説明

光波長共有システム、光波長共有方法および光波長共有プログラム

【課題】ネットワーク内で伝送される光信号の利用効率を考慮した光波長共有システム、光波長共有方法および光波長共有プログラムを得ること。
【解決手段】波長別利用効率判別手段12は、受信した光信号のそれぞれについて波長ごとの利用効率を判別する。共有可否判別手段13は、この判別結果を用いて、複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する。光信号送信手段14は共有可否判別手段13が共有を可能と判別したとき、これらの光信号をその特定の1つの波長で共有して、これらを纏めて次のノードに送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の波長を通信に利用する光波長共有システム、光波長共有方法および光波長共有プログラムに係わり、特に一光波長内の通信帯域の有効活用を図った光波長共有システム、光波長共有方法および光波長共有プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバの通信容量は波長多重できる波長数によって決まる。基幹ネットワークに光ファイバを使用した場合を例として示すと、主に10Gbps(ギガビット/秒)×80チャンネル多重または40Gbps×40チャンネル多重となっている。したがって、光ファイバの1本当たり、約0.8〜1.6Tbps(テラビット/秒)の通信容量となる。ここで1Tbpsは、1兆ビット/秒を意味する。
【0003】
近年、各通信業者が多様なアプリケーションソフトウェアを通信に使用する傾向があり、これにより情報量が増大する傾向にある。このような情報量の増大に対しては、光の波長の多重を更に推進することで、光ファイバ1本当たりの通信容量を増加することが本発明の第1の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、これにより、光ファイバを接続したネットワークノードでは、波長ごとの経路制御が複雑化することになる。また、通信に使用する光の波長をより細かく分割して波長を多重化すると、隣接する波長間で近接による干渉パターンが発生することになり、通信品質の劣化が懸念される。
【0005】
このうち経路制御の複雑化への対処としては、本発明の第2の関連技術が存在している(たとえば特許文献2参照)。この第2の関連技術では、既存パスが使用しているリンクを仮想的に開放して、未使用状態とした仮想トポロジテーブルを生成する。そして、この仮想トポロジテーブルを用いて終点のノード装置までの最適な経路を計算するようにしている。
【0006】
しかしながら、プロバイダ等の接続業者のサービスは今後もますます向上していく。したがって、これによるトラフィックの増大の中で、個々のユーザに対するデータの品質維持の方策が必要とされる。そこで、宛先ノードをグループに分け、各グループごとにそれぞれ固有の波長を割り当てることが本発明の第3の関連技術として提案されている(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
図12は、この第3の関連技術による光波長共有システムの構成の概要を表わしたものである。この光波長共有システム100では、第0〜第nの光ファイバ1010〜101nが光ファイバリング網を構成している。第0のノード1020〜第6のノード1026は、それぞれが合分波装置103を介して接続されている。
【0008】
図13は、この第3の関連技術における各ノードから送信する宛先ノードをグループに分けた状態を表わしたものである。ここでは、グループ名がA、B、Cの3つの異なったグループに宛先ノードを分けている。各グループ宛の送信波長は、λ1、λ2、……と互いに異なる波長となっている。
【0009】
したがって、光波長共有システム100では、第0のノード1020からグループAの第1、第5のノード1021、1025へは、波長λ1の光信号を第0のファイバ1010に送信する。第0のノード1020からグループBの第2および第3のノード1022、1023へは、波長λ2の光信号を第0の光ファイバ1010に送信する。第0のノード1020からグループCの第4、第6のノード1024、1026へは、波長λ4の光信号を第0の光ファイバ1010に送信する。
【0010】
以上、第0のノード1020からの送信に限定して説明を行ったが、第1のノード1021〜第6のノード1026から送信する場合においても同様に、対応する第1のファイバ1011〜第6のファイバ1016を用いて、各グループごとに同一の送信波長が使用される。
【0011】
この第3の関連技術によれば、1波長で送信可能な帯域を同じグループ内の複数のノードで共有する。これにより、リンク容量は同じグループに属する宛先ノードの最大使用帯域の総和である必要がなく、統計多重効果が期待され、リンクの使用効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2000−165353号公報(第0021段落〜第0023段落、図1)
【特許文献2】特開2010−130272号公報(第0032段落、図12)
【特許文献3】特開2001−168842号公報(第0009段落〜第0012段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このように第3の関連技術によれば、1本の光ファイバの内部をグループ化された複数の波長の光信号が伝送される。したがって、第1の関連技術と同様に光ファイバ1本当たりの通信容量を増やすことができる。
【0014】
しかしながら、第3の関連技術では、図13に示すように宛先ノードと送信波長とを利用頻度を考慮することなく画一的に割り振っている。したがって、宛先ノードごとの利用頻度が時間と共に変動するような場合、ある時点でグループ化していた宛先ノード全部の送信を同一波長で行うことが可能であっても、別の時点ではこれらの宛先ノードの送信の一部しか同一波長で行うことができないという問題が発生する。
