説明

光束制御部材、発光装置、及び面光源装置

【課題】被照射面上における照度分布のばらつきを抑え、照明品質を向上させる。
【解決手段】光束制御部材4の光入射面部7が発光素子3からの光を光軸Lにほぼ沿った方向に揃うように屈折させて入射させ、その光入射面部7から入射した光の殆どを光反射面部11で全反射させて、光反射面部11で反射された光を光出射面部12の第1出射面17a,17b及び第2出射面18,18から光束制御部材4の側方に出射させる。このような光束制御部材4を備えた発光装置1は、配置密度が密となるように一列に複数配置
されたとしても、密に配置された隣り合う他の発光装置1の光束制御部材4に向かう光を光出射面部12の第1出射面17a,17bで抑えることができ、光が発光装置1の配列の直上を重複して照明するのを抑えることができるため、発光装置1の配列の直上における照度の値をほぼ均一化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光素子(例えば、LED)からの光を出射制御する光束制御部材、この
光束制御部材を使用した発光装置、及びこの発光装置を使用して液晶表示パネル等の被照
明部材を面状に照明する面光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーや環境保全の観点から、LEDを光源とする発光装置によって広告
パネル等の被照明部材を照明するようになっている。
【0003】
例えば、図4(b)に示す発光装置100は、LED101からの光が光方向変換用光
学素子102を介して照明光として出射されるようになっている。この発光装置100の
光方向変換用光学素子102は、LED101からの光を光入射面103から内部に入射
させ、その光入射面103から入射した光の一部を光反射面104によって反射して光出
射面(円筒状の側面)105から出射させ、光入射面103から入射した光のうちの光出
射面104から出射した光を除く光の一部を光反射面104から出射するようになってい
る。そして、このような発光装置100は、基板上に一列に複数配置され、広告パネル等
の被照明部材(図示せず)を背面側から面状に照明する面光源装置を構成するようになっ
ている(特許文献1)。
【0004】
また、サイドビューLEDを面光源装置(面照明装置)の中央に配置し、サイドビュー
LEDからの出射光を中空導光領域へ導き、発光面部材を均一に照射するような面光源装
置も提案されている(特許文献2(図5、図6))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】再公表特許第WO2008/007492号公報
【特許文献2】特開2010−009785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献2のサイドビューLEDに替えて、特許文献1の発光装置100を特許文
献2の面光源装置に用いた場合、発光面上で発光装置100が配置される列の直上が特に
明るくなる。このような問題は、発光装置100が一列に複数配置され、その列に直交す
る方向において発光装置100の配置密度が疎となるような面光源装置において生じる。
【0007】
発光装置100の光方向変換用光学素子102は、その中心軸に対して回転対称形状に
形成されているため、平面視の状態において中心軸から360度全方向に等方的に光が出
射される。そのため、発光装置100が配置される列の直上は、複数の発光装置100か
らの光の照射範囲が重なり合い、発光装置100の配置密度が疎の方向に比べて明部が発
生し易くなる。
【0008】
そこで、本発明は、発光装置の配置密度が直交する2方向で異なる面光源装置に適用可
能な、異方的配向特性を有する光束制御部材,この光束制御部材を使用した発光装置、及
びこの発光装置を使用した面光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、図1及び図11に示すように、発光素子3に対して、前記発光素子
3からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向である光軸Lを中心とするように配
置される光束制御部材4に関するものである。この発明に係る光束制御部材4は、前記発
光素子3からの光を入射させる光入射面部7と、この光入射面部7から入射した光を反射
する光反射面部11と、前記光束制御部材4の側面に位置し前記光反射面部11で反射さ
れた光を出射する光出射面部12と、を有している。そして、前記光入射面部7は、前記
光束制御部材4のうちの前記発光素子3に対向する裏面5側に形成されている。また、前
記光反射面部11は、前記光束制御部材4のうちの前記裏面5の反対側に位置する頂面8
から前記裏面5側へ向かって凹むテーパー形状の凹所10を形作るテーパー面であって、
前記光軸L上に収斂するように形成され、前記光入射面部7から入射した光を前記光出射
面部12に向けて反射するようになっている。そして、前記光出射面部12は、前記光軸
Lを含む仮想面に対して面対称に形成される一対の第1出射面17a,17bと、前記一
対の第1出射面17a,17bを接続する第2出射面18,18とを有している。また、
前記第1出射面17a,17bは、前記第2出射面18,18よりも、前記光反射面部1
1を経由して到達する光を発散させて出射するように形成されており、前記光軸Lに直交
する方向を側方とすると、前記光反射面部11で反射された光を前記第1出射面17a,
17bと前記第2出射面18,18から前記側方側へ向けて出射するようになっている。
【0010】
請求項2の発明は、図1に示すように、請求項1の発明に係る光束制御部材4において
、前記光出射面部12の前記第2出射面18に特徴を有するものである。すなわち、前記
第2出射面18は、前記光軸Lを中心とする円筒面の一部である。
【0011】
請求項3の発明は、図11に示すように、請求項1の発明に係る光束制御部材4におい
て、前記光出射面部12の前記第2出射面18に特徴を有するものである。すなわち、前
