説明

光学鏡胴、結像光学システム、および撮影装置

【課題】本発明によれば、撮影画角に関わらず、フレアやゴーストを有効に防止することができる光学鏡胴、結像光学システム、および撮影装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被写体光を結像させる焦点距離可変の光学系を収容した光学鏡胴において、
光学系により結像される被写体以外の外光の進入を防ぐ、光路上に配置され、電圧の印加開放を受けて光学系の焦点距離に応じて光透過有効径を変化させる遮光部材とを備えた。焦点距離が短い(すなわち、撮影画角が広い)ときには、遮光部材の光透過有効径を増加させることによって明るい撮影画像を得ることができ、焦点距離が長い(すなわち、撮影画角が狭い)ときには遮光部材の光透過有効径を減少させることによって、高精度に画像欠陥の発生を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系を収容した光学鏡胴、被写体光を結像させる結像光学システム、および被写体を撮影する撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通常サイズのカメラだけではなく、携帯電話などに搭載される小型の撮像装置などにもズーム機能やオートフォーカス機能が搭載されてきており、撮像装置に複数枚のレンズを備えることが一般的になってきている。また、撮像素子の高画素化や、ズームの高倍率化なども、撮像装置に備えられるレンズの枚数の増加に繋がっている。
【0003】
ところで、晴天時の屋外などのように強い光の下で被写体を撮影する場合、撮影画角の外から太陽光などがレンズに入射すると、その光がレンズ面やレンズを保持しているレンズ鏡胴等で反射して撮像面にまで達し、撮影画像にゴーストやフレア等の画像欠陥を発生させてしまうことがある。特に、上述したような複数枚のレンズが備えられた撮像装置では、光が複数枚のレンズで多重に反射するため、画像欠陥の原因となる有害光も複雑に多方向から撮像面に入射してしまう。その結果、撮影画像中の様々な位置にゴーストやフレアが生じてしまい、画像処理などでは画像欠陥を補正しにくいという問題がある。
【0004】
このような問題を解決する方法として、撮影装置に、撮影画角外から入射された有害光を遮るフレア防止板を設ける方法が知られている。しかし、広角撮影時の広い撮影画角に合わせた位置にフレア防止板を設けると、撮影画角が狭い望遠撮影時には、撮影画角外から撮影画像の生成に不要な光が入射されてしまい、それらの光が有害光となって撮影画像にフレアやゴーストが生じてしまう。逆に、望遠撮影時の狭い撮影画角に合わせた位置にフレア防止板を設けると、広角撮影時に、フレア防止板によって撮影画角が遮られてしまい、撮影画像の一部が暗くなってしまうという問題がある。
【0005】
この点に関し、特許文献1には、撮影画角に応じてレンズ鏡胴が突出するズーム機能が搭載された撮影装置において、光軸を取り囲む複数の羽で構成されたフレア防止板とレンズ鏡胴とをカム機構で連結し、レンズ鏡胴の突出位置に応じて複数の羽の重なり度合いを変えて、それらの羽によって形成される開口の大きさを調整する技術について記載されており、特許文献2には、レンズの前方にフードを設け、モータ等でフードをレンズの突出位置に応じて前後方向に移動させて、光が入射してくる領域を調整する技術について記載されている。これら特許文献1および特許文献2に記載された技術によると、撮影画角に応じて光を遮る領域が調整されるため、撮影画角に関わらず、精度良く画像欠陥を軽減することができる。
【特許文献1】特開平4−133011号公報
【特許文献2】特開平9−15476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年では、撮影装置の小型化が急速に進んでおり、このような小型の撮影装置では、構成要素の大きさや収容スペース、および消費電力などが大幅に制限されるため、上述したようなモータやカム機構を利用したフレア防止板を設けることは困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、撮影画角に関わらず、フレアやゴーストを有効に防止することができる光学鏡胴、被写体光を結像させる結像光学システム、および被写体を撮影する撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の光学鏡胴は、被写体光を結像させる焦点距離可変の光学系を収容した光学鏡胴において、
光学系により結像される被写体以外の外光の進入を防ぐ、上記光路上に配置され、光学系の焦点距離に応じた電圧の印加開放を受けて光透過有効径を変化させる遮光部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の光学鏡胴によると、モータやカム機構等を利用せず、電圧の印加開放を受けて光学系の焦点距離に応じて遮光部材の光透過有効径が変化するため、有害光の進入回避と、装置の小型化とを両立させることができる。また、本発明の光学鏡胴を小型の撮影装置などに搭載し、焦点距離が短い(すなわち、撮影画角が広い)ときには、遮光部材の光透過有効径を増加させることによって、撮影画角内から入射してくる光を遮ってしまって撮影画像の一部が暗くなってしまう不具合を回避することができ、焦点距離が長い(すなわち、撮影画角が狭い)ときには、遮光部材の光透過有効径を減少させることによって、撮影画角外から入射してくる光を遮り、高精度にフレアやゴーストの発生を回避することができる。
