説明

光学活性なヒドロキシ化合物の製法

【課題】収率及び光学純度が高い光学活性なヒドロキシ化合物の製法を提供する。
【解決手段】光学活性なシッフ塩基の存在下、アルデヒド化合物とジアルキル亜鉛とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(4)


(式中、Rは置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基、Rはアルキル基、*は、不斉炭素原子を示す。)で示される光学活性なヒドロキシ化合物の製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性なヒドロキシ化合物の新規な製法に関する。光学活性なヒドロキシ化合物、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来、光学活性なシッフ塩基を用いて、アルデヒド化合物とジアルキル亜鉛とを反応させて、光学活性なヒドロキシ化合物を製造する方法としては、例えば、光学活性なシッフ塩基(イミン結合の炭素上には置換基はない)及びチタンテトライソプロポキシドの存在下、ベンズアルデヒドとジエチル亜鉛とを反応させて、光学活性な1-フェニル-1-ブチルアルコールを得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、チタンテトライソプロポキシドを使用しなければならない上に、目的物の光学純度が必ずしも高いものではなく、又、脂肪族アルデヒドへの適用については何ら言及されていなかった。更に、(-)-3-エキソ-(ジメチルアミノ)イソボルネオールの存在下、種々のアルデヒド化合物とジエチル亜鉛とを反応させて、光学活性なヒドロキシ化合物を得る方法が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、使用する光学活性な配位子の合成が困難である上に、アルデヒド化合物としてn-ヘプタナ−ル(脂肪族アルデヒド)を使用した場合には、目的物の光学収率が悪くなるという問題点があった。
【非特許文献1】Synlett.,1441(1998)
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc.,108,6071(1986)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、収率及び光学純度が高い光学活性なヒドロキシ化合物の製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題は、一般式(1)
【0005】
【化1】

(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示し、R及びRは、炭化水素基を示す。又、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性なシッフ塩基の存在下、一般式(2)
【0006】
【化2】

(式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基(縮合していても良い)を示す。)
で示されるアルデヒド化合物と一般式(3)
【0007】
【化3】

(式中、Rは、アルキル基を示す。)
で示されるジアルキル亜鉛とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(4)
【0008】
【化4】

(式中、R及びRは、相異なって、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性なヒドロキシ化合物の製法によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、収率及び光学純度が高い光学活性なヒドロキシ化合物の製法を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の反応において使用するアルデヒド化合物は、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基である。なお、複素環基は縮合していても良い。炭化水素基の炭素数は、一般に1〜30、特に1〜20である。炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロアルキル基、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;アルケニル基、特に、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルケニル基;アルキニル基、特に、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルキニル基;アラルキル基、特に、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アリール基、特に、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
【0011】
又、複素環基(縮合していても良い)における複素原子の例は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子である。複素環の環原子数は一般に3〜18である。複素環基の炭素数は、2〜25、例えば3〜20、特に4〜15である。複素環基としては、具体的には、例えば、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ピペリジル基、モルホニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
【0012】
前記の炭化水素基及び複素環基は、置換基を有していても良い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、硫黄原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0013】
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、アルキル基、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロアルキル基、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;アルケニル基、特に、ビニル基、アリル基、プロペニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等の炭素数2〜6の直鎖、分岐鎖または環状アルケニル基;複素環基、特に、キノリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の少なくとも1つの酸素原子、窒素原子または硫黄原子を有する環原子数3〜18の複素環基;アリール基、特に、フェニル基、トリル基、フルオロフェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等の炭素数6〜20のアリール基;アシル基(アセタール化されていても良い)、特に、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基等の炭素数1〜20のアシル基;カルボキシル基;アルコキシカルボニル基、特に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基、特に、フェノキシカルボニル基等の炭素数7〜21のアリールオキシカルボニル基;ハロゲン化アルキル基、特に、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖のハロゲン化(例えば、フッ化、塩化、臭化またはヨウ化)アルキル基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0014】
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルコキシル基;ベンジルオキシル基等の炭素数7〜15のアラルキルオキシル基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、ナフチルオキシル基等の炭素数6〜20のアリールオキシル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0015】
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の炭素数1〜20の第一アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホニルアミノ基等の炭素数2〜20の第二アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジノ基、インドリル基等の炭素数5〜20の複素環式アミノ基;イミノ基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0016】
前記硫黄原子を介して出来る置換基としては、例えば、メルカプト基;チオメトキシル基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基等の炭素数1〜20のチオアルコキシル基;チオフェノキシル基、チオトルイルオキシル基、チオナフチルオキシル基等の炭素数6〜20のチオアリールオキシル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
【0017】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0018】
本発明の反応において使用するジアルキル亜鉛は、前記の一般式(3)で示される。その一般式(3)において、Rは、アルキル基(一般に炭素数1〜20)であるが、好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
【0019】
前記ジアルキル亜鉛の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは1〜5モル、更に好ましくは2〜3モルである。
【0020】
本発明の光学活性なシッフ塩基は、一般式(1)
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、R、R、R及び*は、前記と同義である。)
で示される。
【0023】
その一般式(1)において、Rは、水素原子又は炭化水素基(炭素数は一般に1〜30、特に1〜20)である。炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖アルキル基;シクロアルキル基、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;アルケニル基、特に、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルケニル基;アルキニル基、特に、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖アルキニル基;アラルキル基、特に、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アリール基、特に、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
【0024】
又、R及びRは、炭化水素基であるが、前記のRで示したものと同義である。なお、*は、不斉炭素原子を示す。
【0025】
前記光学活性なシッフ塩基の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは0.5〜100ミリモル、更に好ましくは0.8〜70ミリモルである。
【0026】
なお、光学活性なシッフ塩基は、反応工程式(1)
【0027】
【化6】