記第2出射面18は、前記頂面8側が前記裏面5側よりも小径となるテーパー面で且つ前
記光軸Lを中心とするテーパー面の一部である。
【0012】
請求項4の発明は、図1及び図11に示すように、請求項1乃至3のいずれかの発明に
係る光束制御部材4において、前記第1出射面17a,17bに特徴を有するものである
。すなわち、前記第1出射面17a,17bは、前記光軸Lと平行な一対の平面からなる
二面幅部分17である。
【0013】
請求項5の発明は、図1及び図11に示すように、請求項1乃至4のいずれかの発明に
係る光束制御部材4において、前記光入射面部7に特徴を有するものである。すなわち、
前記入射面部7は、(1)前記光軸Lを中心とするように配置され且つ前記発光素子3に
対向するように配置され、(2)前記出射光束のうちの前記光軸Lの近傍に位置する中心
側の光束部分である第1光束部分を入射させる第1光入射面部分13と、(3)前記第1
光入射面部分13を取り囲むように配置され、前記出射光束のうちの前記第1光束部分を
取り囲むように位置する第2光束部分の光の進行方向が前記光軸Lにほぼ沿った方向とな
るように光路変換して前記光束制御部材4内へ入射させる第2光入射面部分14と、を有
し、(4)前記第2光入射面部分14が、前記光軸Lを中心として同心円状に突出形成さ
れた複数の突起15a,15bからなるフレネルレンズである。
【0014】
請求項6の発明は、図1及び図11に示すように、基板2上に設置された発光素子3と
、前記請求項1乃至5のいずれかの発明に係る光束制御部材4とを有する、ことを特徴と
する発光装置1,32に関するものである。
【0015】
請求項7の発明は、図9に示すように、前記請求項6の発明に係る発光装置1,32を
一列に複数配置し、これら複数の発光装置から出射した光を反射部材25で反射し、前記
発光装置1,32から出射され直接到達した光と前記反射部材25で反射した光とによっ
て被照明部材26を面状に照明する面光源装置22に関するものである。この面光源装置
22において、隣り合う前記発光装置1,32の前記光束制御部材4は、互いの前記第1
出射面17a,17b同士が対向するように配置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光束制御部材によれば、異方的な配向特性を実現することができ、配置密度が
密となるように複数配置されたとしても、密に配置された隣り合う他の光束制御部材に向
かう光を光出射面部の二面幅部分で抑えることができ、密に配置された隣り合う他の光束
制御部材との中間位置において複数の光源からの光が重複して同一箇所を照明することに
起因する明部の発生を抑えることができる。その結果、本発明の光束制御部材によれば、
被照射面上における照度分布のばらつきを抑えることができ、照明品質を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置を示すものである。図1(a)が発光装置の正面図であり、図1(b)が発光装置の平面図であり、図1(c)が発光装置の側面図であり、図1(d)が発光装置を構成する光束制御部材の裏面図、図1(e)が図1(b)のA1−A1線に沿って切断して示す発光装置の断面図、図1(f)が図1(b)のA2−A2線に沿って切断して示す発光装置の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る発光装置を構成する光束制御部材の第2光入射面部分の拡大図であり、図2(a)が第2光入射面部分の第1の例、図2(b)が第2光入射面部分の第2の例、図2(c)が第2光入射面部分の第3の例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る発光装置と従来の発光装置の光路図を対比して示す図であり、図3(a)が第1実施形態に係る発光装置を平面視した場合の光路図、図3(b)が従来の発光装置を平面視した場合の光路図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る発光装置と従来の発光装置の光路図を対比して示す図であり、図4(a)が第1実施形態に係る発光装置の縦断面における光路図、図4(b)が従来の発光装置の縦断面における光路図である。
【図5】比較例1に係る発光装置を示すものである。図5(a)が発光装置の正面図であり、図5(b)が発光装置の平面図であり、図5(c)が発光装置を構成する光束制御部材の裏面図であり、図5(d)が図5(b)のA3−A3線に沿って切断して示す発光装置の断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る発光装置と比較例1に係る発光装置の照度分布を対比して示す図である。
【図7】図7(a)が本発明の第1実施形態に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す正面側断面図、図7(b)が比較例1に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す正面側断面図である。
【図8】図8(a)が本発明の第1実施形態に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す平面図、図8(b)が比較例1に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す平面図である。
【図9】図9(a)が面光源装置の平面図、図9(b)が図9(a)のA4−A4線に沿って切断して示す面光源装置の断面図、図9(c)が図9(a)のA5−A5線に沿って切断して示す面光源装置の断面図である。
【図10】図10(a)が面光源装置の照度分布の測定領域を示す図であり、図10(b)が図10(a)のF部(照度分布の測定領域)を拡大して示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る発光装置を示すものである。図11(a)が発光装置の正面図であり、図11(b)が発光装置の平面図であり、図11(c)が発光装置の側面図であり、図11(d)が発光装置を構成する光束制御部材の裏面図、図11(e)が図11(b)のA6−A6線に沿って切断して示す発光装置の断面図、図11(f)が図11(b)のA7−A7線に沿って切断して示す発光装置の断面図である。