【0010】
また、本発明の光学鏡胴において、上記遮光部材は、エレクトロクロミック素子で構成されたものであることが好ましい。
【0011】
エレクトロクロミック素子は、印加電圧に応じて光透過率が変化する特性を有しており、さらにその変形量も大きいため、本発明にいう遮光部材として好ましく適用することができる。
【0012】
また、本発明の光学鏡胴において、上記遮光部材は、液晶素子で構成されたものであることも好ましい。
【0013】
液晶素子も、印加電圧に応じて光透過率が変化する特性を有しており、本発明にいう遮光部材として利用することができる。
【0014】
また、本発明の光学鏡胴において、上記遮光部材は、光透過有効径を同心的に複数段階に変化させるように、電圧の印加開放により透過率を変化させる同心的に配置された複数のセグメントを有するものであることが好ましい。
【0015】
複数のセグメントそれぞれの光透過率を変化させ、遮光部材の光透過有効径を同心的に複数段階に調整することによって、簡易な機構で有害光を確実に防止することができる。
【0016】
また、本発明の光学鏡胴において、上記遮光部材は、電圧の印加開放により、光透過有効径を変化させるとともに光学系による被写体像の結像面での中央と周辺との光量分布を平坦化させるものであることが好適である。
【0017】
通常、光学系による被写体像の結像面上の光量分布は、中央ほど大きく、周辺ほど小さくなることが多く、このような状態で被写体像を撮影すると、撮影画像の周辺部分が暗くなってしまうという問題がある。本発明の好適な光学鏡胴によると、被写体像の結像面での中央と周辺との光量分布が平坦化されるため、一様な明るさを有する高画質な撮影画像を得ることができる。
【0018】
また、上記目的を達成する本発明の結像光学システムは、上記光学鏡胴と、
上記遮光部材に、光学系の焦点距離に応じた電圧の印加開放により、遮光部材の光透過有効径を光学系の焦点距離に応じた光透過有効径に制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の結像光学システムによると、焦点距離に応じて遮光部材の光透過有効径を省電力に制御して、有害光の進入を確実に防止することができる。
【0020】
尚、本発明にいう結像光学システムについては、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、本発明にいう結像光学システムには、上記の基本形態のみではなく、前述した光学鏡胴の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【0021】
また、上記目的を達成する本発明の撮影装置は、上述した結像光学システムと、
上記光学系の被写体像の結像面に配備された撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の撮影装置によると、電力や内部スペースに余裕がない小型の撮影装置においても、撮影画像にゴーストやフレアが生じてしまう不具合を確実に回避し、高画質な撮影画像を取得することができる。
【0023】
尚、本発明にいう撮影装置についても、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、本発明にいう撮影装置には、上記の基本形態のみではなく、前述した光学鏡胴の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、撮影画角に関わらず、フレアやゴーストを有効に防止することができる光学鏡胴、結像光学システム、および撮影装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図1、および図2は、本発明の一実施形態が適用されたデジタルカメラの外観斜視図である。
【0027】
図1には、レンズ鏡胴10の沈胴状態が示されており、図2には、レンズ鏡胴10の繰出状態が示されている。レンズ鏡胴10には、撮影レンズが内蔵されており、レンズ鏡胴10の前面には、撮影画角外から入射してくる有害光を遮るフレア防止板70(後述する)が備えられている。フレア防止板70は、本発明にいう遮光部材の一例に相当する。
【0028】
図1および図2に示すデジタルカメラ1の正面上部には、補助光発光窓12およびファインダ対物窓13が配置されており、デジタルカメラ1の上部には、シャッタボタン14が備えられている。
【0029】
デジタルカメラ1の、図示しない背面には、ズーム操作スイッチや十字キーなどといった各種スイッチや、画像やメニュー画面を表示するLCD(液晶ディスプレイ)が備えられている。ズーム操作スイッチを所定時間押下し続けると、撮影画角を調整するためのズーム操作モードに入り、十字キーの‘上’キーを押し続けている間、撮影レンズが望遠側(テレ側)に移動し、十字キーの‘下’キーを押し続けている間、撮影レンズが広角側(ワイド側)に移動する。
【0030】
図3は、デジタルカメラ1の、沈胴状態にあるレンズ鏡胴10を光軸に沿って切断した断面図であり、図4は、デジタルカメラ1の、撮影レンズがワイド状態にあるレンズ鏡胴10を光軸に沿って切断した断面図であり、図5は、デジタルカメラ1の、撮影レンズがテレ状態にあるレンズ鏡胴10を光軸に沿って切断した断面図である。
【0031】
