説明

光学ガラス

【課題】屈折率が1.70〜1.90であり、屈伏温度が460℃以下と低く、紫外域の透過性が良好であり、且つ、耐失透性が良好な、モールドプレス成形に適した光学ガラスを提供する。
【解決手段】ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、並びに
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%を含有し、
屈折率が1.70〜1.90であり、且つ、屈伏温度が460℃以下である、
ことを特徴とする光学ガラス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラスに関し、具体的には、モールドプレス成形に適した光学ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクシステム用途の光ピックアップレンズ、カメラ用途の光学レンズとしては、屈折率(nd)が1.70〜1.90程度の光学レンズが使用されている。この光学レンズは、例えば、軟化させた光学レンズ(加工前を特に「プリフォームガラス」とも言う)を、精密加工された金型中で加圧成形することにより金型の表面形状をガラスに転写するモールドプレス成形により作製される。
【0003】
上記光学レンズ(プリフォームガラス)の作製方法としては、例えば、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して一旦液滴状のガラスを作製し、研削、研磨、洗浄して作製する方法や、溶融ガラスを急冷鍛造して一旦ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄して作製する方法等が知られている。
【0004】
モールドプレス成形に供される光学レンズとしては、求められる屈折率を有することに加えて、金型を劣化させないように屈伏温度(At)が低いこと、金型との融着が起こり難いこと、耐失透性が高いこと等が求められる。
【0005】
従来、上記光学レンズとしては、SiO−PbO−RO(但し、ROはアルカリ金属酸化物)系ガラスが用いられているが、プレス成形時に金型との融着を起こし易い点や環境負荷の大きい鉛成分を含有する点から、使用が抑制されてきている。
【0006】
非鉛系ガラスとして、例えば、特許文献1及び特許文献2には、SiO−TiO−Nb−RO(但し、ROはアルカリ金属酸化物)やSiO−Nb−RO(但し、ROはアルカリ土類金属酸化物)系ガラスが記載されている。これらの非鉛系ガラスは、転移温度は低いものの、耐失透性が不十分である。
【0007】
更に、特許文献3及び特許文献4には、上記屈折率を有し、耐失透性が改善された光学ガラスが開示されている。例えば、特許文献3には、質量%で、SiO:20〜46%、B:0〜7%、Al:0〜5%、Nb:20〜55%、TiO:0〜14%、WO:0〜15%、Bi:0.5〜20%、RO(但し、RはMg、Ca、Sr、Baを示す):0〜10%、R’O(但し、R’はLi、Na、Kを示す):10〜30%の範囲の各成分を含有する光学ガラスが記載されている。そして、かかる文献に記載の光学ガラスは、転移温度(Tg)が550℃以下であって、モールドプレス成形用として適しているとの記載がある(特許文献3の[0015]段落)。特許文献4の[0021]段落も同様である。
【0008】
しかしながら、特許文献3及び特許文献4に記載の光学ガラスは、屈伏温度が未だ十分に低くない。一般に屈伏温度(At)は転移温度(Tg)+30〜50℃であり、Tgが550℃であれば、Atは580〜600℃程度である。そのため、特にモールドプレス成形用に適用する場合には、更に屈伏温度が低いことが望まれる。
【0009】
更に、特許文献5には、上記同程度の屈折率を有し、モル%で、Biを0.5%以上80%以下含有し、546nmにおける光弾性定数が0〜2.0×10−5(nm・cm−1・Pa−1)である光学ガラスが記載されている。
【0010】
しかしながら、特許文献5に記載の光学ガラスは、紫外域の透過性(透過波長域)が不十分である。近年では、紫外域などの短波長の光を透過して利用する光学デバイスが増加しており、紫外域の透過性を更に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭52−25812号公報
【特許文献2】特開昭52−45612号公報
【特許文献3】特開平9−71435号公報
【特許文献4】特開平9−142872号公報
【特許文献5】特開2007−106627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、屈折率が1.70〜1.90であり、屈伏温度が460℃以下と低く、紫外域の透過性が良好であり、且つ、耐失透性が良好な、モールドプレス成形に適した光学ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、フッ素成分を含む特定組成の光学ガラスが上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明は、下記の光学ガラスに関する。
1.ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、並びに
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%を含有し、
