説明

光学フィルターを有する撮像装置

【課題】様々なレンズユニットに交換されても、被写体の輝度に応じて自動でNDフィルターの挿脱を可能とした交換レンズ式のデジタルカメラを提供する
【解決手段】カメラ本体は、着脱可能なレンズユニットを保持するボディマウントと、被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されるシャッターユニットと、電力を供給する電源と、前記シャッターユニットを駆動するモータと、
前記モータからの駆動力を切り替え可能な出力切り替え機構と、前記出力切り替え機構の切り替え状態を保持する保持機構と、レンズユニットからの被写体光量を減衰するNDフィルターと、動画撮影モードを選択するモード選択手段と、前記モード選択手段が動画撮影モードを選択したとき、前期NDフィルターを駆動可能に前記モータと前記保持機構を制御するボディ制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画撮影を主に行うデジタルスチルカメラ、動画撮影を主に行うムービー等のカメラシステムに関する。特に、レンズユニットが着脱可能な交換レンズ式のカメラシステム、および、カメラ本体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、2枚のグラデーションND板を左右から同時に挿脱してムラを無くす構成としている。
【0003】
特許文献2は、赤外カットとNDのハイブリッドフィルターを赤外カットと入れ替える構成を提案している。
【特許文献1】特開2007−292828号公報
【特許文献2】特開2008−035199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の交換レンズ式のデジタルカメラは、ミラーボックス装置を備えていたため、カメラ本体の小型化が困難であった。そこで、本願の発明者らは、ミラーボックス装置を有しない新しい交換レンズ式のデジタルカメラを考案した。そして、本願の発明者らは、新しい交換レンズ式のデジタルカメラの更なる開発において、静止画撮影だけでなく大型の撮像素子を使った動画撮影も可能にした。大型の撮像素子を使用すれば、絞り値に対するボケ効果が大きくなるため、被写界深度の浅い芸術的作品作りを可能にした。しかしながら、大型の撮像素子はピクセルサイズが相対的に大きく、感度が非常に高くなる。従って適正露出を得るためには、絞りを絞り込まざるを得なくなり、前述の効果を失ってしまうこととなる。また、特許文献に示したように、NDフィルターを内装するアイデアは開示されているものの、かなり大型なフィルターを挿脱するためのスペースが必要となる。本発明は、この課題を解決し、様々なレンズユニットに交換されても、大型の撮像素子を使った魅力的な動画撮影を可能とし、更には被写体の輝度に応じて自動でNDフィルターの挿脱を可能とした交換レンズ式のデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、以下のカメラ本体によって達成される。
【0006】
当該カメラ本体は、
着脱可能なレンズユニットを保持するボディマウントと、
被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されるシャッターユニットと、
前記シャッターユニットを駆動するモータと、
前記モータからの駆動力を切り替え可能な出力切り替え機構と、
前記出力切り替え機構の切り替え状態を保持する保持機構と、
レンズユニットからの被写体光量を減衰するNDフィルターと、
動画撮影モードを選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段が動画撮影モードを選択したとき、前期NDフィルターを駆動可能に前記モータと前記保持機構を制御するボディ制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、様々なレンズユニットに交換されても、大型の撮像素子を使った魅力的な動画撮影を可能とし、更には被写体の輝度に応じて自動でNDフィルターの挿脱を可能とした交換レンズ式のデジタルカメラを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施形態に係るカメラシステムおよびカメラ本体について説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
【0009】
<第1実施形態>
(1:構成)
(1−1:カメラシステムの概要)
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラシステム1の斜視図である。カメラシステム1は、カメラ本体100とカメラ本体100に着脱可能なレンズユニット200とから構成される。図2は、カメラ本体100の斜視図である。図3は、カメラシステム1の機能ブロック図である。カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有していない。そのため、従来の一眼レフレックスカメラに比してフランジバックを小さくすることができた。また、フランジバックを小さくすることで、カメラ本体が小型化されている。さらに、フランジバックを小さくすることで、レンズユニット200は小型化されている。以下、各部の詳細について説明する。説明の便宜のため、カメラシステム1の被写体側を前、撮像面側を後ろ又は背、カメラシステム1の通常姿勢における鉛直上側を上、鉛直下側を下ともいう。
【0010】
(1−2:カメラボディの構成)
図4は、カメラシステム1の概略断面図である。また、図5は、カメラ本体の背面図である。カメラ本体100は、主に、CMOSイメージセンサー110と、CMOS回路基板113と、カメラモニタ120と、操作部130と、カメラコントローラー140を含むメイン回路基板142と、ボディマウント150と、電源160と、カードスロット170と、電子ビューファインダー180と、シャッターユニット190と、光学的ローパスフィルタ114と、振動板115とを備える。なお、カメラ本体100は、ミラーボックス装置を有していない。また、カメラ本体100には、前から順に、ボディマウント150、シャッターユニット190、振動板115、光学的ローパスフィルタ114、CMOSイメージセンサー110、CMOS回路基板113、メイン回路基板142、カメラモニタ120が配置されている。
【0011】
ここで採用しているCMOSイメージセンサー110は、有効像円直径21.63mm以上を満足する、いわゆるフォーサーズ規格より大きな撮像素子である。
【0012】
CMOSイメージセンサー110は、レンズユニット200を介して入射される被写体の光学像を撮像して画像データを生成する。生成された画像データは、ADコンバーター111でデジタル化される。ADコンバーター111でデジタル化された画像データは、カメラコントローラー140で様々な画像処理が施される。ここで言う様々な画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理等である。
【0013】
CMOSイメージセンサー110は、タイミング発生器112で制御されるタイミングで動作する。CMOSイメージセンサー110は、静止画像の撮像動作、及び、動画像の撮像動作等を行う。動画像の撮影動作には、スルー画像の撮影動作が含まれる。ここで、スルー画像とは、動画像の撮像後、メモリーカード171にデータを記録しない画像である。スルー画像は、主に動画像であり、動画像または静止画像の撮影のための構図を決めるためにカメラモニタ120および/または電子ビューファインダー180(以下、EVFとも言う)に表示されるものである。また、動画像の撮影動作には、動画像の記録動作も含まれる。動画像の記録動作とは、動画像の撮影動作およびメモリーカード171に動画データを記録する動作を含む動作である。なお、CMOSイメージセンサー110は被写体の光学像を撮像して電気的な画像信号に変換する撮像素子の一例である。撮像素子は、CCDイメージセンサー等を含む概念である。
【0014】
CMOS回路基板113は、CMOSイメージセンサー110を駆動制御する回路基板である。また、CMOS回路基板113は、CMOSイメージセンサー110からの画像データに所定の処理を施す回路基板である。CMOS回路基板113は、タイミング発生器112を含む。また、CMOS回路基板113は、ADコンバーター111を含む。CMOS回路基板113は、撮像素子を駆動制御し、および/または撮像素子からの画像データにAD変換等の所定の処理を施す撮像素子回路基板の一例である。
【0015】
カメラモニタ120は、表示用画像データが示す画像等を表示する。表示用画像データは、カメラコントローラー140で作成される。表示用画像データは、画像処理された画像データや、カメラシステム1の撮影条件、操作メニュー等を画像として表示するためのデータ等である。カメラモニタ120は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。カメラモニタ120は、液晶ディスプレイを有する。
