説明

光反射材及びその製造法

【課題】 ポリカーボネート樹脂の特性を損なうことなく耐紫外線性や遮光性に優れ、光線反射率が高く、耐久性に優れ、特に薄肉・大型の光線反射板やその周辺部品として好適な光反射材及びその製造法を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)5〜50重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物からなる光反射層の一方の面に、紫外線吸収機能のある厚みが25μm以上の耐候層を有し、他方の面に遮光層を有する光反射材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶用バックライト等の各種OA機器、電気・電子機器等の反射板、反射シート等として有用な光反射材に関する。とくに紫外線や熱エージングによる劣化が防止され、且つ裏面からの光漏れの無い光反射材に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリカーボネートは、優れた機械的性質、熱的性質、電気的性質を有するため、そのまま或いは、種々の特性を有する添加剤を配合した組成物として、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野をはじめ工業的に広く利用されている。例えば、芳香族ポリカーボネートに表面処理した酸化チタン等の白色顔料を添加した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物(特許文献1、2ほか)は、コンピュータやテレビ等の液晶表示装置のバックライト、照光式プッシュスイッチ、光電スイッチの反射板や周辺部品等の材料として使用されているが、成形時の熱に対する耐性や、紫外線に対する耐性は充分ではなかった。
【0003】
特に最近では、テレビやパソコンを初めとした表示装置の薄肉・大型化により、反射板及びその周辺部品も薄肉・大型化する傾向が一段と強くなっている。これにともない、反射板及びその周辺部品は、従来よりも薄肉になるので遮光性が低下し、光漏れとして観察されるため、ユーザーに違和感や不快感を与える惧れがある。また、反射板及びその周辺部品が薄肉になると成形温度も高くなるので、樹脂組成物には優れた溶融熱安定性が求められる。一方では、より鮮明な画像の表示装置が求められ、特に、テレビモニター用途の液晶表示装置ではバックライトの高輝度化や白色再現性の向上など、高性能化の要求が高まっている。これらの要求に対応するため、バックライトの光源も従来の冷陰極管からLEDへと進んでおり、光源の変更により使用条件が著しく厳しくなっている。例えば、光源として冷陰極管が使用される場合の反射板近傍の温度は約60℃であるのに対し、LEDが光源として使用される場合の反射板近傍の温度は80℃位まで上昇する。さらに、長期にわたる信頼性も求められるので、反射板やその周辺部品には紫外線や熱エージングに対し、長期に亘る耐性が必要になっている。
【0004】
このような厳しい要求に対し、特許文献3には、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、ポリカーボネート樹脂、酸化チタン、ポリテトラフルオロエチレン、オルガノシロキサンを含有するポリカーボネート樹脂組成物が難燃性で高反射性、高遮光性、熱安定性に優れた樹脂組成物として提案され、また、特許文献4には、芳香族ポリカーボネート、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩、二酸化チタン、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物よりなる光高反射性樹脂組成物が剛性、遮光性、高反射性の樹脂組成物として提案されているが、何れの提案も紫外線に対する耐性は記載がなく、成形時の熱安定性や長期耐熱エージング性も不十分であった。
さらに、特許文献5には、特にテレビやパソコンを初めとした表示装置の薄肉・大型化に適した反射板として、酸化チタンを含むポリカーボネート樹脂組成物からなる厚みが0.4〜2mmの基材シートの少なくとも片面に、紫外光をカット又は吸収する耐光層が厚み0.5〜20μmで設けられた光反射シートが提案されている。このように耐光層を設けることにより、紫外線耐性は向上するものの、遮光性はやはり不十分であり、また、特許文献5に示される耐光層を塗布した反射シートでは、使用中に基材シートと耐光層の密着性が低下して耐光層が剥落する惧れがあり、耐久性に劣っていた。
【0005】
【特許文献1】特開平07−242804号公報
【特許文献2】特開平09−316315号公報
【特許文献3】特開2004−091567号公報
【特許文献4】特開2004−155985号公報
【特許文献5】特開2005−037590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる現状に鑑みなされたものであって、その目的は、ポリカーボネート樹脂の特性を損なうことなく紫外線に対する耐性や遮光性に優れ、光線反射率が高く、耐久性に優れ、特に薄肉・大型の光線反射板やその周辺部品として好適なポリカーボネート樹脂製の光反射材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンを含有する芳香族ポリカーボネートからなる光反射性に優れた樹脂層の一方の面に耐候層を、他方の面に遮光層を設け、各層に機能を分担させた成形品が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)5〜50重量部を含むポリカーボネート樹脂組成物(イ)からなる厚み0.4〜2mmの光反射層(A)の一方の面に、紫外線吸収機能のある厚みが25μm以上の耐候層(B)を有し、他方の面に遮光層(C)を有する光反射材に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光反射材は、ポリカーボネート樹脂の特性を損なうことなく紫外線に対する耐性に優れ、裏面からの光漏れが防止され、光線反射率が高く、耐久性に優れ、特に薄肉・大型の液晶表示装置等の光線反射板や光反射枠その他の周辺部品として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(a)は、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸ジエステル等と反応させることによって得られる分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法については、限定されるものではなく、公知の方法、例えばホスゲン法(界面重合法)あるいは溶融法(エステル交換法)等で製造することができる。さらに溶融法で製造された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
