説明

光学検査システムにおける動的照明

光学検査システム又はツールは、照明の1つ又はそれよりも多くの特性が、異なる区域の検査の必要性を満たすように調節される動的照明を用いて物体を検査するように構成することができる。例えば、照明強度は、ツールがメモリの区域及びウェーハダイの周縁部特徴を検査する時に増加又は減少させることができる。一部の実施形態では、調節は、様々な特性を有する照明に基づいて撮った画像が検査工程の残りの部分の適合性に対して評価される検査前設定シーケンス中に得られるデータに基づくことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光学検査は、(以下に限定するものではないが)小型電子装置の製作の結果であり又はこれらの製作に用いられる半導体ウェーハ、レチクル、マスクパターン、及び他の品目を含む半導体物体の欠陥の迅速で有効な識別を考慮するものである。
【0002】
様々な照明及び撮像システムは、光学検査ツールを提案している。例えば、一部のシステムは、ランプ又はレーザを用いて検査中の物体を照明し、検出器又は検出器のアレイを物体上の関連の区域を撮像するのに用いる。検出器の出力は、欠陥が区域に存在するか否かを判断するためにどのような数の方法でも解析することができる。しかし、半導体物体は、多くの場合、異なるタイプの区域を含むことになる。
【0003】
例として、図1Aは、ダイ縁部に周縁部112を含み、内部にアレイ区域114を有するウェーハダイ110の例を示している。ウェーハダイ110は、半導体ウェーハ上に形成された多くのダイのうちの1つを含むことができる。周縁部112は、論理及びI/O回路を表すことができ、一方、アレイ区域114は、メモリを含む。他のダイは、他の配分及びタイプの区域を有することができ、従って、この説明は例示の目的のためだけである点に注意すべきである。
【0004】
図1Bは、フレームのアレイ116を示している。一部(全てではなく)の検査ツールは、半導体物体のダイ又は他の区域を検査目的のための複数の区域に論理的に分割することができる。「フレーム」は、そのような区域の一例である。一般的に、「フレーム」は、ツールの単位撮像区域とすることができる。2次元検出器に対して、フレームは、所定の時間に撮像された区域を含むことになり(1つ又はそれよりも多くの検出器により)、一方、1次元又は点検出器に対して、フレームは、所定の期間にわたる累積取得データを含むことになる。
【0005】
この特定の例では、アレイ116は、同じサイズ及び形状のいくつかの矩形のフレームを含む。他のツールは、異なる形状、数、及び/又は構成のフレームを用いることができる。図1Cは、ダイ110の上に重ねたアレイ116を示している。
【0006】
一部の検査ツールは、1つ又はそれよりも多くの検出器を含むことができ、かつ物体をフレーム単位で検査することができる。例えば、ツールは、物体の1つ又はそれよりも多くのフレームを撮像することができ、次に、物体のその視野を変更して物体の異なる部分の付加的フレームを撮像することができる。例えば、物体は、ツール構成要素を静止したままにして移動させることができ、物体は、一部のツール構成要素を再位置決めする間中は静止したままにすることができ、及び/又は物体及びツールの位置は、両方とも調節することができる。
【0007】
しかし、基本的な検査方法に関係なく、半導体物体の区域の異なる特性が検査の難しさをもたらす場合がある。例えば、図2A及び2Bは、両区域に欠陥を有するアレイ及び周縁部を含むウェーハの一部から反射する時の暗視野照明を表す信号図の例を示している。各図はまた、検出器のダイナミックレンジの上側境界を表す検出器の飽和限界のインジケータを含む。
【0008】
図2Aの図120は、欠陥が124で示す信号分散によって表されたアレイ区域の欠陥を照明するのに十分である照明の場合を示している。周縁部区域の欠陥は、126で表される。図2Aでは、周縁部の欠陥126(及び他の周縁部の信号)は、検出器の飽和限界122の上方である。この理由は、周縁部区域からの反射光の強度が、アレイ区域からの反射光の強度よりも遥かに高いからである。典型的なウェーハでは、強度間の比率は、数桁に達する場合がある。
【0009】
図2Bの図128は、周縁部の欠陥132を検出器のダイナミックレンジに入れるように設定された照明の場合を示す(すなわち、周縁部からの信号が飽和限界122よりも小さいように)。しかし、この場合には、アレイ区域の欠陥130の信号は、遥かに小さい。従って、アレイの欠陥は、検出することが困難であり又は不可能である場合がある。
【0010】
従って、他の欠陥に対して検査品質を犠牲にすることなく欠陥が見えるように十分な光を用いて光学検査を提供する必要性が残る。
【0011】
Christian他に付与された米国特許出願公報第US2007/0013898号は、表面検査の走査中に試料に供給された入射レーザビーム電力レベルを動的に変えることにより、大きな粒子に対する熱的損傷を低下させることによって欠陥の検出を高める検査システム、回路、及び方法を開示している。一実施形態では、検査システムは、光を第1の電力レベルで試料に向けるための照明サブシステム、試料から散乱した光を検出するための検出サブシステム、及び試料から検出した散乱光に基づいて試料に向けられた電力レベルを動的に変えるための電力減衰器サブシステムを含む。例えば、電力減衰器サブシステムは、検出散乱光が所定の閾値レベルを超える場合、第1よりも低い第2の電力レベルまで向けられた光を低減することができる。熱損傷の低下に加えて、Christian他は、可変電力検査システムを設けることによって検査システムの測定検出範囲を拡大するために開示されたシステム及び方法を用いることを提案している。
【0012】
Guetta他に付与された米国特許出願公報第2006/0066843号は、試料の検査のための撮像システムを開示している。開示されたシステムは、パルス光学放射線で試料の表面を照明する照明モジュールを含む。機械式スキャナは、パルス放射線のそれぞれの連続パルスによって表面上の連続的な部分的に重なったフレームを照明するように表面上へのパルス光学放射線によって照明された区域を走査するために、試料及び撮像システムの一部の少なくとも一方を平行移動させる。集光モジュールは、照明フレームの画像のシーケンスを捕捉するために、表面から散乱した光放射線を集光する。システムコントローラは、パルス光学放射線に同期して少なくとも第1及び第2の異なる光学的構成間で交互に撮像システムの構成を変える。
【0013】
Tuanに付与された米国特許出願公報第2002/0044278号は、光学的検査器具に用いるための動的反射型空間減衰器を開示している。減衰器は、ミラー要素の第1の作動位置では、検出器の方向に望ましい散乱光を反射し、ミラー要素の第2の作動位置では、望ましくない散乱光を光ダンプに反射させる2次元マイクロ機械式反射型アレイの形態を取る。ミラーアレイの高速応答及び柔軟性は、基板表面の信号に対して欠陥の又は汚染物質の信号を増大させるために走査中の変更を考慮するものである。
【0014】
Kinney他に付与された米国特許出願公報第2002/0044278号は、第1及び第2の相対する平面を有する基板上の欠陥を検出するための光学検査モジュールを開示している。開示されたモジュールは、基板保持位置、並びに第1及び第2の測定計器を含む。第1の計器は、基板保持位置まで延びて第1の表面とのかすめ入射角を有する第1の照明経路を含み、これは、実質的に第1の表面全体を照明する。第1の光学要素は、第1の表面によって散乱した非鏡面的に反射された光を集光するように配向される。第1の光検出器は、実質的に第1の表面全体を覆う視野を一緒に形成する第1のレンズの焦点面内に位置決めされた複数のピクセルを有する。第2の計器は、基板が基板保持位置に保持され、第1の表面が照明されている時に第2の表面の物理特性を感知するように配向されたセンサを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公報第US2007/0013898号
【特許文献2】米国特許出願公報第2006/0066843号
【特許文献3】米国特許出願公報第2002/0044278号
【特許文献4】米国特許出願第2004−0146295号A1
【特許文献5】米国特許出願出願番号第10/345,097号
【特許文献6】US20080037933A1
【特許文献7】米国特許出願出願番号第11/503,859号
【特許文献8】米国特許第5,699,447号
【特許文献9】米国特許第6,724,473号
【特許文献10】US2009/0030630A1
【特許文献11】米国特許出願第11/781,454号
【特許文献12】米国特許出願第11/684,191号
