説明

光学部品

【課題】カメラ機構の制限や装着レンズの制限などがない状態で、レンズ交換式のデジタルカメラにおける固体撮像素子の受光領域における異物付着の問題が、抑制できるようにする。
【解決手段】光学部品101は、水晶からなる光学ローパスフィルター111及び赤外カットフィルター112から構成され、かつ、表面に形成された異物付着防止膜113を備える。異物付着防止膜113は、フッ素シロキサンやパーフルオロアルキル基を含むパーフルオロアルキルシランなど、フッ素を含む材料から構成された薄膜である。従って、光学部品101の最表面は、表面自由エネルギーがより低い状態となり、表面への異物の付着が抑制され、また、表面に付着した異物が脱離しやすい状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子が用いられたレンズ交換式のデジタルカメラなどに用いられる光学ローパスフィルターから構成された光学部品に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(電荷転送素子)などの固体撮像素子を、銀塩フィルムの代わりに用いて静止画を記録するデジタルカメラが、普及してきている。デジタルカメラでは、固体撮像素子に画像を結像させて得られた画像データをフラッシュメモリなどに記録する。このため、従来では、消耗品として用いられてきたフィルムが不要になる。また、デジタルカメラでは、搭載されているモニターにより、撮影した画像の確認が容易に行える。これらのことにより、銀塩フィルムを用いた写真撮影に比較し、写真撮影が高効率に行える。
【0003】
このような特徴を備えたデジタルカメラにおいて、多くの種類のレンズが利用できるレンズ交換式のデジタルカメラが、報道写真の撮影や商用写真の撮影において多用されるようになっている。レンズ交換式のカメラとしては、図7に示すような一眼レフタイプのカメラが一般的である。図7に示す一眼レフタイプのデジタルカメラについて簡単に説明すると、カメラ本体701のマウント部に着脱可能な交換レンズ702が固定されている。
【0004】
交換レンズ702の光学系を透過した光束は、ミラー703に入射し、ここで反射した光束がファインダーへと導かれる。ファインダーへと導かれた光束は、ピント板に被写体像を結像し、撮影者はペンタプリズム704及び接眼レンズ705を介してこのピント板上の被写体像を観察可能とされている。ミラー703はミラー保持枠に接着固定され、ヒンジ軸によって回転可能に軸支されている。ミラー703の後方には、フォーカルプレーン形式のシャッター機構706が配置されている。シャッター機構706のシャッター幕707は、通常では閉じた状態となっている。
【0005】
シャッター機構706の後方には、光学ローパスフィルター及び赤外線カットフィルターが一体に形成された光学フィルター708を介し、固体撮像素子709が配置されている。撮影時には、ミラー703がファインダー側へ跳ね上がり、シャッター幕707が開き、交換レンズ702の光学系を透過した光束が、光学フィルター708を通して固体撮像素子709の受光面に入射する状態となる。レンズ交換式のカメラでは、レンズ側に組み込まれるレンズシャッターの形態をとることが容易ではないため、一般には、受光部の直前に配置されるフォーカルプレーンシャッターが用いられる。
【0006】
このような構成とされているレンズ交換式のデジタルカメラでは、空気中に浮遊している塵やホコリなどの異物付着による画質の低下が問題となっている。例えば、光学フィルター708の表面に異物が付着すると、この箇所では、付着している異物により遮光されるため、固体撮像素子709は、入射してきた光像を正確に受光できない。この結果、得られた画像データにおいては、異物付着の箇所に対応して、黒点やシミなどが写し込まれた状態となる。また、上記異物による問題は、異物が付着している間は解消されないため、使用者が気付かずに撮影している場合、多くの撮影画像データについて影響を与えることになる。
【0007】
このような異物付着による問題を解消するために、交換レンズのマウント部とシャッター機構との間に保護ガラスを設けてゴミの侵入を防ぎ、固体撮像素子の受光面やこれに対応する光学フィルターの面へのゴミ付着を抑制する技術が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0008】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【特許文献1】特開2000−241869号公報