【0028】
(式中、R、R、R及び*は、前記と同義であり、Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示されるように、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド化合物を、グリニャ−ル試薬を用いて(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)メタノール化合物とした後、これを酸化して3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-ケトベンゼン化合物とし、次いで、これに光学活性ロイシノール化合物を反応させて得られる化合物である。
【0029】
シッフ塩基製造のこれら反応は、反応に悪影響しない以下に例示するような溶媒の存在下または不存在下に行ってよい。グリニャ−ル試薬を用いる反応において、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド化合物1モルに対してグリニャ−ル試薬2〜3モルであり、反応温度は0〜80℃、反応時間は1〜24時間であってよい。酸化反応において、金属触媒、特にパラジウム触媒、例えばパラジウム炭素を(例えば、(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)メタノール化合物100重量部に対して5〜50重量部)用いることが好ましく、エチレン雰囲気が好ましく、反応温度は50〜120℃、反応時間は 1〜48時間であってよい。光学活性ロイシノール化合物を用いる反応において、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-1-ケトベンゼン化合物1モルに対して光学活性ロイシノール化合物1〜1.1モルであり、反応温度は80〜150℃、反応時間は1〜48時間であってよい。
【0030】
本発明の反応において使用する光学活性シッフ塩基のうち、以下の置換基を有するものは新規な化合物である。
【0031】
【化7】

【0032】
(式中、R、R及びRは、以下のいずれかの場合である。
(1)R=水素原子、R及びRは、同一又は異なっていても良い炭化水素基、
(但し、R=水素原子、R=フェニル基、R=イソプロピル基を除く)
(2)R=t-ブチル基、R=α-ナフチル基、R=t-ブチル基)
【0033】
本発明において使用する酸としては、無機酸および有機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられるが、好ましくは塩酸、硫酸などの無機酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0034】
前記酸の使用量は、アルデヒド化合物1モルに対して、好ましくは3〜100モル、更に好ましくは10〜30モルである。
【0035】
本発明の反応は溶媒の存在下又は非存在下において行われるが、溶媒を使用する場合には、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類(分岐状及び環状のものも含む);塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素類(分岐状及び環状のものも含む);ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類が挙げられるが、好ましくは脂肪族炭化水素類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0036】
前記溶媒の使用量は、反応の均一性や攪拌性により適宜調節するが、アルデヒド化合物1gに対して、一般に1〜300g、好ましくは10〜100g、更に好ましくは15〜60gである。
【0037】
本発明は、例えば、反応工程式(2)
【0038】
【化8】

