光学式プリンタに関する改良
本発明の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子(14)を有する第1の光源アレイ(20)と;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子(14)を有する第2の光源アレイ(21)と;そして可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を有する第3の光源アレイ(23)とを備え;前記第1、第2および第3の光源アレイ(20,21,22)は、基板(15)上のそれぞれの実質的に平行な概念線(34)に沿って略直線的に編成され;そして前記各アレイ(20,21,22)の前記複数の光源素子(14)は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線(34)に対して互いにオフセットされるように編成されている;光学式プリンタ用の照射装置に関連する。他の態様は、印刷ヘッド、印刷ヘッドアセンブリ、光学プリンタ、光学プリンタを較正する方法、装置に関連する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光学式プリンタの改良に関する。本明細書で後に詳述する好適な実施の形態の幾つかは、光学式プリンタ用の照射装置に関する。別の実施の形態は、光学式プリンタ用の印刷ヘッドに関し、光学式プリンタ用の印刷ヘッドアセンブリに関する。
【0002】
追加の実施の形態は、光学式プリンタの較正に関連し、更なる実施の形態は、光学式プリンタ用の搬送機構に関する。これらの構成の1つ以上を組み込んだ光学式プリンタも開示する。
【背景技術】
【0003】
光学式プリンタとは、デジタル式に格納された画像を光に変換し、この光を感光媒体に投影して画像を形成可能な装置である。光学式プリンタは元々、電子回路基板にフォトレジストマスクを形成するのに使用されており、露光が「オン」または「オフ」のいずれかであったため製造が比較的容易であった。
【0004】
本特許で説明する各種光学式プリンタは、主に写真画像の生成に対しに設計したものである。ただし、本発明の教示は、写真画像の生成に限定されない。
【0005】
光学式プリンタは、物質(レーザプリンタの場合はトナー、インクジェットプリンタの場合はインク)を媒体上に堆積させないという点で、レーザプリンタおよびインクジェットプリンタとは異なる。その代わり、媒体を露光し、その後化学的に処理する。したがって、これを「プリンタ」と呼ぶのは誤称(このような装置は実際、媒体上に何も、従来の単語の意味での「印刷」はしないため)のようなものであるが、本明細書に記載の種類の装置は、当該技術分野で一般にプリンタとして知られている。
【0006】
写真用の媒体(例えば、印画紙)では画像の各画素の強度を変更できるため、写真画像は、通常、インクまたはレーザジェット画像よりも高画質であると考えられている。インクまたはレーザジェットプリンタは、そこにある、またはそこにない物質を堆積させる。このため、同等の品質を達成するのに、インクまたはレーザジェットプリンタの見かけ上の解像度(インチ当たりのドット、すなわちDPI)は、写真プリンタの解像度よりも相当高くする必要がある。
【0007】
数種類の光学式写真プリンタが市販されており、それらはレーザ、液晶マスク、マイクロミラーおよび発光ダイオードを含む各種の露光機構を用いている。
【0008】
図1は、光学式プリンタの典型的なコンポーネントの概要図である。図示のように、プリンタは媒体キャニスタを備え、媒体キャニスタから、連続的な未露光の写真用の媒体片(印画紙等)が引き出される。媒体は、高精度メカトロニクスである媒体搬送装置によりキャニスタから引き出される。媒体搬送装置は、媒体を印刷ヘッドに供給し、媒体を印刷ヘッドに対して位置決めする。印刷ヘッドは、複数の光学素子(発光ダイオード等)を備える。光学素子は、通電することにより発光し、この光により印刷ヘッドの直下に位置する媒体の領域が露光される。
【0009】
印刷ヘッドを媒体上で移動することにより、媒体は帯状に露光される。印刷ヘッドには、制御システムによりデータが送られる。制御システムは、媒体が所望の最終画像に従って露光されるように、通電すべき要素の正確な組み合わせを配置して媒体を露光する。
【0010】
露光された媒体は、媒体搬送装置によりカッターへ送られ、カッターは、媒体の露光部分を切断して残りの未露光の媒体から切り離すよう作動する。次いで、露光された媒体片は、化学現像装置に送られて現像される。現像プロセスにより媒体上に画像が現れ、完成した印刷画像が出力される。
【0011】
図示のように、システムの要素のそれぞれは、制御システムにより慎重に制御される。制御システムは、適切なソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータ、専用電子回路、またはこれら2つの組み合わせを備えていてもよい。
【0012】
すべてのプリンタにとって、印刷可能な解像度が重要な課題である。特にインクジェットプリンタの分野では、基板(通常は紙)上に印刷可能なインチ当たりのドット数を改良するため、多大な努力が行われてきた。光学式プリンタでは、達成可能な解像度を制限する主たる要因は、写真用の媒体に入射する光を発生させるのに用いる照射装置のサイズである。
【0013】
本出願人の従来の特許(欧州特許第1228633号)では、基板15上に搭載された3アレイのLED(発光ダイオード)照射素子14(1カラムの赤色LED20、1カラムの緑色LED21、および1カラムの青色LED22)を備える照射装置(以下、図2(a)および図2(b)により説明する)が開示されている。照射装置は、通電時にテーパ状の光ファイバーライトパイプ10の受光面13に向けて発光するように構成されている。ライトパイプは、受光面で受けた光をLEDから、受光面よりも表面積が小さい発光面(図示せず)に搬送する。発光面が発した光は、写真用の媒体(印画紙等)に入射して画像を生成する。図2(a)に示すように、LEDは、基板上で平行なカラム状に搭載され、(図2(b)に示すように)各カラムのLEDは、必要な電気的接続を行うことができるよう隣接するLEDから離間されている。
【0014】
本特許で説明するように光ファイバーライトパイプをテーパ化することにより、照射装置により写真用の媒体上に発生する照射「スポット」のサイズが(照射装置が写真用の媒体を直接照射する場合に現れるものよりも)縮小され、これにより得られる写真画像の光学解像度を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この構成により従来の光学式プリンタで達成可能な解像度が大幅に向上したが、その一方で、より高解像度の画像に対する要望が市場に存在している。この市場の必要性に応えるため、本発明者らは、照射装置の物理サイズの更なる縮小により、達成可能な解像度の更なる向上を試みた。しかし、照射装置の物理サイズを縮小するという本発明者らの試みは、特に、照射装置を構成する赤色、緑色および青色の各アレイの発光素子(通常はLED)の物理サイズにより、および素子を電源に接続するために必要な素子間のスペースにより、阻害されていた。
【0016】
本発明の第1の態様は、発光素子の最小物理サイズの制約下で照射装置のサイズ、およびこれらの素子を電源へ連結するために必要なスペースを、如何に縮小するかという技術的問題の解決を探求するものである。
【0017】
本発明の第2の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質に関連する問題への対処に関連するものである。
【0018】
本発明者らの先行特許などで開示されている従来提案されていた装置では、画像を写真用の媒体上に形成する際に連続した印刷帯状体の接合部に生じる所謂「バンディング」効果により、画像品質が悪影響を受ける可能性があることに本発明者らは気付いた。
【0019】
図2(c)に概略的に示すように、写真用の媒体1(通常は印画紙のロールを備える)は、印刷装置においてA方向に搬送される。照射装置3(赤色、緑色、青色の発光素子アレイ5から構成される)を地点Bから地点Cへ移動することにより、装置直下の写真用の媒体の帯状体を照射し、最終画像の一部を生成する。既に説明したように、素子からの光は、照射装置と写真用の媒体1との間に設けられたテーパ状のライトパイプ(このため図2(c)においてライトパイプは不可視である)の受光面に入射し、受光面よりも相当小さい光伝達面を介してライトパイプから出射する。これにより、アレイが直接写真用の媒体を照射する場合よりもはるかに小さい面積の写真用の媒体が照射される。次いで、照射装置は、地点Cから地点Bへ戻り、写真用の媒体は、テーパ状のライトパイプの上述の発光面の長さと実質的に等しい(かつ照射装置の長さより短い)距離Xだけ送られる。次いで照射装置を地点Bから地点Cへ移動し、画像の次の帯状体を印刷する。
【0020】
この構成は上手く作用するものの、連続した帯状体の印刷間における紙の送り量の一見深刻でない誤差や、その他の変則的動作のため、最終画像が悪影響を受ける可能性がある。例えば、紙の送り量がXよりも長いと、連続した帯状体間に検出可能な間隙(白色の線として可視)が発生し、紙の送り量がXよりも短いと、帯状体が重なる領域に写真用の媒体の露出過多(著しく濃色の帯として可視)が生じる。
【0021】
上述の本発明の第2の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質を、如何に改良するか(特に、上記の「バンディング」効果などの影響を如何に低減するか)という技術的問題の解決を探求するものである。
【0022】
本発明の第3の態様は、照射装置の構造、およびその照射装置を組み込んだ印刷ヘッドに関連する。
【0023】
本発明者らが過去に提案した照射装置は、本質的に図2(b)に示すとおりであり、個々の発光素子14が搭載された基板15を備える。基板は、次いで、LEDおよびLEDへの電気的接続34を保護するため、透明層33内にカプセル封入される。照射装置は、テーパ状の光ファイバーライトパイプ10から離間されている。透明層またはライトパイプ10の受光面13には、反射防止層32を追加してもよい。
【0024】
この過去に提案された照射装置は適切に機能したものの、最終画像の品質が、隣接LED素子間のクロストーク、ならびに赤色、緑色および青色のアレイの相対強度の変動により悪影響を受ける可能性がある、ということに本発明者らは気付いた。また、(最終画像における収差を回避するためには)照射装置と光ファイバーライトパイプとの間の間隙を厳密に制御しなければならず、このような制御を実際に行うことは困難である。
【0025】
本発明の第3の態様は、このような問題の解決を探求するものである。
【0026】
本発明の第4の態様は、最終画像の品質を向上させるための光学式プリンタの較正に関連する。
【0027】
光学式プリンタ、特に光源にLEDを用いるプリンタに対する不変の問題には、光源の特性が1つ1つ大幅に変動するというものがある。例えば、特定色の任意の2つのLEDを同じ電流で駆動した場合、それらが発する光の強度プロファイルと波長プロファイルとの両方が、著しく変動することになる。このようなLED間の変動は、最終印刷画像の帯状体における線として現れる可能性がある。また、発光ダイオードには、入力電圧の変動に対してその出力強度と波長との両方が非線形に変動する傾向がある。複合的な問題として、特定の印刷に用いる写真用の媒体(通常は印画紙)が、その印刷の品質に直接影響するということと、更に所与の印画紙の特性が、通常、他種の印画紙の特性とはまったく異なることがある。
【0028】
最終画像の品質を改良するには、これらの各種の変動のすべてに対処しなければならない。この目的のために、一連のフォトセルを写真用の媒体として用い、それらのフォトセルの出力を光源素子にフィードバックすることにより、それらの素子の出力を調整し、印画紙への照射を一様にすることが可能だろう、とかつては考えられていた。
【0029】
しかし、この方法は一見、前述の問題を軽減する魅力的な手段であるかのように思えるが、残念ながらフォトセルは、印画紙などの写真用の媒体に対する応答が大きく異なり、そのためシステムをフォトセルセットに対して最適に調整しても、それが必ずしも印画紙への印刷に適した設定になるとは限らない。
【0030】
本発明の第4の態様は、これらの問題に対処するもので、一般的な言葉で言えば、プリンタにより印刷された1つ以上の処理画像からそのプリンタを較正するという考えに関するものである。画像には上述のあらゆる変動が当然組み込まれており、そのため画像に対して較正することにより必然的にこのようなあらゆる変動に対処することになるため、この手法は有益である。
【0031】
本発明の第5の態様は、写真用の媒体の搬送機構の改良に関連するものである。
その搬送機構についての特定の要件として、プリンタが高解像度を達成したり高品質の出力を提供したりできるように、写真用の媒体の移動公差が数ミクロン程度、典型的には概ね4ミクロンとなるように、搬送機構のコンポーネントを慎重に設計し、制御しなければならないことがある。つまり、写真用の媒体をプリンタにおいて所与の距離だけ移動させることが所望される場合、搬送機構のメカトロニクスは、実際の搬送距離が所望の距離プラスマイナス数ミクロン(例えば4ミクロン)以内となるようなものでなければならない。
【0032】
当該技術に精通する者であれば理解するであろうことが疑いないように、実際の搬送距離が所望の距離よりも大きい場合は、最終画像に可視の白色の帯が現れる可能性がある。同様に、所望の距離に対する搬送距離の不足が4ミクロンを超える場合は、画像の隣接帯状体の重なりが目に見えて分かる程度となり、最終画像が台無しになる。したがって、搬送機構の設計は、写真用の媒体を高度に正確に搬送できるものであることが必須であり、本発明の第5の態様は、この問題に対処するものである。
【0033】
本発明の第6の態様も、光学式プリンタにおける写真用の媒体の搬送に関するものである。本発明のこの態様は、写真用の媒体のスループットを高めたプリンタを考案できたとしたら有益であろう、という本発明者らが認識した事実に関するものである。このようなプリンタが異なるサイズの写真用の媒体に容易に対応できたとしたら、それもまた有益であろう。
【0034】
写真用の媒体のスループットを向上させる比較的簡単な方法の1つは、光学ヘッドアセンブリが写真用の媒体上で移動する速度を増加させるというものであろう。しかし、かかる手法では、それほどの速度増加は達成されない。というのもヘッドは、写真用の媒体上の所与の点を画像形成に必要な量の光学エネルギーに露光するため、(所与の写真用の媒体および光源から発せられた所与の光出力について)最低限の一定時間だけその点の上に留まらなければならないためである。したがって、最終画像の品質に悪影響を与えることなしに、ヘッドが写真用の媒体上の所与の点上に留まる時間がこの最低限の一定時間未満となる程度まで、ヘッドの速度を増加させることはできない。本発明の第6の態様は、これらの問題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の態様の目的は、上述の問題の1つ以上に対処することである。
【0036】
この目的を達成するため、本発明の第1の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記各アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0037】
基板上で光源アレイを概念上の平行線に沿って編成するとともに、各アレイの個々の素子を関連する概念線に対してオフセットすることにより(実際には、鋸歯状の発光素子アレイを提供することにより)、上述の概念線に対して水平な方向において発光素子を、図2(a)に示す従来技術の編成におけるよりも接近させて編成することができる。このように素子をより接近させた状態で配置することにより、それぞれの素子に起因する最終画像の個々の成分の間隔を狭め、その画像の解像度を向上させることができる。
【0038】
1つの特に好適な編成では、基板上の関連する概念線に対する各素子のオフセットは、各アレイにおける隣接素子の発光プロファイルが、隣接LED素子に起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の素子が容易には(例えば、拡大することなしには)解像されない程度に重なるように構成される。
【0039】
本発明の第2の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記第1、第2および第3の光源アレイはそれぞれ、帯状光を発するよう動作可能であり、前記印刷ヘッドは、前記光源アレイの第1のアレイが通電時に、前記光源アレイの隣接した第2のアレイが通電時に発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされた帯状光を発するように構成されている、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0040】
この構成を採用することにより、(例えば)赤色アレイによる写真用の媒体の照射により発生する最終画像の隣接コンポーネント間の接合部が、緑色および青色のアレイに起因するその画像の隣接コンポーネント間の接合部とは異なる写真用の媒体上の場所に生じることになる。この構成によれば、3つのアレイのうちの1つに起因する最終画像のコンポーネント間の接合部が、その他の2つのアレイに起因するコンポーネント間の接合部とは絶対に一致しない。
【0041】
実際には、かかる構成を採用することにより、3つのアレイについての画像帯状体間の接合部におけるエラーが(上述の特許にて開示した装置におけるように)複合されることはなく、1つのアレイについてそのアレイに起因する画像帯状体間の接合部にエラーが生じても、そこではその他のアレイに起因するコンポーネントのエラーが生じるはずはなく、従って3つのアレイのすべてを位置合わせした場合よりもエラーが人間の目で知覚されにくくなる。
【0042】
本発明の第3の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイと;前記第1、第2および第3の光源アレイが搭載された第1の表面を有する基板であって、前記第1の表面は、隣接した光学素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている基板と;(任意ではあるが)前記光源素子アレイの前に配置されているマスクマスクであって、複数の開口が内部に設けられ、前記開口が前記アレイの光源素子と概ね一致することにより前記アレイからの光が前記マスクを透過できるように配置されているマスクとを備える、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0043】
本発明のこの態様は、隣接アレイ間のクロストークが基板の第1の表面により低減され、アレイの隣接素子間および隣接アレイの素子間のクロストークがマスクにより低減されるため、有益である。これはつまり、所与の素子について、アレイのその部分から来る光(かかる光はテーパにおいてファイバー群を照射する)のより多くの成分が、(隣接した素子またはアレイから反射した光とは異なり)実際にその素子に起因する、ということである。
【0044】
本発明の第4の態様は、複数の光源素子をそれぞれ備える複数の光源アレイを有する光学式プリンタを較正する方法であって、(a)前記プリンタを制御し、所定のテストパターンを第1の写真用の媒体上に印刷するステップと;(b)前記テストパターンを電子的にスキャンしデジタル化し、前記第1の写真用の媒体上に印刷するステップと;(c)前記デジタル化し印刷されたテストパターンを処理し、前記複数のアレイの各前記光源素子に対し、その素子により発っせられた光の強さの測定値を判定するステップと;(d)各前記光源素子に対し調整因数を判定し、前記調整因数によって、その素子が一部を形成する前記アレイの全ての素子が実質的に同じ光出力を有することになる場合、その素子の光出力を調整するステップと;(e)較正テーブルに前記調整因数を組み込むステップと;(f)前記プリンタを制御し、前記較正テーブルに表示された対応する調整因数により、前記アレイの光源素子の各々の光出力を調整するステップと;(g)前記プリンタを操作し、前記第1の写真用の媒体と同一の前記第2の写真用の媒体上に、前記所定のテストパターンを増刷するステップと;(h)前記写真用の媒体上に印刷された前記所定のテストパターンが、所定の基準セットを満たし、許容可能な品質であると判定されるまでステップ(a)乃至(g)を反復的に繰り返すステップとを備える、方法を提供する。
【0045】
本発明の第5の態様は、光学式プリンタ用の搬送機構であって:写真用の媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラの外側表面の少なくとも一領域が、写真用の媒体を把持するとともに前記搬送機構を通って印刷ヘッドアセンブリに向けて引くように構成されている、搬送ローラと;写真用の媒体を前記搬送ローラに対して押圧することにより、前記搬送ローラにより前進させる際に前記媒体が滑る可能性を低減するよう構成された押圧ローラと;少なくとも1つの格納キャニスタから前記押圧ローラおよび搬送ローラに写真用の媒体を案内するための案内手段と;前記搬送ローラを回転させるように構成されたステッパモータと;前記搬送ローラの回転を検出するとともにその回転を表す信号を生成する手段と;前記搬送ローラを駆動して前記搬送機構を通って所定の距離だけ媒体を前進させるよう前記ステッパモータを制御し、前記信号から前記ローラが回転した距離の測定値を導出し、前記測定された距離が前記所定の距離と等しい場合に前記ステッパモータを制御して前記ローラの回転を停止させるよう構成されたコントローラとを備える;搬送機構を提供する。
【0046】
一実施の形態において、本発明の第6の態様は、別々の媒体のそれぞれを通過させることにより光源による露光が可能な複数の印刷チャネルを画成するよう構成および編成され、別々の媒体片を前記チャネルの2つ以上を通過させて前記光源により露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるように、または単一の媒体片を前記チャネルの2つ以上を同時に通過させて前記光源により露光させることにより前記単一の媒体片上に単一の画像を形成できるように構成可能である、光学式プリンタ用のコンポーネントを提供する。
【0047】
他の実施の形態において、本発明の第6の態様は、別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと、1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する、光学式プリンタ用のコンポーネントを提供する。
【0048】
本発明の他の態様は、別々の媒体を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと、1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体を露光させることにより各媒体上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する、光学式プリンタ用の照明装置に関連する。
【0049】
本発明の他の態様は、それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって、前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体間に間隙が生じた場合、前記アレイのいずれか1つにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第1の領域が、前記アレイのその他のものにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第2および第3の領域と一致しないように成されている、光学式プリンタ用の照明装置に関連する。
【0050】
本発明の最後の態様は、光学式プリンタを前記プリンタにより印刷された画像から較正する方法であって:(i)前記プリンタの印刷ヘッドの各光学素子により前記画像になされた貢献を査定するステップと;(ii)各素子による貢献が互いに等しい状態に近づくように、前記プリンタで行う次の印刷のため各素子の貢献を調整するステップと;(iii)次の画像を印刷するステップと;(iv)前記画像が許容可能であるか判断するステップと;(v)前記画像が許容可能でない場合、印刷された画像が許容可能であると判定されるまでステップ(i)乃至(iv)を反復するステップとを含む方法に関連する。
【0051】
本発明の前述の態様のその他の特長および利点は、下記の好適な実施の形態の詳細な説明および本願のそれ以外の記載において述べる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
例示により、および以下の添付図面を参照して、本発明の種々の好適な実施の形態を説明する。
【0053】
【図1】図1は、例示的な光学式プリンタの概要図である。
【図2(a)】図2(a)は、本発明者らの関連欧州特許に開示されている光学照射装置の概要図である。
【図2(b)】図2(b)は、図2(a)に示す装置の別図である。
【図2(c)】図2(c)は、画像の連続した帯状体を露光するために照射装置が写真用の媒体上を移動する様子を示す。
【図3】図3は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図4】図4は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図5】図5は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図6】図6は、照射装置の断面概要図である。
【図7】図7は、印刷ヘッドアセンブリの概要図である。
【図8】図8は、照射較正方法の工程を示すフロー図である。
【図9(a)】図9(a)は、例示的なテストパターンの概要図である。
【図9(b)】図9(b)は、図9(a)の部分拡大図である。
【図10】図10は、LEDの色と印画紙上の対応画像の色との関係を示すチャートである。
【図11】図11は、光学式プリンタ用の搬送機構の概要図である。
【図12】図12は、光学式プリンタの写真用の媒体を搬送、処理および切断するコンポーネントの(写真用の媒体投入側から見た)斜視概要図である。
【図13】図13は、写真用の媒体排出側から見た図12のコンポーネントの斜視概要図である。
【図14】図14は、別方向から見た図12に示すコンポーネントの斜視概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の種々の好適な実施の形態を詳細に説明する。下記の説明は、例示のみを目的とするものであり、何らの点において本発明の適用範囲を限定するものと解釈すべきではない。以下で説明する特定の実施の形態には、数多くの修正および改変を施すことが可能であることが理解されよう。かかる修正および改変はすべて、本発明の適用範囲に含まれることをここで留意されたい。例えば、以下の説明ではアレイの個々の照射素子が発光ダイオードであるとしているが、様々な異なる種類の照射装置で代用することが可能であり、本明細書におけるLEDへの言及は本発明の適用範囲を限定するものと解釈すべきではないことが、当該技術において通常の技能を有する者には直ちに明白となろう。
【0055】
本明細書で用いる「写真用の媒体」という用語は、露光させ、現像することにより画像を生成可能ないずれかの媒体を言う。かかる媒体の例には、印画紙がある。また、「印刷」またはその他の関連する用語を用いる場合、本発明者らはインクなどを媒体上に付着させることを意図していないことに留意されたい。一般に、本願の文脈において「印刷」とは、写真用の媒体を露光させ、現像して画像を得ることを言う。
【0056】