【0016】
カメラモニタ120は、カメラ本体100に設けられている。本実施形態では、カメラ本体100の背面に配置されているが、カメラ本体のどこに配置されていてもよい。カメラモニタ120は、カメラ本体100に対する表示面の角度が変更可能である。具体的には、カメラ本体100は、カメラ本体100とカメラモニタ120との間にヒンジ121を有している。ヒンジ121は、カメラ本体100の左端に配置されている。ヒンジ121は、具体的には第1のヒンジと第2のヒンジを有する。具体的には第1のヒンジを中心に、カメラモニタ120は左右方向に回転可能である。また、第2のヒンジを中心に、上下方向にも回転可能である。
【0017】
なお、カメラモニタ120はカメラ本体100に設けられた表示部の一例である。表示部としては、他にも、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できるものを用いることができる。また、表示部は、カメラ本体100の背面でなく、側面や上面等、他の場所に設けてもよい。
【0018】
電子ビューファインダー180は、カメラコントローラー140で作成された表示用画像データが示す画像等を表示する。EVF180は、動画像も静止画像も選択的に表示可能である。また、EVF180とカメラモニタ120とは、同じ内容を表示する場合と、異なる内容を表示する場合とがある。これらは、カメラコントローラー140によって制御される。EVF180は、画像等を表示するEVF用液晶モニタ181と、EVF用液晶モニタの表示を拡大するEVF用光学系182と、使用者が目を近づける接眼窓183とを有する。
【0019】
なお、EVF180もまた、表示部の一例である。カメラモニタ120と異なる点は、使用者が目を近づけて見るためのものであることである。構造上の相違点は、EVF180が接眼窓183を有するのに対してカメラモニタ120は接眼窓183を有しない点である。
【0020】
また、EVF用液晶モニタ181は、透過型液晶の場合はバックライト(不図示)を、反射型液晶の場合はフロントライト(不図示)を設けることで表示輝度を確保する。EVF用液晶モニタ181は、EVF用モニタの一例である。EVF用モニタは、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル等、画像を表示できるものを用いることができる。有機ELのような自発光デバイスの場合は、照明光源は必要ない。
【0021】
操作部130は、使用者による操作を受け付ける。操作部130は、使用者により操作される。操作部130は、レリーズ釦131を含む。レリーズ釦131は使用者によるシャッター操作を受け付ける。操作部130は、電源スイッチ132を含む。電源スイッチ132は、カメラ本体100の上面に設けられた回転式のダイアルスイッチである。第1の回転位置で電源がOFFとなり、第2の回転位置で電源がONとなる。操作部は、使用者による操作を受け付けることができればよく、ボタン、レバー、ダイアル、タッチパネル等を含む。
【0022】
カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110等の各部を含むカメラ本体100全体を制御する。カメラコントローラー140は、電源160からの電力の供給が停止した状態でシャッターユニット190が開口状態を保持するようにシャッターユニット190を制御する。また、カメラコントローラー140は、操作部130からの指示を受け付ける。カメラコントローラー140は、レンズユニット200を制御するための信号を、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240に送信する。そして、レンズユニット200の各部を間接的に制御する。すなわち、カメラコントローラー140は、カメラシステム1全体を制御する。また、カメラコントローラー140は、ボディマウント150及びレンズマウント250を介して、レンズコントローラー240から各種信号を受信する。カメラコントローラー140は、制御動作や画像処理動作の際に、DRAM141をワークメモリとして使用する。なお、カメラコントローラー140はボディ制御部の一例である。カメラコントローラー140は、メイン回路基板142上に配置されている。
【0023】
カードスロット170は、メモリーカード171を装着可能である。カードスロット170は、カメラコントローラー140からの制御に基づいて、メモリーカード171を制御する。具体的には、カードスロット170は、メモリーカード171に画像データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から画像データを出力する。また、メモリーカード171に動画データを格納する。カードスロット170は、メモリーカード171から動画データを出力する。
【0024】
メモリーカード171は、カメラコントローラー140が画像処理により生成した画像データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、非圧縮のRAW画像ファイルや圧縮されたJPEG画像ファイル等を格納できる。また、メモリーカード171は、内部に格納する画像データ又は画像ファイルを出力できる。メモリーカード171から出力された画像データ又は画像ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した画像データ又は画像ファイルを伸張などして表示用画像データを生成する。
【0025】
メモリーカード171は、さらに、カメラコントローラー140が画像処理により生成した動画データを格納可能である。例えば、メモリーカード171は、動画圧縮規格であるH.264/AVCに従って圧縮された動画ファイルを格納できる。また、メモリーカード171は、内部に格納する動画データ又は動画ファイルを出力できる。メモリーカード171から出力された動画データ又は動画ファイルは、カメラコントローラー140で画像処理される。例えば、カメラコントローラー140は、メモリーカード171から取得した動画データ又は動画ファイルを伸張して表示用動画データを生成する。なお、メモリーカード171は記憶部の一例である。記憶部は、メモリーカード171のようにカメラ本体100に着脱可能なものでもよく、カメラシステム100に固定されているものでもよい。
【0026】
電源160は、カメラシステム1で使用するための電力を供給する。電源160は、例えば、乾電池であってもよいし、充電池であってもよい。また、電源コード等により外部から供給される電力をカメラシステム1に供給するものであってもよい。
【0027】
ボディマウント150は、着脱可能なレンズユニット200を保持する。ボディマウント150は、レンズユニット200のレンズマウント250と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント150とレンズマウント250とを介して、カメラ本体100とレンズユニット200との間で、データおよび/または制御信号を送受信可能である。具体的には、ボディマウント150とレンズマウント250とは、カメラコントローラー140とレンズコントローラー240との間で、データおよび/または制御信号を送受信する。ボディマウント150は、電源160から受けた電力を、レンズマウント250を介してレンズユニット200全体に供給する。
【0028】
具体的には、ボディマウント150は、ボディマウントリング151と、ボディマウント接点保持部152とを含む。ボディマウントリング151は、レンズユニット200のレンズマウントリング251との光軸まわりの回転位置関係により、レンズマウントリング251と嵌合している状態または嵌合していない状態となる。すなわち、ボディマウントリング151とレンズマウントリング251との回転位置関係が第1の状態である場合には、レンズマウントリング251はボディマウントリング151に嵌合しておらす、レンズマウントリング251はボディマウントリング151に対して光軸方向に移動可能である。また、第1の状態でレンズマウントリング251をボディマウントリング151に挿入し、レンズマウントリング251をボディマウントリング151に対して回転させると、レンズマウントリング251はボディマウントリング151に嵌合する。このときのボディマウントリング151とレンズマウントリング251との回転位置関係が第2の状態である。回転位置関係が第2の状態であるとき、ボディマウントリング151はレンズユニット200を機械的に保持する。そのため、ボディマウントリング151は強度が要求される。ボディマウントリング151は、金属で形成されているのが好ましい。ボディマウント接点保持部152は、複数の電気接点153を有する。電気接点153は、レンズマウント250が有する電気接点253とそれぞれ電気的に接続している。そして、ボディマウント150の電気接点153とレンズマウント250の電気接点253とによりボディマウント150とレンズマウント250とは電気的に接続可能である。また、ボディマウント150の電気接点153とレンズマウント250の電気接点253とにより電力、データおよび/または制御信号を送受信する。ボディマウント接点保持部152は、ボディマウントリング151とシャッターユニット190との間に配置されている。ボディマウント接点保持部152は、開口部を有する。開口部の径は、ボディマウントリングの内径よりも小さい。ボディマウント接点保持部152はレンズユニット200のカメラ本体100への進入を保護する保護部材の一例である。
