説明

光触媒の励起方法および応力応答型光触媒装置

【課題】 紫外線ランプ、ブラックライト、蛍光灯ランプ、短波長発光ダイオード等の電気的光源又は太陽光線を必要とせずに、夜間等の暗所でも光触媒作用を発揮することができる光触媒の励起方法および光触媒部材、装置を提供する。
【解決手段】 本発明は機械的エネルギーを加えることにより発光する応力発光体を、光触媒を活性化する光源として利用する光触媒の励起方法及び応力応答型光触媒素子、部材、装置である。応力応答型光触媒装置は光触媒110と外力EFを加えることにより発光する応力発光体120からなる。応力発光体120に外力EFを加えた時に発光する光線LTを光触媒110に照射して光触媒110を活性化する。光触媒110と応力発光体120は隔離、密着、積層、混在してもよい。この光触媒部材、装置は例えば押しボタン、吊り手、マッサージ機、靴、骨伝導利用機器、体重測定器、電気カミソリ等の人体と接触する部材、機器を抗菌化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒の励起方法に関する。
【0002】
本発明は、光触媒部材または光触媒装置に関する。
【0003】
本発明は、紫外光線、可視光線などの励起光線を照射することにより、「光分解作用」または「光親水性作用」などの「光触媒活性」(光触媒作用)を発揮する光触媒の励起方法に関する。
【0004】
本発明は、紫外光線、可視光線などの励起光線を照射することにより、「光分解作用」または「光親水性作用」などの光触媒活性を発揮する光触媒または光触媒を備えた、光触媒部材に関する。
【0005】
本発明は、紫外光線、可視光線などの励起光線を照射することにより、「光分解作用」または「光親水性作用」などの光触媒活性を発揮する光触媒または光触媒を備えた、光触媒装置に関する。
【0006】
本発明は、光触媒を励起する外部光源を必要としない自己励起型光触媒部材に関する。
【0007】
本発明は、光触媒を励起する発光体を備えた自己励起型光触媒装置に関する。
【背景技術】
【0008】
従来、光触媒は、紫外光線、可視光線などの励起光線を照射することにより、光分解作用または光親水性作用などの光触媒活性を発揮することが周知である。
【0009】
通常、光触媒を励起する光線としては、蛍光ランプ、ブラックライト、ハロゲンランプ、発光ダイオードなどの人工光源からの光線または太陽光線が用いられている。
【0010】
しかしながら、光触媒は、これらの人工光線または太陽光線がほとんど存在しない夜間などの暗所においてはその特性から励起されず、光触媒活性を生じない。
【0011】
(光触媒について)
【0012】
公知または周知の光触媒には、次に記述するように「紫外線応答型光触媒」と「可視光応答型光触媒」がある。
【0013】
紫外線応答型光触媒は、主として紫外線の照射により光触媒活性を発揮する周知の光触媒であり各種の分野で実用化されている。
【0014】
紫外線応答型光触媒としては、例えば、一般的に光触媒活性が高い二酸化チタン(TiO2)などの光触媒酸化チタンが広く用いられている。
【0015】
可視光応答型光触媒は、例えば、特許文献1ないし特許文献10に記載のように、少なくも可視光線(例えば可視光線と紫外線)を吸収し励起されて光触媒活性を発揮する光触媒である。
【0016】
即ち、可視光応答型光触媒は、可視光線でも光触媒活性を発揮する光触媒である。
【0017】
可視光応答型光触媒として、例えば、白金化合物を担持した酸化チタン、窒素ドープ酸化チタン(TiO−N)、酸素欠陥型酸化チタン、硫黄カチオンを導入し鉄を担持させた酸化チタンなどが知られている。
【0018】
例えば、特許文献1(特開2004−988号公報)とこれと対応する特許文献2(特許第3601532号公報)、特許文献3(米国特許第6,794,065号特許文献)には、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したTi−O−N構成を含み、チタン原子と窒素原子との化学結合を有する、可視光領域において光触媒作用を発現(発揮)する可視光応答型光触媒物質(窒素ドープ酸化チタン)が開示されている。
【0019】
例えば、特許文献4(特開2002−239395号公報)、特許文献5(特開2004−73910号公報)には、酸化チタンなどの光触媒粒子の表面にハロゲン化白金化合物を含有している、可視光の照射下で励起可能な可視光応答型光触媒(白金化合物担持酸化チタン)が開示されている。
【0020】
例えば、特許文献6(特開2002−239395号公報)、特許文献7(特開2004−73910号公報)には、硫黄原子を陽イオンとして含有することを特徴とする可視光領域でその活性を発現するチタン、ジルコニウム、タンタルおよびストロンチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物または複合酸化物である含硫黄金属酸化物からなる硫黄ドープ酸化チタンが開示されている。
【0021】
特許文献8(特開平11−253794)には、改質用有機化合物を酸化チタン触媒の存在下、紫外光により分解率60%以上まで分解させることにより該酸化チタンの改質処理を行い、この改質した酸化チタン触媒を用いて可視光ないし近赤外光により揮発性有機化合物を分解する揮発性有機化合物の光分解方法が開示されている。
【0022】
特許文献9(特開2006−89323)には、2価の無機スズ塩と、チタン(IV)、ニオブ(V)、タンタル(V)、およびジルコニウム(IV)からなる群より選択されるd−ブロック金属のアルコキシドとを、アルカリ条件下で水熱処理することによって得られる、スズ/d−ブロック金属複合材料、およびこの材料からなり、可視光応答型光触媒が開示され、この光触媒吸収端は、約590nm(明るいオレンジ色)であることが記載されている。
【0023】
特許文献10(特開2004−237267号公報)には、プラズモン吸収を示すAu、Ag、および、またはCuからなる金属微粒子が2個以上凝集した二次粒子が光触媒中に分散または光触媒表面に担持された光触媒は、600nm以上(600ないし800nm)の波長の可視光領域の光を効率良く吸収して高い光触媒活性を示すことが開示されている。
【0024】
(応力発光体について)
【0025】
摩擦、衝撃、圧縮、湾曲、引張りなどの応力、機械的刺激、機械エネルギーの印加により可逆的に発光する現象を示す応力発光(ストレス ルミネツセンス:stress luminescence)材料が公知である。
【0026】
応力発光現象は、摩擦発光(トリボルミネツセンス:tribo−luminescence)、メカノルミッセンス(mechano−luminescence)とも呼ばれている。
【0027】
この応力発光材料については、例えば下記に列挙する特許文献11ないし特許文献22に記載されている。
【0028】
特許文献11(特開昭48−46582号公開公報)には、二価のユーロピウムで付活したアルミン酸ストロンチウムよりなる応力発光材料の一種である蛍光体を所望形状の基板に塗布してなる摩擦発光素子が開示されている。
【0029】
また、この蛍光体を基板に塗布し、摩擦、衝撃などの機械的エネルギーを付与すると、通常の明るさの部屋の中でおいても肉眼で認められる大きい輝度の黄緑色の発光が得られること、更に機械的エネルギーを与えた瞬間から約30乃至60分経過後も残光性即ち蓄光性を示すことが開示されている。
【0030】
特許文献12(特開昭S56−136874号公報)には、ユウロピウムあるいはテルピウムからなる希土類元素含有ピコリン酸塩等の有機錯体からなる摩擦発光物質(応力発光材料)が開示され、また通常光下においてユウロピウムの場合には赤色発光、テルピウムの場合には緑色発光を行うと記載されている。
【0031】
特許文献13(特開平11−116946)、特許文献14(特開平11−120801)およびこれらと対応する特許文献15(米国特許6,117,574)には、外部から加えられた摩擦力、応力、衝撃力などの機械的エネルギーにより電圧を発生するウルツ鉱型構造の無機圧電性酸化物、硫化物、炭化物および窒化物の1種類以上からなる母体材料と、機械的エネルギーで生じた母体内の電界によってその原子を構成する電子が励起された後、安定状態に戻る時に発光するレアアース又は遷移金属の発光中心から構成される無機材料を原料とし、各種の材料の上に付着させた力で発光する薄膜、)および外部から加えられた摩擦力、応力、衝撃力などの機械的エネルギーにより電圧を発生するウルツ鉱型構造の無機圧電性酸化物、硫化物、炭化物および窒化物の1種類以上からなる母体材料に、機械的エネルギーで生じた母体内の電界によってその原子を構成する電子が励起された後、安定状態に戻る時に発光するレアアース又は遷移金属の1種類以上の発光中心を所定量添加した力で発光する無機材料およびバルク無機材料が開示されている。
【0032】
更に、これらの特許文献13、特許文献14、特許文献15には、発光は、母体材料と発光中心を組み合わせることによって様々な波長領域の発光が可能であり、例えば、硫化亜鉛母体材料にマンガンを添加するとオレンジ色の発光が観察されるが、銅を添加すると青色の発光が見られ、肉眼で波長領域の変化が確認できることが開示されている。
【0033】
特許文献16(特開2004−059746)およびこれと対応する特許文献17(米国特許20050247912公開特許文献)には、ストロンチウム及びアルミニウム含有複合金属酸化物を母体材料とし、機械的なエネルギーによって励起されたキャリアが、基底状態に戻る場合に発光する希土類金属又は遷移金属の中から選ばれた少なくとも1種の金属を発光中心として含むメカノルミネッセンス材料(応力発光体)が開示されている。
【0034】
特許文献18(特開2000−173301)およびこれと対応する特許文献19(米国特許6,281,617号特許文献)には、圧力を加えることにより発光する圧力発光層と、電極膜で挟持された圧電膜を備え、前記圧力発光層に圧力を加えることが可能に配置された圧電体素子と、を備えた摩擦ルミネセンス(応力発光)を利用した圧電発光素子が開示されている。
【0035】
更に特許文献18、特許文献19には、「圧力発光(応力発光)層は、圧力を加えることにより発光する下記の(a)ないし(h)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)で構成されている。
【0036】
(a)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、N−イソプロピルカルバゾールを使用した場合、強い青色の光(波長400nmから500nm)を発生させることができる。
【0037】
(b)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、酸化珪素(Si0x:0<x≦2)ガラスを使用した場合、膜形成時の条件でSi原子とO原子との結合状態が変わることで、青色(波長430nm)、赤色(波長630nm)または白色(波長380nmから900nm)の光を発生させることができる。
【0038】
(c)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、Eu(TTA)3を使用した場合、赤色(610nm)の光を発生させることができる。
【0039】
(d)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、フェナントレン(phenanthrene)を用いると、400nmから440nmの青色光が得られる。
【0040】
(e)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、クマラン(coumarin)を用いると、波長390nmから450nmの光が得られる。
【0041】
(f)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、m−アミノフェノール(m−aminophenol)を用いると、波長340nm程度の紫外線を放出可能であり、可視光以外の光照射に使用可能である。
【0042】
(g)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、無水フタル酸(phthalic anhydride)を用いると、波長360nmから420nmの光が得られる。
【0043】
(h)摩擦ルミネセンス材料(応力発光材料)として、(Ch3P)2Cを用いると、波長480nmから560nmの光が得られる。
【0044】
特許文献20(特開2005−75838)には、MNb26(Mは、Mg,Ca,Sr,Coの群の中からそれぞれ選ばれた少なくとも1種以上の金属元素)で表されるコロンバイト型構造の酸化物を用いた応力により発光する外部からの応力や摩擦により効率的に発光する蛍光体発光材料(応力発光体)が開示されている。
【0045】
またこの特許文献20には、この応力発光体は500nm付近に発光ピークを持つ青色の発光スペクトルを発することが開示されている。
【0046】
特許文献21(特開2006−312719号公報)およびこれと対応する特許文献22(国際公開WO2006109704 A1号公報)には、多面体構造の分子により構成される母体構造に、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンが挿入され、その一部が、希土類金属、遷移金属、III族の金属、またはIV族の金属の、いずれかのイオンで置換された構造を有する応力発光材料が開示され、該応力発光材料は、三斜晶構造、正方晶構造或いは三方晶構造を有する発光体で紫外線の発光を示すことが記載されている。
【0047】
更に、このように多面体構造の分子から構成され、歪を生じさせやすい空間を有する母体構造の空間に、アルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンとが挿入された基本構造を有し、強い発光を示すことができることが記載されている。
【0048】
更に、上記応力発光材料は、上記空間に挿入されたLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属イオンおよびCa、Mg、Ba、Sr等のアルカリ土類金属イオンの一部が、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、およびIV族の金属イオンから選択される少なくとも1種の金属イオンに、置換されている構成であり、強い紫外線波長(200乃至400nmの波長領域)を示すことが記載されている。
【0049】
また、上記応力発光材料において、例えば、希土類金属イオンとして、発光中心となるCeイオンを選択すれば、強い紫外線発光を呈する応力発光材料(高強度応力発光材料)を実現することができることが記載されている。
【0050】
【特許文献1】特開2004−988号公報
【特許文献2】特許第3601532号公報
【特許文献3】米国特許第6,794,065号特許文献
【特許文献4】特開2002−239395号公報
【特許文献5】特開2004−73910号公報
【特許文献6】特開2002−239395号公報
【特許文献7】特開2004−73910号公報
【特許文献8】特開平11−253794号公報
【特許文献9】特開2006−89323号公報
【特許文献10】特開2004−237267号公報
【特許文献11】特開昭48−46582号公報
【特許文献12】特開昭56−136874号公報
【特許文献13】特開平11−116946号公報
【特許文献14】特開平11−120801号公報
【特許文献15】米国特許6,117,574号文献
【特許文献16】特開2004−059746号公報
【特許文献17】米国特許20050247912
【特許文献18】特開2000−173301号公報
【特許文献19】米国特許6,281,617号特許文献
【特許文献20】特開2005−75838号公報
【特許文献21】特開2006−312719号公報
【特許文献22】国際公開WO2006109704 A1号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0051】
本発明は、室内照明ランプ、ブラックライトなどの光触媒を励起できる電気的光源の消灯中、夜間などの暗所でも光触媒を自己励起して活性化できる光触媒部材、光触媒装置と光触媒の励起方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0052】
本発明は、周知の人工光源(紫外線ランプ、ブラックライト、蛍光灯ランプ、短波長発光ダイオードなど)からの人工光線または太陽光線を必要とせずに、光触媒を活性化または励起することができる、光触媒の新規な励起方法を提供する。
【0053】
本発明は、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光体を光触媒を活性化または励起する光源として利用する応力応答型光触媒部材、応力応答型光触媒装置を提供する。
【0054】
応力発光体(応力発光部材)は振動、摩擦、衝撃、打撃、圧縮、張力、圧力などの任意の外力(応力、機械的エネルギー、機械的刺激)を加えたときに発光する特性を有する。
【0055】
本発明では、室内照明蛍光ランプ、ブラックライトなどの光触媒を励起できる人工光源の消灯中、夜間などの暗所でも光触媒を励起可能とするために、応力発光材料、摩擦発光材料などの応力発光体を用いる。
【0056】
本発明では、外力(応力、機械的刺激)を応力発光材料、摩擦発光材料などの応力発光体に加えて発光させ、光触媒に応力発光体で発生する発光光線を照射して光触媒を励起する。
【0057】
応力発光体で発生する発光を照射して光触媒を励起させることにより、光触媒は酸化および、または還元反応を生じ、その結果、光触媒は光分解作用、光親水化作用などの光触媒活性を発現、発揮する。
【0058】
一方、光触媒は太陽光線、照明光線などからの励起光線を照射しないときには光触媒活性を発揮できない。
【0059】
本発明は、太陽光線、照明光線などからの励起光線を照射しないときにも光触媒活性を発揮することが期待されているが、原理的に不可能であった。
【0060】
本発明は、基本的には、光触媒と応力発光体を組み合わせたものであり、光触媒は応力発光体からの励起光線を受光できるように配置される。
【0061】
本発明は、基本的には、光触媒と応力発光体を組み合わせたものであり、このような組み合わせは今まで全く知られていない新規なものである。
【0062】
本発明においては、光触媒と、光触媒と光結合するように配置された応力発光体からなり、応力発光体に外力を加えたときに発生する光線により光触媒を励起するものである。
【0063】
本発明の一態様は、応力の印加により応力発光材料を発光させること、および
前記応力発光材料からの発光光線を光触媒に照射させることからなる、光触媒の励起方法である。(請求項1)
【0064】
前記応力発光材料からの発光光線を光触媒に照射させて前記光触媒を励起することができる。
【0065】
本発明の一態様は、少なくとも可視光線によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として可視光線を発光する可視光発光型応力発光材料を用意すること、前記応力発光材料に機械的エネルギーを印加して前記応力発光材料から可視光線を発光させること、および
前記応力発光材料からの可視光線を前記光触媒に照射させて前記光触媒を励起する、光触媒の励起方法である。(請求項2)
【0066】
本発明の他の態様は、少なくとも紫外光線によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として紫外光線を発光する紫外光発光型応力発光材料を用意すること、前記応力発光材料に機械的エネルギーを印加して前記応力発光材料から紫外光線を発光させること、および
前記応力発光材料からの紫外光線を前記光触媒に照射させて前記光触媒を励起する、光触媒の励起方法である。(請求項3)
【0067】
前記応力発光材料からの光線を、前記発光スペクトルと少なくとも部分的に重なる吸収スペクトルを有する光触媒に照射させることにより前記光触媒を励起することができる。(請求項4)
【0068】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力
発光材料からなる、光触媒装置である。(請求項5)
【0069】
前記光触媒の吸収スペクトルと前記応力発光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるように前記光触媒と前記応力発光材料を選択すると、応力応答型光触媒装置を得ることができる。(請求項6)