【0010】
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールAである。また、本特許の目的でもある難燃性を更に高める目的で上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
【0011】
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂(a)を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン)−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチンなどを前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部として用いればよく、使用量は、0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
【0012】
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(a)としては、難燃性を高める目的で、シロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合させることもできる。また、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)としては、2種以上の樹脂を混合して用いることもできる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度を基に計算した粘度平均分子量で、16,000〜30,000が好ましく、より好ましくは17,000〜28,000である。
【0013】
本発明を構成する反射層は、光反射特性を発現する為に酸化チタンを用いる。又、その効果を増幅する為蛍光増白剤等を併用することができる。あるいは、化学発泡剤や超臨界発泡成形による発泡により光反射性を向上させることができる。
本発明に使用される酸化チタン(b)の製造法は限定されるものではないが、塩素法で製造された酸化チタンが好ましい。塩素法で製造された酸化チタンは、硫酸法で製造された酸化チタンに比べて、白度等の点で優れている。酸化チタンの結晶形態としては、ルチル型の酸化チタンが好ましく、アナターゼ型の酸化チタンに比べ、白度、光線反射率及び耐紫外線性の点で優れている。
酸化チタン(b)の粒子径は、0.05〜0.5μmのものが好ましく用いられる。粒子径が0.05μm未満であると遮光性及び光反射率が劣る傾向があり、0.5μmを越えると、光反射率が劣ると共に成形品表面に肌荒れを起こしたり、衝撃強度の低下を生じたりする。酸化チタンの粒子径は、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、最も好ましくは0.15〜0.35μmである。
【0014】
また、一般に市販されている酸化チタンは、耐候性やハンドリング性の観点から、通常、シリカ、アルミナなどの無機含水酸化物により表面処理されていることが多いが、本発明に使用する酸化チタン(b)としては、このような無機処理剤は、処理量を低減するか、或いは無機処理をしない酸化チタンを使用するのが好ましい。無機処理剤の量は、酸化チタンに対し0〜2重量%、好ましくは0%(無機処理無し)である。無機処理剤としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、これらの混合物などが用いられるが、シリカは吸水性が高く、水分の影響を受けやすいので、無機処理をする場合には、アルミナ、ジルコニアが好ましく、シリカを併用する場合はシリカの量が低いことが望ましい。無機処理無し又は無機処理剤を低減した酸化チタンを使用することにより、酸化チタン含有のポリカーボネート樹脂を高温成形する際の問題、例えばシルバーストリークスの発生等を抑制し、熱安定性に優れた光反射材を製造することができる。
【0015】
一方、本発明で使用する酸化チタン(b)は、有機化合物による表面処理をしたものであることが好ましい。特に、無機処理をしない酸化チタンは、酸化チタンの表面の活性を抑え、樹脂組成物中で不必要な副反応を生じさせないために、有機化合物による表面処理が極めて有効である。表面処理剤としては、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、あるいはSi−H結合を有する有機シラン化合物あるいは有機シリコーン化合物等が挙げられる。特に好ましいのは、Si−H結合を有するシリコーン化合物、例えばハイドロジェンポリシロキサンである。有機化合物の処理量は、酸化チタンに対して1〜5重量%、より好ましくは1.5〜3重量%である。
【0016】
酸化チタン(b)の使用量(表面処理剤を含む)は、光反射層(A)を構成するポリカーボネート樹脂組成物(イ)の芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して、5〜50重量部である。酸化チタン(b)の使用量が5重量部未満であると光反射特性が不十分になり、50重量部を越えると耐衝撃や熱安定性が低下する。好ましくは、酸化チタン(b)の使用量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対して、6〜35重量部であり、更に好ましくは8〜30重量部である。
【0017】
本発明に関わる耐候層(B)は、光反射層(A)との密着性に優れ、かつ、光反射層(A)の光反射特性を損なわずに紫外線を吸収及び/または紫外線を遮断する機能があればその材料は特に限定されないが、耐久性、生産性及び価格の点から紫外線吸収剤(c)及び/または紫外線を遮断する機能のある化合物(d)を含有するポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂の組成物(ロ)から形成された層であることが好ましい。
【0018】
耐候層(B)を構成するポリカーボネート樹脂組成物中のポリカーボネートは、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)と同種の樹脂を使用できる。また、耐候層(B)を構成するアクリル樹脂組成物中のアクリル樹脂は、透明性に優れる、メチルメタクリレートとメチルアクリレート又はエチルアクリレートとの共重合体が好ましい。共重合組成及び分子量は共押出条件等により適宜選択すればよいが、共重合組成比としてはメチルメタクリレート80〜99%、メチル又はエチルアクリレート1〜20%が好ましい。分子量は、重量平均分子量で3〜30万程度であるが、これらに制限されるものではない。アクリル樹脂の耐熱性が劣ると、成形時に焼けこげ等の問題を起こすため、熱変形温度は90℃以上が良く、好ましくは95℃以上が、更に好ましくは100℃以上が良い。
