説明

光学式エンコーダ

【課題】所謂3重格子エンコーダの第1格子と第3格子との高さずれを抑える、すなわち第1格子と第3格子に相当するPDアレイを含む受光素子面との高さずれを抑えること。
【解決手段】変位検出される一方の部材に取り付けられたスケール9と、一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、スケール9に対向して配置されるセンサヘッド2と、スケール9に設けられ、相対移動する方向に形成された第2格子91の光学パタンとを備え、センサヘッド2は、スケール9に光を照射する光源4と、この光源4からスケール9に照射されて光学パタンを経た光を受光する受光面を有し、当該受光面上に形成される光分布を検出する光検出器6と、光源4とスケール9との間の光路上に配置される第1の光透過部50と、スケール9と光検出器6との間の光路上に配置される第2の光透過部70と、第1の光透過部50と第2の光透過部70との間を繋ぐ接続部100とを有する光透過部材5とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材の変位検出に用いられる光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学式エンコーダの小型化・低コスト化のためにモールド樹脂を用いる例がある。例えば、反射型の3重格子エンコーダは、光源側に第1格子、スケール上に第2格子、受光素子側に第3格子の3つの光学格子をそれぞれ配置している。この3重格子エンコーダは、第3格子上に形成されるスケール上の第2格子パタンの拡大像の動きを検出するものであり、比較的高精度であるのでよく使われている。
【0003】
反射型の3重格子エンコーダは、第1格子と第3格子から第2格子までの距離をほぼ等しくなるように設計することが多い。第1格子から第2格子までの光学的な距離と第1格子から第2格子を経て第3格子に至るまでの光学的な距離との比によって第3格子上に形成される第2格子の拡大像の像倍率が決まる。第1格子と第3格子から第2格子までの距離がほぼ等しくなるように設計すると、第1格子と第3格子とを含むエンコーダヘッドと第2格子を含むスケールの間隔が変動しても拡大倍率がほとんど変化しない。これにより、拡大倍率の変化による検出不良が起きにくい。
【0004】
所謂3重格子エンコーダにおける第1格子と第3格子とを一体のガラス基板等の同一面に形成して樹脂封止したタイプや、第3格子に相当するPDアレイを含む受光素子を有するエンコーダにおける第1格子をガラス基板等の表面に形成して同一面をPDアレイに合わせて樹脂封止したタイプの1例としては、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1は、光源であるLEDと光検出器とをヘッド側に有する反射型の3重格子タイプの光学式エンコーダであって、LED上に第1格子を形成した光透過性基板と、光検出器上に第3格子を形成した光透過性基板とが配置され、ヘッドを光透過樹脂で覆っていることを開示する。
【0005】
具体的に、特許文献1は、図12に示すように反射型の3重スリット方式の光学式エンコーダ1000であって、投光部は、ベアチップLED1410と、第1のピッチp1の第1格子1100とが組み合わされて所定の光を照射し、光検出部1500は、光検出器1500と、第3のピッチp3の第3格子1300とが組み合わされてセルフイメージの動きを検出し、第1格子1100と第3格子1300とは、それぞれスケール1210に対して略平行に配置され、検出ヘッドの表面の所定部分には、略平行かつ略平坦な光透過領域が形成され、検出ヘッドの表面と、第1格子1100及び第3格子1300との間の空間に光透過性部材1900が配置されていることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−317244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
モールド樹脂は、温度変化による熱膨張・収縮や硬度の大きな変化がある。このため、モールド樹脂は、小型化のために薄いガラスを用いてガラス両面に樹脂が回り込むような構成にすると、温度変化によってクラックや割れが生じることがある。また、狭い隙間があると、樹脂が入り込みにくくなって気泡が残り、信頼性上、問題となることがある。
【0008】
すなわち、検出ヘッドのパッケージングにモールド樹脂を採用した場合、上記のようにモールド樹脂では温度変化による熱膨張・収縮や硬度の大きな変化がある。このため、樹脂厚を大きくすることで例えば図13に示すようにワイヤ配線5060の断線や、樹脂クラックG1、ガラス割れG2等の発生などの問題が生じやすくなる。なお、5000は基板、5010は受光素子、5020はLED光源、5030はガラス部材、5040は電極、5050は樹脂、5060はワイヤ配線、5070はスケール、5080は第1格子、5090は第2格子、5100は第3格子である。ワイヤ配線5060の断線や、樹脂クラックG1、ガラス割れG2等が発生するため、検出ヘッドのパッケージングにモールド樹脂を採用した場合、信頼性を確保することが困難になったり、設計・製造上の対策にコストがかかったりするようになる可能性が出てくる。
【0009】
かかる問題を解決するために一体のガラス基板を第1格子側と第3格子側に分離すると、第1格子と第3格子の高さを合わせ込むことが難しくなる。具体的には、一体のガラス基板では第1格子と第3格子の高さの差が10μm程度以下だったものが、実装公差によっては100μm程度まで拡大する可能性がある。このため、第2格子の拡大像の像倍率が設計値から乖離しやすくなる。この場合、第1格子や第3格子の有効幅を小さくすることで有効幅内での拡大像のずれを抑えることが可能であるが、有効幅を小さくすると格子を経て検出される光量が減少して検出信号が小さくなるためSN比が劣化しやすい。
【0010】
このような問題は、3重格子エンコーダだけでなく、スケール上の格子パタンの拡大像の動きを検出するタイプのエンコーダに共通するものである。
【0011】
即ち、検出ヘッドの発光部から、出射光のスケール移動方向の出射幅が限定された発散光を出射して、スケールに所定の光を照射し、スケールに設けられた格子により反射し、回折した光が光検出部の格子機能面上に形成するイメージの動きを受光部で検出し、スケールの相対移動量に応じて周期的な検出信号を出力するような光学式エンコーダにおいては、モールド樹脂を用いる際に、説明してきたような、割れ・クラックや気泡、断線などの信頼性上の問題が発生する可能性がある。また、発光部側の発散光の出射幅を限定する位置と受光部側の光検出部の格子機能面までの高さのずれが検出信号の劣化、ひいては、SNの劣化につながる可能性がある。
【0012】