【0070】
本発明の他の態様は、光触媒と、応力の印加により発光する応力発光材料から
なり、前記光触媒は、前記応力発光材料からの発光光線を受光できる位置に配
置される、光触媒装置である。(請求項7、請求項8、請求項9、請求項10)
【0071】
前記光触媒を含有する光触媒部材と前記応力発光材料を含有する応力発光部材を積層してもよい。(請求項8)
【0072】
前記光触媒部材と前記応力発光部材が一体化されてもよい。(請求項9)
【0073】
前記光触媒部材と前記応力発光材料が離間して配置されてもよい。(請求項10)
【0074】
本発明の他の態様は、光触媒を含有する光触媒部材と、機械的エネルギーの印
加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、前記光触媒
が少なくとも可視光によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒からな
る、応力応答型光触媒装置である。(請求項11)
【0075】
本発明の他の態様は、光触媒を含有する光触媒部材と、機械的エネルギーの印
加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、前記光触媒
が主として紫外光によって光触媒活性を発揮する紫外光応答型光触媒からなる、
応力応答型光触媒装置である。(請求項12)
【0076】
本発明の他の態様は、光触媒を含有する光触媒部材と、機械的エネルギーの印
加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、前記光触媒
が少なくとも可視光によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒であり、
前記応力発光材料が主として可視光を発光する応力発光材料である、応力応答
型光触媒装置である。(請求項13)
【0077】
本発明の他の態様は、光触媒を含有する光触媒部材と、機械的エネルギーの印
加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、前記光触媒
が主として紫外光によって光触媒活性を発揮する紫外光応答型光触媒であり、
前記応力発光材料が主として紫外光を発光する応力発光材料である、応力応答
型光触媒装置である。(請求項14)
【0078】
本発明の他の態様は、光触媒を含有する光触媒部材と、機械的エネルギーの印
加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、前記光触媒
部材および前記応力発光部材が膜状、シート状、テープ状またはリボン状の扁
平状部材からなり、前記光触媒部材および前記応力発光部材部材が積層された、
応力応答型光触媒装置である。(請求項15、請求項16、請求項17、請求
項18)
【0079】
前記光触媒部材および前記応力発光部材部材が支持体となる任意の基材上に積
層されてもよい。(請求項16)
【0080】
前記光触媒部材が複数の光触媒粒子を含有する光触媒部材からなり、前記応力
発光部材が応力発光材料粒子を含有する応力発光部材からなってもよい。(請求項17)
【0081】
前記光触媒部材および前記応力発光部材との間に透明または半透明の光透過性
部材を介在してもよい。(請求項18)
【0082】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力
発光材料と、透明または半透明の光透過性部材からなり、前記光触媒および前
記応力発光材料が前記光透過性部材に混合または分散して含有された、応力応
答型光触媒装置である。(請求項19)
【0083】
前記光触媒が前記光透過性部材の少なくとも一表面に偏在して配置されてもよ
い。(請求項20)
【0084】
複数の前記光触媒粒子および複数の前記応力発光材料粒子が前記光透過性部材に混合または分散して含有され、前記光触媒粒子が前記光透過性部材の少なくとも一表面に偏在して配置されてもよい。(請求項21)
【0085】
前記光透過性部材が気体を内部に透過する気体透過性基材からなり、前記光触媒および前記応力発光材料が前記気体透過性基材の少なくとも内部(内部及び、表面近辺)に配置されてもよい。(請求項22)
【0086】
本発明の他の態様は、機械的エネルギーの印加により発光する少なくとも一つ
の応力発光粒子と、前記応力発光粒子からの発光光線により励起される少なく
とも一つの光触媒粒子とからなり、前記応力発光粒子と前記光触媒粒子が結合
材を用いるか、または用いずに互いに一体化された応力発光−光触媒複合素子
を構成する、応力応答型光触媒装置である。(請求項23)
【0087】
本発明の他の態様は、 機械的エネルギーの印加により発光する少なくとも一
つの応力発光粒子と、前記応力発光粒子からの発光光線により励起される少な
くとも一つの光触媒粒子とからなり、前記応力発光粒子と前記光触媒粒子が結
合材を用いるか、または用いずに互いに一体化された応力発光−光触媒複合素
子と、気体を内部に透過する気体透過性基材からなり、複数の前記応力発光−
光触媒複合素子が前記気体透過性基材の少なくとも内部に配置された、応力応
答型光触媒装置である。(請求項24)
【0088】
前記気体透過性基材の替わりに、複数の前記応力発光−光触媒複合素子を非気体透過性基材の表面近辺に担持してもよい。
【0089】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、前記光触媒と前記応力発光材料が水平方向に並置して配置された、応力応答型光触媒装置である。(請求項25)
【0090】
複数の前記光触媒と複数の前記応力発光材料を交互に水平方向に並置して配置してもよい。
【0091】
前記光触媒粒子を含有する複数の光触媒膜と前記応力発光材料粒子を含有する複数の応力発光膜を基材上に交互に水平方向に並置して配置してもよい。
【0092】
本発明の他の態様は、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を有する応力発光粒子または前記応力発光粒子を含有する応力発光部材と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒粒子または前記光触媒粒子を含有する光触媒部材からなり、前記応力発光粒子または前記応力発光部材の主として表面に前記光触媒粒子または前記光触媒部材を部分的または全面的に配置した、応力応答型光触媒装置である。(請求項26)
【0093】
本発明の他の態様は、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を有する応力発光粒子を含有する複数の応力発光部材と、光触媒粒子を含有する複数の光触媒部材と、前記応力発光部材と前記光触媒部材を含有する光透過性部材からなり、
前記光触媒部材が主として前記光透過性部材の表面近辺に配置された、応力応答型光触媒装置である。(請求項27)
【0094】
本発明の他の態様は、基材と、前記基材の少なくとも表面に部分的または全面
的に配置され、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有す
る応力発光膜と、前記応力発光膜に部分的または全面的に配置され、前記応力
発光材料からの発光光線により励起される光触媒を含有する光触媒膜からなる、
応力応答型光触媒装置である。(請求項28)
【0095】
本発明の他の態様は、基材と、前記基材の表面に部分的または全面的に配置さ
れ、応力発光材料と光触媒を含有する応力発光体−光触媒複合膜からなり、前
記応力発光体−光触媒複合膜が、機械的エネルギーの印加により発光する応力
発光材料からなる少なくとも一つの応力発光粒子と、前記応力発光材料からの
発光光線により励起される前記光触媒からなる少なくとも一つの光触媒粒子を
光透過性結合材に分散した、応力応答型光触媒装置である。(請求項29)
【0096】
前記光触媒と前記応力発光材料を任意の自然物および、または人工物に担持
させることができる(請求項30)
【0097】
各種の前記光触媒装置において、更に前記応力発光材料がからの発光により励起される蓄光性を有するまたは蓄光性を有しない蛍光体を備え、前記光触媒の光吸収スペクトルと前記応力発光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるようにすることができる。(請求項31)
【0098】
各種の前記光触媒装置において、更に、前記応応力発光材料に機械的エネルギーを印加する機械的エネルギー発生手段を備えることができる。(請求項32)
【0099】
前記光触媒と前記応力発光材料を任意の物品(物体)に担持させ、光触媒を有する抗菌性物品とすることができる。(請求項33、請求項34、請求項35)
【0100】
前記物品が人体と直接的または間接的に接触する物品であることができる。(請求項34)
【0101】
前記物品が人体と直接的または間接的に接触する物品であり、前記物品が押しボタン、キーボード、マウス型入力機器、タッチ型入力パネル、タッチ型入力パッド、車両の吊り手、取っ手、ハンドル、固定型手摺り、乗客コンベヤー用ハンドレール(移動型手摺り)、マッサージ装置、振動部材、骨伝導音響装置、骨伝導スピーカー付き携帯電話、スピーカー、靴、靴の中敷(インソール)、体重測定装置、体脂肪測定装置、加圧型血圧測定装置、電気カミソリ(シェーバー)、グリップ部を有するスポーツまたはレジャー用品からなる群から選ばれた、抗菌性物品である。(請求項35)
【0102】
本発明の他の態様は、押しボタンまたはキートップからなる押し圧部材において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記押し圧部材に配置した、自己抗菌性押し圧部材である。(請求項36)
【0103】
本発明の他の態様は、握り部材(グリップ部材)を有する車両用吊り手部材において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記握り部材に配置した、自己抗菌性および、または自己浄化性を有する、車両用吊り手部材である。(請求項37)
【0104】
本発明の他の態様は、マーサージ頭部(マーサージ・ヘッド)とマーサージ力発生装置を有するマーサージ装置において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記マーサージ頭部に配置した、自己抗菌性および、または自己浄化性を有する、マーサージ装置である。(請求項38)
【0105】
本発明の他の態様は、靴を構成する靴部材において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記靴部材に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、靴部材である。(請求項39、請求項40)
【0106】
靴部材の中敷(インソール)において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記中敷に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、靴中敷である。(請求項40)
【0107】
本発明の他の態様は、振動ヘッドを有し骨伝導を応用した骨伝導使用装置において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動ヘッドの近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、骨伝導使用装置である。(請求項41、請求項42)
【0108】
前記骨伝導使用装置が携帯電話であり、振動ヘッドを有する骨伝導音響機器と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動ヘッドまたはその近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、骨伝導型携帯電話である。(請求項42)
【0109】
本発明の他の態様は、電気的振動部材を有する電気的振動装置において、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、電気的振動部材からなり、前記光触媒と前記応力発光材料を前記電気的振動部材に担持させ、
前記電気的振動部材に接触または付着した気体または有機物を光触媒活性により分解する、電気的振動装置である。(請求項43、請求項44)
【0110】
振動部材を有するスピーカーにおいて、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動部材またはその近辺に配置した、空気清浄機能と発光機能を有する、スピーカーである。(請求項44)
【0111】
本発明の他の態様は、人間が乗る踏み板を有する踏み板装置において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記踏み板またはその近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、踏み板装置である。(請求項45、請求項46)
【0112】
人間が乗る踏み板を有する踏み板装置において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記踏み板またはその近辺に配置し、前記踏み板装置が体重計、体脂脂肪計および振動型足マッサージ機から選ばれた、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、踏み板装置である。(請求項46)
【0113】
本発明の他の態様は、複数の開口を有する固定刃と前記固定刃と接触して移動する移動刃からなる剃刀(カミソリ)において、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、前記応力発光材料と前記光触媒を前記固定刃および、または前記移動刃、またはそれらの近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、剃刀である。(請求項47、請求項48)
【0114】
本体ケースの上面に内刃台を介して複数の内刃が配置され、前記内刃を覆う外刃部材が取り付けられた外刃ケース(外刃枠)を本体ケースに着脱可能に配置した電気カミソリにおいて、前記外刃ケース(外刃枠)、前記外刃部材、前記内刃または前記内刃台の少なくとも1つの部材の表面の少なくとも一部に光触媒と共に応力発光材料を配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、電気カミソリである。(請求項48)
【0115】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、前記応力発光材料は機械的エネルギーの印加停止後も長時間持続して光線を発する蓄光性を有する、応力応答型光触媒装置である。(請求項49)
【0116】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの光線を受光してエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して光線を発する蓄光性蛍光材料からなり、前記光触媒の吸収スペクトルと前記蓄光性蛍光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるように前記光触媒と前記蓄光性蛍光材料を選択した、応力応答型光触媒装置である。(請求項50)
【0117】
本発明の他の態様は、少なくとも可視光線によって励起される可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として紫外線を発生する紫外発光型応力発光材料と、前記応力発光材料からの光線を受光してエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して主として可視光線を発する蓄光性蛍光材料からなり、前記蓄光性蛍光材料からの発光光線により前記光触媒が長時間励起される、応力応答型光触媒装置である。(請求項51)
【0118】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの光線を吸収してそのエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発する蓄光性蛍光材料と、前記応力発光材料からの光線を吸収して前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発する蓄光性または非蓄光性の蛍光材料からなる、応力応答型光触媒装置である。(請求項52)
【0119】
本発明の他の態様は、光触媒と、機械的エネルギーの印加により前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発生する第一の応力発光材料と、機械的エネルギーの印加により前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発生する第二の応力発光材料からなる、応力応答型光触媒装置である。(請求項53)
【0120】
(本発明の基本原理の説明)
【0121】
本発明の基本原理を図1および図2を参照して記述する。
【0122】
図1は、本発明の基本原理を説明する光触媒部材の概略斜視図である。
【0123】
図2は、本発明の光触媒部材の光触媒の吸収スペクトルおよび応力発光体の発光スペクトルを説明するグラフである。
【0124】
図1を参照して、光触媒部材100は光触媒110と光触媒110と対向または対面して配置された応力発光体120からなる。
【0125】
図1では、光触媒110と応力発光体120が所定距離だけ離間し、これらの対向面が隣接して配置されている。
【0126】
図1では、原理の説明のために、光触媒110と応力発光体120は共に矩形として表されているが、それらの形状は任意である。
【0127】
光触媒110と応力発光体120は互いに光結合関係を保つ必要があるが、光触媒110と応力発光体120との位置関係は、図1に示すように所定距離だけ離れても良く、その替わりに互いに対向面が密着しても、一体化、混在してもよい。
【0128】
応力発光体120に振動、摩擦、衝撃、圧力などの任意の外力(機械的刺激、機械的エネルギーなどの応力)「EF: xternal orce」を加えると、応力発光体120が光線「LT」を発生する。
【0129】
応力発光体120で発生した光線「LT:IGH」は、光触媒110を照射する。
【0130】
本発明では応力発光体120からの発光光線「LT」の波長範囲(発光スペクトル)と光触媒110の吸収波長範囲(吸収スペクトル)とが少なくとも部分的に重なるように、応力発光体120と光触媒110の材料の組み合わせを選択して用いる。
【0131】
したがって光触媒110は応力発光体120からの発光光線「LT」の少なくとも一部を吸収して、励起され光触媒活性を発現する。
【0132】
図2に示すように、応力発光体(se: tress induced light mitter、応力誘起型発光体)120として第1の発光スペクトルを有する第1の応力発光体se−1を用いるときには、光触媒110(pc: hotoatalyst、hotoatalytic material)として吸収スペクトルが、応力発光体se−1の発光スペクトルと部分的に重なる第1の光触媒pc−1か、または応力発光体se−1の発光スペクトルと全面的に重なる第2の光触媒pc−2、第3の光触媒pc−3および第4の光触媒pc−4を用いることができる。
【0133】
応力発光体120として第2の発光スペクトルを有する第2の応力発光体se−2を用いるときには、光触媒110としては吸収スペクトルが、第2の応力発光体se−2の発光スペクトルと部分的に重なる第2の光触媒pc−2か、または第2の応力発光体se−2の発光スペクトルと全面的に重なる第3の光触媒pc−3および第4の光触媒pc−4を用いることができる。
【0134】
応力発光体120として第3発光スペクトルを有する第3の応力発光体se−3用いるときには、光触媒110としては吸収スペクトルが、第3の応力発光体se−3の発光スペクトルと部分的に重なる第3の光触媒pc−3か、または第3の応力発光体se−3の発光スペクトルと全面的に重なる第4の光触媒pc−4を用いることができる。
【0135】
したがって光触媒110は応力発光体120からの発光光線「LT」を部分的にまたは全面的に吸収して、励起され光触媒活性を発現する。
【0136】