【0015】
そこで本発明の目的は、ネットワーク内で伝送される光信号の利用効率を考慮した光波長共有システム、光波長共有方法および光波長共有プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では、(イ)自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信手段と、(ロ)この光信号受信手段の受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別手段と、(ハ)この波長別利用効率判別手段の判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別手段と、(ニ)この共有可否判別手段によって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信手段とを光波長共有システムが具備する。
【0017】
また、本発明では、(イ)自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信ステップと、(ロ)この光信号受信ステップで受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別ステップと、(ハ)この波長別利用効率判別ステップによる判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別ステップと、(ニ)この共有可否判別ステップによって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信ステップとを光波長共有方法が具備する。
【0018】
更に本発明では、コンピュータに、光波長共有プログラムとして、(イ)自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信処理と、(ロ)この光信号受信処理で受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別処理と、(ハ)この波長別利用効率判別処理による判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別処理と、(ニ)この共有可否判別処理によって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、光信号のそれぞれについて送信に使用された波長における利用効率を判別して、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できる場合には特定の1つの波長で共有して次のノードに送出するようにした。これにより、光の1つの波長内での通信帯域を十分生かすことができ、使用する波長数の削減が可能となる。この結果、近接する他の波長への信号の干渉を抑えることができ、通信品質の向上を図ることができる。また、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)と組み合わせることにより、光波長ごとの制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の光波長共有システムのクレーム対応図である。
【図2】本発明の光波長共有方法のクレーム対応図である。
【図3】本発明の光波長共有プログラムのクレーム対応図である。
【図4】本発明の実施の形態による光波長共有システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図5】本実施の形態の、基幹ネットワーク網における中継ノードとその周辺の構成を表わした概略構成図である。
【図6】図5に示した制御プレーン部の構成を具体的に表わしたブロック図である。
【図7】本実施の形態の時刻t0におけるメモリテーブルの内容を示した説明図である。
【図8】本実施の形態の時刻t1+Δ1におけるメモリテーブルの内容を示した説明図である。
【図9】本実施の形態の時刻t1+Δ2におけるメモリテーブルの内容を示した説明図である。
【図10】本実施の形態の今回の中継ノード以降の中継ノードの制御プレーン部におけるメモリテーブルの一例を表わした説明図である。
【図11】本実施の形態の光波長共有システムにおける共有する光信号の波長の選定処理の様子を一般化して表わした流れ図である。
【図12】第3の関連技術による光波長共有システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図13】第3の関連技術における各ノードから送信する宛先ノードをグループに分けた状態を表わした説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の光波長共有システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の光波長共有システム10は、光信号受信手段11と、波長別利用効率判別手段12と、共有可否判別手段13と、光信号送信手段14を備えている。ここで、光信号受信手段11は、自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する。波長別利用効率判別手段12は、光信号受信手段11の受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する。共有可否判別手段13は、波長別利用効率判別手段12の判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する。光信号送信手段14は、共有可否判別手段13によって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する。