アクリル樹脂の製造方法は一般的に、乳化重合法、懸濁重合法、及び連続重合法とに大別されるが、本発明に使用されるアクリル樹脂はいずれの重合法により製造された樹脂でも使用することができるが、好ましくは懸濁重合法および連続重合法で製造されたものであり、更に好ましくは、連続重合法により製造されたものである。そして、連続製造法には、連続塊状重合法と連続溶液重合法とに分けられるが、本発明においてはどちらの製法で得られたアクリル樹脂でも用いることができる。
【0019】
耐候層(B)に含有される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ヒンダードアミン系の化合物であることが好ましい。これらの紫外線吸収剤は、単独で、或いは二種以上を混合して使用しても良い。
【0020】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸三水和物、ビス(2−ヒドロキシ−3−ベンゾイル−6−メトキシフェニル)メタン等が挙げられる。
【0021】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−ラウリル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)メタン、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−クミルフェニル)メタン、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−(2H−5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)オクタン、1,2−エタンジイル ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベンゾエート)、1,12−ドデカンジイル ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−シクロヘキサンジイル ビス(3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベンゾエート)、1,4−ブタンジイル ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルエタノエート)、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル ビス(3−(5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルエタノエート)、1,6−ヘキサンジイル ビス(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロピオネート)、p−キシレンジイル ビス(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシトルイル)マロネート、ビス(2−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)エチル)テレフタレート、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−プロピルトルイル)オクタジオエート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−フタルイミドメチル−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−フタルイミドエチル−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−フタルイミドオクチル−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−フタルイミドメチル−4−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−フタルイミドメチル−4−クミルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(フタルイミドメチル)フェノール等が挙げられる。
【0022】
サリチル酸フェニル系化合物としては、例えば、フェニルサリチレート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0023】
ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン]、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0024】
耐候層(B)に含有される紫外線吸収剤(c)の量は、使用する紫外線吸収剤により異なるが、通常、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。紫外線吸収剤が0.1重量部未満では耐紫外線性の改良効果が小さく、20重量部を越えて添加してもさらなる耐紫外線性の向上は期待できないばかりでなく、紫外線吸収剤がブリードアウトを起こし、白化の原因になったり、密着性や耐衝撃性を損ねることがある。
【0025】
耐候層(B)に含有される紫外線を遮断する機能のある化合物(d)としては、蛍光増白剤が好ましく、具体的にはクマリン誘導体、ナフトトリアゾリルスチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体及びジアミノスチルベン−ジスルホネート誘導体等が挙げられる。また、市販品、例えばハコール産業からハッコールPSR(3−フェニル−7−(2H−ナフト(1.2−d)−トリアゾール−2−イル)クマリン)、ヘキストAGからHOSTALUX KCB(ベンズオキサゾール誘導体)、チバ・ガイギー社からUvitex−OBとして2,5−ビス〔5'−t−ブチルベンゾオキサゾリル(2)〕チオフェン)、イーストマンケミカル社からイーストブライトOB−1として4,4’−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン、住友化学からWHITEFLOUR PSN CONC(オキサゾール系化合物)等を使用することもできる。
耐候層(B)に含有される紫外線を遮断する機能のある化合物(d)の量は、使用する化合物により異なるが、通常、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂100重量部に対し、0.001〜0.2重量部、好ましくは0.005〜0.12重量部の範囲から選ばれる。化合物(d)の量が0.001重量部未満であると、紫外線を遮断する効果が小さく、一方、0.2重量部を超えてもそれ以上の紫外線遮断効果は見られない。
【0026】