上述のように、本発明の態様の1つは、照射装置の物理サイズを縮小することにより光学式プリンタで達成可能な解像度を向上させることに関連するものである。しかし、照射装置の物理サイズを縮小するという本発明者らの試みは、特に、赤色、緑色および青色のLEDの物理サイズにより、および素子を電源に接続するために必要な素子間のスペースにより、阻害されていた。LEDを、単純に互いに当接させることにより、基板上でより接近させて搭載することが考えられる。しかし、かかる配置は、個々のLEDに通電するために設けなければならない電気配線のためのスペースが不十分になるため、現実的には不可能である。
【0057】
この問題に対処するため、本発明者らは、図3に示すように、LED14のアレイ20、21および22を、基板15上の概念上の平行線34に沿ったカラム状に配置し、LEDの各カラムにおいて個々のLED14を、関連する概念線34(図3の破線)からオフセットさせ、実施において「鋸歯状LED」のアレイとした。
【0058】
同図に示すように、各アレイ(赤色20、緑色21および青色22)のLED14は、図2(b)に示す従来技術の配置におけるよりも、垂直方向において(配置されているように)より接近させた状態で配置される。このようにLED14をより接近させた状態で配置することにより、それぞれの素子に起因する最終画像の個々の成分の間隔を狭め、最終画像の解像度を向上させることができる。
【0059】
基板15上の関連する概念線34に対する各LED14のオフセットは、各アレイにおける隣接LED14の発光プロファイルが、隣接LEDに起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の各成分が容易には解像不能な程度に重なるように構成される。これはつまり、画像を普通に見た場合は画像の素子は解像不能であり、画像を数倍に拡大した場合のみ解像可能である、ということである。(図面で言う)垂直方向における隣接LED間の間隔は、ゼロとしてもよい。別の構成では、(垂直方向に)隣接したLED間の間隔をゼロ未満とすることにより、隣接LEDの発光プロファイルのそれぞれが、それらの隣接LEDに起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の成分が容易には解像不能な程度に重ならせてもよい。
【0060】
上述したように、本発明の別の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質に関連する問題への対処に関連するものである。本発明者らの上記先行特許などで開示されている過去に提案されていた装置では、画像を写真用の媒体上に露光する際に連続した印刷帯状体の接合部に生じる所謂「バンディング」効果により、最終画像品質が悪影響を受ける可能性があることに本発明者らは気付いた。例えば、帯状体が重なる領域に写真用の媒体の露出過多(著しく濃色の帯として可視)が生じることに、本発明者らは気付いた。
【0061】
添付の図4および図5は、そのような問題に対処する2つの構成を示す。これらの各構成では、赤色20、緑色21および青色22のアレイが、互いに線形に(上記概念線34に沿って)オフセットされている。この構成を採用することにより、(例えば)赤色アレイによる写真用の媒体の露光により発生する最終画像の隣接帯状体間の接合部が、緑色および青色のアレイに起因するその画像の隣接帯状体間の接合部とは異なる写真用の媒体上の場所に生じることになる。この構成によれば、3つのアレイのうちの1つに起因する最終画像の帯状体間の接合部が、その他の2つのアレイに起因する帯状体間の接合部とは一致しにくくなる。
【0062】
実際には、かかる構成を採用することにより、3つのアレイについての画像帯状体間の接合部におけるエラーが(上述特許にて開示した装置におけるように)複合されることはなく、アレイの一つについてそのアレイに起因する画像の成分間の接合部にエラーが生じても、そこではその他のアレイに起因する成分にエラーが生じにくく、従って3つのアレイのすべてを位置合わせした場合よりもエラーが人間の目で知覚されにくくなる。
【0063】
上述したように、これらの問題は、一実施の形態(図4に示す)では、3つのアレイ20、21、22を互いに物理的にオフセットすることにより対処できる。別の実施の形態(図5に示す)では、アレイ20、21、22の一端または両端のLED14の選択されたグループが、(それらのLEDを電源に接続しないか、それらのLEDのスイッチを投入しないように選択するかのいずれかにより)点灯されないよう構成することによって、同じオフセット効果を達成する。図5では、点灯されないLEDをクロスハッチングで示している。
【0064】
アレイ間のオフセットは、プリンタにおいて写真用の媒体を移動するときに生じ得る最大の位置決め距離誤差よりも少しだけ大きいファイバーテーパの発光面におけるアレイ間のオフセット距離を提供する、ファイバーテーパの受光面における距離に対応するように選定するのが好ましい。以下で述べる位置決め誤差が最大で4ミクロン程度である特定の例では、テーパの発光面におけるアレイ間のオフセット距離が、これよりもわずかに大きい(例えば最大6ミクロン)ことが好ましく、照射装置上のアレイ間の実際のオフセットは、発光面におけるオフセット距離(本例では最大6ミクロン)に、(照射装置の概念線に平行な方向において)発光面から受光面までのファイバーテーパにより与えられる倍率に対応する因数を乗算したものとなる。
【0065】
上述したように、本発明の別の態様は、照射装置の構造、およびその照射装置を組み込んだ印刷ヘッドに関連する。特に、所与の最終画像の品質が、隣接LED間のクロストーク、ならびに赤色、緑色および青色のアレイの相対強度の変動により悪影響を受ける可能性がある、という事実に関連する問題の対処を本発明者らは模索してきた。また、(最終画像における収差を回避するためには)照射装置と光ファイバーライトパイプとの間の間隙の維持を厳密に制御しなければならず、このような制御を実際に行うことは困難である。
【0066】
かかる問題に対処するため、本発明者らは、図6に示す新規な照射装置の構造を考案した(図6は、基板上の上述の概念線の1つに概ね沿った装置の断面図である)。
【0067】
図示のように、本発明のこの態様による照射装置40は、個々のLED14が搭載された基板42を備える。基板42は、少なくともLED14が搭載された側において、隣接したLEDアレイ間の光反射を低減し、および/または前記アレイにおける隣接LED間の光反射を低減するように構成されている。
【0068】
これらの特長は両方とも、基板42の少なくともこちら側の選択された部分または全体を無反射状態にする−例えば、無反射コーティング(例:黒の塗料)で覆う−ことにより達成でき、基板表面を介したLEDまたはアレイ間の光反射(ひいてはクロストーク)を低減することができる。
【0069】
LEDは、素子および素子への電気接続(図示せず)を保護するため、光透過性カプセル材44、好ましくはポリマーカプセル材に封入されている。カプセル封入されたLEDは、次いで光透過性媒体46、好ましくは比較的粘度の高い流体媒体により覆われ、その媒体上にフィルタ48が搭載されている。LEDを覆う媒体としては、ベビーオイルが特に好適であることが判明している。フィルタとカプセル封入されたLEDとの間に流体媒体を設けることにより、屈折率をマッチングさせることによりLED間の反射を低減することができる。
【0070】
フィルタ48は、好適な実装において、発光素子の3つのアレイのうちの1つ以上に対して異なっている。フィルタの機能の1つには、各LEDからの誤った色の露光(色のクロストーク)を低減する帯域通過フィルタとして作用するというものがある。フィルタの第2の機能には、関連する特定のアレイについて要求される場合、すべてのアレイについて光の強度が実質的に等しくなるように発せられた光の一部を吸収するというものがあり、これによりLEDの電子制御が容易になる。これは、青色LEDアレイの場合に特に当てはまる。青色LEDは、同様のサイズの赤色または緑色のLEDよりも大きな光強度の有効光を発する傾向があり、ほとんどの写真用の媒体は、青色の波長に対してより敏感な傾向があるためである。これを補うために、青色LEDと関連するフィルタは、発せられた光の一部を吸収し、またその光を所定範囲の波長に制限する。
【0071】
開口52をもつマスク層50は、開口がLEDに位置合わせされるように(開口はそれぞれ、関連するLEDよりもわずかに大きい)フィルタ層上に搭載される。マスクの設置も、近隣の発光素子間のクロストークの低減に役立つ。
【0072】
図7は、照射装置40から構成される印刷ヘッド54の概要図である。照射装置40は、LEDアレイにより発せられた光がテーパ状の光ファイバーライトパイプ58の受光面56に入射するように、ライトパイプ58の受光面56に当接している。光透過性の流体媒体60、例えば適切な屈折率をもつ比較的粘度の高い流体を、LEDアレイとライトパイプ58との間に設けてもよい。
【0073】
光は、ライトパイプにより受光面56から発光面62へ搬送され、そこから光学レンズリレー66を介して写真用の媒体64へ搬送される。リレーは、塵埃のピックアップや、発光面が写真用の媒体を直接照射するため写真用の媒体に非常に接近していた場合に導入される可能性がある収差(例えば、スプレッディング)などの問題を回避するために設けられる。
【0074】
図示の実施の構成では、リレー66を対称的に配置する(すなわち、リレーの中心が発光面および写真用の媒体の両方から一定の距離“I”にある)ことにより、テーパ状のライトパイプ58の発光面62から写真用の媒体64への光伝搬を1:1としている。しかし、写真用の媒体上に現れる画像を縮小または拡大するため、写真用の媒体への光伝搬を非対称にするのが望ましい場合もある。発光面および写真用の媒体に対するレンズリレーの位置は、調整可能であってもよく、ユーザにより調整可能としてもよい。
【0075】
1つの考えられる構成では、複数の異なるレンズリレー(それぞれ、光伝搬が異なる)をロータ上に構成し、適切なレンズリレーを発光面と写真用の媒体との間の光路に回転させることにより、異なる光伝搬が達成可能である。
【0076】
好適な構成では、テーパ状のライトパイプおよび基板が無反射カバー68により覆われ、ライトパイプの発光面だけが露出される。
【0077】
上記または本願全体での文脈において、変形を行ってもよいことが理解されよう。例えば、帯域通過フィルタの設置を必要としなくてもよい。フィルタが要求されるかまたは望まれる場合、1つ以上の帯域通過フィルタに加え、またはその代わりに、高域または低域フィルタを設けてもよい。また、発光素子が必ずしもLEDでなくてもよい場合もある。その他の光源、例えばレ―ザーダイオードや照射LCDアレイなどを、代わりに用いてもよい。最後に、図面に示した照射装置は純粋に例示であるということが、当該技術に精通する者には当然理解されよう。実際、各アレイは、添付の図面に図示されているよりも多くの発光素子を備えることになるだろう。
【0078】
上述のように、光学式プリンタ、特に光源にLEDを用いるプリンタについて不変の問題には、光源の特性が1つ1つ大幅に変動するというものがある。例えば、特定色の任意の2つのLEDを同じ電流で駆動した場合、それらが発する光の強度プロファイルと波長プロファイルとの両方が、著しく変動することになる。このようなLED間の変動は、最終印刷画像の帯状体における線として現れる可能性がある。また、発光ダイオードには、入力電圧の変動に伴ってその出力強度と波長との両方が非線形に変動する傾向がある。複合的な問題として、特定の印刷に用いる写真用の媒体(通常は印画紙)が、その印刷の品質に直接影響するということと、更に所与の印画紙の特性が、通常、他種の印画紙の特性とはまったく異なることがある。
【0079】
最終画像の品質を改良するには、これらの各種の変動のすべてに対処しなければならない。この目的のために、一連のフォトセルを写真用の媒体として用い、それらのフォトセルの出力を光源素子にフィードバックすることにより、それらの素子の出力を調整し、これにより印画紙への照射を一様にすることが可能だろう、とかつては考えられていた。この方法は一見、前述の問題に対する魅力的な解決策であるかのように思えるが、残念ながらフォトセルは、印画紙に対する応答が大きく異なり、そのためシステムをフォトセルセットに対して最適に調整しても、それが必ずしも印画紙への印刷に適した設定になるとは限らない。
【0080】
これらの問題を緩和するため、本発明者らは、プリンタにより印刷された1つ以上の画像からそのプリンタを較正するという較正方法およびシステムの提供を提案した。最終画像には上述の非線形変動のすべてが当然組み込まれており、そのため画像に対して較正することにより必然的にプリンタにおける非線形変動のすべてに対処することになるため、この手法は有益である。
【0081】
本発明者らが開発したプロセスは反復プロセスであり、このためプリンタは反復のたびに、現反復回に対して判定された最適な調整因数未満の所定の因数により調整される。反復のたびにプリンタを現反復回に対して判定された最適な調整因数に調整した場合、較正プロセスが不安定になる可能性があるので、この構成が意図的に用いられる。
【0082】
添付の図面の図8を参照して、プロセスの最初のステップで、(図9(a)に示すタイプの)テストパターンをプリンタの解像度、例えば約400DPIで印刷する。光学式プリンタにとっての400DPIの解像度が、例えば典型的なインクジェットプリンタが提供するはるかに大きな解像度に相当することを、当該技術に精通する者は当然理解するだろう。典型的には、同じ概念DPI解像度で印刷した場合、光学式プリンタで達成可能な解像度は、インクジェットプリンタで達成可能な解像度の約5倍優れている(換言すれば、光学式プリンタにとっての400DPIの解像度は、インクジェットプリンタにとっての2000DPIに概ね相当する)。
【0083】
テストパターンの印刷後、プロセスの次のステップで、最終印刷画像が許容されるか否かを確認する。以下でより詳細に説明するように、これは、オペレータが手動で行うか、または自動的に行うことができる。
【0084】
印刷されたテストパターン画像が許容されない場合、プロセスの次のステップで、比較的高い解像度、例えば1600DPIを有するカラースキャナで印刷画像をスキャンする。スキャンされたテストパターンは、スキャナに接続されたコンピュータのメモリに直接取り込まれる。プロセスの次のステップで、スキャンされた画像が最終的な品質の測定値に到達するように画像をコンピュータを用いて処理する。
【0085】
スキャンされた画像の処理後、または処理中に、コンピュータは、光学式プリンタの照射装置における発光素子のそれぞれに対する一連の調整を定義した較正テーブルを生成する。
【0086】
較正テーブルの完成後、プロセスの次のステップで、較正テーブルでプリンタをプログラムする(発光素子のそれぞれの出力を調整するため)。これが完了した後、プロセスの次のステップで、テストパターンをもう1つ印刷する。
【0087】
この第2のテストパターンの印刷後、一実施の形態では、プリンタのオペレータがテストパターンを視覚的に査定することにより、画像が許容されるか否かを判定する。画像が許容される場合、較正プロセスは停止され、プリンタは使用の準備が整う。一方、画像が許容されない場合、オペレータにとって視覚的に許容される最終画像が印刷されるまで、プロセスが(上記のように)継続する。
【0088】
このプロセスの第2の実施の形態(図示せず)では、印刷された最終テストパターンを、コンピュータの制御下にあるとともに画像をスキャンするように較正されたスキャナへ出力してもよい。続いてコンピュータが、スキャンされた画像の品質を(当該技術に精通する者には周知などの所定の基準に従って)自動的に査定し、その後画像を処理して較正テーブルを生成し、既に説明したように許容される画像が印刷されるまで較正プロセスを継続してもよい。
【0089】
図9(a)は、上述したように、較正プロセスで用いる本発明者らが開発したテストパターンの概要図である。しかし、このパターンの詳細を説明する前に、例えば印画紙などの写真用の媒体を緑色LEDで照射すると、印画紙上にマゼンタ色の画像が現れることを、まず説明することが有用である。同様に、印画紙を青色LEDで照射すると、印画紙上に黄色の画像が生成され、印画紙を赤色LEDで照射すると、印画紙上にシアン色の画像が現れる。このようなLEDの色と印画紙上の対応画像の色との間の関係を、図10で概略的に示す。
【0090】
図9(a)を参照して、較正プロセスでの使用に提案されたテストパターンは、幾つかの別々のテストエリアから構成され、それらはそれぞれ、特定の機能を有する。これらのうちの第1のテストエリアは、それぞれ低強度、中強度および高強度で印刷された3つのスキャンエリア70、72および74から構成される。プリンタを1つのスキャンエリアだけを用いて較正することも可能であるが、所与のLEDの出力は入力電圧に対して非線形に変動するため、異なる強度の3つのエリアを用いることが好ましい。プリンタ解像度の仕様の厳密さによっては、より多くの、またはより少ないテストエリアを用いてもよい。
【0091】
各スキャンエリアは、各アレイ(赤色、緑色、青色)に対するカラーブロック76、78および80と、各アレイ(赤色、緑色、青色)に対するLED識別印刷エリア82、84および86とから構成される。図9(a)に(および図9(b)により詳細に)示すように、LED識別印刷エリアは、関連するカラーブロックに直接隣接して印刷される。したがって、図示の特定の例では、プリンタは、すべての赤色LEDに通電してカラーブロック76を印刷し、続いてそれらの赤色LEDのサブセットに通電してLED識別印刷エリア82を印刷する。次いで、赤色LEDをオフに切り替え、緑色LEDをオンに切り替えてカラーブロック78を印刷し、続いてそれらの緑色LEDのサブセットに通電して識別印刷エリア84を印刷する。最後に、緑色LEDをオフに切り替え、すべての青色LEDに通電してカラーブロック78を印刷し、続いてそれらの青色LEDのサブセットに通電して識別エリア86を印刷する。
【0092】
図9(b)は、図9(a)に示すテストパターンの領域79の拡大図であり、シアン色のカラーブロックと、写真用の媒体を赤色LEDアレイで照射することにより生成される関連する識別エリアとを示す。見て明らかに分かるように、識別エリアは複数の平行線から構成され、各線は特定のLEDに起因するものである。図示の特定の例では、識別エリアを印刷するのに通電されるサブセットが、関連するアレイの4つ毎のLEDから構成される(すなわち、第1の列はアレイの第1のLEDから発生し、第2の列は第4のLEDから発生し、第3の列は第8のLEDから発生するなどとなる)。平行線により、コンピュータは、その線を印刷した特定のLEDから発生した関連するカラーブロックを特定の列を識別できる。また、印刷された隣接平行線間を補間することにより、コンピュータは、付随するカラーブロックの列を各アレイの各LEDに帰することができる。
【0093】
テスト印刷の各スキャンエリアは、破線により境界が定義されており、それによりコンピュータは、さらなる処理のために印刷されたテスト画像における各スキャンエリアを識別することができる。各スキャンエリアの第1のLED識別エリアは、アレイの配向を示す一対の十字記号「+」を含み、これによりコンピュータは、テスト画像がスキャン時にわずかに斜めになっていた場合も、スキャンエリアを自動的に回転することができる。
コンピュータが処理するためのスキャン画像を生成するには、(図9に示すタイプの)印刷されたテストパターンをカラースキャナ、好ましくはフラットベッドスキャナでスキャンする。400DPIで印刷する光学式プリンタに対して、スキャナは、少なくとも1,600DPIの解像度および少なくとも2と1/2Dの色濃度レンジを有するべきである。スキャンされた画像は、コンピュータのメモリに直接取り込まれ、処理される。
【0094】
スキャンされたテストパターンの処理は、下記のステップから構成される。まず、コンピュータが、スキャンされた画像の所望のスキャンエリアを(上述の破線を境界マーカとして用いて)識別する。次に、コンピュータは、スキャンエリアに問い合わせを行って上述の配向マーカ(十字記号「+」)を見付け、必要があればスキャン画像を回転させてスキャンプロセスで生じた傾きを補正する。
【0095】
コンピュータは次いで、第1のLED識別印刷エリアにおける第1の平行線を探し、そのアレイ(この例では赤色アレイ)の第1のLEDのY位置を設定する。コンピュータは次いで、隣接した平行線間を補間し、アレイにおける各LEDの正確なY位置を設定する。
【0096】
次に、コンピュータは、この第1のアレイの各LEDに対するLED識別エリアの(図示による)左方へカラーブロックをスキャンし、印刷画像の強度をX方向に測定する。コンピュータは次いで、測定された強度を平均化し、アレイの各LEDに対して平均強度プロファイルを設定する。
【0097】
コンピュータは次いで、LEDのそれぞれについて算出された平均強度プロファイルを、それらのLEDの最も暗いものに対して正規化し、(各LEDについて)アレイにおけるすべてのLEDの出力を実質的に一定にするため露光時間を(最大値から)短縮しなければならない因数から構成される較正テーブルを生成する。ここで、LEDの出力は電流に対して非線形に変動するため、LEDを駆動する電流を変動させるよりもむしろ、LED素子のそれぞれが写真用の媒体を照射する時間を変動させることにより、露光の変動がもたらされることに留意されたい。また、上述のように、本発明者らによるプロセスにおいて、当該反復回に対して判定された最適値未満の所定の因数だけ露光時間が短縮されることにも留意されたい。例えば、コンピュータは、当該反復回に対して最適な短縮として判定された値の90%のみの露光時間短縮を算出するように構成してもよい。効果的であるためには、較正テーブルは、LEDのそれぞれに対するスイッチオン時間を短縮すべき程度を規定する複数(各LEDについて1つ)の乗算器から構成される。
【0098】
本発明の別の実施の形態では、露光された色の「ブロック」が重ねられて「グレー色」のブロックが与えられる。スキャンされた画像のソフトウェア解析において単純に単一のカラーチャネルを選択することにより、これらのブロックにおいて個々のLEDの露光を測定することができる。本実施の形態の利点は、「カラークロストーク」、すなわち誤った色のLEDによりある色に露光してしまうことを修正できることである。
【0099】
本発明の別の態様は、上述のように、写真用の媒体の搬送機構の改良に関連するものである。
【0100】
そのような搬送機構についての特定の要件として、プリンタが上述のスケールの解像度を達成したり高品質の出力を提供したりできるように、写真用の媒体の移動公差が数ミクロン程度、通常は概ね4ミクロンとなるように、搬送機構のコンポーネントを慎重に設計し、制御しなければならない、というものがある。つまり、写真用の媒体をプリンタにおいて所与の距離だけ移動させることが所望される場合、搬送機構のメカトロニクスは通常、実際の搬送距離が所望の距離プラスマイナス4ミクロン以内となるようなものでなければならない。
【0101】
当該技術に精通する者であれば理解するであろうことが疑いないように、実際の搬送距離が所望の典型的な距離よりも4ミクロンを超えて大きい場合は、最終画像に可視の白色の帯が現れる可能性がある。同様に、所望の距離に対する搬送距離の不足が4ミクロンを超える場合は、画像の隣接帯状体の重なりが目に見えて分かる程度となり、最終画像が台無しになる可能性がある。したがって、搬送機構の設計は、写真用の媒体を正確に搬送できるものであることが肝要である。
【0102】
添付の図面の図11を参照して、本好適な実施の形態の搬送機構100は、モータ(図示せず)により駆動されるとともに比較的高レベルのグリップを提供するように構成された外周面を含む写真用の媒体搬送ローラ102を備える。例えば、好適な構成では、ローラ102に、耐久性が極めて高くかつローラの外側表面に要求される高レベルのグリップを提供する選別されたダイヤモンドチップが電気メッキされている。
【0103】
搬送ローラ102は、金属でできており、本例では、許容される公差以内の円形断面を有するように正確に研磨されたスチールローラを備える。ローラの材料としては、強度、耐久性および電気メッキの容易さの点でスチールが特に好ましい。
【0104】
搬送ローラは、上述のモータにより駆動される中心軸103を含む。そのモータは、正確なステッパモータを備えるのが好ましい。既知の摩擦ブレーキタイプの機械制動(例えば、ステッパモータが停止した後も幾分搬送ローラを回転させ続ける慣性効果を打ち消すこと)を中心軸に設けることにより、モータが停止したときに再び所望の位置から許容される公差以内の位置において、確実にローラを停止させることができる。
【0105】
光学エンコーダが、中心軸と同軸状に搭載されており、スロット付きディスク104およびディスクの各側面に設けられた発光器/光検出器ペア(図示せず)を含んでいる。スロット付きディスクが回転すると、発光器からの光がディスクのスロットを通過し、検出器により検出されることによりパルス信号が生成される。パルス信号を解釈することにより、ディスクが回転した距離(およびオプションで回転速度)の測定値が導出される。この信号は、コンピュータまたはASIC(用途特定集積回路)などのコントローラ(図示せず)に送られる。コントローラは、ステッパモータとフィードバックループ(好ましくは閉フィードバックループ)で動作することにより、搬送ローラ軸ひいては搬送ローラを駆動させるようにステッパモータを制御する。
【0106】
直径がローラの直径よりも実質的に大きいスロット付きディスクを提供することにより、ディスクの直径をローラの直径と同じまたは同等とした場合よりも小さな角度のローラの回転を検出でき、有益である。
【0107】
搬送ローラに加え、プリンタは押圧ローラ108も含む。押圧ローラ108は、搬送ローラ102に戴置されるようにスプリング114またはその他の弾性付勢手段により付勢された1つ以上の可動アームによりプリンタ、例えばプリンターのシャシー112に搭載される。
【0108】
好適な構成では、押圧ローラ108が、共通の軸上に搭載されるとともに、適切な弾性付勢(スプリング等)により互いにおよび1つ以上のアームから分離された複数の自由回転ローラを備える。押圧ローラは、写真用の媒体を搬送ローラに対して押圧することにより、搬送ローラにより写真用の媒体を前進させる際、写真用の媒体が滑る可能性を低減するように機能する。
【0109】
写真用の媒体は、出口スロット120を含むキャニスタ118から供給される。出口スロット120は、キャニスタを使用するためプリンタへ挿入する前に写真用の媒体が意図せず露光してしまうことを防止するため遮蔽されている。写真用の媒体は、ロール122の状態で提供され、ロール122は、モータ(図示せず)により駆動される複数のローラ124上に搭載される。ローラ124は、写真用の媒体をロールから巻き上げて、ピンチローラ126のセットを介してスロット120から略矢印「A」により示す写真用の媒体搬送方向に巻き出し、また生じた弛みを除去するため写真用の媒体をキャニスタ内に巻き戻すのに十分な把持力を提供するように構成される。ローラにより提供される把持力の量は、生じた弛みが除去されるとロールがローラ上で滑り、キャニスタ内への写真用の媒体の巻き戻しが停止するように慎重に選定される。モータは、ローラ124が写真用の媒体をキャニスタ内へ巻き入れ、またはそこから巻き出すように、コントローラ(搬送ローラを制御するものと同じコントローラでもよい)により制御される。
【0110】
1つ以上の供給ローラ(参照符号125により略示する)が、キャニスタ118と搬送ローラ102との間に設けられている。供給ローラ125および押圧ローラ108は、搬送ローラ102に対して、写真用の媒体が搬送ローラ102と90度の接触をなすように構成される。この構成は、写真用の媒体と1つ以上のローラとが詰まりを引き起こし得る点接触をなす可能性を排除するので、好ましい。
【0111】
写真用の媒体を搬送する方向Aにおける搬送ローラ102の直後には、真空ベッド128が設けられる。真空ベッド128は、下方(図示による)への力を写真用の媒体に付加することにより、写真用の媒体がプリンタの光学式印刷ヘッド130の下を通過する際、確実に平坦になるように動作する。かかる真空ベッドなしでは、写真用の媒体が完全に平坦にならないことがあり、湾曲が生じた場合、光学画像の写真用の媒体上での合焦や印刷された帯状体のサイズに問題が生じることになる。
【0112】