本発明の目的は、所謂3重格子エンコーダの第1格子と第3格子との高さずれを抑える、すなわち第1格子と第3格子に相当するPDアレイを含む受光素子面との高さずれを抑える、さらには、スケール上の格子パタンの拡大像の動きを検出するタイプのエンコーダにおいて、発光部側の発散光の出射幅を限定する位置と受光部側の光検出部の格子機能面までの高さのずれを抑える、といったことができる小型化・低コスト化を図った光学式エンコーダを提供する、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の主要な局面に係る光学式エンコーダは、変位検出される一方の部材に取り付けられたスケールと、一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、スケールに対向して配置される検出ヘッドと、スケールに設けられ、相対移動する方向に形成された所定のピッチを有する光学パタンからなる格子とを備え、検出ヘッドは、発光部と、光検出部と、光透過部材とを備え、発光部は、出射光のスケール移動方向の出射幅が限定された発散光を出射し、スケールに所定の光を照射し、光検出部は、所定の位置に配置された所定のピッチを有する格子機能面と受光部とを有し、発光部の限定された出射幅を有する出射面から出射される光が、スケールに照射されてスケールに設けられた格子により反射し、回折し、格子機能面を経た光を受光部で受光することで、格子機能面上に形成される、スケールに設けられた格子のイメージの動きを検出して、スケールの相対移動量に応じて周期的な検出信号を出力し、光透過部材は、第1の光透過部分と、第2の光透過部分と、これら2つの部分との間を繋ぐ接続部分とを有し、第1の光透過部分は、発光部とスケールとの間の光路上に配置され、第2の光透過部分は、スケールと光検出部との間の光路上に配置され、第1の光透過部分と前記第2の光透過部分は所定の構造を有し、所定の配置関係にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所謂3重格子エンコーダの第1格子と第3格子との高さずれを抑える、すなわち第1格子と第3格子に相当するPDアレイを含む受光素子面との高さずれを抑えることができる小型化・低コスト化を図った光学式エンコーダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明に係る光学式エンコーダの第1の一実施の形態を示す構成図。
【図1B】同光学式エンコーダにおけるスケールの移動方向を示す断面構成図。
【図2】同光学式エンコーダにおける光検出器上に形成されている受光素子アレイから成る受光領域を示す拡大図。
【図3】同光学式エンコーダにおける光検出器の光学的な配置について説明するための図。
【図4A】同光学式エンコーダと対比する従来のエンコーダにおける変位信号に占めるDC成分の上昇を示す図。
【図4B】同光学式エンコーダにおける互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの電極パッドから出力される電気信号の1つの波形を示す図。
【図5】同光学式エンコーダにおける光透過部材の表面と樹脂材の表面との高さが一致していることを示す図。
【図6A】同光学式エンコーダにおける光透過部材をスケール側であるZ方向の上方から見た図。
【図6B】同光学式エンコーダにおける光透過部材の変形例を示す図。
【図6C】同光学式エンコーダにおける光透過部材の変形例を示す図。
【図6D】同光学式エンコーダにおける光透過部材の変形例を示す図。
【図7】本発明に係る光学式エンコーダの第1の実施の形態の第1の変形例を示す概略構成図。
【図8】本発明に係る光学式エンコーダの第1一実施の形態の第2の変形例を示す概略構成図。
【図9A】本発明に係る光学式エンコーダの第1の一実施の形態の第3の変形例を示す概略構成図。
【図9B】同光学式エンコーダにおけるスケールの移動方向を示す断面構成図。
【図10A】本発明に係る光学式エンコーダの第2の実施の形態における点光源と配線基板へのワイヤ配線と配線基板上の電極パッドを示す構成図。
【図10B】同光学式エンコーダにおける点光源を線状光源に置き換えた図。
【図10C】同光学式エンコーダを示す側面図。
【図11A】本発明に係る光学式エンコーダの第2の実施の形態の第1の変形例における光検出器とこの光検出器上に実装された光透過部材を示す構成図。
【図11B】同光学式エンコーダの第1の変形例を示す側面図。
【図12】従来の3重スリット方式の光学式エンコーダを示す構成図。
【図13】従来の光学式エンコーダに発生するワイヤ配線の断線や樹脂クラック、ガラス割れ等を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1Aは反射型の光学式エンコーダの概略構成図を示し、図1Bは同エンコーダにおけるスケールの移動方向の断面構成図を示す。本光学式エンコーダ1は、センサヘッド2と、このセンサヘッド2に対向して配置されたスケール9とから構成される。センサヘッド2には、光源4と、受光素子アレイから成る受光領域61を有する光検出器6と、光透過部材5と、樹脂材8とを配線基板3上に配置している。
【0017】
光源4は、面実装用のチップタイプのモールドLEDであり、上面は平坦に形成されている。この光源4の出射面と光検出器6の受光素子アレイの受光面とは、Z方向に高さがほぼ同一高さ位置に揃っている。これら光源4の出射面と光検出器6の受光素子アレイの受光面とには、光透過部材5が配線基板3にほぼ平行に光透過性接着剤により貼り付けられている。
【0018】
光透過部材5の光源4の出射面に対向する部分は、第1の光透過部50である。光検出器6の受光素子アレイに対向する部分は、第2の光透過部70である。第1の光透過部50と第2の光透過部70とは、接続部100により連結されている。光透過部材5は、例えばガラスの平行平板から加工して切り出した部材を用いており、上面と下面とが平坦な研磨面に形成されている。光透過部材5の第1の光透過部50と第2の光透過部70とは、直方体の形状を有している。接続部100は、第1の光透過部50と第2の光透過部70とよりもX方向に細い幅となっている。
【0019】
ここでは、光検出器6の受光素子アレイの受光面は、光源4の出射面よりも僅かにZ方向に高く設けられている。又、光透過部材5は、光検出器6の受光素子アレイの面に合わせて配線基板3に平行に貼り付けられている。光源4の出射面との隙間は、光透過性接着剤により埋められている。
このように光源4の出射面と光検出器6の受光素子アレイの受光面との間には、若干の段差が形成されている。この若干の段差によって配線基板3に平行に光透過部材5を貼り付けたときにできる隙間については、光透過性接着剤で埋めても良いし、略平行が保てて光学的に問題無ければ、隙間が無いように段差の分だけ傾斜させて光透過部材5を貼り付けてもよい。
【0020】
光透過部材5における第1の光透過部50の光源4に対向する面には、X方向にピッチp1を有する光学パタンである第1格子501が形成されている。なお、第1格子に必要な領域以外の部分には、遮光パタンを形成してもよい。
なお、光透過部材5の側面には、特に光学的な処理を施していなくても良いが、本実施の形態では、第1の光透過部50と第2の光透過部70との両方の部分の側面に、光を遮断、又は減衰させたり、透過光を散乱させたり、光検出器6側へとは異なる特定の方向へ光を逸らす等、迷光低減機能を有するものであるとする。
【0021】
光透過部材5は、スケール9に対向する上面と、底面の光源4又は光検出器6に接する面部分とを除いて、センサヘッド保護用の樹脂材8により囲まれている。この光透過部材5、樹脂材8及び光透過性の接着剤の材質の熱的特性は、光検出器6を構成するSi系半導体材料に近い特性を有することが望ましい。また、図1Bにおいて、光透過部材5の第1の光透過部50が光源4から光検出器6へ若干はみ出して取り付けられているが、光透過性の樹脂材8を形成する際にクラック等が発生しないように、はみ出し量が抑えられている。接続部100の断面も同様にクラック等が発生しないように断面積を小さく抑えている。
