビームスプリッタは、入射ビームを受容するように光結合し、この入射ビームをそれぞれ別の媒体内を伝播する2つの干渉ビームに分岐させるように動作する。一方の媒体内に埋め込まれた固定鏡は一方の干渉ビームを反射し、この干渉ビームを上記媒体を通って半平面ビームスプリッタへ戻す。これに対し、アクチュエータにより制御される可動鏡は他方の干渉ビームを反射し、この干渉ビームを他方の媒体を通って半平面ビームスプリッタへ戻す。検出面は、反射された干渉ビーム間の干渉によって生成された干渉パターンを検出する。ある例示的な実施形態では、アクチュエータが可動鏡を変位させることで、2つの干渉ビーム間の光路長に可動鏡の変位の2倍に等しい長さの差が生じる。
【0007】
一実施形態では、第1媒体はシリコンであり、第2媒体は空気である。別の実施形態では、第1媒体はシリコンまたはガラスであり、第2媒体はガスまたは液体である。さらに別の実施形態では、鏡は金属鏡または非金属製の垂直ブラッグミラーである。
【0008】
本発明の実施形態はさらに、マイクロ機械加工を施した干渉計の製造方法を提供する。この方法は、頂部層と底部層を含んだシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェーハを提供するステップを備える。この方法はまた、入射ビームを受容するように光結合したファイバ溝と、入射ビームを2つの干渉ビームに分岐するように光結合した半平面ビームスプリッタと、干渉ビームの一方を第1媒体を通って反射させるように光結合した可動鏡と、干渉ビームの他方を第2媒体を通って反射させるように光結合した固定鏡と、反射された干渉ビームから生成された干渉パターンを検出するように光結合した検出面と、可動鏡を制御するように結合したアクチュエータとを、SOIウェーハの頂部表面内にフォトリソグラフィ的に定めるステップを備える。該方法はさらに、SOIウェーハの頂部層と底部層の間にエッチングを施して、可動鏡とアクチュエータを解放するステップを備えている。
【0009】
以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することで、本発明をより完全に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態によれば、分光測定、形状測定、振動測定、環境センシング、通信等のような用途に用いる、マイクロ機械加工を施した干渉計において、単一のシリコン/空気界面(半平面)を使用してビーム分岐を実行する。本発明の実施形態では、干渉計は例えばマイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計、トワイマングリーン干渉計であってよい。しかし簡潔にするために、本発明はマイケルソン干渉計に関連して説明される。MEMSによって作動される移動鏡を可能にするために、干渉計はSOIウェーハ上で実現される。シリコン/空気界面スペクトル応答はシリコンスペクトルウィンドウにわたって不変であるため、干渉計分岐比は従来のシリコン壁ビームスプリッタのように波長に依存することがない。
【0011】
つぎに図1を参照すると、シリコン/空気界面ビームスプリッタS1は、入射ビームIから角度θ1(例えば45度)で位置決めされている。そのため、入射ビームが2つのビームL1、L2に分岐される。L1は空中伝播し、L2はシリコン内を伝播する。L1は、シリコン/空気半平面ビームスプリッタS1からの入射ビームIの部分反射より発生しているため、ビーム入射角θ1と等しい反射角度を有する。L1が空中を伝播して鏡M1で反射され、反射ビームL3が生じる。
【0012】
L2は、シリコン/空気半平面ビームスプリッタS1を通る入射ビームIの部分伝播から発生し、シリコン内を角度θ2(スネルの法則により決定される)で伝播する。L2は、シリコン内を伝播して鏡M2によって反射され、反射ビームL4を生じる。鏡M2は、ビームL2に対して垂直な角度でシリコン媒体内に固定され埋め込まれている。図1に示すように、ビームL3、L4の両方は、それぞれ鏡M1、M2で反射された後に同一の光路を辿り(方向は反対)、これにより、例えば光検出器であってよい検出面D1、D2のいずれかの上で検出できる干渉パターン(点線で示す)が生じる。ある例示的な実施形態では、SOI静電櫛形ドライブの作動を使用して鏡M1を動かすことで、光路長の差を鏡変位の2倍に等しい長さにすることができる。
【0013】
図2は、本発明の実施形態によるマイクロ機械加工を施した干渉計10のレイアウト線図である。マイクロ機械加工を施した干渉計10は、シリコン/空気半平面ビームスプリッタS1、入力ファイバ溝20および出力ファイバ溝30、移動鏡M1、固定鏡M2、静電アクチュエータ40を備えている。ある例示的な実施形態では、図2に示すように、静電アクチュエータ40は櫛形ドライブ42とばね44で形成されている。
【0014】