光触媒110に照射されない、または光触媒110に照射されない発光光線「LT」は外部に出射し、この光線を照明、表示、標示などに用いることができる。
【0137】
また光触媒110に照射されても光触媒110に吸収されない透過または反射した残りの発光光線「LT」は外部に出射し、この光線を照明、表示、標示などに用いることができる。
【0138】
光触媒110は、従来と同様に、蛍光ランプ、ブラックライトなどの電気エネルギーを用いた電気的な人工光源からの人工光線、太陽光線によっても励起され光触媒活性を発現することができることは勿論である。
【0139】
本発明は、応力発光体と光触媒からなるので電気的な人工光源、太陽光線の存在しない個所、暗所でも、応力発光体に外力を印加することにより光触媒を励起して光触媒作用を発揮することができる。
【0140】
(本発明の基本原理の説明、その二)
【0141】
図3を参照して本発明の基本原理を次に記述する。
【0142】
図3は、本発明の基本原理を説明する概略斜視図である。
【0143】
図3を参照して、光触媒部材200は光触媒110と光触媒110と対向して配置された応力発光体120からなる。
【0144】
図3では、光触媒110と応力発光体120はこれらの対向面が密接または積層して配置されている。
【0145】
光触媒110と応力発光体120が光結合させるために、光触媒110と応力発光体120との位置関係は、図3では互いに対向面が密着または積層しているが、その替わりに光触媒110と応力発光体120が混在し一体化しても、所定距離離れていてもよい。
【0146】
応力発光体120の露出表面に振動、摩擦、衝撃、圧力などの任意の外力(機械的刺激、応力)「EF1」を加えると、応力発光体120が光線「LT」を発生する。
【0147】
外力EF1の替わりに、光触媒110の露出表面に振動、摩擦、衝撃、圧力などの任意の外力「EF2」を加えてもよく、このときに外力「EF2」は光触媒110を経由して光触媒110と応力結合した応力発光体120に伝達されて印加され、応力発光体120が光線「LT」を発生する。
【0148】
外力「EF1」と外力「EF2」を光触媒110、応力発光体120に同時に加えてもよい。
【0149】
応力発光体120で発生した光線「LT」は、光触媒110を照射する。
【0150】
本発明では、応力発光体120からの発光光線「LT」の波長範囲(発光スペクトル)と光触媒110の吸収波長範囲(吸収スペクトル)とが少なくとも部分的に重なるように、応力発光体120と光触媒110の材料の組み合わせを選択して用いる。
【0151】
したがって光触媒110は、応力発光体120からの所定量の発光光線「LT」を吸収して、励起され光触媒活性を発現する。
【0152】
光触媒110に照射されない発光光線「LT」は外部に出射して、照明、表示、標示用などとして利用できる。
【0153】
また光触媒110に照射されても光触媒110に吸収されない透過または反射した残りの発光光線「LT」は外部に出射して、表示、標示などに寄与する。
【0154】
更に応力発光体として、外力を与えた瞬間から比較的に長期間残光性(蓄光性)を示す応力発光体を用いる場合には、外力の印加を停止後も比較的に長期間、光触媒を励起することができる。
【0155】
また更に応力発光体からの発光により励起される比較的に長期間残光性(蓄光性)を示す蓄光性蛍光体を応力発光体と共に用いる場合には、外力の印加を停止後も蓄光性蛍光体が発光する。
【0156】
光触媒材料の吸収スペクトルと蓄光性蛍光体の発光スペクトルとが少なくとも部分的に重なるものを用いることにより、外力の印加を停止後も長期間、光触媒を励起することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0157】
本発明の各種の実施の形態を以下に添付図面を参照して記載する。
【0158】
各種の実施の形態において、同一の部分、同一の構成要素は、同一の参照符号を付してある。
【0159】
(第1の実施の形態)
【0160】
本発明の第1の実施の形態を図4および図5を参照して記述する。
【0161】
図4は本発明の第1の実施の形態の光触媒装置を説明する概略斜視図である。
【0162】
図5は図4の線X−Xに沿って光触媒装置を切断して示す概略拡大断面図である。
【0163】
図4よび図5を参照して、光触媒装置300は基材(基体、支持体)130と、基体130の表面に配置された応力発光体部材120と、応力発光体部材120と密接または接着して配置された光触媒部材110からなる。
【0164】
基材(基体、支持体)130としては任意の材料を用いることができる。
【0165】
例えば、基材(基体、支持体)130としてはアクリル樹脂(AC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂、シリコーン・ゴム、ポリプロピレン樹脂(PP)など透明、半透明の光透過性を有する任意の合成樹脂、光透過性樹脂に多数の顔料粒子を含有した着色樹脂またはそれ自体で不透明な非光透過性を有する任意の合成樹脂を用いることができる。
【0166】
例えば、基材130の材料は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス・スチィール、チタニュームなどからなる任意の金属または合金でもよい。
【0167】
例えば、基材130の材料は、例えば、ガラス、強化ガラス、石英、セラミックなどの任意の無機物質でもよい。
【0168】
例えば、基材130は、例えば、木材、ダンボール、紙などの自然由来物質でも良い。
【0169】
基材130の形体としては、任意のものを用いることができる。
【0170】
例えば、基材130の形体としては、例えば、板状部材(またはシート状部材)などを用いることができる。
【0171】
例えば、基材130の形体としては、光反射性または光散乱性を有する部材などを用いることができる。
【0172】
例えば、上記光反射性部材は、基材130の素材に予めアルミニウムなどの反射性金属の多数の粒子、片を分散した部材である。
【0173】
例えば、上記光散乱性部材は、基材130の素材に予め光散乱性顔料粒子または多数の気体バブルを分散した部材である。
【0174】
例えば、基材130の形体としては、光反射性または光散乱性を有する板状部材(またはシート状部材)などを用いることができる。
【0175】
例えば、基材130として、公知の合成樹脂繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、植物繊維を用いてもよい。
【0176】
例えば、基材130として、公知の合成樹脂繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、植物繊維などからなる織布、不織布を用いてもよい。
【0177】
例えば、基材130として、多孔体、発泡体、織布、不織布などの気体透過性部材を用いても良い。
【0178】
基材130の光学的特質は透明、半透明でも不透明でも良い。
【0179】
応力発光部材120として、外力の印加により発光する公知の応力発光体材料または応力発光体材料を含有する応力発光層120を用いることができる。
【0180】
応力発光層120は、例えば、光透過性の良好な透明有機バインダー(透明結合材樹脂、透明接合材樹脂)122を含む溶剤、水などの液体に複数の粒子状の応力発光材料121を混合分散させて基材123の表面に塗布、乾燥させて形成することができる。
【0181】
または応力発光層120は、例えば溶剤に光透過性の良好な粒子状の低融点ガラスフリット(低融点ガラス粉末)などの透明無機バインダー122と複数の粒子状の応力発光材料121を混合、分散させてペースト状としてもよい。
【0182】
このペースト状の混合体をアルミニウム、鉄、銅、ステンレス鋼などの金属、ガラス、セラミックなどの無機物、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの合成樹脂からなる比較的に耐熱性の良い基材123の表面に塗布、乾燥させ、その後に透明無機バインダー122の溶融温度まで加熱し、冷却して形成することができる。
【0183】
その替わりに、真空蒸着法、スパッタリング法などの公知の物理的沈着堆積法、またはCVD(ケミカル ペーパー ディポジッション)などの公知の化学的沈着堆積法により応力発光体材料を基材123の表面に形成して、応力発光薄膜120とすることができる。
【0184】
応力発光層120の露出表面(裏面)にアルミニウム、銀、ステンレス・スティールなどの光反射性金属膜(図示せず)などの光反射手段を形成してもよい。
【0185】
光反射手段として、前記光反射性金属膜を形成させたまたは白色などの光散乱反射性を有する合成樹脂シート(図示せず)を応力発光層120の露出表面(裏面)に粘着または接着させてもよい。
【0186】
応力発光層120の透明有機バインダー122内に応力発光粒子121と共にガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明合成樹脂粒子などの透明ビーズ(図示せず)などの粒子状の光散乱部材を分散させてもよい。
【0187】
応力発光層120の透明有機バインダー122の屈折率と前記透明ビーズの屈折率を異ならせることにより、応力発光層120からの発光は散乱されて光触媒層110をほぼ均一に照射できる。
【0188】
光触媒部材110として、応力発光層120から発光する光線を吸収し、この光線により励起されて光触媒活性を発現する光触媒材料または光触媒材料を含有する光触媒層110を用いることができる。
【0189】
光触媒層110は、例えば光透過性の良好な透明有機バインダー112(接合材、結着材)を含む溶剤、水などの液体に複数の光触媒材料粒子111を混合分散させて応力発光層120の表面に塗布、乾燥させて形成することができる。
【0190】
光触媒層110は、透明有機バインダー112内に複数の光触媒粒子111と共にカーボンブラック、アパタイト、シリカゲルなどの多孔性粒子からなる臭気性ガスなどを吸着することができる粒子状の吸着材(図示せず)を混入してもよい。
【0191】
または光触媒層110は、例えば溶剤、水などの液体に光透過性の良好な粒子状の低融点ガラスフリットなどの透明無機バインダー112と複数の粒子状の光触媒材料111を混合、分散させてペースト状としてもよい。
【0192】
このペースト状の混合体を金属、無機物からなる比較的に耐熱性の良い基材123上の応力発光層120の表面に塗布、乾燥させ、その後に透明無機バインダー112の溶融温度まで加熱し、冷却して形成することができる。
【0193】
その替わりに、真空蒸着法、スパッタリング法、CVDなどの公知の物理的または化学的沈着堆積法により光触媒材料を基材123上の応力発光層120の表面に形成して、光触媒薄膜110とすることができる。
【0194】
本発明では、応力発光体121からの発光光線「LT」の波長範囲(発光スペクトル)と光触媒110の吸収波長範囲(吸収スペクトル)とが少なくとも部分的に重なるように、応力発光体121と光触媒110の材料の組み合わせを選択して用いる。
【0195】
したがって光触媒110は応力発光体121からの発光光線「LT」を吸収して、励起され光触媒活性を発現する。
【0196】
光触媒110に照射または吸収されない発光光線「LT」は外部に出射して、照明、表示、標示に寄与する。
【0197】
また光触媒110に照射されても光触媒110に吸収されない透過または反射した残りの発光光線「LT」は外部に出射して、照明、表示、標示に寄与する。
【0198】
また光触媒110に吸収することなく透明無機バインダー112を通過した発光光線「LT」は外部に出射して、照明、表示、標示に寄与する。
【0199】
本実施の形態で用いられる光触媒としては、例えば、前述の特許文献1ないし特許文献10に記載されている光触媒が挙げられる。
【0200】
本実施の形態で用いられる応力発光体としては、例えば、前述の特許文献11ないし特許文献22に記載されている応力発光体が挙げられる。
【0201】
例えば、前述の特許文献13、特許文献14、特許文献15に記載のように、発光は、母体材料と発光中心を組み合わせることによって様々な波長領域の発光が可能であり、例えば、銅を添加すると、青色の発光が見られ、肉眼で可視波長領域の変化が確認できる。
【0202】
したがってこの硫化亜鉛母体材料に銅を添加した応力発光体から放射する青色光線は、前述の任意の可視光応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0203】
前述の特許文献18、特許文献19には、応力発光体として、N−イソプロピルカルバゾールを使用した場合、圧力(外力)の印加により、強い青色の光(波長400nmから500nm)を発生させることができることが記載されている。
【0204】
したがってN−イソプロピルカルバゾールからなる応力発光体から放射する発光光線は、前述の任意の可視光応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0205】
また前述の特許文献18、特許文献19には、酸化珪素(Si0x:0<x≦2)ガラスを使用した場合、膜形成時の条件でSi原子とO原子との結合状態が変わることで、青色(波長430nm)、白色(波長380nmから900nm)の光を発生させることができる。
【0206】
したがって酸化珪素(Si0x:0<x≦2)ガラスを使用した応力発光体から放射する白色発光光線(波長380nmから900nm)は、近紫外光線を含むために、任意の紫外応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0207】
また前述の特許文献18、特許文献19に記載のように、酸化珪素(Si0x:0<x≦2)ガラスを使用した応力発光体から放射する青色光線(波長430nm)は前述の任意の可視光応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0208】
前述の特許文献18、特許文献19に記載のように、フェナントレン(phenanthrene)を用いると、400nmから440nmの青色光が得られ、クマラン(coumarin)を用いると、波長390nmから450nmの光が得られる。
【0209】
したがってフェナントレン(phenanthrene)またはクマラン(coumarin)からなる応力発光体から放射する青色を含む発光光線は、前述の任意の可視光応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0210】
前述の特許文献18、特許文献19に記載のように、m−アミノフェノール(m−aminophenol)を用いると、波長340nm程度の紫外線を放出可能であり、可視光以外の光照射に使用可能である。
【0211】
したがってm−アミノフェノールを使用した応力発光体から放射する紫外線は、任意の紫外応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0212】
前述の特許文献18、特許文献19に記載のように、無水フタル酸(phthalic anhydride)を用いると、波長360nmから420nmの光が得られる。
【0213】
したがって無水フタル酸(phthalic anhydride)からなる応力発光体から放射する青色を含む発光光線は、近紫外および青色光線を含むので、前述の任意の紫外応答型光触媒または可視光応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0214】
前述の特許文献18、特許文献19に記載のように、(Ch3P)2Cを用いると、波長480nmから560nmの光が得られる。
【0215】
したがって(Ch3P)2Cを使用した応力発光体から放射する可視光線は、任意の可視応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0216】
前述の特許文献20(特開2005−75838号公報)に記載のように、MNb26(Mは、Mg,Ca,Sr,Coの群の中からそれぞれ選ばれた少なくとも1種以上の金属元素)で表されるコロンバイト型構造の酸化物からなる蛍光体発光材料(応力発光体)は、500nm付近に発光ピークを持つ青色の発光スペクトルを発する。
【0217】
したがってコロンバイト型構造の酸化物からなる蛍光体発光材料(応力発光体)から放射される青色光線は、任意の可視応答型光触媒に吸収され、励起されて光触媒活性を発現することができる。
【0218】
また、例えば前述の特許文献21(特開2006−312719号公報)、特許文献22(国際公開WO2006109704 A1号公報)に記載した紫外線(波長200乃至400nm)を発光する高強度応力発光材料を用いる場合には、周知かつ広く市販されている紫外応答型光触媒を用いることができる。
【0219】
応力発光体として、特許文献11(特開昭48−46582号公開公報)に記載のように、機械的エネルギーを与えた瞬間から約30乃至60分経過後も残光性即ち蓄光性を示す、例えば二価のユーロピウムで付活したアルミン酸ストロンチウムなどよりなる応力発光体を用いる場合には、外力の印加を停止後も光触媒を励起することができる。
【0220】
本発明に使用できる紫外線応答型光触媒の材料として市販されている例えば下記の紫外線応答型光触媒を用いることができる。
【0221】
石原産業株式会社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製の酸化チタンの粉体、STシリーズ、銘柄ST−01(粒径7nm)、銘柄ST−21(粒径20nm)、銘柄ST−31(粒径7nm)、銘柄ST−41(粒径200nm)、銘柄ST−30L(粒径7nm)、酸化チタンの水分散体、STSシリーズ、銘柄STS−01(ゾル)、粒径(7nm)、TiO2濃度(30wt%)、銘柄STS−02(ゾル)、TiO2濃度(30wt%)、銘柄STS−21(スラリー)、粒径(20nm)、TiO2濃度(40wt%)、銘柄STS−100(ゾル)、粒径(5nm)、TiO2濃度(20wt%)。
【0222】
本発明に使用できる紫外光のみならず青色光線などの可視光にも光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒としては、市販されている例えば下記の(i)ないし(m)の可視光応答型光触媒が挙げられる。
【0223】
(i)石原産業株式会社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製の酸化チタンに白金化合物を担持した可視光励起型光触媒(銘柄MPT−623粉体および水分散体など)。
【0224】
(j)豊田中央研究所が開発し豊田通商株式会社から販売されている、窒素ドープ酸化チタン(TiO−N)。
【0225】
(k)エコデバイス株式会社から市販の酸素欠陥型酸化チタン粉末(銘柄BA−PW25)、粒度分布12−16nm、550nm以下の可視光に応答し、特に青色光線に良く応答する。
【0226】
(l)積水樹脂株式会社が開発した酸化チタンに硫黄カチオンを導入し、鉄を担持させたもの。
(m)住友化学株式会社が開発した酸化チタンを主体とした可視光励起型光触媒(銘柄TP−S粉体、銘柄TS−S水分散ゾルおよび銘柄TC−Cコーティング剤など)。
【0227】
(具体例)
【0228】
本実施例の一具体例は次ぎの通りである。
【0229】
応力発光体として大光炉材株式会社から市販の欠陥制御型ユーロピュウム賦活アルミン酸ストロンチウムSrAl24:Euを主成分とした応力発光粒子を用いることができる。
【0230】
この大光炉材株式会社製の応力発光粒子、品名TAIKO−ML−1の仕様は、中心粒径が5−10μmである。
【0231】
この応力発光粒子(品名TAIKO−ML−1)は、応力の印加により応力発光スペクトルは520nm付近の発光をする。
【0232】
応力発光層120は、例えば、この応力発光粒子121をアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどを含む透明樹脂塗料などの透光性バインダー(結合材)液に混合、分散させ、これを例えば刷毛塗り、スプレー、浸漬(ディップ)、印刷などの周知の塗布法、印刷法により支持体シート123の表面に塗布、乾燥して形成されることができる。
【0233】
例えば、応力発光層120における応力発光体121の透光性バインダー122に対する混合比率は重量比で約5−50%である。
【0234】
例えば、応力発光層120の厚さは約0.1−10mm程度の範囲である。
【0235】