屈折率が1.70〜1.90であり、且つ、屈伏温度が460℃以下である、
ことを特徴とする光学ガラス。
2.ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%、並びに
(4)SiO:0〜10重量%、P:0〜20重量%、Al:0〜10重量%、R’O(但し、R’はBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はZn)の少なくとも1種:0〜10重量%、Nb:0〜10重量%、Ta:0〜10重量%、Gd:0〜10重量%、La:0〜10重量%及びSb:0〜1重量%、
を含有する、上記項1に記載の光学ガラス。
3.屈折率が1.70〜1.85である、上記項1又は2に記載の光学ガラス。
4.屈伏温度が450℃以下である、上記項1又は2に記載の光学ガラス。
5.屈折率が1.70〜1.85であり、且つ、屈伏温度が450℃以下である、上記項1又は2に記載の光学ガラス。
6.厚さ3mmの前記光学ガラスに波長200〜800nmの範囲の光を照射して透過率を測定した場合に、透過率が5%となる波長が380nm以下である、上記項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
7.モールドプレス成形用である、上記項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。
【0015】
以下、本発明の光学ガラスについて詳細に説明する。
【0016】
本発明の光学ガラスは、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、並びに
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%を含有し、
屈折率が1.70〜1.90であり、且つ、屈伏温度が460℃以下である、
ことを特徴とする。
【0017】
上記特徴を有する本発明の光学ガラスは、光学レンズに適した屈折率を有している上、屈伏温度(At)が低いためにモールドプレス成形において金型の劣化や金型との融着が生じにくく、紫外域の透過性が良好であり、しかも耐失透性が良好である。よって、本発明の光学ガラスを用いれば、高精度且つ透過波長範囲が広い光学レンズを経済的且つ簡便に製造することができる。
【0018】
なお、上記組成は本発明の光学ガラスの特徴部分(必須部分)を記載したものであり、詳細には、(1)B、Bi及びGa、(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種、並びに、(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種を必須成分とする他、SiO;P;Al;R’O(但し、R’はBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はZn)の少なくとも1種;Nb;Ta;Gd;La;Sb等を任意成分として含有し得る。
【0019】
本発明の光学ガラスの好適組成を例示すると、例えば、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%、並びに
(4)SiO:0〜10重量%、P:0〜20重量%、Al:0〜10重量%、R’O(但し、R’はBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はZn)の少なくとも1種:0〜10重量%、Nb:0〜10重量%、Ta:0〜10重量%、Gd:0〜10重量%、La:0〜10重量%及びSb:0〜1重量%、
を含有する組成が挙げられる。
【0020】
多成分系ガラス材料においては、各成分が相互に影響して、ガラス材料の固有の特性を決定するため、各成分の量的範囲を各成分の特性に応じて論じることは必ずしも妥当ではないが、以下に、上記好適組成において各成分の量的範囲を規定した根拠を述べる。
【0021】
は、ガラス網目を構成する主成分である。またガラスの溶融性を向上させる成分である。Bの含有量は、7〜28重量%であり、9〜26重量%が好ましい。Bの含有量が上記範囲を外れると耐失透性及びガラスの溶融性が悪化するおそれがある。
【0022】
Biは、屈折率を高め、且つ、屈伏温度を低下させる成分である。Biの含有量は30〜77重量%であり、32〜75重量%が好ましい。Biの含有量が上記範囲を外れると耐失透性が悪化するおそれがある。
【0023】
Gaは、屈折率を高める成分である。Gaの含有量は、21〜35重量%であり、22〜33重量%が好ましい。Gaの含有量が上記範囲を外れるとガラスの溶融性、耐失透性が悪化するおそれがある。
【0024】
O(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種は、ガラスの溶融性を向上させる成分である。また、屈伏温度を低下させる成分である。ROの含有量は、0.1〜20重量%であり、0.5〜18重量%が好ましい。なお、ROは、単独又は2種以上を混合でき、2種類以上のRO(即ち、LiO、NaO又はKO)が含まれていてもよい。ROの含有量が上記範囲を超えるとガラスの耐失透性、化学的耐久性の悪化のおそれがある。
【0025】