【特許文献2】特開2002−90842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、シャッター機構の摺動部より削りくずが発生する場合もあり、上述した従来技術では、このような異物の受光領域への付着が防げない。また、上述した従来の技術では、ミラーの可動領域に制約が発生し、また、レンズ最終面から撮像面までの距離が短いレンズが装着できなくなるなど、カメラ本体の設計に制限が発生する。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、カメラ機構の制限や装着レンズの制限などがない状態で、レンズ交換式のデジタルカメラにおける固体撮像素子の受光領域における異物付着の問題が、抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る光学部品は、例えば光学ローパスフィルターとなる複屈折板と、この第1主面側に形成されてフッ素を含む材料から構成された異物付着防止膜とから少なくとも構成され、異物付着防止膜は、最表面に形成されているようにしたものである。フッ素化合物である異物付着防止膜が形成されているようにした光学部品の最表面は、表面自由エネルギーがより低い状態となる。
【0012】
上記光学部品において、複屈折板の第1主面側に接して形成された赤外カットフィルターを備え、異物付着防止膜は、赤外カットフィルターの第1主面側の面に形成されているようにしてもよい。また、複屈折板の第1主面と反対側の第2主面側に接して形成された反射防止膜を備えるようにしてもよい。また、第2主面側の最表面に第2の異物付着膜が形成されていてもよい。
【0013】
また、上記光学部品において、複屈折板の第1主面に接して形成された反射防止膜を備え、異物付着防止膜は、反射防止膜の第1主面側の面に形成されているようにしてもよい。この場合、異物付着防止膜が、反射防止膜を構成している第1主面側の最表面に配置されたフッ素を含む材料から構成された薄膜とすることが可能である。例えば、反射防止膜は、酸化アルミニウム層,酸化ジルコニウム層,フッ化マグネシウム層が、この順に複屈折板側より積層されて構成され、異物付着防止膜は、反射防止膜を構成しているフッ化マグネシウム層であればよい。これらの場合においても、第2主面側の最表面に第2の異物付着膜が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、例えば光学ローパスフィルターとなる複屈折板から構成されている光学部品の最表面に、フッ素を含む材料から構成された異物付着防止膜を備えるようにしたので、カメラ機構の制限や装着レンズの制限などがない状態で、レンズ交換式のデジタルカメラにおける固体撮像素子の受光領域における異物付着の問題が、抑制できるようになるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における光学部品101の構成例を模式的に示す断面図である。光学部品101は、水晶からなる光学ローパスフィルター111及び赤外カットフィルター112から構成され、かつ、表面に形成された異物付着防止膜113を備えるようにしたものである。赤外カットフィルター112は、光学ローパスフィルター111の表面側に接して形成されている。なお、「表面」とは、図1の紙面上側を示し、異物付着防止膜113が形成されている側の面(第1主面)を示している。
【0016】
光学ローパスフィルター111は、水晶やニオブ酸リチウムなどから構成された所定の板厚の複屈折板であり、よく知られているように、固体撮像素子を用いた撮像装置における色モアレを低減するために用いる光学フィルターである。一般に、デジタルカメラで用いられている固体撮像素子では、色フィルターアレイを用いてカラー画像を得るようにしている。このような固体撮像素子では、色フィルターアレイのピッチ相当の高い空間周波数成分の信号が入力されると、これが色信号として検波されて偽色信号が発生する。偽色信号が発生すると、撮影したカラー画像は著しく劣化する。また、CCD撮像素子やMOS撮像素子などの固体撮像素子では、光電変換を行う各画素がディスクリートな形で分離しているため、明暗の周期が各画素のピッチの1/2以下の高い空間周波数成分が入ってくると、高周波成分の折り返し像が低周波成分として出力される偽解像信号が発生し、撮影した像の解像度を低下させる要因となっている。
【0017】