【0029】
シャッターユニット190は、いわゆるフォーカルプレーンシャッターである。シャッターユニット190は、ボディマウント150とCMOSイメージセンサー110との間に配置される。シャッターユニット190は、後幕190Aと、先幕190Bと、シャッター保持枠190Cとを有する。シャッター保持枠190Cは、開口部190Dを有する。シャッターユニット190は、開口状態を機械的に保持することができる。そして、シャッターユニット190は、カメラ本体100の電源が停止した状態で機械的に開口状態が保持されるようにカメラコントローラー140により制御されるという点が特徴的である。機械的に保持するとは、電気の力を使わずに開口状態を保持するという概念である。例えば、物と物とを係合するものや、永久磁石によって保持するものである。以下、シャッターユニット190の実施形態の一例を図6Aから図6Dを用いて説明する。図6Aは、シャッターユニット190の閉口状態の模式図である。図6Bは、シャッターユニット190の開口状態の模式図である。図6Cは、シャッターユニット190の走行準備状態の模式図である。図6Dは、シャッターユニット190の走行中の模式図である。
【0030】
図6Aを用いて閉口状態を説明する。後幕190Aは第1バネ190Eによって、上方向、すなわち開口部190Dから退避する方向に付勢されている。また、先幕190Bは第2バネ190Fによって、上方向、すなわち開口部190Dを遮蔽する方向に付勢されている。後幕走行部材190Gには、第1吸着片190Hが取り付けられている。また、後幕走行部材190Gは、上下方向に移動可能であり、第3バネ190Iによって下方向に付勢されている。先幕走行部材190Jには、第2吸着片190Kが取り付けられている。また、先幕走行部材190Jは、上下方向に移動可能であり、第4バネ190Lによって下方向に付勢されている。第3バネ190Iは第1バネ190Eよりも、付勢力が強い。また、第4バネ190Lは第2バネ190Fよりも付勢力が強い。第1バネ190E、第2バネ190F、第3バネ190I、および、第4バネ190Lは、例えば、シャッター保持枠190Cなどに取り付けられている。
【0031】
第1電磁コイル190Mと第1吸着片190H、第2電磁コイル190Nと第2吸着片190Kが接触した状態で、第1電磁コイル190M、第2電磁コイル190Nに通電すると、第1電磁コイル190Mと第1吸着片190H、第2電磁コイル190Nと第2吸着片190Kがそれぞれ吸着可能である。第1電磁コイル190M、第2電磁コイル190Nは例えば、保持枠190Cなどに取り付けられている。閉口状態(図6A)では、第1電磁コイル190Mおよび第2電磁コイル190Nに通電していない。
【0032】
後幕190Aと先幕190Bは上下方向に移動可能である。後幕190Aには第1系合部190Pが設けられており、先幕190Bには第2係合部190Qが設けられている。後幕走行部材190Gの下部と第1系合部190Pの上部は接触するようになっている。第1系合部190Pの上下以上範囲の上端は後幕走行部材190Gの位置によって決まる。
【0033】
チャージ部材190Rは上下方向に移動可能であり、第5バネ190Sによって下方向に付勢されている。チャージ部材190Rは第1ピン190Tを有し、カム部材190Uによって駆動されるチャージレバー190Vに係合している。カム部材190Uはシャッターモーター(図示省略)によって回転可能である。閉口状態(図6A)では、カム部材190Uがチャージレバー190Vの第2ピン190Wに力を与えていない。そのため、チャージ部材190Rとチャージレバー190Vは第5バネ190Sの力によって下に位置している。
【0034】
チャージ部材190Rは後幕走行部材190Gの下側および先幕走行部材190Jの下側と接触可能である。閉口状態(図6A)では、チャージ部材190Rが下側にあるため、第3バネ190Iおよび、第4バネ190Lの付勢力によって、後幕190Aは、第1バネ190Eの付勢力に抗して、開口部190Dを遮蔽し、先幕190Bは、第2バネ190Fの付勢力に抗して、開口部190Dから退避している。
【0035】
チャージ部材190Rの第3ピン190Xは、回転レバー190Yと係合している。回転レバー190Yは回転軸がシャッター保持枠190Cに固定され、第3ピン190Xとの係合部がチャージ部材190Rとともに上下移動することで回転する。回転レバー190Yの係合部と反対側の自由端部190Zは、係合部と上下方向が反対の動きをする。自由端部190Zは、先幕190Bの第2係合部190Qの上側と接触可能な軌跡を描くように構成している。閉口状態(図6A)では、自由端部190Zは上に位置し、先幕190Bの第2係合部190Qは自由端部190Zと係合していない。
【0036】
このように、シャッターユニット190は、閉口状態(図6A)を機械的に保持可能である。
【0037】
次に、図6Bを用いて開口状態を説明する。閉口状態(図6A)から、カム部材190Uがシャッターモーター(図示省略)によって右回りに回転すると、カム部材190Uに係合した第2ピン190Wを押圧し、チャージレバー190Vが左回りに回転する。このとき、チャージレバー190Vとチャージ部材190Rの第1ピン190Tが接触しているため、チャージ部材190Rは第5バネ190Sの付勢力に抗して、上方向に動かされる。そして、チャージ部材190Rが後幕走行部材190Gの下側および先幕走行部材190Jの下側から接触し、後幕走行部材190Gと先幕走行部材190Jが上方向に押し上げられる。すると、第1バネ190Eおよび第2バネ190Fの力によって後幕190Aの第1系合部190Pの上部は後幕走行部材190Gの下側に、先幕190Bの第2係合部190Qの上部は先幕走行部材190Jの下側に接触した状態で上方向へと移動する。
【0038】
チャージ部材190Rが上へ移動すると、同時に回転レバー190Yは右周りに回転し、ある程度チャージ部材190Rの上への移動が進むと回転レバー190Yの自由端部190Zが先幕190Bの第2係合部190Qに上から接触し、先幕190Bは回転レバー190Yに押し戻され下方向へと移動する。カム部材190Uが図6Bに示す位置まで回転して停止すると、各部材も図6Bに示す状態となる。この状態では、チャージレバー190Vの第2ピン190Wが、カム部材190Uの回転中心と同心のカム面に乗り上げるため、チャージ部材190Rに加わる第5バネ190S、第3バネ190Iおよび、第4バネ190Lの付勢力によって、カム部材190Uに回転力を与えないため、シャッターモーターに通電しなくても、カム部材190Uと第2ピン190Wはこの状態を保持し、チャージ部材190Rは上に位置した状態で保持される。そして、後幕走行部材190Gおよび後幕走行部材190Gはチャージ部材190Rによって、第1吸着片190Hは、第1電磁コイル190Mに、第2吸着片190Kは、第2電磁コイル190Nに吸着可能に押し付けられた状態で保持される。後幕190Aは、第1バネ190Eの力によって、上の位置、すなわち、開口部190Dから退避した状態で保持される。また、回転レバー190Yは右方向に回転し自由端部190Zが下に位置した状態で保持されるため、先幕190Bは自由端部190Zによって下の位置、すなわち、開口部190Dから退避した状態で保持される。このとき、第1電磁コイル190Mおよび第2電磁コイル190Nには通電していない。このように、シャッターユニット190は、機械的に開口状態が保持されることで、シャッターユニット190が開口状態(図6B)となり、CMOSイメージセンサー110への光路が開かれる。このようにシャッターユニット190は電力の供給がなくても開口状態(図6B)を機械的に保持できる。
【0039】
次に、図6Cを用いて走行準備状態を説明する。撮影者がカメラ本体100のレリーズ釦131を押し込むと、第1電磁コイル190Mと第2電磁コイル190Nに通電し、第1電磁コイル190Mは第1吸着片190Hと吸着し、第2電磁コイル190Nは第2吸着片190Kと吸着する。その後、カム部材190Uが右方向に回転し図6Cに示す状態となる。すると、チャージレバー190Vおよびチャージ部材190Rの機械的な保持が解除され、チャージ部材190Rは第5バネ190Sの力によって下側に移動する。第1電磁コイル190Mと第2電磁コイル190Nの吸着力によって後幕走行部材190Gおよび先幕走行部材190Jは上に位置したままである。そして、後幕190Aは第1バネ190Eの力によって開口状態を保持している。
【0040】