写真用の媒体を搬送する方向Aにおけるヘッド130および真空ベッド128の直後には、適切な金床134に戴置されることによりそれらの間を通過している写真用の媒体を切断するように機能するカッター刃132が設けられる。これから説明する理由のために、写真用の媒体の搬送方向における印刷ヘッドの後縁(すなわち、カッター刃132に直近の縁)からの距離は、キャニスタからカッター刃132への搬送路の長さと同様に既知である。
【0113】
新しいキャニスタがプリンタに挿入(通常は、標準的な長さの写真用の媒体がスロット120から突出した状態で)されると、プリンタの制御システムは、キャニスタの存在を検出し、キャニスタモータを制御することにより、写真用の媒体をローラ122から巻き上げ、キャニスタから巻き出し、供給ローラ125を経由して搬送ローラに達するようにローラ124を駆動させる。搬送ローラは回転し、写真用の媒体は、ローラの高グリップ面に対して押圧ローラ118により押圧される。写真用の媒体は、搬送ローラにより真空ベッドを介してカッター刃132と金床134との間を、既知の長さの写真用の媒体(元々キャニスタから突出していた標準的な長さの写真用の媒体よりも長い)が通過するまで送られる。ここで、キャニスタモータおよび搬送ローラモータは停止され、カッターを金床に対して移動させてそれらの間を通過した写真用の媒体片を切断する(この写真用の媒体片は、廃棄物として扱われ、通常の方法でプリンタから排出される)。
【0114】
次いで、搬送ローラ用のモータに通電して、上述の光学式印刷ヘッド130の後縁とカッター刃132との間の距離に対応する既知の距離だけローラを反対方向に回転させる。次いで、搬送ローラモ―タを停止するとともに、キャニスタモータに通電してローラ124を反対方向に駆動することにより、キャニスタから送られた写真用の媒体に生じた弛みを除去する。
【0115】
写真用の媒体が適正な場所にある状態で、写真用の媒体の表面上でヘッドを移動させて写真用の媒体の帯状体を露光させることにより、画像を生成することができる。その帯状体が完成したら、搬送ローラモータに通電し、搬送ローラモータを回転させて写真用の媒体を前進させることにより、次の画像帯状体を露光することができる。
【0116】
このプロセスは、印刷される画像が完成するまで継続され、その間、必要に応じてキャニスタモータに断続的に通電してキャニスタローラを逆方向に駆動することにより、生じた弛みを除去する。次いで、搬送ローラを、光学ヘッドの前縁(すなわち、搬送ローラに最も接近した縁部)とカッターとの間の距離に対応する既知の距離だけ写真用の媒体を搬送するように回転させる。続いて、写真用の媒体の露光した部分を残りの部分から分離するように、カッターを動作させる(残りの部分は、更なるプロセス(例えば、プリンタ内での現像)のため、更なる搬送機構(図示せず)によりカッターから搬送される)。
【0117】
次いで、搬送ローラモータに通電して搬送ローラを逆方向に駆動することにより、光学ヘッドの後縁とカッター刃との間の距離に対応する既知の距離だけ写真用の媒体をカッターから引き戻すとともに、キャニスタモータに通電して、キャニスタから供給された写真用の媒体に生じた弛みを除去するようにキャニスタを駆動する。弛みが除去されると、プリンタは別の画像の印刷動作に入ることができる。
【0118】
本発明の最終の態様は、写真用の媒体のスループットを高めたプリンタを考案できたとしたら有益であろう、という事実に関するものである。このようなプリンタが異なるサイズの写真用の媒体に容易に対応できたとしたら、それもまた有益であろう。
【0119】
上述のように、写真用の媒体のスループットを向上させる比較的簡単な方法の1つは、光学ヘッドアセンブリが写真用の媒体上で移動する速度を増加させるというものであろう。しかし、かかる手法では、それほどの速度増加は達成されない。というのもヘッドは、写真用の媒体上の所与の点を画像形成に必要な量の光学エネルギーに露光するため、(所与の写真用の媒体について)最低限の一定時間だけその点の上に留まらなければないためである。したがって、最終画像の品質に悪影響を与えることなしに、ヘッドが写真用の媒体上の所与の点上に留まる時間がこの最低限の一定時間未満となる程度まで、ヘッドの速度を増加させることはできない。
【0120】
この問題に対処するため、本実施の形態は、別々の媒体を隣り合わせに配置し、そのように配置された媒体のそれぞれの帯状体を光学ヘッドアセンブリの1回の通過で露光させることにより、複数の媒体の同時処理を提供するものである。この構成により、プリンタを通過する媒体搬送速度を大幅に(例えば、ほぼ2倍に)増加することが可能である。
【0121】
この構成の別の利点は、プリンタが隣り合わせの媒体を2つ同時に処理できるように構成されているため、ヘッドの移動距離が、より大きい(幅広い)媒体の処理が可能な程度にまで増加されているということである。以下で説明する特定の構成では、所与のサイズの隣り合わせの媒体上での、また個々の隣り合わせの写真用の媒体のいずれかのサイズの約2倍の媒体上での印刷を可能にする新規な搬送機構が提供される。
【0122】
図12を参照して、写真用の媒体搬送、処理および切断コンポーネント200(以下、「TPCコンポーネント」)と言う)は、ベースプレート204の上部に搭載された第1の写真用の媒体搬送アセンブリ202と、ベースプレート204の下方に搭載された第2の写真用の媒体搬送アセンブリ206とを備える。図示のように、第2の写真用の媒体搬送アセンブリ206は、第1の搬送アセンブリ202よりもはるかに幅が広く、後述するように、この搬送アセンブリは、プリンタが第1の搬送アセンブリの幅よりも大きい媒体を処理できるようにする手段を提供する。
【0123】
媒体は、1つ以上の媒体カセット(図示せず)から図示のコンポーネントに送られ、図示のコンポーネントから現像コンポーネント(これも図示せず)内に送られ、そこで露光された写真画像が現像される。
【0124】
第1の写真用の媒体搬送アセンブリ(ベースプレートから直立するように図示されている)は、湾曲した媒体ガイド210(図13に最良に見られる)に形成されたスロットを通じて当接する第1のローラ対208と、第1の対の下方に配設された第2のローラ対212(一方は図12において見られ、他方は図13において見られる)と、第2の対の下方に配設された第3のローラ対214(一方が図13において見られる)と、ベースプレート204および第3のローラ対214のわずかに下方に設けられた第4のローラ対216とを備える。
【0125】
第1〜第4のローラ対はそれぞれ、従動ローラ(ベルト駆動アセンブリ220および関連するモータ222により駆動される)および自由回転ローラを備え、この従動ローラおよび自由回転ローラは、ベースプレート204から直立するシャシーコンポーネントに搭載される。第2の写真用の媒体搬送アセンブリは、第2の媒体ガイド224に設けられたスロットを通じて当接するとともに、上述の第4のローラ対216の下方に設けられた第5のローラ対218を備える。
【0126】
第5のローラ対は、著しく長く(通常は、第1〜第4のローラ対の2倍超)、第1の構成において、第1〜第4のローラ対の長さよりも幅広い媒体に対するTPCコンポーネント200への入口を提供する。更に、第5のローラ対の第4の対よりも長い部分は、第2の構成において、第2の媒体片に対するTPCコンポーネント200への入口を提供し、これにより第1および第2の媒体片の両方を同時に処理することが可能になる。
【0127】
本第1の構成を検討すると、第1〜第4のローラ対の長さよりも幅が大きい媒体は、第5のローラ対218の間からTPCコンポーネント200に入り、媒体ガイド224に沿ってその上方を通過し、ベースプレート204の下方に設けられたローラセット(これらのローラセット用の駆動機構が、図14においてベースプレート204の下方に見られる)に達する。これらのローラは、媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じて図11に示すタイプのダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラ(不可視)に接触させる。
【0128】
第2の構成では、第1の媒体片が、第1のローラ対208の間を通過して媒体ガイド210の下側に達し、そこから第2、第3および第4のローラ対の間を通過する。第1の媒体片は、第4のローラ対から出て、第5のローラ対の上側のローラの上方を通過してから、第5のローラ対218の間を(A方向に)、そして媒体ガイド224の上方でそれに沿って通過し、ベースプレート204の下方に搭載された上述のローラに到達する。これらのローラは、第1の長さの媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じてダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラに接触させる。
【0129】
第2の媒体片(第1の媒体片と等しい幅を有するのが通常である(が必ずしもその必要はない))は、第5のローラ対の間をB方向に、そして媒体ガイド224に沿ってその上方を通過し、ベースプレート204の下方に設けられたローラセット(不可視)に到達する。これらのローラは、媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じてダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラに接触させる。この構成では、第1および第2の媒体片が、小さな間隙を隔てて互いに実質的に平行に配設される。2つの長さの媒体は、後述するように、光学ヘッドアセンブリ226(この構成では2つのオフセット照射装置を備える)の下方を通過し、ヘッドが両方の媒体にまたがって移動することにより、2つの媒体片のそれぞれの上に画像(好ましい構成では同じ画像)の連続した帯状体を印刷(すなわち、露光)する。代替の構成では、2つの媒体片の対応する一方を露光させるようにそれぞれ構成された2つの印刷ヘッドを設けることができる。
【0130】
図11に示す構成と同様に、媒体は、媒体の搬送方向に延在する一対の可動アーム上に搭載された押圧ローラ228により、ダイヤモンドがコーティングされたローラに当接するように付勢される。TPCコンポーネント200内での媒体の位置合わせ調整を容易にするため、側方に延在するバー232が締結されたカム230が設けられる。カムは、モータ234により駆動可能で、バー232をベースプレート204に向けて下げ、押圧ローラ228が搭載されたアーム(不可視)の自由端に対し作用する。これにより、アームを枢動させて、押圧ローラ228をダイヤモンドでコーティングされた搬送ローラから浮かせることにより、TPCコンポーネント内における媒体の位置合わせを調整することができる。
【0131】
図11に示す構成では、プリンタにおける媒体搬送方向において光学ヘッドアセンブリの直近の後方にカッターが設けられている。
【0132】
しかし、この配置では(図13に示すように)、カッター236が(光学ヘッドアセンブリに対して)媒体搬送方向の前方に移動されているため、光学ヘッドアセンブリが搭載された第1のビーム240とカッター236が搭載された第2のビーム242との間に間隙238が存在する。
【0133】
この間隙238には、ベースプレート204のスロットを開くとともに、ベースプレート204下方のデッドループ(図示せず)へのアクセスを提供するよう移動可能なフラップ(図中では不可視)が設けられる。媒体は、デッドループを通ってからベースプレートの上方に戻り、カッター236を通って前方に移動する。このデッドループは、異なる媒体サイズに伴って媒体処理速度および媒体搬送速度が変動する際、TPCコンポーネント200を通過する媒体の通路長を変動させるように設けられ、最終的には、カッターの動作を媒体の搬送と適正に同期させることにより、媒体の各片が正しい位置で切断されるようにする。
【0134】
カッターアセンブリの前方(媒体搬送方向における)には、自由回転ローラ244とその上方に搭載されたクランプローラ246とから構成される一対のローラが設けられる。クランプローラは、クランプローラの軸心周りを回転可能な大きい変形可能部248(例えば発泡材料)と、より小さい変形不能部250とを備える。クランプローラに直近の上方には、両端がブロック254上に支持された側方バー252が設けられる。各ブロック254は、それぞれの位置決めピン256上でスプリング付勢に抗して移動可能である。バーは、モータ258により駆動され、ブロックを押下するとともに自由回転ローラに抗してクランプローラ246の変形不能部を押圧することにより、それらの間に媒体をクランプする。
【0135】
媒体が適切な場所にクランプされると、カッター236を動作させて媒体の露光部分を分離し、続いて光学式プリンタの隣接した現像部(図示せず)において現像する。
【0136】
カッターが動作した後、ブロック(およびバー)を自由回転ローラ244から離れるように移動し、自由回転ローラとクランプローラとの間にクランプされていた媒体の切断部分が解放され、従動ベルトにより現像部内へ搬送される。特に好ましい構成では、媒体が切断のため自由回転ローラとクランプローラとの間にクランプされている間も、従動ベルトは(媒体を引くように)駆動され続ける。従動ベルトが付加する力による媒体の引裂を避けるため、従動ベルトは、媒体がクランプされている間、TPCコンポーネントに向かう方向のスプリング付勢に抗して揺動するよう構成された揺動ローラに架け渡されるのが好ましい。この構成の利点は、クランプされた媒体が解放されてからすぐに、媒体の切断部分がスプリング付勢により速やかに加速されてカッター刃から続けてプリンタの処理部内へ移動することである。
【0137】
このように、別々の媒体片を光源により露光させることがそれぞれ可能な複数の印刷チャネルを定義するように構成および編成された、光学式プリンタのコンポーネントをここに説明した。コンポーネントは、別々の媒体片が2つ以上の前記チャネルを通過して前記光源により露光されることにより、各媒体片上に画像を形成するように、または、単一の媒体片が同時に2つ以上の前記チャネルを通過して前記光源により露光されることにより、前記単一の媒体片上に単一の画像を形成するように、構成することができる。
【0138】
また、別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネル、および前記チャネルのそれぞれの媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成可能な少なくとも1つの光学式印刷ヘッドを有する、光学式プリンタのコンポーネントを説明した。
【0139】
先述のように、幾つかの好適な構成を上で詳細に説明したが、本開示の適用範囲は、記載の特定の構成のみに限定されない、ということが当該技術に精通する者には理解されよう。むしろ、本開示の適用範囲は、上記の精神および教示に該当する実施の形態に対するすべての変形を含む。
【0140】
例えば、幾つかの適用においては、印刷ヘッドアセンブリにレンズアセンブリを設ける必要がない場合もある。また、印刷ヘッドは、複数の照射装置を備えてもよい。上記構成の別の変形では、印刷ヘッドアセンブリが真空テーブル上を移動し、写真用の媒体がそれらの間を通過するのが特に好ましい。真空テーブルは、無理な力を加えずに媒体を実質的に平坦に保持することにより、媒体がわずかに湾曲していた場合に画像に生じ得る収差を回避できるため、有益である。別の変形では、プリンタが、3つ以上の印刷ヘッド、印刷アセンブリを備えてもよく、または3つ以上のチャネルを提供するように構成可能であってもよい。
【0141】
また、アレイを互いに直線方向(すなわち、概念線に平行な方向)にオフセットすることに関連する利益が、所与のアレイにおける隣接光源素子を互いにオフセットすることに関連する利益とは独立的に享受されるということは、当該技術に精通する者には明白である。つまり、各アレイが素子の単純なカラム(図2(a)に示す)を備えるものとし、隣接アレイを図4または5に示すように互いにオフセットさせてもよい。
【0142】
最後に、本発明の適用範囲は、本明細書で説明しまたは請求項に記載した特長のいずれの組み合わせをも、その特定の組み合わせが現時点での付帯の請求項に記載されているか否かにかかわらず、含むことに留意されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光学式プリンタの改良に関する。本明細書で後に詳述する好適な実施の形態の幾つかは、光学式プリンタ用の照射装置に関する。別の実施の形態は、光学式プリンタ用の印刷ヘッドに関し、光学式プリンタ用の印刷ヘッドアセンブリに関する。
【0002】
追加の実施の形態は、光学式プリンタの較正に関連し、更なる実施の形態は、光学式プリンタ用の搬送機構に関する。これらの構成の1つ以上を組み込んだ光学式プリンタも開示する。
【背景技術】
【0003】
光学式プリンタとは、デジタル式に格納された画像を光に変換し、この光を感光媒体に投影して画像を形成可能な装置である。光学式プリンタは元々、電子回路基板にフォトレジストマスクを形成するのに使用されており、露光が「オン」または「オフ」のいずれかであったため製造が比較的容易であった。
【0004】
本特許で説明する各種光学式プリンタは、主に写真画像の生成に対しに設計したものである。ただし、本発明の教示は、写真画像の生成に限定されない。
【0005】
光学式プリンタは、物質(レーザプリンタの場合はトナー、インクジェットプリンタの場合はインク)を媒体上に堆積させないという点で、レーザプリンタおよびインクジェットプリンタとは異なる。その代わり、媒体を露光し、その後化学的に処理する。したがって、これを「プリンタ」と呼ぶのは誤称(このような装置は実際、媒体上に何も、従来の単語の意味での「印刷」はしないため)のようなものであるが、本明細書に記載の種類の装置は、当該技術分野で一般にプリンタとして知られている。
【0006】
写真用の媒体(例えば、印画紙)では画像の各画素の強度を変更できるため、写真画像は、通常、インクまたはレーザジェット画像よりも高画質であると考えられている。インクまたはレーザジェットプリンタは、そこにある、またはそこにない物質を堆積させる。このため、同等の品質を達成するのに、インクまたはレーザジェットプリンタの見かけ上の解像度(インチ当たりのドット、すなわちDPI)は、写真プリンタの解像度よりも相当高くする必要がある。
【0007】
数種類の光学式写真プリンタが市販されており、それらはレーザ、液晶マスク、マイクロミラーおよび発光ダイオードを含む各種の露光機構を用いている。
【0008】
図1は、光学式プリンタの典型的なコンポーネントの概要図である。図示のように、プリンタは媒体キャニスタを備え、媒体キャニスタから、連続的な未露光の写真用の媒体片(印画紙等)が引き出される。媒体は、高精度メカトロニクスである媒体搬送装置によりキャニスタから引き出される。媒体搬送装置は、媒体を印刷ヘッドに供給し、媒体を印刷ヘッドに対して位置決めする。印刷ヘッドは、複数の光学素子(発光ダイオード等)を備える。光学素子は、通電することにより発光し、この光により印刷ヘッドの直下に位置する媒体の領域が露光される。
【0009】
印刷ヘッドを媒体上で移動することにより、媒体は帯状に露光される。印刷ヘッドには、制御システムによりデータが送られる。制御システムは、媒体が所望の最終画像に従って露光されるように、通電すべき要素の正確な組み合わせを配置して媒体を露光する。
【0010】
露光された媒体は、媒体搬送装置によりカッターへ送られ、カッターは、媒体の露光部分を切断して残りの未露光の媒体から切り離すよう作動する。次いで、露光された媒体片は、化学現像装置に送られて現像される。現像プロセスにより媒体上に画像が現れ、完成した印刷画像が出力される。
【0011】
図示のように、システムの要素のそれぞれは、制御システムにより慎重に制御される。制御システムは、適切なソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータ、専用電子回路、またはこれら2つの組み合わせを備えていてもよい。
【0012】
すべてのプリンタにとって、印刷可能な解像度が重要な課題である。特にインクジェットプリンタの分野では、基板(通常は紙)上に印刷可能なインチ当たりのドット数を改良するため、多大な努力が行われてきた。光学式プリンタでは、達成可能な解像度を制限する主たる要因は、写真用の媒体に入射する光を発生させるのに用いる照射装置のサイズである。
【0013】
本出願人の従来の特許(欧州特許第1228633号)では、基板15上に搭載された3アレイのLED(発光ダイオード)照射素子14(1カラムの赤色LED20、1カラムの緑色LED21、および1カラムの青色LED22)を備える照射装置(以下、図2(a)および図2(b)により説明する)が開示されている。照射装置は、通電時にテーパ状の光ファイバーライトパイプ10の受光面13に向けて発光するように構成されている。ライトパイプは、受光面で受けた光をLEDから、受光面よりも表面積が小さい発光面(図示せず)に搬送する。発光面が発した光は、写真用の媒体(印画紙等)に入射して画像を生成する。図2(a)に示すように、LEDは、基板上で平行なカラム状に搭載され、(図2(b)に示すように)各カラムのLEDは、必要な電気的接続を行うことができるよう隣接するLEDから離間されている。
【0014】
本特許で説明するように光ファイバーライトパイプをテーパ化することにより、照射装置により写真用の媒体上に発生する照射「スポット」のサイズが(照射装置が写真用の媒体を直接照射する場合に現れるものよりも)縮小され、これにより得られる写真画像の光学解像度を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この構成により従来の光学式プリンタで達成可能な解像度が大幅に向上したが、その一方で、より高解像度の画像に対する要望が市場に存在している。この市場の必要性に応えるため、本発明者らは、照射装置の物理サイズの更なる縮小により、達成可能な解像度の更なる向上を試みた。しかし、照射装置の物理サイズを縮小するという本発明者らの試みは、特に、照射装置を構成する赤色、緑色および青色の各アレイの発光素子(通常はLED)の物理サイズにより、および素子を電源に接続するために必要な素子間のスペースにより、阻害されていた。
【0016】
本発明の第1の態様は、発光素子の最小物理サイズの制約下で照射装置のサイズ、およびこれらの素子を電源へ連結するために必要なスペースを、如何に縮小するかという技術的問題の解決を探求するものである。
【0017】
本発明の第2の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質に関連する問題への対処に関連するものである。
【0018】
本発明者らの先行特許などで開示されている従来提案されていた装置では、画像を写真用の媒体上に形成する際に連続した印刷帯状体の接合部に生じる所謂「バンディング」効果により、画像品質が悪影響を受ける可能性があることに本発明者らは気付いた。
【0019】
図2(c)に概略的に示すように、写真用の媒体1(通常は印画紙のロールを備える)は、印刷装置においてA方向に搬送される。照射装置3(赤色、緑色、青色の発光素子アレイ5から構成される)を地点Bから地点Cへ移動することにより、装置直下の写真用の媒体の帯状体を照射し、最終画像の一部を生成する。既に説明したように、素子からの光は、照射装置と写真用の媒体1との間に設けられたテーパ状のライトパイプ(このため図2(c)においてライトパイプは不可視である)の受光面に入射し、受光面よりも相当小さい光伝達面を介してライトパイプから出射する。これにより、アレイが直接写真用の媒体を照射する場合よりもはるかに小さい面積の写真用の媒体が照射される。次いで、照射装置は、地点Cから地点Bへ戻り、写真用の媒体は、テーパ状のライトパイプの上述の発光面の長さと実質的に等しい(かつ照射装置の長さより短い)距離Xだけ送られる。次いで照射装置を地点Bから地点Cへ移動し、画像の次の帯状体を印刷する。
【0020】
この構成は上手く作用するものの、連続した帯状体の印刷間における紙の送り量の一見深刻でない誤差や、その他の変則的動作のため、最終画像が悪影響を受ける可能性がある。例えば、紙の送り量がXよりも長いと、連続した帯状体間に検出可能な間隙(白色の線として可視)が発生し、紙の送り量がXよりも短いと、帯状体が重なる領域に写真用の媒体の露出過多(著しく濃色の帯として可視)が生じる。
【0021】
上述の本発明の第2の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質を、如何に改良するか(特に、上記の「バンディング」効果などの影響を如何に低減するか)という技術的問題の解決を探求するものである。
【0022】
本発明の第3の態様は、照射装置の構造、およびその照射装置を組み込んだ印刷ヘッドに関連する。
【0023】
本発明者らが過去に提案した照射装置は、本質的に図2(b)に示すとおりであり、個々の発光素子14が搭載された基板15を備える。基板は、次いで、LEDおよびLEDへの電気的接続34を保護するため、透明層33内にカプセル封入される。照射装置は、テーパ状の光ファイバーライトパイプ10から離間されている。透明層またはライトパイプ10の受光面13には、反射防止層32を追加してもよい。
【0024】
この過去に提案された照射装置は適切に機能したものの、最終画像の品質が、隣接LED素子間のクロストーク、ならびに赤色、緑色および青色のアレイの相対強度の変動により悪影響を受ける可能性がある、ということに本発明者らは気付いた。また、(最終画像における収差を回避するためには)照射装置と光ファイバーライトパイプとの間の間隙を厳密に制御しなければならず、このような制御を実際に行うことは困難である。
【0025】
本発明の第3の態様は、このような問題の解決を探求するものである。
【0026】
本発明の第4の態様は、最終画像の品質を向上させるための光学式プリンタの較正に関連する。
【0027】
光学式プリンタ、特に光源にLEDを用いるプリンタに対する不変の問題には、光源の特性が1つ1つ大幅に変動するというものがある。例えば、特定色の任意の2つのLEDを同じ電流で駆動した場合、それらが発する光の強度プロファイルと波長プロファイルとの両方が、著しく変動することになる。このようなLED間の変動は、最終印刷画像の帯状体における線として現れる可能性がある。また、発光ダイオードには、入力電圧の変動に対してその出力強度と波長との両方が非線形に変動する傾向がある。複合的な問題として、特定の印刷に用いる写真用の媒体(通常は印画紙)が、その印刷の品質に直接影響するということと、更に所与の印画紙の特性が、通常、他種の印画紙の特性とはまったく異なることがある。
【0028】
最終画像の品質を改良するには、これらの各種の変動のすべてに対処しなければならない。この目的のために、一連のフォトセルを写真用の媒体として用い、それらのフォトセルの出力を光源素子にフィードバックすることにより、それらの素子の出力を調整し、印画紙への照射を一様にすることが可能だろう、とかつては考えられていた。
【0029】
しかし、この方法は一見、前述の問題を軽減する魅力的な手段であるかのように思えるが、残念ながらフォトセルは、印画紙などの写真用の媒体に対する応答が大きく異なり、そのためシステムをフォトセルセットに対して最適に調整しても、それが必ずしも印画紙への印刷に適した設定になるとは限らない。
【0030】
本発明の第4の態様は、これらの問題に対処するもので、一般的な言葉で言えば、プリンタにより印刷された1つ以上の処理画像からそのプリンタを較正するという考えに関するものである。画像には上述のあらゆる変動が当然組み込まれており、そのため画像に対して較正することにより必然的にこのようなあらゆる変動に対処することになるため、この手法は有益である。
【0031】
本発明の第5の態様は、写真用の媒体の搬送機構の改良に関連するものである。
その搬送機構についての特定の要件として、プリンタが高解像度を達成したり高品質の出力を提供したりできるように、写真用の媒体の移動公差が数ミクロン程度、典型的には概ね4ミクロンとなるように、搬送機構のコンポーネントを慎重に設計し、制御しなければならないことがある。つまり、写真用の媒体をプリンタにおいて所与の距離だけ移動させることが所望される場合、搬送機構のメカトロニクスは、実際の搬送距離が所望の距離プラスマイナス数ミクロン(例えば4ミクロン)以内となるようなものでなければならない。