以上のような撮像素子における問題を避けるために、光学ローパスフィルターが用いられ、高い空間周波数成分を抑えることにより像を故意にぼかすようにしている。光学ローパスフィルターとしては、水晶などの複屈折を有する結晶板(複屈折板)が主に用いられている。複屈折を有する結晶板を用いる光学ローパスフィルターは、光像の異常光を常光から画素間の距離に対応する距離だけずらして結像させることで光像をぼかし、上記問題の発生原因となる高周波成分をカットするようにしている。このように、デジタルカメラにおいては、光学部品として複屈折を有する結晶板が必須な部品となっている。
【0018】
赤外カットフィルター112は、例えば、酸化チタン(TiO2)の薄膜と酸化シリコン(SiO2)の薄膜とが複数回(28回)積層されたものであり、固体撮像素子を用いた撮像装置における赤外線による問題を解消するものである。この積層膜は、一般にガラス基板の表面に形成されて用いられる。なお、赤外カットフィルター112は、赤外線を吸収するガラス(IRガラス)から構成されていてもよい。なお、上記積層膜を用いる赤外カットフィルター112は、可視光域においては反射防止膜としても機能する。
【0019】
異物付着防止膜113は、フッ素シロキサンやパーフルオロアルキル基を含むパーフルオロアルキルシランなど、フッ素を含む材料から構成された薄膜である。このように構成された光学部品101によれば、表面に上記材料からなる異物付着防止膜113が形成されているため、光学部品101の最表面は、表面自由エネルギーがより低い状態となり、表面への異物の付着が抑制され、また、表面に付着した異物が脱離しやすい状態となっている。
【0020】
上記構成とした光学部品101は、例えば、図2に示すように、デジタルカメラの固体撮像素子209の前面に配置される。図2に示すデジタルカメラは、カメラ本体201のマウント部に着脱可能な交換レンズ202が固定される、一眼レフタイプのデジタルカメラである。この形式のデジタルカメラでは、交換レンズ202の光学系を透過した光束は、ミラー203に入射し、ここで反射した光束がファインダーへと導かれる。
【0021】
ファインダーへと導かれた光束は、ピント板に被写体像を結像し、撮影者はペンタプリズム204及び接眼レンズ205を介してこのピント板上の被写体像を観察可能とされている。ミラー203はミラー保持枠に接着固定され、ヒンジ軸によって回転可能に軸支されている。ミラー203の後方には、フォーカルプレーン形式のシャッター機構206が配置されている。シャッター機構206のシャッター幕207は、通常では閉じた状態となっている。
【0022】
シャッター機構206の後方には、光学部品101を介し、固体撮像素子209が配置されている。光学部品101は、異物付着防止膜113の形成されている表面がシャッター機構206の側を向くように配置され、光学部品101を介してシャッター機構206側と固体撮像素子209側とを隔離している。撮影時には、ミラー203がファインダー側へ跳ね上がり、シャッター幕207が開き、交換レンズ202の光学系を透過した光束が、光学部品101を通して固体撮像素子209の受光面に入射する状態となる。光束は、異物付着防止膜113→赤外カットフィルター112→光学ローパスフィルター111を通して固体撮像素子209の受光面に入射する。
【0023】
このとき、カメラ本体201の内部に進入している異物や、シャッター機構206の動作により発生した異物などが、光学部品101の表面に付着し難い状態となっている。また、上記異物が光学部品101の表面に接触しても、脱離し易い状態となっている。従って、微小な振動により、光学部品101の表面に付着している異物が容易に脱離する。また、カメラ用のブロワーなどを用いることで、光学部品101の表面に付着している異物を容易に吹き飛ばすことができる。
【0024】
なお、図1に示す光学部品101は、赤外カットフィルター112の側に異物付着防止膜113を設けるようにしたが、これに限るものではなく、光学ローパスフィルターの側に異物付着防止膜が形成されているようにしてもよい。この場合、上記光束は、異物付着防止膜→光学ローパスフィルター→赤外カットフィルターを通して固体撮像素子209の受光面に入射する。また、光学部品101の両側に異物付着防止膜が形成されていてもよい。このようにすることで、光学部品101を図2に示すようなデジタルカメラに組み込む前に、光学部品101の表面に対する異物付着が抑制され、光学部品101と固体撮像素子209との間に異物が混入するような問題が抑制されるようになる。
【0025】