【0022】
図2は、本発明の光波長共有方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の光波長共有方法20は、光信号受信ステップ21と、波長別利用効率判別ステップ22と、共有可否判別ステップ23と、光信号送信ステップ24を備えている。ここで、光信号受信ステップ21では、自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する。波長別利用効率判別ステップ22では、光信号受信ステップ21で受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する。共有可否判別ステップ23では、波長別利用効率判別ステップ22による判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する。光信号送信ステップ24では、共有可否判別ステップ23によって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する。
【0023】
図3は、本発明の光波長共有プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の光波長共有プログラム30は、コンピュータに、光信号受信処理31と、波長別利用効率判別処理32と、共有可否判別処理33と、光信号送信処理34を実行させるようにしている。ここで、光信号受信処理31では、自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する。波長別利用効率判別処理32では、光信号受信処理31で受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する。共有可否判別処理33では、波長別利用効率判別処理32による判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する。光信号送信処理34では、共有可否判別処理33によって前記した特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記した複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する。
【0024】
<発明の実施の形態>
【0025】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態による光波長共有システムの構成の概要を表わしたものである。本実施の形態の光波長共有システム200は、基幹ネットワーク網201を備えている。基幹ネットワーク網201は、第1の基幹ネットワークノード2021を介して第1の基幹ネットワーク2031と接続され、第2の基幹ネットワークノード2022を介して第2の基幹ネットワーク2032と接続され、第3の基幹ネットワークノード2023を介して第3の基幹ネットワーク2033と接続されている。中継ノード204は基幹ネットワーク網201の中にある基幹ネットワークノードの一つである。この中継ノード204は、第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023と接続している。
【0027】
第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023は、基本的に同一の構成となっている。図4では、これを第1の基幹ネットワークノード2021について具体的に図示し、説明する。第1の基幹ネットワークノード2021は、複数のエッジノード211を備えている。エッジノード211は、エンドユーザ212に最も近い端(エッジ)にあるノードであり、通常はルータやVPN(Virtual Private Network)装置等の装置で構成されている。
【0028】
この光波長共有システム200で、第1の基幹ネットワーク2031と第3の基幹ネットワーク2033から第2の基幹ネットワーク2032へデータ通信が行われるものとする。このとき、第1の基幹ネットワーク2031に割り当てられた光信号の波長をλaとし、第3の基幹ネットワーク2033に割り当てられた光信号の波長をλbとする。中継ノード204は、送られてきた光信号を多重し、波長λの光信号として第2の基幹ネットワーク2032に向けて送出する。
【0029】
ところで本実施の形態の光波長共有システム200は、GMPLSと呼ばれるルーティングの技術を使用している。GMPLSでは、光信号のそれぞれの波長に対してラベルを付けるようにしている。GMPLSに関連する用語としてMPLS(Multi-Protocol Label Switching)がある。MPLSでは、パケットにラベルを付加してルーティングの経路を指定するようにしている。
【0030】
GMPLSでは、光信号の波長に対してラベルを付けるので、光信号を電気信号に変換することなくスイッチングが可能になる。そこでGMPLSでは、データチャネルとは別に制御チャネルを設けている。制御チャネルでは、制御メッセージの通信を行い、光パスの設定等の所定の事項の制御を行う。
【0031】
また、制御チャネルでは、各基幹ネットワークノードが、目的の基幹ネットワークノードに向けて光パスを設定する。たとえば第1の基幹ネットワーク2031と第3の基幹ネットワーク2033のように異なる基幹ネットワーク同士が、第2の基幹ネットワーク2032のようにこれらに共通の基幹ネットワークに向けてデータを送信する場合を考える。この場合には、第1および第3の基幹ネットワーク2031、2033に共通する基幹ネットワーク網201の中継ノード204が光パスを設定し、所定の波長λの光信号に変換してデータの転送を行うことになる。