【0032】
当該技術に精通する者であれば理解するであろうことが疑いないように、実際の搬送距離が所望の距離よりも大きい場合は、最終画像に可視の白色の帯が現れる可能性がある。同様に、所望の距離に対する搬送距離の不足が4ミクロンを超える場合は、画像の隣接帯状体の重なりが目に見えて分かる程度となり、最終画像が台無しになる。したがって、搬送機構の設計は、写真用の媒体を高度に正確に搬送できるものであることが必須であり、本発明の第5の態様は、この問題に対処するものである。
【0033】
本発明の第6の態様も、光学式プリンタにおける写真用の媒体の搬送に関するものである。本発明のこの態様は、写真用の媒体のスループットを高めたプリンタを考案できたとしたら有益であろう、という本発明者らが認識した事実に関するものである。このようなプリンタが異なるサイズの写真用の媒体に容易に対応できたとしたら、それもまた有益であろう。
【0034】
写真用の媒体のスループットを向上させる比較的簡単な方法の1つは、光学ヘッドアセンブリが写真用の媒体上で移動する速度を増加させるというものであろう。しかし、かかる手法では、それほどの速度増加は達成されない。というのもヘッドは、写真用の媒体上の所与の点を画像形成に必要な量の光学エネルギーに露光するため、(所与の写真用の媒体および光源から発せられた所与の光出力について)最低限の一定時間だけその点の上に留まらなければならないためである。したがって、最終画像の品質に悪影響を与えることなしに、ヘッドが写真用の媒体上の所与の点上に留まる時間がこの最低限の一定時間未満となる程度まで、ヘッドの速度を増加させることはできない。本発明の第6の態様は、これらの問題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の態様の目的は、上述の問題の1つ以上に対処することである。
【0036】
この目的を達成するため、本発明の第1の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記各アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0037】
基板上で光源アレイを概念上の平行線に沿って編成するとともに、各アレイの個々の素子を関連する概念線に対してオフセットすることにより(実際には、鋸歯状の発光素子アレイを提供することにより)、上述の概念線に対して水平な方向において発光素子を、図2(a)に示す従来技術の編成におけるよりも接近させて編成することができる。このように素子をより接近させた状態で配置することにより、それぞれの素子に起因する最終画像の個々の成分の間隔を狭め、その画像の解像度を向上させることができる。
【0038】
1つの特に好適な編成では、基板上の関連する概念線に対する各素子のオフセットは、各アレイにおける隣接素子の発光プロファイルが、隣接LED素子に起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の素子が容易には(例えば、拡大することなしには)解像されない程度に重なるように構成される。
【0039】
本発明の第2の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記第1、第2および第3の光源アレイはそれぞれ、帯状光を発するよう動作可能であり、前記印刷ヘッドは、前記光源アレイの第1のアレイが通電時に、前記光源アレイの隣接した第2のアレイが通電時に発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされた帯状光を発するように構成されている、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0040】
この構成を採用することにより、(例えば)赤色アレイによる写真用の媒体の照射により発生する最終画像の隣接コンポーネント間の接合部が、緑色および青色のアレイに起因するその画像の隣接コンポーネント間の接合部とは異なる写真用の媒体上の場所に生じることになる。この構成によれば、3つのアレイのうちの1つに起因する最終画像のコンポーネント間の接合部が、その他の2つのアレイに起因するコンポーネント間の接合部とは絶対に一致しない。
【0041】
実際には、かかる構成を採用することにより、3つのアレイについての画像帯状体間の接合部におけるエラーが(上述の特許にて開示した装置におけるように)複合されることはなく、1つのアレイについてそのアレイに起因する画像帯状体間の接合部にエラーが生じても、そこではその他のアレイに起因するコンポーネントのエラーが生じるはずはなく、従って3つのアレイのすべてを位置合わせした場合よりもエラーが人間の目で知覚されにくくなる。
【0042】
本発明の第3の態様は、可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイと;前記第1、第2および第3の光源アレイが搭載された第1の表面を有する基板であって、前記第1の表面は、隣接した光学素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている基板と;(任意ではあるが)前記光源素子アレイの前に配置されているマスクマスクであって、複数の開口が内部に設けられ、前記開口が前記アレイの光源素子と概ね一致することにより前記アレイからの光が前記マスクを透過できるように配置されているマスクとを備える、光学式プリンタ用の照射装置を提供する。
【0043】
本発明のこの態様は、隣接アレイ間のクロストークが基板の第1の表面により低減され、アレイの隣接素子間および隣接アレイの素子間のクロストークがマスクにより低減されるため、有益である。これはつまり、所与の素子について、アレイのその部分から来る光(かかる光はテーパにおいてファイバー群を照射する)のより多くの成分が、(隣接した素子またはアレイから反射した光とは異なり)実際にその素子に起因する、ということである。
【0044】
本発明の第4の態様は、複数の光源素子をそれぞれ備える複数の光源アレイを有する光学式プリンタを較正する方法であって、(a)前記プリンタを制御し、所定のテストパターンを第1の写真用の媒体上に印刷するステップと;(b)前記テストパターンを電子的にスキャンしデジタル化し、前記第1の写真用の媒体上に印刷するステップと;(c)前記デジタル化し印刷されたテストパターンを処理し、前記複数のアレイの各前記光源素子に対し、その素子により発っせられた光の強さの測定値を判定するステップと;(d)各前記光源素子に対し調整因数を判定し、前記調整因数によって、その素子が一部を形成する前記アレイの全ての素子が実質的に同じ光出力を有することになる場合、その素子の光出力を調整するステップと;(e)較正テーブルに前記調整因数を組み込むステップと;(f)前記プリンタを制御し、前記較正テーブルに表示された対応する調整因数により、前記アレイの光源素子の各々の光出力を調整するステップと;(g)前記プリンタを操作し、前記第1の写真用の媒体と同一の前記第2の写真用の媒体上に、前記所定のテストパターンを増刷するステップと;(h)前記写真用の媒体上に印刷された前記所定のテストパターンが、所定の基準セットを満たし、許容可能な品質であると判定されるまでステップ(a)乃至(g)を反復的に繰り返すステップとを備える、方法を提供する。
【0045】
本発明の第5の態様は、光学式プリンタ用の搬送機構であって:写真用の媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラの外側表面の少なくとも一領域が、写真用の媒体を把持するとともに前記搬送機構を通って印刷ヘッドアセンブリに向けて引くように構成されている、搬送ローラと;写真用の媒体を前記搬送ローラに対して押圧することにより、前記搬送ローラにより前進させる際に前記媒体が滑る可能性を低減するよう構成された押圧ローラと;少なくとも1つの格納キャニスタから前記押圧ローラおよび搬送ローラに写真用の媒体を案内するための案内手段と;前記搬送ローラを回転させるように構成されたステッパモータと;前記搬送ローラの回転を検出するとともにその回転を表す信号を生成する手段と;前記搬送ローラを駆動して前記搬送機構を通って所定の距離だけ媒体を前進させるよう前記ステッパモータを制御し、前記信号から前記ローラが回転した距離の測定値を導出し、前記測定された距離が前記所定の距離と等しい場合に前記ステッパモータを制御して前記ローラの回転を停止させるよう構成されたコントローラとを備える;搬送機構を提供する。
【0046】
一実施の形態において、本発明の第6の態様は、別々の媒体のそれぞれを通過させることにより光源による露光が可能な複数の印刷チャネルを画成するよう構成および編成され、別々の媒体片を前記チャネルの2つ以上を通過させて前記光源により露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるように、または単一の媒体片を前記チャネルの2つ以上を同時に通過させて前記光源により露光させることにより前記単一の媒体片上に単一の画像を形成できるように構成可能である、光学式プリンタ用のコンポーネントを提供する。
【0047】
他の実施の形態において、本発明の第6の態様は、別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと、1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する、光学式プリンタ用のコンポーネントを提供する。
【0048】
本発明の他の態様は、別々の媒体を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと、1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体を露光させることにより各媒体上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する、光学式プリンタ用の照明装置に関連する。
【0049】
本発明の他の態様は、それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって、前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体間に間隙が生じた場合、前記アレイのいずれか1つにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第1の領域が、前記アレイのその他のものにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第2および第3の領域と一致しないように成されている、光学式プリンタ用の照明装置に関連する。
【0050】
本発明の最後の態様は、光学式プリンタを前記プリンタにより印刷された画像から較正する方法であって:(i)前記プリンタの印刷ヘッドの各光学素子により前記画像になされた貢献を査定するステップと;(ii)各素子による貢献が互いに等しい状態に近づくように、前記プリンタで行う次の印刷のため各素子の貢献を調整するステップと;(iii)次の画像を印刷するステップと;(iv)前記画像が許容可能であるか判断するステップと;(v)前記画像が許容可能でない場合、印刷された画像が許容可能であると判定されるまでステップ(i)乃至(iv)を反復するステップとを含む方法に関連する。
【0051】
本発明の前述の態様のその他の特長および利点は、下記の好適な実施の形態の詳細な説明および本願のそれ以外の記載において述べる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
例示により、および以下の添付図面を参照して、本発明の種々の好適な実施の形態を説明する。
【0053】
【図1】図1は、例示的な光学式プリンタの概要図である。
【図2(a)】図2(a)は、本発明者らの関連欧州特許に開示されている光学照射装置の概要図である。
【図2(b)】図2(b)は、図2(a)に示す装置の別図である。
【図2(c)】図2(c)は、画像の連続した帯状体を露光するために照射装置が写真用の媒体上を移動する様子を示す。
【図3】図3は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図4】図4は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図5】図5は、3つの実施の形態に従った照射装置上の光学素子の構成を示す。
【図6】図6は、照射装置の断面概要図である。
【図7】図7は、印刷ヘッドアセンブリの概要図である。
【図8】図8は、照射較正方法の工程を示すフロー図である。
【図9(a)】図9(a)は、例示的なテストパターンの概要図である。
【図9(b)】図9(b)は、図9(a)の部分拡大図である。
【図10】図10は、LEDの色と印画紙上の対応画像の色との関係を示すチャートである。
【図11】図11は、光学式プリンタ用の搬送機構の概要図である。
【図12】図12は、光学式プリンタの写真用の媒体を搬送、処理および切断するコンポーネントの(写真用の媒体投入側から見た)斜視概要図である。
【図13】図13は、写真用の媒体排出側から見た図12のコンポーネントの斜視概要図である。
【図14】図14は、別方向から見た図12に示すコンポーネントの斜視概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の種々の好適な実施の形態を詳細に説明する。下記の説明は、例示のみを目的とするものであり、何らの点において本発明の適用範囲を限定するものと解釈すべきではない。以下で説明する特定の実施の形態には、数多くの修正および改変を施すことが可能であることが理解されよう。かかる修正および改変はすべて、本発明の適用範囲に含まれることをここで留意されたい。例えば、以下の説明ではアレイの個々の照射素子が発光ダイオードであるとしているが、様々な異なる種類の照射装置で代用することが可能であり、本明細書におけるLEDへの言及は本発明の適用範囲を限定するものと解釈すべきではないことが、当該技術において通常の技能を有する者には直ちに明白となろう。
【0055】
本明細書で用いる「写真用の媒体」という用語は、露光させ、現像することにより画像を生成可能ないずれかの媒体を言う。かかる媒体の例には、印画紙がある。また、「印刷」またはその他の関連する用語を用いる場合、本発明者らはインクなどを媒体上に付着させることを意図していないことに留意されたい。一般に、本願の文脈において「印刷」とは、写真用の媒体を露光させ、現像して画像を得ることを言う。
【0056】
上述のように、本発明の態様の1つは、照射装置の物理サイズを縮小することにより光学式プリンタで達成可能な解像度を向上させることに関連するものである。しかし、照射装置の物理サイズを縮小するという本発明者らの試みは、特に、赤色、緑色および青色のLEDの物理サイズにより、および素子を電源に接続するために必要な素子間のスペースにより、阻害されていた。LEDを、単純に互いに当接させることにより、基板上でより接近させて搭載することが考えられる。しかし、かかる配置は、個々のLEDに通電するために設けなければならない電気配線のためのスペースが不十分になるため、現実的には不可能である。
【0057】
この問題に対処するため、本発明者らは、図3に示すように、LED14のアレイ20、21および22を、基板15上の概念上の平行線34に沿ったカラム状に配置し、LEDの各カラムにおいて個々のLED14を、関連する概念線34(図3の破線)からオフセットさせ、実施において「鋸歯状LED」のアレイとした。
【0058】
同図に示すように、各アレイ(赤色20、緑色21および青色22)のLED14は、図2(b)に示す従来技術の配置におけるよりも、垂直方向において(配置されているように)より接近させた状態で配置される。このようにLED14をより接近させた状態で配置することにより、それぞれの素子に起因する最終画像の個々の成分の間隔を狭め、最終画像の解像度を向上させることができる。
【0059】
基板15上の関連する概念線34に対する各LED14のオフセットは、各アレイにおける隣接LED14の発光プロファイルが、隣接LEDに起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の各成分が容易には解像不能な程度に重なるように構成される。これはつまり、画像を普通に見た場合は画像の素子は解像不能であり、画像を数倍に拡大した場合のみ解像可能である、ということである。(図面で言う)垂直方向における隣接LED間の間隔は、ゼロとしてもよい。別の構成では、(垂直方向に)隣接したLED間の間隔をゼロ未満とすることにより、隣接LEDの発光プロファイルのそれぞれが、それらの隣接LEDに起因し光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷される画像の成分が容易には解像不能な程度に重ならせてもよい。
【0060】
上述したように、本発明の別の態様は、印刷画像の品質、特に、人間の目により知覚される画像品質に関連する問題への対処に関連するものである。本発明者らの上記先行特許などで開示されている過去に提案されていた装置では、画像を写真用の媒体上に露光する際に連続した印刷帯状体の接合部に生じる所謂「バンディング」効果により、最終画像品質が悪影響を受ける可能性があることに本発明者らは気付いた。例えば、帯状体が重なる領域に写真用の媒体の露出過多(著しく濃色の帯として可視)が生じることに、本発明者らは気付いた。
【0061】
添付の図4および図5は、そのような問題に対処する2つの構成を示す。これらの各構成では、赤色20、緑色21および青色22のアレイが、互いに線形に(上記概念線34に沿って)オフセットされている。この構成を採用することにより、(例えば)赤色アレイによる写真用の媒体の露光により発生する最終画像の隣接帯状体間の接合部が、緑色および青色のアレイに起因するその画像の隣接帯状体間の接合部とは異なる写真用の媒体上の場所に生じることになる。この構成によれば、3つのアレイのうちの1つに起因する最終画像の帯状体間の接合部が、その他の2つのアレイに起因する帯状体間の接合部とは一致しにくくなる。
【0062】
実際には、かかる構成を採用することにより、3つのアレイについての画像帯状体間の接合部におけるエラーが(上述特許にて開示した装置におけるように)複合されることはなく、アレイの一つについてそのアレイに起因する画像の成分間の接合部にエラーが生じても、そこではその他のアレイに起因する成分にエラーが生じにくく、従って3つのアレイのすべてを位置合わせした場合よりもエラーが人間の目で知覚されにくくなる。
【0063】
上述したように、これらの問題は、一実施の形態(図4に示す)では、3つのアレイ20、21、22を互いに物理的にオフセットすることにより対処できる。別の実施の形態(図5に示す)では、アレイ20、21、22の一端または両端のLED14の選択されたグループが、(それらのLEDを電源に接続しないか、それらのLEDのスイッチを投入しないように選択するかのいずれかにより)点灯されないよう構成することによって、同じオフセット効果を達成する。図5では、点灯されないLEDをクロスハッチングで示している。
【0064】
アレイ間のオフセットは、プリンタにおいて写真用の媒体を移動するときに生じ得る最大の位置決め距離誤差よりも少しだけ大きいファイバーテーパの発光面におけるアレイ間のオフセット距離を提供する、ファイバーテーパの受光面における距離に対応するように選定するのが好ましい。以下で述べる位置決め誤差が最大で4ミクロン程度である特定の例では、テーパの発光面におけるアレイ間のオフセット距離が、これよりもわずかに大きい(例えば最大6ミクロン)ことが好ましく、照射装置上のアレイ間の実際のオフセットは、発光面におけるオフセット距離(本例では最大6ミクロン)に、(照射装置の概念線に平行な方向において)発光面から受光面までのファイバーテーパにより与えられる倍率に対応する因数を乗算したものとなる。
【0065】
上述したように、本発明の別の態様は、照射装置の構造、およびその照射装置を組み込んだ印刷ヘッドに関連する。特に、所与の最終画像の品質が、隣接LED間のクロストーク、ならびに赤色、緑色および青色のアレイの相対強度の変動により悪影響を受ける可能性がある、という事実に関連する問題の対処を本発明者らは模索してきた。また、(最終画像における収差を回避するためには)照射装置と光ファイバーライトパイプとの間の間隙の維持を厳密に制御しなければならず、このような制御を実際に行うことは困難である。
【0066】
かかる問題に対処するため、本発明者らは、図6に示す新規な照射装置の構造を考案した(図6は、基板上の上述の概念線の1つに概ね沿った装置の断面図である)。
【0067】
図示のように、本発明のこの態様による照射装置40は、個々のLED14が搭載された基板42を備える。基板42は、少なくともLED14が搭載された側において、隣接したLEDアレイ間の光反射を低減し、および/または前記アレイにおける隣接LED間の光反射を低減するように構成されている。
【0068】
これらの特長は両方とも、基板42の少なくともこちら側の選択された部分または全体を無反射状態にする−例えば、無反射コーティング(例:黒の塗料)で覆う−ことにより達成でき、基板表面を介したLEDまたはアレイ間の光反射(ひいてはクロストーク)を低減することができる。
【0069】
LEDは、素子および素子への電気接続(図示せず)を保護するため、光透過性カプセル材44、好ましくはポリマーカプセル材に封入されている。カプセル封入されたLEDは、次いで光透過性媒体46、好ましくは比較的粘度の高い流体媒体により覆われ、その媒体上にフィルタ48が搭載されている。LEDを覆う媒体としては、ベビーオイルが特に好適であることが判明している。フィルタとカプセル封入されたLEDとの間に流体媒体を設けることにより、屈折率をマッチングさせることによりLED間の反射を低減することができる。
【0070】
フィルタ48は、好適な実装において、発光素子の3つのアレイのうちの1つ以上に対して異なっている。フィルタの機能の1つには、各LEDからの誤った色の露光(色のクロストーク)を低減する帯域通過フィルタとして作用するというものがある。フィルタの第2の機能には、関連する特定のアレイについて要求される場合、すべてのアレイについて光の強度が実質的に等しくなるように発せられた光の一部を吸収するというものがあり、これによりLEDの電子制御が容易になる。これは、青色LEDアレイの場合に特に当てはまる。青色LEDは、同様のサイズの赤色または緑色のLEDよりも大きな光強度の有効光を発する傾向があり、ほとんどの写真用の媒体は、青色の波長に対してより敏感な傾向があるためである。これを補うために、青色LEDと関連するフィルタは、発せられた光の一部を吸収し、またその光を所定範囲の波長に制限する。
【0071】
開口52をもつマスク層50は、開口がLEDに位置合わせされるように(開口はそれぞれ、関連するLEDよりもわずかに大きい)フィルタ層上に搭載される。マスクの設置も、近隣の発光素子間のクロストークの低減に役立つ。
【0072】
図7は、照射装置40から構成される印刷ヘッド54の概要図である。照射装置40は、LEDアレイにより発せられた光がテーパ状の光ファイバーライトパイプ58の受光面56に入射するように、ライトパイプ58の受光面56に当接している。光透過性の流体媒体60、例えば適切な屈折率をもつ比較的粘度の高い流体を、LEDアレイとライトパイプ58との間に設けてもよい。
【0073】
光は、ライトパイプにより受光面56から発光面62へ搬送され、そこから光学レンズリレー66を介して写真用の媒体64へ搬送される。リレーは、塵埃のピックアップや、発光面が写真用の媒体を直接照射するため写真用の媒体に非常に接近していた場合に導入される可能性がある収差(例えば、スプレッディング)などの問題を回避するために設けられる。
【0074】
図示の実施の構成では、リレー66を対称的に配置する(すなわち、リレーの中心が発光面および写真用の媒体の両方から一定の距離“I”にある)ことにより、テーパ状のライトパイプ58の発光面62から写真用の媒体64への光伝搬を1:1としている。しかし、写真用の媒体上に現れる画像を縮小または拡大するため、写真用の媒体への光伝搬を非対称にするのが望ましい場合もある。発光面および写真用の媒体に対するレンズリレーの位置は、調整可能であってもよく、ユーザにより調整可能としてもよい。
【0075】
1つの考えられる構成では、複数の異なるレンズリレー(それぞれ、光伝搬が異なる)をロータ上に構成し、適切なレンズリレーを発光面と写真用の媒体との間の光路に回転させることにより、異なる光伝搬が達成可能である。
【0076】
好適な構成では、テーパ状のライトパイプおよび基板が無反射カバー68により覆われ、ライトパイプの発光面だけが露出される。
【0077】
上記または本願全体での文脈において、変形を行ってもよいことが理解されよう。例えば、帯域通過フィルタの設置を必要としなくてもよい。フィルタが要求されるかまたは望まれる場合、1つ以上の帯域通過フィルタに加え、またはその代わりに、高域または低域フィルタを設けてもよい。また、発光素子が必ずしもLEDでなくてもよい場合もある。その他の光源、例えばレ―ザーダイオードや照射LCDアレイなどを、代わりに用いてもよい。最後に、図面に示した照射装置は純粋に例示であるということが、当該技術に精通する者には当然理解されよう。実際、各アレイは、添付の図面に図示されているよりも多くの発光素子を備えることになるだろう。
【0078】
上述のように、光学式プリンタ、特に光源にLEDを用いるプリンタについて不変の問題には、光源の特性が1つ1つ大幅に変動するというものがある。例えば、特定色の任意の2つのLEDを同じ電流で駆動した場合、それらが発する光の強度プロファイルと波長プロファイルとの両方が、著しく変動することになる。このようなLED間の変動は、最終印刷画像の帯状体における線として現れる可能性がある。また、発光ダイオードには、入力電圧の変動に伴ってその出力強度と波長との両方が非線形に変動する傾向がある。複合的な問題として、特定の印刷に用いる写真用の媒体(通常は印画紙)が、その印刷の品質に直接影響するということと、更に所与の印画紙の特性が、通常、他種の印画紙の特性とはまったく異なることがある。
【0079】
最終画像の品質を改良するには、これらの各種の変動のすべてに対処しなければならない。この目的のために、一連のフォトセルを写真用の媒体として用い、それらのフォトセルの出力を光源素子にフィードバックすることにより、それらの素子の出力を調整し、これにより印画紙への照射を一様にすることが可能だろう、とかつては考えられていた。この方法は一見、前述の問題に対する魅力的な解決策であるかのように思えるが、残念ながらフォトセルは、印画紙に対する応答が大きく異なり、そのためシステムをフォトセルセットに対して最適に調整しても、それが必ずしも印画紙への印刷に適した設定になるとは限らない。
【0080】
これらの問題を緩和するため、本発明者らは、プリンタにより印刷された1つ以上の画像からそのプリンタを較正するという較正方法およびシステムの提供を提案した。最終画像には上述の非線形変動のすべてが当然組み込まれており、そのため画像に対して較正することにより必然的にプリンタにおける非線形変動のすべてに対処することになるため、この手法は有益である。
【0081】
本発明者らが開発したプロセスは反復プロセスであり、このためプリンタは反復のたびに、現反復回に対して判定された最適な調整因数未満の所定の因数により調整される。反復のたびにプリンタを現反復回に対して判定された最適な調整因数に調整した場合、較正プロセスが不安定になる可能性があるので、この構成が意図的に用いられる。
【0082】
添付の図面の図8を参照して、プロセスの最初のステップで、(図9(a)に示すタイプの)テストパターンをプリンタの解像度、例えば約400DPIで印刷する。光学式プリンタにとっての400DPIの解像度が、例えば典型的なインクジェットプリンタが提供するはるかに大きな解像度に相当することを、当該技術に精通する者は当然理解するだろう。典型的には、同じ概念DPI解像度で印刷した場合、光学式プリンタで達成可能な解像度は、インクジェットプリンタで達成可能な解像度の約5倍優れている(換言すれば、光学式プリンタにとっての400DPIの解像度は、インクジェットプリンタにとっての2000DPIに概ね相当する)。
