説明

光増幅器

【課題】光増幅器の出力特性の傾斜を下流の光増幅器で制御して、波長多重信号光の出力の傾斜を補正する。
【解決手段】開示される光増幅器100は、入力光信号と励起光源部110の光信号を合波し増幅媒体105で増幅して出力する光増幅部1を備え、光増幅器100の入力信号を第1の光分岐器103で分岐した信号と第2の光分岐器106で分岐した信号とに応じて制御部109が励起光源部を制御することで、光増幅器100の波長多重信号光の伝送利得が定まる。光増幅器100の出力光信号と監視部30からの伝送路監視信号光を光合波部40で合波して伝送路900と光分岐部41とを経て光増幅器200に入力して光増幅部2で増幅して出力する際に、監視部31が光分岐部41から通知された光増幅器100の利得特性の傾斜量から算出した利得補正量によって光増幅部2の励起光源部を制御することによって、光増幅器200で光増幅器100の出力特性の傾斜を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光波長多重伝送装置に用いられる光増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光波長多重伝送装置に用いられる光増幅器において、次のような障害が発生した場合、
(1) 光増幅器の上流で発生した何らかの障害により、光増幅器に入力範囲外の過大な入力光が入力された場合
(2) 光増幅器内蔵の励起LD(Laser Diode)光源が劣化し、出力が若干低下した場合このような障害が発生した場合には、該当する光増幅器の利得が不足して、該当する光増幅器から出力される波長多重信号光の出力パワーが平坦ではなくなって、短波下がり(短波側で低下する状態)となる。これによって、下流の受信端においてS/Nが劣化して、信号エラーを発生する可能性があった。
【0003】
このような問題の対策としては、障害を復旧させるまでの間、上流側機器の交換や異常状態の復旧、または、故障した光増幅器の交換を行い、当該光増幅器より下流側の光増幅器で光増幅器の利得を補正制御することによって、伝送特性の劣化を抑止することが考えられる。
【0004】
これに対して、特許文献1においては、利得の単位変化に対する利得傾斜の変化として定義される利得傾斜係数を有する第1の光増幅器を提供するステップと、これとは異なる利得傾斜係数を有する第2の光増幅器を第1の光増幅器により増幅された光のレベル傾斜が実質的に平坦になるように利得を配分するステップとを含むレベル等化方法を提供するための、レベル等化のための方法、装置およびシステムが開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、光スペクトルモニタや、光フィルタで波長ごとのパワーを観測する装置のモニタ値を用いて、可変利得等化器をフィードバック制御することによって、波長多重光の傾斜量を補正することはできるが、このような装置を用いることなしに、下流の光増幅器で、傾斜量に基づいて計算式またはテーブルによってフィードフォワード制御を行うことによって、傾斜量を補正することはできない。
【0006】
また、特許文献2においては、波長に対して非直線的に変化する利得を有する光増幅器を提供し、波長に対して実質的に線形に変化する利得が得られるように固定利得等化器によって利得等化し、その後,波長に対して実質的に変化しない利得が得られるように可変利得等化器によって利得等化するように構成することによって、システム状態の変化に伴う等化誤差の変動を抑圧することができる利得等化方法の提供を課題とする、利得等化のための方法並びに該方法の実施に使用する装置及びシステムが開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2記載の技術では、光スペクトルモニタや、光フィルタで波長ごとのパワーを観測する装置のモニタ値を用いて、可変利得等化器をフィードバック制御することによって、波長多重光の傾斜量を補正することはできるが、このような装置を用いることなしに、下流の光増幅器で、傾斜量に基づいて計算式またはテーブルによってフィードフォワード制御を行うことによって、傾斜量を補正することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−057455号公報
【特許文献2】特開平11−224967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光増幅器の上流で発生した何らかの障害により、光増幅器に入力範囲外の過大な入力光が入力された場合や、光増幅器内蔵の励起LD光源が劣化し、出力が若干低下した場合には、該当する光増幅器の利得が不足して、該当する光増幅器から出力される波長多重信号光の出力パワーが平坦ではなくなって、短波下がりとなり、これによって、下流の受信端においてS/Nが劣化して、信号エラーを発生する可能性があるという問題があった。