【0039】
(式中、R、R、R、R、R及び*は、前記と同義である。なお、nは、1又は2である。)
で示されるように、光学活性なシッフ塩基の存在下、ジアルキル亜鉛及びアルデヒド化合物を反応させた後に、反応混合物を酸で処理する等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは-70〜30℃、更に好ましくは-50〜25℃、特に好ましくは-40〜15℃である。反応は一般に液相で行われ、反応圧力は特に制限されない。反応時間は特に限定されないが、ジアルキル亜鉛を反応させる時間は0.1〜2時間であり、アルデヒド化合物を反応させる時間は1〜48時間であり、酸で処理する時間は0.1〜1時間である。
【0040】
なお、本発明の好ましい態様としては、光学活性シッフ塩基とジアルキル亜鉛(配位子に対して過剰量)とを反応させて亜鉛錯体を形成後、アルデヒド化合物を加えて、残存するジアルキル亜鉛と反応させた後に、酸で処理することによって光学活性なヒドロキシ化合物を得ることである。
【0041】
本発明によって光学活性なヒドロキシ化合物が得られるが、これは、例えば、加水分解、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
【0042】
なお、本発明の光学活性シッフ塩基とジアルキル亜鉛とを反応させて得られる亜鉛錯体は、一般式(5)
【0043】
【化9】

【0044】
(式中、R、R、R、*及びnは、前記と同義である。)
で示される新規な化合物である。
【0045】
亜鉛錯体は、一量体または二量体である。一量体(左側の化学式)および二量体(右側の化学式)は、次のような化学構造を有すると考えられる。
【0046】
【化10】