【0083】
テストパターンの印刷後、プロセスの次のステップで、最終印刷画像が許容されるか否かを確認する。以下でより詳細に説明するように、これは、オペレータが手動で行うか、または自動的に行うことができる。
【0084】
印刷されたテストパターン画像が許容されない場合、プロセスの次のステップで、比較的高い解像度、例えば1600DPIを有するカラースキャナで印刷画像をスキャンする。スキャンされたテストパターンは、スキャナに接続されたコンピュータのメモリに直接取り込まれる。プロセスの次のステップで、スキャンされた画像が最終的な品質の測定値に到達するように画像をコンピュータを用いて処理する。
【0085】
スキャンされた画像の処理後、または処理中に、コンピュータは、光学式プリンタの照射装置における発光素子のそれぞれに対する一連の調整を定義した較正テーブルを生成する。
【0086】
較正テーブルの完成後、プロセスの次のステップで、較正テーブルでプリンタをプログラムする(発光素子のそれぞれの出力を調整するため)。これが完了した後、プロセスの次のステップで、テストパターンをもう1つ印刷する。
【0087】
この第2のテストパターンの印刷後、一実施の形態では、プリンタのオペレータがテストパターンを視覚的に査定することにより、画像が許容されるか否かを判定する。画像が許容される場合、較正プロセスは停止され、プリンタは使用の準備が整う。一方、画像が許容されない場合、オペレータにとって視覚的に許容される最終画像が印刷されるまで、プロセスが(上記のように)継続する。
【0088】
このプロセスの第2の実施の形態(図示せず)では、印刷された最終テストパターンを、コンピュータの制御下にあるとともに画像をスキャンするように較正されたスキャナへ出力してもよい。続いてコンピュータが、スキャンされた画像の品質を(当該技術に精通する者には周知などの所定の基準に従って)自動的に査定し、その後画像を処理して較正テーブルを生成し、既に説明したように許容される画像が印刷されるまで較正プロセスを継続してもよい。
【0089】
図9(a)は、上述したように、較正プロセスで用いる本発明者らが開発したテストパターンの概要図である。しかし、このパターンの詳細を説明する前に、例えば印画紙などの写真用の媒体を緑色LEDで照射すると、印画紙上にマゼンタ色の画像が現れることを、まず説明することが有用である。同様に、印画紙を青色LEDで照射すると、印画紙上に黄色の画像が生成され、印画紙を赤色LEDで照射すると、印画紙上にシアン色の画像が現れる。このようなLEDの色と印画紙上の対応画像の色との間の関係を、図10で概略的に示す。
【0090】
図9(a)を参照して、較正プロセスでの使用に提案されたテストパターンは、幾つかの別々のテストエリアから構成され、それらはそれぞれ、特定の機能を有する。これらのうちの第1のテストエリアは、それぞれ低強度、中強度および高強度で印刷された3つのスキャンエリア70、72および74から構成される。プリンタを1つのスキャンエリアだけを用いて較正することも可能であるが、所与のLEDの出力は入力電圧に対して非線形に変動するため、異なる強度の3つのエリアを用いることが好ましい。プリンタ解像度の仕様の厳密さによっては、より多くの、またはより少ないテストエリアを用いてもよい。
【0091】
各スキャンエリアは、各アレイ(赤色、緑色、青色)に対するカラーブロック76、78および80と、各アレイ(赤色、緑色、青色)に対するLED識別印刷エリア82、84および86とから構成される。図9(a)に(および図9(b)により詳細に)示すように、LED識別印刷エリアは、関連するカラーブロックに直接隣接して印刷される。したがって、図示の特定の例では、プリンタは、すべての赤色LEDに通電してカラーブロック76を印刷し、続いてそれらの赤色LEDのサブセットに通電してLED識別印刷エリア82を印刷する。次いで、赤色LEDをオフに切り替え、緑色LEDをオンに切り替えてカラーブロック78を印刷し、続いてそれらの緑色LEDのサブセットに通電して識別印刷エリア84を印刷する。最後に、緑色LEDをオフに切り替え、すべての青色LEDに通電してカラーブロック78を印刷し、続いてそれらの青色LEDのサブセットに通電して識別エリア86を印刷する。
【0092】
図9(b)は、図9(a)に示すテストパターンの領域79の拡大図であり、シアン色のカラーブロックと、写真用の媒体を赤色LEDアレイで照射することにより生成される関連する識別エリアとを示す。見て明らかに分かるように、識別エリアは複数の平行線から構成され、各線は特定のLEDに起因するものである。図示の特定の例では、識別エリアを印刷するのに通電されるサブセットが、関連するアレイの4つ毎のLEDから構成される(すなわち、第1の列はアレイの第1のLEDから発生し、第2の列は第4のLEDから発生し、第3の列は第8のLEDから発生するなどとなる)。平行線により、コンピュータは、その線を印刷した特定のLEDから発生した関連するカラーブロックを特定の列を識別できる。また、印刷された隣接平行線間を補間することにより、コンピュータは、付随するカラーブロックの列を各アレイの各LEDに帰することができる。
【0093】
テスト印刷の各スキャンエリアは、破線により境界が定義されており、それによりコンピュータは、さらなる処理のために印刷されたテスト画像における各スキャンエリアを識別することができる。各スキャンエリアの第1のLED識別エリアは、アレイの配向を示す一対の十字記号「+」を含み、これによりコンピュータは、テスト画像がスキャン時にわずかに斜めになっていた場合も、スキャンエリアを自動的に回転することができる。
コンピュータが処理するためのスキャン画像を生成するには、(図9に示すタイプの)印刷されたテストパターンをカラースキャナ、好ましくはフラットベッドスキャナでスキャンする。400DPIで印刷する光学式プリンタに対して、スキャナは、少なくとも1,600DPIの解像度および少なくとも2と1/2Dの色濃度レンジを有するべきである。スキャンされた画像は、コンピュータのメモリに直接取り込まれ、処理される。
【0094】
スキャンされたテストパターンの処理は、下記のステップから構成される。まず、コンピュータが、スキャンされた画像の所望のスキャンエリアを(上述の破線を境界マーカとして用いて)識別する。次に、コンピュータは、スキャンエリアに問い合わせを行って上述の配向マーカ(十字記号「+」)を見付け、必要があればスキャン画像を回転させてスキャンプロセスで生じた傾きを補正する。
【0095】
コンピュータは次いで、第1のLED識別印刷エリアにおける第1の平行線を探し、そのアレイ(この例では赤色アレイ)の第1のLEDのY位置を設定する。コンピュータは次いで、隣接した平行線間を補間し、アレイにおける各LEDの正確なY位置を設定する。
【0096】
次に、コンピュータは、この第1のアレイの各LEDに対するLED識別エリアの(図示による)左方へカラーブロックをスキャンし、印刷画像の強度をX方向に測定する。コンピュータは次いで、測定された強度を平均化し、アレイの各LEDに対して平均強度プロファイルを設定する。
【0097】
コンピュータは次いで、LEDのそれぞれについて算出された平均強度プロファイルを、それらのLEDの最も暗いものに対して正規化し、(各LEDについて)アレイにおけるすべてのLEDの出力を実質的に一定にするため露光時間を(最大値から)短縮しなければならない因数から構成される較正テーブルを生成する。ここで、LEDの出力は電流に対して非線形に変動するため、LEDを駆動する電流を変動させるよりもむしろ、LED素子のそれぞれが写真用の媒体を照射する時間を変動させることにより、露光の変動がもたらされることに留意されたい。また、上述のように、本発明者らによるプロセスにおいて、当該反復回に対して判定された最適値未満の所定の因数だけ露光時間が短縮されることにも留意されたい。例えば、コンピュータは、当該反復回に対して最適な短縮として判定された値の90%のみの露光時間短縮を算出するように構成してもよい。効果的であるためには、較正テーブルは、LEDのそれぞれに対するスイッチオン時間を短縮すべき程度を規定する複数(各LEDについて1つ)の乗算器から構成される。
【0098】
本発明の別の実施の形態では、露光された色の「ブロック」が重ねられて「グレー色」のブロックが与えられる。スキャンされた画像のソフトウェア解析において単純に単一のカラーチャネルを選択することにより、これらのブロックにおいて個々のLEDの露光を測定することができる。本実施の形態の利点は、「カラークロストーク」、すなわち誤った色のLEDによりある色に露光してしまうことを修正できることである。
【0099】
本発明の別の態様は、上述のように、写真用の媒体の搬送機構の改良に関連するものである。
【0100】
そのような搬送機構についての特定の要件として、プリンタが上述のスケールの解像度を達成したり高品質の出力を提供したりできるように、写真用の媒体の移動公差が数ミクロン程度、通常は概ね4ミクロンとなるように、搬送機構のコンポーネントを慎重に設計し、制御しなければならない、というものがある。つまり、写真用の媒体をプリンタにおいて所与の距離だけ移動させることが所望される場合、搬送機構のメカトロニクスは通常、実際の搬送距離が所望の距離プラスマイナス4ミクロン以内となるようなものでなければならない。
【0101】
当該技術に精通する者であれば理解するであろうことが疑いないように、実際の搬送距離が所望の典型的な距離よりも4ミクロンを超えて大きい場合は、最終画像に可視の白色の帯が現れる可能性がある。同様に、所望の距離に対する搬送距離の不足が4ミクロンを超える場合は、画像の隣接帯状体の重なりが目に見えて分かる程度となり、最終画像が台無しになる可能性がある。したがって、搬送機構の設計は、写真用の媒体を正確に搬送できるものであることが肝要である。
【0102】
添付の図面の図11を参照して、本好適な実施の形態の搬送機構100は、モータ(図示せず)により駆動されるとともに比較的高レベルのグリップを提供するように構成された外周面を含む写真用の媒体搬送ローラ102を備える。例えば、好適な構成では、ローラ102に、耐久性が極めて高くかつローラの外側表面に要求される高レベルのグリップを提供する選別されたダイヤモンドチップが電気メッキされている。
【0103】
搬送ローラ102は、金属でできており、本例では、許容される公差以内の円形断面を有するように正確に研磨されたスチールローラを備える。ローラの材料としては、強度、耐久性および電気メッキの容易さの点でスチールが特に好ましい。
【0104】
搬送ローラは、上述のモータにより駆動される中心軸103を含む。そのモータは、正確なステッパモータを備えるのが好ましい。既知の摩擦ブレーキタイプの機械制動(例えば、ステッパモータが停止した後も幾分搬送ローラを回転させ続ける慣性効果を打ち消すこと)を中心軸に設けることにより、モータが停止したときに再び所望の位置から許容される公差以内の位置において、確実にローラを停止させることができる。
【0105】
光学エンコーダが、中心軸と同軸状に搭載されており、スロット付きディスク104およびディスクの各側面に設けられた発光器/光検出器ペア(図示せず)を含んでいる。スロット付きディスクが回転すると、発光器からの光がディスクのスロットを通過し、検出器により検出されることによりパルス信号が生成される。パルス信号を解釈することにより、ディスクが回転した距離(およびオプションで回転速度)の測定値が導出される。この信号は、コンピュータまたはASIC(用途特定集積回路)などのコントローラ(図示せず)に送られる。コントローラは、ステッパモータとフィードバックループ(好ましくは閉フィードバックループ)で動作することにより、搬送ローラ軸ひいては搬送ローラを駆動させるようにステッパモータを制御する。
【0106】
直径がローラの直径よりも実質的に大きいスロット付きディスクを提供することにより、ディスクの直径をローラの直径と同じまたは同等とした場合よりも小さな角度のローラの回転を検出でき、有益である。
【0107】
搬送ローラに加え、プリンタは押圧ローラ108も含む。押圧ローラ108は、搬送ローラ102に戴置されるようにスプリング114またはその他の弾性付勢手段により付勢された1つ以上の可動アームによりプリンタ、例えばプリンターのシャシー112に搭載される。
【0108】
好適な構成では、押圧ローラ108が、共通の軸上に搭載されるとともに、適切な弾性付勢(スプリング等)により互いにおよび1つ以上のアームから分離された複数の自由回転ローラを備える。押圧ローラは、写真用の媒体を搬送ローラに対して押圧することにより、搬送ローラにより写真用の媒体を前進させる際、写真用の媒体が滑る可能性を低減するように機能する。
【0109】
写真用の媒体は、出口スロット120を含むキャニスタ118から供給される。出口スロット120は、キャニスタを使用するためプリンタへ挿入する前に写真用の媒体が意図せず露光してしまうことを防止するため遮蔽されている。写真用の媒体は、ロール122の状態で提供され、ロール122は、モータ(図示せず)により駆動される複数のローラ124上に搭載される。ローラ124は、写真用の媒体をロールから巻き上げて、ピンチローラ126のセットを介してスロット120から略矢印「A」により示す写真用の媒体搬送方向に巻き出し、また生じた弛みを除去するため写真用の媒体をキャニスタ内に巻き戻すのに十分な把持力を提供するように構成される。ローラにより提供される把持力の量は、生じた弛みが除去されるとロールがローラ上で滑り、キャニスタ内への写真用の媒体の巻き戻しが停止するように慎重に選定される。モータは、ローラ124が写真用の媒体をキャニスタ内へ巻き入れ、またはそこから巻き出すように、コントローラ(搬送ローラを制御するものと同じコントローラでもよい)により制御される。
【0110】
1つ以上の供給ローラ(参照符号125により略示する)が、キャニスタ118と搬送ローラ102との間に設けられている。供給ローラ125および押圧ローラ108は、搬送ローラ102に対して、写真用の媒体が搬送ローラ102と90度の接触をなすように構成される。この構成は、写真用の媒体と1つ以上のローラとが詰まりを引き起こし得る点接触をなす可能性を排除するので、好ましい。
【0111】
写真用の媒体を搬送する方向Aにおける搬送ローラ102の直後には、真空ベッド128が設けられる。真空ベッド128は、下方(図示による)への力を写真用の媒体に付加することにより、写真用の媒体がプリンタの光学式印刷ヘッド130の下を通過する際、確実に平坦になるように動作する。かかる真空ベッドなしでは、写真用の媒体が完全に平坦にならないことがあり、湾曲が生じた場合、光学画像の写真用の媒体上での合焦や印刷された帯状体のサイズに問題が生じることになる。
【0112】
写真用の媒体を搬送する方向Aにおけるヘッド130および真空ベッド128の直後には、適切な金床134に戴置されることによりそれらの間を通過している写真用の媒体を切断するように機能するカッター刃132が設けられる。これから説明する理由のために、写真用の媒体の搬送方向における印刷ヘッドの後縁(すなわち、カッター刃132に直近の縁)からの距離は、キャニスタからカッター刃132への搬送路の長さと同様に既知である。
【0113】
新しいキャニスタがプリンタに挿入(通常は、標準的な長さの写真用の媒体がスロット120から突出した状態で)されると、プリンタの制御システムは、キャニスタの存在を検出し、キャニスタモータを制御することにより、写真用の媒体をローラ122から巻き上げ、キャニスタから巻き出し、供給ローラ125を経由して搬送ローラに達するようにローラ124を駆動させる。搬送ローラは回転し、写真用の媒体は、ローラの高グリップ面に対して押圧ローラ118により押圧される。写真用の媒体は、搬送ローラにより真空ベッドを介してカッター刃132と金床134との間を、既知の長さの写真用の媒体(元々キャニスタから突出していた標準的な長さの写真用の媒体よりも長い)が通過するまで送られる。ここで、キャニスタモータおよび搬送ローラモータは停止され、カッターを金床に対して移動させてそれらの間を通過した写真用の媒体片を切断する(この写真用の媒体片は、廃棄物として扱われ、通常の方法でプリンタから排出される)。
【0114】
次いで、搬送ローラ用のモータに通電して、上述の光学式印刷ヘッド130の後縁とカッター刃132との間の距離に対応する既知の距離だけローラを反対方向に回転させる。次いで、搬送ローラモ―タを停止するとともに、キャニスタモータに通電してローラ124を反対方向に駆動することにより、キャニスタから送られた写真用の媒体に生じた弛みを除去する。
【0115】
写真用の媒体が適正な場所にある状態で、写真用の媒体の表面上でヘッドを移動させて写真用の媒体の帯状体を露光させることにより、画像を生成することができる。その帯状体が完成したら、搬送ローラモータに通電し、搬送ローラモータを回転させて写真用の媒体を前進させることにより、次の画像帯状体を露光することができる。
【0116】
このプロセスは、印刷される画像が完成するまで継続され、その間、必要に応じてキャニスタモータに断続的に通電してキャニスタローラを逆方向に駆動することにより、生じた弛みを除去する。次いで、搬送ローラを、光学ヘッドの前縁(すなわち、搬送ローラに最も接近した縁部)とカッターとの間の距離に対応する既知の距離だけ写真用の媒体を搬送するように回転させる。続いて、写真用の媒体の露光した部分を残りの部分から分離するように、カッターを動作させる(残りの部分は、更なるプロセス(例えば、プリンタ内での現像)のため、更なる搬送機構(図示せず)によりカッターから搬送される)。
【0117】
次いで、搬送ローラモータに通電して搬送ローラを逆方向に駆動することにより、光学ヘッドの後縁とカッター刃との間の距離に対応する既知の距離だけ写真用の媒体をカッターから引き戻すとともに、キャニスタモータに通電して、キャニスタから供給された写真用の媒体に生じた弛みを除去するようにキャニスタを駆動する。弛みが除去されると、プリンタは別の画像の印刷動作に入ることができる。
【0118】
本発明の最終の態様は、写真用の媒体のスループットを高めたプリンタを考案できたとしたら有益であろう、という事実に関するものである。このようなプリンタが異なるサイズの写真用の媒体に容易に対応できたとしたら、それもまた有益であろう。
【0119】
上述のように、写真用の媒体のスループットを向上させる比較的簡単な方法の1つは、光学ヘッドアセンブリが写真用の媒体上で移動する速度を増加させるというものであろう。しかし、かかる手法では、それほどの速度増加は達成されない。というのもヘッドは、写真用の媒体上の所与の点を画像形成に必要な量の光学エネルギーに露光するため、(所与の写真用の媒体について)最低限の一定時間だけその点の上に留まらなければないためである。したがって、最終画像の品質に悪影響を与えることなしに、ヘッドが写真用の媒体上の所与の点上に留まる時間がこの最低限の一定時間未満となる程度まで、ヘッドの速度を増加させることはできない。
【0120】
この問題に対処するため、本実施の形態は、別々の媒体を隣り合わせに配置し、そのように配置された媒体のそれぞれの帯状体を光学ヘッドアセンブリの1回の通過で露光させることにより、複数の媒体の同時処理を提供するものである。この構成により、プリンタを通過する媒体搬送速度を大幅に(例えば、ほぼ2倍に)増加することが可能である。
【0121】
この構成の別の利点は、プリンタが隣り合わせの媒体を2つ同時に処理できるように構成されているため、ヘッドの移動距離が、より大きい(幅広い)媒体の処理が可能な程度にまで増加されているということである。以下で説明する特定の構成では、所与のサイズの隣り合わせの媒体上での、また個々の隣り合わせの写真用の媒体のいずれかのサイズの約2倍の媒体上での印刷を可能にする新規な搬送機構が提供される。
【0122】
図12を参照して、写真用の媒体搬送、処理および切断コンポーネント200(以下、「TPCコンポーネント」)と言う)は、ベースプレート204の上部に搭載された第1の写真用の媒体搬送アセンブリ202と、ベースプレート204の下方に搭載された第2の写真用の媒体搬送アセンブリ206とを備える。図示のように、第2の写真用の媒体搬送アセンブリ206は、第1の搬送アセンブリ202よりもはるかに幅が広く、後述するように、この搬送アセンブリは、プリンタが第1の搬送アセンブリの幅よりも大きい媒体を処理できるようにする手段を提供する。
【0123】
媒体は、1つ以上の媒体カセット(図示せず)から図示のコンポーネントに送られ、図示のコンポーネントから現像コンポーネント(これも図示せず)内に送られ、そこで露光された写真画像が現像される。
【0124】
第1の写真用の媒体搬送アセンブリ(ベースプレートから直立するように図示されている)は、湾曲した媒体ガイド210(図13に最良に見られる)に形成されたスロットを通じて当接する第1のローラ対208と、第1の対の下方に配設された第2のローラ対212(一方は図12において見られ、他方は図13において見られる)と、第2の対の下方に配設された第3のローラ対214(一方が図13において見られる)と、ベースプレート204および第3のローラ対214のわずかに下方に設けられた第4のローラ対216とを備える。
【0125】
第1〜第4のローラ対はそれぞれ、従動ローラ(ベルト駆動アセンブリ220および関連するモータ222により駆動される)および自由回転ローラを備え、この従動ローラおよび自由回転ローラは、ベースプレート204から直立するシャシーコンポーネントに搭載される。第2の写真用の媒体搬送アセンブリは、第2の媒体ガイド224に設けられたスロットを通じて当接するとともに、上述の第4のローラ対216の下方に設けられた第5のローラ対218を備える。
【0126】
第5のローラ対は、著しく長く(通常は、第1〜第4のローラ対の2倍超)、第1の構成において、第1〜第4のローラ対の長さよりも幅広い媒体に対するTPCコンポーネント200への入口を提供する。更に、第5のローラ対の第4の対よりも長い部分は、第2の構成において、第2の媒体片に対するTPCコンポーネント200への入口を提供し、これにより第1および第2の媒体片の両方を同時に処理することが可能になる。
【0127】
本第1の構成を検討すると、第1〜第4のローラ対の長さよりも幅が大きい媒体は、第5のローラ対218の間からTPCコンポーネント200に入り、媒体ガイド224に沿ってその上方を通過し、ベースプレート204の下方に設けられたローラセット(これらのローラセット用の駆動機構が、図14においてベースプレート204の下方に見られる)に達する。これらのローラは、媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じて図11に示すタイプのダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラ(不可視)に接触させる。
【0128】
第2の構成では、第1の媒体片が、第1のローラ対208の間を通過して媒体ガイド210の下側に達し、そこから第2、第3および第4のローラ対の間を通過する。第1の媒体片は、第4のローラ対から出て、第5のローラ対の上側のローラの上方を通過してから、第5のローラ対218の間を(A方向に)、そして媒体ガイド224の上方でそれに沿って通過し、ベースプレート204の下方に搭載された上述のローラに到達する。これらのローラは、第1の長さの媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じてダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラに接触させる。
【0129】
第2の媒体片(第1の媒体片と等しい幅を有するのが通常である(が必ずしもその必要はない))は、第5のローラ対の間をB方向に、そして媒体ガイド224に沿ってその上方を通過し、ベースプレート204の下方に設けられたローラセット(不可視)に到達する。これらのローラは、媒体をベースプレート204に向けて上方に転回させ、ベースプレート204のスロットを通じてダイヤモンドがコーティングされた搬送ローラに接触させる。この構成では、第1および第2の媒体片が、小さな間隙を隔てて互いに実質的に平行に配設される。2つの長さの媒体は、後述するように、光学ヘッドアセンブリ226(この構成では2つのオフセット照射装置を備える)の下方を通過し、ヘッドが両方の媒体にまたがって移動することにより、2つの媒体片のそれぞれの上に画像(好ましい構成では同じ画像)の連続した帯状体を印刷(すなわち、露光)する。代替の構成では、2つの媒体片の対応する一方を露光させるようにそれぞれ構成された2つの印刷ヘッドを設けることができる。
【0130】
図11に示す構成と同様に、媒体は、媒体の搬送方向に延在する一対の可動アーム上に搭載された押圧ローラ228により、ダイヤモンドがコーティングされたローラに当接するように付勢される。TPCコンポーネント200内での媒体の位置合わせ調整を容易にするため、側方に延在するバー232が締結されたカム230が設けられる。カムは、モータ234により駆動可能で、バー232をベースプレート204に向けて下げ、押圧ローラ228が搭載されたアーム(不可視)の自由端に対し作用する。これにより、アームを枢動させて、押圧ローラ228をダイヤモンドでコーティングされた搬送ローラから浮かせることにより、TPCコンポーネント内における媒体の位置合わせを調整することができる。
【0131】
図11に示す構成では、プリンタにおける媒体搬送方向において光学ヘッドアセンブリの直近の後方にカッターが設けられている。
【0132】
しかし、この配置では(図13に示すように)、カッター236が(光学ヘッドアセンブリに対して)媒体搬送方向の前方に移動されているため、光学ヘッドアセンブリが搭載された第1のビーム240とカッター236が搭載された第2のビーム242との間に間隙238が存在する。
【0133】
この間隙238には、ベースプレート204のスロットを開くとともに、ベースプレート204下方のデッドループ(図示せず)へのアクセスを提供するよう移動可能なフラップ(図中では不可視)が設けられる。媒体は、デッドループを通ってからベースプレートの上方に戻り、カッター236を通って前方に移動する。このデッドループは、異なる媒体サイズに伴って媒体処理速度および媒体搬送速度が変動する際、TPCコンポーネント200を通過する媒体の通路長を変動させるように設けられ、最終的には、カッターの動作を媒体の搬送と適正に同期させることにより、媒体の各片が正しい位置で切断されるようにする。
【0134】
カッターアセンブリの前方(媒体搬送方向における)には、自由回転ローラ244とその上方に搭載されたクランプローラ246とから構成される一対のローラが設けられる。クランプローラは、クランプローラの軸心周りを回転可能な大きい変形可能部248(例えば発泡材料)と、より小さい変形不能部250とを備える。クランプローラに直近の上方には、両端がブロック254上に支持された側方バー252が設けられる。各ブロック254は、それぞれの位置決めピン256上でスプリング付勢に抗して移動可能である。バーは、モータ258により駆動され、ブロックを押下するとともに自由回転ローラに抗してクランプローラ246の変形不能部を押圧することにより、それらの間に媒体をクランプする。
【0135】
媒体が適切な場所にクランプされると、カッター236を動作させて媒体の露光部分を分離し、続いて光学式プリンタの隣接した現像部(図示せず)において現像する。
【0136】
カッターが動作した後、ブロック(およびバー)を自由回転ローラ244から離れるように移動し、自由回転ローラとクランプローラとの間にクランプされていた媒体の切断部分が解放され、従動ベルトにより現像部内へ搬送される。特に好ましい構成では、媒体が切断のため自由回転ローラとクランプローラとの間にクランプされている間も、従動ベルトは(媒体を引くように)駆動され続ける。従動ベルトが付加する力による媒体の引裂を避けるため、従動ベルトは、媒体がクランプされている間、TPCコンポーネントに向かう方向のスプリング付勢に抗して揺動するよう構成された揺動ローラに架け渡されるのが好ましい。この構成の利点は、クランプされた媒体が解放されてからすぐに、媒体の切断部分がスプリング付勢により速やかに加速されてカッター刃から続けてプリンタの処理部内へ移動することである。