【図12】比較例2に係る発光装置を示すものである。図12(a)が発光装置の正面図であり、図12(b)が発光装置の平面図であり、図12(c)が発光装置を構成する光束制御部材の裏面図であり、図12(d)が図12(b)のA8−A8線に沿って切断して示す発光装置の断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る発光装置と比較例2に係る発光装置の照度分布を対比して示す図である。
【図14】図14(a)が本発明の第2実施形態に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す正面側断面図、図14(b)が比較例2に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す正面側断面図である。
【図15】図15(a)が本発明の第1実施形態に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す平面図、図15(b)が比較例1に係る発光装置の照度分布の測定状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0019】
[第1実施形態]
(発光装置)
図1は、本実施形態に係る発光装置1を示すものである。なお、図1(a)が発光装置
1の正面図であり、図1(b)が発光装置1の平面図であり、図1(c)が発光装置1の
側面図であり、図1(d)が発光装置1の裏面図であり、図1(e)が図1(b)のA1
−A1線に沿って切断して示す発光装置1の断面図であり、図1(f)が図1(b)のA
2−A2線に沿って切断して示す発光装置1の断面図である。
【0020】
この図1に示すように、発光装置1は、基板2上に設置された発光素子3(例えば、L
ED及び封止部材によって封止されたLED)からの光を光束制御部材4を介して出射す
るようになっており、発光素子3と光束制御部材4とが一対一で対応している。そして、
この発光装置1は、発光素子3が実装された基板2上に光束制御部材4の裏面5側に立設
された脚部6が接着剤で固定され、光束制御部材4の中心軸L1が発光素子3の光軸Lと
同心上に位置するようになっている。ここで、発光素子3の光軸Lとは、発光素子3から
の立体的な出射光束の中心における光の進行方向をいう。
【0021】
(光束制御部材)
光束制御部材4は、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PC(ポリカーボ
ネート)、EP(エポキシ樹脂)等の透明樹脂材料や透明なガラスで形成されている。
【0022】
この光束制御部材4は、円を二面幅で切り落としたような平面形状に形成されており、
その中心軸L1が平面形状の図心に合致している。そして、この光束制御部材4は、発光
素子3に対向する裏面5(図1(a),(d)の下面)に形成された光入射面部7と、裏
面5の反対側に位置する頂面8(図1(a),(d)の上面)と、この頂面8から略円錐
状に凹む凹所10を形作るテーパー状凹面の光反射面部11と、裏面5の外縁と頂面8の
外縁とを接続する光出射面部12と、を有している。ここで、円錐状とは、凹所10の表
面が円錐形状である場合はもちろんのこと、凹所10の表面が円錐形状に似た曲面である
場合や、凹所10の表面が円錐形状に似た非球面である場合(本実施形態の場合)をも含
むことを意味している。なお、この光束制御部材4は、光入射面部7よりも径方向外方側
の裏面5に、基板上に固定される4本の脚部6が立設されている。
【0023】
光入射面部7は、光束制御部材4の中心軸L1を中心とする円形状の平坦面である第1
光入射面部分13と、この第1光入射面部分13を取り囲むように形成された第2光入射
面部分14と、からなっている。第1光入射面部分13は、発光素子3からの出射光束の
うちの光軸L近傍に位置する中心側の光束部分であって、光の進行方向が光軸Lにほぼ沿
った方向である第1光束部分を入射させるようになっている。また、第2光入射面部分1
4は、発光素子3からの出射光束のうちの第1光束部分以外の光束部分であって、第1光
束部分を取り囲むように位置する第2光束部分を入射させるようになっている。この第2
光入射面部分14は、リング状の突起15a,15bが同心円状に複数形成されてなるフ
レネルレンズであって、突起15a,15bの各々は内側(中心軸L1寄り)に位置する
面15a1,15b1と外側に位置する面15a2,15b2との組み合わせで構成され
、第2光束部分の光の進行方向が光軸Lとほぼ平行な方向に揃うように、第2光束部分の
光を面15a1,15b1から入射し、面15a2,15b2で全反射するようになって
いる(図2(a)参照)。ここで、第2光束部分の光の進行方向が光軸Lと「ほぼ」平行
な方向に揃うとしたのは、第2光入射面部分14としてのフレネルレンズの製造誤差や、
発光素子3と光束制御部材4の組付誤差や、発光素子3の発光点が1点ではなく、ある面
積をもって発光していることにより、第2光束部分の光の進行方向が光軸Lと平行な方向
から(設計値から)ずれることを考慮したものである。
【0024】
光反射面部11は、図1(e),(f)に示すように、中心軸L1を中心とする回転対
称のテーパー形状の凹所10を形作るテーパー面(略円錐状の凹面であり、中心軸L1を
中心とする回転対称の非球面)であり、そのテーパー面の頂点16が中心軸L1上に位置
するように(テーパー面が中心軸L1上に収斂するように)形成され、一部分が後述する
二面幅部分17によって切り欠かれたようになっている。また、この光反射面部11は、
その頂面8側端部の直径D2が光入射面部7の外周端側の直径D1以上の大きさ(D1≦
D2)になっている。このような光反射面部11は、光入射面部7から入射した光を光出