さらに、回転レバー190Yは左回りに回転し、自由端部190Zと第2係合部190Qの接触が解除される。そして、先幕190Bは第2バネ190Fの力によって第2係合部190Qと先幕走行部材190Jが接触する位置まで上昇する。すなわち、先幕190Bは開口部190Dを遮蔽する。そして、先幕190Bは遮蔽状態を保持している。チャージ部材190Rは、後幕走行部材190Gおよび先幕走行部材190Jの下方向の走行経路から退避している。
【0041】
次に、図6Dを用いて走行中の状態を示す。走行中にはカム部材190U、チャージレバー190V、チャージ部材190Rおよび回転レバー190Yの動きに変化はない。走行準備状態(図6C)から、第2電磁コイル190Nへの通電を遮蔽すると、第2電磁コイル190Nと第2吸着片190Kとの吸着力が解除される。すると、先幕190Bにかかる第2バネ190Fによる上方向の力よりも先幕走行部材190Jを介して先幕190Bに及ぼされる第4バネ190Lによる下方向の力が大きいことによって、先幕190Bは下方向、すなわち開口部190Dを開口する方向に走行する。先幕190Bの走行を開始した後、第1電磁コイル190Mへの通電を遮蔽すると、第1電磁コイル190Mと第1吸着片190Hとの吸着力が解除される。そして、後幕190Aにかかる第1バネ190Eによる上方向の力よりも後幕走行部材190Gを介して及ぼされる第3バネ190Iによる下方向の力の方が大きいことによって、後幕190Aは下方向、すなわち開口部190Dを遮蔽する方向に移動する。先幕190Bと後幕190Aとは隙間Sを有したまま走行する。移動が完了すると、閉口状態(図6A)になる。
【0042】
先幕190Bと後幕190Aの隙間sを通った光がCMOSイメージセンサー110に入射する。先幕190Bと後幕190Aの隙間sの間隔を有する開口部が紙面上から下に移動することで、CMOSイメージセンサー110全体を露光する。隙間sを適宜調整することでCMOSイメージセンサー110の露光時間を制御することが可能となっている。先幕190Bの保持の解除から後幕190Aの解除までの時間を制御することにより、隙間sを制御している。具体的には、先幕190Bの保持の解除から後幕190Aの解除までの時間を露光したい時間にする。
【0043】
再びCMOSイメージセンサー110による動画像の撮影等を行う場合は、遮光状態(図6A)からカム部材190Uを回転して開口状態(図6B)に移行する。
【0044】
なお、上述の構成は、開口状態を機械的に保持するシャッターユニットの一例である。また、カム部材190U、チャージレバー190V、チャージ部材190R、回転レバー190Yおよび第1バネ190E等は、シャッターユニットの開口状態を保持するメカロック機構の一例である。
【0045】
光学的ローパスフィルタ114は、被写体光の高周波成分を取り除く。具体的には、光学的ローパスフィルタは114は、レンズユニット200により結像する被写体像をCMOSイメージセンサー110の画素のピッチよりも荒い解像となるように分離する。一般的にCMOSイメージセンサー等の撮像素子は、各画素にベイヤー配列と呼ばれるRGB色のカラーフィルターやYCM色の補色カラーフィルターが配されている。従って、1画素に解像してしまうと偽色が発生するばかりでなく、繰り返しパターンの被写体では醜いモアレ現象が発生する。さらに光学的ローパスフィルタ114には、赤外光をカットするためのIrカットフィルタ機能も併せ持たせている。
【0046】
振動板115は、CMOSイメージセンサー110よりも前に配置され、CMOSイメージセンサー110への埃の付着を防ぐ。また、振動板115自身に付着した埃を振動により振り落とす。具体的には、振動板115は、透明の薄い板状部材が圧電素子を介して他の部材に固定された構成である。そして、圧電素子に交流電圧を印加して圧電素子を振動させ、板状部材を振動させる。振動板115の前面には、防曇層が形成されている。具体的には、酸化チタン等の透明な光触媒が塗布されている。なお、防曇層は、光学的ローパスフィルタ114の前面、または、CMOSイメージセンサー110の前面にも形成してもよい。すくなくとも、レンズユニット200からCMOSイメージセンサー110までの光路に配置されるレンズユニット200からの光を透過する部材のうち、最も前方に配置される部材の前面に防曇層を設けるのが好ましい。本実施形態では、レンズユニット200からCMOSイメージセンサー110までの光路に配置されるレンズユニット200からの光を透過する部材のうち、最も前方に振動板115を配置した。これにより、シャッターユニット190が開口状態であっても、ボディマウント150から進入した唾液等の水、または、油等が光触媒である酸化チタンにより振動板115の表面から容易に除去できる。具体的には、酸化チタンに光が当ることにより、電子が飛び出し、強力な酸化力を持つ。この強力な酸化力を持った表面が、空気中の水酸化物イオンから電子を奪い、水酸化物イオンは非常に不安定な水酸化ラジカルとなる。水酸化ラジカルもまた強力な酸化力を持つため、近くにある有機物から電子を奪い、有機物は二酸化炭素と水分となり、空気中に放出される。また、振動板115を振動させることによりその効果はさらに顕著なものとなる。さらに、光触媒は、酸化チタンのような紫外線を吸収するものや、赤外線を吸収するものが好ましい。これらは可視光を透過するため、CMOSイメージセンサー110に到達する可視光の減少を抑えることができるからである。
【0047】
NDフィルターユニット172は、ボディマウント150とCMOSイメージセンサー110との間に配置している。
【0048】
NDフィルターユニット172は、NDフィルター172Aの一端を固定した第一巻き取り軸172Kと、第一巻き取り軸172Kを、NDフィルター172Aを巻き取る方向に付勢する巻取りばね172Lと、NDフィルター172Aの他の一端を固定するシャフト172Dと、NDフィルター172Aより外側で、シャフト172Dに一端を固定した2本のリボン172Bと、前記リボン172Bを巻き取ることで巻取りばね172Lの付勢力に抗して、NDフィルター172Aも巻き取ることが可能な第ニ巻取り軸172Iとを備える。第一巻き取り軸172Kと第ニ巻取り軸172Iは開口部190Dを挟んで配置している。シャフト172Dの一端は、NDフィルター172Aの巻取り過程において、遊星ロック連動レバー172C回転軌跡内を通過するように構成している。遊星ロック連動レバー172Cはスナップアクションばね172Mと連結している。シャッターモータ161Aは、第一の回転方向で前記シャッターユニットのチャージ動作を行う。従って、もう一方の第ニの回転方向の駆動力を得るために、減速ギヤ161Bを介して、太陽ギヤ172E、遊星キャリア172F、遊星ギヤ172Gで構成する遊星ギヤ機構をからなる。
【0049】
図7Aから図7Fを用いて、NDフィルターユニットの作動を説明する。
【0050】
図7AはNDフィルター172Aの構成例で、前述シャフト172Dを挟んで左側がリボン172B,右側がNDフィルター172Aとなる。図7Aでは便宜上、撮影時に使用する開口部の位置を移動して描いている。190D1の位置では、高解像度な静止画を撮影するため、完全にスルーの状態を確保する位置であり、前記2本のリボン172Bの間に位置している。190D2の位置では、動画撮影であるが被写体光量の減衰の必要のない場合に用いる。つまり、無減衰領域となる。190D3の位置では、光量過多であるために減衰が望ましい状態に使用し、NDフィルター効果を有する領域である。本実施例では、ND効果領域を一箇所にしているが、複数個所設けることも可能である。NDフィルター172Aの領域172A1は、上記無減衰領域とND効果領域を漸近的に変化するようにグラデーション処理を施している。これにより、動画中のNDフィルター172Aの移動時に、急激な輝度変化が起こらないようにしている。位置検出器172Nは、NDフィルター172Aの位置を検出するための検出器である。
【0051】
図7Bは、静止画撮影状態を示す。従って、開口部190Dは2本のリボン172Bの間に位置し、レンズユニットからの被写体像光路には何もない状態である。
【0052】
静止画撮影状態では,シャッターユニット190を駆動する必要があるため,シャッターモータ161Aは常に右回転によって,前述のシャッターユニット190のチャージ動作及び,走行準備状態へ駆動制御される。ギヤ161Bは左回転し,遊星機構の太陽ギヤ172Eが右回転する。図に示すように太陽ギヤ172Eと遊星キャリア172Fはバネにより負荷が与えられているため,遊星キャリア172Fは右回転する。従って,遊星172Gが左方向に自転しながら,太陽ギヤ172Eの周りを遊星キャリア172Fが,ストッパー172H1に当接するまで,右方向に公転する。この状態で,遊星ギヤ172Gとカム部材190Uギヤ部との噛み合いが確保される。
【0053】
図7Cは,上記状態からシャッターモータ161Aが反転(左回転)した直後の図である。撮影者が動画モードを選択したとき、シャッターモータ161Aは,左回転し,ギヤ161Bを介して、前記遊星ギヤ機構は,遊星キャリア172Fとストッパー172H2が当接するまで左方向に回転する。この状態で、遊星ギヤ172Gと第ニ巻き取り軸172Iのギヤとの噛み合いが確保される。