レンズ鏡胴10の内部空間には、前方から順に、前群レンズ(第1レンズ群)21、後群レンズ(第2レンズ群)22、およびフォーカスレンズ(第3レンズ群)23の3群が光軸を揃えて並べられてなる撮影レンズが収容されている。撮影レンズは、後群レンズ22が図4に示すワイド端と図5に示すテレ端との間で光軸に沿って移動することにより撮影画角が変化し、フォーカスレンズ23が光軸に沿って移動することによりピント調節が行われる構成となっている。前群レンズ21、後群レンズ22、およびフォーカスレンズ23は、本発明にいう光学系の一例にあたり、レンズ鏡胴10は、本発明にいう光学鏡胴の一例に相当する。
【0032】
前群レンズ21のさらに前方には、有害光を遮るフレア防止板70が配置され、前群レンズ21と後群レンズ22との間には、被写体光の光量を調整する絞りユニット30が配置され、撮影レンズの後方には、被写体光を読み取るCCD40が配置されている。CCD40は、本発明にいう撮像素子の一例に相当する。
【0033】
フレア防止板70は、中央部分に貫通孔が穿たれた板に、電圧の印加/開放によって光透過率が変化するエレクトロクロミック素子(後述する)が同心的に複数嵌め込まれて構成されており、それら複数のエレクトロクロミック素子それぞれの光透過率が調整されることによってフレア防止板70の光透過有効径が制御され、被写体光が通過する光学的な開口70´が形成される。フレア防止板70については、後で詳しく説明する。
【0034】
絞りユニット30には、図4および図5に示すように、撮影レンズの光軸を取り囲む孔が穿たれた開口板32と、開口板32の孔を絞るように塞いで開口量を調整する絞り羽31とが備えられている。また、絞りユニット30には、その背面から後方に突出するガイドロット24と、ガイドロット24の後端を塞ぐストッパ24aも設けられており、ガイドロット24は、後群レンズ22を保持している後群レンズ保持枠25を、光軸方向にスライド可能に貫通している。さらに、絞りユニット30と後群レンズ保持枠25との間にはコイルばね26が縮装されており、絞りユニット30は、後群レンズ22と後群レンズ保持枠25とで構成された後群レンズユニット27に対し、前方へばね付勢された態様で光軸に沿って移動可能に保持されている。レンズ鏡胴10の沈胴時には、図4および図5に示す絞り羽31が開放され、絞りユニット30がコイルばね26を圧縮しながら後群レンズユニット27側に移動することによって、開口板32の孔に後群レンズユニット27が入り込む。これにより、デジタルカメラ1の薄型化が図られている。
【0035】
また、レンズ鏡胴10には、カメラボディに固定された固定筒50と、その固定筒50に対し回転自在な駆動筒52が備えられている。この駆動筒52は、固定筒50の外周面に周方向に形成された突条50aが、駆動筒52の内周面に設けられた溝に係入していることにより、固定筒50に対して光軸方向の移動が規制されている。駆動筒52の外周面にはギア51が設けられており、このギア51にモータ(図示しない)からの回転駆動力が伝達されて、駆動筒52が回転する。
【0036】
駆動筒52には、さらに、光軸方向に延びるキー溝52aが設けられており、このキー溝52aには、回転移動筒53に固設されたピン状のカムフォロワ54が、固定筒50に設けられた螺旋状のカム溝を貫通して係入している。したがって、駆動筒52が回転すると、回転移動筒53は、回転しながら上記カム溝に沿って光軸方向に移動する。
【0037】
回転移動筒53の内側には、直進移動枠55が設けられている。この直進移動枠55は、回転移動筒53に対し相対的回転が自在に係合しているとともに、固定筒50のキー溝50bに係入することにより回転が規制されている。したがって、駆動筒52の回転に伴って回転移動筒53が回転しながら光軸方向に移動すると、直進移動枠55は回転移動筒53の移動に伴って光軸方向に直線的に移動する。
【0038】
上述した後群レンズ22を保持している後群レンズ保持枠25には、ピン状のカムフォロワ63が固設されている。このカムフォロワ63は、回転移動筒53のカム溝に係入しているとともに、直進移動枠55の光軸方向に延びるキー溝55aにも係入していることにより、駆動筒52の回転に伴って回転移動筒53が回転しながら光軸方向に移動すると、後群レンズユニット27が回転移動筒53のカム溝の形状に沿って、光軸方向に直進移動する。
【0039】
また、上述したように、絞りユニット30は、コイルばね26により前方に付勢された態様でレンズユニット27に取り付けられているため、その絞りユニット30が後群レンズユニット27とともに光軸方向に移動する。
【0040】
さらに、このレンズ鏡胴10には、前群レンズ21を保持する直進移動筒56が備えられている。この直進移動筒56は、それに固設されたカムフォロワ57が回転移動筒53のカム溝に係入しているとともに、直進移動枠55の、光軸方向に延びるキー溝55aにも係入している。したがって、駆動筒52の回転に伴って回転移動筒53が回転しながら光軸方向に移動すると、直進移動筒56は、カムフォロワ57が係入している回転移動筒53のカム溝の形状に沿って、光軸方向に直進移動する。
【0041】
このようにしてレンズ鏡胴10の繰り出しが行なわれ、また、駆動筒52が逆方向に回転することによりレンズ鏡胴10の沈胴が行われる。
【0042】
また、回転移動筒53は、レンズ鏡胴10の繰出しが完了した後も、前群レンズ21の位置を保持したままさらに回転することができ、このとき、後群レンズユニット27は、回転移動筒53のカム溝に沿って光軸方向方向に移動し、これにより撮影画角(すなわち、焦点距離)の調整が行なわれる。図4には、レンズ鏡胴10の繰出しが完了した状態が示されており、このときには撮影レンズ20はワイド状態にある。また、図5には、繰出し完了後に回転移動筒53がさらに回転して、撮影レンズ20がテレ状態になるまで後群レンズユニット27が移動した状態が示されている。