【0022】
又、スケール9は、センサヘッド2と相対的に変位する光学パタンである第2格子91を有している。第2格子91は、スケール9とセンサヘッド2とが相対的に移動する方向に対して所定のピッチp2で形成された光学パタンである。
【0023】
次に、光学系の配置について説明する。
光透過部材5上の第1格子501からスケール9上の第2格子91までの光学的距離をz1、スケール9上の第2格子91から光検出器6の受光面までの光学的距離をz2、光源4の発光波長をλとすると、
1/z1+1/z2=λ/(np2) …(1)
を満足する自然数nが存在するように、光源4とスケール9と光検出器6との配置した構成とすることで、スケール9の回折拡大イメージパタンが受光素子上に転写されたイメージを現すことができ、所定の位置に光検出器6を配置すれば、スケール9の変位量を検出可能であることが知られている。
但し、上記式(1)において、第1格子・第2格子間のi(自然数)番目の物質、又は空間の屈折率ni・厚みtiとし、第2格子・受光面間のj(自然数)番目の物質、又は空間の屈折率nj・厚みtjとし、第1格子・第2格子間の光学距離をz1=Σti/ni、第2格子・受光面間の光学距離をz2=Σtj/njと定義する。
【0024】
本光学式エンコーダ1の構成では、小型化のためにn=1を満たす光学的距離z1と光学的距離z2を採用している。本光学式エンコーダ1は、上記式(1)を満たす各光学的距離z1、z2の組み合わせにおいて、値の最も小さいものとしている。さらに、式1において、z1=z2を満たす配置構成を取っている。このとき、拡大倍率は2倍となり、p1=p3=2p2となる。
【0025】
次に、光検出器6の構成について説明する。
図2は光検出器6上に形成されている受光素子アレイから成る受光領域61の拡大図を示す。光検出器6は、矩形状の4つのフォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4を組み合わせて1組とし、この組み合わせを複数組配置して成る。これら複数組のフォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4の出力は、4つ置きの各PD出力を共通結合して4つの電気信号の出力を得るようになっている。4つの電気信号は、4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される。接続された4つ置きのPDのピッチは、p3であり、隣り合うPDとはp3/4だけずれて配置されている。
【0026】
次に、光学的な配置について説明する。
図3において、光源4の光出射部から出射された光は、光透過部材5内を伝播し、当該光透過部材5と外界(一般に空気)との界面上の点Cから出射される。この外界との界面上の点Cにおいて、外界の媒質の屈折率をn1、光透過部材5の屈折率をn2、樹脂材8の屈折率をn3、外界に伝播する屈折光の屈折角度θ1、界面の法線となす角度をθ2、n3=n2、とする。
【0027】
このとき、スネルの法則により、以下の式が成り立つ。なお、一般的な説明を行っているが、本実施の形態では、外界の媒質を空気と想定しており、n1=1である。
n1・sinθ1=n2・sinθ2 …(2)
光透過部材5は、光透過樹脂又はガラスなど光検出器6や図示しない信号処理回路等を構成するSi半導体と熱的特性が同じか又は近い材質で構成されており、n2>n1である。光ビームが光透過部材5の表面で全反射する臨界角度θcとすると、次の式が成り立つ。
θc=sin−1(n1/n2) …(3)
光源4の出射部内の任意の1点と光検出器6の受光素子アレイから成る受光領域61内の任意の1点を取り、各点の位置を変化させた場合、光源4の出射部内の1点から光検出器6の受光領域61内の1点までの距離のスケールに平行な成分が取りうる最大値をD、最小値をdとする。
光源4から光透過部材5の光が出射する表面までの厚さをG、光透過部材5の表面からスケール9の第2格子91までの距離をG0、光透過部材5の表面から光検出器6までの厚さをG’とする。
このとき、本実施の形態は、次式を満足する構成となっている。
(G+G’)<D/tanθc …(4)
上記式(4)を満たすDは、光透過部材5が広い領域に形成されていた場合、点F近傍において光源4から入射した光が全反射し、その反射光が光検出器6に直接入射するような光透過部材5の厚みである。
【0028】
従来のように光透過部材5と光検出器6との間が連結された場合には、センサ内部の反射光が直接光検出器6の受光領域61に入射し、図4Aに示すように変位信号に占めるDC成分が上昇する。
上記式(4)は、G=G’でない場合を想定している。
【0029】
G=Gである場合、即ち、第5図に示す場合には、上記式(4)は、以下のように置き換えられる。
G<(D/2)/tanθc …(5)
樹脂材8は、センサヘッド2内の部材の保護を主たる目的としたものである。この樹脂材8は、例えば光に対して透明なクリアモールド樹脂を用いている。従って、樹脂材8は、センサヘッド2内の部材の保護の観点からすると、当該センサヘッド2内部の電気配線部や電極の周囲のみを保護するようにしてもよい。又、樹脂材8は、場合によって全て除去してしまっても構わない。
【0030】
樹脂材8は、光検出器6の電極32及び電極ボンディングワイヤ33を埋め込んでいる。本構成において、電極ボンディングワイヤ33は、樹脂材8により埋め込まれる部材のうちで光透過部材5と樹脂材8とを除くと最も高い位置まで配置される部材であり、この最も高くにある部材が完全に樹脂材8で埋め込まれている。
本実施の形態においては、センサヘッド2内の光源4側に第1格子601を配置し、かつ光源4と受光領域61を内部に有する光検出器6とを別体で配置する等しているが、光源4等の発光部と光検出器6等の受光部とを有する反射型のセンサヘッド2を構成するのであれば、どのような光学式エンコーダでも上記式(2)〜式(7)を適用することが可能であり、本実施の形態を含めた本発明の迷光防止の作用や効果を奏することができる。
樹脂材8は、光透過性の樹脂を用いているが、光透過性であれば色や素材を限定するものではない。また、樹脂材8は、受光素子アレイから成る受光領域61を覆わず、光検出に影響を与えないのであれば、光透過性でなくてもよい。また、樹脂材8は、複数の素材を組み合わせたり、複数層にしても構わない。
【0031】
光透過部材5の側面は、光透過部材5の第1の光透過部50の側面から出射して第2の光透過部70へ到達する光を遮断、又は低減するような形状や、当該側面の表面の微視的な形状である表面状態や側面形状との配置の組合せを併用してもよい。具体的に光透過部材5の側面は、光を発散させるような表面状態・表面形状としたり、光検出器6の受光素子アレイ61から光を逸らすような表面形状との配置の組合せとしたりしてもよい。
【0032】
又、光透過部材5の接続部100は、第1の光透過部50から第2の光透過部70へ光透過部材5の内部を伝達する光の光量を低減するために幅を狭く形成している。さらに、光透過部材5の接続部100は、光の伝達率を低減するために幅を狭くする方向を図1A及び図1Bに示すようにZ方向に変えたり、湾曲部を持たせるなど、形状を工夫している。又、光透過部材5は、光を遮断したり、減衰するために、接続部100を第1の光透過部50や第2の光透過部70とは別の素材により形成したり、不純物を入れる等、伝達光量を減衰する材料を用いてもよい。また、光透過部材5は、かかる各光量低減のための手法を組み合わせても良い。