【0010】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光増幅器から出力される波長多重信号光の出力パワーが平坦ではなくなって、短波下がりとなり、これによって、下流の受信端においてS/Nが劣化して、信号エラーを発生することを防止することが可能な光増幅器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を解決するため、この発明の光増幅器は、入力光信号と励起光源部の光信号とを合波して増幅媒体で増幅して出力する第1の光増幅部を備え、光入力を分岐する第1の光分岐器と光増幅部の出力光信号を分岐する第2の光分岐器と、第1の光分岐器の分岐信号と第2の光分岐器の分岐信号とに応じて制御部が前記励起光源部を制御することによって、光増幅器の波長多重信号光の伝送利得が定まる第1の光増幅器において、該第1の光増幅器の出力信号光と監視部からの伝送路監視信号光とを光合波部で合波して伝送路と光分岐部とを経て第2の光増幅器に入力し第2の光増幅部で増幅して出力する際に、監視部が光分岐部から通知された第1の光増幅器の利得特性の傾斜量から算出した利得補正量によって第2の光増幅部の励起光源部を制御することによって、第2の光増幅器で第1の光増幅器の出力特性の傾斜を補正するように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、光波長多重伝送装置に用いられる光増幅器において、
(1) 光増幅器の上流で発生した何らかの障害により、光増幅器に入力範囲外の過大な入力光が入力された場合
(2) 光増幅器内蔵の励起LD光源が劣化し、出力が若干低下した場合
このような障害が発生した場合、光増幅器の出力波長多重光は、利得が不足する分、短波下がりで出力が傾斜するが、下流の光増幅器で、光増幅器の出力特性の傾斜を相殺するように利得を補正制御することにより、光波長多重信号の出力の傾斜が補正され、これによって受信端でのS/N劣化を抑制し、信号の伝送品質を改善することが可能になる。
【0013】
また、この発明の光増幅器では、各ノードに波長ごとにパワーをモニタするための高価な機器を必要とせず、安価に所望の機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の光増幅器の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】この発明の光増幅器の第2の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して詳述するこの発明の実施形態によって、この発明の課題を克服した。
【実施形態】
【0016】
次に、図1に基づいてこの発明の第1の実施形態を説明する。
この場合の光増幅器は、図1に示すように、光増幅器100と、監視部30と、光合波部40と、光伝送路900と、光分岐部41と、監視部31と、光増幅器200とからなる概略構成を有することが示されている。
【0017】
以下、図1を参照して詳細に説明する。
光増幅器100において、入力ポート101から入力された波長多重信号光は、光増幅部1で増幅処理を行われたのち、出力ポート102から出力される。
光増幅部1は、EDF(Erbium Doped Diode)からなる増幅媒体105と、励起光源部110と、励起光源部110からの励起光を増幅媒体105へ注入する光合波部104とからなっている。
【0018】
光増幅器100の入力光は、光分岐器103によって大部分は光増幅部1へ入力され、一部が入力パワーのモニタ用としてモニタPD(Photo Diode)107に入力されて光電変換される。また、光増幅部1の出力光は光分岐器106で分岐されて、大部分は出力ポート102から出力され、一部がモニタPD108に入力される。モニタPD107,モニタPD108は、入力された光パワーに応じて、各PDの変換効率に応じた電流に変換する。
入力モニタPD107で光電変換された電流量から、入力モニタ部111で、光増幅器100に入力された波長多重信号光のパワーをモニタする。
また、出力モニタPD108で光電変換された電流量から、出力モニタ部112で、光増幅部1で増幅されて出力される、光増幅器100の出力波長多重信号光のパワーをモニタする。
【0019】
光増幅器100の制御部109は、入力モニタ部111と出力モニタ部112でそれぞれモニタした入力光と出力光のパワーの比から、光増幅部1の利得を算出し、その値が設計値で定まる一定の利得になるように、光増幅部1の励起光源110を制御する。