射面部12に向けて全反射するようになっている。なお、光反射面部11の頂面8側端部
の直径D2は、頂面8の外周端における直径D3よりも小さくなっている。
【0025】
光出射面部12は、中心軸L1と平行な一対の平面17a,17bで且つ中心軸L1を
を含む面に面対称の一対の平面17a,17bからなる第1出射面としての二面幅部分1
7と、これら一対の平面17a,17b,頂面8及び裏面5を接続する一対の曲面18a
,18bであり且つ光軸Lを中心とする円筒面の一部をなす一対の曲面18a,18bで
ある第2出射面としての曲面部分18とからなっている。すなわち、光出射面部12は、
円柱の外周面が円柱の中心軸と平行な一対の仮想平面で且つ円柱の中心軸を含む面に面対
称の一対の仮想平面によって切断されることによって形成されるような側面形状になって
いる。このような光出射面部12は、光軸Lに直交する方向を側方とすると、光反射面部
11で全反射された光を二面幅部分17及び曲面部分18から側方側へ向けて出射するよ
うになっている。なお、光出射面部12は、射出成形金型(図示せず)からの光束制御部
材4の離型を容易にするために、抜け勾配がZ軸方向に沿って設けられている。
【0026】
図2(a)は、図1(f)に示した光束制御部材4における第2光入射面部分14を拡
大して示す図である。この図2(a)に示すように、第2光入射面部分14は、最外周の
リング状の突起15bを除き、他のリング状の突起15aが同一高さとなるように形成さ
れている。なお、第2光入射面部分14は、図2(a)に示す形状に限定されるものでは
なく、図2(b)〜(c)に示すような形状にしてもよい。すなわち、図2(b)に示す
第2光入射面部分14は、最外周のリング状の突起15bに隣り合うリング状の突起15
aから最内周のリング状の突起15aまでが裏面5に対してθ1の角度で発光素子3に近
づくように斜めに形成されている(図1参照)。また、図2(c)に示す第2光入射面部
分14は、最外周のリング状の突起15bに隣り合うリング状の突起15aから最内周の
リング状の突起15aに向かうにしたがって突起高さが漸増するように形成されている。
ここで、図2(a)〜(c)に示す各第2光入射面部分14は、最外周のリング状の突起
15bに隣り合うリング状の突起15aの形成位置が裏面5からλの位置にある。このよ
うに第2光入射面部分14の形状を工夫することにより、面15a1,15b1から入射
して面15a2,15b2を経由せずに直接、光出射面部12へ到達する光を減少させる
ことができる。
【0027】
なお、本実施形態に係る光束制御部材4は、二面幅部分17を形作る一対の平面17a
,17b間の幅寸法Wと曲面部分18の直径D3の比(W/D3)が0.7となるように
形成されているが、これに限られず、要求される光束制御性能に応じた最適の数値(W/
D3)が採用される。
【0028】
(発光特性)
図3及び図4は、本実施形態に係る発光装置1と従来の発光装置100の光路図を対比
して示すものである。なお、図3(a)は、本実施形態に係る発光装置1を平面視した場
合の光路図である。また、図3(b)は、従来の発光装置100を平面視した場合の光路
図である。また、図4(a)は、本実施形態に係る発光装置1の縦断面(図1(f)に対
応する断面)における光路図である。また図4(b)は、従来の発光装置100の縦断面
における光路図である。
【0029】
先ず、図3に基づいて、本実施形態に係る発光装置1の発光特性と従来の発光装置10
0の発光特性とを対比して説明する。図3(b)に示すように、従来の発光装置100は
、光軸Lを中心として、光方向変換用光学素子102の周囲(X−Y平面内の360°の
全方向)に光を均等に(等方的に)出射する。これに対し、図3(a)に示すように、本
実施形態に係る発光装置1は、光束制御部材4の二面幅部分17から出射する光が光束制
御部材4の曲面部分18から出射する光よりもY方向寄りに広がって出射し、X軸方向寄
りの出射光を疎とし、X軸とY軸との中間近傍からY軸方向寄りの出射光を密とするよう
に光を出射する。
【0030】
次に、図4に基づいて、本実施形態に係る発光装置1の発光特性と従来の発光装置10
0の発光特性とを対比して説明する。図4(b)に示すように、従来の発光装置100は
、LED101からの光を光方向変換用光学素子102の光入射面103から光方向変換
用光学素子102の内部に入射させ、その光入射面103から入射した光の一部を光方向
変換用光学素子102の光反射面104によって反射して光方向変換用光学素子102の
光出射面(円筒状の側面)105から出射させ、光方向変換用光学素子102の光入射面
103から入射した光のうちの光方向変換用光学素子102の光出射面104から出射し
た光を除く光の一部を光方向変換用光学素子102の光反射面104から出射するように
なっている。これに対し図4(a)に示すように、本実施形態に係る発光装置1は、発光
素子3からの光を光束制御部材4の光入射面部7から光束制御部材4の内部に入射させ、
その光入射面部7から入射した光を光反射面部11によって光出射面部12側へ向けて全
反射し、その光反射面部11によって全反射された光を光出射面部12から光束制御部材
4の側方へ出射させるようになっている。ここで、本実施形態に係る発光装置1は、発光
素子3からの出射光束のうちの光軸L近傍に位置する中心側の光束部分である第1光束部
分を光束制御部材4の第1光入射面部分13から光軸Lに沿う方向へ進行するように入射
させるようになっている。また、本実施形態に係る発光装置1は、発光素子3からの出射
光束のうちの第1光束部分を取り囲むように位置する第2光束部分を第2光入射面部分1
4によって光軸Lとほぼ平行となるように光路変換して入射させるようになっている。そ
の結果、本実施形態に係る発光装置1は、光束制御部材4の光入射面部7から入射した発
光素子3からの光を効率良く光反射面部11によって全反射することが可能になり、光が
光反射面部11から発光素子3の直上方向(Z軸方向)に出射することが抑えられる。
【0031】
(比較例1)