本発明に関わる遮光層(C)は、光反射層(A)との密着性に優れ、かつ、光反射層(A)の光反射特性を損なわずに該層の裏面から漏れる光を遮断する機能があれば、その材料は特に限定されず、例えば、市販の遮光性テープやフィルムの接着、塗料の塗布、インクの印刷などでもよいが、耐久性、生産性及び価格の点から遮光性に優れた機能のある添加剤(遮光性物質と称す)を含有するポリカーボネート樹脂組成物またはアクリル樹脂組成物から形成された層であることが好ましい。
遮光層(C)を構成するポリカーボネート樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂(a)を使用できる。またアクリル樹脂は、上記耐候層(B)に用いるアクリル樹脂と同種の樹脂を使用できる。
【0027】
遮光層(C)に含有される遮光性物質(e)としては、染料、顔料、充填剤を挙げることができる。それらの具体的な例として、群青、紺青、酸化クロム等の青色ないし緑色系顔料、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛等の白色系顔料、カ−ボンブラック等の黒色系顔料、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、クレ−、タルク等の体質系顔料、レ−キレッド、パ−マネントレッド等のアゾ系染料・顔料、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリ−ン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系染料・顔料、その他等の染料、顔料等の着色剤、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、珪酸カルシウムの1種ないしそれ以上の混合物を挙げることができる。中でも、遮光性やコストの点から特に好ましいのはカーボンブラックである。
【0028】
遮光層(C)に含有される遮光性物質(e)の量は、使用する遮光性物質により異なるが、通常、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂100重量部に対し、0.05〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。遮光性物質(e)の配合量が0.05重量部未満では、遮光性に劣り、30重量部を越えてもそれ以上の遮光効果は得られず、返って機械的強度等の物性の低下を招く惧れがある。
【0029】
本発明の光反射材は上記(a)〜(e)の他に、要求される特性を付与するための添加剤を配合することができる。
光反射材に難燃性を付与するためには、光反射層(A)及び/又は遮光層(C)に、非ハロゲン難燃剤及び/又はポリテトラフルオロエチレンを添加することが好ましい。非ハロゲン難燃剤としては、ハロゲン不含の燐酸エステル、シリコーン系化合物が好ましく、これらのものから適宜選択することが可能であり、またこれらを併用してもよい。
【0030】
本発明で使用されるハロゲン不含の燐酸エステルは、分子中にリン酸エステル構造を含み、ハロゲン原子を含まない難燃剤であるが、好ましくは、下記一般式[I]で表される縮合リン酸エステルが挙げられる。
【0031】
【化1】

【0032】
(式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、またはアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、rおよびsは、それぞれ独立に、0または1であり、mは1から5の数であり、Xはアリーレン基を示す。)
【0033】
一般式[I]で表されるハロゲン不含の燐酸エステルは、mが1〜5の整数である縮合燐酸エステル又はmが異なる縮合燐酸エステルの混合物である。混合物を使用する場合、mはそれら混合物を形成する各燐酸エステルの縮合度の平均値を示す。Xはアリーレン基を示し、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のジヒドロキシ化合物から誘導される基である。
一般式[I]で表されるハロゲン不含の燐酸エステルの具体例としては、XがビスフェノールAから誘導されたものである場合は、フェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・クレジル・ビスフェノール・ポリホスフェート、キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル−p−t−ブチルフェニル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート、クレジル・キシリル・ビスフェノール・ポリホスフェート、フェニル・イソプロピルフェニル・ジイソプロピルフェニル・ビスフェノールポリホスフェート等が挙げられる。特に好ましくは、フェニル・ビスフェノールポリホスフェートである。
【0034】
ハロゲン不含の燐酸エステルの配合量は、(A)層及び/又は(C)層の樹脂100重量部に対し、好ましくは2〜20重量部である。ハロゲン不含燐酸エステルの配合量が2重量部未満であると難燃性向上効果が不十分であり、20重量部を越えると機械的物性が低下しやすいので好ましくない。ハロゲン不含燐酸エステルの配合量は、樹脂100重量部に対し、より好ましくは3〜18重量部、さらに好ましくは5〜15重量部である。
【0035】
難燃剤として使用可能なシリコーン系化合物には、ポリカーボネート樹脂(a)に添加した場合、その難燃性を改良することができる種々のシリコーン、或いはシリコーン含有化合物が含まれる。具体的には、(1)シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサンを担持させた粉体状シリコーン化合物、(2)主鎖が分岐構造を有し、珪素に結合する芳香族基を有する分岐シリコーン化合物、(3)芳香族基含有環状オルガノシロキサン及び直鎖状オルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物等が挙げられる。
【0036】
(1)シリカ粉末の表面にポリオルガノシロキサン重合体を担持させた粉体状シリコーン化合物に用いられるシリカ粉末としては、フュームドシリカ、沈殿法または採掘形態から得られた微粉砕シリカ等が挙げられる。フュームドシリカ及び沈殿シリカは、表面積が50〜400m/gの範囲のものが好ましい。表面積がこの範囲にあると、その表面にポリオルガノシロキサン重合体を担持(吸収、吸着又は保持)させ易くなる。採掘シリカを用いる場合は、少なくとも等重量のヒュームドシリカまたは沈殿シリカを組み合わせて、混合物の表面積を50〜400m/gの範囲とするのが好ましい。