【0020】
傾斜補正部113には、設計値または実測により求めた、光増幅部1の利得に対する利得の傾斜量の関係式もしくはテーブルのデータを格納しておく。
傾斜補正部113は、光増幅部1に対する制御部109でモニタした実際の光増幅部1の利得値と、設計値の利得値との差分を求めて、利得値の設計値に対する、実測した利得モニタ値の不足分から、光増幅器100における利得特性の傾斜量ΔT1を算出して、これを監視部30に送信する。
【0021】
監視部30は、算出された利得特性の傾斜量ΔT1に対応する電気信号を光信号に変換し、種々の装置の情報をノード間で伝達するための伝送路監視信号光に付加して伝達する。光合波部40は、光増幅器100から出力された波長多重信号光と、監視部30からの伝送路監視信号光を合波して、伝送路900,光分岐部41を経て下流ノードの監視部31に通知する。
【0022】
光分岐部41では、伝送路900の出力光を分岐して、監視部30からの伝送路監視光を監視部31に入力し、波長多重信号光を光増幅器200に入力する。
入力モニタPD207で光電変換された電流量から、入力モニタ部211で、光増幅器200に入力された波長多重信号光のパワーをモニタする。
同様に、光分岐器206と出力モニタPD208と出力モニタ部212で、光増幅部2で増幅された波長多重信号光のパワーをモニタする。
【0023】
監視部31は、上流から通知された傾斜量ΔT1の値を、傾斜補正部213に送信する。傾斜補正部213は、上流の傾斜量ΔT1の値から、傾斜量ΔT1を補正するための光増幅部2の利得補正量ΔG2を算出して、光増幅部2の制御部209に送信する。
【0024】
光増幅部2の制御部209は、入力モニタ部211と光増幅部2の出力モニタ部212でそれぞれモニタした、入力と出力のパワーの比から利得を算出し、設計値の利得(G2STD)+利得補正量(ΔG2)で定まる利得の値が一定になるように、光増幅部2の励起光源部210を制御する。
【0025】
励起LD209から出力された励起パワーは、光合成器204を通って、増幅媒体205に入力される。増幅媒体205において、光増幅器200に入力された波長多重信号光が増幅されて、光出力ポート205から出力される。
これ以外の光増幅器200の機能は、光増幅器100の場合と同様である。
【0026】
次に図1を参照して、この発明の第1の実施形態の動作を説明する。
例えばEDFからなる増幅媒体を含む光増幅器は、利得値によって利得の波長依存性が変化する。一般的に、光増幅器のダイナミックレンジや、NF(Noise Figure)を考慮して、最適になるように光増幅器の利得を設計する。
そして設計利得において、波長依存性が最小になるような利得等化器を内蔵することによって、光増幅器は、平坦な利得特性を実現している。
【0027】
設計利得よりも、実際の光増幅器の利得が増加すれば、利得の波長依存性は短波長側の利得が高く、長波長側の利得が低くなって、短波上がりの特性となる。
逆に設計利得よりも、実際の光増幅器の利得が低下すれば、利得の波長依存性は短波長側の利得が低く、長波長側の利得が高くなる、短波下がりの特性となる。
【0028】
光増幅器100において、上流側機器のなんらかの障害により、光増幅器100の入力ダイナミックレンジを超えて入力パワーが増加した場合、光増幅器が設計利得を保つためには、その分、出力パワーを増加させる必要があるが、光増幅器の設計範囲外の入力値となるため、励起LD110の出力パワーが不足して出力を増加させられない場合、結果的に光増幅器100の利得が不足する。
【0029】
または励起LD110の特性が劣化して、光増幅媒体105に注入される励起光の出力パワーが低下することによって、光増幅器100の利得が設計値に対して低下することとなった場合、光増幅器100の出力の波長多重信号光は、特性が平坦ではなく、利得が不足することによって、短波下がりの特性となる。
【0030】
光増幅部の制御部109は、入力モニタ部111と出力モニタ部12で、それぞれモニタした光増幅部1の入力と出力のパワーの比から、光増幅部1の利得値(G1 MON)を算出し、さらに光増幅部1の設計利得(G1 STD)から不足分の利得ΔG1を算出する。
ΔG1=G1 STD−G1 MON
【0031】
算出した不足した利得分ΔG1と、光増幅部1の利得減少分ΔG1による出力の傾斜量ΔT1の関係は、設計上、または実測により求めることができる。
この関係を傾斜補正部113で、関係式
ΔT1=f(ΔG1)
または関係テーブルによって保持しておく。
【0032】
傾斜補正部113は、ΔG1の値から内蔵した関係式、または関係テーブルと照合して、光増幅部1の出力傾斜量ΔT1を算出して、監視部30に送信する。