【実施例】
【0047】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、本発明の反応によって得られる光学活性ヒドロキシ化合物の光学純度は、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより、以下の条件で測定した。
【0048】
カラム:CHIRALPAK OD-H(ダイセル社製)
溶媒 :ヘキサン/2-プロパノール(=97.5/2.5(容量比))
流速 :1.0ml/min.
波長 :254nm
【0049】
合成例1(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積500mlのナスフラスコに、2-t-ブチルフェノール25.0g(166mmol)、純度92.3%のパラホルムアルデヒド16.2g(16.6mmol)、4-ピコリン6.18g(66.3mmol)及びトルエン300mlを加え、アルゴン雰囲気にて、攪拌しながら95℃で6時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却し、デカンテーションにより反応液下層の油状物を除去した。上澄み部分を1mol/l塩酸60mlにて2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮した後、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル(=100/3(容量比)))により精製し、無色液体として、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド13.1gを得た(単離収率;44%)。
【0050】
合成例2((3-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメタノールの合成)
攪拌装置、滴下装置及び還流冷却器を備えた内容積100mlのナスフラスコに、マグネシウム片1.0g(16.5mmol)及びテトラヒドロフラン15mlを加え、窒素雰囲気にて、ブロモベンゼン6.5g(41.3mmol)をゆるやかに滴下し、フェニルマグネシウムブロマイドを調製した。次いで、合成例1で合成した3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド2.9g(16.5mmol)を攪拌しながら0℃でゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で1時間、80℃で15分間反応させた。反応終了後、反応液を0℃まで冷却し、1mol/l塩酸50mlをゆるやかに加え、反応液を酸性とした。得られた反応液をジエチルエーテル50mlにて3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル(=25/1(容量比)))により精製し、無色液体として、(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメタノール4.1gを得た(単離収率;97%)。
【0051】
合成例3(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾフェノンの合成)
攪拌装置を備えた内容積25mlのアンプル管に、10質量%パラジウム炭素1.17g、合成例2で合成した(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメタノール3.9g(15.2mmol)及びアセトニトリル20mlを加え、エチレン雰囲気にて、攪拌しながら100℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過して濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)により精製し、黄色液体として、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾフェノン3.2gを得た(単離収率;83%)。
【0052】
製造例1([R=水素原子、R=フェニル基、R=t-ブチル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-フェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノールの合成)
攪拌装置及び還流冷却器を備えた内容積100mlのナスフラスコに、合成例3で合成した3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンゾフェノン1.9g(7.4mmol)、L-tert-ロイシノール1.0g(8.5mmol)、硫酸ナトリウム2.0g(14.2mmol)及びトルエン10mlを加え、攪拌しながら115℃で24時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過して濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル(=15/1(容量比)))により精製し、黄色固体として、(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-フェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノール2.4gを得た(単離収率;92%)
なお、(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-フェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノールは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
【0053】
融点;143℃
比旋光度;[α]29D -44.2°(c 1.0,CHCl3)
IR(KBr法,νmax(cm-1));3476、2960、1593、1442、1324、1288、1254、1214、1141、919、752、706
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.93(s,9H)、1.48(s,9H)、2.04(s,1H)、3.25(dd,1H,J=7.99,4.00Hz)、3.86〜3.82(m,2H)、6.60(dd,2H,J=20.78,7.59Hz)、7.45〜7.17(m,6H)、16.23(s,1H)
13C-NMR(CDCl3,δ(ppm));27.1、29.5、33.9、35.0、63.5、70.9、128.0、128.2、128.3、128.6、129.0、129.4、130.3、134.5、137.9、163.0、175.9
【0054】
又、合成例1〜3および製造例1と同様な方法で、以下のような種々の光学活性シッフ塩基を合成した。
【0055】
比較製造例1([R=t-ブチル基、R=水素原子、R=イソプロピル基];(S)-2-[N-(2-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルサリチリデン)-アミノ]-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;89%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.94(d,3H,J=6.7Hz)、0.96(d,3H,J=6.7Hz)、1.31(s,9H)、1.45(s,9H)、1.60(brs,1H)、1.90(m,1H)、3.00(m,1H)、3.80(m,2H)、7.14(s,1H)、7.41(s,1H)、8.38(s,1H)、13.5(brs,1H)
【0056】
製造例2([R=t-ブチル基、R=フェニル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;83%
【0057】
製造例3([R=t-ブチル基、R=4-t-ブチルフェニル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-(4-tert-ブチルフェニル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;62%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.87(d,3H,J=7.1Hz)、0.93(d,3H,J=7.1Hz)、1.38(s,9H)、1.48(s,9H)、1.78〜1.88(m,1H)、3.29〜3.41(m,1H)、3.71〜3.84(m,2H)、6.60(d,1H,J=2.7Hz)、7.36(d,1H,J=2.7Hz)、7.09〜7.54(m,4H)、16.0(brs,1H)
【0058】
製造例4([R=t-ブチル基、R=α-ナフチル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-(1-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;56%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.78(d,3H,J=7.1Hz)、0.91(s,9H)、1.22(d,3H,J=7.1Hz)、1.58(s,9H)、1.88〜2.02(m,1H)、3.02〜3.19(m,1H)、3.61〜3.79(m,2H)、6.45(d,1H,J=2.7Hz)、7.21〜8.04(m,8H)、16.0(brs,1H)
【0059】
製造例5([R=t-ブチル基、R=β-ナフチル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-(2-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;78%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.69〜0.92(m,6H)、1.05(s,9H)、1.40(s,9H)、1.79〜1.92(m,1H)、3.18〜3.30(m,1H)、3.68〜3.79(m,2H)、6.68(d,1H,J=2.7Hz)、7.39(d,1H,J=2.7Hz)、7.22〜8.01(m,7H)、16.0(brs,1H)
【0060】