シリカ粉末は、ポリオルガノシロキサン重合体以外の表面処理剤によって表面を処理することができる。表面処理剤としては、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を末端基に有する低分子量のポリオルガノシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、およびヘキサオルガノジシラザンなどが挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、平均重合度が2〜100のオルガノシロキサンオリゴマーである。特にヒドロキシル基を末端基とし、常温で液状ないし粘稠な油状を呈するポリジメチルシロキサンが好ましい。
【0037】
シリカ粉末或いは表面処理されたシリカ粉末は更に、その表面にポリオルガノシロキサン重合体を担持させる。ポリオルガノシロキサン重合体は、直鎖であっても分岐鎖を有してもよいが、直鎖のポリジオルガノシロキサン重合体が、より好ましい。ポリオルガノシロキサン重合体が有する有機基(オルガノ基)は、炭素数が1〜20のアルキル基、トリフルオロアルキル基の様な置換アルキル基、ビニルおよび5−ヘキセニルの様なアルケニル基、シクロヘキシルの様なシクロアルキル基、ならびにフェニル、トリル、及びベンジルの様なアリール基、アラルキル基などの中から選ばれる。好ましくは、炭素原子数が1〜4の低級アルキル基、フェニル基、および3,3,3−トリフルオロプロピルの様な置換アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0038】
また、ポリオルガノシロキサン重合体は、分子鎖中に官能基を有していてもよい。官能基としてはメタクリル基またはエポキシ基等が好ましい。メタクリル基またはエポキシ基を有すると、燃焼時にポリカーボネート樹脂(a)と架橋反応を起させることができるので、樹脂組成物の難燃性を一層向上させることができる。ポリオルガノシロキサン重合体分子鎖中の官能基の量は、通常、0.01〜1モル%程度、好ましくは、0.03〜0.5モル%であり、中でも好ましいのは、0.05〜0.3モル%である。
【0039】
ポリオルガノシロキサン重合体をシリカ粉末に担持させる際には、さらに接着促進剤を用いることもできる。接着促進剤を用いることによって、シリカ粉末とポリオルガノシロキサン重合体との界面を一層強固に接着させることができる。接着促進剤としては、例えば、アルコキシシラン系接着促進剤が挙げられる。アルコキシシラン系接着促進剤は、その分子に炭素原子数が1〜4の少なくとも1つのアルコキシ基、およびエポキシ、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ビニル、フェニルまたはN−β−(N−ビニルベンジルアミノ)エチル−γ−アミノアルキル・ヒドロクロリドから選ばれた少なくとも1つの基を含有する化合物が挙げられる。
好ましいアルコキシシラン系接着促進剤の具体例としては、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルペンジルアミノ)エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・モノハイドロジェンヒドロ・クロリド、フェニルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。接着促進剤は、前記シリカ粉末100重量部に対し、好ましくは、0.5〜15重量部の範囲で添加される。これを添加する時期は、シリカ粉末とポリジオルガノシロキサン重合体を混合する際と同時であるのが望ましい。
【0040】
(1)粉体状シリコーン化合物として、シリコーン粉末に、ポリオルガノシロキサン重合体として最も好ましいポリジメチルシロキサン重合体を使用する場合を例に説明すると、シリカ粉末とポリジメチルシロキサン重合体との配合割合は、シリカ粉末10〜90重量%、ポリジメチルシロキサン重合体90〜10重量%の範囲で選ぶのが好ましい。シリコーン粉末を構成するシリカ粉末の量が10重量%未満であると、ポリジメチルシロキサン重合体を担持することが困難で、さらさらの粉末に成り難く、90重量%を超えると、ポリジメチルシロキサン重合体の量が少なくなりすぎて、成形品の外観不良が生じ易く、いずれも好ましくない。上記の配合割合でより好ましいのは、シリカ粉末20〜80重量%、ポリジメチルシロキサン重合体80〜20重量%である。より好ましくは、シリカ粉末20〜50重量%、ポリジメチルシロキサン重合体80〜50重量%である。なお、シリカの量は、表面処理されている場合は表面処理剤の量を含む。
(1)粉体状シリコーン化合物の配合量は、(A)層及び/又は(C)層の樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部である。
【0041】
難燃剤として使用される(2)分岐シリコーン化合物は、重量平均分子量が、2,000〜50,000の範囲であることが好ましい。また、ケイ素に結合する芳香族基、例えばフェニル基の量は、40モル%以上が好ましい。このような(2)分岐シリコーン化合物は、例えば、特開平11−140294、特開平10−139964及び特開平11−217494各号公報に記載の方法で製造される。又、一部は市販されており、容易に入手することができる。
【0042】
難燃剤として(2)分岐シリコーン化合物を使用する場合の配合量は、(A)層及び/又は(C)層の樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。0.5重量部以下の場合は、燃焼性が不十分であり、10重量部を超えると、成形品外観及び弾性率等の低下が起こりやすく、又、難燃性も不十分となる場合がある。
【0043】
難燃剤として使用される(3)芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサン及び直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物とは、下記一般式[II]の直鎖状ポリオルガノシロキサン単位、及び一般式[III]の環状ポリオルガノシロキサン単位を含有し、式[II]及び式[III]の単位の合計に対し、式[III]の単位が5〜95重量%の化合物である。
【0044】
【化2】

【0045】
(式[II]及び[III]中、n’は2以上の整数であり、n”は3以上の整数である。Rは、炭素数6〜20の芳香族基を含有する1価の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基である。R及びRは、同じ又は異なって、水素原子又はトリオルガノシリル基である。)
式[II]及び[III]において、Rで示される炭素数6〜20の芳香族基を含有する1価の炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、トリル基、キシリル基等のアルキル基で置換された芳香族炭化水素基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、フェニル基である。