監視部30は、伝送路監視信号光を使用して、下流ノードの監視部31に、光増幅部1の出力傾斜量ΔT1の値を通知する。
監視部31は、上流から送信された出力傾斜量ΔT1の値を、傾斜補正部213に送信する。
【0033】
光増幅部2の利得変化量ΔG2 と出力傾斜量ΔT2の関係は、設計上、または実測により求めることができ、傾斜補正部213に、この場合の関係式ΔT2=f(ΔG2)、または関係テーブルを保持しておく。
【0034】
傾斜補正部213は、上流の光増幅部1の出力傾斜量ΔT1の値から、上流側の出力傾斜量ΔT1を相殺するような光増幅部2の利得補正量ΔG2の値を、関係式または関係テーブルから算出し、光増幅部2の制御部209に送信する。
光増幅器200では、光増幅部2の制御部209において、入力モニタ部211と出力モニタ部212で、それぞれモニタした入力と出力のパワーの比から、光増幅部2の利得を算出して、その利得の値が設計値の利得G2 STD+利得補正量ΔG2で一定になるように、光増幅部2の励起光源210を制御する。
【0035】
このように、上流の光増幅器の利得の傾斜分を相殺するように、下流の光増幅器の利得を補正して制御することによって、受信端における波長多重信号光の平坦度の劣化とS/N劣化を低減し、信号の伝送品質を改善することが可能になる。
【0036】
次に、図2に基づいて、この発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態においては、第1の実施形態に示された光増幅器と伝送路とからなる構成を、任意のn組、縦続に接続した構成を有している。
【0037】
すなわち、第1の実施形態に示された光増幅器200の出力部に、監視部32、光合波部42と、伝送路901と、光分岐部43と、監視部33を追加して、光増幅器300を接続して、3組の光増幅器を縦続に接続した形にすることによって、光増幅器200では補償し切れなかった、光増幅器100の特性傾斜量ΔT1を補償することができるようにする。
【0038】
さらに、3組の光増幅器の縦続接続では不十分な場合は、同様にして、4組以上の光増幅器400,・・・を縦続接続した構成にすることも可能である。
【0039】
以下、この発明の第2の実施形態として、n(=2,3,・・・)組の光増幅器を縦続接続した場合の動作について説明する。
ここで、各光増幅器200,300,・・・における最大傾斜補正量をx2,x3,・・・とする。
【0040】
x2≧ΔT1の場合
光増幅器200の傾斜補正量:ΔT=ΔT1
光増幅器300,400,・・・の傾斜補正量:ΔTn=0 (n=3,4、・・・)
【0041】
x2<ΔT1,x3≧ΔT1−x2の場合
光増幅器200の傾斜補正量:ΔT3=x2
光増幅器300の傾斜補正量:ΔT3=ΔT1−x2
光増幅器400,・・・の傾斜補正量:ΔTn=0 (n=4,・・・)
【0042】
x2<ΔT1、x3<ΔT1−x2、x4≧ΔT1−x2−x3の場合
光増幅器200の傾斜補正量:ΔT2=x2
光増幅器300の傾斜補正量:ΔT3=x3
光増幅器400の傾斜補正量:ΔTn=ΔT1−x1−x2
光増幅器500,・・・の傾斜補正量:0 (n=5,6,・・・)
【0043】
以下、nが6より大きい場合も同様である。
【0044】
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第2の実施形態において、光増幅器の特性傾斜量を下流側の光増幅器で均等に分担して補正する。
すなわち傾斜が発生した光増幅器の下流側にn段の伝送路とn段の光増幅器がある場合は、各光増幅器の特性傾斜補正量を、次式のようにする。
ΔTn=ΔT1/n
【0045】
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、第2の実施形態において、n段の光増幅器の特性傾斜量が、以下の利得目標値になるように制御する。(第2の実施形態において、各光増幅器の利得傾斜量の最大値を固定的に決めない方式である)。
この場合は、利得目標値を次のようにする。
G(n) STD+ΔG(n)
ここで、
G(n) STD:n段目の光増幅器の利得の設計値
ΔG(n):n段目から一つ上流側の出力傾斜量ΔT(n−1)から算出した、n段目の光増幅器の利得補正量
【0046】
また、ΔG(n)の値から、n段目の光増幅器の傾斜補正部が、n段目の光増幅器の出力傾斜量ΔT(n)を算出し、伝送路監視信号を使用して、さらに下流側の光増幅器にΔT(n)の値を通知する。この場合、
n段目の光増幅器の利得モニタ(出力モニタ−入力モニタ):G(n)_MON
利得不足分ΔG(n)=G(n)_STD+ΔG(n)―G(n)_MON
となる。
【0047】