(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種は、ガラスの溶融性を向上させ、且つ、屈伏点を低下させる成分である。また、紫外域の透過性を高める成分である。Rの含有量は、0.1〜5重量%であり、0.2〜4重量%が好ましい。なお、Rは、単独又は2種以上を混合でき、2種類以上のR(即ち、Li、Na又はK)が含まれていてもよい。Rの含有量が上記範囲を超えると屈折率が低下したり、結晶が析出してガラスの耐失透性が悪化したりするおそれがある。
【0026】
SiOは、ガラス網目を構成する成分である。また化学的耐久性を向上させる成分である。SiOの含有量は、0〜10重量%程度が好ましい。より好ましくは0.1〜9重量%である。SiOの含有量が上記範囲を超えるとガラスの溶融性、耐失透性が悪化するおそれがある。
【0027】
は、ガラス網目を構成する成分である。また、屈伏温度を低下させる成分である。Pの含有量は、0〜20重量%程度が好ましい。より好ましくは0.1〜18重量%である。Pの含有量が上記範囲を超えるとガラスの溶融性、化学的耐久性が悪化するおそれがある。
【0028】
Alは、ガラスの失透を抑制し、化学的耐久性を高める成分である。Alの含有量は、0〜10重量%程度が好ましい。より好ましくは0.1〜8重量%である。Alの含有量が上記範囲を超えると、ガラスの溶融性の悪化、屈伏温度の上昇のおそれがある。
【0029】
R’O(但し、R’はBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はZn)の少なくとも1種は、ガラスの溶融性、ガラスの化学的耐久性を向上させる成分である。R’Oの含有量は、0〜10重量%程度が好ましい。より好ましくは0.1〜9重量%である。R’Oは、単独又は2種以上を混合でき、2種類以上のR’O(即ち、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO)が含まれていてもよい。R’Oの含有量が上記範囲を超えると、ガラスの溶融性の悪化、屈伏温度の上昇のおそれがある。
【0030】
Nb、Ta、Gd及びLは、ガラスの化学的耐久性の向上及び所定の光学特性を得るのに有効な成分である。これらは、一種又は二種以上で使用できる。Nb、Ta、Gd及びLaの含有量は、それぞれ0〜10重量%程度が好ましい。より好ましくは0.1〜9重量%である。Nb、Ta、Gd及びLaの含有量が上記範囲を超えるとガラスの溶融性の悪化、屈伏温度の上昇のおそれがある。
【0031】
Sbは、ガラスの溶融時の脱泡に有効な成分である。その含有量は0〜1重量%程度が好ましい。
【0032】
その他、本発明の効果を妨げない範囲において、他の成分が含まれていてもよい。
【0033】
上記組成を有する本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)が1.70〜1.90の範囲であり、好ましくは1.70〜1.85の範囲である。かかる屈折率の光学ガラスは、光ピックアップレンズ、カメラ用途のレンズ等に好適に適用できる。
【0034】
また、屈伏温度(At)は460℃以下であり、好ましくは450℃以下である。なお、当該屈伏温度は、JIS R 3102に従って、光学ガラスを5℃/minで昇温した条件において、熱膨張計を用いて測定した値である。
【0035】
更に、上記光学ガラスは紫外域の透過率が良好であり、厚さ3mmに光学研磨したガラス試料に波長200〜800nmの範囲の光を照射して透過率を測定した場合に、透過率が5%となる波長が好ましくは380nm以下である。具体的には、透過率曲線において、高い透過率の可視光域から徐々に紫外域にかけて透過率が低下していき、透過率が5%になる波長が好ましくは380nm以下(より好ましくは370nm以下)である。紫外域の透過性が良好であることは、紫外域などの短波長の光を透過して利用する光学デバイスにも適用できる点で優位性が高い。
【0036】
更に、上記光学ガラスは、耐失透性が良好である。例えば、好適な実施態様では、光学ガラスを電気炉内で1000〜1200℃の温度で溶融後、900℃に降下し、該温度で2時間保持後、顕微鏡観察において失透が認められない程に耐失透性が良好である。
【0037】
本発明の光学ガラスは、上記所定の組成となるように原料を配合し、公知のガラス製造方法に従って処理すればよい。
【0038】
ガラス中の各成分の原料(ガラス原料)としては特に限定されないが、各金属の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物等が挙げられる。
【0039】
上記光学ガラスの製造に際しては、例えば、最終的に所定の組成となるように上記原料を調合し、1000〜1200℃程度の温度で溶融・撹拌・清澄後、型に流し込み、徐冷することにより得られる。
【0040】
徐冷工程では、ガラスに熱的歪みが生じないように温度条件を管理することが好ましい。冷却速度としては10〜100℃/hr程度が好ましく、30〜50℃/hr程度がより好ましい。
【発明の効果】
【0041】
本発明の光学ガラスは、光学レンズに適した屈折率を有している上、屈伏温度(At)が低いためにモールドプレス成形において金型の劣化や金型との融着が生じにくく、紫外域の透過性が良好であり、しかも耐失透性が良好である。よって、本発明の光学ガラスを用いれば、高精度且つ透過波長範囲が広い光学レンズを経済的且つ簡便に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0043】
実施例1〜5及び比較例1〜6
下記表1及び表2に示される組成となるようにガラス原料を秤量及び調合した。