【特許文献13】米国特許出願第2007/0273945号A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の主題の1つ又はそれよりも多くの態様により、光学検査システム又はツールは、照明の1つ又はそれよりも多くの特性が、異なる区域の検査の必要性を満たすように調節された動的照明を用いて物体を検査するように構成することができる。例えば、照明強度は、ツールが、メモリ及びウェーハダイの周縁部特徴の区域を検査する時に増加又は減少させることができる。一部の実施形態では、調節は、以下でより詳細に説明する検査前設定シーケンス中に得られるデータに基づくことができる。
【0017】
一部の実施形態では、光学検査ツールは、半導体物体の少なくとも一部分を撮像するように構成された撮像システムと、半導体物体の少なくとも一部分を照明するように構成された照明源と、制御システムとを含むことができる。検査ツールは、照明の1つ又はそれよりも多くの特定の特性を示すデータに基づいて、検査中に半導体物体に到達する照明を動的に調節するように構成することができる。一部の実施形態では、特定の特性は、照明レベルを含み、かつ半導体物体に到達する照明の動的調節は、物体に到達する照明の強度の変更を含む。
【0018】
動的照明が基づいているデータは、ウェーハの異なる区域に対して1つ又はそれよりも多くの特定の望ましい照明特性を直接に示すことができる。しかし、動的照明が基づいているデータは、ウェーハ特性を示し、動的照明は、ウェーハ特性を望ましい照明特性(例えば、ウェーハ領域の異なるタイプに対する好ましいレベル、偏光、スペクトル)に関連付ける他のデータを参考にすることによって判断することができる。
【0019】
一部の実施形態では、調節は、検査前設定シーケンス中に制御システムによって集光されたデータに基づいている。ツールは、半導体物体が少なくとも一度撮像され、半導体物体のそれぞれの部分に対する1つ又はそれよりも多くの特定の特性が判断される段階を含むことができる検査前設定シーケンスを実行するように構成することができる。一部の実施形態では、少なくとも2つの強度は、どの照明強度(「照明レベル」とも呼ばれる)が、物体の異なる区域に適切であるかを評価するために設定シーケンス中に用いられる。
【0020】
他の実施形態では、照明及び/又は半導体物体のデータ指定特性は、ユーザ入力により、半導体物体に対する指定データの解析及び/又は物体の他の解析を含む他の方法で得ることができる。
【0021】
物体に到達する照明は、(以下に限定するものではないが)、光源の調整、照明源と半導体物体の間の光路(すなわち、「照明経路」)の1つ又はそれよりも多くの構成要素の除去、挿入、及び/又は調節を含むあらゆる好ましい方式で、及び/又は物体を撮像するのに用いる撮像システムの半導体物体と検出器の間の光路(すなわち、「撮像経路」)の1つ又はそれよりも多くの構成要素の除去、挿入、及び/又は調節によって変更することができる。従って、「動的照明」は、一部の実施形態では、物体の実際の照明後に特性が調節され、光源を出る光の特性が不変のままである状況を含むことができる。
【0022】
更に、一部の実施形態では、ツールは、撮像及び/又は照明経路の一部又は全ての光が、異なるチャンネルに迂回されて異なる特性を取得することができるように変更可能な光学系を含むことができる。照明を動的に調節する段階は、物体に入り及び/又はこれから出る光の特性を適切に調整するために1つ又はそれよりも多くのチャンネルを選択する段階を含むことができる。
【0023】
上述のように、一部の実施形態では、撮像システムに到達する照明を動的に調節する段階は、照明の強度を変更する段階を含む。動的に調節する段階は、追加的に又は代替的に、照明の偏光及び/又はスペクトル帯を含む他の特性を変更する段階を含む。これら及びあらゆる他の特性は、互いに独立して又は組み合わせて調節することができる。
【0024】
ツールは、減衰器が撮像及び/又は照明経路における設置によって半導体物体に到達する照明を調節するのに用いられた少なくとも1つの減衰器を更に含むことができる。一部の実施形態では、減衰器は、電気光学結晶を含む。
【0025】
一部の実施形態では、ツールは、半導体物体の各部分をフレーム単位で照明して撮像する。すなわち、ツールによって撮像された区域は、1つ又はそれよりも多くのフレームを含み、物体は、第1のフレーム(又はフレームの群)、次に、第2のフレーム(又はフレームの群)などを撮像するためにツールを向けることによって撮像される。そのような実施形態では、照明を動的に調節する段階は、少なくとも2つのフレーム(又はフレームの群)間の照明を変更する段階を含むことができる。一部の実施形態では、照明は、フレームの1つ又はそれよりも多くの特徴の評価に基づいて調節される。
【0026】
例えば、照明強度を変えることになる場合、ツールは、どの照明特性が適切であるかを判断するのに用いることができる関連の区域にわたるダイナミックレンジ画像に依存することができる。例えば、ダイナミックレンジ画像は、関連の区域の異なる領域に対する反射率データを含むことができる。ダイナミックレンジ画像又は他のデータは、フレームが主に特定のタイプの特徴(アレイパターンのような)を含み、照明がアレイの存在に対応するように調節することができる。反射率以外のデータは、ダイナミックレンジ画像の基礎として用いることができ、他の画像は、照明強度又は範囲以外のファクタに基づく場合がある。
【0027】
複数のフレームを用いて半導体物体の少なくとも一部分を撮像するように構成された光学検査ツールの一部の実施形態は、検査中に撮像される少なくとも1つのフレームに対して、フレームに撮像された物体の第1の部分が、第1の照明レベルを受け取り、かつ同じフレームに撮像された物体の第2の部分が、第2の照明レベルを受け取るように検査中に半導体物体の照明を動的に調節することができる。同じフレームに撮像された物体の第1及び第2の部分は、異なる偏光、異なるスペクトルなどのような他の特性を有する照明を受け取ることができる。
【0028】
更に、ツールは、第1及び第2の部分が同じ特性を有する照明を受け取るように構成することができるが、第1及び第2の部分からの光は、異なる部分からの光の特性が撮像システムに到達する前と異なるように、撮像システムに到達する前に調節される。
【0029】
フレームが複数の検出器を用いて撮像される一部の実施形態では、照明は、各検出器が一定の照明レベルに直面するように調節される。同様に、他の特性が動的に調節される場合、一部の実施形態では、ツールは、そのような特性が各検出器にわたって一定のままであるように構成される(例えば、スペクトルをフレーム間で変更する場合、各検出器は、同じスペクトル範囲などにおいて光を受け取ることができる)。
【0030】
一部の実施形態では、半導体物体の照明を動的に調節する段階は、制御可能な空間マスクを照明光の光路に挿入する段階を含む。空間マスクは、照明経路及び/又は撮像経路に設置することができる。一部の実施形態では、空間マスクは、それが焦点の外にあるように物体(又はそれぞれ検出器)の上に結像される。
【0031】
一部の実施形態では、電気光学検査方法は、第1の照明において半導体物体の関連の区域を照明する段階を含むことができる。例えば、第1の照明は、照明レベルのような関連の1つ又はそれよりも多くの特性を有することができる。関連の区域は、例えば、ダイ、ダイの一部、物体上の視野、ダイ又は視野の群、又は更にウェーハ全体のような半導体ウェーハの領域を含むことができる。いずれの場合でも、関連の区域の1つ又はそれよりも多くの画像を取得することができる。
【0032】
次に、1つ又はそれよりも多くの「品質特性」を画像に対して評価することができる。一般的に、「品質特性」は、検査において解析するための画像の適合性の尺度である。一部の実施形態では、品質特性は、画像の飽和の量を含む。例えば、飽和された画像の百分率を判断することができる。
【0033】
1つ又はそれよりも多くの品質特性は、品質特性を閾値レベル又は他の好ましい測定基準(品質基準)と比較することなどにより、使用に適切であるか否かを判断するために評価することができる。例えば、飽和百分率は、最大許容飽和値と比較することができる。
【0034】
照明及び撮像段階は、前に得た画像が1つ又はそれよりも多くの品質基準を満たすか否かに基づいて異なる特性の照明(すなわち、第2、第3、第4の照明など)で繰り返すことができる。例えば、飽和が品質特性である場合、照明及び撮像段階は、異なる照明レベルで繰り返すことができる。例えば、初期照明レベルがツールに対して最大利用可能か又はウェーハに対して適切である場合、後者の照明レベルはより低いことができる。他の(この例では)より低い照明で得られた画像は、飽和に対して評価することができ、この工程は、全く飽和がないか又は殆ど飽和がない(例えば、所定の閾値よりも小さい)画像が得られるまで繰り返すことができる。
【0035】