【0043】
さらに、撮影レンズのうちのフォーカスレンズ23は、図示しないモータによりリードスクリュー61が回転し、フォーカスレンズ23を保持しているフォーカスレンズ保持枠62がリードスクリュー61に螺合していることにより、そのリードスクリュー61の回転に伴ってフォーカスレンズ23が光軸方向に移動して、ピント調整が行なわれる。
【0044】
続いて、デジタルカメラ1の内部構成について説明する。
【0045】
図6は、図1に示すデジタルカメラ1の概略的な内部構成図である。
【0046】
本実施形態のデジタルカメラ1は、すべての処理がメインCPU110によって制御されている。このメインCPU110には、デジタルカメラ1に備えられた各種スイッチ(この各種スイッチには、図1に示すシャッタボタン14や、ズーム操作スイッチ、および十字キーなどが含まれ、以下では、これらを合わせてスイッチ群101と称する)からの操作信号がそれぞれ供給されている。メインCPU110は、EEPROM110aを有しており、このEEPROM110aには、デジタルカメラ1で各種処理を実行するために必要な各種プログラムが書き込まれている。スイッチ群101に含まれる電源スイッチ(図示しない)が投入されると、電源102からデジタルカメラ1の各種要素に電力が供給されるとともに、メインCPU110によって、EEPROM110aに書き込まれたプログラム手順に従ってデジタルカメラ1全体の動作が統括的に制御される。
【0047】
まず、図6を参照して画像信号の流れを説明する。
【0048】
撮影者が、デジタルカメラ1の背面に設けられた十字キー(図示しない)を使って撮影画角を指示すると、その指示された撮影画角がスイッチ群101からメインCPU110に伝えられる。メインCPU110では、指示された撮影画角に対応する焦点距離が算出され、算出された焦点距離が光学制御CPU120に伝えられる。尚、これらメインCPU110と光学制御CPU120との間では、バス140を介してデータが送受信されるのではなく、CPU間通信によって高速にデータが送受信される。光学制御CPU120は、図示しないモータ等を制御することで、図4および図5に示すようにレンズ鏡胴10を繰り出し、さらに、後群レンズ22を伝えられた焦点距離に応じた位置に移動させる。また、光学制御CPU120は、電圧印加部70aに、メインCPU110から伝えられた焦点距離に応じた電圧の印加を指示する。フレア防止板70を構成する複数のエレクトロクロミック素子は、電圧が印加されることによって発色し、電圧の印加を停止すると消色する性質を有している。光学制御CPU120によって、フレア防止板70への電圧の印加/開放が制御されると、フレア防止板70の光透過有効径が調整されて光学的な開口70´が形成され、その開口70´を通って撮影レンズに被写体光が入射される。光学制御CPU120と電圧印加部70aとを合わせたものは、本発明にいう制御手段の一例に相当する。
【0049】
また、光学制御CPU120は、図示しないモータ等を制御することで、図3、図4、図5に示すフォーカスレンズ23を光軸に沿う方向に移動させる。
【0050】
被写体光は、フレア防止板70の開口70´、撮影レンズ、および絞りユニット30を通ってCCD40上に結像され、CCD40において、被写体像を表わす画像信号が生成される。生成された画像信号は、A/D部131において粗く読み出され、アナログ信号がデジタル信号に変換されて、低解像度なスルー画像データが生成される。生成されたスルー画像データは、ホワイトバランス・γ処理部133において、ホワイトバランスの補正やγ補正などといった画像処理が施される。
【0051】
ここで、CCD40には、クロックジェネレータ132からタイミング信号が供給されており、このタイミング信号に同期して、所定の間隔ごとに、画像信号が生成される。このクロックジェネレータ132は、光学CPU120を介して伝えられるメインCPU110からの指示に基づいてタイミング信号を出力しており、そのタイミング信号は、CCD40の他、後段のA/D部131、およびホワイトバランス・γ処理部133にも供給されている。したがって、CCD40、A/D部131、およびホワイトバランス・γ処理部133では、クロックジェネレータ132から発せられるタイミング信号に同期して順序良く画像信号の処理が流れるように行われる。
【0052】
ホワイトバランス・γ処理部133において画像処理が施された画像データは、一旦バッファメモリ134に記憶される。バッファメモリ134に記憶された低解像度なスルー画像データは、古い時刻に記憶されたスルー画像データから先に、バス140を経由してYC/RGB変換部138に供給される。スルー画像データはRGB信号であるため、YC/RGB変換部138では処理が行われずに、そのままドライバ139を介して画像表示LCD160に伝えられ、画像表示LCD160上に、スルー画像データが表わすスルー画像が表示される。ここで、CCD40では、所定のタイミング毎に被写体光が読み取られて画像信号が生成されているため、この画像表示LCD160には、撮影レンズが向けられた方向の被写体光が被写体像として常に表示され続ける。
【0053】
また、バッファメモリ134に記憶されたスルー画像データは、メインCPU110にも供給される。メインCPU110は、スルー画像データに基づいて、フォーカスレンズ23が光軸に沿って移動されている間にCCD40で繰り返し得られた画像信号が表わす被写体像のコントラストと、被写体の輝度を検出する。検出されたコントラストと輝度は、光学制御CPU120に伝えられる。