図5は、比較例1に係る発光装置20を示すものである。この比較例1に係る発光装置
20は、光束制御部材4の光出射面部12の形状が円筒面であり、光束制御部材4に二面
幅部分17が形成されていない点において、本実施形態に係る発光装置1と異なる。なお
、この比較例1に係る発光装置20は、光出射面部12の形状を除き、他の構成が本実施
形態に係る発光装置1と共通するので、本実施形態に係る発光装置1と共通する構成部分
には本実施形態に係る発光装置1と同一の符号を付して、本実施形態に係る発光装置1の
説明と重複する説明を省略する。
【0032】
この比較例1に係る発光装置20は、従来例に係る発光装置100と同様に、平面視の
状態において、光軸から360°の全方向に等方的に光が出射される。また、この比較例
1に係る発光装置20は、本実施形態に係る発光装置1の光束制御部材4と同様に、光反
射面部11からの光の出射を抑えることができる。したがって、この比較例1に係る発光
装置20は、従来例に係る発光装置100と比較して、発光素子3の直上方向(Z軸方向
)への光の出射を抑えることができる。
【0033】
(比較例1との対比)
このような比較例1に係る発光装置20と本実施形態に係る発光装置1の照度分布を対
比して示したのが図6である。すなわち、図6は、本実施形態に係る発光装置1から出射
した光が照射される被照射面上の照度分布と、比較例1に係る発光装置20から出射した
光が照射される被照射面上の照度分布と、を対比して示す図である。この図6において、
実線で表した線図が本実施形態に係る発光装置1による照度分布を示し、点線で表した線
図が比較例1に係る発光装置20による照度分布を示している。なお、図6において、横
軸が発光素子3(光軸L)からの距離(mm)を示し、縦軸が比較例1の最大照度を1と
したときの照度比を示している。
【0034】
また、被照射面上の照度分布は、図7及び図8に示すように、被照射面21上において
、光軸Lから±X方向へ測定点を所定間隔で移動させて測定した結果を示すものである。
また、被照射面21は、基板2からZ軸方向に沿ってHだけ離れた位置に配置されている
。また、本実施形態に係る発光装置1の光束制御部材4は、光出射面部12の二面幅部分
17が±X軸方向に対して直交するように配置されている。
【0035】
この図6に示すように、本実施形態に係る発光装置1は、比較例1に係る発光装置20
よりもX軸直上における被照射面21上の照度を低く抑えることができる。これは、本実
施形態に係る発光装置1における光束制御部材4の二面幅部分17の機能(図3(a)参
照)に起因するものである。
【0036】
(面光源装置)
図9は、上述の発光装置1を使用した面光源装置22を示す図である。なお、図9(a
)が面光源装置22の平面図、図9(b)が図9(a)のA4−A4線に沿って切断して
示す面光源装置22の断面図、図9(c)が図9(a)のA5−A5線に沿って切断して
示す面光源装置22の断面図である。
【0037】
図9に示すように、面光源装置22は、平面形状が矩形形状で且つ上方に向けて開口す
る筐体23と、この筐体23の内部底面24上に配置された反射部材25と、筐体23の
中央部で且つ筐体3の長手方向(図9(a)のX方向)に沿って反射部材25上に一列に
且つ等間隔に配置された複数の発光装置1と、筐体23の開口部を塞ぐように配置される
被照明部材26(例えば、液晶パネル,広告パネル)と、を有している。ここで、隣り合
う発光装置1,1同士は、光束制御部材4の二面幅部分17を形作る平面17a,17b
が互いに対向するように配置されている。
【0038】
この面光源装置22において、反射部材25は、例えば光反射性能に優れた板状部材で
形成されており、図9(c)に示すように、筐体23の内部底面24と平行で且つ筐体2
3の中央部を一定の幅でX方向に沿って延びる平坦面25aと、この平坦面25aのY方
向両端から筐体23の開口端に向かって斜めに立ち上がる一対の傾斜面25b,25bと
からなっている。
【0039】
このように構成された面光源装置22は、発光装置1から側方に向けて出射された光を
反射部材25及び筐体23の内壁面27で反射し、その反射光によって被照明部材26を
裏面側から面状に照明するようになっている。
【0040】
(本実施形態に係る面光源装置と比較例1に係る面光源装置の対比)
次に、本実施形態に係る面光源装置22と比較例1に係る面光源装置28に関し、被照
射面30(被照明部材26の内側の面であって、発光装置1に対向する面)上の照度分布
を、以下に示す表1乃至表3に基づき、対比して説明する。ここで、比較例1に係る面光
源装置28は、本実施形態に係る面光源装置22の発光装置1を、比較例1に係る発光装
置20に置き換えたものである(図9参照)。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
表1は、比較例1に係る面光源装置28における被照射面30上の照度分布を示すもの
である(図9及び図10参照)。また、表2は、本実施形態に係る面光源装置22におけ
る被照射面30上の照度分布を示すものである。ただし、図10に示すように、照度分布
の測定範囲としての被照射面30は、長辺の寸法が700mmで且つ短辺の寸法が400
mmの被照射部材26を平面視した場合、中央の発光装置1(20)の光軸Lとその中央
の発光装置1(20)の右隣に位置する他の発光装置1(20)の光軸Lを含み、且つ、
隣り合う発光装置1(20),1(20)の光軸L,L同士を結ぶ中心線31(図9に示
したように、複数の発光装置1,20が一列に配置されるようになっている面光源装置2
2(28)の中心線31)から中心線31と直交する方向(Y方向)へ50mmの位置を
含む矩形形状の範囲である。そして、この被照射面30において、中央の発光装置1(2
0)の光軸Lを通り且つ中心線31に直交する列をa列とし、中央の発光装置1(20)
の光軸Lとこれに隣り合う他の発光装置1(20)の光軸Lの中間位置を通り且つ中心線
31に直交する列をb列とし、中央の発光装置1(20)に隣り合う他の発光装置1(2