画像に基づいて、半導体物体の検査を実行することができ、ここで、検査は、1つ又はそれよりも多くの品質特性が実施された初期段階中に得られた画像に(少なくとも)基づいて、検査中に物体に到達する照明を動的に調節する段階を含む。調節は、直接又は間接的に画像に基づくことができる。上述のように、一部の実施形態では、ダイナミックレンジ画像を用いることができる。ダイナミックレンジ画像は、どの照明及び/又は他の特性が適切であるかを示す反射率データのような関連の区域にわたるデータを含むことができる。
【0036】
照明強度レベルが動的に調節されるある一定の実施形態では、各領域に対してダイナミックレンジ画像を含むデータは、領域からの光が検出器を飽和しなかった最高照明強度に対応することができ、又はこれに基づく場合がある。例えば、3つの下降照明レベルが用いられて特定の領域が最終画像以外の全部で飽和された場合、ダイナミックレンジ画像の領域は、最終照明レベルに基づくと考えられる。同じシーケンスに対して、別の領域が第1の画像で飽和されなかった場合、ダイナミックレンジ画像のその領域に対するデータは、初期照明レベルに基づくと考えられる。一部の実施形態では、領域に対する反射率データは、その領域が飽和状態になかった照明の最大強度のようなその領域に対する画像強度値によって分けられる画像値(すなわち、領域にわたるピクセル強度値)に基づいている。
【0037】
一部の実施形態では、本方法は、検査前設定シーケンスを実行する段階と、次に、ダイナミックレンジ画像に基づく関連の区域の検査中にツールの撮像構成要素に到達する照明を動的に調節する段階を含む半導体物体の検査を実行する段階とを含むことができる。関連の区域が、半導体ウェーハのダイを含む場合、半導体物体の検査を実行する段階は、ダイナミックレンジ画像に基づく複数のダイを検査する段階を含むことができる。
【0038】
光学検査方法は、設定シーケンス以外で得られたデータに基づくことができる。例えば、一部の実施形態では、照明の1つ又はそれよりも多くの特性は、物体上の特定のタイプの区域を指定するデータ及び1つ又はそれよりも多くの対応する照明特性を参考にするなどによって検査中に判断される。これらの区域は、ユーザ入力、ウェーハ指定データ(すなわち、どの構造が区域にあるかを識別するのに用いることができる座標又は構造データ)、及び/又は検査中に実施したツールによる区域の解析に基づいて識別することができる。
【0039】
特許請求の範囲を実施する最良のモードを含み、かつ当業者に向けられた完全で実施可能な開示を明細書の残りの部分により具体的に説明する。明細書は、同じ数字が同様又は類似の特徴を表すことを意図した添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】例示的な半導体ウェーハダイ及びダイを検査するのに用いることができるフレームのアレイの例を示す図である。
【図1B】例示的な半導体ウェーハダイ及びダイを検査するのに用いることができるフレームのアレイの例を示す図である。
【図1C】例示的な半導体ウェーハダイ及びダイを検査するのに用いることができるフレームのアレイの例を示す図である。
【図2A】異なる区域の欠陥を表す信号と検出器飽和の間の関係を示す図ある。
【図2B】異なる区域の欠陥を表す信号と検出器飽和の間の関係を示す図ある。
【図3】動的照明をサポートする光学検査ツールによって検査する時に異なる照明を受け取るフレームの例を示す図である。
【図4】動的照明をサポートするツールにおいて照明が異なることができる方法の別の例を示す図である。
【図5】動的照明をサポートするツールに用いるための減衰器の可能な場所を示す図である。
【図6A】例示的な減衰器構成を示す図である。
【図6B】例示的な減衰器構成を示す図である。
【図7】いくつかの異なる減衰器の場所及び構成の例を示す図である。
【図8】個別に減衰器に集束させた例示的な結果を示す2つの図を示す図である。
【図9】検査前設定シーケンスを含む例示的な光学検査方法の段階を示す流れ図である。
【図10】検査ツールの複数のチャンネルの中で選択することによって照明を調節する例を示す図である。
【図11】例示的な光学検査ツールの照明、撮像、及び制御構成要素を示すブロック図である。
【図12】例示的な光学検査ツールの撮像及び照明の付加的態様を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで、様々な及び代替の例示的な実施形態に対して、並びに添付の図面に対して以下に詳細に参照し、同じ番号は、実質的に同一の構造要素を表している。各例は、例示的に示され、限定するものではない。実際に、修正及び変形を開示及び特許請求の範囲又は精神から逸脱することなく行うことができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一部の実施形態として示されるか又は説明される特徴は、更に別の実施形態を発生させるように別の実施形態に用いることができる。従って、この開示は、特許請求の範囲及びこれらの均等物の範囲に入るような修正及び変形を含むことが意図される。表題及び付番などの使用は、明細書の読者を助けることを意味しており、主題を限定することを意味するものではない。
【0042】
光学検査システムの動的照明の態様を説明する前に、図11及び12は、照明を文脈に関連させるために説明するものである。図11は、例示的な光学検査ツールの照明、撮像、及び制御構成要素を示すブロック図であり、図12は、例示的な光学検査ツールの撮像及び照明の付加的態様を示すブロック図である。
【0043】
この例では、図11は、ウェーハの欠陥の高速オンライン電気光学検出のためのシステムの例示的な実施形態を示す概略図であるが、図12は、例示的な光学検査ツールのレーザ光源及び光ファイバ供給束を利用する物体検査システムの概略図を示している。例えば、ツールは、現在開示している検出器配置及び方法の1つ又はそれよりも多くの態様により動的照明をサポートするために修正されたNegevtech3320、3370又は他のモデル光学検査ツール(イスラエルのレホボト所在のネゲブテック・リミテッドから入手可能)を含むことができる。
【0044】
光学検査システムの例示的な態様に関する付加的な詳細は、米国特許出願第2004−0146295号A1として公開された米国特許出願出願番号第10/345,097号に見出すことができ、この特許出願は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで引用によりその全体が全ての目的に対して本明細書に組み込まれる。しかし、本明細書で説明する照明の原理は、焦点面において物体の画像を作成するあらゆる好ましい検査システムに用いることができる点に注意されたい。
【0045】
図11に示すように、検査ツールは、複数の2次元検出器からのピクセルを含む焦点面アセンブリ30を含むことができる。焦点面アセンブリ30は、ツールが動的照明をサポートすることができるように、検査されている物品からの光が以下に説明する1つ又はそれよりも多くの態様に従って配置された検出器によって感知されるように構成される。この例では、アセンブリ30は、連続面を提供するように描かれている。異なる実施形態において、並びに光学的構成及びツールの状態に応じて、不連続表面を場合によっては呈示することができることが認められるであろう。
【0046】
作動中に、ウェーハ12のダイ14は、パルス照明系26からのレーザ光などによってあらゆる好ましい方式で照明することができる。光48は、ウェーハによって散乱し、反射して回折した光線を表している。この光は、結像光学系18を用いて集光することができる。この例では、結像光学系18は、自動焦点システム28(詳細には示していない)を用いて調節することができるビームスプリッタ44(レーザシステム26からの光でウェーハ12を照明するのに用いる)、集光レンズ42、及び対物レンズ46を含む。この例では、集光レンズ42は、光48を焦点面アセンブリ30上に集束させて、結像光学系18の焦点面を形成する。しかし、特定の組の結像光学系の実際の内容及び配向位置は、変えることができる。特に、この例に示す結像光学系18は、検査ツールの一般的原理を説明する目的のために簡素化される。以下に言及するように、動的照明を含むツールの一部の実施形態では、結像光学系は、照明を調節するのに用いる減衰器などを更に含むことができる。
【0047】