【0054】
光学制御CPU120は、フォーカスレンズ23をメインCPU110から伝えられたコントラストのピークが得られるレンズ位置に移動させるとともに(AF処理)、メインCPU110から伝えられた輝度に応じて絞りユニット30の絞り値を調整する(AE処理)。
【0055】
ここで、画像表示LCD160に表示されたスルー画像を確認しながら、撮影者が図1に示すシャッタボタン14を押下すると、シャッタボタン14が押されたことがメインCPU110に伝えられ、さらに、光学制御CPU120に伝えられる。被写体が暗いときには、光学制御CPU120からLED発光制御部150に発光指示が伝えられ、シャッタボタン14の押下に同期してLED151から閃光が発せられる。また、光学制御CPU120からの指示に従って、CCD40で生成された画像信号がA/D部131において細かく読み出され、高解像度な撮影画像データが生成される。生成された撮影画像データは、ホワイトバランス・γ処理部133で画像処理が施されて、バッファメモリ134に記憶される。
【0056】
バッファメモリ134に記憶された撮影画像データは、YC処理部137に供給されて、RGB信号からYC信号に変換される。YC信号に変換された撮影画像データは、圧縮・伸張部135において圧縮処理が施され、圧縮された撮影画像データがI/F136を介してメモリカード170に記憶される。
【0057】
また、メモリカード170に記憶された撮影画像データは、圧縮・伸張部135において伸張処理が施された後、YC/RGB変換部138においてRGB信号に変換され、ドライバ139を介して画像表示LCD160に伝えられる。画像表示LCD160には、撮影画像データが表わす撮影画像が表示される。
【0058】
デジタルカメラ1は、以上のように構成されている。
【0059】
ここで、本実施形態のデジタルカメラ1では、フレア防止板70に焦点距離に応じた電圧が印加/開放されることによって、フレア防止板70の光透過有効径が調整されて光学的な開口70´が形成される。まず、フレア防止板70の構成と、フレア防止板70の光透過有効径の調整方法について説明する。
【0060】
図7は、エレクトロクロミック素子の動作原理を説明するための図である。
【0061】
図7に示すように、本実施形態に適用されるエレクトロクロミック素子200は、2つの透明電極211,212(例えば、ITO電極など)の間に、電子を奪われて酸化することにより発色する酸化発色層221(例えば、Iroxなど)と、電子を与えられて還元することにより発色する還元発色層222(例えば、WOなど)とが挟み込まれており、さらに、酸化発色層221と還元発色層222と間に、透明な絶縁層230(例えば、TaやSiOなど)が挟み込まれて構成されている。
【0062】
エレクトロクロミック素子200に電圧が印加されていないときには、図7(A)に示すように、酸化発色層221および還元発色層222は発色しておらず、エレクトロクロミック素子200は高い光透過性を有しており、光Lはエレクトロクロミック素子200を通過することができる。
【0063】
電圧印加部200´からエレクトロクロミック素子200に、酸化発色層221と接触する左側の透明電極211が陽極、還元発色層222と接触する右側の透明電極212が陰極となる極性の電圧を印加すると、左側の透明電極211によって酸化発色層221から電子が奪われるとともに、右側の透明電極212から還元発色層222に電子が放出され、図7(B)に示すように、酸化発色層221および還元発色層222が発色する。その結果、エレクトロクロミック素子200の光透過率が減少し、光Lはエレクトロクロミック素子200によって遮光される。
【0064】
また、電圧印加部200´からの電圧の印加を停止すると、酸化発色層221における酸化反応、および還元発色層222における還元反応が消滅し、図7(A)に示すように、エレクトロクロミック素子200が消色して光透過性が高められる。
【0065】
本実施形態のフレア防止板70には、上述したような特性を有するエレクトロクロミック素子が利用されている。
【0066】
図8は、フレア防止板70を正面から見たときの概略構成図である。
【0067】
フレア防止板70は、貫通孔71aが穿たれた黒色の板71と、図7に示すエレクトロクロミック素子200と同様の構成を有する3つのエレクトロクロミック素子72,73,74とで構成されている。エレクトロクロミック素子72,73,74は、相互に異なる貫通孔が穿たれており、板71の貫通孔71aの内側に同心的に配置されている。エレクトロクロミック素子72,73,74は、本発明にいう複数のセグメントの一例に相当する。
【0068】
電圧印加部70aは、エレクトロクロミック素子72,73,74それぞれと接続されており、エレクトロクロミック素子72,73,74への電圧の印加/開放を個々に制御することができる。全てのエレクトロクロミック素子72,73,74に電圧が印加されていない状態では、図8(A)に示すように、エレクトロクロミック素子72,73,74は消色しており、フレア防止板70の開口70´は最大に開放される。また、最外周のエレクトロクロミック素子72から順に電圧を印加していくと、エレクトロクロミック素子の発色に伴ってフレア防止板70の開口70´が縮小していき、全てのエレクトロクロミック素子72,73,74に電圧が印加された状態では、図8(B)に示すように、フレア防止板70の開口70´が最小に絞られる。本実施形態においては、電圧印加部70aからエレクトロクロミック素子72,73,74への電圧の印加/開放を個々に制御することにより、フレア防止板70の開口70´を4段階に調整することができる。
