説明

光学機器

【課題】カメラ本体とレンズ鏡筒の両方にNDフィルターが配置されている光学機器において光量の調整をより適切に行うこと
【解決手段】カメラ本体101は、光路に挿入および退避可能に設けられたカメラ側NDフィルター119と、レンズ鏡筒102に設けられて光量を調節する絞り123のF値が第1の設定値よりも大きい場合にカメラ側NDフィルターを前記光路に挿入させ、それでも絞りのF値が第1の設定値よりも大きい場合に、前記光路に挿入および退避可能に前記レンズ鏡筒に設けられたレンズ側NDフィルター122を前記光路に更に挿入させるカメラMPU112と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、一眼レフデジタルカメラからミラーボックスを除去し、これによって空いたスペースに光量を低下させるNDフィルター(減光フィルタ)を設けたカメラを提案している。また、特許文献2は、NDフィルターを内蔵した動画撮影に適したビデオ用交換レンズを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−066561号公報
【特許文献2】特開2007−322631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、カメラ本体とレンズ鏡筒の両方にNDフィルターが配置された光学機器は提案されておらず、その場合にどちらのNDフィルターを優先的に使用すべきかについて検討がなされていなかった。レンズ側NDフィルターはレンズ自体の小型化を図るためにNDフィルターの径を小さくし、所定の絞り口径以下の時にのみ使用可能とした構成が多く、使用上の制約がある場合がある。また、絞りの近傍に配置されているレンズ側のNDフィルターはゴーストを発生して画質の低下を招く虞がある。更に、被写体の光量が変化して絞りを所定の口径よりも開ける場合にレンズ側NDフィルターを退避させる必要があり、動画撮影時に挿抜動作が頻繁に記録されてしまう。
【0005】
本発明は、カメラ本体とレンズ鏡筒の両方にNDフィルターが配置されている光学機器において光量の調整をより適切に行うことを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学機器は、物体の光学像を光電変換する撮像素子と、前記物体からの光が前記撮像素子に至るまでに通る光路に挿入および退避可能に構成された第1のNDフィルターと、光量を調節する絞りのF値が第1の設定値よりも大きい場合に前記第1のNDフィルターを前記光路に挿入させ、それでも前記絞りのF値が前記第1の設定値よりも大きい場合に、前記光路に挿入および退避可能に前記第1のNDフィルターよりも前記絞りの近くに配置された第2のNDフィルターを前記光路に更に挿入させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カメラ本体とレンズ鏡筒の両方にNDフィルターが配置されている光学機器において光量の調整をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のカメラシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すカメラ側NDフィルターが光路(光軸)から退避した状態と光路(光軸)に挿入された状態を示す平面図である。
【図3】図1に示すレンズ側NDフィルターが光路(光軸)から退避した状態と光路(光軸)に挿入された状態を示す平面図である。
【図4】図1に示すカメラMPUがNDフィルターを光路に挿入させる際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示すカメラMPUがNDフィルターを光路から退避させる際の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態のカメラシステム(撮像装置、光学機器)のブロック図である。カメラシステムはカメラ本体(撮像装置、光学機器)101と、それに着脱可能(装着可能)に固定される交換レンズ(レンズ鏡筒)102からなる。
【0010】
被写体(物体)からの撮影光束は交換レンズ102の撮影光学系を通り、物体の光学像を光電変換する撮像素子(CCDやCMOS)114面上に結像する。カメラ本体101に設けられたカメラMPU112は露光時間、絞りなどの撮影条件を決定する制御手段である。フォーカルプレーンシャッター115がシャッター駆動回路116により駆動される。撮影光学画像は、撮像素子114によって光電変換され撮像信号となる。
【0011】
本実施形態は、従来の一眼レフカメラに設けられている物体からの光をファインダと焦点検出部に導くメインミラーとサブミラーからなるミラーボックスを除去したミラーレスのレンズ交換式カメラであるが、ミラーボックスを有する光学機器にも適用可能である。また、レンズ鏡筒はカメラ本体に一体であってもよい。