複数のウェーハダイ14を特徴付けるパターン化半導体ウェーハ12は、連続移動XY平行移動ステージ16上に置かれて整列し、ウェーハとウェーハを撮像するのに用いる構成要素の間に相対運動を付与する。XY平行移動ステージ16は、ウェーハ12を典型的には蛇行パターンで光学撮像システム18の下に移動させ、それによってウェーハの区域が撮像器の視野にあるように変更する。しかし、蛇行パターン以外の移動パターンを用いることもできる。更に、ウェーハは、他の実施形態と異なる方式で移動することができる。更に、一部の実施形態では、ウェーハは、1つ又はそれよりも多くの光学構成要素の使用によって付与されたウェーハを撮像するのに用いるウェーハと構成要素の間の仮現運動によって静止したままである場合がある。例えば、回転ミラーを用いて、ウェーハにわたって蛇行(又は他の)パターンで結像光学系18の視野を移動させることができる。他の実施形態では、相対運動は、ウェーハを移動させること及び光学構成要素を調節することの両方によって付与することができる。
【0048】
XY平行移動ステージ16の移動(及び従って、ウェーハ12の移動)は、ウェーハ12が、CCDマトリックス光検出器フレーム時間中に1つの視野24の均等手段を移動させるという方法で、制御/データリンク22を通じて中心制御システム20によって多構成要素カメラシステムの作用と同期している。例えば、フレーム時間及び移動は、ウェーハが、照明系26への露出中に単一ピクセルの僅か約12-2の程度移動し、それによって結果的に画像汚点又は画像解像度の損失が殆どないか又は全くないように同期させることができる。制御システム20は、例えば、マイクロプロセッサベースコントローラ、汎用又は専用コンピュータシステムなどを含む検査工程を編成するのに用いる構成要素のあらゆる好ましいタイプ又は配置を含むことができる。
【0049】
この例では、照明系26は、反復パルスレーザ32、レーザビーム拡張機34、レーザビーム光路36、制御/データリンク38、及び非線形光学特性を有して「第2高調波」又は「第3高調波」発生結晶として機能を果たす結晶40を含む。このタイプの照明系は、極端に短い期間に高輝度及び高エネルギ光パルスを反復発生させて伝播させるためのパルスレーザ32を特徴付けることによって大きな視野32の超高速撮像を可能にする。照明系26は、制御/データリンク38を通じて中心制御システム20と通信状態にある。以下に言及するように、一部の実施形態では、照明系は、照明を調節するのに用いる付加的構成要素を含むことができる。更に照明の強度又は他の態様を調整することができる実施形態では、適切な制御/データリンクを用いて、パルスレーザ32及び他の構成要素から望ましい照明レベル及び/又は他の特性を指令することができる。
【0050】
簡単には、図12は、検査システムにおける物体の照明に関連付けられた例示的な構成要素を示している。作動の異なる方法によると、照明の3つの交替モードは、「明視野(BF)」、「側面照明暗視野(DF)」、及び「直交又は不明瞭反射暗視野(ODF)」を提供することができる。照明の各モードを用いて、異なる製造工程段階において異なるタイプの欠陥を検出する。例えば、酸化珪素のような透明層における圧着欠陥を検出するために、BF照明は好ましい場合がある。表面上の小さな粒子を検出するために、DF照明は、一般的により良い結果を発生させることができる。
【0051】
一般的に明視野照明では、照明は、試料を見るために用いられるのと同じ対物レンズを通って試料へ入射する。図12は、好ましくは、レーザ対ファイバ結合器1150により光ファイバ供給束1021にその出力ビーム1015を供給する明視野照明レーザ光源1300を示している。この光ファイバ束1021は、試料への均一な照明及びレーザ照明の干渉破壊の両方をもたらす。一部の実施形態では、単一繊維束のみが用いられるが、連続的に配置された繊維束の解決法も適切である場合があることを理解されたい。他の実施形態では、1つ又はそれよりも多くの束は、1つ又は複数の導光板のような別の構成要素と組み合わせることができる。例示的なファイバ/導光板の組合せの説明は、2008年2月14日にUS20080037933A1として公開された2006年4月14日出願の「繊維束及び導光板を用いたスペックル低減」という名称の現在特許出願中の米国特許出願出願番号第11/503,859号に見出すことができ、この特許出願は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで引用によりその全体が全ての目的に対して本明細書に組み込まれている。
【0052】
ファイバ束1021の出力終端から、レーザビームは、使用時には対物レンズ1201上に照明伝達レンズ1301、1302により結像され、これは、検査されているウェーハ1100上に照明の集束させるように作動する。適切な代替の対物レンズ1201’は、顕微鏡の技術分野で公知の対物回転器1200上の所定の位置内に回転することができる。ウェーハから戻った照明は、同じ対物レンズ1201によって集光され、ビームスプリッタ1202による照明経路から第2のビームスプリッタ1500の方向に偏向され、そこから、照明は、図12において1206で表される検出器の1つを有する撮像器の検出器上にウェーハからの光を結像する結像レンズ1203を通して反射される。この例では、単一検出器及び光路のみが例示目的のために示されている。検査画像を含む光の実際の経路は、勿論、構成要素が撮像経路に含まれ、同様に照明を調節するための構成要素が照明経路を調節することができる場合には変わることになる。
【0053】
この例では、第2のビームスプリッタ1500を用いて、自動焦点結像レンズ1501により自動焦点検出器1502に向けられる自動焦点機能に用いる光から撮像機能まで進む光を分離する。
【0054】
従来の暗視野照明が、手元にある撮像に必要である時に、暗視野側面照明源1231を用いて、必要な照明ビーム1221をウェーハ1100上に投影する。直交暗視野又は不明瞭反射暗視野照明は、手元にある撮像に必要である時に、代替の暗視野照明源1230を用いて、必要な照明ビーム1232を不明瞭反射鏡1240を通じて上から直角にウェーハ1100上に投影する。図12は、異なる場所に光源1300、1231、及び1230を示している。しかし、光源1300、1230、及び1231のいずれか又は全ては、1つ又はそれよりも多くの光学構成要素を用いて適切な角度に光源を移動させ及び/又は照明を向け直すことによって達成される明視野、暗視野、及び不明瞭反射暗視野効果を有する同じ光源を含むことができる。更に、レーザ照明及び/又は他の照明法のための他の配置は、本発明の主題と共に用いることができることを理解されたい。
【0055】
作動中に、ウェーハの1つ又はそれよりも多くの画像が得られ、画像は解析され、ウェーハの欠陥又は潜在的欠陥の有無を判断する。例えば、ツールは、画像を評価するように構成された1つ又はそれよりも多くのコンピュータ又は他の好ましい画像処理ハードウエアを含む画像解析システムを含むことができる。図11の例では、画像処理システム99は、画像グラバ92、画像バッファ94、欠陥検出ユニット96、欠陥ファイル98、及び制御/データリンク101によって取り込んだ画像のための並列構成画像処理チャンネル90を含む。24の2次元CCDマトリックス光検出器を特徴付ける焦点面アセンブリ30によって取得した画像データは、並行して処理され、それによって24のCCDマトリックス光検出器の各々は、24の別々の画像処理チャンネル90を通じて画像グラバ92によって焦点面アセンブリ30の他のCCDマトリックス光検出器と並行して別々に通信する。毎秒60回のCCDフレーム速度の取得速度で48メガピクセルの単一シリアルチャンネル(非常に高い毎秒3ギガピクセルの処理速度を有する単一チャンネルをもたらす)を用いて画像データを処理する代わりに、毎秒60回の速度で取得した画像データの約2メガピクセルを有する24又はそれよりも多くの別々の画像処理チャンネル90の各々は、毎秒メガピクセルの10倍の適度な速度で処理するのに用いられる。画像処理システム90は、制御/データリンク101を通じて中心制御システム20と通信状態にある。
【0056】
別の例として、ツールは、画像解析のための好ましいハードウエアに接続することができ、又は画像データは、あらゆる他の方式でそのようなハードウエアに提供することができる。
【0057】
あらゆる好ましいタイプの解析を用いて、欠陥の有無を判断することができる。例えば、ツールは、フレーム単位で画像を得て、単一フレーム又はフレームの群を基準と比較することができる。別の例として、ツールは、暗区域上の輝点及び/又は明るい区域上の暗点を探すなどにより、他の画像と比較することなく画像を解析することができる。セル間の比較、ダイ間の比較を含むあらゆる好ましい比較/解析技術を用いることができ、それは、画像を解析して処理するためにあらゆる好ましいソフトウエアアルゴリズム及び/又は専用ハードウエアを用いて実施することができる。
【0058】
ツールにおける検出器は、光感知要素のあらゆる好ましい数、タイプ、又は組合せを含むことができる。基本的な感知は、あらゆる好ましい技術に基づくことができる。例えば、様々な実施形態では、以下のタイプの検出器タイプ、CCD、CMOS、PMT、及び/又はアバランシェ光ダイオード検出器の1つ又はそれよりも多くを用いることができる。