【0069】
フレア防止板70に設けられた光学的な開口70´は、以上のようにして調整される。
【0070】
続いて、焦点距離と、フレア防止板70の光学的な開口70´の大きさについて説明する。
【0071】
図9は、最短焦点距離におけるレンズ有効径と、フレア防止板70の開口70´との関係を示す図である。
【0072】
撮影レンズは、焦点距離(後群レンズ22とCCD40との間の距離)が長いと望遠レンズとして働き、焦点距離が短いと広角レンズとして働く。
【0073】
図9(A)に示すように、後群レンズ22が前群レンズ21から遠ざけられて最短焦点距離の位置に移動されているときには、撮影画角が広く、前群レンズ21の前方だけではなく、前群レンズ21の上方や下方などから入射された光も全てCCD40で読み取られ、撮影画像データの生成に用いられる。
【0074】
最短焦点距離が選択されたときには、図8に示す電圧印加部70aから全てのエレクトロクロミック素子72,73,74への電圧の印加が停止される。その結果、図9(B)に示すように、エレクトロクロミック素子72,73,74が消色し、フレア防止板70の光透過有効径W1が広い撮影画角に合わせて調整されて、光学的な開口70´が形成される。この状態で撮影が行われることによって、前群レンズ21の上方や下方等から入射される光がフレア防止板70によって遮られず、撮影画像の一部が暗くなってしまう不具合が回避される。
【0075】
図10は、最長焦点距離におけるレンズ有効径と、フレア防止板70の開口70´との関係を示す図である。
【0076】
図10(A)に示すように、後群レンズ22が前群レンズ21に近づけられて最長焦点距離の位置に移動されると、撮影画角が狭まり、前群レンズ21の上方や下方は撮影画角から外れる。このため、前群レンズ21の上方や下方から入射してきた光は、図9(A)に示す最短焦点距離時には撮影画像の生成に利用されていたが、図10(A)に示す最長焦点距離時には不要となり、この光が有害光となってCCD40に達すると、撮影画像にゴーストやフレアが生じてしまう。
【0077】
最長焦点距離が選択されたときには、図8に示す電圧印加部70aから全てのエレクトロクロミック素子72,73,74に電圧が印加される。その結果、図10(B)に示すように、エレクトロクロミック素子72,73,74が発色し、フレア防止板70の光透過有効径W2(最長焦点距離時の光透過有効径W2<最短焦点距離時の光透過有効径W1)が狭い撮影画角に合わせた大きさに調整されて、光学的な開口70´が形成される。この状態で撮影が行われると、前群レンズ21の上方や下方から入射される光がフレア防止板70によって遮られるとともに、光透過有効径W2内から入射される光はCCD40にまで達するため、撮影画像にゴーストが発生してしまう不具合が高精度に回避されるとともに、撮影画像の一部が暗くなってしまう不具合も回避される。
【0078】
以上のように、焦点距離が長くなるほど撮影画角が狭くなり、焦点距離が短くなるほど撮影画角が広くなる。本実施形態のデジタルカメラ1では、図6に示すEEPROM110aに、焦点距離と、フレア防止板70の光透過有効径をその焦点距離における撮影画角に応じた大きさに調整するための、エレクトロクロミック素子72,73,74それぞれへの電圧の印加/開放状態とが対応付けられて記憶されている。
【0079】
撮影者がデジタルカメラ1に備えられた十字キー(図示しない)などを使って撮影画角を変更すると、メインCPU110は、変更された撮影画角に対応する焦点距離を算出し、EEPROM110aから、算出した焦点距離と対応付けられた電圧の印加/開放状態を取得し、取得した電圧の印加/開放状態を光学制御CPU120に伝える。
【0080】
光学制御CPU120は、メインCPU110から伝えられた電圧を印加する指示を電圧印加部70aに伝え、電圧印加部70aは指示された電圧をフレア防止板70に印加する。
【0081】
フレア防止板70は、印加電圧に応じてエレクトロクロミック素子72,73,74が発色し、光透過有効径が算出された焦点距離における撮影画角に応じた大きさに調整されて、光学的な開口70´が形成される。その結果、撮影画角外から入射してくる光は、フレア防止板70によって遮られ、撮影画角内から入射してきた光のみがCCD40に達して撮影画像データの生成に利用される。したがって、本実施形態のデジタルカメラ1によると、焦点距離(撮影画角)に関わらず、ゴーストを高精度に回避することができ、高画質な撮影画像を取得することができる。さらに、フレア防止板70にはモータなどが用いられていないため、消費電力を抑えることができるとともに、デジタルカメラ1を小型化するこができる。
【0082】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、フレア防止板以外の要素は第1実施形態とほぼ同様の構成を有しているため、同じ要素には同じ符号を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0083】
本実施形態のフレア防止板は、第1実施形態のフレア防止板70とは異なり、エレクトロクロミック素子ではなく、液晶素子を使って光透過率を制御する。液晶素子を使った光透過率の制御としては、ホログラフィック液晶方式、コレステリック液晶選択反射方式、ゲストホスト方式、高分子分散型液晶方式(PDLC)等が知られているが、ここでは、ゲストホスト方式について詳しく説明する。