【0012】
113はタイミングジェネレータであり、撮像素子114の蓄積動作、読み出し動作及びリセット動作などを制御する。109は撮像素子114の蓄積電荷ノイズを低減するCDS回路(2重相関サンプリング回路)、110は撮像信号を増幅するゲインコントロール回路である。111は増幅された撮像信号をアナログからデジタルの画像データへ変換するA/D変換器である。
【0013】
108は映像信号処理回路であり、A/D変換器111でデジタル化された画像データに、フィルター処理、色変換処理及びガンマ処理などを行う。映像信号処理回路108で信号処理された画像信号はバッファメモリ105に格納され、LCD106に表示されたり、着脱可能なメモリーカード104に記録されたりする。
【0014】
EVF103は電子ビューファインダーであり、カメラMPU112により制御され、LCD106に表示する内容と同等のものが表示され、ユーザーが接眼部より覗いて使用する。操作部107はユーザーによって操作され、カメラの撮影モードの設定や、記録画像ファイルサイズの設定や、撮影時のレリーズを行うためのスイッチ類である。
【0015】
交換レンズ102に設けられたレンズMPU127は交換レンズ102の各部を制御する他、インターフェース回路117、120を介して、カメラMPU112と通信をして、カメラMPU112によって制御される。カメラMPU112とレンズMPU127との間の通信では、カメラ本体101から交換レンズ102へフォーカス駆動命令を送信したり、カメラ本体101や交換レンズ102内部の動作状態や光学情報などのデータを送受信したりする。
【0016】
カメラ側NDフィルター119は、交換レンズ102とのマウントと撮像素子114との間に位置する第1のNDフィルターである。カメラ側NDフィルター119は、カメラMPU112によって制御されたカメラ側NDフィルター駆動回路118により駆動され、物体からの光が撮像素子114に至るまでに通る光路に挿入および退避可能に構成されている。
【0017】
図2(a)は、カメラ側NDフィルター119が光路(光軸)から退避した状態を示す平面図であり、図2(b)は、カメラ側NDフィルター119が光路(光軸)に挿入された状態を示す平面図である。
【0018】
図2(a)の矢印に示すように、カメラ側NDフィルター119は、水平方向に駆動されることによって光路から挿抜される。図3(b)に示すように、光路に挿入されたカメラ側NDフィルター119は、撮像素子114の全体(少なくとも有効画素領域の全体)を覆うことができる大きさを有している。
【0019】
本実施形態は、単一のカメラ側NDフィルター119が設けられ、その光量を低下させる効果はEV(Exposure Value)値にして1段分であると仮定しているが、カメラ側NDフィルター119の数と効果段数は限定されない。
【0020】
交換レンズ102には、光学像を形成する撮影光学系の一部として、フォーカスレンズ136、ズームレンズ134、像振れ補正用レンズ131、絞り123、NDフィルター122が配置されている。
【0021】
フォーカスレンズ136は、焦点調節時にレンズMPU127からの制御信号によりフォーカス制御回路138及びフォーカスレンズ駆動用モータ137を介して光軸方向に駆動される。ズームレンズ134は、撮影者が不図示のズーム操作環を操作することにより光軸方向に移動される。ズームエンコーダ135はズームレンズ134の移動に応じたゾーンパターン信号を出力する。像振れ補正レンズ131は、像振れ補正制御回路133、リニアモータ132を介して光軸に垂直な方向に駆動される。像振れ補正は、回転振れを検出する角速度センサ128の検出結果が信号処理回路129で処理され、レンズMPU127がそれに基づいて補正レンズ駆動目標信号を算出する。そして、補正レンズ駆動目標信号と補正レンズエンコーダ130から出力される補正レンズ位置信号との差に応じた駆動信号が像振れ補正制御回路133に出力される。スイッチ126は像振れ補正ON/OFFの選択用スイッチである。
【0022】
絞り123は、レンズMPU127からの制御信号により、絞り制御回路125及びステッピングモータ124を介して駆動される。
【0023】
レンズ側NDフィルター122は、交換レンズ102の絞り123の近郊に配置されている第2のNDフィルターであり、レンズMPU127によって制御されたND制御回路121により駆動され、光路に挿入および退避可能に構成されている。
【0024】
図3(a)は、レンズ側NDフィルター122が光路(光軸)から退避した状態を示す平面図であり、図3(b)は、レンズ側NDフィルター122が光路(光軸)に挿入された状態を示す平面図である。
【0025】