【0059】
検出器は、あらゆる好ましいタイプのものとすることができる。例えば、1つ又はそれよりも多くの検出器は、2次元画像データを生成する光センサのマトリックスのような区域検出器を含むことができる。別の例として、1つ又はそれよりも多くの検出器は、TDI線分検出器、すなわち、時間と共に1次元画像データを生成する光センサのマトリックスを含むことができる。別の例として、1つ又はそれよりも多くの検出器は、線分検出器、すなわち、1次元線画像を生成する光センサの線を含むことができる。一部の実施形態では、検出器は、各検出器信号がピクセルを表す「点検出器」を含むことができる。
【0060】
光感知及び撮像がPMT及び/又はアバランシェ光ダイオード検出器を用いる時のような点検出に基づく一部の実施形態では、照明及び/又は撮像ハードウエアは、図11及び12と共に上述の例の配置から適切に変える必要があることが認識されるであろう。例えば、PMT及び/又はアバランシェ光ダイオード検出器を用いるツールの実施形態は、いくつかの走査機構を含み、検査中ウェーハ又は他の物体上の点を可変的に照明することができる。例えば、好ましい照明源(アルゴンレーザ又は別のレーザのような)は、音響光学偏向器と共に用いて、検査中のウェーハ又は他の物体にわたって1つ又はそれよりも多くの照明ビームを走査することができる。
【0061】
走査光源を用いる検査の例として、ステージをウェーハを照明ビームの移動に対して直角に移動させながら時間領域における鋸歯パターンを用いることができる。結像光学系は、ウェーハによって反射又はそうでなければ散乱する照明ビームから光を適切に集光するために配置することができる。走査照明源を含む検査システムの例示的な詳細は、米国特許第5,699,447号に見出すことができ、この特許は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。線分検出の例示的な説明は、米国特許第6,724,473号に見出すことができ、この特許は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0062】
TDI又は線分検出を用いる時に、ウェーハの照明及び相対運動は、従って、画像取得ハードウエア/ソフトウエアも好ましく構成された状態で調節すべきである。例えば、当業技術で公知のように、TDI検出を用いる時に、連続照明が適用されるが、ウェーハ又は他の物体上の撮像場所は変えられる。
【0063】
以上の説明は、照明及び撮像技術に関して例示目的のみのものである。本発明の主題は、あらゆる好ましい検査ツールとの関連で利用することができる。次に、動的照明を含むツールのいくつかの異なる態様をより詳細に説明する。
【0064】
図3は、周縁部区域112及びアレイ区域114を含む例示的なダイ110を示す図である。図3は、2つの例示的なフレーム134及び136を更に示している。上述のように、一部の実施形態では、検査ツールは、検査中の物体が論理的に検査中の1つ又はそれよりも多くのフレームに分けられる「フレーム」単位で検査を実行することができる。検査ツールは、常に限定された区域(視野)のみを見ることができるので、検査中に、1つ又はそれよりも多くのフレームは、第1の視野において照明されて撮像され、次に、視野は、変更され、付加的フレームは、照明されて撮像されるなどである。各フレームは、1つ又はそれよりも多くの検出器によって撮像することができる。更に、フレームは、本明細書の例に示すように2次元とすることができ、1次元(すなわち、ピクセルの線)ですら単一ピクセル各々を構成することができる。特定の検査に応じて、フレームの一部又は全ては、隣接することができ、重なることができ、及び/又はフレーム間に間隙をもたらす他のフレームから離間している場合がある。
【0065】
一部の実施形態では、殆どフレーム134のような周縁部区域を含むフレームは、低レベルの照明を用いて検査され、一方、殆どフレーム136のようなアレイ区域を含むフレームは、高レベルの照明を用いて検査される。
【0066】
照明レベルが定められた特定の方式は、変えることができる。例えば、照明レベルは、上述のようなフレーム内の主な特性の関数とすることができる。しかし、他の実施形態では、照明は、フレームにおける画像データの連続関数とすることができる。
【0067】
図4は、別の例示的な実施形態を示している。更に、例示的なダイ110、並びにフレーム134及び136を示している。しかし、この例では、動的照明は、必要に応じてフレーム内の異なる領域に対するツールによって用いられる。言い換えれば、照明は、図3の例よりも高い解像度で調節され、ここで、照明はフレームレベルで調節される。この例では、照明は、サブフレームレベルで、特に各フレーム内の領域に基づいて調節される。
【0068】
図4は、フレーム134及び136に対する拡大図を含む。この例の各フレームは、2つの異なる領域を含むが、勿論、他の実施形態では、フレームは、2つよりも多いか又は少ない領域を含むことができる。フレーム134は、周縁部構造を含む領域140、及びアレイ構造を含む領域138を含む。フレーム136は、周縁部領域142及びアレイ領域144を含む。この例では、領域の全ては、矩形であるが、領域サイズ及び形状は変えることができる。
【0069】
領域構成に関係なく、各領域は、特定のレベルの照明を受け取ることができる。例えば、フレーム134を検査する時に、領域140は、領域138よりも低レベルの照明を受け取ることができる。同様に、領域142は、領域144よりも低レベルの照明を受け取ることができる。領域138及び144の照明レベルは、検査前設定段階によって判断される領域の特定の特性に応じて同じであるか又は異なる場合がある。
【0070】
照明は、あらゆる好ましい方式で調節することができる。図5は、可変減衰器が照明の光路に置かれる例を示すブロック図である。この例では、半導体物体150(この例ではウェーハ)は、物体150によって散乱する光が検出器154によって検出され、光源152によって照明される。この例はまた、物体から1つ又はそれよりも多くの検出器154に移動する光によって進む光源と物体の間の照明経路156及び撮像経路158を示している。単一検出器は、説明目的のためにこの例に示されているが、勿論、複数の検出器を用いることもできる(又は必要に応じて複数の照明源までも)。図5は、可変減衰器のための2つの例示的場所、この例では照明経路156における減衰器160及び撮像経路158における減衰器162を示している。減衰器は、いずれかの又は両方の経路に設置することができる。更に、複数の減衰器は、単一経路で用いることができる。
【0071】
実際には、可変減衰器は、減衰をツールの作動に対して十分な速度に変更することができることが必要である。例えば、ツールが毎秒30フレームを撮像して減衰を各フレーム間で変更すべきである場合、減衰器は、フレーム間で変更することができることが必要である(すなわち、1秒の1/30よりも良好な応答時間)。
【0072】
減衰器は、必要に応じてツールの他の光路に設置することができることが認識されるであろう。例えば、自動焦点配置を有するツールでは、1つ又はそれよりも多くの減衰器は、自動焦点配置の撮像又は照明経路に設置することができる。
【0073】
図6A及び6Bは、高速減衰のための構造の例を提供する。図6Aは、拡散器と組み合わせたLCDアレイ、マイクロシャッターアレイ、又はマイクロミラーアレイのような空間マスクを示している。マイクロミラーアレイ及び拡散器を用いる実施形態では、ミラーアレイは、一般的に、ミラーアレイによって反射する照明の経路に位置決めされた拡散器によって入射ビームにある一定の角度で設置すべきである。図6Aでは、可変ピクセル164、166の数列が拡散器168に沿って示されている。この例では、空間マスクにおける透過又は反射ピクセルの数は、減衰全体を決めるものである。
【0074】
図6Bでは、別の例が示されている。この可変減衰器は、「カー」セル又は「ポッケルス」セル、及び偏光子172のような電気光学結晶170を含む。入力ビームが偏光していない場合、別の偏光子を可変減衰器の前に設置することができる。
【0075】
図6A及び6Bの両方において、適切な制御/データ線及び接続部を検査ツール制御システムによる減衰器特性の適切な制御のために含めることができる。
【0076】
全ての実施形態が減衰器を用いる必要があるとは限らない。例えば、減衰器の代わりに、照明源自体の強度は、調整することができる。例えば、光源がレーザを含む場合、光源電圧は変えることができる。光源がQスイッチレーザを含む場合、強度は、Qスイッチ遅延時間を変更することによって変えることができる。従って、調節可能な強度を有する他のレーザ照明源は調節することができる。
【0077】
更に別の実施形態は、光源調整及び減衰器によって照明を動的に調節することができる。