【0137】
このように、別々の媒体片を光源により露光させることがそれぞれ可能な複数の印刷チャネルを定義するように構成および編成された、光学式プリンタのコンポーネントをここに説明した。コンポーネントは、別々の媒体片が2つ以上の前記チャネルを通過して前記光源により露光されることにより、各媒体片上に画像を形成するように、または、単一の媒体片が同時に2つ以上の前記チャネルを通過して前記光源により露光されることにより、前記単一の媒体片上に単一の画像を形成するように、構成することができる。
【0138】
また、別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネル、および前記チャネルのそれぞれの媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成可能な少なくとも1つの光学式印刷ヘッドを有する、光学式プリンタのコンポーネントを説明した。
【0139】
先述のように、幾つかの好適な構成を上で詳細に説明したが、本開示の適用範囲は、記載の特定の構成のみに限定されない、ということが当該技術に精通する者には理解されよう。むしろ、本開示の適用範囲は、上記の精神および教示に該当する実施の形態に対するすべての変形を含む。
【0140】
例えば、幾つかの適用においては、印刷ヘッドアセンブリにレンズアセンブリを設ける必要がない場合もある。また、印刷ヘッドは、複数の照射装置を備えてもよい。上記構成の別の変形では、印刷ヘッドアセンブリが真空テーブル上を移動し、写真用の媒体がそれらの間を通過するのが特に好ましい。真空テーブルは、無理な力を加えずに媒体を実質的に平坦に保持することにより、媒体がわずかに湾曲していた場合に画像に生じ得る収差を回避できるため、有益である。別の変形では、プリンタが、3つ以上の印刷ヘッド、印刷アセンブリを備えてもよく、または3つ以上のチャネルを提供するように構成可能であってもよい。
【0141】
また、アレイを互いに直線方向(すなわち、概念線に平行な方向)にオフセットすることに関連する利益が、所与のアレイにおける隣接光源素子を互いにオフセットすることに関連する利益とは独立的に享受されるということは、当該技術に精通する者には明白である。つまり、各アレイが素子の単純なカラム(図2(a)に示す)を備えるものとし、隣接アレイを図4または5に示すように互いにオフセットさせてもよい。
【0142】
最後に、本発明の適用範囲は、本明細書で説明しまたは請求項に記載した特長のいずれの組み合わせをも、その特定の組み合わせが現時点での付帯の請求項に記載されているか否かにかかわらず、含むことに留意されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;
前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され;
前記各アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている;
光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項2】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;
前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記第1、第2および第3の光源アレイはそれぞれ、帯状光を発するよう動作可能であり、前記印刷ヘッドは、前記光源アレイの第1のアレイが通電時に、前記光源アレイの隣接した第2のアレイが通電時に発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされた帯状光を発するように構成されている;
光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項3】
各前記アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている;
請求項2に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項4】
前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線のいずれかの側に互いにオフセットされている;
請求項1または請求項3に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項5】
前記各光源素子は発光強度プロファイルを有し、前記アレイのそれぞれの隣接光源素子は、第1の光源素子の発光強度プロファイルが第2の光源素子の発光強度プロファイルと重なり、その重なりが、前記光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷された前記第1および第2の光源素子に起因する画像の素子が解像不能な程度となるように編成されている;
請求項1、請求項3または請求4のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項6】
隣接した光源素子間の重なりの程度が、前記各光源アレイについて実質的に一定である;
請求項5に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項7】
前記光源素子は、それぞれの隣接光源素子対の前記発光強度プロファイルの重なりが、20パーセント未満、好ましくは少なくとも2パーセントとなるように編成されている;
請求項5または6に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項8】
それぞれの光源アレイの前記各光源素子を電源に接続するための電気回路構成と、前記光源素子に通電するための制御手段とを備える;
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項9】
前記電気回路構成が前記基板上に印刷されている;
請求項8に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項10】
前記電気回路構成が前記基板の第1の側に印刷されるとともに前記光源素子が前記基板の反対の第2の側に搭載され、前記光源素子は、前記基板を通過するそれぞれの電気経路により前記電気回路構成に接続されている;
請求項9に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項11】
前記電気回路構成が、前記第1、第2および第3のアレイのそれぞれに個々に通電できるように構成されている;
請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項12】
前記各光源アレイは、その一端または両端に所定数の光源素子を備え、前記所定数の光源素子は、前記光源アレイの通電時に、前記光源素子アレイの第1のアレイが発する帯状光が、前記光源素子アレイの第2のアレイが発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされるように通電されないよう編成されている;
請求項2もしくは3、または請求項2もしくは3に従属する請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項13】
各光源アレイは、通電時に、前記光源アレイの第1のアレイが発する帯状光が、前記光源アレイの第2のアレイが発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされるように、隣接した光源アレイから関連する概念線に沿って直線的にオフセットされている;
請求項2もしくは3、または請求項2もしくは3に従属する請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項14】
前記光源素子が発光ダイオードを備える;
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項15】
前記基板が、隣接した光源素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている;
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項16】
前記基板が、隣接した光源素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている;
請求項14または15に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項17】
前記基板が、少なくとも前記光源素子が搭載された側において、実質的に無反射になされている;
請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項18】
前記各LED光源素子が、光学透過性材料により保護のためカプセル封入されている;
請求項14乃至請求項17のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項19】
前記照射装置から発せられた光が所定の特性を有するように、1つ以上の前記光学素子アレイによる照射のために編成された1つ以上の光学フィルタを備える;
請求項14乃至請求項18のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項20】
前記第1、第2および第3の各光源素子アレイにそれぞれ関連する第1、第2および第3のフィルタを備える;
請求項19に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項21】
前記第1、第2および第3のフィルタの1つ以上が帯域通過フィルタを備える;
請求項20に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項22】
前記フィルタの1つ以上は、前記フィルタの他の1つ以上よりも光学透過性が低く、それにより前記照射装置から発せられた前記低透過性フィルタに関連する光源素子アレイに起因する光の成分の相対強度を低下させる;
請求項20または21に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項23】
前記低透過性光学フィルタが前記第2の光学素子アレイに関連する;
請求項21に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項24】
更に、前記フィルタと前記カプセル封入LEDとの間に設けられた光学透過性媒体を備える;
請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項25】
前記光学透過性媒体が流体媒体を備える;
請求項24に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項26】
更に、複数の開口が設けられたマスクを備え、前記開口は、前記マスクを前記光学素子アレイの前に配置したとき前記光学素子と概ね一致するように編成されている;
請求項15乃至請求項25のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項27】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイと;
前記第1、第2および第3の光源アレイが搭載された第1の表面を有する基板であって、前記第1の表面は、隣接した光学素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている基板と;
複数の開口が設けられたマスクであって、前記開口が前記アレイの光源素子と概ね一致することにより前記アレイからの光が前記マスクを透過できるように、前記光源素子アレイの前に配置されているマスクとを備える;
光学式プリンタ用の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項28】
請求項1乃至請求項26のいずれか1項に記載の特長の1つ以上を更に備える;
請求項27に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項29】
請求項1乃至請求項28のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置と;
受光面を有する光ファイバーライトパイプであって、前記照射装置の前記光源アレイからの光を前記受光面で受けるよう編成されているライトパイプとを備え;
前記ライトパイプは更に、前記光源アレイからの光を伝達して写真用の媒体に照射するための光伝達面と、前記受光面が前記光伝達面よりも実質的に大きい表面積を有するように前記受光面と前記光伝達面との間に設けられたテーパ状領域を備える;
印刷ヘッド。
【請求項30】
前記照射装置が、前記光ファイバーライトパイプの前記受光面に当接している;
請求項29に記載の印刷ヘッド。
【請求項31】
前記照射装置と前記ライトパイプの前記受光面との間に設けられた光学透過性媒体を備える;
請求項30に記載の印刷ヘッド。
【請求項32】
前記光学透過性媒体が流体媒体を備える;
請求項31に記載の印刷ヘッド。
【請求項33】
前記印刷ヘッドが更に、前記ライトパイプの前記受光面に到達する周辺光を低減するための手段を備える;
請求項30乃至請求項32のいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項34】
前記当接した照射装置およびライトパイプが、前記ライトパイプの前記発光面を覆わない実質的に無反射の媒体により覆われている;
請求項33に記載の印刷ヘッド。
【請求項35】
請求項29乃至請求項34のいずれか1項に記載の印刷ヘッドを備え;
前記印刷ヘッドと使用中に写真用の媒体が沿うように搬送される搬送面との間に設けられた光学レンズリレーを備える;
光学式プリンタ用の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項36】
前記レンズリレーが複数のレンズを備える;
請求項35に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項37】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から使用中に前記搬送面に沿って搬送される写真用の媒体へ対称的な1:1の光伝搬を提供するように構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項38】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から使用中に前記搬送面に沿って搬送される写真用の媒体へ非対称的な光伝搬を提供するように構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項39】
前記光学レンズリレーは、前記印刷ヘッドの前記発光面により照射される前記写真用の媒体の面積を増加または減少させるように構成および編成されている;
請求項38に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項40】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から前記写真用の媒体へ対称的または非対称的なユーザにより選択可能な光伝搬と提供するよう構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項41】
前記発光面と前記搬送面との間における前記光学レンズリレーの位置が、ユーザにより調整可能である;
請求項40に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項42】
前記発光面から前記写真用の媒体へ1:1の対称的な光伝搬を提供するように構成された第1の光学レンズリレーと;
それぞれが異なる非対称的な光伝搬を提供する複数の他の光学リレーとを備え;
前記第1のリレーおよび前記複数の他のリレーは、前記発光面と前記キャリア表面との間に選択的に挿入可能である;
請求項40に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項43】
請求項1乃至請求項28のいずれか1項に記載の照射装置を少なくとも1つ備える;
光学式プリンタ。
【請求項44】
請求項29乃至請求項34のいずれか1項に記載の印刷ヘッドを備える;
光学式プリンタ。
【請求項45】
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備える;
光学式プリンタ。
【請求項46】
複数の発光素子アレイを備える印刷ヘッドであって、各アレイは複数の素子を備える印刷ヘッド、を有する光学式プリンタを較正する方法であって:
(a)前記印刷ヘッドを動作させて第1の写真用の媒体セグメント上でテストパターンを露光させるステップであって、各アレイの前記素子のそれぞれは、前記第1の媒体セグメントを少なくとも1箇所において照射するように構成されているステップと;
(b)前記第1の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第1の画像を提供するステップと;
(c)各素子について、その素子に関連する前記少なくとも1箇所における前記画像の一部を形成するために前記媒体セグメントを露光したその素子による光出力を判定するステップと;
(d)各素子について調整因数を判定するステップであって、前記調整因数は、関連する素子の光出力の推定調整値と関連し、前記推定調整値は、前記素子をその調整値に従い調整して動作させると、その素子の光出力がその他の素子による光出力と実質的に同じになるはずのものであるステップと;
(e)前記素子について算出された前記因数から較正テーブルを生成するステップであって、前記テーブルは、各素子の光出力がどのように調整されるべきかを定義するステップと;
(f)前記較正テーブルに従い前記印刷ヘッドを動作させて、前記第1の媒体セグメントと同一の第2の媒体セグメント上で同じテストパターンを露光させるステップと;
(g)前記第2の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第2の画像を提供するステップと;
(h)前記第2の画像が許容可能な品質であるかを判定するステップと;
(i)前記画像が許容可能な品質でない場合、前記画像が許容可能な品質であると判定されるまでステップ(c)乃至(h)を反復的に繰り返すステップとを備える;
方法。
【請求項47】
各アレイの前記素子のそれぞれが、前記写真用の媒体を複数箇所において露光させるように構成されている;
請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ステップ(c)が、各素子について、前記複数箇所における平均光出力を判定するステップを備える;
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ステップ(c)が、前記第1の画像をデジタル化することにより取得される前記テストパターンのデジタル画像から自動的に行われる;
請求項46乃至請求項48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の画像をスキャンして前記デジタル画像を生成するステップを備える;
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップ(h)は、前記テストパターンの前記第2の画像が所定の基準セットを満たすかを判定するステップと、前記基準セットが満たされた場合に前記第2の画像が許容可能な品質であると判定するステップとを備える;
請求項46乃至請求項50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記所定の基準セットが、印刷されたテストパターンが許容可能であると見なし得る状態になる前に有するべき複数の物理属性を備える;
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
ステップ(h)が、前記第2の画像をスキャンするステップと、前記テストパターンの物理属性を測定するステップと、前記テストパターンについて測定された物理属性を前記基準セットにおいて定義された対応する物理属性と比較するステップと、前記測定された物理属性が前記基準セットにおいて定義された属性と少なくとも等しい場合に前記印刷されたテストパターンが許容可能であることを示すステップとにより達成される;
請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記スキャンするステップ、測定するステップ、比較するステップおよび示すステップが、コンピュータの制御下で自動的に達成される;
請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記素子の光出力が、前記素子の通電期間を制御することにより調整される;
請求項46乃至請求項54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記素子が当初、最大の光出力で前記第1の写真用の媒体セグメントを照射するように編成されている;
請求項46乃至請求項54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記素子についての前記調整因数が、前記テストパターンを作成する際の前記素子の通電期間をどれだけ短縮すべきかの因数を備える;
請求項55および請求項56に記載の方法。
【請求項58】
各前記光源素子についての所与の反復回についての前記調整因数は、その素子についての最適な調整因数未満であり、前記最適な因数は、その反復回について、各素子が一部を形成する前記アレイのすべての素子が厳密に同じ光出力を有することになるその素子についての調整値であるものと推定される;
請求項46乃至請求項57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記調整因数が、前記最適な調整因数よりも少なくとも5%小さい;
請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記調整因数が、前記最適な調整因数よりも少なくとも10%小さい;
請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記テストパターンが、前記光源アレイのそれぞれについて別々のブロックを含み、前記ブロック内では前記写真用の媒体が、そのアレイ内の素子からの光のみにより露光される;
請求項46乃至請求項60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記テストパターンが、前記アレイのうちの2つ以上により露光される組み合わせ領域を含み;
更に、前記組み合わせ領域から前記アレイ間のクロストークの程度の測定値を判定するステップを備える;
請求項46乃至請求項61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
搬送波内に実装されたプリンタ制御指示であって;
光学式プリンタを制御して較正テストパターンを印刷するよう構成され;
前記光学式プリンタは、複数の光源素子をそれぞれ備える複数の光源アレイを有し;
前記パターンは、前記光源アレイのそれぞれについて別々の印刷ブロックであって、前記印刷ブロック内では写真用の媒体が、そのアレイ内の素子からの光のみにより露光される別々の印刷ブロックを備える;
プリンタ制御指示。
【請求項64】
前記光源素子のそれぞれが、前記ブロック内の複数の画素を露光させ、前記複数の画素のそれぞれが、1つの素子に関連付けられるように構成されている;
請求項63に記載のプリンタ制御指示。
【請求項65】
複数の発光素子アレイを備える印刷ヘッドであって、前記各アレイは複数の素子を備える印刷ヘッド、を有する光学式プリンタを較正するための装置であって:
(a)前記印刷ヘッドを動作させて第1の写真用の媒体セグメント上でテストパターンを露光させる手段であって、各アレイの前記素子のそれぞれは、前記第1の媒体セグメントを少なくとも1箇所において照射するように構成されている手段と;
(b)前記第1の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第1の画像を提供する手段と;
(c)各素子について、その素子に関連する前記少なくとも1箇所における前記画像の一部を形成するよう前記媒体セグメントを露光したその素子による光出力を判定する手段と;
(d)各素子について調整因数を判定する手段であって、前記調整因数は、関連する素子の光出力の推定調整値と関連し、前記推定調整値は、前記素子をその調整値に従い調整して動作させると、その素子の光出力がその他の素子による光出力と実質的に同じになるはずのものである、手段と;
(e)前記素子について算出された前記因数から較正テーブルを生成するための手段であって、前記テーブルは、各素子の光出力がどのように調整されるべきかを定義する、手段と;
(f)前記較正テーブルに従い前記印刷ヘッドを動作させて、前記第1の写真用の媒体セグメントと同一の第2の写真用の媒体セグメント上で同じテストパターンを露光させる手段と;
(g)前記第2の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第2の画像を提供する手段と;
(h)前記第2の画像が許容可能な品質であるか判定する手段と;
(i)前記第2の画像が許容可能な品質でない場合、前記画像が許容可能な品質であると判定されるまでコンポーネント(c)乃至(h)を反復的に動作させるように構成および編成された制御手段とを備える;
装置。
【請求項66】
コンピュータにより実行されると請求項46に記載の方法の少なくともステップ(b)乃至(e)を実施するよう動作可能な1つ以上のコンピュータプログラムコンポーネントを備える;
コンピュータプログラム。
【請求項67】
実質的に本明細書においてこれまでに記載のまたは添付の図面に示す較正パターン。
【請求項68】
光学式プリンタ用の搬送機構であって:
写真用の媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラの外側表面の少なくとも一領域が、写真用の媒体を把持するとともに前記搬送機構を通って印刷ヘッドアセンブリに向けて引くように構成されている、搬送ローラと;
写真用の媒体を前記搬送ローラに対して押圧することにより、前記搬送ローラにより前進させる際に前記媒体が滑る可能性を低減するよう構成された押圧ローラと;
少なくとも1つの格納キャニスタから前記押圧ローラおよび搬送ローラに写真用の媒体を案内するための案内手段と;
前記搬送ローラを回転させるように構成されたステッパモータと;
前記搬送ローラの回転を検出するとともにその回転を表す信号を生成する手段と;
前記搬送ローラを駆動して前記搬送機構を通って所定の距離だけ媒体を前進させるよう前記ステッパモータを制御し、前記信号から前記ローラが回転した距離の測定値を導出し、前記測定された距離が前記所定の距離と等しい場合に前記ステッパモータを制御して前記ローラの回転を停止させるよう構成されたコントローラとを備える;
搬送機構。
【請求項69】
前記搬送ローラの外側表面の実質的に全体が、写真用の媒体を把持するとともに引くように構成されている;
請求項68に記載の搬送機構。
【請求項70】
前記搬送ローラが、低熱伝導率を有する高耐久性金属でできている;
請求項69に記載の搬送機構。
【請求項71】
前記搬送ローラの前記外側表面に、選別されたダイヤモンドチップが電気メッキされている;
請求項70および請求項71に記載の搬送機構。
【請求項72】
前記押圧ローラを前記搬送ローラに向けて付勢する弾性付勢手段を備える;
請求項68乃至請求項72のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項73】
前記押圧ローラが、共通の軸上に搭載された複数の自由回転ローラを備え、前記自由回転ローラは、それらの間に設けられた複数の弾性付勢により前記軸上で互いに離間されている;