図3(a)の矢印に示すように、レンズ側NDフィルター122は、回転駆動されることによって光路に挿抜される。レンズ側NDフィルター122は、挿抜されるスペースを小さくして交換レンズ102の大きさを小さくするために絞り123の開放での開口径よりも小さな面積を持ち、例えば絞り123をF8.0の径より絞った時に光束をすべて覆うように構成されている。F8.0よりも開放側の絞り径ではレンズ側NDフィルター122の挿抜は規制されている。換言すれば、レンズ側NDフィルター122は、絞り123を所定の口径まで絞らないと使用できない。但し、本実施形態は大型のレンズ側NDフィルターにも適用することができる。
【0026】
本実施形態は、単一のレンズ側NDフィルター122が設けられ、その光量を低減する効果はEV値にして1段分であると仮定しているが、レンズ側NDフィルター122の数と効果段数は限定されない。
【0027】
また、絞り123付近に配置されているレンズ側のNDフィルターはゴーストを発生して画質を低下させる虞がある。
【0028】
図4は、カメラMPU112が2つのNDフィルターを光路に挿入させる際の動作を説明するためのフローチャートである。図4において、「S」はステップの略であり、これは図5でも同様である。なお、図4では、動画撮影モードにおいてカメラMPU112がNDフィルターを光路に挿入させる際の動作を示しているが、本実施形態は静止画撮影モードにも適用可能であり、これは図5でも同様である。
【0029】
カメラMPU112は、ユーザーにより動画撮影モードが選択されると動画撮影モードを設定し、ユーザーが動画撮影を継続しなければ(S401のNo)処理を終了する。カメラMPU112は、ユーザーが動画撮影を継続すると判断すると(S401のYes)、撮像素子114と、映像信号処理回路108より得られた画像信号から、自動露出(AE)制御を行う。そして、カメラMPU112は、適正露出よりも被写体が明るいと判断するとレンズMPU127に絞り123を絞るように命令する(S402)。これに応答して、レンズMPU127は、絞り制御回路125とステッピングモータ124を介して所望の口径となるように絞り123を駆動する。
【0030】
次に、カメラMPU112は、レンズMPU127と通信して絞り123を駆動させた時のF値(Fno)が第1の設定値(ここでは、F11)よりも大きいかどうかを判断する(S403)。第1の設定値は、絞り123によって撮像素子114に照射される光が回折することで被写体がボケて写る小絞りによる回折現象が発生するF値よりも小さな値である。カメラMPU112は、F値がF11以下であれば(S403のNo)、S401に戻って絞りを調整する。
【0031】
一方、カメラMPU112は、F値がF11よりも大きければ(S403のYes)、NDフィルターを使用する制御を行う。具体的には、カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が既に光路に挿入されているかどうかを判断し(S404)、挿入されていなければ(S404のNo)、ND制御回路118を介して、これを光路に挿入する(S405)。
【0032】
次いで、カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が挿入されたことによる急激な露出変化を防ぐために、カメラ側NDフィルター119の効果段数分に相当する1段分だけ絞り123を開け(S407)、S401に戻る。
【0033】
次に、カメラMPU112は、撮影を継続し(S401のYes)、再び適正露出よりも被写体が明るいと判断するとレンズMPU127に絞り123を絞るように命令する(S402)。そして、F値がF11よりも大きければ(S403のYes)、カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が既に挿入されているので(S404のYes)、レンズMPU127にレンズ側NDフィルター122を挿入するように命令する(S406)。これに応答して、レンズMPU127は、ND制御回路121を介してレンズ側NDフィルター122を光路に挿入する。
【0034】
次いで、カメラMPU112は、レンズ側NDフィルター122が挿入されたことによる急激な露出変化を防ぐために、レンズ側NDフィルター122の効果段数分に相当する1段分だけ絞り123を開け(S407)、S401に戻る。
【0035】
図5は、カメラMPU112が2つのNDフィルターを光路から退避させる際の動作を説明するためのフローチャートである。
【0036】
まず、カメラMPU112は、動画撮影を継続しなければ(S501のNo)処理を終了し、動画撮影を継続するのであれば(S501のYes)、撮像素子114と、映像信号処理回路108より得られた画像信号からAE制御を行う。そして、カメラMPU112は、適正露出よりも被写体が暗いと判断するとレンズMPU127に絞り123を開放するように命令する(S502)。これに応答して、レンズMPU127は、絞り制御回路125とステッピングモータ124を介して所望の口径となるように絞り123を駆動する。