【0033】
図6Aは上記図1A及び図1Bに示す光透過部材5をスケール9側、すなわちZ方向の上方から見た図を示し、図6B乃至図6Dは光透過部材5の変形例を示す。図6Aに示す光透過部材5は、第1の光透過部50と第2の光透過部70との間を1つの接続透過部200により接続している。この接続透過部200は、例えば板状で、かつX方向における第1の光透過部50と第2の光透過部70との間の中間位置(中央部)に設けられ、X方向に狭く形成されている。
【0034】
図6Bは光透過部材5の他の変形例を示す。この光透過部材5は、第1と第2の光透過部50、70との間を接続する接続透過部200を、第1と第2の光透過部50、70との間の中央部から端部側に設け、かつ角度90°の各屈曲部200−1、200−2を設けた。これにより、第1と第2の光透過部50、70との間の中央部の光の内部伝達を避け、かつ角度90°の各屈曲部200−1、200−2を設けることで、光がより内部伝達しにくくなる。これにより、接続透過部200の厚さを大きめに形成することにより光透過部材5の強度を向上させることが可能である。
【0035】
図6CはX方向から見た光透過部材5の形状を示す。この光透過部材5は、接続透過部200のZ方向の厚みを第1の光透過部50及び第2の光透過部70の厚みよりも薄く形成する。このような光透過部材5であれば、X方向における第1の光透過部50と第2の光透過部70との間の中間位置(中央部)の上部に内部伝達する光を無くすことができる。
【0036】
図6Dは光遮光部材110が覆う部分についてのバリエーションを示し、同図上部に平面図、同図下部に断面図を示す。この光遮光部材110は、四角形状の光透過部材5に対して覆う部分を当該光透過部材5の第1の光透過部50と第2の光透過部70との向かい合った側面のみとしている。
光源4と光検出器6との間の面を遮光することで、SN比向上の観点から大きな効果が得られる一方、必ずしも光透過部材5の側面全体に光遮光部材8を形成しなくても良いという効果がある。これにより、製造方法によっては工程が容易となる。
【0037】
本実施の形態では、上記式(4)を満足するようにセンサヘッド2の厚みを薄くしているが、必ずしも薄くなくても構わない。なお、センサヘッド2の薄型化は、迷光防止による副次的な効果である。
本光学式エンコーダ1は、上記式(1)と、上記各光学的距離z1、z2の条件、すなわちz1=z2の条件を満足するタイプであるが、本実施の形態は、モールド樹脂により覆っても割れにくい光透過部材を用いて光学式エンコーダ1を実現することが主たる目的であり、z1=z2の条件は、副次的な効果を目的としたものである。本実施の形態は、必ずしもz1=z2でなくてもモールド樹脂でも割れにくい光透過部材を実現することは可能であり、こうした変形を行っても構わない。
【0038】
次に、上記の如く構成された光学式エンコーダ1の動作について説明する。
光学式エンコーダ1は、上記式(1)の条件を満たすような位置に光検出器6を配置しているので、発光部である光源4から出射された光は、スケール9上の第2格子91により反射又は回折され、この第2格子91のパタンの拡大された明暗像が受光素子アレイから成る受光領域61上に形成される。この受光素子アレイから成る受光領域61上の拡大像パタンは、センサヘッド2とスケール9との相対移動に応じて移動し、この移動を光検出部6により検出する。
【0039】
上記式(1)において、z1=z2を満たす配置構成であることから受光素子アレイから成る受光領域61上には、スケール9のピッチの2倍のピッチを持つ明暗の回折パタンが形成される。スケール9がセンサヘッド2に対して相対移動すると、図2に示す4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される電気信号は、互いに1/4周期だけ位相が異なる擬似正弦波信号となる。
【0040】
センサヘッド2から出力される検出信号について図4A及び図4Bを参照して説明する。
図4A及び図4Bは、縦軸を電圧とし、横軸を位置としている。光学式エンコーダ1のセンサヘッド2とスケール9とが一定の速度で相対的に移動している場合、横軸は時間と見なしても良い。
図4Aは、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの信号の内、互いに180°位相差の逆相となる2組の信号の差をとって得た擬似正弦波信号であるA相信号とB相信号を表す。同図に示す例では、迷光による検出信号の飽和の影響は出ていない。
図4Bは、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される電気信号の1つの波形を表している。同図に示す例では、迷光が大きいためにDC成分が大きくなり、そのため、検出信号が飽和している。
【0041】
電流電圧変換後に検出信号に含まれるDC成分や同相ノイズを除去したり、さらにゲインを掛けるために、センサヘッド2は、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの信号の内、互いに逆相となる2組の信号の差をとり、2つの90°位相差の擬似正弦波信号である、A相信号とB相信号を得る。
この擬似正弦波信号をセンサヘッド2内部又は外部において2値化して変位検出する。または、擬似正弦波信号を内挿処理回路で信号処理し、さらに高分解能な変位量を検出できる。
【0042】
図4Bに示すように飽和した信号を用いると、図4に示すAB相信号にも飽和の影響が現れ、正弦波からの歪みが大きくなる。特に、DC成分が極めて大きくなり、図4Bに示す信号が常に飽和した状態となると、図4Aに示すAB相信号の振幅が0となってしまう。
【0043】
次に、上記光学式エンコーダ1の作用について説明する。
<樹脂等のクラック・変形>
モールド樹脂によるパッケージングの際には、通常、樹脂に熱を加えて硬化させ、室温まで冷却する。樹脂封止する部材の形状が複雑であれば、樹脂が細部まで行き渡らず、気泡が発生したり、樹脂硬化の際に樹脂の収縮によって樹脂、又は樹脂封止する部材にクラック・変形等が生じたりしやすい。
【0044】
モールド樹脂によってパッケージングされたセンサヘッド2においてクラック・変形等が発生すると、配置が換わることによる光学特性の変化や、光路内のクラックによる光の散乱がおき、設計通りに機能しなくなったり、SNが劣化したりする。さらには、信頼性上もクラックや変形が進んで機能が低下したり、隙間を通して異物や湿気などが入り込んだりする問題につながる可能性がある。
【0045】
光透過部材5は、第1の光透過部50と第2の光透過部70とが幅の細い接続部100を介して繋がった構成である。第1の光透過部50と第2の光透過部70とが一体の直方体で出来ている場合に比べ、接続部100の幅は細くなっている。この光透過部材5の周囲は、樹脂材8により覆われている。従って、樹脂封止する冷却の際に、光透過部材5は、直方体状の光透過部材に比べて樹脂の流動性が高まる。これにより、樹脂や光透過部材5のクラック・変形等は、より生じにくくなる。
【0046】
<光透過部材の形状精度・配置>
光透過部材5は、樹脂封止前に形状が決まっている。第1の光透過部50と第2の光透過部70との各表面の段差は、10μm程度以下の精度になっている。光透過部材5は、樹脂封止後にも厚みや段差・配置が設計通りとなる。