ある例示的な動作では、入射ビームIは入力ファイバ溝20を通って装置10内に入る。入射ビームIは、半平面ビームスプリッタS1に衝突すると2つのビームL1、L2に分岐する。L1は空中を伝播して鏡M1に到達し、L2はシリコン内を伝播して鏡M2へ到達する。鏡M2は、ビームL2に対して垂直な角度でシリコン媒体内に固定および埋め込まれている。しかし、上述したように、鏡M1はMEMS静電アクチュエータ40を使用して移動可能であり、ビームL1とL2の間の光路長の差を鏡変位の2倍の長さにすることができる。例えば、櫛形ドライブ42に電圧を印加するとアクチュエータ40に電位差が生じ、これによりアクチュエータ内に静電容量が誘発され、ばね42から駆動力および復元力が生じることで、鏡M1がビームL1を反射する所望の位置へ変位される。
【0015】
図2に示すように、ビームL1、L2は、鏡M1、M2でそれぞれ反射された後に同一の光路を辿り(方向は反対)、これにより、検出面D2上で検出可能な、あるいは出力ファイバ溝30を介して出力可能な干渉パターン(点線で示す)が生じる。上述したように、検出面D2は、例えば、基板内にマイクロ機械加工で組み立てた(例えば、基板の頂面をエッチング加工し、光検出器を内部に配置できる開口部を実現した)、または、ドーピング(例えば、P−I−Nダイオードを実現するためのもの)や部分金属被覆(例えば、金属−半導体−金属MSM光検出器を実現するためのもの)のいずれかによって基板内にモノリシックに実現された光検出器であってよい。
【0016】
一実施形態では、鏡M1、M2は金属鏡であり、この場合、ビームスプリッタを保護するために選択的な金属被覆(例えば、金属被覆ステップ中にシャドーマスクを使用する)が用いられる。別の実施形態では、垂直ブラッグミラーを使用して、省スペースな干渉計を実現している。ブラッグミラーは、ディープ・リアクティブ・イオン・エッチング法(DRIE)を用いて実現できるため、連続した垂直シリコン/空気界面が生成される。これに加え、ブラッグミラーは、用途に応じて、単純な反射装置として機能する幅広いスペクトル反射応答を有するように、または波長選択応答を有するように設計できる。
【0017】
ここではシリコン/空気界面をビームスプリッタ用として説明しているが、本発明は、これ以外にも半波長面を提供する材料を使用して実現することも可能である。例えば、別の例示的な実施形態では、マイクロ機械加工を施した、または組み立てた、パイレックスのようなガラス半平面あるいは他の材料をシリコンの代わりに使用して、動作のより幅広いスペクトルウィンドウを得ることができる。さらに、空気の代わりに例えば液体や各種ガスといった別の材料を使用して、半平面ビーム分岐界面の反射係数を変更するある程度の自由を提供することも可能である。
【0018】
図3A乃至図3Jに、マイクロ機械加工した干渉計のある例示的な製造処理を示す。図3Aでは、SOIウェーハ(層300乃至310)にアルミニウムスパッタリング工程を実施してアルミニウム層315を形成している。このアルミニウム層315は、以降の、図3Eに示すような、DRIEを使用したSOIウェーハの頂部シリコン層310のエッチング加工においてマスクとして機能する。図3Bでは、アルミニウム層にフォトレジスト材料320を塗布している。図3Cでは、リソグラフィ工程を実行して、鏡、半平面ビームスプリッタ、ファイバ溝、(1つまたは複数の)検出器、静電アクチュエータを実現している。図3Dに示すように、アルミニウム層のプラズマ塩素エッチングによって、フォトレジスト材料320内のリソグラフィパターンがアルミニウムマスク315へ転写される。つぎに、図3Eに示すように、SOIの酸化物エッチング停止層305に達するまでウェーハにDRIEを施す。最後に、図3Fで、アルミニウムエッチングを用いて残りのアルミニウムマスク315を除去する。
【0019】
つぎに図3Iを参照すると、マイケルソン鏡に選択的な金属被覆を施すため、並びに接続パッドを作成するために、シャドーマスク340を使用している。図3Iに示すように、シャドーマスク340をSOI基板300乃至310上に配置して、頂部シリコン層310の所望部分上にCr/Au330を選択的にスパッタリングする。ブラッグミラーのような非金属製の鏡を使用する実施形態ではシャドーマスク工程は実行されず、金属被覆の厚さが以降の処理工程に耐え得るものである場合には、開始時にパッドの金属被覆を実行することができる。図3Jに示すように、埋め込んだSiO層305をHFを用いてエッチングすることで、櫛形フィンガ、ばね、移動鏡といった移動構造が解放され、一方、固定構造は、その下により広いSiO範囲があるために解放されない。
【0020】
ボッシュ法を使用してDRIEエッチング(図3Eに示す)を実行する実施形態では、この処理の周期的性質により、仕上がりの鏡面は粗くなる場合がある。そのため、構造を解放する前に、図3Gに示すように表面上に薄い酸化物層325を成長させ、図3Hに示すようにこれをHFによって除去することは、より滑らかな鏡面を確保するために有効である。しかし、図3Eで極低温のDRIE処理を使用する場合には、より滑らかな表面がエッチング直後に得られるため、図3G、図3Hに示す処理工程は不要となる。さらに、上記処理は、極低温温度におけるフォトレジスト材料とシリコン間の選択性に優れる傾向があるため、図3Aに示すアルミニウムマスクも不要となる。