【0037】
次に、カメラMPU112は、レンズMPU127と通信して絞り123を駆動させた時のF値が第2の設定値(ここでは、F8)よりも小さいかどうかを判断する(S503)。第2の設定値は、図3に示すように、レンズ側NDフィルター122が覆うことが可能な絞り123の最大口径に対応するF値である。カメラMPU112は、F値がF8以上であれば(S503のNo)、S501に戻る。
【0038】
一方、カメラMPU112は、F値がF8よりも小さければ(S503のYes)、レンズMPU127と通信を行い、レンズ側NDフィルター122が光路に挿入中であるかどうかを判断する(S504)。
【0039】
カメラMPU112は、レンズ側NDフィルター122が光路に挿入されていなければ(S504のNo)、カメラ側NDフィルター119が光路に挿入されているかどうかを判断する(S505)。
【0040】
カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が光路に挿入されていないと判断すると(S505のNo)、S501に戻る。一方、カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が光路に挿入されていると判断すると(S505のYes)、絞り123が開放F値に設定されているかどうかを判断する(S506)。
【0041】
絞り123が開放F値に設定されていると判断すると(S506のYes)、これ以上絞りを開けることができないため、カメラMPU112はカメラ側NDフィルター119を光路から退避させる(S507)。次いで、カメラMPU112は、カメラ側NDフィルター119が光路から退避されたことによる急激な露出変化を防ぐために、カメラ側NDフィルター119の効果段数分に相当する1段分だけ絞り123を絞り(S508)、S501に戻る。
【0042】
一方、カメラMPU112は、絞り123が第3の設定値である開放F値に設定されていないと判断した場合には(S506のNo)、S501に戻って絞りを開ける。なお、第3の設定値は第2の設定値よりも小さい値であれば開放F値でなくてもよい。
【0043】
また、カメラMPU112は、レンズ側NDフィルター122が光路に挿入されていると判断すると(S504のYes)、レンズ側NDフィルター122を光路から退避させる(S509)。F値がF8より開放側に動作されると、レンズ側NDフィルター122の有効径よりも絞りの径が大きくなって撮影画像の画質が低下するため、カメラMPU112はレンズMPU127にレンズ側NDフィルター122を光路から退避させるように命令する。次いで、カメラMPU112は、レンズ側NDフィルター122が光路から退避されたことによる急激な露出変化を防ぐために、レンズ側NDフィルター122の効果段数分に相当する1段分だけ絞り123を絞り(S508)、S501に戻る。
【0044】
本実施形態によれば、被写体の明るさと絞り123のF値に応じて、カメラMPU112はカメラ側NDフィルター119とレンズ側NDフィルター122の挿抜を行う。絞り123のF値による制限を受けることのないカメラ側NDフィルターを優先的に用いることによって被写体の明るさの変化による絞り値の変化により、頻繁にNDフィルターが挿抜されることを抑制することができ、ゴーストの発生も低減することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、カメラ側NDフィルター119とレンズ側NDフィルター122の数がそれぞれ一つで、効果段数も等しい場合について説明しているが、これに限定されない。即ち、カメラ側NDフィルター119とレンズ側NDフィルター122の少なくとも一つは低下させる光量が異なる複数のNDフィルターを有してもよい。
【0046】
また、図4では、カメラMPU112は絞り123のF値が第1の設定値よりも大きい場合に(S403のYes)、カメラ側NDフィルター119を光路に挿入させる(S405)。そして、それでも絞り123のF値が第1の設定値よりも大きい場合に(S403のYes)、レンズ側NDフィルター122を光路に更に挿入させる(S406)。しかし、この順番も効果段数が異なれば異なってもよい。
【0047】
例えば、EV値に対応する効果段数が2、4の2つのカメラ側NDフィルター119があり、効果段数が1、3のレンズ側NDフィルター122が設けられた場合、カメラMPU112は効果段数が小さい順番でNDフィルターを光路に挿入してもよい。即ち、本実施形態は、効果段数が等しい場合にはカメラ側NDフィルター119をレンズ側NDフィルター122よりも優先して光路に挿入するが、低下させる光量が小さいNDフィルターを低下させる光量が大きいNDフィルタよりも先に光路に挿入させてもよい。その場合、レンズMPU127は、カメラMPU112にレンズ側NDフィルター122の効果段数の情報を送信してカメラMPU112はカメラシステム全体のNDフィルターの効果段数を把握する処理を初期動作として行う。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