比較製造例2([R=水素原子、R=水素原子、R=イソプロピル基];(S)-2-[N-(2-ヒドロキシ-3'-tert-ブチルサリチリデン)-アミノ]-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;98%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.94(d,3H,J=3.2Hz)、0.96(d,3H,J=3.2Hz)、1.44(s,9H)、1.79(brs,1H)、1.94(m,1H)、3.02(m,1H)、3.79(m,2H)、6.83(m,1H)、7.14(m,1H)、7.34(m,1H)、8.35(s,1H)、13.8(brs,1H)
【0061】
製造例6([R=水素原子、R=フェニル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;94%
【0062】
製造例7([R=水素原子、R=4-t-ブチルフェニル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-(4-tert-ブチルフェニル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;76%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.87(d,3H,J=6.8Hz)、0.95(d,3H,J=6.8Hz)、1.38(s,9H)、1.48(s,9H)、1.60(brs,1H)、1.89〜1.94(m,1H)、3.29〜3.34(m,1H)、3.74〜3.80(m,2H)、6.55(m,1H)、6.66(d,1H,J=7.1Hz)、7.05〜7.21(m,2H)、7.27(d,1H,J=9.8Hz)、7.45(d,1H,J=8.1Hz)、16.3(brs,1H)
【0063】
製造例8([R=水素原子、R=α-ナフチル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-(1-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;60%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.88(m,6H)、1.29(m,1H)、1.51(s,9H)、1.94(s,9H)、3.06(m,1H)、3.71(m,2H)、6.49(m,2H)、7.25〜7.68(m,6H)、7.93(m,2H)、16.3(s,1H)
【0064】
製造例9([R=水素原子、R=β-ナフチル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-(2-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;82%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.92(d,9H,7.59Hz)、1.50(s,9H)、3.27〜3.33(m,1H)、3.84(s,2H)、6.52(dd,1H,J=7.99,7.99Hz)、6.63(dd,1H,J=8.39,5.20Hz)、7.94〜7.24(m,9H)、7.82(s,1H)
【0065】
製造例10([R=水素原子、R=メチル基、R=イソプロピル基];(S)-2-{N-[1-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-エチリデン]-アミノ}-3-メチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;52%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.98(m,6H)、1.26〜1.28(m,1H)、1.44(s,9H)、1.97〜2.02(m,1H)、2.41(s,3H)、3.73〜3.90(m,3H)、6.73(dd,1H,J=6.8,7.3Hz)、7.33(d,1H,J=6.8Hz)、7.46(d,1H,J=7.3 Hz)、16.8(s,1H)
【0066】
比較製造例3([R=水素原子、R=水素原子、R=t-ブチル基];(S)-2-[N-(2-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルサリチリデン)-アミノ]-3,3-ジメチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;99%
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.99(s,9H)、1.34(d,1H,J=8.34,4.00Hz)、1.44(s,9H)、2.94(dd,1H,J=9.19,2.80)、3.77(ddd,1H,J=10.79,10.79,4.00Hz)、3.94(ddd,1H,J=8.39,8.39,2.80)、6.84(dd,1H,J=7.99,7.99Hz)、7.16(dd,1H,J=7.59,1.6Hz)、7.34(dd,1H,J=7.59,1.60Hz)、8.36(s,1H)、13.82(s,1H)
【0067】
製造例11([R=水素原子、R=β-ナフチル基、R=t-ブチル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)-(2-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;63%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.92(s,9H)、1.45(s,1H)、1.50(s,9H)、3.27〜3.33(m,1H)、3.84(m,2H)、6.52(dd,1H,J=7.99,7.99Hz)、6.63(dd,1H,J=8.4,5.2 Hz)、7.24〜7.94(m,9H)、16.27(s,1H)
【0068】
製造例12([R=t-ブチル基、R=α-ナフチル基、R=t-ブチル基];(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-(1-ナフチル)-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノールの合成)
最終工程の単離収率;63%
なお、本化合物は新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.85(s,9H)、0.89(s,9H)、1.26(m,1H)、1.52(s,9H)、3.17(m,1H)、3.88(m,2H)、7.26〜7.75(m,7H)、7.89〜7.97(m,2H)、16.1(br s,1H)、0.91(s,9H)、1.00(s,9H)、1.27(m,1H)、1.52(s,9H)、3.04(m,1H)、3.72(m,2H)、6.44(m,2H)、7.26〜7.75(m,5H)、7.89〜7.97(m,2H)、16.1(br s,1H)
【0069】
実施例1([R=水素原子、R=フェニル基、R=t-ブチル基、R=フェニル基、R=エチル基];光学活性な1-フェニル-1-プロパノールの合成)
攪拌装置を備えた内容積25mlのアンプル管に、(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-フェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノール6.6mg(0.019mmol)及びヘキサン4mlを加えた。当該混合液を-40℃で攪拌しながら、アルゴン雰囲気にて、ジエチル亜鉛0.4ml(3.9mmol)を加え、0℃で30分間攪拌して、亜鉛錯体を形成させた。次いで、-40℃まで冷却し、ベンズアルデヒド200mg(1.9mmol)を加え、0℃で攪拌しながら24時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をジエチルエーテルに溶解させ、氷水で冷却した1mol/l塩酸20ml中に加えた後、ジエチルエーテル10mlで3回抽出した。得られた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=15/1(容量比))した。次いで、得られた液体を減圧下で蒸留し、無色透明液体として、光学活性な1-フェニル-1-プロパノール225.1mgを得た(単離収率;88%、光学収率;96%ee(R))。
【0070】
実施例2〜25及び比較例1〜3(光学活性なヒドロキシ化合物の合成)
実施例1において、アルデヒド化合物、配位子及び配位子量(アルデヒド化合物に対して)を変えたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
製造例13([R=水素原子、R=フェニル基、R=t-ブチル基];亜鉛錯体(触媒活性種)の合成)
攪拌装置を備えた内容積5mlのアンプル管に、(S)-2-{N-[(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-フェニル)-フェニル-メチレン]-アミノ}-3,3-ジメチル-1-ブタノール40mg(0.115mmol)、ジエチル亜鉛0.012ml(0.117mmol)及びn-ヘキサン2mlを混合し、アルゴン雰囲気にて、攪拌しながら0℃で30分間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、黄色固体として、亜鉛錯体を得た。
当該亜鉛錯体は、以下の物性値で示される新規な化合物である。
【0073】
1H-NMR(C6D6,δ(ppm));1.09(s,9H)、1.66(s,9H)、3.43(d,1H,J=6.40Hz)、4.13(dd,1H,J=10.40,6.40Hz)、4.32(d,1H,J=10.40Hz)、6.50(t,1H,J=7.60Hz)、6.73(dd,1H,J=7.60Hz,2.00Hz)、7.04(t,1H,J=7.20Hz)、7.11(t,2H,J=7.60Hz)、7.27(dd,1H,J=7.60Hz,2.00Hz)、7.37(d,2H,J=7.60Hz)
なお、光学活性なシッフ塩基の水酸基に相当する、0.7ppm付近(アミノアルコール由来の水酸基のプロトン)及び16ppm付近(ベンゼン環に結合している水酸基のプロトン)のピークは完全に消失していた。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、光学活性なヒドロキシ化合物の新規な製法に関する。光学活性なヒドロキシ化合物は、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示し、R及びRは、炭化水素基を示す。又、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性なシッフ塩基の存在下、一般式(2)
【化2】