【0084】
図11は、液晶素子の動作原理を説明するための図である。
【0085】
ゲストホスト方式においては、交流電圧の周波数に応じて液晶分子301aの配向が変化する性質を有するネマチック液晶301と、光を吸収する二色性色素302とが透明な容器内に封入された液晶素子300が適用される。
【0086】
液晶分子301aは、ほぼ楕円体の形状をしており、低周波の交流電圧をかけると楕円体の長軸が電場の向きと平行になり、高周波の交流電圧をかけると楕円体の長軸が電界の向きと直交する性質を持つ。
【0087】
二色性色素302は、ネマチック液晶301中に溶解しており、交流電圧の周波数の変化に対して液晶分子301aと同様に配列が変化する。この二色性色素302もほぼ楕円体の形状をしており、楕円体の長軸と光の入射方向が直交しているときは光を吸収するが、楕円体の長軸と光の入射方向が平行のときには光を吸収しない性質を持つ。
【0088】
液晶素子300に低周波の交流電圧を印加すると、図11(A)に示すように、液晶分子301aおよび二色性色素302が光Lの入射方向と平行な向きに配向する。この状態では、二色性色素302によって光Lが吸収されないため、光Lは液晶素子300を透過する。
【0089】
また、液晶素子300に高周波の交流電圧を印加すると、図11(B)に示すように、液晶分子301aおよび二色性色素302が光Lの入射方向と直交する向きに配向する。その結果、二色性色素302によって光Lが吸収され、液晶素子300の透過率が減少して、光Lが液晶素子300に遮られる。
【0090】
以上のように、液晶素子300は、印加される交流電圧の周波数を制御することによって、光透過率を調整することができる。本実施形態では、図6に示すエレクトロクロミック素子で構成されたフレア防止板70に替えて、液晶素子300で構成されたフレア防止板80が適用される。
【0091】
図12は、本実施形態のフレア防止板80の概略構成図である。
【0092】
本実施形態のフレア防止板80には、図11に示す液晶素子300と同様の構成を有する液晶素子81と、液晶素子81に交流電圧を印加する光透過性の液晶駆動回路82が備えられている。
【0093】
液晶素子81は、図11に示す液晶素子300と同様に、液晶分子301aと二色性色素302とが溶解したネマチック液晶301が透明容器内に封入されて構成されており、交流電圧が印加されると、その交流電圧が印加された部分が、交流電圧の周波数に応じた光透過率に調整される。
【0094】
液晶駆動回路82は、透明電極と透明トランジスタとのセットが二次元的にマトリックス配置されており、各透明トランジスタによって各透明電極から印加される交流電圧が個別に制御されることによって、液晶素子81に印加される交流電圧をマトリックス状に細かく調整することができる。すなわち、フレア防止板80によると、液晶駆動回路82から液晶素子81に印加される交流電圧を調整することにより、光透過率の分布を所望のパターンに形成することができる。
【0095】
ここで、図6に示す撮影レンズ30を通過してきた被写体光Lは、CCD40が配置された結像面において、中央と比較して周辺の光量が小さくなってしまうことが多く、取得された撮影画像の周辺部分が中央部分よりも暗くなってしまうことがある。また、この結像面での光量分布は、焦点距離や絞りの絞り値(F値)などによって変わってしまうため、画像処理などによって撮影画像の明暗を補正することは困難であるという問題がある。本実施形態のフレア防止板80は、ゴーストやフレアなどといった画像欠陥の回避と、結像面における光量分布の均一化とが図られている。
【0096】
図13は、フレア防止板80を正面から見たときの光透過率の分布を示す図である。
【0097】
図13では、光透過率が低い部分ほど濃く、光透過率が高い部分ほど薄く表現されている。
【0098】
本実施形態においても、図9および図10で説明した第1実施形態のフレア防止板70の場合と同様に、光透過有効径W3が撮影画角に応じた大きさに決定される。フレア防止板80の、光透過有効径W3の外側部分801に、高周波の交流電圧が印加されると、その外側部分801の光透過率が減少して光学的な開口80´が形成される。すなわち、焦点距離が短い(撮影画角が広い)ほど、開口径(光透過有効径W3)が大きい開口80´が形成され、焦点距離が長い(撮影画角が狭い)ほど、開口径(光透過有効径W3)が小さい開口80´が形成される。
【0099】
また、液晶素子81の、光透過有効径W3の内側部分802には、中央ほど高周波で、周辺ほど低周波な交流電圧が印加される。その結果、光透過有効径W3の内側部分802に、光が十分に通過できる程度の光透過率を有し、中央ほど低く、周辺ほど高い光透過率の分布が形成される。
【0100】
フレア防止板80では、撮影画角外から入射してきた光が外側部分801で吸収され、撮影画角内から入射してきた光のみが内側部分802を通過する。通常、結像面にまで達した光は、周辺と比較して中央ほど光量が大きいが、光透過有効径W3の内側部分802を通過してきた光は、中央ほど大きく光量が減衰されるため、結像面において均一な光量分布を形成する。したがって、本実施形態のフレア防止板80によると、ゴーストやフレアなどといった画像欠陥を回避することができるとともに、一様な明るさを有する高画質な撮影画像を得ることができる。
【0101】
ここで、上記では、前群レンズと後群レンズとの間に絞りを配置する例について説明したが、本発明にいう遮光部材は、例えば、後群レンズとフォーカスレンズとの間に配置して絞りとして利用するものであってもよい。