この光透過部材5は、光検出器6のPDアレイの面に貼り付けられている。これにより、第1の光透過部50の下面に形成された第1格子501とPDアレイとのZ方向の高さは、10μm程度以下に抑えられている。この結果、光検出器6のPDアレイ上に形成されるスケール9の第2格子91の拡大倍率は、ほぼ2倍となり、拡大倍率誤差による検出信号の劣化が殆ど生じない。
【0047】
<光学的な特性>
本光学式エンコーダ1は、上記式(1)の条件を満たすように光検出器6を含めた光学系が配置されている。発光部4から出射された光は、スケール9上の第2格子91により反射、かつ回折され、第2格子パタンの拡大された明暗像が受光領域61上に形成される。センサヘッド2とスケール9との相対移動に応じて当該拡大された明暗像のパタンが移動し、この移動を光検出部6は検出する。
【0048】
本光学式エンコーダ1は、上記式(1)に示すように、上記各光学的距離z1、z2の条件、すなわちz1=z2の条件を満たす配置構成である。これにより、光検出部6の受光領域61上には、スケールピッチの2倍のピッチを持つ明暗の回折パタンが形成される。スケール9がセンサヘッド2に対して相対移動すると、4つの電極パッドA1、B1、A2、B2から出力される電気信号は、上記の通り互いに1/4周期だけ位相が異なる擬似正弦波信号となる。
【0049】
光透過部材5の側面の形状や表面形状は、光透過部材5の第1の光透過部50の側面から出射し、第2の光透過部70へ到達する光を遮断又は低減するように形成されている。これにより、光透過部材5における第1の光透過部50と第2の光透過部70の側面とを通過する光の光量は、低減され、この結果、光透過部材5の側面を経由して光検出器6の受光素子アレイ61の方向へ向かう光の光量は低減される。すなわち、光透過部材5における第1の光透過部50の表面又は第2の光透過部70の表面は、エンコーダ信号の検出に寄与しない迷光を低減する迷光低減機能要素としての形状を備える。
【0050】
具体的に、光源4の光出射部と光検出器6の受光部とが共通の光透過性部材である光透過部材5に接しているものの、光透過部材5の接続部100以外では内部を光が伝達できない。すなわち、エンコーダ信号の検出に寄与しない迷光を低減する迷光低減機能要素として、光透過部材5の第1の光透過部50の表面、第2の光透過部70の表面及び樹脂材8、又は空間が形成されている。
光透過部材5の接続部100は、光透過部材5の第1の光透過部50や第2の光透過部70に比べて図1A、図1Bに示すようにX方向に細く形成されている。すなわち、接続部100も迷光低減機能要素として作用する。
しかるに、迷光低減機能要素としての光透過部材5の第1の光透過部50の上面内部で反射して光検出器6の受光部へ向かう迷光の光量は大幅に減少する。
【0051】
さらに、図6B乃至図6Dに示す光透過部材5の変形例を含めて、光透過部材5の接続部100の内部伝達光の光量を低減する対策を実施することで、光透過部材5の上面内部で反射したり、内部を伝達して光検出器6の受光部へ向かう迷光の光量は大幅に減少することができる。
【0052】
光源4の光出射部と光検出器6の受光部との高さが一致しているので、光透過部材5における第1の光透過部50の側面から出射される光は、基本的に斜め上方に向かう。斜め上方に向かう光は、基本的に直接光検出器6の受光部へは向かはない。
【0053】
光透過部材5は、直方体の形状を有するガラスにより形成され、屈折率は約1.5である。センサヘッド2の周囲は、屈折率1の大気などの光透過部材5よりも屈折率の小さい物質、又は空間となっている。この場合、第1の光透過部50の側面のような平らな面から屈折率の小さい物質、又は空間へ出射する光は、出射角が入射角よりも大きくなり、発散光となる。これにより、光透過部材5の側面から出射して光検出器6の受光領域61へ到達する光の光量は、センサヘッド2のスケール9側に光透過部材5、又は他の光透過性部材が一体的に配置されている場合に比べて小さくなる。すなわち、エンコーダ信号の検出に寄与しない迷光が第2の光透過部70へ入る量を低減することができる。
【0054】
光透過性の樹脂材8の屈折率を光透過部材5の屈折率よりも小さくとれば、光透過部材5の側面に特に光学的な処理を必ずしも施していなくても上記作用を実現できる。光透過部材5の側面に遮光・散乱等の機能を追加することで、さらに迷光低減機能を向上させることができる。光透過性の樹脂材8の屈折率が光透過部材5の屈折率に近いか、大きい場合には、光透過部材5の側面に遮光・散乱等の機能を追加することが必要となる。
【0055】
このように上記第1の実施の形態によれば、変位検出される一方の部材に取り付けられたスケール9と、一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、スケール9に対向して配置されるセンサヘッド2と、スケール9に設けられ、相対移動する方向に形成された第2格子91の光学パタンとを備え、センサヘッド2は、スケール9に光を照射する光源4と、この光源4からスケール9に照射されて光学パタンを経た光を受光する受光面を有し、当該受光面上に形成される光分布を検出する光検出器6と、光源4とスケール9との間の光路上に配置される第1の光透過部50と、スケール9と光検出器6との間の光路上に配置される第2の光透過部70と、第1の光透過部50と第2の光透過部70との間を繋ぐ接続部100とを有する光透過部材5とから成る。
第1の光透過部50における表面の1つに第1格子501が形成されている。
【0056】
光源4とスケール9との間に介在し、スケール9の相対移動方向に第1のピッチp1を有する光学パタンが形成された第1格子501と、スケール9に設けられ、当該スケール9の相対変位方向に第2のピッチp2を有する光学パタンが形成された第2格子91と、光検出器6に設けられ、スケール9の相対変位方向に第3のピッチp3を有する第3格子としての受光素子アレイ(フォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4)とを備え、光源4から出射された光は、第1格子501、第2格子91を経由し、当該第2格子91に形成された光学パタンによって所定倍率で拡大されたセルフイメージとして受光素子アレイを配列して成る第3格子上に結像し、この受光素子アレイは、スケール9の相対変位量に応じた周期信号を検出する。
第1格子501から第2格子91までの光学的距離と、第2格子91からアレイ状受光素子までの光学的距離とは、等しく設定されている。
【0057】
しかるに、本光学式エンコーダ1は、光透過部材5の第1の光透過部50の下面に第1格子501が形成されている。この第1格子501とスケール9の第2格子91と光検出器6の受光素子アレイ(フォトダイオードPD1、PD2、PD3、PD4:PDアレイ)とで上記式(1)を満足する構成である。この結果、高精度な位置検出が可能となっている。
【0058】
光透過部材5は、光検出器6のPDアレイの面に貼り付けられ、第1の光透過部50の下面に形成された第1格子501と光検出器6のPDアレイとのZ方向の高さは、10μm程度以下に抑えられている。これにより、光学的距離z1と光学的距離z2とがほぼ等しく、センサヘッド2とスケール9との間隔が変動しても、光検出器6のPDアレイ上に形成されるスケール9の第2格子91の拡大倍率がほぼ2倍となり、拡大倍率誤差による検出信号の劣化がほとんど生じない。これにより、安定したエンコーダ信号が得られる。
【0059】