また、図3(a)に示すように、光学部品101は、光学ローパスフィルター111の表面に、ガラス板114を介して赤外カットフィルター112が形成されてこの上に異物付着防止膜113が形成され、裏面(第2主面)に、IRガラス板115を介して反射防止膜116が形成されていてもよい。また、図3(b)に示すように、光学部品101は、光学ローパスフィルター111の表面に、IRガラス板115を介して赤外カットフィルター112が形成されてこの上に異物付着防止膜113が形成され、裏面(第2主面)に、ガラス板114を介して反射防止膜116が形成されていてもよい。
【0026】
反射防止膜116は、例えば、TiO2の薄膜とSiO2の薄膜とが複数回(5回)積層されたものである。反射防止膜116は、ガラス板114及びIRガラス板115などを介さずに、光学ローパスフィルター111の表面に直接形成されていてもよい。ただし、光学ローパスフィルター111が薄く反り易い場合、上述したようにガラス板を用いるようにすることで、反りの問題が抑制できるようになる。なお、図3(a),図3(b)に示す構成例においても、光学部品の裏面側の最表面に異物付着防止膜が形成されていてもよい。図3(a),図3(b)に示す構成例では、反射防止膜116の表面に異物付着防止膜が形成されていてもよい。
【0027】
また、赤外カットフィルター112が形成されたガラス板を挾むように配置された2枚の複屈折板から光学ローパスフィルターが構成されていてもよい。この場合、一方の複屈折板の外側の面の最表面に異物付着防止膜が形成されていればよい。また、これに加え、他方の複屈折板の外側の面の最表面に異物付着防止膜が形成されていてもよい。これらのように、異物付着防止膜が設けられる光学部品は、複屈折板から構成されているものであれば、どのような形態であってもよい。
【0028】
また、図1及び図3(a),図3(b)に例示する光学部品によれば、異物付着防止膜113が形成されているようにすればよく、新たな部品を追加することないので、製造コストの上昇を招くことなどがない。また、本実施の形態によれば、製品化されているデジタルカメラにすでに組み込まれている光学部品の表面に異物付着防止膜が形成されているようにしたので、光学系やカメラ機構を新たに設計し直す必要がない。このように、図1及び図3(a),図3(b)に例示する光学部品によれば、カメラ機構の制限や装着レンズの制限などがない状態で、レンズ交換式のデジタルカメラにおける固体撮像素子の受光領域における異物付着の問題が、解消できるようになる。なお、異物付着防止膜は、デジタルカメラに用いられる光学部品に限らず、1/2波長板など、複屈折板から構成された他の光学部品に適用してもよい。
【0029】
次に、異物付着防止膜113の光学特性について説明する。まず、図4に示すように、異物付着防止膜113は、膜厚が厚くなるほど透過率が低下する。なお、図4において、縦軸は、波長450〜600nmの範囲における透過率の平均値である。また、図4は、例えば、水晶板にTiO2層及びSiO2層がこの順に複数積層して形成された赤外カットフィルターが形成され、この上に異物付着膜防止膜113が形成されたときの透過特性である。従って、光学透過率が95%程度必要な場合、異物付着防止膜113は、膜厚10nm以下とした方がよい。
【0030】
次に、異物付着防止膜113を反射防止膜の側に形成した場合の、反射防止について説明する。図5に示すように、異物付着防止膜113は、膜厚が厚くなるほど反射率が増加する。なお、図5において、縦軸は、波長450〜600nmの範囲における反射率の平均値である。従って、反射率は1%以下が必要な場合、異物付着防止膜113は、膜厚10nm以下とした方がよい。
【0031】
次に、異物付着防止膜113における異物付着について説明する。図6は、ふるい落とした後、異物付着防止膜113の上に残存する異物の状態を観察した調査結果を示している。この調査では、平均粒径70μmのガラスビーズから構成された試験用粉体を用い、この粉体を光学部品101の上に分散させた後、所定の領域における粒子の個数を顕微鏡観察により計測し、ついで、光学部品101を反転させて微振動を与えてふるい落とした後、再度、同一領域の粒子の個数を計測している。この、「ふるい落とし後」の粒子数を「ふるい落とし前」の粒子数で除した数値が、図6中に付着率として示してある。
【0032】
また、図6において、サンプルAは、異物付着防止膜113が形成されていない光学部品、サンプルBは、図1に示すように、異物付着防止膜113が赤外カットフィルター112の上に形成された光学部品、サンプルCは、図3(b)に示すように、異物付着防止膜113が反射防止膜115の上に形成された光学部品である。なお、サンプルDは、酸化アルミニウム(Al23),酸化ジルコニウム(ZrO2),フッ化マグネシウム(MgF2)の各層から構成され、最表面がMgF2とされた反射防止膜の上に、上記粉体を分散させて同様の試験を行った結果を示している。この場合、反射防止膜の最表面が、フッ素を含む含む材料から構成された異物付着防止膜となっている。図6から明らかなように、異物付着防止膜が形成されている場合、付着して残存している粒子の数が大きく減少している。