【0054】
第ニ巻き取り軸172Iは、左回転を開始し、リボン172Bを巻き取り始める。それに連動し、シャフト172DとNDフィルター172Aは左方向に動き始める。図7Cでは、シャフト172Dが遊星ロック連動レバー172Cの突起172C1と当接した状態である。この位置からさらに第ニ巻き取り軸が左回転すると、シャフト172Dが遊星ロック連動レバー172Cの突起172C1をスナップアクションばね172Mの付勢力に抗して、遊星ロック連動レバー172C左回転する。その動きに連動し、遊星ロックレバー172Dが右回転し、遊星キャリア172Fをロックする。
【0055】
さらに駆動が続くと、図7Dに示すように、開口部190DがNDフィルター172Aによって完全に覆われた状態になる。このとき、NDフィルター172A、シャフト172D、第一巻き取り軸172K、または第ニ巻き取り軸172Iのいずれかの位置を検知するPIなどの検知スイッチ(不図示)の検出により、シャッターモータ161Aの駆動を停止する。このとき、第一巻き取り軸172Kの、巻取りばね172Lのばね力によって、NDフィルター172Aを巻き取ろうとするが、遊星ギヤ172Gが遊星キャリア172Fをストッパー172H2に押し付ける方向に動こうとするため、動くことが出来ず、保護板172Aは開口部190Dを覆った状態で保持される。
【0056】
遊星ギヤ172Gの回転中心にある突起172G1は、第ニ巻き取り軸172Iのギヤのさらに外側にある円弧状突起172I1の内周に当接した状態となる。この状態で、シャッターモータ161Aがどちらの方向に回転しても、遊星キャリア172Fは動くことが出来ず、回転力を常に第ニ巻き取り軸172Iに伝えることが出来る。
【0057】
ここで、撮影者が動画撮影を開始することが可能となり、動画撮影中に、被写体輝度が高くなったときは、シャッターモータ161Aがさらに左回転してND効果領域に移動することが出来る。また、被写体輝度が下がったときは、シャッターモータ161Aを右回転する。このとき、遊星キャリア172Fは、遊星ロックレバー172Dにロックされているため、第ニ巻き取り軸172Iは両方向回転が可能となる。従って、第ニ巻き取り軸172Iを左回転するときは、第一巻き取り軸172Kの巻取りばね172Lのばね力によって、NDフィルター172Aを巻き取ることが可能であり、被写体輝度に応じて自由にNDフィルター172Aを位置検出器172Nの出力を検出しながら制御することが可能である。
【0058】
図7Eは、動画撮影を終了し、静止画撮影モードに戻すときの動きを示している。
【0059】
シャッターモータ161Aを右回転すると、遊星キャリア172Fが右回転しようとするが、遊星ロックレバー172Dによりロックされているため、第ニ巻き取り軸172Iを左回転させ、第一巻き取り軸172Kの巻取りばね172Lのばね力によって、NDフィルター172Aを巻き取らせている。図7Eでは、シャフト172Dが遊星ロック連動レバー172Cの突起172C2と当接した状態である。この位置からさらに第ニ巻き取り軸が右回転すると、シャフト172Dが遊星ロック連動レバー172Cの突起172C2をスナップアクションばね172Mの付勢力に抗して、遊星ロック連動レバー172C右回転する。その動きに連動し、遊星ロックレバー172Dが左回転し、遊星キャリア172Fのロックを解除する。さらに、シャッターモータ161Aの右回転を続けると遊星キャリア172Fは右回転しようとするが、上述の第ニ巻き取り軸172Iのギヤのさらに外側にある円弧状突起172I1に遊星ギヤ172Gの回転中心にある突起172G1が当接しているため、該円弧状突起172I1が無くなる位置まで、第ニ巻き取り軸172Iの左回転を継続する。
【0060】
これにより、第一巻き取り軸172Kの巻取りばね172Lのばね力によって、NDフィルター172Aを急激に巻き取り、NDフィルター172Aに負荷を与えることなく、緩やかに巻取りが可能となる。巻き取り完了寸前に前記円弧状突起172I1から、突起172G1が退避可能となり、図7Fの状態となる。この状態で、NDフィルター172Aの第一巻き取り軸172Kへの巻取りがほぼ完了している。
【0061】
(1−3:レンズユニットの構成)
レンズユニット200は、光学系とレンズコントローラー240とレンズマウント250と絞りユニット260とレンズ筒290とを備える。レンズユニット200の光学系はズームレンズ210、OISレンズ220、および、フォーカスレンズ230を含む。光学系は、レンズ筒290の内部に収容されている。また、レンズ筒の外部には、ズームリング213とフォーカスリング234とOISスイッチ224とが設けられている。
【0062】
ズームレンズ210は、レンズユニット200の光学系で形成される被写体の光学像(以下、被写体像ともいう)の倍率、すなわち、光学系の焦点距離を変化させるためのレンズである。ズームレンズ210は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。ズームレンズ210は、光学系の第1レンズ群L1と第2レンズ群L2とを含む。ズームレンズ210は、光学系の光軸AXと平行な方向に移動することにより焦点距離を変化させる。
【0063】
ズームリング213は筒状の部材であり、レンズ筒290の外周面で回転可能である。ズームリング213は、焦点距離を操作するズーム操作部の一例であり、操作後の位置に応じて焦点距離が決定されるズーム操作部の一例である。
【0064】
駆動機構211は、使用者によりズームリング213が操作されると、当該操作をズームレンズ210に伝え、ズームレンズ210を光学系の光軸AX方向に沿って移動させる。一例として、駆動機構211はカム機構を有し、ズームリング213の回転動作をズームレンズ210の直進動作に変換する。駆動機構211は、ズームレンズ駆動手段の一例である。
【0065】
検出器212は、駆動機構211における駆動量を検出する。レンズコントローラー240および/またはカメラコントローラー140は、この検出器212における検出結果を取得することにより、光学系における焦点距離を把握することができる。また、レンズコントローラー240および/またはカメラコントローラー140は、この検出器212における検出結果を取得することにより、ズームレンズ(L1,L2等)のレンズユニット200内での光軸AX方向の位置を把握することができる。なお、駆動機構211は、ズームレンズ210を光軸AX方向に沿って移動できればよい。例えば、駆動機構211は、ズームリング213等の操作部の回転位置に従ってモータ等の駆動力発生部からの駆動力をズームレンズ210に伝え、ズームレンズ210をズームリング213の回転位置に対応する光軸AX方向の位置に移動するものであってもよい。
【0066】
OISレンズ220は、レンズユニット200の光学系で形成される被写体像のぶれを補正するためのレンズである。具体的には、OISレンズ220は、カメラシステム1のぶれによって生じる被写体像のぶれを補正する。OISレンズ220は、カメラシステム1のぶれを相殺する方向に移動することにより、CMOSイメージセンサー110と被写体像との相対的なぶれを小さくする。具体的には、OISレンズ220は、カメラシステム1のぶれを相殺する方向に移動することにより、CMOSイメージセンサー110上の被写体像のぶれを小さくする。OISレンズ220は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。アクチュエータ221は、OIS用IC223からの制御を受けて、光学系の光軸AXに垂直な面内でOISレンズ220を駆動する。
【0067】
アクチュエータ221は、例えば、マグネットと平板コイルとで実現可能である。位置検出センサー222は、光学系の光軸AXに垂直な面内におけるOISレンズ220の位置を検出するセンサーである。位置検出センサー222は、例えば、マグネットとホール素子で実現可能である。OIS用IC223は、位置検出センサー222の検出結果及びジャイロセンサーなどのぶれ検出器の検出結果に基づいて、アクチュエータ221を制御する。OIS用IC223は、レンズコントローラー240からぶれ検出器の検出結果を得る。また、OIS用IC223は、レンズコントローラー240に対して、光学的像ぶれ補正処理の状態を示す信号を送信する。
【0068】
なお、OISレンズ220は、ぶれ補正部の一例である。カメラシステム1のぶれによって生じる被写体像のぶれを補正する手段として、CCDからの画像データに基づいて補正した画像データを生成する電子式ぶれ補正を適用してもよい。また、カメラシステム1のぶれによって生じるCMOSイメージセンサー110と被写体像との相対的なぶれを小さくする手段として、CMOSイメージセンサー110を光学系の光軸AXと平行な垂直な面内で駆動する構成としてもよい。
【0069】
OISスイッチ224は、OISを操作するための操作部の一例である。OISスイッチ224をOFFにするとOISレンズ220は動作しない。OISスイッチ224をONにするとOISレンズ220は動作可能となる。