【0102】
また、上記では、液晶素子を使って光量の均一化を行う例について説明したが、本発明にいう遮光部材は、エレクトロクロミック素子を使って光量の均一化を行うものであってもよい。
【0103】
また、上記では、本発明にいう光学鏡胴をデジタルカメラに適用する例について説明したが、本発明の光学鏡胴は、例えば、携帯電話や、フィルムに被写体光を結像する銀塩カメラなどに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたデジタルカメラの外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態が適用されたデジタルカメラの外観斜視図である。
【図3】デジタルカメラの、沈胴状態にあるレンズ鏡胴を光軸に沿って切断した断面図である。
【図4】デジタルカメラの、撮影レンズがワイド状態にあるレンズ鏡胴を光軸に沿って切断した断面図である。
【図5】デジタルカメラの、撮影レンズがテレ状態にあるレンズ鏡胴を光軸に沿って切断した断面図である。
【図6】図1に示すデジタルカメラの概略的な内部構成図である。
【図7】エレクトロクロミック素子の動作原理を説明するための図である。
【図8】フレア防止板を正面から見たときの概略構成図である。
【図9】最短焦点距離におけるレンズ有効径と、フレア防止板の開口との関係を示す図である。
【図10】最長焦点距離におけるレンズ有効径と、フレア防止板の開口との関係を示す図である。
【図11】液晶素子の動作原理を説明するための図である。
【図12】第2実施形態のフレア防止板の概略構成図である。
【図13】フレア防止板を正面から見たときの光透過率の分布を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1 デジタルカメラ
10 レンズ鏡胴
12 補助光発光窓
13 ファインダ対物窓
14 シャッタボタン
21 前群レンズ
22 後群レンズ
23 フォーカスレンズ
24 ガイドロット
24a ストッパ
25 後群レンズ保持枠
26 コイルばね
27 後群レンズユニット
30 絞りユニット
31 絞り羽
32 開口板
40 CCD
50 固定筒
50a 突条
50b キー溝
51 ギア
52 駆動筒
52a キー溝
53 回転移動筒
54 カムフォロワ
55 直進移動枠
55a キー溝
56 直進移動筒
61 リードスクリュー
62 フォーカスレンズ保持枠
63 カムフォロワ
70,80 フレア防止板
70a 電圧印加部
70´,80´ 開口
71 板
71a 貫通孔
72,73,74 エレクトロクロミック素子
81 液晶素子
82 液晶駆動回路
101 スイッチ群
110 メインCPU
110a EEPROM
120 光学制御CPU
131 A/D部
132 クロックジェネレータ
133 ホワイトバランス・γ処理部
134 バッファメモリ
135 圧縮・伸張部
136 I/F
137 YC処理部
138 YC/RGB変換部
139 ドライバ
140 バス
150 LED発光制御部
151 LED
160 画像表示LCD
170 メモリカード
200 エレクトロクロミック素子
200´ 電圧印加部
211,212 透明電極
221 酸化発色層
222 還元発色層
300 液晶素子
301 ネマチック液晶
301a 液晶分子
302 二色性色素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光を結像させる焦点距離可変の光学系を収容した光学鏡胴において、
前記光学系により結像される被写体以外の外光の進入を防ぐ、前記光路上に配置され、前記光学系の焦点距離に応じた電圧の印加開放を受けて光透過有効径を変化させる遮光部材とを備えたことを特徴とする光学鏡胴。
【請求項2】
前記遮光部材は、エレクトロクロミック素子で構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の光学鏡胴。
【請求項3】
前記遮光部材は、液晶素子で構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の光学鏡胴。
【請求項4】
前記遮光部材は、光透過有効径を同心的に複数段階に変化させるように、電圧の印加開放により透過率を変化させる同心的に配置された複数のセグメントを有するものであることを特徴とする請求項1記載の光学鏡胴。
【請求項5】
前記遮光部材は、電圧の印加開放により、光透過有効径を変化させるとともに前記光学系による被写体像の結像面での中央と周辺との光量分布を平坦化させるものであることを特徴とする請求項1記載の光学鏡胴。
【請求項6】
請求項1記載の光学鏡胴と、
前記遮光部材に、前記光学系の焦点距離に応じた電圧の印加開放により、該遮光部材の光透過有効径を該光学系の焦点距離に応じた光透過有効径に制御する制御手段とを備えたことを特徴とする結像光学システム。
【請求項7】
請求項6記載の結像光学システムと、
前記光学系の前記被写体像の結像面に配備された撮像素子とを備えたことを特徴とする撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−15158(P2008−15158A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185590(P2006−185590)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】