【0033】
また、同様に、上記試験用粉体を光学部品101の上に分散させた後、所定の領域における粒子の個数を顕微鏡観察により計測し、ついで、分散させた表面に、風速2m/s程度でエアブローして粉体を飛散させた後、再度、同一領域の粒子の個数を計測する。異物付着防止膜が形成されている場合、エアブロー処理をした後の粒子数をエアブロー処理前の粒子数で除した数値は、99%となる。これに対し、異物付着防止膜が形成されていない場合、上記数値が91.6%となる。このように、異物付着防止膜が形成されていることにより、付着した異物がより除去しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態における光学部品101の構成例を模式的に示す断面図である。
【図2】光学部品101が組み込まれたデジタルカメラの構成例を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における光学部品101の他の構成例を模式的に示す断面図である。
【図4】異物付着防止膜113の光学(透過)特性について示す特性図である。
【図5】異物付着防止膜113の光学(反射)特性について示す特性図である。
【図6】ふるい落とした後、異物付着防止膜113の上に残存する異物の状態を観察した調査結果を示す説明図である。
【図7】デジタルカメラの構成例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
101…光学部品101、111…光学ローパスフィルター、112…赤外カットフィルター、113…異物付着防止膜。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複屈折板とこの第1主面側に形成されてフッ素を含む材料から構成された異物付着防止膜とから少なくとも構成され、
前記異物付着防止膜は、最表面に形成されている
ことを特徴とする光学部品。
【請求項2】
請求項1記載の光学部品において、
前記複屈折板の前記第1主面側に接して形成された赤外カットフィルターを備え、
前記異物付着防止膜は、前記赤外カットフィルターの前記第1主面側の面に形成されている
ことを特徴とする光学部品。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光学部品において、
前記複屈折板の前記第1主面と反対側の第2主面側に接して形成された反射防止膜を備える
ことを特徴とする光学部品。
【請求項4】
請求項1記載の光学部品において、
前記複屈折板の前記第1主面に接して形成された反射防止膜を備え、
前記異物付着防止膜は、前記反射防止膜の前記第1主面側の面に形成されている
ことを特徴とする光学部品。
【請求項5】
請求項4記載の光学部品において、
前記異物付着防止膜は、前記反射防止膜を構成している前記第1主面側の最表面に配置されたフッ素を含む材料から構成された薄膜である
ことを特徴とする光学部品。
【請求項6】
請求項5記載の光学部品において、
前記反射防止膜は、酸化アルミニウム層,酸化ジルコニウム層,フッ化マグネシウム層が、この順に前記複屈折板側より積層されて構成され、前記異物付着防止膜は、前記反射防止膜を構成しているフッ化マグネシウム層である
こをと特徴とする光学部品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学部品において、
前記第2主面側の最表面に形成されてフッ素を含む材料から構成された第2の異物付着防止膜を備えることを特徴とする光学部品。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学部品において、
前記複屈折板は、光学ローパスフィルターである
ことを特徴とする光学部品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−163275(P2006−163275A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358391(P2004−358391)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【出願人】(390022459)京セラオプテック株式会社 (26)
【Fターム(参考)】