【0078】
図7は、照明が同じフレーム内の異なる領域に対して動的に調節される実施形態で特に有用とすることができる減衰器の使用別の例を提供する。図7は、更に光源152、検出器154、及び物体150を示している。この例では、減衰器174、176、及び178は、撮像及び照明経路の様々な位置に示されている。減衰器174は、撮像経路に位置決めされ、この例では可変空間マスクを含む。例えば、減衰器174は、LCDアレイ、マイクロシャッターアレイ、又はマイクロミラーアレイを含むことができる。マイクロミラーアレイは、用いる場合には、入射ビームに対してある一定の角度で設置し、望ましい光は反射されて経路を辿り続け、一方、望ましくない光は経路から離れて反射し及び/又はアレイを通過するように指令することができる。
【0079】
同じフレーム内の異なる領域に対する照明を動的に調節するために、ピクセル化した減衰器を用いるべきである。更に減衰器は、ウェーハ上に(照明経路に設置する場合)結像され又は検出器上に(撮像経路に設置する場合)結像されるべきである。
【0080】
図8は、ピクセル化した減衰器を用いる時に考慮すべき事柄を指摘するために2つの例示的な信号図180及び182を示している。図180は、減衰器が合焦される時の受け取った照明を表し、すなわち、照明は、非連続的であり、実際には照明のない間隙を含む。これは、ピクセル化した減衰器のフィルファクタが1ではないことによる。他方、図182は、減衰器が焦点外にある時に、如何に照明が連続的であって間隙がないかを示している。従って、一部の実施形態では、可変空間マスク及びその対応する光学系は、減衰器が焦点外にあるように設置することができる。代替的に、ツールは、例えば、減衰器に入る及び/又はこれを出る光の焦点を調節するために、レンズのような適切な構成要素を含むことによって減衰器の焦点条件を補償するように構成することができる。
【0081】
図9は、光学検査の例示的な方法200の段階を示す流れ図である。この例は、検査前設定シーケンスの特定的な態様を説明する。202において、関連のダイ又は他の区域は、高レベルの照明を用いて走査される。検査レシピが、検査のためのダイ又はウェーハのある一定の区域のみを指定することができるので、ダイ(又は他の区域)全体に満たないものを検査することになる場合、検査前シーケンスは、検査すべき部分に関してのみ進めることができることに注意されたい。この例では関連の区域はダイであるが、他の実施形態では、視野、ダイ又は視野の群、ダイの一部、又は更にウェーハ全体は、検査前設定シーケンス中に解析することができる。
【0082】
段階204において、走査ダイ(又は関連の他の区域)の画像は、検査ツールの検出器を用いることによって作り出される。第1の走査が、ツールに対して利用することができる(又はウェーハに好ましい)最高の照明を用いて実施される時に、画像の一部又は全ては、飽和する場合がある。
【0083】
いずれの場合でも、段階206において、関連の区域の画像は解析され、画像の飽和が所定の量を超えるか否かを判断する。画像の飽和は、あらゆる好ましい方式で検出することができ、一般的に、検出器が特定の区域を超えてその最大範囲に到達したことを示すデータで示すことになる。例えば、飽和領域は、明るい白として示すことができる。勿論、検出器は、飽和の明確な表示を設けるように構成することができる。この特定の例では、ダイ画像を解析し、ダイの1パーセントよりも多くが飽和状態であるか否かを判断する。
【0084】
段階206はまた、画像の飽和が所定の量を超える場合の別の強度レベルの選択を表している。この例では、照明強度は半分になる。段階208は、ダイの画像が所定の閾値未満の飽和を含むまで、段階202、204、及び206が繰り返されることを示している。この例では、ダイは、解析が各反復法で半分になる照明強度でダイ画像の1パーセント未満が飽和状態になるまで走査され、撮像されて解析される。
【0085】
段階210は、各領域においてダイの反射率のダイナミックレンジ画像の作成を表している。この画像は、段階202、204、及び206中に得られた1つ又はそれよりも多くの画像、並びに異なる電力レベルにおけるこれらの段階の反復法に基づいて計算することができる。
【0086】
1つ又はそれよりも多くの画像を解析し、ダイの様々な領域(又は関連の他の区域)に対して、どの照明レベルが領域の非飽和画像をもたらしたかを判断する。特に、領域の画像を飽和しなかった最高照明強度が識別される。ダイナミックレンジ画像は、領域のピクセルに対する反射率値に対応する複数のピクセル各々を含むことができ、反射率値は、ピクセルを含む領域が飽和されなかった識別照明強度によって分けられた画像値を含む。
【0087】
段階212は、検査前設定シーケンス後の検査中に起こる可能性がある作用を表している。特に、各領域に対して、適切な照明レベルは、ダイナミックレンジ画像のデータに基づいて選択することができる。例えば、フレーム又は領域の最大の区域の反射率を見出すことができ、照明値は、反射率で割った定数を含む。従って、反射率が増加する時に照明値は減少する。
【0088】
実際には、ダイナミックレンジ画像は、まさに撮像しようとする区域に対して検査中にアクセスし、適切な照明レベルを確認するのに用いることができる。他の実施形態では、ダイナミックレンジ画像全体は、次に、検査が進む時に参考にする1組の照明レベルを得るように評価することができる。判断した照明レベルは、オペレータによって微調整するのに好ましいインタフェース(例えば、ディスプレイスクリーン、プリントアウト、その他)を通してオペレータに呈示することができる。
【0089】
他の実施形態では、光学特性の他の表示を反射率に加えて又は反射率の代わりに用いることができ、又は反射率は、本発明の例で説明した以外の方法によって引き出すことができる。
【0090】
一般的には、ダイナミックレンジ画像は、照明レベルを判断するための基礎として用いることができるダイ(又は関連の他の区域)の1つ又はそれよりも多くの特性を表すデータを含むことができる。
【0091】
様々な実施形態では、照明は、上方制限するか又は下方制限することができる。例えば、ダイナミックレンジ画像データ(及び/又は他のデータ)が、区域がアレイ構造を含むことを示す場合、照明は、下方制限してアレイ区域に対する検出感度が無視できないことを保証することができ、すなわち、照明強度は、十分な照明がアレイ区域の欠陥を十分に検出するように提供されることを保証するために下限に置くことができる。別の例として、ダイナミックレンジ画像データ(及び/又は他のデータ)が、特定の区域が周縁部を含むことを示す場合、照明は、周縁部区域の照明がすぐの近くのアレイ区域を撮像するのに用いるピクセルを飽和しないことを保証するために上限に置くことができる。
【0092】
照明は、他の検査及びツールパラメータに基づいて調節することができる。例えば、一部のツールは、異なる状況で検出器のピクセルを「インに入れる」。例えば、「複数の速度モードを特徴付ける光学検査ツール」という名称の2007年7月23日に出願され、US2009/0030630A1として公開されたGiora Eitan及びShai Silbersteinによる米国特許出願第11/781,454号を参照することができる。特許出願第11/781,454号は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0093】
簡単には、検査ツールの最大解像度は、例えば、検査されている物体の区域の性質及び/又は特定の欠陥測定技術の要件に応じて必ずしも必要であるとは限らない。例えば、上述のように、ツールは、ウェーハ又はダイのメモリ区域を検査する時のような暗視野検査モードで作動させることができる。フーリエフィルタリング法の使用は、あらゆる欠陥が浮き出るように、区域の反復パターンを取り除くことによって区域の欠陥を検出する可能性を有利に増大させることができる。従って、より低い解像度をそのような検査に対して用いることができる。同様に、非常に重要な多くの欠陥は、比較的低い倍率/解像度で浮き出るほど十分に大きくすることができる。従って、一部の検査ツールでは、検査画像を取得するのに用いられるピクセルの一部は、ビンに入れることができる。
【0094】
ビンに入れることは、あらゆる好ましい方法で達成することができる。例えば、ピクセルは、ソフトウエア、ハードウエアで、又はソフトウエア及びハードウエアの両方を用いてビンに入れることができる。しかし、ハードウエアベースでビンに入れること、特に検出器においてビンに入れることが、一部のシステムにおいては有利とすることができる。例示的に、複数のピクセルをビンに入れることは、検出器におけるピクセルからの電荷を平均することによって実施することができる。
【0095】