請求項72に記載の搬送機構。
【請求項74】
前記案内手段が1つ以上の供給ローラを備え、前記供給ローラの少なくとも1つおよび前記押圧ローラは、写真用の媒体が前記搬送ローラと点接触を成さないように、前記写真用の媒体を前記搬送ローラに供給するよう編成および構成されている;
請求項68乃至請求項73のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項75】
前記供給ローラおよび前記押圧ローラは、前記写真用の媒体が前記押圧ローラと90度の接触をなすよう編成および構成されている;
請求項74に記載の搬送機構。
【請求項76】
各格納キャニスタが、空隙と、前記搬送ローラにより写真用の媒体を引き出し可能な遮蔽された出口とを有する遮光筐体を備え;
前記空隙が、写真用の媒体のロールを支持するとともに前記写真用の媒体を前記出口へ案内するための複数のローラを備える;
請求項68乃至請求項75のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項77】
前記ローラは、写真用の媒体を前記キャニスタ内に引き戻すように前記ローラ上に支持された写真用の媒体のロールを回転駆動可能なよう構成されている;
請求項76に記載の搬送機構。
【請求項78】
前記ローラにはそれぞれ、前記ローラが写真用の媒体を前記キャニスタから前進させるか、前記キャニスタ内に引き入れるのに十分な把持力を提供するが、媒体の前記キャニスタ内への引き込みが妨げられる場合には前記ロールを前記ローラ上で滑らせることが可能な外側表面が設けられている;
請求項77に記載の搬送機構。
【請求項79】
前記ローラを駆動するためのモータを備える;
請求項78に記載の搬送機構。
【請求項80】
前記モータが前記コントローラにより制御される;
請求項79に記載の搬送機構。
【請求項81】
前記回転を検出する手段は、前記搬送ローラと同期回転するよう構成されたスロット付きホイールと、前記ホイールの一方側上に設けられるとともに前記ホイールのスロットに照射するよう構成された発光器と、前記ホイールの他方側上に設けられるとともに前記発光器により発せられ前記ホイールの前記スロットを通過した光を検出するよう構成された光検出器とを備え;
前記光検出器は、パルス信号を出力し、前記ホイールの所与の移動に対して生成されるパルスの数が、前記ホイールおよび搬送ローラによる回転の距離の測定値を提供するよう構成されている;
請求項68乃至請求項80のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項82】
単位時間当たりのパルス数の測定値により、前記ホイールおよび搬送ローラの回転速度の測定値が算出可能である;
請求項81に記載の搬送機構。
【請求項83】
前記搬送ローラが回転可能に搭載された を備え;
前記スロット付きホイールが、前記搬送ローラと同期回転可能に前記軸上に搭載されている;
請求項81または82に記載の搬送機構。
【請求項84】
前記スロット付きホイールが、前記回転検出手段の角度分解能を向上させるように前記搬送ローラよりも大きい直径を有する;
請求項81乃至請求項83のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項85】
新しい媒体キャニスタの前記搬送機構への取り付けを検出するとともに、前記取り付けを示す信号を出力する手段を備える;
請求項68乃至請求項84のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項86】
前記コントローラが、前記検出手段から前記信号を受信すると、
(i)前記キャニスタモータおよび搬送ローラモータを動作させることにより、前記キャニスタローラおよび前記搬送ローラを回転して前記搬送機構において前記新しいキャニスタから前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通って、そしてカッターアセンブリを通って、自由端に廃棄媒体片を含む所定の媒体片を引き出し、
(ii)前記廃棄媒体片が前記カッターアセンブリを通って前進したら、前記搬送ローラモータおよび前記キャニスタモータを停止させ、
(iii)前記カッターアセンブリを動作させることにより、前記媒体片を切断するとともに前記廃棄媒体片を廃棄し、
(iv)前記搬送ローラモータを動作させることにより、前記搬送ローラを逆駆動して前記写真用の媒体片を前記印刷ヘッドアセンブリに向けて引き、
(v)前記写真用の媒体が前記印刷ヘッドアセンブリによる露光のため適正に位置合わせされると、前記搬送ローラモータの動作を停止させ、
(vi)前記キャニスタモータを動作させることにより、前記キャニスタローラを逆駆動して写真用の媒体に生じた弛みを除去するよう構成されている;
請求項80に従属する請求項85に記載の搬送機構。
【請求項87】
前記搬送機構が遮光筐体内に設けられている;
請求項68乃至請求項86のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項88】
前記案内手段が、前記搬送機構を通る複数のチャネルを画成する手段を含み、前記チャネルのそれぞれが、別々の写真用の媒体片を受けることが可能である;
請求項68乃至請求項87のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項89】
前記各チャネルが、写真用の媒体の別々のキャニスタとインターフェイスするよう構成されている;
請求項88に記載の搬送機構。
【請求項90】
前記チャネルを画成する手段は、1つの写真用の媒体片が、複数の前記チャネルの少なくとも一部を同時に通って受けられるよう構成されている;
請求項88に記載の搬送機構。
【請求項91】
前記複数のチャネルが、単一の写真用の媒体キャニスタとインターフェイスするよう構成されている;
請求項90に記載の搬送機構。
【請求項92】
複数の前記チャネルとインターフェイスする写真用の媒体の前記単一のキャニスタは、前記複数のチャネルの1つとそれぞれインターフェイスする前記別々のキャニスタに収容された前記写真用の媒体よりも幅広の写真用の媒体を収容する;
請求項89および請求項91に記載の搬送機構。
【請求項93】
前記案内手段が2つのチャネルを画成し、前記搬送機構が2つのモードで動作可能である;
請求項88乃至請求項92のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項94】
前記第1のモードでは、前記案内手段が、前記チャネルのそれぞれの1つをそれぞれ通って2つの別々の写真用の媒体片を前記搬送ローラに供給するように構成されている;
請求項93に記載の搬送機構。
【請求項95】
前記搬送ローラが、前記2つの写真用の媒体を露光のため印刷ヘッドアセンブリに提供し、それにより2つの画像を形成できる;
請求項94に記載の搬送機構。
【請求項96】
前記第2のモードでは、前記案内手段が、前記チャネルの両方の少なくとも一部を同時に通って単一の写真用の媒体片を前記搬送ローラに供給するように構成されている;
請求項91乃至請求項93のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項97】
前記2つのチャネルのうちの第1のチャネルは、第1の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能であるのみであり、前記チャネルのうちの第2のチャネルは、前記第1の動作モードでは、前記第1の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能であるとともに、前記第2の動作モードでは、前記第1の幅よりも大きい第2の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能である;
請求項91乃至請求項96のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項98】
前記第2の幅が前記第1の幅の概ね2倍である;
請求項97に記載の搬送機構。
【請求項99】
前記搬送機構が、前記搬送機構のコンポーネントが搭載されたベースプレートを含み、前記第1モードでは、写真用の媒体の第1の供給が、前記プレートよりも上方から前記搬送機構に進入するとともに、写真用の媒体の第2の供給が、前記プレートよりも下方から前記搬送機構に進入する;
請求項90乃至請求項98のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項100】
前記第2のモードでは、前記写真用の媒体の第2の供給が、前記写真用の媒体の第1の供給から、媒体が前記写真用の媒体キャニスタから前記搬送機構を通って搬送される方向に対して横切る方向にオフセットされている;
請求項99に記載の搬送機構。
【請求項101】
光学式プリンタ用であり、搬送、処理および切断するTPCコンポーネントであって;
請求項68乃至請求項87のいずれか1項に記載の搬送機構と;
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリと;
カッターであって、写真用の媒体が前記搬送機構において前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通過し、そして前記カッターを通過するように編成され、前記写真用の媒体を切断して露光済の媒体片を残りの未露光の媒体片から分離するように動作可能であるカッターとを備える;
TPCコンポーネント。
【請求項102】
光学式プリンタ用であり、搬送、処理および切断するTPCコンポーネントであって; 請求項88乃至請求項100のいずれか1項に記載の搬送機構と;
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリと;
カッターであって、写真用の媒体が、前記搬送機構において前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通過し、前記カッターを通過するよう編成されたカッターと備え;
前記カッタは、前記写真用の媒体を切断して1つ以上の露光済の媒体片を1つ以上の残りの未露光の媒体片から分離するように動作可能である;
TPCコンポーネント。
【請求項103】
前記印刷ヘッドアセンブリの前記印刷ヘッドが、前記少なくとも1つの写真用の媒体キャニスタから前記TPCコンポーネントを通って写真用の媒体が移動する方向に対して平行な方向に互いにオフセットされた2つの照射装置を備える;
請求項102に記載のTPCコンポーネント。
【請求項104】
前記印刷ヘッドアセンブリが、前記印刷ヘッドアセンブリの各パスにおいて2つの帯状体を印刷するよう構成され、各前記パスが、前記写真用の媒体の供給の両方を含む;
請求項99および請求項100に従属する請求項102または103に記載のTPCコンポーネント。
【請求項105】
前記チャネルの1つが、前記露出済の媒体片の1つを選択的に通過させることにより前記第1および第2のチャネル間のパス長における差異を補償可能な遅延ループを含む;
請求項104に記載のTPCコンポーネント。
【請求項106】
前記遅延ループが、前記印刷ヘッドアセンブリと前記カッターとの間において前記2つのチャネルの一方に配置されている;
請求項105に記載のTPCコンポーネント。
【請求項107】
請求項101乃至請求項106のいずれか1項に記載のTPCコンポーネントを備える;
光学式プリンタ。
【請求項108】
更に、切断された露光済の媒体片を前記カッターから受け取るとともに、前記受け取った露光済の媒体片を現像して画像をあらわにするように編成された現像ユニットを備える;
請求項107に記載の光学式プリンタ。
【請求項109】
別々の媒体片のそれぞれを通過させることにより光源による露光が可能な複数の印刷チャネルを画成するよう構成および編成され、別々の媒体片を前記チャネルの2つ以上を通過させて前記光源により露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるように、または単一の媒体片を前記チャネルの2つ以上を同時に通過させて前記光源により露光させることにより前記単一の媒体片上に単一の画像を形成できるように構成可能である;
光学式プリンタ用のコンポーネント。
【請求項110】
別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと;
1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する;
光学式プリンタ用のコンポーネント。
【請求項111】
それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって;
前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体の重なりが生じた場合、前記重なりの結果前記アレイのそれぞれにより過剰に露光された前記写真用の媒体のそれぞれの領域が、互いに一致しないように成されている;
光学式プリンタ用の照明装置。
【請求項112】
それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって;
前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体間に間隙が生じた場合、前記アレイのいずれか1つにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第1の領域が、前記アレイのその他のものにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第2および第3の領域と一致しないように成されている;
光学式プリンタ用の照明装置。
【請求項113】
光学式プリンタを前記プリンタにより印刷された画像から較正する方法であって:(i)前記プリンタの印刷ヘッドの各光学素子により前記画像になされた貢献を査定するステップと;(ii)各素子による貢献が互いに等しい状態に近づくように、前記プリンタで行う次の印刷のため各素子の貢献を調整するステップと;(iii)次の画像を印刷するステップと;(iv)前記画像が許容可能であるか判断するステップと;(v)前記画像が許容可能でない場合、印刷された画像が許容可能であると判定されるまでステップ(i)乃至(iv)を反復するステップとを備える;
方法。
【請求項1】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;
前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され;
前記各アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている;
光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項2】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイとを備え;
前記第1、第2および第3の光源アレイは、基板上のそれぞれの実質的に平行な概念線に沿って略直線的に編成され、前記第1、第2および第3の光源アレイはそれぞれ、帯状光を発するよう動作可能であり、前記印刷ヘッドは、前記光源アレイの第1のアレイが通電時に、前記光源アレイの隣接した第2のアレイが通電時に発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされた帯状光を発するように構成されている;
光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項3】
各前記アレイの前記複数の光源素子は、前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線に対して互いにオフセットされるように編成されている;
請求項2に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項4】
前記複数のうちのそれぞれの隣接光源素子が、関連する概念線のいずれかの側に互いにオフセットされている;
請求項1または請求項3に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項5】
前記各光源素子は発光強度プロファイルを有し、前記アレイのそれぞれの隣接光源素子は、第1の光源素子の発光強度プロファイルが第2の光源素子の発光強度プロファイルと重なり、その重なりが、前記光学式プリンタにより写真用の媒体上に印刷された前記第1および第2の光源素子に起因する画像の素子が解像不能な程度となるように編成されている;
請求項1、請求項3または請求4のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項6】
隣接した光源素子間の重なりの程度が、前記各光源アレイについて実質的に一定である;
請求項5に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項7】
前記光源素子は、それぞれの隣接光源素子対の前記発光強度プロファイルの重なりが、20パーセント未満、好ましくは少なくとも2パーセントとなるように編成されている;
請求項5または6に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項8】
それぞれの光源アレイの前記各光源素子を電源に接続するための電気回路構成と、前記光源素子に通電するための制御手段とを備える;
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項9】
前記電気回路構成が前記基板上に印刷されている;
請求項8に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項10】
前記電気回路構成が前記基板の第1の側に印刷されるとともに前記光源素子が前記基板の反対の第2の側に搭載され、前記光源素子は、前記基板を通過するそれぞれの電気経路により前記電気回路構成に接続されている;
請求項9に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項11】
前記電気回路構成が、前記第1、第2および第3のアレイのそれぞれに個々に通電できるように構成されている;
請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項12】
前記各光源アレイは、その一端または両端に所定数の光源素子を備え、前記所定数の光源素子は、前記光源アレイの通電時に、前記光源素子アレイの第1のアレイが発する帯状光が、前記光源素子アレイの第2のアレイが発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされるように通電されないよう編成されている;
請求項2もしくは3、または請求項2もしくは3に従属する請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項13】
各光源アレイは、通電時に、前記光源アレイの第1のアレイが発する帯状光が、前記光源アレイの第2のアレイが発する帯状光から関連する概念線に沿って直線的にオフセットされるように、隣接した光源アレイから関連する概念線に沿って直線的にオフセットされている;
請求項2もしくは3、または請求項2もしくは3に従属する請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項14】
前記光源素子が発光ダイオードを備える;
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項15】
前記基板が、隣接した光源素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている;
請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項16】
前記基板が、隣接した光源素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている;
請求項14または15に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項17】
前記基板が、少なくとも前記光源素子が搭載された側において、実質的に無反射になされている;
請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項18】
前記各LED光源素子が、光学透過性材料により保護のためカプセル封入されている;
請求項14乃至請求項17のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項19】
前記照射装置から発せられた光が所定の特性を有するように、1つ以上の前記光学素子アレイによる照射のために編成された1つ以上の光学フィルタを備える;
請求項14乃至請求項18のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項20】
前記第1、第2および第3の各光源素子アレイにそれぞれ関連する第1、第2および第3のフィルタを備える;
請求項19に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項21】
前記第1、第2および第3のフィルタの1つ以上が帯域通過フィルタを備える;
請求項20に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項22】
前記フィルタの1つ以上は、前記フィルタの他の1つ以上よりも光学透過性が低く、それにより前記照射装置から発せられた前記低透過性フィルタに関連する光源素子アレイに起因する光の成分の相対強度を低下させる;
請求項20または21に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項23】
前記低透過性光学フィルタが前記第2の光学素子アレイに関連する;
請求項21に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項24】
更に、前記フィルタと前記カプセル封入LEDとの間に設けられた光学透過性媒体を備える;
請求項15乃至請求項23のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項25】
前記光学透過性媒体が流体媒体を備える;
請求項24に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項26】
更に、複数の開口が設けられたマスクを備え、前記開口は、前記マスクを前記光学素子アレイの前に配置したとき前記光学素子と概ね一致するように編成されている;
請求項15乃至請求項25のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項27】
可視電磁スペクトルの赤色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第1の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの青色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第2の光源アレイと;
可視電磁スペクトルの緑色帯域内の光を発するようそれぞれ動作可能な複数の光源素子を備える第3の光源アレイと;
前記第1、第2および第3の光源アレイが搭載された第1の表面を有する基板であって、前記第1の表面は、隣接した光学素子アレイ間の光反射を低減するように構成されている基板と;
複数の開口が設けられたマスクであって、前記開口が前記アレイの光源素子と概ね一致することにより前記アレイからの光が前記マスクを透過できるように、前記光源素子アレイの前に配置されているマスクとを備える;
光学式プリンタ用の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項28】
請求項1乃至請求項26のいずれか1項に記載の特長の1つ以上を更に備える;
請求項27に記載の光学式プリンタ用の照射装置。
【請求項29】
請求項1乃至請求項28のいずれか1項に記載の光学式プリンタ用の照射装置と;
受光面を有する光ファイバーライトパイプであって、前記照射装置の前記光源アレイからの光を前記受光面で受けるよう編成されているライトパイプとを備え;
前記ライトパイプは更に、前記光源アレイからの光を伝達して写真用の媒体に照射するための光伝達面と、前記受光面が前記光伝達面よりも実質的に大きい表面積を有するように前記受光面と前記光伝達面との間に設けられたテーパ状領域を備える;
印刷ヘッド。
【請求項30】
前記照射装置が、前記光ファイバーライトパイプの前記受光面に当接している;
請求項29に記載の印刷ヘッド。
【請求項31】
前記照射装置と前記ライトパイプの前記受光面との間に設けられた光学透過性媒体を備える;
請求項30に記載の印刷ヘッド。
【請求項32】
前記光学透過性媒体が流体媒体を備える;
請求項31に記載の印刷ヘッド。
【請求項33】
前記印刷ヘッドが更に、前記ライトパイプの前記受光面に到達する周辺光を低減するための手段を備える;
請求項30乃至請求項32のいずれか1項に記載の印刷ヘッド。
【請求項34】
前記当接した照射装置およびライトパイプが、前記ライトパイプの前記発光面を覆わない実質的に無反射の媒体により覆われている;
請求項33に記載の印刷ヘッド。
【請求項35】
請求項29乃至請求項34のいずれか1項に記載の印刷ヘッドを備え;
前記印刷ヘッドと使用中に写真用の媒体が沿うように搬送される搬送面との間に設けられた光学レンズリレーを備える;
光学式プリンタ用の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項36】
前記レンズリレーが複数のレンズを備える;
請求項35に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項37】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から使用中に前記搬送面に沿って搬送される写真用の媒体へ対称的な1:1の光伝搬を提供するように構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項38】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から使用中に前記搬送面に沿って搬送される写真用の媒体へ非対称的な光伝搬を提供するように構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項39】
前記光学レンズリレーは、前記印刷ヘッドの前記発光面により照射される前記写真用の媒体の面積を増加または減少させるように構成および編成されている;
請求項38に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項40】
前記光学レンズリレーは、前記発光面から前記写真用の媒体へ対称的または非対称的なユーザにより選択可能な光伝搬と提供するよう構成および編成されている;
請求項35または36に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項41】
前記発光面と前記搬送面との間における前記光学レンズリレーの位置が、ユーザにより調整可能である;
請求項40に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項42】
前記発光面から前記写真用の媒体へ1:1の対称的な光伝搬を提供するように構成された第1の光学レンズリレーと;
それぞれが異なる非対称的な光伝搬を提供する複数の他の光学リレーとを備え;
前記第1のリレーおよび前記複数の他のリレーは、前記発光面と前記キャリア表面との間に選択的に挿入可能である;
請求項40に記載の印刷ヘッドアセンブリ。
【請求項43】
請求項1乃至請求項28のいずれか1項に記載の照射装置を少なくとも1つ備える;