同様に、光触媒層110は、例えば、粒径約5nm−20nm程度の可視光応答型光触媒粒子111をアクリル、ポリカーボネート、ポリスチレンなどを含む透明樹脂塗料(クリアー樹脂塗料)などの透光性バインダー(結合材)液に混合、分散させ、これを例えば刷毛塗り、スプレー、浸漬(ディップ)、印刷などの周知の塗布法、印刷法により応力発光層120の表面に塗布、乾燥して形成される。
【0236】
ここで用いられる可視光応答型光触媒111としては、応力発光粒子(品名TAIKO−ML−1)から発光する応力発光スペクトル520nm付近の可視光を吸収し、励起される前述の可視光応答型光触媒材料から選択して用いることができる。
【0237】
応力発光粒子(品名TAIKO−ML−1)と組み合わせて好適に用いられる可視光応答型光触媒材料として、例えば、紫外領域から長波長可視領域(吸収波長端600nm)までの範囲の吸収スペクトルを有する市販の石原産業株式会社製の酸化チタンに白金化合物を担持した可視光励起型光触媒粉体(銘柄MPT−621、MPT−623など)などが挙げられる。
【0238】
光触媒層110の透光性バインダー112に対する混合比率は例えば重量比で約5−50%程度の範囲である。
【0239】
光触媒層110の厚さは例えば約20nm−1mm程度の範囲である。
【0240】
光触媒部材200に外力を付与するために、例えば、電磁振動素子、圧電振動素子、振動モーター (偏芯モーター)などにより振動するバイブレータ(振動板、加振装置、機械的エネルギー発生手段、機械的エネルギー付与手段)を用いることが出来る。
【0241】
例えば、光触媒部材200を振動板上に粘着材、接着剤などにより固定、仮固定され、振動などによる外力が印加される。
【0242】
光触媒部材200に振動などによる外力が印加されると、外力は応力発光層120に伝達されて応力発光層120から応力発光光線を発する。
【0243】
応力発光層120から応力発光光線は隣接する光触媒層110に受光される。
【0244】
図2と共に説明したように、応力発光層120の応力発光粒子121から発する応力発光光線の波長と光触媒層110の可視光応答型光触媒粒子111を励起可能な波長とが部分的に重なるように両者の組み合わせを選択することにより、可視光応答型光触媒粒子111は応力発光層120からの応力発光光線を吸収し、励起される。
【0245】
これにより光触媒部材200の可視光応答型光触媒層110は光分解作用、光親水化作用などの光触媒活性を発現し、その表面に付着、接触した有機物を分解しまたその表面が親水性化する。
【0246】
応力発光体部材120と光触媒部材110との積層体が自己支持性を有する場合には、この積層体120および110の支持体となる基材130は削除しても良い。
【0247】
剥離性の良好な基材130を用いても良く、基材130上に、応力発光体部材120と光触媒部材110との自己支持性を有する積層体を形成した後に、基材130から積層体120および110を剥離して用いることが出来る。
【0248】
(第2の実施の形態)
【0249】
本発明の第2の実施の形態を図6および図7を参照して記述する。
【0250】
図6は本発明の第2の実施の形態の光触媒装置を説明する概略斜視図である。
【0251】
図7は図6の線Y−Yに沿って光触媒装置を切断して示す第2の実施の形態の概略拡大断面図である。
【0252】
図6および図7を参照して、光触媒装置310は基材(支持体)130と、基材130の表面に配置された応力発光体と光触媒を共に含有する応力発光体−光触媒複合部材140からなる。
【0253】
基材(支持体)130として、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス・スチィールなどからなる任意の金属、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの任意の合成樹脂、またはガラス、セラミックなどの任意の無機物からなる透明または不透明の板状部材(またはシート状部材)などを用いることができる。
【0254】
または基材(支持体)130として、例えば、公知の合成樹脂繊維、ガラス繊維、カーボン繊維などからなる織布、不織布を用いてもよい。
【0255】
本実施の態様では、応力発光体−光触媒複合部材140は、光透過性の良好な透明有機バインダー113内に、複数の応力発光体粒子121と複数の光触媒粒子111を分散、混合して含有する応力発光体−光触媒複合層140である。
【0256】
応力発光体−光触媒複合層140に外力を加えたときに、応力発光体粒子121が光線を発し、応力発光体粒子121と隣接する光触媒粒子111がこの光線を受光する。
【0257】
図2と共に記述したように、応力発光体粒子121の発光スペクトルと光触媒粒子111の励起スペクトルが部分的または全面的に重なるように、応力発光体粒子121と光触媒粒子111の材料を選択的に組み合わせることにより、光触媒粒子111は応力発光体粒子121からの発光光線を吸収し、励起されて光触媒活性を発現する。
【0258】
応力発光体−光触媒複合層140は、例えば光透過性の良好な透明有機バインダー123を含む溶剤、水などの液体に複数の応力発光体粒子121と複数の光触媒粒子111を混合、分散させて合成樹脂、金属、合金、ガラス、セラミックなどの無機物からなる任意の基材123の表面に塗布、乾燥させて形成することができる。
【0259】
または応力発光体−光触媒複合層140は、例えば溶剤、水などの液に光透過性の良好な粒子状の低融点ガラスフリットなどの透明無機バインダー112と複数の応力発光体粒子121と複数の光触媒粒子111を混合、分散させてペースト状とし、このペースト状の混合体を金属、合金、ガラス、セラミックなどの無機物からなる比較的に耐熱性の良い基材130の表面に塗布し、その後に透明無機バインダー112の溶融温度まで加熱し、冷却して形成することができる。
【0260】
応力発光体−光触媒複合層140と接する基材130の表面に光反射性金属膜(図示せず)などの光反射手段を設けるのが望ましい。
【0261】
基材123がアルミニウム、ステンレス・スティールなどの反射性金属、合金からなるときには、それ自体が支持体と光反射手段を兼ねる。
【0262】
または基材123が光透過性のときには、基材130内に白色顔料、基材130と屈折率の異なる複数の透明ビーズなどの光散乱反射粒子を分散するのが望ましい。
【0263】
または基材130が光透過性のときには、基材130の露出表面(裏面)に白色顔料、透明ビーズなどの光散乱反射粒子を含有する光反射塗料層を形成するのが望ましい。
【0264】
光反射手段として、基材130が光透過性のときには、白色などの光散乱反射性を有する合成樹脂シート(図示せず)を基材130の露出表面(裏面)に粘着または接着させてもよい。
【0265】
応力発光体−光触媒複合層140の透明バインダー113内に応力発光粒子121、光触媒粒子111と共にガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明合成樹脂粒子などの透明ビーズ(図示せず)を分散させてもよい。
【0266】
透明バインダー123の屈折率と前記透明ビーズの屈折率を異ならせることにより、応力発光粒子121からの発光は散乱されて応力発光粒子121と隣接した光触媒粒子111の他に応力発光粒子121から離れた光触媒粒子111も照射できる。
【0267】
透明バインダーの使用量が少ない場合には、応力発光体−光触媒複合層140を多孔性、気体透過性とすることができ、応力発光体−光触媒複合層140の内部に分布する光触媒粒子111と外部の臭気性、汚染性ガスが接触することができるので、臭気性、汚染性ガスをより効果的に分解できる。
【0268】
本実施の形態で用いられる応力発光体としては、例えば、外力の印加により紫外線および、または可視光線を発光できる前述の応力発光体が挙げられる。
【0269】
本実施の形態で用いられる光触媒としては、例えば、応力発光体からの発光光線により励起して光触媒活性を発揮する前述の光触媒が挙げられる。
【0270】
応力発光体の発光波長領域(発光スペクトル)と光触媒の励起波長領域((励起スペクトル、吸収スペクトル)が少なくとも部分的に重なるように、応力発光体と光触媒の組み合わせを選択して用いる。
【0271】
応力発光体−光触媒複合層140が自己支持性を有する場合には、基材123を削除しても良い。
【0272】
剥離性の良好な基材130を用いても良く、応力発光体−光触媒複合層140基材130上に自己支持性を有する応力発光体−光触媒複合層140を形成した後に、基材130から応力発光体−光触媒複合層140を剥離して用いることが出来る。
【0273】
(第3の実施の形態)
【0274】
本発明の第3の実施の形態を図8、図9を参照して記述する。
【0275】
図8は本発明の第3の実施の形態の光触媒装置を示す概略斜視図である。
【0276】
図9は図8の線Y1−Y1に沿って光触媒装置を切断して示す第3の実施の形態の概略拡大断面図である。
【0277】
図8、図9を参照して、光触媒、応力発光複合部材320は、例えば板状、シート状などの基材、支持体を兼ねる応力発光体を含有する応力発光体部材150の表面に例えば層状などの光触媒部材110からなる光触媒層、光触媒含有層を形成し密接、接着、密着し、応力発光体部材150と光触媒部材110が積層して配置されている。
【0278】
その反対に、光触媒、応力発光複合部材320は、例えば板状、シート状などの基材、支持体を兼ねる光触媒を含有する光触媒部材110の表面に例えば層状などの応力発光体部材150を密接、接着、密着して、光触媒部材110と応力発光体部材150が積層して配置してもよい。
【0279】
応力発光体部材150は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、エラストマー樹脂、フッ素系樹脂などの任意の透明高分子化合物、またはガラスからなる透明板状部材(またはシート状部材)123と、透明板状部材123内に分散された複数の応力発光粒子121からなる。
【0280】
応力発光体部材150は、例えば、透明合成樹脂の液体状素材に複数の応力発光粒子121を混合分散また混練したものを任意の公知の成型方法により板状またはシート状に成型したものである。
【0281】
また応力発光体部材150は、例えば、複数の応力発光粒子121を公知の透明合成樹脂繊維、透明ガラス繊維からなる透明織布、不織布123に接着、融着されて担持させたものからなってもよい。
【0282】
応力発光体部材150の露出表面(裏面)にアルミニウム、銀、ステンレス・スティールなどの光反射性金属膜(図示せず)などの光反射手段を形成してもよい。
【0283】
光反射手段として、前記光反射性金属膜を形成させたまたは白色などの光散乱反射性を有する合成樹脂シート(図示せず)を応力発光体部材150の露出表面(裏面)に粘着または接着させてもよい。
【0284】
応力発光体部材150の透明板状部材(またはシート状部材)123内に応力発光粒子121と共にガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明合成樹脂粒子などの透明ビーズ(図示せず)を分散させてもよい。
【0285】
透明板状部材(またはシート状部材)123の屈折率と前記透明ビーズの屈折率を異ならせることにより、応力発光体部材150からの発光は散乱されて光触媒層110をほぼ均一に照射できる。
【0286】
応力発光体部材150の透明織布、不織布123に応力発光粒子121と共にガラス、アクリル、ポリカーボネートなどの透明合成樹脂粒子などの透明ビーズ(図示せず)を接着、融着させて担持してもよい。
【0287】
光触媒部材110として、応力発光体部材150から発光する光線を吸収し、この光線により励起されて光触媒活性を発現する光触媒材料または光触媒材料を含有する光触媒層110を用いることができる。
【0288】
光触媒層110は、例えば光透過性の良好な透明有機バインダー112を含む溶剤、水などの液体に複数の粒子状の光触媒材料111を混合分散させて応力発光体部材150の表面に塗布、乾燥させて形成することができる。
【0289】
光触媒層110は、透明有機バインダー112内に複数の光触媒粒子111と共に活性炭(カーボンブラック)、アパタイト、シリカ(SiO2)、シリカゲル、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO3)、マグネシア(MgO)、四三酸化鉄(Fe34)などの多孔性粒子からなる臭気性ガスなどを吸着することができる複数の粒子状の吸着材(図示せず)を混入してもよい。
【0290】
真空蒸着法、スパッタリング法、CVDなどの公知の物理的または化学的沈着堆積法により光触媒材料を応力発光体部材150の表面に形成して、光触媒薄膜(膜)110とすることができる。
【0291】
応力発光体部材150からの発光光線の波長範囲(発光スペクトル)と光触媒111の吸収波長範囲(吸収スペクトル)とが少なくとも部分的に重なるように、応力発光体121と光触媒110の材料の組み合わせを選択して用いる。
【0292】
したがって光触媒111は応力発光体121からの発光光線を吸収して、励起され光触媒活性を発現する。
【0293】
(第4の実施の形態)
【0294】
本発明の第4の実施の形態を図10、図11を参照して記述する。
【0295】
図10は本発明の第4の実施の形態の光触媒装置を示す概略斜視図である。
【0296】
図11は図10の線Y2−Y2に沿って光触媒装置を切断して示す第4の実施の形態の概略拡大断面図である。
【0297】
本発明の第4の実施の形態は、前述の第1の実施の形態の一変形である。
【0298】
図9を参照して、光触媒装置330は、基材(支持体、基体)130と、基材130の表面に配置された応力発光体部材120と、応力発光体部材120と密接または接着して配置された透明中間部材160と透明中間部材160と密接または接着して配置された光触媒部材110からなる。
【0299】
応力発光部材120として、外力の印加により発光する応力発光体材料または応力発光体材料を含有する応力発光層120を用いることができる。
【0300】
光触媒部材110として、応力発光層120から発光する光線を吸収し、この光線により励起されて光触媒活性を発現する光触媒材料または光触媒材料を含有する光触媒層110を用いることができる。
【0301】
第4の実施の形態では、応力発光部材120と光触媒部材110の間に透明中間部材160を介在させた点が第1の実施の形態と異なり、その他は第1の実施の形態と同一である。
【0302】
透明中間部材160は、例えば、応力発光体として酸化および、または還元反応により変質、劣化しやすい素材を用いる場合に、光触媒部材110に含有される光触媒粒子111が活性化したときの酸化および、または還元反応により応力発光部材120の応力発光粒子が変質、劣化など悪い影響を受けないようにするために応力発光部材120と光触媒部材110を隔離するために設けることができる。
【0303】
透明中間部材160としては、例えば、酸化および、または還元反応などの影響をほとんど受けないシリコーン樹脂、フッ素樹脂を用いることができる。
【0304】
(第5の実施の形態)
【0305】
本発明の第5の実施の形態を図12、図13を参照して記述する。
【0306】
図12は本発明の第5の実施の形態の光触媒装置を示す概略斜視図である。
【0307】
図13は図12の線Y3−Y3に沿って光触媒装置を切断して示す第5の実施の形態の概略拡大断面図である。
【0308】
本発明の第5の実施の形態は、前述の第3の実施の形態の一変形である。
【0309】
図12、図13を参照して、光触媒装置340は、支持体を兼ねる応力発光体部材150と、応力発光体部材150と密接または接着して配置された透明中間部材160と透明中間部材160と密接または接着して配置された光触媒部材110からなる。
【0310】
応力発光体部材150は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などの任意の透明高分子化合物、またはガラスからなる透明板状部材(またはシート状部材)123と、透明板状部材123内に分散された複数の応力発光粒子121からなる。
【0311】
光触媒部材110として、応力発光体部材150から発光する光線を吸収し、この光線により励起されて光触媒活性を発現する光触媒材料または光触媒材料粒子111を透明バインター112内に含有する光触媒層110を用いることができる。
【0312】
第5の実施の形態では、応力発光体部材150と光触媒部材110の間に透明中間部材160を介在させた点が第3の実施の形態と異なり、その他は第3の実施の形態と同一である。
【0313】
透明中間部材160は、例えば、応力発光体として酸化および、または還元反応により変質、劣化しやすい素材を用いる場合に、光触媒部材110に含有される光触媒粒子111が活性化したときの酸化および、または還元反応により応力発光部材120の応力発光粒子が変質、劣化など悪い影響を受けないようにするために応力発光体部材150と光触媒部材110を隔離するために設けることができる。
【0314】
透明中間部材160としては、例えば、酸化および、または還元反応などの影響をほとんど受けないシリコーン樹脂、フッ素樹脂を用いることができる。
【0315】
(第6の実施の形態)
【0316】
本発明の第6の実施の形態を図14、図15を参照して記述する。
【0317】
図14は本発明の第6の実施の形態の光触媒装置を示す概略斜視図である。
【0318】
図15は図14の線Y4−Y4に沿って光触媒装置を切断して示す第6の実施の形態の概略拡大断面図である。
【0319】
本発明の第6の実施の形態は、前述の第2の実施の形態の一変形である。
【0320】
図11を参照して、光触媒部材250は基材(基体、支持体)130と、基材130の表面に配置された応力発光体と光触媒を共に含有する応力発光体−光触媒複合部材170からなる。
【0321】
本実施の態様では、応力発光体−光触媒複合部材170は、光透過性の良好な透明バインダー113内に、複数の応力発光体−光触媒複合粒子171を分散、混合して含有したものである。
【0322】
第2の実施の形態では、複数の応力発光体粒子と複数の複数の光触媒粒子が透明有機バインダー内に分散しているのに対して、第3の実施の形態では、応力発光体粒子と光触媒粒子が一体化された応力発光体−光触媒複合粒子171が透明バインダー113内に分散している点が第2の実施の形態と異なり、その他については両者は同一である。
【0323】
図11に示すように、第3の実施の形態では、応力発光体−光触媒複合粒子171は応力発光体粒子の表面に直接または透明結合材を介して応力発光体粒子と比較して粒径の小さな複数の光触媒粒子が担持されて互いに一体化している。
【0324】
したがって応力発光体粒子と光触媒粒子との距離が存在しないか、または極めて小さいので応力発光体粒子からの発光を最大限受光出来ることになり、光触媒の光触媒活性が向上する。
【0325】
(第7の実施の形態)
【0326】
本発明の第7の実施の形態を図16を参照して記述する。
【0327】
図16は本発明の第7の実施の形態の光触媒装置を示す概略拡大断面図である。
【0328】
図16に示すように、光触媒装置360は、応力の印加により発光する応力発
光粒子を含有する複数の応力発光素子121と、光触媒粒子を含有する複数の
光触媒素子111と、応力発光素子121と光触媒素子111を含有する光透
過性部材114からなる。
【0329】
図16では、光触媒素子111が主として光透過性部材114の表面の近辺に
偏在して配置されている。
【0330】
応力発光素子121が主として光透過性部材114の内部に配置されてもよい。
【0331】
図16では、光触媒素子111を主として光透過性部材114の一表面の近辺に配置しているが、光触媒素子111を両表面(前面および裏面)の近辺に配置してもよい。
【0332】
この光触媒装置360は、光触媒素子111を主として光透過性部材114の表面(前面および、または裏面)の近辺に配置することにより、光触媒装置360の表面と接触した有機物、汚染ガスを効率的に分解することが出来る。
【0333】
図16では、光触媒素子111が主として光透過性部材114の表面の近辺に
偏在しているが、その替わりに光透過性部材114に複数の応力発光素子12
1と複数の光触媒素子111をほぼ均一に分散してもよい。
【0334】
この均一分散型光触媒装置360を製造する方法としては。例えば、液状の未硬化透明樹脂、未硬化透明ゴム内に複数の応力発光粒子111と複数の光触媒粒子121を混合分散させ、これを所定の厚さの板状、シート状形状などの扁平部材にして、加熱または光照射などの硬化剤の硬化条件を与えることにより、板状、シート状などの扁平部材に構成した自己支持型光触媒装置360が得られる。