例えば、1:2でビンに入れることが適用される時に(すなわち、検出器の2つのピクセルが、単一のピクセルとしてビンに入れられて処理される)、照明は、ビンに入れられていない状態で用いる照明レベルに対して半分とすることができる。1:4でビンに入れることが適用される場合、照明は、ビンに入れられていない照明のように25%とすることができる。照明は、必ずしもビンに入れる状態の直接の関数ではなく、例えば、1:3でビンに入れることを適用することができるが、照明は、ビンに入れていない状態で用いる照明の27%である。
【0096】
照明の特定の光源又はタイプは、変えることができる。例えば、本明細書のいくつかの例は、レーザ照明に関するが、ランプのような他の照明源は、好ましく減衰することができる。更に、本明細書で説明した動的照明原理は、明視野、暗視野、直交暗視野、又はあらゆる他の好ましいタイプの照明に適用することができる。広帯域又は狭帯域照明は、必要に応じて用いることができる。減衰器及び他の光学構成要素は、勿論、光源によって提供され及び/又は光学検査ツールによって検出される波長で適切に光を減衰するように構成すべきである。
【0097】
広帯域照明に関する付加的な例示的詳細は、2007年3月9日に出願された「短パルス連続広帯域照明を用いるウェーハ検査」という名称の米国特許出願第11/684,191号(米国特許出願第2007/0273945号A1として公開)に見出すことができ、この特許出願は、それが本発明の主題と矛盾しない範囲まで本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。
【0098】
広帯域照明が用いられる時に、付加的なオプションが利用可能な場合がある。例えば、照明強度の変更の代わりに又は追加的に、照明スペクトルを変更し、半導体物体の特定の区域の特性により良く対応させることができる。例えば、図5に少し戻って、要素160及び/又は162は、制御可能なスペクトル減衰器と置換することができる。そのような減衰器と要素160の置換は、照明スペクトルが各フレームに対して変更することを可能にすることができ、一方、置換要素162は、制御すべき撮像データのスペクトルを考慮することができる。別の例として、スペクトルは、要素174、176、及び/又は178の1つ又はそれよりも多くをピクセル化したスペクトル減衰器と置換するなどにより、各フレームに加えて又は各フレームに代えて各領域に対して変更することができる。
【0099】
制御可能なスペクトル減衰器は、検査ツールコントローラによって提供された好ましい制御信号を有する音響光学変調器を用いるなどにより、あらゆる好ましい方式で実施することができる。ピクセル化したスペクトル減衰器は、そのような変調器のマトリックスによって実施することができる。
【0100】
照明タイプに関係なく、一部の実施形態では、照明の偏光は、照明強度(及び/又は可能な場合は周波帯)の変更に加えて又はこの代わりに変更することができる。図5の要素160及び/又は162は、制御可能な偏光子によって置換し、それぞれ照明及び撮像データの偏光を制御することができる。場合によっては、交差偏光を必要に応じて用いることができる(すなわち、撮像偏光は、従って、照明偏光に対して直角にすることができる)ように、両可変偏光子を用いることが好ましいものになる。偏光は、要素174、176、及び/又は178をピクセル化した制御可能な偏光子と置換することにより、領域に対して及びフレーム幅でなく変更することができる。
【0101】
制御可能な偏光子は、例えば、「カー」セル又は「ポッケルス」セルのような電気光学結晶構造を用いることによって及び偏光子と共に実施することができる。ピクセル化した制御可能な偏光子は、そのような結晶及び偏光子のマトリックスによって実施することができる。別の例は、偏光要素のアレイとしての液晶又は液晶ディスプレイである。
【0102】
用語の偏光子は、吸収、反射、散乱、付与される位相差により及び/又はあらゆる他の技術によって光の偏光状態を変更することができるあらゆる要素を意味する。適切である時に円形、楕円形、及び直線偏光を含むあらゆる特定の偏光を用いることができる。
【0103】
様々な実施形態では、光学検査ツールは、好ましい構成要素を含む様々な光学系の使用により、照明強度、偏光、照明スペクトルの単独又は組合せを含むファクタを調節することができる。光学系は、飽和を減少/回避し、及び/又は他のファクタに基づいて調節することができる。
【0104】
一部の実施形態では、様々な光学系を複数の光学チャンネルをサポートするツールで実施することができる。図10は、複数の光学チャンネルを有するツールの例を示すブロック図である。いくつかのチャンネル192−1、192−2、192−3、及び192−Nは、光源152及び半導体物体150と共に示されている。この例では、選択機構190は、照明経路の制御可能な回転可能ミラーとして描かれている。ツールは、回転可能ミラーを調節して光を特定のチャンネル192に向けることによって異なる照明特性を選択することができる。
【0105】
各チャンネル192は、望ましい減衰、偏光、スペクトル効果、及び/又は他の特性を含む望ましい特性を達成するために光に影響を及ぼす光学系を含む。この例の各チャンネル192は、そのそれぞれの光学系を通過した後に光を半導体物体150に向けるように更に構成される。
【0106】
図10の例では、各チャンネルは、出射光を異なる光路に沿って向ける。しかし、他の実施形態では、様々なチャンネルからの光は、物体150に向けられる前に付加的構成要素(図10には示されず)によって組み合わせて単一光路にすることができる。
【0107】
追加的に又は代替的に、チャンネル選択は、撮像経路で行われ、光がツールの1つの検出器又は複数の検出器に影響を与える前に光の特性を調節する数組の光学系間の選択を可能にすることができる。
【0108】
図10は、回転可能ミラーとしてチャンネル選択機構190を示している。しかし、光を向け直すのに制御可能な他の好ましい構成要素を用いることができる。例えば、マイクロミラーアレイを用いて、光の異なる部分を異なるチャンネルに向け直すことができる。
【0109】
選択機構190を用いて、検査全体に対して異なるチャンネルを選択することができる。しかし、一部の実施形態では、ツールは、異なるフレームに対する異なるチャンネルが必要であるか否かを判断するために、かつ必要に応じてフレーム間のチャンネルを変更するように構成される。一部の実施形態では、フレーム内の領域は、マイクロアレイ(又は、部分的に同じビームの光を異なる区域に向け直すことができる他の構造)を用いる場合のような異なるチャンネルに送ることができる。
【0110】
照明を動的に調節するための基本(強度、偏光、スペクトル、又は他の特性のいずれかの単独であるか又は組合せであるかを問わず)は、変えることができる。上述のように、検査前設定シーケンスを用いて、ウェーハの飽和のような特性を評価することができる。しかし、照明は、付加的又は代替の方法で得られたデータに基づいて動的に調節することができる。
【0111】
例えば、照明及び/又は撮像パラメータは、ウェーハの区域の識別(例えば、周縁部、メモリ、又は他の区域に対するウェーハ座標系)に基づいて異なる場合がある。一例として、ユーザは、異なる区域に対して特定の照明条件を指定することができる。別の例として、ツールは、異なる区域の識別に基づいて(少なくとも部分的に)照明条件を示した所定パラメータにアクセス可能である。
【0112】
区域自体は、ユーザによって設定することができ及び/又は自動的に又は半自動的に判断することができる。例えば、ウェーハに対する設計データ又は仕様は、設計データのメモリ及び周縁部などとして識別した異なる区域によって及び/又はユーザ入力によってツールに入力又は提供することができる。
【0113】
照明レベル及び/又は他の特性は、区域が識別される時に同時に判断することができ、又は半導体物体上の区域に関するデータに基づいて検査時に判断することができる。
【0114】
更に別の例として、ツールは、異なる区域を識別するためにウェーハを撮像して画像を評価することができる。例えば、「検査前」シーケンスの1つ又はそれよりも多くの態様は、検査中に実施することができる。例示的に、検査は、関連の第1の区域(例えば、ダイ)を撮像し、検査中に撮った画像に基づく1つ又はそれよりも多くの照明特性を評価するツールで始めることができる。関連の後続区域(例えば、他のダイ)の検査は、関連の第1の区域から得られたデータに基づくことができる(これは、更に撮像してもよいし撮像しなくてもよい)。
【0115】
本明細書のいくつかの例は、ウェーハの周縁部及びメモリ区域に対して異なる照明を説明したものである。これは、限定することを意図していない点に注意されたい。例えば、他の構造の領域を有するウェーハは、メモリ及び周縁部区域に対して必要な照明と異なる他の照明条件に関連付けることができる。従って、本発明の主題は、ウェーハ上の区域のタイプ又は名称に関係なく適用可能であることを理解されたい。