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。
第1の実施形態は1段構成であったが、第5の実施形態では、2段以上の任意の段数の構成であってよい。
【0048】
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、励起方式は前方励起のみであったが、後方励起、または双方向励起の場合であってもよい。
【0049】
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、光増幅器がEDFからなる増幅媒体を有する場合の例について説明したが、他の増幅媒体による場合であってもよい。
【0050】
次に、この発明の第8の実施形態について説明する。
第2の実施形態において、下流側の光増幅器を使用する代わりに、例えば光波長ごとのロスを調整することによって、波長多重信号光の各波長成分のパワーをイコライズするような機器を使用して、特性の傾斜の補正を行う構成であってもよい。
【0051】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明の光増幅器は、各種の光伝送装置に用いられる光増幅器として、広範囲に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1,2,3,・・・ 光増幅部
30,31,32,33,34,・・・ 監視部
40,42,・・・ 光合波部
41,43,44,・・・ 光分岐部
100,200,300,・・・ 光増幅器
101,201,・・・ 入力ポート
102,202,・・・ 出力ポート
103,203,・・・ 光分岐器
104,204,・・・ 光合波器
105,205,・・・ 増幅媒体
106,206,・・・ 光分岐器
107,207,・・・ モニタPD
108,208,・・・ モニタPD
109,209,・・・ 制御部
110,210,・・・ 励起光源部
111,211,・・・ 入力モニタ部
112,212,・・・ 出力モニタ部
113,213,・・・ 傾斜補正部
900,901,・・・ 伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光信号と励起光源部の光信号とを合波して増幅媒体で増幅して出力する第1の光増幅部を備え、光入力を分岐する第1の光分岐器と光増幅部の出力光信号を分岐する第2の光分岐器と、第1の光分岐器の分岐信号と第2の光分岐器の分岐信号とに応じて制御部が前記励起光源部を制御することによって、光増幅器の波長多重信号光の伝送利得が定まる第1の光増幅器において、該第1の光増幅器の出力信号光と監視部からの伝送路監視信号光とを光合波部で合波して伝送路と光分岐部とを経て第2の光増幅器に入力し第2の光増幅部で増幅して出力する際に、監視部が光分岐部から通知された第1の光増幅器の利得特性の傾斜量から算出した利得補正量によって第2の光増幅部の励起光源部を制御することによって、第2の光増幅器で第1の光増幅器の出力特性の傾斜を補正するように構成されていることを特徴とする光増幅器。
【請求項2】
前記励起光源部が電気信号に応じて光信号のレベルを変更するものであり、前記制御部が、前記第1の光分岐部で分岐された信号と前記第2の光分岐部で分岐された信号とをそれぞれ変換した電気信号に応じて前記励起光源部を制御することによって、前記第1の光増幅器の伝送利得が定まることを特徴とする請求項1記載の光増幅器。
【請求項3】
前記制御部が、傾斜補正部からの、前記光増幅部の利得の傾斜量の実測値と、予め格納されている関係式またはテーブルのデータに基づく設計値との差分に基づいて、光増幅器における利得特性の傾斜量を求めることを特徴とする請求項1または2記載の光増幅器。
【請求項4】
前記増幅媒体がEDF(Erbium Doped Diode)からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一記載の光増幅器。
【請求項5】
前記第1の光分岐器で分岐された信号と前記第2の光分岐器で分岐された信号とをそれぞれモニタPD(Photo Diode)によって電気信号に変換することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載の光増幅器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−219172(P2010−219172A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62123(P2009−62123)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】