0)の光軸Lを通り且つ中心線31に直交する列をcとすると、各列a〜cの中心線31
上の位置(0mm)と、各列a〜cの中心線31からY方向へ25mmの位置と、各列a
〜cの中心線31からY方向へ50mmの位置の合計9箇所が照度の測定箇所である。ま
た、比較例1に係る面光源装置28の被照射面30上における照度の最大値を100とし
、この最大値(100)を基準として、表1及び表2の照度分布を表した。
【0045】
表1に示したように、比較例1に係る面光源装置28は、一列に配列した複数の発光装
置20からの光が発光装置20の配列上を重複して照明するため、中心線31上における
照度の値が高く、中心線31上に明部が発生していることが分かる。比較例1においては
、特に隣り合う発光装置20,20の中間位置(b列で且つY方向へ0mmの位置)にお
ける照度の値が他部よりも目立って高く(最大値の100に近く)、隣り合う発光装置2
0,20の中間位置に明部が発生していることが分かる。
【0046】
これに対し、表2に示したように、本実施形態に係る面光源装置22は、一列に配列し
た複数の発光装置1からの光が発光装置1の配列の直上を重複して照明するのを抑えるこ
とができるため、中心線31上における照度の値をほぼ均一化することができ、各列a〜
cの中心線31上における照度の値と各列a〜cの50mmの位置における照度の値の差
が表1よりも小さくなっている。
【0047】
ここで、表1における照度の測定値の最大値を最小値で割った値を均整度とすると、比
較例1に係る面光源装置28の均整度は1.72である。また、表2における照度の測定
の最大値を最小値で割った値を均整度とすると、本実施形態に係る面光源装置22の均整
度は1.38となる。このように、本実施形態に係る面光源装置22は、その均整度が比
較例1に係る面光源装置28の均整度よりも小さく、被照射面30における照度分布が比
較例1に係る面光源装置28の被照射面30における照度分布よりも均一化している。
【0048】
表3は、比較例1に係る面光源装置28の各測定点における照度の測定値(表1参照)
に対する本実施形態に係る面光源装置22の各測定点における照度の測定値(表2参照)
の変化率(照度変化率)を、「照度比」として示すものである。この表3に示すように、
照度の差は、各列a〜cにおいて、50mmの位置から中心線(0mm)に向かうにした
がって大きくなっており、b列の中心線(0mm)上の測定点において最も大きくなって
いる。このような照度変化率は、本実施形態に係る光束制御部材4の二面幅部分17の機
能に起因するものである。
【0049】
なお、上記表1乃至3は、被照明部材26の内側の面の全体(全被照射面)における照
度を示すものではないが、本実施形態に係る面光源装置22と比較例1に係る面光源装置
28における全被照射面の照度の平均値がほぼ同じであった。このことから、本実施形態
に係る面光源装置22は、比較例1に係る面光源装置28と比較し、光のロスを生じてい
ないことが確認できた。
【0050】
[第2実施形態]
(発光装置)
図11は、本発明の第2実施形態に係る発光装置32を示すものである。この図11に
示す発光装置32は、光束制御部材4の光出射面部12の形状が第1実施形態に係る光束
制御部材4と相違するが、他の構成が第1実施形態に係る発光装置1と同様であるので、
第1実施形態に係る発光装置1に対応する構成部分には同一符号を付し、第1実施形態に
係る発光装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0051】
この第2実施形態に係る発光装置32を構成する光束制御部材4は、光出射面部12の
曲面部分18がテーパー面の一部である。すなわち、光出射面部12の曲面部分18は、
頂面8側が裏面5側よりも小径となるテーパー面で、且つ、中心軸L1(光軸L)を中心
とするテーパー面の一部である。なお、第2実施形態において、光束制御部材4は、裏面
5側の外径をD4とし、頂面8側の外径をD5とすると、D5/D4を0.8としている
。また、第2実施形態において、光束制御部材4は、二面幅部分17の幅寸法をWとする
と、W/D4を0.7としている。しかしながら、第2実施形態に係る光束制御部材4は
、このようなD5/D4,W/D4の値に限られず、要求される光束制御性能に応じた最
適の数値(D5/D4,W/D4)が採用される。
【0052】
(発光特性)
第2実施形態に係る発光装置32は、光束制御部材4の曲面部分18がテーパー形状で
あるため、発光素子3の曲面部分18が円筒形状である場合よりも、曲面部分18からの
出射光の光軸Lに対する出射角度がやや大きくなるため、発光装置32近傍に発生し易い
明部を第1実施形態に係る発光装置1よりも一層効果的に抑えることができる点を除き、
第1実施形態に係る発光装置1と同様の発光特性を発揮するようになっている。
【0053】
(比較例2)
図12は、比較例2に係る発光装置33を示すものである。この比較例2に係る発光装
置33は、光束制御部材4の光出射面部12の形状がテーパー面であり、光束制御部材4
に二面幅部分17が形成されていない点において、第2実施形態に係る発光装置32と異
なる。なお、この比較例2に係る発光装置33は、光出射面部12の形状を除き、他の構
成が第2実施形態に係る発光装置32と共通するので、第2実施形態に係る発光装置32
に対応する構成部分には第2実施形態に係る発光装置32と同一の符号を付して、第2実
施形態に係る発光装置32の説明と重複する説明を省略する。
【0054】
この比較例2に係る発光装置33は、従来例に係る発光装置100と同様に、平面視の
状態において、光軸Lから360°の全方向に向けて光出射面部12から等方的に光が出
射される。また、この比較例2は、第2実施形態に係る発光装置32の光束制御部材4と
同様に、光反射面部11からの光の出射を抑えることができる。したがって、この比較例
2に係る発光装置33は、従来例に係る発光装置100と比較して、発光素子3の直上方
向への光の出射を抑えることができる。
【0055】
(比較例2との対比)