本光学式エンコーダ1は、センサヘッド2におけるスケール9側の面に光透過部材5を配置、すなわち樹脂を用いてパッケージングをしているので、セラミックパッケージやカン封止をしたパッケージに比べて安価で量産に向いた構造である。
【0060】
センサヘッド2内において、少なくとも光源4と光検出器6と光検出器6等に対する配線を行う配線部材とを光透過部材5により覆うので、すなわちセンサヘッド2内において、第1の光透過部50と第2の光透過部70と以外の部材は全て樹脂材8に覆われており、光源4と光検出器6と配線とが樹脂材8からはみ出さないように実装されている。これにより、樹脂材8が保護部材として機能を果たし、封止による信頼性の向上が図られる。
【0061】
光透過部材5におけるスケール9に対向する面は、光透過部材5により覆われないので、センサヘッド2から樹脂材8に比べて形状精度の高い光透過部材5が表面に出てくる分、センサヘッド2のスケール9に対向する面を樹脂材8が覆っている場合に比べて本光学式エンコーダ1としての光学性能が後述する第1の実施の形態の第1の変形例に比べて向上する。
【0062】
光透過部材5の接続部100の形状は、第1の光透過部50と第2の光透過部70とにおける幅又は厚みよりも少なくとも一方が小さく形成されている。これにより、樹脂封止する冷却の際に、光透過部材5は、直方体状の光透過部材に比べて樹脂の流動性が高まる。この結果、樹脂や光透過部材5のクラック・変形等がより生じにくくなる。
モールド樹脂によってパッケージングされた本光学式エンコーダ1のセンサヘッド2内においてクラック・変形等が発生しにくくなるため、配置が換わることによる光学特性の変化や、光路内のクラックによる光の散乱によって、設計通りに機能しなくなったり、SNが劣化したりする可能性が低減される。さらには、本光学式エンコーダ1は、信頼性上もクラックや変形が進んで機能が低下したり、隙間を通して異物や湿気などが入り込んだりする問題につながる可能性も低減される。
【0063】
光透過部材5は、予め形状が決まっている。これにより、部材を実装してから形状や表面状態を加工すると、一連の実装工程との兼ね合いで、加工方法や加工出来る形状や形状精度に制約が出来やすい。
一方、光透過部材5は、ガラスの平行平板から切り出し、必要に応じて表面の処理をしたものであり、光源4及び光検出器6上への実装前に予め形状が決まっている。しかるに、事前に必要十分な加工によって、所望の形状や形状精度としておくことが可能である。特に、光透過部材5の上面と下面が平行平板ガラスの研磨面となっており、樹脂だけを用いた場合や光路上に樹脂が介在する場合と比べて表面の光学特性が良好であり、高精度な信号検出が可能となる。
【0064】
光透過部材5は、実装時に変形せず、かつ実装時に溶融しない材質により形成されている。すなわち、光透過部材5は、ガラスで形成されており、実装時に塑性変形は起こらない。特に樹脂封止する際に必要な200℃前後の温度では、光透過部材5は、溶融が起こらない。これにより、光透過部材5は、事前に加工した形状や表面状態を維持することが可能となる。
【0065】
光透過部材5は、実装時に位置調整可能であり、かつ実装時にハンドリング可能である。すなわち、光透過部材5は、ガラスにより形成されており、その上面及び下面は、それぞれ平行平板の一部となっている。これにより、平行平板となった上面及び下面や側面を保持して実装時にハンドリングすることも可能である。しかるに、光透過部材5は、所望の配置に持っていき実装することが可能となる。
さらに、光透過部材5は、上記同様の理由により、センサヘッド2内での位置調整も実装時に可能となる。これにより、光透過部材5は、高精度な位置決めと形状や形状精度の組合せにより、理想的な設計に近い信号検出効率や迷光低減効果が期待出来る。
【0066】
<迷光低減効果>
従来の光学式エンコーダのように光透過部材がセンサヘッド2のスケール側の面全体に拡がっており、その表面で反射した光が光検出器6上の受光領域61に直接入射された場合を考えると、各相の信号が図4Aに示すようにDC成分レベルが増大し、各相の信号振幅がDC成分の大きさに比べて相対的に小さくなる。信号の飽和傾向が強くなり、実際に信号が飽和すると変位量検出に誤動作が生じる。また、実際に信号が飽和していなくても、DC成分レベルが大きいために信号増幅に制限が生じることで、検出したい擬似正弦波信号のレベルやそのSN比が低下してしまう可能性がある。
【0067】
これに対して上記実施の形態では、光伝達経路を限定している。光透過部材5を光源4と光検出器6とスケール9との間に配置しているが、光源4と光検出器6とには、それぞれ光透過部材5における第1の光透過部50と第2の光透過部70とが面している。光透過部材5内部での光伝達は、幅を細めた接続部100に限定される。この結果、光源4と光検出器6とには、別体に近い光透過部材が面することになる。これにより、光透過部材5のスケール9側の面での反射光は、光透過部材5内部において光検出器6に入射することはない、若しくは低減される。
【0068】
光透過部材5における第1の光透過部50と第2の光透過部70との側面は、エンコーダ信号の検出に寄与しない迷光を低減する迷光低減機能要素として光透過部材5の側面から出射して光検出器6上の受光領域61へ到達する光を遮断、又は低減するような光透過部材5の側面の形状や表面状態となっている。
【0069】
さらに、光透過部材5における第1の光透過部50と第2の光透過部70との側面は、上記同様の迷光低減機能要素として光透過部材5の側面から出射して光検出器6上の受光領域61へ到達する光を遮断、又は低減するような光透過部材5の側面の形状と光源4や光検出器6を含めた配置の組合せになっている。
【0070】
以上のように光透過部材5がセンサヘッド2のスケール9側の面全体に拡がっていて、その表面で反射した光が光検出器6上の受光領域61に直接入射された場合と比較すると、DC成分が低減される。これにより、信号飽和の可能性が低減し、より大きなゲインで信号増幅することが可能となる。その結果、DC成分レベルが低い場合に本来得られるべき、所望の検出信号レベルや問題無いSN比を得ることが可能となる。
【0071】
一方、センサヘッド2の内部から外部へ、外部から内部へと伝達する迷光については、以下のことが分かる。すなわち、光源4側の第1の光透過部50に迷光防止機能を持つ光透過部材5を配置するので、光透過部材5の迷光防止機能によって光検出器6上の受光領域61へ伝達する迷光のみならず、センサヘッド2から外部へ、少なくとも特定の方向へ漏れる迷光を低減することが可能となる。
【0072】
また、光検出器6側と第2の光透過部70とに迷光防止機能を持つ光透過部材5を配置するので、光透過部材5の迷光防止機能によって光検出器6上の受光領域61へ伝達する迷光のみならず、外部から光検出器6上の受光領域61へ、少なくとも特定の方向からの迷光を低減することが可能となる。
【0073】
本実施の形態に特有の効果としては、以下の点が挙げられる。
光透過部材5は、光源4のスケール9に対向する面に直接積層されている。これにより、信号検出と迷光低減とを行いつつ、センサヘッド2を特に厚み方向にコンパクトにまとめることが可能となる。
光源4に面実装用のチップタイプのモールドLEDを用いることで、LED上面にワイヤ配線をする必要がなく、第1格子501を有する光透過基板3を実装することが容易となる。
さらに、モールドLEDは封止されているため、ベアLED等に比べると汎用性・信頼性が高い。そのため、取扱いも容易でエンコーダの実装が容易となるメリットがある。