で示される炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基である。
【0046】
(3)芳香族基含有環状ポリオルガノシロキサン及び直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有するシリコーン化合物は、特開20002−53746号公報に記載されるように、公知の方法で製造することができる。例えば、芳香族含有ジクロロシランRSiClや芳香族含有ジアルコキシシランRSi(OR’)を、加水分解重合することにより、通常末端がシラノール基である直鎖状ポリオルガノシロキサン[II]と環状ポリオルガノシロキサン[III]の混合物が得られる。なお、R’はアルキル基である。
難燃剤として(3)シリコーン化合物を使用する場合の配合量は、(A)層及び/又は(C)層のポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。0.5重量部以下の場合は、燃焼性が不十分であり、10重量部を超えると、成形品外観及び弾性率等の低下が起こりやすく、又、難燃性も不十分となる場合がある。
【0047】
ポリテトラフルオロエチレンとしては、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、重合体中に容易に分散し、かつ重合体同士を結合して繊維状構造を作る傾向を示すものである。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、種々市販されており、容易に入手することができる。例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(登録商標)(R)6J」、あるいはダイキン化学工業(株)製「ポリフロン」として市販されている。ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液の市販品として、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(登録商標)(R)30J」、ダイキン化学工業(株)製「フルオンD−1」等が挙げられる。さらに、ビニル系単量体を重合してなる多層構造を有するポリテトラフルオロエチレン重合体も使用される。代表例として、三菱レイヨン(株)製「メタブレンA−3800」が挙げられる。
ポリテトラフルオロエチレンを使用する場合の配合量は、(A)層及び/又は(C)層のポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲が好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの量が0.01重量部未満であると難燃性が不十分であり、1重量部を越えると成形品外観が低下しやすい。ポリテトラフルオロエチレンの量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、より好ましくは0.02〜0.8重量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.6重量部である。
【0048】
また、本発明の光反射材には、その目的及び必要に応じ、亜リン酸エステル系化合物やヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、衝撃改良剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク等の強化材あるいはチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、芳香族ポリカーボネートやアクリル樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができる。なお、かかる添加剤等は本発明の効果を損なわない範囲で使用されることが必要である。但し、耐候層(B)には、光の透過を抑制する添加剤等の配合は避けなければならない。
【0049】
本発明の光反射材を構成する光反射層(A)の厚みは、0.4mm〜2mmであり、好ましくは 0.5mm〜1.5mmである。耐候層(B)の厚みは25μm以上であり、さらに好ましくは25〜300μmである。耐候層(B)の厚みが25μm未満では、紫外線吸収機能が不十分な場合があり、生産性が低下することがあるので好ましくない。また、耐候層(B)が300μmを越えても、それ以上の紫外線吸収機能は発揮されず、コスト的にも不利になる。
遮光層(C)の厚みは5μm以上であり、さらに好ましくは10〜300μmである。遮光層(C)の厚みが5μm未満では、遮光性が不十分な場合があるので好ましくない。また、遮光層(C)が300μmを越えても、それ以上の遮光性は発揮されず、機械的強度等の物性が低下し、コスト的にも不利になる。
本発明の光反射材の製造法は光反射層(A)と耐候層(B)及び遮光層(C)の密着性や外観に優れていれば特に限定されるものではなく、光反射層(A)に、塗布、蒸着、ラミネート、共押出などの手段により耐候層(B)及び遮光層(C)を設けることにより製造することができる。特に、生産性の点から以下に示すように、押出成形された光反射層(A)に、フィルム状の耐候層(B)及び遮光層(C)をラミネートするか、あるいは共押出成形によって製造することが好ましい。
【0050】
<フィルムラミネートによる製法>
紫外線吸収剤(c)及び/または紫外線を遮断する機能のある化合物(d)含有のポリカーボネート樹脂組成物(ロ)を、シリンダー温度250〜300℃に設定された脱揮装置付き押出機で溶融混練後、200〜250℃に設定されたTダイを通し、120〜180℃に設定されたポリッシングロールで挟圧しながら冷却し、耐候層(B)となる25〜300μmの耐候性フィルムを成形する。
また、上記紫外線吸収剤等の代わりに、遮光性物質(d)のカーボンブラック含有するポリカーボネート樹脂組成物(ハ)を用いて同様にして、遮光層(C)となるポリカーボネートフィルムを成形する。
次いで、例えば図1に示す装置により、耐候層(B)及び遮光層(C)を光反射層(A)にラミネートする。まず、シリンダー温度250〜300℃に設定された脱揮装置付き押出機1で酸化チタン含有ポリカーボネート樹脂組成物(イ)を溶融混練し、200〜250℃に設定されたダイ2を経て押出し、縦置き型冷却用ロール3にて光反射層(A)となるポリカーボネートシートを成形する。次に、耐候層(B)となるポリカーボネートフィルム5及び遮光層(C)となるポリカーボネートフィルム10を、夫々補助ロール7を経て、中ロールに設置された圧着用ロール4、11と表面温度が180〜210℃のポリカーボネートシートの両表面間に導入して、ポリカーボネートシートに熱ラミネートする。耐候層(B)及び遮光層(C)となるフィルムとしてアクリル樹脂フィルムを使用する場合、ポリカーボネートシートの表面温度は140〜160℃が好ましい。