【0032】
図5は、基幹ネットワーク網における中継ノードとその周辺の構成を表わしたものである。中継ノード204は、光信号のオン・オフや振り分けを行う光スイッチ部221と、この光スイッチ部221を経た光信号を多重する波長多重部222と、各種制御を行う制御プレーン部223から構成されている。
【0033】
図6は、制御プレーン部の構成を具体的に表わしたものである。制御プレーン部223は、CPU(Central Processing Unit)231と、このCPU231の実行する制御プログラムや、所定のメモリテーブル232Aを備えたメモリ232と、CPU231の使用するクロックを用いて計時動作を行うタイマ233を備えている。また、制御プレーン部223は、データチャネル234および制御チャネル235から送られてくる所定の波長の光信号を電気信号に変換するO/E(Optical/Electrical)変換部236と、この逆に電気信号を所定の波長の光信号に変換してデータチャネル237および制御チャネル238として送出するE/O(Electrical/Optical)変換部239を備えている。
【0034】
図5に示す光スイッチ部221では、制御プレーン部223から送られてくる光スイッチ制御命令241を用いて、中継ノード204に入ってくるデータチャネル234の光信号について、所定の光パスの切り替えを行う。このとき、図6に示す制御プレーン部223におけるメモリテーブル232Aに格納されたスイッチ切替制御情報が参照される。
【0035】
制御プレーン部223ではO/E変換部236を経て入力される制御チャネル235からの情報を用いて、メモリテーブル232Aの生成および更新を行う。
【0036】
CPU231は、タイマ233から日時情報としてのタイムスタンプ情報を取得して、これを付加した光スイッチ制御命令241を出力する。更にCPU231は、更新したメモリテーブル232Aを参照して、制御チャネルを再生成し、E/O変換部239から制御チャネル238として次のノードへ出力する。また、CPU231はメモリテーブル232Aに格納されている波長利用効率・共有判断情報を基にして共有可能な光信号の波長(データチャネル234)を選定する。
【0037】
選定された共有可能な波長の光信号(データチャネル234)については、O/E変換部236で変換された入力データがメモリ232に一度格納される。これは、同一の波長の2種類の信号の送出タイミングを調整するためである。メモリ232に格納された電気信号は共有可能波長情報に基づいた出力制御により出力され、E/O変換部239を通って光波長(データチャネル237)に変換され、光スイッチ部221(図5)に入力し直すことにより波長の共有化が行われる。
【0038】
このようにして2種類の光信号に関するデータの波長共有化が行われたら、CPU231はメモリテーブル232Aにおける波長変換情報と共有可能波長情報の更新を行う。そして、共有する光波長(データチャネル234)の選定を次の処理として行う。
【0039】
図7は、ある時刻t0におけるメモリテーブルの内容を示したものである。メモリテーブル232Aは、図5あるいは図6に示す制御チャネル235から送られてきた情報をO/E変換部236で電気信号に変換し、これを用いてテーブルの内容を生成したり更新するようにしている。
【0040】
メモリテーブル232Aには、時刻t0に次の各項目がそれぞれ対応付けて格納されているものとする。
(1)入力光波長情報;
入力される光信号の波長を表わしている。各波長λb、λs、……に対応するGMPLSによるラベルが付けられる。
(2)スイッチ切替制御情報(経路情報);
GMPLSでは、制御チャネル235(図6)を用いて、α、θ等の光パスを設定する。
(3)波長利用効率;
光信号ごとの使用する波長の利用率である。1つの波長を2種類の光信号が共有するときには、これらの波長利用効率の和は100パーセント以下となることが必要である。波長利用効率は中継ノード204が統計的に算出する。
(4)波長変換情報;
変換後の波長を示す情報である。たとえば入力光波長情報が波長λbの場合、メモリテーブル232Aにより、中継ノード204からの波長変換情報はλとなる。
(5)共有判断情報;
制御チャネル235から送られてきた情報を基にして制御プレーン部223が、中継ノード204からの2種類の光信号について共有が可能かを判断する。
【0041】
ここで、共有判断情報が「○」とは、問題なく波長の共有化が可能と判断する場合である。たとえば2種類の光信号の波長利用効率がそれぞれ30パーセント未満同士の場合には、これらの光信号を同一波長に変換しても100パーセントには至らず、共有化が可能であるとの判断になる。図7に示した例では、時刻t0に波長λbの波長共有率が15パーセントである。したがって、この例の場合、時刻t0の時点で第3の基幹ネットワークノード2023からすでに送られてきている波長λbの光信号については波長共有率が「○」の状態となっている。
【0042】
共有判断情報が「△」の場合には、波長の共有化が限定的に可能と判断する場合である。たとえば1つの光信号についての波長利用効率が30パーセントから70パーセントとなっているような場合、共有化の相手の共有判断情報が「○」で、その波長利用効率が30パーセント未満となっている場合には、同一波長の共有化が可能であると判断する。
【0043】
共有判断情報が「×」の場合には、波長の共有をしない方がよいと判断する場合である。たとえば、2種類の光信号のうちの少なくとも一方の波長利用効率が70パーセント以上であるとされている場合である。
(6)共有可能波長情報;
波長の共有化が可能な波長を示す。この欄で「−」と記された箇所では、時刻t0の時点で共有可能な波長が存在していない。
【0044】