光学式プリンタ。
【請求項44】
請求項29乃至請求項34のいずれか1項に記載の印刷ヘッドを備える;
光学式プリンタ。
【請求項45】
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリを少なくとも1つ備える;
光学式プリンタ。
【請求項46】
複数の発光素子アレイを備える印刷ヘッドであって、各アレイは複数の素子を備える印刷ヘッド、を有する光学式プリンタを較正する方法であって:
(a)前記印刷ヘッドを動作させて第1の写真用の媒体セグメント上でテストパターンを露光させるステップであって、各アレイの前記素子のそれぞれは、前記第1の媒体セグメントを少なくとも1箇所において照射するように構成されているステップと;
(b)前記第1の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第1の画像を提供するステップと;
(c)各素子について、その素子に関連する前記少なくとも1箇所における前記画像の一部を形成するために前記媒体セグメントを露光したその素子による光出力を判定するステップと;
(d)各素子について調整因数を判定するステップであって、前記調整因数は、関連する素子の光出力の推定調整値と関連し、前記推定調整値は、前記素子をその調整値に従い調整して動作させると、その素子の光出力がその他の素子による光出力と実質的に同じになるはずのものであるステップと;
(e)前記素子について算出された前記因数から較正テーブルを生成するステップであって、前記テーブルは、各素子の光出力がどのように調整されるべきかを定義するステップと;
(f)前記較正テーブルに従い前記印刷ヘッドを動作させて、前記第1の媒体セグメントと同一の第2の媒体セグメント上で同じテストパターンを露光させるステップと;
(g)前記第2の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第2の画像を提供するステップと;
(h)前記第2の画像が許容可能な品質であるかを判定するステップと;
(i)前記画像が許容可能な品質でない場合、前記画像が許容可能な品質であると判定されるまでステップ(c)乃至(h)を反復的に繰り返すステップとを備える;
方法。
【請求項47】
各アレイの前記素子のそれぞれが、前記写真用の媒体を複数箇所において露光させるように構成されている;
請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ステップ(c)が、各素子について、前記複数箇所における平均光出力を判定するステップを備える;
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ステップ(c)が、前記第1の画像をデジタル化することにより取得される前記テストパターンのデジタル画像から自動的に行われる;
請求項46乃至請求項48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の画像をスキャンして前記デジタル画像を生成するステップを備える;
請求項49に記載の方法。
【請求項51】
ステップ(h)は、前記テストパターンの前記第2の画像が所定の基準セットを満たすかを判定するステップと、前記基準セットが満たされた場合に前記第2の画像が許容可能な品質であると判定するステップとを備える;
請求項46乃至請求項50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記所定の基準セットが、印刷されたテストパターンが許容可能であると見なし得る状態になる前に有するべき複数の物理属性を備える;
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
ステップ(h)が、前記第2の画像をスキャンするステップと、前記テストパターンの物理属性を測定するステップと、前記テストパターンについて測定された物理属性を前記基準セットにおいて定義された対応する物理属性と比較するステップと、前記測定された物理属性が前記基準セットにおいて定義された属性と少なくとも等しい場合に前記印刷されたテストパターンが許容可能であることを示すステップとにより達成される;
請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記スキャンするステップ、測定するステップ、比較するステップおよび示すステップが、コンピュータの制御下で自動的に達成される;
請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記素子の光出力が、前記素子の通電期間を制御することにより調整される;
請求項46乃至請求項54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記素子が当初、最大の光出力で前記第1の写真用の媒体セグメントを照射するように編成されている;
請求項46乃至請求項54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記素子についての前記調整因数が、前記テストパターンを作成する際の前記素子の通電期間をどれだけ短縮すべきかの因数を備える;
請求項55および請求項56に記載の方法。
【請求項58】
各前記光源素子についての所与の反復回についての前記調整因数は、その素子についての最適な調整因数未満であり、前記最適な因数は、その反復回について、各素子が一部を形成する前記アレイのすべての素子が厳密に同じ光出力を有することになるその素子についての調整値であるものと推定される;
請求項46乃至請求項57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記調整因数が、前記最適な調整因数よりも少なくとも5%小さい;
請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記調整因数が、前記最適な調整因数よりも少なくとも10%小さい;
請求項58または請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記テストパターンが、前記光源アレイのそれぞれについて別々のブロックを含み、前記ブロック内では前記写真用の媒体が、そのアレイ内の素子からの光のみにより露光される;
請求項46乃至請求項60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記テストパターンが、前記アレイのうちの2つ以上により露光される組み合わせ領域を含み;
更に、前記組み合わせ領域から前記アレイ間のクロストークの程度の測定値を判定するステップを備える;
請求項46乃至請求項61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
搬送波内に実装されたプリンタ制御指示であって;
光学式プリンタを制御して較正テストパターンを印刷するよう構成され;
前記光学式プリンタは、複数の光源素子をそれぞれ備える複数の光源アレイを有し;
前記パターンは、前記光源アレイのそれぞれについて別々の印刷ブロックであって、前記印刷ブロック内では写真用の媒体が、そのアレイ内の素子からの光のみにより露光される別々の印刷ブロックを備える;
プリンタ制御指示。
【請求項64】
前記光源素子のそれぞれが、前記ブロック内の複数の画素を露光させ、前記複数の画素のそれぞれが、1つの素子に関連付けられるように構成されている;
請求項63に記載のプリンタ制御指示。
【請求項65】
複数の発光素子アレイを備える印刷ヘッドであって、前記各アレイは複数の素子を備える印刷ヘッド、を有する光学式プリンタを較正するための装置であって:
(a)前記印刷ヘッドを動作させて第1の写真用の媒体セグメント上でテストパターンを露光させる手段であって、各アレイの前記素子のそれぞれは、前記第1の媒体セグメントを少なくとも1箇所において照射するように構成されている手段と;
(b)前記第1の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第1の画像を提供する手段と;
(c)各素子について、その素子に関連する前記少なくとも1箇所における前記画像の一部を形成するよう前記媒体セグメントを露光したその素子による光出力を判定する手段と;
(d)各素子について調整因数を判定する手段であって、前記調整因数は、関連する素子の光出力の推定調整値と関連し、前記推定調整値は、前記素子をその調整値に従い調整して動作させると、その素子の光出力がその他の素子による光出力と実質的に同じになるはずのものである、手段と;
(e)前記素子について算出された前記因数から較正テーブルを生成するための手段であって、前記テーブルは、各素子の光出力がどのように調整されるべきかを定義する、手段と;
(f)前記較正テーブルに従い前記印刷ヘッドを動作させて、前記第1の写真用の媒体セグメントと同一の第2の写真用の媒体セグメント上で同じテストパターンを露光させる手段と;
(g)前記第2の媒体セグメントを現像して前記テストパターンの第2の画像を提供する手段と;
(h)前記第2の画像が許容可能な品質であるか判定する手段と;
(i)前記第2の画像が許容可能な品質でない場合、前記画像が許容可能な品質であると判定されるまでコンポーネント(c)乃至(h)を反復的に動作させるように構成および編成された制御手段とを備える;
装置。
【請求項66】
コンピュータにより実行されると請求項46に記載の方法の少なくともステップ(b)乃至(e)を実施するよう動作可能な1つ以上のコンピュータプログラムコンポーネントを備える;
コンピュータプログラム。
【請求項67】
実質的に本明細書においてこれまでに記載のまたは添付の図面に示す較正パターン。
【請求項68】
光学式プリンタ用の搬送機構であって:
写真用の媒体を搬送するための搬送ローラであって、前記搬送ローラの外側表面の少なくとも一領域が、写真用の媒体を把持するとともに前記搬送機構を通って印刷ヘッドアセンブリに向けて引くように構成されている、搬送ローラと;
写真用の媒体を前記搬送ローラに対して押圧することにより、前記搬送ローラにより前進させる際に前記媒体が滑る可能性を低減するよう構成された押圧ローラと;
少なくとも1つの格納キャニスタから前記押圧ローラおよび搬送ローラに写真用の媒体を案内するための案内手段と;
前記搬送ローラを回転させるように構成されたステッパモータと;
前記搬送ローラの回転を検出するとともにその回転を表す信号を生成する手段と;
前記搬送ローラを駆動して前記搬送機構を通って所定の距離だけ媒体を前進させるよう前記ステッパモータを制御し、前記信号から前記ローラが回転した距離の測定値を導出し、前記測定された距離が前記所定の距離と等しい場合に前記ステッパモータを制御して前記ローラの回転を停止させるよう構成されたコントローラとを備える;
搬送機構。
【請求項69】
前記搬送ローラの外側表面の実質的に全体が、写真用の媒体を把持するとともに引くように構成されている;
請求項68に記載の搬送機構。
【請求項70】
前記搬送ローラが、低熱伝導率を有する高耐久性金属でできている;
請求項69に記載の搬送機構。
【請求項71】
前記搬送ローラの前記外側表面に、選別されたダイヤモンドチップが電気メッキされている;
請求項70および請求項71に記載の搬送機構。
【請求項72】
前記押圧ローラを前記搬送ローラに向けて付勢する弾性付勢手段を備える;
請求項68乃至請求項72のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項73】
前記押圧ローラが、共通の軸上に搭載された複数の自由回転ローラを備え、前記自由回転ローラは、それらの間に設けられた複数の弾性付勢により前記軸上で互いに離間されている;
請求項72に記載の搬送機構。
【請求項74】
前記案内手段が1つ以上の供給ローラを備え、前記供給ローラの少なくとも1つおよび前記押圧ローラは、写真用の媒体が前記搬送ローラと点接触を成さないように、前記写真用の媒体を前記搬送ローラに供給するよう編成および構成されている;
請求項68乃至請求項73のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項75】
前記供給ローラおよび前記押圧ローラは、前記写真用の媒体が前記押圧ローラと90度の接触をなすよう編成および構成されている;
請求項74に記載の搬送機構。
【請求項76】
各格納キャニスタが、空隙と、前記搬送ローラにより写真用の媒体を引き出し可能な遮蔽された出口とを有する遮光筐体を備え;
前記空隙が、写真用の媒体のロールを支持するとともに前記写真用の媒体を前記出口へ案内するための複数のローラを備える;
請求項68乃至請求項75のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項77】
前記ローラは、写真用の媒体を前記キャニスタ内に引き戻すように前記ローラ上に支持された写真用の媒体のロールを回転駆動可能なよう構成されている;
請求項76に記載の搬送機構。
【請求項78】
前記ローラにはそれぞれ、前記ローラが写真用の媒体を前記キャニスタから前進させるか、前記キャニスタ内に引き入れるのに十分な把持力を提供するが、媒体の前記キャニスタ内への引き込みが妨げられる場合には前記ロールを前記ローラ上で滑らせることが可能な外側表面が設けられている;
請求項77に記載の搬送機構。
【請求項79】
前記ローラを駆動するためのモータを備える;
請求項78に記載の搬送機構。
【請求項80】
前記モータが前記コントローラにより制御される;
請求項79に記載の搬送機構。
【請求項81】
前記回転を検出する手段は、前記搬送ローラと同期回転するよう構成されたスロット付きホイールと、前記ホイールの一方側上に設けられるとともに前記ホイールのスロットに照射するよう構成された発光器と、前記ホイールの他方側上に設けられるとともに前記発光器により発せられ前記ホイールの前記スロットを通過した光を検出するよう構成された光検出器とを備え;
前記光検出器は、パルス信号を出力し、前記ホイールの所与の移動に対して生成されるパルスの数が、前記ホイールおよび搬送ローラによる回転の距離の測定値を提供するよう構成されている;
請求項68乃至請求項80のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項82】
単位時間当たりのパルス数の測定値により、前記ホイールおよび搬送ローラの回転速度の測定値が算出可能である;
請求項81に記載の搬送機構。
【請求項83】
前記搬送ローラが回転可能に搭載された を備え;
前記スロット付きホイールが、前記搬送ローラと同期回転可能に前記軸上に搭載されている;
請求項81または82に記載の搬送機構。
【請求項84】
前記スロット付きホイールが、前記回転検出手段の角度分解能を向上させるように前記搬送ローラよりも大きい直径を有する;
請求項81乃至請求項83のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項85】
新しい媒体キャニスタの前記搬送機構への取り付けを検出するとともに、前記取り付けを示す信号を出力する手段を備える;
請求項68乃至請求項84のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項86】
前記コントローラが、前記検出手段から前記信号を受信すると、
(i)前記キャニスタモータおよび搬送ローラモータを動作させることにより、前記キャニスタローラおよび前記搬送ローラを回転して前記搬送機構において前記新しいキャニスタから前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通って、そしてカッターアセンブリを通って、自由端に廃棄媒体片を含む所定の媒体片を引き出し、
(ii)前記廃棄媒体片が前記カッターアセンブリを通って前進したら、前記搬送ローラモータおよび前記キャニスタモータを停止させ、
(iii)前記カッターアセンブリを動作させることにより、前記媒体片を切断するとともに前記廃棄媒体片を廃棄し、
(iv)前記搬送ローラモータを動作させることにより、前記搬送ローラを逆駆動して前記写真用の媒体片を前記印刷ヘッドアセンブリに向けて引き、
(v)前記写真用の媒体が前記印刷ヘッドアセンブリによる露光のため適正に位置合わせされると、前記搬送ローラモータの動作を停止させ、
(vi)前記キャニスタモータを動作させることにより、前記キャニスタローラを逆駆動して写真用の媒体に生じた弛みを除去するよう構成されている;
請求項80に従属する請求項85に記載の搬送機構。
【請求項87】
前記搬送機構が遮光筐体内に設けられている;
請求項68乃至請求項86のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項88】
前記案内手段が、前記搬送機構を通る複数のチャネルを画成する手段を含み、前記チャネルのそれぞれが、別々の写真用の媒体片を受けることが可能である;
請求項68乃至請求項87のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項89】
前記各チャネルが、写真用の媒体の別々のキャニスタとインターフェイスするよう構成されている;
請求項88に記載の搬送機構。
【請求項90】
前記チャネルを画成する手段は、1つの写真用の媒体片が、複数の前記チャネルの少なくとも一部を同時に通って受けられるよう構成されている;
請求項88に記載の搬送機構。
【請求項91】
前記複数のチャネルが、単一の写真用の媒体キャニスタとインターフェイスするよう構成されている;
請求項90に記載の搬送機構。
【請求項92】
複数の前記チャネルとインターフェイスする写真用の媒体の前記単一のキャニスタは、前記複数のチャネルの1つとそれぞれインターフェイスする前記別々のキャニスタに収容された前記写真用の媒体よりも幅広の写真用の媒体を収容する;
請求項89および請求項91に記載の搬送機構。
【請求項93】
前記案内手段が2つのチャネルを画成し、前記搬送機構が2つのモードで動作可能である;
請求項88乃至請求項92のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項94】
前記第1のモードでは、前記案内手段が、前記チャネルのそれぞれの1つをそれぞれ通って2つの別々の写真用の媒体片を前記搬送ローラに供給するように構成されている;
請求項93に記載の搬送機構。
【請求項95】
前記搬送ローラが、前記2つの写真用の媒体を露光のため印刷ヘッドアセンブリに提供し、それにより2つの画像を形成できる;
請求項94に記載の搬送機構。
【請求項96】
前記第2のモードでは、前記案内手段が、前記チャネルの両方の少なくとも一部を同時に通って単一の写真用の媒体片を前記搬送ローラに供給するように構成されている;
請求項91乃至請求項93のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項97】
前記2つのチャネルのうちの第1のチャネルは、第1の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能であるのみであり、前記チャネルのうちの第2のチャネルは、前記第1の動作モードでは、前記第1の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能であるとともに、前記第2の動作モードでは、前記第1の幅よりも大きい第2の幅までの幅を有する写真用の媒体を受けることが可能である;
請求項91乃至請求項96のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項98】
前記第2の幅が前記第1の幅の概ね2倍である;
請求項97に記載の搬送機構。
【請求項99】
前記搬送機構が、前記搬送機構のコンポーネントが搭載されたベースプレートを含み、前記第1モードでは、写真用の媒体の第1の供給が、前記プレートよりも上方から前記搬送機構に進入するとともに、写真用の媒体の第2の供給が、前記プレートよりも下方から前記搬送機構に進入する;
請求項90乃至請求項98のいずれか1項に記載の搬送機構。
【請求項100】
前記第2のモードでは、前記写真用の媒体の第2の供給が、前記写真用の媒体の第1の供給から、媒体が前記写真用の媒体キャニスタから前記搬送機構を通って搬送される方向に対して横切る方向にオフセットされている;
請求項99に記載の搬送機構。
【請求項101】
光学式プリンタ用であり、搬送、処理および切断するTPCコンポーネントであって;
請求項68乃至請求項87のいずれか1項に記載の搬送機構と;
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリと;
カッターであって、写真用の媒体が前記搬送機構において前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通過し、そして前記カッターを通過するように編成され、前記写真用の媒体を切断して露光済の媒体片を残りの未露光の媒体片から分離するように動作可能であるカッターとを備える;
TPCコンポーネント。
【請求項102】
光学式プリンタ用であり、搬送、処理および切断するTPCコンポーネントであって; 請求項88乃至請求項100のいずれか1項に記載の搬送機構と;
請求項35乃至請求項42のいずれか1項に記載の印刷ヘッドアセンブリと;
カッターであって、写真用の媒体が、前記搬送機構において前記印刷ヘッドアセンブリの下方を通過し、前記カッターを通過するよう編成されたカッターと備え;
前記カッタは、前記写真用の媒体を切断して1つ以上の露光済の媒体片を1つ以上の残りの未露光の媒体片から分離するように動作可能である;
TPCコンポーネント。
【請求項103】
前記印刷ヘッドアセンブリの前記印刷ヘッドが、前記少なくとも1つの写真用の媒体キャニスタから前記TPCコンポーネントを通って写真用の媒体が移動する方向に対して平行な方向に互いにオフセットされた2つの照射装置を備える;
請求項102に記載のTPCコンポーネント。
【請求項104】
前記印刷ヘッドアセンブリが、前記印刷ヘッドアセンブリの各パスにおいて2つの帯状体を印刷するよう構成され、各前記パスが、前記写真用の媒体の供給の両方を含む;
請求項99および請求項100に従属する請求項102または103に記載のTPCコンポーネント。
【請求項105】
前記チャネルの1つが、前記露出済の媒体片の1つを選択的に通過させることにより前記第1および第2のチャネル間のパス長における差異を補償可能な遅延ループを含む;
請求項104に記載のTPCコンポーネント。
【請求項106】
前記遅延ループが、前記印刷ヘッドアセンブリと前記カッターとの間において前記2つのチャネルの一方に配置されている;
請求項105に記載のTPCコンポーネント。
【請求項107】
請求項101乃至請求項106のいずれか1項に記載のTPCコンポーネントを備える;
光学式プリンタ。
【請求項108】
更に、切断された露光済の媒体片を前記カッターから受け取るとともに、前記受け取った露光済の媒体片を現像して画像をあらわにするように編成された現像ユニットを備える;
請求項107に記載の光学式プリンタ。
【請求項109】
別々の媒体片のそれぞれを通過させることにより光源による露光が可能な複数の印刷チャネルを画成するよう構成および編成され、別々の媒体片を前記チャネルの2つ以上を通過させて前記光源により露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるように、または単一の媒体片を前記チャネルの2つ以上を同時に通過させて前記光源により露光させることにより前記単一の媒体片上に単一の画像を形成できるように構成可能である;
光学式プリンタ用のコンポーネント。
【請求項110】
別々の媒体片を同時に通過させることが可能な少なくとも2つの印刷チャネルと;
1つの印刷パスにおいて各前記チャネルにおける媒体片を露光させることにより各媒体片上に画像を形成できるよう構成された少なくとも1つの光学式印刷ヘッドとを有する;
光学式プリンタ用のコンポーネント。
【請求項111】
それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって;
前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体の重なりが生じた場合、前記重なりの結果前記アレイのそれぞれにより過剰に露光された前記写真用の媒体のそれぞれの領域が、互いに一致しないように成されている;
光学式プリンタ用の照明装置。
【請求項112】
それぞれの概念線に沿って互いに直線的にオフセットされるように基板上でそれぞれの概念線に沿ってそれぞれ編成されたそれぞれ赤色、緑色および青色の照射素子アレイを備える光学式プリンタ用の照射装置であって;
前記編成は、写真用の媒体の隣接帯状体を露光させるように前記照射装置を動作させたときに帯状体間に間隙が生じた場合、前記アレイのいずれか1つにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第1の領域が、前記アレイのその他のものにより露光された前記写真用の媒体の領域間に間隙が存在する前記写真用の媒体の第2および第3の領域と一致しないように成されている;
光学式プリンタ用の照明装置。
【請求項113】
光学式プリンタを前記プリンタにより印刷された画像から較正する方法であって:(i)前記プリンタの印刷ヘッドの各光学素子により前記画像になされた貢献を査定するステップと;(ii)各素子による貢献が互いに等しい状態に近づくように、前記プリンタで行う次の印刷のため各素子の貢献を調整するステップと;(iii)次の画像を印刷するステップと;(iv)前記画像が許容可能であるか判断するステップと;(v)前記画像が許容可能でない場合、印刷された画像が許容可能であると判定されるまでステップ(i)乃至(iv)を反復するステップとを備える;
方法。
【図1】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9(a)】
【図2(a)】
【図2(b)】
【図2(c)】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(b)】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図9(a)】
【公表番号】特表2009−539126(P2009−539126A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512667(P2009−512667)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002001
【国際公開番号】WO2007/138318
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508354809)ディーアイジーイープリント・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DIGEPRINT LIMITED
【住所又は居所原語表記】Unit A2,Phase 1 The Viscount Centre,Millburn Hill Road,University of Warwick Science Park,Coventry CV4 7HS (GB)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002001
【国際公開番号】WO2007/138318
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(508354809)ディーアイジーイープリント・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DIGEPRINT LIMITED
【住所又は居所原語表記】Unit A2,Phase 1 The Viscount Centre,Millburn Hill Road,University of Warwick Science Park,Coventry CV4 7HS (GB)
【Fターム(参考)】
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