【0021】
図4A乃至図4Fに、シャドーマスクを作成する例示的な処理を示す。図3Iに関連して上述したように、シャドーマスクは、半平面ビームスプリッタを保護しながら鏡の適度な金属被覆を確保するために、ウェーハを選択的に金属被覆する際に使用される。図4Aに示すように、シャドーマスクを作成するには、まず、例えばアルミニウムスパッタリングを用いて、シリコンウェーハ400上に金属層410を形成する。つぎに、図4Bに示すように、ウェーハ400の両側にフォトレジスト材料420、430を塗布する。頂部フォトレジスト材料430がリソグラフィに使用され、底部フォトレジスト材料420がエッチング停止部として機能する。
【0022】
その後、図4Cに示すように頂部層430にリソグラフィを実行し、つぎに、図4Dに示すように、アルミニウム層410に塩素プラズマエッチングを施す。図4Eでは、DRIEを用いて、シリコンウェーハ400のエッチングが、ウェーハ400の底部上のフォトレジスト材料420に到達するまで実行される。最後に、図4Fに示すようにウェーハの頂部および底部上のフォトレジスト材料420、430を除去してシャドーマスクが完成する。
【0023】
当業者は、本出願において説明した革新的な概念を幅広い用途にかけて修正および変更できることを理解するだろう。したがって、特許範囲の主題は、ここで説明した特定の例示的な教示によって制限されるのではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態によるマイクロ機械加工を施した干渉計の例示的な動作を示す絵画的線図である。
【図2】本発明の実施形態による例示的なマイクロ機械加工を施した干渉計のレイアウト線図である。
【図3A】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3B】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3C】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3D】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3E】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3F】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3G】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3H】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3I】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図3J】本発明の実施形態によるマイクロ機械工作を施した干渉計を製造するための、例示的な製造処理工程を示す。
【図4A】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。
【図4B】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。
【図4C】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。
【図4D】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。
【図4E】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。
【図4F】本発明の実施形態によるシャドーマスクを製造するための例示的な製造処理工程を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ機械加工を施した干渉計であって、
入射ビーム(I)を受容し、前記入射ビーム(I)をそれぞれ異なる媒体内を伝播する2つの干渉ビーム(L1、L2)に分岐するように光結合した半平面ビームスプリッタと、
第1反射干渉ビーム(L4)を生成するように、前記2つの干渉ビームのうちの第1のビーム(L2)を受容し、前記2つの干渉ビームのうちの第1のビーム(L2)を反射して前記半平面ビームスプリッタへ戻すように光結合した、第1媒体内に埋め込まれた固定鏡(M2)と、
第2反射干渉ビーム(L3)を生成するように、前記2つの干渉ビームのうちの第2のビーム(L1)を受容し、前記2つの干渉ビームのうちの第2のビーム(L1)を反射して前記半平面ビームスプリッタへ戻すように光結合した、第2媒体内の可動鏡(M1)と、
前記第1反射干渉ビーム(L4)と前記第2反射干渉ビーム(L3)の間の干渉によって生成された干渉パターンを検出するように光結合した検出平面(D1またはD2)と、