【0116】
本発明の主題を本発明の具体的な実施形態に対して詳細に説明したが、当業者は、上述の理解に到達すると、そのような実施形態に対する修正、そのような実施形態の変更、及び均等物を容易に生成することができることが認識されるであろう。従って、本発明の開示の範囲は、限定によるのではなく例示によるものであり、主題の開示は、当業者には容易に明らかであるような本発明の主題に対するそのような修正、変更、及び/又は追加を含めることを排除しない。
【符号の説明】
【0117】
110 ダイ
112 周縁部区域
114 アレイ区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体物体の少なくとも一部分を撮像するように構成された撮像システムと、
前記半導体物体の少なくとも一部分を照明するように構成された照明源と、
制御システムと、
を含み、
検査前設定シーケンス中に前記制御システムによって集光されたデータに基づく検査中に前記撮像システムに到達する照明を動的に調節するように構成され、
前記半導体物体のそれぞれの部分に対する1つ又はそれよりも多くの照明レベルを判断するために、該半導体物体が少なくとも一度撮像される検査前設定シーケンスを実行するように構成される、
ことを特徴とする光学検査ツール。
【請求項2】
前記照明の動的な調節が、該照明の強度の変更を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記照明の動的な調節が、該照明の偏光状態の変更を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記照明の動的な調節が、該照明のスペクトルの変更を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項5】
前記半導体物体に到達する前記照明を調節するのに用いられる少なくとも1つの減衰器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項6】
前記減衰器は、電気光学結晶を含むことを特徴とする請求項5に記載のツール。
【請求項7】
前記照明源の少なくとも1つの特性は、調整することができ、前記照明は、該照明源を調整することによって調節されることを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項8】
少なくとも2つの異なる強度を利用して前記検査前設定シーケンス中に前記物体を照明するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項9】
ツールが、前記半導体物体の各部分をフレーム単位で照明して撮像し、該照明の動的な調節が、少なくとも2つのフレーム間の該照明の変更を含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項10】
前記照明は、前記フレームにおける1つ又はそれよりも多くの特徴の評価に基づいて調節されることを特徴とする請求項9に記載のツール。
【請求項11】
前記検査前設定シーケンスは、
(i)初期照明レベルで前記半導体物体を走査する段階、
(ii)前記半導体物体の画像を作成する段階、
(iii)前記画像における飽和の量を評価する段階、及び
前記飽和の量に基づいて、前記画像における該飽和の量が所定の閾値未満になるまで段階(i)、(ii)、及び(iii)を繰り返す段階、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項12】
撮像及び照明経路の少なくとも一方に制御可能な偏光子を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項13】
前記撮像及び照明経路の少なくとも一方に光の異なるスペクトル部分を減衰するように構成可能な制御可能減衰器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のツール。
【請求項14】
複数の検出器を含み、複数のフレームを用いて半導体物体の少なくとも一部分を撮像するように構成された撮像システムと、
前記半導体物体の少なくとも一部分を照明するように構成された照明源と、
制御システムと、
を含み、
複数の検出器を用いて検査中に撮像される少なくとも1つのフレームに対して、該フレームに撮像された前記物体の第1の部分が第1の照明レベルを受け取り、かつ同じフレームに撮像された該物体の第2の部分が第2の照明レベルを受け取るように、検査中に前記撮像システムに到達する照明を動的に調節するように構成される、
ことを特徴とする光学検査ツール。
【請求項15】
前記半導体物体のそれぞれの部分に対する特定の照明レベルを判断するために該半導体物体が少なくとも一度撮像される検査前設定シーケンスを実行するように構成されることを特徴とする請求項14に記載のツール。
【請求項16】
前記半導体物体の前記照明の動的な調節が、照明光の光路内への制御可能な空間マスクの挿入を含むことを特徴とする請求項14に記載のツール。
【請求項17】
前記空間マスクは、前記照明経路内に置かれ、かつ焦点外の前記物体上に結像されることを特徴とする請求項16に記載のツール。
【請求項18】
前記空間マスクは、前記撮像経路内に置かれ、かつ焦点外の前記検出器上に結像されることを特徴とする請求項16に記載のツール。
【請求項19】
(i)第1の照明で検査ツール内の半導体物体の関連の区域を照明する段階、
(ii)前記関連の区域の画像を取得する段階、
(iii)前記画像の少なくとも1つの品質特性を評価する段階、
(iv)前記少なくとも1つの品質特性が1つ又はそれよりも多くの品質基準を満たすまで、異なる照明を用いて段階(i)、(ii)、及び(iii)を繰り返す段階、
(v)前記関連の区域を検査しながら、前記検査ツールの撮像システムに到達する照明を異なる照明による撮像中に得られた画像に基づいて動的に調節する段階を含む、前記半導体物体の検査を実行する段階、
を含むことを特徴とする電気光学検査方法。
【請求項20】
少なくとも1つの品質特性が、前記画像における飽和の量を含み、前記第1及び異なる照明は、異なる強度の照明を含み、少なくとも1つの品質基準が、該画像における該飽和の量に対する許容可能な閾値を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
段階(i)、(ii)、及び(iii)を1回又はそれよりも多く実行した後に得られる1つ又はそれよりも多くの画像から前記関連の区域のダイナミックレンジ画像を作成する段階を更に含み、
前記ダイナミックレンジ画像は、前記関連の区域の検査中に用いる照明のレベルを調節するのに用いられる、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記関連の区域は、半導体ウェーハのダイを含み、
前記半導体物体の検査を実行する段階は、前記ダイに対するダイナミックレンジ画像に基づいて複数のダイを検査する段階を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記関連の区域のダイナミックレンジ画像を作成する段階は、
前記得られた画像内の前記関連の区域の各領域に対して、該画像において飽和状態にない該領域が撮像された最高照明強度を判断する段階、及び
各領域に対して、該領域が飽和状態になかったそれぞれの最高強度値によって該領域に対するピクセル値を分割する段階、
を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記照明を動的に調節する段階は、
前記半導体物体の所定の領域に対して、前記ダイナミックレンジ画像から該所定の領域の最大区域の反射率を判断する段階、及び
前記反射率に基づいて前記所定の領域に対する照明レベルを判断する段階、
を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−525985(P2011−525985A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515725(P2011−515725)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国際出願番号】PCT/IL2009/000572
【国際公開番号】WO2009/156981
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(310011365)アプライド マテリアルズ サウス イースト アジア ピーティーイー. エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】