(式中、Rは、置換基を有していても良い炭化水素基又は複素環基を示す。なお、複素環基は縮合していても良い。)
で示されるアルデヒド化合物と一般式(3)
【化3】

(式中、Rは、アルキル基を示す。)
で示されるジアルキル亜鉛とを反応させた後に、反応混合物を酸で処理することを特徴とする、一般式(4)
【化4】

(式中、R及びRは、相異なって、前記と同義であり、*は、不斉炭素原子を示す。)
で示される光学活性なヒドロキシ化合物の製法。
【請求項2】
一般式(1)
【化5】

(式中、R、R及びRは、以下のいずれかの場合である。
(1)R=水素原子、R及びRは、同一又は異なっていても良い炭化水素基、
(但し、R=水素原子、R=フェニル基、R=イソプロピル基を除く)
(2)R=t-ブチル基、R=α-ナフチル基、R=t-ブチル基)
で示される光学活性なシッフ塩基。
【請求項3】
光学活性シッフ塩基とジアルキル亜鉛との反応によって生成する、一般式(5)
【化6】

(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示し、R及びRは、炭化水素基を示す。又、*は、不斉炭素原子を示し、nは、1又は2である。)
で示される光学活性シッフ塩基を配位子とする新規な亜鉛錯体。

【公開番号】特開2007−297285(P2007−297285A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123812(P2006−123812)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月28日 社団法人日本化学会主催の「第86春季年会」において文書をもって発表平成18年3月13日 社団法人日本化学会発行の「日本化学会第86春季年会2006年 講演予稿集 II」に発表
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】