【0070】
フォーカスレンズ230は、光学系がCMOSイメージセンサー110上に形成する被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ230は、1枚又は複数枚のレンズで構成される。ズームレンズ210は、光学系の光軸AXと平行な方向に移動することにより被写体像のフォーカス状態を変化させる。
【0071】
フォーカスモータ233は、レンズコントローラー240の制御に基づいて、フォーカスレンズ230が光学系の光軸AXに沿って進退するよう駆動する。これにより、光学系によりCMOSイメージセンサー110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させることができる。フォーカスモータ233は、ズームレンズ210の駆動から独立してフォーカスレンズ230を駆動することができる。具体的には、フォーカスモータ233は、第2レンズ群L2を基準に、フォーカスレンズ230を光軸AX方向に駆動する。言い換えると、フォーカスモータ233は、第2レンズ群L2とフォーカスレンズ230との光軸AX方向の相対距離を変更可能である。フォーカスレンズ230とフォーカスモータ233とは第2レンズ群L2とともに光軸AX方向に移動する。従って、ズーム動作により第2レンズ群L2が光軸AX方向に移動すると、フォーカスレンズ230およびフォーカスモータ233も光軸AX方向に移動する。また、第2レンズ群L2が光軸AX方向に静止している状態でも、フォーカスモータ233は第2レンズ群L2を基準に、フォーカスレンズ230を光軸AX方向に駆動することができる。フォーカスモータ233は、DCモータやステッピングモータ、サーボモータ、超音波モータなどによって実現できる。フォーカスモータ233は、フォーカスレンズ駆動手段の一例である。
【0072】
相対位置検出器231及び絶対位置検出器232は、フォーカスレンズ230の駆動状態を示す信号を生成するエンコーダである。相対位置検出器231は、磁気スケールと磁気センサーとを有し、磁気の変化を検出し磁気の変化に応じた信号を出力する。磁気センサーは、例えばMRセンサーである。絶対位置検出器232は、第2レンズ群L2に対するフォーカスレンズ230の原点位置を検出する原点検出器である。絶対位置検出器232は、例えばフォトセンサである。レンズコントローラー240は、絶対位置検出器232からの信号によりフォーカスレンズ230が原点にあることを認識する。このとき、レンズコントローラー240は、内部に設けたカウンタ243を値セットする。このカウンタ243は、相対位置検出器231から出力される信号により磁気変化の極値をカウントする。そして、フォーカスレンズ230を光軸AXと平行な第1の方向に移動するときに磁気変化の極値が検出されると、カウントを「+1」する。また、フォーカスレンズ230を光軸AXと平行な第1の方向と反対の第2の方向に移動するときに磁気変化の極値が検出されると、カウントを「−1」する。このようにして、レンズコントローラー240は、絶対位置である原点位置からの相対位置を検出することにより、第2レンズ群L2に対するフォーカスレンズ230の光軸AX方向の位置を把握可能である。また、上述のとおり、レンズコントローラー240は、第2レンズ群L2のレンズユニット200内での光軸AX方向の位置を把握可能である。従って、レンズコントローラー240は、フォーカスレンズ230のレンズユニット200内での光軸AX方向の位置を把握可能である。相対位置検出器231及び絶対位置検出器232は、フォーカスレンズ位置検出手段の一例である。フォーカスレンズ位置検出手段は、フォーカスレンズの位置を直接検出するものでもよく、フォーカスレンズに連動する機構部材の位置を検出するものでもよい。
【0073】
絞りユニット260は、光学系を透過する光の量を調整する光量調整部材である。絞りユニット260は、光学系を透過する光の光線の一部を遮蔽可能な絞り羽根と、絞り羽根を駆動しその遮蔽量を変更して光量を調整する絞り駆動部とを有する。カメラコントローラー140は、CMOSイメージセンサー110が受けた光の量、静止画撮影を行うのか動画撮影を行うのか、絞り値が優先的に設定される操作がされているか等に基づいて、絞りユニット260に動作を指示する。
【0074】
レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140からの制御信号に基づいて、OIS用IC223やフォーカスモータ233などのレンズユニット200全体を制御する。また、検出器212、OIS用IC223、相対位置検出器231、原点位置検出器232などから信号を受信して、カメラコントローラー140に送信する。レンズコントローラー240は、カメラコントローラー140との送受信を、レンズマウント250及びボディマウント150を介して行う。レンズコントローラー240は、制御の際、DRAM241をワークメモリとして使用する。また、フラッシュメモリ242は、レンズコントローラー240の制御の際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
【0075】
(2:動作)
(2−1:静止画撮影動作)
操作部130の操作により、静止画撮影モードが選択されると、カメラコントローラー140は、動画撮影を行うようにCMOSイメージセンサー110を制御する。撮影された動画像は、カメラモニタ120またはEVF180に表示される。このとき、動画像はメモリーカード171には記録されない。使用者は、カメラモニタ120またはEVF180によって構図を決定する。AE制御およびAF制御は、CMOSイメージセンサー110からの画像データに基づいて行われる。このとき、シャッターユニット190は、開口状態を機械的に保持する。具体的には、後幕190Aをメカロック機構により開口状態(図6B)で保持する。
【0076】
レリーズ釦131が操作されると、シャッターユニット190を上述のように駆動し、走行準備状態(図6C)を経て後幕190Aおよび先幕190Bを走行し(図6D)、CMOSイメージセンサー110を露光する。そして、画像データを取得する。カメラコントローラー140は画像データに所定の画像処理を施し、画像データまたは動画データをメモリーカード171に記録する。その後、カメラコントローラー140は、シャッターユニット190を、開口状態を機械的に保持するように制御する。具体的には、シャッターモーター(図示省略)によって、カム部材190Uを図6Bに示す位置まで回転し、図6Bに示す開口状態を保持する。よって、静止画撮影モードの途中で電源160からの電力の供給が停止されても、その後電源160からの電力の供給が停止した状態で、シャッターユニット190は開口状態を保持することができる。
【0077】
(2−2:動画撮影動作)
操作部130の操作により、動画撮影モードが選択されると、カメラコントローラー140は、NDフィルターユニット172を無減衰領域が開口部190Dを覆う位置(図7A 190D2位置)にシャッターモータ161Aを制御する。続いて、カメラコントローラー140は、動画撮影を行うようにCMOSイメージセンサー110を制御する。撮影された動画像は、カメラモニタ120またはEVF180に表示される。このとき、動画像はメモリーカード171には記録されない。使用者は、カメラモニタ120またはEVF180によって構図を決定する。AE制御およびAF制御は、CMOSイメージセンサー110からの画像データに基づいて行われる。
【0078】
操作部130が操作され動画記録の開始が指示されると、カメラコントローラー140はCMOSイメージセンサー110からの画像信号から、ホワイトバランスの調整、および適正露出の計算を行う。計算された適正露出に応じて、レンズユニット200の絞りユニット260とNDフィルターユニット172を制御し、適正露出であり、かつ、作画意図に応じた制御を開始する。カメラコントローラー140はCMOSイメージセンサー110からの動画データに所定の処理を施し、動画データまたは動画ファイルをメモリーカード171に記録する。操作部130が操作され動画記録の停止が指示されると、カメラコントローラー140は動画データまたは動画ファイルの記録を停止する。その後、電源160からの電力の供給が停止、または動画撮影モードから抜ける指示がされると、NDフィルターユニット172を2本のリボン172B間に開口部190Dが来る位置(図7A 190D1位置)にシャッターモータ161Aを制御する。
【0079】
この間、カメラコントローラー140は、シャッターユニット190を、開口状態を機械的に保持するように制御する。具体的には、シャッターユニット190を図6Bに示す開口状態で保持する。したがって、動画撮影モードの途中で電源160からの電力の供給が停止されても、その後電源160からの電力の供給が停止した状態で、シャッターユニット190は開口状態(図6B)を保持することができる。
【0080】
(2−3:再生動作)