【0335】
この実施の形態の光触媒装置360は、例えば図7に示す基材(支持体)130を用いない自己支持型光触媒装置である。
【0336】
自己支持型とする替りに、光触媒装置360を、例えば図7に示す基材(支持体)130に形成しても良い。
【0337】
前述の未硬化透明樹脂、未硬化透明ゴムとしては、例えば、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン樹脂、透明天然または合成ゴムなどに硬化剤を含有させたものを用いることができる。
【0338】
例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの透明を有する熱可塑性樹脂、透明を有する熱可塑性エラストマーに複数の応力発光粒子111と複数の光触媒粒子121を混合分散させた顆粒状などの成型用マスターバッチを加熱成型して所定の厚さの板状、シート状の形状にすることにより、例えば図7に示す基材(支持体)130を用いない板状、シート状の構成の自己支持型光触媒部材2360が得られる。
【0339】
(第8の実施の形態)
【0340】
本発明の第8の実施の形態を図17を参照して記述する。
【0341】
図17は本発明の第8の実施の形態の自己支持型光触媒装置を示す概略拡大断面図である。
【0342】
本発明の第8の実施の形態は、図11における基材(支持体)130を削除した例を示す。
【0343】
図17に示すように、自己支持型光触媒装置370は、光透過性部材115に、少な
くとも一つの応力発光粒子を含有する複数の応力発光素子121と少なくとも
一つの光触媒粒子を含有する複数の光触媒素子111を分散している。
【0344】
光透過性部材115をシート状、板状の扁平部材とすることにより、光触媒装置370をシート状、板状の扁平光触媒部材とすることが出来る。
【0345】
図17に示す光透過性部材115は、空孔、気孔などの複数の気体透過路115Aを有する気体透過性部材からなる。外部の臭気、汚染気体などの気体を光触媒装置370の内部に導き、および、または光触媒装置370の両表面を通過することが出来る。
【0346】
このように光透過性部材115として気体透過路115Aを有する気体透過性部材を用いることにより、外部の臭気、汚染気体などの気体を光触媒装置370の内部に導き、および、または光触媒装置370の両表面を通過することが出来る。
【0347】
したがって、外部の気体は光触媒装置370の表面近辺に存在する光触媒素子111のみならず、光触媒装置370の内部に存在する光触媒素子111ともよく接触することが出来ので、外部の臭気、汚染気体などの気体を効率的に分解し、脱臭または浄化することが出来る。
【0348】
光透過性部材115としては、スポンジ状の光透過性合成樹脂部材に限定されず、例えば織布、不織布など任意の気体透過性および光透過性部材を用いることができる。
【0349】
この実施の形態の光触媒装置370は、例えば図7に示す基材(支持体)130を用いない自己支持型光触媒装置である。
【0350】
自己支持型とする替りに、光触媒装置370を、例えば図7に示す基材(支持体)130に形成しても良い。
【0351】
光触媒装置370は、例えば、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン・ゴムなどの硬化剤と気体透過性とするための発泡剤を含有させた液状の未硬化透明樹脂、未硬化ゴム内に複数の応力発光体粒子121と複数の光触媒粒子111を混合分散させ、これを所定の厚さの板状、シート状の形状にして、加熱または光照射などの硬化剤の硬化条件を与えることにより得ることができる。
【0352】
また光触媒装置370は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの透明を有する熱可塑性樹脂、透明を有する熱可塑性エラストマーに気体透過性とするための発泡剤と複数の応力発光体粒子121と複数の光触媒粒子111を混合分散させた顆粒状などの成型用マスターバッチを加熱成型して所定の厚さの板状、シート状の形状にすることにより得ることができる。
【0353】
(第9の実施の形態)
【0354】
本発明の第9の実施の形態を図18を参照して記述する。
【0355】
図18は本発明の第8の実施の形態の自己支持型光触媒装置を示す概略拡大断面図である。
【0356】
図18に示すように光触媒部材380は、空孔、気孔などの複数の気体透過路115Aを有する気体透過性部材からなる気体透過性透明部材115と、気体透過性透明部材115に混合、分散した複数の応力発光体−光触媒複合粒子171からなる。
【0357】
応力発光体−光触媒複合粒子171は、少なくとも一つの応力発光体粒子を含有する応力発光素子と少なくとも一つの光触媒粒子を含有する光触媒素子を一体化して粒子状複合体したものである。
【0358】
図18に示す応力発光体−光触媒複合粒子171は、一つの応力発光素子の表面に複数の光触媒素子を担持したものある。
【0359】
これとは反対に、応力発光体−光触媒複合粒子171は、一つの光触媒素子の表面に複数の応力発光素子を担持したものでも良い。
【0360】
光透過性部材115をシート状、板状の扁平部材とすることにより、光触媒装置370をシート状、板状の扁平状光触媒部材380とすることが出来る。
【0361】
図18に示す光透過性部材115は、図17に示した透過性部材115と同様に空孔、気孔などの複数の気体透過路115Aを有する気体透過性部材からなる。
【0362】
外部の臭気、汚染気体などの気体を光触媒装置380の内部に導き、および、または光触媒装置380の両表面を通過することが出来る。
【0363】
それにより、外部の臭気、汚染気体などの気体を光触媒装置380の内部に導き、および、または光触媒装置380の両表面を通過することが出来る。
【0364】
したがって、外部の気体は光触媒装置380の表面近辺に存在する応力発光体−光触媒複合粒子171のみならず、光触媒装置380の内部に存在する応力発光体−光触媒複合粒子171ともよく接触することが出来ので、外部の臭気、汚染気体などの気体を効率的に分解し、脱臭または浄化することが出来る。
【0365】
光透過性部材115としては、スポンジ状の光透過性合成樹脂部材に限定されず、例えば織布、不織布など任意の気体透過性および光透過性部材を用いることができる。
【0366】
この実施の形態の光触媒装置380は、例えば図7に示す基材(支持体)130を用いない自己支持型光触媒装置である。
【0367】
自己支持型とする替りに、光触媒装置380を、例えば図7に示す基材(支持体)130に形成しても良い。
【0368】
光触媒装置380は、例えば、透明エポキシ樹脂、透明シリコーン・ゴムなどに硬化剤と気体透過性とするための発泡剤を含有させた液状の未硬化透明樹脂、未硬化ゴム内に複数の応力発光体−光触媒複合粒子171を混合分散させ、これを所定の厚さの板状、シート状の形状にして、加熱または光照射などの硬化剤の硬化条件を与えることにより得られる。
【0369】
光触媒装置380は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの透明を有する熱可塑性樹脂、透明を有する熱可塑性エラストマーに気体透過性とするための発泡剤と複数の応力発光体−光触媒複合粒子171を混合分散させた顆粒状などの成型用マスターバッチを加熱成型して所定の厚さの板状、シート状の形状にすることにより、板状、シート状の構成の自己支持型光触媒装置が得られる。
【0370】
(第10の実施の形態)
【0371】
本発明の第10の実施の形態を図19、図20を参照して記述する。
【0372】
図19A、図19Bは本発明の第10の実施の形態の光触媒部材を示す概略平面図である。
【0373】
図20は、図19Aの線Y4−Y4または図19Bの線Y5−Y5に沿って切断した概略拡大断面図である。
【0374】
図19A、図19B、図20に示すように、第9の実施の形態の光触媒装置390A、390Bは、基材130の表面にほぼ全面的に応力発光体膜(応力発光体層)などの膜状、シート状の応力発光部材120を形成し、更に応力発光部材120の表面に複数の膜状の光触媒部材116A、116Bを形成、配置している。
【0375】
図19A、図20に示すように、光触媒装置390Aは、海島構成であり、海状の応力発光膜(応力発光部材)120上に点などからなる島状に孤立した複数の光触媒膜(光触媒部材)116Aが形成されている。
【0376】
図19B、図20に示すように、光触媒装置390Bは、海島構成であり、海状の応力発光膜(応力発光部材)120上に線、縞などからなる島状に孤立した複数の光触媒膜(光触媒部材)116Bが形成されている。
【0377】
応力発光部材120は、複数の応力発光粒子121を透明結合材として機能する膜、シート122の内部に分散している。
【0378】
光触媒膜(光触媒層)116A、116Bは、複数の光触媒粒子111を透明結合材として機能する点状、縞状の膜、シート112の内部に分散している。
【0379】
これに対して、第1の実施の形態の光触媒装置300は、応力発光部材120の表面にほぼ全面的に光触媒膜(光触媒層)110などの膜状、シート状の光触媒部材を形成、配置している点が、第10の実施の形態の光触媒装置390A、390Bと異なる。
【0380】
第10の実施の形態の光触媒装置390A、390Bでは、応力発光体膜120の表面に孤立した複数の光触媒膜(光触媒層)116A、116Bが形成されているので、応力発光体膜120は光触媒膜116A、116Bの未形成面である露出面123を有することになる。
【0381】
したがって光触媒装置390A、390Bに外力が印加されるときに応力発光体膜120から発光する光線が可視光線の場合には、この可視光線は116A、116Bを励起すると共に、応力発光体膜120の露出面123から外部に出射して観察され、照明、表示、標示などに利用される。
【0382】
図20において、応力発光部材120と光触媒部材116A、116Bの積層体が自己支持性を有するときには、基材130を削除し、省略してもよい。
【0383】
(第11の実施の形態)
【0384】
本発明の第11の実施の形態を図21(図21A、図21B)、図22を参照して記述する。
【0385】
図21A、図21Bは、本発明の第11の実施の形態の光触媒装置を示す概略平面図である。
【0386】
図22は図21Aの線Y6−Y6および図21Bの線Y7−Y7に沿って切断した概略拡大断面図である。
【0387】
図21(図21Aまたは図21B)および図22に示すように、第11の実施の形態の光触媒装置400Aまたは400Bは、それぞれ基材130の表面に複数の応力発光体膜(応力発光体層、応力発光部材)121Aまたは121Bと複数の光触媒膜(光触媒層、光触媒部材)117Aまたは117Bを並列に分布して配置したものである。
【0388】
図21A、図22に示すように、光触媒装置400Aは、基材130の表面に形成した円形など任意の形状の点状パターンを有する複数の光触媒膜171Aと、基材130の表面の光触媒膜171Aが存在しない箇所に形成した応力発光体膜121Aとからなる。
【0389】
図21Aに示すように、複数の島状の光触媒膜171Aと一つの海状の応力発光体膜121Aの形成パターンは海島構造をなしている。
【0390】
これとは反対に、光触媒膜171Aを海状パターンとし、応力発光体膜121Aを複数の島状パターンとしても良い。
【0391】
図21B、図22に示すように、光触媒装置400Bは、直線などの線状パターン、ジグザグ、波状などの非線状パターンを有する複数の光触媒膜171Bと、線状パターン、非線状パターンを有する複数の応力発光体膜121Bとを基材130の表面に交互に並列して配置したものである。
【0392】
図22では、光触媒膜171A、171Bと応力発光体膜121A、121Bの高さをほぼ等しく描かれているが、光触媒膜171A、171Bの高さと応力発光体膜121A、121Bの高さを異ならせても良い。
【0393】
応力発光体膜121A、121Bの表面に、更に光触媒膜(図示せず)を形成しても良い。
【0394】
応力発光体膜121A、121Bは、複数の応力発光粒子121を透明結合材として機能する膜、層122の内部に分散してもよい。
【0395】
光触媒膜171A、171Bは、複数の光触媒粒子111を透明結合材として機能する膜、層122の内部に分散してもよい。
【0396】
したがって光触媒装置400Aまたは400Bに外力が印加されるときに応力発光体膜121A、121Bが発光し、この一部の発光光線が横方向に配置されている光触媒膜171A、171Bを励起して光触媒活性を発揮する。
【0397】
上方向に進む発光光線は外部に出射され、照明、表示、標示などに寄与する。
【0398】
図15では応力発光体−光触媒複合膜(応力発光体−光触媒層)117は、透明結合材膜112内に別々の光触媒粒子111と応力発光粒子114を混合、分散させているが、別々の光触媒粒子111と応力発光粒子114の替りに、図11に示す応力発光体−光触媒複合粒子171を用いてもよい。
【0399】
(本発明の各種分野への応用例)
【0400】
本発明を各種の分野に応用した幾つかの本発明の実施の形態を以下に例示的に記載する。
【0401】
本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されず、機械的な刺激、摩擦力、圧力、振動を含む任意の応力(機械的刺激、機械的エネルギー)が加わる人体、動物を含む任意の自然物および、または任意の人工物に適用することができる。
【0402】
本発明は、例えば、靴、マッサージ装置、電気カミソリ、トイレの便座などの「生活、健康関連分野」に適用して脱臭、抗菌、防汚などの作用を発揮する。
【0403】
また本発明は、例えば、パソコンのキーボード、マウス、マウスパッド、タッチ・スクリーンなどの入力装置、携帯電話などの「情報通信技術(IT)分野」に適用して脱臭、抗菌、防汚などの作用を発揮する。
【0404】
また本発明は、例えば、床、舗装道路、タイル、マットなどの「建築、土木関連分野」に適用して脱臭、抗菌、防汚などの作用を発揮する。
【0405】
また本発明は、例えば、自動車、自転車、操作ハンドル、タイヤなどの「乗物関連分野」などに適用して脱臭、抗菌、防汚などの作用を発揮する。
【0406】
更に本発明は、例えば、各種の押しボタン、冷蔵庫、電子レンジなどの取手、ドア・ノブなどに適用して脱臭、抗菌、防汚などの作用を発揮する。
【0407】
更に本発明は、例えば、各種の押しボタン、各種の家具などの脱臭、抗菌、防汚などに適用できる。
【0408】
更に本発明は、例えば、扇風機の羽の防汚、風力発電の風車の防汚などに適用できる。
【0409】
(第12の実施の形態)
【0410】
本発明の第12の実施の形態は、本発明を、任意の押しボタン、キートップに適用した一例を示す。
【0411】
上記押しボタン、キートップは、例えば、パソコン、電卓、携帯電話、電子ゲーム機、電子翻訳機などのキーボード、各種制御装置、テレビジョン受像機、ラジオ受信機、エアーコンデッショナー(空気調和機)、リモート・コントロール装置(遠隔制御機:リモート・コントローラ)、各種の家電機器、照明装置などに用いられる押し圧部である。
【0412】
本発明の第12の実施の形態の押しボタン、キートップなどの押し圧部の一例を図23を参照して説明する。
【0413】
図23は、本発明の第12の実施の形態を示す概略斜視図および部分P1を拡大して示す概略断面図である。
【0414】
図23に示すように、押しボタン、キートップなどの自己抗菌性押し圧部410は、例えば応力発光部材150と応力発光部材150の表面に形成され光触媒部材110からなる。
【0415】
例えば、応力発光部材150は、透明または半透明の光透過性樹脂123の内部に予め複数の応力発光粒子121を分散して含有した板状部材である。
【0416】
例えば、光触媒部材110は、板状の応力発光部材150の表面上に積層、配置、形成され、透明または半透明の光透過性樹脂112の内部に予め複数の光触媒粒子111を分散して含有した板状、膜状、層状部材である。
【0417】
光触媒部材110の表面または表面に形成された数字、アルファベットなどの文字パターン状溝部に、光触媒粒子111を含む光透過性の有色、着色文字パターン層411を形成しても良い。
【0418】
抗菌性押し圧部410は、上述の構造のみならず、例えば図5、図7、図9、図11、図13、図15、図16、図17、図18、図20、図22などに示すように応力発光粒子と光触媒粒子を含む任意な構造としても良い。
【0419】
指、ペンなどにより抗菌性押し圧部410の表面を押し圧すると外力(押し圧力)EFが抗菌性押し圧部410に印加されるときに、この外力(押し圧力)EFが応力発光部材150に伝達され、応力発光部材150からの発光光線が光触媒部材110に受光される。
【0420】
この発光光線により光触媒部材110内の光触媒粒子111が励起され、光触媒部材110の表面に付着した汗、皮脂、細菌などの有機成分が光触媒作用により分解され光触媒部材110の表面が抗菌化され、その表面が自己洗浄(セルフ・クリーニング)される。
【0421】
(第13の実施の形態)
【0422】
本発明の第13の実施の形態は、図24を参照して本発明を、人体と接触する部材に適用した一例を示す。
【0423】
図24は、本発明の第13の実施の形態を示す概略立面図およびその一部P2を拡大して示す概略断面図である。
【0424】
図24に示すように、車両などの客室内に設けられる吊り手420(通常、吊り革と呼ばれている)は、客室内の上部に固定された水平方向に伸びる吊りパイプ(吊り棒)424と握り部(グリップ部)421と、垂直方向に伸びる帯状の支持部材422からなる。
【0425】
通常輪状帯からなる支持部材422は、その上端が吊り棒424内に挿入され、固定具(図示せず)により吊り棒424に固定されている。
【0426】
握り部(グリップ部)421は、通常、円形、三角形などの環状の構造であり、合成樹脂からなることが出来る。
【0427】
支持部材422は、その下端が環状の握り部(グリップ部)421内に固定してまたは回転自在に挿入されている。
【0428】
支持部材422には、その輪状部の両面に一対の固定具423が設けられ、ネジ423aなどによりその輪状部の両面が挟まれて固定されている。
【0429】
握り部(グリップ部)421は、通常合成樹脂の輪からなり、その表面に部分的または全面的に複数の光触媒粒子と複数の応力発光粒子を光透過性バインダー樹脂内に分散した光触媒−応力発光複合層140が形成されている。
【0430】
光触媒−応力発光複合層140を用いる替わりに、複数の光触媒粒子111と複数の応力発光粒子121を予め光透過性合成樹脂シート部材(またはテープ状部材)113内に分散して含有し、そのシート状部材113を従来の握り部(グリップ部)421の表面上に接着または巻き付けて設けても良い。
【0431】
光透過性合成樹脂シート部材113として、予め複数の光触媒粒子111と複数の応力発光粒子121を含有した熱収縮性合成樹脂シートまたは形状記憶性合成樹脂シートを用いても良い。
【0432】
(第14の実施の形態)
【0433】
本発明の第14の実施の形態は、図25を参照して本発明を、人体と直接的または間接的に接触する部材に適用した他の一例を示す。
【0434】
本発明の第14の実施の形態は、本発明をマーサージ装置に適用した一例を示す。
【0435】
図25は、本発明の第14の実施の形態を示しその主要部を断面として示す概略側面図およびその一部P3を拡大して示す概略断面図である。
【0436】
図25は、肩、首、足、手、頭などの身体をマーサージする手持ち型(ハンド・ヘルド: hand−held)マーサージ装置の一例を示す。
【0437】
手持ち型マーサージ装置の替わりに、本発明を椅子型などのほぼ全身を同時にマーサージする全身型マーサージ装置などの他の任意のマーサージ装置に適用しても良い。
【0438】
図25に示すように、手持ち型マーサージ装置430は、中空ケース431a、431bと、中空ケース431a、431bの先端に固定されたマーサージ頭部(マーサージ・ヘッド)437からなる。
【0439】
マーサージ頭部(マーサージ・ヘッド)437は、ヘッド・ケース435とその内部に配置された振動発生装置、押し圧発生装置などのマーサージ力発生装置436とマーサージ力発生装置436と接続された弾性ヘッド437と弾性ヘッド437の表面に配置されたシート状などの自己励起型抗菌部材140からなる。
【0440】
マーサージ力発生装置436は、例えば電磁振動子、圧電振動子、振動モーター(偏芯モーター)、電磁ソレノイドなどの任意のマーサージ力発生素子を含む。
【0441】