光検出器6に受光素子アレイを用いているので、この受光素子アレイは、検出エリア内の信号効率が高く、所定の検出信号を得るのにコンパクトな構成が可能となる。
【0074】
次に、上記第1の実施の形態の第1の変形例について図7を参照して説明する。
この第1の変形例は、上記第1の実施の形態において、光透過性の樹脂材8の形成方法を変えたものである。実装の手順は、以下の通りである。配線基板3上に光源4と、光検出器6と、光源4上の光透過部材5と、配線等とを実装する。この後、配線基板3上の部材を光透過性の樹脂材8により埋め込む。埋め込みにはモールディング等の製法を用いる。
製造方法以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
このような加工方法を取ることで、光透過性の樹脂材8による埋め込みの際に、光透過部材5上部に光透過性の樹脂材8がかからないよう配慮する必要が無くなり、実装が容易となる。
【0075】
次に、上記第1の実施の形態の第2の変形例について図8を参照して説明する。
この第2の変形例は、上記第1の実施の形態において、上記第1の変形例と同様に光透過性の樹脂材8の形成方法を変えたものである。
実装の手順は、以下の通りである。配線基板3上に、光源4と、光検出器6と、光源4上の光透過部材5と、配線等とを実装する。その後に、配線基板3上の部材を光透過性の樹脂材8により埋め込む。埋め込みにはモールド等の製法を用いる。
その後、樹脂材8の上面を研磨し、当該樹脂材8と光透過部材5との各上面が揃うようにする。
【0076】
光透過部材5の上面の高さは、埋め込み前に揃えておいて樹脂材8のみ研磨してもよいし、研磨時に光透過部材5と樹脂材8の高さを一緒に研磨によって揃えても良い。又、研磨の際、樹脂材8のみを研磨して、光透過部材5の表面は加工されないようにしても良い。
又、加工により樹脂材8と光透過部材5との各上面の高さを揃えたり、その高さを調整したりすることが出来るようになり、製造時の汎用性が向上する。
なお、樹脂材8は、光透過部材5のスケール9に対向する面に掛からないので、樹脂材8は、必ずしも光透過性である必要はなく、遮光性を有していても良い。樹脂材8は、遮光性を有することで迷光低減効果が向上する。
【0077】
製造方法以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0078】
このような加工方法を取ることで、光透過性の樹脂材8による埋め込みの際に、光透過部材5上部に光透過性の樹脂材8がかからないよう配慮する必要が無くなり、実装が容易となる。
さらに、センサヘッド2から樹脂材8に比べて形状精度の高い光透過部材5が表面に出てくる分、エンコーダとしての光学性能が上記第1の変形例に比べて向上する。又、迷光の観点でも、光透過部材5における第1の光透過部50上部から樹脂材8を伝達して第2の光透過部70へ至る光の経路が無くなるので、迷光低減効果も上記第1の変形例に比べて向上する。
【0079】
次に、上記第1の実施の形態の第3の変形例について図9A、図9Bを参照して説明する。図9Aは光学式エンコーダの概略構成図を示し、図9Bは同エンコーダにおけるスケールの移動方向の断面構成図を示す。
この第3の変形例は、主に、上記第1の実施の形態において、光透過部材5を円筒状に形成し、樹脂材8を光遮光部材8aに置き換え、かつ当該光遮光部材8aは、光検出器6上の受光領域61には掛からないように構成した。
光透過部材5は、円筒形状の形成されている。光透過部材5の側面には、特に光学的な処理を施していない。
光遮光部材8aは、迷光低減効果を有するので、光透過部材5の側面には、当該光透過部材5の側面から出射される全ての方向へ向かう光を低減する構成・作用やそれに伴う効果は必ずしも必要ない。上記変更点以外の構成・作用・効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0080】
この第3の変形例においては、光透過部材5の側面から出射して光検出器6上の受光領域61へ到達する光を遮断するように光遮光部材8aを光透過部材5の側面の大半を埋め尽くすように配置している。
光遮光部材8aが光検出器6上の受光領域61に掛からないようにするには、一旦、受光領域61に他の部材をあてがい、光遮光部材8aをつけた後にこの他部材を外しても良いし、光遮光部材8aを全面に付けた後に、取り除いたり、押し退けたりしてもよい。
【0081】
図9A及び図9Bに示すように光遮光部材8は、光透過部材5の側面から出射する光を遮断するので、光透過部材5の表面での内部反射光を含めて、光源4から出射してセンサヘッド2内部を伝達する迷光は、光検出器6で検出されにくくなる。従って、光検出器6から出力される検出信号は、高いS/N比を確保できる。
【0082】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図10Aは点光源と配線基板3へのワイヤ配線と配線基板3上の電極パッド11を示す。図10Bは上記図10Aにおいて、点光源を線状光源に置き換えたものを示す。図10Cは光学式エンコーダの側面図を示す。
この実施の形態は、上記第1の実施の形態において、光源4をベアチップ光源4aに変え、光透過部材5の第1格子601を除去した。
【0083】
本実施の形態は、いわゆるタルボット干渉を利用したエンコーダであり、3重格子エンコーダと同様に、図10Cに示す各光学的距離z1、z2について上記式(1)が成り立つ。また、光学的距離z1とz2について、z1=z2が成り立つ。光出射部41のスケール長手方向の幅W1は十分小さい、点光源又は線状光源であり、光透過部材5に第1格子は形成されていない。ベアチップ光源4としては、出射光の出射窓を絞った面発光レーザやLEDを用いることができる。
【0084】
ところで、光出射部41のスケール長手方向の幅がスケールピッチに比較して十分小さくない場合、具体的には1/2程度以上の場合、光透過部材5にピンホールや細い1本のスリットを形成すれば、上記第1の実施の形態と同様に機能させることが可能である。
【0085】
光出射部41が所望の形状を有するベアチップ光源4aの光出射面に対応する面には、電極ボンディングワイヤ34の領域を避けて、光透過部材5が光透過性接着剤によりベアチップ光源に貼り付けられている。しかるに、本光学式エンコーダ1は、光透過性の樹脂材8により電極ボンディングワイヤ34を埋め込み、光透過部材5を取り囲んで充填した構成としている。
光源4は、点状又は線状であり、第1格子501の位置や向きを合わせる必要が無く、実装が容易でありながら、良好な信号検出が可能となる。
【0086】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、上記式(1)が成り立つので、上記第1の実施の形態と同様の光学的な効果が得られる。
【0087】
又、上記第2の実施の形態によれば、タルボット干渉を利用したエンコーダを採用するので、3重格子エンコーダと同様に、高精度な位置検出が可能である。さらに、光源4は、点又は線状であり、第1格子501の位置や向きを合わせる必要が無く、実装が容易でありながら、良好な信号検出が可能となる。
光透過部材5における第1の光透過部50と第2の光透過部70との厚みが等しい。従って、両側に異なる屈折率又は厚みの部材が存在する場合に比べて、光学的距離z1とz2について、z1=z2を成り立たせることが容易となる。