【0051】
<共押出による製法>
押出装置は、光反射層(A)となるポリカーボネート樹脂組成物(イ)を押出す1台のメイン押出機と、耐候層(B)及び遮光層(C)となるポリカーボネート樹脂組成物又はアクリル樹脂組成物(ロ)及び(ハ)を押出す2台のサブ押出機により構成され、通常サブ押出機はメイン押出機より小型のものが採用される。メイン押出機の温度条件は、通常230〜290℃、好ましくは240〜280℃である。耐候層(B)及び遮光層(C)がポリカーボネート樹脂組成物の場合、サブ押出機の温度条件は通常220〜280℃、好ましくは230〜270℃である。また、耐候層(B)及び遮光層(C)がアクリル樹脂組成物の場合、サブ押出機の温度条件は通常220〜280℃、好ましくは230〜270℃となる。2種以上の溶融樹脂を押出し、積層する方法としては、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式などの公知の方法を用いることができる。この場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂はTダイなどのシート成形ダイに導かれ、シート状に成形された後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッシングロール)に流入して、バンクを形成する。このシート状成形物は、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却が行われ、積層板が形成される。また、マルチマニホールドダイの場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂は同様にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールにて表面仕上げおよび冷却が行われ、積層板が形成される。ダイの温度としては、通常220〜280℃、好ましくは230〜270℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜190℃、好ましくは110〜180℃である。ロールは縦型ロールまたは、横型ロールを適宜使用することができる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例1:ポリカーボネート樹脂組成物(イ)の製造〕
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名ユーピロン、グレード名E−2000、粘度平均分子量28000)100重量部に対し、酸化チタン(レジノカラー社製、グレード名PC−5、平均粒子径0.22μm、表面処理剤ハイドロジェンシロキサンを2.5重量%処理)15重量部、亜リン酸エステル系安定剤(旭電化工業社製、「アデカスタブ2112」)0.03重量部からなる組成物をタンブラーにて予備混合した後、スクリュー径65mmで、シリンダー温度260〜300℃に設定されたベント付押出機にて溶融混練し、押出して、ペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物(イ)のペレットを製造した。
〔製造例2:ポリカーボネート樹脂組成物(ロ−1)の製造〕
【0053】
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名ユーピロン、グレード名E−2000、粘度平均分子量28000)100重量部に対し、紫外線吸収剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製「チヌビン1577」、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシフェニル-4-ヘキシルジフェニル)1,3,5-トリアジン)2.5重量部、亜リン酸エステル系安定剤(旭電化工業社製「アデカスタブ2112」)0.03重量部からなる組成物をタンブラーにて予備混合した後、スクリュー径65mmで、シリンダー温度260〜300℃に設定されたベント付押出機にて溶融混練し、押出して、ペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物(ロ−1)のペレットを製造した。
〔製造例3:ポリカーボネート樹脂組成物(ハ)の製造〕
【0054】
製造例2で用いた紫外線吸収剤の代わりにカーボンブラック(三菱化学社製、カーボンブラック1000)を3重量部用いた以外は、製造例2と同様にしてポリカーボネート樹脂組成物(ハ)のペレットを製造した。
〔製造例4:耐候層(B)となるポリカーボネートフィルムの製造〕
【0055】
製造例2で製造した樹脂組成物(ロ−1)のペレットをシリンダー温度250〜300℃に設定された脱揮装置付き押出機で溶融混練後、200〜250℃に設定されたTダイを通し、次に120〜180℃に設定されたポリッシングロールで挟圧しながら冷却し、耐候層となる100μmのポリカーボネートフィルムを成形した。
〔製造例5:遮光層(C)となるポリカーボネートフィルムの製造〕
【0056】
製造例3で製造した樹脂組成物(ハ)のペレットを用いる以外は製造例4と同様にして、遮光層となる100μmのポリカーボネートフィルムを成形した。
〔製造例6:耐候層(B)となるアクリル樹脂組成物(ロ−2)の製造〕
【0057】
アクリル樹脂(連続溶液重合法にて製造されたアトフィナ製「アトグラスV020」)100重量部に対し、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、「チヌビン1577」)5重量部と、フェノール系酸化防止剤(住友化学工業社製、「スミライザーBHT」)0.1重量部、亜リン酸エステル系酸化防止剤(旭電化工業社製、「アデガスタブPEP−36」)0.05重量部からなる組成物をタンブラーにて予備混合した後、スクリュー径65mmで、シリンダー温度230〜260℃に設定されたベント付押出機にて溶融混練し、押出して、ペレット化し、アクリル樹脂組成物(ロ−2)のペレットを製造した。
〔実施例1〕
【0058】
図1に示す装置を用いて光反射材を製造した。まず、シリンダー温度260〜290℃に設定された脱揮装置付きで、スクリュー径65mmの押出機1で、上記製造例1で製造したポリカーボネート樹脂組成物(イ)のペレットを溶融混練し、200〜250℃に設定されたダイ2を経て押出し、縦置き型冷却用ロール3にて光反射層(A)となる厚さ2mmのポリカーボネートシートを成形した。次に、上記製造例4で製造した耐候層(B)となるポリカーボネートフィルム5を補助ロール7を経て、中ロールに設置された圧着用ロール4で表面温度が190〜210℃のポリカーボネートシート片面に導入し、同様に製造例5で製造した遮光層(C)となるポリカーボネートフィルム10を補助ロール11を経て、ポリカーボネートシートの他の片面に導入して、ポリカーボネートシートに熱ラミネートし、一方の面に耐候層(b)及び他方の面に遮光層(c)を有する光反射材(ポリカーボネートシート)8を得た。