前記可動鏡(M1)の変位を生じさせるように前記可動鏡(M1)に結合したアクチュエータ(40)と、によって特徴付けられ、前記変位によって、前記2つの干渉ビーム(L1、L2)の間の光路長の差が前記変位の2倍の長さと等しくなる、干渉計。
【請求項2】
前記第1媒体はシリコンであり、前記第2媒体は空気である、請求項1に記載の干渉計。
【請求項3】
前記第1媒体はシリコン、ガラス、パイレックス、または石英であり、前記第2媒体はガスまたは液体である、請求項1に記載の干渉計。
【請求項4】
前記固定鏡(M2)と前記可動鏡(M1)は金属製の鏡である、請求項1に記載の干渉計。
【請求項5】
前記固定鏡と前記可動鏡は非金属製の垂直ブラッグミラーである、請求項1に記載の干渉計。
【請求項6】
前記干渉計はマイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計、またはトワイマングリーン干渉計である、請求項1に記載の干渉計。
【請求項7】
前記干渉ビームの前記第1のビーム(L2)は、前記半平面ビームスプリッタにより前記入射ビーム(I)を部分伝達させることで生成され、前記干渉ビームの前記第2のビーム(L1)は、前記入射ビーム(I)を前記半平面ビームスプリッタから部分的に反射させることで生成され、前記干渉ビームの前記第2のビーム(L1)の反射角度は、前記入射ビーム(I)の入射角と等しい、請求項1に記載の干渉計。
【請求項8】
頂部層(310)、底部層(300)、前記頂部層(310)と前記底部層(300)の間に埋め込んだSOI酸化層(305)を含むシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェーハを使用して、マイクロ機械加工を施した干渉計を製造する方法であって、
入射ビーム(I)を受容するように光結合したファイバ溝(20)と、前記入射ビーム(I)を2つの干渉ビーム(L1、L2)に分岐するように光結合した半平面ビームスプリッタと、前記干渉ビームの一方(L1)を第1媒体を通って反射させるように光結合した可動鏡(M1)と、前記干渉ビームの他方(L2)を第2媒体を通って反射させるように光結合した固定鏡(M2)と、前記反射された干渉ビーム(L3、L4)から生成された干渉パターンを検出するように光結合した検出面(D2)と、前記可動鏡(M1)を制御するように結合したアクチュエータ(40)と、を前記SOIウェーハの前記頂部層(310)内にフォトリソグラフィ的に定めることと、
前記SOIウェーハの前記頂部層(310)と前記SOIウェーハの前記底部層(300)の間にエッチングを施し、その後前記SOIに埋め込んだ酸化物層を部分的に除去することで前記可動鏡(M1)と前記アクチュエータ(40)を解放することとによって特徴付けられる方法。
【請求項9】
前記フォトリソグラフィ的に定めるステップは、
前記頂部層(310)上にアルミニウム層(315)を形成するステップと、
前記アルミニウム層(315)上にフォトレジスト層(320)を形成するステップと、
前記フォトレジスト層(320)内にリソグラフィパターンを定めるステップであって、前記リソグラフィパターンは前記ファイバ溝(20)、半平面ビームスプリッタ、可動鏡(M1)、固定鏡(M2)、検出面(D2)およびアクチュエータ(40)を定めるステップと、
ディープ・リアクティブ・イオン・エッチング法を用いて前記アルミニウム層(315)と前記頂部層310をエッチングすることで、前記リソグラフィパターンを前記SOIウェーハの前記頂部層(310)に転写させるステップと、
前記フォトレジスト層(320)を除去するステップと、
をさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
シャドーマスク(340)を提供するステップと、
前記シャドーマスク(340)を、前記SOIウェーハの前記フォトリソグラフィ的に定めた頂部層(310)上に配置するステップと、
前記シャドーマスク(340)を介して金属材料をスパッタリングすることで、前記半平面ビームスプリッタを保護しながら、前記固定鏡(M2)と前記可動鏡(M1)上に金属層(330)を形成するステップと、
をさらに備える、請求項8に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図3G】
image rotate

【図3H】
image rotate

【図3I】
image rotate

【図3J】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate


【公開番号】特開2008−102132(P2008−102132A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−248525(P2007−248525)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(507321222)サイ−ウエア・システムズ (2)
【氏名又は名称原語表記】Si−Ware Systems
【Fターム(参考)】