今、メモリテーブル232Aが図7に示す状態にあるものとし、この状態で、その後の任意の時刻t1に、図4に示す第1の基幹ネットワーク2031から波長λaの光信号が中継ノード204に対して送信を開始されたものとする。
【0045】
図8は、この時刻t1から僅かに時間の経過した時刻t1+Δ1におけるメモリテーブルの内容を示したものである。図4に示す第1の基幹ネットワーク2031から波長λaの光信号が中継ノード204に送られてきたので、図6に示すCPU231は波長λaに関するデータをメモリテーブル232Aに格納する。波長λaの光信号についての波長利用効率が28パーセントであり、30パーセント未満であった場合、その共有判断情報は「○」となる。波長利用効率が28パーセントであることは、CPU231が所定の時間量Δ1の経過する間に統計的に算出したものである。
【0046】
図9は、第2の基幹ネットワークノードを共通の宛先とする波長λaおよび波長λbの光信号が揃った以後に、CPUがこれらの光信号の共有の可否を判別してその結果をメモリテーブルに反映させた時刻t1+Δ2におけるそのメモリテーブルの内容の変化を表わしたものである。ここで時間量Δ2は、時間Δ1に所定のデータ処理上の時間Δが加わったものである。
【0047】
この時刻t1+Δ2に、図6に示すCPU231は入力光波長情報λbに対する共有可能波長情報を「λa」に設定しており、入力光波長情報λaに対する共有可能波長情報の方は「λb」に設定している。したがって、波長λaの光信号と波長λbの光信号は、1つの新たな波長「λ」の光信号として共有が可能になる。
【0048】
ところで今回注目している図4に示す中継ノード204から第2の基幹ネットワークノード2022までの経路の共有化は、第1の基幹ネットワークノード2021と第3の基幹ネットワークノード2023をそれぞれ送信ノードとする2つの光信号に限定して考察している。これ以外の送信ノードから中継ノード204を経由して第2の基幹ネットワークノード2022に至る光信号までも同時期に考察しながら、中継ノード204から第2の基幹ネットワークノード2022までの経路の共有化を考察しているのではない。
【0049】
そこで、中継ノード204では、波長λaおよび波長λbの2種類の光信号との関係で、とりあえず新たな波長λを割り当てることになる。そして、メモリテーブル232Aにおける図9で確定した波長λa、λbおよびλの3つの波長関係を用いて、第1の基幹ネットワークノード2021と第3の基幹ネットワークノード2023から第2の基幹ネットワークノード2022に至る光信号の波長の共有化を開始することになる。
【0050】
図10は、今回の中継ノード以降の中継ノードの制御プレーン部における所定の時刻のメモリテーブルの一例を表わしたものである。図4では、中継ノード204から第2の基幹ネットワークノード2022までの通信経路が一通りの場合を示した。基幹ネットワーク網201内に、たとえば中継ノード204から他の中継ノード(これを中継ノード251と称することにする。)を経由して第2の基幹ネットワークノード2022に至る通信経路が存在したとする。
【0051】
この後者の例の場合で、波長λaおよび波長λbの光信号が中継ノード204まで送信され、中継ノード204から新たな波長λの光信号として中継ノード251まで送られたとする。このときの中継ノード204における制御プレーン部を制御プレーン部253とし、そのメモリテーブルをメモリテーブル252Aとする。図10は、このメモリテーブル252Aの内容を表わしている。
【0052】
メモリテーブル252Aの入力光波長情報の一つは「λ」であり、これは図4における中継ノード204から送られてきた共有化された光信号の情報である。その波長利用効率は、図9に示す入力光波長情報の「λa」における「26」(パーセント)と、入力光波長情報の「λb」における「15」(パーセント)の合計値の「43」(パーセント)となっている。したがって、共有判断情報は1段階落ちて「△」となっている。また、通常の場合、経路情報は、送信ノードから目的ノードが刻まれるが、波長の共有化を行った波長λでは、共有を開始したノードが送信ノードの代わりの情報として格納される。
【0053】
ところで前記した新たな中継ノード251には、他のノードから共有判断情報が「○」の波長利用効率が低い光信号(たとえば波長λqの光信号)が送られてきている。そこでこの入力光波長情報が「λq」の光信号と、中継ノード204から送られてきた入力光波長情報「λ」の光信号との共有化がこの中継ノード251で新たに判別されてよいことは当然である。
【0054】
図11は、以上説明した光波長共有システムにおける共有する光信号の波長の選定処理の様子を一般化して表わしたものである。図4〜図6と共に説明する。
【0055】
CPU231は、所定の単位時間が経過したかを判別し(ステップS301)、経過したならば(Y)、そのときの中継ノード204における各入力光波長情報を参照しながら、波長利用効率等の各種の情報を演算する。そして、現時点におけるこれらの値を算出してメモリテーブル232Aを最新の状態に更新する(ステップS302)。
【0056】
メモリテーブル232Aを更新すると、共有判断情報が「○」となっていたものが「△」や「×」となったり、今まで波長を共有していた2つの波長が、それらの波長利用効率の低下によって1つの波長で共有状態を保持できなくなったりする場合がある。そこで、CPU231は、共有を保持できるパスが自ノードで依然として存在するかを判別する(ステップS303)。
【0057】
そのようなパスが自ノードに現時点でも存在する場合(Y)、CPU231は基幹ネットワーク網201においてその波長内のトラフィック量で現在の共有を維持できるかをチェックする(ステップS304)。この結果、共有を維持できるとCPU231が判別した場合には(Y)、制御チャネル235によって現状の該当するパスを保持して共有関係がそのまま維持される(ステップS305)。この場合には基幹ネットワーク網201内での第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023からのデータの送出が従来通り行われて、処理はステップS301に戻る(リターン)。