〔実施例2〕
【0059】
製造例1で得られたポリカーボネート樹脂組成物(イ)のペレットを溶融混練する押出機として、スクリュー径65mm、シリンダー設定温度270℃、脱揮装置付押出機を使用した。製造例3で得られたポリカーボネート樹脂組成物(ハ)のペレットを溶融混練する押出機として、スクリュー径32mm、シリンダー設定温度270℃、脱揮装置付押出機を使用した。また、製造例6で得られたアクリル樹脂組成物(ロ−2)のペレットを溶融混練する押出機として、スクリュー径32mm、シリンダー設定温度250℃、脱揮装置付押出機を使用した。ポリカーボネート樹脂組成物(イ)及び(ハ)、アクリル樹脂組成物(ロ−2)を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロック(幅500mm)を使用し、ポリカーボネート樹脂組成物(イ)の一方の面に耐候層(B)となるアクリル樹脂組成物(ロ−2)を積層し、他方の面に遮光層(C)となるポリカーボネート樹脂組成物(ハ)を積層した。ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度120℃、2番ロール温度180℃、3番ロール温度180℃に設定した。最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させた。引き取り速度は1.2m/分、引き取り用ピンチロール速度1.6m/分とした。得られたシート状成形品の厚さは1mm、耐候層と遮光層の厚さは共に50μmであった。
[実施例3]
【0060】
実施例1の耐候層(B)として、三菱レイヨンの耐候性アクリルシート「アクリプレンHBS006」(50μm)を使用し、図1の3番ロール後からアクリルシートを供給し、遮光層と反対の面に耐候層を付与した。得られたシート状成形品の厚さは1mm、耐候層と遮光層の厚さはともに50μmであった。
[比較例1]
【0061】
製造例1で得られたポリカーボネート樹脂組成物(イ)をシート化して厚み1mmのシートを得た。
【0062】
実施例1〜3及び比較例1で得られたシートについて以下の評価を実施した。
(1)耐候性;メタリングウェザオメータM6T(スガ試験機製)を使用し、耐候層を表にして、以下の条件で照射し、照射前後の色相を測定して耐候性を評価した。
ブラックパネル温度:60℃、湿度:50%、放射照度:0.75KW/m
フィルター:インナー/アウター=石英/#400(295〜420rpm)、
光源:6KWメタリングランプ、照射時間:100時間。
なお、色相は、日本電色工業(株)製の分光式色差計 SE2000を使用し、C光源にて、反射でYI値を測定した。
(2)遮光性:ハリソン東芝ライティング(株)製冷陰極管「MBVM22JN10WX220NS」での点灯試験を実施し、裏面からの光漏れを目視にて観察し、光漏れが観察されない場合を良好、ランプの形状が裏面から観察される場合を不良と評価した。
(3)耐候層の密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で1mm間隔に縦横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目をつくり、市販の粘着テープを良く密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、耐候層の剥離の有無を観察した。
評価結果を表−1に示した。
【0063】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係わる光反射材は、液晶表示装置のバックライト用反射板、光反射枠等の周辺部品や光反射シート、電気・電子機器、広告灯等の照明用装置、自動車用メーターパネル等の自動車用機器などの光線反射板又はシートとして利用される。特に薄肉、大型の光線反射板やその周辺部品として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の光反射材をラミネートにより製造する装置の1例の構成を示す図。
【符号の説明】
【0066】
1:押出機 2:ダイ 3:冷却用ロール
4:圧着用ロール 5:耐候層用フィルム 6:引取り用ロール
7:補助ロール 8:光反射材 9:赤外線ヒーター
10:遮光層用フィルム 11:圧着用ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ポリカーボネート樹脂(a)100重量部に対し、酸化チタン(b)5〜50重量部を含むポリカーボネート樹脂組成物(イ)からなる厚み0.4〜2mmの光反射層(A)の一方の面に、紫外線吸収機能のある厚み25μm以上の耐候層(B)を有し、他方の面に遮光層(C)を有する光反射材。
【請求項2】
耐候層(B)が、芳香族ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂と紫外線吸収剤(c)及び/または紫外線を遮断する機能のある物質(d)を含有することを特徴とする請求項1記載の光反射材。
【請求項3】
遮光層(C)が、芳香族ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂と遮光性物質(e)を含有することを特徴とする請求項1記載の光反射材。
【請求項4】
光反射層(A)の一方の面に耐候性を有するフィルムを、他方の面に遮光性を有するフィルムを、それぞれラミネートすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光反射材の製造法。
【請求項5】
ポリカーボネート樹脂組成物(イ)、紫外線吸収剤(c)及び/または紫外線を遮断する物質(d)を含有するポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂組成物(ロ)、及び、遮光性物質(e)を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂組成物(ハ)を共押出成形することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光反射材の製造法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−343445(P2006−343445A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167756(P2005−167756)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】