弾性ヘッド437は、天然ゴム、シリコーン・ゴムを含む人工ゴムなどからなる。
【0442】
中空ケース431a、431bの下方向の部分431bは手で握るグリップ部である。
【0443】
中空ケース431a、431bの下方向の部分431bの内部には電池などの電源433を収納する電源空間がある。
【0444】
グリップ部431bの近辺にスイッチ431が配置され、配線434によりスイッチ431と電源431bとマーサージ力発生装置436が電気的に接続されている。
【0445】
例えば、自己励起型抗菌部材140は、シリコーン樹脂、天然ゴム、人工ゴムなどの光透過性弾性体112の内部に複数の光触媒粒子11と複数の応力発光体粒子121が分散して含有している。
【0446】
自己励起型抗菌部材140は、図7と同様な構成であるが、その替わりに例えば図5、図9、図11、図13、図15、図16、図17、図18、図20、図22などに示すように応力発光粒子と光触媒粒子を含む任意な構造としても良い。
【0447】
スイッチ431をONすると、電源431bから電力がマーサージ力発生装置436に供給され振動、押し圧力などのマーサージ力が発生する。
【0448】
この振動、押し圧力が弾性ヘッド437、自己励起型抗菌部材140に伝達され、自己励起型抗菌部材140と直接または衣類を経由して間接的に接触して身体をマッサージする。
【0449】
自己励起型抗菌部材140に振動、押し圧力などの外力が伝達されると自己励起型抗菌部材140の応力発光体121が発光し、この発光光線を受光した光触媒111が励起されて光分解活性を発揮し、自己励起型抗菌部材140の表面に付着した皮脂、細菌などの有機物が分解されてその表面が浄化される。
【0450】
このようにして手持ち型マーサージ装置430は身体と直接的また間接的に接触する自己励起型抗菌部材140の表面が常に清潔に保たれる。
【0451】
自己励起型抗菌部材140は、図7と同様な構成であるが、その替わりに例えば図5、図9、図11、図13、図15、図16、図17、図18、図20、図22などに示すように応力発光粒子と光触媒粒子を含む任意な構造としても良い。
【0452】
(第15の実施の形態)
【0453】
本発明は、靴を構成する中敷、靴底、甲革(アッパー)などの任意の部材に適用することができる。
【0454】
本発明の第15の実施の形態は、本発明を靴を構成する部材に適用した一例として靴の中敷(インソール)を示す。
【0455】
本発明の第15の実施の形態を図26を参照して記述する。
【0456】
図26は靴の中敷(インソール)を示す概略斜視図およびその一部分P4を拡大して示す概略断面図である。
【0457】
本発明の第15の実施の形態の靴の中敷(インソール)440は、透明、半透明の光透過性を有する中敷140に複数の前述の応力発光体粒子121と複数の前述の光触媒粒子111を含有するものである。
【0458】
図16に示した靴の中敷440は、合成繊維、天然繊維、合成皮、天然皮などから成る単層の織布、不織布の中敷142に、応力発光体粒子121と光触媒粒子111を担持、保持したものである。
【0459】
更に中敷440に、応力発光体粒子121と光触媒粒子111と共に、活性炭素、アパタイト、シリカゲルなどの微小な多孔性を有する多数の周知の吸着剤粒子または脱臭剤粒子を担持、保持しても良い。
【0460】
中敷440は、合成繊維、天然繊維、合成皮、天然皮に限定されず、例えば、図17、図18に示すようなスポンジ状、海綿状などの通気性を有する合成樹脂発泡体、ゴム状弾性を有する合成発泡体、コルクなどの多孔性部材を用いても良い。
【0461】
この多孔性部材は、中敷440の表面と裏面とが複数の孔によって連通して通気性を有するのが望ましい。
【0462】
図26に示すように中敷440における光触媒粒子111の分布密度は、人間の足の底面と接触、隣接する中敷440の表面側に多くの光触媒粒子111を分布させても良い。
【0463】
更に図26に示すように中敷440における応力発光体粒子121の分布密度は、表面側に多く配置された光触媒粒子111より下側に多くの応力発光体粒子121を分布させても良い。
【0464】
中敷440は、図16と同様な構成であるが、その替わりに例えば図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図18、図20、図22などに示すように応力発光粒子と光触媒粒子を含む任意な構成としても良い。
【0465】
この中敷440は、靴の底に装着され、人間がこの靴を履いて路面、床面を歩行、走行するときに、人体の足の裏面を経由して人体の体重による圧力を受ける。
【0466】
人間が路面、床面を歩行、走行すると、路面、床面に接触、離れる都度、中敷は可変的、断続的な圧力を受け加圧される。
【0467】
この可変的、断続的な圧力と対応して、中敷440に含まれる応力発光体121が可変的、断続的などに発光する。
【0468】
応力発光体121から出射する光線は、例えば光透過性を有する中敷基材142を経由して光触媒111に照射される。
【0469】
この光線は、光触媒111を励起する波長光線を含むので、光触媒111は光触媒活性を発揮して中敷440に付着、吸着した足から出た臭気、汗、皮油などが分解される。
【0470】
したがって太陽光線、照明光源など外部光源からの光線を中敷440に全く照射せずに自己抗菌効果、自己脱臭効果、自己防汚効果などを発揮する。
【0471】
光触媒を含有した靴の中敷は公知(特開2004−049888)であるが、人間がこの靴を履いているときには、足が外部光源からの光線を遮断するので光触媒は光触媒活性を全く発揮しない重大な欠点があった。
【0472】
靴の中敷は、図26に示した靴の中敷440に限定されず、図5に示した自己励起型光触媒部材300と相似した3層型の構成としても良い。
【0473】
図5に示すような構成の中敷300は、シート状の通常の中敷基材130の表面に応力発光体部材層120、光触媒部材層110をこの順序で積層して形成し、自己抗菌、脱臭機能を有する3層型の構成としたものである。
【0474】
靴の中敷は、図26に示した靴の中敷440に限定されず、図7、図22に示した自己励起型光触媒部材310、400A、400Bと相似した2層型の構成としても良い。
【0475】
図7に示すような構成の中敷310は、シート状の通常の中敷基材130の表面に複数の応力発光体粒子l21と複数の光触媒粒子111を透明バインダー樹脂113内に分散して含有した応力発光体−光触媒複合部材層140を形成して配置した自己抗菌、脱臭機能を有する2層型の構成としたものである。
【0476】
図22に示すような構成の中敷400A、400Bは、シート状の通常の中敷基材130の表面に複数の応力発光体部材層117A、117Bと複数の光触媒部材層121A、121Bを並列に配置した自己抗菌、脱臭機能を有する2層型の構成としたものである。
【0477】
(第16の実施の形態)
【0478】
本発明は、骨伝導を利用したスピーカー、マイクロフォンなどの音響機器、骨伝導使用装置に適用することができる。
【0479】
本発明の第16の実施の形態は、本発明を高い騒音環境でも使用できる骨伝導を利用したスピーカーに適用した一例を示す。
【0480】
本発明の第16の実施の形態を図27、図28を参照して記述する。
【0481】
図27は骨伝導を利用したスピーカーを有する携帯電話の一例を示す概略正面図である。
【0482】
図28は図27の線Y5−Y5に沿って切断した概略部分断面図である。
【0483】
図27、図28に示すように、骨伝導型携帯電話450は、携帯電話ケース451と複数の入力スイッチを有する押しボタン452と液晶表示板LCDなどの表示装置453と骨伝導型スピーカー・ユニット453とアンテナ455などからなる。
【0484】
骨伝導型スピーカー・ユニット453は、携帯電話ケース451の上部に突出して設けられた骨伝導型スピーカー収納ケース453Cと収納ケース453C内に配置された磁性体枠453aと永久磁石(パーマネント・マグネット)453eとボイスコイル453bと磁性体枠453aに固定される振動板453dからなる。
【0485】
更に骨伝導型スピーカー・ユニット454は、骨伝導型スピーカー収納ケース453Cの表面に光触媒と応力発光体を含有した抗菌部材膜、例えば360、370、380が形成されている。
【0486】
骨伝導型携帯電話450の使用時に、骨伝導型スピーカー・ユニット454の骨伝導型スピーカー収納ケース453Cの表面を振動ヘッド部として顔の一部と接触させて骨伝導により相手の音声振動を聞くことが出来る。
【0487】
骨伝導型携帯電話450では振動ヘッド部453Cが顔と接触する必要があるために、汗、皮脂、細菌などの有機物が付着して汚れやすく不潔になりやすい。
【0488】
本実施例では音声振動により抗菌部材膜、例えば360、370、380に含まれる応力発光体が発光し、この発光光線により抗菌部材膜、例えば360、370、380に含まれる光触媒が励起されて光活性を発揮し、汗、皮脂、細菌などの有機物を分解して振動ヘッド部453Cが清潔に保たれる。
【0489】
(第17の実施の形態)
【0490】
本発明は、空気清浄スピーカーまたは空気清浄兼発光スピーカーに適用することができる。
【0491】
本発明の第17の実施の形態は、空気清浄スピーカーまたは空気清浄兼発光スピーカーに適用した一例を示す。
【0492】
本発明の第17の実施の形態を図29を参照して記述する。
【0493】
図29は本発明の第17の実施の形態を示す概略縦断面図および一部分P5を拡大して示す概略断面図である。
【0494】
図29に示すように、空気清浄スピーカー(または空気清浄兼発光スピーカー)460は、通常のダイナミック(動電型)・スピーカー460のコーン型振動板466の表面に応力発光型光触媒層、例えば360、370、380を備えている。
【0495】
ダイナミック(動電型)・スピーカー460は、周知のように、ポールピース461と永久磁石(パーマネント・マグネット) 462とスピーカー枠464とコーン型振動板466とボイスコイルボビン465とボイスコイル464からなる。
【0496】
ポールピース461の紙面右側に永久磁石462が配置され、永久磁石462の紙面右側にプレート465を介してスピーカー枠464が配置され、スピーカー枠464の紙面右側にはコーン型振動板466が配置されている。
【0497】
更に、ボイスコイルボビン465は、ポールピース461の中央に突出するセンター突起461aの外周に微小間隔を保って可動自在に配置され、ボイスコイルボビン465の外周にボイスコイル464が巻付けられている。
【0498】
コーン型振動板466の紙面右端はスピーカー枠464の紙面右端でガスケットにより固定、支持され、コーン型振動板466の紙面左端でボイスコイルボビン465に固定、支持されている。
【0499】
振動板5の紙面左端の中央部にはセンター・キャップ467が配置され、センター・キャップ467により主としてとしてボイスコイルボビン465とセンター突起461aの外周間の微小間隔に外部から塵が侵入するのを防止している。
【0500】
本実施の形態では、従来のコーン型振動板466の表面に部分的または全面的に応力発光体と光触媒を含有した応力発光型光触媒層、例えば360、370、380を形成している。
【0501】
応力発光型光触媒層360、370、380は、それぞれ図16、図17、図18と共に前述の各種の実施の形態で説明したのでここではそれらの説明を省略するので前述の実施の形態を参照されたい。
【0502】
応力発光型光触媒層360、370、380の替わりに、例えば図5、図7、図9、図11、図12、図13、図14、図15、図20、図22に示す他の応力発光型光触媒部材300、310、320、330、340、350、390A、390B、400A、400Bを用いても良い。
【0503】
この場合には、これらの応力発光型光触媒部材300、310、320、330、340、350、390A、390B、400A、400Bにおける基材130が本実施の形態のスピーカー460のコーン型振動板466に該当する。
【0504】
空気清浄スピーカー(または空気清浄兼発光スピーカー)460において、従来のスピーカーと同様に、音響によって変調された電気信号をボイスコイル464に入力すると、ボイスコイルボビン465の外周のボイスコイル464に駆動力(機械的振動)が発生し、この機械的振動をボイスコイルボビン465を介してコーン型振動板466に伝達し、コーン型振動板466から音響が発生する。
【0505】
本実施の形態では、従来のコーン型振動板466の表面に部分的または全面的に応力発光体と光触媒を含有した応力発光型光触媒層360、370、380などを形成しているので、応力発光型光触媒層の応力発光体が発光し、この発光光線により光触媒が励起されて光触媒活性を発揮し、応力発光型光触媒層と接触した汚染空気を脱臭し浄化する。
【0506】
発光光線の一部は外部に放射され、スピーカーからの音量と対応してコーン型振動板466が発光し、観察者を楽しませる。
【0507】
短波長励起型光触媒を励起する例えば紫外線、紫、青色光線などの短波長可視光線を発する短波長発光型応力発光体に加えて、光触媒をほとんど励起しない緑、赤色などの長波長可視光線を発光する長波長発光型応力発光体を応力発光型光触媒層に含有しても良い。
【0508】
この場合には、長波長発光型応力発光体から発生した長波長可視光線は短波長励起型光触媒で吸収されずに透過して外部に出射するのでコーン型振動板466から外部に出射する発光輝度が大となる。
【0509】
特開2001−95074などには、発光ダイオードを用いた照明付ダイナミック・スピーカーが開示されているが、発光ダイオードを発光させるために電力を必要とする。
【0510】
特開2000−279762には、音響信号を出力する振動体と、前記振動体の表面に形成した光触媒薄膜と、前記光触媒薄膜に対向して配設した短波長LEDとをそなえた空気清浄機能付きスピーカーが開示されている。
【0511】
この場合、光触媒薄膜を励起するために点状の短波長発光ダイオードを用いているので発光させるために電力を必要どし、面状の振動体の表面に形成した面状の光触媒薄膜に均一に照射するのに多数の点状の短波長発光ダイオードを必要とし、更に点状の短波長発光ダイオードと面状の光触媒薄膜とをかなり離す必要があるために高輝度発光ダイオードが必要である。
【0512】
これらと比較して本実施の形態の空気清浄スピーカー(または空気清浄兼発光スピーカー) 460は、電力を必要としない応力発光体と光触媒を振動板上に形成できるので、非常に簡単な構成により、空気清浄または空気清浄兼発光を行うことが出来る。
【0513】
本実施の形態ではスピーカーとして、ダイナミック(動電型)スピーカーを例示したが、マグネチック(電磁)型、コンデンサ(静電)型、圧電(ピエゾ・エレクトリック)型など音響振動、超音波振動など任意の振動を発生する振動板を有する任意の振動発生手段に適用できることが明らかである。
【0514】
(第18の実施の形態)
【0515】
本発明は、体重計、体脂脂肪計、振動型足マッサージ機などの人間が乗る踏み板を有する踏み板装置に適用することができる。
【0516】
本発明の第18の実施の形態は、踏み板装置に適用した一例を示す。
【0517】
本発明の第18の実施の形態を図30を参照して記述する。
【0518】
図30は本発明の第18の実施の形態を示す概略斜視図および一部分P6を拡大して示す概略断面図である。
【0519】
図30に示すように、踏み板装置470は、体重計、体脂脂肪計、振動マッサージ機などの本体470とその踏み板表面に配置された応力発光型光触媒部材シート472を備えている。
【0520】
応力発光型光触媒部材シート472は、応力発光体と応力発光体からの発光に励起されて光触媒活性を発揮する光触媒からなる。
【0521】
例えば、応力発光型光触媒部材シート472は、複数の応力発光体粒子121をシリコーン・ゴムなどの光透過性かつ多孔性を有する弾性シート123内に分散した応力発光体部材シート120と、応力発光体層の表面に配置され複数の光触媒粒子111をシリコーン・ゴムなどの光透過性かつ多孔性を有する弾性シート112内に分散した光触媒部材シート110とを積層したものである。
【0522】
応力発光型光触媒部材シート472は、踏み板装置470の踏み面に固定または着脱自在に設置される。
【0523】
踏み板装置470が電子体重計の場合には、例えば、内部に照符号472aで示す足底マーク部の下部に例えば荷重と対応して電気的特性が変化するする圧電素子または感圧半導体素子などが内蔵されている。
【0524】
踏み板装置470が体脂肪計の場合には、図30に参照符号472aで示す足底マーク部が導電性となっていて、人体の抵抗などの電気的特性を検出することにより体脂肪を測定している。
【0525】
踏み板装置470が体脂肪計の場合には、応力発光型光触媒部材シート472内に導電性粒子を混合させて応力発光型光触媒部材シート472に導電性を付与するのが望ましい。
【0526】
踏み板装置470が振動マッサージ機の場合には、内部に電磁振動体などの周知の振動体が内蔵されている。
【0527】
人間が踏み板装置470の応力発光型光触媒部材シート472の上に乗ると応力発光型光触媒部材シート472内の応力発光体粒子121が発光し、この発光光線により光触媒粒子111が励起されて応力発光型光触媒部材シート472に付着した皮脂、汗、臭気、細菌などの有機成分が光触媒分解反応により分解され、清浄化される。
【0528】
応力発光型光触媒部材シート472の替わりに、前述の各種の実施の形態で説明した応力発光型光触媒部材を用いても良い。
【0529】
(第19の実施の形態)
【0530】
本発明は、複数の開口を有する固定刃と前記固定刃と接触して移動する移動刃からなる剃刀(カミソリ)に適用できる。
【0531】
本発明は、往復運動型、回転運動型などの任意の電気カミソリに適用することができる。
【0532】
本発明の第19の実施の形態は、往復運動型電気カミソリに適用した一例を示す。
【0533】
本発明の第19の実施の形態を図31、図32を参照して記述する。
【0534】
図31は、往復運動型電気カミソリの一部を切り欠いて断面として示す概略立面図である。
【0535】
図32は、図31の要部を示す概略断面図である。
【0536】
電気カミソリ(エレクトリック・シェーバー)、例えば往復運動型電気カミソリ480は、周知の通り、内刃駆動装置488などが収容された本体ケース481Aと、本体ケース481Aの上部周辺の段部486bに着脱可能に装着される外刃ケース(外刃枠)481Bからなる。
【0537】
本発明の第19の実施の形態の自己抗菌性、自己浄化性を有する電気カミソリ480は、本体ケース481Aの上面486aに内刃台482を介して複数の内刃が配置され、内刃483を覆う外刃部材484が取り付けられた外刃ケース(外刃枠)481を本体ケース81Aに着脱可能に配置された電気カミソリにおいて、外刃ケース(外刃枠)481、外刃部材484、内刃483または内刃台482の少なくとも1つの部材の表面の少なくとも一部に光触媒と共に応力発光材料を配置している。
【0538】
外刃部材484は、多数の小孔(開口)を有するほぼ円弧形、半円形などの曲面状とした金属製の刃(網目)からなる。
【0539】
外刃部材484は、その両側縁に係止部484aを有しており、係止部484aと外刃ケース481Bの段部481bが係合されている。
【0540】
それにより外刃部材484は外刃ケース481Bの上部の開口481cを塞ぐようにが交換可能に外刃ケース481Bの上部に着脱可能に取り付けられる。
【0541】
内刃部材482、483は、内刃台482と内刃台482上に立設されたほぼ円弧形、半円形などの曲面の複数の内刃483からなり、内刃483が外刃部材484の内曲面と接触するように配置されている。
【0542】
本体ケース481Aには、その上部のほぼ中央に設けられた貫通孔486bを塞ぐ柔軟性、弾力性を有するゴムなどからなる封止部材489が設けられている。
【0543】
封止部材489は、外刃ケース481Bの内部空間に入る毛屑、髭屑、洗浄液などが本体ケース481Aの内部に侵入するのを防いでいる。
【0544】
内刃取付軸485はその下方が封止部材489を液密に貫通して本体ケース481Aに内蔵されている内刃駆動装置488と接続されている。
【0545】
内刃取付軸485はその上端が内刃台482まで延長し、内刃台482の下部に固定された係合部材482aの係合孔に着脱可能に挿入される。
【0546】
内刃取付軸485の周りにコイルバネ487が挿入され、コイルバネ487が内刃部材の内刃483の曲面を外刃部材484の内曲面に押し付け、両曲面を所定の押圧力で密接させている。
【0547】