操作部130の操作により、再生モードが選択されると、カメラコントローラー140はメモリーカード171から取得した画像データ、画像ファイル、動画データ又は動画ファイルを伸張して表示用画像データ又は表示用動画データを生成する。カメラモニタ120またはEVF180は表示用画像データ又は表示用動画データを表示する。
【0081】
この間、カメラコントローラー140は、シャッターユニット190を、開口状態を機械的に保持するように制御する。具体的には、シャッターユニット190を図6Bに示す開口状態で保持する。したがって、再生モードの途中で電源160からの電力の供給が停止されても、その後電源160からの電力の供給が停止した状態で、シャッターユニット190は開口状態を保持することができる。
【0082】
(2−4:その他の動作)
その他の動作モード、例えばカメラの各種設定を行うモードにおいても、基本的に、カメラコントローラー140は、シャッターユニット190を、開口状態を機械的に保持し、NDフィルターユニット172を、図7Bの状態にするように制御する。したがって、不意にカメラ本体100の電源160からの電力の供給が停止されても、その後電源160からの電力の供給が停止した状態で、シャッターユニット190は開口状態を保持し、静止画撮影が可能な図7B状態にすることができ、シャッターチャンスを逃すことないようにできる。
【0083】
<その他の実施の形態>
以上により、実施形態を説明した。しかし、本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施形態を本欄にまとめて説明する。
【0084】
(A)
実施形態では、シャッターユニット190は、後幕190Aと先幕190Bとを有していたが、先幕190Bを有していないものでもよい。この場合、先幕190Bと同様の機能をCMOSイメージセンサー110の駆動制御により実現する。具体的には、CMOSイメージセンサー110は、各画素の電荷を上のラインから順次リセットする。そして、各ラインのリセット動作が下に移動するのを追いかけるように後幕190AがCMOSイメージセンサー110への光を上のラインから順に遮蔽する。このようにすれば、各画素は、リセットされてから入射光が遮光されるまでの期間に露光された分の電荷を蓄積する。なお、この場合においても、後幕190Aは機械的に開口状態を保持できるようにしている。
【0085】
(B)
また、シャッターユニット190を設けず、CMOSイメージセンサー110の駆動制御によりシャッターユニット190と同様の機能を実現してもよい。具体的には、CMOSイメージセンサー110は、各画素の電荷を上のラインから順次リセットする。そして、各ラインのリセット動作が下に移動するのを追いかけるように、上のラインから順次各画素の電荷を読み出す。このようにすれば、各画素は、リセットされてから電荷が読み出されるまでの期間に露光され、取得した電荷によって画像データが形成できる。
【0086】
(C)
実施形態では、電源が停止した状態でシャッターユニット190が開口状態を保持するため、各種モードにおいて、基本的に、カメラコントローラー140はシャッターユニット190の開口状態を機械的に保持する。これに限られず、各種モード、例えば再生モードにおいてシャッターユニット190を閉口状態としてもよい。この場合、カメラコントローラー140は、電源スイッチ132がOFFに操作されたことを検知すると、シャッターユニット190の開口状態を機械的に保持するように制御する。そして、電源が停止した状態でシャッターユニット190の開口状態が保持されるようにする。また、シャッターユニット190を閉口状態としている場合、レンズユニット200が外されたことを検知して、カメラコントローラー140がシャッターユニット190の開口状態を機械的に保持するように制御するのが好ましい。
【0087】
(D)
防曇層は指紋のつきにくい多層膜ARコートなどでもよい。
【0088】
(E)
実施形態では、カメラモニタ120とEVF180の両方を有していたが、カメラモニタ120とEVF180の一方のみを有する構成でもよい。
【0089】
(F)
実施形態では、OISレンズ220を有する構成を例示したが、これは、本発明に必須の構成ではない。すなわち、手振れ補正機能を有することのない交換レンズを装着したカメラシステムにも本発明は適用可能である。
【0090】
(G)
電気接点153は、ボディマウントリング151により保持されてもよい。例えば、電気接点153を、ボディマウントリング151の内周と外周の間に設けても良い。
【0091】
(H)
実施形態では、NDフィルター172Aをフィルム状で巻き取り可能に構成している。これに限らず、NDフィルターをハードフィルターで構成し、スライド移動できるようにガイドした上で、例えば、実施形態の巻き取り軸172Iにピニオンギヤを別途設け、NDフィルターにラック設け、ラックピニオン方式で駆動しても良い。このとき、レバー172Cを回転できるよう、NDフィルターから突起を設けておけばよい。
【0092】
(I)
実施形態では、静止画撮影時リボン172B間に開口部190Dが来るように構成したが、図7Aに示す190D2の状態で停止させても良い。
【0093】
(J)
実施形態では、NDフィルター172Aはシャッターユニット190の被写体側に嘉一したが、ボディマウントリング151からCMOSイメージセンサー110までの間のどこに配置しても良い。
【0094】
<実施形態の特徴>
上記実施形態において特徴的な部分を以下に列記する。なお、上記実施形態に含まれる発明は以下に限定されるものではない。
【0095】
(1)
撮像装置は、
着脱可能なレンズユニットを保持するボディマウントと、
被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されるシャッターユニットと、
前記シャッターユニットを駆動するモータと、
前記モータからの駆動力を切り替え可能な出力切り替え機構と、
前記出力切り替え機構の切り替え状態を保持する保持機構と、
レンズユニットからの被写体光量を減衰するNDフィルターと、
動画撮影モードを選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段が動画撮影モードを選択したとき、前期NDフィルターを駆動可能に前記モータと前記保持機構を制御するボディ制御部と、
を備える。
【0096】
(2)
上記(1)に記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターは、フィルム状である。
【0097】
(3)
上記(2)に記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターは、無減衰領域と少なくとも1つの減衰領域と、隣り合う前記各領域の減衰値が徐々に変化するグラデーション領域をもつ。
【0098】
(4)
上記(1)から(3)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターは、ロール状に巻く第一の巻き取り軸を有し、前記シャッターユニットの開口を挟んで前記NDフィルターを巻き取ることが可能な、第二の巻き取り軸を持つ。
【0099】
(5)
上記(2)から(4)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターの一端は、前記第一の巻取り軸に支持し、他端を支持するシャフトと、前記シャフトの両端は、NDフィルターの幅よりも延在し、該延在部に一端が第ニの巻き取り軸に支持したリボンを支持している。
【0100】
(6)
上記(2)から(5)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記第一の巻き取り軸は、NDフィルターを巻き戻す方向にバネで付勢する。
【0101】
(7)
上記(2)から(6)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記切り替え機構は、遊星機構であり、該遊星は前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤと噛み合い可能であり、遊星の回転軸上は突起をもち、該突起は、該遊星が前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤと噛み合い、所定の回転を行った後、前記第ニの巻き取り軸に同軸に設けた、円弧上突起の内側に当接し、前記遊星が両方向に回転しても、前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤとの噛み合いを保持する。
【0102】
(8)
上記(2)から(7)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターが前記リボンを介して前記第ニの巻き取り軸に所定量巻取ったとき、前記シャフトの移動に連動するレバーと、該レバーの動作によって前記遊星ギヤの遊星キャリアを回転不能に保持し、前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤとの噛み合いを保持する。