又、樹脂よりも形状精度の高い光透過部材5がスケール対向面に上面に出るので、樹脂に覆われている場合に比べて高精度な位置検出信号を得ることが可能となる。
【0088】
次に、上記第2の実施の形態の第1の変形例について図11A及び図11Bを参照して説明する。
図11Aは光検出器6とこの光検出器6上に実装された光透過部材5における第2の光透過部70を示し、図11Bは本光学式エンコーダの側面図を示す。
この第2の変形例は、上記第2の実施の形態において、光検出器6の構造を変更し、光透過部材5における第2の光透過部70に第3格子701を形成追加した。
【0089】
光検出器6は、4つの受光部を有する。光透過部材7の光検出器6側の面には、4つの受光部に対応したピッチp3に形成された第3格子701が形成されている。この第3格子701は、第2の光透過部材70の光検出器6側の面をほぼ4等分する形で4つの格子群から成り、格子群ごとにp3/4だけ位相が異なるよう配置されている。光検出器6の各受光部から検出される信号は、互いに1/4周期だけ位相が異なる4つの擬似正弦波信号が得られる。
光検出器6の構造と第2の光透過部70以外の構成・作用・効果は、上記第2の実施の形態と同様である。
【0090】
このような構成の第1の変形例によれば、光検出器6側のピッチp3を有する第3格子71が第2の光透過部70に形成されている。これにより、受光部の形状は単純な構造であり、製造が容易である。さらに、第3格子71のピッチp3や配置の変更などの設計変更を第2の光透過部70のみの変更で対応可能であり、設計の汎用性が高い構成となっている。
【符号の説明】
【0091】
1:光学式エンコーダ、2:センサヘッド、9:スケール、4:光源、61:受光領域、6:光検出器、5:光透過部材、8:樹脂材、3:配線基板、50:第1の光透過部、70:第2の光透過部、100:接続部、
501:第1格子、91:第2格子、PD1,PD2,PD3,PD4:フォトダイオード、A1,B1,A2,B2:電極パッド、33:電極ボンディングワイヤ、601:第1格子、200:接続透過部、200−1,200−2:屈曲部、110:光遮光部材、8a:光遮光部材、4a:ベアチップ光源、41:光出射部、34:電極ボンディングワイヤ、701:第3格子、71:第3格子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変位検出される一方の部材に取り付けられたスケールと、
前記一方の部材に対して相対移動する他方の部材に取り付けられ、前記スケールに対向して配置される検出ヘッドと、
前記スケールに設けられ、前記相対移動する方向に形成された所定のピッチを有する光学パタンからなる格子と、
を備え、
前記検出ヘッドは、発光部と、光検出部と、光透過部材とを備え、
前記発光部は、出射光のスケール移動方向の出射幅が限定された発散光を出射し、前記スケールに所定の光を照射し、
前記光検出部は、所定の位置に配置された所定のピッチを有する格子機能面と受光部とを有し、前記発光部の限定された出射幅を有する出射面から出射される光が、前記スケールに照射されて前記スケールに設けられた格子により反射し、回折し、前記格子機能面を経た光を前記受光部で受光することで、前記格子機能面上に形成される、前記スケールに設けられた格子のイメージの動きを検出して、前記スケールの相対移動量に応じて周期的な検出信号を出力し、
前記光透過部材は、第1の光透過部分と、第2の光透過部分と、これら2つの部分との間を繋ぐ接続部分とを有し、
前記第1の光透過部分は、前記発光部と前記スケールとの間の光路上に配置され、
前記第2の光透過部分は、前記スケールと前記光検出部との間の光路上に配置され、
前記第1の光透過部分と前記第2の光透過部分は所定の構造を有し、所定の配置関係にある、
ことを特徴とする光学式エンコーダ。
【請求項2】
前記検出ヘッドにおける前記スケール側の面に光透過性樹脂部材を配置することを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項3】
前記検出ヘッド内において、少なくとも前記発光部と前記光検出部と前記光検出部に対する配線を行う配線部材とを前記光透過性樹脂部材により覆うことを特徴とする請求項2記載の光学式エンコーダ。
【請求項4】
前記光透過部材における前記スケールに対向する面は、前記光透過性樹脂部材により覆われていないことを特徴とする請求項3項に記載の光学式エンコーダ。
【請求項5】
前記第1の光透過部分における表面の1つに光学格子パタンを形成したことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項6】
前記第2の光透過部分における表面の1つに光学格子パタンを形成したことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項7】
前記接続部分の形状は、前記第1の光透過部分と前記第2の光透過部分とにおける幅又は厚みよりも少なくとも一方が小さいことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項8】
前記発光部側の発散光の出射幅を限定する位置から前記スケールの格子までの光学的距離z1と、前記受光部側のスケールの格子から前記光検出部の格子機能面までの光学的距離z2とが等しく設定されることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項9】
前記発光部の限定された出射幅を有する出射面が第1のピッチを有する第1格子で構成され、前記スケール上の光学パタンである格子が第2のピッチを有する第2格子であり、前記光検出部の格子機能面が第3のピッチを有する第3格子で構成される、請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項10】
前記発光部の限定された出射幅を有する出射面が、発光幅が限定された点状光源、線状光源、または、シングルスリットであるような請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項11】
前記光透過部材は、予め形状が決まっていることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項12】
前記光透過部材は、実装時に変形しないことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項13】
前記光透過部材は、実装時に溶融しないことを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項14】
前記光透過部材は、実装時に位置調整可能であることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。
【請求項15】
前記光透過部材は、実装時にハンドリング可能であることを特徴とする請求項1記載の光学式エンコーダ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−223636(P2010−223636A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69055(P2009−69055)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】