内刃駆動装置488はモーターと左右往復機構を有し、内刃駆動装置488の駆動により内刃取付軸485、内刃部材482、483を左右に往復運動させ、外刃部材484の多数の小孔に挿入されたひげなどの毛を剃っている。
【0548】
本発明の第19の実施の形態の電気カミソリ480は、更に、光触媒と応力発光体とを、本体ケース481Aの上面486aと外刃ケース(外刃枠)481Bによって囲まれた空間に存する少なくとも1つの部材に部分的または全面的に担持したものである。
【0549】
即ち、本発明の第19の実施の形態では、光触媒と応力発光体とを、本体ケース481Aの上面486a、外刃ケース(外刃枠)481Bの内面481a、内刃483、内刃台482、内刃取付軸485、コイルバネ487、封止部材489および、または係合部材482aに部分的または全面的に配置する。
【0550】
更に外刃ケース(外刃枠)481Bの外面、外刃部材484に光触媒と応力発光体とを担持しても良い。
【0551】
光触媒と応力発光体の組み合わせは、任意であり、例えば図4ないし図22に示す前述の各種の実施の形態で説明した応力発光型光触媒部材、応力発光型光触媒部材層300、310、320、330、340、350、360、370、380、390A、390B、400A、400Bなどが用いられる。
【0552】
応力発光型光触媒部材300、310、320、330、340、350、390A、390B、400A、400Bを用いる場合には、基材130が本実施の形態の本体ケース481A、外刃ケース(外刃枠)481B、内刃483、内刃台482、内刃取付軸485、コイルバネ487、封止部材489、係合部材482aに該当する。
【0553】
電気カミソリ480を駆動すると、内刃483が外刃484と密着しながら左右に往復運動し、その際に周知のようにかなり機械的な振動が発生する。
【0554】
この機械的な振動、摩擦などの応力が上記の部材に担持された応力発光体と光触媒に印加されて応力発光体が発光し、この発光光線を光触媒が受光して励起され光触媒活性を発揮する。
【0555】
したがって光触媒活性により電気カミソリ480の上記部材に付着した髭屑、脂肪、悪臭、カビ、細菌等が分解され浄化、脱臭される。
【0556】
往復運動型電気カミソリ480の替わりに回転運動型など他の任意の形式の電気カミソリに適用できる。
【0557】
特許文献、特開平11−216276には、外刃(網刃)や内刃、内刃基台部、髭屑収納部、本体に付着した脂肪、垢、汗等を分解ために、外刃、内刃、内刃基台部、髭屑収納部、本体の少なくとも一つの表面に光触媒を備えた電気カミソリが開示されている。
【0558】
特開平11−216276に記載の電気カミソリは、光触媒を電気カミソリの内部に有するために、外部の光線を光触媒に十分な光を当てることができないために光触媒作用を効果的に発揮できない問題があり、その点を改良するために電気カミソリの内部に発光ダイオードなどの光源を設ける公知技術がある。
【0559】
即ち、特許文献、特開2005−312599には、本体ケースの上面に内刃台を介して内刃が配備され、内刃を覆う外刃が取り付けられた刃枠を本体ケースに着脱可能に具えた電気カミソリにおいて、刃枠の内面、外刃の内面、内刃又は内刃台の少なくとも1つの部材の表面の少なくとも一部に光触媒が塗布されており、本体ケースには、内部に光触媒の触媒作用を高める光を照射する発光ダイオード、ランプ等の光照射手段と、ケース上面に光照射手段の光を刃枠の内部に導く光透過材料とを具え、光照射手段から照射される光が、本体ケースの上面に配備された光透過材料を介して、光触媒の塗布された部材に当たるようにした電気カミソリが開示されている。
【0560】
しかしながら、特許文献、特開2005−312599に記載の電気カミソリは、発光ダイオード、ランプ等の光照射手段として電気的光源を用いるために電力を消費し、電気カミソリに内蔵する電池の可能な時間を短縮することになる。
【0561】
これに対して本発明の第19の実施の形態の電気カミソリ480では、電気的光源を不要とし電気的光源を点灯する電力を全く必要としない。
【0562】
前述の各種の本発明の実施の形態において、前記応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)として機械的エネルギーの印加により前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発生する第一の応力発光材料と、機械的エネルギーの印加により前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発生する第二の応力発光材料からなる二種類の応力発光材料を用いても良い。
【0563】
この第一の応力発光材料は、光触媒の励起用に用いられ、この第二の応力発光材料は照明、標示、表示用に用いられる。
【0564】
前述の各種の本発明の実施の形態において、前記応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)として長期間蓄光性を有する蓄光性応力発光材料(蓄光性応力発光体、蓄光性応力発光部材)を用いても良い。
【0565】
この場合にも、応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)に加えた外力を停止した以後、長時間にわたり前記光触媒を励起できる。
【0566】
また前述の各種の本発明の実施の形態において、前記応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)と共に長期間持続的に発光する蓄光性を有する蓄光性蛍光体を用いても良い。
【0567】
光触媒と、蓄光性を有しない応力発光材料と前記蓄光性蛍光体との組み合わせて用いる場合には、蓄光性蛍光体が応力発光材料から発生する光線を受光してそのエネルギーを蓄積し、応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)に外力を停止した以後、蓄光性蛍光体が長時間にわたり持続した可視光線を発光する。
【0568】
蓄光性蛍光体から出射した長時間にわたり持続する可視光線は照明、標示、表示用に用いてもよい。
【0569】
前記光触媒の吸収スペクトルと前記蓄光性蛍光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるように前記光触媒と前記蓄光性蛍光材料の組み合わせを選択することにより、蓄光性蛍光体から出射した光線により長時間にわたり持続して光触媒が励起される。
【0570】
例えば。少なくとも可視光線によって励起される可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として紫外線を発生する紫外発光型応力発光材料と、前記応力発光材料からの光線を受光してエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して主として可視光線を発する蓄光性蛍光材料からなるように構成する場合には、前記蓄光性蛍光材料からの発光光線により前記光触媒を長時間持続的に励起することができる。
【0571】
また前述の各種の本発明の実施の形態において、光触媒と、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、前記応力発光材料からの光線を吸収してそのエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発する蓄光性蛍光材料と、前記応力発光材料からの光線を吸収して前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発する蓄光性または非蓄光性の蛍光材料からなるように、応力応答型光触媒装置を構成しても良い。
【0572】
例えば、蓄光性蛍光体は紫色、青色などの短波長可視光線を長時間持続的に発光する第一の種類の蓄光性蛍光体と、緑色、赤色などの長波長可視光線を長時間持続的に発光する第二の種類の蓄光性蛍光体(または蓄光性を有しない通常の蛍光体)を共に用いてもよい。
【0573】
紫外発光型応力発光材料と前記第一および第二の蓄光性蛍光体と光触媒を組み合わせて用い、互いに光結合するようにしてもよい。
【0574】
この場合に、外力の印加により紫外発光型応力発光材料が主として紫外線を発光し、この紫外線のエネルギーを前記第一および第二の蓄光性蛍光体が蓄積し、第一の蓄光性蛍光体から紫色、青色などの短波長可視光線を長時間持続的に発光すると共に第二の蓄光性蛍光体から緑色、赤色などの長波長可視光線を長時間持続的に発光する。
【0575】
それと同時に、紫外発光型応力発光材料からの主として紫外線により光触媒(紫外応答型または紫外線と共に短波長可視光線を吸収する可視応答型光触媒)が励起される。
【0576】
更に光触媒が可視応答型のときには第一の蓄光性蛍光体からの可視光線により励起され長時間持続的に光触媒活性を発揮する。
【0577】
第二の蓄光性蛍光体から緑色、赤色などの長波長可視光線は、可視応答型光触媒には吸収されず外部に出射して長時間にわたり専ら照明、標示、表示などに寄与する。
【0578】
第二の蓄光性蛍光体の替わりに蓄光性を有しない通常の蛍光体を用いてもよく、通常の蛍光体は応力発光材料からの発光光線を吸収して、より長波長の可視光線となって出射され外力の停止とほぼ同時に発光が停止する照明、標示、表示などに寄与する。
【0579】
好ましく使用できる前記蓄光性蛍光体としては、例えば、根本特殊化学株式会社製の「ルミノーバ(登録商標)蓄光顔料」などを用いることが出来る。
【0580】
この根本特殊化学株式会社製のルミノーバ(登録商標)蓄光顔料としては、励起ピーク波長365nm、発光ピーク波長490nm、発光色(青色)、体色(黄白色)、比重3.9、化学組成Sr4Al14O25:Eu,Dyの青色発光蓄光顔料(BG−300シリーズ、品名BG−300M、BG−300F、BG−300FF)、励起ピーク波長325nm、発光ピーク波長440nm、発光色(紫色)、体色(白色)、比重3.0、化学組成CaAl2O4:Eu,Ndの紫色発光蓄光顔料(V−300シリーズ、品名V−300C、V−300M)などが挙げられる。
【0581】
また前述の各種の本発明の実施の形態で好ましく使用できる蓄光性蛍光体としては、例えば、ドイツ国、ハネウエル スペシャリティ ケミカルズ シールズ ジーエムビーエッチ社の「LUMILUX(登録商標)Effect顔料」≡NightGlo≡(Trade Mark)などを用いることが出来る。
【0582】
この「LUMILUX(登録商標)Effect顔料」(LUMILUX TM EFFECT PIGMENTS)としては、Effect Blue SN (品番50034、励起光、UV、太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Blue SN−F2(品番50036、励起光、UV、太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Blue−green SN2(品番50091、励起光、UV、太陽光、発光色、青緑、体色、黄緑)、Effect Blue−green SN−F2(品番50092、励起光、UV、太陽光、発光色、青緑、体色、黄緑)などが挙げられる。
【0583】
また前述の各種の本発明の実施の形態で好ましく使用できる蓄光性蛍光体としては、例えば、日亜化学工業株式会社(NICHIA CORPORATION, JAPAN)から市販されている蓄光蛍光体、長残光発光体「ウルトラ・グロー(商品名)」などを用いることが出来る。
【0584】
この蓄光蛍光体としては、蓄光蛍光体、長残光発光体としては、「ウルトラ・グロー (商品名)」(ULTRA GLOW)、品番NP−2810:発光色;青紫色、体色 白色、発光ピーク波長;440nm、化学組成;CaAl2O4Eu,Nd、品番NP−2820:発光色;青緑色、体色; 薄黄色、発光ピーク波長;490nm、化学組成;Sr4Al14O:Eu,Dyなどが挙げられる。
また前述の各種の本発明の実施の形態で好ましく使用できる蓄光性蛍光体としては、例えば、米国ディグロ カラー株式会社(DAYBLO COLOR CORPORTION,U.S.A.)から市販されている蓄光蛍光体「ナイトグロ」(登録商標)」≡NightGlo≡(Trade Mark)などを用いることが出来る。
【0585】
この蓄光蛍光体としては、蓄光蛍光体「ナイトグロ」(登録商標)」、≡NightGlo≡(Trade Mark)の例えば品番NGX−19: 発光色;青色、発光ピーク波長;470nm、化学組成;Sr2MgSi2O7:Dy,Eu、品番NGX−6Y又はNGX−UF:発光色;黄緑色、発光ピーク波長;520nm、化学組成;SrAl2O4:Dy,Euなどが挙げられる。
【0586】
例えば、前記の各社から市販されている紫色発光または青色発光などの短波長可視光線を発生する蓄光性蛍光体(蓄光顔料)と、紫外線または紫色、青色などの短波長可視光線を発する前記応力発光材料(応力発光体、応力発光部材)とを組み合わせて用いてもよい。
【0587】
例えば、前記の各社から市販されたている紫色発光または前記の青色発光蓄光顔料、蓄光性蛍光体と、前記の紫外線または紫色、青色などの短波長可視光線を発する応力発光体(応力発光材料、応力発光部材)と、更に前記の可視光応答型光触媒を組み合わせて用いるのが望ましい。
【0588】
前記の蓄光性蛍光体と前記の短波長発光型応力発光体と前記の可視光応答型光触媒を互いに光結合するように配置することができる。
【0589】
この場合には、外力の印加により前記短波長発光型応力発光体が紫外線、または紫色光線などの短波長可視光線などの短波長光線を発光する。
【0590】
この短波長光線を前記蓄光性蛍光体が受光して励起され、前記蓄光性蛍光体が長期間持続して青色光線などの短波長可視光線を発光する。
【0591】
更にこの持続的発光光線を前記の可視光応答型光触媒が受光して励起され長期間持続して光触媒活性を示すことができる。
【0592】
前述の各種の実施の形態は、或る実施の形態を構成する部分、部材、装置とそれと異なる実施の形態を構成する部分、部材、装置とを任意に選択して組み合わせても良い。
【0593】
前述の各種の実施の形態は、それらを構成する部分、部材、装置などを他の類似した部分、部材、装置などと置換しても良い。
【0594】
以上に添付図面を参照して各種の本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、本発明の精神と特許請求の範囲に基づいて各種の変形、設計変更および改良が可能であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0595】
【図1】図1は、本発明の基本原理を説明する光触媒部材の概略斜視図である。
【図2】図2は、本発明の光触媒部材の光触媒の吸収スペクトルおよび応力発光体の発光スペクトルを説明するグラフである。
【図3】図3は、本発明の基本原理を説明する概略斜視図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施の形態の光触媒部材を説明する概略斜視図である。
【図5】図5は図4の線X−Xに沿って光触媒部材を切断して示す概略拡大断面図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施の形態の光触媒部材を説明する概略斜視図である。
【図7】図7は図4の線Y−Yに沿って光触媒部材を切断して示す第2の実施の形態の概略拡大断面図である。
【図8】図8を本発明の第3の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図9】図9は本発明の第4の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図10】図10は本発明の第5の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図11】図11は本発明の第6の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図12】図12は本発明の第7の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図13】図13は本発明の第8の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図14】図14は本発明の第9の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図15】図15は本発明の第9の実施の形態の光触媒部材を示す概略拡大断面図である。
【図16】図16は靴の中敷(インソール)を示す概略斜視図およびその一部分P1を拡大して示す概略断面図である。
【図17】図17は本発明の第8の実施の形態の自己支持型光触媒装置を示す概略拡大断面図である。
【図18】図18は本発明の第8の実施の形態の自己支持型光触媒装置を示す概略拡大断面図である。
【図19】図19A、図19Bは本発明の第10の実施の形態の光触媒部材を示す概略平面図である。
【図20】図20は、図19Aの線Y4−Y4または図19Bの線Y5−Y5に沿って切断した概略拡大断面図である。
【図21】図21A、図21Bは、本発明の第11の実施の形態の光触媒装置を示す概略平面図である。
【図22】図22は図21Aの線Y6−Y6および図21Bの線Y7−Y7に沿って切断した概略拡大断面図である。
【図23】図23は、本発明の第12の実施の形態を示す概略斜視図および部分P1を拡大して示す概略断面図である。
【図24】図24は、本発明の第13の実施の形態を示す概略立面図およびその一部P2を拡大して示す概略断面図である。
【図25】図25は、本発明の第14の実施の形態を示しその主要部を断面として示す概略側面図およびその一部P3を拡大して示す概略断面図である。
【図26】図26は靴の中敷(インソール)を示す概略斜視図およびその一部分P4を拡大して示す概略断面図である。
【図27】図27は骨伝導を利用したスピーカーを有する携帯電話の一例を示す概略正面図である。
【図28】図28は図27の線Y5−Y5に沿って切断した概略部分断面図である。
【図29】図29は本発明の第17の実施の形態を示す概略縦断面図および一部分P5を拡大して示す概略断面図である。
【図30】図30は本発明の第18の実施の形態を示す概略斜視図および一部分P6を拡大して示す概略断面図である。
【図31】図31は、往復運動型電気カミソリの一部を切り欠いて断面として示す概略立面図である。
【図32】図32は、図31の要部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0596】
各種の添付図面において、主な要素、素子、部材,部分、装置には次の参照符号を付してある。
【0597】
全ての添付図面において、同一または類似の要素、素子、部材,部分、装置には同一の参照符号を付している。
【0598】
100:応力応答型光触媒部材
110:光触媒、光触媒部材
111:光触媒粒子
112:バインダー(接合材、結着材)
113:バインダー(接合材、結着材)
114:応力発光粒子
115:透明部材
116:光触媒部材(光触媒膜、光触媒層)
117:応力発光体−光触媒複合膜(応力発光体−光触媒層)
120:応力発光体、応力発光部材
121:応力発光粒子
122:バインダー(接合材、結着材)
123:基体
130:基材
140:応力発光体、光触媒複合部材
150:応力発光部材
160:中間部材
170:応力発光体、光触媒複合部材
171:応力発光体−光触媒複合粒子
200:応力応答型光触媒部材
300:応力応答型光触媒部材
310:応力応答型光触媒部材
320:応力応答型光触媒部材
330:応力応答型光触媒部材
340:応力応答型光触媒部材
350:応力応答型光触媒部材
360:応力応答型光触媒部材
370:応力応答型光触媒部材
380:応力応答型光触媒部材
390A:応力応答型光触媒部材
390B:応力応答型光触媒部材
400A:応力応答型光触媒部材
400B:応力応答型光触媒部材
410:抗菌性押しボタン
420:抗菌性吊り手
430:抗菌性マッサージ装置
440:抗菌性靴中敷(靴用部品)
450:抗菌性骨伝導スピーカー付携帯電話(抗菌性骨伝導利用装置)
460:スピーカー
470:抗菌性踏み板装置(体重測定装置、体脂肪測定装置、足マッサージ装置など)
480:抗菌性電気カミソリ
LT:発光光線
EF、EF1、EF2:外力(応力、機械的エネルギー、機械的刺激など)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的エネルギーの印加により応力発光材料を発光させること、および