このような比較例2に係る発光装置33と第2実施形態に係る発光装置32の照度分
布を対比して示したのが図13である。すなわち、図13は、第2実施形態に係る発光装
置32から出射した光が照射される被照射面21上の照度分布と、比較例2に係る発光装
置33から出射した光が照射される被照射面21上の照度分布と、を対比して示す図であ
る(図14参照)。この図13において、実線で表した線図が第2実施形態に係る発光装
置32による照度分布を示し、点線で表した線図が比較例2に係る発光装置33による照
度分布を示している。
【0056】
また、被照射面21上の照度分布は、図14及び図15に示すように、被照射面21上
において、光軸Lから±X方向へ測定点を所定間隔で移動させて測定した結果を示すもの
である。また、被照射面21は、基板2からZ軸方向に沿ってHだけ離れた位置に配置さ
れている。また、第2実施形態に係る発光装置32の光束制御部材4は、光出射面部12
の二面幅部分17が±X軸方向に対して直交するように配置されている。
【0057】
この図13に示すように、第2実施形態に係る発光装置32は、比較例2に係る発光装
置33よりもX軸直上における被照射面21上の照度を低く抑えることができる。
【0058】
(面光源装置)
第2実施形態に係る発光装置32は、図9に示した面光源装置22において、第1実施
形態に係る発光装置1に替えて使用することにより、第2実施形態に係る面光源装置を構
成することができる。また、比較例2に係る発光装置33は、比較例1に係る発光装置2
0に替えて使用することにより、比較例2に係る面光源装置を構成することができる。
【0059】
(第2実施形態に係る面光源装置と比較例2に係る面光源装置の対比)
次に、第2実施形態に係る面光源装置と比較例2に係る面光源装置に関し、被照射面3
0上の照度分布を、以下に示す表4乃至表6に基づき、対比して説明する。なお、被照射
面30は、図10に示した照度分布の測定範囲としての被照射面30に対応している。そ
して、表4乃至6における9箇所の照度測定箇所(各列a〜cの0mm、25mm,50
mmの各3箇所)は、表1乃至3における9箇所の照度測定箇所に対応している。また、
比較例1に係る面光源装置28の被照射面30上における照度の測定値のうちの最大値を
100とし、この最大値(100)を基準として、表4及び表5の照度分布を表した。
【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
表4は、比較例2に係る面光源装置における被照射面30上の照度分布を示すものであ
る。また、表5は、第2実施形態に係る面光源装置における被照射面30上の照度分布を
示すものである。
【0064】
表4に示したように、比較例2に係る面光源装置は、一列に配置した複数の発光装置3
3からの光が発光装置33の配列上を重複して照明するため、中心線31上における照度
が高く、中心線31上に明部が発生していることが分かる。また、比較例2においては、
特に隣り合う発光装置33,33の中間位置(b列で且つ0mmの位置)における照度の
値が他部よりも目立って高く、隣り合う発光装置33,33の中間位置に明部が発生して
いることが分かる。これらの点は、表1に示した比較例1に係る面光源装置28と共通す
る。しかし、比較例2に係る面光源装置は、曲面部分18からの出射光の光軸Lに対する
角度を比較例1に係る面光源装置28よりも大きくすることができ、発光装置33近傍の
明部の発生を抑えることができるため、照度分布のばらつきが小さくなっている(表1、
表4参照)。
【0065】
これに対し、表5に示したように、第2実施形態に係る面光源装置は、一列に配置した
複数の発光装置32からの光が発光装置32の配列の直上を重複して照明するのを抑える
ことができるため、中心線31上における照度の値をほぼ均一化することができ、各列a
〜cの中心線31上における照度の値と各列a〜cの50mmの位置における照度の値の
差が表4よりも小さくなっている。すなわち、第2実施形態に係る面光源装置は、比較例
2に係る面光源装置よりも被照射面30上における照度のばらつきを小さくすることがで
きる。
【0066】
ここで、表4における照度の測定値の最大値を最小値で割った値を均整度とすると、比
較例2に係る面光源装置の均整度は1.43である。また、表5における照度の測定の最
大値を最小値で割った値を均整度とすると、第2実施形態に係る面光源装置の均整度は1
.17となる。このように、第2実施形態に係る面光源装置は、その均整度が比較例2に
係る面光源装置の均整度よりも小さく、被照射面30における照度分布が比較例2に係る
面光源装置の被照射面30における照度分布よりも均一化している。
【0067】
表6は、比較例2に係る面光源装置の各測定点における照度の測定値(表4参照)に対
する第2実施形態に係る面光源装置の各測定点における照度の測定値(表5参照)の変化
率(照度変化率)を、「照度比」として示すものである。この表6に示すように、照度の
差は、各列a〜cにおいて、50mmの位置から中心線(0mm)に向かうにしたがって
大きくなっており、b列の中心線31(0mm)上の測定点において最も大きくなってい
る。このような照度変化率は、第2実施形態に係る光束制御部材4の二面幅部分17の機
能に起因するものである。
【0068】
なお、上記表4乃至6は、被照明部材26の内側の面の全体における照度を示すもので
はないが、第2実施形態に係る面光源装置と比較例2に係る面光源装置における被照射面
全体の照度の平均値がほぼ同じであった。このことから、第2実施形態に係る面光源装置
は、比較例2に係る面光源装置と比較し、光のロスを生じていないことが確認できた。
【0069】
なお、上記表4乃至6は、被照明部材26の内側の面の全体(全被照射面)における照
度を示すものではないが、第2実施形態に係る面光源装置と比較例2に係る面光源装置に
おける全被照射面の照度の平均値がほぼ同じであった。このことから、第2実施形態に係
る面光源装置は、比較例2に係る面光源装置と比較し、光のロスを生じていないことが確