【0103】
(9)
上記(2)から(8)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記レバーは、前記シャフトの当接する部分を二又に構成し、前記シャフトの往復運動において、二又の夫々が当接可能な位置に保持するよう、スナップアクションばねで付勢している。
【0104】
(10)
上記(2)から(9)のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置であって、前記NDフィルターが第一の巻き取り軸に巻き取る方向に回転し、前記シャフトが前記レバーを駆動し、前記遊星キャリアの回転可能となった位置から、巻取りが完了するまでの間で、前記第ニの巻き取り軸に同軸に設けた前期円弧上突起が、無くなるように構成している。
【0105】
(11)
NDフィルターユニット172は、シャッターモータ161Aのシャッター駆動制御のために使用する回転方向とは、逆の回転方向を利用している。
【0106】
(12)
前記逆の回転方向を利用するため、駆動切替機構として遊星機構を用い、さらにNDフィルター172の移動を利用して、前期遊星機構の両方向回転を使用可能にロック機構を設けた。
【0107】
(13)
NDフィルター172Aを収納するとき、(12)で示すロック機構だけでは、NDフィルター172Aが急激に戻ってしまうため、NDフィルター172A損傷や衝撃を感じる可能性が高い。したがって、遊星機構による被駆動部材(実施形態では172I)で、部分的に遊星キャリアの回転を阻止できる構成を設けた。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、カメラシステムに適用できる。具体的には、デジタルスチルカメラやムービーなどに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】カメラシステム1の斜視図
【図2】カメラ本体100の斜視図
【図3】カメラシステム1のブロック図
【図4】カメラシステム1の概略断面図
【図5】カメラ本体100の背面図
【図6A】シャッターユニット190の閉口状態の模式図
【図6B】シャッターユニット190の開口状態の模式図
【図6C】シャッターユニット190の走行準備状態の模式図
【図6D】シャッターユニット190の走行中の模式図
【図7A】NDフィルター単体の図
【図7B】NDフィルターユニット172の退避状態の図
【図7C】NDフィルターユニット172の挿入中の図
【図7D】NDフィルターユニット172の挿入中の図
【図7E】NDフィルターユニット172の退避中の図
【図7F】NDフィルターユニット172の退避完了直後の図
【符号の説明】
【0110】
1 カメラシステム
100、300 カメラ本体
110 CMOSイメージセンサー
111 ADコンバーター
112 タイミング発生器
113 CMOS回路基板
114 光学的ローパスフィルタ
115 振動板
117 印
120 カメラモニタ
121 ヒンジ
130 操作部
131 レリーズ釦
132 電源スイッチ
140 カメラコントローラー
141 DRAM
142 メイン回路基板
150 ボディマウント
151 ボディマウントリング
152 ボディマウント接点保持部
153 電気接点
160 電源
161 シャッターモータユニット
170 カードスロット
171 メモリーカード
172 NDフィルターユニット
180 電子ビューファインダー
181 EVF用液晶モニタ
182 EVF用光学系
183 接眼窓
190、390 シャッターユニット
190A 後幕
190B 先幕
190C シャッター保持枠
200 レンズユニット
210 ズームレンズ
211 駆動機構
212 検出器
213 ズームリング
220 OISレンズ
221 アクチュエータ
222 位置検出センサー
223 OIS用IC
224 OISスイッチ
230 フォーカスレンズ
231 相対位置検出器
232 絶対位置検出器
233 フォーカスモータ
234 フォーカスリング
240 レンズコントローラー
241 DRAM
242 フラッシュメモリ
243 カウンタ
250 レンズマウント
251 レンズマウントリング
253 電気接点
260 ユニット
290 レンズ筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なレンズユニットを保持するボディマウントと、
被写体の光学像を撮像して画像データを生成する撮像素子と、
前記ボディマウントと前記撮像素子との間に配置されるシャッターユニットと、
前記シャッターユニットを駆動するモータと、
前記モータからの駆動力を切り替え可能な出力切り替え機構と、
前記出力切り替え機構の切り替え状態を保持する保持機構と、
レンズユニットからの被写体光量を減衰するNDフィルターと、
動画撮影モードを選択するモード選択手段と、
前記モード選択手段が動画撮影モードを選択したとき、前期NDフィルターを駆動可能に前記モータと前記保持機構を制御するボディ制御部と、
を備える光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項2】
前記NDフィルターは、フィルム状である、
請求項1に記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項3】
前記NDフィルターは、無減衰領域と少なくとも1つの減衰領域と、
隣り合う前記各領域の減衰値が徐々に変化するグラデーション領域をもつ、
請求項2に記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項4】
前記NDフィルターは、ロール状に巻く第一の巻き取り軸を有し、前記シャッターユニットの開口を挟んで前記NDフィルターを巻き取ることが可能な、第二の巻き取り軸を持つ
請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項5】
前記NDフィルターの一端は、前記第一の巻取り軸に支持し、他端を支持するシャフトと、前記シャフトの両端は、NDフィルターの幅よりも延在し、該延在部に一端が第ニの巻き取り軸に支持したリボンを支持した、
請求項2から4のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項6】
前記第一の巻き取り軸は、NDフィルターを巻き戻す方向にバネで付勢する、
請求項2から5のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項7】
前記切り替え機構は、遊星機構であり、該遊星は前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤと噛み合い可能であり、遊星の回転軸上は突起をもち、該突起は、該遊星が前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤと噛み合い、所定の回転を行った後、前記第ニの巻き取り軸に同軸に設けた、円弧上突起の内側に当接し、前記遊星が両方向に回転しても、前記前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤとの噛み合いを保持する、
請求項2から6のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項8】
前記NDフィルターが前記リボンを介して前記第ニの巻き取り軸に所定量巻取ったとき、前記シャフトの移動に連動するレバーと、該レバーの動作によって前記遊星ギヤの遊星キャリアを回転不能に保持し、前記前記第ニの巻き取り軸に設けたギヤとの噛み合いを保持する、
請求項2から7のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項9】
前記レバーは、前記シャフトの当接する部分を二又に構成し、前記シャフトの往復運動において、二又の夫々が当接可能な位置に保持するよう、スナップアクションばねで付勢した、
請求項2から8のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。
【請求項10】
前記NDフィルターが第一の巻き取り軸に巻き取る方向に回転し、前記シャフトが前記レバーを駆動し、前記遊星キャリアの回転可能となった位置から、巻取りが完了するまでの間で、前記第ニの巻き取り軸に同軸に設けた前期円弧上突起が、無くなるように構成した、
請求項2から9のいずれかに記載の光学フィルターを有する撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【公開番号】特開2010−66561(P2010−66561A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233225(P2008−233225)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】