【0058】
これに対して、ステップS304で共有を維持できないと判別した場合(N)、CPU231は制御チャネル235によって現状の該当するパスによる共有関係を解除する。そして1つの波長の光信号として該当する中継ノードから送出していた光信号に対してそれぞれ異なった波長を割り当てて、解除後の光パスの制御を行う(ステップS306)。この場合には基幹ネットワーク網201内での第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023からのデータの送出が変更後のパスに従って行われて、処理はステップS301に戻る(リターン)。
【0059】
一方、ステップS303で、現在注目しているノード(自ノード)で波長を共有にするパスが存在しなくなったと判別した場合(N)、CPU231は基幹ネットワーク網201内の他のノードで波長の共有が可能であるかをチェックする(ステップS307)。可能であれば(Y)、制御チャネル238を用いて該当する他の中継ノードで波長の共有化を実施する(ステップS308)。具体的には、スイッチ部221を用いて、複数の光信号に関して波長を共有できる他の中継ノードに向けた経路選択を実施させる。この後、基幹ネットワーク網201内での第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023からのデータの送出が従来通り行われて、処理はステップS301に戻る(リターン)。
【0060】
CPU231がステップS307で基幹ネットワーク網201内の他のノードでも波長の共有が不可能であると判別した場合には(N)、波長の共有は行われない。すなわち、基幹ネットワーク網201内で第1〜第3の基幹ネットワークノード2021〜2023からのデータの送出が初期の光パスを用いて行われて、処理はステップS301に戻ることになる(リターン)。
【0061】
以上説明したように本実施の形態の光波長共有システム200によれば、基幹ネットワーク網201内の中継ノードでCPUが、入力した各光信号の状況を見て、2つの異なった波長の光信号を1つの波長の光信号として共有が可能な場合には、波長の共有を行うようにした。このような波長の共有化によって基幹ネットワーク網201内で使用する光信号の波長の数を減少させることができる。この光の波長数の削減に伴い、近接する他の波長への干渉を低減することができる。環境変化に伴う熱変動等の変動があった場合、光の波長は周囲温度による周波数変動の影響を受けやすく、近接する周波数帯が近いほど環境温度に対するリスクが生じる。本実施の形態によれば、光の波長の削減により他光波長への干渉が低減できるため、動作環境に左右されず通信品質の確保が可能になる。また、各光波長の利用効率を上げることができる。更に、波長の利用効率が低い光波長同士が同じ光波長を用いて通信することにより、光波長内の利用効率の最適化を実現し、波長数の削減に伴う通信帯域(通信ができる波長)の確保が可能になる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、通信効率の向上に伴う光波長数の削減によって、図5に示した光スイッチ部221の制御回路の簡易化や、部品点数の削減に伴う消費電力低減を図ることができる。また、これに伴って光波長共有システム200を構成する装置の小型化やコストダウンを図ることができる。
【0063】
<発明の変形可能性>
【0064】
以上説明した実施の形態では光の波長の共有のために、図6に示したO/E変換部236と、E/O変換部239を必要とした。しかしながら、光メモリを使用して制御チャネルの情報を光のまま抜き取り、判断できるようにすれば、光スイッチ部221への切り替え制御命令をO/E変換無しに瞬時に行うことができる。また、O/E変換部236やE/O変換部239を不要とすることで、O/E変換やE/O変換に伴う信号処理の遅延を抑制することが可能になる。
【0065】
また、実施の形態で説明したメモリテーブルの構成は、図7等に示した各項目に限定されるものではない。たとえば、メモリテーブルが、各光波長の通過する光ファイバのトラフィック量情報や、各波長が通ることが想定されている光ファイバのトラフィック量情報を持つようにすれば、光パスを再度選定し、輻輳の発生を抑えることが可能になる。
【0066】
また、制御チャネルの中にQoS(Quality of Service)情報を付帯させるようにしてもよい。これにより、遅延発生が許されないVoIP(Voice over Internet Protocol)情報では波長の共有を行わない等のQoS制御が可能になる。
【0067】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0068】
(付記1)
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信手段と、
この光信号受信手段の受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別手段と、
この波長別利用効率判別手段の判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別手段と、
この共有可否判別手段によって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信手段
とを具備することを特徴とする光波長共有システム。
【0069】
(付記2)