認できた。
【0070】
[変形例]
本発明の第1実施形態に係る光束制御部材4の頂面8及び第2実施形態に係る光束制御
部材4の頂面8を粗面化してもよい。
【0071】
また、本発明に係る面光源装置22は、複数の発光装置1を一列に密に配置してあるが
、これに限られず、複数の発光装置1を密に配置した列を複数列設けるようにしてもよい
。ただし、配列上における発光装置1の密度よりも、その配列と直交方向における発光装
置1の密度の方が疎となるように配置される。また、隣り合う列の発光装置1同士は、千
鳥状にずらして配置されるようにしてもよい。
【0072】
また、光束制御部材4の第1出射面としての二面幅部分17を、第1実施形態及び第2
実施形態では平面17a,17bに形成したが、これに限られず、配列方向へ向かう出射
光を減少させる効果が得られるような光を発散させる面を適用してもよい。例えば、光束
制御部材4の第2出射面としての曲面部分18よりも曲率半径の大きな凸面(発散効果は
平面よりも低いが回転対称な曲面部分18よりは高い)や、凹面(平面よりも発散効果が
高い)等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明に係る発光装置は、面光源装置に使用される場合に限られず、案内灯や間接照明
具等として単独で使用することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1,32……発光装置、2……基板、3……発光素子(例えば、LED)、4……光束
制御部材、5……裏面、7……光入射面部、8……頂面、10……凹所、11……光反射
面部、12……光出射面部、13……第1光入射面部分、14……第2光入射面部分、1
5a,15b……突起、17……二面幅部分、17a,17b……平面(第1出射面)、
18……曲面部分(第2出射面)、22……面光源装置、25……反射部材、26……被
照明部材、L……光軸(光束の中心)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子に対して、前記発光素子からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向で
ある光軸を中心とするように配置される光束制御部材であって、
前記発光素子からの光を入射させる光入射面部と、この光入射面部から入射した光を反
射する光反射面部と、前記光束制御部材の側面に位置し前記光反射面部で反射された光を
出射する光出射面部と、を有し、
・前記光入射面部は、
前記光束制御部材のうちの前記発光素子に対向する裏面側に形成されており、
・前記光反射面部は、
前記光束制御部材のうちの前記裏面の反対側に位置する頂面から前記裏面側へ向かって
凹むテーパー形状の凹所を形作るテーパー面であって、前記光軸上に収斂するように形成
され、
前記光入射面部から入射した光を前記光出射面部に向けて反射するようになっており、
・前記光出射面部は、
前記光軸を含む仮想面に対して面対称に形成される一対の第1出射面と、前記一対の第
1出射面を接続する第2出射面と、を有し、
前記第1出射面は、前記第2出射面よりも、前記光反射面部を経由して到達する光を発
散させて出射するように形成され、
前記光軸に直交する方向を側方とすると、前記光反射面部で反射された光を前記第1出
射面と前記第2出射面から前記側方側へ向けて出射するようになっている、
ことを特徴とする光束制御部材。
【請求項2】
前記第2出射面は、前記光軸を中心とする円筒面の一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光束制御部材。
【請求項3】
前記第2出射面は、前記頂面側が前記裏面側よりも小径となるテーパー面で且つ前記光
軸を中心とするテーパー面の一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光束制御部材。
【請求項4】
前記第1出射面は、前記光軸と平行な一対の平面からなる二面幅部分である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光束制御部材。
【請求項5】
前記入射面部は、
前記光軸を中心とするように配置され且つ前記発光素子に対向するように配置され、
前記出射光束のうちの前記光軸の近傍に位置する中心側の光束部分である第1光束部分
を入射させる第1光入射面部分と、
前記第1光入射面部分を取り囲むように配置され、前記出射光束のうちの前記第1光束
部分を取り囲むように位置する第2光束部分の光の進行方向が前記光軸にほぼ沿った方向
となるように光路変換して前記光束制御部材内へ入射させる第2光入射面部分と、を有し
、 前記第2光入射面部分が、前記光軸を中心として同心円状に突出形成された複数の突
起からなるフレネルレンズである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光束制御部材。
【請求項6】
基板上に設置された発光素子と、前記請求項1乃至5のいずれかに記載の光束制御部材
とを有する、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
前記請求項6に記載の発光装置を一列に複数配置し、これら複数の発光装置から出射し
た光を反射部材で反射し、前記発光装置から出射され直接到達した光と前記反射部材で反
射した光とによって被照明部材を面状に照明する面光源装置であって、
隣り合う前記発光装置の前記光束制御部材は、互いの前記第1出射面同士が対向するよ
うに配置される、
ことを特徴とする面光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−12632(P2013−12632A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145240(P2011−145240)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】