【0044】
原料混合物を、白金坩堝中、1100℃で溶融、清澄、撹拌した。次に、溶融物を炭素型に流し込み、40℃/hrの速度で室温まで冷却した。冷却後、ガラスを切断、研磨することにより厚さ5mmのガラス板を得た。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜6で得られたガラス板の光学的・熱的特性(屈折率、屈伏温度、吸収端波長及び耐失透性を調べた。
【0048】
屈折率(nd)は、ヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値とした。
【0049】
屈伏温度(At:℃)は、JIS R 3102に従って、ガラス板を5℃/minで昇温させた条件において、熱膨張計を用いて測定した。
【0050】
吸収端波長は、各ガラス板を厚み3mmに光学研磨したものを試料とし、波長200〜800nmの範囲の光を照射してダブルビーム分光光度計を用いて透過率を測定することにより求めた。具体的には、透過率曲線を作成し、高い透過率の可視光域から徐々に紫外域にかけて透過率が低下していき、透過率が5%になる波長を吸収端波長とした。
【0051】
耐失透性は、白金製50ccポットにガラス板80gを入れ、電気炉で1000〜1200℃の温度で溶融後900℃に降下し、該温度で2時間保持した後、炉外に取り出して失透の有無を顕微鏡により観察することにより調べた。
【0052】
耐失透性が良好(失透が認められない)であるものを○と評価し、不良(失透が認められる)であるものを×と評価した。
【0053】
各試験結果を下記表3に示す。なお、比較例4は一部失透が見られたため、比較例4では屈折率、屈伏温度及び吸収端波長を評価しなかった。
【0054】
【表3】

【0055】
表3の結果から明らかなように、本願発明とは組成の異なる比較例1〜3では、屈折率及び紫外域の透過性の点で効果が不十分であることが分かる。また、Rの含有量が過剰な比較例4では、結晶析出により失透が認められたことが分かる。比較例5、6は、それぞれ背景技術欄の特許文献5の実施例3、7に相当する結果であり(なお、モル%を重量%に換算して表示した)、紫外域の透過性が不十分である上、屈折率又は屈服温度の点でも規定値を満たしていないことが分かる。これに対し、実施例1〜5で作製した本発明の光学ガラスは、全ての評価項目において規定値を満たしており、特に紫外域の透過性が従来品に比して向上している点で幅広い光学デバイスへの応用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、並びに
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%を含有し、
屈折率が1.70〜1.90であり、且つ、屈伏温度が460℃以下である、
ことを特徴とする光学ガラス。
【請求項2】
ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)B:7〜28重量%、Bi:30〜77重量%及びGa:21〜35重量%、
(2)RO(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜20重量%、
(3)R(但し、RはLi、Na又はK)の少なくとも1種:0.1〜5重量%、並びに
(4)SiO:0〜10重量%、P:0〜20重量%、Al:0〜10重量%、R’O(但し、R’はBe、Mg、Ca、Sr、Ba又はZn)の少なくとも1種:0〜10重量%、Nb:0〜10重量%、Ta:0〜10重量%、Gd:0〜10重量%、La:0〜10重量%及びSb:0〜1重量%、
を含有する、請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
屈折率が1.70〜1.85である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
【請求項4】
屈伏温度が450℃以下である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
【請求項5】
屈折率が1.70〜1.85であり、且つ、屈伏温度が450℃以下である、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
【請求項6】
厚さ3mmの前記光学ガラスに波長200〜800nmの範囲の光を照射して透過率を測定した場合に、透過率が5%となる波長が380nm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項7】
モールドプレス成形用である、請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。

【公開番号】特開2011−111362(P2011−111362A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268891(P2009−268891)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 「次世代光波制御材料・素子化技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(591110654)五鈴精工硝子株式会社 (19)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】