前記光信号受信手段が受信する光信号は、その光信号のデータの内容を表わしたデータチャネルと、前記光信号のパスの設定等の各種制御に用いられる制御チャネルとによって構成されることを特徴とする付記1記載の光波長共有システム。
【0070】
(付記3)
前記共有可否判別手段が前記特定の1つの波長で共有できると判別した複数の光信号の同一波長における利用効率から自ノードでのこれらの光信号の共有状態を保持できるかを判別する共有保持可否判別手段と、
この共有保持可否判別手段で自ノードでの共有状態の保持が可能でないと判別したとき前記複数の光信号にそれぞれ異なった波長を割り当てることで1つの波長による光信号の共有状態を解除する共有解除手段
とを具備することを特徴とする付記1記載の光波長共有システム。
【0071】
(付記4)
前記共有保持可否判別手段で自ノードを出発点とする特定の他のノードとの間での共有状態の保持が可能でないと判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでの波長の共有が可能かを判別する他ノード共有可否判別手段と、この他ノード共有可否判別手段で波長の共有が可能であると判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでを波長を共有する経路として経路選択を行う別経路選択手段とを具備することを特徴とする付記3記載の光波長共有システム。
【0072】
(付記5)
前記他ノード共有可否判別手段は、前記光信号のパスの設定等の各種制御に用いられる制御チャネルにより情報を収集し、経路選択のための光スイッチの切替制御情報の更新を行うことを特徴とする付記4記載の光波長共有システム。
【0073】
(付記6)
前記制御チャネルの情報を光から電気信号に変換して判断する光−電気信号判別手段を具備することを特徴とする付記2記載の光波長共有システム。
【0074】
(付記7)
前記制御チャネルの情報を光のまま抜き取り、判断する光情報直接判別手段を具備することを特徴とする付記2記載の光波長共有システム。
【0075】
(付記8)
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信ステップと、
この光信号受信ステップで受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別ステップと、
この波長別利用効率判別ステップによる判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別ステップと、
この共有可否判別ステップによって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信ステップ
とを具備することを特徴とする光波長共有方法。
【0076】
(付記9)
前記共有可否判別ステップで前記特定の1つの波長で共有できると判別した複数の光信号の同一波長における利用効率から自ノードでのこれらの光信号の共有状態を保持できるかを判別する共有保持可否判別ステップと、
この共有保持可否判別ステップで自ノードでの共有状態の保持が可能でないと判別したとき前記複数の光信号にそれぞれ異なった波長を割り当てることで1つの波長による光信号の共有状態を解除する共有解除ステップ
とを更に具備することを特徴とする付記8記載の光波長共有方法。
【0077】
(付記10)
前記共有保持可否判別ステップで自ノードを出発点とする特定の他のノードとの間での共有状態の保持が可能でないと判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでの波長の共有が可能かを判別する他ノード共有可否判別ステップと、
この他ノード共有可否判別ステップで波長の共有が可能であると判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでを波長を共有する経路として経路選択を行う別経路選択ステップ
とを更に具備することを特徴とする付記9記載の光波長共有方法。
【0078】
(付記11)
コンピュータに、
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信処理と、
この光信号受信処理で受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別処理と、
この波長別利用効率判別処理による判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別処理と、
この共有可否判別処理によって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信処理
とを実行させることを特徴とする光波長共有プログラム。
【0079】
(付記12)
前記共有可否判別処理で前記特定の1つの波長で共有できると判別した複数の光信号の同一波長における利用効率から自ノードでのこれらの光信号の共有状態を保持できるかを判別する共有保持可否判別処理と、
この共有保持可否判別処理で自ノードでの共有状態の保持が可能でないと判別したとき前記複数の光信号にそれぞれ異なった波長を割り当てることで1つの波長による光信号の共有状態を解除する共有解除処理
とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする付記11記載の光波長共有プログラム。
【0080】
(付記13)
前記共有保持可否判別処理で自ノードを出発点とする特定の他のノードとの間での共有状態の保持が可能でないと判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでの波長の共有が可能かを判別する他ノード共有可否判別処理と、
この他ノード共有可否判別処理で波長の共有が可能であると判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでを波長を共有する経路として経路選択を行う別経路選択処理