前記応力発光材料からの発光光線を光触媒に照射させることからなる、
光触媒の励起方法。
【請求項2】
少なくとも可視光線によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として可視光線を発光する可視光発光型応力発光材料を用意すること、
前記応力発光材料に機械的エネルギーを印加して前記応力発光材料から可視
光線を発光させること、および
前記応力発光材料からの可視光線を前記光触媒に照射させて前記光触媒を励起する、光触媒の励起方法。
【請求項3】
少なくとも紫外光線によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒と、機械的エネルギーの印加により主として紫外光線を発光する紫外光発光型応
力発光材料を用意すること、
前記応力発光材料に機械的エネルギーを印加して前記応力発光材料から紫外
光線を発光させること、および
前記応力発光材料からの紫外光線を前記光触媒に照射させて前記光触媒を励起する、光触媒の励起方法。
【請求項4】
機械的エネルギーの印加により応力発光材料から所定の発光スペクトルを有する光線を発生させること、および
前記応力発光材料からの光線を、前記発光スペクトルと少なくとも部分的に重なる吸収スペクトルを有する光触媒に照射させることからなり、
前記発光光線により前記光触媒を励起する、光触媒の励起方法。
【請求項5】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項6】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、
前記光触媒の吸収スペクトルと前記応力発光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるように前記光触媒と前記応力発光材料を選択した、応力応答型光触媒装置。
【請求項7】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、
前記光触媒は、前記応力発光材料からの発光光線を受光できる位置に配置される、応力応答型光触媒装置。
【請求項8】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材と前記応力発光部材部材が積層される、応力応答型光触媒装置。
【請求項9】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材と前記応力発光部材が一体化される、応力応答型光触媒装置。
【請求項10】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材と前記応力発光材料が離間して配置される、応力応答型光触媒装置。
【請求項11】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒が少なくとも可視光によって光触媒活性を発揮する可視光応答型光触媒からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項12】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒が主として紫外光によって光触媒活性を発揮する紫外光応答型光触媒からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項13】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒が少なくとも可視光によって光触媒活性を発揮する可視光応答型
光触媒であり、
前記応力発光材料が主として可視光を発光する可視光発光型応力発光材料で
ある、応力応答型光触媒装置。
【請求項14】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒が主として紫外光によって光触媒活性を発揮する紫外光応答型光触媒であり、
前記応力発光材料が主として紫外光を発光する紫外光発光型応力発光材料である、応力応答型光触媒装置。
【請求項15】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材が膜状、シート状、テープ状または
リボン状の扁平状部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材部材が積層された、応力応答型光触媒装置。
【請求項16】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材が膜状、シート状、テープ状または
リボン状の扁平状部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材部材が支持体となる任意の基材上に積層された、応力応答型光触媒装置。
【請求項17】
複数の光触媒粒子を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する複数の応力発光材料粒子を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材が膜状、シート状、テープ状または
リボン状の扁平状部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材部材が支持体となる任意の基材上に積層された、応力応答型光触媒装置。
【請求項18】
光触媒を含有する光触媒部材と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光部材からなり、
前記光触媒部材および前記応力発光部材が膜状、シート状、テープ状または
リボン状の扁平状部材と、
前記光触媒部材および前記応力発光部材との間に介在された透明または半透明の光透過性部材からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項19】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
透明または半透明の光透過性部材からなり、
前記光触媒および前記応力発光材料が前記光透過性部材に混合または分散して含有された、応力応答型光触媒装置。
【請求項20】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
透明または半透明の光透過性部材からなり、
前記光触媒および前記応力発光材料が前記光透過性部材に混合または分散して含有され、
前記光触媒が前記光透過性部材の少なくとも一表面に偏在して配置された、応力応答型光触媒装置。
【請求項21】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
透明または半透明の光透過性部材からなり、
複数の前記光触媒粒子および複数の前記応力発光材料粒子が前記光透過性部材に混合または分散して含有され、
前記光触媒粒子が前記光透過性部材の少なくとも一表面に偏在して配置された、応力応答型光触媒装置。
【請求項22】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
気体を内部に透過する気体透過性基材からなり、
前記光触媒および前記応力発光材料が前記気体透過性基材の少なくとも内部に配置された、応力応答型光触媒装置。
【請求項23】
機械的エネルギーの印加により発光する少なくとも一つの応力発光粒子と、
前記応力発光粒子からの発光光線により励起される少なくとも一つの光触媒粒子とからなり、
前記応力発光粒子と前記光触媒粒子が結合材を用いるか、または用いずに互いに一体化された応力発光−光触媒複合素子を構成する、応力応答型光触媒装置。
【請求項24】
機械的エネルギーの印加により発光する少なくとも一つの応力発光粒子と、
前記応力発光粒子からの発光光線により励起される少なくとも一つの光触媒粒子とからなり、前記応力発光粒子と前記光触媒粒子が結合材を用いるか、または用いずに互いに一体化された応力発光−光触媒複合素子と、
気体を内部に透過する気体透過性基材からなり、
複数の前記応力発光−光触媒複合素子が前記気体透過性基材の少なくとも内部に配置された、応力応答型光触媒装置。
【請求項25】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、
前記光触媒と前記応力発光材料が水平方向に並置して配置された、応力応答
型光触媒装置。
【請求項26】
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を有する応力発光粒子
または前記応力発光粒子を含有する応力発光部材と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒粒子または前記光触媒粒子を含有する光触媒部材からなり、
前記応力発光粒子または前記応力発光部材の主として表面に前記光触媒粒子または前記光触媒部材を部分的または全面的に配置した、応力応答型光触媒装置。
【請求項27】
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を有する応力発光粒子
を含有する複数の応力発光部材と、
光触媒粒子を含有する複数の光触媒部材と、
前記応力発光部材と前記光触媒部材を含有する光透過性部材からなり、
前記光触媒部材が主として前記光透過性部材の表面近辺に配置された、応力応答型光触媒装置。
【請求項28】
基材と、
前記基材の少なくとも表面に部分的または全面的に配置され、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料を含有する応力発光膜と、
前記応力発光膜に部分的または全面的に配置され、前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒を含有する光触媒膜からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項29】
基材と、
前記基材の表面に部分的または全面的に配置され、応力発光材料と光触媒を含有する応力発光体−光触媒複合膜からなり、
前記応力発光体−光触媒複合膜が、機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなる少なくとも一つの応力発光粒子と、前記応力発光材料からの発光光線により励起される前記光触媒からなる少なくとも一つの光触媒粒子を光透過性結合材に分散した、応力応答型光触媒装置。
【請求項30】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、
前記光触媒と前記応力発光材料を任意の自然物および、または人工物に担持
させた、応力応答型光触媒装置。
【請求項31】
更に前記応力発光材料がからの発光により励起される蓄光性を有するまたは蓄光性を有しない蛍光体を備え、前記光触媒の光吸収スペクトルと前記応力発光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なる、請求項4ないし請求項30のいずれかに記載した、応力応答型光触媒装置。
【請求項32】
更に、前記応力発光体に機械的エネルギーを印加する機械的エネルギー発生手段を備えた、請求項4ないし請求項30のいずれかに記載した、応力応答型光触媒装置。
【請求項33】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
任意の物品(物体)からなり、
前記光触媒と前記応力発光材料を前記物品(物体)に担持させた、光触媒を有する抗菌性物品。
【請求項34】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記光触媒と前記応力発光材料を担持させた任意の物品(物体)からなり、
前記物品が人体と直接的または間接的に接触する物品である、光触媒を有する抗菌性物品。
【請求項35】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記光触媒と前記応力発光材料を担持させた物品(物体)からなり、
前記物品が人体と直接的または間接的に接触する物品であり、
前記物品が押しボタン、キーボード、コンピューターのマウス、車両の吊り手、取っ手、ハンドル、固定型手摺り、乗客コンベヤー用ハンドレール(移動型手摺り)、マッサージ装置、骨伝導音響装置、骨伝導スピーカー付き携帯電話、靴、靴の中敷(インソール)、体重測定装置、体脂肪測定装置、電気カミソリ(シェーバー)、グリップ部を有するスポーツまたはレジャー用品からなる群から選ばれた、抗菌性物品。前記物品が人体と直接的または間接的に接触する物品であり、前記物品が押しボタン、キーボード、マウス型入力機器、タッチ型入力パネル、タッチ型入力パッド、車両の吊り手、取っ手、ハンドル、固定型手摺り、乗客コンベヤー用ハンドレール(移動型手摺り)、マッサージ装置、振動部材、骨伝導音響装置、骨伝導スピーカー付き携帯電話、スピーカー、靴、靴の中敷(インソール)、体重測定装置、体脂肪測定装置、加圧型血圧測定装置、電気カミソリ(シェーバー)、グリップ部を有するスポーツまたはレジャー用品からなる群から選ばれた、抗菌性物品。
【請求項36】
押しボタンまたはキートップからなる押し圧部材において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記押し圧部材に配置した、自己抗菌性押し圧部材。
【請求項37】
握り部材(グリップ部材)を有する車両用吊り手部材において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記握り部材に配置した、自己抗菌性および、または自己浄化性を有する、車両用吊り手部材。
【請求項38】
マーサージ頭部(マーサージ・ヘッド)とマーサージ力発生装置を有するマーサージ装置において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記マーサージ頭部に配置した、自己抗菌性および、または自己浄化性を有する、マーサージ装置。
【請求項39】
靴を構成する靴部材において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記靴部材に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、靴部材。
【請求項40】
靴の中敷(インソール)において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記中敷に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、靴中敷。
【請求項41】
振動ヘッドを有し骨伝導を応用した骨伝導使用装置において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動ヘッドの近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、骨伝導使用装置。
【請求項42】
携帯電話において、
振動ヘッドを有する骨伝導音響機器と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動ヘッドまたはその近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、骨伝導型携帯電話。
【請求項43】
電気的振動部材を有する電気的振動装置において、
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
電気的振動部材からなり、
前記光触媒と前記応力発光材料を前記電気的振動部材に担持させ、
前記電気的振動部材に接触または付着した気体または有機物を光触媒活性により分解する、電気的振動装置。
【請求項44】
振動部材を有するスピーカーにおいて、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記振動部材またはその近辺に配置した、空気清浄機能と発光機能を有する、スピーカー。
【請求項45】
人間が乗る踏み板を有する踏み板装置において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記踏み板またはその近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、踏み板装置。
【請求項46】
人間が乗る踏み板を有する踏み板装置において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記踏み板またはその近辺に配置し、
前記踏み板装置が体重計、体脂脂肪計および振動型足マッサージ機から選ばれた、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、踏み板装置。
【請求項47】
複数の開口を有する固定刃と前記固定刃と接触して移動する移動刃からなる剃刀(カミソリ)装置において、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの発光光線により励起される光触媒からなり、
前記応力発光材料と前記光触媒を前記固定刃および、または前記移動刃、またはそれらの近辺に配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、剃刀装置。
【請求項48】
本体ケースの上面に内刃台を介して複数の内刃が配置され、前記内刃を覆う外刃部材が取り付けられた外刃ケース(外刃枠)を本体ケースに着脱可能に配置した電気カミソリにおいて、
前記外刃ケース(外刃枠)、前記外刃部材、前記内刃または前記内刃台の少なくとも1つの部材の表面の少なくとも一部に光触媒と共に応力発光材料を配置した、自己抗菌性、自己浄化性および、または脱臭機能を有する、電気カミソリ。
【請求項49】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料からなり、
前記応力発光材料は機械的エネルギーの印加停止後も長時間持続して光線を発する蓄光性を有する、応力応答型光触媒装置。
【請求項50】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの光線を受光してエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して光線を発する蓄光性蛍光材料からなり、
前記光触媒の吸収スペクトルと前記蓄光性蛍光材料の発光スペクトルが少なくとも部分的に重なるように前記光触媒と前記蓄光性蛍光材料を選択した、光触媒応力応答型光触媒装置。
【請求項51】
少なくとも可視光線によって励起される可視光応答型光触媒と、
機械的エネルギーの印加により主として紫外線を発生する紫外発光型応力発光材料と、
前記応力発光材料からの光線を受光してエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して主として可視光線を発する蓄光性蛍光材料からなり、
前記蓄光性蛍光材料からの発光光線により前記光触媒が長時間励起される、応力応答型光触媒装置。
【請求項52】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により発光する応力発光材料と、
前記応力発光材料からの光線を吸収してそのエネルギーを蓄積し、その受光停止後も長時間持続して前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発する蓄光性蛍光材料と、
前記応力発光材料からの光線を吸収して前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発する蓄光性または非蓄光性の蛍光材料からなる、応力応答型光触媒装置。
【請求項53】
光触媒と、
機械的エネルギーの印加により前記光触媒を励起する第一のスペクトルを有する光線を発生する第一の応力発光材料と、
機械的エネルギーの印加により前記光触媒をほとんど励起しない第二のスペクトルを有する光線を発生する第二の応力発光材料からなる、応力応答型光触媒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−136953(P2008−136953A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326418(P2006−326418)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(395012709)
【Fターム(参考)】