光学機器はカメラの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
101…カメラ本体、102…交換レンズ、112…カメラMPU(制御手段)、114…撮像素子、119…カメラ側NDフィルター、122…レンズ側NDフィルター、123…絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の光学像を光電変換する撮像素子と、
前記物体からの光が前記撮像素子に至るまでに通る光路に挿入および退避可能に構成された第1のNDフィルターと、
光量を調節する絞りのF値が第1の設定値よりも大きい場合に前記第1のNDフィルターを前記光路に挿入させ、それでも前記絞りのF値が前記第1の設定値よりも大きい場合に、前記光路に挿入および退避可能に前記第1のNDフィルターよりも前記絞りの近くに配置された第2のNDフィルターを前記光路に更に挿入させる制御手段と、
を有することを特徴とする光学機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のNDフィルターを前記光路に挿入すると前記第1のNDフィルターが低下させる光量に相当する分だけ前記絞りを開けることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2のNDフィルターを前記光路に挿入すると前記第2のNDフィルターが低下させる光量に相当する分だけ前記絞りを開けることを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記第1の設定値は小絞りによる回折現象が発生するF値よりも小さな値であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項5】
前記第1のNDフィルターと前記第2のNDフィルターの少なくとも一つは低下させる光量が異なる複数のNDフィルターを有し、前記制御手段は、低下させる光量が小さいNDフィルターを低下させる光量が大きいNDフィルターよりも先に前記光路に挿入させることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2のNDフィルターが覆うことが可能な前記絞りの最大口径に対応するF値である第2の設定値よりも小さい場合に、前記第2のNDフィルターを前記光路から退避させ、それでも前記絞りのF値が前記第2の設定値よりも小さい第3の設定値となった場合に前記第1のNDフィルターを前記光路から退避させることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2のNDフィルターを前記光路から退避させると前記第2のNDフィルターが低下させる光量に相当する分だけ前記絞りを絞ることを特徴とする請求項6に記載の光学機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1のNDフィルターを前記光路から退避させると前記第1のNDフィルターが低下させる光量に相当する分だけ前記絞りを絞ることを特徴とする請求項6または7に記載の光学機器。
【請求項9】
前記制御手段は動画撮影モードにおいて前記第1のNDフィルターと前記第2のNDフィルターを挿入することを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項10】
前記光学機器は、カメラ本体と前記カメラ本体に装着可能な交換レンズとを含み、
前記撮像素子および前記第1のNDフィルターは前記カメラ本体に設けられ、前記絞りおよび前記第2のNDフィルターは前記交換レンズに設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学機器。
【請求項11】
前記第1のNDフィルターは前記撮像素子の有効画素領域よりも大きく、前記第2のNDフィルターは前記絞りの開放での開口よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の光学機器。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−54123(P2013−54123A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190934(P2011−190934)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】