とを更にコンピュータに実行させることを特徴とする付記12記載の光波長共有プログラム。
【符号の説明】
【0081】
10、200 光波長共有システム
11 光信号受信手段
12 波長別利用効率判別手段
13 共有可否判別手段
14 光信号送信手段
20 光波長共有方法
21 光信号受信ステップ
22 波長別利用効率判別ステップ
23 共有可否判別ステップ
24 光信号送信ステップ
30 光波長共有プログラム
31 光信号受信処理
32 波長別利用効率判別処理
33 共有可否判別処理
34 光信号送信処理
201 基幹ネットワーク網
2021 第1の基幹ネットワークノード
2022 第2の基幹ネットワークノード
2023 第3の基幹ネットワークノード
2031 第1の基幹ネットワーク
2032 第2の基幹ネットワーク
2033 第3の基幹ネットワーク
204 中継ノード
221 光スイッチ部
222 波長多重部
223 制御プレーン部
231 CPU
232 メモリ
232A メモリテーブル
234、237 データチャネル
235 制御チャネル
236 O/E変換部
239 E/O変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信手段と、
この光信号受信手段の受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別手段と、
この波長別利用効率判別手段の判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別手段と、
この共有可否判別手段によって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信手段
とを具備することを特徴とする光波長共有システム。
【請求項2】
前記光信号受信手段が受信する光信号は、その光信号のデータの内容を表わしたデータチャネルと、前記光信号のパスの設定等の各種制御に用いられる制御チャネルとによって構成されることを特徴とする請求項1記載の光波長共有システム。
【請求項3】
前記共有可否判別手段が前記特定の1つの波長で共有できると判別した複数の光信号の同一波長における利用効率から自ノードでのこれらの光信号の共有状態を保持できるかを判別する共有保持可否判別手段と、
この共有保持可否判別手段で自ノードでの共有状態の保持が可能でないと判別したとき前記複数の光信号にそれぞれ異なった波長を割り当てることで1つの波長による光信号の共有状態を解除する共有解除手段
とを具備することを特徴とする請求項1記載の光波長共有システム。
【請求項4】
前記共有保持可否判別手段で自ノードを出発点とする特定の他のノードとの間での共有状態の保持が可能でないと判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでの波長の共有が可能かを判別する他ノード共有可否判別手段と、この他ノード共有可否判別手段で波長の共有が可能であると判別したとき、自ノードから前記特定の他のノード以外の他の直結する所定のノードまでを波長を共有する経路として経路選択を行う別経路選択手段とを具備することを特徴とする請求項3記載の光波長共有システム。
【請求項5】
前記他ノード共有可否判別手段は、前記光信号のパスの設定等の各種制御に用いられる制御チャネルにより情報を収集し、経路選択のための光スイッチの切替制御情報の更新を行うことを特徴とする請求項4記載の光波長共有システム。
【請求項6】
前記制御チャネルの情報を光から電気信号に変換して判断する光−電気信号判別手段を具備することを特徴とする請求項2記載の光波長共有システム。
【請求項7】
前記制御チャネルの情報を光のまま抜き取り、判断する光情報直接判別手段を具備することを特徴とする請求項2記載の光波長共有システム。
【請求項8】
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信ステップと、
この光信号受信ステップで受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別ステップと、
この波長別利用効率判別ステップによる判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別ステップと、
この共有可否判別ステップによって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信ステップ
とを具備することを特徴とする光波長共有方法。
【請求項9】
コンピュータに、
自ノードを経由して他のネットワークノードに送出すべき光信号をそれぞれ受信する光信号受信処理と、
この光信号受信処理で受信した光信号のそれぞれについて、これらの送信に使用された波長における利用効率を判別する波長別利用効率判別処理と、
この波長別利用効率判別処理による判別結果を用いて、同一の経路に向けて送出される複数の異なった波長の光信号を共通の特定の1つの波長で共有できるか否かを判別する共有可否判別処理と、
この共有可否判別処理によって前記特定の1つの波長による共有が可能と判別したとき、前記複数の異なった波長の光信号をその特定の1つの波長で共有して、それぞれの光信号を次のノードに送出する光信号送信処理
とを実行させることを特徴とする光波長共有プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−70303(P2012−70303A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214764(P2010−214764)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】